画像形成装置
【課題】装置本体にワーキングテーブルが取り付けられた画像形成装置において、ワーキングテーブルの下方に開閉可能な扉カバーを備える場合に、ワーキングテーブルが陰になって装置本体の内部を視認し難いという問題を解消する。
【解決手段】本願発明の画像形成装置1は、装置本体2の一側部に外向きに張り出すように取り付けられたワーキングテーブル10と、前記装置本体2の一側部のうち前記ワーキングテーブル10の下方に形成された開口部11を開閉可能に塞ぐ扉カバー12とを備える。前記ワーキングテーブル10の下面側には、前記扉カバー12の開放によって点灯し前記ワーキングテーブル10の下方を照らす照明手段26を有する。
【解決手段】本願発明の画像形成装置1は、装置本体2の一側部に外向きに張り出すように取り付けられたワーキングテーブル10と、前記装置本体2の一側部のうち前記ワーキングテーブル10の下方に形成された開口部11を開閉可能に塞ぐ扉カバー12とを備える。前記ワーキングテーブル10の下面側には、前記扉カバー12の開放によって点灯し前記ワーキングテーブル10の下方を照らす照明手段26を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、装置本体にワーキングテーブルが取り付けられた画像形成装置に関するものである。画像形成装置には、複写機、プリンタ、ファクシミリ及びこれらの機能を複合的に備えた複合機といった各種のものが含まれる。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置において、装置本体の一側部にワーキングテーブルを備えたものは公知である(例えば特許文献1及び2等参照)。画像形成装置にワーキングテーブルを設けることによって、原稿等を一時的にワーキングテーブル上に載置でき、画像形成装置を使用する際の利便性が向上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平2−112632号公報
【特許文献2】特開平2009−288398号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、装置本体の側部には、ジャム処理時や消耗品交換時に開閉する扉カバーを設けるのが一般的であり、ワーキングテーブルの下方にも、この種の扉カバーが存在する。この場合、扉カバーを開放しても、開口部及びこれに臨ませた装置本体の内部がワーキングテーブルの陰になって、ユーザが装置本体の内部を視認し難く、ジャム処理や消耗品交換の作業性が低下するという問題があった。
【0005】
本願発明は、このような現状を改善することを技術的課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、装置本体の一側部に外向きに張り出すように取り付けられたワーキングテーブルと、前記装置本体の一側部のうち前記ワーキングテーブルの下方に形成された開口部を開閉可能に塞ぐ扉カバーとを備えている画像形成装置であって、前記ワーキングテーブルの下面側には、前記扉カバーの開放によって点灯し前記ワーキングテーブルの下方を照らす照明手段を有しているというものである。
【0007】
請求項2の発明は、装置本体の一側部から外向きに張り出すように取り付けられたワーキングテーブルと、前記装置本体の一側部のうち前記ワーキングテーブルの下方に形成された開口部を開閉可能に塞ぐ扉カバーとを備えている画像形成装置であって、前記ワーキングテーブルの下面側には、ジャムの検出によって点灯し前記ワーキングテーブルの下方を照らす照明手段を有しているというものである。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載した画像形成装置において、前記開口部には、トナー像が転写された記録材に前記トナー像を定着させる定着装置を臨ませており、前記照明手段は、前記扉カバーを開放した状態で、前記定着装置周辺及びその搬送下流側にかけて光を照射可能に設定されているというものである。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1〜3のうちいずれかに記載した画像形成装置において、前記照明手段が前記ワーキングテーブルの付け根部に設けられているというものである。
【0010】
請求項5の発明は、請求項1〜4のうちいずれかに記載した画像形成装置において、前記照明手段は、前記扉カバーの回動支点から離して配置されているというものである。
【0011】
請求項6の発明は、請求項1〜5のうちいずれかに記載した画像形成装置において、前記照明手段を複数有しているというものである。
【0012】
請求項7の発明は、請求項1〜6のうちいずれかに記載した画像形成装置において、前記照明手段は前記装置本体の内部に挿通されたUSBケーブルを有しており、前記USBケーブルの先端に設けられたUSBコネクタを、前記装置本体の内部に配置されたUSB接続器のUSBコネクタに接続することによって、前記照明手段に給電するというものである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によると、扉カバー付近でのジャム処理や消耗品交換をする際に、前記扉カバーを開放するだけで照明手段が点灯することになり、ワーキングテーブルの陰になる開口部やこれに臨ませた装置本体内部を明るく照明でき、これらの部分の視認性を改善できる。従って、前記ワーキングテーブルの存在によって画像形成装置を使用する際の利便性を維持しながら、ジャム処理や消耗品交換の作業性が向上する。
【0014】
また、請求項2の発明によると、扉カバー付近でジャムが発生した場合に照明手段が点灯することになり、前記照明手段の点灯によってユーザにジャムの発生を報知して、ユーザに注意を喚起できる。その後、前記扉カバーを開放すれば、ワーキングテーブルの陰になる開口部やこれに臨ませた装置本体内部を明るく照明でき、これらの部分の視認性を改善できる。従って、請求項1の発明と同様に、前記ワーキングテーブルの存在によって画像形成装置を使用する際の利便性を維持しながら、ジャム処理や消耗品交換の作業性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】MFPの外観斜視図である。
【図2】装置本体の内部構造を示す正面断面図である。
【図3】扉カバーの開放状態を示す外観斜視図である。
【図4】開放状態の扉カバーとLED灯との関係を示す要部拡大正面断面図である。
【図5】MFPをワーキングテーブル側から見た側面図である。
【図6】コントローラの機能ブロック図である。
【図7】照明制御の第1実施形態を示すフローチャートである。
【図8】照明制御の第2実施形態を示すフローチャートである。
【図9】第3実施形態におけるMFPの側面図である。
【図10】第4実施形態におけるMFPの側面図である。
【図11】第5実施形態におけるMFPの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本願発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
(1).MFPの概要
図1に示す画像形成装置の一例としての複合機1(以下、MFPという)は、コピー機能、スキャナ機能、プリンタ機能、ファックス機能といった多くの機能を有するものであり、例えばLANや電話回線といったネットワーク(通信網)を介してのデータ送受信が可能になっている。すなわち、MFP1は、原稿から読み取った画像データをネットワーク経由で他のコンピュータに出力したり、ネットワーク経由で他のコンピュータから画像データを入力して該画像データに基づく印刷を実行したり、FAXデータの送受信をしたりできるものである。
【0018】
MFP1における装置本体2の上部に、スキャナ部3と自動原稿搬送部4(以下、ADFという)とからなる画像読取部5が設けられている。画像読取部5は、スキャナ部3とADF4とを同期して作動させ、ADF4にセットされた原稿1枚ずつから画像を光学的に読み取ることにより、画像データを取得するように構成されている。すなわち、ADF4はスキャナ部3に向けて原稿を1枚ずつ搬送し、スキャナ部3は、原稿が所定の読取位置を通過する際に画像を読み取って、画像データを取得するように構成されている。
【0019】
装置本体2の下部には、記録材Pを収容する給紙部7が設けられている。装置本体2のうち画像読取部5と給紙部7との間には、記録材P上にトナー画像を印刷する画像形成部6が設けられている。給紙部7は記録材Pを1枚ずつ画像形成部6に供給し、画像形成部6は画像読取部5やネットワーク経由で取得された画像データに基づき、記録材P上にトナー画像を印刷するように構成されている。装置本体2のうち画像読取部5と画像形成部6との間にある凹みスペースは排紙貯留部8になっている。画像形成部6によってトナー画像が印刷された記録材Pは排紙貯留部8に排出される。
【0020】
装置本体2の正面側(前面側)には、複数のキー(ボタン)を有する操作パネル9が設けられている。ユーザは、操作パネル9の表示画面等を見ながらキー操作をすることによって、MFP1の各種機能の中から選択した機能について設定操作をしたり、MFP1に作業実行を指示したりできる。
【0021】
図1〜図4に示すように、装置本体2の一側部には、ワーキングテーブル10が外向きに貼り出すように取り付けられている。ワーキングテーブル10は、MFP1のオプション部品であり、装置本体2の一側部に対して着脱可能になっている。ワーキングテーブル10の天板面はほぼ平坦であり、原稿等を一時的に載置する作業スペースとして用いることが可能である。ワーキングテーブル10は、MFP1を使用する際の利便性等を考慮して、スキャナ部3とほぼ同じ高さ位置に設けられている。
【0022】
装置本体2の一側部のうちワーキングテーブル10の下方には、矩形状の開口部11が形成されている。当該開口部11は、下端側の回動支点部13(図2参照)を中心として上下に開閉回動可能な扉カバー12にて塞がれている。この場合、回動支点部13の軸線方向は前後水平方向に延びている。扉カバー12の開閉回動によって、装置本体2の内部が露出したり覆われたりする。ジャム処理や消耗品交換の際は、扉カバー12を開放し、外部から装置本体2内部に手を差し入れて各種作業を行うことになる。
【0023】
(2).装置本体の内部構造
次に、図2〜図5を参照しながら、装置本体2の内部構造について説明する。片面印刷の場合、給紙部7から繰り出された記録材Pは、主搬送路15に沿って画像形成部6に搬送される。画像形成部6では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色からなるトナー画像を中間転写ベルト16に一次転写し、記録材Pが転写部17を通過する際に、中間転写ベルト16上のトナー画像を記録材Pの片面に一括して二次転写する。片面に未定着トナー画像を載せた記録材Pは、定着部18を通過する際に加熱・加圧され、未定着トナー画像を定着される。トナー画像定着後(片面印刷後)の記録材Pは、排紙口19から排紙貯留部8に排出される。両面印刷の場合は、片面印刷後の記録材Pを両面印刷用の循環搬送路20に搬送して裏返しにし、再び主搬送路15に戻すことによって、記録材Pの他面にトナー画像を転写・定着させることになる。
【0024】
図2及び図4に示すように、扉カバー12における主搬送路側15の内面は、当該扉カバー12を閉じた状態で主搬送路15の一部として機能している。扉カバー12には、転写部17の二次転写ローラ21と、転写部の搬送上流側にあるレジストローラ対22の一方と、循環搬送路20とが組み付けられた状態でユニット化されている。扉カバー12の開閉回動によって、主搬送路15のうちレジストローラ対22以降の搬送下流側の範囲が露出したり覆われたりすることになる。
【0025】
装置本体2内における開口部11の近傍には、扉カバー12の開閉状態を検出する開閉検出手段としての開閉検出センサ23が配置されている(図2及び図4参照)。当該開閉検出センサ23は、例えば扉カバー12の閉止時はオフとなり、扉カバー12の開放時はオンとなって開放を示す制御信号を後述するコントローラ30(図7参照)に出力するリミットスイッチ型のものである。開閉検出センサ23が扉カバー12の開放を検出した場合は、MFP1は全てのジョブの実行を禁止し、操作パネル9に扉カバー12の開放を示す画面を表示することになる。なお、開閉検出手段としては、扉カバー12(回動支点部13)の回動角度を検出するエンコーダを採用してもよい。
【0026】
主搬送路15のうちレジストローラ対22の搬送上流側には、記録材Pの先端位置及び後端位置を検出するレジストセンサ24が配置されている。レジストセンサ24は基本的に、転写部17への記録材Pの搬送タイミング調整に用いられるが、転写部17前での記録材Pのジャムを検出するのにも利用される。主搬送路15のうち定着部18の搬送下流側には、記録材Pの先端位置及び後端位置を検出する定着排紙センサ25が配置されている。定着排紙センサ25は基本的に、記録材P毎の画像形成完了判定に用いられるが、定着部18前後での記録材Pのジャムを検出するのにも利用される。なお、レジストセンサ24及び定着排紙センサ25は、記録材Pが各センサ24,25上を通過する際にオンとなり、それ以外ではオフとなるように構成されている。これら両センサ24,25はジャム検出手段に相当するものである。
【0027】
(3).照明手段とその照明制御の関連構造
次に、図2〜図6を参照しながら、本願発明に係る照明手段とその照明制御の関連構造について説明する。図2及び図4に示すように、装置本体2の一側部に取り付けられたワーキングテーブル10は下向き開口の箱状に形成されている。ワーキングテーブル10の下面側には、ワーキングテーブル10の下方を照らす照明手段の一例として、LED灯26が設けられている。詳細は後述するが、この場合のLED灯26は、扉カバー12の開放によって点灯し、閉止によって消灯するように構成されている。LED灯26は、ワーキングテーブル10のうち装置本体2の一側部に突き合わされる付け根部10aの内面中央側に設けられている。このため、例えば扉カバー12を開放してジャム処理や消耗品交換をする際に、LED灯26から装置本体2内部に向かう光をユーザの手等が遮るおそれを少なくできる。
【0028】
図5に示すように、LED灯26には、ワーキングテーブル10の付け根部10a及び装置本体2の一側部を貫通して装置本体2の内部に挿通されるUSBケーブル27を有している。USBケーブル27の先端に設けられたUSBコネクタ27aを、装置本体の内部に配置されたUSBインターフェイス部28のUSBコネクタ28aに接続することによって、LED灯26に給電するように構成されている。USBインターフェイス部28は、後述するコントローラ30に電気的に接続されている(図7参照)。LED灯26のUSBケーブル27は装置本体2の内部に配線されるので、USBケーブル27が装置本体2外に露出して視認されることがなく、MFP1の体裁がよく美観向上に貢献する。
【0029】
図4に示すように、LED灯26の照射部26aは、その照射面26b側が装置本体2の開口部11に向くように傾けられている。このため、LED灯26は、扉カバー12を開放した状態で、定着部18周辺及びその搬送下流側にかけて光を照射することが可能になっている。また、図2〜図4から分かるように、扉カバー12の回動支点部13は扉カバー12の下端側に位置していて、ワーキングテーブル10の下面側にあるLED灯26から大きく離れている。換言すると、LED灯26は、扉カバー12の回動支点部13から離して配置されている。このため、開放状態の扉カバー12がLED灯26から装置本体2内部に向かう光を遮ることはなく、的確に開口部11やこれに臨ませた装置本体2内部を明るく照明できる。
【0030】
さて、装置本体2内には、MFP1の制御全般を司る制御手段としてのコントローラ30が配置されている。コントローラ30は、各種演算処理や制御を実行するCPU31のほか、外部端末との接続用の通信インターフェイス(I/F)部32、USBインターフェイス部28、EEPROMやフラッシュメモリ等の記憶手段33、制御プログラムやデータを一時的に記憶させるRAM34等を備えている。コントローラ30には、スキャナ部3、ADF4、画像形成部6、給紙部7及び操作パネル9が電気的に接続されている。また、コントローラ30には、前述した開閉検出センサ23、レジストセンサ24及び定着排紙センサ25も電気的に接続されている。コントローラ30は、扉カバー12の開閉によってLED灯26を点灯・消灯させる照明制御を実行するように構成されている。
【0031】
(4).照明制御の第1実施形態
次に、図7を参照しながら、照明制御の第1実施形態について説明する。図7には照明制御の第1実施形態をフローチャートで示している。ここで、以下に開示のフローチャートで示されるアルゴリズムは、コントローラ30の記憶手段33にプログラムとして記憶されており、RAM34に読み出されてからCPU31にて実行される。第1実施形態の照明制御は、適宜時間間隔にて開閉検出センサ23の検出結果をチェックする割り込み処理として実行される。
【0032】
第1実施形態の照明制御ではまず、開閉検出センサ23の検出結果を取得し(S01)、開閉検出センサ23がオン状態か否かを判別する(S02)。開閉検出センサ23がオフ状態であれば(S02:NO)、扉カバー12が閉止状態であることを意味するのでそのまま照明制御を終了する。開閉検出センサ23がオン状態であれば(S02:YES)、扉カバー12が開放状態であることを意味するので、LED灯26を点灯させる(S03)。次いで、再び開閉検出センサ23がオン状態か否かを判別し(S04)、オン状態であれば(S04:YES)、そのままステップS03に戻ってLED灯26の点灯状態を継続させる。開閉検出センサ23がオフ状態であれば(S04:NO)、扉カバー12が閉止状態になったことを意味するので、LED灯26を消灯させ(S05)、照明制御を終了するのである。
【0033】
以上の説明から明らかなように第1実施形態によれば、扉カバー12付近でのジャム処理や消耗品交換をする際に、扉カバー12を開放するだけでLED灯26が点灯することになり、ワーキングテーブル10の陰になる開口部11やこれに臨ませた装置本体2内部を明るく照明でき、これらの部分の視認性を改善できる。従って、ワーキングテーブル10の存在によってMFP1を使用する際の利便性を維持しながら、ジャム処理や消耗品交換の作業性が向上する。また、LED灯26の点灯・消灯を扉カバー12の開閉に連動して行えるから、LED灯26の点灯・消灯操作のための専用スイッチを新たに設ける必要がなくて使い勝手がよい(LED灯26の点灯・消灯操作のためにユーザの手を煩わせることがない)。
【0034】
(5).照明制御の第2実施形態
図8は照明制御の第2実施形態を示すフローチャートである。第2実施形態では、LED灯26の点灯・消灯を扉カバー12の開閉に連動させるのではなく、ジャムの発生・解消に連動させるという制御が実行される。第2実施形態におけるジャム発生の有無は、レジストセンサ24を通過した記録材Pが所定時間内に定着排紙センサ25を通過するか否かによって判断される。また、ジャムが解消したか否かは、レジストセンサ24及び定着排紙センサ25が両方ともオフであるか否かによって判断される。
【0035】
この場合、図8のフローチャートに示すように、記録材Pの通過によってレジストセンサ24がオンに切り換えられると(S11)、記録材Pが定着排紙センサ25に到達するのに要する時間をタイマにセットする(S12)。次いで、定着排紙センサ25が切り換えられずにオフのままであり(S13:NO)、且つステップS12でセットされたタイマにおいてタイムアウトが発生したら(S14:YES)、LED灯26を点灯させる(S15)。次いで、レジストセンサ24及び定着排紙センサ25が両方ともオフ状態か否かを判別し(S16)、少なくとも一方がオン状態であれば(S16:NO)、そのままステップS15に戻ってLED灯26の点灯状態を継続させる。両方共オフ状態であれば(S16:YES)、ジャム解消を意味するので、LED灯26を消灯させ(S17)、照明制御を終了するのである。
【0036】
以上の説明から明らかなように第2実施形態によれば、扉カバー12付近でジャムが発生した場合はLED灯26が点灯することになり、LED灯26の点灯によってユーザにジャムの発生を報知でき、ユーザに注意を喚起できる。その後、扉カバー12を開放すれば、ワーキングテーブル10の陰になる開口部11やこれに臨ませた装置本体2内部を明るく照明でき、これらの部分の視認性を改善できる。従って、第1実施形態の場合と同様に、ワーキングテーブル10の存在によってMFP1を使用する際の利便性を維持しながら、ジャム処理や消耗品交換の作業性が向上する。
【0037】
また、ジャムが解消すればLED灯26を消灯させるから、ジャム解消をユーザに簡単に報知できる。更に、LED灯26の点灯・消灯をジャムの発生・解消に連動して行えるから、LED灯26の点灯・消灯操作のための専用スイッチを新たに設ける必要がなくて使い勝手がよい(LED灯26の点灯・消灯操作のためにユーザの手を煩わせることがない)。
【0038】
(6).照明手段の別実施形態(第3、第4及び第5実施形態)
第1及び第2実施形態では、扉カバー12の回動支点部13を扉カバー12の下端側に設けていたが、これに限定するものではない。例えば図9に示す第3実施形態のように、回動支点部13を扉カバー12の後端側に設け、扉カバー12を水平開閉回動する構成にしてもよい。この場合、LED灯26は、扉カバー12の回動支点部13から離間させるため、ワーキングテーブル10における付け根部10a内面の前寄り部位に配置される。また、図10に示す第4実施形態のように、回動支点部13を扉カバー12の前端側に設け、扉カバー12を水平開閉回動する構成にしてもよい。この場合のLED灯26は、扉カバー12の回動支点部13から離間させるため、ワーキングテーブル10における付け根部10a内面の後寄り部位に配置される。いずれの場合も、LED灯26は、扉カバー12の回動支点部13から離れるため、開放状態の扉カバー12がLED灯26から装置本体2内部に向かう光を遮ることはなく、的確に開口部11やこれに臨ませた装置本体2内部を明るく照明できる。
【0039】
更に、第1〜第4実施形態のLED灯26はいずれも1つであったが、これに限るものではなく、図11に示す第5実施形態のように、ワーキングテーブル10の下面側にLED灯26を複数個(図11では3個)設けてもよい。このように構成すると、扉カバー12を開放して外部から装置本体2内部に手を差し入れた場合に、ユーザの手等で陰になる部分を少なくでき、開口部11やこれに臨ませた装置本体2内部を明るく照らせるのである。
【0040】
(7).その他
本願発明は、前述の実施形態に限らず、様々な態様に具体化できる。例えば、画像形成装置としてMFP1を例に説明したが、これに限らず、プリンタ等でもよい。照明手段はLED灯26に限らず、蛍光灯や電球といった光を照射する部材であればよい。その他、各部の構成は図示の実施形態に限定されるものではなく、本願発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。
【符号の説明】
【0041】
1 MFP(画像形成装置)
2 装置本体
10 ワーキングテーブル
12 扉カバー
13 回動支点部
15 主搬送路
23 開閉検出センサ
24 レジストセンサ
25 定着排紙センサ
26 LED灯(照明手段)
27 USBケーブル
28 USBインターフェイス部
30 コントローラ
【技術分野】
【0001】
本願発明は、装置本体にワーキングテーブルが取り付けられた画像形成装置に関するものである。画像形成装置には、複写機、プリンタ、ファクシミリ及びこれらの機能を複合的に備えた複合機といった各種のものが含まれる。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置において、装置本体の一側部にワーキングテーブルを備えたものは公知である(例えば特許文献1及び2等参照)。画像形成装置にワーキングテーブルを設けることによって、原稿等を一時的にワーキングテーブル上に載置でき、画像形成装置を使用する際の利便性が向上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平2−112632号公報
【特許文献2】特開平2009−288398号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、装置本体の側部には、ジャム処理時や消耗品交換時に開閉する扉カバーを設けるのが一般的であり、ワーキングテーブルの下方にも、この種の扉カバーが存在する。この場合、扉カバーを開放しても、開口部及びこれに臨ませた装置本体の内部がワーキングテーブルの陰になって、ユーザが装置本体の内部を視認し難く、ジャム処理や消耗品交換の作業性が低下するという問題があった。
【0005】
本願発明は、このような現状を改善することを技術的課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、装置本体の一側部に外向きに張り出すように取り付けられたワーキングテーブルと、前記装置本体の一側部のうち前記ワーキングテーブルの下方に形成された開口部を開閉可能に塞ぐ扉カバーとを備えている画像形成装置であって、前記ワーキングテーブルの下面側には、前記扉カバーの開放によって点灯し前記ワーキングテーブルの下方を照らす照明手段を有しているというものである。
【0007】
請求項2の発明は、装置本体の一側部から外向きに張り出すように取り付けられたワーキングテーブルと、前記装置本体の一側部のうち前記ワーキングテーブルの下方に形成された開口部を開閉可能に塞ぐ扉カバーとを備えている画像形成装置であって、前記ワーキングテーブルの下面側には、ジャムの検出によって点灯し前記ワーキングテーブルの下方を照らす照明手段を有しているというものである。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載した画像形成装置において、前記開口部には、トナー像が転写された記録材に前記トナー像を定着させる定着装置を臨ませており、前記照明手段は、前記扉カバーを開放した状態で、前記定着装置周辺及びその搬送下流側にかけて光を照射可能に設定されているというものである。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1〜3のうちいずれかに記載した画像形成装置において、前記照明手段が前記ワーキングテーブルの付け根部に設けられているというものである。
【0010】
請求項5の発明は、請求項1〜4のうちいずれかに記載した画像形成装置において、前記照明手段は、前記扉カバーの回動支点から離して配置されているというものである。
【0011】
請求項6の発明は、請求項1〜5のうちいずれかに記載した画像形成装置において、前記照明手段を複数有しているというものである。
【0012】
請求項7の発明は、請求項1〜6のうちいずれかに記載した画像形成装置において、前記照明手段は前記装置本体の内部に挿通されたUSBケーブルを有しており、前記USBケーブルの先端に設けられたUSBコネクタを、前記装置本体の内部に配置されたUSB接続器のUSBコネクタに接続することによって、前記照明手段に給電するというものである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によると、扉カバー付近でのジャム処理や消耗品交換をする際に、前記扉カバーを開放するだけで照明手段が点灯することになり、ワーキングテーブルの陰になる開口部やこれに臨ませた装置本体内部を明るく照明でき、これらの部分の視認性を改善できる。従って、前記ワーキングテーブルの存在によって画像形成装置を使用する際の利便性を維持しながら、ジャム処理や消耗品交換の作業性が向上する。
【0014】
また、請求項2の発明によると、扉カバー付近でジャムが発生した場合に照明手段が点灯することになり、前記照明手段の点灯によってユーザにジャムの発生を報知して、ユーザに注意を喚起できる。その後、前記扉カバーを開放すれば、ワーキングテーブルの陰になる開口部やこれに臨ませた装置本体内部を明るく照明でき、これらの部分の視認性を改善できる。従って、請求項1の発明と同様に、前記ワーキングテーブルの存在によって画像形成装置を使用する際の利便性を維持しながら、ジャム処理や消耗品交換の作業性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】MFPの外観斜視図である。
【図2】装置本体の内部構造を示す正面断面図である。
【図3】扉カバーの開放状態を示す外観斜視図である。
【図4】開放状態の扉カバーとLED灯との関係を示す要部拡大正面断面図である。
【図5】MFPをワーキングテーブル側から見た側面図である。
【図6】コントローラの機能ブロック図である。
【図7】照明制御の第1実施形態を示すフローチャートである。
【図8】照明制御の第2実施形態を示すフローチャートである。
【図9】第3実施形態におけるMFPの側面図である。
【図10】第4実施形態におけるMFPの側面図である。
【図11】第5実施形態におけるMFPの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本願発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
(1).MFPの概要
図1に示す画像形成装置の一例としての複合機1(以下、MFPという)は、コピー機能、スキャナ機能、プリンタ機能、ファックス機能といった多くの機能を有するものであり、例えばLANや電話回線といったネットワーク(通信網)を介してのデータ送受信が可能になっている。すなわち、MFP1は、原稿から読み取った画像データをネットワーク経由で他のコンピュータに出力したり、ネットワーク経由で他のコンピュータから画像データを入力して該画像データに基づく印刷を実行したり、FAXデータの送受信をしたりできるものである。
【0018】
MFP1における装置本体2の上部に、スキャナ部3と自動原稿搬送部4(以下、ADFという)とからなる画像読取部5が設けられている。画像読取部5は、スキャナ部3とADF4とを同期して作動させ、ADF4にセットされた原稿1枚ずつから画像を光学的に読み取ることにより、画像データを取得するように構成されている。すなわち、ADF4はスキャナ部3に向けて原稿を1枚ずつ搬送し、スキャナ部3は、原稿が所定の読取位置を通過する際に画像を読み取って、画像データを取得するように構成されている。
【0019】
装置本体2の下部には、記録材Pを収容する給紙部7が設けられている。装置本体2のうち画像読取部5と給紙部7との間には、記録材P上にトナー画像を印刷する画像形成部6が設けられている。給紙部7は記録材Pを1枚ずつ画像形成部6に供給し、画像形成部6は画像読取部5やネットワーク経由で取得された画像データに基づき、記録材P上にトナー画像を印刷するように構成されている。装置本体2のうち画像読取部5と画像形成部6との間にある凹みスペースは排紙貯留部8になっている。画像形成部6によってトナー画像が印刷された記録材Pは排紙貯留部8に排出される。
【0020】
装置本体2の正面側(前面側)には、複数のキー(ボタン)を有する操作パネル9が設けられている。ユーザは、操作パネル9の表示画面等を見ながらキー操作をすることによって、MFP1の各種機能の中から選択した機能について設定操作をしたり、MFP1に作業実行を指示したりできる。
【0021】
図1〜図4に示すように、装置本体2の一側部には、ワーキングテーブル10が外向きに貼り出すように取り付けられている。ワーキングテーブル10は、MFP1のオプション部品であり、装置本体2の一側部に対して着脱可能になっている。ワーキングテーブル10の天板面はほぼ平坦であり、原稿等を一時的に載置する作業スペースとして用いることが可能である。ワーキングテーブル10は、MFP1を使用する際の利便性等を考慮して、スキャナ部3とほぼ同じ高さ位置に設けられている。
【0022】
装置本体2の一側部のうちワーキングテーブル10の下方には、矩形状の開口部11が形成されている。当該開口部11は、下端側の回動支点部13(図2参照)を中心として上下に開閉回動可能な扉カバー12にて塞がれている。この場合、回動支点部13の軸線方向は前後水平方向に延びている。扉カバー12の開閉回動によって、装置本体2の内部が露出したり覆われたりする。ジャム処理や消耗品交換の際は、扉カバー12を開放し、外部から装置本体2内部に手を差し入れて各種作業を行うことになる。
【0023】
(2).装置本体の内部構造
次に、図2〜図5を参照しながら、装置本体2の内部構造について説明する。片面印刷の場合、給紙部7から繰り出された記録材Pは、主搬送路15に沿って画像形成部6に搬送される。画像形成部6では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色からなるトナー画像を中間転写ベルト16に一次転写し、記録材Pが転写部17を通過する際に、中間転写ベルト16上のトナー画像を記録材Pの片面に一括して二次転写する。片面に未定着トナー画像を載せた記録材Pは、定着部18を通過する際に加熱・加圧され、未定着トナー画像を定着される。トナー画像定着後(片面印刷後)の記録材Pは、排紙口19から排紙貯留部8に排出される。両面印刷の場合は、片面印刷後の記録材Pを両面印刷用の循環搬送路20に搬送して裏返しにし、再び主搬送路15に戻すことによって、記録材Pの他面にトナー画像を転写・定着させることになる。
【0024】
図2及び図4に示すように、扉カバー12における主搬送路側15の内面は、当該扉カバー12を閉じた状態で主搬送路15の一部として機能している。扉カバー12には、転写部17の二次転写ローラ21と、転写部の搬送上流側にあるレジストローラ対22の一方と、循環搬送路20とが組み付けられた状態でユニット化されている。扉カバー12の開閉回動によって、主搬送路15のうちレジストローラ対22以降の搬送下流側の範囲が露出したり覆われたりすることになる。
【0025】
装置本体2内における開口部11の近傍には、扉カバー12の開閉状態を検出する開閉検出手段としての開閉検出センサ23が配置されている(図2及び図4参照)。当該開閉検出センサ23は、例えば扉カバー12の閉止時はオフとなり、扉カバー12の開放時はオンとなって開放を示す制御信号を後述するコントローラ30(図7参照)に出力するリミットスイッチ型のものである。開閉検出センサ23が扉カバー12の開放を検出した場合は、MFP1は全てのジョブの実行を禁止し、操作パネル9に扉カバー12の開放を示す画面を表示することになる。なお、開閉検出手段としては、扉カバー12(回動支点部13)の回動角度を検出するエンコーダを採用してもよい。
【0026】
主搬送路15のうちレジストローラ対22の搬送上流側には、記録材Pの先端位置及び後端位置を検出するレジストセンサ24が配置されている。レジストセンサ24は基本的に、転写部17への記録材Pの搬送タイミング調整に用いられるが、転写部17前での記録材Pのジャムを検出するのにも利用される。主搬送路15のうち定着部18の搬送下流側には、記録材Pの先端位置及び後端位置を検出する定着排紙センサ25が配置されている。定着排紙センサ25は基本的に、記録材P毎の画像形成完了判定に用いられるが、定着部18前後での記録材Pのジャムを検出するのにも利用される。なお、レジストセンサ24及び定着排紙センサ25は、記録材Pが各センサ24,25上を通過する際にオンとなり、それ以外ではオフとなるように構成されている。これら両センサ24,25はジャム検出手段に相当するものである。
【0027】
(3).照明手段とその照明制御の関連構造
次に、図2〜図6を参照しながら、本願発明に係る照明手段とその照明制御の関連構造について説明する。図2及び図4に示すように、装置本体2の一側部に取り付けられたワーキングテーブル10は下向き開口の箱状に形成されている。ワーキングテーブル10の下面側には、ワーキングテーブル10の下方を照らす照明手段の一例として、LED灯26が設けられている。詳細は後述するが、この場合のLED灯26は、扉カバー12の開放によって点灯し、閉止によって消灯するように構成されている。LED灯26は、ワーキングテーブル10のうち装置本体2の一側部に突き合わされる付け根部10aの内面中央側に設けられている。このため、例えば扉カバー12を開放してジャム処理や消耗品交換をする際に、LED灯26から装置本体2内部に向かう光をユーザの手等が遮るおそれを少なくできる。
【0028】
図5に示すように、LED灯26には、ワーキングテーブル10の付け根部10a及び装置本体2の一側部を貫通して装置本体2の内部に挿通されるUSBケーブル27を有している。USBケーブル27の先端に設けられたUSBコネクタ27aを、装置本体の内部に配置されたUSBインターフェイス部28のUSBコネクタ28aに接続することによって、LED灯26に給電するように構成されている。USBインターフェイス部28は、後述するコントローラ30に電気的に接続されている(図7参照)。LED灯26のUSBケーブル27は装置本体2の内部に配線されるので、USBケーブル27が装置本体2外に露出して視認されることがなく、MFP1の体裁がよく美観向上に貢献する。
【0029】
図4に示すように、LED灯26の照射部26aは、その照射面26b側が装置本体2の開口部11に向くように傾けられている。このため、LED灯26は、扉カバー12を開放した状態で、定着部18周辺及びその搬送下流側にかけて光を照射することが可能になっている。また、図2〜図4から分かるように、扉カバー12の回動支点部13は扉カバー12の下端側に位置していて、ワーキングテーブル10の下面側にあるLED灯26から大きく離れている。換言すると、LED灯26は、扉カバー12の回動支点部13から離して配置されている。このため、開放状態の扉カバー12がLED灯26から装置本体2内部に向かう光を遮ることはなく、的確に開口部11やこれに臨ませた装置本体2内部を明るく照明できる。
【0030】
さて、装置本体2内には、MFP1の制御全般を司る制御手段としてのコントローラ30が配置されている。コントローラ30は、各種演算処理や制御を実行するCPU31のほか、外部端末との接続用の通信インターフェイス(I/F)部32、USBインターフェイス部28、EEPROMやフラッシュメモリ等の記憶手段33、制御プログラムやデータを一時的に記憶させるRAM34等を備えている。コントローラ30には、スキャナ部3、ADF4、画像形成部6、給紙部7及び操作パネル9が電気的に接続されている。また、コントローラ30には、前述した開閉検出センサ23、レジストセンサ24及び定着排紙センサ25も電気的に接続されている。コントローラ30は、扉カバー12の開閉によってLED灯26を点灯・消灯させる照明制御を実行するように構成されている。
【0031】
(4).照明制御の第1実施形態
次に、図7を参照しながら、照明制御の第1実施形態について説明する。図7には照明制御の第1実施形態をフローチャートで示している。ここで、以下に開示のフローチャートで示されるアルゴリズムは、コントローラ30の記憶手段33にプログラムとして記憶されており、RAM34に読み出されてからCPU31にて実行される。第1実施形態の照明制御は、適宜時間間隔にて開閉検出センサ23の検出結果をチェックする割り込み処理として実行される。
【0032】
第1実施形態の照明制御ではまず、開閉検出センサ23の検出結果を取得し(S01)、開閉検出センサ23がオン状態か否かを判別する(S02)。開閉検出センサ23がオフ状態であれば(S02:NO)、扉カバー12が閉止状態であることを意味するのでそのまま照明制御を終了する。開閉検出センサ23がオン状態であれば(S02:YES)、扉カバー12が開放状態であることを意味するので、LED灯26を点灯させる(S03)。次いで、再び開閉検出センサ23がオン状態か否かを判別し(S04)、オン状態であれば(S04:YES)、そのままステップS03に戻ってLED灯26の点灯状態を継続させる。開閉検出センサ23がオフ状態であれば(S04:NO)、扉カバー12が閉止状態になったことを意味するので、LED灯26を消灯させ(S05)、照明制御を終了するのである。
【0033】
以上の説明から明らかなように第1実施形態によれば、扉カバー12付近でのジャム処理や消耗品交換をする際に、扉カバー12を開放するだけでLED灯26が点灯することになり、ワーキングテーブル10の陰になる開口部11やこれに臨ませた装置本体2内部を明るく照明でき、これらの部分の視認性を改善できる。従って、ワーキングテーブル10の存在によってMFP1を使用する際の利便性を維持しながら、ジャム処理や消耗品交換の作業性が向上する。また、LED灯26の点灯・消灯を扉カバー12の開閉に連動して行えるから、LED灯26の点灯・消灯操作のための専用スイッチを新たに設ける必要がなくて使い勝手がよい(LED灯26の点灯・消灯操作のためにユーザの手を煩わせることがない)。
【0034】
(5).照明制御の第2実施形態
図8は照明制御の第2実施形態を示すフローチャートである。第2実施形態では、LED灯26の点灯・消灯を扉カバー12の開閉に連動させるのではなく、ジャムの発生・解消に連動させるという制御が実行される。第2実施形態におけるジャム発生の有無は、レジストセンサ24を通過した記録材Pが所定時間内に定着排紙センサ25を通過するか否かによって判断される。また、ジャムが解消したか否かは、レジストセンサ24及び定着排紙センサ25が両方ともオフであるか否かによって判断される。
【0035】
この場合、図8のフローチャートに示すように、記録材Pの通過によってレジストセンサ24がオンに切り換えられると(S11)、記録材Pが定着排紙センサ25に到達するのに要する時間をタイマにセットする(S12)。次いで、定着排紙センサ25が切り換えられずにオフのままであり(S13:NO)、且つステップS12でセットされたタイマにおいてタイムアウトが発生したら(S14:YES)、LED灯26を点灯させる(S15)。次いで、レジストセンサ24及び定着排紙センサ25が両方ともオフ状態か否かを判別し(S16)、少なくとも一方がオン状態であれば(S16:NO)、そのままステップS15に戻ってLED灯26の点灯状態を継続させる。両方共オフ状態であれば(S16:YES)、ジャム解消を意味するので、LED灯26を消灯させ(S17)、照明制御を終了するのである。
【0036】
以上の説明から明らかなように第2実施形態によれば、扉カバー12付近でジャムが発生した場合はLED灯26が点灯することになり、LED灯26の点灯によってユーザにジャムの発生を報知でき、ユーザに注意を喚起できる。その後、扉カバー12を開放すれば、ワーキングテーブル10の陰になる開口部11やこれに臨ませた装置本体2内部を明るく照明でき、これらの部分の視認性を改善できる。従って、第1実施形態の場合と同様に、ワーキングテーブル10の存在によってMFP1を使用する際の利便性を維持しながら、ジャム処理や消耗品交換の作業性が向上する。
【0037】
また、ジャムが解消すればLED灯26を消灯させるから、ジャム解消をユーザに簡単に報知できる。更に、LED灯26の点灯・消灯をジャムの発生・解消に連動して行えるから、LED灯26の点灯・消灯操作のための専用スイッチを新たに設ける必要がなくて使い勝手がよい(LED灯26の点灯・消灯操作のためにユーザの手を煩わせることがない)。
【0038】
(6).照明手段の別実施形態(第3、第4及び第5実施形態)
第1及び第2実施形態では、扉カバー12の回動支点部13を扉カバー12の下端側に設けていたが、これに限定するものではない。例えば図9に示す第3実施形態のように、回動支点部13を扉カバー12の後端側に設け、扉カバー12を水平開閉回動する構成にしてもよい。この場合、LED灯26は、扉カバー12の回動支点部13から離間させるため、ワーキングテーブル10における付け根部10a内面の前寄り部位に配置される。また、図10に示す第4実施形態のように、回動支点部13を扉カバー12の前端側に設け、扉カバー12を水平開閉回動する構成にしてもよい。この場合のLED灯26は、扉カバー12の回動支点部13から離間させるため、ワーキングテーブル10における付け根部10a内面の後寄り部位に配置される。いずれの場合も、LED灯26は、扉カバー12の回動支点部13から離れるため、開放状態の扉カバー12がLED灯26から装置本体2内部に向かう光を遮ることはなく、的確に開口部11やこれに臨ませた装置本体2内部を明るく照明できる。
【0039】
更に、第1〜第4実施形態のLED灯26はいずれも1つであったが、これに限るものではなく、図11に示す第5実施形態のように、ワーキングテーブル10の下面側にLED灯26を複数個(図11では3個)設けてもよい。このように構成すると、扉カバー12を開放して外部から装置本体2内部に手を差し入れた場合に、ユーザの手等で陰になる部分を少なくでき、開口部11やこれに臨ませた装置本体2内部を明るく照らせるのである。
【0040】
(7).その他
本願発明は、前述の実施形態に限らず、様々な態様に具体化できる。例えば、画像形成装置としてMFP1を例に説明したが、これに限らず、プリンタ等でもよい。照明手段はLED灯26に限らず、蛍光灯や電球といった光を照射する部材であればよい。その他、各部の構成は図示の実施形態に限定されるものではなく、本願発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。
【符号の説明】
【0041】
1 MFP(画像形成装置)
2 装置本体
10 ワーキングテーブル
12 扉カバー
13 回動支点部
15 主搬送路
23 開閉検出センサ
24 レジストセンサ
25 定着排紙センサ
26 LED灯(照明手段)
27 USBケーブル
28 USBインターフェイス部
30 コントローラ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体の一側部に外向きに張り出すように取り付けられたワーキングテーブルと、前記装置本体の一側部のうち前記ワーキングテーブルの下方に形成された開口部を開閉可能に塞ぐ扉カバーとを備えている画像形成装置であって、
前記ワーキングテーブルの下面側には、前記扉カバーの開放によって点灯し前記ワーキングテーブルの下方を照らす照明手段を有している、
画像形成装置。
【請求項2】
装置本体の一側部から外向きに張り出すように取り付けられたワーキングテーブルと、前記装置本体の一側部のうち前記ワーキングテーブルの下方に形成された開口部を開閉可能に塞ぐ扉カバーとを備えている画像形成装置であって、
前記ワーキングテーブルの下面側には、ジャムの検出によって点灯し前記ワーキングテーブルの下方を照らす照明手段を有している、
画像形成装置。
【請求項3】
前記開口部には、トナー像が転写された記録材に前記トナー像を定着させる定着部を臨ませており、前記照明手段は、前記扉カバーを開放した状態で、前記定着部周辺及びその搬送下流側にかけて光を照射可能に設定されている、
請求項1又は2に記載した画像形成装置。
【請求項4】
前記照明手段が前記ワーキングテーブルの付け根部に設けられている、
請求項1〜3のうちいずれかに記載した画像形成装置。
【請求項5】
前記照明手段は、前記扉カバーの回動支点部から離して配置されている、
請求項1〜4のうちいずれかに記載した画像形成装置。
【請求項6】
前記照明手段を複数有している、
請求項1〜5のうちいずれかに記載した画像形成装置。
【請求項7】
前記照明手段は前記装置本体の内部に挿通されるUSBケーブルを有しており、
前記USBケーブルの先端に設けられたUSBコネクタを、前記装置本体の内部に配置されたUSBインターフェイス部のUSBコネクタに接続することによって、前記照明手段に給電する、
請求項1〜6のうちいずれかに記載した画像形成装置。
【請求項1】
装置本体の一側部に外向きに張り出すように取り付けられたワーキングテーブルと、前記装置本体の一側部のうち前記ワーキングテーブルの下方に形成された開口部を開閉可能に塞ぐ扉カバーとを備えている画像形成装置であって、
前記ワーキングテーブルの下面側には、前記扉カバーの開放によって点灯し前記ワーキングテーブルの下方を照らす照明手段を有している、
画像形成装置。
【請求項2】
装置本体の一側部から外向きに張り出すように取り付けられたワーキングテーブルと、前記装置本体の一側部のうち前記ワーキングテーブルの下方に形成された開口部を開閉可能に塞ぐ扉カバーとを備えている画像形成装置であって、
前記ワーキングテーブルの下面側には、ジャムの検出によって点灯し前記ワーキングテーブルの下方を照らす照明手段を有している、
画像形成装置。
【請求項3】
前記開口部には、トナー像が転写された記録材に前記トナー像を定着させる定着部を臨ませており、前記照明手段は、前記扉カバーを開放した状態で、前記定着部周辺及びその搬送下流側にかけて光を照射可能に設定されている、
請求項1又は2に記載した画像形成装置。
【請求項4】
前記照明手段が前記ワーキングテーブルの付け根部に設けられている、
請求項1〜3のうちいずれかに記載した画像形成装置。
【請求項5】
前記照明手段は、前記扉カバーの回動支点部から離して配置されている、
請求項1〜4のうちいずれかに記載した画像形成装置。
【請求項6】
前記照明手段を複数有している、
請求項1〜5のうちいずれかに記載した画像形成装置。
【請求項7】
前記照明手段は前記装置本体の内部に挿通されるUSBケーブルを有しており、
前記USBケーブルの先端に設けられたUSBコネクタを、前記装置本体の内部に配置されたUSBインターフェイス部のUSBコネクタに接続することによって、前記照明手段に給電する、
請求項1〜6のうちいずれかに記載した画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−155069(P2012−155069A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−12969(P2011−12969)
【出願日】平成23年1月25日(2011.1.25)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月25日(2011.1.25)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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