説明

画像形成装置

【課題】生産性の低下と画像品質の低下を防止可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】像担持体に担持された画像を記録媒体に転写する転写部と、
該転写部で転写されずに残留した残留トナーを除去するクリーニング部材と、を有する画像形成装置において、
前記残留トナーの量を算出する算出部と、
前記算出部の算出結果に応じて前記クリーニング部材による残留トナーの除去量の制御を行う制御部と、を有することを特徴とする画像形成装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
画像形成装置に関し、特に像担持体のクリーニングに関する。
【背景技術】
【0002】
像担持体から用紙に転写されず像担持体に残留した残留トナーを除去するブラシロール方式のクリーニング部を有する画像形成装置において、ブラシを植設したブラシロールに、その外周から空気を吸引する吸引孔を設け、吸引孔を介して空気を吸引することで、残留トナーを吸引除去する画像形成装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
また、ブラシを植設したブラシロールに、その外周から空気を吸引する吸引孔を設け、吸引孔を介して空気を吸引することで残留トナーを吸引し、また、ブラシロールに対向して吸引孔の目詰まりを防止する他のブラシを設け、吸引孔の目詰まりを防止することによって長期的に安定してクリーニングを行えるようにした画像形成装置が知られている(例えば特許文献2参照)。
【0004】
また、クリーニングブレードのみを用い残留トナーを除去する画像形成装置が知られている。さらには、ブラシロールとクリーニングブレードを併せ持ちクリーニングを行うような画像形成装置も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−225198号公報
【特許文献2】特開2007−187877号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載されたクリーニング部は、残留トナーを吸引することにより除去することは可能となったが、クリーニング部で除去するトナーの除去量が変わらないため、クリーニング部に搬送されてくる残留トナーが多いと、結果的に像担持体に付着した残留トナーを除去しきれないという可能性があった。
【0007】
また、特許文献2に記載されたクリーニング部は、残留トナーを吸引して除去すること、及び吸引孔の目詰まりを防止することは可能となったが、特許文献1に記載されたクリーニング部と同様にクリーニング部で除去するトナーの除去量が変わらないため、生産性の低下と画像品質を低下させてしまうという問題点があった。
【0008】
また、クリーニングブレードのみで残留トナーを除去しようとすると、残留トナーが多い場合にはクリーニングブレードからトナーがすり抜けて地かぶり等の画像品質を低下させてしまう可能性があるという問題点があった。
【0009】
さらに、ブラシロールとクリーニングブレードを併せ持ちクリーニングを行うような画像形成装置では、ブラシロールで像担持体上から除去されずにクリーニングブレードに到達した残留トナーの量が多いと、クリーニングブレードでは除去しきれずにすり抜けさせてしまい、また量が少ないとクリーニングブレードと像担持体との摩擦が大きくなることによりブレードめくれや引きつれというような問題が発生していた。
【0010】
本発明は上記問題点に鑑み、生産性の低下と画像品質の低下を防止可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的は、下記の構成によって達成される。
【0012】
1.像担持体に担持された画像を記録媒体に転写する転写部と、
該転写部で転写されずに残留した残留トナーを除去するクリーニング部材と、を有する画像形成装置において、
前記残留トナーの量を算出する算出部と、
前記算出部の算出結果に応じて前記クリーニング部材による残留トナーの除去量の制御を行う制御部と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【0013】
2.前記クリーニング部材の下流側に位置し前記クリーニング部材で除去されなかったトナーを除去する第2のクリーニング部材を有し、
前記第2のクリーニング部材は、前記像担持体にその先端部が当接して前記像担持体に付着したトナーを除去するクリーニングブレードからなることを特徴とする前記1に記載の画像形成装置。
【0014】
3.前記クリーニング部材は、
回転可能に支持された中空円柱状をなして、その内周壁に一端が開口し他端が外周壁に開口する複数の貫通孔と、前記外周壁に植設されてその先端部が前記像担持体に摺接可能な繊維毛とを有する本体と、
前記貫通孔を通じて前記本体の外部から空気を吸引する送風部と、を有していることを特徴とする前記1又は2に記載の画像形成装置。
【0015】
4.前記制御部は、前記算出部で算出された残留トナー量が予め設定された設定トナー量以上の時は前記送風部の送風量が予め設定された第1の風量になるように制御し、
前記算出部で算出された残留トナー量が前記設定トナー量未満となると前記送風部の送風を停止させることを特徴とする前記1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【0016】
5.前記算出部は、前記残留トナーの量を画像の印字率に基づいて算出することを特徴とする前記1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【0017】
6.装置使用者が各種情報を入力する操作部を有し、
前記制御部は、前記操作部からパッチを形成するパッチ形成情報が入力された時は、通常に画像を形成するモードからパッチを形成するパッチ形成モードに切り替え、パッチ形成モードにおいて前記像担持体にパッチ画像を形成させて前記クリーニング部材まで搬送させ、
前記第1の風量より大きな、予め設定された第2の風量になるように前記送風部を制御することを特徴とする前記2乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【0018】
7.前記制御部は、装置使用者が各種情報を入力する操作部から前記クリーニング部材を清掃する清掃情報が入力された時は、
前記送風部により前記貫通孔を通じて前記本体の外部に空気を噴出させることを特徴とする前記1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の効果】
【0019】
上記発明により生産性の低下と画像品質の低下とを防止可能な画像形成装置の提供ができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】画像形成装置を側方から見た断面図である。
【図2】クリーニング部の説明図である。
【図3】クリーニングローラの説明図である。
【図4】平均的な例えば50%未満の印字率の画像を形成時におけるクリーニング部材92を通過する前と、通過した後の中間転写ベルトに付着した残留トナー量を模式的に示す図である。
【図5】高い例えば50%以上の印字率の画像を形成時におけるクリーニング部材92を通過する前と、通過した後の中間転写ベルトに付着した残留トナー量を模式的に示す図である。
【図6】前後の画像間にパッチ画像を形成した場合におけるクリーニング部材92を通過する前と、通過した後の中間転写ベルトに付着した残留トナー量を模式的に示す図である。
【図7】画像形成装置のクリーニングに関するブロック図である。
【図8】クリーニング部における残留トナーのクリーニングに係る制御方法のフロー図である。
【図9】クリーニング部材92に付着したトナーの清掃に掛かるフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は画像形成装置を側方から見た断面図である。
【0022】
具体的な説明に入る前に文言の説明をする。用紙の流れに係る上流とは用紙が流れてくる方向を指し、下流とは用紙が流れていく方向を指す。また、中間転写ベルトに係る上流とは中間転写ベルトの一点が移動してくる方向を指し、下流とは中間転写ベルトの一点が移動していく方向を指す。
【0023】
また、残留トナーとは像担持体から用紙に画像を転写する時に、転写しきれずに転写部の下流側に残留したトナーを指し、例えば中間転写体に残留したトナーを指す。
【0024】
以下画像形成装置について、タンデム型カラー画像形成装置を例にとって説明する。
【0025】
画像形成装置Aの上部に原稿の画像情報を読み込む原稿画像読取装置Bが設置されている。
【0026】
原稿画像読取装置Bは、原稿画像走査部の光学系により原稿画像を走査し、原稿画像に応じたアナログ画像情報を画像形成装置Aに出力する。
【0027】
画像形成装置Aは、前記アナログ画像情報をデジタル画像情報に変換し各種の画像処理を行う不図示の画像処理部と、デジタル画像情報に基づいて感光体1(1Y、1M、1C、1K)に潜像を形成する露光部2(2Y、2M、2C、2K)と、感光体1に形成された潜像を顕像化する現像部3(3Y、3M、3C、3K)と、感光体ドラムの周囲に配置された帯電電極及びクリーニング電極(図番無し)と、感光体1(1Y、1M、1C、1K)に担持されたトナー画像を中間転写ベルト4に転写する1次転写部5(5Y、5M、5C、5K)と、像担持体である中間転写ベルト4に担持されたトナー画像を記録媒体の1つである用紙Pに転写する2次転写部6と、用紙Pに転写されたトナー画像を定着する定着部7と、複数の用紙カセット81を有し用紙カセットから用紙を供給する給紙部8と、中間転写ベルト4上に残留したトナーを除去するクリーニング部9と、装置使用者が各種情報例えばジョブ等に関する情報を入力する操作部である操作パネルSAと、画像形成装置全体を制御する制御部Cと、を有している。(以下記録媒体を代表して用紙と記す。)
なお、各部に付されたY、M、C、Kは色を示し、例えば1Y、1M、1C、1Kはイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及び黒(K)色用の各感光体を指す。以下特に特定の色に係るものでない場合は、例えば感光体(1Y、1M、1C、1K)を単に感光体1と記す。
【0028】
以下、各構成の作用について説明する。
【0029】
原稿画像読取装置Bにより読み込まれたアナログ画像情報は、前述の画像処理部において、アナログ処理、A/D変換、シェーディング補正、画像圧縮処理等が行われた後、デジタル画像情報として露光部2に入力される。
【0030】
露光部2はデジタル画像情報に基づいてレーザー光を変調・走査して感光体1表面に潜像を形成する。
【0031】
現像部3は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及び黒(K)の小粒径トナーとキャリアからなる2成分現像剤により潜像を顕像化し感光体1の表面にトナー画像を形成する。
【0032】
1次転写部5は感光体1の表面に形成されたトナー画像を1次転写ローラ51により中間転写ベルト4に順次転写(1次転写)し、中間転写ベルト4の表面にカラー画像を合成させる。
【0033】
中間転写ベルト4は、半導電性でエンドレスベルト状をなし、駆動ローラ41と、従動ローラ42、43と、バックアップローラ44と、に懸架されており、駆動ローラ41により矢印a方向に駆動されている。
【0034】
2次転写部6はバックアップローラ44に対向して中間転写ベルト4と用紙Pとをニップ可能な転写ローラ61と、転写電源62と、転写ローラ61をバックアップローラ44に向けて付勢する付勢部材(例えばソレノイド)63と、を有し、中間転写ベルト4に担持されたトナー画像をニップ部nで用紙Pに転写する。
【0035】
給紙部8は、複数の用紙カセット81を有し、用紙カセット81内に収納された用紙Pを給紙器82によりピックアップする。ピックアップされた用紙Pは、用紙を搬送する搬送ローラ83、84、85、86により搬送され、レジストローラ87により中間転写ベルト4に担持されたトナー画像に同期してニップ部nに搬送される。
【0036】
定着部7は、加熱源であるヒータランプ71を内装した加熱ローラ72と加圧ローラ73とを有し、トナー画像が転写された用紙Pは加熱及び加圧されトナー像が用紙P上に固定される。
【0037】
そして、定着された用紙Pは排紙ローラ88に挟持されて昇降排紙台89に排出される。
【0038】
なお、2次転写部6によりトナー画像を用紙Pに転写した後、用紙Pは中間転写ベルト4から分離される。そして、2次転写部6により転写されずに中間転写ベルト4に残留した残留トナーはクリーニング部9により除去される。
【0039】
以上説明した作用に関するプログラムは後述のROMに格納されており、CPUにより逐次読み出されて実行される。
【0040】
図2は、クリーニング部の説明図で、図3はクリーニングローラの説明図である。
【0041】
以下、図2と図3を参照してクリーニング部について説明する。
【0042】
図2において、クリーニング部9は、上流側に位置する2次転写部6(不図示)で転写されずに残留したトナーの少なくとも一部を除去するクリーニング部材92と、クリーニング部材92の下流側に位置しクリーニング部材92で除去されずにその下流側に流れるトナーを除去する第2のクリーニング部材91と、を有している。
【0043】
クリーニング部材92は中間転写ベルト4に付着した残留トナーの一部を除去(クリーニング)し下流に流すトナー量を所定の量にすることによって、クリーニング部材92自体の中間転写ベルト4とクリーニングブラシ921との滑らかな摺接を可能とし、且つ中間転写ベルト4と第2のクリーニング部材91のクリーニングブレード910との滑らかな摺接を可能としている。
【0044】
クリーニングブレード910は、支持部材913に支持されており、支持部材913はクリーニング部9の筐体に支軸914を介して回動可能に取り付けられている。これにより支持部材913に支持されたクリーニングブレード910のエッジ部911が中間転写ベルト4の表面に当接可能になっている。
【0045】
また、クリーニングブレード910は板状をなし、圧力付勢部915(例えばバネ)によりエッジ部911が中間転写ベルト4に均一な圧力で当接するように調整可能となっている。
【0046】
そして、クリーニングブレード910の材質としては弾性体であるゴムが好ましく用いられる。ゴム材料としてはウレタンゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、クロロピレンゴム、ブタジエンゴム等が知られているが、これらの内、ウレタンゴムは他のゴムに比して摩耗特性が優れている点で好ましい。
【0047】
また、クリーニングブレード910の中間転写ベルト4の反対側にバックアップローラ45が設けられており、クリーニングブレード910の中間転写ベルト4に向けた付勢力を安定して受けられるようになっている。
【0048】
このように弾性を有するクリーニングブレード910のエッジ部911が中間転写ベルト4の表面に所定の付勢力で当接することにより中間転写ベルト4上に残留したトナーを除去可能としている。
【0049】
クリーニング部材92は、回転可能に支持された中空円柱状をなし、内周壁922aに一端が開口し他端が外周壁922bに開口する複数の貫通孔925と、外周壁922bに植設されてその先端部が中間転写ベルト4に摺接可能な繊維毛であるクリーニングブラシ921と、を有する本体であるクリーニングローラ922、及びクリーニングローラ922を矢印q方向に回転させる駆動部923と、を有している。
【0050】
クリーニングブラシ921は、その先端部が中間転写ベルト4に当接する長さを有しており、駆動部923によるクリーニングローラ922の回転時にクリーニングブラシ921が中間転写ベルト4表面を摺擦することにより中間転写ベルト4に付着した残留トナーの少なくとも一部を除去(クリーニング)してクリーニングブレード910に向けて搬送されるトナー量を所定量にすることができるようになっている。
【0051】
図3において、図3(a)に示す第1の形態のクリーニングローラ92Aは、繊維毛921aを基布921bに織り込んでブラシ部分921cを作り、該ブラシ部分921cをクリーニングローラ922の外周全面に巻き付け接着してある。なお、基布921bは後述の貫通孔925から外部へ空気が出入りしやすいように通気性のある網目状をしている。
【0052】
また、図3(b)に示す第2の形態のクリーニングローラ92Bのように繊維毛921aを螺旋状にしても良い。この場合は繊維毛921aをテープ状の基布921b’に織り込んでブラシ部分921c’を作り、該ブラシ部分921c’をクリーニングローラ922の外周に螺旋状に巻き付け接着してある。
【0053】
そして、繊維毛921aはポリアミド系繊維、レーヨン繊維、アクリル繊維、フッ素樹脂系繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維等の樹脂繊維のほか、それらにカーボン等の導電性材料を分散した導電性繊維や炭素繊維等を使用することができ、形状としては直毛状態、ループ状態等が挙げられる。
【0054】
また、複数の貫通孔925はクリーニングローラ922の全面に分散して空けられており、貫通孔925から吸気することにより中間転写ベルト4に残留したトナーを直接吸引して除去すること、又中間転写ベルト4からトラップされて繊維毛921aに付着したトナーを吸引して除去することを可能としている。
【0055】
また、貫通孔925から排気することにより貫通孔925に付着したり中間転写ベルト4からトラップされて繊維毛921aに付着したトナーを吹き飛ばして除去することを可能としている。
【0056】
図2に戻り、クリーニングローラ922は不図示の軸受けにより回動可能に設置されており、空気の流通を可能とする軸方向に伸びた通気路924を内部に有している。そして、通気路924に一端が開口して他端がクリーニングローラ922の外周に開口する複数の貫通孔925を有している。
【0057】
また、通気路924の一端は閉じ他端がダクト926の一端に接続されている。そしてダクト926の他端は排気からトナーを分離するフィルタ928が接続され、フィルタ928に、貫通孔925を通じてクリーニングローラ922の外部から空気を吸引又は吹き込む送風部929が接続されている。また、フィルタ928の上流側には分離されたトナーを回収するトナー回収部927を有している。
【0058】
また、クリーニングローラ922はトナーの静電気による付着を抑制するため導電性の材料であれば良く、金属、又は導電性を有する樹脂等で構成されている。
【0059】
駆動部923は、クリーニングローラ922を矢印q方向に回転できるものであれば良く、例えば直流モータ、パルスモータ、インダクションモータ等が使用可能である。
【0060】
送風部929は、空気を吸引する吸引口と、吸引した空気を排出する排気口と、を有するブロア等で構成され、該吸引口がダクト926に接続されている。なお、ブロアは電圧の調整等により風量を調整可能で、電気的な極性の接続切替等により空気の吸引と排気が逆になるものが好ましい。
【0061】
なお、送風部929とクリーニングローラ922との間に風向切替え部を設け、クリーニングローラ922に対する空気の吸引と排気が逆になるようにしても良い。
【0062】
以上説明したように、クリーニング部材92はクリーニングローラ922が回転する時にクリーニングブラシ921で中間転写ベルト4表面を摺擦することにより、中間転写ベルト4に付着したトナーを除去可能となっている。
【0063】
また、除去すると共に除去したトナーがクリーニングブラシ921に付着し、クリーニングローラ922の回転により、クリーニングブラシ921に付着したトナーが中間転写ベルト4に再付着し、クリーニング部92の下流側に搬送されるトナー量を均す(均一化する)ことが可能となっている。
【0064】
以下に本発明の理解を容易にするため、各種の印字率の画像形成時における、クリーニング部92を通過する前と、通過した後の、中間転写ベルトに付着した残留トナー量の関係を、図2、図4、図5、及び図6を参照して説明する。
【0065】
なお印字率とは、用紙上の画像形成領域の面積に対する、実際に形成される画像の面積の比を指す。
【0066】
図4は、平均的な例えば50%未満の印字率の画像を形成時におけるクリーニング部材92を通過する前と、通過した後の中間転写ベルトに付着した残留トナー量を模式的に示す図で、
図5は、高い例えば50%以上の印字率の画像を形成時におけるクリーニング部材92を通過する前と、通過した後の中間転写ベルトに付着した残留トナー量を模式的に示す図で、
図6は、前後の画像間にパッチ画像を形成した場合におけるクリーニング部材92を通過する前と、通過した後の中間転写ベルトに付着した残留トナー量を模式的に示す図である。
【0067】
ここでパッチ画像とは用紙の搬送方向に対して直交方向に伸びた棒状のベタ画像を指す。
【0068】
各図において横軸は時間tを示し、例えばn枚目の用紙に対応する画像の残留トナーがクリーニング部9のクリーニング部材92に搬送された時期t1と、
(n+1)枚目の用紙に対応する画像の残留トナーがクリーニング部9のクリーニング部材92に搬送された時期t2と、
n枚目の用紙に対応する画像と(n+1)枚目の用紙に対応する画像間に形成されたパッチ画像がクリーニング部9のクリーニング部材92に搬送された時期t3と(図6)とを示し、
用紙に対応する画像の幅wは残留トナーが搬送されている期間を示している。
【0069】
そして縦軸にクリーニング部材92を通過する前と、通過した後の中間転写ベルトに付着した残留トナー量を示している。
【0070】
なお、図4(a)と図5(a)と図6(a)とは、クリーニング部材92を通過する前の中間転写ベルト4に付着した残留トナー量を示し、図4(b)と図5(b)と図6(b)とは、クリーニング部材92を通過した後の中間転写ベルト4に付着した残留トナー量を示している。
【0071】
以下、第2のクリーニング部材91のクリーニングブレード910では、例えばA4サイズの用紙1枚換算で最大15mg相当のトナーまで除去可能であるものとして説明する。
【0072】
図4において、時期t1にn枚目の用紙に対応する画像の残留トナーがクリーニング部9のクリーニング部材92に搬送され、時期t2に(n+1)枚目の用紙に対応する画像の残留トナーがクリーニング部9のクリーニング部材92に搬送されている。
【0073】
そして、中間転写ベルトに担持された画像が平均的な印字率の場合は、残留トナー量も少ない(例えばA4用紙全体でトナー量15mg)ことから、略全量がクリーニングブレード910で除去可能なため、クリーニング部材92での残留トナーの吸引除去は行わない。このため、駆動部923を作動させクリーニングローラ922は回転させるが、送風部929は作動させない。
【0074】
そのため図4(a)と図4(b)とに示すように、クリーニング部材92を通過する前の中間転写ベルトに付着した残留トナー量Z1と、クリーニング部材92を通過した後の中間転写ベルトに付着した残留トナー量Z2とは略同じ量(クリーニングローラ922の回転により僅かに減少)となる。
【0075】
なお、図4(b)の傾斜部z1とz2とはクリーニングローラ922の回転によるクリーニングブラシ921の摺擦により残留トナーが均されている様子を示している。
【0076】
前述したように、平均的な印字率においてはクリーニング部材92で残留トナーの吸引除去を行わず残留トナーを均すことによって、地かぶりの発生と、クリーニングブレードの巻き込みやクリーニングブレードの摩耗を防止可能となる。
【0077】
図5において、時期t1にn枚目の用紙に対応する画像の残留トナーがクリーニング部9のクリーニング部材92に搬送され、時期t2に(n+1)枚目の用紙に対応する画像の残留トナーがクリーニング部9のクリーニング部材92に搬送されている。
【0078】
そして、中間転写ベルトに担持された画像が高印字率の場合は残留トナーも多くなり(例えばA4用紙全体でトナー量30mg)、略1/2がクリーニングブレード910で除去可能なため、残りの1/2のトナーをクリーニング部材92で吸引除去させる。このため、駆動部923と送風部929とを作動させクリーニングローラ922を回転させ、且つクリーニング部材92における空気の吸引を行わせる。
【0079】
なお、この時の送風部で吸引する空気の風量は通常の風量で、例えば貫通孔での風速が0.5m/sとなるようにしてある。なお通常の風量を得る、送風部による風速を、以下通常速度と称する。
【0080】
そのため図5(a)と図5(b)とに示すように、クリーニング部材92を通過する前の中間転写ベルトに付着した残留トナー量Z3と、クリーニング部材92を通過した後の中間転写ベルトに付着した残留トナー量Z4とは、残留トナー量Z3に比べて残留トナー量Z4が減少する。
【0081】
ここで、クリーニング部材92で除去されたトナーはトナー回収部927に回収される。
【0082】
なお、図5(b)の傾斜部z3とz4とはクリーニングローラ922の回転によるクリーニングブラシ921の摺擦により残留トナーが均されている様子を示している。
【0083】
このように、高印字率においてはクリーニング部材92で残留トナーの吸引除去を行うと共に残留トナーを均すため、地かぶりの発生と、クリーニングブレードの巻き込みやクリーニングブレードの摩耗を防止可能となる。
【0084】
図6において、時期t3に、n枚目の用紙に対応する画像と(n+1)枚目の用紙に対応する画像との間に形成されたパッチ画像がクリーニング部9のクリーニング部材92に搬送されている。
【0085】
そして、パッチ画像は局部的に大量のトナー(例えばA4サイズ用紙全体換算150mg)を持つ画像であるため、第2のクリーニング部材91にそのまま流してしまうとクリーニングブレード910をトナーがすり抜けてしまうため、ピークを削りパッチ画像を均すように、駆動部923作動させ且つ送風部929を強力に作動させる。
【0086】
なお、この時の送風部で吸引する空気の風量は、例えば貫通孔での風速が2.0m/sとなるようにしてある。
【0087】
そのため図6(a)と図6(b)とに示すように、クリーニング部材92を通過する前の中間転写ベルトに付着した残留トナー量Z5と、クリーニング部材92を通過した後の中間転写ベルトに付着した残留トナー量Z6とは、ピークを有する残留トナー量Z5に比べてピークが削られて残留トナー量Z6が大幅に減少すると共に平準化する。
【0088】
ここで、クリーニング部材92で除去されたトナーはトナー回収部927に回収される。
【0089】
なお、図6(b)の傾斜部z5とz6とはクリーニングローラ922の回転によるクリーニングブラシ921の摺擦により残留トナーが均されている様子を示している。又破線は比較のため前述した残留トナー量Z1と残留トナー量Z2とを示している。
【0090】
このように、パッチ画像においてはクリーニング部材92でパッチ画像の除去を行うと共に特にパッチ画像を均すため、局部的にトナー量が大きなパッチ画像であってもピークを平準化でき、地かぶりの発生と、クリーニングブレードの巻き込みやクリーニングブレードの摩耗を防止可能となる。
【0091】
また、画像を形成しながら画像間にパッチ画像を形成した場合は、図6(b)において実線と破線とが重畳されたような残留トナー量となる。
【0092】
図7は、画像形成装置のクリーニングに関するブロック図である。
【0093】
制御部CはCPU(Central Processing Unit)と記憶部Mと外部機器とのインターフェースを司るI/O部とを有している。CPUは記憶部MのROM(Read Only Memory)から逐次プログラムを読み出してRAM(Random Access Memory)に格納し、プログラムに従ってI/O部を介して入出力機器を制御している。なお、RAMは電源OFF時にも各種データが消えないようにバッテリーバックアップされている。
【0094】
入力機器としては前述の原稿画像読取装置Bと、操作パネルSAと、を有し、原稿画像読取装置Bで読み込まれた原稿画像情報が入力され、操作パネルSAからはジョブ情報が入力される。
【0095】
又出力機器としては、クリーニングローラ922を回転駆動させる駆動部923と、クリーニングローラ922から吸気又は排気する送風部929等を有している。
【0096】
以下図1、図2、及び図8、図9を参照してクリーニング部9における残留トナーのクリーニングに係る制御方法について説明する。なお後述のフロー図に係るプログラムは記憶部MのROMに格納されておりCPUにより逐次RAMに読み込まれて実行される。
【0097】
図8は、クリーニング部における残留トナーのクリーニングに係る制御方法のフロー図である。
【0098】
1.ステップS10 原稿画像読取装置Bにより原稿画像の読み込み
原稿画像読取装置Bで読み込んだ原稿のアナログデータに基づいてデジタル画像データを生成し次ステップに進む。
【0099】
2.ステップS11 原稿画像の印字率算出
ステップS10で生成したデジタル画像データに基づき原稿画像の印字率を算出し、次ステップに進む。
【0100】
3.ステップS12 印字率の判断(50%以上?)
ステップS11で算出した算出結果(印字率)が予め設定された設定トナー量に相当する印字率50%以上の時(Y)は、残留トナー量が多すぎてクリーニングブレード910をすり抜けてしまう可能性があると判断し、クリーニング部材92の下流側に搬送するトナー量を制限するため、残留トナーの一部を除去するために次ステップに進み、50%未満の時(N)はステップS15に進む。
【0101】
4.ステップS13 駆動部ON
駆動部923の作動によりクリーニングローラ922を回転開始させ次ステップに進む。
【0102】
5.ステップS14 送風部吸気ON(通常)
送風部929(ブロワ)を、予め設定された第1の風量である、貫通孔925における風速を通常速度(例えば0.5m/s)で作動させステップS18に進む。
【0103】
ステップS13の駆動部923の作動と、ステップS14のブロワの通常速度で、中間転写ベルト4に付着した残留トナーの一部を吸引除去し、地かぶりの発生と、クリーニングブレードの巻き込みやクリーニングブレードの摩耗を防止可能としている。
【0104】
6.ステップS15 印字率の判断(5%以上?)
ステップS11で算出した算出結果(印字率)が予め設定された設定トナー量未満に相当する印字率50%未満、例えば〔50%未満(ステップS12)〕且つ5%以上であれば(Y)、残留トナーをクリーニング部材92で吸引除去の必要はないと判断し次ステップに進み、5%未満であれば(N)クリーニングブレード910に搬送するトナーが少ないと判断してパッチ画像を形成するか否か確認するためステップS19に進む。
【0105】
7.ステップS16 駆動部ON
ステップS13と同様のため説明を省略する。
【0106】
8.ステップS17 送風部吸気OFF
送風部929(ブロワ)を停止させ次ステップに進む。
【0107】
ステップS16の駆動部923の作動とステップS17のブロワの停止で、クリーニング部材92では中間転写ベルト4に付着した残留トナーの吸引を停止し、クリーニングブラシ921による中間転写ベルト4表面の摺擦のみとして、残留トナーを吸引除去せずに均しながらクリーニング部材92の下流側に搬送し、地かぶりの発生と、クリーニングブレードの巻き込みやクリーニングブレードの摩耗を防止可能としている。
【0108】
9.ステップS18 画像形成実行
ステップS10で生成したデジタル画像データを使用して画像形成を行い、2次転写部6で用紙に画像を転写し、エンドに進む。
【0109】
なおこの時、ステップS12で印字率が50%以上と判断されている場合はステップS13で駆動部923が作動し、ステップS14でブロワが通常速度で作動しているため、中間転写ベルト4に残留したトナーが摺擦されると共に、その一部が吸引除去される。
【0110】
また、50%未満と判断されている場合はステップS16で駆動部923が作動し、ステップS17でブロワが停止しているため、中間転写ベルト4に残留したトナーは吸引除去されず、摺擦のみで通過する。
【0111】
10.ステップS19 ジョブ判断(パッチ形成?)
操作パネルSAで設定されたジョブ情報の内、パッチを形成させるか否かを選択するパッチ形成可否情報がパッチ形成可の場合(Y)はパッチ画像を形成するため次ステップに進み、パッチ形成否の場合(N)はステップS16に進む。
【0112】
11.ステップS20 パッチ画像を形成
現在実行中のジョブが完了してから、通常の画像を形成するモードからパッチを形成するパッチ形成モードに切り替え、パッチ形成モードに移行後パッチ画像データを生成し、露光部2及び現像部3で中間転写ベルト4に予め決められた数のパッチ画像を形成し、次ステップに進む。なおこの時は、形成したパッチ画像を2次転写部6で用紙に転写せず、そのままクリーニング部9に向けて搬送させる。
【0113】
12.ステップS21 駆動部ON
ステップS13と同様のため説明を省略する。
【0114】
13.ステップS22 送風部吸気ON(強)
送風部929(ブロワ)を第1の風量より大きな、予め設定された第2の風量に相当する、例えば貫通孔925での風速が2m/sとなるような高速度で作動させ次ステップに進む。
【0115】
14.ステップS23 パッチ画像の均し
ステップS20で形成したパッチ画像をクリーニング部材92で均しエンドに進む。
【0116】
なお、この時ステップS21の駆動部923作動とステップS22のブロワの高速作動で、中間転写ベルト4に形成したパッチ画像のトナーを均すと共に局部的に大きなトナーを吸引除去し、地かぶりの発生と、クリーニングブレードの巻き込みやクリーニングブレードの摩耗を防止可能としている。
【0117】
また、他の構成として、デジタル原稿画像データと、前後のデジタル原稿画像データ間にデジタルパッチ画像データと、を追加した複合デジタル画像データを画像形成前に生成しておき、パッチ形成時には前記複合デジタル画像データを読み出して、デジタル原稿画像と前後のデジタル原稿画像間にパッチ画像とを中間転写ベルト4に形成させ、デジタル原稿画像は用紙に転写させ、パッチ画像は用紙に転写させずにクリーニング部材92で吸引除去と均しとを行わせるようにしても良い。
【0118】
以上の説明においてステップS12とステップS15で判断される印字率(例えば50%、5%)と、ステップS14とステップS22で行う吸気の風量(例えばブロワの通常速度、ブロワの高速度)と、ステップS20の決められた数(パッチ画像)と、は予め実験等により求められ、バッテリバックアップされたRAMに格納されておりCPUにより読み出される。
【0119】
なお、これらのデータは装置使用者によるデータ変更操作により数値が変更可能となっている。
【0120】
以下に、図2、図4、図9を参照してクリーニング部材92のクリーニングブラシ921又は貫通孔925に付着したトナーを除去する方法について説明する。
【0121】
図9は、クリーニング部材92に付着したトナーの清掃に掛かるフロー図である。
【0122】
本フローは、クリーニングブラシ921又は貫通孔925に付着したトナーを除去するものであり、装置使用者の所定の手続きにより貫通孔925から空気を噴出させてクリーニングブラシ921又は貫通孔925に付着したトナーを除去するようにしたものである。
【0123】
1.ステップS30 操作パネルSAの設定情報読み込み
操作パネルSAを監視し、操作パネルSAの設定情報を読み込み次ステップに進む。
【0124】
2.ステップS31 クリーニング部清掃設定確認(清掃設定?)
ステップS30で読み込んだ情報のうち、クリーニング部材92を清掃するか否かの情報(クリーニング部を清掃する清掃情報)を確認し、清掃可(清掃設定)の場合(Y)はクリーニング部材92を清掃するため次ステップに進み、清掃不可の場合(N)はエンドに進む。
【0125】
3.ステップS32 画像形成停止
画像形成を停止し次ステップに進む。なお、画像形成の停止は読み込んだジョブを実行開始する前、又はジョブ実行中であれば実行中のジョブを完了後に行うとよい。
【0126】
4.ステップS33 送風部吸気OFF
送風部929(ブロワ)がクリーニングローラ922から空気を吸引する吸気となっている場合は、送風部929による吸気をOFFとして次ステップに進む。
【0127】
5.ステップS34 送風部排気ON
送風部929(ブロワ)からクリーニングローラ922へ送風(排気)させ次ステップに進む。これは例えばブロワを逆転する等で可能となる。
【0128】
なお、この時の風量はクリーニングブラシ921と貫通孔925に付着したトナー粉を除去、即ち吹き飛ばすことができる程度の、例えば貫通孔925での風速が2m/sとなるような量である。
【0129】
6.ステップS35 経過時間の計時(所定時間経過?)
ステップS24で送風部929(ブロワ)からクリーニングローラ922へ送風(排気)開始後の時間をタイマ等で計測開始し、所定時間経過すると(Y)クリーニング部の清掃を完了したと判断して次ステップに進み、所定時間経過するまで(N)ステップS35を繰り返す。
【0130】
なお所定時間は、送風部929(ブロワ)からクリーニングローラ922へ送風(排気)させることによって、クリーニングブラシ921及び貫通孔925に付着したトナーを除去可能な時間で、予め実験等により決定されており、記憶部MのRAM(バッテリーバックアップ)に格納されている。そして計測した経過時間と所定時間とが比較される。
【0131】
7.ステップS36 送風部排気OFF
送風部929(ブロワ)からクリーニングローラ922への送風(排気)を停止させ(例えばブロワを停止)エンドに進む。
【0132】
ここで、クリーニングブラシ921又は貫通孔925から除去されたトナー粉はクリーニング部9全体を覆うケース(不図示)内部に収納される。なお該トナー粉の中間転写ベルト4への再付着防止のためクリーニング部材92外周を囲むトナー飛散防止カバーを設け、トナー飛散防止カバー内部にトナー粉を収納するようにしても良い。
【0133】
以上説明したように制御部Cは、残留トナーの量であるクリーニング部9に搬送されるトナー量を算出する算出部、即ち画像の印字率を算出する算出部の機能を有しており、算出部の算出結果に応じて送風部929の送風量を制御している。
【0134】
以上説明したクリーニング部9を有する画像形成装置で、各種の印字率の画像の画像形成を行った結果、地かぶりの発生が防止され、また、クリーニングブレードの巻き込みやクリーニングブレードの摩耗・損傷を抑制でき、従来のクリーニング部では100,000枚で交換が必要だったクリーニングブレードが、300,000枚まで交換せずに画像形成が可能となった。
【0135】
以上、最良の構成としてクリーニング部9が第2のクリーニング部材91とクリーニング部材92とを有する第1の形態について説明した。
【0136】
ここで、クリーニング部材92の下流側に搬送させるトナー量を地かぶり等の画像品質低下を起こさないように、クリーニングブラシの剛性とクリーニングローラの回転速度とを設定することにより、クリーニング部において第2のクリーニング部材91のない、クリーニング部材92のみで構成された第2の形態とすることも可能となる。
【0137】
なお、第2の形態については第2のクリーニング部材91がない以外は第1の形態と構成・制御方法とも同様なため説明を省略する。
【0138】
第2のクリーニング部材91(クリーニングブレード910)を省くことにより、構造が簡単で、且つクリーニングブレードの巻き込まれ対策や、クリーニングブレードの摩耗対策がそもそも必要のない生産性の低下を防止可能な、画像形成装置を提供できる。
【0139】
また、上記実施例ではクリーニング部材92による残留トナーの除去量の制御はクリーニングローラ922の中空部への送風により行っているが、これに限られるものではない。クリーニング部材92の回転数の制御や印加するバイアス電圧の制御、あるいはクリーニング部材92を感光体表面に向けて進退させることで感光体への押圧量を変更することにより制御してもよい。
【符号の説明】
【0140】
4 中間転写ベルト
9 クリーニング部
91 第2のクリーニング部材
92 クリーニング部材
910 クリーニングブレード
921 クリーニングブラシ
921c ブラシ部分
922 クリーニングローラ
923 駆動部
924 通気路
925 貫通孔
929 送風部
A 画像形成装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体に担持された画像を記録媒体に転写する転写部と、
該転写部で転写されずに残留した残留トナーを除去するクリーニング部材と、を有する画像形成装置において、
前記残留トナーの量を算出する算出部と、
前記算出部の算出結果に応じて前記クリーニング部材による残留トナーの除去量の制御を行う制御部と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記クリーニング部材の下流側に位置し前記クリーニング部材で除去されなかったトナーを除去する第2のクリーニング部材を有し、
前記第2のクリーニング部材は、前記像担持体にその先端部が当接して前記像担持体に付着したトナーを除去するクリーニングブレードからなることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記クリーニング部材は、
回転可能に支持された中空円柱状をなして、その内周壁に一端が開口し他端が外周壁に開口する複数の貫通孔と、前記外周壁に植設されてその先端部が前記像担持体に摺接可能な繊維毛とを有する本体と、
前記貫通孔を通じて前記本体の外部から空気を吸引する送風部と、を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記算出部で算出された残留トナー量が予め設定された設定トナー量以上の時は前記送風部の送風量が予め設定された第1の風量になるように制御し、
前記算出部で算出された残留トナー量が前記設定トナー量未満となると前記送風部の送風を停止させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記算出部は、前記残留トナーの量を画像の印字率に基づいて算出することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
装置使用者が各種情報を入力する操作部を有し、
前記制御部は、前記操作部からパッチを形成するパッチ形成情報が入力された時は、通常に画像を形成するモードからパッチを形成するパッチ形成モードに切り替え、パッチ形成モードにおいて前記像担持体にパッチ画像を形成させて前記クリーニング部材まで搬送させ、
前記第1の風量より大きな、予め設定された第2の風量になるように前記送風部を制御することを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御部は、装置使用者が各種情報を入力する操作部から前記クリーニング部材を清掃する清掃情報が入力された時は、
前記送風部により前記貫通孔を通じて前記本体の外部に空気を噴出させることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−164253(P2011−164253A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−25294(P2010−25294)
【出願日】平成22年2月8日(2010.2.8)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】