説明

画像形成装置

【課題】 転写速度によりも定着速度を速くして画像をシートに形成することが可能であって、転写ニップと定着ニップとの間に複数の搬送ベルトを備えた画像形成装置において、転写ニップから定着ニップまでシートが送られる時間が長く、生産性が低かった。
【解決手段】 転写速度によりも定着速度を速くして画像をシートに形成するモードにおいて、上流搬送ベルトを転写速度に、下流搬送ベルトを定着速度に設定するとともに、転写ニップによってトナー像が転写されている最中のシートを搬送しているときには、下流搬送ベルトとシートとを滑らせるように下流搬送ベルトにシートを吸引する動作を行わず、シートの先端が定着ニップに到達する際には、上流搬送ベルトとシートとを滑らせるように上流搬送ベルトにシートを吸引する動作を行わないようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートに画像を形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置として、例えば感光体や中間転写体等の像担持体上に形成されたトナー像を転写部によってシート上に転写し、シート上に転写されたトナー像を定着部で加熱定着するようにしたものが知られている。
【0003】
ここで、定着部においてトナーを溶融してシートに定着するのに適した、定着部がシートに与える熱量は、シートの種類によって異なる。そこで、定着部におけるシートの搬送速度(定着速度)をシートの種類に応じて変更することで、シートに与える熱量をシート種類に応じて変更する画像形成装置がある。
【0004】
特許文献1では、シートが普通紙(厚さが普通のシート)の場合に、転写部よりも定着部のシート搬送速度を高速にする画像形成装置が開示されている。そして、転写部と定着部との間に搬送方向に並んで2つの搬送ベルトを配置している。この2つの搬送ベルトは未定着トナー像を有するシートを吸引して搬送する。2つの搬送ベルトのシート搬送方向における長さは、いずれも、使用可能なシートの最大長さよりも大きくしている。そして、特許文献1に記載された構成においては、以下のように転写部から定着部へシートを搬送していく。
【0005】
転写部から送り出されたシートを、転写部での搬送速度で駆動されている上流側の搬送ベルトが受けて、上流側の搬送ベルトが、同じく転写部の搬送速度で駆動されている下流側の搬送ベルトへシートを搬送する。シートの先端が定着部に到達する前であって且つシートの後端が下流側の搬送ベルトに達したところで、下流側の搬送ベルトの搬送速度を定着速度に変更する。そして定着速度で駆動される下流側の搬送ベルトによってシートを定着部へ進入させるように搬送する。
【0006】
つまり、下流側の搬送ベルトのシート搬送方向における長さが、使用可能なシートの最大長さよりも長いので、下流側搬送ベルトのみによってシートを担持、搬送するときがあり、このときに下流側搬送ベルトの搬送速度を定着速度に変更する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−251441号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら上記の画像形成装置では、搬送されるシートの後端が下流側の搬送ベルトに達した後に、下流側の搬送ベルトの搬送速度を高速な定着速度に変更する。つまり、搬送されるシートの後端が上流側の搬送ベルトから離れるまでは、低速な転写速度でシートが搬送される。したがって、シートの搬送速度が高速な定着速度に変更されるタイミングが遅い。なお、特に、上記従来技術の構成では、使用可能なシートの最大長さを超えるような搬送方向の長さの長い搬送ベルトを用いているので、転写部から進行してきたシートが高速な定着速度に変更されるまでに搬送される距離も長い。したがって、転写部から進行してきたシートの搬送速度が定着速度に変更されるタイミングは特に遅くなっている。
【0009】
以上のように、転写部から進行してきたシートの速度が高速な定着速度に変更されるタイミングが遅いので、転写部から進行してきたシートが定着部に達するまでに長い時間かかり、生産性が低かった。
【0010】
本願発明の目的は、定着速度が転写速度よりも高速とした状態でシートに画像形成することが可能な画像形成装置において、転写部から進行してきたシートが定着部にシートが達するまでの時間を短くして、生産性を高めることである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、転写速度で搬送されているシートにトナー像を転写する転写ニップと、シートを搬送しながら前記転写ニップによって転写されたトナー像をシートに定着する定着ニップと、を備え、前記転写速度よりも高速な速度で前記定着ニップがシートを搬送しながらトナー像をシートに定着する高速定着モードを有する画像形成装置であって、前記転写ニップから進行してくるシートを搬送する上流搬送ベルトと、前記上流搬送ベルトよりもシートの搬送方向の下流側に設けられ、シートを搬送する下流搬送ベルトとを含み、前記転写ニップによってトナー像が転写されたシートを前記定着ニップへ搬送するベルト搬送ユニットと、前記上流搬送ベルトおよび前記下流搬送ベルトのそれぞれにシートを吸引するための吸引手段と、前記吸引手段の、前記上流搬送ベルトおよび前記下流搬送ベルトのそれぞれへのシートの吸引動作を制御する制御部と、を備え、前記高速定着モードにおいて、前記上流搬送ベルトの周速は、前記ニップから進行してくるシートを受けて搬送する第1速度に設定され、前記下流搬送ベルトの周速は、前記第1速度よりも高速な、シート先端を前記定着ニップに進入させる第2速度に設定されるとともに、前記転写ニップによってトナー像が転写されているシートを前記ベルト搬送ユニットが搬送しているときには、前記上流搬送ベルトにシートが吸着されるとともに前記下流搬送ベルトとシートとが滑るように前記吸引手段を制御し、前記ベルト搬送ユニットによって搬送されるシートの先端が前記定着ニップに到達する際には、前記上流搬送ベルト上をシートが滑るように前記下流搬送ベルトがシートを引っ張って搬送するように前記制御部が前記吸引手段を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、定着速度が転写速度よりも高速とした状態でシートに画像形成することが可能な画像形成装置において、生産性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る画像形成装置の概略構成図である。
【図2】2次転写部から定着部までの間の拡大図である。
【図3】第2ベルト搬送部の上視図である。
【図4】第2ベルト搬送部の構成を説明するための斜視図である。
【図5】画像形成装置の制御部を説明するためのブロック図である。
【図6】定着速度と、シートの種類および坪量の関係を示した表である。
【図7】画像形成装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】画像形成装置におけるラージサイズ搬送制御を説明するためのフローチャートである。
【図9】転写速度よりも定着速度が速いモードであって、ラージサイズのシートを搬送する場合の動作を説明する図である。
【図10】転写速度よりも定着速度が速いモードであって、ラージサイズのシートを搬送する場合の動作を説明する図である。
【図11】転写速度よりも定着速度が速いモードであって、スモールサイズのシートを搬送する場合の動作を説明する図である。
【図12】転写速度と定着速度とが同じ速度のモードであって、ラージサイズのシートを搬送する場合の動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本発明に係る画像形成装置の断面図である。まず図1によって画像形成装置の概略構成について説明する。
【0015】
画像形成装置100は、収納されたシートを給送する給送部101と、給送部101によって給送されたシートにトナー像を形成するための画像形成部902と、トナー像が形成されたシートを定着部50へ搬送するベルト搬送ユニット904と、を備える。さらに画像形成装置100は、定着部50によってトナー像が定着されたシートを搬送する後搬送部903を備える。
【0016】
給送部101は、シートを収納するシートカセット111、シートカセット111からシートをピックアップするピックアップローラ112、ピックアップローラ112によってピックアップされたシートを分離給送する分離装置113を備える。さらに給送部101は、分離装置113によって分離給送されたシートが搬送される給送パス901内でシートを搬送する送り出しローラ114ならびにレジストローラ115を備える。
【0017】
画像形成部902は、Y(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン),K(ブラック)の各色に対応する画像形成ステーション200Y,200M,200C,200Kを直列に配置した、タンデム方式の画像形成部である。各画像形成ステーション200Y,200M,200C,200Kは、感光ドラム120と、一次帯電装置121と、露光装置122と、そして現像装置123を有している。
【0018】
画像形成部902は、更に、各画像形成ステーション200Y,200M,200C,200Kによって可視化されたトナー像が転写される中間転写ベルト125を備える。中間転写ベルト125は、駆動ローラ126、テンションローラ127、及び対向ローラ128に掛け渡して支持され、駆動ローラ126に駆動されて矢印R2方向に回転する。
【0019】
131は、対向ローラ128によって内側から支持された中間転写ベルト125に圧接して、中間転写ベルト125との間に2次転写ニップN2を形成する2次転写ローラである。2次転写ローラ131、中間転写ベルト125、対向ローラ128によって2次転写部130が構成される。ベルトクリーニング装置129は、中間転写ベルト125にクリーニングウエブを摺擦させて、2次転写ニップN2を通過した中間転写ベルト125の表面に残留した転写残トナー、紙粉等を除去する。
【0020】
2次転写部130よりもシート搬送方向の下流側に配置された定着部50は、熱と圧力によってシートにトナー像を定着するものである。定着部50は、内部にヒータを備えた、加熱ローラ52と加圧ローラ53とによって構成される。定着部50は、加熱ローラ52の表面温度を検知するための加熱ローラ温度センサ70と、加圧ローラ53の表面温度を検知するための加圧ローラ温度センサ71と、を備える。この加熱温度センサ70と、加圧ローラ温度センサ71は、それぞれ加熱ローラ52、加熱ローラ52の表面温度が適正な温度に維持するために供されている。
【0021】
2次転写部130と定着部50との間には、ベルト搬送ユニット904が配置されている。ベルト搬送ユニット904は、搬送方向の上流側に配置された第1ベルト搬送部10と、下流側に配置された第2ベルト搬送部20によって構成されている。ベルト搬送ユニット904の構成については後に詳述する。
【0022】
後搬送部903は、定着部50から排出されたシートを機外に排出する排出ローラ911を備える。後搬送部903は、さらに、シートを反転搬送する反転ローラ912と、反転部によって反転されたシートを搬送し、下流側において給送パス901に合流する両面搬送路913を備えている。
【0023】
画像形成装置100における画像形成に係る動作の概略について説明する。
【0024】
露光装置122が感光ドラム120を露光して感光ドラム120上に静電潜像を形成する。感光ドラム120上の静電潜像は、現像装置123によって現像され、トナー像として可視画像化される。
【0025】
感光ドラム120の表面に担持されたトナー画像は、1次転写装置124によって中間転写ベルト125の上に順次重ねて1次転写とされる。Y,M,C,K全色が一次転写された中間転写ベルト125上のトナー画像は、その後に、転写ニップとしての2次転写ニップN2において、給送部101によって給送されたシートSの上に2次転写される。なお、中間転写ベルト125は、一定速度で回転する駆動ローラ126によって回転駆動され、その周速度が一定な転写速度に維持されて回転されている。したがって、トナー像が転写されるシートは、2次転写ニップN2によって転写速度で搬送される。本実施形態では、転写速度は300mm/secに設定されている。なお、転写速度とはトナー像が転写されるときのシートの速度である。
【0026】
給送部101のレジストローラ115は、停止状態でシートSを受け止めて待機させ、中間転写ベルト125のトナー像にタイミングをあわせて、2次転写ニップN2へシートSを送り出す。
【0027】
2次転写ニップN2で転写されたトナー画像を担持したシートSは、ベルト搬送ユニット904によって、定着部50に搬送される。定着部50では、定着ニップNにてシートSを挟持して未定着のトナー画像に熱と圧を加えることでシートに定着させる。定着処理を終えて定着部50から送り出されたシートSは、排出ローラ911によって機外に排出される。
【0028】
両面に画像を形成する場合には、定着部50から送り出されたシートを反転ローラ912へ搬送し、反転ローラ912によって反転した後に両面搬送路913を経由させて、給送パス901へ導く。そして、1面目と同様にシートの2面目にトナー像が形成される。
【0029】
次に、図2、図3、図4を用いてベルト搬送ユニット904ならびにその周辺の詳細な構成について説明する。図2は、転写部としての2次転写部130、ベルト搬送ユニット904および定着部50を示した拡大図である。図3は、第2ベルト搬送部20の上視図である。図4は、第2ベルト搬送部20の斜視図である。
【0030】
ベルト搬送ユニット904は、2次転写部ニップN2よりもシート搬送方向の下流側に配置された第1ベルト搬送部10と、第1ベルト搬送部10の下流側且つ定着ニップNよりも上流側に配置された第2ベルト搬送部20を備える。
【0031】
ベルト搬送部904と2次転写ニップN2との間には、2次転写ニップN2から進行してくるシートをベルト搬送部904にガイドする転写ガイド951が設けられている。またベルト搬送部904と定着ニップNとの間には、ベルト搬送部904によって搬送されるシートを定着ニップNへガイドする定着前ガイド952が設けられている。
【0032】
図2に示されたように、第1ベルト搬送部10は、多数の穴が設けられた無端状の第1搬送ベルト11と、第1搬送ベルト11を張架する第1駆動ローラ12および従動ローラ13とを備えている。第1ベルト搬送部10は、第1駆動ローラ12を介して、上流搬送ベルトとしての第1搬送ベルト11を回動させる第1搬送ベルト駆動モータ14を有する。第1搬送ベルト11の内側には、この第1搬送ベルト11によって搬送されるシートを、第1搬送ベルトに形成された多数の穴を介して、第1搬送ベルト11の周面に吸着させるための第1吸引ファン15が配置されている。即ち、第1吸引ファン15は、空気を第1搬送ベルト11の上面側から吸い込んで、搬送されるシートを第1搬送ベルト11の上面に吸着させる。第1搬送ベルト駆動モータ14は、第1搬送ベルト11の周速V1(以下、第1ベルト搬送部10の搬送速度という)を一定速度となるように駆動する。具体的には、第1搬送ベルト駆動モータ14は、第1ベルト搬送部10の速度を、転写速度と同一な、300mm/secとなるように駆動する。第1搬送ベルト11における定着部50の側には、シートの先端を第1検知位置P1にて検知する第1シート先端検知センサー16が設けられている。
【0033】
第1ベルト搬送部10と第2ベルト搬送部20の構成は同じ構成である。つまり、第2ベルト搬送部20は、多数の穴が設けられた無端状の第2搬送ベルト21と、第2搬送ベルト21を張架する第2駆動ローラ22および従動ローラ23とを備えている。第2ベルト搬送部20は、第2駆動ローラ22を介して、下流搬送ベルトとしての第2搬送ベルト21を回動させる第2搬送ベルト駆動モータ24を有する。第2搬送ベルト21の内側には、この第2搬送ベルト21によって搬送されるシートを、第2搬送ベルト21に形成された多数の穴を介して、第2搬送ベルト21の周面に吸着させるための第2吸引ファン25が配置されている。即ち、第2吸引ファン25が、第2搬送ベルト21の上面側から空気を吸い込んで、搬送されるシートが第2搬送ベルト21の上面に吸着させる。第2搬送ベルト駆動モータ24は、第2搬送ベルト21の周速V2(以下、第2ベルト搬送部20の搬送速度という)を変更できるようになっている。
【0034】
第2搬送ベルト21における定着部50の側には、シートの先端を、定着ニップNよりも上流側である第2検知位置P2にて検知する第2シート先端検知センサー26が設けられている。第2シート先端検知センサー26がシートを検知する第2検知位置P2は、シートの先端が第2検知位置P2に到達したときにシートの後端が2次転写ニップN2を既に通過しているような位置に設定されている。本実施形態では、2次転写ニップN2から第2検知位置P2までの距離が、画像形成装置が使用可能な最も搬送方向における長さの長いシートSの長さL(最大シートの長さと以下では呼ぶ)よりも長く設定している。また、本実施形態においては、第2シート先端検知センサー26がシートを検知する第2検知位置Pは、第2搬送ベルト21の下流側端部に設定してある。
【0035】
ここで、第1、第2ベルト搬送部10、20において搬送ベルトにシートを吸引するための構成について、図3および図4を用いて詳述する。既述のように第1ベルト搬送部10と第2ベルト搬送部20の構成は同じ構成であるため、ここでは第2ベルト搬送部20について説明し、第1ベルト搬送部10についての詳細な説明は省略する。
【0036】
図4は、構成の理解を容易にするために第2搬送ベルト21の描図を省略した状態での第2ベルト搬送部20の斜視図である。第2搬送ベルト21の内側に、第2吸引ファン25を内包したフレーム951が設けられている。フレーム951の上面には、一対の吸引口25aが形成されている。第2搬送ベルト21と第2吸引ファン25の間でスライド移動可能に一対の第2シャッタ27がフレーム951に保持されている。第2シャッタ27は、吸引口25aを開放する位置(図3(a)、図4(a)参照))と、吸引口25aを閉じた位置(図3(b)、図4(b)参照))の間を、スライド移動することができるようにフレーム951に保持されている。
【0037】
つまり、第2吸引ファン25やフレーム951とともに第2吸引装置を構成する第2シャッタ27をスライド移動させることで、第2ベルト搬送部20において、第2搬送ベルト21に対するシートの吸引状態を変更できるようになっている。なお、以下では、吸引口25aを開放したときの第2シャッタ27の位置(図3(a)、図4(a)参照))を開き位置とよび、吸引口25aを閉じる第2シャッタ27の位置(図3(b)、図4(b)参照))を閉じ位置とよぶ。第2シャッタ27が図3(a)や図4(a)に示した開き位置にあるとき、第2搬送ベルト21にシートが吸引され、第2シャッタ27が、第2シャッタ27が図3(b)や図4(b)に示した閉じ位置にあるとき、第2搬送ベルト21にシートが吸引されない。
【0038】
第2シャッタ27にはそれぞれラックギアが設けられている。ラックギアと噛合うピニオンギア28を介して、第2シャッタ駆動モータ30からの駆動力を第2シャッタ27に伝達することによって、第2シャッタ27をシートの幅方向にスライドさせ、第2吸引ファン25の吸引口25aを開閉するようになっている。
【0039】
また、第2シャッタ27にはそれぞれフラグ28bが設けられている。第2シャッタ27を図3(a)、図4(a)のような開き位置へ移動させる場合には、以下のようにする。即ち、第2シャッター駆動モータ30を駆動し、第2シャッタ検知センサー29の光軸をフラグ27bが遮って第2シャッタ検知センサー29からの信号がOFFからONになったときに第2シャッタ駆動モータ30を停止させる。逆に、図3(b)、図4(b)のように第2シャッタ27を閉じ位置へ移動させる場合には、第2シャッター駆動モータ30を所定のパルス数だけ逆に回転させる。
【0040】
シャッターならびにそれを移動させるための機構についても第1ベルト搬送部10と第2ベルト搬送部20とは同様である。即ち、第1搬送ベルト11の内側であって、第1吸引ファン15と第1搬送ベルト11との間に、第1吸引ファン15とともに第1吸引装置を構成する第1シャッタが設けられている。そして、第1シャッタは第1シャッタ駆動モータによってスライド移動される。
【0041】
図2において、定着部50では、加熱ローラ駆動モータ54(例えばDCブラシレスモータ)によって加熱ローラ52が回転駆動される。加熱ローラ52の周速度(以下、定着速度VFという)は、変更できるようになっている。ここで定着速度とは、定着部50によってトナー像が定着されているシートが搬送されるときのシートの速度である。加熱ローラ52と加圧ローラ53との間に形成された定着ニップNで搬送されるシートSは定着速度VFで搬送される。
【0042】
また、2次転写ニップN2と定着ニップNとの間のシート搬送路の長さは、最大シートの長さLよりも長く設定されている。シート先端検知センサー26から定着ニップNまでのシート搬送路の長さLBは、第2シャッタ27が閉じ位置から開き位置へ移動するのに必要な時間中にシートが搬送される距離よりも長く設定されている。
【0043】
また、第1搬送ベルト11と第2搬送ベルト21のシートS搬送方向長さBは同一であり、最大シートSの長さLの半分よりもやや短く設定されている。なお、本実施形態では、共通部品を使用するために第1搬送ベルト11と第2搬送ベルト21を同構成のものとしている。しかしながら、本願発明は、第1搬送ベルト11と第2搬送ベルト21が同じ長さ(同じ構成)であることに限定されるものではない。例えば、第1搬送ベルト11の搬送方向における長さを、最大シートの長さLの2/3にし、第2搬送ベルト21の搬送方向における長さを、最大シートの長さLの1/3にしてもよい。
【0044】
図5は、画像形成装置100の制御関係を示すブロック図である。制御部170は、CPU、メモリなどを含めた演算処理ユニットとI/Oポート、通信インターフェイスなどの外部とのデータのやり取りを行う回路などで構成されている。制御部170は、メモリに格納された複数のプログラムを状況に応じて逐次実行することにより、画像形成装置の動作を制御する。
【0045】
制御部170は、外部機器から送られてきたプリントジョブに応じて、給送部101、画像形成部902などの画像形成装置における各部を制御する。制御部170には操作部が接続されており、操作部からシートの種類に関する情報(坪量、サイズ、普通紙かコート紙か)が送られる。なお外部機器からプリントジョブとして送られた情報に、シートの種類に関する情報も含まれる。ここで、コート紙とは樹脂コーティングされたシートのことである。
【0046】
また、制御部170には第1シート先端検知センサー16および第2シート先端検知センサー26からの信号が入力される。
【0047】
制御部170は、第1、第2搬送ベルト駆動モータ14、24や、加熱ローラ駆動モータ54の動作を制御する。制御部170には、第1シャッタ検知センサー19、第2シャッタ検知センサー29からの信号が入力される。制御部170は、第1シャッタ検知センサー19、第2シャッタ検知センサー29からの信号に基づいて、第1、第2シャッタ駆動モータ31、30を動作させて、シャッタを閉じ位置と開き位置との間を移動させるように制御する。つまり、制御部170は、第1吸引ファン15、第1シャッタ駆動モータ31、第1シャッタ17を含む第1吸引装置と、第2吸引ファン25、第2シャッタ駆動モータ30、第2シャッタ27等を含む第2吸引装置とで構成される吸引手段の吸引動作を制御する。
【0048】
なお、制御部170は、定着部50の加熱ローラ温度センサー70および加圧ローラ温度センサー71からの信号が入力される。制御部170は、加熱ローラ52、加圧ローラ53の温調制御も行う。つまり、制御部170は、温調部を介して、加熱ローラ温度センサー70からの出力に基づいて、加熱ローラ52の内部の設けられたヒータへの通電を制御することによって、加熱ローラ52の表面温度が予め設定された温度になるように制御している。制御部170は、温調部を介して、加圧ローラ温度センサー71からの出力に基づいて、加圧ローラ53の内部にヒータへの通電を制御することによって、加圧ローラ53の表面温度が予め設定された温度になるように制御している。本実施形態では、加熱ローラ52の表面温度は170℃になるように、加圧ローラ53の表面温度が100℃になるように制御部170が温調している。
【0049】
さらに、制御部170は、シートの種類に関する情報のうち、坪量と、種別(普通紙かコート紙か)に応じて定着速度が変更されるように定着部50の加熱ローラ駆動モータ54の動作を制御する。図6は、シートSの種別や坪量と、設定される定着速度VFとの対応を示した表である。図6におけるモード1よりもモード2の方がシートの単位面積あたりに定着部50がシートに与える熱量が大きい。モード2よりもモード3の方がシートの単位面積あたりに定着部50がシートに与える熱量が大きい。モード3よりもモード4の方がシートの単位面積あたりに定着部50がシートに与える熱量が大きい。
【0050】
図6に示した表のように、例えば60gsm程度の普通紙は定着速度を480mm/secに設定する。60gsm程度の普通紙は、例えば200gsm程度の普通紙に比べて熱容量が小さい。よって、60gsm程度の普通紙に画像を形成する場合には、200gsm程度の普通紙に設定される300mm/secよりも高速な480mm/secに定着速度を設定することで、シートSが定着ニップNを通過している時間を小さくしている。これによって、60gsm程度の普通紙に画像を形成する場合には、200gsm程度の普通紙に画像を形成する場合よりも単位面積あたりにシートが受ける熱量を小さくしている。
【0051】
シートの坪量が大きくなる程、熱容量が大きくなるので、シートの坪量が大きくなる程、トナーがシートに定着する温度にシートが加熱されるのに、シートの単位面積あたりに必要な熱量が大きくなる。よって、図4に示したように坪量が大きいほど定着速度を遅くしてシートの単位面積あたりに与える熱量が増えるようにしている。また、普通紙よりもコート紙の方が、シートの単位面積あたりに画像の定着に要する熱量が大きいので、図4の表のように普通紙かコート紙かによって定着速度を変えている。
【0052】
また、制御部170は、定着速度VFの速度調整に対応して、第2ベルト搬送部20の搬送速度である第2速度も、300〜480mm/secの範囲で変更するように制御する。この第2ベルト搬送部20の搬送速度変更は、制御部170が第2搬送ベルト駆動モータ24を制御することによって行われる。
【0053】
以下、2次転写ニップN2から定着部50にいたるまでのシート搬送の制御および動作について、図7、図8のフローチャートおよびシートの搬送状態を示した図9乃至図11の動作説明図を用いて詳述する。
【0054】
制御部170は、操作部等より入力されたシートに関する情報のうちの種別と坪量から図6でのいずれのモードかを判断する。即ち、制御部170は、図6のテーブルを参照し、転写速度と定着速度とが同じモード(モード4)であるかどうかを判断する(ステップ1(以下ステップをSと省略して記す))。
【0055】
モード4以外のモード(転写速度よりも定着速度が速い高速定着モード)であった場合には(S1でNO)、シートの種類に関する情報のうちサイズ情報から、シートのサイズがスモールサイズか否かを制御部170が判断する(S2)。本実施形態では、搬送されるシートの搬送方向の長さが、2次転写ニップN2から第2搬送ベルト25の上流端までの長さより短くかつ第1搬送ベルト15の下流端から定着ニップNまでの長さよりも短い場合に、スモールサイズであると判断する。スモールサイズでない場合は、図8で示したラージサイズ搬送制御を制御部170は実行する。図9および図10は、転写速度よりも定着速度が速いモードであってシートのサイズがラージサイズの場合の制御(以下ラージサイズ搬送制御)を行ったときのシート搬送の動作を時系列的に示した説明図である。
【0056】
図8に示したラージサイズ搬送制御では、シートの種別と坪量に応じて図6で示した定着速度VFとなるように加熱ローラ駆動モータ54を制御部170が制御する(S21)。また、制御部170は、第1ベルト搬送部10の搬送速度が、転写ニップN2から進行してくるシートを受け入れて搬送する第1速度として、転写速度と同じ300mm/secになるように、第1搬送ベルト駆動モータ14を制御する(S21)。制御部170は、第2ベルト搬送部20の搬送速度が、シートの先端を定着ニップNに進入させるときの第2速度として、定着速度VFと同じ速度になるように、第2搬送ベルト駆動モータ24を制御する(S21)。そして、制御部170は、第1ベルト搬送部10において第1搬送ベルト11にシートが吸引されるように(ON)制御する。具体的は、第1吸引ファン15が第1搬送ベルト11にシートを吸引するように第1シャッタ17を開き位置に移動させるべく、第1シャッタ駆動モータ31の動作を制御部170が制御する。一方、制御部170は、第2ベルト搬送部20での第2搬送ベルト21にシートが吸引されないように(OFF)、制御する。つまり、第2吸引ファン25が第2搬送ベルト21へシートを吸引しないように、第2シャッタ27を閉じ位置に移動させるべく、第2シャッタ駆動モータ30の動作を制御部170が制御する(S21)。
【0057】
なお、転写ニップN2から進行してくるシートを受けて搬送するときの第1ベルト搬送部10の第1速度として、転写速度と同じ速度であることをここでは例示している。しかしながら、第1ベルト搬送部10の第1速度としては、転写ニップN2から進行してくるシートをトナー像の転写に影響が少ない状態でスムースに搬送でき得る速度であればよく、転写速度と必ずしも一致していなくてもよい。例えば、転写ニップN2から進行してくるシートを受けるときの第1速度として、転写速度よりも4%程度高速な速度にしてもよい。転写ニップN2によってシートを挟持して搬送するので第1搬送ベルト11にシートを滑らせながら搬送できるからである。また、第1ベルト搬送部10の第1速度として、転写速度よりもやや低速な速度に設定しても転写に影響の少ない程度であればよい。
【0058】
また、シートの先端を定着ニップNに進入させるときの第2ベルト搬送部20の第2速度として、定着速度VFと等速であることをここでは例示している。しかしながら、第2ベルト搬送部20の上記第2速度としては、シートの先端を定着ニップNに進入させるときにトナー像の定着が良好に行われるように搬送でき得る速度であればよく、定着速度VFと必ずしも一致していなくてもよい。例えば、シートの先端を定着ニップNに進入させるときの第2ベルト搬送部20の第2速度としては、定着速度よりも数%低速若しくは数%高速な速度にしてもよい。第2ベルト搬送部20の第2速度を定着速度よりも数%高速な速度とした場合には、シートの先端が定着ニップNに進入後の搬送に伴って第2搬送ベルト21と定着ニップNとの間でシートに撓みが形成される。また第2ベルト搬送部20の上記第2速度を定着速度よりも数%低速とした場合にはシートの先端が定着ニップNに進入後の搬送時に第2搬送ベルト21を滑りながらシートが搬送されていくことになる。
【0059】
S21において設定した動作状態で、2次転写ニップN2から送り出されてきたシートが第1ベルト搬送部10によって搬送される。このとき、第1搬送ベルト11の周速(第1ベルト搬送部10の搬送速度)は、転写ニップN2から進行してくるシートを受け入れて搬送するときの第1速度(本実施形態では、転写速度である300mm/secと同じ速度)に設定されているとともに第1搬送ベルト11への吸引が行われているので、スムースにシートが搬送される(図9(a)参照)。
【0060】
やがて、第1ベルト搬送部10によってシートが第2ベルト搬送部20へ送られ、シートの先端側が第2ベルト搬送部20上に到達する(図9(b)参照)。ここで、第2搬送ベルト21へのシートの吸引はされていない。よって、吸引動作の行なわれている第1ベルト搬送部10の第1搬送ベルト11の搬送力は第2ベルト搬送部20の第2搬送ベルト21の搬送力よりも大きい。したがって、第1搬送ベルト11と第2搬送ベルト21とにまたがっているシートの先端側と、周速が転写速度よりも高速な第2速度に設定されている第2搬送ベルト21の周面とは滑り、シート自体は第1搬送ベルト11の周速である第1速度で搬送される。このように、第1速度よりも高速な第2速度となっている第2搬送ベルト21に、2次転写ニップN2においてトナー像が転写されている最中のシートの先端側が接しているものの、シートは第1搬送ベルト11によって第1速度で搬送される。したがって、2次転写ニップN2でのトナー像の転写は良好に行われる。なお、吸引手段の動作を制御することで、第1ベルト搬送部10の搬送力よりも第2ベルト搬送部20の搬送力は小さくして、第2搬送ベルト21とシートを滑らせて第1搬送ベルト11の周速で搬送する状態を以下では第1吸引状態と呼ぶ。
【0061】
その後、第1ベルト搬送部10と第2ベルト搬送部20によって搬送されているシートの先端が第2検知位置P2において第2シート先端検知センサー26によって検知されたかどうかを制御部170が判断する(S22)。第1ベルト搬送部10と第2ベルト搬送部20によって搬送されているシートの先端がシート先端検知センサー26によって検知されたら(S22のYES)、S23に移行する。S23では、制御部170は、第1搬送ベルト11にシートの吸引がなされないように、第1シャッタ駆動モータ31の動作を制御して、第1シャッタ17を閉じ位置に移動させる。さらに、制御部170は、第2搬送ベルト21にシートの吸引がされるように第2シャッタ駆動モータ30の動作を制御して、第2シャッタ27を開き位置に移動させる。
【0062】
この状態では、第1搬送ベルト11へのシートの吸引はされておらず、第2搬送ベルト21へのシートの吸引はされている(第2吸引状態)。よって、吸引動作の行なわれている第2ベルト搬送部20の第2搬送ベルト21の搬送力は第1ベルト搬送部10の第1搬送ベルト11の搬送力よりも大きい。図9(c)は、第1ベルト搬送部10と第2ベルト搬送部20によって搬送されているシートの先端が第2シート先端検知センサー26に到達し、シート吸引の動作状態の変更が完了したときの状態を示している。
【0063】
ここで、第2検知位置P2は、シートの先端が第2検知位置P2に到達したときにそのシートの後端が2次転写ニップN2を既に通過しているような位置に設定されている。よって、シート吸引の動作状態を第1吸引状態から第2吸引状態に変更するとき、シートの後端は既に2次転写ニップN2を通過している。したがって、吸引状態を第2吸引状態に変更することに起因したシートへのトナー像の転写に対する影響はない。また、第2検知位置P2は、シートS1の先端が定着部50の定着ニップNに到達するまでに吸引状態を第2吸引状態に変更することを完了できる位置に設定されている。
【0064】
ここで、第1搬送ベルト11へのシートの吸引が行なわれず、第2搬送ベルト21へのシートの吸引が行われた状態となることで以下のようにシートは搬送されていく。即ち、吸引動作の行われている第2搬送ベルト11の搬送力は、吸引動作が行なわれていない第1搬送ベルト11の搬送力よりも大きい。したがって、周速が第1搬送ベルト11の周速よりも速い第2速度に設定された第2搬送ベルト21によって、第1搬送ベルト11および第2搬送ベルト21の上にあるシートは、第2搬送ベルト21によって引っ張られて第1搬送ベルト11の外周を滑りながら、シートの先端を定着ニップNに進入させるときの第2速度(本実施形態では定着速度VF)で搬送される。そしてシートは、第2搬送ベルト21によって引っ張られて第1搬送ベルト11の外周を滑りながら第2速度で、先端が定着ニップNに到達する。
【0065】
このように、第2搬送ベルト21によって搬送されているシートS1の先端が定着ニップNに到達する際、シートは、第2搬送ベルト21によってシートの先端を定着ニップNに進入させるときの第2速度で搬送されている。仮にシート先端の定着ニップNへの進入時にシートの速度と、定着ニップNでの定着速度とが大きく異なっていると定着不良が発生する。第2搬送ベルト21によって引っ張られて第1搬送ベルト11上を滑りながら搬送されているシートは、シートの先端を定着ニップNに進入させるときの第2速度(定着速度VF)で搬送されるので、トナー像の定着に際して不具合が発生することがない。
【0066】
次に、制御部170はシートの先端が定着ニップNに到達したかどうかを判断する(S24)。シートの先端が定着ニップNに到達した後に(S24のYES)、制御部170は、第1搬送ベルト11にシートの吸引がされるように第1シャッタ駆動モータ31の動作を制御して、第1シャッタ17を開き位置に移動させる(S25)。なお、本実施形態では、シートの先端が定着ニップNに到達したかどうかは以下のように制御部170が判断している。即ち、第2シート先端検知センサー26からシートの先端を検知したことを示す信号を制御部170が受信する。制御部170は、第2シート先端検知センサー26からの信号を受信してからシートの先端が定着ニップNに到達するのに要する所定時間が経過したかどうかをタイマー666で計測する。このようにしてシートの先端が定着ニップNに到達したかどうかを制御部170が判断する。
【0067】
シートの先端が定着ニップNに挟持された後、定着ニップNで挟持されているシートが、定着速度よりも低速な第1速度で回転している第1搬送ベルト11に吸引がされる(図10(a)参照)。しかし、定着ニップNでの挟持圧力は高圧なので、定着部50の搬送力は第1搬送ベルト11の搬送力よりも強い。よって、定着速度VFよりも低速な第1速度で回転している第1搬送ベルト11によって定着ニップNにバックテンションが仮にかかったとしても、定着部50はシートを定着速度VFで安定して搬送していくことができるので、定着不良は生じない。
【0068】
また、シートの先端が定着ニップNに挟持された後であってそのシート後側が第1搬送ベルト11上にある状態で、第1搬送ベルト11にシートの吸引がされるようにするのは、以下の更なる理由がある。即ち、先行するシートS1が定着ニップNによって搬送されている最中に、後続シートS2の先端を第1搬送ベルト11に到達させることができるようにするためである(図10(a)参照)。つまり、2次転写ニップN2に挟持されている後続シートS2は、シートの吸引が行われていて、転写ニップN2から進行してくるシートを受け入れて搬送するときの第1速度に設定されている第1搬送ベルト11によって搬送されるので、安定して後続シートS2の搬送ができ、転写不良の発生は生じない。これによって連続するシート同士の間隔を短くして搬送できるので生産性の高い画像形成装置を提供できる。
【0069】
次に、制御部170が後続シートS2の先端が第1検知位置P1に到達したかどうかを判断する(S26)。後続シートS2の先端が第1検知位置P1に到達したら(S26のYES)、制御部170は、第2搬送ベルト21にシートが吸引されなくするために第2シャッタ27を閉じ位置に移動させるように第2シャッタ駆動モータ30の動作を制御する(S27)。
【0070】
このように先行シートの先端が定着ニップNに挟持された後であってそのシートの一部が第2搬送ベルト21上にある状態で、第2搬送ベルト21にシートの吸引がされなくしている(第1吸引状態)。これは、シートの先端が定着ニップNに挟持された後、第2搬送ベルト21に必要とされる機能は、補助的な搬送で充分だからである。つまり、定着ニップNでの挟持圧力は高圧であって、定着ニップNによって挟持されてシートは定着速度VFで搬送されるので定着に不良が発生することはない。
【0071】
また、このように定着ニップNに挟持されているシートの後側が第2搬送ベルト21上にある状態で、第2搬送ベルト21にシートの吸引がされなくなるように制御するのには、以下の理由がある。先行するシートS1が定着ニップNによって搬送されているときに、後続シートS2の先端を第2搬送ベルト21に到達させることができるようにするためである。これによって連続するシート同士の間隔を短くして搬送できるので生産性の高い画像形成装置を提供できる。つまり、後続シートS2の後端側が2次転写ニップN2にあって且つこの後続シートS2の先端側が第2搬送ベルト21上に載るものの、第2搬送ベルト21にシートの吸引がされていないので、第1搬送ベルト11によって後続シートS2を安定して第1速度で搬送ができるので、転写不良の発生が防がれている。
【0072】
その後、制御部170は、ジョブが終了したかどうかを判断し(S28)、ジョブが終了していなければ、S22に戻り、ジョブが終了していれば、図6のS3に戻って終了する。
【0073】
以上のように、第1搬送ベルト11および第2搬送ベルト21の搬送方向の長さを小さくして装置を小型した装置が提供できている。そして、転写速度VTよりも定着速度VFが速い場合であっても、第1搬送ベルト11および第2搬送ベルト21へのシートの吸引状態を変更してシートを搬送していくことで安定したシート搬送が実現される。また、第1搬送ベルト11および第2搬送ベルト21へのシートの吸引状態を変更することで、先行するシートS1の後端と後続シートS2との先端の間隔を小さくして、シートを搬送することが可能となる。
【0074】
図7のS1での判断で、モード4である場合、即ち、定着速度が転写速度と同じ速度であると制御部170が判断した場合には、S4に移行する。そして、S4において、制御部170は、第1ベルト搬送部10および第2ベルト搬送部20でのシートの吸引動作が行なわれるように第1、第2シャッタ駆動モータ30、31を制御する。また、制御部170は、第1ベルト搬送部10の搬送速度が、第1速度(本実施形態では、転写速度と同等な300mm/sec)となるように、第1搬送ベルト駆動モータ14を制御する。制御部170は、第2ベルト搬送部20の搬送速度が、第1速度(本実施形態では、転写速度と同等な300mm/sec)となるように、第2搬送ベルト駆動モータ24を制御する。この状態のまま、連続してシートを搬送していく。図12は、定着速度が転写速度と同じ速度の場合であって、ラージサイズのシートを搬送するときの状態を時系列的に示したものである。
【0075】
図7のS1で、モード4でない場合(定着速度が転写速度よりも速い場合)であって、シートのサイズがスモールサイズである場合(S2のYES)には、S5に移行する。そして、S5において、制御部170は、第1ベルト搬送部10および第2ベルト搬送部20でのシートの吸引動作が行なわれるように第1、第2シャッタ駆動モータ30、31を制御する。また、制御部170は、第1ベルト搬送部10の搬送速度が、第1速度(転写速度と同等な300mm/sec)となるように、第1搬送ベルト駆動モータ14を制御する。また、制御部170は、第2ベルト搬送部20の搬送速度が、第2速度(定着速度VFと同等な速度)となるように、第2搬送ベルト駆動モータ24を制御する。この状態のまま、連続するシートを搬送していく。
【0076】
図11は、定着速度が転写速度よりも速く、スモールサイズのシートを連続的に搬送していくときの動作を時系列的に示した図である。なお、スモーサイズとは、既に述べたように、シートの先端が第2搬送ベルト21に達したとき、そのシートの後端は2次転写ニップN2を通過した後になり、シートの先端が定着ニップNに達したとき、そのシートの後端が第1搬送ベルト11を通過した後になるサイズである。以下では、図11を用いて、定着速度が転写速度よりも速く、且つ、搬送されるシートがスモールサイズである場合の搬送状態を説明する。
【0077】
図11(a)は、転写ニップN2においてトナー像が転写されているシートが、周速が第1速度(転写速度VT)に設定されているとともに吸引動作が行われている第1搬送ベルト11によって搬送されている状態を示している。
【0078】
第1搬送ベルト11によって搬送されているシートの先端が第2搬送ベルト11に到達する前に、シートの後端が転写ニップN2から離れる(図11(b)参照)。つまり、高速な定着速度VFで回転していて且つ吸引動作が行なわれている第2搬送ベルト21に、トナー像が転写されていたシートの先端側が接するときには、既にそのシートへの2次転写ニップN2でのトナー像の転写は終了している。よって、シートが吸引されている第2搬送ベルト21を、転写速度よりも高速な第2速度にしたままであっても、第2搬送ベルト21がトナー像の転写に悪影響を与えることはない。
【0079】
図11(c)は、シートの先端が第2搬送ベルト21に達した後であって、シートが第1搬送ベルト11と第2搬送ベルト21にまたがって搬送されている過渡状態を示している。この過渡状態の初期において、即ちシートの大部分が第1搬送ベルト11上にありシートの先端側の一部が第2搬送ベルト21と接した状態においては、以下のようにシートは搬送される。シートは第1搬送ベルト11に吸着されて第1搬送ベルト11によって第1速度で搬送され、高速な第2速度で回転する第2搬送ベルト21とシートの先端側の一部とは滑る。やがてシートの搬送が進んで、シートにおける第2搬送ベルト21と接する領域が増えていくと、第2搬送ベルト21にシートが吸着され、第1搬送ベルト11上を滑るように第2搬送ベルト21によって引っ張られてシートは搬送されていく。シートの後端が第1搬送ベルト11の下流端を過ぎる前の早いタイミングで、シートは第2搬送ベルト21によって高速で搬送されるので、転写ニップN2から進行してきたシートが定着ニップNに達するまでの時間を短く、生産性が高い。
【0080】
その後、シートの後端が第1搬送ベルトを過ぎ、定着ニップNにシートの先端が到達する(図11(d)参照)。定着ニップNにシートの先端が到達するときには、シートの後端は既に第1搬送ベルト11を通過した後なので、低速な第1搬送ベルト11の影響を受けることなく第2搬送ベルト21によって第2速度でシートは搬送される。
【0081】
なお、上述の実施形態では、第1ベルト搬送部10において、第1シャッタ17が閉じ位置にあるときには第1吸引ファン15と第1搬送ベルト11の間の開口を概ね完全に覆っている。そして、第2ベルト搬送部20では、閉じ位置にある第2シャッタ27が開口を閉じ位置において概ね完全に覆っている。しかし、ラージサイズ搬送制御において、シートにトナー像を転写している最中に、第1搬送ベルト11の搬送力が第2搬送ベルト21の搬送力よりも大きくなってシートと第2搬送ベルト21が滑るように、第1吸引装置及び第2吸引装置が動作すればよい。また、シートへのトナー像の転写が終了してそのシートを定着ニップNに進入させる時点で、第2搬送ベルト21の搬送力が第1搬送ベルト11の搬送力が大きくなってシートと第1搬送ベルト11とが滑るように第1吸引装置及び第2吸引装置が動作すればよい。したがって、例えば、第1シャッタ17が閉じ位置において開口を完全には覆わずに開口の過半を覆い、第2ベルト搬送装置20では第2シャッタ27が開口を閉じ位置において完全には覆わずに開口の過半を覆うようにしてもよい。
【0082】
また、上述の実施形態では、第1ベルト搬送部10および第2ベルト搬送部20においてシャッタを用いてシートの吸引状態を変更する形態を例示した。しかし、第1ベルト搬送部10および第2ベルト搬送部20において、第1吸引ファン15と第2吸引ファンの回転を制御することでシートの吸引状態を変更するように構成してもよい。例えば、ラージサイズ搬送制御において、シートへトナー像を転写中している最中では、第1吸引ファン15を最大速で回転させるとともに第2吸引ファン25の回転を停止(若しくは最大速の半速で回転)させる。シートへトナー像が終了してそのシートを定着ニップNに進入させる際には、第2吸引ファン15を最大速で回転させるとともに第1吸引ファン25の回転を停止若しくは最大速の半速で回転させる。
【0083】
また、ラージサイズ搬送制御において、第1ベルト搬送部10および第2ベルト搬送部20において第1吸引状態から第2吸引状態に切り換えるタイミングを、シートの先端が第2シート先端検知センサー26によって検知されかどうかで制御部170が判断した。しかしながら、第2吸引状態に切り換えるタイミングは、搬送されているシートの後端が2次転写ニップN2を通過した後であればよいので上記のような構成に限らない。例えば、レジストローラ115の近傍にシートを検知するセンサを設ける。そして、このセンサからの信号を受信してから、シートの後端が2次転写ニップN2を通過するのに要する時間が経過したかどうかをタイマー666で計測する。このようにして、シートの後端が2次転写ニップN2を通過したことを制御部170が判断するようにしてもよい。また、転写ニップN2と第1搬送ベルト11との間にシートの後端が転写ニップN2を通過したことを検知するためのセンサを設け、そのセンサの信号に基づいて吸引状態を第1吸引状態から第2吸引状態に変更してもよい。
【0084】
同様に、ラージサイズ搬送制御において、後続のシートの先端を第1シート先端検知センサー16によって検知したタイミングで、第2ベルト搬送部20での吸引動作をなくして第1吸引状態に戻す形態を例示したが、これに限らない。第1ベルト搬送部10および第2ベルト搬送部20の吸引状態を第1吸引状態に戻すタイミングは、後続のシートS2が第2搬送ベルト21に到達するより早いタイミングであればよい。例えば、レジストローラ115の近傍にシートを検知するセンサを設け、このセンサからの信号に基づいて、第2搬送ベルト21に到達するより早いタイミングで第2ベルト搬送部20での吸引動作をなくして、吸引状態を第1吸引状態に戻すようにしてもよい。
【0085】
以上説明した本実施の形態では以下の効果を奏する。
【0086】
(1)シートSの種類や坪量に応じて定着速度VFを変更している。定着部の温度を一定な温調温度にしたままでシート種類に応じて適切な熱量を定着部がシートに与えることができる。
【0087】
(2)搬送方向の並んだ第1ベルト搬送部10および第2ベルト搬送部20を2次転写ニップN2と定着ニップNとの間に備えている。そして、第1ベルト搬送部10の搬送速度V1を転写ニップN2から進行してくるシートを受ける第1速度する。一方で、第2ベルト搬送部20の搬送速度V2を、定着速度VFに応じて変更している。したがって、シートの種別と坪量に応じて変更される定着速度VFの設定値とは無関係に、転写速度VTを一定に保ってシートを搬送していくことができる。
【0088】
(3)定着速度VFが転写速度よりも高速なモードであって、ラージサイズを搬送する場合でも、搬送方向に長さの短い搬送ベルトを用いて高い生産性で安定してシートを搬送できる。
【0089】
即ち、2次転写ニップN2においてトナー像が転写されているシートを搬送しているときには、第1搬送ベルト11の搬送力が第2搬送ベルト21の搬送力よりも大きくしてシートと第2搬送ベルト21とが滑るようにしている。(第1吸引状態)。したがって、第1搬送ベルト11と第2搬送ベルト21とにまたいだ状態にある、トナー像が転写されている最中のシートSを、第1速度で搬送することができるので、トナー像のシートへの転写が良好に行われる。
【0090】
そして、シートの後端が2次転写ニップN2を通過した後に、第1搬送ベルト11の搬送力よりも第2搬送ベルト21の搬送力が大きくして、シートと第1搬送ベルト11とが滑るようにしている(第2吸引状態)。したがって、第1搬送ベルト11と第2搬送ベルト21に跨いだ状態にある、トナー像の転写が終了したシートの搬送速度を、第2速度にすることができる。そして、第1搬送ベルト11と第2搬送ベルト21とにまたいだ状態にあるシートの先端を第2速度で搬送しながら定着ニップNに到達させることができる。
【0091】
以上のように、転写ニップNから第2搬送ベルト21の上流端までの長さや第1搬送ベルト11の下流端から定着ニップNまでの搬送経路の長さを、シートの長さよりも小さくして装置を小型化している。このように小型な装置構成をとりながらも、トナー像の転写中は第1速度でシートを搬送し、転写後には高速な第2速度で安定してシートを搬送することができる。
【0092】
さらに、先行するシートの先端が定着ニップNに到達した後であって、シートの後側が未だ第1搬送ベルト11上にある状態で、第1搬送ベルト11にシートを吸着させるように第1吸引装置の動作を制御している(図10(a)参照)。この制御によって、定着ニップNで搬送されている先行するシートの後側が第1搬送ベルト11にある状態でも、2次転写ニップN2から送られてくる後続シートを、第1搬送ベルト11によって第1速度で安定して搬送することができる。したがって、トナー像の後続シートへの転写が良好に行われながらも連続して搬送されるシート同士の間隔が狭くして生産性を向上できる。
【0093】
また、先行するシートの先端が定着ニップNに到達した後であってその先行シートの後側が未だ第2搬送ベルト21上にある状態で且つ後続シートS2が第2搬送ベルト21に到達する前に、第1状態に吸引状態が変更されるように制御している(図10(b)参照)。つまり、第2ベルト搬送部20の搬送力よりも第1ベルト搬送部10の搬送力が大きくなるようにそれぞれの吸引状態を変更する。この制御によって、先行するシートの後側が第2搬送ベルト21にある状態でも、2次転写ニップN2から送られてくる後続シートを、第1搬送ベルト11と第2搬送ベルト21を跨がせた状態で、第1速度で安定して搬送することができる。したがって、トナー像の後続シートへの転写が良好に行われながらも連続して搬送されるシート同士の間隔が狭くして生産性を向上できる。
【0094】
以上のように、本実施形態の画像形成装置では、小型な装置でありながら、転写速度VTに対して定着速度VFが速い場合であっても、先行シートの後端と後続シートの先端の間隔が小さい状態で、スムースなシート搬送をすることが可能となる。
【0095】
(4)トナー像の転写終了後のシートが第1搬送ベルト11と第2搬送ベルト21にまたがって搬送されているときに、シートの後端側と第1搬送ベルト11を滑らせるように第2搬送ベルトがシートを引っ張りながら、転写速度よりも高速にシートを搬送させる。よって、シートの後端が第1搬送ベルト11の下流端から脱するより早いタイミングでシートの速度が高速に変更される。したがって、転写ニップN2から進行してきたシートが定着ニップNに達するまでに要する時間が短く、生産性が高い。
【0096】
(5)搬送可能な最大サイズのシートの長さよりも2次転写ニップN2と定着ニップNとの間の距離が長い。したがって未定着トナー像を担持したシートS1は、例えば図9(c)に示すように、シートS1の後端が二次転写ニップN2を抜けた後、シートS1の先端が定着ニップNに到達する。したがって、厚紙が定着ニップNに突入する際に発生するショックが発生しても、シートS1後端が2次転写ニップN2を抜けているため、画像不良を抑制できる。
【0097】
(6)また、第1ベルト搬送部10の吸引ファン15による吸引の有無をシャッタ17の開閉に行い、第2ベルト搬送装置20でもシャッタ27を用いる形態では更に以下の効果がある。即ち、応答性よく吸引ファンによる吸引状態を変更できる。
【0098】
シャッタ17、27を用いずに第1、第2吸引ファンの回転動作を制御することで第1、第2搬送ベルト11、21へのシートの吸引状態を変更する形態では、吸引状態の変更のために別途のデバイスを追加する必要がないので低コストである。
【0099】
以上説明した本発明を実施する実施形態の一例としてフルカラーのトナー像をシートに形成する画像形成装置を説明したが、モノクロ画像を形成する画像形成装置にも適用できる。
【符号の説明】
【0100】
N2 2次転写ニップ
11 第1搬送ベルト11
15 第1吸引ファン
21 第2搬送ベルト
25 第2吸引ファン
50 定着部
170 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
転写速度で搬送されているシートにトナー像を転写する転写ニップと、シートを搬送しながら前記転写ニップによって転写されたトナー像をシートに定着する定着ニップと、を備え、前記転写速度よりも高速な速度で前記定着ニップがシートを搬送しながらトナー像をシートに定着する高速定着モードを有する画像形成装置であって、
前記転写ニップから進行してくるシートを搬送する上流搬送ベルトと、前記上流搬送ベルトよりもシートの搬送方向の下流側に設けられ、シートを搬送する下流搬送ベルトとを含み、前記転写ニップによってトナー像が転写されたシートを前記定着ニップへ搬送するベルト搬送ユニットと、
前記上流搬送ベルトおよび前記下流搬送ベルトのそれぞれにシートを吸引するための吸引手段と、
前記吸引手段の、前記上流搬送ベルトおよび前記下流搬送ベルトのそれぞれへのシートの吸引動作を制御する制御部と、を備え、
前記高速定着モードにおいて、前記上流搬送ベルトの周速は、前記ニップから進行してくるシートを受けて搬送する第1速度に設定され、前記下流搬送ベルトの周速は、前記第1速度よりも高速な、シート先端を前記定着ニップに進入させる第2速度に設定されるとともに、前記転写ニップによってトナー像が転写されているシートを前記ベルト搬送ユニットが搬送しているときには、前記上流搬送ベルトにシートが吸着されるとともに前記下流搬送ベルトとシートとが滑るように前記吸引手段を制御し、前記ベルト搬送ユニットによって搬送されるシートの先端が前記定着ニップに到達する際には、前記上流搬送ベルト上をシートが滑るように前記下流搬送ベルトがシートを引っ張って搬送するように前記制御部が前記吸引手段を制御することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記高速定着モードにおいて、前記制御部は、搬送されるシートの後端が前記転写ニップを通過するまでは、シートを前記上流搬送ベルトに吸引させるとともにシートを前記下流搬送ベルトに吸引させないように前記吸引手段を制御し、搬送されるシートの後端が前記転写ニップを通過した後であって該シートの後端側が前記上流搬送ベルト上にあり、且つ、該シートの先端が前記定着ニップに到達する前に、シートを前記下流搬送ベルトに吸引させるとともにシートを前記上流搬送ベルトに吸引させない状態に、変更するように前記吸引手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
先行シートの先端が前記定着ニップに到達した後であって該先行シートの後端側が前記下流搬送ベルト上にある状態で前記下流搬送ベルトへのシートの吸引をなくすように前記吸引手段の動作を前記制御部が制御し、前記先行シートが前記定着ニップによって搬送されているときであって前記下流搬送ベルトへの吸引がなくなった後に、前記先行シートに続いて搬送される後続シートは前記上流搬送ベルトによって前記下流搬送ベルト上に搬送されることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記吸引手段は、前記上流搬送ベルトにシートを吸引する第1吸引装置と、前記下流搬送ベルトにシートを吸引する第2吸引装置と、を含み、
前記第1吸引装置は、第1ファンと、前記第1ファンと前記上流搬送ベルトとの間を開閉する第1シャッタと、を備え、
前記第2吸引装置は、第2ファンと、前記第2ファンと前記下流搬送ベルトとの間を開閉する第2シャッタと、を備え、
前記制御部は、前記第1シャッタと前記第2シャッタの開閉を制御することで前記上流搬送ベルトおよび前記下流搬送ベルトのそれぞれへのシートの吸引動作を制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記上流搬送ベルトおよび前記下流搬送ベルトの搬送方向の長さよりも短いシートを搬送するときは、前記高速定着モードであっても、前記上流搬送ベルトの周速が前記第1速度に、前記下流搬送ベルトの周速が前記第2速度に設定され且つ前記吸引手段が前記上流搬送ベルトと前記下流搬送ベルトとのそれぞれにシートを吸引させた状態を保って前記上流搬送ベルトおよび前記下流搬送ベルトによって前記転写ニップから前記定着ニップにシートを搬送することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−83415(P2012−83415A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−227528(P2010−227528)
【出願日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】