説明

画像形成装置

【課題】像を保持する各々の像保持体間の相対的な位置がずれることを抑制する。
【解決手段】後側フレーム43の外側面には、固定点75,76,77に剛性の高いベース板71が固定されて、三角形の領域を形成する。内側面には、第1支持板50のリブ部51の先端が固定されて、長方形の領域が形成される。第1支持板50は、後側フレーム43よりも厚い板体で形成しているから、後側フレーム43よりも剛性を高めた上で、他の部分よりも剛性を高くした三角形の領域と長方形の領域とが、重なる部分を有する。感光体ドラム3(回転軸3A)間の相対的な位置ずれをなくし、感光体ドラム3から中間転写ベルト10に多重転写されるトナー像のずれをなくす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置においては、像を保持する像保持体を正確に位置を位置決めする必要がある。特許文献1には、像保持体を画像形成装置内で位置決めするための位置決め板が開示されている。また、特許文献2には、この位置決め板のような板体の剛性を高める手段として、類似した形状の部品を重ねる構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−3735号公報
【特許文献2】特開2000−77858号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、像を保持する各々の像保持体間の相対的な位置がずれることを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するため、本発明の請求項1記載の画像形成装置は、駆動力を受けて回転する回転軸をそれぞれ有し、像を保持する複数の像保持体と、基部と、前記基部に固定され、各々の前記像保持体の回転軸を支持する一体の支持部と、を備え、前記支持部の剛性が、前記基部の剛性よりも高いことを特徴とする。
【0006】
本発明の請求項2に記載の画像形成装置は、駆動力を受けて回転する回転軸をそれぞれ有し、像を保持する複数の像保持体と、第1基部と、前記複数の像保持体が配置される空間を外部に対して開放または遮蔽する扉を構成し、前記扉が前記空間を遮蔽した状態にあるときに前記第1基部と向かい合う第2基部と、前記扉が前記空間を遮蔽した状態で、前記第1基部と前記第2基部との間において各々の前記像保持体の回転軸を支持する第1支持部及び第2支持部であって、前記第1基部に固定され、当該第1基部よりも剛性が高い一体の第1支持部、及び、前記第2基部に固定された第2支持部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の画像形成装置は、請求項2記載の画像形成装置において、前記第1基部の、前記空間に向かい合う側とは反対側において、当該反対側に突出した各々の前記回転軸に駆動力を与える駆動手段と、前記第1基部の、前記空間に向かい合う側とは反対側の面に固定され、前記駆動手段を前記第1基部に支持する第3支持部であって、前記第1基部よりも剛性が高い第3支持部と、を備え、前記第1基部において前記第1支持部が固定された複数の箇所を結んだ領域と、前記第1基部において前記第3支持部が固定された複数の箇所を結んだ領域とは、前記回転軸の軸方向から見たときに互いに重なりあう部分を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載の画像形成装置によれば、支持部の剛性が基部の剛性以下の場合に比べて、各々の像保持体間の相対的な位置がずれることを抑制することができる。
【0009】
請求項2記載の画像形成装置によれば、第1支持部の剛性が第1基部の剛性以下の場合に比べて、各々の像保持体間の相対的な位置がずれることを抑制することができる。
【0010】
請求項3記載の画像形成装置によれば、第1基部において第1支持部が固定された複数の箇所を結んだ領域と、第1基部において第3支持部が固定された複数の箇所を結んだ領域とが回転軸の軸方向から見たときに互いに重なり合わない場合に比べて、第1支持部の剛性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態による画像形成装置の構成を示す模式図である。
【図2】筐体の構成を示す斜視図である。
【図3】感光体ドラム等の両端を挟み込んで支持する支持板の構成を示す斜視図である。
【図4】回転軸の両端を挟み込んで支持する支持板の構成を示す斜視図である。
【図5】図4中の矢視V−V方向からみた断面図である。
【図6】感光体ドラム等のロールを回転駆動する駆動ユニットを後側フレームの外側面に固定した状態を示す図である。
【図7】図6中に示す駆動ユニットのカバーを外した状態を示す図である。
【図8】図7中に示す歯車等の部位を除いて支持板を固定した状態を示す図である。
【図9】奥側基部に設けられた第1支持板の位置と駆動ユニットの固定位置とを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<1.実施形態>
例えばプリンタやコピー機などの画像形成装置においては、構成部品のメンテナンスや交換、或いは記録用紙の詰まりなどの不具合を解消する作業を行うために、その筐体の正面や側面などに開閉カバーが設けられている。本実施形態では、このような画像形成装置を例に挙げて説明する。図1は本実施形態に係る画像形成装置の構造を模式的に示す図である。以下、利用者が画像形成装置1を正面から見たときの左右の右方向をX(+)・左方向をX(−)、前後の奥方向をY(+)・手前方向をY(−)、高さの上方向をZ(+)・下方向をZ(−)として説明する。なお、特に定義する場合を除き、内側とは、後述するフレーム43,44から見て、露光装置が収容される空間に向かう側であり、外側とはフレーム43,44から見て、露光装置が収容される空間に向かう方向とは逆側である。
【0013】
<画像形成装置の構成>
画像形成装置1はタンデム型のフルカラープリンターを構成するものであり、この内部には、図示しないスキャナーやパーソナルコンピュータ、或いは電話回線等から送られてくる画像データに対して画像処理を行う画像処理装置(図示せず)が設けられている。この画像形成装置1の内部には、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),黒(K)の4つの画像形成ユニット(画像形成部)2Y,2M,2C,2Kが設けられる。画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kは、第1色目のイエロー(Y)の画像形成ユニット2Yが相対的に高く、最終色の黒(K)の画像形成ユニット2Kが相対的に低くなるように、水平方向に対してある角度(例えば、10度)だけ傾斜した状態である間隔を隔てて並列的に配置されている。このように、4つの画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kを、ある角度だけ傾斜した状態で配置することにより、これら4つの画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kを水平に配置した場合に比較して、幅方向の距離が短くなる。
【0014】
これらの4つの画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kは、基本的に同様に構成されており、後述する駆動ユニット70によってある速度で回転駆動され、像保持体としての感光体ドラム3と、この感光体ドラム3の表面を帯電する一次帯電用の帯電ロール4と、後述する画像露光装置5による画像露光によって感光体ドラム3上に形成された静電潜像をトナーで現像する現像器6と、感光体ドラム3の表面を清掃するクリーニング装置7と、を具備している。感光体ドラム3は、例えば、直径30mmのドラム状に形成され、表面にオーバーコート層を有する有機感光体であり、回転軸3A(図3および4に図示)を回転させることによって回転駆動される。帯電ロール4は、例えば、芯金の表面に合成樹脂やゴムからなり電気抵抗を調整した導電層を被覆したロール状の帯電器であり、この帯電ロール4の芯金には、帯電バイアスが印加されるものが用いられている。さらに、この帯電ロール4の表面には、この帯電ロール4の表面に付着したトナー等の異物を除去するためのクリーニングロールが接触するように配置されている。
以下、画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kは、特に識別して説明する必要のない場合には画像形成ユニット2として記載して説明する。
【0015】
画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kの下部には、画像露光装置5が設けられる。この画像露光装置5は、画像データに応じて変調されたレーザービームを射出する半導体レーザー(いずれも図示せず)を4つ備えている。これらの半導体レーザーから射出された4本のレーザービームは、ポリゴンミラーによって偏向走査されるとともに、レンズやミラー(いずれも図示せず)を介して、画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kの感光体ドラム3上に走査露光される。
この実施の形態では、画像露光装置5が4つの画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kの下部に沿って配設されており、これら4つの画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kは、水平方向に対して傾斜した状態で設けられている。このため、画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kの感光体ドラム3上に走査露光する各レーザービームの光路長は、画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kで等しくなる。
【0016】
画像形成装置1からは、画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kに共通して設けられた画像露光装置5に、各色の画像データが順次出力される。この画像露光装置5から画像データに応じて射出されたレーザービームは、対応する感光体ドラム3の表面に走査露光させ、静電潜像を形成させる。上記感光体ドラム3上に形成された静電潜像は、現像器6Y,6M,6C,6Kによって、各色のトナー像として現像される。上記画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kの感光体ドラム3上に順次形成された各色のトナー像は、各画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kの上方にわたって傾斜した状態で配置された中間転写体としての中間転写ベルト10上に、一次転写ロール11によって多重に転写される。
【0017】
この中間転写ベルト10は、複数のロールによって張架されたベルト状部材であって、このベルト状部材の下辺走行領域が、その走行方向に沿った下流側が低く、且つ上流側が高くなるように、水平方向に対して傾斜した状態で配置されている。即ち、中間転写ベルト10は、ドライブロール13、テンションロール15と、バックアップロール14と、第1のアイドラーロール12間にテンションで掛け回されており、定速性に優れた専用の駆動モーター(図示せず)によって回転駆動されるドライブロール13により、矢印方向に循環駆動されるようになっている。上記中間転写ベルト10としては、例えば、可撓性を有するポリイミド等の合成樹脂フイルムを帯状に形成し、この帯状に形成された合成樹脂フイルムの両端を溶着等の手段によって接続することにより、無端ベルト状に形成したものが用いられる。上記中間転写ベルト10は、その下辺走行領域において、画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kの感光体ドラム3Y,3M,3C,3Kに接触するように配置されている。
なお、上記中間転写ベルト10、各一次転写ロール11、ドライブロール13、テンションロール15、バックアップロール14、第1のアイドラーロール12等は、1つの中間転写ユニット9として構成される。
【0018】
記録媒体としての記録用紙18は、画像形成装置1の内部に配置された用紙収容部24から規定のサイズおよび材質のものが、各ローラ対によって経路が形成された搬送路21に沿って搬送される。この搬送路21では、用紙収容部24内の記録用紙18が、給紙ローラ25および用紙分離搬送用のローラ対26により1枚ずつ分離された状態でレジストロール28まで一旦搬送され、停止される。上記用紙収容部24から給紙された記録用紙18は、予め決まったタイミングで回転駆動されるレジストロール28によって中間転写ベルト10の二次転写位置へ送出される。さらに、二次転写位置を経て、各色のトナー像が転写された記録用紙18は、定着器19によって熱および圧力で定着処理を受けた後、定着器19の出口ロール20等を介して排出ロール22によって画像形成装置1の上部に設けられた用紙受部23上に排出される。
【0019】
中間転写ベルト10を挟んでバックアップロール14と対向する位置には、中間転写ベルト10の表面に突き当たった状態で接触するように回転体となる二次転写ロール17が、搬送路21に沿った位置に配置される。中間転写ベルト10上に多重に転写されたイエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),黒(K)のトナー像は、バックアップロール14に圧接する二次転写ロール17によって、圧接力および静電気力で記録媒体としての記録用紙18上に二次転写される。この中間転写ベルト10を挟んでバックアップロール14と二次転写ロール17とが対向する位置が、上記の二次転写位置となる。
【0020】
また、用紙受部23と中間転写ベルト10と間には、トナーカートリッジ29Y,29M,29C,29Kが設けられ、このトナーカートリッジ29Y,29M,29C,29Kは、現像器6Y,6M,6C,6Kにトナーを供給する。黒(K)色のトナーを収容したトナーカートリッジ29Kは、使用頻度が多いため、他のカラーのトナーカートリッジと比較して大型に形成されている。
【0021】
<筐体の構成>
次に、画像形成装置1の外形をなす筐体40の構造について、図1および図2を参照しつつ説明する。図2は筐体の構成を示す斜視図である。
【0022】
図2に示すように、筐体40は、Z軸方向に沿って延びる4本の支柱41と、各支柱41の間に設けられた複数本の梁部42とを有し、後側(Y(+)側)に位置した支柱41,41間のZ(+)方向には第1基部となる後側フレーム43が設けられ、前側(Y(−)側)に位置した支柱41,41間のZ(+)側には、前側フレーム44が設けられる。フレーム43,44には、矩形状の貫通孔45(後側フレーム43のみ図示)が形成される。前側フレーム44には、矢印a方向に動作可能に設けられ、画像形成ユニット2(回転軸3A)を収容する空間を外部に対して開放または遮蔽する、第2基部となる前側扉46が設けられる。
後側フレーム43の内側(Y(−)側)面には、第1支持部となる第1支持板50が設けられ、前側フレーム44に設けられる前側扉46の内側(Y(+)側)には第2支持部となる第2支持板60が設けられる。この第2支持板60は、前側扉46の内側に一体に形成される。
【0023】
筐体40を構成する各支柱41、梁部42およびフレーム43,44等は、当該画像形成装置1の軽量化を図るために、図5に示すように、厚さd1が1.0〜1.2mmとなる板体が用いられる。これに対し、支持板50,60は、厚さd2が2.0mmとなる板体が用いられる。これにより、支持板50,60の剛性は、フレーム43,44の剛性よりも高い。例えば画像形成装置1を平面でない場所や水平でない場に設置した場合に、画像形成装置1のフレームが歪んで感光体ドラム3のある光学素子の配置にずれを発生させるようなケースである。このような場合には、記録用紙18に形成される画像に色ズレ等が発生することがある。ただし、第1支持板50は、後側フレーム43よりも厚い厚さd2の板体によって形成されており、後側フレーム43よりも高い剛性を有しているため、仮に後側フレーム43が歪んだ場合であっても、第1支持板50に歪みが発生するのを抑制している。
よって、後側フレーム43が歪んで第1支持板50の位置がずれたとしても、剛性の高い第1支持板50,第2支持板で支持された各感光体ドラム3の位置ずれはなく、各感光体ドラム3の離間距離は変化しない。このため、各感光体ドラム3から中間転写ベルト10に多重転写されるトナー像のずれをなくし、色ズレを抑制する。
【0024】
<支持板の構成>
ここで、図3乃至図5を参照しつつ、第1支持板50、第2支持板60および支持板50,60間に挟まれる画像形成ユニット2(感光体ドラム3)の機構について説明する。図3は、感光体ドラム3を含む画像形成ユニット2の両端を挟み込んで支持する支持板50,60の構成を示す斜視図、図4は、回転軸3Aの両端を挟み込んで支持する支持板の構成を示す斜視図、図5は、図4中の矢視V−V方向から見た断面図である。
図4および図5に示すように、第1支持板50は、長方形の板体からなり、長尺な辺には外側(Y(+))に向けて折り曲がるリブ部51,51が形成され、その先端が後側フレーム43の内側面にレーザ溶接等で固定される。この第1支持板50には、各感光体ドラム3の回転軸3Aがそれぞれ挿入される軸挿入孔52,52,…が、第1支持板50の長手方向(Y方向)に沿って形成される。この軸挿入孔52は台形状に形成される。
ここで、回転軸3Aは、図5に示すように、端部にカップリング3Bが形成され、このカップリング3Bを介して駆動ユニット70の歯車72Kに連結される。
【0025】
一方、第2支持板60は、図3および図4に示すように、第1支持板50よりも大きな形状となる板体からなり、前側扉46を閉めた状態において、第1支持板50の各軸挿入孔52に対向する位置には、軸挿入孔52と同形状の軸挿入孔61,61,…が形成される。
第1支持板50と第2支持板60とには、同じ材料で同じ厚さの金属板が用いられる。そして、各軸挿入孔52,61を穿孔加工する際には、これら第1支持板50及び第2支持板60を合わせた状態で穿孔加工するようになっている。このため、各軸挿入孔52,61は、加工時に発生するバリや歪み具合が揃えられることになる。これにより、回転軸3Aの両端における位置のずれが抑制される。
【0026】
<駆動ユニットの構成>
次に、画像形成ユニット2の各ロールを回転駆動する駆動手段となる駆動ユニット70について、図6乃至図8を参照しつつ説明する。
図6は、後側フレーム43の外側面に駆動ユニットが固定された状態を示す図、図7は、図6中に示す駆動ユニットのカバーを外した状態を示す図、図8は、図7中に示す歯車等の部位を除いて、駆動ユニット70を支持するベース板を固定した状態を示す図である。図6〜8のいずれも、図2の画像形成装置40をY(+)側からY(−)側の方向に向かって見たときの様子を示している。
駆動ユニット70は、空間に向かい合う側とは反対側、つまり後側フレーム43の外側において、この外側に突出した各々の回転軸3Aに駆動力を与えるものである。また、駆動ユニット70は、この駆動ユニット70を支持する第3支持部となるベース板71を有し、このベース板71には、歯車72A〜72Mからなる歯車列72の軸が支持される。さらに、この歯車列72は、ユニットカバー73(図6に図示)によって覆われる。なお、ベース板71は、図5に示すように、厚さd3が、後側フレーム43の厚さd1よりも厚い2.0mmとなる。これにより、ベース板71の剛性は、後側フレーム43の剛性よりも高い。
【0027】
歯車列72は、図7に示すように、図示しない駆動源となるモータの駆動軸に連結される駆動歯車72Aを有している。この駆動歯車72Aの回転は、従動歯車72B,72C,72Dを介してドライブロール12に連結される歯車72Eと、従動歯車72Fに伝達される。
従動歯車72Fの回転は、従動歯車72Gを介して感光体ドラム3M,3Cの回転軸3Aに連結される歯車72H,72Iに伝達される。また、歯車72Hの回転は、従動歯車72Jを介して感光体ドラム3Yの回転軸3Aに連結される歯車72Kに伝達される。一方、歯車72Iの回転は、従動歯車72Lを介して感光体ドラム3Kの回転軸3Aに連結される歯車72Mに伝達される。
【0028】
さらに、ベース板71は、図8に示すように、3つの固定点75,76,77において後側フレーム43の外側面に固定される。固定点75,76,77で固定する方法は、溶接であってもネジ止めによって固定するようにしてもよい。
3点の固定点75,76,77うち2点の固定点75,76はX方向に、並列に配置された両端の感光体ドラム3間の距離よりも離れている。残りの固定点77は、固定点75,76よりもモータに近い位置であって、Z(+)方向において一方の固定点75までの距離が他方の固定点76までの距離よりも短くなるような位置である。後側フレーム43のうち、固定点75,76,77で囲まれる三角形の領域が、ベース板71に宛われて補強されることになり、この領域における剛性が他の部分に比べて高くなる。また、固定点77を一方の固定点75までの距離L1と、他方の固定点76までの距離L2とが異なっている。
【0029】
次に、図9を参照しつつ、第1支持板50と駆動ユニット70の後側フレーム43との取付位置について説明する。図9は、後側フレーム43を内側(Y(−)側)から見た図である。
第1支持板50は長尺方向に延びるリブ部51,51の先端が後側フレーム43の内側面に固定される。一方、駆動ユニット70(ベース板71)は、前述した如く、固定点75,76,77によって後側フレーム43の外側面に固定される。そして、後側フレーム43において第1支持板50の固定点75,76,77を結んだ三角形の領域と、後側フレームにおいてベース板71が固定される長方形の領域とは互いに重なる部分を有している。つまり、第1支持板50の固定点75,76,77を結んだ三角形の領域にベース板71が固定され、このベース板71は、後側フレーム43よりも高い剛性を有している。これにより、後側フレーム43のうち、三角形の領域内に位置した部分の剛性は、他の部分よりも高くなる。
一方、後側フレーム43の内側面には、第1支持板50のリブ部51の先端が固定されて、長方形の領域が形成される。この長方形の領域と三角形の領域と重なる部分を有している。よって、後側フレーム43のうち、剛性の高い三角形の領域を跨いで第1支持板50が後側フレーム43に設けられることになり、後側フレーム43の歪みによって、第1支持板50が歪むのをより抑制する。そして、感光体ドラム3毎に回転軸3Aの支持位置が変化するのをなくし、ひいては色ズレを抑制する。
【0030】
<2.変形例>
上記実施形態を次のように変形してもよい。
<2−1>
実施形態においては、各回転軸3Aの両端を支持する第1支持板50,第2支持板60をフレーム43,44の剛性よりも高くしているが、前側フレーム44の歪みは、軸で支持された前側扉46には伝わり難い。このため、フレーム43よりも剛性を高くするのは、第1支持板50のみであってもよい。
【0031】
<2−2>
実施形態の第1支持板50は、長尺な辺にリブ部51,51が形成され、その先端が後側フレーム43の内側面に固定される形状としたが、第1支持板50の形状はこれに限らず、各回転軸3Aを一体に後側フレーム43に固定する形状であればよく、さらに後側フレーム43に固定された際に形成される領域と、駆動ユニット70が固定された際に形成される領域とが重なる部分を有していればよい。
【0032】
<2−3>
実施形態では、第1支持板50が後側フレーム43に固定される領域を長方形、駆動ユニット70が後側フレーム43に固定される領域を三角形として、各領域が重なる部分を有するようにしたが、駆動ユニット70側の領域に対して第1支持板50側の領域が包含されるようにしてもよく、要は駆動ユニット70側の領域内に第1支持板50側の領域の一部が入り込んでいればよい。
また、駆動ユニット70の後側フレーム43への固定は、3点に限るものではなく、4点以上であってもよく、要は、後側フレーム43に領域が形成されればよい。
さらに、前記実施形態では、回転軸3Aを筐体40の奥側において第1支持板50で固定し、手前側を前側扉46の第2支持板60で固定する場合を例示したが、手前側を前側フレームに支持板を介して固定する場合や、第1支持板50で回転軸3Aを片持ち支持する場合であっても、本発明は適用されることは勿論である。
【符号の説明】
【0033】
1…画像形成装置、2…画像形成ユニット(像形成手段)、3…感光体ドラム(像保持体)、3A…回転軸、3B…カップリング、10…中間転写ベルト、11…一次転写ロール、13…ドライブロール、18…記録用紙、40…筐体、41…支柱、42…梁部、43…後側フレーム(第1基部)、44…前側フレーム、46…前側扉(第2基部)、50…第1支持板(第1支持部)、51…リブ部、52…外装カバー、52,61…軸挿入孔、60…第2支持板(第2支持部)、70…駆動ユニット、71…ベース板(第3支持部)、72…歯車列、75,76,77…固定点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動力を受けて回転する回転軸をそれぞれ有し、像を保持する複数の像保持体と、
基部と、
前記基部に固定され、各々の前記像保持体の回転軸を支持する一体の支持部と、を備え、
前記支持部の剛性が、前記基部の剛性よりも高い
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
駆動力を受けて回転する回転軸をそれぞれ有し、像を保持する複数の像保持体と、
第1基部と、
前記複数の像保持体が配置される空間を外部に対して開放または遮蔽する扉を構成し、前記扉が前記空間を遮蔽した状態にあるときに前記第1基部と向かい合う第2基部と、
前記扉が前記空間を遮蔽した状態で、前記第1基部と前記第2基部との間において各々の前記像保持体の回転軸を支持する第1支持部及び第2支持部であって、前記第1基部に固定され、当該第1基部よりも剛性が高い一体の第1支持部、及び、前記第2基部に固定された第2支持部と、を備える
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2記載の画像形成装置において、
前記第1基部の、前記空間に向かい合う側とは反対側において、当該反対側に突出した各々の前記回転軸に駆動力を与える駆動手段と、
前記第1基部の、前記空間に向かい合う側とは反対側の面に固定され、前記駆動手段を前記第1基部に支持する第3支持部であって、前記第1基部よりも剛性が高い第3支持部と、を備え、
前記第1基部において前記第1支持部が固定された複数の箇所を結んだ領域と、前記第1基部において前記第3支持部が固定された複数の箇所を結んだ領域とは、前記回転軸の軸方向から見たときに互いに重なりあう部分を有する
ことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−102875(P2011−102875A)
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−257472(P2009−257472)
【出願日】平成21年11月10日(2009.11.10)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】