画像形成装置
【課題】原稿読取中に画像出力条件を変更するのに最適な画像形成装置の提供。
【解決手段】本発明は、原稿読取手段と、当該原稿読取手段が読み取った原稿の画像と、ユーザから受け付けた所定の画像出力条件とに基づいて画像を出力する出力手段とを備えた画像形成装置を前提とする。そして、本発明の画像形成装置は、画像出力条件の変更手段を備える。変更手段は、原稿読取手段が原稿の読取を開始してから、出力手段が画像の出力を完了するまでの間に、既に受け付けた画像出力条件を変更する旨の要求をユーザから受け付け、当該画像出力条件を変更する。そして、本発明の画像形成装置はユーザから画像出力条件を変更する旨の要求を受け付けた際に、出力手段が画像を出力している場合は出力を停止し、変更手段が変更した画像出力条件で画像を出力することを特徴とする。
【解決手段】本発明は、原稿読取手段と、当該原稿読取手段が読み取った原稿の画像と、ユーザから受け付けた所定の画像出力条件とに基づいて画像を出力する出力手段とを備えた画像形成装置を前提とする。そして、本発明の画像形成装置は、画像出力条件の変更手段を備える。変更手段は、原稿読取手段が原稿の読取を開始してから、出力手段が画像の出力を完了するまでの間に、既に受け付けた画像出力条件を変更する旨の要求をユーザから受け付け、当該画像出力条件を変更する。そして、本発明の画像形成装置はユーザから画像出力条件を変更する旨の要求を受け付けた際に、出力手段が画像を出力している場合は出力を停止し、変更手段が変更した画像出力条件で画像を出力することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特に画像出力のための設定条件(画像出力条件)の変更処理に最適な画像形成装置である。
【背景技術】
【0002】
現在画像形成装置には様々な機能が付加されており、ユーザは上記機能を付加して画像形成装置で読み取った原稿画像を出力することができる。画像の出力に関する設定条件(以下画像出力条件)が多肢に渡るため、画像形成装置が1枚または複数毎の原稿を読み取り中、あるいは、読み取り後の出力中に一旦設定した画像出力条件を変更したい場合が増えている。ここで、原稿読み取り中、あるいは出力中に画像出力条件を変更する場合の技術として、下記の特許文献が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−86863
【特許文献2】特開2002−200825
【特許文献3】特開2002−16626
【特許文献4】特開2006−326841
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術には、画像読取中に、画像出力条件のみを変更することは考慮されておらず、画像出力条件を変更するには、読み取りを一旦キャンセルする必要がある。すなわち、上記従来技術は、読み取りのジョブをキャンセルする場合に、キャンセルの時間短縮に関する技術もしくは、キャンセル方法に関する技術である。キャンセルの時間短縮に関して、特許文献1に開示の技術は、キャンセル後、再度画像形成可能な状態になるまでの時間を短縮する技術であり、特許文献2に開示の技術は、キャンセル後の印刷ジョブに影響を与えることなく速やかに印刷できる技術である。更に、キャンセル方法に関して、特許文献3に開示の技術は、印刷のジョブをキャンセルする場合にページ指定が出来る技術であり、特許文献4に開示の技術は、当該キャンセル時に部単位でキャンセル可能な技術である。
【0005】
つまり、上記いずれの技術であっても、画像出力条件を変更する機能は無く、原稿読取処理をキャンセルしてから画像出力条件を再入力する必要があるので、読取処理をキャンセルされた原稿は再度読み取らなければならない。画像出力条件を変更したとしても、読み取る原稿は同じなので、再度原稿を読み取る必要のある従来の画像形成装置は、時間が余分にかかり、ユーザにとっては大変不便な構成であった。したがって、原稿読取処理をキャンセルすることなく、設定変更を受け付ける画像形成装置が要請されていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を達成するための本発明は、原稿読取手段と、当該原稿読取手段が読み取った原稿の画像と、ユーザから受け付けた所定の画像出力条件とに基づいて画像を出力する出力手段とを備えた画像形成装置を前提とする。そして、本発明の画像形成装置は、変更手段を備える。変更手段は、原稿読取手段が原稿の読取を開始してから、出力手段が画像の出力を完了するまでの間に、既に受け付けた画像出力条件を変更する旨の要求をユーザから受け付け、当該画像出力条件を変更する。そして、本発明の画像形成装置はユーザから画像出力条件を変更する旨の要求を受け付けた際に、出力手段が画像を出力している場合は出力を停止し、変更手段が変更した画像出力条件で画像を出力することを特徴とする。
【0007】
上記の構成であれば、ユーザから画像出力条件を変更する旨の要求があったとしても、再度の読み取りをすることなく、新たな画像出力条件を受け付けることができる。
【0008】
上記の構成において、画像出力条件を変更する際に、変更手段が、既に受け付けた画像出力条件の設定項目のうち、原稿読取手段が読み取った画像を利用して出力可能な再設定可能項目をユーザに表示することが望ましい。
【0009】
さらに、設定項目と、当該設定項目を変更した場合に原稿読取手段が読み取った画像を利用して出力可能か否かを示す情報とを関連付けて記憶する出力条件記憶手段を備えて、変更手段は、当該出力条件記憶手段に基づいて、再設定可能な情報に関連付けられた設定項目を再設定可能項目としてユーザに表示することが望ましい。
【0010】
上記の構成であれば、出力条件記憶手段に設定項目と当該設定項目が再設定可能か否かの情報が関連付けられて記憶されているので、再設定可能な項目をすぐに判断することが出来る。更に画像の解像度を下げて出力することが可能であると判断した場合には、画像出力条件としての解像度を下げて出力することもできる。解像度には色情報も含まれるので、上記の構成であれば、カラーで読み取った画像をモノクロで出力することも可能となる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の画像形成装置によると、原稿読み取り中に画像出力条件の変更を行う場合であっても、原稿読取処理をキャンセルすることなく、条件変更後直ぐに画像を出力することができる。更に、原稿読取後に画像出力条件の変更を行う場合は、原稿の再読取処理をすることなく、変更後直ぐに画像を出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置の読取部の構成を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る画像形成装置の操作部を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る画像形成装置の制御系ハードウェアの構成を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る画像形成装置の機能ブロック図である。
【図6】本発明の実施形態に係る画像形成装置の画像出力条件変更処理のフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態に係る画像形成装置の画像出力条件変更処理のフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態に係る画像形成装置の画像出力条件変更処理のフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態に係る画像形成装置の画像出力条件変更処理のフローチャートである。
【図10】本発明の実施形態に係る画像形成装置の記憶手段に記憶されるテーブルの例である。
【図11】本発明の実施形態に係る画像形成装置のタッチパネルに表示される画面の例である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
〈画像形成装置〉
以下に、画像形成装置における画像の出力の一例として、基本的なコピーサービスの処理を説明する。本発明の実施形態に係る画像形成装置は、プリンタ、コピー、スキャナ、ファックス等を備えた複合機、デジタル複写機、プリンタ等が該当し、コピーサービス、スキャナサービス、ファクシミリサービス、プリンタサービス等を備えた画像形成装置として機能する。
【0014】
図1は、複合機の概略模式図である。ただし、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。なお、画像出力の一例として複合機を利用して原稿のコピーを行う際の画像形成装置の動作を簡単に説明するが、他の機能、例えば、ファクシミリ送受信機能、電子メール機能、スキャン機能、メモリ機能等をユーザに提供することはもちろんである。
【0015】
ユーザが複合機100を利用して例えば原稿の印刷を行う場合、原稿を図1に示す原稿台103、或いは載置台105に配置し、原稿台103近傍に備えられた操作部200に対して印刷の指示を行う。当該指示があると、以下に示す各部(駆動部)が動作することで、印刷が行われる。
【0016】
即ち、図1に示すように、本実施の形態の複合機100は、本体101と、本体101の上方に取り付けられたプラテンカバー102を備える。本体101の上面は原稿台103が設けられており、原稿台103は、プラテンカバー102によって開閉されるようになっている。プラテンカバー102には、自動原稿給紙装置104と載置台105と排紙台109が設けられている。
【0017】
原稿台103の下方には、読取部110が設けられており、図2にその詳細が示されている。読取部110は、原稿台103を照射する主走査方向に長い光源111と、原稿台からの光を選択的に通過させるスリット116と、原稿台からの光を導くミラー112とを備える第一の移動キャリッジ117や、第一の移動キャリッジ117からの反射光を再度反射するミラー113A、113Bを備える第二の移動キャリッジ118、更に、ミラーで導かれた光を光学的に補正するレンズ群119、当該レンズ群119より補正された光を受光する撮像素子115、当該撮像素子115にて受光した光を電気信号に変換し、必要に応じて補正・修正などを行う画像データ生成部114とで構成されている。
【0018】
自動原稿給紙装置104上の原稿を読み取る場合には、光源111は、読取位置Pを照射できる位置に移動して発光する。光源111からの光は、原稿台103を透過して読取位置Pを通過する原稿にて反射し、スリット116、ミラー112、113A、113B、レンズ群119によって撮像素子115に導かれる。撮像素子115は、受光した光を電気信号に変換して画像データ生成部114に送信する。画像データ生成部114には、上記撮像素子115にて受光された光がR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)のアナログ電気信号として入力され、ここでアナログ−デジタル変換され、即ちデジタル化される。更に、画像データ生成部114では、順次変換されたデジタル信号を単位データとし、これら単位データを補正、修正等することで複数の単位データからなる画像を生成する。画像は、後述のハードディスクに記憶することもできる。
【0019】
また、読取部110が原稿台103に載置された原稿を読み取る場合は、第一のキャリッジ117は、光源111を発光しながら副走査方向に移動し、光源111から撮像素子115までの光路長を一定にするために、第二の移動キャリッジ118は第一の移動キャリッジ117の1/2の速度で撮像素子115方向に移動する。撮像素子115は、ミラー112、113A、113Bに導かれた光に基づいて原稿台103に載置された原稿からの光を電気信号に変換し、これに基づいて画像データ生成部114が画像を生成する。
【0020】
本体101の読取部110の下方には、画像を印刷する印刷部120を備えている。印刷部120が印刷できる画像は、上記のように画像データ生成部114にて生成されたものや、複合機100に接続された通信ケーブル201を介して、ネットワーク202から画像形成の指示とともに送信される場合もある。
【0021】
印刷部120が行う印刷方式には、電子写真方式が用いられている。即ち、感光ドラム121を帯電器122で一様に帯電させ、その後レーザ123で感光ドラム121を照射して感光ドラム121に潜像を形成し、現像器124で潜像にトナーを付着させて可視像を形成し、転写ローラにて可視像を用紙に転写する方式である。可視像が印刷される用紙は、手差しトレイ131、給紙カセット132、133、134などの給紙トレイに載置されたものである。印刷部120が印刷を行う際には、何れか1つの給紙トレイから用紙1枚を、ピックアップローラ135を用いて引き出し、引き出した用紙を搬送ローラ137やレジストローラ138で中間転写ベルト125Aと転写ローラ125Bの間に送り込む。用紙を引き出す場合、手差しトレイ131に載置された用紙を、手差しトレイ用ピックアップローラ136を用いて引き出しても構わない。
【0022】
印刷部120は、中間転写ベルト125Aと転写ローラ125Bの間に送り込んだ用紙に、上記中間転写ベルト125A上の可視像を転写すると、可視像を定着させるために、搬送ベルト126で定着装置127に用紙を送る。定着装置127は、ヒータが内蔵された加熱ローラ128と、所定の圧力で加熱ローラ128に押し当てられた加圧ローラ129とで構成されている。加熱ローラ128と加圧ローラ129の間を用紙が通過すると、熱と用紙への押圧力によって可視像が用紙に定着する。印刷部120は、定着装置127を通過した用紙を排紙トレイ130に排紙する。
【0023】
以上が、複合機100における基本的なコピーサービスの処理である。なお、複合機100は、上述した各部(読取部110、印刷部120)を適宜協働的に動作することによって、他の機能をユーザに提供する。
【0024】
図3は、複合機100に備えられた操作部200の外観の一例を示す図である。ユーザは、上記操作部200を用いて、上述のような機能提供についての設定条件等を入力したり、書き込み情報を書き込んだり、所定の送信先へ書き込み情報を送信したりする。設定条件の入力、各サービスの実行開始等が行なわれる際に、上記操作部200に備えられたタッチパネル301、タッチペン302、操作キー303が用いられる。
【0025】
次に、図4を用いて、複合機100の制御系ハードウェアの構成を説明する。図4は、当該複合機100における制御系ハードウェアの概略構成図である。ただし、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。
【0026】
複合機100の制御回路は、CPU(Central Processing Unit)401、ROM(Read Only Memory)402、RAM(Random Access Memory)403、HDD(Hard Disk Drive)404、各駆動部に対応するドライバ405を内部バス406によって接続している。上記CPU401は、例えば、RAM303を作業領域として利用し、上記ROM402、HDD404等に記憶されているプログラムを実行し、当該実行結果に基づいて上記ドライバ405と操作部200からのデータ、指示を授受し、上記図1、2に示した各駆動部等の動作を制御する。
〈画像出力条件変更処理〉
次に、上記図1から図4及び図5から図11を参照して画像出力条件の変更の処理を説明する。図5は、本発明の複合機100の機能ブロック図であり、図6から図9は、上記処理のフローチャート、図10は、出力条件記憶手段に記憶された設定項目と当該設定項目が読取手段により読み取られた画像を利用して出力可能か否かを示すテーブルである。更に、図11は、上記処理の際にタッチパネルに表示される画面の例である。
【0027】
(実施例1)
図5の機能ブロック図、読み取りに関するフローチャートである図6及び出力に関するフローチャートである図7を参照して実施例1の画像形成装置を説明する。
【0028】
図7において、出力手段509は、原稿枚数が少ないときは原稿読取手段504の読み取り動作が終了してから作動し、原稿枚数が多いときは原稿読取手段504が所定の枚数の原稿を読み取った時点であって、未だ原稿読取手段504が作動している状態であっても出力を開始する場合を例にしている。
【0029】
ユーザが読取対象の原稿を図1の自動原稿給紙装置104に載置し、設定条件を操作部200のタッチパネル301に入力すると、設定条件受付手段501が、当該設定条件(画像出力条件)を受け付け、当該画像出力条件を出力条件記憶手段506に記憶させる(図6:S101)。
【0030】
画像出力条件の設定項目の例として、モード(カラー若しくはモノクロのいずれで画像を出力するかを示す)を「モノクロ」、解像度(1インチ当たりの出力画像の密度)を「400dpi」(Dots Per Inch)とし、拡大倍率を「400%」、用紙サイズを「A4」とする。本実施例では、複数枚の原稿を読み取るものとする。
【0031】
次に、ユーザが操作部200のスタートキー605を押下すると、後述する変更手段502がスタンバイ状態となる。すなわち、後述する設定変更キー1122を押下すると変更手段502が起動する状態となる。(図6:S102→S103)。
【0032】
更に、上記のようにユーザがスタートキー605を押下すると、原稿読取手段504が、原稿を読み取り可能となり、更に、出力手段509が上記画像出力条件に基づいて、原稿読取手段504が読み取った画像を出力可能となる。原稿の読み取りが可能となった原稿読取手段504は、原稿読取手段504のカウンタを「n=1」にして、上記原稿の読み取りを開始し、読み取った画像を順に画像記憶手段505に記憶させる(図6:S104→S105)。
【0033】
上記原稿読取手段504は、上記カウンタの値をインクリメントして、全ての原稿を読み取ると動作を終了する(図6:S106→S107→End)。尚、当該原稿読取手段504が、上記読み取り処理を終えた後も、変更手段502は、スタンバイ状態を維持するものとする。
【0034】
上記原稿読取手段504は、上記自動原稿給紙装置104に載置された原稿を全部読み取ったとき、あるいは、原稿の枚数が多い場合、所定枚数の原稿を読み取った時点であって画像記憶手段505が出力の準備ができたとき、出力手段509にその旨を通知し、出力手段509はその通知を受けて出力を開始する。(図7:S201YES)。
【0035】
後述の画像出力条件の変更要求が無い場合、出力手段509は画像記憶手段505に記憶された画像を一枚ずつ取得し、取得した画像を出力する(図7:S202→S203NO→S206)。更に、上記出力手段509は、全ての画像を出力するまで上記操作を続ける(図7:S207NO→S208→S203)。
【0036】
一方、ユーザによって図11に示す設定変更キー1122が押下され、画像出力条件の変更要求があった場合、既に上記S101のステップで設定された画像出力条件を変更する処理に移行する。
【0037】
すなわち、上記S103のステップでスタンバイ状態とされた変更手段502が、図11に示すように、操作部200のタッチパネル301の画面上に既に受け付けた画像出力条件を変更できる旨の表示をする。例えば、変更手段502は操作部200のタッチパネル301に図11(a)に示すような原稿読取中であることを示すメッセージ1120を表示する。更に、ユーザに画像出力条件が変更できることを促すメッセージ1121「設定変更で画像出力条件を変更できます」と、当該メッセージに対してユーザが画像出力条件を変更したい場合に押下する設定変更キー1122とを表示する(図7:S202)。
【0038】
上記メッセージ1120に対して、ユーザが上記設定変更キー1122を押下すると、変更手段502はその旨を出力手段509に通知し、これを受けた出力手段509は(図7:S203YES)、上記設定変更が完了するのを待つ(画像を出力している場合は、当該出力を停止し、まだ画像を出力していない場合は(読み取り中である場合)、画像を出力しない)ことになる(図7:S204)。
【0039】
一方、変更手段502は、上記のようにユーザが上記設定変更キー1122を押下すると、出力手段509に対して設定変更キー1122が押下された旨の通知をするとともに、既にS101の処理で出力条件記憶手段506に記憶されている画像出力条件の設定項目のうち、前記読取手段504が読み取った(あるいは読み取り中の)画像を利用して(再度の原稿読取をすることなく)出力可能な再設定可能項目(画像出力条件の再設定が可能な項目)の取得を開始する。
【0040】
すなわち、変更手段502は、出力条件記憶手段506に記憶された、図10に示すような再設定可能項目テーブル1000に基づいて上記再設定可能項目を取得する。ここで、再設定可能項目テーブル1000には、上記画像出力条件の項目である「設定項目」1010と、当該設定項目が再設定可能であるか否かを示す「再設定の可否」1020が関連付けられて記憶されている。「再設定の可否」1020は「○」が再設定可能を意味し、「×」が再設定不可を意味する。当該「再設定の可否」1020は使用する複合機100の機能に応じて任意に設定することができる。
【0041】
例えば、変更手段502は、出力条件記憶手段507の再設定可能項目テーブル1000の「再設定の可否」1020を参照して、再設定可能を意味する「○」と関連付けられた「設定項目」を再設定可能項目として取得する。図10では「用紙サイズ」1011、「枚数」1012、「拡大倍率」1014が再設定可能項目として取得され、「モード」1013は取得されない。
【0042】
上記のようにして、変更手段502が再設定可能項目を取得すると、当該再設定可能項目を、図11(b)に示すように、操作部200のタッチパネル301に表示する。
【0043】
ユーザは、表示された再設定可能項目のうち、自己が変更を希望する再設定可能項目を選択して、再設定可能項目の内容を変更する。例えば、ユーザは、再設定可能項目「用紙サイズ」を選択して、「用紙サイズ」の内容を「A4」から「A5」に変更する。
【0044】
ユーザが再設定可能項目の内容を変更して、OKキー1145を押下すると、変更手段502が、出力条件記憶手段506に記憶された初期の画像出力条件を変更後の画像出力条件に書き換えるとともに、その旨を出力手段509に通知する。この通知を受けた出力手段509は変更された出力条件を用いて最初に読み取った画像からの出力処理をすることになる(図7:S204YES)。
【0045】
すなわち、出力手段509のカウンタを「n=1」にして、当該カウンタの順番に上記画像の出力を開始する(図7:S205→S206)。
【0046】
その後、出力手段509は、画像記憶手段505に記憶された全ての画像を出力したか否かを判断して、全ての画像を出力したと判断した場合に処理を終了する(図7:S207YES→エンド)出力すべき画像がある場合、出力手段509は上記カウンタの値をインクリメントして、全ての画像を出力するまで上記操作を続ける(図7:S207NO→S208、図6:S108YES→End)。
【0047】
尚、出力手段509がすべての画像の出力を終了した時点で、上記変更手段502のスタンバイ状態も解除される(図7:S209)。従って、変更手段502は読み取り動作中、あるいは出力動作中はいつでも設定条件の変更を受付可能となる。
【0048】
(実施例2)
実施例2は、原稿読取手段504が原稿を全て読み取った後に、画像を出力する態様の画像形成装置である。実施例2の画像出力条件の変更処理について図8を参照して説明する。
【0049】
まず、スタートキーを押下し、原稿の読取が開始される時点で、変更手段502がスタンバイ状態になることは実施の形態1と同様である。またこの実施例では、出力手段509は読取手段504からの読み取り終了の通知を受けて出力を開始する。画像出力条件の変更要求が無い場合、原稿読取手段504の読み取りが終了してから、読み取った画像を出力手段509が一枚ずつ出力することを繰り返す(図8:S301YES→S302NO→S305→S306NO→S307)。
【0050】
変更手段502は、操作部200のタッチパネル301の画面上に図11(c)に示すような画像を出力中である旨のメッセージ1130とともに、上述した、ユーザに画像出力条件が変更できることを促すメッセージ1121「設定変更で画像出力条件を変更できます」を表示する。その後、ユーザからの画像出力条件の変更要求を受け付け、上記と同様にして、画像出力条件の変更がなされ(図8:S302YES→S303)、変更された画像出力条件で画像を出力する。なお、その他の処理は実施例1と同じなので説明を省略する。本実施例でも、出力手段509がすべての画像の出力を終了した時点で、上記変更手段502のスタンバイ状態も解除される(図8:S308)。従って、変更手段502は読み取り動作中、あるいは出力動作中はいつでも設定条件の変更を受付可能となる。
【0051】
(実施例3)
実施例3は、原稿を1枚読み取った後に当該1枚を出力することを繰り返す画像形成装置である。実施例3の画像出力条件の変更処理について図9を参照して説明する。
【0052】
ユーザが操作部200のスタートキー605を押下すると、前記2つの実施の形態と同様、変更手段502がスタンバイ状態になり、以下の読取と出力が開始される。すなわち、原稿読取手段504は、原稿を1枚読み取り、画像出力条件の変更要求が無い場合、読み取った画像を出力手段509が出力することを繰り返す。(図9:S401→S402NO→S404→S405YES)。
【0053】
この場合、原稿読取手段504が原稿を1枚読み取り後、実施例1と同様に変更手段502が画像出力条件の変更要求を受け付ける。そして、出力手段509が変更された画像出力条件で読み取った画像を出力する(図9:S402YES→S403YES→S404)。本実施例でも、出力手段509がすべての画像の出力を終了した時点で、上記変更手段502のスタンバイ状態も解除される(図9:S406)。従って、変更手段502は読み取り動作中、あるいは出力動作中はいつでも設定条件の変更を受付可能となる。
【0054】
(その他)
画像出力条件のうち、画像解像度を変更して出力できる場合、当該画像解像度を再設定可能な設定項目とすることもできる。例えば、変更後の解像度が所定範囲であれば当該解像度を変更して画像を出力することができる場合、変更手段502は解像度を所定範囲に変更するという条件で当該解像度を再設定可能項目として取得する。
【0055】
更に、カラーとして読み取った画像をモノクロの画像で出力することが可能であるなら、変更手段502はモードを再設定可能項目として取得する。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明を使用すると、原稿の読み取り中に、画像出力条件を変更する場合であっても、原稿読取処理をキャンセルせずに、画像出力の変更が可能である。したがってその産業上の利用可能性は大きい。
【符号の説明】
【0057】
100 画像形成装置
200 操作部
501 設定条件受付手段
502 変更手段
504 原稿読取手段
505 画像記憶手段
506 出力条件記憶手段
508 変更制御手段
509 出力手段
1000 再設定可能項目テーブル
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特に画像出力のための設定条件(画像出力条件)の変更処理に最適な画像形成装置である。
【背景技術】
【0002】
現在画像形成装置には様々な機能が付加されており、ユーザは上記機能を付加して画像形成装置で読み取った原稿画像を出力することができる。画像の出力に関する設定条件(以下画像出力条件)が多肢に渡るため、画像形成装置が1枚または複数毎の原稿を読み取り中、あるいは、読み取り後の出力中に一旦設定した画像出力条件を変更したい場合が増えている。ここで、原稿読み取り中、あるいは出力中に画像出力条件を変更する場合の技術として、下記の特許文献が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−86863
【特許文献2】特開2002−200825
【特許文献3】特開2002−16626
【特許文献4】特開2006−326841
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術には、画像読取中に、画像出力条件のみを変更することは考慮されておらず、画像出力条件を変更するには、読み取りを一旦キャンセルする必要がある。すなわち、上記従来技術は、読み取りのジョブをキャンセルする場合に、キャンセルの時間短縮に関する技術もしくは、キャンセル方法に関する技術である。キャンセルの時間短縮に関して、特許文献1に開示の技術は、キャンセル後、再度画像形成可能な状態になるまでの時間を短縮する技術であり、特許文献2に開示の技術は、キャンセル後の印刷ジョブに影響を与えることなく速やかに印刷できる技術である。更に、キャンセル方法に関して、特許文献3に開示の技術は、印刷のジョブをキャンセルする場合にページ指定が出来る技術であり、特許文献4に開示の技術は、当該キャンセル時に部単位でキャンセル可能な技術である。
【0005】
つまり、上記いずれの技術であっても、画像出力条件を変更する機能は無く、原稿読取処理をキャンセルしてから画像出力条件を再入力する必要があるので、読取処理をキャンセルされた原稿は再度読み取らなければならない。画像出力条件を変更したとしても、読み取る原稿は同じなので、再度原稿を読み取る必要のある従来の画像形成装置は、時間が余分にかかり、ユーザにとっては大変不便な構成であった。したがって、原稿読取処理をキャンセルすることなく、設定変更を受け付ける画像形成装置が要請されていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を達成するための本発明は、原稿読取手段と、当該原稿読取手段が読み取った原稿の画像と、ユーザから受け付けた所定の画像出力条件とに基づいて画像を出力する出力手段とを備えた画像形成装置を前提とする。そして、本発明の画像形成装置は、変更手段を備える。変更手段は、原稿読取手段が原稿の読取を開始してから、出力手段が画像の出力を完了するまでの間に、既に受け付けた画像出力条件を変更する旨の要求をユーザから受け付け、当該画像出力条件を変更する。そして、本発明の画像形成装置はユーザから画像出力条件を変更する旨の要求を受け付けた際に、出力手段が画像を出力している場合は出力を停止し、変更手段が変更した画像出力条件で画像を出力することを特徴とする。
【0007】
上記の構成であれば、ユーザから画像出力条件を変更する旨の要求があったとしても、再度の読み取りをすることなく、新たな画像出力条件を受け付けることができる。
【0008】
上記の構成において、画像出力条件を変更する際に、変更手段が、既に受け付けた画像出力条件の設定項目のうち、原稿読取手段が読み取った画像を利用して出力可能な再設定可能項目をユーザに表示することが望ましい。
【0009】
さらに、設定項目と、当該設定項目を変更した場合に原稿読取手段が読み取った画像を利用して出力可能か否かを示す情報とを関連付けて記憶する出力条件記憶手段を備えて、変更手段は、当該出力条件記憶手段に基づいて、再設定可能な情報に関連付けられた設定項目を再設定可能項目としてユーザに表示することが望ましい。
【0010】
上記の構成であれば、出力条件記憶手段に設定項目と当該設定項目が再設定可能か否かの情報が関連付けられて記憶されているので、再設定可能な項目をすぐに判断することが出来る。更に画像の解像度を下げて出力することが可能であると判断した場合には、画像出力条件としての解像度を下げて出力することもできる。解像度には色情報も含まれるので、上記の構成であれば、カラーで読み取った画像をモノクロで出力することも可能となる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の画像形成装置によると、原稿読み取り中に画像出力条件の変更を行う場合であっても、原稿読取処理をキャンセルすることなく、条件変更後直ぐに画像を出力することができる。更に、原稿読取後に画像出力条件の変更を行う場合は、原稿の再読取処理をすることなく、変更後直ぐに画像を出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置の読取部の構成を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る画像形成装置の操作部を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る画像形成装置の制御系ハードウェアの構成を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る画像形成装置の機能ブロック図である。
【図6】本発明の実施形態に係る画像形成装置の画像出力条件変更処理のフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態に係る画像形成装置の画像出力条件変更処理のフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態に係る画像形成装置の画像出力条件変更処理のフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態に係る画像形成装置の画像出力条件変更処理のフローチャートである。
【図10】本発明の実施形態に係る画像形成装置の記憶手段に記憶されるテーブルの例である。
【図11】本発明の実施形態に係る画像形成装置のタッチパネルに表示される画面の例である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
〈画像形成装置〉
以下に、画像形成装置における画像の出力の一例として、基本的なコピーサービスの処理を説明する。本発明の実施形態に係る画像形成装置は、プリンタ、コピー、スキャナ、ファックス等を備えた複合機、デジタル複写機、プリンタ等が該当し、コピーサービス、スキャナサービス、ファクシミリサービス、プリンタサービス等を備えた画像形成装置として機能する。
【0014】
図1は、複合機の概略模式図である。ただし、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。なお、画像出力の一例として複合機を利用して原稿のコピーを行う際の画像形成装置の動作を簡単に説明するが、他の機能、例えば、ファクシミリ送受信機能、電子メール機能、スキャン機能、メモリ機能等をユーザに提供することはもちろんである。
【0015】
ユーザが複合機100を利用して例えば原稿の印刷を行う場合、原稿を図1に示す原稿台103、或いは載置台105に配置し、原稿台103近傍に備えられた操作部200に対して印刷の指示を行う。当該指示があると、以下に示す各部(駆動部)が動作することで、印刷が行われる。
【0016】
即ち、図1に示すように、本実施の形態の複合機100は、本体101と、本体101の上方に取り付けられたプラテンカバー102を備える。本体101の上面は原稿台103が設けられており、原稿台103は、プラテンカバー102によって開閉されるようになっている。プラテンカバー102には、自動原稿給紙装置104と載置台105と排紙台109が設けられている。
【0017】
原稿台103の下方には、読取部110が設けられており、図2にその詳細が示されている。読取部110は、原稿台103を照射する主走査方向に長い光源111と、原稿台からの光を選択的に通過させるスリット116と、原稿台からの光を導くミラー112とを備える第一の移動キャリッジ117や、第一の移動キャリッジ117からの反射光を再度反射するミラー113A、113Bを備える第二の移動キャリッジ118、更に、ミラーで導かれた光を光学的に補正するレンズ群119、当該レンズ群119より補正された光を受光する撮像素子115、当該撮像素子115にて受光した光を電気信号に変換し、必要に応じて補正・修正などを行う画像データ生成部114とで構成されている。
【0018】
自動原稿給紙装置104上の原稿を読み取る場合には、光源111は、読取位置Pを照射できる位置に移動して発光する。光源111からの光は、原稿台103を透過して読取位置Pを通過する原稿にて反射し、スリット116、ミラー112、113A、113B、レンズ群119によって撮像素子115に導かれる。撮像素子115は、受光した光を電気信号に変換して画像データ生成部114に送信する。画像データ生成部114には、上記撮像素子115にて受光された光がR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)のアナログ電気信号として入力され、ここでアナログ−デジタル変換され、即ちデジタル化される。更に、画像データ生成部114では、順次変換されたデジタル信号を単位データとし、これら単位データを補正、修正等することで複数の単位データからなる画像を生成する。画像は、後述のハードディスクに記憶することもできる。
【0019】
また、読取部110が原稿台103に載置された原稿を読み取る場合は、第一のキャリッジ117は、光源111を発光しながら副走査方向に移動し、光源111から撮像素子115までの光路長を一定にするために、第二の移動キャリッジ118は第一の移動キャリッジ117の1/2の速度で撮像素子115方向に移動する。撮像素子115は、ミラー112、113A、113Bに導かれた光に基づいて原稿台103に載置された原稿からの光を電気信号に変換し、これに基づいて画像データ生成部114が画像を生成する。
【0020】
本体101の読取部110の下方には、画像を印刷する印刷部120を備えている。印刷部120が印刷できる画像は、上記のように画像データ生成部114にて生成されたものや、複合機100に接続された通信ケーブル201を介して、ネットワーク202から画像形成の指示とともに送信される場合もある。
【0021】
印刷部120が行う印刷方式には、電子写真方式が用いられている。即ち、感光ドラム121を帯電器122で一様に帯電させ、その後レーザ123で感光ドラム121を照射して感光ドラム121に潜像を形成し、現像器124で潜像にトナーを付着させて可視像を形成し、転写ローラにて可視像を用紙に転写する方式である。可視像が印刷される用紙は、手差しトレイ131、給紙カセット132、133、134などの給紙トレイに載置されたものである。印刷部120が印刷を行う際には、何れか1つの給紙トレイから用紙1枚を、ピックアップローラ135を用いて引き出し、引き出した用紙を搬送ローラ137やレジストローラ138で中間転写ベルト125Aと転写ローラ125Bの間に送り込む。用紙を引き出す場合、手差しトレイ131に載置された用紙を、手差しトレイ用ピックアップローラ136を用いて引き出しても構わない。
【0022】
印刷部120は、中間転写ベルト125Aと転写ローラ125Bの間に送り込んだ用紙に、上記中間転写ベルト125A上の可視像を転写すると、可視像を定着させるために、搬送ベルト126で定着装置127に用紙を送る。定着装置127は、ヒータが内蔵された加熱ローラ128と、所定の圧力で加熱ローラ128に押し当てられた加圧ローラ129とで構成されている。加熱ローラ128と加圧ローラ129の間を用紙が通過すると、熱と用紙への押圧力によって可視像が用紙に定着する。印刷部120は、定着装置127を通過した用紙を排紙トレイ130に排紙する。
【0023】
以上が、複合機100における基本的なコピーサービスの処理である。なお、複合機100は、上述した各部(読取部110、印刷部120)を適宜協働的に動作することによって、他の機能をユーザに提供する。
【0024】
図3は、複合機100に備えられた操作部200の外観の一例を示す図である。ユーザは、上記操作部200を用いて、上述のような機能提供についての設定条件等を入力したり、書き込み情報を書き込んだり、所定の送信先へ書き込み情報を送信したりする。設定条件の入力、各サービスの実行開始等が行なわれる際に、上記操作部200に備えられたタッチパネル301、タッチペン302、操作キー303が用いられる。
【0025】
次に、図4を用いて、複合機100の制御系ハードウェアの構成を説明する。図4は、当該複合機100における制御系ハードウェアの概略構成図である。ただし、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。
【0026】
複合機100の制御回路は、CPU(Central Processing Unit)401、ROM(Read Only Memory)402、RAM(Random Access Memory)403、HDD(Hard Disk Drive)404、各駆動部に対応するドライバ405を内部バス406によって接続している。上記CPU401は、例えば、RAM303を作業領域として利用し、上記ROM402、HDD404等に記憶されているプログラムを実行し、当該実行結果に基づいて上記ドライバ405と操作部200からのデータ、指示を授受し、上記図1、2に示した各駆動部等の動作を制御する。
〈画像出力条件変更処理〉
次に、上記図1から図4及び図5から図11を参照して画像出力条件の変更の処理を説明する。図5は、本発明の複合機100の機能ブロック図であり、図6から図9は、上記処理のフローチャート、図10は、出力条件記憶手段に記憶された設定項目と当該設定項目が読取手段により読み取られた画像を利用して出力可能か否かを示すテーブルである。更に、図11は、上記処理の際にタッチパネルに表示される画面の例である。
【0027】
(実施例1)
図5の機能ブロック図、読み取りに関するフローチャートである図6及び出力に関するフローチャートである図7を参照して実施例1の画像形成装置を説明する。
【0028】
図7において、出力手段509は、原稿枚数が少ないときは原稿読取手段504の読み取り動作が終了してから作動し、原稿枚数が多いときは原稿読取手段504が所定の枚数の原稿を読み取った時点であって、未だ原稿読取手段504が作動している状態であっても出力を開始する場合を例にしている。
【0029】
ユーザが読取対象の原稿を図1の自動原稿給紙装置104に載置し、設定条件を操作部200のタッチパネル301に入力すると、設定条件受付手段501が、当該設定条件(画像出力条件)を受け付け、当該画像出力条件を出力条件記憶手段506に記憶させる(図6:S101)。
【0030】
画像出力条件の設定項目の例として、モード(カラー若しくはモノクロのいずれで画像を出力するかを示す)を「モノクロ」、解像度(1インチ当たりの出力画像の密度)を「400dpi」(Dots Per Inch)とし、拡大倍率を「400%」、用紙サイズを「A4」とする。本実施例では、複数枚の原稿を読み取るものとする。
【0031】
次に、ユーザが操作部200のスタートキー605を押下すると、後述する変更手段502がスタンバイ状態となる。すなわち、後述する設定変更キー1122を押下すると変更手段502が起動する状態となる。(図6:S102→S103)。
【0032】
更に、上記のようにユーザがスタートキー605を押下すると、原稿読取手段504が、原稿を読み取り可能となり、更に、出力手段509が上記画像出力条件に基づいて、原稿読取手段504が読み取った画像を出力可能となる。原稿の読み取りが可能となった原稿読取手段504は、原稿読取手段504のカウンタを「n=1」にして、上記原稿の読み取りを開始し、読み取った画像を順に画像記憶手段505に記憶させる(図6:S104→S105)。
【0033】
上記原稿読取手段504は、上記カウンタの値をインクリメントして、全ての原稿を読み取ると動作を終了する(図6:S106→S107→End)。尚、当該原稿読取手段504が、上記読み取り処理を終えた後も、変更手段502は、スタンバイ状態を維持するものとする。
【0034】
上記原稿読取手段504は、上記自動原稿給紙装置104に載置された原稿を全部読み取ったとき、あるいは、原稿の枚数が多い場合、所定枚数の原稿を読み取った時点であって画像記憶手段505が出力の準備ができたとき、出力手段509にその旨を通知し、出力手段509はその通知を受けて出力を開始する。(図7:S201YES)。
【0035】
後述の画像出力条件の変更要求が無い場合、出力手段509は画像記憶手段505に記憶された画像を一枚ずつ取得し、取得した画像を出力する(図7:S202→S203NO→S206)。更に、上記出力手段509は、全ての画像を出力するまで上記操作を続ける(図7:S207NO→S208→S203)。
【0036】
一方、ユーザによって図11に示す設定変更キー1122が押下され、画像出力条件の変更要求があった場合、既に上記S101のステップで設定された画像出力条件を変更する処理に移行する。
【0037】
すなわち、上記S103のステップでスタンバイ状態とされた変更手段502が、図11に示すように、操作部200のタッチパネル301の画面上に既に受け付けた画像出力条件を変更できる旨の表示をする。例えば、変更手段502は操作部200のタッチパネル301に図11(a)に示すような原稿読取中であることを示すメッセージ1120を表示する。更に、ユーザに画像出力条件が変更できることを促すメッセージ1121「設定変更で画像出力条件を変更できます」と、当該メッセージに対してユーザが画像出力条件を変更したい場合に押下する設定変更キー1122とを表示する(図7:S202)。
【0038】
上記メッセージ1120に対して、ユーザが上記設定変更キー1122を押下すると、変更手段502はその旨を出力手段509に通知し、これを受けた出力手段509は(図7:S203YES)、上記設定変更が完了するのを待つ(画像を出力している場合は、当該出力を停止し、まだ画像を出力していない場合は(読み取り中である場合)、画像を出力しない)ことになる(図7:S204)。
【0039】
一方、変更手段502は、上記のようにユーザが上記設定変更キー1122を押下すると、出力手段509に対して設定変更キー1122が押下された旨の通知をするとともに、既にS101の処理で出力条件記憶手段506に記憶されている画像出力条件の設定項目のうち、前記読取手段504が読み取った(あるいは読み取り中の)画像を利用して(再度の原稿読取をすることなく)出力可能な再設定可能項目(画像出力条件の再設定が可能な項目)の取得を開始する。
【0040】
すなわち、変更手段502は、出力条件記憶手段506に記憶された、図10に示すような再設定可能項目テーブル1000に基づいて上記再設定可能項目を取得する。ここで、再設定可能項目テーブル1000には、上記画像出力条件の項目である「設定項目」1010と、当該設定項目が再設定可能であるか否かを示す「再設定の可否」1020が関連付けられて記憶されている。「再設定の可否」1020は「○」が再設定可能を意味し、「×」が再設定不可を意味する。当該「再設定の可否」1020は使用する複合機100の機能に応じて任意に設定することができる。
【0041】
例えば、変更手段502は、出力条件記憶手段507の再設定可能項目テーブル1000の「再設定の可否」1020を参照して、再設定可能を意味する「○」と関連付けられた「設定項目」を再設定可能項目として取得する。図10では「用紙サイズ」1011、「枚数」1012、「拡大倍率」1014が再設定可能項目として取得され、「モード」1013は取得されない。
【0042】
上記のようにして、変更手段502が再設定可能項目を取得すると、当該再設定可能項目を、図11(b)に示すように、操作部200のタッチパネル301に表示する。
【0043】
ユーザは、表示された再設定可能項目のうち、自己が変更を希望する再設定可能項目を選択して、再設定可能項目の内容を変更する。例えば、ユーザは、再設定可能項目「用紙サイズ」を選択して、「用紙サイズ」の内容を「A4」から「A5」に変更する。
【0044】
ユーザが再設定可能項目の内容を変更して、OKキー1145を押下すると、変更手段502が、出力条件記憶手段506に記憶された初期の画像出力条件を変更後の画像出力条件に書き換えるとともに、その旨を出力手段509に通知する。この通知を受けた出力手段509は変更された出力条件を用いて最初に読み取った画像からの出力処理をすることになる(図7:S204YES)。
【0045】
すなわち、出力手段509のカウンタを「n=1」にして、当該カウンタの順番に上記画像の出力を開始する(図7:S205→S206)。
【0046】
その後、出力手段509は、画像記憶手段505に記憶された全ての画像を出力したか否かを判断して、全ての画像を出力したと判断した場合に処理を終了する(図7:S207YES→エンド)出力すべき画像がある場合、出力手段509は上記カウンタの値をインクリメントして、全ての画像を出力するまで上記操作を続ける(図7:S207NO→S208、図6:S108YES→End)。
【0047】
尚、出力手段509がすべての画像の出力を終了した時点で、上記変更手段502のスタンバイ状態も解除される(図7:S209)。従って、変更手段502は読み取り動作中、あるいは出力動作中はいつでも設定条件の変更を受付可能となる。
【0048】
(実施例2)
実施例2は、原稿読取手段504が原稿を全て読み取った後に、画像を出力する態様の画像形成装置である。実施例2の画像出力条件の変更処理について図8を参照して説明する。
【0049】
まず、スタートキーを押下し、原稿の読取が開始される時点で、変更手段502がスタンバイ状態になることは実施の形態1と同様である。またこの実施例では、出力手段509は読取手段504からの読み取り終了の通知を受けて出力を開始する。画像出力条件の変更要求が無い場合、原稿読取手段504の読み取りが終了してから、読み取った画像を出力手段509が一枚ずつ出力することを繰り返す(図8:S301YES→S302NO→S305→S306NO→S307)。
【0050】
変更手段502は、操作部200のタッチパネル301の画面上に図11(c)に示すような画像を出力中である旨のメッセージ1130とともに、上述した、ユーザに画像出力条件が変更できることを促すメッセージ1121「設定変更で画像出力条件を変更できます」を表示する。その後、ユーザからの画像出力条件の変更要求を受け付け、上記と同様にして、画像出力条件の変更がなされ(図8:S302YES→S303)、変更された画像出力条件で画像を出力する。なお、その他の処理は実施例1と同じなので説明を省略する。本実施例でも、出力手段509がすべての画像の出力を終了した時点で、上記変更手段502のスタンバイ状態も解除される(図8:S308)。従って、変更手段502は読み取り動作中、あるいは出力動作中はいつでも設定条件の変更を受付可能となる。
【0051】
(実施例3)
実施例3は、原稿を1枚読み取った後に当該1枚を出力することを繰り返す画像形成装置である。実施例3の画像出力条件の変更処理について図9を参照して説明する。
【0052】
ユーザが操作部200のスタートキー605を押下すると、前記2つの実施の形態と同様、変更手段502がスタンバイ状態になり、以下の読取と出力が開始される。すなわち、原稿読取手段504は、原稿を1枚読み取り、画像出力条件の変更要求が無い場合、読み取った画像を出力手段509が出力することを繰り返す。(図9:S401→S402NO→S404→S405YES)。
【0053】
この場合、原稿読取手段504が原稿を1枚読み取り後、実施例1と同様に変更手段502が画像出力条件の変更要求を受け付ける。そして、出力手段509が変更された画像出力条件で読み取った画像を出力する(図9:S402YES→S403YES→S404)。本実施例でも、出力手段509がすべての画像の出力を終了した時点で、上記変更手段502のスタンバイ状態も解除される(図9:S406)。従って、変更手段502は読み取り動作中、あるいは出力動作中はいつでも設定条件の変更を受付可能となる。
【0054】
(その他)
画像出力条件のうち、画像解像度を変更して出力できる場合、当該画像解像度を再設定可能な設定項目とすることもできる。例えば、変更後の解像度が所定範囲であれば当該解像度を変更して画像を出力することができる場合、変更手段502は解像度を所定範囲に変更するという条件で当該解像度を再設定可能項目として取得する。
【0055】
更に、カラーとして読み取った画像をモノクロの画像で出力することが可能であるなら、変更手段502はモードを再設定可能項目として取得する。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明を使用すると、原稿の読み取り中に、画像出力条件を変更する場合であっても、原稿読取処理をキャンセルせずに、画像出力の変更が可能である。したがってその産業上の利用可能性は大きい。
【符号の説明】
【0057】
100 画像形成装置
200 操作部
501 設定条件受付手段
502 変更手段
504 原稿読取手段
505 画像記憶手段
506 出力条件記憶手段
508 変更制御手段
509 出力手段
1000 再設定可能項目テーブル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿読取手段と、前記原稿読取手段が読み取った原稿の画像とユーザから受け付けた所定の画像出力条件とに基づいて画像を出力する出力手段を備える画像形成装置において、
前記原稿読取手段が原稿の読取を開始してから、前記出力手段が画像の出力を完了するまでの間に、既に受け付けた画像出力条件を変更する旨の要求をユーザから受け付け、当該画像出力条件を変更する変更手段を備え、
前記ユーザから画像出力条件を変更する旨の要求を受け付けた際に、前記出力手段が画像を出力している場合は当該出力を停止し、前記変更手段が変更した画像出力条件で画像を出力することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
画像出力条件を変更する際に、前記変更手段が、既に受け付けた画像出力条件の設定項目のうち、前記原稿読取手段が読み取った画像を利用して出力可能な再設定可能項目をユーザに表示する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
さらに、設定項目と、当該設定項目を変更した場合に原稿読取手段が読み取った画像を利用して出力可能か否かを示す情報とを関連付けて記憶する出力条件記憶手段を備え、
前記変更手段は、前記出力条件記憶手段に基づいて、再設定可能な情報に関連付けられた設定項目を再設定可能項目としてユーザに表示する請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項1】
原稿読取手段と、前記原稿読取手段が読み取った原稿の画像とユーザから受け付けた所定の画像出力条件とに基づいて画像を出力する出力手段を備える画像形成装置において、
前記原稿読取手段が原稿の読取を開始してから、前記出力手段が画像の出力を完了するまでの間に、既に受け付けた画像出力条件を変更する旨の要求をユーザから受け付け、当該画像出力条件を変更する変更手段を備え、
前記ユーザから画像出力条件を変更する旨の要求を受け付けた際に、前記出力手段が画像を出力している場合は当該出力を停止し、前記変更手段が変更した画像出力条件で画像を出力することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
画像出力条件を変更する際に、前記変更手段が、既に受け付けた画像出力条件の設定項目のうち、前記原稿読取手段が読み取った画像を利用して出力可能な再設定可能項目をユーザに表示する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
さらに、設定項目と、当該設定項目を変更した場合に原稿読取手段が読み取った画像を利用して出力可能か否かを示す情報とを関連付けて記憶する出力条件記憶手段を備え、
前記変更手段は、前記出力条件記憶手段に基づいて、再設定可能な情報に関連付けられた設定項目を再設定可能項目としてユーザに表示する請求項1または2に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−181488(P2010−181488A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−22939(P2009−22939)
【出願日】平成21年2月3日(2009.2.3)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月3日(2009.2.3)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
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