画像形成装置
【課題】部品点数を削減して、軽量化及びコストダウンが可能な画像形成装置が望まれていた。
【解決手段】 転写体の搬送路に沿って配置され、トナー像を担持する複数の像担持体と、各トナー像を転写体に転写するために、該転写体に電荷を供給する少なくとも1つの電荷供給部材とを備える画像形成装置において、電荷供給部材を、複数の像担持体のうち少なくとも1つの像担持体との非対向位置に配置する。
【解決手段】 転写体の搬送路に沿って配置され、トナー像を担持する複数の像担持体と、各トナー像を転写体に転写するために、該転写体に電荷を供給する少なくとも1つの電荷供給部材とを備える画像形成装置において、電荷供給部材を、複数の像担持体のうち少なくとも1つの像担持体との非対向位置に配置する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の像担持体上に形成した各トナー像を転写体に転写してカラー画像を形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式によりカラー画像形成を行うプリンタや複写機等の画像形成装置には、記録媒体や中間転写ベルト等の転写体の搬送路に沿って、複数の感光体ドラム及び転写ローラが、それぞれ対向して配設されている。各感光体ドラムには、それぞれの色のトナーを供給するためのトナーカートリッジが備えられ、周囲に配置された帯電ドラム及び露光器が、感光体ドラムの表面に静電潜像を形成した後、該静電潜像にトナーが供給され、トナー像が形成される。
【0003】
そして、各感光体ドラムと転写ローラとの間に、転写体が搬送されると、転写ローラに転写出力が印加され、感光体ドラムの表面に形成されたトナー像の帯電極性と逆極性の電荷が、搬送された転写体に付与される。これにより、各感光体ドラム上のトナー像が転写体に順次転写され、転写体上にカラー画像が形成される。
【特許文献1】特開2005−70138号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した従来の画像形成装置では、各感光体ドラムに対応して転写ローラを設ける必要があるため、部品点数が多くなってしまい、コストがかかるという問題があった。
【0005】
したがって、部品点数を削減して、軽量化及びコストダウンが可能な画像形成装置が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以上の点を解決するために、次の構成を採用する。
【0007】
〈構成〉
本発明に係る画像形成装置は、転写体の搬送路に沿って配置され、トナー像を担持する複数の像担持体と、トナー像を転写体に転写するために、該転写体に電荷を供給する少なくとも1つの電荷供給部材とを備え、電荷供給部材は、複数の像担持体のうち少なくとも1つの像担持体との非対向位置に配置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の画像形成装置によれば、転写ローラ等の電荷供給部材を、感光体ドラム等の像担持体との非対向位置に配置可能となるので、各像担持体に対応して電荷供給部材を配置する必要がなくなり、電荷供給部材の設置数を削減可能となる。したがって、画像形成装置の軽量化及びコストダウンが実現される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を、図を用いて詳細に説明する。ここでは、本発明を中間転写方式のカラープリンタに適用した場合を例に、説明する。
【実施例1】
【0010】
図1は、本発明の実施例1に係るカラープリンタの概略断面図である。
本実施例のカラープリンタ10は、画像形成装置として、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの4色のトナーを重ね合わせて、カラー画像を形成する。
【0011】
カラープリンタ10には、図1に示されるように、ベルト部材としての中間転写ベルト11の走行方向に沿って、4つの独立した印刷機構12K、12Y、12M及び12Cが、順に配設されている。
【0012】
印刷機構12K、12Y、12M及び12Cは、それぞれ、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンに対する電子写真式LEDプリント機構であり、本実施例では、図1に示されるように、同一構成要素を備えている。以後、印刷機構12K、12Y12M及び12Cの同一構成要素を区別する場合には、符号にそれぞれK、Y、M、Cを付加するが、総称する場合には、符号のみを示す。各符号は、図1の印刷機構12Cにおいて示される。
【0013】
印刷機構12K、12Y、12M及び12Cは、それぞれ、トナー像を形成する画像形成ユニット13と、露光器としてのLEDヘッド14とから構成される。
【0014】
画像形成ユニット13は、着脱可能に配設され、像担持体としての感光体ドラム15を備えている。また、感光体ドラム15は、画像形成ユニット13の下部に露出して、その表面を中間転写ベルト11に当接して配置されている。
【0015】
LEDヘッド14は、LEDアレイと、LEDアレイを駆動するためのドライブICやデータを保持するためのレジスタ群が搭載された基板と、LEDアレイの光を集光するセルフォックレンズアレイとからなり、後述するLEDヘッドインタフェース部50(図3)から入力される画像データ信号に対応して、LEDアレイを発光させることにより、一様に帯電した感光体ドラム15の表面を露光して、静電潜像を形成する。
【0016】
画像形成ユニット13の内部には、感光体ドラム15の周囲に、感光体ドラム15の表面を一様に帯電させるための帯電器である帯電ローラ16と、現像剤担持体である現像ローラ17とが、それぞれ、感光体ドラム15の表面に当接して配設されている。また、感光体ドラム15の周囲には、感光体ドラム15と中間転写ベルト11との当接部下流側に、感光体ドラム15の表面に光を照射して残留電荷を除電する除電光源18が設置されている。
【0017】
画像形成ユニット13の内部には、更に、現像ローラ17の周囲に、現像剤供給部材であるスポンジローラ19と、層規制部材である現像ブレード20とが、現像ローラ17の表面に当接して配置されている。
【0018】
画像形成ユニット13の上部には、トナー収容器であるトナーカートリッジ21が着脱可能に搭載され、該トナーカートリッジ21から画像形成ユニット13の内部に、現像剤としてのトナー22が供給される。本実施例では、トナー22は、摩擦帯電によりマイナスの電荷を帯びるべく、予め材料が選定されている。
【0019】
また、画像形成ユニット13の下部には、上述したように、中間転写ベルト11が配設されている。中間転写ベルト11の構造を、図2に示す。
図2は、実施例1の中間転写ベルトの構造を示す説明図である。
【0020】
本実施例の中間転写ベルト11は、図2に示されるように、継目なしのエンドレス状に形成されたプラスチックフィルムからなり、支持部材としてのベルト駆動ローラ23、ベルト従動ローラ24及び2次転写バックアップローラ25に張架される。この中間転写ベルト11は、図2に示されるように、高抵抗材料からなる高抵抗層65と、低抵抗材料からなる導電層66との2層構造を有し、高抵抗層65を外周面として、該外周面上部を感光体ドラム15の表面に当接した状態で、ベルト駆動ローラ23の駆動により回転走行する。
【0021】
中間転写ベルト11の高抵抗層65は、本実施例では、体積抵抗率が1011〜1013Ω・cmとなるように、ポリアミドイミド(PAI)にカーボンを混入して形成される。また、中間転写ベルト11の導電層66は、本実施例では、体積抵抗率が104Ω・cm以下となるように、導電性部材としてのアルミ薄膜を圧延し、上記した高抵抗層65に張り合わせて或いは蒸着して形成される。
【0022】
ベルト駆動ローラ23、ベルト従動ローラ24及び2次転写バックアップローラ25は、何れも導電性部材で構成され、電荷供給部材として、後述する1次転写電圧制御部56(図3)に接続される。
【0023】
中間転写ベルト11の下部には、給紙機構26が設けられている。給紙機構26は、複数の記録媒体27が収容される記録媒体収容カセット28と、ホッピングローラ29と、給紙センサ30と、レジストローラ31と、ピンチローラ32と、ガイド33とを備え、2次転写部34への給紙を行う。
【0024】
ホッピングローラ29は、ホッピングモータ59(図3)により回転駆動され、図示しない弁別手段により記録媒体収容カセット28から1枚ずつ選択された記録媒体27を、レジストローラ31及びピンチローラ32間へ搬送する。給紙センサ30は、レジストローラ31及びピンチローラ32間への記録媒体27の到達を検知し、後述するプリンタ制御部58(図3)に通知する。レジストローラ31は、レジストモータ60(図3)により回転駆動され、ピンチローラ32は、レジストローラ31の駆動に伴い従動回転する。ガイド33は、レジストローラ31及びピンチローラ32により搬送された記録媒体27を、2次転写部34へ搬送して給紙する。
【0025】
2次転写部34には、2次転写ローラ35が、中間転写ベルト11を間に、2次転写バックアップローラ25に対向して配設される。2次転写ローラ35は中間転写ベルト11の外周面、即ち高抵抗層65に当接し、給紙機構26により給紙された記録媒体27が、この当接部、即ちニップ部に到達すると、中間転写ベルト11上に転写されたトナー像が、記録媒体27の表面に2次転写される。
【0026】
2次転写部34においてトナー像が転写された記録媒体27は、中間転写ベルト11から分離され、ガイド36へと搬送される。記録媒体27の搬送方向下流側には、記録媒体27の後端位置を検出するための位置検出センサ37が設けられ、中間転写ベルト11からの分離に失敗した記録媒体27は、この位置検出センサ37により検出される。中間転写ベルト11から分離された記録媒体27は、ガイド36により、更に定着機構38へと案内される。
【0027】
定着機構38は、ヒートローラ39及び加圧ローラ40を備えている。ヒートローラ39は、ヒータモータ62(図3)により回転駆動され、加圧ローラ40は、ヒートローラ39の駆動に伴い従動回転する。ヒートローラ39の表面近傍には、サーミスタ41が配置され、ヒートローラ39の温度を監視している。定着機構38に搬送された記録媒体27は、このヒートローラ39及び加圧ローラ40により加熱及び加圧され、2次転写部34において転写された各色のトナー像が、記録媒体27の表面に定着される。また、ヒートローラ39の下流側には、排出センサ42が設けられ、定着機構38における記録媒体27のヒートローラ39への巻き付きやジャムの発生を監視している。
【0028】
排出センサ42の更に下流側には、定着機構38から排出された記録媒体27を搬送するためのガイド43が設けられている。定着機構38によりトナー像が定着された記録媒体27は、このガイド43により、カラープリンタ10の上部に設けられたスタッカ44へと搬送して排出される。
【0029】
また、中間転写ベルト11のベルト従動ローラ24との当接部側面には、クリーニングブレード45が当接して配置される。このクリーニングブレード45は、例えば可撓性のゴム材或いはプラスチック材からなり、中間転写ベルト11の回転走行に伴い、中間転写ベルト11の表面に付着したトナーやゴミ等を掻き取る。掻き取られたトナーやゴミ等は、クリーニングブレード45の下部に設置された廃トナータンク46に収容される。
【0030】
また、カラープリンタ10の内部には、更に、環境温度/湿度センサ47が備えられている。環境温度/湿度センサ47は、カラープリンタ10内部の温度及び湿度を検出する機能を有し、例えば、カラープリンタ10の側面に設置された高圧基板に実装される。
【0031】
続いて、本実施例のカラープリンタ10の制御系統について、詳細に説明する。
図3は、本発明の実施例1に係るカラープリンタの機能構成を示すブロック図である。
なお、図3において、符号K、Y、M、Cは、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの各印刷機構12に対応している。
【0032】
カラープリンタ10は、図3に示されるように、ホストインタフェース部48、コマンド/画像処理部49、LEDヘッドインタフェース部50、モータ制御部51、定着機構温度制御部52、高圧制御部53、帯電バイアス制御部54、現像バイアス制御部55、1次転写電圧制御部56、2次転写電圧制御部57及びプリンタ制御部58を備えている。
【0033】
ホストインタフェース部48は、図示されないPC等のホスト装置との物理的階層におけるインタフェースを担う部分であり、コネクタや通信用のチップ等から構成される。ホストインタフェース部48は、ホスト装置から、印刷処理の実行を指示するコマンドや印刷すべき画像データ等を受信して、コマンド/画像処理部49へ送る。
【0034】
コマンド/画像処理部49は、ホストインタフェース部48を介してホスト装置から受信したコマンドの解釈処理や、PDL(Page Description Language)等で記述された画像データのビットマップデータへの展開処理等を実行する処理部であり、マイクロプロセッサやRAM等から構成される。コマンド/画像処理部49により解釈処理されたコマンドは、プリンタ制御部58へ出力され、展開処理されたビットマップデータは、LEDヘッドインタフェース部50へ出力される。
【0035】
LEDヘッドインタフェース部50は、コマンド/画像処理部49から入力されたビットマップデータに対して、各LEDヘッド14K、14Y、14M及び14Cのインタフェースに合わせた加工処理を行う機能を有し、セミカスタムLSIやRAM等から構成される。
【0036】
モータ制御部51は、ホッピングモータ59、レジストモータ60、ベルトモータ61、ヒータモータ62、ドラムモータ63等の各モータの駆動を制御する。
【0037】
ホッピングモータ59は、ホッピングローラ29を回転駆動する駆動部である。レジストモータ60は、レジストローラ31を回転駆動する。ベルトモータ61は、中間転写ベルト11を回転走行させるために、ベルト駆動ローラ23を回転駆動する。ヒータモータ62は、定着機構38に備えられたヒートローラ39を回転駆動する。ドラムモータ63は、各画像形成ユニット13K、13Y、13M及び13Cに備えられた感光体ドラム15K、15Y、15M及び15Cを回転駆動する。
【0038】
定着機構温度制御部52は、サーミスタ41により検出されるヒートローラ39の温度を、後述するプリンタ制御部58により通知される定着温度に保持すべく、定着機構38の温度制御を行う。
【0039】
定着機構ヒータ64は、ハロゲンランプからなり、ヒートローラ39の内部に配置され、定着機構温度制御部52の制御により、図示されない電力供給部から電力供給を受けて、ヒートローラ39を加熱する。
【0040】
高圧制御部53は、マイクロプロセッサ或いはカスタムLSIから構成され、各画像形成ユニット13K、13Y、13M及び13Cに対する帯電バイアス、現像バイアスの供給を司ると共に、1次転写部及び2次転写部34における転写電圧の供給を司るために、帯電バイアス制御部54、現像バイアス制御部55、1次転写電圧制御部56及び2次転写電圧制御部57を制御する。
【0041】
帯電バイアス制御部54は、帯電ローラ16K、16Y、16M及び16Cに対する帯電バイアスの供給及び停止を制御する。
【0042】
現像バイアス制御部55は、現像ローラ17K、17Y、17M及び17Cに対する現像バイアスの供給及び停止を制御する。
【0043】
1次転写電圧制御部56は、電荷供給部材としてのベルト駆動ローラ23、ベルト従動ローラ24及び2次転写バックアップローラ25に対する1次転写電圧の供給及び停止を制御する。1次転写電圧制御部56は、環境温度/湿度センサ47により検出されたカラープリンタ10内部の温度及び湿度に基づいて、適切な出力電圧を決定し、定電圧制御を行う。
【0044】
2次転写電圧制御部57は、2次転写ローラ35に対する2次転写電圧の供給及び停止を制御する。2次転写電圧制御部57は、環境温度/湿度センサ47により検出されたカラープリンタ10内部の温度及び湿度に基づいて、適切な出力電圧を決定し、定電圧制御を行う。
【0045】
プリンタ制御部58は、コマンド/画像処理部49から受けたコマンドに基づいて、カラープリンタ10の各部の制御を行う。また、プリンタ制御部58は、環境温度/湿度センサ47により検出されたカラープリンタ10内部の温度及び湿度を、高圧制御部53に通知すると共に、該温度及び湿度に基づいて、定着機構38における最適な定着温度を決定し、定着機構温度制御部52に通知する。
【0046】
次に、本実施例のカラープリンタ10の動作について、説明する。
ここでは、カラープリンタ10が印刷処理を行う場合の処理の流れについて、説明する。
【0047】
カラープリンタ10において、ホストインタフェース部48が、図示されないPC等のホスト装置により送信された印刷要求コマンド及び画像データを受信すると、該印刷要求コマンド及び画像データは、コマンド/画像処理部49へ送られる。
【0048】
コマンド/画像処理部49は、受け取った印刷要求コマンドに基づいて、プリンタ制御部58に印刷開始指示を送ると共に、画像データの展開処理を行って、1ページ毎のビットマップデータを各色、即ちブラック、イエロー、マゼンタ、シアンに対応して生成し、記憶しておく。
【0049】
プリンタ制御部58は、印刷開始指示を受け取ると、環境温度/湿度センサ47からの出力を参照して、最適な定着温度を決定し、該定着温度を定着機構温度制御部52に通知する。定着機構温度制御部52は、サーミスタ41からの出力を参照して、通知された定着温度に保持すべく、定着機構ヒータ64をON/OFFする。
【0050】
コマンド/画像処理部49において1ページ分のビットマップデータが生成して記憶され、定着機構38においてサーミスタ41からの出力が最適な定着温度に到達すると、プリンタ制御部58は、印刷処理を開始すべく、高圧制御部53に帯電バイアス、現像バイアス及び1次転写電圧の供給開始を指示すると共に、モータ制御部51にモータの駆動開始を指示する。
【0051】
高圧制御部53は、帯電バイアス制御部54に帯電バイアスの供給を指示する。この指示を受けて、帯電バイアス制御部54は、帯電ローラ16K、16Y、16M、16Cに、帯電バイアスを供給し、感光体ドラム15K、15Y、15M、15Cの表面を帯電させる。
【0052】
高圧制御部53は、また、現像バイアス制御部55に現像バイアスの供給を指示する。この指示を受けて、現像バイアス制御部55は、現像ローラ17K、17Y、17M、17Cに、現像バイアスを供給する。
【0053】
高圧制御部53は、更に、1次転写電圧制御部56に1次転写電圧の供給を指示する。その際、高圧制御部53は、プリンタ制御部58により通知された環境温度/湿度センサ47からの出力情報を、1次転写電圧制御部56に通知する。1次転写電圧制御部56は、通知された出力情報に基づいて、出力電圧を決定し、ベルト駆動ローラ23、ベルト従動ローラ24及び2次転写バックアップローラ25に1次転写電圧を供給する。ここでは、1次転写電圧制御部56が、1次転写電圧として+1000Vを、ベルト駆動ローラ23、ベルト従動ローラ24及び2次転写バックアップローラ25に供給した場合を例に、説明する。
【0054】
1次転写電圧制御部56からの電圧の出力を受け、導電性部材からなるベルト駆動ローラ23、ベルト従動ローラ24及び2次転写バックアップローラ25には、+1000Vの電圧が印加される。また、中間転写ベルト11の導電層66は、図2に示されるように、その内周面をベルト駆動ローラ23、ベルト従動ローラ24及び2次転写バックアップローラ25の表面に当接するため、これらと同じ電圧、即ち+1000Vの電圧を印加されることとなる。
【0055】
モータ制御部51は、モータの駆動開始を指示されると、ベルトモータ61及びドラムモータ63を駆動する。ベルトモータ61が駆動されると、ベルト駆動ローラ23が回転を開始し、中間転写ベルト11が回転走行を開始する。また、ドラムモータ63が駆動されると、各画像形成ユニット13において、感光体ドラム15、帯電ローラ16、現像ローラ17及びスポンジローラ19が回転を開始する。
【0056】
感光体ドラム15及び帯電ローラ16の回転に伴い、感光体ドラム15の表面は、一様に帯電する。例えば、帯電ローラ16に−1000Vの電圧が印加されると、感光体ドラム15は−500Vに帯電する。また、トナーカートリッジ21から供給されたトナー22は、スポンジローラ19の回転に伴い、現像ブレード20に到達する。そして、現像ローラ17の回転に伴い、現像ローラ17の外周上には、現像ブレード20により薄層化されたトナー層が形成される。その際、トナー22は、現像ローラ17と現像ブレード20との摩擦により、マイナスに帯電する。例えば、現像ローラ17には−200Vの電圧が印加される。
【0057】
感光体ドラム15の表面が一様に帯電し、現像ローラ17にトナー層が形成された後、1次転写電圧の供給により中間転写ベルト11に+1000Vの電圧が印加されると略同時に、コマンド/画像処理部49は、プリンタ制御部58の制御に基づいて、所定のタイミングで、ブラックのビットマップデータを1ライン分読み出して、LEDヘッドインタフェース部50へ出力する。
【0058】
ここで、コマンド/画像処理部49は、1次転写電圧の供給により中間転写ベルト11に+1000Vの電圧が印加された後、感光体ドラム15の中間転写ベルト11との当接部が、1次転写部からLEDヘッド14による露光部まで回転を行ったタイミングで、ビットマップデータの送信を行う。その理由は以下の通りである。即ち、1次転写電圧の供給時、即ち中間転写ベルト11に電圧が印加されている場合、1次転写部において、感光体ドラム15及び中間転写ベルト11間の電位差に基づく電荷の移動が発生する。この電荷の移動に伴い、感光体ドラム15Kは、1次転写電圧の供給停止時と比較して、表面電位に差が生じることとなる。このような表面電位の差の発生は、感光体ドラム15K上に形成されるトナー像に濃度差を生み出し、結果として、画像劣化を招く可能性がある。したがって、コマンド/画像処理部49は、感光体ドラム15Kの表面電位の安定を待って、ビットマップデータの送信を行う。
【0059】
コマンド/画像処理部49からビットマップデータの入力を受けると、LEDヘッドインタフェース部50は、該ビットマップデータをLEDヘッド14Kのインタフェースに合わせて加工して、画像データ信号を生成し、該画像データ信号をLEDヘッド14Kに出力する。
【0060】
LEDヘッド14Kは、入力された画像データ信号に基づき、対応するLEDアレイを発光させる。これにより、一様に帯電した感光体ドラム15Kの表面が露光され、1ライン分の静電潜像が形成される。例えば、LEDヘッド14Kにより露光され、静電潜像が形成された感光体ドラム15Kの表面の電位は、約−50〜0V程度にされる。
【0061】
上記のように、1ライン毎に送られてくるビットマップデータが、感光体ドラム15Kの表面に順次静電潜像化され、1ページ分の静電潜像が感光体ドラム15K上に形成される。この静電潜像に、現像バイアスが供給されて帯電した現像ローラ17Kから、ブラックのトナー22Kが静電気力により付着する。このとき、静電潜像が形成されていない感光体ドラム15Kの表面は−500Vに帯電しているため、トナー22Kは当該表面には付着しない。これにより、感光体ドラム15Kの表面に、ブラックのトナー像が形成されることとなる。
【0062】
イエロー、マゼンタ、シアンの各色についても、各印刷機構12の配置間隔に基づくタイミングで、同様にビットマップデータが送信され、各感光体ドラム15Y、15M、15Cの表面に、イエロー、マゼンタ、シアンのトナー像が、それぞれ形成される。
【0063】
続いて、各感光体ドラム15上に形成されたトナー像が、1次転写部において、中間転写ベルト11に転写される。この1次転写の流れについて、図を用いて説明する。
図4は、1次転写部に発生する電界についての説明図である。
【0064】
感光体ドラム15は、図4に示されるように、光導電性部材からなる表層67と、アルミ管68とから構成される。感光体ドラム15のアルミ管68は、図4に示されるように、接地されている。
【0065】
1次転写電圧の供給により、中間転写ベルト11の導電層66は、+1000Vの電圧が印加される。したがって、接地されたアルミ管68と中間転写ベルト11の導電層66との間には、電位差が発生する。この電位差により、感光体ドラム15と中間転写ベルト11との間には、図4に矢印で示す方向、即ち、中間転写ベルト11から感光体ドラム15へ向かう方向に、電界が発生する。
【0066】
感光体ドラム15の表面に付着したトナー22は、マイナスに帯電している。したがって、1次転写部において、該トナー22は、図4に示す電界に基づいて、感光体ドラム15から中間転写ベルト11方向への静電気力を受ける。これにより、感光体ドラム15上に形成されたトナー像は、中間転写ベルト11に転写されることとなる。
【0067】
各印刷機構12におけるトナー画像の転写に際して、プリンタ制御部58は、それぞれの除電光源18を点灯し、感光体ドラム15の1次転写部下流側に向けて、光を照射する。この除電光源18からの光の照射により、感光体ドラム15上の残留電荷は除電される。除電された感光体ドラム15は、帯電ローラ16により再度帯電される際に、より一様かつ所定電位への帯電が可能となる。
【0068】
このように、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの各トナー像が、各印刷機構12の配置間隔に基づく時間差で、中間転写ベルト11上に順次転写され、中間転写ベルト11上には、フルカラーの未定着トナー像が形成される。中間転写ベルト11は、更に回転走行を行い、未定着トナー像が転写された転写面が、2次転写部34へ到達することとなる。
【0069】
一方、プリンタ制御部58は、上記した転写面が、2次転写部34、即ち2次転写ローラ35及び2次転写バックアップローラ25のニップ部に到達するタイミングに合わせて、モータ制御部51に給紙指示を行う。
【0070】
モータ制御部51は、給紙指示を受けると、ホッピングモータ59の駆動を開始して、ホッピングローラ29を回転させる。記録媒体収容カセット28に収容されている記録媒体27は、図示しない弁別手段により選択され、ホッピングローラ29の回転により送り出される。この記録媒体27が給紙センサ30により検知され、レジストローラ31及びピンチローラ32間に到達すると、モータ制御部51は、ホッピングモータ59の駆動を停止する。これにより、ホッピングローラ29はその回転を停止する。
【0071】
プリンタ制御部58は、位置検出センサ37からの出力や、ビットマップデータの送信開始タイミング、ベルト駆動ローラ23の駆動速度、1次転写部から2次転写部34までの距離等に基づいて、中間転写ベルト11上の未定着トナー像転写面が2次転写部34に到達するタイミングを計る。そして、プリンタ制御部58は、このタイミングに合わせて、2次転写部34への給紙を行う。モータ制御部51が、レジストモータ60及びヒータモータ62の駆動を開始し、レジストローラ31及びピンチローラ32間の記録媒体27は、レジストローラ31の回転に伴いガイド33へと搬送された後、該ガイド33により案内されて、2次転写部34へと給紙される。また、ヒータモータの駆動に伴い、定着機構38において、ヒータローラ39が回転を開始する。
【0072】
記録媒体27が2次転写部34に到達すると、プリンタ制御部58からの指示に基づき、高圧制御部53が、2次転写電圧制御部57による2次転写電圧の供給を開始させる。2次転写電圧制御部57は、高圧制御部53により通知された環境温度/湿度センサ47からの出力情報と、記録媒体27の厚さや材質等の媒体情報とに基づいて、出力電圧を決定し、2次転写ローラ35に2次転写電圧を供給する。なお、2次転写電圧制御部57により使用される媒体情報は、例えば、図示しないオペレーションパネルにより、或いはホスト装置により入力される。
【0073】
2次転写電圧供給時に、2次転写部34に発生する電界の様子を、図5に示す。
図5は、2次転写部に発生する電界についての説明図である。
【0074】
本実施例では、2次転写部34において、2次転写バックアップローラ25には、1次転写電圧制御部56からの出力により、+1000Vの1次転写電圧が印加されている。したがって、マイナス帯電のトナーを中間転写ベルト11から記録媒体27方向へ転写させるためには、2次転写ローラ35には、+1000Vよりも高い2次転写電圧を供給する必要がある。本実施例では、2次転写ローラ35には、2次転写電圧として+3000Vの電圧が供給されるものとする。
【0075】
図5において、2次転写ローラ35が、2次転写電圧の供給により、+3000Vに帯電している。一方、2次転写バックアップローラ25と中間転写ベルト11の導電層66とは、1次転写電圧の供給により、+1000Vに帯電している。したがって、2次転写ローラ35と中間転写ベルト11の導電層66との間には、電位差が発生し、図5に矢印で示す方向、即ち、2次転写ローラ35から中間転写ベルト11へ向かう方向に、電界が発生する。
【0076】
この電界に基づいて、中間転写ベルト11上の未定着トナー像は、中間転写ベルト11から2次転写ローラ35方向への静電気力を受ける。一方、2次転写部34には、記録媒体27が、中間転写ベルト11及び2次転写ローラ35間のニップ部に給紙されている。したがって、中間転写ベルト11上のトナー像が、静電気力に基づき2次転写ローラ35方向へと移動し、記録媒体27の表面に転写されることとなる。
【0077】
中間転写ベルト11は、引き続き回転走行を行う。トナー像が転写された記録媒体27は、中間転写ベルト11から分離され、ガイド36へと搬送された後、更に定着機構38へと案内される。
【0078】
定着機構38において、ヒートローラ39は、定着機構温度制御部52の制御により、最適な定着温度に保持されると共に、加圧ローラ40と共に回転している。記録媒体27は、このヒートローラ39及び加圧ローラ40により加熱及び加圧され、2次転写部34において転写されたトナー像が、記録媒体27の表面に定着される。
【0079】
その後、記録媒体27は、定着機構38から排出され、ガイド43により搬送されて、スタッカ44へと排出される。プリンタ制御部58は、排出センサ42による該記録媒体27の後端位置の検出により、記録媒体27の排出を把握すると、モータ制御部51にモータの駆動停止を指示する。また、高圧制御部53は、中間転写ベルト11の走行停止に伴い、1次転写電圧制御部56による1次転写電圧の供給を停止し、記録媒体27の2次転写部34通過に伴い、2次転写電圧制御部57による2次転写電圧の供給を停止する。更に、高圧制御部53は、各ドラムの回転停止に伴い、帯電バイアス制御部54による帯電バイアスの供給と、現像バイアス制御部55による現像バイアスの供給とを、それぞれ停止する。これにより、カラープリンタ10における印刷処理は終了する。
【0080】
上記のように、各感光体ドラム15に形成されたトナー像が、中間転写ベルト11上に転写された後、給紙機構26から給紙された記録媒体27に2次転写され、カラー画像が形成される。
【0081】
以上のように、本実施例のカラープリンタは、導電層を有する中間転写ベルトを、導電性部材からなるベルト駆動ローラ、ベルト従動ローラ及び2次転写バックアップローラに張架し、これらのベルト駆動ローラ、ベルト従動ローラ及び2次転写バックアップローラを介して、中間転写ベルトに1次転写電圧を印加する。これにより、ベルト駆動ローラ、ベルト従動ローラ及び2次転写バックアップローラに当接する導電層にも1次転写電圧が供給されるので、1次転写部において、各感光体ドラムとの対向位置に、転写ローラ等の電荷供給部材を新たに設ける必要がなくなる。したがって、部品点数が削減され、コストの削減及び装置の軽量化が可能となる。また、従来のカラープリンタにおける転写ローラから中間転写ベルト及び感光体ドラムへの圧接力が除去されるので、中間転写ベルト及び感光体ドラムの磨耗が防止されると共に、中間転写ベルトの駆動負荷が軽減され、安定した走行が可能となる。
【0082】
なお、中間転写ベルト11と感光体ドラム15とを密着させるために、中間転写ベルト11を導電層66側から感光体ドラム15方向へ押し付けるガイド部材を、各感光体ドラム15との対向位置に配設してもよい。この場合、中間転写ベルト11及び感光体ドラム15の密着性が増すことにより、転写抜け等の発生が抑制され、更に良好な画像形成が実現される。
【実施例2】
【0083】
実施例1のカラープリンタ10では、導電層66を有する中間転写ベルト11を、導電性部材からなるベルト駆動ローラ23、ベルト従動ローラ24及び2次転写バックアップローラ25に張架することにより、転写ローラを設けずとも転写電圧の供給が可能となった。
【0084】
しかしながら、4色のトナー像を中間転写ベルト11上に順次転写するにしたがい、感光体ドラム15及び中間転写ベルト11間において、放電の発生や、感光体ドラム15及び中間転写ベルト11の接触による電荷の移動により、中間転写ベルト11の転写面、即ち高抵抗層65にマイナス電荷が蓄積し、1次転写部における転写電圧の不足を招くという問題があった。
【0085】
そこで、上記した問題を解決すべく、本実施例では、以下のようにカラープリンタ70を構成する。
【0086】
図6は、本発明の実施例2に係るカラープリンタの概略断面図である。
本実施例のカラープリンタ70は、ベルト除電光源72K、72Y、72Mを追加する構成が、実施例1とは異なる。
なお、本実施例において、実施例1と同様な構成については同一の符号で示し、これらについての詳しい説明を省略する。
【0087】
カラープリンタ70は、画像形成装置として、図6に示されるように、ベルト部材としての中間転写ベルト71の走行方向に沿って配設される4つの独立した印刷機構12K、12Y、12M及び12Cを備えている。
【0088】
図7は、実施例2の中間転写ベルトの構造を示す説明図である。
本実施例の中間転写ベルト71は、図7に示されるように、継目なしのエンドレス状に形成され、光導電性部材からなる光導電層74と、導電性部材からなる導電層66との2層構造を有する。
【0089】
中間転写ベルト71の光導電層74は、本実施例では、感光体ドラム15(図4)の表層67と同一の光導電性部材により形成される。
【0090】
各印刷機構12K、12Y、12M及び12Cの間には、図6に示されるように、ベルト除電光源72K、72M、72Cが配置されている。各ベルト除電光源72K、72M、72Cは、除電部材として、中間転写ベルト71の表面に光を照射して、蓄積されたマイナス帯電を除電する。
【0091】
図8は、本発明の実施例2に係るカラープリンタの機能構成を示すブロック図である。
プリンタ制御部73は、実施例1のプリンタ制御部58の各機能に加えて、更に、ベルト除電光源72K、72Y及び72Mの点灯及び消灯を制御する。
【0092】
次に、本実施例のカラープリンタ70の動作について、説明する。
ここでは、カラープリンタ70における印刷処理の流れについて、実施例1と異なる部分のみ、説明を行う。
【0093】
感光体ドラム15K上のトナー像を、中間転写ベルト71に転写する処理の流れについては、実施例1と同一である。本実施例では、プリンタ制御部73は、印刷機構12Kにおいて、感光体ドラム15K上に形成されたトナー像の中間転写ベルト71への転写が開始されると、ベルト除電光源72Kを点灯する。
【0094】
感光体ドラム15K上のトナー像が中間転写ベルト71に転写される際、前述したように、放電の発生や接触による電荷の移動により、中間転写ベルト71にマイナスの電荷が付着することがある。ここで、中間転写ベルト71の感光体ドラム15との当接する側の面、即ち転写面は、図7に示されるように、光導電層74からなり、その裏側は導電層66が形成されている。この中間転写ベルト71の転写面に、ベルト除電光源72Kからの光が照射されることにより、1次転写部において光導電層74上に付着したマイナス電荷が、除電されることとなる。
なお、トナー像のマイナス帯電は、ベルト除電光源72Kからの光の照射を受けても、除電されることはない。したがって、印刷機構12Yにおける感光体ドラム15Y上のトナー像の1次転写に際して、中間転写ベルト71上に転写済のブラックのトナー像は、そのマイナス帯電を維持し、該トナー像に含まれるブラックのトナー22Kの感光体ドラム15Yへの逆転写は防止される。
【0095】
以下、印刷機構12Y、12M、12Cにおいても、同様の処理が繰り返され、中間転写ベルト71上にフルカラートナー像が形成される。その後、2次転写部34において、該フルカラートナー像が記録媒体27に転写された後、定着機構38において定着される。記録媒体27がスタッカ44に排出されると、カラープリンタ70における印刷処理は終了する。
【0096】
なお、印刷機構12Cの下流側において、同様にベルト除電光源を設置することも可能である。しかしながら、本実施例では、印刷機構12Cの下流側において、新たなトナー画像の転写は行われないので、カラープリンタ70には、3つのベルト除電光源のみを設置する構成をとった。
【0097】
以上のように、本実施例のカラープリンタでは、中間転写ベルトの転写面を光導電層とし、各印刷機構の間に、ベルト除電光源を設置することにより、1次転写の繰り返しにより蓄積される中間転写ベルト上の帯電を取り除き、転写電圧の不足を防止可能となる。その際、トナーのマイナス帯電は除電されないため、上流部の印刷機構で転写されたトナー像が、下流部の感光体ドラムに逆転写される問題も防止される。したがって、より高画質な印刷結果を得ることが可能となる。
【0098】
なお、本実施例では、ベルト除電光源72を中間転写ベルト71の光導電層74側に設置したが、本発明はこれに限定されない。例えば、中間転写ベルト71の導電層66を透明な導電性部材から構成することにより、ベルト除電光源72を導電層66側に設置することも可能である。
【0099】
また、本実施例では、ベルト除電光源72を各印刷機構12間に設置したが、本発明はこれに限定されない。例えば、印刷機構12M及び12C間にのみ設置するなど、限定的に設置する構成をとることも可能である。また、印刷機構12Kにおける1次転写条件を安定させるべく、印刷機構12Kの上流側にベルト除電光源72を設置することも可能である。
【実施例3】
【0100】
実施例2のカラープリンタ70では、中間転写ベルト71の転写面を光導電層74とすると共に、各印刷機構12K、12Y、12M及び12Cの間にベルト除電光源72K、72Y及び72Mを設置して、1次転写時に中間転写ベルト71上に付着したマイナス帯電を除電することにより、1次転写電圧の不足を解消して、高画質な1次転写結果を得ることが可能となった。
【0101】
しかしながら、実施例2のカラープリンタ70では、2次転写部34において、中間転写ベルト71におけるマイナス帯電が不足して、トナーの飛散を招くという問題があった。
【0102】
そこで、本実施例では、上記した問題を解決すべく、以下のようにカラープリンタ80を構成する。
【0103】
図9は、本発明の実施例3に係るカラープリンタの概略断面図である。
本実施例のカラープリンタ80は、コロナチャージャ81を追加する構成が、実施例2とは異なる。
なお、本実施例において、実施例1或いは実施例2と同様な構成については同一の符号で示し、これらについての詳しい説明を省略する。
【0104】
カラープリンタ80は、画像形成装置として、図9に示されるように、ベルト部材としての中間転写ベルト71の走行方向に沿って配設される4つの独立した印刷機構12K、12Y、12M及び12Cを備えている。
【0105】
各印刷機構12K、12Y、12M及び12Cの間には、図9に示されるように、除電部材としてのベルト除電光源72K、72Y、72Mが設置されている。また、印刷機構12Cの下流側には、帯電部材としてのコロナチャージャ81が設置されている。
【0106】
図10は、本発明の実施例3に係るカラープリンタの機能構成を示すブロック図である。
コロナチャージャ81は、高圧制御部82の制御により中間転写ベルト71を放電させて、該中間転写ベルト71をマイナスに帯電させる。
【0107】
次に、本実施例のカラープリンタ80の動作について、説明する。
ここでは、カラープリンタ80が印刷処理を行う場合の処理の流れについて、実施例2と異なる部分のみ、説明を行う。
【0108】
本実施例のカラープリンタ80は、印刷機構12Cにおいて1次転写動作が開始されると、プリンタ制御部83の指示に基づき、高圧制御部82がコロナチャージャ81への電圧供給を開始する。コロナチャージャ81には、本実施例では、−4000Vの電圧が印加され、中間転写ベルト71は、コロナチャージャ81への電圧印加に伴い、その表面が−600V程度に帯電する。このとき、中間転写ベルト71上に転写されたトナー像も、中間転写ベルト71と共に帯電するが、マイナスの帯電電荷が増えるため、帯電極性の逆転等の問題は発生しない。また、摩擦帯電とは異なり、コロナチャージャ81による帯電であるため、トナー像が摩擦により損なわれることもない。
【0109】
コロナチャージャ81によりマイナスに帯電された中間転写ベルト71及びトナー像は、中間転写ベルト71の回転走行に伴い、2次転写部34に到達する。このとき、中間転写ベルト71の余白部はマイナスに帯電され、また、トナー像はより強くマイナスに帯電されている。したがって、2次転写部34において、トナーの飛散は起こりにくくなり、確実な2次転写が実現される。
【0110】
以上のように、本実施例のカラープリンタは、各印刷機構の更に下流側に、コロナチャージャを設置することにより、2次転写部において、中間転写ベルトのマイナス帯電の不足によるトナー飛散の発生を抑制可能となる。また、コロナチャージャにより、トナー像も、帯電極性を変えることなく更に強く帯電するため、確実な2次転写の実行が可能となり、更に高画質な印刷結果を得ることができる。
【0111】
なお、本実施例では、帯電部材としてコロナチャージャを採用したが、本発明はこれに限定されない。例えば、帯電部材として、接触帯電を行う帯電ローラを採用することも可能である。
【実施例4】
【0112】
図11は、本発明の実施例4に係るカラープリンタの概略断面図である。
本実施例のカラープリンタ90は、除電光源18K、18Y、18M、18C及びベルト除電光源72K、72Y、72Mに代えて、感光体ドラム15及び中間転写ベルト71を除電可能な除電光源91K、91Y、91M、91Cを設けると共に、遮光板92K、92Y、92M、92Cを追加する構成が、実施例3とは異なる。
なお、本実施例において、実施例1乃至実施例3と同様な構成については同一の符号で示し、これらについての詳しい説明を省略する。
【0113】
カラープリンタ90は、画像形成装置として、図11に示されるように、ベルト部材としての中間転写ベルト71の走行方向に沿って配設される4つの独立した印刷機構93K、93Y、93M及び93Cを備えている。
【0114】
印刷機構93K、93Y、93M及び93Cは、それぞれ、画像形成ユニット94と、LEDヘッド14とから構成される。
【0115】
画像形成ユニット94は、像担持体としての感光体ドラム15と、帯電ローラ16、現像ローラ17、スポンジローラ19、現像ブレード20及びトナーカートリッジ21とを備えている。
【0116】
画像形成ユニット94の内部には、また、感光体ドラム15と中間転写ベルト71との当接部下流側に、除電光源91が設置されている。この除電光源91は、感光体ドラム15及び中間転写ベルト71に同時に光を照射可能な指光特性を有し、感光体ドラム15の表面に光を照射して、残留電荷を除電すると共に、中間転写ベルト71の表面に光を照射して、蓄積されたマイナス帯電を除電する。
【0117】
画像形成ユニット94の内部には、更に、除電光源91からの光が感光体ドラム15と中間転写ベルト71との当接部、即ち1次転写部の上流側に照射されるのを遮るべく、遮蔽部材としての遮光板92が設置されている。除電光源91からの光が、1次転写部上流側に漏れ出すと、1次転写電圧の不足により、トナーの飛散が発生する虞がある。本実施例の遮光板92は、このような1次転写部におけるトナー飛散の発生を防ぐべく、各画像形成ユニット94において設置される。
【0118】
図12は、本発明の実施例4に係るカラープリンタの機能構成を示すブロック図である。
プリンタ制御部95は、各除電光源91の点灯及び消灯を制御する。
【0119】
次に、本実施例のカラープリンタ90の動作について、説明する。
ここでは、カラープリンタ90の印刷機構93Kにおける印刷処理の流れについて、実施例3と異なる部分のみ、説明を行う。
【0120】
印刷機構93Kにおいて、印刷動作が開始されると、プリンタ制御部95は、除電光源91Kを点灯する。除電光源91Kは、感光体ドラム15K及び中間転写ベルト71に光を照射して、1次転写後に感光体ドラム15K表面に残留した電荷を除電すると共に、1次転写部において中間転写ベルト71の光導電層74上に付着したマイナス電荷の除電を行う。また、遮光板92Kは、除電光源91Kからの光が1次転写部の上流側へと漏れ出して、トナー飛散を招くことを防止する。
【0121】
以上のように、本実施例のカラープリンタは、感光体ドラムの残留電荷を除電する除電光源と、中間転写ベルトの除電を行うベルト除電光源とを共有することにより、部品点数の削減が可能となるので、画質を劣化させることなくコストの削減及び装置の軽量化が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0122】
上記した各実施例では、中間転写方式の電子写真式カラープリンタを例に、説明を行ったが、本発明はこれに限定されない。例えば、転写搬送ベルト上に記録媒体を吸着させて搬送し、像担持体から記録媒体にトナー像の転写を行う直接転写方式の電子写真式カラープリンタにも適用可能である。
【0123】
また、上記した各実施例では、電荷供給部材として、ベルト駆動ローラ、ベルト従動ローラ及び2次転写バックアップローラを採用し、これらに1次転写電圧を供給する場合を例に説明を行ったが、ベルト駆動ローラ、ベルト従動ローラ及び2次転写バックアップローラの何れかにのみ1次転写電圧を印加する構成をとることも可能である。また、電荷供給部材を新たに設け、該電荷供給部材に1次転写電圧を印加する構成をとることも可能である。更に、4つの印刷機構のうち何れか3つにおいて、感光体ドラムとの対向位置に電荷供給部材としての転写ローラを設置する構成や、イエローとマゼンタの各印刷機構の間に電荷供給部材を設置する構成等も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0124】
【図1】本発明の実施例1に係るカラープリンタの概略断面図である。
【図2】実施例1の中間転写ベルトの構造を示す説明図である。
【図3】本発明の実施例1に係るカラープリンタの機能構成を示すブロック図である。
【図4】1次転写部に発生する電界についての説明図である。
【図5】2次転写部に発生する電界についての説明図である。
【図6】本発明の実施例2に係るカラープリンタの概略断面図である。
【図7】実施例2の中間転写ベルトの構造を示す説明図である。
【図8】本発明の実施例2に係るカラープリンタの機能構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の実施例3に係るカラープリンタの概略断面図である。
【図10】本発明の実施例3に係るカラープリンタの機能構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の実施例4に係るカラープリンタの概略断面図である。
【図12】本発明の実施例4に係るカラープリンタの機能構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0125】
10、70、80、90 カラープリンタ
11、71 中間転写ベルト
18、91 除電光源
23 ベルト駆動ローラ
24 ベルト従動ローラ
25 2次転写バックアップローラ
35 2次転写ローラ
65 高抵抗層
66 導電層
72 ベルト除電光源
74 光導電層
81 コロナチャージャ
92 遮光板
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の像担持体上に形成した各トナー像を転写体に転写してカラー画像を形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式によりカラー画像形成を行うプリンタや複写機等の画像形成装置には、記録媒体や中間転写ベルト等の転写体の搬送路に沿って、複数の感光体ドラム及び転写ローラが、それぞれ対向して配設されている。各感光体ドラムには、それぞれの色のトナーを供給するためのトナーカートリッジが備えられ、周囲に配置された帯電ドラム及び露光器が、感光体ドラムの表面に静電潜像を形成した後、該静電潜像にトナーが供給され、トナー像が形成される。
【0003】
そして、各感光体ドラムと転写ローラとの間に、転写体が搬送されると、転写ローラに転写出力が印加され、感光体ドラムの表面に形成されたトナー像の帯電極性と逆極性の電荷が、搬送された転写体に付与される。これにより、各感光体ドラム上のトナー像が転写体に順次転写され、転写体上にカラー画像が形成される。
【特許文献1】特開2005−70138号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した従来の画像形成装置では、各感光体ドラムに対応して転写ローラを設ける必要があるため、部品点数が多くなってしまい、コストがかかるという問題があった。
【0005】
したがって、部品点数を削減して、軽量化及びコストダウンが可能な画像形成装置が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以上の点を解決するために、次の構成を採用する。
【0007】
〈構成〉
本発明に係る画像形成装置は、転写体の搬送路に沿って配置され、トナー像を担持する複数の像担持体と、トナー像を転写体に転写するために、該転写体に電荷を供給する少なくとも1つの電荷供給部材とを備え、電荷供給部材は、複数の像担持体のうち少なくとも1つの像担持体との非対向位置に配置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の画像形成装置によれば、転写ローラ等の電荷供給部材を、感光体ドラム等の像担持体との非対向位置に配置可能となるので、各像担持体に対応して電荷供給部材を配置する必要がなくなり、電荷供給部材の設置数を削減可能となる。したがって、画像形成装置の軽量化及びコストダウンが実現される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を、図を用いて詳細に説明する。ここでは、本発明を中間転写方式のカラープリンタに適用した場合を例に、説明する。
【実施例1】
【0010】
図1は、本発明の実施例1に係るカラープリンタの概略断面図である。
本実施例のカラープリンタ10は、画像形成装置として、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの4色のトナーを重ね合わせて、カラー画像を形成する。
【0011】
カラープリンタ10には、図1に示されるように、ベルト部材としての中間転写ベルト11の走行方向に沿って、4つの独立した印刷機構12K、12Y、12M及び12Cが、順に配設されている。
【0012】
印刷機構12K、12Y、12M及び12Cは、それぞれ、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンに対する電子写真式LEDプリント機構であり、本実施例では、図1に示されるように、同一構成要素を備えている。以後、印刷機構12K、12Y12M及び12Cの同一構成要素を区別する場合には、符号にそれぞれK、Y、M、Cを付加するが、総称する場合には、符号のみを示す。各符号は、図1の印刷機構12Cにおいて示される。
【0013】
印刷機構12K、12Y、12M及び12Cは、それぞれ、トナー像を形成する画像形成ユニット13と、露光器としてのLEDヘッド14とから構成される。
【0014】
画像形成ユニット13は、着脱可能に配設され、像担持体としての感光体ドラム15を備えている。また、感光体ドラム15は、画像形成ユニット13の下部に露出して、その表面を中間転写ベルト11に当接して配置されている。
【0015】
LEDヘッド14は、LEDアレイと、LEDアレイを駆動するためのドライブICやデータを保持するためのレジスタ群が搭載された基板と、LEDアレイの光を集光するセルフォックレンズアレイとからなり、後述するLEDヘッドインタフェース部50(図3)から入力される画像データ信号に対応して、LEDアレイを発光させることにより、一様に帯電した感光体ドラム15の表面を露光して、静電潜像を形成する。
【0016】
画像形成ユニット13の内部には、感光体ドラム15の周囲に、感光体ドラム15の表面を一様に帯電させるための帯電器である帯電ローラ16と、現像剤担持体である現像ローラ17とが、それぞれ、感光体ドラム15の表面に当接して配設されている。また、感光体ドラム15の周囲には、感光体ドラム15と中間転写ベルト11との当接部下流側に、感光体ドラム15の表面に光を照射して残留電荷を除電する除電光源18が設置されている。
【0017】
画像形成ユニット13の内部には、更に、現像ローラ17の周囲に、現像剤供給部材であるスポンジローラ19と、層規制部材である現像ブレード20とが、現像ローラ17の表面に当接して配置されている。
【0018】
画像形成ユニット13の上部には、トナー収容器であるトナーカートリッジ21が着脱可能に搭載され、該トナーカートリッジ21から画像形成ユニット13の内部に、現像剤としてのトナー22が供給される。本実施例では、トナー22は、摩擦帯電によりマイナスの電荷を帯びるべく、予め材料が選定されている。
【0019】
また、画像形成ユニット13の下部には、上述したように、中間転写ベルト11が配設されている。中間転写ベルト11の構造を、図2に示す。
図2は、実施例1の中間転写ベルトの構造を示す説明図である。
【0020】
本実施例の中間転写ベルト11は、図2に示されるように、継目なしのエンドレス状に形成されたプラスチックフィルムからなり、支持部材としてのベルト駆動ローラ23、ベルト従動ローラ24及び2次転写バックアップローラ25に張架される。この中間転写ベルト11は、図2に示されるように、高抵抗材料からなる高抵抗層65と、低抵抗材料からなる導電層66との2層構造を有し、高抵抗層65を外周面として、該外周面上部を感光体ドラム15の表面に当接した状態で、ベルト駆動ローラ23の駆動により回転走行する。
【0021】
中間転写ベルト11の高抵抗層65は、本実施例では、体積抵抗率が1011〜1013Ω・cmとなるように、ポリアミドイミド(PAI)にカーボンを混入して形成される。また、中間転写ベルト11の導電層66は、本実施例では、体積抵抗率が104Ω・cm以下となるように、導電性部材としてのアルミ薄膜を圧延し、上記した高抵抗層65に張り合わせて或いは蒸着して形成される。
【0022】
ベルト駆動ローラ23、ベルト従動ローラ24及び2次転写バックアップローラ25は、何れも導電性部材で構成され、電荷供給部材として、後述する1次転写電圧制御部56(図3)に接続される。
【0023】
中間転写ベルト11の下部には、給紙機構26が設けられている。給紙機構26は、複数の記録媒体27が収容される記録媒体収容カセット28と、ホッピングローラ29と、給紙センサ30と、レジストローラ31と、ピンチローラ32と、ガイド33とを備え、2次転写部34への給紙を行う。
【0024】
ホッピングローラ29は、ホッピングモータ59(図3)により回転駆動され、図示しない弁別手段により記録媒体収容カセット28から1枚ずつ選択された記録媒体27を、レジストローラ31及びピンチローラ32間へ搬送する。給紙センサ30は、レジストローラ31及びピンチローラ32間への記録媒体27の到達を検知し、後述するプリンタ制御部58(図3)に通知する。レジストローラ31は、レジストモータ60(図3)により回転駆動され、ピンチローラ32は、レジストローラ31の駆動に伴い従動回転する。ガイド33は、レジストローラ31及びピンチローラ32により搬送された記録媒体27を、2次転写部34へ搬送して給紙する。
【0025】
2次転写部34には、2次転写ローラ35が、中間転写ベルト11を間に、2次転写バックアップローラ25に対向して配設される。2次転写ローラ35は中間転写ベルト11の外周面、即ち高抵抗層65に当接し、給紙機構26により給紙された記録媒体27が、この当接部、即ちニップ部に到達すると、中間転写ベルト11上に転写されたトナー像が、記録媒体27の表面に2次転写される。
【0026】
2次転写部34においてトナー像が転写された記録媒体27は、中間転写ベルト11から分離され、ガイド36へと搬送される。記録媒体27の搬送方向下流側には、記録媒体27の後端位置を検出するための位置検出センサ37が設けられ、中間転写ベルト11からの分離に失敗した記録媒体27は、この位置検出センサ37により検出される。中間転写ベルト11から分離された記録媒体27は、ガイド36により、更に定着機構38へと案内される。
【0027】
定着機構38は、ヒートローラ39及び加圧ローラ40を備えている。ヒートローラ39は、ヒータモータ62(図3)により回転駆動され、加圧ローラ40は、ヒートローラ39の駆動に伴い従動回転する。ヒートローラ39の表面近傍には、サーミスタ41が配置され、ヒートローラ39の温度を監視している。定着機構38に搬送された記録媒体27は、このヒートローラ39及び加圧ローラ40により加熱及び加圧され、2次転写部34において転写された各色のトナー像が、記録媒体27の表面に定着される。また、ヒートローラ39の下流側には、排出センサ42が設けられ、定着機構38における記録媒体27のヒートローラ39への巻き付きやジャムの発生を監視している。
【0028】
排出センサ42の更に下流側には、定着機構38から排出された記録媒体27を搬送するためのガイド43が設けられている。定着機構38によりトナー像が定着された記録媒体27は、このガイド43により、カラープリンタ10の上部に設けられたスタッカ44へと搬送して排出される。
【0029】
また、中間転写ベルト11のベルト従動ローラ24との当接部側面には、クリーニングブレード45が当接して配置される。このクリーニングブレード45は、例えば可撓性のゴム材或いはプラスチック材からなり、中間転写ベルト11の回転走行に伴い、中間転写ベルト11の表面に付着したトナーやゴミ等を掻き取る。掻き取られたトナーやゴミ等は、クリーニングブレード45の下部に設置された廃トナータンク46に収容される。
【0030】
また、カラープリンタ10の内部には、更に、環境温度/湿度センサ47が備えられている。環境温度/湿度センサ47は、カラープリンタ10内部の温度及び湿度を検出する機能を有し、例えば、カラープリンタ10の側面に設置された高圧基板に実装される。
【0031】
続いて、本実施例のカラープリンタ10の制御系統について、詳細に説明する。
図3は、本発明の実施例1に係るカラープリンタの機能構成を示すブロック図である。
なお、図3において、符号K、Y、M、Cは、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの各印刷機構12に対応している。
【0032】
カラープリンタ10は、図3に示されるように、ホストインタフェース部48、コマンド/画像処理部49、LEDヘッドインタフェース部50、モータ制御部51、定着機構温度制御部52、高圧制御部53、帯電バイアス制御部54、現像バイアス制御部55、1次転写電圧制御部56、2次転写電圧制御部57及びプリンタ制御部58を備えている。
【0033】
ホストインタフェース部48は、図示されないPC等のホスト装置との物理的階層におけるインタフェースを担う部分であり、コネクタや通信用のチップ等から構成される。ホストインタフェース部48は、ホスト装置から、印刷処理の実行を指示するコマンドや印刷すべき画像データ等を受信して、コマンド/画像処理部49へ送る。
【0034】
コマンド/画像処理部49は、ホストインタフェース部48を介してホスト装置から受信したコマンドの解釈処理や、PDL(Page Description Language)等で記述された画像データのビットマップデータへの展開処理等を実行する処理部であり、マイクロプロセッサやRAM等から構成される。コマンド/画像処理部49により解釈処理されたコマンドは、プリンタ制御部58へ出力され、展開処理されたビットマップデータは、LEDヘッドインタフェース部50へ出力される。
【0035】
LEDヘッドインタフェース部50は、コマンド/画像処理部49から入力されたビットマップデータに対して、各LEDヘッド14K、14Y、14M及び14Cのインタフェースに合わせた加工処理を行う機能を有し、セミカスタムLSIやRAM等から構成される。
【0036】
モータ制御部51は、ホッピングモータ59、レジストモータ60、ベルトモータ61、ヒータモータ62、ドラムモータ63等の各モータの駆動を制御する。
【0037】
ホッピングモータ59は、ホッピングローラ29を回転駆動する駆動部である。レジストモータ60は、レジストローラ31を回転駆動する。ベルトモータ61は、中間転写ベルト11を回転走行させるために、ベルト駆動ローラ23を回転駆動する。ヒータモータ62は、定着機構38に備えられたヒートローラ39を回転駆動する。ドラムモータ63は、各画像形成ユニット13K、13Y、13M及び13Cに備えられた感光体ドラム15K、15Y、15M及び15Cを回転駆動する。
【0038】
定着機構温度制御部52は、サーミスタ41により検出されるヒートローラ39の温度を、後述するプリンタ制御部58により通知される定着温度に保持すべく、定着機構38の温度制御を行う。
【0039】
定着機構ヒータ64は、ハロゲンランプからなり、ヒートローラ39の内部に配置され、定着機構温度制御部52の制御により、図示されない電力供給部から電力供給を受けて、ヒートローラ39を加熱する。
【0040】
高圧制御部53は、マイクロプロセッサ或いはカスタムLSIから構成され、各画像形成ユニット13K、13Y、13M及び13Cに対する帯電バイアス、現像バイアスの供給を司ると共に、1次転写部及び2次転写部34における転写電圧の供給を司るために、帯電バイアス制御部54、現像バイアス制御部55、1次転写電圧制御部56及び2次転写電圧制御部57を制御する。
【0041】
帯電バイアス制御部54は、帯電ローラ16K、16Y、16M及び16Cに対する帯電バイアスの供給及び停止を制御する。
【0042】
現像バイアス制御部55は、現像ローラ17K、17Y、17M及び17Cに対する現像バイアスの供給及び停止を制御する。
【0043】
1次転写電圧制御部56は、電荷供給部材としてのベルト駆動ローラ23、ベルト従動ローラ24及び2次転写バックアップローラ25に対する1次転写電圧の供給及び停止を制御する。1次転写電圧制御部56は、環境温度/湿度センサ47により検出されたカラープリンタ10内部の温度及び湿度に基づいて、適切な出力電圧を決定し、定電圧制御を行う。
【0044】
2次転写電圧制御部57は、2次転写ローラ35に対する2次転写電圧の供給及び停止を制御する。2次転写電圧制御部57は、環境温度/湿度センサ47により検出されたカラープリンタ10内部の温度及び湿度に基づいて、適切な出力電圧を決定し、定電圧制御を行う。
【0045】
プリンタ制御部58は、コマンド/画像処理部49から受けたコマンドに基づいて、カラープリンタ10の各部の制御を行う。また、プリンタ制御部58は、環境温度/湿度センサ47により検出されたカラープリンタ10内部の温度及び湿度を、高圧制御部53に通知すると共に、該温度及び湿度に基づいて、定着機構38における最適な定着温度を決定し、定着機構温度制御部52に通知する。
【0046】
次に、本実施例のカラープリンタ10の動作について、説明する。
ここでは、カラープリンタ10が印刷処理を行う場合の処理の流れについて、説明する。
【0047】
カラープリンタ10において、ホストインタフェース部48が、図示されないPC等のホスト装置により送信された印刷要求コマンド及び画像データを受信すると、該印刷要求コマンド及び画像データは、コマンド/画像処理部49へ送られる。
【0048】
コマンド/画像処理部49は、受け取った印刷要求コマンドに基づいて、プリンタ制御部58に印刷開始指示を送ると共に、画像データの展開処理を行って、1ページ毎のビットマップデータを各色、即ちブラック、イエロー、マゼンタ、シアンに対応して生成し、記憶しておく。
【0049】
プリンタ制御部58は、印刷開始指示を受け取ると、環境温度/湿度センサ47からの出力を参照して、最適な定着温度を決定し、該定着温度を定着機構温度制御部52に通知する。定着機構温度制御部52は、サーミスタ41からの出力を参照して、通知された定着温度に保持すべく、定着機構ヒータ64をON/OFFする。
【0050】
コマンド/画像処理部49において1ページ分のビットマップデータが生成して記憶され、定着機構38においてサーミスタ41からの出力が最適な定着温度に到達すると、プリンタ制御部58は、印刷処理を開始すべく、高圧制御部53に帯電バイアス、現像バイアス及び1次転写電圧の供給開始を指示すると共に、モータ制御部51にモータの駆動開始を指示する。
【0051】
高圧制御部53は、帯電バイアス制御部54に帯電バイアスの供給を指示する。この指示を受けて、帯電バイアス制御部54は、帯電ローラ16K、16Y、16M、16Cに、帯電バイアスを供給し、感光体ドラム15K、15Y、15M、15Cの表面を帯電させる。
【0052】
高圧制御部53は、また、現像バイアス制御部55に現像バイアスの供給を指示する。この指示を受けて、現像バイアス制御部55は、現像ローラ17K、17Y、17M、17Cに、現像バイアスを供給する。
【0053】
高圧制御部53は、更に、1次転写電圧制御部56に1次転写電圧の供給を指示する。その際、高圧制御部53は、プリンタ制御部58により通知された環境温度/湿度センサ47からの出力情報を、1次転写電圧制御部56に通知する。1次転写電圧制御部56は、通知された出力情報に基づいて、出力電圧を決定し、ベルト駆動ローラ23、ベルト従動ローラ24及び2次転写バックアップローラ25に1次転写電圧を供給する。ここでは、1次転写電圧制御部56が、1次転写電圧として+1000Vを、ベルト駆動ローラ23、ベルト従動ローラ24及び2次転写バックアップローラ25に供給した場合を例に、説明する。
【0054】
1次転写電圧制御部56からの電圧の出力を受け、導電性部材からなるベルト駆動ローラ23、ベルト従動ローラ24及び2次転写バックアップローラ25には、+1000Vの電圧が印加される。また、中間転写ベルト11の導電層66は、図2に示されるように、その内周面をベルト駆動ローラ23、ベルト従動ローラ24及び2次転写バックアップローラ25の表面に当接するため、これらと同じ電圧、即ち+1000Vの電圧を印加されることとなる。
【0055】
モータ制御部51は、モータの駆動開始を指示されると、ベルトモータ61及びドラムモータ63を駆動する。ベルトモータ61が駆動されると、ベルト駆動ローラ23が回転を開始し、中間転写ベルト11が回転走行を開始する。また、ドラムモータ63が駆動されると、各画像形成ユニット13において、感光体ドラム15、帯電ローラ16、現像ローラ17及びスポンジローラ19が回転を開始する。
【0056】
感光体ドラム15及び帯電ローラ16の回転に伴い、感光体ドラム15の表面は、一様に帯電する。例えば、帯電ローラ16に−1000Vの電圧が印加されると、感光体ドラム15は−500Vに帯電する。また、トナーカートリッジ21から供給されたトナー22は、スポンジローラ19の回転に伴い、現像ブレード20に到達する。そして、現像ローラ17の回転に伴い、現像ローラ17の外周上には、現像ブレード20により薄層化されたトナー層が形成される。その際、トナー22は、現像ローラ17と現像ブレード20との摩擦により、マイナスに帯電する。例えば、現像ローラ17には−200Vの電圧が印加される。
【0057】
感光体ドラム15の表面が一様に帯電し、現像ローラ17にトナー層が形成された後、1次転写電圧の供給により中間転写ベルト11に+1000Vの電圧が印加されると略同時に、コマンド/画像処理部49は、プリンタ制御部58の制御に基づいて、所定のタイミングで、ブラックのビットマップデータを1ライン分読み出して、LEDヘッドインタフェース部50へ出力する。
【0058】
ここで、コマンド/画像処理部49は、1次転写電圧の供給により中間転写ベルト11に+1000Vの電圧が印加された後、感光体ドラム15の中間転写ベルト11との当接部が、1次転写部からLEDヘッド14による露光部まで回転を行ったタイミングで、ビットマップデータの送信を行う。その理由は以下の通りである。即ち、1次転写電圧の供給時、即ち中間転写ベルト11に電圧が印加されている場合、1次転写部において、感光体ドラム15及び中間転写ベルト11間の電位差に基づく電荷の移動が発生する。この電荷の移動に伴い、感光体ドラム15Kは、1次転写電圧の供給停止時と比較して、表面電位に差が生じることとなる。このような表面電位の差の発生は、感光体ドラム15K上に形成されるトナー像に濃度差を生み出し、結果として、画像劣化を招く可能性がある。したがって、コマンド/画像処理部49は、感光体ドラム15Kの表面電位の安定を待って、ビットマップデータの送信を行う。
【0059】
コマンド/画像処理部49からビットマップデータの入力を受けると、LEDヘッドインタフェース部50は、該ビットマップデータをLEDヘッド14Kのインタフェースに合わせて加工して、画像データ信号を生成し、該画像データ信号をLEDヘッド14Kに出力する。
【0060】
LEDヘッド14Kは、入力された画像データ信号に基づき、対応するLEDアレイを発光させる。これにより、一様に帯電した感光体ドラム15Kの表面が露光され、1ライン分の静電潜像が形成される。例えば、LEDヘッド14Kにより露光され、静電潜像が形成された感光体ドラム15Kの表面の電位は、約−50〜0V程度にされる。
【0061】
上記のように、1ライン毎に送られてくるビットマップデータが、感光体ドラム15Kの表面に順次静電潜像化され、1ページ分の静電潜像が感光体ドラム15K上に形成される。この静電潜像に、現像バイアスが供給されて帯電した現像ローラ17Kから、ブラックのトナー22Kが静電気力により付着する。このとき、静電潜像が形成されていない感光体ドラム15Kの表面は−500Vに帯電しているため、トナー22Kは当該表面には付着しない。これにより、感光体ドラム15Kの表面に、ブラックのトナー像が形成されることとなる。
【0062】
イエロー、マゼンタ、シアンの各色についても、各印刷機構12の配置間隔に基づくタイミングで、同様にビットマップデータが送信され、各感光体ドラム15Y、15M、15Cの表面に、イエロー、マゼンタ、シアンのトナー像が、それぞれ形成される。
【0063】
続いて、各感光体ドラム15上に形成されたトナー像が、1次転写部において、中間転写ベルト11に転写される。この1次転写の流れについて、図を用いて説明する。
図4は、1次転写部に発生する電界についての説明図である。
【0064】
感光体ドラム15は、図4に示されるように、光導電性部材からなる表層67と、アルミ管68とから構成される。感光体ドラム15のアルミ管68は、図4に示されるように、接地されている。
【0065】
1次転写電圧の供給により、中間転写ベルト11の導電層66は、+1000Vの電圧が印加される。したがって、接地されたアルミ管68と中間転写ベルト11の導電層66との間には、電位差が発生する。この電位差により、感光体ドラム15と中間転写ベルト11との間には、図4に矢印で示す方向、即ち、中間転写ベルト11から感光体ドラム15へ向かう方向に、電界が発生する。
【0066】
感光体ドラム15の表面に付着したトナー22は、マイナスに帯電している。したがって、1次転写部において、該トナー22は、図4に示す電界に基づいて、感光体ドラム15から中間転写ベルト11方向への静電気力を受ける。これにより、感光体ドラム15上に形成されたトナー像は、中間転写ベルト11に転写されることとなる。
【0067】
各印刷機構12におけるトナー画像の転写に際して、プリンタ制御部58は、それぞれの除電光源18を点灯し、感光体ドラム15の1次転写部下流側に向けて、光を照射する。この除電光源18からの光の照射により、感光体ドラム15上の残留電荷は除電される。除電された感光体ドラム15は、帯電ローラ16により再度帯電される際に、より一様かつ所定電位への帯電が可能となる。
【0068】
このように、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの各トナー像が、各印刷機構12の配置間隔に基づく時間差で、中間転写ベルト11上に順次転写され、中間転写ベルト11上には、フルカラーの未定着トナー像が形成される。中間転写ベルト11は、更に回転走行を行い、未定着トナー像が転写された転写面が、2次転写部34へ到達することとなる。
【0069】
一方、プリンタ制御部58は、上記した転写面が、2次転写部34、即ち2次転写ローラ35及び2次転写バックアップローラ25のニップ部に到達するタイミングに合わせて、モータ制御部51に給紙指示を行う。
【0070】
モータ制御部51は、給紙指示を受けると、ホッピングモータ59の駆動を開始して、ホッピングローラ29を回転させる。記録媒体収容カセット28に収容されている記録媒体27は、図示しない弁別手段により選択され、ホッピングローラ29の回転により送り出される。この記録媒体27が給紙センサ30により検知され、レジストローラ31及びピンチローラ32間に到達すると、モータ制御部51は、ホッピングモータ59の駆動を停止する。これにより、ホッピングローラ29はその回転を停止する。
【0071】
プリンタ制御部58は、位置検出センサ37からの出力や、ビットマップデータの送信開始タイミング、ベルト駆動ローラ23の駆動速度、1次転写部から2次転写部34までの距離等に基づいて、中間転写ベルト11上の未定着トナー像転写面が2次転写部34に到達するタイミングを計る。そして、プリンタ制御部58は、このタイミングに合わせて、2次転写部34への給紙を行う。モータ制御部51が、レジストモータ60及びヒータモータ62の駆動を開始し、レジストローラ31及びピンチローラ32間の記録媒体27は、レジストローラ31の回転に伴いガイド33へと搬送された後、該ガイド33により案内されて、2次転写部34へと給紙される。また、ヒータモータの駆動に伴い、定着機構38において、ヒータローラ39が回転を開始する。
【0072】
記録媒体27が2次転写部34に到達すると、プリンタ制御部58からの指示に基づき、高圧制御部53が、2次転写電圧制御部57による2次転写電圧の供給を開始させる。2次転写電圧制御部57は、高圧制御部53により通知された環境温度/湿度センサ47からの出力情報と、記録媒体27の厚さや材質等の媒体情報とに基づいて、出力電圧を決定し、2次転写ローラ35に2次転写電圧を供給する。なお、2次転写電圧制御部57により使用される媒体情報は、例えば、図示しないオペレーションパネルにより、或いはホスト装置により入力される。
【0073】
2次転写電圧供給時に、2次転写部34に発生する電界の様子を、図5に示す。
図5は、2次転写部に発生する電界についての説明図である。
【0074】
本実施例では、2次転写部34において、2次転写バックアップローラ25には、1次転写電圧制御部56からの出力により、+1000Vの1次転写電圧が印加されている。したがって、マイナス帯電のトナーを中間転写ベルト11から記録媒体27方向へ転写させるためには、2次転写ローラ35には、+1000Vよりも高い2次転写電圧を供給する必要がある。本実施例では、2次転写ローラ35には、2次転写電圧として+3000Vの電圧が供給されるものとする。
【0075】
図5において、2次転写ローラ35が、2次転写電圧の供給により、+3000Vに帯電している。一方、2次転写バックアップローラ25と中間転写ベルト11の導電層66とは、1次転写電圧の供給により、+1000Vに帯電している。したがって、2次転写ローラ35と中間転写ベルト11の導電層66との間には、電位差が発生し、図5に矢印で示す方向、即ち、2次転写ローラ35から中間転写ベルト11へ向かう方向に、電界が発生する。
【0076】
この電界に基づいて、中間転写ベルト11上の未定着トナー像は、中間転写ベルト11から2次転写ローラ35方向への静電気力を受ける。一方、2次転写部34には、記録媒体27が、中間転写ベルト11及び2次転写ローラ35間のニップ部に給紙されている。したがって、中間転写ベルト11上のトナー像が、静電気力に基づき2次転写ローラ35方向へと移動し、記録媒体27の表面に転写されることとなる。
【0077】
中間転写ベルト11は、引き続き回転走行を行う。トナー像が転写された記録媒体27は、中間転写ベルト11から分離され、ガイド36へと搬送された後、更に定着機構38へと案内される。
【0078】
定着機構38において、ヒートローラ39は、定着機構温度制御部52の制御により、最適な定着温度に保持されると共に、加圧ローラ40と共に回転している。記録媒体27は、このヒートローラ39及び加圧ローラ40により加熱及び加圧され、2次転写部34において転写されたトナー像が、記録媒体27の表面に定着される。
【0079】
その後、記録媒体27は、定着機構38から排出され、ガイド43により搬送されて、スタッカ44へと排出される。プリンタ制御部58は、排出センサ42による該記録媒体27の後端位置の検出により、記録媒体27の排出を把握すると、モータ制御部51にモータの駆動停止を指示する。また、高圧制御部53は、中間転写ベルト11の走行停止に伴い、1次転写電圧制御部56による1次転写電圧の供給を停止し、記録媒体27の2次転写部34通過に伴い、2次転写電圧制御部57による2次転写電圧の供給を停止する。更に、高圧制御部53は、各ドラムの回転停止に伴い、帯電バイアス制御部54による帯電バイアスの供給と、現像バイアス制御部55による現像バイアスの供給とを、それぞれ停止する。これにより、カラープリンタ10における印刷処理は終了する。
【0080】
上記のように、各感光体ドラム15に形成されたトナー像が、中間転写ベルト11上に転写された後、給紙機構26から給紙された記録媒体27に2次転写され、カラー画像が形成される。
【0081】
以上のように、本実施例のカラープリンタは、導電層を有する中間転写ベルトを、導電性部材からなるベルト駆動ローラ、ベルト従動ローラ及び2次転写バックアップローラに張架し、これらのベルト駆動ローラ、ベルト従動ローラ及び2次転写バックアップローラを介して、中間転写ベルトに1次転写電圧を印加する。これにより、ベルト駆動ローラ、ベルト従動ローラ及び2次転写バックアップローラに当接する導電層にも1次転写電圧が供給されるので、1次転写部において、各感光体ドラムとの対向位置に、転写ローラ等の電荷供給部材を新たに設ける必要がなくなる。したがって、部品点数が削減され、コストの削減及び装置の軽量化が可能となる。また、従来のカラープリンタにおける転写ローラから中間転写ベルト及び感光体ドラムへの圧接力が除去されるので、中間転写ベルト及び感光体ドラムの磨耗が防止されると共に、中間転写ベルトの駆動負荷が軽減され、安定した走行が可能となる。
【0082】
なお、中間転写ベルト11と感光体ドラム15とを密着させるために、中間転写ベルト11を導電層66側から感光体ドラム15方向へ押し付けるガイド部材を、各感光体ドラム15との対向位置に配設してもよい。この場合、中間転写ベルト11及び感光体ドラム15の密着性が増すことにより、転写抜け等の発生が抑制され、更に良好な画像形成が実現される。
【実施例2】
【0083】
実施例1のカラープリンタ10では、導電層66を有する中間転写ベルト11を、導電性部材からなるベルト駆動ローラ23、ベルト従動ローラ24及び2次転写バックアップローラ25に張架することにより、転写ローラを設けずとも転写電圧の供給が可能となった。
【0084】
しかしながら、4色のトナー像を中間転写ベルト11上に順次転写するにしたがい、感光体ドラム15及び中間転写ベルト11間において、放電の発生や、感光体ドラム15及び中間転写ベルト11の接触による電荷の移動により、中間転写ベルト11の転写面、即ち高抵抗層65にマイナス電荷が蓄積し、1次転写部における転写電圧の不足を招くという問題があった。
【0085】
そこで、上記した問題を解決すべく、本実施例では、以下のようにカラープリンタ70を構成する。
【0086】
図6は、本発明の実施例2に係るカラープリンタの概略断面図である。
本実施例のカラープリンタ70は、ベルト除電光源72K、72Y、72Mを追加する構成が、実施例1とは異なる。
なお、本実施例において、実施例1と同様な構成については同一の符号で示し、これらについての詳しい説明を省略する。
【0087】
カラープリンタ70は、画像形成装置として、図6に示されるように、ベルト部材としての中間転写ベルト71の走行方向に沿って配設される4つの独立した印刷機構12K、12Y、12M及び12Cを備えている。
【0088】
図7は、実施例2の中間転写ベルトの構造を示す説明図である。
本実施例の中間転写ベルト71は、図7に示されるように、継目なしのエンドレス状に形成され、光導電性部材からなる光導電層74と、導電性部材からなる導電層66との2層構造を有する。
【0089】
中間転写ベルト71の光導電層74は、本実施例では、感光体ドラム15(図4)の表層67と同一の光導電性部材により形成される。
【0090】
各印刷機構12K、12Y、12M及び12Cの間には、図6に示されるように、ベルト除電光源72K、72M、72Cが配置されている。各ベルト除電光源72K、72M、72Cは、除電部材として、中間転写ベルト71の表面に光を照射して、蓄積されたマイナス帯電を除電する。
【0091】
図8は、本発明の実施例2に係るカラープリンタの機能構成を示すブロック図である。
プリンタ制御部73は、実施例1のプリンタ制御部58の各機能に加えて、更に、ベルト除電光源72K、72Y及び72Mの点灯及び消灯を制御する。
【0092】
次に、本実施例のカラープリンタ70の動作について、説明する。
ここでは、カラープリンタ70における印刷処理の流れについて、実施例1と異なる部分のみ、説明を行う。
【0093】
感光体ドラム15K上のトナー像を、中間転写ベルト71に転写する処理の流れについては、実施例1と同一である。本実施例では、プリンタ制御部73は、印刷機構12Kにおいて、感光体ドラム15K上に形成されたトナー像の中間転写ベルト71への転写が開始されると、ベルト除電光源72Kを点灯する。
【0094】
感光体ドラム15K上のトナー像が中間転写ベルト71に転写される際、前述したように、放電の発生や接触による電荷の移動により、中間転写ベルト71にマイナスの電荷が付着することがある。ここで、中間転写ベルト71の感光体ドラム15との当接する側の面、即ち転写面は、図7に示されるように、光導電層74からなり、その裏側は導電層66が形成されている。この中間転写ベルト71の転写面に、ベルト除電光源72Kからの光が照射されることにより、1次転写部において光導電層74上に付着したマイナス電荷が、除電されることとなる。
なお、トナー像のマイナス帯電は、ベルト除電光源72Kからの光の照射を受けても、除電されることはない。したがって、印刷機構12Yにおける感光体ドラム15Y上のトナー像の1次転写に際して、中間転写ベルト71上に転写済のブラックのトナー像は、そのマイナス帯電を維持し、該トナー像に含まれるブラックのトナー22Kの感光体ドラム15Yへの逆転写は防止される。
【0095】
以下、印刷機構12Y、12M、12Cにおいても、同様の処理が繰り返され、中間転写ベルト71上にフルカラートナー像が形成される。その後、2次転写部34において、該フルカラートナー像が記録媒体27に転写された後、定着機構38において定着される。記録媒体27がスタッカ44に排出されると、カラープリンタ70における印刷処理は終了する。
【0096】
なお、印刷機構12Cの下流側において、同様にベルト除電光源を設置することも可能である。しかしながら、本実施例では、印刷機構12Cの下流側において、新たなトナー画像の転写は行われないので、カラープリンタ70には、3つのベルト除電光源のみを設置する構成をとった。
【0097】
以上のように、本実施例のカラープリンタでは、中間転写ベルトの転写面を光導電層とし、各印刷機構の間に、ベルト除電光源を設置することにより、1次転写の繰り返しにより蓄積される中間転写ベルト上の帯電を取り除き、転写電圧の不足を防止可能となる。その際、トナーのマイナス帯電は除電されないため、上流部の印刷機構で転写されたトナー像が、下流部の感光体ドラムに逆転写される問題も防止される。したがって、より高画質な印刷結果を得ることが可能となる。
【0098】
なお、本実施例では、ベルト除電光源72を中間転写ベルト71の光導電層74側に設置したが、本発明はこれに限定されない。例えば、中間転写ベルト71の導電層66を透明な導電性部材から構成することにより、ベルト除電光源72を導電層66側に設置することも可能である。
【0099】
また、本実施例では、ベルト除電光源72を各印刷機構12間に設置したが、本発明はこれに限定されない。例えば、印刷機構12M及び12C間にのみ設置するなど、限定的に設置する構成をとることも可能である。また、印刷機構12Kにおける1次転写条件を安定させるべく、印刷機構12Kの上流側にベルト除電光源72を設置することも可能である。
【実施例3】
【0100】
実施例2のカラープリンタ70では、中間転写ベルト71の転写面を光導電層74とすると共に、各印刷機構12K、12Y、12M及び12Cの間にベルト除電光源72K、72Y及び72Mを設置して、1次転写時に中間転写ベルト71上に付着したマイナス帯電を除電することにより、1次転写電圧の不足を解消して、高画質な1次転写結果を得ることが可能となった。
【0101】
しかしながら、実施例2のカラープリンタ70では、2次転写部34において、中間転写ベルト71におけるマイナス帯電が不足して、トナーの飛散を招くという問題があった。
【0102】
そこで、本実施例では、上記した問題を解決すべく、以下のようにカラープリンタ80を構成する。
【0103】
図9は、本発明の実施例3に係るカラープリンタの概略断面図である。
本実施例のカラープリンタ80は、コロナチャージャ81を追加する構成が、実施例2とは異なる。
なお、本実施例において、実施例1或いは実施例2と同様な構成については同一の符号で示し、これらについての詳しい説明を省略する。
【0104】
カラープリンタ80は、画像形成装置として、図9に示されるように、ベルト部材としての中間転写ベルト71の走行方向に沿って配設される4つの独立した印刷機構12K、12Y、12M及び12Cを備えている。
【0105】
各印刷機構12K、12Y、12M及び12Cの間には、図9に示されるように、除電部材としてのベルト除電光源72K、72Y、72Mが設置されている。また、印刷機構12Cの下流側には、帯電部材としてのコロナチャージャ81が設置されている。
【0106】
図10は、本発明の実施例3に係るカラープリンタの機能構成を示すブロック図である。
コロナチャージャ81は、高圧制御部82の制御により中間転写ベルト71を放電させて、該中間転写ベルト71をマイナスに帯電させる。
【0107】
次に、本実施例のカラープリンタ80の動作について、説明する。
ここでは、カラープリンタ80が印刷処理を行う場合の処理の流れについて、実施例2と異なる部分のみ、説明を行う。
【0108】
本実施例のカラープリンタ80は、印刷機構12Cにおいて1次転写動作が開始されると、プリンタ制御部83の指示に基づき、高圧制御部82がコロナチャージャ81への電圧供給を開始する。コロナチャージャ81には、本実施例では、−4000Vの電圧が印加され、中間転写ベルト71は、コロナチャージャ81への電圧印加に伴い、その表面が−600V程度に帯電する。このとき、中間転写ベルト71上に転写されたトナー像も、中間転写ベルト71と共に帯電するが、マイナスの帯電電荷が増えるため、帯電極性の逆転等の問題は発生しない。また、摩擦帯電とは異なり、コロナチャージャ81による帯電であるため、トナー像が摩擦により損なわれることもない。
【0109】
コロナチャージャ81によりマイナスに帯電された中間転写ベルト71及びトナー像は、中間転写ベルト71の回転走行に伴い、2次転写部34に到達する。このとき、中間転写ベルト71の余白部はマイナスに帯電され、また、トナー像はより強くマイナスに帯電されている。したがって、2次転写部34において、トナーの飛散は起こりにくくなり、確実な2次転写が実現される。
【0110】
以上のように、本実施例のカラープリンタは、各印刷機構の更に下流側に、コロナチャージャを設置することにより、2次転写部において、中間転写ベルトのマイナス帯電の不足によるトナー飛散の発生を抑制可能となる。また、コロナチャージャにより、トナー像も、帯電極性を変えることなく更に強く帯電するため、確実な2次転写の実行が可能となり、更に高画質な印刷結果を得ることができる。
【0111】
なお、本実施例では、帯電部材としてコロナチャージャを採用したが、本発明はこれに限定されない。例えば、帯電部材として、接触帯電を行う帯電ローラを採用することも可能である。
【実施例4】
【0112】
図11は、本発明の実施例4に係るカラープリンタの概略断面図である。
本実施例のカラープリンタ90は、除電光源18K、18Y、18M、18C及びベルト除電光源72K、72Y、72Mに代えて、感光体ドラム15及び中間転写ベルト71を除電可能な除電光源91K、91Y、91M、91Cを設けると共に、遮光板92K、92Y、92M、92Cを追加する構成が、実施例3とは異なる。
なお、本実施例において、実施例1乃至実施例3と同様な構成については同一の符号で示し、これらについての詳しい説明を省略する。
【0113】
カラープリンタ90は、画像形成装置として、図11に示されるように、ベルト部材としての中間転写ベルト71の走行方向に沿って配設される4つの独立した印刷機構93K、93Y、93M及び93Cを備えている。
【0114】
印刷機構93K、93Y、93M及び93Cは、それぞれ、画像形成ユニット94と、LEDヘッド14とから構成される。
【0115】
画像形成ユニット94は、像担持体としての感光体ドラム15と、帯電ローラ16、現像ローラ17、スポンジローラ19、現像ブレード20及びトナーカートリッジ21とを備えている。
【0116】
画像形成ユニット94の内部には、また、感光体ドラム15と中間転写ベルト71との当接部下流側に、除電光源91が設置されている。この除電光源91は、感光体ドラム15及び中間転写ベルト71に同時に光を照射可能な指光特性を有し、感光体ドラム15の表面に光を照射して、残留電荷を除電すると共に、中間転写ベルト71の表面に光を照射して、蓄積されたマイナス帯電を除電する。
【0117】
画像形成ユニット94の内部には、更に、除電光源91からの光が感光体ドラム15と中間転写ベルト71との当接部、即ち1次転写部の上流側に照射されるのを遮るべく、遮蔽部材としての遮光板92が設置されている。除電光源91からの光が、1次転写部上流側に漏れ出すと、1次転写電圧の不足により、トナーの飛散が発生する虞がある。本実施例の遮光板92は、このような1次転写部におけるトナー飛散の発生を防ぐべく、各画像形成ユニット94において設置される。
【0118】
図12は、本発明の実施例4に係るカラープリンタの機能構成を示すブロック図である。
プリンタ制御部95は、各除電光源91の点灯及び消灯を制御する。
【0119】
次に、本実施例のカラープリンタ90の動作について、説明する。
ここでは、カラープリンタ90の印刷機構93Kにおける印刷処理の流れについて、実施例3と異なる部分のみ、説明を行う。
【0120】
印刷機構93Kにおいて、印刷動作が開始されると、プリンタ制御部95は、除電光源91Kを点灯する。除電光源91Kは、感光体ドラム15K及び中間転写ベルト71に光を照射して、1次転写後に感光体ドラム15K表面に残留した電荷を除電すると共に、1次転写部において中間転写ベルト71の光導電層74上に付着したマイナス電荷の除電を行う。また、遮光板92Kは、除電光源91Kからの光が1次転写部の上流側へと漏れ出して、トナー飛散を招くことを防止する。
【0121】
以上のように、本実施例のカラープリンタは、感光体ドラムの残留電荷を除電する除電光源と、中間転写ベルトの除電を行うベルト除電光源とを共有することにより、部品点数の削減が可能となるので、画質を劣化させることなくコストの削減及び装置の軽量化が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0122】
上記した各実施例では、中間転写方式の電子写真式カラープリンタを例に、説明を行ったが、本発明はこれに限定されない。例えば、転写搬送ベルト上に記録媒体を吸着させて搬送し、像担持体から記録媒体にトナー像の転写を行う直接転写方式の電子写真式カラープリンタにも適用可能である。
【0123】
また、上記した各実施例では、電荷供給部材として、ベルト駆動ローラ、ベルト従動ローラ及び2次転写バックアップローラを採用し、これらに1次転写電圧を供給する場合を例に説明を行ったが、ベルト駆動ローラ、ベルト従動ローラ及び2次転写バックアップローラの何れかにのみ1次転写電圧を印加する構成をとることも可能である。また、電荷供給部材を新たに設け、該電荷供給部材に1次転写電圧を印加する構成をとることも可能である。更に、4つの印刷機構のうち何れか3つにおいて、感光体ドラムとの対向位置に電荷供給部材としての転写ローラを設置する構成や、イエローとマゼンタの各印刷機構の間に電荷供給部材を設置する構成等も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0124】
【図1】本発明の実施例1に係るカラープリンタの概略断面図である。
【図2】実施例1の中間転写ベルトの構造を示す説明図である。
【図3】本発明の実施例1に係るカラープリンタの機能構成を示すブロック図である。
【図4】1次転写部に発生する電界についての説明図である。
【図5】2次転写部に発生する電界についての説明図である。
【図6】本発明の実施例2に係るカラープリンタの概略断面図である。
【図7】実施例2の中間転写ベルトの構造を示す説明図である。
【図8】本発明の実施例2に係るカラープリンタの機能構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の実施例3に係るカラープリンタの概略断面図である。
【図10】本発明の実施例3に係るカラープリンタの機能構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の実施例4に係るカラープリンタの概略断面図である。
【図12】本発明の実施例4に係るカラープリンタの機能構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0125】
10、70、80、90 カラープリンタ
11、71 中間転写ベルト
18、91 除電光源
23 ベルト駆動ローラ
24 ベルト従動ローラ
25 2次転写バックアップローラ
35 2次転写ローラ
65 高抵抗層
66 導電層
72 ベルト除電光源
74 光導電層
81 コロナチャージャ
92 遮光板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
転写体の搬送路に沿って配置され、トナー像を担持する複数の像担持体と、各前記トナー像を前記転写体に転写するために、該転写体に電荷を供給する少なくとも1つの電荷供給部材とを備える画像形成装置であって、
前記電荷供給部材は、前記複数の像担持体のうち少なくとも1つの前記像担持体との非対向位置に配置される
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記転写体は、前記複数の像担持体に接触して搬送されるベルト部材からなり、
前記電荷供給部材は、前記ベルト部材に前記電荷の供給を行い、
各前記トナー像は、前記ベルト部材及び各前記像担持体の接触部において、前記ベルト部材に転写される
ことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ベルト部材は、複数の支持部材に張架して搬送され、
少なくとも1つの前記電荷供給部材は、前記複数の支持部材の何れかからなる
ことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
各前記トナー像が転写される転写面を帯電させる帯電部材を更に備えることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ベルト部材は、少なくとも1層の導電層を有し、
前記導電層は、前記ベルト部材における前記複数の像担持体との接触部を含む接触面とは反対側の表面に形成される
ことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記導電層は、体積抵抗率が105Ω・cm以下の導電性部材からなることを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記ベルト部材は、光導電性部材からなる光導電層を有し、
前記光導電層は、前記ベルト部材における前記複数の像担持体との接触部を含む接触面に形成され、
前記光導電層を除電する除電部材を更に備える
ことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記除電部材は、更に前記像担持体の表面を除電することを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記除電部材は、前記ベルト部材の前記光導電層に光を照射して除電を行うと共に、更に前記像担持体の表面に光を照射して除電する除電光源からなり、
前記ベルト部材と前記像担持体との接触部への前記除電光源からの光を遮蔽するための遮光部材を更に備える
ことを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記複数の像担持体に対向して配置されるベルト部材を更に備え、
前記転写体は、前記ベルト部材により搬送される記録媒体からなり、
前記電荷供給部材は、前記ベルト部材を介して前記転写体に前記電荷を供給し、
各前記トナー像は、前記記録媒体に転写される
ことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記ベルト部材は、複数の支持部材に張架して配置され、
少なくとも1つの前記電荷供給部材は、前記複数の支持部材の何れかからなる
ことを特徴とする請求項10記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記ベルト部材は、少なくとも1層の導電層を有し、
前記導電層は、前記ベルト部材における前記記録媒体の搬送面とは反対側の表面に形成される
ことを特徴とする請求項10記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記導電層は、体積抵抗率が105Ω・cm以下の導電性部材からなることを特徴とする請求項12記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記転写体は、導電層を有する転写用ベルトからなり、
前記電荷供給部材は、前記転写ベルトに転写電圧を供給する転写電圧供給部からなる
ことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項1】
転写体の搬送路に沿って配置され、トナー像を担持する複数の像担持体と、各前記トナー像を前記転写体に転写するために、該転写体に電荷を供給する少なくとも1つの電荷供給部材とを備える画像形成装置であって、
前記電荷供給部材は、前記複数の像担持体のうち少なくとも1つの前記像担持体との非対向位置に配置される
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記転写体は、前記複数の像担持体に接触して搬送されるベルト部材からなり、
前記電荷供給部材は、前記ベルト部材に前記電荷の供給を行い、
各前記トナー像は、前記ベルト部材及び各前記像担持体の接触部において、前記ベルト部材に転写される
ことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ベルト部材は、複数の支持部材に張架して搬送され、
少なくとも1つの前記電荷供給部材は、前記複数の支持部材の何れかからなる
ことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
各前記トナー像が転写される転写面を帯電させる帯電部材を更に備えることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ベルト部材は、少なくとも1層の導電層を有し、
前記導電層は、前記ベルト部材における前記複数の像担持体との接触部を含む接触面とは反対側の表面に形成される
ことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記導電層は、体積抵抗率が105Ω・cm以下の導電性部材からなることを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記ベルト部材は、光導電性部材からなる光導電層を有し、
前記光導電層は、前記ベルト部材における前記複数の像担持体との接触部を含む接触面に形成され、
前記光導電層を除電する除電部材を更に備える
ことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記除電部材は、更に前記像担持体の表面を除電することを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記除電部材は、前記ベルト部材の前記光導電層に光を照射して除電を行うと共に、更に前記像担持体の表面に光を照射して除電する除電光源からなり、
前記ベルト部材と前記像担持体との接触部への前記除電光源からの光を遮蔽するための遮光部材を更に備える
ことを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記複数の像担持体に対向して配置されるベルト部材を更に備え、
前記転写体は、前記ベルト部材により搬送される記録媒体からなり、
前記電荷供給部材は、前記ベルト部材を介して前記転写体に前記電荷を供給し、
各前記トナー像は、前記記録媒体に転写される
ことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記ベルト部材は、複数の支持部材に張架して配置され、
少なくとも1つの前記電荷供給部材は、前記複数の支持部材の何れかからなる
ことを特徴とする請求項10記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記ベルト部材は、少なくとも1層の導電層を有し、
前記導電層は、前記ベルト部材における前記記録媒体の搬送面とは反対側の表面に形成される
ことを特徴とする請求項10記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記導電層は、体積抵抗率が105Ω・cm以下の導電性部材からなることを特徴とする請求項12記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記転写体は、導電層を有する転写用ベルトからなり、
前記電荷供給部材は、前記転写ベルトに転写電圧を供給する転写電圧供給部からなる
ことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−75357(P2009−75357A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−244137(P2007−244137)
【出願日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.セルフォック
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.セルフォック
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】
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