画像形成装置
【課題】装置本体に増設装置を装着する際に、カバー部材を装置本体から万一外し忘れたとしても、カバー部材や増設装置の破損を回避できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成部を備えるとともに、画像形成部による画像形成の実行に供される用紙を搬送する用紙搬送路や、用紙搬送路の外側を覆って意匠面をなすカバー部材(16)を備えた画像形成装置本体(10)と、装置本体に一体形成されて装置本体の底面(14)を構成する本体給紙ユニット(11)と、装置本体から脱着可能に構成されており、底面に対向する頂面(62)を備え、枚葉の用紙を厚み方向に積層して収納する増設給紙ユニット(60)と、増設給紙ユニットに設置されており、頂面よりも底面に向けて突出し、増設給紙ユニットの用紙を用紙搬送路に送出する送出機構(64)とを具備し、カバー部材は、増設給紙ユニットを装置本体に取り付ける際に、送出機構との接触に伴って退避する。
【解決手段】画像形成部を備えるとともに、画像形成部による画像形成の実行に供される用紙を搬送する用紙搬送路や、用紙搬送路の外側を覆って意匠面をなすカバー部材(16)を備えた画像形成装置本体(10)と、装置本体に一体形成されて装置本体の底面(14)を構成する本体給紙ユニット(11)と、装置本体から脱着可能に構成されており、底面に対向する頂面(62)を備え、枚葉の用紙を厚み方向に積層して収納する増設給紙ユニット(60)と、増設給紙ユニットに設置されており、頂面よりも底面に向けて突出し、増設給紙ユニットの用紙を用紙搬送路に送出する送出機構(64)とを具備し、カバー部材は、増設給紙ユニットを装置本体に取り付ける際に、送出機構との接触に伴って退避する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機やプリンタ、ファクシミリ等に代表される画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の画像形成装置は箱型の画像形成装置本体を備え、この装置本体には画像形成手段とともに、画像を形成するための用紙を積載して収納する本体給紙ユニットが下方の内部に設けられている。そして、本体給紙ユニットの一端側の画像形成装置本体には、側面に沿って上方に向かう用紙搬送路が設けられている。本体給紙ユニットに収納されている用紙は、一端側に設けられた送出機構によってこの用紙搬送路に送出される。また、この本体給紙ユニットに加えて、増設給紙ユニットを画像形成装置本体の下に設ける構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、用紙の両面に画像形成するために、1面に画像形成された用紙を反転して再び画像形成手段に搬送する反転ユニットを画像形成装置本体の下に設ける構造も知られている(例えば、特許文献2参照)。
このような画像形成装置本体には、増設給紙ユニットや反転ユニットからの用紙を搬送する増設装置用の用紙搬送路が本体給紙ユニット用の用紙搬送路から下方に延設して予め設置されている。
【0003】
一方、この増設給紙ユニットや反転ユニットにはユニットから画像形成装置本体に向けて用紙を搬出するための送出機構が設けられており、増設給紙ユニットや反転ユニットを画像形成装置本体の底面に取り付けることにより、増設給紙ユニットや反転ユニットの用紙はこの増設装置用の用紙搬送路を介して装置本体内に送出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−251222号公報
【特許文献2】特開平11−334966号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述した増設装置の送出機構には、増設給紙ユニットや反転ユニットの本体の頂面よりも突出した構造があり、例えば、増設給紙ユニットや反転ユニットの送出機構が画像形成装置本体と増設給紙ユニットや反転ユニットにまたがって配置される。送出機構を画像形成装置本体にまたがらせて配置することにより、増設給紙ユニットや反転ユニットを装着した場合にも装置全体の高さが高くなり過ぎないようにできる。また、増設給紙ユニットや反転ユニットの用紙を装置本体内に確実に送出できる。
【0006】
これに対し、画像形成装置本体側のみで使用する場合には、上記増設給紙ユニットや反転ユニットの突出した送出機構が配置される部分に空間ができる。そこで、通常、この空間の外側は別のカバー部材で覆い、装置本体の外装面をなしている。
【0007】
しかしながら、このカバー部材は、増設給紙ユニットや反転ユニットを装置本体に取り付ける際に、装置本体から予め外しておかなければ突出した送出機構に接触し、カバー部材や増設装置が破損する可能性がある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解消し、画像形成装置本体に増設装置を装着する際にカバー部材を装置本体から万一外し忘れたとしても、カバー部材や増設装置の破損を回避できる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための第1の発明は、装置本体に画像形成手段を備えるとともに、この画像形成手段において画像形成の実行に供される用紙を収納して前記画像形成手段に向けて送出して搬送する給紙ユニットを備え、装置本体の底面には、底面に対向する頂面を備え、頂面から底面に向けて突出して設けられる送出機構とを具備した増設装置が装着可能であり、送出機構から送出される用紙を受け入れて画像形成手段に搬送するための用紙搬送路が形成されている画像形成装置において、前記装置本体の外装面の一部を構成するカバー部材を有し、カバー部材は、増設装置を装置本体に取り付ける際に、送出機構との接触に伴って退避する。
【0010】
第1の発明によれば、増設装置を装置本体に取り付ける際に、仮に、カバー部材を装置本体から外し忘れたとしても、このカバー部材は、増設装置の送出機構との接触に伴って退避するフェールセーフ機構により、カバー部材や増設装置の破損を回避できる。
【0011】
第2の発明は、第1の発明の構成において、送出機構は、カバー部材が装置本体から退避した場合に、この装置本体の外装面となることを特徴とする。
第2の発明によれば、第1の発明の作用に加えてさらに、送出機構の外側は外装面として機能する。
【0012】
第3の発明は、第2の発明の構成において、カバー部材は、送出機構に接触するまでは装置本体に係合するフック部と、装置本体に回動自在に支持され、これら装置本体とフックとの係合が解消した場合に、送出機構との当接部分を装置本体の外側に飛び出す方向に回動させる回動支点部とを有することを特徴とする。
【0013】
第3の発明によれば、第2の発明の作用に加えてさらに、カバー部材をフック部や回動支点部で構成すれば、外装面をなすカバー部材が簡単な構造で形成できる。また、増設装置を装置本体に取り付ける際に、カバー部材は装置本体の外側に向けて退避するため、増設装置の頂面に取り残されない。よって、カバー部材の紛失を防止できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、装置側で増設装置の設置時のフェールセーフ機構を備えており、カバー部材を装置本体から万一外し忘れたとしても、カバー部材や増設装置の破損を回避できる画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施例の複合機の外観斜視図である。
【図2】図1の複合機のコントローラを含めた構成図である。
【図3】(a)は図1の装置本体側、(b)は図1の増設給紙ユニット側の斜視図である。
【図4】図3の小カバーを装置本体の外側からみた斜視図である。
【図5】図3の小カバーを装置本体の内側からみた斜視図である。
【図6】図3の小カバーの動作説明図である。
【図7】図3(a)の装置本体から小カバーが外れた状態を示す斜視図である。
【図8】(a)は図7の装置本体と図3(b)の増設給紙ユニットとの連結状態、(b)は(a)からPF右カバーを開けた状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて説明する。
図1には、画像形成装置の一例であるデジタル複合機、いわゆる多機能周辺機器(Multiple Function Peripheral、以下、MFPと称する)4が右前上方から示されている。同図では、ユーザに相対するMFP4の正面と、このMFP4の右側面とが見えている。このMFP4は胴内排紙型の装置本体(画像形成装置本体)10を備え、この装置本体10の内側には排紙トレイ15が形成されている。
【0017】
この図では省略するが、排紙トレイ15の上側には自動原稿搬送装置(Auto Document Feeder、以下、ADFと称する)が搭載されており、MFP4を複写機やファクシミリ、ネットワークスキャナとして利用するときには、このADFから原稿を搬送し、その画像面は光学式のスキャナ部22にて光学的に読み取られる。
【0018】
スキャナ部22の手前側には操作パネル28が設置されている。このパネル28には、ユーザの各種操作に供される複数の操作キーが配置され、また、このパネル28のやや左寄り部分には、文字情報や案内画像等の各種情報を表示する操作画面29が設けられている。これらの操作内容は図2のコントローラ50に通知される。
【0019】
一方、図1で見て装置本体10の下部にはフロントローディング式の用紙供給装置が配置される。詳しくは、この供給装置は、1段のカセットを有した本体給紙ユニット11、及び増設装置として装置本体10の高さ方向に沿って上下2段のカセットを有した増設給紙ユニット60が備えられており、これらユニット11,60の各カセットはいずれも枚葉の用紙を厚み方向に積層して収納でき、また、装置本体10に対して引き出し可能に構成される。
【0020】
図2はMFP4のコントローラ50を含めた概略構成図である。当該MFP4は、ネットワークインターフェース(IF)26を介してネットワークに接続され、さらに、公衆回線にも接続されている。そして、MFP4はプログラムの命令にしたがって各種動作を実行する。
このMFP4は、例えば、印刷機能(Copy機能)、送信機能(Send機能)及び保存機能(Box機能)を有する。
【0021】
具体的には、HDD32はボックス領域34を備え、クライアントPCから送信された印刷ジョブ、スキャナ部22で読み込まれたスキャンジョブ、FAX通信部24にて受信したファクシミリジョブ等の種々のデータを逐次保存しており、Box機能を有している。
さらに、MFP4はメモリ30を備えている。このメモリ30はROMやRAM等を有しており、各種処理動作のプログラム等が格納されている。
【0022】
上述のFAX通信部24はSend機能も有し、HDD32に保存されたファクシミリジョブを相手先に向けて送信する。
また、プリントエンジン20は、原稿をスキャナ部22の画像読取位置に搬送する上述のADF、用紙を収納する給紙ユニット11,60、画像を用紙に転写する画像形成部に接続され、HDD32に保存された印刷ジョブを排紙トレイ15に出力しており、Copy機能を有している。
【0023】
なお、このプリントエンジン20は、転写済みの用紙にソート、穴開けやステープル処理等を行う後処理装置にも接続可能である。
ここで、本実施例の装置本体10には、増設装置用の用紙搬送路(用紙搬送路)が設けられている。詳しくは、図1で見て本体給紙ユニット11の右側には本体右カバー12が設けられ、この本体右カバー12の下端は装置本体10に回動自在に支持されており、本体右カバー12を外側に向けて開くと、当該増設装置用の用紙搬送路を見ることができる。
【0024】
また、装置本体10において、本体右カバー12の下側には取手付きカバー13が設置され、この取手はカバー13のうちMFP4の正面寄りと背面寄りとに1つずつ形成されている。なお、図1で見てMFP4の左側面にも同じく取手が設けられており、装置本体10、具体的には、図3(a)に示したその底面14を構成する本体給紙ユニット11の下側に、同図(b)の増設給紙ユニット60を配置する場合には、これら取手を利用して装置本体10を持ち上げておき、底面14と増設給紙ユニット60の頂面62とを対峙させて各ユニット11,60を連結する。
【0025】
一方、この図3(a)や図4にも示される如く、カバー13の各取手の間には矩形状の小カバー(カバー部材)16が備えられている。
この小カバー16は、上述した増設装置用の用紙搬送路の外側を覆う外装面17を有し、その長手方向がMFP4の正面側から背面側に沿って形成されている。また、小カバー16は、図5に示された2つのフック部18や回動支点部19を有している。
【0026】
このフック部18は、小カバー16の上端にて、その長手方向に沿って所定の間隔で並設され、カバー13の裏側に形成された枠部分に係合できる。また、回動支点部19は、小カバー16の長手方向の両端で対峙し、同じくこの枠部分に係合できる。詳しくは、小カバー16をカバー13に取り付ける場合には、まず、小カバー16を底面14の下方に配置し、フック部18を装置本体10の内側に向けてやや傾けた状態で回動支点部19とカバー13の枠部分とを係合させる。
【0027】
次に、小カバー16を上方に向けてスライドさせ、この小カバー16の下端と底面14とがほぼ同じ高さに達したときに、回動支点部19を中心にしてフック部18をMFP4の外側、具体的には、図5で見て時計回りに回動させると、フック部18とカバー13の枠部分とが係合し、小カバー16が増設用の用紙搬送路を隠すことができる(図3(a))。
【0028】
この図3(a)に示された装置本体10では、同図(b)の増設給紙ユニット60が取り外されており、本体給紙ユニット11のみでCopy機能を実行する場合には何等問題はない。
しかしながら、増設給紙ユニット60をオプションとして本体給紙ユニット11の下側に取り付ける場合には、小カバー16が邪魔になる。なぜならば、増設給紙ユニット60の送出機構64に接触するからである。
【0029】
具体的には、図3(b)に示されるように、本実施例の送出機構64は、頂面62から上方に向けて突出したケース66を有し、この突出したケース66が本体給紙ユニット11と増設給紙ユニット60との境界位置にまたがって位置している。
ケース66の内部にはOUTローラ68が配置され(図8(b))、このローラ68はケース66に回転自在に支持されている。
【0030】
ここで、これら図3(b)や図8(b)で見て増設給紙ユニット60の右側にはPF右カバー(他のカバー部材)70が設けられる。このPF右カバー70の下端はユニット60に回動自在に支持され、PF右カバー70を外側に向けて開くと、内部の用紙搬送路を見ることができる。この用紙搬送路に搬送された増設給紙ユニット60の用紙は送出機構64によって装置本体10内の上記増設給紙ユニット用の用紙搬送路に向けて送出される。
【0031】
一方、PF右カバー70の上端部分には、ケース66の外側を覆う外装面72が一体形成され、送出機構64の構成要素をなす。より詳しくは、この外装面72は、小カバー16に略等しい面積を有し、ケース66と同様に頂面62から底面14に向けて突出している。
そして、この外装面72の上端部分はケース66の上面よりもさらに底面14に向けて突出しているため、小カバー16に干渉し易くなるが、当該上端部分には、図3(b)の状態で見て装置本体10の右側に向けて下方向に傾斜したテーパ部74を有している(図6)。
【0032】
上述の構成により、小カバー16は、増設給紙ユニット60を装置本体10に取り付ける際に、送出機構64との接触に伴って退避して装置本体10から外れる。
具体的には、持ち上げた装置本体10を増設給紙ユニット60に降ろすと、図6に示されるように、意匠面72のテーパ部74が小カバー16の下端に向けて移動して接触し、小カバー16は、その回動支点部19を中心にして同図の反時計回りに回動する。
【0033】
これにより、小カバー16の下端は装置本体10の外側に飛び出し、フック部18とカバー13の枠部分との係合が解かれる。
続いて、この小カバー16は下方に向けてスライドし、回動支点部19と底面14とがほぼ同じ高さに達すると、回動支点部19とカバー13の枠部分との係合も解かれ、小カバー16は装置本体10の外側に外れる。これにより、この装置本体10は小カバー16の存在しない状態になる(図7)。
【0034】
その後、各ユニット11,60が連結すると、図8(a)に示される如く、PF右カバー70の外装面72が装置本体10の新たな外装面として機能し、装置本体10に形成された上記増設給紙ユニット用の用紙搬送路を隠すことができる。
以上のように、本実施例によれば、増設給紙ユニット60が装置本体10から取り付け・取り外し可能に構成され、これら装置本体10の底面14と増設給紙ユニット60の頂面62とは対向する。
【0035】
また、この増設給紙ユニット60には送出機構64が備えられており、この送出機構64は、増設給紙ユニット60の頂面62から装置本体10の底面14に向けて突出している。一方、この装置本体10には、本体給紙ユニット11の他、増設給紙ユニット60の用紙を搬送する増設装置用の用紙搬送路や、この用紙搬送路の外側を覆って装置本体10の意匠面をなす小カバー16が設けられる。
【0036】
ここで、本実施例の装置本体10にはフェールセーフ機構が備えられている。詳しくは、増設給紙ユニット60を装置本体10に取り付ける際に、仮に、小カバー16を装置本体10から外し忘れたとしても、この小カバー16は、送出機構64との接触に伴って退避して装置本体10から外れるからである。よって、小カバー16や送出機構64の破損を回避できる。
【0037】
このように、装置本体10側に設置時のフェールセーフ機構を備えておけば、MFP4のサービスマンではなくこのMFP4のエンドユーザが、例えばこのユーザ宛に送られた装置本体10や増設給紙ユニット60を開梱して自ら設置する場合にも、増設給紙ユニット60を装置本体10に容易に取り付け可能になり、上記サービスマンが取り付ける場合に比してサービスマンが現地に赴く必要がないため、MFP4のメンテナンスに要する費用を削減でき、エンドユーザの負担軽減になる。また、小カバー16を装置本体10から外す手間も不要になり、増設給紙ユニット60の装置本体10への取り付け作業をより速やかに実施できる。
【0038】
しかも、増設給紙ユニット60は、本体給紙ユニット11とは別個のオプション品である。そして、送出機構64がこのオプションの増設給紙ユニット60の用紙を装置本体10に送出している。すなわち、オプションで利用される送出機構64はオプション側に配置されており、この送出機構64を装置本体側に予め設置しておく場合に比して、この装置本体10に要する製造コストを削減できる。
【0039】
さらに、装置本体10に予め備えられていた小カバー16が外れても、送出機構64には外装面72を有したPF右カバー70が備えられており、当該PF右カバー70が装置本体10の外装面として機能する。よって、増設給紙ユニット60を装置本体10に取り付けても、この装置本体10の外観は損なわれない。
【0040】
さらにまた、小カバー16をフック部18や回動支点部19で構成すれば、意匠面17を有したカバー部材16が簡単な構造で形成できる。また、増設給紙ユニット60を装置本体10に取り付ける際に、小カバー16は退避しながら装置本体10の外側に向けて外れるため、増設給紙ユニット60の頂面62に取り残されない。よって、小カバー16の紛失を防止できる。
【0041】
また、PF右カバー70が上記テーパ部74を備えていれば、増設給紙ユニット60を装置本体10に取り付ける際に、小カバー16は装置本体10の外側に確実に向かうので、この点も小カバー16の紛失防止に寄与する。
本発明は、上記実施例に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。
【0042】
例えば、上述したMFP4は画像形成装置の一例であり、本発明は、カバー部材に干渉する送出機構を備えた複写機、プリンタやファクシミリ等にも当然に適用可能である。
そして、これらいずれの場合にも上述と同様に、カバー部材を装置本体から万一外し忘れたとしても、カバー部材や送出機構の破損を回避できるとの効果を奏する。
【0043】
また、増設給紙ユニット60を装置本体10に取り付けた状態で小カバー16を再び外装面として使用する構成としてもよい。例えば、増設給紙ユニット60を装着した後で、外しておいたかあるいは装着の際に外れた小さいカバー16を、送出機構を覆う状態に装置本体10または増設給紙ユニット60に取付ける構成としてもよい。
【0044】
また、小カバー16は画像形成装置10に揺動可能に連結されており、増設給紙ユニット60の送出機構と接触して退避可能な構成であってもよい。例えば、小カバー16を上端側でカバー13に回動可能に支持して両側端の下方にカバー13と係合するフックを形成する。増設給紙ユニット60を装置本体10に取り付ける際に、小カバー16の下端に送出機構が触れた場合は、小カバー16はフックが外れて上端を支点にして装置本体10の外側に揺動して退避する。退避した状態の小カバー16を取外すか、送出機構を覆う姿勢に再び装着して利用する構成としてもよい。
【0045】
さらに、上記実施例では増設給紙ユニット60の例で説明しているが、本発明の増設装置は、この増設給紙ユニット60の他、用紙の両面に画像形成するために用いる反転ユニットにも適用可能である。
【符号の説明】
【0046】
1 複合機(画像形成装置)
10 画像形成装置本体
11 本体給紙ユニット(給紙ユニット)
14 底面
16 小カバー(カバー部材)
17 意匠面
18 フック部
19 回動支点部
20 プリントエンジン(画像形成手段)
60 増設給紙ユニット(増設装置)
62 頂面
64 送出機構
68 OUTローラ
70 PF右カバー
72 外装面
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機やプリンタ、ファクシミリ等に代表される画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の画像形成装置は箱型の画像形成装置本体を備え、この装置本体には画像形成手段とともに、画像を形成するための用紙を積載して収納する本体給紙ユニットが下方の内部に設けられている。そして、本体給紙ユニットの一端側の画像形成装置本体には、側面に沿って上方に向かう用紙搬送路が設けられている。本体給紙ユニットに収納されている用紙は、一端側に設けられた送出機構によってこの用紙搬送路に送出される。また、この本体給紙ユニットに加えて、増設給紙ユニットを画像形成装置本体の下に設ける構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、用紙の両面に画像形成するために、1面に画像形成された用紙を反転して再び画像形成手段に搬送する反転ユニットを画像形成装置本体の下に設ける構造も知られている(例えば、特許文献2参照)。
このような画像形成装置本体には、増設給紙ユニットや反転ユニットからの用紙を搬送する増設装置用の用紙搬送路が本体給紙ユニット用の用紙搬送路から下方に延設して予め設置されている。
【0003】
一方、この増設給紙ユニットや反転ユニットにはユニットから画像形成装置本体に向けて用紙を搬出するための送出機構が設けられており、増設給紙ユニットや反転ユニットを画像形成装置本体の底面に取り付けることにより、増設給紙ユニットや反転ユニットの用紙はこの増設装置用の用紙搬送路を介して装置本体内に送出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−251222号公報
【特許文献2】特開平11−334966号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述した増設装置の送出機構には、増設給紙ユニットや反転ユニットの本体の頂面よりも突出した構造があり、例えば、増設給紙ユニットや反転ユニットの送出機構が画像形成装置本体と増設給紙ユニットや反転ユニットにまたがって配置される。送出機構を画像形成装置本体にまたがらせて配置することにより、増設給紙ユニットや反転ユニットを装着した場合にも装置全体の高さが高くなり過ぎないようにできる。また、増設給紙ユニットや反転ユニットの用紙を装置本体内に確実に送出できる。
【0006】
これに対し、画像形成装置本体側のみで使用する場合には、上記増設給紙ユニットや反転ユニットの突出した送出機構が配置される部分に空間ができる。そこで、通常、この空間の外側は別のカバー部材で覆い、装置本体の外装面をなしている。
【0007】
しかしながら、このカバー部材は、増設給紙ユニットや反転ユニットを装置本体に取り付ける際に、装置本体から予め外しておかなければ突出した送出機構に接触し、カバー部材や増設装置が破損する可能性がある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解消し、画像形成装置本体に増設装置を装着する際にカバー部材を装置本体から万一外し忘れたとしても、カバー部材や増設装置の破損を回避できる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための第1の発明は、装置本体に画像形成手段を備えるとともに、この画像形成手段において画像形成の実行に供される用紙を収納して前記画像形成手段に向けて送出して搬送する給紙ユニットを備え、装置本体の底面には、底面に対向する頂面を備え、頂面から底面に向けて突出して設けられる送出機構とを具備した増設装置が装着可能であり、送出機構から送出される用紙を受け入れて画像形成手段に搬送するための用紙搬送路が形成されている画像形成装置において、前記装置本体の外装面の一部を構成するカバー部材を有し、カバー部材は、増設装置を装置本体に取り付ける際に、送出機構との接触に伴って退避する。
【0010】
第1の発明によれば、増設装置を装置本体に取り付ける際に、仮に、カバー部材を装置本体から外し忘れたとしても、このカバー部材は、増設装置の送出機構との接触に伴って退避するフェールセーフ機構により、カバー部材や増設装置の破損を回避できる。
【0011】
第2の発明は、第1の発明の構成において、送出機構は、カバー部材が装置本体から退避した場合に、この装置本体の外装面となることを特徴とする。
第2の発明によれば、第1の発明の作用に加えてさらに、送出機構の外側は外装面として機能する。
【0012】
第3の発明は、第2の発明の構成において、カバー部材は、送出機構に接触するまでは装置本体に係合するフック部と、装置本体に回動自在に支持され、これら装置本体とフックとの係合が解消した場合に、送出機構との当接部分を装置本体の外側に飛び出す方向に回動させる回動支点部とを有することを特徴とする。
【0013】
第3の発明によれば、第2の発明の作用に加えてさらに、カバー部材をフック部や回動支点部で構成すれば、外装面をなすカバー部材が簡単な構造で形成できる。また、増設装置を装置本体に取り付ける際に、カバー部材は装置本体の外側に向けて退避するため、増設装置の頂面に取り残されない。よって、カバー部材の紛失を防止できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、装置側で増設装置の設置時のフェールセーフ機構を備えており、カバー部材を装置本体から万一外し忘れたとしても、カバー部材や増設装置の破損を回避できる画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施例の複合機の外観斜視図である。
【図2】図1の複合機のコントローラを含めた構成図である。
【図3】(a)は図1の装置本体側、(b)は図1の増設給紙ユニット側の斜視図である。
【図4】図3の小カバーを装置本体の外側からみた斜視図である。
【図5】図3の小カバーを装置本体の内側からみた斜視図である。
【図6】図3の小カバーの動作説明図である。
【図7】図3(a)の装置本体から小カバーが外れた状態を示す斜視図である。
【図8】(a)は図7の装置本体と図3(b)の増設給紙ユニットとの連結状態、(b)は(a)からPF右カバーを開けた状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて説明する。
図1には、画像形成装置の一例であるデジタル複合機、いわゆる多機能周辺機器(Multiple Function Peripheral、以下、MFPと称する)4が右前上方から示されている。同図では、ユーザに相対するMFP4の正面と、このMFP4の右側面とが見えている。このMFP4は胴内排紙型の装置本体(画像形成装置本体)10を備え、この装置本体10の内側には排紙トレイ15が形成されている。
【0017】
この図では省略するが、排紙トレイ15の上側には自動原稿搬送装置(Auto Document Feeder、以下、ADFと称する)が搭載されており、MFP4を複写機やファクシミリ、ネットワークスキャナとして利用するときには、このADFから原稿を搬送し、その画像面は光学式のスキャナ部22にて光学的に読み取られる。
【0018】
スキャナ部22の手前側には操作パネル28が設置されている。このパネル28には、ユーザの各種操作に供される複数の操作キーが配置され、また、このパネル28のやや左寄り部分には、文字情報や案内画像等の各種情報を表示する操作画面29が設けられている。これらの操作内容は図2のコントローラ50に通知される。
【0019】
一方、図1で見て装置本体10の下部にはフロントローディング式の用紙供給装置が配置される。詳しくは、この供給装置は、1段のカセットを有した本体給紙ユニット11、及び増設装置として装置本体10の高さ方向に沿って上下2段のカセットを有した増設給紙ユニット60が備えられており、これらユニット11,60の各カセットはいずれも枚葉の用紙を厚み方向に積層して収納でき、また、装置本体10に対して引き出し可能に構成される。
【0020】
図2はMFP4のコントローラ50を含めた概略構成図である。当該MFP4は、ネットワークインターフェース(IF)26を介してネットワークに接続され、さらに、公衆回線にも接続されている。そして、MFP4はプログラムの命令にしたがって各種動作を実行する。
このMFP4は、例えば、印刷機能(Copy機能)、送信機能(Send機能)及び保存機能(Box機能)を有する。
【0021】
具体的には、HDD32はボックス領域34を備え、クライアントPCから送信された印刷ジョブ、スキャナ部22で読み込まれたスキャンジョブ、FAX通信部24にて受信したファクシミリジョブ等の種々のデータを逐次保存しており、Box機能を有している。
さらに、MFP4はメモリ30を備えている。このメモリ30はROMやRAM等を有しており、各種処理動作のプログラム等が格納されている。
【0022】
上述のFAX通信部24はSend機能も有し、HDD32に保存されたファクシミリジョブを相手先に向けて送信する。
また、プリントエンジン20は、原稿をスキャナ部22の画像読取位置に搬送する上述のADF、用紙を収納する給紙ユニット11,60、画像を用紙に転写する画像形成部に接続され、HDD32に保存された印刷ジョブを排紙トレイ15に出力しており、Copy機能を有している。
【0023】
なお、このプリントエンジン20は、転写済みの用紙にソート、穴開けやステープル処理等を行う後処理装置にも接続可能である。
ここで、本実施例の装置本体10には、増設装置用の用紙搬送路(用紙搬送路)が設けられている。詳しくは、図1で見て本体給紙ユニット11の右側には本体右カバー12が設けられ、この本体右カバー12の下端は装置本体10に回動自在に支持されており、本体右カバー12を外側に向けて開くと、当該増設装置用の用紙搬送路を見ることができる。
【0024】
また、装置本体10において、本体右カバー12の下側には取手付きカバー13が設置され、この取手はカバー13のうちMFP4の正面寄りと背面寄りとに1つずつ形成されている。なお、図1で見てMFP4の左側面にも同じく取手が設けられており、装置本体10、具体的には、図3(a)に示したその底面14を構成する本体給紙ユニット11の下側に、同図(b)の増設給紙ユニット60を配置する場合には、これら取手を利用して装置本体10を持ち上げておき、底面14と増設給紙ユニット60の頂面62とを対峙させて各ユニット11,60を連結する。
【0025】
一方、この図3(a)や図4にも示される如く、カバー13の各取手の間には矩形状の小カバー(カバー部材)16が備えられている。
この小カバー16は、上述した増設装置用の用紙搬送路の外側を覆う外装面17を有し、その長手方向がMFP4の正面側から背面側に沿って形成されている。また、小カバー16は、図5に示された2つのフック部18や回動支点部19を有している。
【0026】
このフック部18は、小カバー16の上端にて、その長手方向に沿って所定の間隔で並設され、カバー13の裏側に形成された枠部分に係合できる。また、回動支点部19は、小カバー16の長手方向の両端で対峙し、同じくこの枠部分に係合できる。詳しくは、小カバー16をカバー13に取り付ける場合には、まず、小カバー16を底面14の下方に配置し、フック部18を装置本体10の内側に向けてやや傾けた状態で回動支点部19とカバー13の枠部分とを係合させる。
【0027】
次に、小カバー16を上方に向けてスライドさせ、この小カバー16の下端と底面14とがほぼ同じ高さに達したときに、回動支点部19を中心にしてフック部18をMFP4の外側、具体的には、図5で見て時計回りに回動させると、フック部18とカバー13の枠部分とが係合し、小カバー16が増設用の用紙搬送路を隠すことができる(図3(a))。
【0028】
この図3(a)に示された装置本体10では、同図(b)の増設給紙ユニット60が取り外されており、本体給紙ユニット11のみでCopy機能を実行する場合には何等問題はない。
しかしながら、増設給紙ユニット60をオプションとして本体給紙ユニット11の下側に取り付ける場合には、小カバー16が邪魔になる。なぜならば、増設給紙ユニット60の送出機構64に接触するからである。
【0029】
具体的には、図3(b)に示されるように、本実施例の送出機構64は、頂面62から上方に向けて突出したケース66を有し、この突出したケース66が本体給紙ユニット11と増設給紙ユニット60との境界位置にまたがって位置している。
ケース66の内部にはOUTローラ68が配置され(図8(b))、このローラ68はケース66に回転自在に支持されている。
【0030】
ここで、これら図3(b)や図8(b)で見て増設給紙ユニット60の右側にはPF右カバー(他のカバー部材)70が設けられる。このPF右カバー70の下端はユニット60に回動自在に支持され、PF右カバー70を外側に向けて開くと、内部の用紙搬送路を見ることができる。この用紙搬送路に搬送された増設給紙ユニット60の用紙は送出機構64によって装置本体10内の上記増設給紙ユニット用の用紙搬送路に向けて送出される。
【0031】
一方、PF右カバー70の上端部分には、ケース66の外側を覆う外装面72が一体形成され、送出機構64の構成要素をなす。より詳しくは、この外装面72は、小カバー16に略等しい面積を有し、ケース66と同様に頂面62から底面14に向けて突出している。
そして、この外装面72の上端部分はケース66の上面よりもさらに底面14に向けて突出しているため、小カバー16に干渉し易くなるが、当該上端部分には、図3(b)の状態で見て装置本体10の右側に向けて下方向に傾斜したテーパ部74を有している(図6)。
【0032】
上述の構成により、小カバー16は、増設給紙ユニット60を装置本体10に取り付ける際に、送出機構64との接触に伴って退避して装置本体10から外れる。
具体的には、持ち上げた装置本体10を増設給紙ユニット60に降ろすと、図6に示されるように、意匠面72のテーパ部74が小カバー16の下端に向けて移動して接触し、小カバー16は、その回動支点部19を中心にして同図の反時計回りに回動する。
【0033】
これにより、小カバー16の下端は装置本体10の外側に飛び出し、フック部18とカバー13の枠部分との係合が解かれる。
続いて、この小カバー16は下方に向けてスライドし、回動支点部19と底面14とがほぼ同じ高さに達すると、回動支点部19とカバー13の枠部分との係合も解かれ、小カバー16は装置本体10の外側に外れる。これにより、この装置本体10は小カバー16の存在しない状態になる(図7)。
【0034】
その後、各ユニット11,60が連結すると、図8(a)に示される如く、PF右カバー70の外装面72が装置本体10の新たな外装面として機能し、装置本体10に形成された上記増設給紙ユニット用の用紙搬送路を隠すことができる。
以上のように、本実施例によれば、増設給紙ユニット60が装置本体10から取り付け・取り外し可能に構成され、これら装置本体10の底面14と増設給紙ユニット60の頂面62とは対向する。
【0035】
また、この増設給紙ユニット60には送出機構64が備えられており、この送出機構64は、増設給紙ユニット60の頂面62から装置本体10の底面14に向けて突出している。一方、この装置本体10には、本体給紙ユニット11の他、増設給紙ユニット60の用紙を搬送する増設装置用の用紙搬送路や、この用紙搬送路の外側を覆って装置本体10の意匠面をなす小カバー16が設けられる。
【0036】
ここで、本実施例の装置本体10にはフェールセーフ機構が備えられている。詳しくは、増設給紙ユニット60を装置本体10に取り付ける際に、仮に、小カバー16を装置本体10から外し忘れたとしても、この小カバー16は、送出機構64との接触に伴って退避して装置本体10から外れるからである。よって、小カバー16や送出機構64の破損を回避できる。
【0037】
このように、装置本体10側に設置時のフェールセーフ機構を備えておけば、MFP4のサービスマンではなくこのMFP4のエンドユーザが、例えばこのユーザ宛に送られた装置本体10や増設給紙ユニット60を開梱して自ら設置する場合にも、増設給紙ユニット60を装置本体10に容易に取り付け可能になり、上記サービスマンが取り付ける場合に比してサービスマンが現地に赴く必要がないため、MFP4のメンテナンスに要する費用を削減でき、エンドユーザの負担軽減になる。また、小カバー16を装置本体10から外す手間も不要になり、増設給紙ユニット60の装置本体10への取り付け作業をより速やかに実施できる。
【0038】
しかも、増設給紙ユニット60は、本体給紙ユニット11とは別個のオプション品である。そして、送出機構64がこのオプションの増設給紙ユニット60の用紙を装置本体10に送出している。すなわち、オプションで利用される送出機構64はオプション側に配置されており、この送出機構64を装置本体側に予め設置しておく場合に比して、この装置本体10に要する製造コストを削減できる。
【0039】
さらに、装置本体10に予め備えられていた小カバー16が外れても、送出機構64には外装面72を有したPF右カバー70が備えられており、当該PF右カバー70が装置本体10の外装面として機能する。よって、増設給紙ユニット60を装置本体10に取り付けても、この装置本体10の外観は損なわれない。
【0040】
さらにまた、小カバー16をフック部18や回動支点部19で構成すれば、意匠面17を有したカバー部材16が簡単な構造で形成できる。また、増設給紙ユニット60を装置本体10に取り付ける際に、小カバー16は退避しながら装置本体10の外側に向けて外れるため、増設給紙ユニット60の頂面62に取り残されない。よって、小カバー16の紛失を防止できる。
【0041】
また、PF右カバー70が上記テーパ部74を備えていれば、増設給紙ユニット60を装置本体10に取り付ける際に、小カバー16は装置本体10の外側に確実に向かうので、この点も小カバー16の紛失防止に寄与する。
本発明は、上記実施例に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。
【0042】
例えば、上述したMFP4は画像形成装置の一例であり、本発明は、カバー部材に干渉する送出機構を備えた複写機、プリンタやファクシミリ等にも当然に適用可能である。
そして、これらいずれの場合にも上述と同様に、カバー部材を装置本体から万一外し忘れたとしても、カバー部材や送出機構の破損を回避できるとの効果を奏する。
【0043】
また、増設給紙ユニット60を装置本体10に取り付けた状態で小カバー16を再び外装面として使用する構成としてもよい。例えば、増設給紙ユニット60を装着した後で、外しておいたかあるいは装着の際に外れた小さいカバー16を、送出機構を覆う状態に装置本体10または増設給紙ユニット60に取付ける構成としてもよい。
【0044】
また、小カバー16は画像形成装置10に揺動可能に連結されており、増設給紙ユニット60の送出機構と接触して退避可能な構成であってもよい。例えば、小カバー16を上端側でカバー13に回動可能に支持して両側端の下方にカバー13と係合するフックを形成する。増設給紙ユニット60を装置本体10に取り付ける際に、小カバー16の下端に送出機構が触れた場合は、小カバー16はフックが外れて上端を支点にして装置本体10の外側に揺動して退避する。退避した状態の小カバー16を取外すか、送出機構を覆う姿勢に再び装着して利用する構成としてもよい。
【0045】
さらに、上記実施例では増設給紙ユニット60の例で説明しているが、本発明の増設装置は、この増設給紙ユニット60の他、用紙の両面に画像形成するために用いる反転ユニットにも適用可能である。
【符号の説明】
【0046】
1 複合機(画像形成装置)
10 画像形成装置本体
11 本体給紙ユニット(給紙ユニット)
14 底面
16 小カバー(カバー部材)
17 意匠面
18 フック部
19 回動支点部
20 プリントエンジン(画像形成手段)
60 増設給紙ユニット(増設装置)
62 頂面
64 送出機構
68 OUTローラ
70 PF右カバー
72 外装面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体に画像形成手段を備えるとともに、この画像形成手段において画像形成の実行に供される用紙を収納して前記画像形成手段に向けて送出して搬送する給紙ユニットを備え、前記装置本体の底面には、前記底面に対向する頂面を備え、前記頂面から前記底面に向けて突出して設けられる送出機構とを具備した増設装置が装着可能であり、前記送出機構から送出される用紙を受け入れ、前記画像形成手段に搬送するための用紙搬送路が形成されている画像形成装置において、
前記装置本体の外装面の一部を構成するカバー部材を有し、
前記カバー部材は、前記増設装置を前記装置本体に取り付ける際に、前記送出機構との接触に伴って退避することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置であって、
前記送出機構は、前記カバー部材が前記装置本体から退避した場合に、この装置本体の外装面となることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像形成装置であって、
前記カバー部材は、前記送出機構に接触するまでは前記装置本体に係合するフック部と、前記装置本体に回動自在に支持され、これら装置本体とフックとの係合が解消した場合に、前記送出機構との当接部分を前記装置本体の外側に飛び出す方向に回動させる回動支点部とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
装置本体に画像形成手段を備えるとともに、この画像形成手段において画像形成の実行に供される用紙を収納して前記画像形成手段に向けて送出して搬送する給紙ユニットを備え、前記装置本体の底面には、前記底面に対向する頂面を備え、前記頂面から前記底面に向けて突出して設けられる送出機構とを具備した増設装置が装着可能であり、前記送出機構から送出される用紙を受け入れ、前記画像形成手段に搬送するための用紙搬送路が形成されている画像形成装置において、
前記装置本体の外装面の一部を構成するカバー部材を有し、
前記カバー部材は、前記増設装置を前記装置本体に取り付ける際に、前記送出機構との接触に伴って退避することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置であって、
前記送出機構は、前記カバー部材が前記装置本体から退避した場合に、この装置本体の外装面となることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像形成装置であって、
前記カバー部材は、前記送出機構に接触するまでは前記装置本体に係合するフック部と、前記装置本体に回動自在に支持され、これら装置本体とフックとの係合が解消した場合に、前記送出機構との当接部分を前記装置本体の外側に飛び出す方向に回動させる回動支点部とを有することを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2011−137992(P2011−137992A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−297774(P2009−297774)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
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