説明

画像形成装置

【課題】非正規品の記憶装置の運用を正規品の記憶装置と変え、データの信頼性を確保しつつ非正規品の記憶装置でも画像形成装置である程度安全に使用できるようにする。
【解決手段】画像形成装置は、データを記憶する記憶装置と、記憶装置と接続され、記憶装置とデータの送受信を行う通信部と、通信部に記憶装置が接続されているとき、通信部が記憶装置から取得した情報に基づき、通信部に接続された記憶装置が正規品か否かを識別する主制御部と、を含み、主制御部は、通信部に接続された記憶装置を非正規品と認識しているとき、通信部に記憶装置とデータの送受信を行わせつつ、記憶装置が正規品であるときと正規品でないときとで記憶装置の運用方式を変える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ記憶用の記憶装置が取付可能な複合機、複写機、プリンタ、FAX装置等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、様々なオプション装置が複合機等の画像形成装置に用意されることがある。オプション装置としては、読み取りで得られた画像データや入力された画像データを記憶する大容量の記憶装置や、後処理装置や、給紙装置などがある。そして、信頼性を持たせつつ、故障や異常なく画像形成装置の性能を十分に発揮させるには、画像形成装置のメーカーやメーカーの許諾を受けたものが提供する正規品(純正品)のオプション装置を画像形成装置に取り付けることが好ましい。しかし、画像形成装置には、不正規品が取り付けられることがある。そこで、偽造された回路基板や不正改造された真正回路基板を全く使用できなくする発明が特許文献1に記載されている。
【0003】
具体的に、特許文献1には、付加装置を備え、所定の認証を行うことにより付加装置を使用可能とし、付加装置から付加装置を構成するハードウェアまたはソフトウェアの少なくとも一方を識別するための装置情報を取得する装置情報取得手段と、装置情報取得手段により取得された装置情報と、付加装置に対応する正規品を構成するハードウェアまたはソフトウェアの少なくとも一方を識別するための予め定められた正規品情報とが一致するか否かを判定する認証判定手段と、認証判定手段の判定結果に応じて、付加装置を使用可能としまたは使用不可とする接続制御手段とを備えた電子機器が記載されている。この構成により、正規品か正規品でないかを二者択一的に判定し、判定に応じ、正規品とは異なる装置情報を有する偽造された付加装置または不正な改造が行われた真正な付加装置が接続されても当該付加装置が使用可能とならないようにする(特許文献1:請求項1、段落[0018]等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−307813
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
画像形成装置には、画像データなどのサイズの大きなデータを蓄積できるようにHDD(Hard disk drive)のような大容量で補助的な記憶装置がオプション装置として用意されることがある。画像形成装置のオプション装置としての記憶装置は、画像形成装置の機能に対応させ、画像形成装置に対し最適化が図られたものである。一方、パーソナルコンピューター用など、非正規品ではあるが、記憶装置には、一般に流通し、比較的容易に入手可能なものがある。
【0006】
HDDを例に挙げると、正規のオプション装置としてのHDDは、画像形成装置用に製造されたものである。しかし、規格に基づいて製造されるHDDのような記憶装置(例えば、HDD)では、正規のオプション装置としてのHDDと一般に流通するHDDとで、データ転送の規格や、接続用ケーブルや、コネクタの形状などが同等な場合がある。そのため、非正規品ではあるが、画像形成装置に一般に流通し、販売される記憶装置を取付可能な場合がある。
【0007】
このように、不正な改造を施すことなく、非正規品ではあるが一般に流通する記憶装置を画像形成装置に接続できてしまう場合がある。このような非正規品の記憶装置を画像形成装置に接続したとしても、動作保証はできない。しかし、使用者保護の観点からみれば正規品と同等とまでは行かないまでも、ある程度、故障やデータの破損、喪失を起こさない範囲で、安全に非正規品の記憶装置を画像形成装置で使用できるようにすることが好ましい場合がある。
【0008】
ここで、特許文献1記載の電子機器では、確かに、偽造品や悪質な改造品を使用できなくするので、偽造品や悪質な改造品による悪影響を回避できる。しかし、正規品でないと認証されれば、偽造や悪質な改造のような悪意までは認められない場合まで、その機器は全く使用できなくなるという問題がある。そのため、ある程度、使用させても良い場合まで、使用不可となってしまうという問題がある。
【0009】
本発明は、上記問題点を鑑み、非正規品の記憶装置の運用を正規品の記憶装置と変えてデータの信頼性を確保し、非正規品の記憶装置でも画像形成装置である程度安全に使用できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために請求項1に係る画像形成装置は、データを記憶する記憶装置と、記憶装置と接続され、前記記憶装置とデータの送受信を行う通信部と、前記通信部に前記記憶装置が接続されているとき、前記通信部が前記記憶装置から取得した情報に基づき、前記通信部に接続された前記記憶装置が正規品か否かを識別する制御部と、を含み、前記制御部は、前記通信部に接続された前記記憶装置を非正規品と認識しているとき、前記通信部に前記記憶装置とデータの送受信を行わせつつ、前記記憶装置が正規品であるときと正規品でないときとで前記記憶装置の運用方式を変えることとした。
【0011】
この構成によれば、制御部は、通信部に接続された記憶装置を非正規品と認識しているとき、通信部に記憶装置とデータの送受信を行わせつつ、記憶装置が正規品であるときと正規品でないときとで記憶装置の運用方式を変える。このように正規品と非正規品の場合で運用方式を変えることにより、非正規品の記憶装置が接続された場合には非正規品であることを考慮した運用方式に変えることができる。従って、接続された記憶装置が非正規品であっても安全にある程度使用できるようにすることができる。
【0012】
又、請求項2に係る発明は、請求項1の発明において、画像形成装置内への部材への電力供給を行う電源部を有し、前記制御部は、前記通信部に接続された前記記憶装置を正規品と認識しているとき、省電力モードへの移行条件が整うと、正規品の前記記憶装置に対して電力供給遮断に対応した省電力モードへの移行前処理を行う指示を前記記憶装置に与えて正規品の前記記憶装置に移行前処理を行わせた後に、前記電源部に前記記憶装置への電力供給を遮断させ、前記通信部に接続された前記記憶装置を非正規品と認識しているとき、省電力モードに移行しても前記記憶装置への電力供給を前記電源部に継続させることとした。
【0013】
省電力モードに移行に伴い記憶装置への電力供給を停止する場合、記憶装置の故障やデータの破損、喪失がないように省電力モードへの移行前処理を行うことがある。一方で、非正規品の記憶装置は、制御部からの移行前処理を行う指示を認識できるとは限らず、電力供給遮断を行うと記憶装置の故障やデータの破損、喪失を招く虞がある。そこで、この構成によれば、制御部は、通信部に接続された記憶装置を正規品と認識しているとき、省電力モードへの移行条件が整うと、正規品の記憶装置に対して電力供給遮断に対応した省電力モードへの移行前処理を行う指示を記憶装置に与えて正規品の記憶装置に移行前処理を行わせた後に、電源部に記憶装置への電力供給を遮断させ、通信部に接続された記憶装置を非正規品と認識しているとき、省電力モードに移行しても記憶装置への電力供給を電源部に継続させる。
【0014】
これにより、接続された記憶装置が正規品であれば、安全に電力供給を遮断できる状態にしたうえで記憶装置の電力供給を遮断することができる。又、非正規品の記憶装置であれば、省電力モードに移行しても電力供給は遮断されず、省電力モード移行による非正規品の記憶装置での故障やデータの破損、喪失の発生を防ぐことができる。従って、使用者は、オプション装置として接続された記憶装置を安全に使用できる。
【0015】
又、請求項3に係る発明は、請求項1又は2の発明において、前記制御部は、前記通信部に接続された前記記憶装置を非正規品と認識しているとき、前記通信部に、正規品のときよりも前記記憶装置との通信速度を落とさせることとした。
【0016】
正規品では問題なくデータのやり取りができる通信速度でも、非正規品の記憶装置との間で、データの破損や喪失なく通信できるとは限らない。そこで、この構成によれば、制御部は、通信部に接続された記憶装置を非正規品と認識しているとき、通信部に、正規品のときよりも記憶装置との通信速度を落とさせる。これにより、通信部と非正規品の記憶装置との間でも、データの破損や喪失をできるだけ生じないようにすることができる。従って、使用者は、オプション装置として接続された記憶装置を安全に使用できる。
【0017】
又、請求項4に係る発明は、請求項1乃至3の発明において、前記制御部は、前記通信部に接続された前記記憶装置を正規品と認識しているとき、正規品の前記記憶装置に設けられるレジスタから通信部に取得させた値を用いてデータに対して暗号化処理を行い、暗号化処理後のデータを前記通信部から前記記憶装置に向けて送信させ、前記通信部に接続された前記記憶装置を非正規品と認識しているとき、前記記憶装置を正規品と認識しているときと異なる暗号化処理をデータに対して施し、暗号化処理後のデータを前記通信部から前記記憶装置に向けて送信させ、又は、前記記憶装置に暗号化処理を行っていないデータを前記通信部から前記記憶装置に向けて送信させることとした。
【0018】
画像形成装置では、機密情報を含む画像データなどを、暗号化して記憶装置に記憶させることがあるが、非正規品の記憶装置は、正規品でなされる暗号処理方式に対応していない場合がある。そうすると、非正規品の記憶装置では、暗号鍵を正常に生成できない場合や、暗号化処理や復号処理でエラーが生ずることもある。そこで、この構成によれば、制御部は、通信部に接続された記憶装置を正規品と認識しているとき、正規品の記憶装置に設けられるレジスタから通信部に取得させた値を用いてデータに対して暗号化処理を行い、暗号化処理後のデータを通信部から記憶装置に向けて送信させ、通信部に接続された記憶装置を非正規品と認識しているとき、記憶装置を正規品と認識しているときと異なる暗号化処理をデータに対して施し、暗号化処理後のデータを通信部から記憶装置に向けて送信させ、又は、記憶装置に暗号化処理を行っていないデータを通信部から記憶装置に向けて送信させる。
【0019】
これにより、正規品の記憶装置では、解読できない高度で特有の暗号化処理を施した上でデータを記憶装置に記憶させることができる。又、非正規品の記憶装置であれば、簡易に暗号鍵が生成できるような暗号化処理を施す、あるいは、データの暗号化を施さないようにして、非正規品の記憶装置を用いるときのデータの破損や喪失を防ぐことができる。従って、使用者は、オプション装置として接続された記憶装置を安全に使用できる。
【0020】
又、請求項5に係る発明は、請求項1乃至4の発明において、正規品の前記記憶装置には、予め定められた演算方法により演算を行う演算部が設けられ、前記制御部は、前記通信部から認証用の初期値を前記記憶装置に送信させ、前記記憶装置が前記初期値に対して前記演算部により運算された演算値を前記通信部に返信するか否か、及び、前記記憶装置が返信した前記演算値が、前記初期値を用いて前記演算方法で演算した値に一致するか否かにより、前記記憶装置が正規品か否かを識別することとした。
【0021】
この構成によれば、制御部は、通信部から認証用の初期値を記憶装置に送信させ、記憶装置が初期値に対して演算値を通信部に返信するか否か、及び、記憶装置が返信した演算値が、制御部自ら初期値を用いて演算方法で演算した値に一致するか否かにより、記憶装置が正規品か否かを識別する。これにより、確実、正確に接続された記憶装置が正規品か否かを認識することができる。
【0022】
又、請求項6に係る画像形成装置は、請求項1乃至5の発明において、前記記憶装置は、ハードディスクドライブとソリッドステートドライブの少なくとも何れか一方であることとした。
【0023】
この構成によれば、記憶装置は、ハードディスクドライブとソリッドステートドライブの少なくとも何れか一方である。これにより、使用者は、オプション装置として接続されたハードディスクドライブとソリッドステートドライブを安全に使用できる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、非正規品の記憶装置の運用を正規品の記憶装置と変えるので、非正規品の記憶装置に対するデータの記憶での信頼性を確保することができる。そして、非正規品の記憶装置でもある程度安全に使用できるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】実施形態に係る複合機の一例を示す模型的正面断面図である。
【図2】実施形態に係る複合機の構成の一例を示すブロック図である。
【図3】実施形態の補助記憶装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図4】本実施形態に係る複合機での補助記憶装置の正規品と非正規品の識別の流れの一例を示すフローチャートである。
【図5】実施形態に係る複合機での電力供給系統の一例を示すブロック図である。
【図6】実施形態に係る複合機の省電力モードでの補助記憶装置への電力供給の流れの一例を示すフローチャートである。
【図7】実施形態に係る複合機の補助記憶装置に記憶させるデータの暗号化の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図1〜図9に基づき、本発明の実施形態を、複合機100(画像形成装置に相当)を例に挙げ説明する。但し、本実施形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定せず単なる説明例にすぎない。
【0027】
(画像形成装置の概略)
まず、図1に基づき、実施形態に係る複合機100の概略を説明する。図1は実施形態に係る複合機100の一例を示す模型的正面断面図である。
【0028】
図1に示すように、本実施形態の複合機100は、最上部に原稿搬送装置1を有し、複合機100本体には、操作パネル2、画像読取部3、給紙部4a、搬送路4b、画像形成部5a、定着部5b等が設けられる。
【0029】
まず、図1に破線で示すように、操作パネル2は、複合機100の正面上方に設けられる。そして、操作パネル2は、複合機100の状態や各種メッセージを表示する液晶表示部21を備える。液晶表示部21は、機能の選択、設定や文字入力等を行うためのキーを1又は複数表示できる。又、液晶表示部21の上面に透明なタッチパネル部22(例えば、抵抗膜方式)が設けられる。タッチパネル部22は、液晶表示部21で押下された部分の位置、座標を抽出するためのものである。又、操作パネル2には、コピー等の各種機能の実行開始を指示するためのスタートキー23や省電力モードへの移行を指示する節電キー24等、各種のハードキーも設けられる。
【0030】
原稿搬送装置1は、図1の紙面奥行き方向に支点を有し、紙面上下方向に開閉可能である。原稿搬送装置1は、載置読取用コンタクトガラス31に載置された原稿を押さえる。又、原稿搬送装置1上部に載置された原稿束から、原稿を1枚ずつ送り読取用コンタクトガラス32(読み取り位置)に向けて連続的、自動的に搬送する。
【0031】
画像読取部3は、原稿を読み取り、原稿の画像データを形成する。又、画像読取部3内には露光ランプ、ミラー、レンズ、イメージセンサー(例えば、CCD)等の光学系部材(不図示)が設けられる。これらの光学系部材を用い、画像読取部3は、載置読取用コンタクトガラス31に載置される原稿や、送り読取用コンタクトガラス32を通過する原稿に光を照射し、その原稿の反射光を受けたイメージセンサーの各画素の出力値をA/D変換し、画像データを生成する。この生成された画像データに基づき、複合機100では電子文書データを生成することもできる。
【0032】
給紙部4aは、複数の用紙(例えば、コピー用紙、普通紙、再生紙、厚紙、OHPシート等の各種シート)を収容し、1枚ずつ搬送路4bに送り込む。搬送路4bは、給紙部4aから排出トレイ41まで用紙を搬送する通路である。そして、搬送路4bには、用紙搬送の際に回転駆動する搬送ローラ対42や、搬送されてくる用紙を画像形成部5aの手前で待機させ、トナー像形成のタイミングを合わせて用紙を送り出すレジストローラ対43等が設けられる。
【0033】
画像形成部5aは、画像データに基づきトナー像を形成し、搬送される用紙にトナー像を転写する。そのため、画像形成部5aは、図1中に示す矢印方向に回転駆動可能に支持された感光体ドラム51、及び、感光体ドラム51の周囲に配設された帯電装置52、露光装置53、現像装置54、転写ローラ55、清掃装置56等を備える。
【0034】
トナー像形成及び転写プロセスを説明する。感光体ドラム51は、画像形成部5aの略中心に設けられ、所定方向に回転駆動する。帯電装置52は、所定電位に感光体ドラム51を帯電させる。図4において、露光装置53は、画像データに基づき、レーザ光を出力し、感光体ドラム51表面を走査露光して画像データに応じた静電潜像を形成する。尚、画像データは、画像読取部3で得られた画像データや、ネットワーク等により接続される外部のコンピューター200や相手方FAX装置300(図2参照)から送信された画像データ等が用いられる。
【0035】
そして、現像装置54は、感光体ドラム51に形成された静電潜像にトナーを供給して現像する。転写ローラ55は感光体ドラム51に圧接し、ニップが形成される。そして、トナー像にあわせタイミングを図られつつ、用紙はニップに進入する。用紙進入時、転写ローラ55には所定の電圧が印加され、用紙に感光体ドラム51上のトナー像が転写される。清掃装置56は、転写後に感光体ドラム51に残留するトナーを除去する。
【0036】
定着部5bは、用紙に転写されたトナー像を定着させる。本実施形態における定着部5bは主として発熱体を内蔵する加熱ローラ57と加圧ローラ58で構成される。加熱ローラ57と加圧ローラ58は圧接しニップを形成する。そして、用紙が、このニップを通過することで、用紙表面のトナーが溶融・加熱され、トナー像が用紙に定着する。トナー定着後の用紙は、排出トレイ41が受け止める。このようにして、コピー機能、プリンタ機能の使用時、画像形成(印刷)が行われる。
【0037】
(複合機100のハードウェア構成)
次に、図2に基づき、実施形態に係る複合機100のハードウェア構成の一例を説明する。図2は、実施形態に係る複合機100の構成の一例を示すブロック図である。
【0038】
複合機100内には、主制御部6(制御部に相当)が設けられる。主制御部6は複合機100の動作を制御し、CPU61、RAM62(Random Access Memory)、ROM63(Read Only Memory)、画像処理部64などを含む制御基板である。尚、全体制御や画像処理を行うメイン制御部や、画像形成や各種回転体を回転させるモータ等のON/OFF等を制御するエンジン制御部やその他の制御部等、主制御部6は機能ごとに分割した形態で設けられてもよい。
【0039】
CPU61は、中央演算処理装置であって、ROM63や補助記憶装置7に格納され、RAM62に展開されるプログラムやデータに基づき複合機100の各部を制御する。画像処理部64は、例えば、画像読取部3での読み取りで得られた画像データや、外部のコンピューター200やFAX装置300から送信された画像データに、操作パネル2等での設定にあわせ、濃度変換、拡大縮小、画像データ形式変換等の各種画像処理を行う。
【0040】
ROM63は、複合機100を制御するためのプログラムやデータを不揮発的に記憶する。RAM62は、ROM63や補助記憶装置7から読み出されたプログラムや、画像データを一時的に(揮発的に)記憶するメインメモリーである。例えば、ROM63やRAM62は、主制御部6の基板に実装される。
【0041】
補助記憶装置7用の通信インターフェイスとしての通信部8が主制御部6に実装される形で設けられる。物理的に通信部8は主制御部6と別体としてもよい。通信部8はケーブルやコネクタを介して補助記憶装置7と通信可能に接続される。通信部8は、例えば、各種規格(例えば、シリアルATAやパラレルATA用)のコネクタやコントローラチップ等を含む。
【0042】
本実施形態の複合機100では、補助記憶装置7(記憶装置に相当)は、オプション装置として増設され、又、交換可能となっている。補助記憶装置7は、例えば、HDD(Hard disk drive)やフラッシュROMを含むSSD(Solid State Drive)である。補助記憶装置7は、例えば、数十Gバイト〜数Tバイト程度の容量を有する。例えば、補助記憶装置7は、画像データやアプリケーションなどのサイズの大きなデータを記憶する。例えば、使用者は、画像読取部3でスキャンしたデータを補助記憶装置7に記憶させることができる(スキャン機能)。
【0043】
そして、主制御部6は、操作パネル2、原稿搬送装置1、画像読取部3、給紙部4a、搬送路4b、画像形成部5a、定着部5b等の各部とバスや信号線等で接続され各部、各装置を制御して複合機100の動作(例えば、スキャン動作や印刷動作)を制御する。
【0044】
更に、主制御部6は、各種コネクタ、ソケット、通信制御用のチップ等を備えたI/F部65と接続される。I/F部65は、ネットワークやケーブルや公衆回線等によりコンピューター200(例えば、パーソナルコンピューター)や、相手方のFAX装置300と複合機100とを通信可能に接続する。例えば、設定データ等を含む画像データを外部のコンピューター200や相手方FAX装置300(インターネットFAXでもよい)と送受信に送信することができる(スキャナ機能、FAX機能)。又、外部のコンピューター200や相手方FAX装置300からの画像データを補助記憶装置7に蓄積したり、印刷したりすることもできる(プリンタ機能、FAX機能)。
【0045】
又、主制御部6は、電源部9と接続される。電源部9は、内部に、整流、降圧、昇圧等を行う電力変換回路を有する。電源部9は、外部から供給される電力(例えば、商用電源)を受け、モータ供給用の電圧(例えば、DC24V)や、主制御部6や、操作パネル2や、画像読取部3やI/F部65や補助記憶装置7への供給用の電圧(例えば、DC5V、3.3V、1.8V等)を生成する。尚、本実施形態の複合機100では、外部から供給される電力との接続、遮断を行うためのメインスイッチ91が設けられる。例えば、メインスイッチ91は複合機100の側面等に設けられる機械的なスイッチである。このメインスイッチ91をONすることにより、主電源が投入される。
【0046】
又、主制御部6は、電源部9内で生成される電圧や各部への電力の供給と遮断の指示を行い、電源部9の制御を行う。主制御部6は、例えば、通常モードでは、複合機100を動作させる上で必要な全ての種類の電圧を生成するように電源部9を制御し、複合機100内の全ての部分に電力を供給させる。一方、主制御部6は、省電力モードでは、省電力モードでも動作させる部分を動作させるのに必要な電圧を電源部9に生成させ、省電力モードでも動作させる部分に対してのみ電力を電源部9に供給させる。そのため、電源部9は、例えば、スイッチ回路を含み、電力を供給する部分と、電力を供給しない部分との切り分けを行う。尚、通常モードと省電力モードについての詳細は、後述する。
【0047】
(補助記憶装置7のハードウェア構成)
次に、図3を用いて、本実施形態に係る補助記憶装置7のハードウェア構成の一例と補助記憶装置7の認識を説明する。図3は、本実施形態に係る補助記憶装置7のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。尚、図3では、正規品の補助記憶装置7として、HDDを例に挙げ説明する。
【0048】
補助記憶装置7には、記憶制御部70が設けられる。記憶制御部70は、補助記憶装置7を制御するための回路であり、ワンチップ化されている。そのため、記憶制御部70は「SoC(System-on-a-chipの略)」と呼ばれることもある。
【0049】
記憶制御部70には、例えば、コントローラー71(演算部に相当)、インターフェイス72、レジスタ群73、メモリー74、読出/書込チャネル75、モーターコントローラー76、バッファ77等が設けられる。
【0050】
コントローラー71は、補助記憶装置7内の部材の動作を各種制御する。例えば、コントローラー71は、モーターコントローラー76に指示を与え、スピンドルモーター761を回転させ、補助記憶装置7内の磁気ディスク78を回転させる。又、コントローラー71は、モーターコントローラー76に指示を与え、ディスク読み書き用のヘッド79を移動させる。
【0051】
又、記憶制御部70内のインターフェイス72は、主制御部6の通信部8とコネクタ721を介してケーブルで接続される。補助記憶装置7に書込を行うデータは、主制御部6のCPU61やRAM62やROM63や画像処理部64から通信部8に与えられ、通信部8は、データを記憶制御部70のインターフェイス72に向けて送信する。インターフェイス72が受信したデータは、バッファ77やコントローラー71に与えられ、コントローラー71は、読出/書込チャネル75、ヘッド79を経て、データを磁気ディスク78に書き込ませる。
【0052】
例えば、補助記憶装置7からデータを読み出すとき、ヘッド79からのデータ読み取り出力は、プリアンプ791、読出/書込チャネル75を経て、コントローラー71やバッファ77に送られる。そして、コントローラー71は、読み取りで得られたデータをインターフェイス72から主制御部6の通信部8に向けて送信させる。
【0053】
又、記憶制御部70内には、コントローラー71が用いるプログラムやデータを記憶するメモリー74が設けられる。又、記憶制御部70内には、コントローラー71等が各種演算に用いるレジスタ群73が設けられる。レジスタ群73には、汎用レジスタ73a〜73nのほか、補助記憶装置7が正規品か否かの認証を行う時に用いられ、主制御部6から与えられた初期値を格納する演算レジスタ731や演算後の値等を格納する認証レジスタ732(レジスタに相当)や、等が設けられる。
【0054】
尚、非正規品のHDD(補助記憶装置7)にも、通常、正規品のHDD(補助記憶装置7)と同様に、記憶制御部70などが設けられる。しかし、汎用のレジスタは非正規品の補助記憶装置7でも設けられることがあるが、認証レジスタ732や演算レジスタ731は正規品にのみ設けられ、非正規品の補助記憶装置7では一般に設けられない。
【0055】
尚、図3では、補助記憶装置7としてHDDを例に説明したが、補助記憶装置7がSSDの場合、磁気ディスク78やスピンドルモーター761やヘッド79やプリアンプ791等に変えてフラッシュROMが設けられる。又、例えば、記憶制御部70内のHDDのためのモーターコントローラー76は不要となる。
【0056】
(正規品、非正規品の識別)
次に、図4を用いて、本実施形態に係る複合機100での補助記憶装置7の正規品と非正規品の識別を説明する。図4は、本実施形態に係る複合機100での補助記憶装置7の正規品と非正規品の識別の流れの一例を示すフローチャートである。
【0057】
例えば、補助記憶装置7には、規格があり(例えば、シリアルATAやパラレルATA等)、インターフェイスやコネクタや接続用ケーブルの形状やピンの配列がある程度決まっている。そして、複合機100のメーカーが用意する正規品の補助記憶装置7と一般に流通する補助記憶装置7とでも、コネクタ等の形状が同じである場合があり、非正規品の補助記憶装置7を物理的に複合機100に接続できてしまう場合がある。
【0058】
そこで、本実施形態の複合機100の主制御部6は、主電源投入時などに、補助記憶装置7が正規品か非正規品かの識別を行う。そこで、例えば、図4のスタートは、主電源投入後、主制御部6が起動し、正規品と非正規品の識別を行う時点である。
【0059】
まず、識別を行うに際し、主制御部6(のCPU61)は、記憶制御部70内の演算レジスタ731への初期値の書込指示を通信部8から送信させる(ステップ♯11)。又、主制御部6(のCPU61)は、記憶制御部70内の認証レジスタ732に演算用の値の書込指示を通信部8から送信させる(ステップ♯12)。
【0060】
もし、正規品の補助記憶装置7であれば、ステップ♯11とステップ♯12の指示を受けると、初期値と演算用の値を用いて、例えば、記憶制御部70のコントローラー71が予め定められた演算式(例えば、メモリー74に記憶される)を用いて、認証レジスタ732に演算後の値(演算値)を書き込む。一方、非正規品の補助記憶装置7には、演算レジスタ731や認証レジスタ732は存在しないので、認証レジスタ732に、値を書き込むこと自体ができない。
【0061】
そして、主制御部6(のCPU61)は、認証レジスタ732に格納された演算値の読み出しを行う(ステップ♯13)。言い換えると、主制御部6は、通信部8に補助記憶装置7から演算値を取得させる。非正規品ならば、認証レジスタ732が設けられないので、非正規品のコントローラー71は命令を認識できない場合があり、補助記憶装置7は、演算値を主制御部6に返さないことがある。そこで、主制御部6は、補助記憶装置7から演算値を読み出せたかを確認する(ステップ♯14)。
【0062】
もし、演算値を読み出せなかった場合(ステップ♯14のNo)、主制御部6は、通信部8に接続された補助記憶装置7を非正規品と認識する(ステップ♯15→エンド)。一方、演算値を読み出せたとき(ステップ♯14のYes)、主制御部6は、補助記憶装置7の演算レジスタ731に与えた初期値と認証レジスタ732に与えた演算用の値を用いて、予め定められた演算式に基づき、演算を行う(ステップ♯16)。そのため、例えば、主制御部6のROM63は、予め定められた演算式を記憶しておき、主制御部6のCPU61が演算する。
【0063】
そして、非正規品の補助記憶装置7が何らかの値を演算値として主制御部6に返す可能性がゼロではないので、主制御部6は、補助記憶装置7から取得した演算値と主制御部6が演算値を比較して、補助記憶装置7から読み出した(通信部8が取得した)演算値が正しいかを確認する(ステップ♯17)。もし、正しければ(ステップ♯17のYes)、主制御部6は、通信部8に接続された補助記憶装置7を正規品と認識する(ステップ♯18→エンド)。一方、正しく無ければ(ステップ♯17のNo)、主制御部6は、通信部8に接続された補助記憶装置7を非正規品と認識する(ステップ♯15→エンド)。
【0064】
尚、解析や偽造防止のため、本フローを行うごとに初期値を変更してもよい。又、本実施形態の正規品、非正規品の認識手順として演算レジスタ731や認証レジスタ732を用いる例を説明した。しかし、正規品の補助記憶装置7に認証用ICを設けておき、認証用ICを用いて、複合機100の主制御部6が正規品、非正規品の識別を行っても良い。この場合、予め正規品の認証用ICにのみ格納されるデータをROM63に記憶しておく。そして、主制御部6は、認証用ICから情報が取得できるか否かを確認したり、あるいは、認証用ICに記憶されたデータを正規品の補助記憶装置7から取得し、ROM63内のデータと比較したりして正規品、非正規品の識別を行ってもよい。
【0065】
(省電力モードでの補助記憶装置7の電力遮断)
次に、図5、図6に基づき、実施形態に係る複合機100の省電力モードでの補助記憶装置7への電力供給を説明する。図5は、実施形態に係る複合機100での電力供給系統の一例を示すブロック図である。図6は、実施形態に係る複合機100の省電力モードでの補助記憶装置7への電力供給の流れの一例を示すフローチャートである。
【0066】
本実施形態の複合機100では、省電力モードでの補助記憶装置7の電力供給を正規品と非正規品により異ならせる。そこで、まず、本実施形態の複合機100での主電源投入時や、各モードでの電力供給の概要を説明する。
【0067】
〈主電源投入時〉
まず、メインスイッチ91をOFFからONとして、主電源が投入されると、電源部9は商用電源と接続される。電源部9は、上述のように複数種の電圧を生成する。そして、複合機100のモードは、通常モードから開始され、電源部9から電力が、主制御部6や補助記憶装置7などの各部に与えられる(図5において、通常モードの電力供給関係を電力供給系統P1として図示)。そして、電力の供給により、主制御部6等は、順次起動を開始する。又、ROM63等からメインプログラムの読み出しがなされ、例えば、定着部5bの暖めなど、複合機100の機能を使えるようにするためのウォームアップが行われる。ここで、本実施形態の複合機100の通常モードとは、例えば、主電源が投入され、ウォームアップが完了し、複合機100を直ちに利用できる状態としておくため、複合機100の(全ての)各部に電力が供給されている状態である。
【0068】
〈通常モードから省電力モードへの移行〉
通常モードでは、直ちに複合機100を利用できる代わりに、主制御部6の駆動や定着部5bの温度維持のため、一定の電力が消費される。そこで、本実施形態の複合機100は、省電力モードを有する。省電力モードは、複合機100で消費される電力を通常モードよりも減らすモードである。
【0069】
通常モードから省電力モードへの移行条件は適宜定められる。例えば、主制御部6は、複合機100に対する操作、入力(操作パネル2への入力や、I/F部65へのデータの入力等)がなくなってから、予め定められた省電力モード移行時間(例えば、15分等、数分〜数十分の間で操作パネル2を用いて設定可能)が経過すると、省電力モードへの移行条件が満たされたと判断する。又、例えば、主制御部6は、操作パネル2に設けられる節電キー24が押されたとき、主制御部6は省電力モードへの移行条件が満たされたと判断してもよい。
【0070】
省電力モードへの移行条件が満たされると、主制御部6は、電源部9に省電力モードへの移行を指示する。この指示を受け、電源部9は、複合機100のうち、I/F部65やその他数カ所を除いて電力供給を停止する(図5において、省電力モードでの電力供給系統を電力供給系統P2として図示)。例えば、主制御部6は動作を停止し、定着部5bでの温度維持制御も停止する。尚、I/F部65への電力供給を維持するのは、I/F部65への電力供給を停止すると、外部からの着信(FAX装置300やコンピューター200からの着信)を認識できなくなるためである。
【0071】
〈省電力モードから通常モードへの復帰〉
省電力モードでは、印刷、送信、スキャン等を行えない。複合機100を用いるには、複合機100のモードを省電力モードから通常モードに復帰させ、複合機100内の各部に電力供給を再開する必要がある。そこで、複合機100への操作、入力を検知し、省電力モードから通常モードへの復帰の復帰信号S2を発する部分(操作検知部)が複合機100内に設けられる。そのため、省電力モードでも、復帰信号S2を発する部分には、電力の供給は行われる(電力供給系統P2)。
【0072】
例えば、操作検知部としては、操作パネル2がある。例えば、操作パネル2でタッチパネル部22や何らかのキーが押されると、操作パネル2は、復帰信号S2を発する。又、操作検知部としてはI/F部65がある。例えば、外部のコンピューター200からプリンタとしての印刷用データを受信した場合や、相手方FAX装置300からデータを受信した場合、I/F部65は、復帰信号S2を発し、複合機100が印刷等を行える状態に復帰させる。
【0073】
又、例えば、画像読取部3に操作検知部を設けることもできる。例えば、画像読取部3に、コピーやスキャンのため原稿搬送装置1の上げ下げ(開閉)を検知する開閉検知センサー33が設けられる。この開閉検知センサー33は、機械式スイッチや、光センサーでもよく、開閉があったことを検知する。又、例えば、給紙部4aに操作検知部を設けることもできる。例えば、給紙部4aに、各給紙部4aの取り外し、取り付けを検知する着脱検知センサー44が設けられる。この着脱検知センサー44は、機械式スイッチや、光センサーでもよく、カセットの着脱があったことを検知する。そして、開閉検知センサー33や着脱検知センサー44の出力を復帰信号S2として用いても良い。尚、上記以外の場所にも、省電力モードから通常モードへの復帰用の復帰信号S2を発する操作検知部が設けられてもよい。
【0074】
各操作検知部が発する復帰信号S2は、電源部9に入力される。I/F部65を経由させて電源部9に復帰信号S2が入力されてもよい。復帰信号S2により、電源部9は、通常モードへの復帰条件が満たされたと認識し、複合機100の(全ての)各部に電力供給を再開する。これにより、主電源投入時と同様、主制御部6の起動等が行われ、ウォームアップが開始される。
【0075】
ここで、本実施形態の複合機100では、通信部8に接続された補助記憶装置7が正規品であれば、省電力モードへの移行に伴い、主制御部6は、補助記憶装置7への電力供給を電源部9に遮断させる。一方、補助記憶装置7が非正規品であれば、省電力モードへの移行に伴い、主制御部6は、補助記憶装置7への電力供給を電源部9に継続させる。
【0076】
図6を用いて、補助記憶装置7への省電力モードに移行するときの流れを説明する。図6でのスタートは、主制御部6が省電力モードへの移行条件が満たされたと認識した時点である。
【0077】
まず、主制御部6は、通信部8に接続された補助記憶装置7が正規品か否か(正規品であるか非正規品であるか)を確認する(ステップ♯21)。正規品であれば(ステップ♯21のYes)、主制御部6(のCPU)は、通信部8を介し、省電力モード移行前の移行前処理を行う指示を正規品の補助記憶装置7に与える(ステップ♯22)。
【0078】
正規品の補助記憶装置7は、主制御部6からの指示を受け、移行前処理を行う(ステップ♯23)。例えば、正規品の補助記憶装置7は、移行前処理として記憶すべきデータの記憶を完了する。又、補助記憶装置7がHDDの場合、磁気ディスク78からヘッド79を待避させる。言い換えると、補助記憶装置7は、電力供給が停止されても、補助記憶装置7の故障やデータの破損や喪失が無いようにして、安全に電力供給を遮断するための前処理を省電力モードへの移行に際し行う。
【0079】
移行前処理が完了すると、補助記憶装置7の記憶制御部70は、主制御部6(通信部8)に向けて移行前処理完了を通知する(ステップ♯24)。この移行前処理完了通知を受け、主制御部6は、電源部9に省電力モードの移行と省電力モードでの補助記憶装置7への電力供給遮断を指示する(ステップ♯25→エンド)。
【0080】
一方、補助記憶装置7が非正規品であれば(ステップ♯21のNo)、主制御部6は、電源部9に省電力モードの移行と省電力モードでの補助記憶装置7への電力供給継続を指示する(ステップ♯26→エンド)。補助記憶装置7に対し移行前処理の指示を与えても、補助記憶装置7が認識できるか解らない(移行前処理を行うか解らない)ため、主制御部6は、省電力モードでも非正規品の補助記憶装置7への電力供給を継続させる。言い換えると、通常モード、省電力モードを問わず、非正規品の補助記憶装置7に電力が供給される。このように、正規品と非正規品で省電力モード移行に対する電力供給の運用を変えることで、省電力モードに移行しても非正規品の補助記憶装置7での故障やデータ破損、喪失を回避することができる。
【0081】
(データ通信速度の変更)
次に、図3を用いて、本実施形態の複合機100での補助記憶装置7とのデータ通信速度を説明する。
【0082】
本実施形態の複合機100に接続される正規品の補助記憶装置7と主制御部6間のデータ通信速度は、データのやり取りを効率よく行うため高速な転送モードを用いる。例えば、通信部8や補助記憶装置7のインターフェイス72の規格がパラレルATAの規格に準拠する場合、正規品では、主制御部6の通信部8と補助記憶装置7のインターフェイス72は、Ultra DMA転送のモード6(規格上、133Mbps)でデータ通信を行う。又、通信部8や補助記憶装置7のインターフェイス72の規格がシリアルATAの規格に準拠している場合、シリアルATAでも複数の通信速度のモードがあるので、非正規品の補助記憶装置7では、正規品の補助記憶装置7のときよりもデータ通信速度を落とすモードにする。
【0083】
しかし、接続された補助記憶装置7が非正規品の場合、Ultra DMA転送のモード6に対応しているとは限らない。そこで、補助記憶装置7を非正規品と認識しているとき、通信部8は、HDDとのデータ通信速度を正規品よりも落とす。例えば、Ultra DMA転送のモード6よりも下位のモード(例えば、モード4(規格上、66.6Mbps))に落とす。
【0084】
又、例えば、通信部8と補助記憶装置7のインターフェイス72の規格がUSB規格に準拠する場合もあり得る。例えば、USBインターフェイスのHDDも存在する。この場合、例えば、通信部8と正規品の補助記憶装置7間のデータ通信速度がHigh Speed Mode(規格上、480Mbps)であれば、通信部8と非正規品の補助記憶装置7間のデータ通信速度をFull Speed Mode(規格上、12Mbps)に落とす。又、例えば、通信部8と正規品の補助記憶装置7間のデータ通信速度がSuper Speed Mode(規格上、5Gbps)であれば、通信部8と非正規品の補助記憶装置7間のデータ通信速度をHigh Speed Mode以下のデータ通信速度のモードに落とす。
【0085】
このように、非正規品の補助記憶装置7に対しては、主制御部6は、補助記憶装置7のインターフェイス72とのデータ通信速度を正規品よりも通信部8に落とさせるので、データの破損や損失なく非正規品の補助記憶装置7に対して読み書きを行うことができる。
【0086】
尚、非正規品の補助記憶装置7で読み書きが正常に行えるか否かを確認するため、主制御部6は、補助記憶装置7に対する書込・読出テストを行ってもよい。このテストでは、主制御部6は、通信部8を介し、試験的に補助記憶装置7に書込と書き込んだデータの読出を行わせる。そして、書込と読出に失敗すれば、主制御部6は、データ転送速度を落とし、再度テストを行う。このテストを繰り返し、非正規品の補助記憶装置7でも安全に書込と読出が可能なデータ通信速度を探しあててもよい。
【0087】
(暗号化処理)
次に、図3、図7に基づき、実施形態に係る複合機100の補助記憶装置7に記憶させるデータの暗号化を説明する。図7は、実施形態に係る複合機100の補助記憶装置7に記憶させるデータの暗号化の流れの一例を示すフローチャートである。
【0088】
まず、補助記憶装置7に記憶させるデータの暗号化の概要を説明する。正規品の補助記憶装置7の記憶制御部70には、図3に示すように、正規品と非正規品の識別に用いる演算レジスタ731や認証レジスタ732が設けられる。
【0089】
上述のように、認証レジスタ732には、主制御部6から与えられ演算レジスタ731に格納される値に対し、記憶制御部70が予め定められた演算式で演算した演算値が格納される。例えば、本実施形態の複合機100の主制御部6は、認証レジスタ732内の演算値と、各複合機100でのユニークな値を用いて、暗号鍵を作成する。各複合機100でのユニークな値は、例えば、複合機100の製造番号である。暗号鍵作成するための暗号鍵作成演算式や各複合機100でのユニークな値は、例えば、主制御部6のROM63に記憶される。
【0090】
主制御部6(のCPU61)は、演算値や各複合機100でのユニークな値や暗号鍵作成演算式を用いて、暗号鍵を作成する。そして、主制御部6のCPU61は、暗号鍵を用いて、補助記憶装置7に記憶されるデータを暗号化する。この暗号化での方式は、例えば、AES(Advanced Encryption Standard)等の暗号化方式を採用できる。又、暗号化されたデータを補助記憶装置7から読み出して用いるときにデータを復号するため、暗号鍵はROM63等に記憶される。これにより、ある複合機100で暗号化されたデータを記憶する正規品の補助記憶装置7を他の複合機100に接続しても、暗号化されたデータは利用できず、データの情報漏洩を防ぐことができる。
【0091】
正規品では、上述のように、認証レジスタ732の演算値を用いてデータの暗号化を行う。しかし、補助記憶装置7が非正規品であれば、認証レジスタ732が存在せず、主制御部6は補助記憶装置7に認証レジスタ732の演算値を要求しても取得できない(読み出せない)可能性が高い。そうすると、正規品と同様に暗号鍵を生成できない。そうすると、暗号鍵が正常に生成できず、暗号化後のデータが全て「0」や「1」という無効なデータとなる可能性もある。
【0092】
このように、非正規品の補助記憶装置7に対して、正規品と同様の暗号化処理を行うと、データを正常に(安全に)記憶させることができない場合がある。そこで、本実施形態の複合機100では、補助記憶装置7が非正規品であるときと、正規品であるときとで暗号化処理の内容(暗号化処理の運用方式)を変える。
【0093】
そこで、図7のフローチャートを用いて、本実施形態の複合機100での暗号化処理の流れの一例を説明する。
【0094】
まず、図7のフローでのスタートは、補助記憶装置7に対して暗号化を行ってデータを記憶させようとする時点である。例えば、操作パネル2は、画像読取部3を用いて読み取りを行い、得られた画像データを補助記憶装置7に記憶させる設定とともに(スキャン機能)、補助記憶装置7への画像データの記憶に際し、暗号化処理を行う設定を行うことができる。又、例えば、複合機100のI/F部65が、補助記憶装置7に記憶させる画像データ等のデータをコンピューター200から受信したとき、主制御部6は、画像データ等のデータを暗号化したうえで、補助記憶装置7に記憶させても良い。
【0095】
まず、暗号化を行ってデータを補助記憶装置7に記憶させるとき、主制御部6は、通信部8に接続された補助記憶装置7が正規品か否か(正規品であるか非正規品であるか)を確認する(ステップ♯31)。正規品であれば(ステップ♯31のYes)、主制御部6は認証レジスタ732に格納される演算値を通信部8に取得させる(ステップ♯32)。そして、主制御部6は、運算値やユニークな値や暗号鍵作成演算式を用いて、暗号鍵を作成する(ステップ♯33)
【0096】
そして、主制御部6は、暗号鍵を用いて、予め定められた暗号方式に基づき、データの暗号化処理を行う(ステップ♯34)。暗号化処理完了後、主制御部6は、暗号化後のデータを通信部8に補助記憶装置7に向けて送信させ、正規品の補助記憶装置7は暗号化されたデータを記憶する(ステップ♯35)。そして、主制御部6は、暗号化に用いた暗号鍵をROM63やHDDに記憶させて(ステップ♯36)、正規品の補助記憶装置7への暗号化データの記憶(蓄積)処理を終了する(エンド)
【0097】
一方、正規品でなければ(ステップ♯31のNo)、主制御部6は、正規品と異なる方式でデータの暗号化処理を行う(ステップ♯37)。例えば、非正規品用に予めROM63に格納された暗号鍵を用いて、主制御部6は暗号化処理を行う。あるいは、主制御部6は、複合機100の製造番号のようなユニークな値のみを用いて暗号鍵を生成し暗号化を行う。これらの場合、暗号鍵は固定されたものとなるので、暗号化されたデータを解読される可能性は高くなるものの、有効な暗号化を施し、データを非正規品の補助記憶装置7に記憶させることができる。
【0098】
又、非正規品の暗号化方式を正規品と異ならせても良い。例えば、正規品では、AESのような方式で暗号化処理を行うが、非正規品に記憶させるデータに対してはDES(Data Encryption Standard)のような他種の暗号化方式で暗号化処理が行われても良い。
【0099】
又、非正規品では、暗号化方式を変えて暗号化されたデータを記憶させたとしても、データを非正規品の補助記憶装置7を読み出して正確に復号できるとは限らない。そこで、正規品でなければ(ステップ♯31のNo)、主制御部6は、暗号化処理を行わないようにしてもよい。例えば、使用者が選択できるように、非正規品の補助記憶装置7に記憶させるデータに暗号化処理を行うか否かを設定するための画面を操作パネル2に表示させて、選択に応じ、主制御部6は、正規品とは異なる暗号化処理を行っても良いし、本フローのスタートの段階で、暗号化を行う設定がなされても、暗号化を行わないもようにしてもよい。
【0100】
そして、主制御部6は、通信部8にデータを補助記憶装置7に向けて送信させ、非正規品の補助記憶装置7はデータを記憶し(ステップ♯38)、データの非正規品の補助記憶装置7への記憶(蓄積)処理を終了する(ステップ♯38→エンド)。
【0101】
このようにして、本実施形態の画像形成装置(例えば、複合機100)は、記憶装置(補助記憶装置7)と接続され、記憶装置とデータの送受信を行う通信部8と、通信部8に記憶装置が接続されているとき、通信部8が記憶装置から取得した情報に基づき、通信部8に接続された記憶装置(補助記憶装置7)が正規品か否かを識別する主制御部6と、を含み、主制御部6は、通信部8に接続された記憶装置を非正規品と認識しているとき、通信部8に記憶装置とデータの送受信を行わせつつ、記憶装置が正規品であるときと正規品でないときとで記憶装置の運用方式を変える。
【0102】
このように正規品と非正規品の場合で運用方式を変えることにより、非正規品の記憶装置(補助記憶装置7)が接続された場合には非正規品であることを考慮した運用方式に変えることができる。従って、接続された記憶装置が非正規品であっても安全にある程度使用できるようにすることができる。
【0103】
又、省電力モードに移行に伴い記憶装置(補助記憶装置7)への電力供給を停止する場合、記憶装置の故障やデータの破損、喪失がないように省電力モードへの移行前処理を行うことがある。一方で、非正規品の記憶装置は、主制御部6からの移行前処理を行う指示を認識できるとは限らず、電力供給遮断を行うと記憶装置の故障やデータの破損、喪失を招く虞がある。そこで、本実施形態の画像形成装置(例えば、複合機100)は、画像形成装置内への部材への電力供給を行う電源部9を有し、主制御部6は、通信部8に接続された記憶装置を正規品と認識しているとき、省電力モードへの移行条件が整うと、正規品の記憶装置に対して電力供給遮断に対応した省電力モードへの移行前処理を行う指示を記憶装置に与えて正規品の記憶装置に移行前処理を行わせた後に、電源部9に記憶装置への電力供給を遮断させ、通信部8に接続された記憶装置を非正規品と認識しているとき、省電力モードに移行しても記憶装置への電力供給を電源部9に継続させる。
【0104】
これにより、接続された記憶装置(補助記憶装置7)が正規品であれば、安全に電力供給を遮断できる状態にしたうえで記憶装置の電力供給を遮断することができる。又、非正規品の記憶装置であれば、省電力モードに移行しても電力供給は遮断されず、省電力モード移行による非正規品の記憶装置での故障やデータの破損、喪失の発生を防ぐことができる。従って、使用者は、オプション装置として接続された記憶装置を安全に使用できる。
【0105】
又、正規品では問題なくデータのやり取りができる通信速度でも、非正規品の記憶装置(補助記憶装置7)との間で、データの破損や喪失なく通信できるとは限らない。そこで、主制御部6は、通信部8に接続された記憶装置を非正規品と認識しているとき、通信部8に、正規品のときよりも記憶装置との通信速度を落とさせる。これにより、通信部8と非正規品の記憶装置との間でも、データの破損や喪失をできるだけ生じないようにすることができる。従って、使用者は、オプション装置として接続された記憶装置を安全に使用できる。
【0106】
画像形成装置(例えば、複合機100)では、機密情報を含む画像データなどを、暗号化して記憶装置(補助記憶装置7)に記憶させることがあるが、非正規品の記憶装置は、正規品でなされる暗号処理方式に対応していない場合がある。そうすると、非正規品の記憶装置では、暗号鍵を正常に生成できない場合や、暗号化処理や復号処理でエラーが生ずることもある。そこで、主制御部6は、通信部8に接続された記憶装置を正規品と認識しているとき、正規品の記憶装置に設けられるレジスタ(認証レジスタ732)から通信部8に取得させた値を用いてデータに対して暗号化処理を行い、暗号化処理後のデータを通信部8から記憶装置に向けて送信させ、通信部8に接続された記憶装置を非正規品と認識しているとき、記憶装置を正規品と認識しているときと異なる暗号化処理をデータに対して施し、暗号化処理後のデータを通信部8から記憶装置に向けて送信させ、又は、記憶装置に暗号化処理を行っていないデータを通信部8から記憶装置に向けて送信させる。
【0107】
これにより、正規品の記憶装置(補助記憶装置7)では、解読できない高度で特有の暗号化処理を施した上でデータを記憶装置に記憶させることができる。又、非正規品の記憶装置であれば、簡易に暗号鍵が生成できるような暗号化処理を施す、あるいは、データの暗号化を施さないようにして、非正規品の記憶装置を用いるときのデータの破損や喪失を防ぐことができる。従って、使用者は、オプション装置として接続された記憶装置を安全に使用できる。
【0108】
又、本実施形態の画像形成装置(例えば、複合機100)の正規品の記憶装置(補助記憶装置7)には、予め定められた演算方法により演算を行う演算部(コントローラー71)が設けられ、主制御部6は、通信部8から認証用の初期値を記憶装置に送信させ、記憶装置が初期値に対して演算部により運算された演算値を通信部8に返信するか否か、及び、記憶装置が返信した演算値が、初期値を用いて演算方法で演算した値に一致するか否かにより、記憶装置が正規品か否かを識別する。これにより、確実、正確に接続された記憶装置(補助記憶装置7)が正規品か否かを認識することができる。
【0109】
又、記憶装置(補助記憶装置7)は、ハードディスクドライブとソリッドステートドライブの少なくとも何れか一方である。これにより、使用者は、オプション装置として接続されたハードディスクドライブとソリッドステートドライブを安全に使用できる。
【0110】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。例えば、上記の実施形態では、省電力モードでの記憶装置(補助記憶装置7)への電力供給やデータ転送速度や暗号化処理での運用方式を正規品と非正規品とで異ならせる例を説明したが、3種類全てではなく、電力供給やデータ転送速度や暗号化処理のうち何れか1つ又は2つの組み合わせで運用方式を正規品と非正規品とで異ならせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0111】
本発明は記憶装置をオプション装置として接続可能な画像形成装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0112】
100 複合機(画像形成装置) 6 主制御部(制御部)
7 補助記憶装置(記憶装置、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ)
71 コントローラー(演算部) 732 認証レジスタ(レジスタ)
8 通信部 9 電源部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを記憶する記憶装置と、
記憶装置と接続され、前記記憶装置とデータの送受信を行う通信部と、
前記通信部に前記記憶装置が接続されているとき、前記通信部が前記記憶装置から取得した情報に基づき、前記通信部に接続された前記記憶装置が正規品か否かを識別する主制御部と、を含み、
前記主制御部は、前記通信部に接続された前記記憶装置を非正規品と認識しているとき、前記通信部に前記記憶装置とデータの送受信を行わせつつ、前記記憶装置が正規品であるときと正規品でないときとで前記記憶装置の運用方式を変えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
画像形成装置内への部材への電力供給を行う電源部を有し、
前記主制御部は、前記通信部に接続された前記記憶装置を正規品と認識しているとき、省電力モードへの移行条件が整うと、正規品の前記記憶装置に対して電力供給遮断に対応した省電力モードへの移行前処理を行う指示を前記記憶装置に与えて正規品の前記記憶装置に移行前処理を行わせた後に、前記電源部に前記記憶装置への電力供給を遮断させ、前記通信部に接続された前記記憶装置を非正規品と認識しているとき、省電力モードに移行しても前記記憶装置への電力供給を前記電源部に継続させることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記主制御部は、前記通信部に接続された前記記憶装置を非正規品と認識しているとき、前記通信部に、正規品のときよりも前記記憶装置との通信速度を落とさせることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記主制御部は、前記通信部に接続された前記記憶装置を正規品と認識しているとき、正規品の前記記憶装置に設けられるレジスタから通信部に取得させた値を用いてデータに対して暗号化処理を行い、暗号化処理後のデータを前記通信部から前記記憶装置に向けて送信させ、前記通信部に接続された前記記憶装置を非正規品と認識しているとき、前記記憶装置を正規品と認識しているときと異なる暗号化処理をデータに対して施し、暗号化処理後のデータを前記通信部から前記記憶装置に向けて送信させ、又は、前記記憶装置に暗号化処理を行っていないデータを前記通信部から前記記憶装置に向けて送信させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
正規品の前記記憶装置には、予め定められた演算方法により演算を行う演算部が設けられ、
前記主制御部は、前記通信部から認証用の初期値を前記記憶装置に送信させ、前記記憶装置が前記初期値に対して前記演算部により運算された演算値を前記通信部に返信するか否か、及び、前記記憶装置が返信した前記演算値が、前記初期値を用いて前記演算方法で演算した値に一致するか否かにより、前記記憶装置が正規品か否かを識別することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記記憶装置は、ハードディスクドライブとソリッドステートドライブの少なくとも何れか一方であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−213059(P2012−213059A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−77938(P2011−77938)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】