説明

画像形成装置

【課題】 画面の表示の処理に必要な時間を従来より短縮することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 複合機10のパネルコントローラー19の画像送信手段19aは、全画面データ変換手段19bによって変換された予定画面データである変換後全画面データと、差分画像生成手段19cによって生成された差分画像データとの何れか一方をボード側コントローラー20に送信し、ボード側コントローラー20の表示制御手段20aは、画像送信手段19aによって変換後全画面データが送信されてきた場合、変換後全画面データに基づいて表示装置17に画像を表示させ、画像送信手段19aによって差分画像データが送信されてきた場合、差分画像データ変換手段20bによって変換された差分画像データである変換後差分画像データに基づいて表示装置17に画像を表示させることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、種々の情報を表示する表示装置を備えている画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、種々の情報を表示する表示装置を備えている画像形成装置として、メイン制御板上のマスター側操作部制御ICが操作部上のスレーブ側操作部制御ICにLCDビットマップデータなどの画面表示データを送信し、スレーブ側操作部制御ICがマスター側操作部制御ICから受信したLCDビットマップデータに基づいて操作部上の表示部の表示を変更するものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−266422号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の画像形成装置においては、マスター側操作部制御ICからスレーブ側操作部制御ICに通知される画面表示データが常に画面全体のデータであるので、たとえ画面の変化が少ない場合であっても、画面の表示の処理に常に一定の時間が必要であるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、画面の表示の処理に必要な時間を従来より短縮することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像形成装置は、表示装置と、前記表示装置による画像の表示を制御する表示制御手段を備えている表示制御部と、前記表示装置が表示する画像のデータを前記表示制御部に送信する画像送信手段を備えている画像送信部と、前記表示装置による表示中の画面全体のデータである現在画面データを記憶している現在画面記憶部とを備えており、前記画像送信部は、前記表示装置に表示させる予定の画面全体のデータである予定画面データを前記表示装置用のデータ形式に変換する全画面データ変換手段と、前記現在画面記憶部に記憶されている前記現在画面データと前記予定画面データとの差分を所定の形状の範囲で抽出して差分画像データを生成する差分画像生成手段とを備えており、前記画像送信手段は、前記全画面データ変換手段によって変換された前記予定画面データである変換後全画面データと、前記差分画像生成手段によって生成された前記差分画像データとの何れか一方を前記表示制御部に送信し、前記表示制御部は、前記画像送信手段によって送信されてきた前記差分画像データを前記表示装置用のデータ形式に変換する差分画像データ変換手段を備えており、前記表示制御手段は、前記画像送信手段によって前記変換後全画面データが送信されてきた場合、前記変換後全画面データに基づいて前記表示装置に画像を表示させ、前記画像送信手段によって前記差分画像データが送信されてきた場合、前記差分画像データ変換手段によって変換された前記差分画像データである変換後差分画像データに基づいて前記表示装置に画像を表示させることを特徴とする。
【0007】
この構成により、本発明の画像形成装置は、予定画面データから変換後差分画像データを介して画像を表示装置に表示する場合に、予定画面データから変換後全画面データを介して画像を表示装置に表示する場合と比較して、画面の表示の処理に必要な時間を短縮することができるときがある。したがって、本発明の画像形成装置は、画面の表示の処理に必要な時間を従来より短縮することができる。
【0008】
また、本発明の画像形成装置の前記画像送信手段は、前記予定画面データから前記変換後全画面データを介して画像が前記表示装置に表示される時間である全画面表示処理時間と、前記予定画面データから前記変換後差分画像データを介して画像が前記表示装置に表示される時間である差分画像表示処理時間であって前記差分画像データの画像サイズに対する前記差分画像表示処理時間とを比較し、前記全画面表示処理時間が前記差分画像データの画像サイズに対する前記差分画像表示処理時間より短い場合、前記変換後全画面データを前記表示制御部に送信し、前記差分画像データの画像サイズに対する前記差分画像表示処理時間が前記全画面表示処理時間より短い場合、前記差分画像データを前記表示制御部に送信しても良い。
【0009】
この構成により、本発明の画像形成装置は、予定画面データから変換後全画面データを介して画像を表示装置に表示するか、予定画面データから変換後差分画像データを介して画像を表示装置に表示するかを、全画面表示処理時間と、差分画像データの画像サイズに対する差分画像表示処理時間とに基づいて判断するので、画面の表示の処理に必要な時間を適切に短縮することができる。
【0010】
また、本発明の画像形成装置の前記画像送信手段は、前記差分画像表示処理時間が前記全画面表示処理時間に相当する場合の前記差分画像データの画像サイズと、実際の前記差分画像データの画像サイズとを使用して、前記全画面表示処理時間と、前記差分画像データの画像サイズに対する前記差分画像表示処理時間とを比較しても良い。
【0011】
この構成により、本発明の画像形成装置は、全画面表示処理時間と、差分画像データの画像サイズに対する差分画像表示処理時間とを簡単な仕組みで比較するので、画面の表示の処理に必要な時間を短縮することができる。
【0012】
また、本発明の画像形成装置の前記差分画像生成手段は、画面全体の前記差分画像データである全画面差分画像データと、画面を複数の領域に分割した場合の各領域の前記差分画像データである領域差分画像データとを生成し、前記画像送信手段は、前記全画面差分画像データの画像サイズに対する前記差分画像表示処理時間である全画面差分画像表示処理時間と、前記領域差分画像データの画像サイズに対する前記差分画像表示処理時間の全領域の合計である全領域合計差分画像表示処理時間とを比較し、前記全画面差分画像表示処理時間が前記全領域合計差分画像表示処理時間より短い場合、前記全画面差分画像データを前記表示制御部に送信し、前記全領域合計差分画像表示処理時間が前記全画面差分画像表示処理時間より短い場合、全領域の前記領域差分画像データをそれぞれ前記表示制御部に送信しても良い。
【0013】
この構成により、本発明の画像形成装置は、予定画面データから変換後全画面データを介して画像を表示装置に表示するか、予定画面データから全画面差分画像データの変換後差分画像データを介して画像を表示装置に表示するか、予定画面データから領域差分画像データの変換後差分画像データを介して画像を表示装置に表示するかを、全画面表示処理時間と、全画面差分画像表示処理時間と、全領域合計差分画像表示処理時間とに基づいて判断するので、画面の表示の処理に必要な時間を適切に短縮することができる。
【0014】
また、本発明の画像形成装置は、前記全画面表示処理時間を記憶している全画面表示処理時間記憶部と、前記差分画像データの画像サイズに対する前記差分画像表示処理時間を記憶している差分画像表示処理時間記憶部とを備えており、前記画像送信手段は、前記全画面表示処理時間記憶部に記憶されている前記全画面表示処理時間と、前記全画面差分画像データの画像サイズに対して前記差分画像表示処理時間記憶部に記憶されている前記差分画像表示処理時間と、前記領域差分画像データの画像サイズに対して前記差分画像表示処理時間記憶部に記憶されている前記差分画像表示処理時間とを使用して、前記全画面表示処理時間と、前記全画面差分画像表示処理時間と、前記全領域合計差分画像表示処理時間とを比較しても良い。
【0015】
この構成により、本発明の画像形成装置は、全画面表示処理時間と、全画面差分画像表示処理時間と、全領域合計差分画像表示処理時間とを簡単な仕組みで比較するので、画面の表示の処理に必要な時間を短縮することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の画像形成装置は、画面の表示の処理に必要な時間を従来より短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る複合機の構成を示すブロック図である。
【図2】(a)は、図1に示す差分画像生成手段によって扱われる現在画面データの一例を示す図である。(b)は、図1に示す差分画像生成手段によって扱われる予定画面データの一例を示す図である。(c)は、図1に示す差分画像生成手段によって生成される差分画像データの一例を示す図である。
【図3】図1に示す記憶部に記憶されている閾値の決定方法を示す図である。
【図4】表示装置に画像が表示されるときの図1に示すパネルコントローラーの動作のフローチャートである。
【図5】表示装置に画像が表示されるときの図1に示すボード側コントローラーの動作のフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る複合機の記憶部に記憶されている近似式の決定方法を示す図である。
【図7】表示装置に画像が表示されるときの本発明の第2の実施の形態に係る複合機のパネルコントローラーの動作のフローチャートである。
【図8】図7に示すフローチャートの続きのフローチャートである。
【図9】(a)は、図7に示す処理において生成される上半分領域差分画像データおよび下半分領域差分画像データの一例を示す図である。(b)は、図7に示す処理において生成される全画面差分画像データの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0019】
(第1の実施の形態)
まず、本実施の形態に係る画像形成装置としての複合機の構成について説明する。
【0020】
図1は、本実施の形態に係る複合機10の構成を示すブロック図である。
【0021】
図1に示すように、複合機10は、複合機10全体を制御するための制御部11と、利用者によって種々の操作が入力される図示していない操作パネル上の操作部12と、用紙に印刷を実行するプリンター部13と、原稿を読み込んで画像データを生成する読取デバイスであるスキャナー部14と、ホストコンピューターなどの図示していない外部の装置とLAN(Local Area Network)を介して通信を行うためのネットワークI/F(interface)部15と、種々の情報を記憶するための記憶部16と、種々の情報を表示する操作パネル上の表示装置17と、表示装置17を備えているパネルボード18と、表示装置17が表示する画像のビットマップデータをパネルボード18に送信する本発明の画像送信部としてのパネルコントローラー19とを備えている。
【0022】
パネルボード18は、表示装置17による画像の表示を制御する本発明の表示制御部としてのボード側コントローラー20を備えている。
【0023】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)と、プログラムや各種のデータを予め記憶しているROM(Read Only Memory)と、CPUの作業領域として用いられるRAM(Random Access Memory)となどによって構成されている。CPUは、ROMに記憶されているプログラムを実行することによって制御部11を動作させる演算処理装置である。RAMは、CPUによってプログラムが実行されるときにプログラムや各種のデータを一時的に記憶するようになっている。
【0024】
操作部12は、操作パネル上のボタンなどの入力デバイスから構成されている。
【0025】
プリンター部13は、図示していない外部の装置からネットワークI/F部15を介して受信された印刷データのジョブや、スキャナー部14によって生成された画像データのジョブなどの各種のジョブを印刷する印刷デバイスである。
【0026】
ネットワークI/F部15は、例えば、スキャナー部14によって生成された画像データをLANを介して外部の装置に送信したり、プリンター部13で印刷されるための印刷データをLANを介して外部の装置から受信したりする。
【0027】
記憶部16は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などの記憶装置によって構成されている。記憶部16は、表示装置17による表示中の画面全体のビットマップデータである現在画面データを記憶するようになっており、本発明の現在画面記憶部を構成している。
【0028】
表示装置17は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)やタッチパネルなどの表示デバイスから構成されている。
【0029】
パネルコントローラー19は、CPUと、プログラムや各種のデータを予め記憶しているROMと、CPUの作業領域として用いられるRAMとなどによって構成されている。CPUは、ROMに記憶されているプログラムを実行することによってパネルコントローラー19を動作させる演算処理装置である。RAMは、CPUによってプログラムが実行されるときにプログラムや各種のデータを一時的に記憶するようになっている。
【0030】
ここで、パネルコントローラー19は、プログラムを実行することによって、表示装置17が表示する画像のビットマップデータをボード側コントローラー20に送信する画像送信手段19a、表示装置17に表示させる予定の画面全体のビットマップデータである予定画面データを表示装置17用のデータ形式のビットマップデータに変換する全画面データ変換手段19b、および、現在画面データおよび予定画面データの差分を矩形の範囲で抽出して差分画像データを生成する差分画像生成手段19cとして機能するようになっている。なお、以下において、全画面データ変換手段19bによって変換された予定画面データを、変換後全画面データと呼ぶ。
【0031】
図2(a)は、差分画像生成手段19cによって扱われる現在画面データの一例を示す図である。図2(b)は、差分画像生成手段19cによって扱われる予定画面データの一例を示す図である。図2(c)は、差分画像生成手段19cによって生成される差分画像データの一例を示す図である。
【0032】
表示装置17による表示中の画面が図2(a)に示す画像であって、表示装置17に表示させる予定の画面が図2(b)に示す画像である場合、図2(b)に示す画面は、図2(a)に示す画面から図形21a、21bが削除されるとともに、図形22が追加されている。したがって、差分画像生成手段19cは、図2(c)に示すように、図2(a)に示す画像と、図2(b)に示す画像との差分を矩形の範囲23で抽出して差分画像データを生成する。範囲23は、図形21a、21b、22を全て含む最小の矩形の範囲である。
【0033】
図1に示すように、ボード側コントローラー20は、CPUと、プログラムや各種のデータを予め記憶しているROMと、CPUの作業領域として用いられるRAMとなどによって構成されている。CPUは、ROMに記憶されているプログラムを実行することによってボード側コントローラー20を動作させる演算処理装置である。RAMは、CPUによってプログラムが実行されるときにプログラムや各種のデータを一時的に記憶するようになっている。
【0034】
ここで、ボード側コントローラー20は、プログラムを実行することによって、表示装置17による画像の表示を制御する表示制御手段20a、および、画像送信手段19aによって送信されてきた差分画像データを表示装置17用のデータ形式のビットマップデータに変換する差分画像データ変換手段20bとして機能するようになっている。なお、以下において、差分画像データ変換手段20bによって変換された差分画像データを、変換後差分画像データと呼ぶ。
【0035】
なお、記憶部16は、差分画像生成手段19cによって生成される差分画像データの画像サイズと画像送信手段19aによって比較される閾値が記憶されている。
【0036】
図3は、記憶部16に記憶されている閾値の決定方法を示す図である。
【0037】
複合機10の製造者は、予定画面データから変換後全画面データを介して画像が表示装置17に表示される時間である全画面表示処理時間を、複合機10を使用して実際に計測する。また、複合機10の製造者は、予定画面データから変換後差分画像データを介して画像が表示装置17に表示される時間である差分画像表示処理時間を、差分画像データの画像サイズ毎に、複合機10を使用して実際に計測する。図3には、そのようにして計測された結果の一例が示されている。図3に示すように、複合機10の製造者は、差分画像表示処理時間が全画面表示処理時間に相当する場合の画像サイズを、記憶部16に記憶させる閾値として決定する。
【0038】
次に、表示装置17に画像を表示するときの複合機10の動作について説明する。
【0039】
図4は、表示装置17に画像が表示されるときのパネルコントローラー19の動作のフローチャートである。
【0040】
制御部11は、パネルコントローラー19に一定の周期で予定画面データを入力する。パネルコントローラー19は、制御部11から予定画面データが入力されると、図4に示す処理を開始する。
【0041】
図4に示すように、パネルコントローラー19の差分画像生成手段19cは、記憶部16に記憶されている現在画面データと、入力された予定画面データとの差分を矩形の範囲で抽出して差分画像データを生成する(S51)。
【0042】
次いで、パネルコントローラー19の画像送信手段19aは、現在画面データおよび予定画面データの差分があるか否かを判断する(S52)。ここで、画像送信手段19aは、S51において生成された差分画像データの画像サイズが0である場合、現在画面データおよび予定画面データの差分がないと判断し、S51において生成された差分画像データの画像サイズが0ではない場合、現在画面データおよび予定画面データの差分があると判断する。
【0043】
S52において差分がないと判断すると、画像送信手段19aは、図4に示す処理を終了する。つまり、表示装置17に表示されている画像は、変更されない。
【0044】
S52において差分があると判断すると、画像送信手段19aは、S51において生成された差分画像データの画像サイズが、記憶部16に記憶されている閾値より大きいか否かを判断する(S53)。
【0045】
S53において差分画像データの画像サイズが閾値より大きいと判断すると、画像送信手段19aは、全画面データ変換手段19bに予定画面データを表示装置17用のデータ形式のビットマップデータに変換させて変換後全画面データを生成する(S54)。
【0046】
次いで、画像送信手段19aは、S54において生成した変換後全画面データをボード側コントローラー20に送信する(S55)。なお、S55において送信される変換後全画面データには、画像データそのものだけではなく、変換後全画面データであることを示す情報が含まれている。
【0047】
次いで、画像送信手段19aは、予定画面データを新たな現在画面データとして記憶部16に記憶して(S56)、図4に示す処理を終了する。
【0048】
S53において差分画像データの画像サイズが閾値以下であると判断すると、画像送信手段19aは、S51において生成された差分画像データをボード側コントローラー20に送信する(S57)。なお、S57において送信される差分画像データには、画像データそのものだけではなく、差分画像データであることを示す情報と、表示装置17の画面における差分画像データの位置を示す情報とが含まれている。
【0049】
次いで、画像送信手段19aは、S56の処理を実行して、図4に示す処理を終了する。
【0050】
図5は、表示装置17に画像が表示されるときのボード側コントローラー20の動作のフローチャートである。
【0051】
ボード側コントローラー20は、パネルコントローラー19から送信された変換後全画面データまたは差分画像データを受信すると、図5に示す処理を開始する。
【0052】
図5に示すように、ボード側コントローラー20の表示制御手段20aは、受信した画像データが変換後全画面データであるか否かを判断する(S61)。ここで、ボード側コントローラー20は、受信した画像データに変換後全画面データであることを示す情報が含まれている場合、受信した画像データが変換後全画面データであると判断し、受信した画像データに差分画像データであることを示す情報が含まれている場合、受信した画像データが変換後全画面データではないと判断する。
【0053】
S61において変換後全画面データであると判断すると、表示制御手段20aは、入力された変換後全画面データに基づいた画像を表示装置17に表示させて(S62)、図5に示す処理を終了する。
【0054】
S61において変換後全画面データではないと判断すると、表示制御手段20aは、受信した差分画像データを表示装置17用のデータ形式のビットマップデータに差分画像データ変換手段20bによって変換させて変換後差分画像データを生成する(S63)。
【0055】
次いで、表示制御手段20aは、S63において生成した変換後差分画像データと、受信した差分画像データに含まれていた表示装置17の画面における位置を示す情報とに基づいた画像を表示装置17に表示させて(S64)、図5に示す処理を終了する。
【0056】
以上に説明したように、複合機10は、予定画面データから変換後差分画像データを介して画像を表示装置17に表示する場合(S53でNO)に、予定画面データから変換後全画面データを介して画像を表示装置17に表示する場合(S53でYES)と比較して、画面の表示の処理に必要な時間を短縮することができる。したがって、複合機10は、画面の表示の処理に必要な時間を従来より短縮することができる。
【0057】
複合機10は、差分画像データの画像サイズが閾値より大きい場合、すなわち、全画面表示処理時間が差分画像データの画像サイズに対する差分画像表示処理時間より短い場合(S53でYES)、変換後全画面データをボード側コントローラー20に送信する(S55)。また、複合機10は、差分画像データの画像サイズが閾値以下である場合、すなわち、差分画像データの画像サイズに対する差分画像表示処理時間が全画面表示処理時間と同一であるか全画面表示処理時間より短い場合(S53でNO)、差分画像データをボード側コントローラー20に送信する(S57)。この構成により、複合機10は、予定画面データから変換後全画面データを介して画像を表示装置17に表示するか、予定画面データから変換後差分画像データを介して画像を表示装置17に表示するかを、全画面表示処理時間と、差分画像データの画像サイズに対する差分画像表示処理時間とに基づいて判断するので、画面の表示の処理に必要な時間を適切に短縮することができる。
【0058】
また、画像送信手段19aは、全画面表示処理時間と、差分画像データの画像サイズに対する差分画像表示処理時間との比較を、差分画像表示処理時間が全画面表示処理時間に相当する場合の差分画像データの画像サイズである閾値と、実際の差分画像データの画像サイズとの比較によって行っている(S53)。この構成により、複合機10は、全画面表示処理時間と、差分画像データの画像サイズに対する差分画像表示処理時間とを簡単な仕組みで比較するので、画面の表示の処理に必要な時間を短縮することができる。
【0059】
なお、画像送信手段19aは、本実施の形態において、差分画像データの画像サイズが閾値と同一である場合、すなわち、差分画像データの画像サイズに対する差分画像表示処理時間が全画面表示処理時間と同一である場合に、差分画像データをボード側コントローラー20に送信する(S57)ようになっているが、変換後全画面データを生成して(S54)、生成した変換後全画面データをボード側コントローラー20に送信する(S55)ようになっていても良い。
【0060】
(第2の実施の形態)
まず、本実施の形態に係る画像形成装置としての複合機の構成について説明する。
【0061】
なお、本実施の形態に係る複合機の構成は、以下の構成を除いて、第1の実施の形態に係る複合機10(図1参照。)の構成と同様である。したがって、以下においては、本実施の形態に係る複合機の構成要素に、第1の実施の形態に係る複合機10の構成要素と同一の符号を付して説明する。
【0062】
本実施の形態に係る複合機の記憶部16は、全画面表示処理時間(図3参照。)を記憶しており、本発明の全画面表示処理時間記憶部を構成している。
【0063】
なお、本実施の形態に係る複合機の製造者は、予定画面データから変換後全画面データを介して画像が表示装置17に表示される時間である全画面表示処理時間を、本実施の形態に係る複合機を使用して実際に計測する。記憶部16には、このようにして計測された全画面表示処理時間が記憶させられる。
【0064】
また、本実施の形態に係る複合機の記憶部16は、差分画像データの画像サイズに対する差分画像表示処理時間を近似式によって記憶しており、本発明の差分画像表示処理時間記憶部を構成している。
【0065】
図6は、記憶部16に記憶されている近似式の決定方法を示す図である。
【0066】
本実施の形態に係る複合機の製造者は、予定画面データから変換後差分画像データを介して画像が表示装置17に表示される時間である差分画像表示処理時間を、差分画像データの画像サイズ毎に、本実施の形態に係る複合機を使用して実際に計測する。図6には、そのようにして計測された結果の一例が示されている。記憶部16には、このようにして計測された差分画像表示処理時間の近似式が記憶させられる。なお、図6に示す例では、yを差分画像表示処理時間とし、xを差分画像データの画像サイズとした場合、近似式は、「y=0.025x+3.038」である。
【0067】
次に、表示装置17に画像を表示するときの本実施の形態に係る複合機の動作について説明する。
【0068】
図7は、表示装置17に画像が表示されるときのパネルコントローラー19の動作のフローチャートである。図8は、図7に示すフローチャートの続きのフローチャートである。
【0069】
制御部11は、パネルコントローラー19に一定の周期で予定画面データを入力する。パネルコントローラー19は、制御部11から予定画面データが入力されると、図7および図8に示す処理を開始する。
【0070】
図7に示すように、パネルコントローラー19の差分画像生成手段19cは、画面を上下半分ずつの領域に分割した場合の上半分の領域について、記憶部16に記憶されている現在画面データと、入力された予定画面データとの差分を矩形の範囲で抽出して、差分画像データである上半分領域差分画像データを生成する(S151)。
【0071】
次いで、差分画像生成手段19cは、画面を上下半分ずつの領域に分割した場合の下半分の領域について、記憶部16に記憶されている現在画面データと、入力された予定画面データとの差分を矩形の範囲で抽出して、差分画像データである下半分領域差分画像データを生成する(S152)。
【0072】
なお、上半分領域差分画像データおよび下半分領域差分画像データは、本発明の領域差分画像データを構成している。
【0073】
差分画像生成手段19cは、S152の処理の後、画面全体について、記憶部16に記憶されている現在画面データと、入力された予定画面データとの差分を矩形の範囲で抽出して、差分画像データである全画面差分画像データを生成する(S153)。
【0074】
図9(a)は、図7に示す処理において生成される上半分領域差分画像データおよび下半分領域差分画像データの一例を示す図である。図9(b)は、図7に示す処理において生成される全画面差分画像データの一例を示す図である。
【0075】
図9に示す例では、差分画像生成手段19cは、画面100を上下半分ずつの領域に分割した場合の上半分の領域111の差分画像データである上半分領域差分画像データ111aを生成し(S151)、画面100を上下半分ずつの領域に分割した場合の下半分の領域112の差分画像データである下半分領域差分画像データ112aを生成し(S152)、画面100全体の差分画像データである全画面差分画像データ121を生成する(S153)。全画面差分画像データ121は、上半分領域差分画像データ111aおよび下半分領域差分画像データ112aを全て含む最小の矩形の範囲のデータである。
【0076】
図7に示すように、S153の処理の後、パネルコントローラー19の画像送信手段19aは、現在画面データおよび予定画面データの差分があるか否かを判断する(S154)。ここで、画像送信手段19aは、S153において生成された全画面差分画像データの画像サイズが0である場合、現在画面データおよび予定画面データの差分がないと判断し、S153において生成された全画面差分画像データの画像サイズが0ではない場合、現在画面データおよび予定画面データの差分があると判断する。
【0077】
S154において差分がないと判断すると、画像送信手段19aは、図7および図8に示す処理を終了する。つまり、表示装置17に表示されている画像は、変更されない。
【0078】
S154において差分があると判断すると、画像送信手段19aは、上半分の領域および下半分の領域の何れか一方の領域のみに、現在画面データおよび予定画面データの差分があるか否かを判断する(S155)。ここで、画像送信手段19aは、S151において生成された上半分領域差分画像データの画像サイズが0である場合、上半分の領域において現在画面データおよび予定画面データの差分がないと判断し、S151において生成された上半分領域差分画像データの画像サイズが0ではない場合、上半分の領域において現在画面データおよび予定画面データの差分があると判断する。また、画像送信手段19aは、S152において生成された下半分領域差分画像データの画像サイズが0である場合、下半分の領域において現在画面データおよび予定画面データの差分がないと判断し、S152において生成された下半分領域差分画像データの画像サイズが0ではない場合、下半分の領域において現在画面データおよび予定画面データの差分があると判断する。
【0079】
S155において上半分の領域および下半分の領域の何れか一方の領域のみに差分があると判断すると、画像送信手段19aは、上半分の領域に差分があるか否かを判断する(S156)。
【0080】
S156において上半分の領域に差分があると判断すると、画像送信手段19aは、S151において生成された上半分領域差分画像データの画像サイズが、記憶部16に記憶されている閾値より大きいか否かを判断する(S157)。
【0081】
S157において上半分領域差分画像データの画像サイズが閾値より大きいと判断すると、画像送信手段19aは、全画面データ変換手段19bに予定画面データを表示装置17用のデータ形式のビットマップデータに変換させて変換後全画面データを生成する(S158)。
【0082】
次いで、画像送信手段19aは、S158において生成した変換後全画面データをボード側コントローラー20に送信する(S159)。なお、S159において送信される変換後全画面データには、画像データそのものだけではなく、変換後全画面データであることを示す情報が含まれている。
【0083】
次いで、画像送信手段19aは、予定画面データを新たな現在画面データとして記憶部16に記憶して(S160)、図7および図8に示す処理を終了する。
【0084】
S157において上半分領域差分画像データの画像サイズが閾値以下であると判断すると、画像送信手段19aは、S151において生成された上半分領域差分画像データをボード側コントローラー20に送信する(S161)。なお、S161において送信される上半分領域差分画像データには、画像データそのものだけではなく、差分画像データであることを示す情報と、表示装置17の画面における差分画像データの位置を示す情報とが含まれている。
【0085】
次いで、画像送信手段19aは、S160の処理を実行して、図7および図8に示す処理を終了する。
【0086】
S156において上半分の領域に差分がないと判断すると、画像送信手段19aは、S152において生成された下半分領域差分画像データの画像サイズが、記憶部16に記憶されている閾値より大きいか否かを判断する(S162)。
【0087】
S162において下半分領域差分画像データの画像サイズが閾値より大きいと判断すると、S158、S159およびS160の処理を実行して、図7および図8に示す処理を終了する。
【0088】
S162において下半分領域差分画像データの画像サイズが閾値以下であると判断すると、画像送信手段19aは、S152において生成された下半分領域差分画像データをボード側コントローラー20に送信する(S163)。なお、S163において送信される下半分領域差分画像データには、画像データそのものだけではなく、差分画像データであることを示す情報と、表示装置17の画面における差分画像データの位置を示す情報とが含まれている。
【0089】
次いで、画像送信手段19aは、S160の処理を実行して、図7および図8に示す処理を終了する。
【0090】
S155において上半分の領域および下半分の領域の両方の領域に差分があると判断すると、画像送信手段19aは、記憶部16に記憶されている全画面表示処理時間と、S151において生成された上半分領域差分画像データの画像サイズに対する差分画像表示処理時間およびS152において生成された下半分領域差分画像データの画像サイズに対する差分画像表示処理時間の合計である全領域合計差分画像表示処理時間と、S153において生成された全画面差分画像データの画像サイズに対する差分画像表示処理時間である全画面差分画像表示処理時間とのうち、全画面表示処理時間が最も短いか否かを判断する(S164)。ここで、画像送信手段19aは、上半分領域差分画像データの画像サイズに対する差分画像表示処理時間を、上半分領域差分画像データの画像サイズと、記憶部16に記憶されている近似式とに基づいて算出する。また、画像送信手段19aは、下半分領域差分画像データの画像サイズに対する差分画像表示処理時間を、下半分領域差分画像データの画像サイズと、記憶部16に記憶されている近似式とに基づいて算出する。また、画像送信手段19aは、全画面差分画像データの画像サイズに対する差分画像表示処理時間である全画面差分画像表示処理時間を、全画面差分画像データの画像サイズと、記憶部16に記憶されている近似式とに基づいて算出する。
【0091】
S164において全画面表示処理時間が最も短いと判断すると、画像送信手段19aは、S158、S159およびS160の処理を実行して、図7および図8に示す処理を終了する。
【0092】
S164において全画面表示処理時間が最も短いわけではないと判断すると、画像送信手段19aは、全領域合計差分画像表示処理時間および全画面差分画像表示処理時間のうち、全領域合計差分画像表示処理時間が最も短いか否かを判断する(S165)。
【0093】
S165において全領域合計差分画像表示処理時間が最も短いと判断すると、画像送信手段19aは、S151において生成された上半分領域差分画像データをボード側コントローラー20に送信した後(S166)、S152において生成された下半分領域差分画像データをボード側コントローラー20に送信する(S167)。なお、S166において送信される上半分領域差分画像データや、S167において送信される下半分領域差分画像データには、画像データそのものだけではなく、差分画像データであることを示す情報と、表示装置17の画面における差分画像データの位置を示す情報とが含まれている。
【0094】
次いで、画像送信手段19aは、S160の処理を実行して、図7および図8に示す処理を終了する。
【0095】
S165において全画面差分画像表示処理時間が最も短いと判断すると、画像送信手段19aは、S153において生成された全画面差分画像データをボード側コントローラー20に送信する(S168)。なお、S168において送信される全画面差分画像データには、画像データそのものだけではなく、差分画像データであることを示す情報と、表示装置17の画面における差分画像データの位置を示す情報とが含まれている。
【0096】
次いで、画像送信手段19aは、S160の処理を実行して、図7および図8に示す処理を終了する。
【0097】
以上に説明したように、本実施の形態に係る複合機は、予定画面データから変換後差分画像データを介して画像を表示装置17に表示する場合(S157でNO、S162でNO、S164でNO)、予定画面データから変換後全画面データを介して画像を表示装置17に表示する場合(S157でYES、S162でYES、S164でYES)と比較して、画面の表示の処理に必要な時間を短縮することができる。したがって、本実施の形態に係る複合機は、画面の表示の処理に必要な時間を従来より短縮することができる。
【0098】
本実施の形態に係る複合機は、全画面表示処理時間が差分画像データの画像サイズに対する差分画像表示処理時間より短い場合(S157でYES、S162でYES、S164でYES)、変換後全画面データをボード側コントローラー20に送信する(S159)。また、本実施の形態に係る複合機は、差分画像データの画像サイズに対する差分画像表示処理時間が全画面表示処理時間と同一であるか全画面表示処理時間より短い場合(S157でNO、S162でNO、S164でNO)、差分画像データをボード側コントローラー20に送信する(S161、S163、S166、S167、S168)。この構成により、本実施の形態に係る複合機は、予定画面データから変換後全画面データを介して画像を表示装置17に表示するか、予定画面データから変換後差分画像データを介して画像を表示装置17に表示するかを、全画面表示処理時間と、差分画像データの画像サイズに対する差分画像表示処理時間とに基づいて判断するので、画面の表示の処理に必要な時間を適切に短縮することができる。
【0099】
また、画像送信手段19aは、全画面表示処理時間と、差分画像データの画像サイズに対する差分画像表示処理時間との比較を、差分画像表示処理時間が全画面表示処理時間に相当する場合の差分画像データの画像サイズである閾値と、実際の差分画像データの画像サイズとの比較によって行っている(S157、S162)。この構成により、本実施の形態に係る複合機は、全画面表示処理時間と、差分画像データの画像サイズに対する差分画像表示処理時間とを簡単な仕組みで比較するので、画面の表示の処理に必要な時間を短縮することができる。
【0100】
なお、画像送信手段19aは、本実施の形態において、S155でYESの場合、差分画像データの画像サイズが閾値と同一であるとき、すなわち、差分画像データの画像サイズに対する差分画像表示処理時間が全画面表示処理時間と同一であるときに、差分画像データをボード側コントローラー20に送信する(S161、S163)ようになっているが、変換後全画面データを生成して(S158)、生成した変換後全画面データをボード側コントローラー20に送信する(S159)ようになっていても良い。同様に、画像送信手段19aは、本実施の形態において、S155でNOの場合、全画面表示処理時間、全領域合計差分画像表示処理時間および全画面差分画像表示処理時間のうち全画面表示処理時間以外にも最短のものがあるときであっても、変換後全画面データを生成して(S158)、生成した変換後全画面データをボード側コントローラー20に送信する(S159)ようになっているが、全領域合計差分画像表示処理時間が最短であれば上半分領域差分画像データをボード側コントローラー20に送信した後(S166)、下半分領域差分画像データをボード側コントローラー20に送信する(S167)ようになっていても良いし、全画面差分画像表示処理時間が最短であれば全画面差分画像データをボード側コントローラー20に送信する(S168)ようになっていても良い。
【0101】
また、本実施の形態に係る複合機は、予定画面データから変換後全画面データを介して画像を表示装置17に表示するか、予定画面データから全画面差分画像データの変換後差分画像データを介して画像を表示装置17に表示するか、予定画面データから領域差分画像データの変換後差分画像データを介して画像を表示装置17に表示するかを、全画面表示処理時間と、全画面差分画像表示処理時間と、全領域合計差分画像表示処理時間とに基づいて判断するので、画面の表示の処理に必要な時間を適切に短縮することができる。
【0102】
また、本実施の形態に係る複合機は、全画面表示処理時間と、全画面差分画像表示処理時間と、全領域合計差分画像表示処理時間とを、記憶部16に記憶されている情報及び近似式という簡単な仕組みで比較するので、画面の表示の処理に必要な時間を短縮することができる。なお、本実施の形態に係る複合機は、差分画像データの画像サイズに対する差分画像表示処理時間を近似式によって得ているが、差分画像データの画像サイズに対する差分画像表示処理時間を差分画像データの画像サイズ毎に全て記憶部16に記憶させていれば、差分画像データの画像サイズに対する差分画像表示処理時間を近似式によって得る必要はない。
【0103】
本実施の形態に係る複合機は、上半分領域差分画像データをボード側コントローラー20に送信した後(S166)、下半分領域差分画像データをボード側コントローラー20に送信する(S167)場合が、全画面差分画像データをボード側コントローラー20に送信する(S168)場合と比較して、画面の表示の処理に必要な時間が短いときに有効である。このような状況は、図9に示すように、複数の小さな差分が別々の領域に離れている場合に生じ得る。
【0104】
本実施の形態に係る複合機は、画面を上下半分ずつの領域に分割するようになっているが、複数の領域に分割するようになっていれば、上下半分ずつの領域以外の領域に分割するようになっていても良い。
【0105】
本発明の画像形成装置は、上述した各実施の形態において複合機について説明しているが、コピー機、プリンターなどの複合機以外の画像形成装置であっても良い。
【0106】
また、本発明の画像形成装置は、上述した各実施の形態において、現在画面データおよび予定画面データの差分を矩形の範囲で抽出するようになっているが、矩形以外の形状の範囲で抽出するようになっていても良い。
【符号の説明】
【0107】
10 複合機(画像形成装置)
16 記憶部(現在画面記憶部、全画面表示処理時間記憶部、差分画像表示処理時間記憶部)
17 表示装置
19 パネルコントローラー(画像送信部)
19a 画像送信手段
19b 全画面データ変換手段
19c 差分画像生成手段
20 ボード側コントローラー(表示制御部)
20a 表示制御手段
20b 差分画像データ変換手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置と、前記表示装置による画像の表示を制御する表示制御手段を備えている表示制御部と、前記表示装置が表示する画像のデータを前記表示制御部に送信する画像送信手段を備えている画像送信部と、前記表示装置による表示中の画面全体のデータである現在画面データを記憶している現在画面記憶部とを備えており、
前記画像送信部は、前記表示装置に表示させる予定の画面全体のデータである予定画面データを前記表示装置用のデータ形式に変換する全画面データ変換手段と、前記現在画面記憶部に記憶されている前記現在画面データと前記予定画面データとの差分を所定の形状の範囲で抽出して差分画像データを生成する差分画像生成手段とを備えており、
前記画像送信手段は、前記全画面データ変換手段によって変換された前記予定画面データである変換後全画面データと、前記差分画像生成手段によって生成された前記差分画像データとの何れか一方を前記表示制御部に送信し、
前記表示制御部は、前記画像送信手段によって送信されてきた前記差分画像データを前記表示装置用のデータ形式に変換する差分画像データ変換手段を備えており、
前記表示制御手段は、前記画像送信手段によって前記変換後全画面データが送信されてきた場合、前記変換後全画面データに基づいて前記表示装置に画像を表示させ、前記画像送信手段によって前記差分画像データが送信されてきた場合、前記差分画像データ変換手段によって変換された前記差分画像データである変換後差分画像データに基づいて前記表示装置に画像を表示させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記画像送信手段は、前記予定画面データから前記変換後全画面データを介して画像が前記表示装置に表示される時間である全画面表示処理時間と、前記予定画面データから前記変換後差分画像データを介して画像が前記表示装置に表示される時間である差分画像表示処理時間であって前記差分画像データの画像サイズに対する前記差分画像表示処理時間とを比較し、前記全画面表示処理時間が前記差分画像データの画像サイズに対する前記差分画像表示処理時間より短い場合、前記変換後全画面データを前記表示制御部に送信し、前記差分画像データの画像サイズに対する前記差分画像表示処理時間が前記全画面表示処理時間より短い場合、前記差分画像データを前記表示制御部に送信することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像送信手段は、前記差分画像表示処理時間が前記全画面表示処理時間に相当する場合の前記差分画像データの画像サイズと、実際の前記差分画像データの画像サイズとを使用して、前記全画面表示処理時間と、前記差分画像データの画像サイズに対する前記差分画像表示処理時間とを比較することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記差分画像生成手段は、画面全体の前記差分画像データである全画面差分画像データと、画面を複数の領域に分割した場合の各領域の前記差分画像データである領域差分画像データとを生成し、
前記画像送信手段は、前記全画面差分画像データの画像サイズに対する前記差分画像表示処理時間である全画面差分画像表示処理時間と、前記領域差分画像データの画像サイズに対する前記差分画像表示処理時間の全領域の合計である全領域合計差分画像表示処理時間とを比較し、前記全画面差分画像表示処理時間が前記全領域合計差分画像表示処理時間より短い場合、前記全画面差分画像データを前記表示制御部に送信し、前記全領域合計差分画像表示処理時間が前記全画面差分画像表示処理時間より短い場合、全領域の前記領域差分画像データをそれぞれ前記表示制御部に送信することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記全画面表示処理時間を記憶している全画面表示処理時間記憶部と、前記差分画像データの画像サイズに対する前記差分画像表示処理時間を記憶している差分画像表示処理時間記憶部とを備えており、
前記画像送信手段は、前記全画面表示処理時間記憶部に記憶されている前記全画面表示処理時間と、前記全画面差分画像データの画像サイズに対して前記差分画像表示処理時間記憶部に記憶されている前記差分画像表示処理時間と、前記領域差分画像データの画像サイズに対して前記差分画像表示処理時間記憶部に記憶されている前記差分画像表示処理時間とを使用して、前記全画面表示処理時間と、前記全画面差分画像表示処理時間と、前記全領域合計差分画像表示処理時間とを比較することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−179716(P2012−179716A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−42063(P2011−42063)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】