説明

画像形成装置

【課題】画像形成装置内で飛散する現像材の汚染によってRFIDタグにおける通信性能が劣化するのを防止する。
【解決手段】画像形成装置本体2と、画像データに基づいて画像を形成し、該画像を現像材によって現像して用紙に転写する画像形成部10と、画像形成装置の構成要素に関する情報を記憶するRFIDタグ32と、前記画像形成装置本体2内に空気流路40を形成するファン(排気ファン36)を備え、RFIDタグ32は空気流路40に配置されているので、空気流路の空気流によって飛散した現像材がRFIDタグなどに付着して通信性能を低下させるのを防止し、さらに派生効果として、排熱を排除でき、RFIDタグやアンテナの周囲温度が下がり、RFIDタグにおける熱による通信性能の劣化を防ぐ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像データに基づいて画像を形成し、該画像を現像材によって現像して用紙に転写する画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像データに基づいて画像を形成して用紙に転写するプリンタ、ファクシミリ、複写機、複合機などの画像形成装置では、画像形成部において、画像データに基づいて感光体に潜像を形成し、該潜像を現像材で現像し、これを直接または中間転写部を介して用紙に転写している。前記現像材は、一般に、キャリアとトナーまたは磁気性のトナーなどで構成されており、前記現像に際し現像器から感光体に供給される。但し、画像を転写した後も感光体や中間転写部に少量の現像材(主にトナー)が残存するため、クリーニング部によって該トナーを除去してトナー回収部に回収している。
また、画像形成装置では、原稿を読み取る原稿読み取り部や、感光体、感光体に潜像の書き込みを行う書き込み部、潜像を現像する現像部、感光体の画像を用紙に転写する転写部や中間転写部、用紙に転写した画像を定着させる定着部などを有しており、これらの各部構成要素では使用劣化による交換や定期交換などを操作者ができるように、着脱可能にしたものがある(ORU:Operator Replacement Unit)。
【0003】
これらの交換部品や交換ユニットでは、品名や交換時期、使用期間などを管理するために、交換部品等の固有情報や使用状況などを記録したRFIDタグを取り付けるなどして無線によって画像形成装置の制御部との通信可能にしたものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
図6、7は、従来例における中間転写部11および二次転写部13周辺の構成を示すものであり、図6は正面図、図7は左側面図である。
中間転写部11では、中間転写ベルト11aの幅方向両側位置に、縦方向に沿ったフレーム30、30を有しており、中間転写ベルト11aのベルト面外側で該フレーム30、30に架け渡すようにして取り付け部31となる板金が固定されている。該取り付け部31に、RFIDタグ32が外側に突出して取り付けられている。また、画像形成装置本体の内部壁には、前記RFIDタグ32と対峙するように、小間隔をおいてアンテナ33が突出して取り付けられている。
【0005】
また、中間転写部11の下方に位置する二次転写部13では、側面側にRFIDタグ34が突出して取り付けられており、画像形成装置本体の内部壁に該RFIDタグ34に対峙するように、小間隔をおいてアンテナ35が突出して取り付けられている。
【0006】
また、各構成要素では、その状態を検知するために各種センサが設けられている。上記中間転写部11では、図8、9に示すように中間転写ベルト11aの幅方向ずれを検知するために、前記フレーム30、30を介してそれぞれベルト端部検知センサ37、37が取り付けられている。図8は正面図、図9は左側面図である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−84984号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、従来の画像形成装置では、感光体や中間転写部などの残トナーを除去、回収する際に、トナーやキャリアなどの現像材が多少は装置内に飛散することは避けられない。飛散した現像材は、装置内の各部に付着したり、装置底部に溜まる。磁気性トナーやキャリアが飛散して付着し易い箇所に前記RFIDタグやアンテナを設置すると、現像材が付着するなどして無線通信の磁界分布に乱れが生じ、アンテナとRFIDタグ間の通信性能を劣化させるという問題がある。一般に、アンテナとRFIDは、通信性能を高めるために取り付け面に対し、出っ張って突出する形で取り付けられており、飛散した現像材がより付着しやすくなっている。
【0009】
図6、7に示す装置では、中間転写部11の上端側にクリーニング部12が設けられており、該クリーニング部12から飛散した現像材100は、下降して取り付け部31や画像形成装置本体の内壁部から突出しているRFIDタグ32やアンテナ33、さらに下方のRFIDタグ34やアンテナ35に付着して通信性能に悪影響を与える。さらに、二次転写部13の奥側に現像材回収部が設けられており、該回収部から飛散した現像材100は、下降してRFIDタグ34やアンテナ35に付着して通信性能に悪影響を与える。また、図8、9に示すように現像材が飛散する空間にベルト端部検知センサなどのセンサが設けられている場合、該センサに対しても現像材が付着して検知性能に悪影響を与えてしまうおそれがある。
さらに、RFIDタグやアンテナ、センサなどに近接して熱を発生する定着部15などの構成要素が存在していると、その熱によって通信性能や検知性能に悪影響が生じることもある。
【0010】
また、前記した特許文献1においては、磁性体等の汚れの付着によるRFIDタグの通信障害を課題としており、着脱可能としたプロセスカートリッジに取り付けるRFIDタグを挿入方向手前側であってクリーニング部よりも上側に位置するプロセスカートリッジの上面に取り付けることで課題を解決するとしている。
しかし、設計上、プロセスカートリッジの上面にRFIDタグを配置することが難しい場合や、現像材が飛散し易い箇所にRFIDタグを配置せざる得ない場合もあり、交換部品等においてRFIDの取り付け位置が制約される場合には、上記特許文献1の対策を行うことは難しい。
【0011】
本発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、RFIDタグの取り付け位置による制約に拘わらず、現像材の付着等を容易に回避してRFIDタグの通信性能を良好に維持することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
すなわち、本発明の画像形成装置のうち、第1の本発明は、画像形成装置本体と、画像データに基づいて画像を形成し、該画像を現像材によって現像して用紙に転写する画像形成部と、画像形成装置の構成要素に関する情報を記憶するRFIDタグと、前記画像形成装置本体内に空気流路を形成するファンとを備え、前記RFIDタグは前記空気流路に配置されていることを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、ファンの動作によって画像形成装置本体内に空気流路が形成され、画像形成装置内に空気流が生じる。この空気流路にRFIDタグを配置することで、画像形成部などで飛散する現像材を空気流で捕捉してRFIDタグ周囲から持ち去ることができ、RFIDタグに現像材が付着するなどして汚染されるのを極力回避できる。この結果、RFIDタグにおける通信性能が、飛散する現像材によって損なわれるのを防止する。
前記空気流路には、上記RFIDとともに、これと対になるアンテナを配置するのが望ましい。アンテナにおいても飛散する現像材が付着などすると上記RFIDタグとの間の通信性能が損なわれるため、空気流路への配置によって、この障害を事前に防止する効果が得られる。
【0014】
上記RFIDタグやアンテナの空気流路に対する設置位置は、本発明としては特定のものに限定されるものではないが、両者が前記空気流路を挟んで対峙するように配置されるものが望ましい。これにより、一つの空気流路によってRFIDタグとアンテナへの現像材の付着を効果的に防止することができる。
【0015】
また、上記RFIDタグやアンテナは、現像材の飛散が発生する飛散発生部(例えば感光体や中間転写部に対するクリーニング部など)より上方に配置すれば、現像材が付着しにくくなるが、飛散部よりも下方に上記RFIDタグやアンテナを配置せざるを得ない場合もある。この場合には、RFIDタグおよび前記アンテナから前記飛散発生部に至る空気流路では、空気流が横向きまたは上向きに流れるように構成するのが望ましい。これにより飛散発生部から現像材が下降してRFIDタグやアンテナに付着するのを極力防止することができる。一方、上記RFIDタグやアンテナが飛散発生部より上方に配置する場合、RFIDタグやアンテナから前記飛散発生部に至る空気流路では、空気流が横向きまたは下向きに流れるように構成してもよい。
【0016】
なお、現像材の飛散が生じる飛散発生部は、画像形成装置内の特定の部分に限定されるものでないが、主として、感光体や中間転写部でトナー像を転写した後に感光体や中間転写部に残存する現像材を除去する際に現像材の飛散が生じやすい。感光体や中間転写部では、トナー像を他に転写した後に残存する現像材は、次の画像形成に備えて除去する必要があり、クリーニング部によって除去し、これを回収部で回収するようにしているが、回収しきれずに、一部の現像材が飛散してしまう。本発明では、飛散した現像材がRFIDタグなど周辺にできるだけ至らないように空気流を生じさせることでRFIDタグの汚染を防止する。
【0017】
上記RFIDタグは、構成要素に関する情報を記憶するものであり、例えば、交換部品等の固有情報や使用状況など記録して、メンテナンスに利用することができる。このため、RFIDタグは、一般には、前記構成要素のうち交換可能な交換ユニットに対応して備えられており、交換ユニットを交換のため取り外す際には、RFIDタグも画像形成装置から取り外される。
前記交換ユニットの種別は本発明としては特に限定されるものではないが、前記画像形成部に含まれる中間転写部、二次転写部、感光体などが例示される。
また、RFIDタグやアンテナは、通信性能を良好にするために、取り付け面から突出するように取り付けられる場合が多い。この場合、RFIDタグなどに現像材が付着していると、画像形成装置から取り外した際に、操作者の、人体、衣服等を汚すなどのおそれがあるが、本発明では、現像材の付着を極力回避しているので、装置から取り外す際などに操作者の人体、衣服等を汚してしまうおそれもない。
【0018】
また、前記空気流路は、前記したようにファンの動作によって形成される。ファンの種別としては排気ファン、吸気ファンが挙げられる。これらの一方を備えるものであってもよく、また、両方を備えるものであってもよく、排気ファン、吸気ファンを複数備えるものであってもよい。
該空気流路では、少なくとも空気流路に飛散した現像材を捕捉して移動可能な空気流を生じさせるものであり、さらに、いずれかの構成要素で発生する排熱の除去を兼ねるものであってもよい。排熱除去を要する構成要素としては定着部などが挙げられる。また、本来排熱を行うために設置されているファンの出力を増大させることで、飛散する現像材を捕捉してRFIDタグ周辺から持ち去る作用を得るようにしたものであってもよい。
空気流路では、RFIDタグに現像材が実質的に付着しない程度に空気流が流れるのが望ましいが、本発明としてはこれに限定されるものではなく、現像材の付着現象は多少は見られるものの、空気流路にRFIDタグを配置しない従来装置の場合に比べて付着低減に明かな効果を有するものであってもよい。
【0019】
上記したRFIDタグは、前記したように、主として交換可能な交換ユニットに対応して備えられるものであり、通常は交換ユニットと一体になるように取り付けられる。該取り付けでは、交換ユニットに対し、着脱可能に固定された、板材などの取り付け部材に取り付けるのが望ましい。交換ユニットの交換に際し、取り付け部材が支障とならないように取り外すことで交換ユニットでの交換作業を容易に行うことができる。
【0020】
また、交換ユニットでは、交換ユニットの状態を検知するためにセンサを備える場合がある。このセンサも交換ユニットと一体に取り付ける場合がある。このセンサを上記取り付け部材にRFIDタグとともに取り付けることで、取り付け部材の固定、取り外しを一つのものについて行えばよく、作業性が向上する。また、共通の取り付け部材に取り付けることでRFIDタグの近傍にセンサを配置することができ、空気流による現像材の捕捉効果を容易に予測することができる。
上記センサとしては、中間転写ベルトを交換ユニットとする際に、該ベルトの幅方向ズレを該ベルトの両端でそれぞれ検知する対のセンサが挙げられる。
【発明の効果】
【0021】
以上、説明したように、本発明の画像形成装置によれば、画像形成装置本体と、画像データに基づいて画像を形成し、該画像を現像材によって現像して用紙に転写する画像形成部と、画像形成装置の構成要素に関する情報を記憶するRFIDタグと、前記画像形成装置本体内に空気流路を形成するファンとを備え、前記RFIDタグは前記空気流路に配置されているので、空気流路の空気流によって飛散した現像材がRFIDタグなどに付着するなどして通信性能が低下するのを極力防止する効果がある。また、RFIDなどに飛散した現像材が付着するのを低減または防止できるので、プロセスユニットなどを装置本体から引き出すなどして取り外す際に、現像材によって操作者の人体、衣服を汚すことがなくなる効果もある。
【0022】
さらに、上記空気流路によって構成要素の排熱を兼ねる場合、派生効果として、RFIDタグやアンテナの周囲温度が下がり、RFIDタグにおける通信性能の劣化を防ぐことができる効果がある。
また、上記効果により、現像材が飛散し易く退避できない箇所、また定着などからの高温な排気熱が当たる箇所に、RFIDタグを配置した場合でも通信性能の劣化を防ぐことができるので、RFIDタグなどの配置位置の制約を小さくして設計の自由度を増すことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態の画像形成装置における機械的構成を示す概略図である。
【図2】同じく、中間転写部および二次転写部周辺を示す拡大正面図である。
【図3】同じく、中間転写部および二次転写部周辺を示す拡大左側面である。
【図4】同じく、他の実施形態における中間転写部および二次転写部周辺を示す拡大正面図である。
【図5】同じく、中間転写部および二次転写部周辺を示す拡大左側面である。
【図6】従来の画像形成装置における中間転写部および二次転写部周辺を示す拡大正面図である。
【図7】同じく、中間転写部および二次転写部周辺を示す拡大左側面である。
【図8】従来の他の画像形成装置における中間転写部および二次転写部周辺を示す拡大正面図である。
【図9】同じく、中間転写部および二次転写部周辺を示す拡大左側面である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の画像形成装置1の機械的構成を示す図であり、以下に説明する。
図中2は、画像形成装置の各構成要素を収納する画像形成装置本体であり、該画像形成装置本体2内に画像形成部10、給紙部20などが備えられている。
画像形成部10は、入力された画像データに基づいて、電子写真方式の画像形成処理を行うものである。
給紙部20は、画像形成装置本体2の下方に設置される複数段の給紙トレイ21、給紙搬送部22等を備えて構成される。
【0025】
給紙搬送部22は、給紙トレイ21又は図示しない手差しトレイから搬送された用紙を、複数の中間ローラ、レジストローラ23等を経て画像形成部10の二次転写部13へと搬送する。また、給紙搬送部22は、搬送路の切換により、片面画像形成処理済みの用紙を両面搬送路24に搬送し、再び中間ローラ、レジストローラ23を経て二次転写部13へと搬送する。この二次転写部13により、後述する中間転写ベルト11aに転写されたトナー画像が用紙上に一括転写される。
【0026】
画像形成部10は、最大4色(イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K))の画像を形成する際に、夫々異なる色のトナーを充填可能な色毎の画像形成部10Y、10M、10C、10Kと、上記中間転写部11とを備える。
例えば、画像形成部10Yは、感光体ドラムの周囲に配置された帯電装置、露光装置、現像装置、一次転写ローラ、クリーニング装置などを備え、イエロー(Y)の画像を形成する。
具体的には、帯電装置により帯電された感光体に、露光装置からイエロー(Y)の画像データに応じた光を照射して静電潜像を形成する。そして、現像装置は、静電潜像が形成された感光体の表面に、キャリアを介して帯電したイエロー(Y)のトナーを付着させて静電潜像を現像する。現像装置によりトナーが付着した感光体は、一次転写ローラが配置された転写位置へ一定速度で回転されながら中間転写部の中間転写ベルト11aに画像を転写する。中間転写ベルト11aにトナーが転写された後、図示しないクリーニング装置によって感光体の表面の残留電荷や残留トナー等を除去する。
【0027】
画像形成部10M、10C、10Kは、上記画像形成部10Yと同様の構成を備え、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の画像をそれぞれ形成する。
中間転写ベルト11aは、複数のローラに懸架され回転可能に支持されたエンドレスベルトであり、ローラの回転に伴って回転駆動される。
この中間転写ベルト11aは、各画像形成部10Y、10M、10C、10Kの一次転写ローラによりそれぞれの感光体に圧着される。これにより各感光体の表面に現像された各トナーは、各一次転写ローラによる転写位置で中間転写ベルト11aに転写され、二次転写部13による転写位置で用紙にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナーが順次重ねて転写される。そして、中間転写ベルト11aは、二次転写部13により用紙にトナー画像を転写した後、用紙を分離して、中間転写ベルト11a上端部側に設置したクリーニング部12によって残留トナーが除去される。除去されたトナーは、図3に示すように、中間転写部11の下方に配置したトナー回収部14に回収するようになっている。
【0028】
画像の転写が行われた用紙は、給紙搬送部22によって定着部15に搬送され、定着がなされる。定着部15は、加熱および加圧によって用紙に転写されたトナー像を熱定着する。トナー像が定着された用紙は、搬出部25の排紙ローラに挟持されて搬出口から排出されたり、所望により後処理がされたりする。
【0029】
図2、3は、中間転写部11および二次転写部13周辺の構成を示すものである。
中間転写部11では、幅方向両側位置に、縦方向に沿ったフレーム30、30を有しており、中間転写ベルト11aの外方で該フレーム30、30に架け渡すようにして本発明の取り付け部31となる板金が着脱可能に固定されている。該取り付け部30の固定方法が特に限定されるものではなく、適宜の係止やボルトナットなどの固定具を用いた固定方法を採用することができる。
該取り付け部31では、中間転写ベルト11aに対し外側に向けてRFIDタグ32が取り付けられており、RFIDタグ32は、取り付け部31よりも外側に張り出すように突出して取り付けられている。また、画像形成装置本体2の内部壁2aには、前記RFIDタグ32と対峙するように、小間隔をおいてアンテナ33が取り付けられており、該アンテナ33は、前記内部壁2aから張り出すように突出して取り付けられている。
【0030】
また、二次転写部13では、側面側にRFIDタグ34が取り付けられており、該RFIDタグ34に対峙するように、小間隔をおいて画像形成装置本体2の背面壁2bにアンテナ35が取り付けられている。前記RFIDタグ34、アンテナ35ともに取り付け面から張り出すように突出して取り付けられており、RFIDタグ34とアンテナ35が挟む空間のやや上方にトナー回収部14が設けられている。
【0031】
また、前記クリーニング部12と略同じ高さで、画像形成装置本体2の背面壁2bに外部に開口するように排気ファン36が設けられている。該排気ファン36は、画像形成装置本体2内から該本体外側に送風するように動作する。該排気ファン36が動作すると、画像形成装置本体2内において空気流が生じる。すなわち、二次転写部11の周辺では、RFIDタグ32が取り付けられている側の二次転写ベルト11aのベルト面と、アンテナ33が取り付けられている画像形成装置本体2の内壁2aおよび二次転写部11側に露出している定着部15との間の空間に、画像形成装置本体2の前面側から背面側に向かう横向きおよび斜め上向きの空気流が生じる。また、二次転写部13および中間転写部11と画像形成装置本体2の背面壁2bとの間の空間に上向きの空気流が生じる。
【0032】
上記空気流によって空気流路40が形成される。この空気流路40に上記RFIDタグ32、34、アンテナ33、35が位置している。空気流路40おいて、中間転写部11および二次転写部13付近に飛散した現像材は、空気流によって捕捉されて画像形成装置本体2の背面側の空間に移動し、また該空間の下方にある現像材は、上昇する空気流に捕捉されて該空間を上昇し、排気ファン36によって該空間から排除される。また、この際に、定着部15で発生する排熱が該空気流によって画像形成装置本体2外に排除され、RFIDタグ32、34とアンテナ33、35間の空間における温度上昇が抑制される。
【0033】
図4、5は、上記図2、図3の構成と略同じ構成を有し、さらには中間転写部11に中間転写ベルト11aの両端の幅方向ずれを検知するベルト端部検知センサ37、37を有するものである。この実施形態では、該ベルト端部検知センサ37、37は、RFIDタグ32とともに前記取り付け部31に取り付けられている。
この例では、例えば中間転写ベルト11aを交換する際に、一つの取り付け部31を中間転写部11から取り外すことで、交換作業を容易に行うことができ、作業効率が向上する。従来のように、ベルト端部検知センサ37、37がRFIDタグ32とは別の取り付け部を介して中間転写部に取り付けられている場合、中間転写ベルト11aの交換に際し、それぞれの取り付け部を取り外す必要があり、作業工数が増加する。この点で、この実施形態は格別な効果がある。
【0034】
また、ベルト端部検知センサ37、37をRFIDタグ32と同じ取り付け部31に取り付けることで、これらの設置位置が近傍になり、空気流によって飛散する現像材を排除する際にもRFIDタグ32と同様の効果を得ることができ、空気流を形成する際の設計も容易になる。
【0035】
なお、上記実施形態では、RFIDタグが取り付けられている構成要素として中間転写部と二次転写部について説明を行ったが、本発明としては、RFIDタグが取り付けられる構成要素が特に限定されるものではなく、画像形成装置本体内に、RFIDタグに対する現像材付着を防止するための空気流路が複数形成されるものであってもよい。
さらに本発明の構成は上記各実施形態の説明に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りは適宜の変更が可能である。
【符号の説明】
【0036】
1 画像形成装置
2 画像形成装置本体
10 画像形成部
11 中間転写部
11a 中間転写ベルト
12 クリーニング部
13 二次転写部
14 トナー回収部
15 定着部
31 取り付け部
32 RFIDタグ
33 アンテナ
34 RFIDタグ
35 アンテナ
36 排気ファン
37 ベルト端部検知センサ
40 空気流路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置本体と、画像データに基づいて画像を形成し、該画像を現像材によって現像して用紙に転写する画像形成部と、画像形成装置の構成要素に関する情報を記憶するRFIDタグと、前記画像形成装置本体内に空気流路を形成するファンとを備え、
前記RFIDタグは前記空気流路に配置されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記RFIDタグとの間で通信を行うアンテナを有しており、該アンテナは前記RFIDタグとともに前記空気流路に配置されていることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記RFIDタグと前記アンテナとは、前記空気流路を挟んで対峙するように配置されていることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記現像材の飛散が発生する飛散発生部が前記RFIDタグおよび前記アンテナの上方に位置しており、該RFIDタグおよび前記アンテナから前記飛散発生部に至る空気流路では、空気流が横向きまたは上向きに流れるように構成されていることを特徴とする請求項2または3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記RFIDタグは、前記構成要素のうち交換可能な交換ユニットに対応して備えられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記交換ユニットは、前記画像形成部に含まれる中間転写ユニットまたは二次転写ユニットであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記空気流路は、該空気流路に飛散した現像材を捕捉して移動可能な空気流が発生するものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記用紙への現像後に用紙外に残存した現像材を回収する回収部を備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記RFIDタグは、前記構成要素に着脱可能に固定された取り付け部材に設けられていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記取り付け部材に、前記構成要素の状態を検知するセンサが設けられていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記構成要素が交換可能な中間転写ユニットであり、前記センサが前記中間転写ユニットに備えられる中間転写ベルトの幅方向ズレ量を両端でそれぞれ検知する対のセンサであることを特徴とする請求項10記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記空気流路は、前記構成要素のいずれかの排熱を兼ねるものであることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記排熱がなされる構成要素が定着ユニットであることを特徴とする請求項12記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記ファンは、前記画像形成装置本体に設けられた排気ファンまたは吸気ファンであることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2011−197434(P2011−197434A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−64479(P2010−64479)
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】