画像形成装置
【課題】生産性を向上させることができる画像形成装置を提供すること。
【解決手段】ロール紙を介して互いに対向配置された円形刃物からなるカッタを保持するとともにシート幅方向に移動可能なカッタユニットを有し、ロール紙を所定の長さに切断するシート切断装置と、ロール紙を搬送するシート搬送部と、シート搬送部およびカッタユニットを制御する制御部とを備え、カッタユニットがロール紙切断後、シート搬送経路に対してシート厚さ方向に退避した状態でシート幅方向に移動可能に構成されたインクジェット式記録装置において、制御部は、カッタユニットがシート厚さ方向に退避した状態でシート幅方向に移動している間にロール紙を搬送可能に制御する(ステップS15)。
【解決手段】ロール紙を介して互いに対向配置された円形刃物からなるカッタを保持するとともにシート幅方向に移動可能なカッタユニットを有し、ロール紙を所定の長さに切断するシート切断装置と、ロール紙を搬送するシート搬送部と、シート搬送部およびカッタユニットを制御する制御部とを備え、カッタユニットがロール紙切断後、シート搬送経路に対してシート厚さ方向に退避した状態でシート幅方向に移動可能に構成されたインクジェット式記録装置において、制御部は、カッタユニットがシート厚さ方向に退避した状態でシート幅方向に移動している間にロール紙を搬送可能に制御する(ステップS15)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロール状に巻かれたシートを任意の長さに切断するためのシート切断装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ロール状に巻かれた長尺のシート(以下、ロール紙という)を所定の搬送方向に搬送し、当該ロール紙上に画像を形成するタイプの画像形成装置が知られている。
【0003】
一般に、このような画像形成装置には、ロール紙の搬送方向と直交する幅方向にカッタを走行させて、ロール紙を所定の長さに切断するシート切断装置が搭載されている。この種のシート切断装置に使用されるカッタとしては、厚さや材質の異なる様々なシートを切断可能とするため、一対の円形刃物から構成されたものがある。特に近年では、このような円形刃物で構成されたカッタは、厚さや材質の異なる様々なシートを使用するインクジェット式の画像形成装置に多用されている。
【0004】
従来、上記のような一対の円形刃物から構成されたカッタを搭載したシート切断装置では、シート切断後、後続するシートの切断に備えるため、カッタを保持するカッタユニットを元の位置(ホームポジション)に戻す必要がある。このとき、カッタがシートを切断するために走行する往路とカッタをホームポジションに戻す復路とが同一経路であると、その復路においてカッタが既に切断済みのシートに接触し、カッタユニットの移動が妨げられる、いわゆるカットジャムなどの不具合を生じさせるおそれがあった。
【0005】
そこで、近年、このようなカットジャムなどの不具合を防止するため、一対の円形刃物から構成されたカッタの復路を往路に対して、切断後に2分割されたシートのうちカッタより搬送方向上流側に位置するシートの先端(後続するシートの先端)から搬送方向下流側に離間する位置に設け、カッタの往路と復路とでその経路が異なるようにしたシート切断装置を備えた画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。具体的には、カッタによる切断動作終了後、カッタユニットの走行を案内するガイド部材を支点にカッタユニットの姿勢を搬送方向下流側に傾かせることで、復路を移動するカッタの位置を往路におけるカッタの位置に対して搬送方向下流側に移動させている。
【0006】
この特許文献1に記載の画像形成装置では、復路においてカッタと切断済みのシートとの接触を回避することができ、カットジャムなどの不具合を防止することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述の特許文献1に記載の従来の画像形成装置にあっては、カッタの往路と復路とを異ならせることにより復路においてカッタと切断済みのシートとの接触を回避することができるが、カッタユニット自体はシートの搬送経路上に位置したままである。このため、カッタおよびカッタユニットをホームポジションに戻すまで、後続するシートを搬送することができず、生産性を向上させることができないという問題があった。
【0008】
本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、生産性を向上させることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る画像形成装置は、上記目的を達成するため、搬送経路上のシートを介して互いに対向配置された刃部からなるカッタと、前記カッタを保持するとともに前記シートの搬送方向と直交する幅方向に移動可能なカッタユニットとを有し、前記シートを所定の長さに切断するシート切断装置を備えた画像形成装置であって、前記シートを搬送する搬送手段と、前記搬送手段および前記カッタユニットを制御する制御手段と、を備え、前記カッタユニットは、シート切断後、前記搬送経路に対して前記搬送方向および前記幅方向と直交するシート厚さ方向に退避した状態で前記幅方向に移動可能に構成され、前記制御手段は、前記カッタユニットが前記シート厚さ方向に退避した状態で前記幅方向に移動している間に、前記シートを搬送可能に制御する構成を有する。
【0010】
この構成により、本発明は、カッタユニットがシート切断後に搬送経路に対してシート厚さ方向に退避した状態で幅方向に移動している間に、制御手段がシートを搬送可能に制御するので、シート切断後にカッタユニットが移動するときであっても、後続するシートを搬送することができ、生産性を向上させることができる。また、シート切断後に移動するカッタユニットが搬送経路から完全に退避しているので、搬送経路を幅方向に横断することがなく、カッタと切断済みのシートとの接触を回避でき、カットジャムなどの不具合も確実に防止することができる。
【0011】
また、本発明に係る画像形成装置において、前記シート切断装置は、前記カッタユニットの前記幅方向の移動をガイドするガイド部材を備え、前記ガイド部材は、前記カッタがシートを切断するよう前記カッタユニットを前記幅方向に移動させる第1経路と、前記シート厚さ方向に離隔して設けられ、シート切断後の前記カッタユニットを前記搬送経路に対して前記シート厚さ方向に退避した状態で前記幅方向に移動させる第2経路とを有する。
【0012】
この構成により、本発明は、シート切断後のカッタユニットを搬送経路に対してシート厚さ方向に退避した状態で幅方向に移動させることができる。
【0013】
また、本発明に係る画像形成装置において、インクを吐出することにより前記シートに画像を記録する記録ヘッドが搭載され、画像記録可能な最大シート幅の領域外に前記幅方向に互いに離隔して設けられた第1の位置と第2の位置との間で前記幅方向に移動可能に構成され、前記制御手段により前記幅方向の移動が制御されるキャリッジを備え、前記制御手段は、前記カッタがシートを切断するシート切断位置に前記シートのカット位置が達したとき、前記キャリッジが前記第1の位置に近接する位置にあるときには前記キャリッジを前記第1の位置に移動させ、前記キャリッジが前記第2の位置に近接する位置にあるときには前記キャリッジを前記第2の位置に移動させた後、前記カッタがシートを切断するよう前記カッタユニットを前記幅方向に移動させるシート切断動作を実行する構成を有する。
【0014】
この構成により、本発明は、シートのカット位置がシート切断位置に達したときのキャリッジの位置に応じて、制御手段が最大シート幅の領域外に設けられた第1の位置あるいは第2の位置のいずれか近い方にキャリッジを移動させる制御を実行するので、例えばシート切断時にキャリッジを一律にホームポジションに移動させる構成と比較してシート切断動作に移行する時間を短縮することができる。
【0015】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記第1の位置に、前記記録ヘッドの吐出性能の維持、回復のために前記記録ヘッドが空吐出を行う空吐出位置が設けられ、前記制御手段は、前記カッタユニットが前記空吐出位置に位置するとき、画像形成に寄与しないインク滴を吐出する空吐出動作と前記シート切断動作とを同時に実行可能である構成を有する。
【0016】
この構成により、本発明は、カッタユニットが空吐出位置にあるときには空吐出動作とシート切断動作とを同時に実行可能であるため、シート切断動作と空吐出動作とをそれぞれ独立して行う場合と比較して、これら動作にかかる時間を短縮することができ、生産性および利便性を向上させることができる。
【0017】
また、本発明に係る画像形成装置において、前記制御手段は、前記シートへの画像記録終了時、前記キャリッジを前記第2の位置に設けられた前記ホーム位置に移動させる構成を有する。
【発明の効果】
【0018】
本発明では、生産性を向上させることができる画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態に係るインクジェット式記録装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るインクジェット式記録装置の概略側面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るシート切断装置の概略構成を示す背面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るシート切断装置を示す図であって、(a)は、シート切断装置の一部断面を示す側面図であり、(b)は、シート切断装置の一部断面を示す上面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るカッタユニットがロール紙切断動作領域に復帰した状態を示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るカッタユニットの復路移行時の状態を示す説明図である。
【図7】本発明の実施の形態に係るカッタユニットの復路移行時の状態を示す一部断面側面図である。
【図8】本発明の実施の形態に係るカッタユニットの復路移動時の状態を示す説明図である。
【図9】本発明の実施の形態に係るカッタユニットが復路からホームポジションに復帰するための動作を示す説明図である。
【図10】本発明の実施の形態に係るカッタユニットのロール紙切断動作領域復帰時の状態を示す説明図である。
【図11】本発明の実施の形態に係るインクジェット式記録装置の制御構成を示す概略ブロック図である。
【図12】本発明の実施の形態に係るキャリッジおよびカッタユニットの移動領域を示す図である。
【図13】本発明の実施の形態に係る制御部で実行される2枚目以降の画像記録制御およびカッタユニットの移動制御を示す処理フロー図である。
【図14】図13に示す処理フロー実行時のロール紙の状態を説明する概略図である。
【図15】本発明の実施の形態に係るシート切断装置の変形例を示す概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0021】
図1〜図15は、本発明に係る画像形成装置の一実施の形態を示す図であり、画像形成装置をインクジェット式記録装置に適用した例を示している。
【0022】
図1に示すように、画像形成装置としてのインクジェット式記録装置1は、インクジェットヘッドをシートの幅方向に走査させながら画像を形成し、1回あるいは複数回の走査が終了した後にシートを搬送し、次の記録ラインを形成する、いわゆるシリアル型インクジェット式記録装置である。なお、シリアル型に限らず、複数のノズルが略シートの幅方向全域に形成され、幅方向への走査を行わずにシートを搬送しながら記録する、いわゆるライン型のインクジェット式記録装置にも適用可能である。
【0023】
インクジェット式記録装置1は、画像形成部2と、シート搬送部3と、ロール紙収納部4と、シート切断装置5と、制御部100(図11参照)とを含んで構成され、これら各部は装置本体1aの内部に配置されている。本実施の形態における制御部100は、本発明に係る制御手段を構成する。
【0024】
画像形成部2は、図示しない両側板にガイドロッド13およびガイドレール14が掛け渡され、これらのガイドロッド13およびガイドレール14にキャリッジ15が矢印A方向に摺動可能に保持されている。
【0025】
キャリッジ15には、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色のインク滴を吐出する記録ヘッド15a(図2参照)が搭載されている。各記録ヘッド15aには、図示を省略しているが、各記録ヘッド15aにインクを供給するサブタンクが一体的に設けられている。
【0026】
キャリッジ15は、主走査機構10によって主走査方向、すなわちシート幅方向(図中、矢印Aで示す方向)に移動走査されるようになっている。具体的には、キャリッジ15は、図12に示すように、画像記録可能なロール紙30の最大シート幅の領域外にシート幅方向に互いに離隔して設けられたキャリッジホーム位置(図12中、破線で示す位置)と空吐出位置(図12中、実線で示す位置)との間で、シート幅方向に移動可能に構成されている。以下、キャリッジ15のシート幅方向の移動領域をキャリッジ移動領域という。本実施の形態における空吐出位置は、本発明における第1の位置に相当し、キャリッジホーム位置は、本発明における第2の位置およびホーム位置に相当する。
【0027】
図1に戻り、主走査機構10は、シート幅方向の一方側に配置されるキャリッジ駆動モータ21と、キャリッジ駆動モータ21によって回転駆動される駆動プーリ22と、シート幅方向の他方側に配置された従動プーリ23と、駆動プーリ22と従動プーリ23との間に掛け回されたベルト部材24とを備えている。従動プーリ23は、図示しないテンションスプリングによって外方、すなわち駆動プーリ22に対して離間する方向にテンションがかけられている。ベルト部材24は、キャリッジ15の背面側に設けたベルト固定部に一部分が固定保持されていることで、シート幅方向にキャリッジ15を牽引する。
【0028】
また、キャリッジ15の主走査位置を検知するため、図示しないエンコーダシートがキャリッジ15のシート幅方向に沿って配置されている。キャリッジ15の主走査位置は、キャリッジ15に設けられたエンコーダセンサ103(図11参照)によってエンコーダシートが読取られることにより検知される。
【0029】
このキャリッジ15における主走査領域のうち、記録領域では、ロール紙30がシート搬送部3によってシート幅方向と直交する方向、すなわちシート搬送方向(図中、矢印Bで示す方向)に間欠的に搬送される。
【0030】
また、シート幅方向のキャリッジ移動領域外、または主走査領域のうち一方の端部側領域には、記録ヘッド15aのサブタンクに供給する各色のインクを収容したメインカートリッジ18が装置本体1aに対して着脱自在に装着されている。また、キャリッジ移動領域の他方の端部側、すなわち空吐出位置側(図12中、右側)には、図示を省略しているが、増粘したインクを排出するために画像記録に寄与しないインク滴を吐出させる空吐出動作を行うときのインク滴を受ける空吐出受けが設けられている。各記録ヘッド15aは、所定の条件成立時、吐出性能の維持、回復のために上記空吐出位置において空吐出を行うようになっている。
【0031】
さらに、キャリッジ移動領域の一方の端部側、すなわちキャリッジホーム位置側(図12中、左側)には、記録ヘッド15a(図2参照)の維持回復を行う維持回復機構19が配置されている。維持回復機構19は、図示を省略しているが、記録ヘッド15aの各ノズル面をキャッピングするための各キャップや、ノズル面をワイピングするためのブレード部材であるワイパーブレードなどを備えている。なお、装置の仕様によっては、例えば空吐出受けをキャリッジホーム位置側に設けて、キャップやワイパーブレードと同様に維持回復機構19に含めた構成としてもよいし、キャリッジホーム位置側および空吐出位置側の両方にそれぞれ空吐出受けを設ける構成であってもよい。
【0032】
ロール紙収容部4は、給紙手段であり、画像記録用のシートとしてロール紙30がセットされるようになっている。このロール紙収容部4には、シート幅方向のサイズが異なるロール紙がセット可能である。ロール紙30は、その紙軸に両側からフランジ31を装着し、このフランジ31をフランジ受け32に載置することによりロール紙収容部4に収容される。フランジ受け32の内部には、図示しない支持コロが設けられ、該支持コロがフランジ31の外周と当接することでフランジ31が回転し、ロール紙30がシート搬送経路に送り出される。
【0033】
図2に示すように、シート搬送部3は、給紙ローラ対33と、レジストローラ34およびレジスト加圧ローラ35と、これら各ローラを駆動する図示しない駆動モータなどからなる駆動部38(図11参照)とを備えている。給紙ローラ対33は、ロール紙収容部4からロール紙30をシート搬送経路に給紙するようになっている。レジストローラ34およびレジスト加圧ローラ35は、画像形成部2のシート搬送方向下流に設けられ、給紙されたロール紙30を画像形成部2を介してシート切断装置5に搬送するようになっている。本実施の形態における駆動部38を備えたシート搬送部3は、本発明に係る搬送手段を構成する。
【0034】
ロール紙収容部4から送り出されたシート30は、装置本体1aの後方(図中、右側)から前方(図中、左側)に向けて、シート搬送部3により画像形成部2の下部に位置する所定の記録領域へと搬送される。上記記録領域にロール紙30が搬送されると、キャリッジ15がシート幅方向に往復移動し、画像情報に応じて記録ヘッド15a(図3参照)によりインク滴が吐出される。さらに、ロール紙30を間欠的に搬送しながら記録ヘッド15aによるインク滴の吐出を繰り返し行うことにより、ロール紙上の各記録ラインに画像が形成される。最終的には、画像情報に応じた所望の画像がロール紙30上に形成される。
【0035】
画像形成後のロール紙30は、シート切断装置5によって所定の長さに切断され、図示しない排紙ローラを介して装置本体1aの前方側に配置された排紙トレイ(図示省略)に排出される。
【0036】
次に、図3〜図7を参照して、本実施の形態に係るシート切断装置5について、説明する。なお、図3は、装置本体1a(図1参照)の背面側からシート切断装置5を見た図である。
【0037】
図3に示すように、シート切断装置5は、画像形成部2のシート搬送方向下流側に配置され(図2参照)、カッタ50と、カッタユニット51と、ガイド部材52とを含んで構成されている。
【0038】
カッタ50は、ロール紙30を介して互いに対向配置された円形刃物50a、50bからなり、カッタユニット51に回転可能に保持されている。円形刃物50a、50bは、カッタユニット51のシート幅方向(図中、矢印Aで示す方向)の移動に応じて駆動力を得て回転するようになっている。すなわち、カッタ50は、円形刃物50a、50bが回転しながらロール紙30を切断するため、比較的厚さのあるロール紙などの切断にも対応できる。また、カッタ50は、円形刃物で構成されているため、固定刃のように所定箇所のみが集中して摩耗するといった不具合を防止することができる。なお、カッタ50を構成する円形刃物は、2枚に限らず、3枚以上で構成されていてもよい。本実施の形態における円形刃物50a、50bは、本発明に係る刃部を構成している。
【0039】
カッタユニット51は、図12に示すシート幅方向の移動領域(以下、カッタユニット移動領域という)内をシート幅方向に往復移動可能に構成されており、装置本体1a(図1参照)の他方側から一方側へ移動する往路ではカッタ50によりロール紙30を切断するようになっている。一方、カッタユニット51は、装置本体1a(図1参照)の一方側から他方側へ移動する復路ではシート搬送経路からシート厚さ方向、すなわち鉛直方向の下方に退避した状態で元の位置(以下、カッタホームポジションという)に移動するようになっている。このため、復路では、カッタユニット51がシート搬送経路から離隔し、シート搬送経路を塞ぐことがない。また、カッタユニット51は、カッタユニット移動領域の両端に設置されたマイクロスイッチなどの第1検出手段101、第2検出手段102により位置検出され、制御部100により制御される。本実施の形態における上記往路は、本発明に係る第1経路に相当し、上記復路は、本発明に係る第2経路に相当する。カッタユニット51の具体的な構成は、次の通りである。
【0040】
カッタユニット51は、駆動コロ51aと、従動コロ51bとを備えており、内部にカッタ50を保持している。駆動コロ51aは、装置本体1aのシート幅方向両側に設けられた一対のプーリ54に架け渡されたワイヤ55に接続されている。また、ワイヤ55は、カッタユニット駆動モータ57(図11参照)により回転するプーリ54を介して幅方向に回転移動するようになっている。したがって、駆動コロ51aは、ワイヤ55の回転移動に応じて後述する上ガイドレール61上を回転駆動するようになっている。カッタユニット51は、駆動コロ51aの回転駆動によりシート幅方向に移動可能とされる。従動コロ51bは、駆動コロ51aとシート幅方向に離間した位置に回転自在に設けられている。従動コロ51bは、カッタユニット51の往路では後述する上ガイドレール61上を移動し、復路では後述する下ガイドレール62上を移動するようになっている。すなわち、従動コロ51bは、カッタユニット51の移動に際し、上ガイドレール61および下ガイドレール62に対してカッタユニット51を位置決めする部材として機能する。なお、カッタユニット51の位置決め用の部材としては、従動コロ51bに限らず、例えば円弧状の突起であってもよい。
【0041】
また、カッタユニット51は、往路と復路との切換時、駆動コロ51aを支点に鉛直方向に回動するようになっている。これにより、カッタユニット51は、往路でロール紙30を切断する姿勢と、復路でシート搬送経路から退避した姿勢とが切り換わるようになっている。
【0042】
ここで、図4(a)に示すように、カッタユニット51は、キャリッジ15のシート搬送方向の幅内に配置されている。すなわち、カッタユニット移動領域とキャリッジ移動領域とが一部重複するようになっている。これにより、装置本体1aのシート搬送方向の幅が縮小される。ただし、本実施の形態においては、上記のような配置により、特にカッタユニット51の往路移動時にキャリッジ15と干渉しないように、カッタユニット51は、キャリッジ15がキャリッジホーム位置あるいは空吐出位置に位置するときに往路を移動するようになっている。このようなカッタユニット51の移動制御は、後述する制御部100により実行される。なお、図4(a)において矢印B方向に延在する破線は、シート搬送経路である。また、本実施の形態においては、図4(a)に示すように、カッタユニット51がキャリッジ15のシート搬送方向の幅内に配置される構成としたが、これに限らず、例えばキャリッジ15に対してカッタユニット51がシート搬送方向上流側あるいは下流側に離間した位置に配置される構成であってもよい。
【0043】
また、駆動コロ51aと従動コロ51bとは、互いにシート搬送方向(図中、矢印Bで示す方向)にずらして配置されている。具体的には、従動コロ51bが駆動コロ51aよりシート搬送方向の上流側に配置される。このため、駆動コロ51aを上ガイドレール61上に維持した状態で、従動コロ51bを上ガイドレール61と下ガイドレール62との間で移動させることができ、上述したカッタユニット51の回動を実現することができる。
【0044】
さらに、図3に示すように、カッタユニット51は、シート搬送経路に対して鉛直方向に所定の角度で傾斜した傾斜面51cを有している。この傾斜面51cの傾斜角度は、カッタユニット51が復路を移動する際にシート搬送経路と平行となる角度に設定されている。
【0045】
図3に示すように、ガイド部材52は、カッタユニット51のシート幅方向の移動をガイドする部材であって、シート幅方向に延在し、少なくともシート搬送幅よりも長く設定された上ガイドレール61と、上ガイドレール61に対してシート搬送経路より鉛直方向の下方に離間した下ガイドレール62とを備えている。ガイド部材52は、上ガイドレール61上にカッタユニット51の往路を形成し、下ガイドレール62上にカッタユニット51の復路を形成している。上ガイドレール61と下ガイドレール62とは、同一部材で構成したが、これに限らず、それぞれ別部材で構成してもよい。
【0046】
上ガイドレール61は、図4(a)、図4(b)に示すように、シート搬送方向に並列に、駆動コロ51aをシート幅方向に案内する駆動コロ案内領域61aと、カッタユニット51が往路を移動するよう従動コロ51bを案内する従動コロ案内領域61bとを有している。駆動コロ案内領域61aと従動コロ案内領域61bとは、上ガイドレール61の同一レールで構成したが、これに限らず、それぞれ別のレールで構成してもよい。
【0047】
従動コロ案内領域61bのシート幅方向の一方側には、カッタユニット51の経路を往路から復路に切り換えるための第1連通路61cが形成されている。第1連通路61cは、図6に示すように、上ガイドレール61上の往路と下ガイドレール62上の復路とを連通するよう上ガイドレール61に形成されている。具体的には、上ガイドレール61がシート幅方向の一方側の所定箇所で切り欠かれるとともに、切り欠かれた端部が下方に向けて所定の角度で傾斜するよう折り曲げられることにより第1連通路61cが形成される。これにより、従動コロ51bは、ロール紙切断後、上ガイドレール61から下ガイドレール62に移動可能となる。また、第1連通路61cに隣接する上ガイドレール61の下方側端部61dは、復路を移動する従動コロ51bとの接触を避けるため、上方に折り曲げられている。
【0048】
一方で、図5に示すように、従動コロ案内領域61bのシート幅方向の他方側には、移動機構70が設けられている。移動機構70は、カッタユニット51が図10の実線で示すホームポジションからシート幅方向の他方に移動したとき、従動コロ51bを下ガイドレール62から上ガイドレール61に移動させる、すなわちカッタユニット51をロール紙切断動作領域に復帰させるための機構である。
【0049】
移動機構70は、下ガイドレール62上の復路と上ガイドレール61上の往路とを連通させる第2連通路61eと、第2連通路61eに隣接して上ガイドレール61に設けられた切換爪71とを有している。
【0050】
第2連通路61eは、上ガイドレール61の他方側の所定箇所が切り欠かれることにより形成されている(図4(b)参照)。
【0051】
切換爪71は、復路と上記第2連通路61eとの間で回動自在に設けられ、先端部が下ガイドレール62に当接するよう、図示しないコイルばねなどの付勢部材により常時、下方側に付勢されている。したがって、図9に示すように、切換爪71は、カッタユニット51が復路をシート幅方向の他方側に移動する際に、従動コロ51bが接触することにより図中破線で示す通り、付勢部材の付勢力に抗して上方に回動するようになっている。そして、この状態から従動コロ51bがさらにシート幅方向の他方側に移動すると、切換爪71は、従動コロ51bとの接触が解除され、付勢部材により元の位置すなわち図中実線で示す位置に復帰するようになっている。さらに、切換爪71は、図9中、実線で示す位置においては所定の角度で傾斜している。これにより、図10に示すように、カッタユニット51が復路から往路に復帰する際に、切換爪71を介して従動コロ51bを下ガイドレール62から上ガイドレール61に移動させることができる。なお、切換爪71は、板バネで構成されていてもよい。この場合には、上記付勢部材が不要となる。
【0052】
下ガイドレール62は、復路を移動するカッタユニット51の従動コロ51bを案内するようになっている。
【0053】
次に、図5〜図10を参照して、シート切断装置5の動作について説明する。
【0054】
まず、図10に示すように、ロール紙30の切断前においては、カッタユニット51は、シート幅方向の他方側のカッタホームポジション(図10中、実線で示す位置)に位置している。次いで、シート切断の指示を受けると、カッタユニット51は、ワイヤ55(図3参照)を介して駆動コロ51aが回転駆動することにより、カッタホームポジションからロール紙切断動作領域(図10中、破線で示す位置)に移動した後、往路をシート幅方向の一方側に移動する。このとき、カッタユニット51の移動に応じてカッタ50により、ロール紙30が切断される。
【0055】
次いで、図6に示すように、カッタユニット51がシート搬送経路を横断して往路をシート幅方向の一方まで移動すると、ロール紙30の切断が終了する。そして、シート幅方向の一方に移動したカッタユニット51は、その移動経路を往路から復路へと切り換えるべく、駆動コロ51aを支点に鉛直方向の下方に自重により回動する。具体的には、上ガイドレール61上を移動していた従動コロ51bが第1連通路61cに達し、従動コロ51bが第1連通路61cを介して上ガイドレール61から下ガイドレール62に移動する。このとき、図7に示すように、駆動コロ51aは上ガイドレール61上に維持されたまま、従動コロ51bのみがカッタユニット51の自重により下ガイドレール62に移動する。これにより、図中、破線で示すシート搬送経路と重なっていたカッタユニット51が回動し、復路を移動可能な姿勢、すなわちシート搬送経路から退避した姿勢(図6中、破線で示す姿勢)となる。
【0056】
その後、カッタユニット移動領域の一方の端部に設けられた第1検出手段101(図12参照)による位置検出に基づき、ワイヤ55(図3参照)の駆動が逆転され、駆動コロ51aの回転駆動が往路のときと逆の回転駆動とされる。これにより、図8に示すように、カッタユニット51は、シート搬送経路から退避した姿勢で復路をシート幅方向の他方側に向けて移動する。このとき、傾斜面51cがシート搬送経路と平行であり、往路のときと異なりカッタユニット51がシート搬送経路から下方に退避している。このため、カッタユニット51が復路を移動中であっても、シート搬送経路を介してロール紙30を搬送可能である。
【0057】
次いで、図9に示すように、カッタユニット51がシート幅方向の他方側に移動し、移動機構70の近傍まで来ると、従動コロ51bが切換爪71に接触する。そして、従動コロ51bは、カッタユニット51の移動に応じて図中、破線で示すように切換爪71を押し上げ、復路側(図9中、切換爪71の右側)からシート幅方向の他方側すなわち第2連通路61e側(図9中、切換爪71の左側)に移動する。従動コロ51bが第2連通路61e側に移動すると、切換爪71は従動コロ51bとの接触が解除され、付勢部材により元の位置すなわち図中実線で示す位置に復帰する。
【0058】
これにより、カッタユニット51のシート幅方向の一連の往復動作が終了する。また、後続するロール紙30がある場合には、上述した一連の往復動作を繰り返し実行する。
【0059】
次に、図11を参照して、制御部100の構成について説明する。
【0060】
図11に示すように、制御部100には、上述した第1検出手段101、第2検出手段102、エンコーダセンサ103、記録ヘッド15a、キャリッジ駆動モータ21、駆動部38、カッタユニット駆動モータ57、操作表示部105がそれぞれ接続されている。制御部100は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェースなどを備えるマイクロコンピュータを含んで構成されている。なお、本実施の形態においては、1つの制御部100により各種モータなどを制御する構成としたが、これに限らず、制御部100をそれぞれ制御対象の異なる2以上の制御部から構成してもよい。例えば、制御部100が、記録ヘッド15aやキャリッジ駆動モータ21および駆動部38などを制御する第1制御部と、カッタユニット駆動モータ57を制御する第2制御部とから構成されていてもよい。さらに、上記第1制御部が記録ヘッド15aおよびキャリッジ駆動モータ21を制御する画像形成用制御部と、駆動部38を制御する搬送用制御部とから構成されるものであってもよい。
【0061】
第1検出手段101は、図12に示すカッタユニット移動領域の一方の端部(図12中、右側端部)に配置され、カッタユニット51がカッタユニット移動領域の一方の端部に達したことを検出するようになっている。第2検出手段102は、カッタユニット移動領域の他方の端部(図12中、左側端部)に配置され、カッタユニット51がカッタユニット移動領域の他方の端部に達したことを検出するようになっている。エンコーダセンサ103は、上述した通り、キャリッジ15に設けられ、図示しないエンコーダシートを読み取ることによりキャリッジ15の主走査位置を検知するようになっている。これら各検出手段からの検出結果を示す信号は、制御部100に入力されるようになっている。
【0062】
操作表示部105は、装置本体1a(図1参照)の所定箇所に配置され、ユーザからの動作要求の指示を受け付けたり、ユーザへのメッセージ(エラーメッセージを含む)等の表示を行うようになっている。
【0063】
制御部100は、外部の情報処理装置などから転送される画像情報等に基づいてロール紙30に画像を記録するためのデータを生成し、このデータを記録ヘッド15aに出力し、記録ヘッド15aを駆動制御するようになっている。また、制御部100は、記録ヘッド15aの駆動制御と併せて、キャリッジ駆動モータ21および駆動部38を制御するようになっている。このように、制御部100は、記録ヘッド15a、キャリッジ駆動モータ21および駆動部38を制御することにより、所定のタイミングでインク滴を吐出させ、ロール紙30の記録領域に画像を記録する。
【0064】
制御部100は、エンコーダセンサ103からの入力信号に基づき、キャリッジ15がキャリッジホーム位置または空吐出位置に位置すると判断したとき、ロール紙30(図2参照)を切断するよう往路を介してカッタユニット51(図3参照)をシート幅方向の一方に移動させるシート切断動作を実行するようになっている。
【0065】
また、制御部100は、上記シート切断動作の実行後、カッタユニット51(図3参照)が第1検出手段101により検出されると、カッタユニット駆動モータ57を逆転駆動し、カッタユニット51をシート搬送経路から退避した状態で復路上をシート幅方向の他方に移動させるようになっている。このとき、制御部100は、カッタユニット51の復路移動と同時にロール紙30(図2参照)をシート搬送方向下流に向けて搬送可能なように駆動部38を制御する。したがって、カッタユニット51が復路を移動している間に、例えば画像記録のためにロール紙30を搬送することが可能となる。
【0066】
また、制御部100は、予め定められた非稼働ノズルの経過時間を経過したか否かを判断し、経過したと判断した場合には空吐出位置において空吐出動作を実行するようになっている。このとき、制御部100は、カッタ50がロール紙30を切断するシート切断位置(以下、カッタ位置という)にロール紙30のカット位置(以下、シートカット位置という)が達している場合には、上記空吐出動作と同時に上記シート切断動作を実行可能となっている。なお、上記空吐出動作は、各ノズルの記録回数が所定の記録回数に達したタイミングで実行するようにしてもよい。
【0067】
次に、図13、図14を参照して、制御部100において実行される画像記録制御およびカッタユニット51の移動制御について説明する。図13に示す画像記録制御は、1枚目の画像記録(以下、印字ともいう)に続いて実行される2枚目以降の画像記録制御を示すものである。また、図14においては、説明の便宜上、簡略する目的で1枚目と2枚目の間に余白領域等を設けていないが、実際には所定の余白領域等が設けられる。また、本実施の形態においては、図14に示すように、キャリッジ15の一度の移動走査により印字幅L0分だけの画像を印字可能な印字モードを例に説明する。
【0068】
図13に示すように、制御部100は、1枚目の印字終了後、2枚目の印字要求があるか否かを判断する(ステップS1)。2枚目の印字要求がない場合には、制御部100は、ロール紙30のシートカット位置がカッタ位置に到達するまでロール紙30を搬送(図14(c)参照)した後、シート切断動作を実行して(ステップS2)、本処理を終了する。
【0069】
一方、2枚目の印字要求がある場合には、制御部100は、2枚目の印字開始位置までロール紙30を搬送する(ステップS3)。次いで、制御部100は、キャリッジ15を移動走査して1記録ライン分の画像を記録(印字)し(ステップS4)、その後キャリッジ15を停止させる(ステップS5)。このとき、ロール紙30は、ステップS3において図14(a)に示す位置から図14(b)に示す位置まで搬送され、ステップS4において2枚目に1記録ライン分の画像が印字される。
【0070】
次いで、制御部100は、次の搬送(次搬送)でロール紙30上のシートカット位置がカッタ位置を越えるか否かを判断する(ステップS6)。次搬送でシートカット位置がカッタ位置を越えないと判断した場合には、制御部100は、シートカット位置とカッタ位置とが一致するか否かを判断する(ステップS7)。すなわち、ステップS3の搬送でシートカット位置が丁度カッタ位置に達したか否かを判断する。シートカット位置とカッタ位置とが一致しないと判断した場合には、制御部100は、改行のために再度ロール紙30を搬送した(ステップS8)後、ステップS4に戻り、次の記録ラインに対してキャリッジ15を移動走査して、画像を印字する。
【0071】
ステップS7において、シートカット位置とカッタ位置とが一致すると判断した場合(図14(c)参照)には、制御部100は、次の記録ラインに対してキャリッジ15を移動走査して画像を印字した(ステップS9)後、ステップS11に移行する。
【0072】
一方で、ステップS6において、次搬送でシートカット位置がカッタ位置を越えると判断した場合には、シートカット位置とカッタ位置とが一致するようロール紙30を搬送する(ステップS10)。具体的には、制御部100は、予め定められた搬送量(以下、規定搬送量Sという)でロール紙30を搬送すると、シートカット位置がカッタ位置を越えてしまう場合には、例えば規定搬送量Sを、現在のシートカット位置からカッタ位置までの距離L1(図14参照)に対応する搬送量S1と、規定量搬送量Sから前述の搬送量S1を差し引いた搬送量S2(=S−S1)とに分割し、先に搬送量S1でロール紙30を搬送する。これにより、シートカット位置がカッタ位置に一致するようになる。この場合、次の搬送では、ロール紙30の搬送量は、搬送量S2となる。
【0073】
次いで、制御部100は、エンコーダセンサ103(図11参照)の検出結果に基づき、ステップS4あるいはステップS9での移動走査後のキャリッジ15が空吐出位置側にあるか否かを判断する(ステップS11)。換言すれば、制御部100は、キャリッジ15が空吐出位置に近接する位置にあるのか、あるいはキャリッジホーム位置に近接する位置にあるのかを判断する。キャリッジ15が空吐出位置側に位置すると判断した場合には、制御部100は、キャリッジ15を空吐出位置に移動させる(ステップS12)。これに対して、キャリッジ15が空吐出位置側に位置しない、すなわちキャリッジ15がキャリッジホーム位置側に位置すると判断した場合には、制御部100は、キャリッジ15をキャリッジホーム位置に移動させる(ステップS13)。つまり、キャリッジ15は、上記ステップS12あるいはステップS13においてシート最大幅の領域外に退避した状態となる。これにより、カッタユニット51がキャリッジ15と干渉することなく、往路を移動可能な状態となる。
【0074】
次いで、制御部100は、カッタユニット駆動モータ57を正転駆動することにより、カッタユニット51を駆動して往路上を移動させ、シート切断動作を実行する(ステップS14)。これにより、図14(d)に示す通り、1枚目がロール紙30から切断される。
【0075】
そして、制御部100は、カッタユニット51が第1検出手段101(図12参照)により検出されると、カッタユニット駆動モータ57を逆転駆動し、カッタユニット51をシート搬送経路から退避した状態で復路上を移動させる。同時に、すなわちカッタユニット51の復路移動中に、制御部100は、ロール紙30を次の印字位置(図14(d)、(e)参照)に搬送する(ステップS15)。従来、カッタユニットが復路を移動する際には、カッタユニットがシート搬送経路上に位置したままであり、カッタユニットをカッタホームポジションに戻すまで上記ステップS15のようなロール紙の搬送を行うことができなかった。これに対し、本実施の形態においては、カッタユニット51が復路を移動する際にはシート搬送経路から退避しているので、上記ステップS15のようなロール紙の搬送を行うことが可能となる。
【0076】
次に、制御部100は、キャリッジ15を移動走査して、図14(e)に示すように、1記録ライン分の画像を記録(印字)する(ステップS16)。その後、制御部100は、ロール紙30を間欠的に搬送(間欠駆動)しながら記録ヘッド15aによる印字動作を実行する(ステップS17)。次いで、制御部100は、2枚目の印字が終了したか否かを判断し(ステップS18)、印字が終了していない場合にはステップS17に戻り、繰り返し印字動作を実行する。一方、印字が終了したと判断した場合には、制御部100は、次の印字要求があるか否かを判断し(ステップS19)、次の印字要求がない場合には本処理を終了する。次の印字要求がある場合には、制御部100は、ステップS1に戻り、以降のステップを繰り返し実行する。
【0077】
以上のように、本実施の形態に係るインクジェット式記録装置1は、カッタユニット51がロール紙30の切断後にシート搬送経路に対してシート厚さ方向に退避した状態でシート幅方向に移動している間に、制御部100がロール紙30を搬送可能に制御するので、ロール紙30の切断後にカッタユニット51が移動するときであっても、後続するロール紙30を搬送することができ、生産性を向上させることができる。また、ロール紙30の切断後に移動するカッタユニット51がシート搬送経路から完全に退避しているので、シート搬送経路をシート幅方向に横断することがなく、カッタ50と切断済みのロール紙30との接触を回避でき、カットジャムなどの不具合を確実に防止することができる。
【0078】
また、本実施の形態に係るインクジェット式記録装置1は、キャリッジ15がキャリッジホーム位置または空吐出位置に位置するとき、制御部100がシート切断動作を実行するので、カッタユニット移動領域とキャリッジ移動領域とが重なる構成であっても、キャリッジ15とカッタユニット51とが干渉することなくシート切断動作を行うことができる。
【0079】
また、本実施の形態に係るインクジェット式記録装置1は、シートカット位置がカッタ位置に達したときのキャリッジ15の位置に応じて、制御部100がキャリッジホーム位置あるいは空吐出位置のいずれか近い方にキャリッジ15を移動させる制御を実行するので、例えばシート切断時にキャリッジを一律にホームポジションに移動させる構成と比較してシート切断動作に移行する時間を短縮することができる。
【0080】
また、本実施の形態に係るインクジェット式記録装置1は、カッタユニット51が空吐出位置にあるときには、制御部100が空吐出動作とシート切断動作とを同時に実行可能であるため、シート切断動作と空吐出動作とをそれぞれ独立して行う場合と比較して、これら動作にかかる時間を短縮することができ、生産性および利便性を向上させることができる。
【0081】
なお、本実施の形態に係るカッタユニット51においては、駆動コロ51aをシート幅方向の一方側に設け、従動コロ51bをシート幅方向の他方側に設けたが、これに限らず、例えば駆動コロ51aと従動コロ51bの配置を入れ替えた構成としてもよい。この場合、カッタユニット51の回動方向も本実施の形態と逆になる。したがって、傾斜面51cの配置も上記回動方向に応じて変更される。
【0082】
また、本実施の形態においては、図13に示す処理において、制御部100は、シートカット位置がカッタ位置に達したときのキャリッジ15の位置に応じて、キャリッジホーム位置あるいは空吐出位置のいずれか近い方にキャリッジ15を移動させる制御としたが、これに限らず、例えばキャリッジ15の位置に関わらず、キャリッジ15を一律にキャリッジホーム位置もしくは空吐出位置に移動させるよう制御してもよい。
【0083】
また、本実施の形態においては、ガイド部材52をシート搬送経路の下方に配置した構成としたが、これに限らず、例えば図15に示すように、ガイド部材152をシート搬送経路の上方に配置する構成であってもよい。この場合、カッタユニット151の往路は、下ガイドレール162上に設けられ、復路は、上ガイドレール161上に設けられる。したがって、カッタユニット151は、シート切断動作時に往路上を移動した後、本実施の形態における移動機構70に相当する図示しない移動機構を介して従動コロ151bが上ガイドレール161上に移動する。これにより、カッタユニット151は、シート搬送経路から退避した姿勢となり、復路上を移動可能となる。復路上を移動したカッタユニット151は、本実施の形態における第1連通路61cに相当する図示しない連通路を介して従動コロ151bが下ガイドレール162上に移動することにより、シート切断可能な姿勢となる。このような構成とすることにより、上記構成においても本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0084】
また、本実施の形態および図15に示す構成においては、カッタユニット51が鉛直方向の下方あるいは上方に退避する構成としたが、例えばシート切断装置5が装置本体1aに対して水平に設置されていない場合には、シート切断装置5の傾きに応じてロール紙30の厚さ方向に退避する構成としてもよい。
【0085】
また、本実施の形態においては、カッタユニット51の姿勢を往路と復路とで切り換えることによりシート搬送経路から退避した状態で復路を移動可能な構成としたが、これに限らず、例えばガイド部材52を鉛直方向に昇降可能なラックピニオン形式の昇降手段を設けて、この昇降手段によりガイド部材52を昇降させることで、カッタユニット51の移動経路を往路と復路とで切り換えるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0086】
以上のように、本発明に係る画像形成装置は、生産性を向上させることができるという効果を有し、ロール状に巻かれたシートを任意の長さに切断するシート切断装置を備えたプリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置等として有用である。
【符号の説明】
【0087】
1 インクジェット式記録装置(画像形成装置)
3 シート搬送部(搬送手段)
5 シート切断装置
15 キャリッジ
15a 記録ヘッド
30 ロール紙(シート)
50 カッタ
50a、50b 円形刃物(刃部)
51、151 カッタユニット
52、152 ガイド部材
61、161 上ガイドレール
62、162 下ガイドレール
100 制御部(制御手段)
103 エンコーダセンサ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0088】
【特許文献1】特開2009−214200号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロール状に巻かれたシートを任意の長さに切断するためのシート切断装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ロール状に巻かれた長尺のシート(以下、ロール紙という)を所定の搬送方向に搬送し、当該ロール紙上に画像を形成するタイプの画像形成装置が知られている。
【0003】
一般に、このような画像形成装置には、ロール紙の搬送方向と直交する幅方向にカッタを走行させて、ロール紙を所定の長さに切断するシート切断装置が搭載されている。この種のシート切断装置に使用されるカッタとしては、厚さや材質の異なる様々なシートを切断可能とするため、一対の円形刃物から構成されたものがある。特に近年では、このような円形刃物で構成されたカッタは、厚さや材質の異なる様々なシートを使用するインクジェット式の画像形成装置に多用されている。
【0004】
従来、上記のような一対の円形刃物から構成されたカッタを搭載したシート切断装置では、シート切断後、後続するシートの切断に備えるため、カッタを保持するカッタユニットを元の位置(ホームポジション)に戻す必要がある。このとき、カッタがシートを切断するために走行する往路とカッタをホームポジションに戻す復路とが同一経路であると、その復路においてカッタが既に切断済みのシートに接触し、カッタユニットの移動が妨げられる、いわゆるカットジャムなどの不具合を生じさせるおそれがあった。
【0005】
そこで、近年、このようなカットジャムなどの不具合を防止するため、一対の円形刃物から構成されたカッタの復路を往路に対して、切断後に2分割されたシートのうちカッタより搬送方向上流側に位置するシートの先端(後続するシートの先端)から搬送方向下流側に離間する位置に設け、カッタの往路と復路とでその経路が異なるようにしたシート切断装置を備えた画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。具体的には、カッタによる切断動作終了後、カッタユニットの走行を案内するガイド部材を支点にカッタユニットの姿勢を搬送方向下流側に傾かせることで、復路を移動するカッタの位置を往路におけるカッタの位置に対して搬送方向下流側に移動させている。
【0006】
この特許文献1に記載の画像形成装置では、復路においてカッタと切断済みのシートとの接触を回避することができ、カットジャムなどの不具合を防止することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述の特許文献1に記載の従来の画像形成装置にあっては、カッタの往路と復路とを異ならせることにより復路においてカッタと切断済みのシートとの接触を回避することができるが、カッタユニット自体はシートの搬送経路上に位置したままである。このため、カッタおよびカッタユニットをホームポジションに戻すまで、後続するシートを搬送することができず、生産性を向上させることができないという問題があった。
【0008】
本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、生産性を向上させることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る画像形成装置は、上記目的を達成するため、搬送経路上のシートを介して互いに対向配置された刃部からなるカッタと、前記カッタを保持するとともに前記シートの搬送方向と直交する幅方向に移動可能なカッタユニットとを有し、前記シートを所定の長さに切断するシート切断装置を備えた画像形成装置であって、前記シートを搬送する搬送手段と、前記搬送手段および前記カッタユニットを制御する制御手段と、を備え、前記カッタユニットは、シート切断後、前記搬送経路に対して前記搬送方向および前記幅方向と直交するシート厚さ方向に退避した状態で前記幅方向に移動可能に構成され、前記制御手段は、前記カッタユニットが前記シート厚さ方向に退避した状態で前記幅方向に移動している間に、前記シートを搬送可能に制御する構成を有する。
【0010】
この構成により、本発明は、カッタユニットがシート切断後に搬送経路に対してシート厚さ方向に退避した状態で幅方向に移動している間に、制御手段がシートを搬送可能に制御するので、シート切断後にカッタユニットが移動するときであっても、後続するシートを搬送することができ、生産性を向上させることができる。また、シート切断後に移動するカッタユニットが搬送経路から完全に退避しているので、搬送経路を幅方向に横断することがなく、カッタと切断済みのシートとの接触を回避でき、カットジャムなどの不具合も確実に防止することができる。
【0011】
また、本発明に係る画像形成装置において、前記シート切断装置は、前記カッタユニットの前記幅方向の移動をガイドするガイド部材を備え、前記ガイド部材は、前記カッタがシートを切断するよう前記カッタユニットを前記幅方向に移動させる第1経路と、前記シート厚さ方向に離隔して設けられ、シート切断後の前記カッタユニットを前記搬送経路に対して前記シート厚さ方向に退避した状態で前記幅方向に移動させる第2経路とを有する。
【0012】
この構成により、本発明は、シート切断後のカッタユニットを搬送経路に対してシート厚さ方向に退避した状態で幅方向に移動させることができる。
【0013】
また、本発明に係る画像形成装置において、インクを吐出することにより前記シートに画像を記録する記録ヘッドが搭載され、画像記録可能な最大シート幅の領域外に前記幅方向に互いに離隔して設けられた第1の位置と第2の位置との間で前記幅方向に移動可能に構成され、前記制御手段により前記幅方向の移動が制御されるキャリッジを備え、前記制御手段は、前記カッタがシートを切断するシート切断位置に前記シートのカット位置が達したとき、前記キャリッジが前記第1の位置に近接する位置にあるときには前記キャリッジを前記第1の位置に移動させ、前記キャリッジが前記第2の位置に近接する位置にあるときには前記キャリッジを前記第2の位置に移動させた後、前記カッタがシートを切断するよう前記カッタユニットを前記幅方向に移動させるシート切断動作を実行する構成を有する。
【0014】
この構成により、本発明は、シートのカット位置がシート切断位置に達したときのキャリッジの位置に応じて、制御手段が最大シート幅の領域外に設けられた第1の位置あるいは第2の位置のいずれか近い方にキャリッジを移動させる制御を実行するので、例えばシート切断時にキャリッジを一律にホームポジションに移動させる構成と比較してシート切断動作に移行する時間を短縮することができる。
【0015】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記第1の位置に、前記記録ヘッドの吐出性能の維持、回復のために前記記録ヘッドが空吐出を行う空吐出位置が設けられ、前記制御手段は、前記カッタユニットが前記空吐出位置に位置するとき、画像形成に寄与しないインク滴を吐出する空吐出動作と前記シート切断動作とを同時に実行可能である構成を有する。
【0016】
この構成により、本発明は、カッタユニットが空吐出位置にあるときには空吐出動作とシート切断動作とを同時に実行可能であるため、シート切断動作と空吐出動作とをそれぞれ独立して行う場合と比較して、これら動作にかかる時間を短縮することができ、生産性および利便性を向上させることができる。
【0017】
また、本発明に係る画像形成装置において、前記制御手段は、前記シートへの画像記録終了時、前記キャリッジを前記第2の位置に設けられた前記ホーム位置に移動させる構成を有する。
【発明の効果】
【0018】
本発明では、生産性を向上させることができる画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態に係るインクジェット式記録装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るインクジェット式記録装置の概略側面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るシート切断装置の概略構成を示す背面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るシート切断装置を示す図であって、(a)は、シート切断装置の一部断面を示す側面図であり、(b)は、シート切断装置の一部断面を示す上面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るカッタユニットがロール紙切断動作領域に復帰した状態を示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るカッタユニットの復路移行時の状態を示す説明図である。
【図7】本発明の実施の形態に係るカッタユニットの復路移行時の状態を示す一部断面側面図である。
【図8】本発明の実施の形態に係るカッタユニットの復路移動時の状態を示す説明図である。
【図9】本発明の実施の形態に係るカッタユニットが復路からホームポジションに復帰するための動作を示す説明図である。
【図10】本発明の実施の形態に係るカッタユニットのロール紙切断動作領域復帰時の状態を示す説明図である。
【図11】本発明の実施の形態に係るインクジェット式記録装置の制御構成を示す概略ブロック図である。
【図12】本発明の実施の形態に係るキャリッジおよびカッタユニットの移動領域を示す図である。
【図13】本発明の実施の形態に係る制御部で実行される2枚目以降の画像記録制御およびカッタユニットの移動制御を示す処理フロー図である。
【図14】図13に示す処理フロー実行時のロール紙の状態を説明する概略図である。
【図15】本発明の実施の形態に係るシート切断装置の変形例を示す概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0021】
図1〜図15は、本発明に係る画像形成装置の一実施の形態を示す図であり、画像形成装置をインクジェット式記録装置に適用した例を示している。
【0022】
図1に示すように、画像形成装置としてのインクジェット式記録装置1は、インクジェットヘッドをシートの幅方向に走査させながら画像を形成し、1回あるいは複数回の走査が終了した後にシートを搬送し、次の記録ラインを形成する、いわゆるシリアル型インクジェット式記録装置である。なお、シリアル型に限らず、複数のノズルが略シートの幅方向全域に形成され、幅方向への走査を行わずにシートを搬送しながら記録する、いわゆるライン型のインクジェット式記録装置にも適用可能である。
【0023】
インクジェット式記録装置1は、画像形成部2と、シート搬送部3と、ロール紙収納部4と、シート切断装置5と、制御部100(図11参照)とを含んで構成され、これら各部は装置本体1aの内部に配置されている。本実施の形態における制御部100は、本発明に係る制御手段を構成する。
【0024】
画像形成部2は、図示しない両側板にガイドロッド13およびガイドレール14が掛け渡され、これらのガイドロッド13およびガイドレール14にキャリッジ15が矢印A方向に摺動可能に保持されている。
【0025】
キャリッジ15には、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色のインク滴を吐出する記録ヘッド15a(図2参照)が搭載されている。各記録ヘッド15aには、図示を省略しているが、各記録ヘッド15aにインクを供給するサブタンクが一体的に設けられている。
【0026】
キャリッジ15は、主走査機構10によって主走査方向、すなわちシート幅方向(図中、矢印Aで示す方向)に移動走査されるようになっている。具体的には、キャリッジ15は、図12に示すように、画像記録可能なロール紙30の最大シート幅の領域外にシート幅方向に互いに離隔して設けられたキャリッジホーム位置(図12中、破線で示す位置)と空吐出位置(図12中、実線で示す位置)との間で、シート幅方向に移動可能に構成されている。以下、キャリッジ15のシート幅方向の移動領域をキャリッジ移動領域という。本実施の形態における空吐出位置は、本発明における第1の位置に相当し、キャリッジホーム位置は、本発明における第2の位置およびホーム位置に相当する。
【0027】
図1に戻り、主走査機構10は、シート幅方向の一方側に配置されるキャリッジ駆動モータ21と、キャリッジ駆動モータ21によって回転駆動される駆動プーリ22と、シート幅方向の他方側に配置された従動プーリ23と、駆動プーリ22と従動プーリ23との間に掛け回されたベルト部材24とを備えている。従動プーリ23は、図示しないテンションスプリングによって外方、すなわち駆動プーリ22に対して離間する方向にテンションがかけられている。ベルト部材24は、キャリッジ15の背面側に設けたベルト固定部に一部分が固定保持されていることで、シート幅方向にキャリッジ15を牽引する。
【0028】
また、キャリッジ15の主走査位置を検知するため、図示しないエンコーダシートがキャリッジ15のシート幅方向に沿って配置されている。キャリッジ15の主走査位置は、キャリッジ15に設けられたエンコーダセンサ103(図11参照)によってエンコーダシートが読取られることにより検知される。
【0029】
このキャリッジ15における主走査領域のうち、記録領域では、ロール紙30がシート搬送部3によってシート幅方向と直交する方向、すなわちシート搬送方向(図中、矢印Bで示す方向)に間欠的に搬送される。
【0030】
また、シート幅方向のキャリッジ移動領域外、または主走査領域のうち一方の端部側領域には、記録ヘッド15aのサブタンクに供給する各色のインクを収容したメインカートリッジ18が装置本体1aに対して着脱自在に装着されている。また、キャリッジ移動領域の他方の端部側、すなわち空吐出位置側(図12中、右側)には、図示を省略しているが、増粘したインクを排出するために画像記録に寄与しないインク滴を吐出させる空吐出動作を行うときのインク滴を受ける空吐出受けが設けられている。各記録ヘッド15aは、所定の条件成立時、吐出性能の維持、回復のために上記空吐出位置において空吐出を行うようになっている。
【0031】
さらに、キャリッジ移動領域の一方の端部側、すなわちキャリッジホーム位置側(図12中、左側)には、記録ヘッド15a(図2参照)の維持回復を行う維持回復機構19が配置されている。維持回復機構19は、図示を省略しているが、記録ヘッド15aの各ノズル面をキャッピングするための各キャップや、ノズル面をワイピングするためのブレード部材であるワイパーブレードなどを備えている。なお、装置の仕様によっては、例えば空吐出受けをキャリッジホーム位置側に設けて、キャップやワイパーブレードと同様に維持回復機構19に含めた構成としてもよいし、キャリッジホーム位置側および空吐出位置側の両方にそれぞれ空吐出受けを設ける構成であってもよい。
【0032】
ロール紙収容部4は、給紙手段であり、画像記録用のシートとしてロール紙30がセットされるようになっている。このロール紙収容部4には、シート幅方向のサイズが異なるロール紙がセット可能である。ロール紙30は、その紙軸に両側からフランジ31を装着し、このフランジ31をフランジ受け32に載置することによりロール紙収容部4に収容される。フランジ受け32の内部には、図示しない支持コロが設けられ、該支持コロがフランジ31の外周と当接することでフランジ31が回転し、ロール紙30がシート搬送経路に送り出される。
【0033】
図2に示すように、シート搬送部3は、給紙ローラ対33と、レジストローラ34およびレジスト加圧ローラ35と、これら各ローラを駆動する図示しない駆動モータなどからなる駆動部38(図11参照)とを備えている。給紙ローラ対33は、ロール紙収容部4からロール紙30をシート搬送経路に給紙するようになっている。レジストローラ34およびレジスト加圧ローラ35は、画像形成部2のシート搬送方向下流に設けられ、給紙されたロール紙30を画像形成部2を介してシート切断装置5に搬送するようになっている。本実施の形態における駆動部38を備えたシート搬送部3は、本発明に係る搬送手段を構成する。
【0034】
ロール紙収容部4から送り出されたシート30は、装置本体1aの後方(図中、右側)から前方(図中、左側)に向けて、シート搬送部3により画像形成部2の下部に位置する所定の記録領域へと搬送される。上記記録領域にロール紙30が搬送されると、キャリッジ15がシート幅方向に往復移動し、画像情報に応じて記録ヘッド15a(図3参照)によりインク滴が吐出される。さらに、ロール紙30を間欠的に搬送しながら記録ヘッド15aによるインク滴の吐出を繰り返し行うことにより、ロール紙上の各記録ラインに画像が形成される。最終的には、画像情報に応じた所望の画像がロール紙30上に形成される。
【0035】
画像形成後のロール紙30は、シート切断装置5によって所定の長さに切断され、図示しない排紙ローラを介して装置本体1aの前方側に配置された排紙トレイ(図示省略)に排出される。
【0036】
次に、図3〜図7を参照して、本実施の形態に係るシート切断装置5について、説明する。なお、図3は、装置本体1a(図1参照)の背面側からシート切断装置5を見た図である。
【0037】
図3に示すように、シート切断装置5は、画像形成部2のシート搬送方向下流側に配置され(図2参照)、カッタ50と、カッタユニット51と、ガイド部材52とを含んで構成されている。
【0038】
カッタ50は、ロール紙30を介して互いに対向配置された円形刃物50a、50bからなり、カッタユニット51に回転可能に保持されている。円形刃物50a、50bは、カッタユニット51のシート幅方向(図中、矢印Aで示す方向)の移動に応じて駆動力を得て回転するようになっている。すなわち、カッタ50は、円形刃物50a、50bが回転しながらロール紙30を切断するため、比較的厚さのあるロール紙などの切断にも対応できる。また、カッタ50は、円形刃物で構成されているため、固定刃のように所定箇所のみが集中して摩耗するといった不具合を防止することができる。なお、カッタ50を構成する円形刃物は、2枚に限らず、3枚以上で構成されていてもよい。本実施の形態における円形刃物50a、50bは、本発明に係る刃部を構成している。
【0039】
カッタユニット51は、図12に示すシート幅方向の移動領域(以下、カッタユニット移動領域という)内をシート幅方向に往復移動可能に構成されており、装置本体1a(図1参照)の他方側から一方側へ移動する往路ではカッタ50によりロール紙30を切断するようになっている。一方、カッタユニット51は、装置本体1a(図1参照)の一方側から他方側へ移動する復路ではシート搬送経路からシート厚さ方向、すなわち鉛直方向の下方に退避した状態で元の位置(以下、カッタホームポジションという)に移動するようになっている。このため、復路では、カッタユニット51がシート搬送経路から離隔し、シート搬送経路を塞ぐことがない。また、カッタユニット51は、カッタユニット移動領域の両端に設置されたマイクロスイッチなどの第1検出手段101、第2検出手段102により位置検出され、制御部100により制御される。本実施の形態における上記往路は、本発明に係る第1経路に相当し、上記復路は、本発明に係る第2経路に相当する。カッタユニット51の具体的な構成は、次の通りである。
【0040】
カッタユニット51は、駆動コロ51aと、従動コロ51bとを備えており、内部にカッタ50を保持している。駆動コロ51aは、装置本体1aのシート幅方向両側に設けられた一対のプーリ54に架け渡されたワイヤ55に接続されている。また、ワイヤ55は、カッタユニット駆動モータ57(図11参照)により回転するプーリ54を介して幅方向に回転移動するようになっている。したがって、駆動コロ51aは、ワイヤ55の回転移動に応じて後述する上ガイドレール61上を回転駆動するようになっている。カッタユニット51は、駆動コロ51aの回転駆動によりシート幅方向に移動可能とされる。従動コロ51bは、駆動コロ51aとシート幅方向に離間した位置に回転自在に設けられている。従動コロ51bは、カッタユニット51の往路では後述する上ガイドレール61上を移動し、復路では後述する下ガイドレール62上を移動するようになっている。すなわち、従動コロ51bは、カッタユニット51の移動に際し、上ガイドレール61および下ガイドレール62に対してカッタユニット51を位置決めする部材として機能する。なお、カッタユニット51の位置決め用の部材としては、従動コロ51bに限らず、例えば円弧状の突起であってもよい。
【0041】
また、カッタユニット51は、往路と復路との切換時、駆動コロ51aを支点に鉛直方向に回動するようになっている。これにより、カッタユニット51は、往路でロール紙30を切断する姿勢と、復路でシート搬送経路から退避した姿勢とが切り換わるようになっている。
【0042】
ここで、図4(a)に示すように、カッタユニット51は、キャリッジ15のシート搬送方向の幅内に配置されている。すなわち、カッタユニット移動領域とキャリッジ移動領域とが一部重複するようになっている。これにより、装置本体1aのシート搬送方向の幅が縮小される。ただし、本実施の形態においては、上記のような配置により、特にカッタユニット51の往路移動時にキャリッジ15と干渉しないように、カッタユニット51は、キャリッジ15がキャリッジホーム位置あるいは空吐出位置に位置するときに往路を移動するようになっている。このようなカッタユニット51の移動制御は、後述する制御部100により実行される。なお、図4(a)において矢印B方向に延在する破線は、シート搬送経路である。また、本実施の形態においては、図4(a)に示すように、カッタユニット51がキャリッジ15のシート搬送方向の幅内に配置される構成としたが、これに限らず、例えばキャリッジ15に対してカッタユニット51がシート搬送方向上流側あるいは下流側に離間した位置に配置される構成であってもよい。
【0043】
また、駆動コロ51aと従動コロ51bとは、互いにシート搬送方向(図中、矢印Bで示す方向)にずらして配置されている。具体的には、従動コロ51bが駆動コロ51aよりシート搬送方向の上流側に配置される。このため、駆動コロ51aを上ガイドレール61上に維持した状態で、従動コロ51bを上ガイドレール61と下ガイドレール62との間で移動させることができ、上述したカッタユニット51の回動を実現することができる。
【0044】
さらに、図3に示すように、カッタユニット51は、シート搬送経路に対して鉛直方向に所定の角度で傾斜した傾斜面51cを有している。この傾斜面51cの傾斜角度は、カッタユニット51が復路を移動する際にシート搬送経路と平行となる角度に設定されている。
【0045】
図3に示すように、ガイド部材52は、カッタユニット51のシート幅方向の移動をガイドする部材であって、シート幅方向に延在し、少なくともシート搬送幅よりも長く設定された上ガイドレール61と、上ガイドレール61に対してシート搬送経路より鉛直方向の下方に離間した下ガイドレール62とを備えている。ガイド部材52は、上ガイドレール61上にカッタユニット51の往路を形成し、下ガイドレール62上にカッタユニット51の復路を形成している。上ガイドレール61と下ガイドレール62とは、同一部材で構成したが、これに限らず、それぞれ別部材で構成してもよい。
【0046】
上ガイドレール61は、図4(a)、図4(b)に示すように、シート搬送方向に並列に、駆動コロ51aをシート幅方向に案内する駆動コロ案内領域61aと、カッタユニット51が往路を移動するよう従動コロ51bを案内する従動コロ案内領域61bとを有している。駆動コロ案内領域61aと従動コロ案内領域61bとは、上ガイドレール61の同一レールで構成したが、これに限らず、それぞれ別のレールで構成してもよい。
【0047】
従動コロ案内領域61bのシート幅方向の一方側には、カッタユニット51の経路を往路から復路に切り換えるための第1連通路61cが形成されている。第1連通路61cは、図6に示すように、上ガイドレール61上の往路と下ガイドレール62上の復路とを連通するよう上ガイドレール61に形成されている。具体的には、上ガイドレール61がシート幅方向の一方側の所定箇所で切り欠かれるとともに、切り欠かれた端部が下方に向けて所定の角度で傾斜するよう折り曲げられることにより第1連通路61cが形成される。これにより、従動コロ51bは、ロール紙切断後、上ガイドレール61から下ガイドレール62に移動可能となる。また、第1連通路61cに隣接する上ガイドレール61の下方側端部61dは、復路を移動する従動コロ51bとの接触を避けるため、上方に折り曲げられている。
【0048】
一方で、図5に示すように、従動コロ案内領域61bのシート幅方向の他方側には、移動機構70が設けられている。移動機構70は、カッタユニット51が図10の実線で示すホームポジションからシート幅方向の他方に移動したとき、従動コロ51bを下ガイドレール62から上ガイドレール61に移動させる、すなわちカッタユニット51をロール紙切断動作領域に復帰させるための機構である。
【0049】
移動機構70は、下ガイドレール62上の復路と上ガイドレール61上の往路とを連通させる第2連通路61eと、第2連通路61eに隣接して上ガイドレール61に設けられた切換爪71とを有している。
【0050】
第2連通路61eは、上ガイドレール61の他方側の所定箇所が切り欠かれることにより形成されている(図4(b)参照)。
【0051】
切換爪71は、復路と上記第2連通路61eとの間で回動自在に設けられ、先端部が下ガイドレール62に当接するよう、図示しないコイルばねなどの付勢部材により常時、下方側に付勢されている。したがって、図9に示すように、切換爪71は、カッタユニット51が復路をシート幅方向の他方側に移動する際に、従動コロ51bが接触することにより図中破線で示す通り、付勢部材の付勢力に抗して上方に回動するようになっている。そして、この状態から従動コロ51bがさらにシート幅方向の他方側に移動すると、切換爪71は、従動コロ51bとの接触が解除され、付勢部材により元の位置すなわち図中実線で示す位置に復帰するようになっている。さらに、切換爪71は、図9中、実線で示す位置においては所定の角度で傾斜している。これにより、図10に示すように、カッタユニット51が復路から往路に復帰する際に、切換爪71を介して従動コロ51bを下ガイドレール62から上ガイドレール61に移動させることができる。なお、切換爪71は、板バネで構成されていてもよい。この場合には、上記付勢部材が不要となる。
【0052】
下ガイドレール62は、復路を移動するカッタユニット51の従動コロ51bを案内するようになっている。
【0053】
次に、図5〜図10を参照して、シート切断装置5の動作について説明する。
【0054】
まず、図10に示すように、ロール紙30の切断前においては、カッタユニット51は、シート幅方向の他方側のカッタホームポジション(図10中、実線で示す位置)に位置している。次いで、シート切断の指示を受けると、カッタユニット51は、ワイヤ55(図3参照)を介して駆動コロ51aが回転駆動することにより、カッタホームポジションからロール紙切断動作領域(図10中、破線で示す位置)に移動した後、往路をシート幅方向の一方側に移動する。このとき、カッタユニット51の移動に応じてカッタ50により、ロール紙30が切断される。
【0055】
次いで、図6に示すように、カッタユニット51がシート搬送経路を横断して往路をシート幅方向の一方まで移動すると、ロール紙30の切断が終了する。そして、シート幅方向の一方に移動したカッタユニット51は、その移動経路を往路から復路へと切り換えるべく、駆動コロ51aを支点に鉛直方向の下方に自重により回動する。具体的には、上ガイドレール61上を移動していた従動コロ51bが第1連通路61cに達し、従動コロ51bが第1連通路61cを介して上ガイドレール61から下ガイドレール62に移動する。このとき、図7に示すように、駆動コロ51aは上ガイドレール61上に維持されたまま、従動コロ51bのみがカッタユニット51の自重により下ガイドレール62に移動する。これにより、図中、破線で示すシート搬送経路と重なっていたカッタユニット51が回動し、復路を移動可能な姿勢、すなわちシート搬送経路から退避した姿勢(図6中、破線で示す姿勢)となる。
【0056】
その後、カッタユニット移動領域の一方の端部に設けられた第1検出手段101(図12参照)による位置検出に基づき、ワイヤ55(図3参照)の駆動が逆転され、駆動コロ51aの回転駆動が往路のときと逆の回転駆動とされる。これにより、図8に示すように、カッタユニット51は、シート搬送経路から退避した姿勢で復路をシート幅方向の他方側に向けて移動する。このとき、傾斜面51cがシート搬送経路と平行であり、往路のときと異なりカッタユニット51がシート搬送経路から下方に退避している。このため、カッタユニット51が復路を移動中であっても、シート搬送経路を介してロール紙30を搬送可能である。
【0057】
次いで、図9に示すように、カッタユニット51がシート幅方向の他方側に移動し、移動機構70の近傍まで来ると、従動コロ51bが切換爪71に接触する。そして、従動コロ51bは、カッタユニット51の移動に応じて図中、破線で示すように切換爪71を押し上げ、復路側(図9中、切換爪71の右側)からシート幅方向の他方側すなわち第2連通路61e側(図9中、切換爪71の左側)に移動する。従動コロ51bが第2連通路61e側に移動すると、切換爪71は従動コロ51bとの接触が解除され、付勢部材により元の位置すなわち図中実線で示す位置に復帰する。
【0058】
これにより、カッタユニット51のシート幅方向の一連の往復動作が終了する。また、後続するロール紙30がある場合には、上述した一連の往復動作を繰り返し実行する。
【0059】
次に、図11を参照して、制御部100の構成について説明する。
【0060】
図11に示すように、制御部100には、上述した第1検出手段101、第2検出手段102、エンコーダセンサ103、記録ヘッド15a、キャリッジ駆動モータ21、駆動部38、カッタユニット駆動モータ57、操作表示部105がそれぞれ接続されている。制御部100は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェースなどを備えるマイクロコンピュータを含んで構成されている。なお、本実施の形態においては、1つの制御部100により各種モータなどを制御する構成としたが、これに限らず、制御部100をそれぞれ制御対象の異なる2以上の制御部から構成してもよい。例えば、制御部100が、記録ヘッド15aやキャリッジ駆動モータ21および駆動部38などを制御する第1制御部と、カッタユニット駆動モータ57を制御する第2制御部とから構成されていてもよい。さらに、上記第1制御部が記録ヘッド15aおよびキャリッジ駆動モータ21を制御する画像形成用制御部と、駆動部38を制御する搬送用制御部とから構成されるものであってもよい。
【0061】
第1検出手段101は、図12に示すカッタユニット移動領域の一方の端部(図12中、右側端部)に配置され、カッタユニット51がカッタユニット移動領域の一方の端部に達したことを検出するようになっている。第2検出手段102は、カッタユニット移動領域の他方の端部(図12中、左側端部)に配置され、カッタユニット51がカッタユニット移動領域の他方の端部に達したことを検出するようになっている。エンコーダセンサ103は、上述した通り、キャリッジ15に設けられ、図示しないエンコーダシートを読み取ることによりキャリッジ15の主走査位置を検知するようになっている。これら各検出手段からの検出結果を示す信号は、制御部100に入力されるようになっている。
【0062】
操作表示部105は、装置本体1a(図1参照)の所定箇所に配置され、ユーザからの動作要求の指示を受け付けたり、ユーザへのメッセージ(エラーメッセージを含む)等の表示を行うようになっている。
【0063】
制御部100は、外部の情報処理装置などから転送される画像情報等に基づいてロール紙30に画像を記録するためのデータを生成し、このデータを記録ヘッド15aに出力し、記録ヘッド15aを駆動制御するようになっている。また、制御部100は、記録ヘッド15aの駆動制御と併せて、キャリッジ駆動モータ21および駆動部38を制御するようになっている。このように、制御部100は、記録ヘッド15a、キャリッジ駆動モータ21および駆動部38を制御することにより、所定のタイミングでインク滴を吐出させ、ロール紙30の記録領域に画像を記録する。
【0064】
制御部100は、エンコーダセンサ103からの入力信号に基づき、キャリッジ15がキャリッジホーム位置または空吐出位置に位置すると判断したとき、ロール紙30(図2参照)を切断するよう往路を介してカッタユニット51(図3参照)をシート幅方向の一方に移動させるシート切断動作を実行するようになっている。
【0065】
また、制御部100は、上記シート切断動作の実行後、カッタユニット51(図3参照)が第1検出手段101により検出されると、カッタユニット駆動モータ57を逆転駆動し、カッタユニット51をシート搬送経路から退避した状態で復路上をシート幅方向の他方に移動させるようになっている。このとき、制御部100は、カッタユニット51の復路移動と同時にロール紙30(図2参照)をシート搬送方向下流に向けて搬送可能なように駆動部38を制御する。したがって、カッタユニット51が復路を移動している間に、例えば画像記録のためにロール紙30を搬送することが可能となる。
【0066】
また、制御部100は、予め定められた非稼働ノズルの経過時間を経過したか否かを判断し、経過したと判断した場合には空吐出位置において空吐出動作を実行するようになっている。このとき、制御部100は、カッタ50がロール紙30を切断するシート切断位置(以下、カッタ位置という)にロール紙30のカット位置(以下、シートカット位置という)が達している場合には、上記空吐出動作と同時に上記シート切断動作を実行可能となっている。なお、上記空吐出動作は、各ノズルの記録回数が所定の記録回数に達したタイミングで実行するようにしてもよい。
【0067】
次に、図13、図14を参照して、制御部100において実行される画像記録制御およびカッタユニット51の移動制御について説明する。図13に示す画像記録制御は、1枚目の画像記録(以下、印字ともいう)に続いて実行される2枚目以降の画像記録制御を示すものである。また、図14においては、説明の便宜上、簡略する目的で1枚目と2枚目の間に余白領域等を設けていないが、実際には所定の余白領域等が設けられる。また、本実施の形態においては、図14に示すように、キャリッジ15の一度の移動走査により印字幅L0分だけの画像を印字可能な印字モードを例に説明する。
【0068】
図13に示すように、制御部100は、1枚目の印字終了後、2枚目の印字要求があるか否かを判断する(ステップS1)。2枚目の印字要求がない場合には、制御部100は、ロール紙30のシートカット位置がカッタ位置に到達するまでロール紙30を搬送(図14(c)参照)した後、シート切断動作を実行して(ステップS2)、本処理を終了する。
【0069】
一方、2枚目の印字要求がある場合には、制御部100は、2枚目の印字開始位置までロール紙30を搬送する(ステップS3)。次いで、制御部100は、キャリッジ15を移動走査して1記録ライン分の画像を記録(印字)し(ステップS4)、その後キャリッジ15を停止させる(ステップS5)。このとき、ロール紙30は、ステップS3において図14(a)に示す位置から図14(b)に示す位置まで搬送され、ステップS4において2枚目に1記録ライン分の画像が印字される。
【0070】
次いで、制御部100は、次の搬送(次搬送)でロール紙30上のシートカット位置がカッタ位置を越えるか否かを判断する(ステップS6)。次搬送でシートカット位置がカッタ位置を越えないと判断した場合には、制御部100は、シートカット位置とカッタ位置とが一致するか否かを判断する(ステップS7)。すなわち、ステップS3の搬送でシートカット位置が丁度カッタ位置に達したか否かを判断する。シートカット位置とカッタ位置とが一致しないと判断した場合には、制御部100は、改行のために再度ロール紙30を搬送した(ステップS8)後、ステップS4に戻り、次の記録ラインに対してキャリッジ15を移動走査して、画像を印字する。
【0071】
ステップS7において、シートカット位置とカッタ位置とが一致すると判断した場合(図14(c)参照)には、制御部100は、次の記録ラインに対してキャリッジ15を移動走査して画像を印字した(ステップS9)後、ステップS11に移行する。
【0072】
一方で、ステップS6において、次搬送でシートカット位置がカッタ位置を越えると判断した場合には、シートカット位置とカッタ位置とが一致するようロール紙30を搬送する(ステップS10)。具体的には、制御部100は、予め定められた搬送量(以下、規定搬送量Sという)でロール紙30を搬送すると、シートカット位置がカッタ位置を越えてしまう場合には、例えば規定搬送量Sを、現在のシートカット位置からカッタ位置までの距離L1(図14参照)に対応する搬送量S1と、規定量搬送量Sから前述の搬送量S1を差し引いた搬送量S2(=S−S1)とに分割し、先に搬送量S1でロール紙30を搬送する。これにより、シートカット位置がカッタ位置に一致するようになる。この場合、次の搬送では、ロール紙30の搬送量は、搬送量S2となる。
【0073】
次いで、制御部100は、エンコーダセンサ103(図11参照)の検出結果に基づき、ステップS4あるいはステップS9での移動走査後のキャリッジ15が空吐出位置側にあるか否かを判断する(ステップS11)。換言すれば、制御部100は、キャリッジ15が空吐出位置に近接する位置にあるのか、あるいはキャリッジホーム位置に近接する位置にあるのかを判断する。キャリッジ15が空吐出位置側に位置すると判断した場合には、制御部100は、キャリッジ15を空吐出位置に移動させる(ステップS12)。これに対して、キャリッジ15が空吐出位置側に位置しない、すなわちキャリッジ15がキャリッジホーム位置側に位置すると判断した場合には、制御部100は、キャリッジ15をキャリッジホーム位置に移動させる(ステップS13)。つまり、キャリッジ15は、上記ステップS12あるいはステップS13においてシート最大幅の領域外に退避した状態となる。これにより、カッタユニット51がキャリッジ15と干渉することなく、往路を移動可能な状態となる。
【0074】
次いで、制御部100は、カッタユニット駆動モータ57を正転駆動することにより、カッタユニット51を駆動して往路上を移動させ、シート切断動作を実行する(ステップS14)。これにより、図14(d)に示す通り、1枚目がロール紙30から切断される。
【0075】
そして、制御部100は、カッタユニット51が第1検出手段101(図12参照)により検出されると、カッタユニット駆動モータ57を逆転駆動し、カッタユニット51をシート搬送経路から退避した状態で復路上を移動させる。同時に、すなわちカッタユニット51の復路移動中に、制御部100は、ロール紙30を次の印字位置(図14(d)、(e)参照)に搬送する(ステップS15)。従来、カッタユニットが復路を移動する際には、カッタユニットがシート搬送経路上に位置したままであり、カッタユニットをカッタホームポジションに戻すまで上記ステップS15のようなロール紙の搬送を行うことができなかった。これに対し、本実施の形態においては、カッタユニット51が復路を移動する際にはシート搬送経路から退避しているので、上記ステップS15のようなロール紙の搬送を行うことが可能となる。
【0076】
次に、制御部100は、キャリッジ15を移動走査して、図14(e)に示すように、1記録ライン分の画像を記録(印字)する(ステップS16)。その後、制御部100は、ロール紙30を間欠的に搬送(間欠駆動)しながら記録ヘッド15aによる印字動作を実行する(ステップS17)。次いで、制御部100は、2枚目の印字が終了したか否かを判断し(ステップS18)、印字が終了していない場合にはステップS17に戻り、繰り返し印字動作を実行する。一方、印字が終了したと判断した場合には、制御部100は、次の印字要求があるか否かを判断し(ステップS19)、次の印字要求がない場合には本処理を終了する。次の印字要求がある場合には、制御部100は、ステップS1に戻り、以降のステップを繰り返し実行する。
【0077】
以上のように、本実施の形態に係るインクジェット式記録装置1は、カッタユニット51がロール紙30の切断後にシート搬送経路に対してシート厚さ方向に退避した状態でシート幅方向に移動している間に、制御部100がロール紙30を搬送可能に制御するので、ロール紙30の切断後にカッタユニット51が移動するときであっても、後続するロール紙30を搬送することができ、生産性を向上させることができる。また、ロール紙30の切断後に移動するカッタユニット51がシート搬送経路から完全に退避しているので、シート搬送経路をシート幅方向に横断することがなく、カッタ50と切断済みのロール紙30との接触を回避でき、カットジャムなどの不具合を確実に防止することができる。
【0078】
また、本実施の形態に係るインクジェット式記録装置1は、キャリッジ15がキャリッジホーム位置または空吐出位置に位置するとき、制御部100がシート切断動作を実行するので、カッタユニット移動領域とキャリッジ移動領域とが重なる構成であっても、キャリッジ15とカッタユニット51とが干渉することなくシート切断動作を行うことができる。
【0079】
また、本実施の形態に係るインクジェット式記録装置1は、シートカット位置がカッタ位置に達したときのキャリッジ15の位置に応じて、制御部100がキャリッジホーム位置あるいは空吐出位置のいずれか近い方にキャリッジ15を移動させる制御を実行するので、例えばシート切断時にキャリッジを一律にホームポジションに移動させる構成と比較してシート切断動作に移行する時間を短縮することができる。
【0080】
また、本実施の形態に係るインクジェット式記録装置1は、カッタユニット51が空吐出位置にあるときには、制御部100が空吐出動作とシート切断動作とを同時に実行可能であるため、シート切断動作と空吐出動作とをそれぞれ独立して行う場合と比較して、これら動作にかかる時間を短縮することができ、生産性および利便性を向上させることができる。
【0081】
なお、本実施の形態に係るカッタユニット51においては、駆動コロ51aをシート幅方向の一方側に設け、従動コロ51bをシート幅方向の他方側に設けたが、これに限らず、例えば駆動コロ51aと従動コロ51bの配置を入れ替えた構成としてもよい。この場合、カッタユニット51の回動方向も本実施の形態と逆になる。したがって、傾斜面51cの配置も上記回動方向に応じて変更される。
【0082】
また、本実施の形態においては、図13に示す処理において、制御部100は、シートカット位置がカッタ位置に達したときのキャリッジ15の位置に応じて、キャリッジホーム位置あるいは空吐出位置のいずれか近い方にキャリッジ15を移動させる制御としたが、これに限らず、例えばキャリッジ15の位置に関わらず、キャリッジ15を一律にキャリッジホーム位置もしくは空吐出位置に移動させるよう制御してもよい。
【0083】
また、本実施の形態においては、ガイド部材52をシート搬送経路の下方に配置した構成としたが、これに限らず、例えば図15に示すように、ガイド部材152をシート搬送経路の上方に配置する構成であってもよい。この場合、カッタユニット151の往路は、下ガイドレール162上に設けられ、復路は、上ガイドレール161上に設けられる。したがって、カッタユニット151は、シート切断動作時に往路上を移動した後、本実施の形態における移動機構70に相当する図示しない移動機構を介して従動コロ151bが上ガイドレール161上に移動する。これにより、カッタユニット151は、シート搬送経路から退避した姿勢となり、復路上を移動可能となる。復路上を移動したカッタユニット151は、本実施の形態における第1連通路61cに相当する図示しない連通路を介して従動コロ151bが下ガイドレール162上に移動することにより、シート切断可能な姿勢となる。このような構成とすることにより、上記構成においても本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0084】
また、本実施の形態および図15に示す構成においては、カッタユニット51が鉛直方向の下方あるいは上方に退避する構成としたが、例えばシート切断装置5が装置本体1aに対して水平に設置されていない場合には、シート切断装置5の傾きに応じてロール紙30の厚さ方向に退避する構成としてもよい。
【0085】
また、本実施の形態においては、カッタユニット51の姿勢を往路と復路とで切り換えることによりシート搬送経路から退避した状態で復路を移動可能な構成としたが、これに限らず、例えばガイド部材52を鉛直方向に昇降可能なラックピニオン形式の昇降手段を設けて、この昇降手段によりガイド部材52を昇降させることで、カッタユニット51の移動経路を往路と復路とで切り換えるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0086】
以上のように、本発明に係る画像形成装置は、生産性を向上させることができるという効果を有し、ロール状に巻かれたシートを任意の長さに切断するシート切断装置を備えたプリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置等として有用である。
【符号の説明】
【0087】
1 インクジェット式記録装置(画像形成装置)
3 シート搬送部(搬送手段)
5 シート切断装置
15 キャリッジ
15a 記録ヘッド
30 ロール紙(シート)
50 カッタ
50a、50b 円形刃物(刃部)
51、151 カッタユニット
52、152 ガイド部材
61、161 上ガイドレール
62、162 下ガイドレール
100 制御部(制御手段)
103 エンコーダセンサ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0088】
【特許文献1】特開2009−214200号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送経路上のシートを介して互いに対向配置された刃部からなるカッタと、前記カッタを保持するとともに前記シートの搬送方向と直交する幅方向に移動可能なカッタユニットとを有し、前記シートを所定の長さに切断するシート切断装置を備えた画像形成装置であって、
前記シートを搬送する搬送手段と、
前記搬送手段および前記カッタユニットを制御する制御手段と、を備え、
前記カッタユニットは、シート切断後、前記搬送経路に対して前記搬送方向および前記幅方向と直交するシート厚さ方向に退避した状態で前記幅方向に移動可能に構成され、
前記制御手段は、前記カッタユニットが前記シート厚さ方向に退避した状態で前記幅方向に移動している間に、前記シートを搬送可能に制御することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記シート切断装置は、前記カッタユニットの前記幅方向の移動をガイドするガイド部材を備え、
前記ガイド部材は、前記カッタがシートを切断するよう前記カッタユニットを前記幅方向に移動させる第1経路と、前記シート厚さ方向に離隔して設けられ、シート切断後の前記カッタユニットを前記搬送経路に対して前記シート厚さ方向に退避した状態で前記幅方向に移動させる第2経路とを有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
インクを吐出することにより前記シートに画像を記録する記録ヘッドが搭載され、画像記録可能な最大シート幅の領域外に前記幅方向に互いに離隔して設けられた第1の位置と第2の位置との間で前記幅方向に移動可能に構成され、前記制御手段により前記幅方向の移動が制御されるキャリッジを備え、
前記制御手段は、前記カッタがシートを切断するシート切断位置に前記シートのカット位置が達したとき、前記キャリッジが前記第1の位置に近接する位置にあるときには前記キャリッジを前記第1の位置に移動させ、前記キャリッジが前記第2の位置に近接する位置にあるときには前記キャリッジを前記第2の位置に移動させた後、前記カッタがシートを切断するよう前記カッタユニットを前記幅方向に移動させるシート切断動作を実行することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1の位置に、前記記録ヘッドの吐出性能の維持、回復のために前記記録ヘッドが空吐出を行う空吐出位置が設けられ、
前記制御手段は、前記カッタユニットが前記空吐出位置に位置するとき、画像形成に寄与しないインク滴を吐出する空吐出動作と前記シート切断動作とを同時に実行可能であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記シートへの画像記録終了時、前記キャリッジを前記第2の位置に設けられた前記ホーム位置に移動させることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項1】
搬送経路上のシートを介して互いに対向配置された刃部からなるカッタと、前記カッタを保持するとともに前記シートの搬送方向と直交する幅方向に移動可能なカッタユニットとを有し、前記シートを所定の長さに切断するシート切断装置を備えた画像形成装置であって、
前記シートを搬送する搬送手段と、
前記搬送手段および前記カッタユニットを制御する制御手段と、を備え、
前記カッタユニットは、シート切断後、前記搬送経路に対して前記搬送方向および前記幅方向と直交するシート厚さ方向に退避した状態で前記幅方向に移動可能に構成され、
前記制御手段は、前記カッタユニットが前記シート厚さ方向に退避した状態で前記幅方向に移動している間に、前記シートを搬送可能に制御することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記シート切断装置は、前記カッタユニットの前記幅方向の移動をガイドするガイド部材を備え、
前記ガイド部材は、前記カッタがシートを切断するよう前記カッタユニットを前記幅方向に移動させる第1経路と、前記シート厚さ方向に離隔して設けられ、シート切断後の前記カッタユニットを前記搬送経路に対して前記シート厚さ方向に退避した状態で前記幅方向に移動させる第2経路とを有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
インクを吐出することにより前記シートに画像を記録する記録ヘッドが搭載され、画像記録可能な最大シート幅の領域外に前記幅方向に互いに離隔して設けられた第1の位置と第2の位置との間で前記幅方向に移動可能に構成され、前記制御手段により前記幅方向の移動が制御されるキャリッジを備え、
前記制御手段は、前記カッタがシートを切断するシート切断位置に前記シートのカット位置が達したとき、前記キャリッジが前記第1の位置に近接する位置にあるときには前記キャリッジを前記第1の位置に移動させ、前記キャリッジが前記第2の位置に近接する位置にあるときには前記キャリッジを前記第2の位置に移動させた後、前記カッタがシートを切断するよう前記カッタユニットを前記幅方向に移動させるシート切断動作を実行することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1の位置に、前記記録ヘッドの吐出性能の維持、回復のために前記記録ヘッドが空吐出を行う空吐出位置が設けられ、
前記制御手段は、前記カッタユニットが前記空吐出位置に位置するとき、画像形成に寄与しないインク滴を吐出する空吐出動作と前記シート切断動作とを同時に実行可能であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記シートへの画像記録終了時、前記キャリッジを前記第2の位置に設けられた前記ホーム位置に移動させることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−116140(P2012−116140A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−269389(P2010−269389)
【出願日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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