説明

画像形成装置

【課題】シャッタやクリーニング装置の接離機構を用いることなく放電生成物により潜像担持体が劣化することを防止できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】機械の休止時を認識する休止認識手段と、該休止認識手段が装置の休止を認識したとき、現像装置3によって感光体1上に形成したトナー付着部分Tを、感光体1を画像形成時とは逆方向に回転してコロナ帯電装置2と対向する位置まで移動して停止させる保護手段とを有する保護制御装置を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ、ファクシミリ、複写機、これらの少なくとも2つの機能を有する複合機等の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記画像形成装置において、帯電装置等にコロナ放電器を用いることはよく知られている。この種の画像形成装置では、コロナ帯電装置を用いていることで放電生成物による潜像担持体である感光体の劣化が問題となっている。すなわち、コロナ放電により生じたオゾンや硝酸化物などのコロナ生成物が感光体表面に直接吸着され、あるいは、コロナ放電器のシールドケースやグリッド等に一度付着した後、徐々に感光体表面に吸着される。この結果、感光体表面やバルク層の電気特性が劣化し、表面電位が変動する。特に、長時間の画像形成動作終了後、機械を停止させておいた場合、コロナ放電器に対向した位置の感光体部分の表面電位が局部的に低下し易くなる。
【0003】
この問題を解消するため、コロナ帯電器と感光体間を機械の休止時に遮断するためのシャッター機構を備え、放電生成物の感光体への付着を防止する技術が提案されている。例えば、特許文献1には複写終了後、感光体に対面したコロナ帯電器の開口面全面を遮蔽するような開閉機構を有することが開示されている。また、特許文献2にはコロナ放電器と感光体間を機械の休止時に遮断するためのシャッター機構を備えていることが開示されている。さらにまた、特許文献3にはコロナ放電器開口部全面を遮蔽するに十分なシャッター部材が複写終了後コロナ放電器の端部の支点を中心に回転し、コロナ放電器と感光体間を遮断するシャッター機構を有することが開示されている。
【0004】
特許文献1〜3の従来技術では、機械の休止時にコロナ帯電器と感光体間を遮断するためのシャッター機構を備えているが、コロナ帯電器付近の構成が複雑でコストも嵩むという欠点がある。
【0005】
そこで、特許文献4には感光体の移動を停止させる前に、現像装置により現像されたトナー吸着領域をコロナ主帯電装置と感光体の間に移動させて、感光体の移動を停止することにより、帯電動作中にコロナ帯電装置内に蓄積した放電生成物が、感光体表面に落下して直接接触するのを防止し、感光体の変質を防止する技術が提案されている。
【0006】
特許文献4ではシャッターでなく、感光体表面に付着させたトナーで放電生成物が感光体表面に直接接触するのを防止しているので、シャッター機構が不要になる利点がある。しかしながら、特許文献4の技術では放電生成物が現像装置で感光体表面に付着させたトナーの領域がクリーニング装置を通過するので、このままではトナーがクリーニングされて帯電部にトナーの領域をもっていくことができない。このため、クリーニング装置を感光体から接離させる機構が必要であり、クリーニング装置が複雑になるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平2−193158号公報
【特許文献2】特開平4−93864号公報
【特許文献3】特開平4−55870号公報
【特許文献4】特開平4−250472号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記した従来の問題を解消し、シャッタやクリーニング装置の接離機構を用いることなく放電生成物により潜像担持体が劣化することを防止できる画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するため、本発明は、潜像担持体と、該潜像担持体の表面を帯電させるコロナ帯電装置と、潜像担持体表面上に形成された静電潜像をトナーで顕像化する現像装置とを有する画像形成装置において、機械の休止時を認識する休止認識手段と、該休止認識手段が装置の休止を認識したとき、前記現像装置によって前記潜像担持体上に形成したトナー付着部分を、前記潜像担持体を画像形成時とは逆方向に回転して前記コロナ帯電装置と対向する位置まで移動して停止させる保護手段とを有する保護制御装置を備えていることを特徴とする画像形成装置を提案する。
【0010】
なお、本発明において、前記保護制御装置は電源をOFFする操作をがあったとき、前記休止認識手段が機械の休止として認識し、前記保護手段を作動し、その作動後に電源をOFFするように制御すると有利である。
【0011】
さらに、本発明において、前記保護制御装置は前記潜像担持体が新品のときからの画像形成回数または潜像担持体の走行距離を積算し、その積算値が所定値を越えるまでは画像形成動作時以外の機械停止状態が所定時間に達すると、前記休止認識手段が機械の休止を認識し、前記保護手段を作動するように制御すると有利である。
【0012】
さらにまた、本発明において、前記保護制御装置は前記潜像担持体の新品のときからの画像形成回数または潜像担持体の走行距離の積算値が所定値を越えた後は画像形成動作時以外の機械停止状態が所定時間に達しても前記休止認識手段が機械の休止を認識しない制御すると有利である。
【0013】
さらにまた、本発明において、前記保護制御装置は前記コロナ帯電装置が新品のときからの画像形成回数を積算し、その回数が所定値を越えてから以降する前記保護手段を作動するように制御すると有利である。
【0014】
さらにまた、本発明において、前記保護制御装置は機械内の温度及び湿度が適正幅よりも高温で、かつ高湿のとき、もしくは適正幅よりも低温で、かつ低湿のとき、前記保護手段を作動するように制御すると有利である。
【0015】
さらにまた、本発明において、前記潜像担持体に当接しているマイラ、ブレード等の弾性部材を、ウレタンゴムの摩擦係数よりも低い材料を使用するか、又は当接部に低い材料をコーティングした部品を使用すると有利である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、潜像担持体に付着させたトナーによって放電生成物から潜像担持体を保護する構成であっても、クリーニング装置を潜像担持体に対して接離させる機構を設ける必要が無く、簡易な構成で感光体劣化防止を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】その画像形成装置の保護手段作動時を示す説明図である。
【図3】その画像形成装置の感光体保護時を示す説明図である。
【図4】保護制御装置の制御の一例を示すフローチャートである。
【図5】保護制御装置の他の制御例を示すフローチャートである。
【図6】保護制御装置のさらに他の制御例を示すフローチャートである。
【図7】保護制御装置のさらにまた他の制御例を示すフローチャートである。
【図8】保護制御装置のさらにまた他の制御例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に従って説明する。
図1は、電子写真方式の画像形成装置の一実施形態を示す概略構成図であり、ここに示した画像形成装置は潜像担持体としての有機感光体(OPC)及び二成分乾式現像装置を備える。
【0019】
図1において、符号1は有機感光体(OPC)であり、例えば、ドラム状の支持体の表面にアルミニウム導電層を形成しその上に電荷担体発生層(CGL)と電荷担体輸送層(CTL)とを積層した積層型や、CTL中にCGLとして機能する粒子を分散させた分散型のものなどがある。符号2は感光体1表面を均一に帯電させるコロナ帯電装置であり、シールドケース2a、チャージワイヤ2b、グリッド電極2cを備えている。また、符号3はキャリアとトナーとからなる二成分現像剤を用いた二成分乾式現像方式(磁気ブラシ現像方式)の現像装置、符号4は転写ベルト、符号5は転写工程後に感光体1上に残留するトナーを除去するためのクリーニング装置、符号6はファーブラシ、符号7はクリーニングブレード、符号8は感光体表面を一定の摩擦係数に低減させる固形潤滑剤(例えば、ステアリン酸亜鉛等)、符号9は潤滑剤を感光体1に塗布する塗布ブラシ、符号10は塗布した潤滑剤を薄く均一にならす塗布ブレードである。
【0020】
感光体1が図示していない駆動装置によって反時計方向に回転されるとき、コロナ帯電装置2のマイナスコロナ放電及びマイナス電圧が印加されたグリッド電極2cによって感光体1の表面が所定の負極性に帯電される。帯電後の感光体1には、図示していない光書き込み装置から出射する光変調されたレーザ光Lが照射され、これによって感光体1に静電潜像が形成される。該静電潜像は、現像装置3の現像スリーブ上に穂立ちされた二成分現像剤の磁気ブラシによって現像されて顕像化される。なお、本実施形態では光書き込みが行なわれるところにトナーが付着し、書き込みが無いところではトナーが付着しないポジポジ現像の画像形成プロセスを採用している。
【0021】
かくして、感光体1の表面に形成されたトナー像は図示していない転写手段によって転写ベルト4に転写される。トナー像転写後の感光体1上に付着する転写残トナーは、クリーニング装置5のファーブラシ6によってある程度除去され、クリーニングブレード7によって完全に除去される。そして、転写残トナーが除去される感光体1には固形潤滑剤8を塗布ブラシ9で削りつつ感光体表面に塗布され、塗布された潤滑剤粉は塗布ブレード10によって均一に引き伸ばされ、感光体1へ定着させて摩擦係数を低く維持して次の画像形成に備える。
【0022】
このように構成された画像形成装置では、コロナ帯電装置2を用いているので、放電生成物による感光体1の劣化を防止しなければならない。
そこで、本発明では感光体1を回転する駆動装置に正転・逆転可能なモータを用いるとともに、休止認識手段、保護手段及び決定手段を備えた感光体1の劣化を防止する保護制御装置を設けている。この保護制御装置の保護手段を実行する場合、現像バイアスを印加しながら感光体1を図2に示すように逆転する。このとき感光体表面はコロナ帯電装置2によって帯電されていないので、大量のトナーが現像されたベタ画像状態となるトナー付着部分Tが形成される。このトナー付着部分Tの幅がコロナ帯電装置2の幅と略同等以上になるタイミングで現像バイアスの印加は停止し、感光体1の逆転動作だけが行なわれ、図3に示すようにコロナ帯電装置2に対向した位置に到達したところで逆転動作を停止する。この状態で放置されると、コロナ帯電装置2内のシールドケース2aやグリッド電極2c表面に付着・蓄積されている放電生成物が次第に感光体1表面に降り注いでもその位置に大量のトナーが存在するため、直接感光体1に付着せずにトナーに付着し、感光体1の劣化を防止することができる。なお、このとき形成されるトナー付着部分Tの大きさは、感光体1の周方向の幅がコロナ帯電装置と対向する幅より僅かに広い幅とし、感光体1の軸線方向の長さが現像可能な最大長としている。また、感光体1を正転・逆転するモータはその回転量を精度良く制御することができるモータ、例えばステッピングモータを用いることが好ましい。
【0023】
かくして、保護制御装置は感光体1の逆転しながら現像バイアスを印加して形成したトナー付着部分Tを、そのまま逆転を続けてコロナ帯電装置2に対向する位置まで移動させ、トナーの膜によって放電生成物による感光体1の劣化を防止する構成であるから、トナー付着部分Tがクリーニング装置5を通過することがない。したがって、トナーによって感光体1の劣化を防止するとともに、従来のようなクリーニング装置を感光体に対して接離させる機構が不要となり、構成が簡単で安価である。
【0024】
ところで、現像装置3やクリーニング装置5にはウレタンゴム等からなり、感光体1に接触している入口シール11,12が設けられており、上記のように感光体1の逆転動作を行うと、その入口シール11,12が巻き込んでしまい、そこからトナー飛散を引き起こす懸念がある。通常、入口シール11,12は、ブレード先端に挟まったトナーをリフレッシュするために行なわれる十数mm程度の逆転動作では問題にならなくても、上記保護制御装置のような数十mm以上の逆転動作を行う場合では完全にシールがめくれあがってしまい、トナー飛散を引き起こす懸念が生じる。
【0025】
そこで、かかる問題を解決するため、入口シール11,12の感光体接触面にフッ素コーティングを行なって低摩擦係数を維持して巻き込みを防止する。または入口シールの材料そのものを高密度ポリエチレンの材質にすることでやはり低摩擦係数を維持して巻き込みを防止する。この手段を用いることにより副作用無く、トナー付着部分を現像装置3からコロナ帯電装置2に対向する位置まで移動することができる。
【0026】
次に、上記した保護制御装置の作動時期について説明する。
感光体1が放電生成物によって劣化するのは、機械がある程度時間休止して感光体1の同じ位置がある時間以上放電生成物に晒されたときであり、一般的には一晩放置されると感光体1が放電生成物によって劣化して異常画像が発生する。そこで、保護制御装置は保護手段の作動を機械のメインスイッチがOFFされたときし図4に示す制御フローに基づいて制御する。
【0027】
図4において、メインスイッチがOFFされたかを判断し(ステップ1)、メインスイッチがOFFされると保護手段を作動してトナー付着部分Tをコロナ帯電装置2に対向させる(ステップ2)。次に、保護手段の作動が完了したかを監視し(ステップ3)、保護手段の作動が完了すると、機械への通電を遮断する(ステップ4)。
【0028】
このように制御することで、メインスイッチがOFFされた後に機械が長時間休止してもトナーによって感光体1に放電生成物が付着することが防止される。
ところで、感光体1が新品に近いときは表面性が良いために、上記した一晩放置で異常画像が発生する問題が10分20分程度の短時間放置で発生することもある。
【0029】
この問題を解消するために機械内に設置された機械待機状態の時間を積算するタイマ(図示せず)を設けて図5に示す制御フローに基づいて制御する。
図5において、画像形成動作終了等の待機状態の時間をタイマによって積算(ステップ1)、その待機時間が所定時間(例えば5分)に達してかを判断する(ステップ2)。そして、待機時間が所定時間に達すると、保護手段を作動してトナー付着部分Tをコロナ帯電装置2に対向させる(ステップ3)。
【0030】
このように制御することで、機械の待機時間が所定時間以上になるとトナーによって感光体1に放電生成物が付着することが防止される。また、図5の制御では機械の使用者は機械の電源をOFFする場合は画像形成終了時から5分以上待ってからOFFにしてもらうことで、効率よく放置前準備動作を行なうことができる。また、この制御を用いることにより、機械の電源をOFFせずに停止した状態で放置されている、比較的短時間の放置で発生する感光体劣化を防止することができる。
【0031】
ところで、本実施形態ではトナー付着部分Tを形成して感光体1の劣化を防止するが、このとき多量のトナーを消費しさらに除去するクリーニング装置5に負担を掛けている。したがって、保護手段の作動回数は少なければ少ないほど有利である。
【0032】
この観点から図5の制御を考察したとき、機械の待機時間が所定時間以上になる度にベタ画像状態のトナー付着部分を形成することは有利とはいえない。
そこで、機械の待機時間が所定時間以上になったとき、保護手段の作動させるのは感光体1が新品か新品に近いときに限られるので、図6に示すように制御する。
【0033】
図6において、感光体1が新品かが判断され(ステップ1)、感光体1が新品であると、そのときからの画像形成回数をカウントし(ステップ2)、その間図5の機械の待機時間が所定時間以上になったとき保護手段の作動させる制御を行う(ステップ3)。そして、画像形成回数のカウント数が所定値を越えたかを判断し(ステップ4)、そのカウント数が所定値を越えると機械の待機時間が所定時間以上になっても保護手段の作動しない制御を行う(ステップ5)。なお、ステップ2の画像形成回数をカウントの代わりに感光体1の走行距離をカウントしてもよい。
【0034】
このように制御することで、感光体1が新品に近い状態から脱すると、機械の待機時間が所定時間以上になっても保護手段の作動しないので、余計なトナー消費を引き起こすことがない。但し、かかる制御では画像形成回数のカウント数が所定値を越えた後に、一晩放置されるときに感光体1を保護できなくなる。
【0035】
そこで、図6の制御はステップ6を追加し、ステップ6として画像形成回数のカウント数が所定値を越えると、図4に示す電源OFF時の制御に切り替えることが好ましい。
【0036】
ところで、本発明者は種々の実験等の結果、感光体表面に放電生成物がこびりつきやすいケースと、こびりつきにくいケースとがあることを見出した。
まず、機械の内部の環境について、高温高湿環境や低温低湿環境で放電生成物がこびりつきやすく、逆に通常の例えば、温度23℃、湿度50%前後の中温、中湿の環境化ではほとんどこびりつかないことが判った。
【0037】
そこで、本実施形態では保護制御装置を図7に示す制御フローに基づいて制御する。
最初に、機械の内部の温度及び湿度を検知する(ステップ1)。その検知温度が第1温度(高温と中温の境目)より低いかが判断され(ステップ2)、検知温度が第1温度より高いと、検知湿度が第1湿度(高湿と中湿の境目)より低いかが判断される(ステップ3)。検知湿度が第1湿度より高いと、機械の内部が高温高湿環境化にあるとして例えば図4の制御を実行する(ステップ4)。逆に、ステップ3で検知湿度が第1湿度より低いと、機械の内部が高温でも高湿でないので、保護手段は作動しない(ステップ7)。
【0038】
また、ステップ2で検知温度が第1温度より低いと、検知湿度が第2温度(中温と低温の境目)より高いかが判断される(ステップ5)。検知温度が第2温度より低いと、検知湿度が第2湿度(中湿と低湿の境目)より低いかが判断される(ステップ6)。検知湿度が第2湿度より低いと、機械の内部が低温低湿環境化にあるとしてステップ4の図4の制御を実行する。逆に、ステップ6で検知湿度が第2湿度より高いと、機械の内部が低温でも低湿でないので、保護手段は作動しない(ステップ7)。さらに、ステップ5で検知温度が第2温度より高いと中温なので、検知湿度を見ることなく保護手段は作動しない(ステップ7)。
【0039】
このように制御することで、感光体1に放電生成物がこびりつきやすい高温高湿環境や低温低湿環境の機械の内部環境時のみ、保護手段を作動する制御を行うので、無駄なトナー消費等が防止することができる。
【0040】
さらに、本発明者はコロナ帯電装置が新品から間もないと、シールドケース2aやグリッド電極2c表面に放電生成物がほとんど蓄積されておらず、放電生成物の感光体への降り注ぎもほとんど無いことが判った。
【0041】
そこで、本実施形態では保護制御装置を図8に示す制御フローに基づいて制御する。
まず、コロナ帯電装置2が新品かを判断し(ステップ1)、コロナ帯電装置2が新品であればそのときからの画像形成回数をカウントし(ステップ2)、保護手段は作動しない(ステップ3)。そして、画像形成回数が所定値を越えたかが判断され(ステップ4)、そのカウント数が所定値を越えると、例えば図4の制御を実行する(ステップ5)。また、コロナ帯電装置2が新品でないときにはステップ5の図4の制御を実行する。
【0042】
このように制御することで、感光体1に放電生成物がこびりつきにくいコロナ帯電装置2が新品時期においては保護手段を作動する制御を行わないので、無駄なトナー消費等が防止することができる。
【0043】
なお、図7及び図8のステップにおいて「図4の制御実行」としたが、図4の制御の代わりに、図5または図6の制御の実行であってもよい。
【符号の説明】
【0044】
1 感光体
2 コロナ帯電装置
3 現像装置
5 クリーニング装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
潜像担持体と、該潜像担持体の表面を帯電させるコロナ帯電装置と、潜像担持体表面上に形成された静電潜像をトナーで顕像化する現像装置とを有する画像形成装置において、
機械の休止時を認識する休止認識手段と、該休止認識手段が装置の休止を認識したとき、前記現像装置によって前記潜像担持体上に形成したトナー付着部分を、前記潜像担持体を画像形成時とは逆方向に回転して前記コロナ帯電装置と対向する位置まで移動して停止させる保護手段とを有する保護制御装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、前記保護制御装置は電源をOFFする操作をがあったとき、前記休止認識手段が機械の休止として認識し、前記保護手段を作動し、その作動後に電源をOFFするように制御することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1に記載の画像形成装置において、前記保護制御装置は前記潜像担持体が新品のときからの画像形成回数または潜像担持体の走行距離を積算し、その積算値が所定値を越えるまでは画像形成動作時以外の機械停止状態が所定時間に達すると、前記休止認識手段が機械の休止を認識し、前記保護手段を作動するように制御することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像形成装置において、前記保護制御装置は前記潜像担持体の新品のときからの画像形成回数または潜像担持体の走行距離の積算値が所定値を越えた後は画像形成動作時以外の機械停止状態が所定時間に達しても前記休止認識手段が機械の休止を認識しない制御することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1に記載の画像形成装置において、前記保護制御装置は前記コロナ帯電装置が新品のときからの画像形成回数を積算し、その回数が所定値を越えてから以降する前記保護手段を作動するように制御することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1記載の画像形成装置において、前記保護制御装置は機械内の温度及び湿度が適正幅よりも高温で、かつ高湿のとき、もしくは適正幅よりも低温で、かつ低湿のとき、前記保護手段を作動するように制御することを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1記載の画像形成装置において、前記潜像担持体に当接しているマイラ、ブレード等の弾性部材を、ウレタンゴムの摩擦係数よりも低い材料を使用するか、又は当接部に低い材料をコーティングした部品を使用することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−160400(P2010−160400A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−3390(P2009−3390)
【出願日】平成21年1月9日(2009.1.9)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】