説明

画像形成装置

【課題】、被記録媒体に印画された画像を読み取る読み取り部を清掃することができる画像形成装置を提供すること。
【解決手段】サーマルプリンタ100は、記録紙1に画像を印画するサーマルヘッド16と、記録紙1に印画された画像を読み取るスキャナ30と、白リファレンスチャート41を有し、搬送路3を挟んでスキャナ30と対向する補正バー40とを含む。また、サーマルプリンタ100は、補正バー40を移動させることで、補正バー40とスキャナ30とを接離させる接離機構50と、接離機構50による補正バー40の移動に連動して、スキャナ30の読み取り面30aを清掃するクリーナ70とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、被記録媒体に画像を形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、画像データに基づいて被記録媒体に画像を形成する画像形成装置が広く知られている。画像形成装置の方式としては、サーマル方式、インクジェット方式等、種々の方式を挙げることができる。
【0003】
しかしながら、いずれの方式においても、画像形成装置の駆動条件(例えば、ヘッドの駆動電圧、駆動時間等)を一定としたとしても、被記録媒体の画質が一定とならない場合がある。例えば、昇華式のサーマルプリンタの場合、インクリボンカートリッジや、ロール紙カートリッジ毎に印画特性がわずかに異なる場合があり、この印画特性の相違が被記録媒体の画質に影響を与えてしまう。また、インクリボンカートリッジの保存時の温度や湿度、あるいは画像形成装置による印画時の温度や湿度等によっても印画特性が異なってしまう場合がある。
【0004】
このような問題に関連する技術として、下記特許文献1に記載された技術が挙げられる。この技術では、まず、サーマルヘッドによりグレーのテストパターンがプリントペーパーに印画される。そして、サーマルヘッドの下流側に配置された光センサにより、グレーのテストパターンからの反射光が受光され、この反射光の受光量からテストパターンの濃度が検出される。そして、プリントペーパーに印画されるテストパターンの濃度が基準の濃度となるように、サーマルヘッドがプリントペーパーに付加する熱量が調整される。特許文献1に記載の技術では、このようにして、プリントペーパーの特性のばらつき等に起因したプリント濃度の変動を抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−326537号公報(段落[0058]〜[0061]、図6、図9)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、画像形成装置の外部や、画像形成装置の内部に存在する塵埃が、被記録媒体を搬送する搬送路内に侵入してしまう場合がある。搬送路上には、プリント濃度等の変動を抑制する等の目的で、被記録媒体に印画された画像を読み取る部材が配置されている。
【0007】
従って、搬送路内に塵埃が侵入すると、画像を読み取る部材に塵埃が付着してしまい、この部材が被記録媒体に印画された画像を読み取るときに、画像を正確に読み取ることができないといった問題がある。
【0008】
以上のような事情に鑑み、本技術の目的は、被記録媒体に印画された画像を読み取る読み取り部を清掃することができる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一形態に係る画像形成装置は、搬送路と、印画部と、読み取り部と、清掃部とを具備する。
前記搬送路は、被記録媒体を搬送する。
前記印画部は、前記搬送路上に設けられ、前記被記録媒体に画像を印画する。
前記読み取り部は、前記被記録媒体に印画された画像を読み取る読み取り面を有し、前記搬送路上に設けられる。
前記清掃部は、前記読み取り面を清掃する。
【0010】
この画像形成装置では、清掃部により、読み取り部の読み取り面を清掃することができる。これにより、読み取り部は、印画部により被記録媒体に印画された画像を正確に読み取ることができる。
【0011】
上記画像形成装置は、補正部と、接離機構とをさらに具備していてもよい。
前記補正部は、前記読み取り部を補正するための補正チャートを有し、前記搬送路を挟んで前記読み取り部と対向する。
前記接離機構は、前記補正部を移動させて前記補正部と前記読み取り部とを近接及び離間させる。
この場合、前記清掃部は、前記補正部の移動に連動して前記読み取り面を清掃してもよい。
【0012】
この画像形成装置では、接離機構により補正部と読み取り部とを近接させて、補正チャートを画像読み取り部に読み取らせることで、読み取り部を補正することができる。また、この画像形成装置では、接離機構により補正部が移動される際の動作が利用され、この補正部の移動に連動して、清掃部が読み取り部の読み取り面を清掃する。
【0013】
上記画像形成装置において、前記清掃部は、前記補正部の移動に連動して前記読み取り面に接触しながら前記読み取り面を清掃する清掃体を有していてもよい。
【0014】
上記画像形成装置において、前記清掃部は、前記補正部と前記読み取り部との間の前記搬送路に前記被記録媒体が存在しないときに、前記補正部の移動に連動して前記読み取り面を清掃してもよい。
【0015】
上記画像形成装置において、前記清掃部は、前記補正部と前記読み取り部との間の前記搬送路に前記被記録媒体が存在するときに、前記補正部の移動に連動して前記清掃体が前記被記録媒体に接触しないように、前記清掃体と前記被記録媒体との間に間隙を形成する間隙形成部をさらに有していてもよい。
【0016】
これにより、補正部と読み取り部との間の搬送路に被記録媒体が存在するときに、補正部が移動した場合に、清掃体に被記録媒体が接触してしまい、清掃体が汚れてしまうことを防止することができる。ここで、例えば、読み取り部により被記録媒体に印画された画像を読み取るような場合に、補正部と読み取り部との間の搬送路上に被記録媒体が存在する状態において、補正部が移動される。
【0017】
上記画像形成装置において、前記清掃部は、前記接離機構又は前記補正部に回動可能に支持される一端部と、前記補正部の移動に連動して前記読み取り面を清掃する清掃体が設けられた他端部とを有する第1の部分を有していてもよい。
【0018】
上記画像形成装置において、前記清掃部は、前記補正部と前記読み取り部との間の前記搬送路に前記被記録媒体が存在しないときに、前記補正部の移動に連動して前記読み取り面を清掃してもよい。
【0019】
上記画像形成装置において、前記清掃部は、前記第1の部分から延在して設けられ、前記補正部と前記読み取り部との間の前記搬送路に前記被記録媒体が存在するときに、前記補正部の移動に連動して前記清掃体が前記被記録媒体に接触しないように、前記被記録媒体と接触して前記清掃体と前記被記録媒体との間に間隙を形成する第2の部分をさらに有していてもよい。
【0020】
これにより、補正部と読み取り部との間の搬送路に被記録媒体が存在するときに、補正部が移動した場合に、清掃体が被記録媒体とが接触してしまい、清掃体が汚れてしまうことを防止することができる。
【0021】
上記画像形成装置において、前記補正部と前記読み取り部との間の前記搬送路に前記被記録媒体が存在しないときに、前記補正部と前記読み取り部とを近接させることで、前記補正チャートを前記読み取り面に接触させ、前記読み取り面により前記補正チャートを読み取って前記読み取り部を補正する補正モードを有していてもよい。
【0022】
上記画像形成装置において、前記補正部と前記読み取り部との間の前記搬送路に前記被記録媒体が存在するときに、前記補正部と前記読み取り部とを近接させることで、前記被記録媒体を前記読み取り面に接触させ、前記読み取り面により前記被記録媒体の画像を読み取る画像読み取りモードを有していてもよい。
【0023】
上記画像形成装置において、前記読み取り部は、前記印画部が前記被記録媒体に画像を印画するときの前記被記録媒体の搬送方向において、前記印画部の下流側に配置されていてもよい。
この場合、前記画像形成装置は、前記印画部が前記被記録媒体に画像を印画するときに、前記画像読み取りモードを実行してもよい。
【0024】
これにより、印画部による画像印画時に、読み取り部により画像の読み取りを実行することができるので、時間効率を向上させることができる。
【0025】
上記画像形成装置において、前記補正チャートは、白、黒、中間諧調グレー、無彩色パッチ又はカラーパッチであってもよい。
【0026】
以上のように、本技術によれば、被記録媒体に印画された画像を読み取る読み取り部を清掃することができる画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本技術の一実施形態に係る画像形成装置(サーマルプリンタ)の側面図である。
【図2】画像形成装置(サーマルプリンタ)の一部を示す拡大側面図である。
【図3】スキャナ及び搬送路部材を背面側(搬送路とは反対側)から見た斜視図である。
【図4】スキャナ及び補正バーを示す側面図である。
【図5】補正バー、クリーナ及び接離機構を前面側(搬送路側)から見た斜視図である。
【図6】補正バー、クリーナ及び接離機構を背面側(搬送路とは反対側)から見た斜視図である。
【図7】図5及び図6に示すA方向からの矢視図であり、接離機構を示す側面図である。
【図8】第3ギア及び接離センサ部を示す背面図である。
【図9】補正バー、クリーナ及びスキャナを示す側方拡大図である。
【図10】クリーナを示す斜視図である。
【図11】スキャナ補正モード時のサーマルプリンタの動作を説明するための図である。
【図12】スキャナ補正モード時のサーマルプリンタの動作を説明するための図である。
【図13】画像読み取りモード時のサーマルプリタの動作を説明するための図である。
【図14】画像読み取りモード時のサーマルプリタの動作を説明するための図である。
【図15】画像読み取りモード時のサーマルプリタの動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本技術に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0029】
<画像形成装置の全体構成及び各部の構成>
図1は、本技術の一実施形態に係る画像形成装置の側面図である。図2は、画像形成装置の一部を示す拡大側面図である。本実施形態の説明では、画像形成装置の一例として、昇華式のサーマルプリンタ100を例に挙げて説明する。
【0030】
図1及び図2に示すように、サーマルプリンタ100は、記録紙1(記録媒体)を搬送する搬送路3を有している。サーマルプリンタ100は、搬送路3において記録紙1の供給側から順番に、装填部11、給紙ローラ12、折り返し部13、スキャナ30(読み取り部)、補正バー40(補正部)、クリーナ70(清掃部)及び接離機構50を備えている。また、サーマルプリンタ100は、記録紙1の供給側から順番に、キャプスタン14、ピンチローラ15、サーマルヘッド16(印画部)、プラテンローラ17及びカッターユニット18を備えている。
【0031】
また、サーマルプリンタ100は、インクリボン4を供給する供給リール21と、インクリボン4を巻き取る巻き取りリール22とを備えている。サーマルヘッド16の両側には、インクリボン4をガイドするガイドローラ23、24が設けられている。
【0032】
なお、図示は省略しているが、サーマルプリンタ100は、サーマルプリンタ100の各部を統括的に制御する制御部を有している。また、サーマルプリンタ100は、制御部の処理に必要な各種のプログラムが記録された不揮発性のメモリや、制御部の作業領域として用いられる揮発性のメモリを有している。上記各種プログラムは、光ディスク、磁気ディスク等の記録媒体から読み取られてもよい。
【0033】
装填部11は、記録紙1がロール状に巻回されたロール体2を回転可能に支持することが可能とされている。給紙ローラ12は、モータ等の駆動部により駆動されて記録紙1を搬送路3へ送り出す。
【0034】
折り返し部13は、折り返しローラ13aと、折り返しローラ13aとの間で搬送路3を形成する搬送路部材13bとを有している。搬送路部材13bには、複数のローラ13cが設けられており、この複数のローラ13cにより、搬送路3内において円滑に記録紙1を搬送することができる。
【0035】
折り返し部13は、給紙ローラ12により送り出された記録紙1の方向を転換させて、スキャナ30側に導く。この折り返し部13が設けられることにより、サーマルプリンタ100内の限られたスペースを有効に活用することができる。また、折り返し部13が設けられることより、ロール体2の装填口と、排出口を同じ向き(サーマルプリンタ100の前面側)に配置することが可能となるので、ロール体2を装填部11に対して着脱する際の操作性を向上させることができる。
【0036】
キャプスタン14は、駆動ローラであり、モータなどの駆動部により駆動される。ピンチローラ15は、従動ローラであり、キャプスタン14との間で記録紙1を挟み込む。キャプスタン14は、正回転(図1、図2中、反時計回り)の駆動により、キャプスタン14及びピンチローラ15に挟み込まれた記録紙1をサーマルヘッド16側に送り出す。また、キャプスタン14は、逆回転(図1、2中、時計回り)の駆動により、サーマルヘッド16側に送り出された記録紙1をスキャナ30側(記録紙1の供給側)へ戻す。
【0037】
なお、給紙ローラ12は、キャプスタン14と同期して正回転及び逆回転し、記録紙1を装填部11から送り出したり、装填部11側に戻したりする。
【0038】
なお、以降では、キャプスタン14の正回転により記録紙1が送り出される方向を送り出し方向と呼び、キャプスタン14の逆回転により送り出された記録紙1が戻される方向を印画方向と呼ぶ。すなわち、このサーマルプリンタ100では、一端、送り出し方向に送り出された記録紙1が戻されているときに、サーマルヘッド16により記録紙1に画像が印画される。
【0039】
サーマルヘッド16は、ライン状に配列された多数の発熱素子を有する。プラテンローラ17は、サーマルヘッド16との間でインクリボン4及び記録紙1を挟みこみ、サーマルヘッド16の押圧力に抗して記録紙1を下方から支持する。サーマルヘッド16は、供給リール21からサーマルヘッド16と記録紙1との間に供給されるインクリボン4を上方から押圧しつつ、発熱素子によりインクリボン4に熱を加える。これにより、インクリボン4に塗布された昇華性染料が昇華され、記録紙1上に画像が転写される。
【0040】
インクリボン4には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のカラーインクと、透明なラミネートインク(L)とが順番に塗布されている。インクリボン4は、供給リール21から引き出され、ガイドローラ23にガイドされて、サーマルヘッド16及びプラテンローラ17の間(サーマルヘッド16及び記録紙1の間)を通る。そして、インクリボン4は、ガイドローラ24にガイドされ、巻き取りリール22によって巻き取られる。
【0041】
カッターユニット18は、画像の印画が終了した記録紙1を所定の長さに切断する。
【0042】
スキャナ30は、搬送路3上において、折り返し部13と、キャプスタン14及びピンチローラ15との間に配置されている。すなわち、スキャナ30は、搬送路3上において、サーマルヘッド16に対して、印画方向(記録紙1に画像が印画されるときの記録紙1の搬送方向)の下流側に配置されている。
【0043】
図3は、スキャナ30及び搬送路部材35を背面側(搬送路3とは反対側)から見た斜視図である。図3に示すように、スキャナ30は、幅方向(x軸方向)に長い直方体形状を有している。スキャナ30は、スキャナ30側で搬送路3の一部を形成する搬送路部材35に支持されている。搬送路部材35には、複数のローラ36が設けられており、この複数のローラ36により、搬送路3内において円滑に記録紙1を搬送することができる。
【0044】
図4は、スキャナ30及び補正バー40を示す側面図である。スキャナ30は、内部にCCDセンサ(CCD:Charge Coupled Device)や、CMOSセンサ(CMOS:Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の光学素子を有している。スキャナ30は、搬送路3側に読み取り面30aを有している。スキャナ30は、読み取り面30aの上部に幅方向(x軸方向)に長いライン状の画像読み取り位置(図示せず)を有しており、この画像読み取り位置で、記録紙1上に印画された画像や、補正バー40に設けられた白リファレンスチャート41等を読み取る。
【0045】
補正バー40は、退避位置で、搬送路3を挟んでスキャナ30と対向する位置に配置される。補正バー40は、幅方向(x軸方向)に長い形状を有している(後述の図5、図6も参照)。補正バー40は、接離機構50により支持されており、接離機構50の駆動に応じてy軸方向へ移動される。補正バー40は、y軸方向への移動により、スキャナ30の読み取り面30aに近接したり、読み取り面30aから離間したりする。
【0046】
補正バー40は、スキャナ30に対向する側の面に白リファレンスチャート41(補正チャート)を有している。白リファレンスチャート41は、幅方向(x軸方向)に長い矩形の形状を有している(後述の図5も参照)。白リファレンスチャート41は、スキャナ30自体を補正(校正)するために用いられている。具体的には、白リファレンスチャート41は、一様な濃度の画像を読み取ったにもかかわらず、スキャナ30の読み取りデータがばらつく現象を補正(シェーディング補正)するために用いられている。
【0047】
図5は、補正バー40、クリーナ70及び接離機構50を前面側(搬送路3側)から見た斜視図である。図6は、補正バー40、クリーナ70及び接離機構50を背面側(搬送路3とは反対側)から見た斜視図である。
【0048】
図5及び図6に示すように、接離機構50は、補正バー40側で搬送路3を形成する搬送路板81の背面側に配置されている。搬送路板81の背面側には、螺子止め等により取り付け板82(図6参照)が固定されており、接離機構50は、この取り付け板82に対して取り付けられる。なお、図5では、図面を見やすく表示するため、取り付け板82を省略して図示している。接離機構50は、補正バー40を前後方向(y軸方向)に移動させることで、補正バー40をスキャナ30に対して近接させたり、離間させたりする。
【0049】
図7は、図5及び図6に示すA方向からの矢視図であり、接離機構50を示す側面図である。
【0050】
図5〜図7を参照して、接離機構50は、接離モータ51と、接離モータ51の出力軸に設けられた第1ギア52(螺子歯車)とを含む。また、接離機構50は、第1ギア52(螺子歯車)と噛み合う斜歯歯車部53aと、斜歯歯車部53aと一体の平歯車部53bとを有する第2ギア53と、第2ギア53の平歯車部53bに噛み合う平歯車部54aを有する第3ギア54とを含む。また、接離機構50は、第3ギア54の中心に取り付けられた軸体55と、軸体55の両端側に設けられた2つのカム56と、カム56の回転に応じて回動する2つの回動部材59とを含む。また、接離機構50は、補正バー40のスキャナ30対する接離の切り換えを検出する接離センサ部61を含む。
【0051】
接離モータ51は、取り付け板82の背面側に螺子止め等により固定された第1の取り付け部材83(図5及び図6参照)に固定されている。取り付け板82の背面側には、第1の取り付け部材83の他に、第2の取り付け部材84が螺子止め等により固定されている。
【0052】
第2ギア53は、第1の取り付け部材83及び第2の取り付け部材84に回転可能に支持されている(図5参照)。第2ギア53は、斜歯歯車部53aにおいて、第1ギア52(螺子歯車)と噛み合って第1ギア52の回転をx軸回りの回転に変換する。そして、第2ギア53は、平歯車部53bにおいて第3ギア54の平歯車部54aと噛み合って回転を第3ギア54へ伝達する。
【0053】
図8は、第3ギア54及び接離センサ部61を示す背面図である。図8に示すように、第3ギア54は、第2ギア53と噛み合う平歯車部54aと、筒部54bとを有する。筒部54bには、筒部54bを径方向で貫通する2つのセンサ検出用の開口部54cが形成されている。なお、図8では、2つの開口部54cのうち、一方の開口部54cが示されている。
【0054】
接離センサ部61は、センサ基板61aと、センサ基板61a上に搭載された透過型の光センサ61bとを含む。接離センサ部61は、第2の取り付け部材84に取り付けられている(図5、図6参照)。光センサ61bは、筒部54bの内周側及び外周側のうち一方側に配置された発光部と、他方側に配置された受光部とを有する。第3ギア54の筒部54bに形成された2つの開口部54cのうち、一方が光センサ61bの位置に一致すると、発光部から発光された光が開口部54cを介して受光部に到達し、受光部により検出される。これより、補正バー40のスキャナ30に対する接離を検出することができる。
【0055】
再び図5〜図7を参照して、第3ギア54の中心に取り付けられた軸体55は、取り付け板82に回動可能に支持されている。具体的には、軸体55は、取り付け板82の両側の端部が90°後方に折れ曲がるようにして形成された2つの側壁部85に回転可能に支持されている(図6参照)。
【0056】
回動部材59は、取り付け板82の側壁部85に回動可能に支持されており(図6参照)、回動部材59は、幅方向(x軸方向)の軸を回動の中心軸として回動可能とされている。回動部材59の一端部側には、カム56と当接するカムフォロア57が設けられている。また、回動部材59の一端部側には、バネ等の弾性体58の一端部が連結されている。この弾性体58の他端部は、取り付け板82の側壁部85に連結されている(図6参照)。弾性体58は、カムフォロア57をカム56側に引き付けており、これにより、回動部材59は、カム56の回転に応じて回動する。
【0057】
回動部材59の他端部側には、補正バー40が設けられており、また、クリーナ70が回動可能に設けられている。このクリーナ70は、接離機構50による補正バー40の移動に連動して、スキャナ30の読み取り面30aを清掃する。
【0058】
図9は、補正バー40、クリーナ70及びスキャナ30を示す側方拡大図である。図10は、クリーナ70を示す斜視図である。
【0059】
図9及び図10を参照して(図5及び図6も参照)、クリーナ70は、回動部材59に回動可能に支持される基端部側に基部71(第1の部分)を有している。また、クリーナ70は、先端部側に、基部71から延在して設けられた複数の延在部72(第2の部分、間隙形成部)を有している。
【0060】
基部71は、幅方向(x軸方向)に長い形状のクリーナ本体75と、クリーナ本体75の幅方向の両端側でクリーナ本体75を支持するとともに、回動部材59に回動可能に支持される2つの支持部76とを有する。
【0061】
クリーナ本体75の先端側の角部(つまり、基部71の先端側)には、スキャナ30の読み取り面30aを清掃する布やハケなどの清掃体78が設けられている(図10参照)。清掃体78は、接離機構50による補正バー40の移動に連動して、スキャナ30の読み取り面30aに接触しながら読み取り面30aを清掃する。なお、本実施形態では、読み取り面30aの上部にライン状の読み取り位置が形成されていることから、読み取り面30aのうち少なくともこの読み取り位置を清掃可能なように、クリーナ70(清掃体78)の位置が設定されている。
【0062】
支持部76の基端部(基部71の基端部)は、回動部材59に回動可能に支持されている。支持部76と、回動部材59との間には、ねじりコイルバネが介在されており、これにより、クリーナ70は、図9中、半時計回りの方向に付勢されている。回動部材59には、ねじりコイルバネによるクリーナ70の回転を所定の位置で規制するストッパ60が設けられている。支持部76は、屈曲した形状を有しており、支持部76の屈曲した部分がストッパ60に当接する。これにより、ねじりコイルバネによるクリーナ70の回転が規制され、クリーナ70が図9に示す位置で保持される。なお、以降の説明では、ねじりコイルバネによるクリーナ70の回転がストッパ60により規制されるときのクリーナ70の位置を基準位置と呼ぶ。
【0063】
クリーナ本体75の幅方向の両端側には、2つのローラ77が設けられている。このローラ77は、清掃体78がスキャナ30の読み取り面30aに接触しながら読み取り面30aを清掃する際に、清掃体78が円滑に読み取り面30aを清掃することができるように、読み取り面30aに接触しながら回転する。
【0064】
延在部72は、幅方向(x軸方向)に沿って所定の間隔で複数個設けられている(図5、図10参照)。本実施形態では、延在部72の個数は、6個とされているが、延在部72の個数は、特に限定されない。
【0065】
補正バー40側で搬送路3を形成する搬送路板81には、延在部72に対応する位置に開口86が形成されている(図5参照)。同様に、搬送路板81の背面側に配置された、接離機構50を取り付ける取り付け板82にも、延在部72に対向する位置に開口87が形成されている(図6参照)。延在部72は、クリーナ70が基準位置にあるときに、搬送路3を挟んで反対側のスキャナ30側まで突出している。従って、スキャナ30側で搬送路3を形成する搬送路部材35にも、この延在部72に対応する位置に開口37が形成されている(図3参照)。
【0066】
延在部72は、補正バー40とスキャナ30との間の搬送路3に記録紙1が存在するときに、補正バー40の移動に連動して清掃体78が記録紙1に接触しないように、先端部で記録紙1と接触して清掃体78と記録紙1との間に間隙を形成する(後述の図14、図15参照)。
【0067】
<動作説明>
次に、本実施形態に係るサーマルプリンタ100の動作について説明する。
【0068】
[サーマルヘッド16による画像印画時の動作]
まず、図1を参照して、サーマルヘッド16が記録紙1に画像を印画するときの動作について説明する。なお、以降で説明するサーマルプリンタ100の動作は、制御部の制御下において実行される。
【0069】
まず、サーマルヘッド16がプラテンローラ17から離れた位置に上昇している状態で、キャプスタン14及び給紙ローラ12が正回転される。キャプスタン14及び給紙ローラ12が正回転されると、記録紙1が搬送路3に沿って送り出し方向に送り出される。記録紙1の印画の開始地点が、サーマルヘッド16の発熱素子に対応する位置まで送り出されると、キャプスタン14及び給紙ローラ12の駆動が一端停止される。
【0070】
その後、サーマルヘッド16がプラテンローラ17側に下降される。これにより、サーマルヘッド16と、プラテンローラ17との間に、インクリボン4と記録紙1とが挟みこまれる。
【0071】
次に、キャプスタン14及び給紙ローラ12が逆回転される。このとき、キャプスタン14及び給紙ローラ12の逆回転に連動して、巻き取りリール22が駆動される。これにより、サーマルヘッド16及びプラテンローラ17間に挟みこまれた記録紙1が印画方向に搬送されると同時に、インクリボン4が巻き取りリール22に巻き取られる。そして、サーマルヘッド16に諧調データが入力され、サーマルヘッド16の発熱素子が選択的に通電されて発熱素子から熱エネルギーが発生する。これにより、インクリボン4のイエロー(Y)のインク(1番目のインク)が昇華され、記録紙1上に、画像が転写される。
【0072】
記録紙1の先端部(印画の終了地点)がサーマルヘッド16の発熱素子に対応する位置まで戻されると、キャプスタン14及び給紙ローラ12の逆回転と、巻き取りリール22の回転が停止される。
【0073】
次に、サーマルヘッド16が上昇される。そして、キャプスタン14及び給紙ローラ12が正回転され、再び、記録紙1の印画の開始地点が、サーマルヘッド16の発熱素子に対応する位置となるように記録紙1が送り出される。
【0074】
次に、以上で説明したイエロー(Y)の印画と同様にして、インクリボン4のマゼンタ(M)が記録紙1上に転写される。マゼンタ(M)の印画が終了すると、サーマルヘッド16が上昇され、記録紙1の印画の開始地点が、サーマルヘッド16の発熱素子に対応する位置となるように記録紙1が送り出し方向に送り出される。そして、イエロー(Y)及びマゼンタ(M)の場合と同様にして、シアン(C)が記録紙1上に転写される。
【0075】
イエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)の印画が終了し、記録紙1にカラー画像が印画されると、次に、これらのカラーインクの場合と同様にして、透明のラミネートインク(L)が記録紙1上に転写される。このラミネートインク(L)により、カラー画像を紫外線等から保護することができる。
【0076】
ラミネートインク(L)の転写が終了すると、サーマルヘッド16が上昇され、キャプスタン14及び給紙ローラ12が正回転される。そして、記録紙1の画像が印画された部分がカッターユニット18よりも前方に送り出されると、キャプスタン14及び給紙ローラ12の正回転が停止され、カッターユニット18により記録紙1が所定のサイズにカットされる。所定サイズにカットされた記録紙1は、排出口を介して排出される。
【0077】
[スキャナ補正モード時の動作]
次に、スキャナ30を補正(校正)するスキャナ補正モード時の動作について説明する。図11及び図12は、スキャナ補正モード時のサーマルプリンタ100の動作を説明するための図である。なお、ここでの説明では、図11及び図12の他、図7を参照しつつ、サーマルプリンタ100の動作を説明する。
【0078】
また、ここでの説明では、図7に示すように、補正バー40がスキャナ30に対して搬送路3を挟んで離間されている状態であって、かつ、クリーナ70が基準位置とされている状態を起点として、サーマルプリンタ100の動作を説明する。
【0079】
まず、補正バー40及びスキャナ30の間の搬送路3に記録紙1が存在しない状態で、接離モータ51が駆動される。接離モータ51が駆動されると、接離モータ51の出力軸に設けられた第1ギア52(螺子歯車)が回転し、斜歯歯車部53aで第1ギア52と噛み合う第2ギア53が回転する。第2ギア53が回転されると、平歯車部54aで第2ギアの平歯車部53bと噛み合う第3ギア54が回転する。第3ギア54が回転されると、第3ギア54の中心に固定された軸体55が回転し、これに応じて、軸体55の両端側に設けられたカム56が回転する。
【0080】
カム56が回転すると、弾性体58の弾性力によりカムフォロア57がカム56側に引き付けられてカム56側に移動する。これにより、回動部材59がx軸回りに回転する。回動部材59が回転すると、回動部材59の他端部側に設けられた補正バー40及びクリーナ70がスキャナ30側に近づく方向に移動する。そして、図11に示すように、クリーナ70に設けられたローラ77と、清掃体78(図10参照)とがスキャナ30の読み取り面30aに接触する。
【0081】
図11に示す状態から、カム56がさらに回転されると、弾性体58の弾性力によりカムフォロア57がカム56側に移動し、回動部材59がさらに回転する。回動部材59の回転により、補正バー40がスキャナ30側にさらに移動する。これにより、図12に示すように、白リファレンスチャート41がスキャナ30の読み取り面30aに接触する。補正バー40の白リファレンスチャート41がスキャナ30の読み取り面30aに接触すると、白リファレンスチャート41と読み取り面30aとの接触により回動部材59の回転が停止される。そして、接離モータ51の駆動が停止される。なお、この接離モータ51の駆動の停止は、光センサ61bによる光の検出に基づいて実行される(図8参照)。
【0082】
回動部材59が回転されて図11に示す状態から図12に示す状態へ変化するとき、クリーナ70に設けられた清掃体78(図10参照)がスキャナ30の読み取り面30aに接触しながら読み取り面30a(読み取り位置)を清掃する。すなわち、クリーナ70は、接離機構50により補正バー40がスキャナ30側に近づく方向へ移動するときの動作に連動して、スキャナ30の読み取り面30aを清掃する。清掃体78が読み取り面30aに接触しながら読み取り面30aを清掃するとき、ローラ77が読み取り面30aに接触しながら回転する。このローラ77が設けられていることにより、清掃体78は、円滑にスキャナ30の読み取り面30aを清掃することができる。
【0083】
白リファレンスチャート41が読み取り面30a(読み取り位置)に接触すると、スキャナ30は、白リファレンスチャート41を撮像素子により撮像して読み取る。これにより、上記シェーディング補正が実行される。スキャナ30により白リファレンスチャート41が読み取られるときには、クリーナ70により読み取り面30a(読み取り位置)が清掃されているので、スキャナ30は、正確に白リファレンスチャート41を読み取ることができる。これにより、サーマルプリンタ100は、正確にシェーディング補正を実行することができる。
【0084】
次に、再び、接離モータ51が駆動される。接離モータ51が駆動されると、カム56が回転され、回動部材59が先ほどとは反対方向に回転される。回動部材59が先ほどとは反対側に回転されると、補正バー40がスキャナ30から離れる方向に移動し、図12に示す状態から図11に示す状態まで戻る。
【0085】
図12に示す状態から図11に示す状態へ戻るとき、クリーナ70(支持部76)と回動部材59の間に介在されたねじりコイルバネの付勢力により、清掃体78がスキャナ30の読み取り面30aに接触しながら、読み取り面30aを清掃する。すなわち、クリーナ70は、補正バー40がスキャナ30側に近づく方向へ移動するときだけでなく、補正バー40がスキャナ30から離れる方向へ移動するときの動作にも連動して、スキャナ30の読み取り面30aを清掃する。なお、清掃体78が読み取り面30aに接触しながら読み取り面30aを清掃するとき、ローラ77が読み取り面30aに接触しながら回転するので、清掃体78は、円滑にスキャナ30の読み取り面30aを清掃することができる。
【0086】
図11に示す状態から、回動部材59がさらに回転されると、図7に示す状態へ戻り、接離モータ51の駆動が停止される。接離モータ51の駆動の停止は、光センサ61bによる光の検出に基づいて実行される。
【0087】
[画像読み取りモード時の動作]
次に、サーマルヘッド16により記録紙1に印画された画像をスキャナ30により読み取る画像読み取りモード時の動作について説明する。図13〜図15は、画像読み取りモード時のサーマルプリンタ100の動作を説明するための図である。
【0088】
画像読み取りモード時には、まず、図13に示すように、給紙ローラ12の駆動により搬送路3内に記録紙1が供給される。搬送路3内に記録紙1が供給されるとき、記録紙1は、供給側(図13中、下側)から供給される。このとき、クリーナ70の延在部72が供給側から供給される記録紙1と接触するため、クリーナ70は、記録紙1により時計回りに回転される。そして、クリーナ70の延在部72の先端部が記録紙1に接触した状態となる。
【0089】
接離機構50の接離モータ51が駆動されると、第1ギア52、第2ギア53を介して、接離モータ51の回転が第3ギア54に伝達されて第3ギア54が回転される。第3ギア54が回転されると、第3ギア54の中心に取り付けられた軸体55が回転し、軸体55の両端側に設けられたカム56が回転する。
【0090】
カム56が回転すると、弾性体58の付勢力によりカムフォロア57がカム56側に移動し、回動部材59が回転する。回動部材59が回転すると、補正バー40がスキャナ30側に移動する。回動部材59の回転により補正バー40がスキャナ30側に移動するとき、クリーナ70は、延在部72の先端部において記録紙1に接触しながら時計回りに回転する。これにより、図14に示す状態となる。
【0091】
図14に示す状態からカム56がさらに回転されると、弾性体58の弾性力によりカムフォロア57がカム56側に移動し、回動部材59がさらに回転する。回動部材59の回転により、補正バー40がスキャナ30側にさらに移動し、これに応じて、記録紙1がスキャナ30側に移動する。
【0092】
これにより、図15に示すように、記録紙1が補正バー40とスキャナ30との間に挟み込まれるようにしてスキャナ30の読み取り面30aに接触する。回動部材59の回転により補正バー40がスキャナ30側に移動するとき、クリーナ70は、延在部72の先端部において記録紙1に接触しながら時計回りに回転する。補正バーの移動により記録紙1がスキャナ30の読み取り面30aに接触すると、回動部材59の回転が停止される。そして、接離モータ51の駆動が停止される。接離モータ51の駆動の停止は、光センサ61bによる光の検出に基づいて実行される。
【0093】
図13〜図15に示すように、補正バー40とスキャナ30との間の搬送路3に記録紙1が存在するときに、接離機構50により補正バー40がスキャナ30側に移動すると、クリーナ70が延在部72の先端部で記録紙1と接触しながら時計回りに回転する。これにより、図14及び図15に示すように、クリーナ70に設けられた清掃体78と、記録紙1との間に間隙が形成され、清掃体78が記録紙1に接触しない。つまり、クリーナ70の延在部72は、補正バー40とスキャナ30との間の搬送路3に記録紙1が存在するときに、補正バー40の移動に連動して清掃体78が記録紙1に接触しないように、記録紙1と接触して清掃体78と記録紙1との間に間隙を形成することができる。これにより、清掃体78が記録紙1に接触してしまい、清掃体78が汚れてしまうことを防止することができる。
【0094】
スキャナ30は、記録紙1がスキャナ30の読み取り面30aに接触した状態で、サーマルヘッド16により記録紙1に印画された画像を読み取る。なお、スキャナ30による画像の読み取り時には、キャプスタン14及び給紙ローラ12によって、記録紙1が搬送路3内で移動されている。記録紙1に印画された画像がスキャナ30によって読み取られると、読み取られた情報に基づいて、サーマルヘッド16の発熱素子の駆動電圧等が調整され、印画濃度やカラーバランスが補正される。
【0095】
ここで、上記したように、スキャナ補正モード時にスキャナ30の読み取り面30aがクリーナ70により清掃されている。従って、スキャナ30は、記録紙1に印画された画像を正確に読み取ることができる。これにより、サーマルプリンタ100は、印画濃度やカラーバランス等を正確に補正することができる。
【0096】
スキャナ30による画像の読み取り(印画濃度、カラーバランス等の補正)が終了すると、接離機構50により、補正バー40が後方に戻され、補正バー40がスキャナ30に対して離間した状態へ戻る(図13参照)。なお、当然、補正バー40が後方へ移動されるときにも、クリーナ70の清掃体78は、記録紙1には接触しない。
【0097】
スキャナ30による画像の読み取り(印画濃度、カラーバランス等の補正)は、サーマルヘッド16による記録紙1の印画と同時に実行されてもよい。すなわち、本実施形態では、搬送路3において、スキャナ30がサーマルヘッド16に対して印画方向の下流側に配置されているので、スキャナ30は、サーマルヘッド16の記録紙1への印画中に、記録紙1に印画された画像を読み取ることができる。これにより、時間効率を向上させることができる。
【0098】
<作用等>
以上説明したように、本実施形態に係るサーマルプリンタ100では、補正モード時に、接離機構50による補正バー40の移動に連動して、クリーナ70によりスキャナ30の読み取り面30aを清掃することができる。これにより、スキャナ30は、補正モード時に、白リファレンスチャート41を正確に読み取ることができる。従って、サーマルプリンタ100は、正確にシェーディング補正等を実行することができる。また、スキャナ30は、画像読み取りモード時に、記録紙1に印画された画像を正確に読み取ることができる。これにより、サーマルプリンタ100は、印画濃度やカラーバランス等を正確に補正することができる。
【0099】
特に、本実施形態では、画像の印画が終了した記録紙1がカッターユニット18によりカットされる形態であるので、紙がカットされるときに紙の塵埃が発生して、搬送路3内に入り込み易い。従って、印画終了後の記録紙1を所定の長さにカットする形態の場合、本技術のように、クリーナ70でスキャナ30の読み取り面30aを清掃することは、特に有効である。
【0100】
<各種変形例>
本実施形態の説明では、補正チャートの一例として、白リファレンスチャート41が用いられる場合について説明した。しかし、補正チャートは、これに限られない。例えば、補正チャートとして、白、黒、中間諧調グレー、無彩色パッチ又はカラーパッチ等を用いることができる。
【0101】
本実施形態の説明では、カッターユニット18により記録紙1をカットする形態を例に挙げて説明したが、あらかじめカットされているカット紙が用いられる形態であっても構わない。
【0102】
本実施形態の説明では、昇華式のサーマルプリンタ100を例に挙げて説明したが、これに限られず、インクジェット式のプリンタであってもよい。あるいは、本技術は、プリンタに限られず、複写機やファクシミリ等にも適用することができる。
【0103】
本技術は、以下の構成もとることができる。
(1)被記録媒体を搬送する搬送路と、
前記搬送路上に設けられ、前記被記録媒体に画像を印画する印画部と、
前記被記録媒体に印画された画像を読み取る読み取り面を有し、前記搬送路上に設けられた読み取り部と、
前記読み取り面を清掃する清掃部と
を具備する画像形成装置。
(2)前記(1)に記載の画像形成装置であって、
請求項1に記載の画像形成装置であって、
前記読み取り部を補正するための補正チャートを有し、前記搬送路を挟んで前記読み取り部と対向する補正部と、
前記補正部を移動させて前記補正部と前記読み取り部とを近接及び離間させる接離機構とをさらに具備し、
前記清掃部は、前記補正部の移動に連動して前記読み取り面を清掃する
画像形成装置。
(3)前記(2)に記載の画像形成装置であって、
前記清掃部は、前記補正部の移動に連動して前記読み取り面に接触しながら前記読み取り面を清掃する清掃体を有する
画像形成装置。
(4)前記(3)に記載の画像形成装置であって、
前記清掃部は、前記補正部と前記読み取り部との間の前記搬送路に前記被記録媒体が存在しないときに、前記補正部の移動に連動して前記読み取り面を清掃する
画像形成装置。
(5)前記(4)に記載の画像形成装置であって、
前記清掃部は、前記補正部と前記読み取り部との間の前記搬送路に前記被記録媒体が存在するときに、前記補正部の移動に連動して前記清掃体が前記被記録媒体に接触しないように、前記清掃体と前記被記録媒体との間に間隙を形成する間隙形成部をさらに有する
画像形成装置。
(6)前記(2)に記載の画像形成装置であって、
前記清掃部は、前記接離機構又は前記補正部に回動可能に支持される一端部と、前記補正部の移動に連動して前記読み取り面を清掃する清掃体が設けられた他端部とを有する第1の部分を有する
画像形成装置。
(7)前記(6)に記載の画像形成装置であって、
前記清掃部は、前記補正部と前記読み取り部との間の前記搬送路に前記被記録媒体が存在しないときに、前記補正部の移動に連動して前記読み取り面を清掃する
画像形成装置。
(8)前記(7)に記載の画像形成装置であって、
前記清掃部は、前記第1の部分から延在して設けられ、前記補正部と前記読み取り部との間の前記搬送路に前記被記録媒体が存在するときに、前記補正部の移動に連動して前記清掃体が前記被記録媒体に接触しないように、前記被記録媒体と接触して前記清掃体と前記被記録媒体との間に間隙を形成する第2の部分をさらに有する
画像形成装置。
(9)前記(2)乃至(8)のうち何れか1つに記載の画像形成装置であって、
前記補正部と前記読み取り部との間の前記搬送路に前記被記録媒体が存在しないときに、前記補正部と前記読み取り部とを近接させることで、前記補正チャートを前記読み取り面に接触させ、前記読み取り面により前記補正チャートを読み取って前記読み取り部を補正する補正モードを有する
画像形成装置。
(10)前記(2)乃至(9)のうち何れか1つに記載の画像形成装置であって、
前記補正部と前記読み取り部との間の前記搬送路に前記被記録媒体が存在するときに、前記補正部と前記読み取り部とを近接させることで、前記被記録媒体を前記読み取り面に接触させ、前記読み取り面により前記被記録媒体の画像を読み取る画像読み取りモードを有する
画像形成装置。
(11)前記(10)に記載の画像形成装置であって、
前記読み取り部は、前記印画部が前記被記録媒体に画像を印画するときの前記被記録媒体の搬送方向において、前記印画部の下流側に配置され、
前記画像形成装置は、前記印画部が前記被記録媒体に画像を印画するときに、前記画像読み取りモードを実行する
画像形成装置。
(12)前記(2)乃至(11)のうち何れか1つに記載の画像形成装置であって、
前記補正チャートは、白、黒、中間諧調グレー、無彩色パッチ又はカラーパッチである
画像形成装置。
【符号の説明】
【0104】
1…記録紙
3…搬送路
14…キャプスタン
15…ピンチローラ
16…サーマルヘッド
17…プラテンローラ
30…スキャナ
30a…読み取り面
40…補正バー
41…白リファレンスチャート
50…接離機構
59…回動部材
70…クリーナ
71…基部
72…延在部
75…クリーナ本体
76…支持部
77…ローラ
78…清掃体
100…サーマルプリンタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被記録媒体を搬送する搬送路と、
前記搬送路上に設けられ、前記被記録媒体に画像を印画する印画部と、
前記被記録媒体に印画された画像を読み取る読み取り面を有し、前記搬送路上に設けられた読み取り部と、
前記読み取り面を清掃する清掃部と
を具備する画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置であって、
前記読み取り部を補正するための補正チャートを有し、前記搬送路を挟んで前記読み取り部と対向する補正部と、
前記補正部を移動させて前記補正部と前記読み取り部とを近接及び離間させる接離機構とをさらに具備し、
前記清掃部は、前記補正部の移動に連動して前記読み取り面を清掃する
画像形成装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像形成装置であって、
前記清掃部は、前記補正部の移動に連動して前記読み取り面に接触しながら前記読み取り面を清掃する清掃体を有する
画像形成装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像形成装置であって、
前記清掃部は、前記補正部と前記読み取り部との間の前記搬送路に前記被記録媒体が存在しないときに、前記補正部の移動に連動して前記読み取り面を清掃する
画像形成装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像形成装置であって、
前記清掃部は、前記補正部と前記読み取り部との間の前記搬送路に前記被記録媒体が存在するときに、前記補正部の移動に連動して前記清掃体が前記被記録媒体に接触しないように、前記清掃体と前記被記録媒体との間に間隙を形成する間隙形成部をさらに有する
画像形成装置。
【請求項6】
請求項2に記載の画像形成装置であって、
前記清掃部は、前記接離機構又は前記補正部に回動可能に支持される一端部と、前記補正部の移動に連動して前記読み取り面を清掃する清掃体が設けられた他端部とを有する第1の部分を有する
画像形成装置。
【請求項7】
請求項6に記載の画像形成装置であって、
前記清掃部は、前記補正部と前記読み取り部との間の前記搬送路に前記被記録媒体が存在しないときに、前記補正部の移動に連動して前記読み取り面を清掃する
画像形成装置。
【請求項8】
請求項7に記載の画像形成装置であって、
前記清掃部は、前記第1の部分から延在して設けられ、前記補正部と前記読み取り部との間の前記搬送路に前記被記録媒体が存在するときに、前記補正部の移動に連動して前記清掃体が前記被記録媒体に接触しないように、前記被記録媒体と接触して前記清掃体と前記被記録媒体との間に間隙を形成する第2の部分をさらに有する
画像形成装置。
【請求項9】
請求項2に記載の画像形成装置であって、
前記補正部と前記読み取り部との間の前記搬送路に前記被記録媒体が存在しないときに、前記補正部と前記読み取り部とを近接させることで、前記補正チャートを前記読み取り面に接触させ、前記読み取り面により前記補正チャートを読み取って前記読み取り部を補正する補正モードを有する
画像形成装置。
【請求項10】
請求項2に記載の画像形成装置であって、
前記補正部と前記読み取り部との間の前記搬送路に前記被記録媒体が存在するときに、前記補正部と前記読み取り部とを近接させることで、前記被記録媒体を前記読み取り面に接触させ、前記読み取り面により前記被記録媒体の画像を読み取る画像読み取りモードを有する
画像形成装置。
【請求項11】
請求項10に記載の画像形成装置であって、
前記読み取り部は、前記印画部が前記被記録媒体に画像を印画するときの前記被記録媒体の搬送方向において、前記印画部の下流側に配置され、
前記画像形成装置は、前記印画部が前記被記録媒体に画像を印画するときに、前記画像読み取りモードを実行する
画像形成装置。
【請求項12】
請求項2に記載の画像形成装置であって、
前記補正チャートは、白、黒、中間諧調グレー、無彩色パッチ又はカラーパッチである
画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2012−200917(P2012−200917A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−65408(P2011−65408)
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】