説明

画像形成装置

【課題】装置本体に対するユニットの位置決めを容易にし、着脱作業を容易に短時間で行うことが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置1の筐体2には、着脱可能なフレーム11、フレーム11に配置された給紙ユニット12、二次転写ユニット13、搬送ユニット14、定着ユニット15及び排出ユニット16から成る組立ユニット10と、組立ユニット10を支持し組立ユニット10を装着位置と脱離位置とに配置可能な支持部材23と、支持部材23を摺動可能に支持し着脱方向に案内する案内レール24と、を備えている。フレーム11は取手21を備え、支持部材23は、取手21の位置決め用部21aを嵌め込み組立ユニット10の着脱方向の位置を規制する嵌込部25aを有する規制部25を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真法を用いた画像形成装置に関し、特にユニットの着脱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真プロセスを用いた画像形成装置においては、感光体ドラムに形成され中間転写ベルトに一次転写されたトナー像を用紙(記録媒体)に二次転写する二次転写ユニット、二次転写ユニットに用紙を供給する給紙ユニット、用紙を搬送する搬送ユニット、用紙に転写されたトナー像を定着する定着ニット、トナー像が定着された用紙を排出する排出ユニット等を一体に組み立て、ユニット全体を一の組立ユニットとして画像形成装置本体に着脱される場合がある。
【0003】
このような画像形成装置では、組立ユニットは重量物であり、着脱は必ずしもも容易ではない。さらに、装置本体に対する組立ユニットの着脱作業は、通常、製造ライン上では組立作業者により、販売後はサービスマンによって行われており、ユーザが行うことは想定されていない。このため、装置本体に対する組立ユニットの着脱に関し、その作業性が十分に考慮されているとは言い難く、組立作業者やサービスマンにとって着脱作業は容易ではなく、さらには個々のユニットの交換等、メンテナンス作業も容易ではなかった。
【0004】
そこで、このようなユニットの着脱を容易にする方法が提案されている。例えば特許文献1には、交換ユニットを着脱可能に収容し一体的に機械本体から引き出すために機械本体に対して相対的に滑動可能な交換ユニット保持手段と、交換ユニット保持手段の下部に下方へ開離可能に結合され、転写チャージャユニットを前後に滑動可能に保持する転写チャージャユニット保持手段と、を備えることにより、転写チャージャと感光体との位置関係の精度を高くし、ユーザメンテンナンスを容易にすると共にトナーの床こぼれを少なくする方法が開示されている。
【0005】
また特許文献2には、搬送ユニットを装置本体側面の開口に向けて引き出す際に該搬送ユニットを案内するレールと、開口付近において搬送ユニットの下部に作用し、該搬送ユニット脱方向への回動支点として作用する引き出しスリッパと、を有し、開口に向けて引き出すユニットをレールによって案内し、開口付近にてユニット下部を引き出しストッパにより規制し、その後、搬送ユニットを引き出し、ストッパを支点にして脱方向へ回動し、ユニット天面に設けたハンドルを持って引き上げて引き出しストッパの規制を解除し、装置本体から取り出すことにより、大型で重い定着ユニット等の搬送ユニットを装置から取り出すための操作をスムーズに行う方法が開示されている。
【0006】
また特許文献3には、像担持体に対して接離可能なベルト状転写ユニットを、ベルト状部材の搬送方向且つ該部材の転写面と略平行に装置本体に対し挿抜可能とし、転写ユニットの挿抜方向に対する垂直方向の両側に装置本体の案内手段により案内される少なくとも3対の被案内部と、挿入方向上流側に転写ユニットを引き出す際に持つためのつまみ部と、転写ユニットの略重心位置に把手部と、を設け、把手部が装置本体外から操作可能な位置まで転写ユニットを引き出しても、被案内部のうち少なくとも2本が案内手段に案内されることにより、装置の大型化を招くことなく、且つ挿抜の際に安定して保持する方法が開示されている。
【0007】
また特許文献4には、感光体と該感光体の外周面に押圧される転写用部材を一体的に保持する転写ユニットを設け、転写ユニットが感光体の周囲に配置されている転写用部材以外の作像手段とは別個に本体ケースに対して着脱自在に取り付けることにより、感光体と、該感光体の外周面の傷つきの原因の可能性が高い転写用部材と、を一体に交換し、交換作業の手間を軽減すると共に感光体の外周面に同じような傷が付くことの繰り返しを防止する方法が開示されている。
【0008】
また特許文献5には、像担持体と、該像担持体に対して少なくとも現像処理を含む作像処理を施す部分とが一体となった複数の作像ユニットを、一度に装置本体から引き出し可能であり、さらに引き出された状態で保持可能とすることにより、機械本体から取り出し易く、容易にメンテナンス可能とする方法が開示されている。
【特許文献1】特開昭63−298268号公報
【特許文献2】特開2001−206562号公報
【特許文献3】特開2004−138945号公報
【特許文献4】特開2005−326877号公報
【特許文献5】特開2004−109886号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、特許文献1〜5では、ユニットを装置本体から引き出すための取手を備えているものの、かかる取手はユニットの装置本体に対する位置決めには用いられていない。また、装置本体に対するユニットの着脱方向の位置決めに関し、特許文献1及び2では何ら開示されていない。また、かかる位置決めを、特許文献3ではボス、特許文献4ではフランジ、特許文献5ではピンを用いて行っている。このように、特許文献1〜5には、取手を用いて位置決めを行うことに関し、何ら開示されていない。
【0010】
本発明は、上記問題点に鑑み、装置本体に対するユニットの位置決めを容易にし、着脱作業を容易に短時間で行うことが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために本発明は、ユニットを着脱自在に且つ装置本体に対して出し入れ可能に支持する支持手段を備え、前記ユニットが前記支持手段に支持されて装置本体に着脱される画像形成装置において、前記ユニットに配置された把持手段と、前記支持手段に配置され、前記把持手段を嵌入可能であり前記ユニットを前記支持手段に対して位置決め可能な位置決め手段と、が設けられ、前記把持手段を前記位置決め手段に嵌入することにより前記支持手段に対して前記ユニットを位置決めし、装置本体に装着することを特徴としている。
【0012】
また本発明は、前記把持手段は、前記ユニットから前記ユニットの着脱方向とは垂直方向に突設されたことを特徴としている。
【0013】
また本発明は、前記把持手段は、先端部が上方に向かうよう折り曲げられていることを特徴としている。
【0014】
また本発明は、前記把持手段は、前記ユニットに収納可能であることを特徴としている。
【0015】
また本発明は、前記把持手段は、前記ユニットに対し前記垂直方向に収納可能に支持されており、且つ前記ユニットを装着するとき装置本体に設けられた押圧部に押圧されて前記ユニットに収納されることを特徴としている。
【0016】
また本発明は、前記把持手段の先端側は、前記ユニットに対し前記ユニットの脱離方向に回動して収納可能な回動部を形成しており、前記回動部が、前記ユニットを装着するとき装置本体に設けられた押圧部に押圧されて前記脱離方向に回動することにより前記ユニットに収納されることを特徴としている。
【0017】
また本発明は、前記把持手段を前記ユニットから突出する方向に付勢する付勢手段が設けられたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0018】
本発明の第1の構成によれば、ユニットに把持手段を配置し、支持手段に、把持手段を嵌入可能であり且つユニットを支持手段に対して位置決め可能な位置決め手段を配置し、把持手段を位置決め手段に嵌入することにより支持手段に対して前記ユニットを位置決めし、装置本体に装着することができる。
【0019】
これにより、ユニットを持ち上げ易くすると共に、装置本体に対する位置決めが容易となり、装置本体に対するユニットの着脱作業を容易に短時間で行うことができる。さらに、ユニットの交換等のメンテナンスも容易となる。従って、作業等の負担を軽減することができる。
【0020】
また、本発明の第2の構成によれば、上記第1の構成の画像形成装置において、把持手段を、ユニットからユニットの着脱方向とは垂直方向に突設することにより、把持手段を位置決め手段に嵌入し易くなる。
【0021】
また、本発明の第3の構成によれば、上記第1または2の構成の画像形成装置において、把持手段を、先端部が上方に向かうよう折り曲げられた構成とすることにより、把持手段のユニットからの突出長さを短くすることができる。これにより、装置本体において把持手段の占めるスペースを小さくできるため、装置本体内のスペースを有効利用すると共に装置本体の大型化を防止することができる。
【0022】
また、本発明の第4の構成によれば、上記第1または2の構成の画像形成装置において、把持手段を、ユニットに収納可能とすることにより、装置本体において把持手段の占めるスペースを小さくできるため、装置本体内のスペースを有効利用すると共に装置本体の大型化を防止することができる。
【0023】
また、本発明の第5の構成によれば、上記第4の構成の画像形成装置において、把持手段が、ユニットに対し上記垂直方向に収納可能に支持され、且つユニットを装着するとき装置本体に設けられた押圧部に押圧されてユニットに収納されることにより、装置本体への装着と同時に把持手段を収納できるため、装着作業がより効率的となり、作業者の負担をより軽減することができる。
【0024】
また、本発明の第6の構成によれば、上記第4の構成の画像形成装置において、把持手段の先端側が、ユニットに対しユニットの脱離方向に回動して収納可能な回動部を形成し、回動部が、ユニットを装着するとき装置本体に設けられた押圧部に押圧されて脱離方向に回動することによりユニットに収納されることにより、装置本体への装着と同時に把持手段を収納できるため、装着作業がより効率的となり、作業者の負担をより軽減することができる。また、把持手段をより確実に押圧できるため、把持手段の収納をより確実に且つ容易にすることができる。
【0025】
また、本発明の第7の構成によれば、上記第4〜第6のいずれかの構成の画像形成装置において、把持手段をユニットから突出する方向に付勢する付勢手段を設けることにより、支持手段及びユニットを装着位置から脱離方向に移動させるだけで付勢手段の付勢力により把持手段を突出させることができるため、作業効率がより向上し、作業者の負担をより軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の外観を示す斜視図であり、図2は、本実施形態の画像形成装置の構成を示す概略斜視図であり、図3は、本実施形態の画像形成装置から組立ユニットを引き出した状態を示す斜視図であり、図4は、組立ユニットの構成を示す斜視図である。
【0027】
図1〜3に示すように、画像形成装置1の筐体2の下部には給紙部3が配置されている。この給紙部3には印刷前の用紙が積載して収容され、ここから1枚ずつ分離して用紙が送り出される。なお、給紙部3には3段の給紙カセットが備えられており、これらの給紙カセットは、用紙の補給作業を容易にするためそれぞれ独立して筐体2に対して、引出可能に構成されている。また、筐体2の右側面の上部には、給紙部3に収容されている用紙とは異なるサイズの用紙を使用する場合や、OHPシートのように1枚ずつ供給する場合に使用される手差し給紙部4が備えられている。
【0028】
また、筐体2の上面には原稿送り部5が配置されており、筐体2内の上部には原稿送り部5の下方に位置するように光学部6が配設されている。原稿送り部5は、原稿の複写を行う場合に、文字、図形、模様等の画像が描かれた原稿を積載するものであり、原稿送り部5に積載された原稿は1枚ずつ分離して内部へと取り込まれ、光学部6によってその画像データが読み取られるよう構成されている。
【0029】
図2及び図3に示すように、光学部6の下方には、4つの画像形成部7a、7b、7c及び7dが、搬送方向上流側(図2及び図3では右側)から順に配設されている。これらの画像形成部7a〜7dは、異なる4色(ブラック、マゼンタ、シアン及びイエロー)の画像に対応して設けられており、それぞれ帯電、露光、現像及び転写の各工程によりブラック、マゼンタ、シアン及びイエローの画像を順次形成する。
【0030】
この画像形成ユニット7a〜7dには、図示しない、各色の可視像(トナー像)を担持する感光体ドラム、感光体ドラムを帯電させる帯電器、各感光体ドラムに画像情報を露光する露光装置、感光体ドラム上にトナー像を形成する現像装置、感光体ドラム上に残留した現像剤(トナー)を除去するクリーニング部が設けられている。画像形成部7a〜7dでは、帯電器によって一様に帯電された感光体ドラムの表面を、露光装置によって光照射することにより、光学部6によって読み取られた画像データに基づいて各感光体ドラム上に静電潜像を形成し、現像装置によりトナーが感光体ドラム上に供給され、静電潜像に応じたトナー像が形成される。
【0031】
画像形成部7a〜7dの下方には、中間転写ベルト8が配置されている。中間転写ベルト8は、図示しない駆動ローラ及び従動ローラに張架され、図の時計回りに回動するようになっている。また、中間転写ベルト8を挟んで画像形成部7a〜7dと対向する位置には一次転写ローラ(図示せず)が配置されており、かかる一次転写ローラにより、画像形成部7a〜7dで形成されたトナー像は、中間転写ベルト8に順次一次転写される。
【0032】
そして、図3及び図4に示すように、中間転写ベルト8の下方には、筐体2に着脱可能な組立ユニット10が配置されている。組立ユニット10は、フレーム11と、フレーム11に用紙搬送方向上流側(図の右側)から順に配置された給紙ユニット12、二次転写ユニット13、搬送ユニット14、定着ユニット15及び排出ユニット16と、を備えている。
【0033】
給紙ユニット12は、用紙の斜め送りを矯正しつつ画像形成部7a〜7dで形成されるトナー像と同期をとって、二次転写ユニット13に向けて用紙を送り出す。二次転写ユニット13は、中間転写ベルト8に一次転写されたトナー像を、給紙ユニット12によって同期をとって送られてきた用紙へと二次転写する。搬送ユニット14は、二次転写ユニット13にてトナー像が二次転写された用紙を定着ユニット15に搬送する。
【0034】
定着ユニット15は、加熱ローラ及び加圧ローラを備えており、未定着トナーが二次転写された用紙を挟持搬送しつつ加熱及び加圧することによってトナー像を用紙に溶融定着する。排出ユニット16は、定着ユニット15から排出された用紙を、用紙受けトレイ17に排出する。なお、両面印刷を行う場合には、組立ユニット10の下方に両面印刷ユニ(図示せず)を設け、用紙を反転させて、再度、給紙ユニット12に搬送することもできる。また、フレーム11には、取手(把持手段)21が設けられている。
【0035】
図5は、本実施形態の画像形成装置に用いられるフレームを示す斜視図であり、図6は、図5の右側に配置された取手周辺を示す拡大斜視図である。図1〜4と共通する部分には共通する符号を付して説明を省略するなお、図5において、左側及び右側に配置された取手の構成は同様であるため、図6では、右側の取手周辺のみを示した。
【0036】
図5に示すように、フレーム11は、底面部11a、前面側壁部11b、背面側壁部11c、上流側支持部11d、下流側支持部11e及び取手21を備えている。底面部11aは、略矩形状から成り、底面部11aにおける組立ユニット10の装着方向(図5の白抜き矢印)上流側の端部から前面側壁面部11b、下流側の端部から背面側壁面部11cが略垂直に立設されている。
【0037】
また、底面部11aの用紙搬送方向上流側(図5の右側)の上方には、装着方向に沿って上流側支持部11dが配置されており、上流側支持部11dは、前面側壁面部11b及び背面側壁面部11cにおける用紙搬送方向上流側且つ上側の端部に挟持されている。底面部11aの用紙搬送方向下流側(図5の左側)の上方には、装着方向に沿って下流側支持部11eが配置されており、下流側支持部11eは、前面側壁面部11b及び背面側壁面部11cにおける用紙搬送方向下流側且つ上側の端部に挟持されている。
【0038】
上流側支持部11d及び下流側支持部11eの長手方向中央部上面には、貫通穴から成る固定部22が2つずつ形成されている。そして、固定部22には、取手21が固定されている。取手21は、略コの字状から成り、コの字の両端片が、固定部22に嵌め込まれて支持されている。
【0039】
これにより、取手21は、上流側及び下流側支持部11d、11eから装着方向(着脱方向)とは垂直方向に突出している。また、取手21は、固定部22に、フレーム11に着脱方向とは垂直方向に移動可能(図5及び図6の破線矢印)に支持されている。また、取手21の両端片は、後述する支持部材23における規制部25の嵌込部25aに嵌め込まれ位置決めされる位置決め用部21aを構成しており、コの字の底部(フレーム11からの突出端部)は、把持可能な把持部21bを構成している。
【0040】
また、上流側及び下流側支持部11d、11eは、装着方向に沿って配置された支持部材(支持手段)23に下方から支持されるようになっている。また、筐体2(図2及び図3参照)の用紙搬送方向上流側(同図の右側)及び下流側(同図の左側)の内側面における組立ユニット10と対向する位置には、装着方向(図3及び図5の白抜き矢印)に沿って断面略コの字状の案内レール24が配置されている。
【0041】
支持部材23は、案内レール24に嵌め込まれて摺動可能に支持され、装着方向及び脱離方向(白抜き矢印と反対方向)に移動できるようになっている。そして、取手21を位置決め部25に上方から嵌め込み(嵌入)、上流側及び下流側支持部11d、11eを支持部材23の上に載置することにより、組み立てユニット10を支持部材23に対して位置決めすると共に支持部材23により支持する。支持部材23を組立ユニット10と共に装着方向に移動し、支持部材23の装着側端部が筐体2(図2参照)の所定位置に設けられた不図示の装着側当接部に当接する位置まで押し込むことにより、組立ユニット10を所定の装着位置(図2参照)に配置することができる。
【0042】
一方、支持部材23を脱離方向に移動し、支持部材23の脱離側端部が筐体2の所定位置に設けられた不図示の脱離側当接部に当接する位置まで引き出すことにより、組立ユニット10を持ち上げ可能な所定の脱離位置(図3参照)に配置するようになっている。これにより、組立ユニット10を、筐体2の正面側から装着及び脱離することができる。
【0043】
また、支持部材23の長手方向中央部には、支持部材23に対する取手21の着脱方向の移動を規制して支持部材23に対して位置決めするための規制部(位置決め手段)25が形成されている。規制部25は、支持部材23の長手方向に沿って取手21の位置決め用部21aと対向する位置に、上方に向かって突設されている。規制部25は、取手21の位置決め用部21aの太さに応じた所定間隔を隔てて配置された2つの板状部材から成り、該板状部材間に取手21の位置決め用部21aを隙間なく嵌め込むことができる嵌込部25aが形成されている。
【0044】
また、規制部25は、支持部材23が組立ユニット10と共に装着位置に配置されたとき、組立ユニット10が筐体2(図3参照)に対し所定の位置に配置されるような位置関係で形成されている。これにより、脱離位置において支持部材23の規制部25の嵌込部25aに取手21の位置決め用部21aを嵌め込むことにより(図6の一点鎖線矢印)組立ユニット10を支持部材23に対して位置決めすることができる。そして、支持部材23を組立ユニット10と共に装着位置に押し込むことにより、組立ユニット10を筐体2に対して装着することができ、組立ユニット10を装置本体に対して位置決めすることができる。
【0045】
さらに脱離位置において、取手21の位置決め用部21aを規制部25の嵌込部25aに嵌め込んだまま、取手21をフレーム11側(図5及び図6の破線矢印左側)に移動させてフレーム11に収納することにより、取手21を組立ユニット10に収納することができる。
【0046】
次に、組立ユニット10の着脱動作について説明する。まず、装着動作について説明する。予めフレーム11に対して給紙ユニット12、二次転写ユニット13、搬送ユニット14、定着ユニット15及び排出ユニット16を組み立てて組立ユニット10とする。次に、筐体2から支持部材23を脱離位置まで引き出した後、組立ユニット21の取手21を把持して持ち上げ、取手21の位置決め用部21aを支持部材23の規制部25の嵌込部25aに嵌め込む。
【0047】
これにより、組立ユニット10は支持部材23に対して位置決めされる。その後、位置決め用部21aを嵌込部25aに嵌め込んだ状態で、取手21をフレーム11側に移動させて組立ユニット10に収納する。そして、組立ユニット10及び支持部材23を装着位置まで押し込むことにより、支持部材23は案内レール24に案内されて組立ユニット10と共に装着位置に配置される。これにより、組立ユニット10を筐体2に装着すると同時に、筐体2に対する組立ユニット10の位置決めを行うことができる。
【0048】
次に組立ユニット10の脱離動作について説明する。一方、組立ユニット10を脱離する際には、組立ユニット10及び支持部材23を脱離方向に引き出すことにより、支持部材23は案内レール24に案内されて組立ユニット10と共に脱離位置に配置される。そして、取手21を組立ユニット21から外側(図5及び図6の破線矢印右側)に突出させ、取手21の把持部21bを把持して支持部材23から組立ユニット10を持ち上げる。
【0049】
これにより、組立ユニット10を筐体2から脱離することができる。その後、組立ユニット10を装着する際には、上記と同様の装着動作を行えばよい。なお、脱離位置において、組立ユニット10が支持部材23に支持された状態で、組立ユニット10に配置されたユニットのうち一部のユニットのみを交換等メンテナンスすることもできる。
【0050】
上記の通り、組立ユニット10に取手21を配置し、支持部材23に規制部25を配置することにより、支持部材23が脱離位置に配置されるときには、取手23を把持して支持部材23に対して組立ユニット10を持ち上げることができる。また、支持部材23が組立ユニット10と共に装着位置に配置されるときには、取手21の支持部材23に対する着脱方向の移動が規制部25により規制され、組立ユニット10を支持部材23に対して位置決めすることができ、さらには筐体2に対して所定位置に位置決めすることが可能となる。
【0051】
これにより、組立ユニット10を持ち上げ易くすると共に、装置本体に対する組立ユニット10の位置決めが容易となる。さらに、各ユニットの交換等のメンテナンスも容易となる。従って、装置本体に対する組立ユニット10の着脱作業を容易に短時間で行うことができるため、作業者の負担を軽減することができる。
【0052】
また、ここでは規制部25に、取手21を嵌め込むことにより取手21の移動を規制する嵌込部25aを設けたため、簡単な構成で、且つ簡単な作業で確実に取手21の移動を規制できるため、装置本体に対する組立ユニット10の位置決めが容易となる。また、ここでは取手21を垂直方向に突設したため、取手21を規制部25に嵌め込み易くすることができるが、取手21の突出方向は、規制部25に嵌め込まれ支持部材23に対して組立ユニット10の位置決めが可能であれば、特に限定されるものではない。
【0053】
また、ここでは、取手21を、組立ユニット10に収納可能としたため、取手21の組立ユニット10からの突出長さを短くすることができる。これにより、装置本体において取手21の占めるスペースを小さくできるため、装置本体内のスペースを有効利用すると共に装置本体の大型化を防止することができる。しかし、取手21は、組立ユニット10を持ち上げ可能であり且つ規制部25により移動を規制可能であれば、特に限定されるものではなく、取手21が組立ユニット10に収納されない構成とすることもできる。
【0054】
図7は、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置に用いられる取手を示す斜視図である。本実施形態では、取手21の両端片の位置決め用部21aを、把持部21bが上方に向かうよう略L字状に折り曲げて形成し、かかる位置決め用部21aの下側片が規制部25の嵌込部25a(図5参照)に嵌め込まれることとした(一点鎖線矢印方向)。その他の構成は第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0055】
これにより、取手21を収納しなくても、取手21のフレーム11(組立ユニット10)からの突出長さを短くすることができる。従って、装置本体において取手21の占めるスペースを小さくできるため、装置本体内のスペースを有効利用すると共に装置本体の大型化を防止することができる。
【0056】
図8は、本発明の第3実施形態に係る画像形成装置に用いられる取手を示す斜視図であり、図9は、取手の収納動作を示す図であって、図9(a)は、脱離位置における取手の状態を示す図であり、図9(b)は、収納位置における取手の状態を示す図である。
【0057】
図8に示すように、本実施形態では、取手21を、略コの字形状から成り、両端片の位置決め用部21aのうち、脱離側(図8の左側、図9の下側)端片21aaよりも装着側(図8の右側、図9の上側)端片21abの方が短くなるよう形成し、把持部21bを装着方向(白抜き矢印)に向かってフレーム11(組立ユニット10)側に傾斜させることとした。また、取手21を組立ユニット10に装着方向(着脱方向)とは垂直方向(図8の破線矢印)に移動可能に支持することとした。
【0058】
なお、取手21の位置決め用部21aの脱離側及び装着側端片21aa及び21abは、支持部材23(図5参照)の規制部25の嵌込部25a(図5参照)に嵌め込まれるようになっている(一点鎖線矢印方向)。そして、組立ユニット10が装着方向に向かって図9(a)に示す脱離位置(図2参照)から図9(b)に示す装着位置(図3参照)に移動するとき、筐体2に設けられた押圧部26に押圧されて取手21が組立ユニット10に収納されることとした。その他の構成は第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0059】
これにより、図9に示すように、脱離位置において取手21の脱離側及び装着側端片21aa及び21abを支持部材23の規制部25の嵌込部25aに嵌め込み、組立ユニット10及び支持部材23を装着方向(白抜き矢印)に向かって装着位置に移動すると、組立ユニット10の装置本体への装着と同時に取手21を収納することができる(図9(b)の破線矢印)。従って、手動で取手21を収納する必要がなく、組立ユニット10の装着作業が効率的となり、作業者の負担をより軽減することができる。
【0060】
図10は、本発明の第4実施形態に係る画像形成装置に用いられる取手を示す斜視図であり、図11は、取手の収納動作を示す図であって、図11(a)は、脱離位置における取手の状態を示す図であり、図11(b)は、収納位置における取手の状態を示す図である。
【0061】
図10に示すように、本実施形態では、取手21を、棒状部材から成り、フレーム11に固定されると共に支持部材23(図5参照)の規制部25の嵌込部25a(図5参照)に嵌め込まれる位置決め用部21aと、位置決め用部21aの先端に配置され脱離方向(破線矢印方向)に回動可能な略L字状の回動部から成る把持部21bと、位置決め用部21aに対し把持部21bを回動可能に連結する関節部21cと、から形成することとした。
【0062】
なお、ここでは嵌込部25aは用紙搬送方向上流側及び下流側の支持部材23に1つずつ配置されている。また、把持部21bにおけるL字の突出片を把持することにより、組立ユニットを持ち上げることができるようになっている。さらに、把持部21bを組立ユニット10から突出する方向(実線矢印)に付勢する捻りコイルバネからなるバネ部材27(付勢手段)を、設けることとした。
【0063】
そして、組立ユニット10が装着方向(白抜き矢印)に向かって図11(a)に示す脱離位置(図2参照)から図11(b)に示す装着位置(図3参照)に移動するとき、筐体2に設けられた押圧部26に押圧され、バネ部材27の付勢力に抗して取手21の把持部21bが関節部21cを支点として脱離方向に回動し、組立ユニット10に収納されることとした。その他の構成は第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0064】
これにより、図11に示すように、脱離位置において取手21の位置決め用部21aを支持部材23の規制部25の嵌込部25aに嵌め込み、組立ユニット10及び支持部材23を装着方向(白抜き矢印)に向かって装着位置に移動するとき、組立ユニット10の装置本体への装着と同時に取手21を収納することができる(図11(b)の破線矢印)。
【0065】
従って、手動で取手21を収納する必要がなく、組立ユニット10の装着作業が効率的となり、作業者の負担をより軽減することができる。また、取手21をより確実に押圧できるため、取手21の収納をより確実に且つ容易にすることができる。
【0066】
また、本実施形態では、バネ部材27を設けたため、組立ユニット10及び支持部材23を引き出して脱離位置に配置するだけで押圧部26からの押圧が解除され、バネ部材27の付勢力により把持部21bを回動させて取手21を突出させることができる。これにより、作業効率が向上し、作業者の負担をより軽減することができる。
【0067】
なお、上記した第3実施形態においても、取手21を組立ユニット10から突出する方向(着脱方向とは垂直方向)に付勢する例えばコイルバネ等からなるバネ部材を設けることにより、第4実施形態と同様の作用効果を得ることができる。また、バネ部材27は、取手21を組立ユニット10から突出する方向に付勢可能であれば装置構成等に応じて適宜設定することができ、特に限定されるものではなく、上記捻りコイルバネ、コイルバネの他、引っ張りバネ等を用いることもできる。
【0068】
その他本発明は、上記各実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態において示したフレーム11、取手21、支持部材23、案内レール24、規制部25や押圧部26の形状、大きさや配置等は、一例に過ぎず、装置構成等必要に応じて適宜設計することができる。
【0069】
また、上記実施形態では、組立ユニット10を用いたが、フレーム11に配置されるユニットは、支持部材23に支持され、支持部材23と共に案内レール24に案内されることにより装置本体に着脱可能であれば特に限定されるものではなく、上記各ユニットを単独でフレーム11に配置することもでき、上記以外の例えば両面ユニット等にも適用することができる。
【0070】
また、上記実施形態では、フレーム11を用いて組立ユニット10としたが、フレーム11を用いることなく各ユニットを係合させて一体化し、一体化したユニットに取手21を直接配置することもできる。また、上記実施形態では、カラー複合機についてのみ示したが、本発明はモノクロ複写機、カラープリンタやモノクロプリンタ等の、他のタイプの画像形成装置にも適用できるのは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、ユニットを着脱自在に且つ装置本体に対して出し入れ可能に支持する支持手段を備え、前記ユニットが前記支持手段に支持されて装置本体に着脱される画像形成装置において、前記ユニットに配置された把持手段と、前記支持手段に配置され、前記把持手段を嵌入可能であり且つ前記ユニットを前記支持手段に対して位置決め可能な位置決め手段と、が設けられ、前記把持手段を前記位置決め手段に嵌入することにより前記支持手段に対して前記ユニットを位置決めし、装置本体に装着するものである。
【0072】
これにより、ユニットを持ち上げ易くすると共に、装置本体に対する位置決めが容易となり、装置本体に対するユニットの着脱作業を容易に短時間で行うことができ、ユニットの交換等のメンテナンスも容易となるため、作業等の負担を軽減することができる。
【0073】
また、把持手段を、ユニットからユニットの着脱方向とは垂直方向に突設することにより、把持手段を位置決め手段に嵌入し易くなる。また、把持手段を、先端部が上方に向かうよう折り曲げられた構成とすることにより、装置本体において把持手段の占めるスペースを小さくできるため、装置本体内のスペースを有効利用すると共に装置本体の大型化を防止することができる。
【0074】
また、把持手段を、ユニットに収納可能とすることにより、装置本体内のスペースを有効利用すると共に装置本体の大型化を防止することができる。また、把持手段が、ユニットに対し上記垂直方向に収納可能に支持され、且つユニットを装着するとき装置本体に設けられた押圧部に押圧されてユニットに収納されることにより、装着作業がより効率的となり、作業者の負担をより軽減することができる。
【0075】
また、把持手段の先端側が、ユニットに対しユニットの脱離方向に回動して収納可能な回動部を形成し、回動部が、ユニットを装着するとき装置本体に設けられた押圧部に押圧されて脱離方向に回動することによりユニットに収納されることにより、作業者の負担をより軽減することができると共に、把持手段の収納をより確実に且つ容易にすることができる。また、ユニットに、把持手段をユニットから突出する方向に付勢する付勢手段を設けることにより、作業効率がより向上し、作業者の負担をより軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の外観を示す斜視図である。
【図2】は、本実施形態の画像形成装置の構成を示す概略斜視図である。
【図3】は、本実施形態の画像形成装置から組立ユニットを引き出した状態を示す斜視図である。
【図4】は、組立ユニットの構成を示す斜視図である。
【図5】は、本実施形態の画像形成装置に用いられるフレームを示す斜視図である。
【図6】は、図5の右側に配置された取手周辺を示す拡大斜視図である。
【図7】は、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置に用いられる取手を示す斜視図である。
【図8】は、本発明の第3実施形態に係る画像形成装置に用いられる取手を示す斜視図である。
【図9】は、本実施形態の画像形成装置に用いられる取手の収納動作を示す図であって、図9(a)は、脱離位置における取手の状態を示す図であり、図9(b)は、収納位置における取手の状態を示す図である。
【図10】は、本発明の第4実施形態に係る画像形成装置に用いられる取手を示す斜視図である。
【図11】は、本実施形態の画像形成装置に用いられる取手の収納動作を示す図であって、図11(a)は、脱離位置における取手の状態を示す図であり、図11(b)は、収納位置における取手の状態を示す図である。
【符号の説明】
【0077】
1 画像形成装置
2 筐体
7a〜7d 画像形成部
8 中間転写ベルト
10 組立ユニット(ユニット)
11 フレーム
12 給紙ユニット
13 二次転写ユニット
14 搬送ユニット
15 定着ユニット
16 排出ユニット
21 取手(把持手段)
21a 位置決め用部
21aa 脱離側端片
21ab 装着側端片
21b 把持部
21c 関節部
23 支持部材(支持手段)
24 案内レール
25 規制部(位置決め手段)
25a 嵌込部
26 押圧部
27 バネ部材(付勢手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユニットを着脱自在に且つ装置本体に対して出し入れ可能に支持する支持手段を備え、前記ユニットが前記支持手段に支持されて装置本体に着脱される画像形成装置において、
前記ユニットに配置された把持手段と、
前記支持手段に配置され、前記把持手段を嵌入可能であり且つ前記ユニットを前記支持手段に対して位置決め可能な位置決め手段と、が設けられ、
前記把持手段を前記位置決め手段に嵌入することにより前記支持手段に対して前記ユニットを位置決めし、装置本体に装着することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記把持手段は、前記ユニットから前記ユニットの着脱方向とは垂直方向に突設されたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記把持手段は、先端部が上方に向かうよう折り曲げられていることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記把持手段は、前記ユニットに収納可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記把持手段は、前記ユニットに対し前記垂直方向に収納可能に支持されており、且つ前記ユニットを装着するとき装置本体に設けられた押圧部に押圧されて前記ユニットに収納されることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記把持手段の先端側は、前記ユニットに対し前記ユニットの脱離方向に回動して収納可能な回動部を形成しており、
前記回動部が、前記ユニットを装着するとき装置本体に設けられた押圧部に押圧されて前記脱離方向に回動することにより前記ユニットに収納されることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記把持手段を前記ユニットから突出する方向に付勢する付勢手段が設けられたことを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−96794(P2010−96794A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−264862(P2008−264862)
【出願日】平成20年10月14日(2008.10.14)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】