説明

画像形成装置

【課題】中ユニット及び外カバーが損傷する虞を防止しながらも、構成の簡素化を図ることができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】装置本体1Aの内部に通じる揺動開閉自在な外カバー6の裏側に、転写紙Pが通過する一対の搬送路5を転写紙Pの厚み方向に間隔を隔てて並設してあり、それら両搬送路間に外カバー6と略同じ方向に揺動開閉自在な中ユニットSを設けてあり、外カバー6と中ユニットSとを個別に揺動可能に構成してあり、外カバー6を開いたときに外カバー6の揺動位置が所定の位置を超えて揺動しないように外カバー6を支持する支持部材を外カバー6と装置本体1Aとの間に設けてあり、中ユニットSに支持部材に対する被係止部7を設け、中ユニットSの揺動に伴う被係止部7の軌跡Aを、外カバー6が最大揺動位置に位置したときの支持部材Vと交差させることにより、被係止部7を支持部材Vにて受け止めるように構成してある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置本体の内部に通じる揺動開閉自在な外カバーの裏側に、転写紙が通過する一対の搬送路を前記転写紙の厚み方向に間隔を隔てて並設してあり、それら両搬送路間に前記外カバーと略同じ方向に揺動開閉自在な中ユニットを設けてあり、前記外カバーと前記中ユニットとを個別に揺動可能に構成してあり、前記外カバーを開いたときに前記外カバーの揺動位置が所定の位置を超えて揺動しないように前記外カバーを支持する支持部材を前記外カバーと前記装置本体との間に設けてある画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の画像形成装置では、単に、支持部材としての索状体を外カバーと装置本体とにわたって張設してあるものがあった(尚、このような構成は周知慣用技術であり、適切な先行技術文献を開示できないものである。)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の画像形成装置においては、例えば、転写紙の紙詰まり処理(ジャム処理)やメンテナンス処理を行なうために外カバーを開けると、中ユニットが外カバーと略同じ方向に揺動して中ユニットが外カバーに接当して、中ユニット及び外カバーが損傷する虞があった、特に、使用者やメンテナンス要員が外カバーを勢いよく開けると、中ユニットが外カバーに衝突して、中ユニット及び外カバーが損傷する虞が大きくなるものであった。
【0004】
そこで、中ユニット及び外カバーが損傷する虞を防止するために、索状体を外カバーと装置本体とにわたって張設するとともに、中ユニットを受け止める受け止め部を外カバーに設けて、中ユニットが外カバーに接触しないように構成してある構成が考えられる。このような構成を採用することにより、中ユニット及び外カバーが損傷する虞を防止することができるものの、受け止め部を別に設ける必要がある等、構成の複雑化を招くものであった。
【0005】
本発明は、上記実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、中ユニット及び外カバーが損傷する虞を防止しながらも、構成の簡素化を図ることができる画像形成装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像形成装置は、装置本体の内部に通じる揺動開閉自在な外カバーの裏側に、転写紙が通過する一対の搬送路を前記転写紙の厚み方向に間隔を隔てて並設してあり、それら両搬送路間に前記外カバーと略同じ方向に揺動開閉自在な中ユニットを設けてあり、前記外カバーと前記中ユニットとを個別に揺動可能に構成してあり、前記外カバーを開いたときに前記外カバーの揺動位置が所定の位置を超えて揺動しないように前記外カバーを支持する支持部材を前記外カバーと前記装置本体との間に設けてあるものであって、その第1特徴構成は、前記中ユニットに前記支持部材に対する被係止部を設け、前記中ユニットの揺動に伴う前記被係止部の軌跡を、前記外カバーが最大揺動位置に位置したときの前記支持部材と交差させることにより、前記被係止部を前記支持部材にて受け止めるように構成してある点にある。
【0007】
すなわち、外カバーを開けることにより、外カバーが最大揺動位置まで揺動し、中ユニットが外カバーと略同じ方向に揺動すると、中ユニットの被係止部が外カバーを支持する支持部材に接触して、被係止部を支持部材にて受け止めることになるので、中ユニットが外カバーに接触しないようにして、中ユニット及び外カバーが損傷する虞を防止することができる。しかも、被係止部を受け止める構成を支持部材に兼用させて、構成の簡素化を図ることができる。
したがって、中ユニット及び外カバーが損傷する虞を防止しながらも、構成の簡素化を図ることができる画像形成装置を得るに至った。
【0008】
本発明の第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、前記支持部材が前記外カバーと前記装置本体とにわたって張設された索状体であり、前記索状体に前記被係止部を受け止める受止部を設けてある点を特徴とする。
【0009】
すなわち、外カバーを開けることにより、外カバーが最大揺動位置まで揺動し、中ユニットが外カバーと略同じ方向に揺動すると、中ユニットの被係止部が外カバーと装置本体とにわたって張設された索状体に接触して、索状体の張力に抗して索状体における被係止部の接触箇所を中ユニットの揺動方向に押し下げることになるので、索状体を被係止部を緩衝的に受け止めるダンパーとして機能させて、中ユニット及び外カバーが損傷する虞を一層防止することができる。
しかも、索状体に被係止部を受け止める受止部を設けてあるので、被係止部を索状体及び受止部にて確実に受け止めることができる。
【0010】
本発明の第3特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、前記支持部材が前記外カバーと前記装置本体とにわたって張設された索状体であり、その索状体と前記装置本体又は前記外カバーとの間に、前記索状体を常に緊張させる引っ張り付勢手段を設けてある点を特徴とする。
【0011】
すなわち、外カバーを開けることにより、外カバーが最大揺動位置まで揺動し、中ユニットが外カバーと略同じ方向に揺動すると、中ユニットの被係止部が外カバーと装置本体とにわたって張設された索状体に接触して、索状体の張力に抗して索状体における被係止部の接触箇所を中ユニットの揺動方向に押し下げることになるので、索状体を被係止部を緩衝的に受け止めるダンパーとして機能させて、中ユニット及び外カバーが損傷する虞を一層防止することができる。
しかも、その索状体と前記装置本体又は前記外カバーとの間に、前記索状体を常に緊張させる引っ張り付勢手段を設けてあるので、外カバーが最大揺動位置まで揺動していなくても、被係止部を索状体にて受け止めることができる。
【0012】
本発明の画像形成装置は、装置本体の内部に通じる揺動開閉自在な外カバーの裏側に、転写紙が通過する一対の搬送路を前記転写紙の厚み方向に間隔を隔てて並設してあり、それら両搬送路間に前記外カバーと略同じ方向に揺動開閉自在な中ユニットを設けてあり、前記外カバーと前記中ユニットとを個別に揺動可能に構成してあり、前記外カバーを開いたときに前記外カバーの揺動位置が所定の位置を超えて揺動しないように前記外カバーを支持する支持部材を前記外カバーと前記装置本体との間に設けてあるものであって、その第4特徴構成は、前記支持部材を、前記装置本体と前記外カバーとに亘って架設した索状体又はロッドで構成し、前記中ユニットと前記外カバーとの間に、前記中ユニットを弾性的に前記外カバーに受け止めさせるつるまきバネを設け、そのつるまきバネを前記索状体又はロッドに外嵌して支持させてある点にある。
【0013】
すなわち、外カバーを開けることにより、外カバーが最大揺動位置まで揺動し、中ユニットが外カバーと略同じ方向に揺動すると、つるまきバネが中ユニットを弾性的に外カバーに受け止めさせるので、中ユニット及び外カバーが損傷する虞を防止することができる。しかも、つるまきバネを索状体又はロッドに外嵌して支持させてあるので、つるまきバネを支持する構成を索状体又はロッドに兼用させて、構成の簡素化を図ることができる。
したがって、中ユニット及び外カバーが損傷する虞を防止しながらも、構成の簡素化を図ることができる画像形成装置を得るに至った。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
〔第1実施の形態〕
以下、本発明に係る画像形成装置について説明する。
図1は、本発明の画像形成装置の一実施形態を示すもので、当該画像形成装置1は、例えば、複写機やファクシミリやプリンタ等であり、転写紙Pの表裏両面に印刷を行えるように構成されている。
前記画像形成装置1は、図に示してあるように、給紙カセット、給紙トレイ等の用紙収納手段に収納した転写紙Pをピックアップコロによって1枚ずつ取り出し、中間コロを経てレジストローラにまで搬送した後、レジストローラによって所定のタイミングで画像形成部2に給紙し、画像形成部2で感光体ドラム3に作成されたトナー画像を転写紙Pに転写後、定着部4に搬送するように構成されており、これら一連の転写紙Pの搬送路5Aが、装置本体1A内で縦方向に設定された所謂「縦搬送形式」の装置として構成してある。
そして、両面印刷時に備えて、転写紙Pを表裏反転させるスイッチバック搬送路(不図示)や、表裏反転させた転写紙Pを前記画像形成部2に向けて返送する搬送路5Bが設けてあり、両搬送路5の間には、それぞれの搬送路5A、5Bでの紙送りを行う中ユニットとしての中間搬送装置Sが設けられている。
また、装置本体1Aにおいて、前記搬送路5Bに近いハウジングの片側壁部分には、内部に通じる外カバーとしての揺動開閉カバー6が設けてあり、例えば、ジャム処理や保守点検などの際に、この揺動開閉カバー6を開いて簡単に実施できるように構成されている(図2参照)。これにより、揺動開閉カバー6の裏側に、両搬送路5を転写紙Pの厚み方向に間隔を隔てて並設してある。
尚、この揺動開閉カバー6、及び、前記中間搬送装置Sは、略同じ方向に揺動開閉自在な状態に装置本体1Aに取り付けられている。
【0015】
前記揺動開閉カバー6は、その下縁部を、装置本体1Aのハウジングに対して枢支連結されており、その枢支軸芯X周りに揺動操作することで、開状態と閉状態とに切り替えることができる。一方、前記中間搬送装置Sも、揺動開閉カバー6と同様に、その下縁部を、装置本体1Aのハウジングに対して枢支連結されており、前記揺動開閉カバー6の開閉操作とは個別に枢支軸芯X周りに揺動し、開状態と閉状態とに切り替えることができる。そして、図2に示すように、揺動開閉カバー6を開いたときに揺動開閉カバー6の揺動位置が最大揺動位置を超えて揺動しないように揺動開閉カバー6を支持するストラップV(支持部材、索状体に相当)を揺動開閉カバー6の裏面部分と装置本体1Aの固定部分とにわたって設けてある。
そして、図2、図3に示すように、中間搬送装置SにストラップVに対する被係止部としての突部7を設け、中間搬送装置Sの揺動に伴う突部7の軌跡Aを、揺動開閉カバー6が最大揺動位置に位置したときのストラップVと交差させることにより、突部7をストラップVにて受け止めるように構成してある。
説明を加えると、中間搬送装置Sの枢支軸芯X方向の一側部に略円筒状の突部7を枢支軸芯Xに沿う方向に取り付けてある。そして、枢支軸芯X方向視において、中間搬送装置Sの揺動に伴う突部7の円弧状の軌跡Aを、揺動開閉カバー6が最大揺動位置に位置したときのストラップV、すなわち、揺動開閉カバー6の裏面部分と装置本体1Aの固定部分とを結ぶ直線と交差させ、かつ、平面視において、中間搬送装置Sの揺動に伴う突部7の直線状の軌跡Aを、揺動開閉カバー6が最大揺動位置に位置したときのストラップV、すなわち、揺動開閉カバー6の裏面部分と装置本体1Aの固定部分とを結ぶ直線と重複させてある。そして、枢支軸芯X方向視において、中間搬送装置Sの揺動に伴って、突部7が揺動開閉カバー6が最大揺動位置に位置したときのストラップVと接触するときにおいて、中間搬送装置Sの揺動位置(以下、中間位置と呼称する)が、装置本体1Aと最大揺動位置の揺動開閉カバー6との略中間付近の位置に、換言すると、中間搬送装置Sの傾斜角が最大揺動位置の揺動開閉カバー6の傾斜角の略半分の位置になるように構成してある。
【0016】
前記突部7をストラップVにて受け止める作用について説明を加えると、図3に示すように、揺動開閉カバー6を開けると、揺動開閉カバー6が最大揺動位置まで揺動し、中間搬送装置Sが揺動開閉カバー6と略同じ方向に揺動する(図3(イ)を参照)。中間搬送装置Sが中間位置まで揺動したときに、中間搬送装置Sの突部7がストラップVの中央部付近に接触する(図3(ロ)を参照)。そして、中間搬送装置Sがさらに揺動したときに、中間搬送装置Sの突部7をストラップVにて受け止める(図3(ハ)を参照)。このように、突部7がストラップVの中央部付近を中ユニットの揺動方向に押し下げるときに、突部7に上向きの力が働くことになるので、ストラップVを突部7を緩衝的に受け止めるダンパーとして機能させて、中間搬送装置S及び揺動開閉カバー6が損傷する虞を一層防止することができる。
【0017】
〔第2実施の形態〕
この実施形態では、第1実施形態の構成と異なる構成についてのみ説明し、同じ構成については説明を省略する。
図4に示すように、ストラップVの上面に突部7を受け止める受止部としての板状の切片8をストラップVに略直交するように設けてある。これにより、突部7をストラップV及び切片8にて確実に受け止めることができるものであり、しかも、中間搬送装置Sが中間位置に位置するときの突部7の軌跡Aの方向が、揺動開閉カバー6が最大揺動位置に位置したときのストラップVの方向とほぼ同じ方向であっても、突部7を切片8にて受け止めることができる。
【0018】
〔第3実施の形態〕
この実施形態では、第1実施形態の構成と異なる構成についてのみ説明し、同じ構成については説明を省略する。
図5に示すように、ストラップVと装置本体1Aとの間に、ストラップVを常に緊張させる引っ張り付勢手段としてのつるまきバネ9を設けてある。説明を加えると、つるまきバネ9をストラップVに外嵌し、つるまきバネ9の一端部(装置本体A側の端部)とストラップVの一端部とを固定するとともに、つるまきバネ9の他端部(揺動開閉カバー6側の端部)と装置本体1Aとを固定し、ストラップVを常に緊張させるように、ストラップVの一端部を装置本体A側に引っ張り付勢してある。これにより、揺動開閉カバー6が最大揺動位置まで揺動していなくても、突部7をストラップVにて受け止めることができる。
【0019】
〔第4実施の形態〕
この実施形態では、第1実施形態の構成と異なる構成についてのみ説明し、同じ構成については説明を省略する。
図6に示すように、中間搬送装置Sと揺動開閉カバー6との間に、中間搬送装置Sを弾性的に揺動開閉カバー6に受け止めさせるつるまきバネ10を設け、そのつるまきバネ10をストラップVに外嵌して支持させてある。説明を加えると、つるまきバネ10をストラップVに外嵌し、つるまきバネ10の他端部(揺動開閉カバー6側の端部)を揺動開閉カバー6に固定し、中間搬送装置Sに接当部としての板状の切片11を取り付け、中間搬送装置Sの揺動に伴って、切片11をつるまきバネ10の一端部(装置本体A側の端部)に接当させてある。切片11は、図8に示すように、下縁の中央部に切り欠き11aを形成してある。これにより、つるまきバネ10が中間搬送装置Sを弾性的に揺動開閉カバー6に受け止めさせるので、中間搬送装置S及び揺動開閉カバー6が損傷する虞を防止することができる。しかも、つるまきバネ10をストラップVに外嵌して支持させてあるので、つるまきバネ10を支持する構成をストラップVに兼用させて、構成の簡素化を図ることができる。
【0020】
〔別実施の形態〕
(1)上記各実施の形態では、揺動開閉カバー6の枢支軸芯Xと中間搬送装置Sの枢支軸芯Xとが同じ位置である構成を例示したが、このような構成に代えて、揺動開閉カバー6の枢支軸芯よりも中間搬送装置Sの枢支軸芯のほうが上方に位置する構成としてもよい。
【0021】
(2)上記各実施の形態では、中間搬送装置Sの枢支軸芯X方向の一側部に略円筒状の突部7を枢支軸芯Xに沿う方向に取り付けてある構成を例示したが、このような構成に代えて、中間搬送装置Sの枢支軸芯X方向の両側部の夫々に略円筒状の突部7を枢支軸芯Xに沿う方向に取り付け、それら突部7の夫々を受け止める2つのストラップVを設ける構成としてもよい。
【0022】
(3)上記第1及び第4実施の形態では、揺動開閉カバー6を開いたときに揺動開閉カバー6の揺動位置が最大揺動位置を超えて揺動しないように揺動開閉カバー6を支持するストラップVを揺動開閉カバー6の裏面部分と装置本体1Aの固定部分とにわたって設けてある構成を例示したが、このような構成に代えて、揺動開閉カバー6を開いたときに揺動開閉カバー6の揺動位置が最大揺動位置を超えて揺動しないように揺動開閉カバー6を支持するロッドを揺動開閉カバー6の裏面部分と装置本体1Aの固定部分とにわたって設けてある構成としてもよい。この場合において、第1実施の形態では、そのロッドの周りに弾性変形自在なクッション材を設けて、突部7を緩衝的に受け止めるようにしてもよく、又、第4実施の形態では、つるまきバネの両端部の夫々にリング部を設けて、それらリング部をロッドに外嵌して支持させてもよい。
【0023】
(4)上記各実施の形態では、枢支軸芯X方向視において、中間搬送装置Sの揺動に伴って、突部7が揺動開閉カバー6が最大揺動位置に位置したときのストラップVと接触するときにおいて、中間搬送装置Sの揺動位置が、装置本体1Aと最大揺動位置の揺動開閉カバー6との略中間付近の位置になるように構成してある構成を例示したが、このような構成に代えて、中間搬送装置Sの揺動位置が、装置本体1Aと最大揺動位置の揺動開閉カバー6との略中間よりも装置本体1A寄りの位置になるように構成してもよく、あるいは、構成中間搬送装置Sの揺動位置が、装置本体1Aと最大揺動位置の揺動開閉カバー6との略中間よりも揺動開閉カバー6寄りの位置になるように構成してもよい。
【0024】
(5)上記第2実施の形態では、ストラップVの上面に突部7を受け止める受止部としての板状の切片8を設けてある構成を例示したが、このような構成に代えて、ストラップVの上面の一部を突出させる構成としてもよい。
【0025】
(6)上記第3実施の形態では、ストラップVと装置本体1Aとの間に、ストラップVを常に緊張させるつるまきバネ9を設けてある構成を例示したが、このような構成に代えて、ストラップVと揺動開閉カバー6との間に、ストラップVを常に緊張させるつるまきバネ9を設けてある構成としてもよい。説明を加えると、図7に示すように、揺動開閉カバー6にプーリ12を設け、ストラップVをプーリ12に巻き掛けて、その一端部を装置本体1Aに固定するとともに、他端部をつるまきバネ13の一端部に固定し、つるまきバネ13の他端部を揺動開閉カバー6に固定してもよい。
【0026】
(7)上記第3実施の形態では、つるまきバネ9をストラップVに外嵌し、つるまきバネ9の一端部とストラップVの一端部とを固定するとともに、つるまきバネ9の他端部と装置本体1Aとを固定する構成を例示したが、このような構成に代えて、つるまきバネ9とストラップVとを直列に並べ、ストラップVの他端部を揺動開閉カバー6に固定し、ストラップVの一端部とつるまきバネ9の他端部とを固定し、つるまきバネ9の一端部を装置本体1Aに固定する構成としてもよく、あるいは、装置本体1Aにプーリを設け、ストラップVをプーリに巻き掛けて、その一端部を揺動開閉カバー6に固定するとともに、他端部を引っ張り付勢手段としてのつるまきバネ9の一端部に固定し、つるまきバネ9の他端部を装置本体1Aに固定したり、装置本体1Aにプーリを設け、ストラップVをプーリに巻き掛けて、その一端部を揺動開閉カバー6に固定するとともに、他端部を引っ張り付勢手段としてのウェイトに固定してもよい。
【0027】
(8)上記第4実施の形態では、つるまきバネ10をストラップVに外嵌し、つるまきバネ10の他端部を揺動開閉カバー6に固定し、中間搬送装置Sに板状の切片11を取り付け、中間搬送装置Sの揺動に伴って、切片11をつるまきバネ10の一端部に接当させてある構成を例示したが、このような構成に代えて、つるまきバネ10をストラップVに外嵌し、つるまきバネ10の他端部を揺動開閉カバー6に固定し、中間搬送装置Sの揺動に伴って、中間搬送装置Sを直接つるまきバネ10の一端部に接当させる構成としてもよい。
【0028】
(9)上記第4実施の形態では、切片11における下縁の中央部に切り欠き11aを形成してある構成を例示したが、このような構成に代えて、切片11の側縁をストラップVに近接させる構成や、切片11の下縁をストラップVに近接させる構成や、切片11の下側の隅に切り欠きを形成する構成や、切片11の中央部に長孔を形成してある構成としてもよい。
【0029】
尚、上述のように、図面との対照を便利にするために符号を記したが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】画像形成装置の要部を示す正面視説明図
【図2】第1の実施形態における画像形成装置の要部を示す正面視説明図
【図3】被係止部を支持部材にて受け止める作用を示す図
【図4】第2の実施形態における画像形成装置の要部を示す正面視説明図
【図5】第3の実施形態における画像形成装置の要部を示す正面視説明図
【図6】第4の実施形態における画像形成装置の要部を示す正面視説明図
【図7】別実施形態における画像形成装置の要部を示す正面視説明図
【図8】第4の実施形態における接当部を示す図
【符号の説明】
【0031】
1A 装置本体
5 搬送路
6 外カバー
7 被係止部
8 受止部
9 引っ張り付勢手段
10 つるまきバネ
A 軌跡
P 転写紙
S 中ユニット
V 支持部材、索状体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体の内部に通じる揺動開閉自在な外カバーの裏側に、転写紙が通過する一対の搬送路を前記転写紙の厚み方向に間隔を隔てて並設してあり、それら両搬送路間に前記外カバーと略同じ方向に揺動開閉自在な中ユニットを設けてあり、前記外カバーと前記中ユニットとを個別に揺動可能に構成してあり、前記外カバーを開いたときに前記外カバーの揺動位置が所定の位置を超えて揺動しないように前記外カバーを支持する支持部材を前記外カバーと前記装置本体との間に設けてある画像形成装置であって、
前記中ユニットに前記支持部材に対する被係止部を設け、前記中ユニットの揺動に伴う前記被係止部の軌跡を、前記外カバーが最大揺動位置に位置したときの前記支持部材と交差させることにより、前記被係止部を前記支持部材にて受け止めるように構成してある画像形成装置。
【請求項2】
前記支持部材が前記外カバーと前記装置本体とにわたって張設された索状体であり、前記索状体に前記被係止部を受け止める受止部を設けてある請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記支持部材が前記外カバーと前記装置本体とにわたって張設された索状体であり、その索状体と前記装置本体又は前記外カバーとの間に、前記索状体を常に緊張させる引っ張り付勢手段を設けてある請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
装置本体の内部に通じる揺動開閉自在な外カバーの裏側に、転写紙が通過する一対の搬送路を前記転写紙の厚み方向に間隔を隔てて並設してあり、それら両搬送路間に前記外カバーと略同じ方向に揺動開閉自在な中ユニットを設けてあり、前記外カバーと前記中ユニットとを個別に揺動可能に構成してあり、前記外カバーを開いたときに前記外カバーの揺動位置が所定の位置を超えて揺動しないように前記外カバーを支持する支持部材を前記外カバーと前記装置本体との間に設けてある画像形成装置であって、
前記支持部材を、前記装置本体と前記外カバーとに亘って架設した索状体又はロッドで構成し、前記中ユニットと前記外カバーとの間に、前記中ユニットを弾性的に前記外カバーに受け止めさせるつるまきバネを設け、そのつるまきバネを前記索状体又はロッドに外嵌して支持させてある画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−58778(P2009−58778A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−226248(P2007−226248)
【出願日】平成19年8月31日(2007.8.31)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】