画像形成装置
【課題】複式画面表示装置の一方の視野角方向側の画面をその視聴者が入力手段を介して操作したときに、該入力手段が誤って他方の視野角方向側の画面に作用を及ぼすのを防止することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 画像形成装置1は、互いに異なる2つの視野角方向から視認することができる2つの画面を同時に表示する液晶表示パネル2と、液晶表示パネル2を制御する制御手段3と、制御手段3に制御情報を入力するための情報入力形態が互いに異なる複数の入力手段4とを備えている。制御手段3は、ある1つの入力手段4から該制御手段4に、一方の視野角方向に対応する画面についての制御情報が入力されたときに、該入力手段4を前記一方の視野角方向に対応する画面のための入力手段として採用する一方、前記入力手段4から他方の視野角方向に対応する画面のための制御情報の入力を禁止する。
【解決手段】 画像形成装置1は、互いに異なる2つの視野角方向から視認することができる2つの画面を同時に表示する液晶表示パネル2と、液晶表示パネル2を制御する制御手段3と、制御手段3に制御情報を入力するための情報入力形態が互いに異なる複数の入力手段4とを備えている。制御手段3は、ある1つの入力手段4から該制御手段4に、一方の視野角方向に対応する画面についての制御情報が入力されたときに、該入力手段4を前記一方の視野角方向に対応する画面のための入力手段として採用する一方、前記入力手段4から他方の視野角方向に対応する画面のための制御情報の入力を禁止する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、視野角方向ないしは可視方向が互いに異なる2つの画面を、1つの表示パネル上に同時に表示することができる複式画面表示装置を備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
第1の視野角方向から視認することができる1つの画面と、第2の視野角方向から視認することができるもう1つの画面とを、1つの表示パネル上に同時に表示することができる複式画面表示装置、すなわちデュアルビュー(登録商標)表示装置は従来知られている。また、特許文献1に開示されているように、かかる複式画面表示装置の表示パネルの前面にタッチパネルを設け、タッチパネルのタッチ操作により複式画面表示装置を制御するようにした複式画面表示装置も知られている。
【0003】
そして、特許文献1に開示された複式画面表示装置では、一方の画面の視聴者のための画像やアイコンと、他方の画面の視聴者のための画像やアイコンとが重畳しないように複式画面表示装置を制御する非重畳制御を行うようにしている。さらには、表示パネルへのタッチ操作時の電流値と座標ベクトルとに基づいて、操作者がいずれの視野角方向の視聴者であるかを判断することにより、各視聴者のタッチ操作を可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−284592号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、例えば特許文献1に開示された従来の複式画面表示装置では、一方の視野角方向側の画面をその視聴者が入力手段を介して操作したときに、該入力手段が誤って他方の視野角方向側の画面に作用を及ぼすことがあるといった問題がある。具体的には、例えば一方の画面の視聴者がタッチパネルにより画面を操作しようとする場合、指ではなくペンや爪などといった先端が鋭いものでタッチ操作を行ったとき、あるいは指を正面から画面を押しつけてタッチ操作を行ったときは、その操作位置が他方の画面の操作ボタン位置であれば、前記他方の画面の操作ボタンが反応し、複式画面表示装置に誤動作が発生するといった問題がある。
【0006】
本発明は、上記従来の問題を解決するためになされたものであって、複式画面表示装置の一方の視野角方向側の画面をその視聴者が入力手段を介して操作したときに、該入力手段が誤って他方の視野角方向側の画面に作用を及ぼすのを防止することができる、複式画面表示装置を備えた画像形成装置を提供することを解決すべき課題とする。とくには、タッチパネルを備えた複式画面表示装置の一方の視野角方向側の画面のタッチ操作を行ったときに、他方の視野角方向側の画面の操作ボタンが反応して複式画面表示装置に誤動作が発生するのを防止することができる、複式画面表示装置を備えた画像形成装置を提供することを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためになされた本発明に係る画像形成装置は、それぞれ互いに異なる2つの視野角方向ないしは可視方向から視認することができる2つの画面を同時に表示する複式画面表示手段と、複式画面表示手段を制御する制御手段と、制御手段に制御情報を入力するための、情報入力形態が互いに異なる複数の入力手段とを備えている。さらに、この画像形成装置において、制御手段は、最初にある1つの入力手段(以下「先行入力手段」という。)から制御手段に、一方の視野角方向に対応する画面についての制御情報が入力されたときに、先行入力手段を前記一方の視野角方向に対応する画面のための入力手段として採用する一方、先行入力手段から他方の視野角方向に対応する画面のための制御情報の入力を禁止するようになっている。
【0008】
本発明に係る画像形成装置においては、入力手段は、指やペンなどにより情報を入力するタッチ式入力手段、マイクロフォンなどにより情報を入力する音声式入力手段及びマウスやキーボードなどにより情報を入力するポインティング式入力手段のうちの少なくとも1つを含んでいるのが好ましい。この場合、タッチ式入力手段が回動可能な構造を有するプッシュボタン部を備えていて、制御手段が、タッチ式入力手段を、プッシュボタン部の向きに応じて、前記2つの画面のうちのいずれか一方の視野角方向に対応する画面のための入力手段として採用するようになっているのがさらに好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る画像形成装置は、タッチ式入力手段、音声式入力手段及びポインティング式入力手段などの入力手段を切替える入力切替手段を有し、2つの画面で同方式の入力手段による操作を禁止するようにしている。すなわち、視野角方向が互いに異なる2つの画面を同時に表示する機能を備えた単一の複式画面表示手段において、2つの画面での入力手段が重複しないようにしている。したがって、複数のユーザーが、それぞれの画面を干渉しあうことなく同時に操作することができる。よって、複式画面表示装置の一方の視野角方向側の画面をその視聴者が入力手段を介して操作したときに、該入力手段が誤って他方の視野角方向側の画面に作用を及ぼすのを有効に防止することができる。とくに、複式画面表示装置の一方の視野角方向に対応する画面のタッチ操作を行ったときに、他方の視野角方向に対応する画面の操作ボタンが反応して複式画面表示装置に誤動作が発生するのを有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る画像形成装置の内部構成を示すブロック図である。
【図2】複式画面表示型の液晶表示パネルにおいて、視野A側及び視野B側で視認することができる画像を示す模式図である。
【図3】(a)〜(c)は、それぞれ、タッチ式入力手段の有効画面の確定方法を示す模式図である。
【図4】ポインティング式入力手段の有効画面の確定方法を示す模式図である。
【図5】(a)、(b)は、音声式入力手段の有効画面の確定方法を示す模式図である。
【図6】(a)、(b)は、入力手段の有効画面の表示方法を示す模式図でさる。
【図7】図1に示す画像形成装置における入力手段の切替制御の制御手法を示すフローチャートの一部である。
【図8】図1に示す画像形成装置における入力手段の切替制御の制御手法を示すフローチャートの一部である。
【図9】図1に示す画像形成装置における入力手段の切替制御の制御手法を示すフローチャートの一部である。
【図10】図1に示す画像形成装置における入力手段の切替制御の制御手法を示すフローチャートの一部である。
【図11】図1に示す画像形成装置における入力手段の切替制御の制御手法を示すフローチャートの一部である。
【図12】図1に示す画像形成装置における入力手段の切替制御の制御手法を示すフローチャートの一部である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を具体的に説明する。
図1に示すように、本発明に係る画像形成装置1は、液晶表示パネル2(複式画面表示手段)と、液晶表示パネル2を制御する制御手段3と、制御手段3に各種情報を入力するための入力手段4とを備えている。
【0012】
液晶表示パネル2は、視野角方向ないしは可視方向が互いに異なる2つの画面を同時に表示する複式画面表示技術(デュアルビューディスプレイ技術)を用いた複式画面表示装置、すなわちデュアルビュー(登録商標)表示装置である。制御手段3は、CPU5(中央制御ユニット)と、第1液晶表示制御部6と、第2液晶表示制御部7とを備えている。ここで、CPU5は、作成された画像データを液晶表示パネル2に表示させるための制御、各種演算あるいは各種情報処理を行うコンピュータである。第1、第2液晶表示制御部6、7は、それぞれ、CPU5の制御指令により液晶表示パネル2の2つの画面の制御に必要な表示タイミング信号を生成する。
【0013】
入力手段4には、タッチ式入力手段としてタッチパネル8とプッシュボタン部9と可動スイッチ10とが設けられている。ここで、タッチパネル8は、液晶表示パネル2上の表示を阻害しない透明材料で形成され、液晶表示パネル2の前面に配置されている。また、プッシュボタン部9は、プリント動作を開始するためのスタートボタン、プリント動作を終了させるためのストップボタン、部数の入力などを行うテンキーボタン等の種々のプッシュボタンを備えている。これらのタッチパネル8、プッシュボタン部9及び可動スイッチ10は、それぞれ、入力手段4の切替えを制御するためのタッチ式識別信号をCPU5に送信する。
【0014】
また、入力手段4には、ポインティング式入力手段としてマウス11とキーボード12とが設けられている。これらのマウス11及びキーボード12は、それぞれ、入力手段4の切替えを制御するためのポインティング式識別信号をCPU5に送信する。
【0015】
さらに、入力手段4には、音声式入力手段として第1マイクロフォン13と第2マイクロフォン14とが設けられている。第1マイクロフォン13及び第2マイクロフォン14は、それぞれ、入力手段4の切替えを制御するための第1音声式識別信号及び第2音声式識別信号をCPU5に送信する。なお、第1、第2音声式識別信号は、音声入力の強弱や伝達時間による入力方向を判断することも可能な信号である。
【0016】
この画像形成装置1においては、CPU5は、各種入力手段4(8〜14)により、液晶表示パネル2上に表示する画像のデータを操作する画像操作機能及び液晶表示パネル2上に各画面用の画像データを作成する画像作成機能を有している。そして、画像形成装置1においては、CPU5は、最初に、ある1つの入力手段4(8〜14)から該CPU5に、視野角方向ないしは可視方向が互いに異なる2つの画面中の一方の画面についての情報が入力されたときに、該入力手段4(8〜14)を前記一方の画面の入力手段として採用する一方、前記入力手段4(8〜14)から他方の画面への情報の入力を禁止する。
【0017】
図2は、液晶表示パネル2において複式画面表示すなわちデュアルビュー(登録商標)表示が行われているときにおいて、液晶表示パネル2に表示されるすべての画像15と、視野A側からみえる画面の画像16と、視野B側からみえる画面の画像17とを示している。なお、視野A側は液晶表示パネル2に向かって中央より左側に位置する視野角方向側であり、視野B側は液晶表示パネル2に向かって中央より右側に位置する視野角方向側である。
【0018】
図2に示すように、画像15は、液晶表示パネル2の隣り合う画素が視野A側の画像及び視野B側の画像に応じて第1、第2液晶表示制御部6、7によって駆動され、1つの画像として表示されているときの画像である。そして、視野A側からは、画像16として、視野A用の背景画像と、視野A用のアイコンである画面の右上及び左下に配置されたアイコンAとを視認することができる。他方、視野B側からは、画像17として、視野B用の背景画像と、視野B用のアイコンである画面の左上及び右下に配置されたアイコンBとを視認することができる。
【0019】
そして、複式画面表示を行う液晶表示パネル2を備えた画像形成装置1においては、視野A側の視聴者が入力手段4によりその画面を操作するための情報を入力する一方、視野B側の視聴者も入力手段4によりその画面を操作するための情報を入力する。すなわち、各視野A、B側の視聴者は共通の入力手段4を用いてそれぞれの画面を操作する。したがって、例えば視野A側の視聴者がその画面を操作するときには、入力手段4の動作状態を、視野A側の画面についての操作が有効となり、視野B側の画面についての操作が無効となるように確定する必要がある。なお、以下では、入力手段4による操作が有効な方の画面を「有効画面」という。
【0020】
図3(a)は、タッチパネル8、プッシュボタン部9及び可動スイッチ10を有するタッチ式入力手段による有効画面の確定手法の具体例を示している。図3(a)に示す例では、正面からみて略長方形の形状を有するプッシュボタン部9は、その中心部のまわりに時計回り方向及び反時計回り方向に、所定の角度(例えば、5〜10°)まで回動することができるようになっている。すなわち、プッシュボタン部9は、図3(a)に示すような左側がタッチパネル8から離間するように傾斜した状態及び右側がタッチパネル8から離間するように傾斜した状態に変位することができる。
【0021】
そして、図3(a)にその状態を示すような、プッシュボタン部9が反時計回り方向に最大限に回動して傾斜した状態では、可動スイッチ10により、有効画面は視野A側からみえる画面に確定される。すなわち、プッシュボタン部9は、視野A側の画面に係る操作を行うことはできるが、視野B側の画面に係る操作を行うことはできない状態となる。逆に、プッシュボタン部9が時計回り方向に最大限に回動して傾斜した状態では、可動スイッチ10により、有効画面は視野B側からみえる画面に確定され、プッシュボタン部9は、視野B側の画面に係る操作を行うことはできるが、視野A側の画面に係る操作を行うことはできない状態となる。したがって、プッシュボタン部9を回動させてその傾きを変えることにより、有効画面を自在に設定し、ないしは切替えることができる。
【0022】
図3(b)は、タッチパネル8及びプッシュボタン部9を有するタッチ式入力手段による有効画面の確定手法の具体例を示している。なお、図3(b)に示す例では、液晶表示パネル2ないしはタッチパネル8とプッシュボタン部9とは一体形成され、可動スイッチ10は設けられていない。この例では、プッシュボタン部9に、有効画面を切り替えるための第1切替ボタン20Aと第2切替ボタン20Bが設けられている。
【0023】
図3(b)に示す例では、第1切替ボタン20Aを押せば、プッシュボタン部9は、視野A側の画面に係る操作を行うことはできるが、視野B側の画面に係る操作を行うことはできない状態となる。逆に、第2切替ボタン20Bを押せば、プッシュボタン部9は、視野B側の画面に係る操作を行うことはできるが、視野A側の画面に係る操作を行うことはできない状態となる。したがって、第1、第2切替ボタン20A、20Bのいずれかを押すことにより、有効画面を自在に設定し、ないしは切替えることができる。
【0024】
図3(c)は、タッチパネル8及びプッシュボタン部9を有するタッチ式入力手段による有効画面の確定手法のもう1つの具体例を示している。なお、図3(c)に示す例では、液晶表示パネル2ないしはタッチパネル8とプッシュボタン部9とは一体形成され、可動スイッチ10は設けられていない。この例では、液晶表示パネル2上に、両視野A、Bから視認可能な切替えアイコン21を表示させている。そして、この切替えアイコン21と対応する位置においてタッチパネル8に操作ボタンを設け、切替えアイコン21に対応する操作ボタンを押すことにより、有効画面を確定させるようにしている。
【0025】
図3(c)に示す例では、切替えアイコン21の上半部を押せば、プッシュボタン部9は、視野A側の画面に係る操作を行うことはできるが、視野B側の画面に係る操作を行うことはできない状態となる。逆に、切替えアイコン21の下半部を押せば、プッシュボタン部9は、視野B側の画面に係る操作を行うことはできるが、視野A側の画面に係る操作を行うことはできない状態となる。したがって、切替えアイコン21の上半部又は下半部のいずれかを押すことにより、有効画面を自在に設定し、ないしは切替えることができる。
【0026】
図4は、マウス11及びキーボード12を有するポインティング式入力手段による有効画面の確定手法の具体例を示している。なお、図4に示す例では、液晶表示パネル2ないしはタッチパネル8とプッシュボタン部9とは一体形成され、可動スイッチ10は設けられていない。この例では、液晶表示パネル2上に、両視野A、Bから視認可能な切替えアイコン22を表示させている。そして、マウス11で切替えアイコン22の所定の部分をクリックすることにより、有効画面を確定させるようにしている。
【0027】
図4に示す例では、切替えアイコン22の上半部をマウス11でクリックすれば、プッシュボタン部9は、視野A側の画面に係る操作を行うことはできるが、視野B側の画面に係る操作を行うことはできない状態となる。逆に、切替えアイコン22の下半部をマウス11でクリックすれば、プッシュボタン部9は、視野B側の画面に係る操作を行うことはできるが、視野A側の画面に係る操作を行うことはできない状態となる。したがって、切替えアイコン21の上半部又は下半部のいずれかマウスでクリックすることにより、有効画面を自在に設定し、ないしは切替えることができる。
【0028】
なお、切替えアイコン22でキーボード12中の特定のキー(例えばファンクションキー)を指定し、このキーを押すことにより有効画面を確定させるようにしてもよい。例えば、切替えアイコン22の上半部に第1画面を有効画面に設定する第1のキーを表示する一方、切替えアイコン22の下半部に第2画面を有効画面に設定する第2のキーを表示し、第1のキー及び第2のキーのいずれかを押すことにより、有効画面を自在に設定し、ないしは切替えることができるようにしてもよい。
【0029】
図5(a)は、第1マイクロフォン13を有する音声式入力手段による有効画面の確定手法の具体例を示している。なお、図5(a)に示す例では、液晶表示パネル2ないしはタッチパネル8とプッシュボタン部9とは一体形成され、可動スイッチ10及び第2マイクロフォン14は設けられていない。この例では、視野A側又は視野B側の視聴者ないしはユーザーが発声した言葉から特有のキーワードを判別して、有効画面を確定させるようにしている。
【0030】
例えば、視聴者の発声した言葉の中に「左」という語が含まれていれば、液晶表示パネル2の中央より左側に位置する視野A側の画面を有効画面とする一方、「右」という語が含まれていれば、液晶表示パネル2の中央より右側に位置する視野B側の画面を有効画面とするようにしてもよい。なお、図5(a)に示す例では、右側に位置する視野B側の視聴者が「右」と発声した結果、有効画面は視野B側の画面に確定している。かくして、図5(a)に示す例では、視聴者が「左」又は「右」と発声することにより、有効画面を自在に設定し、ないしは切替えることができる。
【0031】
図5(b)は、第1マイクロフォン13及び第2マイクロフォン14を有する音声式入力手段による有効画面の確定手法の具体例を示している。なお、図5(b)に示す例では、液晶表示パネル2ないしはタッチパネル8とプッシュボタン部9とは一体形成され、可動スイッチ10は設けられていない。この例では、正面からみて画像形成装置1ないしは液晶表示パネル2の左端部近傍すなわち視野A側に第1マイクロフォン13が配置される一方、右端部近傍すなわち視野B側に第2マイクロフォン14が配置されている。
【0032】
そして、視野A側又は視野B側のいずれかの視聴者が何らかの音声を発したときに、第1マイクロフォン13によって検出される音声と第2マイクロフォン14によって検出される音声とを比較することにより、視聴者が視野A側であるか視野B側であるかを判別して、有効画面を確定させるようにしている。
【0033】
具体的には、視野A側又は視野B側のいずれかの視聴者が何らかの音声(図5(b)に示す例では「スタート」)を発したときに、第1、第2マイクロフォン13、14によって検出された各音声の強弱を比較し、音声が強い方の画面を有効画面に確定するようにしている。なお、音声の到達時間を比較して、到達時間の早い方の画面を有効画面に確定するようにしてもよい。また、音声の強弱及び音声の到達時間の両方に基づいて有効画面を確定するようにしてもよい。
【0034】
前記のように、タッチ式入力手段、ポインティング式入力手段又は音声式入力手段により有効画面を確定する場合、視聴者が、有効画面が視野A側の画面又は視野B側の画面のいずれに確定されているかを確認することができるのが好ましい。そこで、この画像形成装置1では、確定された有効画面を、視野A側及び視野B側の両方で確認することができるようにしている。
【0035】
図6(a)に示すように、この画像形成装置1では、ポインティング式入力手段、例えばマウス11により有効画面が確定されたときには、確定された有効画面及びポインティング式入力手段により確定されたことを、視野A側の画面及び視野B側の画面の両方で視認することができるアイコンを液晶表示パネル2に表示するようにしている。なお、図6(a)に示す例では、ポインティング式入力手段により左側に位置する視野A側の画面が有効画面となっている状態を示している。
【0036】
また、図6(b)に示すように、音声式入力手段であるマイクロフォン13、14により有効画面が確定されたときには、確定された有効画面及び音声式入力手段により確定されたことを、視野A側及び視野B側の両方から視認可能なプッシュボタン部9に表示するようにしている。なお、図6(b)に示す例では、音声式入力手段により右側に位置する視野B側の画面が有効画面となっている状態を示している。
【0037】
ところで、複式画面表示を行う液晶表示パネル2を備えた画像形成装置1においては、視野A側の視聴者が入力手段4によりその画面を操作するための情報を入力する一方、視野B側の視聴者も入力手段4によりその画面を操作するための情報を入力する。すなわち、両視野側の視聴者は共通の入力手段4を用いてそれぞれの画面を操作する。このため、従来のこの種の画像形成装置では、一方の視野側の視聴者、例えば視野A側の視聴者がその画面を操作するためにタッチパネル8により入力操作を行ったときに、視野B側の画面用の操作ボタンが反応して視野B側の画面に誤動作が発生し、視野B側の視聴者の視聴を妨害するといった不具合が生じるおそれがある。
【0038】
そこで、本発明に係る画像形成装置1では、制御手段3ないしはCPU5により入力手段4を制御してこのような不具合が発生するのを防止するようにしている。以下、図7〜図12に示すフローチャートに従って、制御手段3ないしはCPU5により入力手段4を制御して上記不具合が発生するのを防止するための制御(以下「入力制御」という。)の制御手法を説明する。
【0039】
図7〜図12に示すように、この入力制御においては、最初にいずれかの入力手段4を操作したユーザー(以下「第1ユーザー」という。)によって入力手段4に入力され、この後CPU5に入力された入力情報すなわち識別信号を読み込む(ステップS1)。続いて、第1ユーザーの入力情報すなわち識別信号に基づいて、第1ユーザーが視野A側に位置しているか否かを判定する(ステップS2)。すなわち、視野A側を第1画面とするのか、それとも視野B側を第1画面とするのかを判定する。
【0040】
ステップS2で、第1ユーザーが視野A側に位置していると判定した場合は(YES)、制御手段3ないしはCPU5に入力された識別信号が、タッチ式識別信号であるか、音声式識別信号であるか、それともポインティング式識別信号であるかを判定する(ステップS3)。ここで、識別信号がタッチ式識別信号であると判定した場合は、視野A側からみえる画面を第1画面に確定し、視野B側からみえる画面を第2画面に確定する(ステップS4)。さらに、ステップS4では、視野A側の第1画面のための入力手段をタッチ式入力手段に確定する一方、視野B側の第2画面の入力手段としてタッチ式入力手段を採用ないしは設定することを禁止する。この後、後記のステップS11〜S16を実行する。
【0041】
ステップS3で、識別信号が音声式識別信号であると判定した場合は、視野A側からみえる画面を第1画面に確定し、視野B側からみえる画面を第2画面に確定する(ステップS5)。さらに、ステップS5では、視野A側の第1画面のための入力手段を音声式入力手段に確定する一方、視野B側の第2画面の入力手段として音声式入力手段を採用ないしは設定することを禁止する。この後、後記のステップS17〜S22を実行する。
【0042】
ステップS3で、識別信号がポインティング式識別信号であると判定した場合は、視野A側からみえる画面を第1画面に確定し、視野B側からみえる画面を第2画面に確定する(ステップS6)。さらに、ステップS6では、視野A側の第1画面のための入力手段をポインティング式入力手段に確定する一方、視野B側の第2画面の入力手段としてポインティング式入力手段を採用ないしは設定することを禁止する。この後、後記のステップS23〜S28を実行する。なお、ステップS4、S5又はS6では、図6(a)、(b)に示すように、第1画面の入力手段を表示してユーザーに知らせるようにしてもよい。
【0043】
前記のステップS2で、第1ユーザーが視野A側に位置していないと判定した場合(NO)、すなわち視野B側に位置していると判定した場合は、制御手段3ないしはCPU5に入力された識別信号が、タッチ式識別信号であるか、音声式識別信号であるか、それともポインティング式識別信号であるかを判定する(ステップS7)。ここで、識別信号がタッチ式識別信号であると判定した場合は、視野B側からみえる画面を第1画面に確定し、視野A側からみえる画面を第2画面に確定する(ステップS8)。さらに、ステップS8では、視野B側の第1画面のための入力手段をタッチ式入力手段に確定する一方、視野A側の第2画面の入力手段としてタッチ式入力手段を採用ないしは設定することを禁止する。この後、後記のステップS11〜S16を実行する。
【0044】
ステップS7で、識別信号が音声式識別信号であると判定した場合は、視野B側からみえる画面を第1画面に確定し、視野A側からみえる画面を第2画面に確定する(ステップS9)。さらに、ステップS9では、視野B側の第1画面のための入力手段を音声式入力手段に確定する一方、視野A側の第2画面の入力手段として音声式入力手段を採用ないしは設定することを禁止する。この後、後記のステップS17〜S22を実行する。
【0045】
ステップS7で、識別信号がポインティング式識別信号であると判定した場合は、視野B側からみえる画面を第1画面に確定し、視野A側からみえる画面を第2画面に確定する(ステップS10)。さらに、ステップS10では、視野B側の第1画面のための入力手段をポインティング式入力手段に確定する一方、視野A側の第2画面の入力手段としてポインティング式入力手段を採用ないしは設定することを禁止する。この後、後記のステップS23〜S28を実行する。なお、ステップS8、S9又はS10では、図6(a)、(b)に示すように、第1画面の入力手段を表示してユーザーに知らせるようにしてもよい。
【0046】
ステップS4又はS8で、第1画面の入力手段をタッチ式入力手段に確定する一方、第2画面の入力手段としてタッチ式入力手段を採用ないしは設定することを禁止した場合は、ステップS11〜S16を実行する。すなわち、まず第1ユーザーの次に入力手段4を操作したユーザー(以下「第2ユーザー」という。)によって入力手段4に入力され、この後CPU5に入力された入力情報すなわち操作信号を読み込む(ステップS11)。
【0047】
続いて、第2ユーザーの操作信号が、第1ユーザーの識別信号と同一であるか否か、すなわちタッチ式入力手段からの信号であるか否かを判定する(ステップS12)。ここで、第2ユーザーの操作信号がタッチ式入力手段からの信号であると判定した場合は(YES)、前記のステップS4又はS8でタッチ式入力手段から第2画面への信号入力が禁止されているので、第2画面の入力手段4としてタッチ式入力手段以外の入力手段、すなわち音声式入力手段又はポインティング式入力手段のみを採用ないしは設定することができるようにする。ここで第2画面上に、タッチ式入力手段から第2画面への信号入力が禁止されている(操作不可能である)旨を、警告を出すなどしてユーザーに報知するようにしてもよい。なお、このような報知を行わなくてもよいのはもちろんである。
【0048】
ステップS12で第2ユーザーの操作信号がタッチ式入力手段からの信号でないと判定した場合は(NO)、操作信号が音声式入力信号であるかそれともポインティング入力信号であるかを判定する(ステップS14)。ここで、操作信号が音声式入力信号であると判定した場合は、第2画面のための入力手段を音声式入力手段に確定する(ステップS15)。他方、操作信号がポインティング式入力信号であると判定した場合は、第2画面のための入力手段をポインティング式入力手段に確定する(ステップS16)。つまり、第2ユーザーからの入力情報すなわち操作信号がタッチ式入力手段以外の入力手段からの信号であれば、第2ユーザーの入力操作に従ってそのまま操作処理を行う。なお、このような制御は単なる例示であるので、これに代えて例えば第2画面の入力手段を決定するまで操作処理を無効にするなどといった処理を行ってもよい。
【0049】
ステップS5又はS9で、第1画面の入力手段を音声式入力手段に確定する一方、第2画面の入力手段として音声式入力手段を採用ないしは設定することを禁止した場合は、ステップS17〜S22を実行する。すなわち、まず第2ユーザーによって入力手段4に入力され、この後CPU5に入力された入力情報すなわち操作信号を読み込む(ステップS17)。
【0050】
続いて、第2ユーザーの操作信号が識別信号と同一であるか否か、すなわち音声式入力手段からの信号であるか否かを判定する(ステップS18)。ここで、第2ユーザーの操作信号が音声入力手段からの信号であると判定した場合は(YES)、前記のステップS5又はS9で音声式入力手段から第2画面への信号入力が禁止されているので、第2画面の入力手段4として音声式入力手段以外の入力手段、すなわちタッチ入力手段又はポインティング式入力手段のみを採用ないしは設定することができるようにする。ここで第2画面上に、音声式入力手段から第2画面への信号入力が禁止されている(操作不可能である)旨を、警告を出すなどしてユーザーに報知するようにしてもよい。
【0051】
ステップS18で第2ユーザーの操作信号が音声式入力手段からの信号でないと判定した場合は(NO)、操作信号がタッチ式入力信号であるかそれともポインティング入力信号であるかを判定する(ステップS20)。ここで、操作信号がタッチ入力信号であると判定した場合は、第2画面のための入力手段をタッチ式入力手段に確定する(ステップS21)。他方、操作信号がポインティング式入力信号であると判定した場合は、第2画面のための入力手段をポインティング式入力手段に確定する(ステップS22)。つまり、第2ユーザーからの入力情報すなわち操作信号が音声式入力手段以外の入力手段からの信号であれば、第2ユーザーの入力操作に従ってそのまま操作処理を行う。なお、このような制御は単なる例示であるので、これに代えて例えば第2画面の入力手段を決定するまで操作処理を無効にするなどといった処理を行ってもよい。
【0052】
ステップS6又はS10で、第1画面の入力手段をポインティング式入力手段に確定する一方、第2画面の入力手段としてポインティング式入力手段を採用ないしは設定することを禁止した場合は、ステップS23〜S28を実行する。すなわち、まず第2ユーザーによって入力手段4に入力され、この後CPU5に入力された入力情報すなわち操作信号を読み込む(ステップS23)。
【0053】
続いて、第2ユーザーの操作信号が識別信号と同一であるか否か、すなわちポインティング式入力手段からの信号であるか否かを判定する(ステップS24)。ここで、第2ユーザーの操作信号がポインティング入力手段からの信号であると判定した場合(YES)、前記のステップS6又はS10でポインティング式入力手段から第2画面への信号入力が禁止されているので、第2画面の入力手段4としてポインティング式入力手段以外の入力手段、すなわちタッチ入力手段又は音声式入力手段のみを採用ないしは設定することができるようにする。ここで第2画面上に、ポインティング式入力手段から第2画面への信号入力が禁止されている(操作不可能である)旨を、警告を出すなどしてユーザーに報知するようにしてもよい。
【0054】
ステップS24で第2ユーザーの操作信号がポインティング式入力手段からの信号でないと判定した場合は(NO)、操作信号がタッチ式入力信号であるかそれとも音声式入力信号であるかを判定する(ステップS26)。ここで、操作信号がタッチ入力信号であると判定した場合は、第2画面のための入力手段をタッチ式入力手段に確定する(ステップS27)。他方、操作信号が音声式入力信号であると判定した場合は、第2画面のための入力手段を音声式入力手段に確定する(ステップS28)。つまり、第2ユーザーからの入力情報すなわち操作信号がポインティング式入力手段以外の入力手段からの信号であれば、第2ユーザーの入力操作に従ってそのまま操作処理を行う。なお、このような制御は単なる例示であるので、これに代えて例えば第2画面の入力手段を決定するまで操作処理を無効にするなどといった処理を行ってもよい。
【0055】
以上、本発明に係る画像形成装置1によれば、複式画面表示を行うことができる液晶表示パネル2の一方の視野角方向側の画面をその視聴者が入力手段4を介して操作したときに、該入力手段4が誤って他方の視野角方向側の画面に作用を及ぼすのを有効に防止することができる。とくに、液晶表示パネル2の一方の視野角方向に対応する画面のタッチ操作を行ったときに、他方の視野角方向に対応する画面の操作ボタンが反応して液晶表示パネル2に誤動作が発生するのを有効に防止することができる。
【符号の説明】
【0056】
1 画像形成装置、2 液晶表示パネル、3 制御手段、4 入力手段、5 CPU、6 第1液晶表示制御部、7 第1液晶表示制御部、8 タッチパネル、9 プッシュボタン部、10 可動スイッチ、11 マウス、12 キーボード、13 第1マイクロフォン、14 第2マイクロフォン、15 画像、16 画像、17 画像、20A 第1切替ボタン、20B 第2切替ボタン、21 切替えアイコン、22 切替えアイコン。
【技術分野】
【0001】
本発明は、視野角方向ないしは可視方向が互いに異なる2つの画面を、1つの表示パネル上に同時に表示することができる複式画面表示装置を備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
第1の視野角方向から視認することができる1つの画面と、第2の視野角方向から視認することができるもう1つの画面とを、1つの表示パネル上に同時に表示することができる複式画面表示装置、すなわちデュアルビュー(登録商標)表示装置は従来知られている。また、特許文献1に開示されているように、かかる複式画面表示装置の表示パネルの前面にタッチパネルを設け、タッチパネルのタッチ操作により複式画面表示装置を制御するようにした複式画面表示装置も知られている。
【0003】
そして、特許文献1に開示された複式画面表示装置では、一方の画面の視聴者のための画像やアイコンと、他方の画面の視聴者のための画像やアイコンとが重畳しないように複式画面表示装置を制御する非重畳制御を行うようにしている。さらには、表示パネルへのタッチ操作時の電流値と座標ベクトルとに基づいて、操作者がいずれの視野角方向の視聴者であるかを判断することにより、各視聴者のタッチ操作を可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−284592号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、例えば特許文献1に開示された従来の複式画面表示装置では、一方の視野角方向側の画面をその視聴者が入力手段を介して操作したときに、該入力手段が誤って他方の視野角方向側の画面に作用を及ぼすことがあるといった問題がある。具体的には、例えば一方の画面の視聴者がタッチパネルにより画面を操作しようとする場合、指ではなくペンや爪などといった先端が鋭いものでタッチ操作を行ったとき、あるいは指を正面から画面を押しつけてタッチ操作を行ったときは、その操作位置が他方の画面の操作ボタン位置であれば、前記他方の画面の操作ボタンが反応し、複式画面表示装置に誤動作が発生するといった問題がある。
【0006】
本発明は、上記従来の問題を解決するためになされたものであって、複式画面表示装置の一方の視野角方向側の画面をその視聴者が入力手段を介して操作したときに、該入力手段が誤って他方の視野角方向側の画面に作用を及ぼすのを防止することができる、複式画面表示装置を備えた画像形成装置を提供することを解決すべき課題とする。とくには、タッチパネルを備えた複式画面表示装置の一方の視野角方向側の画面のタッチ操作を行ったときに、他方の視野角方向側の画面の操作ボタンが反応して複式画面表示装置に誤動作が発生するのを防止することができる、複式画面表示装置を備えた画像形成装置を提供することを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためになされた本発明に係る画像形成装置は、それぞれ互いに異なる2つの視野角方向ないしは可視方向から視認することができる2つの画面を同時に表示する複式画面表示手段と、複式画面表示手段を制御する制御手段と、制御手段に制御情報を入力するための、情報入力形態が互いに異なる複数の入力手段とを備えている。さらに、この画像形成装置において、制御手段は、最初にある1つの入力手段(以下「先行入力手段」という。)から制御手段に、一方の視野角方向に対応する画面についての制御情報が入力されたときに、先行入力手段を前記一方の視野角方向に対応する画面のための入力手段として採用する一方、先行入力手段から他方の視野角方向に対応する画面のための制御情報の入力を禁止するようになっている。
【0008】
本発明に係る画像形成装置においては、入力手段は、指やペンなどにより情報を入力するタッチ式入力手段、マイクロフォンなどにより情報を入力する音声式入力手段及びマウスやキーボードなどにより情報を入力するポインティング式入力手段のうちの少なくとも1つを含んでいるのが好ましい。この場合、タッチ式入力手段が回動可能な構造を有するプッシュボタン部を備えていて、制御手段が、タッチ式入力手段を、プッシュボタン部の向きに応じて、前記2つの画面のうちのいずれか一方の視野角方向に対応する画面のための入力手段として採用するようになっているのがさらに好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る画像形成装置は、タッチ式入力手段、音声式入力手段及びポインティング式入力手段などの入力手段を切替える入力切替手段を有し、2つの画面で同方式の入力手段による操作を禁止するようにしている。すなわち、視野角方向が互いに異なる2つの画面を同時に表示する機能を備えた単一の複式画面表示手段において、2つの画面での入力手段が重複しないようにしている。したがって、複数のユーザーが、それぞれの画面を干渉しあうことなく同時に操作することができる。よって、複式画面表示装置の一方の視野角方向側の画面をその視聴者が入力手段を介して操作したときに、該入力手段が誤って他方の視野角方向側の画面に作用を及ぼすのを有効に防止することができる。とくに、複式画面表示装置の一方の視野角方向に対応する画面のタッチ操作を行ったときに、他方の視野角方向に対応する画面の操作ボタンが反応して複式画面表示装置に誤動作が発生するのを有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る画像形成装置の内部構成を示すブロック図である。
【図2】複式画面表示型の液晶表示パネルにおいて、視野A側及び視野B側で視認することができる画像を示す模式図である。
【図3】(a)〜(c)は、それぞれ、タッチ式入力手段の有効画面の確定方法を示す模式図である。
【図4】ポインティング式入力手段の有効画面の確定方法を示す模式図である。
【図5】(a)、(b)は、音声式入力手段の有効画面の確定方法を示す模式図である。
【図6】(a)、(b)は、入力手段の有効画面の表示方法を示す模式図でさる。
【図7】図1に示す画像形成装置における入力手段の切替制御の制御手法を示すフローチャートの一部である。
【図8】図1に示す画像形成装置における入力手段の切替制御の制御手法を示すフローチャートの一部である。
【図9】図1に示す画像形成装置における入力手段の切替制御の制御手法を示すフローチャートの一部である。
【図10】図1に示す画像形成装置における入力手段の切替制御の制御手法を示すフローチャートの一部である。
【図11】図1に示す画像形成装置における入力手段の切替制御の制御手法を示すフローチャートの一部である。
【図12】図1に示す画像形成装置における入力手段の切替制御の制御手法を示すフローチャートの一部である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を具体的に説明する。
図1に示すように、本発明に係る画像形成装置1は、液晶表示パネル2(複式画面表示手段)と、液晶表示パネル2を制御する制御手段3と、制御手段3に各種情報を入力するための入力手段4とを備えている。
【0012】
液晶表示パネル2は、視野角方向ないしは可視方向が互いに異なる2つの画面を同時に表示する複式画面表示技術(デュアルビューディスプレイ技術)を用いた複式画面表示装置、すなわちデュアルビュー(登録商標)表示装置である。制御手段3は、CPU5(中央制御ユニット)と、第1液晶表示制御部6と、第2液晶表示制御部7とを備えている。ここで、CPU5は、作成された画像データを液晶表示パネル2に表示させるための制御、各種演算あるいは各種情報処理を行うコンピュータである。第1、第2液晶表示制御部6、7は、それぞれ、CPU5の制御指令により液晶表示パネル2の2つの画面の制御に必要な表示タイミング信号を生成する。
【0013】
入力手段4には、タッチ式入力手段としてタッチパネル8とプッシュボタン部9と可動スイッチ10とが設けられている。ここで、タッチパネル8は、液晶表示パネル2上の表示を阻害しない透明材料で形成され、液晶表示パネル2の前面に配置されている。また、プッシュボタン部9は、プリント動作を開始するためのスタートボタン、プリント動作を終了させるためのストップボタン、部数の入力などを行うテンキーボタン等の種々のプッシュボタンを備えている。これらのタッチパネル8、プッシュボタン部9及び可動スイッチ10は、それぞれ、入力手段4の切替えを制御するためのタッチ式識別信号をCPU5に送信する。
【0014】
また、入力手段4には、ポインティング式入力手段としてマウス11とキーボード12とが設けられている。これらのマウス11及びキーボード12は、それぞれ、入力手段4の切替えを制御するためのポインティング式識別信号をCPU5に送信する。
【0015】
さらに、入力手段4には、音声式入力手段として第1マイクロフォン13と第2マイクロフォン14とが設けられている。第1マイクロフォン13及び第2マイクロフォン14は、それぞれ、入力手段4の切替えを制御するための第1音声式識別信号及び第2音声式識別信号をCPU5に送信する。なお、第1、第2音声式識別信号は、音声入力の強弱や伝達時間による入力方向を判断することも可能な信号である。
【0016】
この画像形成装置1においては、CPU5は、各種入力手段4(8〜14)により、液晶表示パネル2上に表示する画像のデータを操作する画像操作機能及び液晶表示パネル2上に各画面用の画像データを作成する画像作成機能を有している。そして、画像形成装置1においては、CPU5は、最初に、ある1つの入力手段4(8〜14)から該CPU5に、視野角方向ないしは可視方向が互いに異なる2つの画面中の一方の画面についての情報が入力されたときに、該入力手段4(8〜14)を前記一方の画面の入力手段として採用する一方、前記入力手段4(8〜14)から他方の画面への情報の入力を禁止する。
【0017】
図2は、液晶表示パネル2において複式画面表示すなわちデュアルビュー(登録商標)表示が行われているときにおいて、液晶表示パネル2に表示されるすべての画像15と、視野A側からみえる画面の画像16と、視野B側からみえる画面の画像17とを示している。なお、視野A側は液晶表示パネル2に向かって中央より左側に位置する視野角方向側であり、視野B側は液晶表示パネル2に向かって中央より右側に位置する視野角方向側である。
【0018】
図2に示すように、画像15は、液晶表示パネル2の隣り合う画素が視野A側の画像及び視野B側の画像に応じて第1、第2液晶表示制御部6、7によって駆動され、1つの画像として表示されているときの画像である。そして、視野A側からは、画像16として、視野A用の背景画像と、視野A用のアイコンである画面の右上及び左下に配置されたアイコンAとを視認することができる。他方、視野B側からは、画像17として、視野B用の背景画像と、視野B用のアイコンである画面の左上及び右下に配置されたアイコンBとを視認することができる。
【0019】
そして、複式画面表示を行う液晶表示パネル2を備えた画像形成装置1においては、視野A側の視聴者が入力手段4によりその画面を操作するための情報を入力する一方、視野B側の視聴者も入力手段4によりその画面を操作するための情報を入力する。すなわち、各視野A、B側の視聴者は共通の入力手段4を用いてそれぞれの画面を操作する。したがって、例えば視野A側の視聴者がその画面を操作するときには、入力手段4の動作状態を、視野A側の画面についての操作が有効となり、視野B側の画面についての操作が無効となるように確定する必要がある。なお、以下では、入力手段4による操作が有効な方の画面を「有効画面」という。
【0020】
図3(a)は、タッチパネル8、プッシュボタン部9及び可動スイッチ10を有するタッチ式入力手段による有効画面の確定手法の具体例を示している。図3(a)に示す例では、正面からみて略長方形の形状を有するプッシュボタン部9は、その中心部のまわりに時計回り方向及び反時計回り方向に、所定の角度(例えば、5〜10°)まで回動することができるようになっている。すなわち、プッシュボタン部9は、図3(a)に示すような左側がタッチパネル8から離間するように傾斜した状態及び右側がタッチパネル8から離間するように傾斜した状態に変位することができる。
【0021】
そして、図3(a)にその状態を示すような、プッシュボタン部9が反時計回り方向に最大限に回動して傾斜した状態では、可動スイッチ10により、有効画面は視野A側からみえる画面に確定される。すなわち、プッシュボタン部9は、視野A側の画面に係る操作を行うことはできるが、視野B側の画面に係る操作を行うことはできない状態となる。逆に、プッシュボタン部9が時計回り方向に最大限に回動して傾斜した状態では、可動スイッチ10により、有効画面は視野B側からみえる画面に確定され、プッシュボタン部9は、視野B側の画面に係る操作を行うことはできるが、視野A側の画面に係る操作を行うことはできない状態となる。したがって、プッシュボタン部9を回動させてその傾きを変えることにより、有効画面を自在に設定し、ないしは切替えることができる。
【0022】
図3(b)は、タッチパネル8及びプッシュボタン部9を有するタッチ式入力手段による有効画面の確定手法の具体例を示している。なお、図3(b)に示す例では、液晶表示パネル2ないしはタッチパネル8とプッシュボタン部9とは一体形成され、可動スイッチ10は設けられていない。この例では、プッシュボタン部9に、有効画面を切り替えるための第1切替ボタン20Aと第2切替ボタン20Bが設けられている。
【0023】
図3(b)に示す例では、第1切替ボタン20Aを押せば、プッシュボタン部9は、視野A側の画面に係る操作を行うことはできるが、視野B側の画面に係る操作を行うことはできない状態となる。逆に、第2切替ボタン20Bを押せば、プッシュボタン部9は、視野B側の画面に係る操作を行うことはできるが、視野A側の画面に係る操作を行うことはできない状態となる。したがって、第1、第2切替ボタン20A、20Bのいずれかを押すことにより、有効画面を自在に設定し、ないしは切替えることができる。
【0024】
図3(c)は、タッチパネル8及びプッシュボタン部9を有するタッチ式入力手段による有効画面の確定手法のもう1つの具体例を示している。なお、図3(c)に示す例では、液晶表示パネル2ないしはタッチパネル8とプッシュボタン部9とは一体形成され、可動スイッチ10は設けられていない。この例では、液晶表示パネル2上に、両視野A、Bから視認可能な切替えアイコン21を表示させている。そして、この切替えアイコン21と対応する位置においてタッチパネル8に操作ボタンを設け、切替えアイコン21に対応する操作ボタンを押すことにより、有効画面を確定させるようにしている。
【0025】
図3(c)に示す例では、切替えアイコン21の上半部を押せば、プッシュボタン部9は、視野A側の画面に係る操作を行うことはできるが、視野B側の画面に係る操作を行うことはできない状態となる。逆に、切替えアイコン21の下半部を押せば、プッシュボタン部9は、視野B側の画面に係る操作を行うことはできるが、視野A側の画面に係る操作を行うことはできない状態となる。したがって、切替えアイコン21の上半部又は下半部のいずれかを押すことにより、有効画面を自在に設定し、ないしは切替えることができる。
【0026】
図4は、マウス11及びキーボード12を有するポインティング式入力手段による有効画面の確定手法の具体例を示している。なお、図4に示す例では、液晶表示パネル2ないしはタッチパネル8とプッシュボタン部9とは一体形成され、可動スイッチ10は設けられていない。この例では、液晶表示パネル2上に、両視野A、Bから視認可能な切替えアイコン22を表示させている。そして、マウス11で切替えアイコン22の所定の部分をクリックすることにより、有効画面を確定させるようにしている。
【0027】
図4に示す例では、切替えアイコン22の上半部をマウス11でクリックすれば、プッシュボタン部9は、視野A側の画面に係る操作を行うことはできるが、視野B側の画面に係る操作を行うことはできない状態となる。逆に、切替えアイコン22の下半部をマウス11でクリックすれば、プッシュボタン部9は、視野B側の画面に係る操作を行うことはできるが、視野A側の画面に係る操作を行うことはできない状態となる。したがって、切替えアイコン21の上半部又は下半部のいずれかマウスでクリックすることにより、有効画面を自在に設定し、ないしは切替えることができる。
【0028】
なお、切替えアイコン22でキーボード12中の特定のキー(例えばファンクションキー)を指定し、このキーを押すことにより有効画面を確定させるようにしてもよい。例えば、切替えアイコン22の上半部に第1画面を有効画面に設定する第1のキーを表示する一方、切替えアイコン22の下半部に第2画面を有効画面に設定する第2のキーを表示し、第1のキー及び第2のキーのいずれかを押すことにより、有効画面を自在に設定し、ないしは切替えることができるようにしてもよい。
【0029】
図5(a)は、第1マイクロフォン13を有する音声式入力手段による有効画面の確定手法の具体例を示している。なお、図5(a)に示す例では、液晶表示パネル2ないしはタッチパネル8とプッシュボタン部9とは一体形成され、可動スイッチ10及び第2マイクロフォン14は設けられていない。この例では、視野A側又は視野B側の視聴者ないしはユーザーが発声した言葉から特有のキーワードを判別して、有効画面を確定させるようにしている。
【0030】
例えば、視聴者の発声した言葉の中に「左」という語が含まれていれば、液晶表示パネル2の中央より左側に位置する視野A側の画面を有効画面とする一方、「右」という語が含まれていれば、液晶表示パネル2の中央より右側に位置する視野B側の画面を有効画面とするようにしてもよい。なお、図5(a)に示す例では、右側に位置する視野B側の視聴者が「右」と発声した結果、有効画面は視野B側の画面に確定している。かくして、図5(a)に示す例では、視聴者が「左」又は「右」と発声することにより、有効画面を自在に設定し、ないしは切替えることができる。
【0031】
図5(b)は、第1マイクロフォン13及び第2マイクロフォン14を有する音声式入力手段による有効画面の確定手法の具体例を示している。なお、図5(b)に示す例では、液晶表示パネル2ないしはタッチパネル8とプッシュボタン部9とは一体形成され、可動スイッチ10は設けられていない。この例では、正面からみて画像形成装置1ないしは液晶表示パネル2の左端部近傍すなわち視野A側に第1マイクロフォン13が配置される一方、右端部近傍すなわち視野B側に第2マイクロフォン14が配置されている。
【0032】
そして、視野A側又は視野B側のいずれかの視聴者が何らかの音声を発したときに、第1マイクロフォン13によって検出される音声と第2マイクロフォン14によって検出される音声とを比較することにより、視聴者が視野A側であるか視野B側であるかを判別して、有効画面を確定させるようにしている。
【0033】
具体的には、視野A側又は視野B側のいずれかの視聴者が何らかの音声(図5(b)に示す例では「スタート」)を発したときに、第1、第2マイクロフォン13、14によって検出された各音声の強弱を比較し、音声が強い方の画面を有効画面に確定するようにしている。なお、音声の到達時間を比較して、到達時間の早い方の画面を有効画面に確定するようにしてもよい。また、音声の強弱及び音声の到達時間の両方に基づいて有効画面を確定するようにしてもよい。
【0034】
前記のように、タッチ式入力手段、ポインティング式入力手段又は音声式入力手段により有効画面を確定する場合、視聴者が、有効画面が視野A側の画面又は視野B側の画面のいずれに確定されているかを確認することができるのが好ましい。そこで、この画像形成装置1では、確定された有効画面を、視野A側及び視野B側の両方で確認することができるようにしている。
【0035】
図6(a)に示すように、この画像形成装置1では、ポインティング式入力手段、例えばマウス11により有効画面が確定されたときには、確定された有効画面及びポインティング式入力手段により確定されたことを、視野A側の画面及び視野B側の画面の両方で視認することができるアイコンを液晶表示パネル2に表示するようにしている。なお、図6(a)に示す例では、ポインティング式入力手段により左側に位置する視野A側の画面が有効画面となっている状態を示している。
【0036】
また、図6(b)に示すように、音声式入力手段であるマイクロフォン13、14により有効画面が確定されたときには、確定された有効画面及び音声式入力手段により確定されたことを、視野A側及び視野B側の両方から視認可能なプッシュボタン部9に表示するようにしている。なお、図6(b)に示す例では、音声式入力手段により右側に位置する視野B側の画面が有効画面となっている状態を示している。
【0037】
ところで、複式画面表示を行う液晶表示パネル2を備えた画像形成装置1においては、視野A側の視聴者が入力手段4によりその画面を操作するための情報を入力する一方、視野B側の視聴者も入力手段4によりその画面を操作するための情報を入力する。すなわち、両視野側の視聴者は共通の入力手段4を用いてそれぞれの画面を操作する。このため、従来のこの種の画像形成装置では、一方の視野側の視聴者、例えば視野A側の視聴者がその画面を操作するためにタッチパネル8により入力操作を行ったときに、視野B側の画面用の操作ボタンが反応して視野B側の画面に誤動作が発生し、視野B側の視聴者の視聴を妨害するといった不具合が生じるおそれがある。
【0038】
そこで、本発明に係る画像形成装置1では、制御手段3ないしはCPU5により入力手段4を制御してこのような不具合が発生するのを防止するようにしている。以下、図7〜図12に示すフローチャートに従って、制御手段3ないしはCPU5により入力手段4を制御して上記不具合が発生するのを防止するための制御(以下「入力制御」という。)の制御手法を説明する。
【0039】
図7〜図12に示すように、この入力制御においては、最初にいずれかの入力手段4を操作したユーザー(以下「第1ユーザー」という。)によって入力手段4に入力され、この後CPU5に入力された入力情報すなわち識別信号を読み込む(ステップS1)。続いて、第1ユーザーの入力情報すなわち識別信号に基づいて、第1ユーザーが視野A側に位置しているか否かを判定する(ステップS2)。すなわち、視野A側を第1画面とするのか、それとも視野B側を第1画面とするのかを判定する。
【0040】
ステップS2で、第1ユーザーが視野A側に位置していると判定した場合は(YES)、制御手段3ないしはCPU5に入力された識別信号が、タッチ式識別信号であるか、音声式識別信号であるか、それともポインティング式識別信号であるかを判定する(ステップS3)。ここで、識別信号がタッチ式識別信号であると判定した場合は、視野A側からみえる画面を第1画面に確定し、視野B側からみえる画面を第2画面に確定する(ステップS4)。さらに、ステップS4では、視野A側の第1画面のための入力手段をタッチ式入力手段に確定する一方、視野B側の第2画面の入力手段としてタッチ式入力手段を採用ないしは設定することを禁止する。この後、後記のステップS11〜S16を実行する。
【0041】
ステップS3で、識別信号が音声式識別信号であると判定した場合は、視野A側からみえる画面を第1画面に確定し、視野B側からみえる画面を第2画面に確定する(ステップS5)。さらに、ステップS5では、視野A側の第1画面のための入力手段を音声式入力手段に確定する一方、視野B側の第2画面の入力手段として音声式入力手段を採用ないしは設定することを禁止する。この後、後記のステップS17〜S22を実行する。
【0042】
ステップS3で、識別信号がポインティング式識別信号であると判定した場合は、視野A側からみえる画面を第1画面に確定し、視野B側からみえる画面を第2画面に確定する(ステップS6)。さらに、ステップS6では、視野A側の第1画面のための入力手段をポインティング式入力手段に確定する一方、視野B側の第2画面の入力手段としてポインティング式入力手段を採用ないしは設定することを禁止する。この後、後記のステップS23〜S28を実行する。なお、ステップS4、S5又はS6では、図6(a)、(b)に示すように、第1画面の入力手段を表示してユーザーに知らせるようにしてもよい。
【0043】
前記のステップS2で、第1ユーザーが視野A側に位置していないと判定した場合(NO)、すなわち視野B側に位置していると判定した場合は、制御手段3ないしはCPU5に入力された識別信号が、タッチ式識別信号であるか、音声式識別信号であるか、それともポインティング式識別信号であるかを判定する(ステップS7)。ここで、識別信号がタッチ式識別信号であると判定した場合は、視野B側からみえる画面を第1画面に確定し、視野A側からみえる画面を第2画面に確定する(ステップS8)。さらに、ステップS8では、視野B側の第1画面のための入力手段をタッチ式入力手段に確定する一方、視野A側の第2画面の入力手段としてタッチ式入力手段を採用ないしは設定することを禁止する。この後、後記のステップS11〜S16を実行する。
【0044】
ステップS7で、識別信号が音声式識別信号であると判定した場合は、視野B側からみえる画面を第1画面に確定し、視野A側からみえる画面を第2画面に確定する(ステップS9)。さらに、ステップS9では、視野B側の第1画面のための入力手段を音声式入力手段に確定する一方、視野A側の第2画面の入力手段として音声式入力手段を採用ないしは設定することを禁止する。この後、後記のステップS17〜S22を実行する。
【0045】
ステップS7で、識別信号がポインティング式識別信号であると判定した場合は、視野B側からみえる画面を第1画面に確定し、視野A側からみえる画面を第2画面に確定する(ステップS10)。さらに、ステップS10では、視野B側の第1画面のための入力手段をポインティング式入力手段に確定する一方、視野A側の第2画面の入力手段としてポインティング式入力手段を採用ないしは設定することを禁止する。この後、後記のステップS23〜S28を実行する。なお、ステップS8、S9又はS10では、図6(a)、(b)に示すように、第1画面の入力手段を表示してユーザーに知らせるようにしてもよい。
【0046】
ステップS4又はS8で、第1画面の入力手段をタッチ式入力手段に確定する一方、第2画面の入力手段としてタッチ式入力手段を採用ないしは設定することを禁止した場合は、ステップS11〜S16を実行する。すなわち、まず第1ユーザーの次に入力手段4を操作したユーザー(以下「第2ユーザー」という。)によって入力手段4に入力され、この後CPU5に入力された入力情報すなわち操作信号を読み込む(ステップS11)。
【0047】
続いて、第2ユーザーの操作信号が、第1ユーザーの識別信号と同一であるか否か、すなわちタッチ式入力手段からの信号であるか否かを判定する(ステップS12)。ここで、第2ユーザーの操作信号がタッチ式入力手段からの信号であると判定した場合は(YES)、前記のステップS4又はS8でタッチ式入力手段から第2画面への信号入力が禁止されているので、第2画面の入力手段4としてタッチ式入力手段以外の入力手段、すなわち音声式入力手段又はポインティング式入力手段のみを採用ないしは設定することができるようにする。ここで第2画面上に、タッチ式入力手段から第2画面への信号入力が禁止されている(操作不可能である)旨を、警告を出すなどしてユーザーに報知するようにしてもよい。なお、このような報知を行わなくてもよいのはもちろんである。
【0048】
ステップS12で第2ユーザーの操作信号がタッチ式入力手段からの信号でないと判定した場合は(NO)、操作信号が音声式入力信号であるかそれともポインティング入力信号であるかを判定する(ステップS14)。ここで、操作信号が音声式入力信号であると判定した場合は、第2画面のための入力手段を音声式入力手段に確定する(ステップS15)。他方、操作信号がポインティング式入力信号であると判定した場合は、第2画面のための入力手段をポインティング式入力手段に確定する(ステップS16)。つまり、第2ユーザーからの入力情報すなわち操作信号がタッチ式入力手段以外の入力手段からの信号であれば、第2ユーザーの入力操作に従ってそのまま操作処理を行う。なお、このような制御は単なる例示であるので、これに代えて例えば第2画面の入力手段を決定するまで操作処理を無効にするなどといった処理を行ってもよい。
【0049】
ステップS5又はS9で、第1画面の入力手段を音声式入力手段に確定する一方、第2画面の入力手段として音声式入力手段を採用ないしは設定することを禁止した場合は、ステップS17〜S22を実行する。すなわち、まず第2ユーザーによって入力手段4に入力され、この後CPU5に入力された入力情報すなわち操作信号を読み込む(ステップS17)。
【0050】
続いて、第2ユーザーの操作信号が識別信号と同一であるか否か、すなわち音声式入力手段からの信号であるか否かを判定する(ステップS18)。ここで、第2ユーザーの操作信号が音声入力手段からの信号であると判定した場合は(YES)、前記のステップS5又はS9で音声式入力手段から第2画面への信号入力が禁止されているので、第2画面の入力手段4として音声式入力手段以外の入力手段、すなわちタッチ入力手段又はポインティング式入力手段のみを採用ないしは設定することができるようにする。ここで第2画面上に、音声式入力手段から第2画面への信号入力が禁止されている(操作不可能である)旨を、警告を出すなどしてユーザーに報知するようにしてもよい。
【0051】
ステップS18で第2ユーザーの操作信号が音声式入力手段からの信号でないと判定した場合は(NO)、操作信号がタッチ式入力信号であるかそれともポインティング入力信号であるかを判定する(ステップS20)。ここで、操作信号がタッチ入力信号であると判定した場合は、第2画面のための入力手段をタッチ式入力手段に確定する(ステップS21)。他方、操作信号がポインティング式入力信号であると判定した場合は、第2画面のための入力手段をポインティング式入力手段に確定する(ステップS22)。つまり、第2ユーザーからの入力情報すなわち操作信号が音声式入力手段以外の入力手段からの信号であれば、第2ユーザーの入力操作に従ってそのまま操作処理を行う。なお、このような制御は単なる例示であるので、これに代えて例えば第2画面の入力手段を決定するまで操作処理を無効にするなどといった処理を行ってもよい。
【0052】
ステップS6又はS10で、第1画面の入力手段をポインティング式入力手段に確定する一方、第2画面の入力手段としてポインティング式入力手段を採用ないしは設定することを禁止した場合は、ステップS23〜S28を実行する。すなわち、まず第2ユーザーによって入力手段4に入力され、この後CPU5に入力された入力情報すなわち操作信号を読み込む(ステップS23)。
【0053】
続いて、第2ユーザーの操作信号が識別信号と同一であるか否か、すなわちポインティング式入力手段からの信号であるか否かを判定する(ステップS24)。ここで、第2ユーザーの操作信号がポインティング入力手段からの信号であると判定した場合(YES)、前記のステップS6又はS10でポインティング式入力手段から第2画面への信号入力が禁止されているので、第2画面の入力手段4としてポインティング式入力手段以外の入力手段、すなわちタッチ入力手段又は音声式入力手段のみを採用ないしは設定することができるようにする。ここで第2画面上に、ポインティング式入力手段から第2画面への信号入力が禁止されている(操作不可能である)旨を、警告を出すなどしてユーザーに報知するようにしてもよい。
【0054】
ステップS24で第2ユーザーの操作信号がポインティング式入力手段からの信号でないと判定した場合は(NO)、操作信号がタッチ式入力信号であるかそれとも音声式入力信号であるかを判定する(ステップS26)。ここで、操作信号がタッチ入力信号であると判定した場合は、第2画面のための入力手段をタッチ式入力手段に確定する(ステップS27)。他方、操作信号が音声式入力信号であると判定した場合は、第2画面のための入力手段を音声式入力手段に確定する(ステップS28)。つまり、第2ユーザーからの入力情報すなわち操作信号がポインティング式入力手段以外の入力手段からの信号であれば、第2ユーザーの入力操作に従ってそのまま操作処理を行う。なお、このような制御は単なる例示であるので、これに代えて例えば第2画面の入力手段を決定するまで操作処理を無効にするなどといった処理を行ってもよい。
【0055】
以上、本発明に係る画像形成装置1によれば、複式画面表示を行うことができる液晶表示パネル2の一方の視野角方向側の画面をその視聴者が入力手段4を介して操作したときに、該入力手段4が誤って他方の視野角方向側の画面に作用を及ぼすのを有効に防止することができる。とくに、液晶表示パネル2の一方の視野角方向に対応する画面のタッチ操作を行ったときに、他方の視野角方向に対応する画面の操作ボタンが反応して液晶表示パネル2に誤動作が発生するのを有効に防止することができる。
【符号の説明】
【0056】
1 画像形成装置、2 液晶表示パネル、3 制御手段、4 入力手段、5 CPU、6 第1液晶表示制御部、7 第1液晶表示制御部、8 タッチパネル、9 プッシュボタン部、10 可動スイッチ、11 マウス、12 キーボード、13 第1マイクロフォン、14 第2マイクロフォン、15 画像、16 画像、17 画像、20A 第1切替ボタン、20B 第2切替ボタン、21 切替えアイコン、22 切替えアイコン。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ互いに異なる2つの視野角方向から視認することができる2つの画面を同時に表示する複式画面表示手段と、
前記複式画面表示手段を制御する制御手段と、
前記制御手段に制御情報を入力するための、情報入力形態が互いに異なる複数の入力手段とを備えている画像形成装置において、
前記制御手段は、ある1つの入力手段から該制御手段に、一方の視野角方向に対応する画面についての制御情報が入力されたときに、該入力手段を前記一方の視野角方向に対応する画面のための入力手段として採用する一方、前記入力手段から他方の視野角方向に対応する画面のための制御情報の入力を禁止することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記複数の入力手段は、タッチ式入力手段、音声式入力手段及びポインティング式入力手段のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像形成装置において、
前記タッチ式入力手段が、回動可能な構造を有するプッシュボタン部を備えていて、
前記制御手段は、前記タッチ式入力手段を、前記プッシュボタン部の向きに応じて、前記2つの画面のうちのいずれか一方の視野角方向に対応する画面のための入力手段として採用することを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
それぞれ互いに異なる2つの視野角方向から視認することができる2つの画面を同時に表示する複式画面表示手段と、
前記複式画面表示手段を制御する制御手段と、
前記制御手段に制御情報を入力するための、情報入力形態が互いに異なる複数の入力手段とを備えている画像形成装置において、
前記制御手段は、ある1つの入力手段から該制御手段に、一方の視野角方向に対応する画面についての制御情報が入力されたときに、該入力手段を前記一方の視野角方向に対応する画面のための入力手段として採用する一方、前記入力手段から他方の視野角方向に対応する画面のための制御情報の入力を禁止することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記複数の入力手段は、タッチ式入力手段、音声式入力手段及びポインティング式入力手段のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像形成装置において、
前記タッチ式入力手段が、回動可能な構造を有するプッシュボタン部を備えていて、
前記制御手段は、前記タッチ式入力手段を、前記プッシュボタン部の向きに応じて、前記2つの画面のうちのいずれか一方の視野角方向に対応する画面のための入力手段として採用することを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−218348(P2010−218348A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−65627(P2009−65627)
【出願日】平成21年3月18日(2009.3.18)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月18日(2009.3.18)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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