画像形成装置
【課題】シートの幅方向の長さを検知するためのフラグの誤動作を検知することのできる画像形成装置を提供する。
【解決手段】第1検知部130Aは、トナー像が定着されたシートに押圧されて回動した搬送検知センサフラグ117を検知してシートの通過を検知する。また、第2検知部131Aは、所定の幅方向の長さ以上の長さを有するシートが搬送される際、右及び左シート幅センサフラグ120,121の両方が回動した場合に回動したリンク部材122を検知して通過するシートが所定の幅方向長さ以上の長さを有するシートであることを検知する。そして、シートが搬送される前に、右及び左シート幅センサフラグ120,121のうちの少なくとも一方が回動している場合には、回動しているフラグ120,121と連動して搬送検知センサフラグ117を回動させ、第1検知部130Aにより検知させるようにする。
【解決手段】第1検知部130Aは、トナー像が定着されたシートに押圧されて回動した搬送検知センサフラグ117を検知してシートの通過を検知する。また、第2検知部131Aは、所定の幅方向の長さ以上の長さを有するシートが搬送される際、右及び左シート幅センサフラグ120,121の両方が回動した場合に回動したリンク部材122を検知して通過するシートが所定の幅方向長さ以上の長さを有するシートであることを検知する。そして、シートが搬送される前に、右及び左シート幅センサフラグ120,121のうちの少なくとも一方が回動している場合には、回動しているフラグ120,121と連動して搬送検知センサフラグ117を回動させ、第1検知部130Aにより検知させるようにする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特に定着装置の非通紙部分における過度の昇温を防ぐための構成に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の複写機、レーザープリンタ、LEDプリンタ、ファクミリ、ワードプロセッサ及びこれらの複合機等の画像形成装置においては、電子写真方式を用いてシートに画像を形成するものがある。このような電子写真方式を用いた画像形成装置では、シートに画像を形成する場合は、まず公知の電子写真プロセスにより感光体ドラム等の像担持体表面に静電潜像を形成した後、静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する。次に、トナー像を、直接又は中間転写体を介して記録紙等のシートに静電的に転写し、転写されたトナー像を定着装置によりシート上に定着する。
【0003】
ところで、このような定着装置としては、通電により発熱する加熱体と、加熱体と摺動する耐熱性のフィルムと、フィルムを挟んで加熱体を加圧してフィルムと定着ニップ部を形成する加圧部材とを有するフィルム加熱方式のものがある。このような定着装置では、加熱体を所定の温度に加熱・温調すると共に、未定着トナー画像が転写されたシートを定着ニップ部で挟持搬送する。そして、その搬送過程でシート上のトナー画像に加熱体からの熱と加圧部材からの加圧力を付与することにより、トナー画像をシートに定着させる。
【0004】
図13は、このような従来の定着装置の構成を示す図である。図13において、10は加圧ローラ、11は加熱体である定着ヒータ、18は耐熱フィルムである。また、13は定着後のシートSをガイドする搬送ガイド、17はシートSを検知する搬送検知センサ、14は定着後のシートSを排出する排出ローラ対である。
【0005】
ところで、このような定着装置において、定着ヒータ11の長手方向の発熱領域の幅に対して幅狭の例えば、封筒やハガキ等のシートを定着ニップ部で挟持搬送する場合がある。このとき、シートSが通過する領域(通紙領域)と、シートSが通過しない領域(非通紙領域)とでは定着ヒータ11から奪われる熱量が大きく異なる。
【0006】
従って、幅狭のシートSを定着ニップ部で連続的に挟持搬送させると、非通紙領域ではシートSによって熱が奪われないため、その領域の温度はシートSの搬送枚数が増えるに従って徐々に上昇して設定温度を超える、いわゆる非通紙部昇温が生じる。そして、設定温度を大幅に超える過度の非通紙部昇温が生じた場合には、耐熱フィルム18や加圧ローラ10等の構成部材を破損させて装置寿命(耐久寿命)を低下させる恐れがある。
【0007】
そこで、このような過度の非通紙部昇温を防止するために、例えば非通紙部領域に、搬送されるシートのシート搬送方向と直交する幅方向の長さを検知するシート幅検知部を設けるようにしたものがある。そして、このシート幅検知部により、搬送されるシートの幅方向の長さを検知し、シートが幅狭のシートの場合には、加熱体への電力供給を一時下げたり、スループットを変更したりする制御を行なうようにしている(特許文献1参照)。ここで、シート幅検知部は、シート搬送路の幅方向両端部に配置する必要がある。これは、幅狭のシートを搬送したときだけではなく、シートをシート搬送路のどちらか片側に強制的に寄せて搬送した場合にも、シートが存在しない側の定着ニップ端部に非通紙部昇温が発生するためである。
【0008】
なお、このようなシート幅検知部としては、定着装置内に設置された温度検知素子によりシートの幅方向の長さを検知するものもあるが、温度検知素子は非常に高価である。このため、コストを重視したプリンタにおいては、フォトインタラプタとセンサフラグを用いたシート幅検知センサを用いるものが多い。また、センサフラグの配置位置は、一般的に幅方向両端部の、シート搬送を行うローラニップのシート搬送方向下流側近傍で、かつシートを検知する搬送検知センサの近傍に配置されることが一般的である。これは、ローラニップの直後がシートの姿勢が安定しており、シートの検知が安定して行えるためであり、搬送検知センサも同様の理由から近傍に配置される。また、搬送検知センサとシート幅検知センサを近傍に配置すると、検知タイミングが決定しやすいメリットも存在するためである。
【0009】
ところで、シート幅検知センサとしては、シートの幅が狭い(センサフラグが両方とも動作していない)、もしくはシートが片寄せ搬送されている(センサフラグが片側だけ動作している)ことを検知できれば良い。このため、フォトインタラプタを1個とし、両側のセンサフラグが動作したときにフォトインタラプタが遮光され、片側しか動作しない、あるいは両方動作しない場合はフォトインタラプタが遮光されない構成を採用することにより、コストダウンを図るものがある。
【0010】
図14は、このようなフォトインタラプタ1個で2つのセンサフラグの動作を検知するシート幅検知部の構成を示す図である。図14において、17は定着装置を通過するシートSを検知する搬送検知センサフラグであり、この搬送検知センサフラグ17は、搬送可能な、どのようなサイズのシートであっても検知できるように幅方向中央部近傍に配置されている。
【0011】
20は搬送されるシートの幅方向の長さ(サイズ)を検知するよう定着装置の幅方向右側に位置する右シート幅センサフラグ、21は定着装置の幅方向左側に位置する左シート幅センサフラグである。ここで、この右及び左シート幅センサフラグ20,21の幅方向の外側端部には所定量より幅広なシートSが搬送されてきた場合、シートと当接する不図示の当接片が設けられており、幅方向の中央側の端部には連結部20A,21Aが設けられている。そして、搬送されてきたシートSが当接片に当接し、この後、シートSにより当接片が押圧されると、右及び左シート幅センサフラグ20,21は回動する。
【0012】
また、22はリンク部材であり、このリンク部材22の幅方向の両端部には、右及び左シート幅センサフラグ20,21の連結部20A,21Aと接触する連結部22A,22Bが形成されている。なお、リンク部材22は、右及び左シート幅センサフラグ20,21が回動するまではシート幅センサフラグ20,21の連結部20A,21Aにより、回動が規制されているが、右及び左シート幅センサフラグ20,21が回動すると、これに連動して回動する。
【0013】
23はフォトインタラプタ基板である。このフォトインタラプタ基板23には、搬送検知センサフラグ17により遮光されてシートを検知する不図示のフォトインタラプタと、リンク部材22の回動端22aにより遮光されてシートのサイズを検知する不図示のフォトインタラプタが取り付けられている。また、13はシートを案内すると共に、右及び左シート幅センサフラグ20,21、搬送検知センサフラグ17を支持する搬送ガイドである。
【0014】
図15の(a)は、このような構成のシート幅検知部の、幅広のシートが搬送されたときの状態を示す図である。幅広のシートが搬送されている場合、右及び左シート幅センサフラグ20,21は当接片がシートにより押圧されて回動する。なお、右及び左シート幅センサフラグ20,21が同時に回動すると、リンク部材22の回動を止めている連結部20A,21Aが倒れるようになっており、これによりリンク部材22は図示しないばねの力によって矢印方向に回動する。
【0015】
そして、このようにリンク部材22が回動すると、回動端22aによりサイズ検知用のフォトインタラプタが遮光される。また、搬送検知センサフラグ17もシートにより押圧されて回動し、搬送検知用のフォトインタラプタを遮光する。つまり、幅広のシートが搬送されたとき、リンク部材22はシートにより右及び左シート幅センサフラグ20,21を介して押圧され、フォトインタラプタによる検知位置へと回動する。そして、このようにリンク部材22の回動を検知することにより、幅広のシートが搬送されたことを検知することができる。
【0016】
また、図15の(b)は、幅狭のシートが片寄せ搬送され、リンク部材22が右及び左シート幅センサフラグ20,21のどちらか1つがシートにより押圧されて検知位置に移動している状態を示している。この場合、リンク部材22は、待機位置にある側のシート幅センサフラグの連結片に接触するため回動が出来ず、サイズ検知用のフォトインタラプタを遮光することができない。なお、図15の(b)は、右シート幅センサフラグ20が回動した状態を示している。このとき、右シート幅センサフラグ20の連結部20Aが倒れた位置に移動しているが、反対側の左シート幅センサフラグ21は回動していないため、リンク部材22は検知位置に回動していない。
【0017】
そして、このように右及び左シート幅センサフラグ20,21のどちらか1つが回動しない場合、リンク部材22が回動しないようにすることにより、幅狭のシートが片寄せ搬送されていることを検知することができる。なお、右及び左シート幅センサフラグ20,21の両方が回動しない場合も、リンク部材22は検知位置に回動しないことから、この場合は、幅狭のシートが中央基準で搬送されていることを検知することができる。このような構成をとることで、1つのフォトインタラプタにより、幅狭のシートが搬送されていることを検知することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】特開2008−083329号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
ところで、このようなシート幅検知部を備えた従来の画像形成装置において、例えばジャムしたシートの破片がセンサ部に入り込む場合があり、この場合、シート幅センサフラグが回動した位置で動かなくなる。ここで、フォトインタラプタが1個の場合、片側のシート幅センサフラグが動かなくなっても、反対側のシート幅センサフラグがシートの搬送に伴い回動すると、フォトインタラプタからの信号は両方のシート幅センサフラグが動作しているものと同様になる。
【0020】
例えば、動作しなくなったシート幅センサフラグと反対側にシートを寄せて搬送した場合、片側のシート幅センサフラグが動かなくなっても、反対側のシート幅センサフラグが回動する。この場合、フォトインタラプタからの信号は、両方のシート幅センサフラグが動作しているものと同様になるので、制御部は、幅狭のシートが搬送されていても、幅広のシートが搬送されていると判断し、この結果、非通紙部昇温が発生する。
【0021】
つまり、シート幅センサフラグが動作不良を起こした場合、シートの片寄せを検知できない場合があり、この場合には、非通紙部昇温が発生し、定着装置にダメージを与える恐れがある。また、両方のシート幅センサフラグが動作不良を起こした場合は、幅狭のシートが搬送されていても、幅広のシートが搬送されていると判断し、この結果、非通紙部昇温が発生する。
【0022】
そこで、本発明は、このような現状に鑑みてなされたものであり、シートの幅方向の長さを検知するためのフラグの誤動作を検知することのできる画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明は、シートに転写されたトナー像を加熱してシート上に定着させる定着装置を備えた画像形成装置において、シートが通過するシート搬送路と、トナー像が定着されたシートに押圧されて回動する前記シート搬送路に設けられた第1フラグを有し、回動した前記第1フラグを検知してシートの通過を検知する第1検知部と、所定のシート搬送方向と直交する幅方向の長さ以上の長さを有するシートが搬送される際、シートに押圧されてそれぞれ回動する前記シート搬送路の幅方向の両端部に設けられた2つの第2フラグ及び2つの前記第2フラグの両方が回動した場合に前記第2フラグと連動して回動するリンク部材を有し、回動した前記リンク部材を検知して通過するシートが所定の幅方向長さ以上の長さを有するシートであることを検知する第2検知部と、を備え、シートが搬送される前に、2つの前記第2フラグのうちの少なくとも一方が回動している場合には、前記第1検知部が前記第1フラグを検知するように、回動している前記第2フラグと連動して前記第1フラグを回動させることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0024】
本発明のように、シートが搬送される前に、シートの幅方向の長さを検知するための2つの第2フラグのうちの少なくとも一方が回動している場合、第1フラグを回動させることにより、第2フラグの誤動作を検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の一例である電子写真方式のプリンタの概略構成を示す図。
【図2】上記プリンタの定着装置を示す斜視図。
【図3】上記定着装置の第1及び第2検知部の構成を説明する図。
【図4】上記第1及び第2検知部のシートが搬送された場合の状態を示す図。
【図5】上記第1及び第2検知部の幅狭シートが搬送された場合の状態を示す図。
【図6】上記第1及び第2検知部のシートを片側に寄せて搬送した場合の状態を示す図。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る定着装置の第1及び第2検知部の構成を説明する図。
【図8】上記第1及び第2検知部の幅広シートが搬送された場合の状態を示す図。
【図9】上記第1及び第2検知部の幅狭シートが搬送された場合の状態を示す図。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係る定着装置の第1及び第2検知部の構成を説明する図。
【図11】上記第1及び第2検知部の幅広シートが搬送された場合の状態を示す図。
【図12】上記第1及び第2検知部の幅狭シートが搬送された場合の状態を示す図。
【図13】従来の画像形成装置の定着装置を示す断面図。
【図14】上記定着装置のシート幅検知部の構成を説明する図。
【図15】上記シート幅検知部のシート幅検知動作を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の一例である電子写真方式のプリンタの概略構成を示す図である。図1において、1は電子写真方式のプリンタ、1Aはプリンタ本体、1Bはプリンタ本体1Aに設けられ、電子写真方式により画像形成を行う画像形成部、1Cは画像形成部1BにシートSを給送するシート給送部である。また、8はレーザ光を発射及び走査するスキャナユニット、12は定着ヒータ11、耐熱フィルム18及び定着ヒータ11に対して対向した加圧ローラ10からなる定着部を備えた定着装置、Rはシート給送部1Cからのシートが通過するシート搬送路である。
【0027】
1Dは定着後、シートSを排紙積載部15に排出するためのシート排出部である排紙部であり、この排紙部1Dは、正逆転可能な排紙ローラ14aと排紙コロ14bとにより構成される排紙ローラ対14を備えている。1Eは、片面に画像が形成されたシートを画像形成部1Bに再度搬送するための再搬送部である。この再搬送部1Eは、画像が形成されたシートSを反転させて再度、画像形成部1Bに搬送する反転搬送路16を備えている。なお、1Fはプリンタ1の画像形成動作、シートのサイズの判断、定着ヒータ11の加熱温度を制御する制御部である。
【0028】
画像形成部1Bはトナー像を形成する感光体ドラム6、現像器等を備え、プリンタ本体1Aに着脱自在に装着されるプロセスカートリッジ9、感光体ドラム6に形成されたトナー像をシートSに転写する転写ローラ7等を備えている。シート給送部1Cは、プリンタ本体1Aに設けられ、中板2aを備えたシート積載台2に収納されたシートSを給送するシート給送部材である給紙ローラ3と、給紙ローラ3に圧接する分離パッド4を備えている。なお、13はシート搬送路Rの定着装置12のシート搬送方向下流側を形成し、画像が形成されたシートを排紙部1Dに案内する湾曲した搬送ガイドである。
【0029】
次に、このような構成のプリンタ1における画像形成動作について説明する。シートSがシート積載台2上にセットされた後、不図示のコンピュータやイメージリーダ等からプリント開始命令が入力されると、給紙ローラ3、搬送ローラ5、感光体ドラム6等が駆動される。ここで、給紙ローラ3が矢印方向に回転すると、シートSが給紙ローラ3との摩擦により送り出される。また、給紙ローラ3が回転すると同時に、分離パッド4によって最上位のシートSが、次のシートと分離される。
【0030】
これにより、最上位のシートのみが搬送ローラ5によって画像形成部1Bに搬送されていく。なお、搬送ローラ5の中央近傍にはシートの先端を検知する不図示のトップセンサが設けられており、このトップセンサによりシートの位置を検知し、この検知に基づいてスキャナユニット8が感光体ドラム6にレーザ光を照射する。そして、このレーザ光の照射により、表面が一様に帯電された感光体ドラム6上には静電潜像が形成され、この静電潜像を現像器によりトナーを用いて現像して可視像化する。この後、この可視像化された感光体ドラム6上のトナー像は、シートSが感光体ドラム6と転写ローラ7とによって構成される転写部に搬送されると、転写部においてシート上に転写される。
【0031】
次に、トナー像が転写されたシートSは、定着装置12に搬送され、定着装置12を通過する際、耐熱フィルム18を介して伝わる定着ヒータ11からの熱と加圧ローラ10からの圧力により、トナー像が加熱及び加圧されてシートS上に永久定着される。そして、片面に画像が形成されたシートSを排出する場合は、この後、トナー像が定着されたシートSを、搬送ガイド13を経て排紙ローラ対14によりプリンタ本体外に排出し、プリンタ本体上面に設けられた排紙積載部15上に積載する。
【0032】
一方、シートの両面に画像を形成する場合は、排紙ローラ対14が片面に画像が形成されたシートを排出しきる前に、不図示の排紙センサフラグによってシートの後端が反転搬送路16に搬送可能な位置に来たことを検知する。そして、この検知に基づき排紙ローラ対14を逆転させ、シートSを再搬送部1Eに搬送する。この後、再搬送部1Eに搬送されたシートSを、反転搬送路16に設けられた両面搬送ローラ16aにより、給紙ローラ3と搬送ローラ5との間に設けられた反転合流ポイントに搬送する。この後、シートSは、反転合流ポイントから画像形成部1Bに向かい、2面目の画像形成がなされる。なお、2面目の画像形成がなされたシートSは、搬送ガイド13を経て排紙ローラ対14によりプリンタ本体外に排出され、排紙積載部15に積載される。
【0033】
図2は、定着装置12の斜視図であり、図2において、117は定着装置12のシート搬送方向と直交する幅方向の中央部に位置する第1フラグである搬送検知センサフラグである。ここで、この搬送検知センサフラグ117は、定着装置12を通過するシートを検知するためのものであり、搬送可能などのようなサイズのシートであっても検知できるように幅方向中央部に配置されている。
【0034】
120は搬送されるシートの幅方向のサイズを検知するよう定着装置12(シート搬送路R)の幅方向右側に位置する右シート幅センサフラグ、121は定着装置12の幅方向左側に位置する左シート幅センサフラグである。ここで、2つの第2フラグである右及び左シート幅センサフラグ120,121の中央側端部には連結片120A,121Aが設けられ、右及び左シート幅センサフラグ120,121の外側端部にはシートと当接する不図示の当接片が設けられている。そして、この不図示の当接片にシートが当接すると、シートにより押圧されて右及び左シート幅センサフラグ120,121が回動し、これに伴い連結片120A,121Aも回動する。なお、113は右及び左シート幅センサフラグ120,121等を回動自在に支持するガイド部材である。
【0035】
また、122は、回動可能にガイド部材113に保持されたリンク部材である。このリンク部材122は、幅方向両端部に当接部122Aを備えており、この当接部122Aを不図示のばねにより、右及び左シート幅センサフラグ120,121の連結片120A,121Aに圧接させている。なお、このリンク部材122は、シートにより押圧されて右及び左シート幅センサフラグ120,121が回動するまではシート幅センサフラグ120,121の連結片120A,121Aにより、回動が規制されている。
【0036】
ところで、搬送検知センサフラグ117は、図3に示すように、右及び左シート幅センサフラグ120,121の連結片120A,121Aの下側に潜り込む形の連結部117Aを有している。そして、この連結部117Aは、シート幅センサフラグ120,121のどちらかが、シートにより押圧されて回動すると、押圧部である連結片120A,121Aにより下方に押圧される。これにより、搬送検知センサフラグ117は、シートの通過を検知する検知位置に回動する。
【0037】
なお、この搬送検知センサフラグ117は、小サイズシートの搬送においても検知を行う必要があるため、右及び左シート幅センサフラグ120,121が動作しない場合でも、搬送検知センサフラグ単独で動作可能なように連結されている。つまり、搬送検知センサフラグ117は、右及び左シート幅センサフラグ120,121の両方が、回動しない待機位置にある場合には、自由に回動できるように構成されている。これにより、小サイズシートが搬送される際は、シートにより押圧されて回動する。
【0038】
123はフォトインタラプタ基板である。このフォトインタラプタ基板123には、搬送検知センサフラグ117が回動した際、図2に示す搬送検知センサフラグ117に設けられた遮光部117aにより遮光されて搬送検知センサフラグ117の回動を検知する第1フォトインタラプタ130を備えている。なお、この搬送検知センサフラグ117と、第1フォトインタラプタ130により、シートの通過を検知する第1検知部130Aが構成される。
【0039】
また、この基板123には、シート幅センサフラグ120,121の回動に連動してリンク部材122が回動した際、リンク部材122の回動端122aにより遮光されてリンク部材122の回動を検知する第2フォトインタラプタ131が取り付けられている。なお、このシート幅センサフラグ120,121、リンク部材122及び第2フォトインタラプタ131により、通過するシートが所定の幅方向長さ以上の長さを有するシートであることを検知する第2検知部131Aが構成される。
【0040】
ここで、右及び左シート幅センサフラグ120,121は、所定の幅方向長さ以上の長さを有する幅広なシートが搬送されてきた場合には、シートにより押圧されて回動するように取り付けられている。これにより、幅広のシートが搬送されてくると、図4に示すように、右及び左シート幅センサフラグ120,121は、同時に回動する。そして、このように右及び左シート幅センサフラグ120,121が同時に回動すると、連結片120A,121Aも一体に下方に回動する。これにより、連結片120A,121Aによる係止が解除され、リンク部材122は、不図示のばねの力によって回動し、第2フォトインタラプタ131を遮光する。このように、本実施の形態において、一つの第2フォトインタラプタ131により、通過するシートが所定の幅方向長さ以上の長さを有するシートであることを検知する。
【0041】
また、シートが搬送されてきた場合、シートにより押圧されて搬送検知センサフラグ117が回動し、図3の(b)に示す位置から図4の(b)に示す検知位置に移動し、第1フォトインタラプタ130を遮光する。そして、このようにリンク部材122及び搬送検知センサフラグ117により第1及び第2フォトインタラプタ130,131が遮光されることにより、制御部1Fは、幅広のシートSが搬送されていることを検知する。
【0042】
また、図5は第1及び第2検知部130A,131Aの幅狭シートを搬送している場合の状態を示す図である。ここで、幅狭シートSを搬送した場合には、搬送検知センサフラグ117は検知動作を行うが、右及び左シート幅センサフラグ120,121はシートと接触せず回動しない。これにより、制御部1Fは、第1及び第2フォトインタラプタ130,131からの信号により、搬送検知センサフラグ117が検知位置にあり、また右及び左シート幅センサフラグ120,121が待機位置にあることを検知する。そして、このような搬送されているシートが幅狭シートとの検知に基づき制御部1Fは、定着装置12を保護するための制御を行う。
【0043】
図6は、例えばシートを片側に寄せて搬送した場合、右及び左シート幅センサフラグ120,121の一方しか回動しない場合の状態を示す図である。ここで、右及び左シート幅センサフラグ120,121のどちらか1つしか回動しない場合には、リンク部材122は、待機位置にあるどちらかのシート幅センサフラグ120,121の連結片120A,121Aに接触する。これにより、リンク部材122は回動することができない。そして、このようにリンク部材122が回動しない場合は、第2検知部は、シートは幅狭なシートであることを検知し、これに基づき制御部1Fは、定着装置12を保護するための制御を行う。
【0044】
なお、この場合も、搬送検知センサフラグ117は、シートに押圧されて第1フォトインタラプタ130を遮光する位置にあるので、制御部1Fは、シートの通過を検知する。このように、シートを片側に寄せて搬送した際、第2フォトインタラプタ131がリンク部材122を検知せず、第1フォトインタラプタ130が搬送検知センサフラグ117の回動を検知した場合、制御部1Fは、定着装置12を保護するための制御を行う。
【0045】
ところで、例えば右及び左シート幅センサフラグ120,121の取り付け部に、JAM処理時に発生したシートの破片が入り込む場合があり、この場合、図6と同様にシート幅センサフラグ120,121の片側が固定された状態になる。なお、図6においては、シートを寄せる側と反対側の右シート幅センサフラグ120が固定されている状態となっている。
【0046】
ここで、このように片側が固定された状態で幅狭シートが片寄せして搬送されると、シートが寄せられる側の左シート幅センサフラグ121がシートに押圧されて回動し、これに伴いリンク部材122が回動する。これにより、第2フォトインタラプタ131は遮光され、第2検知部131Aは、右及び左シート幅センサフラグ120,121の両方が回動している場合と変わらない信号波形を出力する。そして、このような信号波形が出力されると、制御部1Fは、通過するシートは所定の幅方向長さ以上の長さを有するシートであると判断する。
【0047】
つまり、幅狭シートを片寄せして搬送を行っている場合でも、第2検知部131Aから幅広シートが搬送されている場合の信号波形と同じ波形が出力された場合、制御部1Fは、幅狭シートを片寄せして搬送を行っていることを検知できない。このように、1つの第2フォトインタラプタ131を用いた場合、右及び左シート幅センサフラグ120,121の少なくとも一方が回動位置でスタック(引っ掛かり)した場合、搬送されるシートが幅狭シートの場合でも、これを検知することができない。この結果、スループットを落とすことなく片寄搬送を行ってしまい、定着装置12にダメージを与えてしまう可能性がある。
【0048】
しかしながら、本実施の形態においては、右及び左シート幅センサフラグ120,121のどちらかがスタックしている場合、搬送検知センサフラグ117の連結部117Aがスタックした側の連結片120A,121Aによって検知位置で保持される。即ち、右及び左シート幅センサフラグ120,121のどちらかがスタックしている場合には、シートが搬送されていない場合でも、既述した図4の(b)に示すように搬送検知センサフラグ117は検知位置で保持される。
【0049】
ここで、通常、制御部1Fは、シートが搬送された後、所定時間が経過しても搬送検知センサフラグ117が検知位置にあるとき、シートのJAMが発生したと判断する。しかし、本実施の形態において、制御部1Fは、シートが搬送る前に、搬送検知センサフラグ117が検知位置にある場合には、JAMではなく、右及び左シート幅センサフラグ120,121のどちらかがスタックしていると判断する。そして、この場合、制御部1Fは、定着装置12を保護するための制御を行う。
【0050】
つまり、本実施の形態においては、右及び左シート幅センサフラグ120,121にスタックが発生した場合には、搬送検知センサフラグ117を検知位置に移動させることにより、右及び左シート幅センサフラグ120,121のスタックを検知する。そして、このように右及び左シート幅センサフラグ120,121のスタックを検知した場合には、定着装置12を保護するための制御を行う。
【0051】
以上説明したように、右及び左シート幅センサフラグ120,121にスタックが発生した場合、搬送検知センサフラグ117を検知位置に移動させることにより、間接的に右及び左シート幅センサフラグ120,121のスタックを検知することができる。言い換えれば、シートが搬送される前に、右及び左シート幅センサフラグ120,121の少なくとも一方が回動している場合、搬送検知センサフラグ117を回動させることにより、右及び左シート幅センサフラグ120,121の誤動作を検知することができる。これにより、1つのフォトインタラプタ131を用いた場合でも、右及び左シート幅センサフラグ120,121のスタック検知を行うことが可能となり、低コストで、定着装置12のダメージを防止することができる。
【0052】
次に、本発明の第2の実施の形態に基づいて説明する。図7は、本実施の形態に係る定着装置の第1及び第2検知部の構成を説明する図である。なお、図7において、既述した図3、図5と同一符号は、同一又は相当部分を示している。
【0053】
本実施の形態においては、図7に示すように搬送検知センサフラグ117の回動中心位置が右及び左シート幅センサフラグ120,121の回動中心位置よりも距離mだけシート搬送方向下流にあるように配置されている。そして、このように配置することにより、搬送検知センサフラグ117がシートの先端と当接するタイミングを、右及び左シート幅センサフラグ120,121の当接片がシートの先端と当接するタイミングよりも遅くなるようにしている。また、搬送検知センサフラグ117がシートの後端と離れるタイミングも、右及び左シート幅センサフラグ120,121の当接片がシートの後端と離れるタイミングよりも遅くなるようにしている。
【0054】
図8は、このような構成の第1及び第2検知部130A,131Aの、幅広のシートが搬送されてきた場合の状態を示す図である。幅広のシートSが搬送されてくると、不図示の当接片がシートSに押圧されることにより、右及び左シート幅センサフラグ120,121が回動し、これに伴いリンク部材122が回動する。
【0055】
ここで、既述したように、搬送検知センサフラグ117の回動中心位置は、右及び左シート幅センサフラグ120,121の回動中心位置よりもシート搬送方向下流に位置するように配置されている。このため、搬送検知センサフラグ117は、シートSに押されて回動するよりも早く、連結部117Aが右及び左シート幅センサフラグ120,121の連結部120A,121Aに押圧されることで回動し、検知位置に移動する。そして、制御部1Fは、リンク部材122及び搬送検知センサフラグ117が検知位置に移動していることを検知することにより、幅広のシートが搬送されていることを検知する。
【0056】
なお、この後、シートが通過する際、まず右及び左シート幅センサフラグ120,121が先にシートから離れて待機位置に移動し、この後、搬送検知センサフラグ117がシートから離れて待機位置に移動する。つまり、搬送検知センサフラグ117がシートから離れるタイミングは、右及び左シート幅センサフラグ120,121の当接片がシートから離れるタイミングよりも遅くなる。
【0057】
図9は、幅狭のシートを搬送する場合の第1及び第2検知部130A,131Aの動作を示す図である。幅狭のシートSが搬送されてくると、搬送検知センサフラグ117は回動するが、右及び左シート幅センサフラグ120,121はシートSと接触せず回動しないため、リンク部材122も回動しない。そして、制御部1Fは、搬送検知センサフラグ117が検知位置にあり、リンク部材122は回動せず待機位置にあることを第1及び第2検知部130A,131Aによって検知することで、幅狭のシートSが搬送されていることを検知する。そして、この場合、制御部1Fは、定着装置12を保護するための制御を行う。
【0058】
一方、シートを片側に寄せて搬送した場合、既述したように右及び左シート幅センサフラグ120,121の一方しか回動しないため、リンク部材122は回動できず、第2フォトインタラプタ131は、リンク部材122の回動を検知しない。なお、この場合も、搬送検知センサフラグ117は第1フォトインタラプタ130を遮光する位置にあるので、制御部1Fは、シートの通過を検知する。
【0059】
このように、シートを片側に寄せて搬送した場合、制御部1Fは、シート幅センサフラグ120,121が待機位置にあることを検知するので、幅狭シートが搬送されている場合と同様の検知状態となる。したがって、この場合、すなわち第2フォトインタラプタ131がリンク部材122を検知せず、第1フォトインタラプタ130が搬送検知センサフラグ117を検知した場合、制御部1Fは、定着装置12を保護するための制御を行う。
【0060】
また、既述したように、例えば右及び左シート幅センサフラグ120,121の取り付け部にジャム処理時に発生したシートの破片が入り込み、右及び左シート幅センサフラグ120,121の片側が回動位置で固定された状態になる場合がある。しかし、本実施の形態においても、搬送検知センサフラグ117がスタックした側の右及び左シート幅センサフラグ120,121の連結部120A,121Aによって検知位置で保持されるようになる。そして、制御部1Fは、シートが搬送る前に、搬送検知センサフラグ117が検知位置にあると判断した場合には、右及び左シート幅センサフラグ120,121のどちらかがスタックしていると判断し、定着装置12を保護するための制御を行う。
【0061】
ところで、既述したように、搬送検知センサフラグ117がシートの後端と離れるタイミングは、右及び左シート幅センサフラグ120,121の当接片がシートの後端と離れるタイミングよりも遅くなる。つまり、本実施の形態では、シート後端が通過する際、右及び左シート幅センサフラグ120,121が待機位置に移動してから搬送検知センサフラグ117が待機位置に移動する。
【0062】
ここで、例えば両面印字の際にシートをスイッチバックさせる場合、シート後端検知の精度が要求される。そこで、このようにシートをスイッチバックさせる際には、本実施の形態のように、右及び左シート幅センサフラグ120,121が待機位置に移動してから搬送検知センサフラグ117が待機位置に移動するようにすれば、後端検知精度を高めることができる。
【0063】
つまり、本実施の形態のように、第1検知部130Aが搬送検知センサフラグ117を検知しなくなるタイミングの方が、第2検知部131Aがリンク部材122を検知しなくなるタイミングよりも遅くすることにより、後端検知精度を高めることができる。
【0064】
次に、本発明の第3の実施の形態に基づいて説明する。図10は、本実施の形態に係る定着装置の第1及び第2検知部の構成を説明する図である。なお、図10において、既述した図3、図5と同一符号は、同一又は相当部分を示している。
【0065】
本実施の形態においては、図10に示すように搬送検知センサフラグ117の回動中心位置が右及び左シート幅センサフラグ120,121の回動中心知位置よりも距離nだけシート搬送方向上流にあるように配置されている。そして、このように配置することにより、搬送検知センサフラグ117がシートの先端と当接するタイミングを、右及び左シート幅センサフラグ120,121の当接片がシートと当接するタイミングよりも早くなるようにしている。
【0066】
図11は、このような構成の第1及び第2検知部130A,131Aの、幅広のシートが搬送されてきた場合の状態を示す図である。幅広のシートSが搬送されてくると、不図示の当接片がシートSに押されることにより、右及び左シート幅センサフラグ120,121が回動し、これに伴いリンク部材122が回動する。
【0067】
ここで、既述したように、搬送検知センサフラグ117の回動中心位置は、右及び左シート幅センサフラグ120,121の回動中心位置よりもシート搬送方向上流に位置するように配置されている。このため、搬送検知センサフラグ117は、右及び左シート幅センサフラグ120,121が回動するよりも早く、検知位置に回動する。そして、制御部1Fは、リンク部材122及び搬送検知センサフラグ117が検知位置に移動していることを検知することにより、幅広のシートが搬送されていることを検知する。
【0068】
なお、この後、シートの後端が搬送検知センサフラグ117を抜けるが、この時、右及び左シート幅センサフラグ120,121は回動位置に移動している。このため、搬送検知センサフラグ117は、シート後端が通過しても、連結部117Aが右及び左シート幅センサフラグ120,121の連結部120A,121Aに押された状態となっているので、待機位置に戻ることはできない。
【0069】
この結果、搬送検知センサフラグ117が待機位置に戻るのは、右及び左シート幅センサフラグ120,121が待機位置に戻るときとなる。つまり、搬送検知センサフラグ117が待機位置に戻るのは、右及び左シート幅センサフラグ120,121が待機位置に戻る時間と同じになる。
【0070】
図12は、幅狭のシートを搬送する場合の第1及び第2検知部130A,131Aの動作を示す図である。幅狭のシートSが搬送されてくると、搬送検知センサフラグ117は回動するが、右及び左シート幅センサフラグ120,121はシートSと接触せず回動しないため、リンク部材122も回動しない。そして、制御部1Fは、搬送検知センサフラグ117が検知位置にあり、リンク部材122は回動せず待機位置にあることを第1及び第2検知部130A,131Aによって検知することで、幅狭のシートSが搬送されていることを検知する。
【0071】
一方、シートを片側に寄せて搬送した場合、既述したように右及び左シート幅センサフラグ120,121の一方しか回動しないため、リンク部材122は回動できず、第2フォトインタラプタ131は、リンク部材122の回動を検知しない。なお、この場合も、搬送検知センサフラグ117は第1フォトインタラプタ130を遮光する位置にあるので、制御部1Fは、シートの通過を検知する。したがって、この場合、制御部1Fは、定着装置12を保護するための制御を行う。
【0072】
また、本実施の形態においても、右及び左シート幅センサフラグ120,121の片側が回動位置で固定された状態になった場合、搬送検知センサフラグ117が検知位置で保持されるようになっている。これにより、制御部1Fは、右及び左シート幅センサフラグ120,121のどちらかがスタックしていると判断し、定着装置12を保護するための制御を行う。
【0073】
ところで、既述したように、搬送検知センサフラグ117がシートの先端により押圧されるタイミングは、右及び左シート幅センサフラグ120,121の当接片がシートにより押圧されるタイミングよりも早くなる。つまり、本実施の形態では、定着装置12の定着部を通過したシートにより押圧されて搬送検知センサフラグ117が待機位置に移動してから右及び左シート幅センサフラグ120,121が待機位置に移動する。
【0074】
ここで、例えば定着装置12へのシート巻きつきJAM検知を検知する場合、早めの先端検知が要求される。そこで、このようなシート巻きつきJAM検知を検知する場合には、本実施の形態にように、第1検知部130Aの検知動作が終了してから第2検知部131Aが検知動作する構成の方が、先端検知を早めることができる。つまり、本実施の形態のように、第1検知部130Aが搬送検知センサフラグ117を検知するタイミングの方が、第2検知部131Aがリンク部材122を検知するタイミングよりも早くすることにより、シートの先端検知を早めることが可能となる。
【符号の説明】
【0075】
1…プリンタ、1A…プリンタ本体、1B…画像形成部、1F制御部、12…定着装置、117…搬送検知センサフラグ、117A…連結部、120…右シート幅センサフラグ、121…左シート幅センサフラグ、120A,121A…連結部、122…リンク部材、122A…当接部、130…第1フォトインタラプタ、130A…第1検知部、131…第2フォトインタラプタ、131A…第2検知部、R…シート搬送路、S…シート
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特に定着装置の非通紙部分における過度の昇温を防ぐための構成に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の複写機、レーザープリンタ、LEDプリンタ、ファクミリ、ワードプロセッサ及びこれらの複合機等の画像形成装置においては、電子写真方式を用いてシートに画像を形成するものがある。このような電子写真方式を用いた画像形成装置では、シートに画像を形成する場合は、まず公知の電子写真プロセスにより感光体ドラム等の像担持体表面に静電潜像を形成した後、静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する。次に、トナー像を、直接又は中間転写体を介して記録紙等のシートに静電的に転写し、転写されたトナー像を定着装置によりシート上に定着する。
【0003】
ところで、このような定着装置としては、通電により発熱する加熱体と、加熱体と摺動する耐熱性のフィルムと、フィルムを挟んで加熱体を加圧してフィルムと定着ニップ部を形成する加圧部材とを有するフィルム加熱方式のものがある。このような定着装置では、加熱体を所定の温度に加熱・温調すると共に、未定着トナー画像が転写されたシートを定着ニップ部で挟持搬送する。そして、その搬送過程でシート上のトナー画像に加熱体からの熱と加圧部材からの加圧力を付与することにより、トナー画像をシートに定着させる。
【0004】
図13は、このような従来の定着装置の構成を示す図である。図13において、10は加圧ローラ、11は加熱体である定着ヒータ、18は耐熱フィルムである。また、13は定着後のシートSをガイドする搬送ガイド、17はシートSを検知する搬送検知センサ、14は定着後のシートSを排出する排出ローラ対である。
【0005】
ところで、このような定着装置において、定着ヒータ11の長手方向の発熱領域の幅に対して幅狭の例えば、封筒やハガキ等のシートを定着ニップ部で挟持搬送する場合がある。このとき、シートSが通過する領域(通紙領域)と、シートSが通過しない領域(非通紙領域)とでは定着ヒータ11から奪われる熱量が大きく異なる。
【0006】
従って、幅狭のシートSを定着ニップ部で連続的に挟持搬送させると、非通紙領域ではシートSによって熱が奪われないため、その領域の温度はシートSの搬送枚数が増えるに従って徐々に上昇して設定温度を超える、いわゆる非通紙部昇温が生じる。そして、設定温度を大幅に超える過度の非通紙部昇温が生じた場合には、耐熱フィルム18や加圧ローラ10等の構成部材を破損させて装置寿命(耐久寿命)を低下させる恐れがある。
【0007】
そこで、このような過度の非通紙部昇温を防止するために、例えば非通紙部領域に、搬送されるシートのシート搬送方向と直交する幅方向の長さを検知するシート幅検知部を設けるようにしたものがある。そして、このシート幅検知部により、搬送されるシートの幅方向の長さを検知し、シートが幅狭のシートの場合には、加熱体への電力供給を一時下げたり、スループットを変更したりする制御を行なうようにしている(特許文献1参照)。ここで、シート幅検知部は、シート搬送路の幅方向両端部に配置する必要がある。これは、幅狭のシートを搬送したときだけではなく、シートをシート搬送路のどちらか片側に強制的に寄せて搬送した場合にも、シートが存在しない側の定着ニップ端部に非通紙部昇温が発生するためである。
【0008】
なお、このようなシート幅検知部としては、定着装置内に設置された温度検知素子によりシートの幅方向の長さを検知するものもあるが、温度検知素子は非常に高価である。このため、コストを重視したプリンタにおいては、フォトインタラプタとセンサフラグを用いたシート幅検知センサを用いるものが多い。また、センサフラグの配置位置は、一般的に幅方向両端部の、シート搬送を行うローラニップのシート搬送方向下流側近傍で、かつシートを検知する搬送検知センサの近傍に配置されることが一般的である。これは、ローラニップの直後がシートの姿勢が安定しており、シートの検知が安定して行えるためであり、搬送検知センサも同様の理由から近傍に配置される。また、搬送検知センサとシート幅検知センサを近傍に配置すると、検知タイミングが決定しやすいメリットも存在するためである。
【0009】
ところで、シート幅検知センサとしては、シートの幅が狭い(センサフラグが両方とも動作していない)、もしくはシートが片寄せ搬送されている(センサフラグが片側だけ動作している)ことを検知できれば良い。このため、フォトインタラプタを1個とし、両側のセンサフラグが動作したときにフォトインタラプタが遮光され、片側しか動作しない、あるいは両方動作しない場合はフォトインタラプタが遮光されない構成を採用することにより、コストダウンを図るものがある。
【0010】
図14は、このようなフォトインタラプタ1個で2つのセンサフラグの動作を検知するシート幅検知部の構成を示す図である。図14において、17は定着装置を通過するシートSを検知する搬送検知センサフラグであり、この搬送検知センサフラグ17は、搬送可能な、どのようなサイズのシートであっても検知できるように幅方向中央部近傍に配置されている。
【0011】
20は搬送されるシートの幅方向の長さ(サイズ)を検知するよう定着装置の幅方向右側に位置する右シート幅センサフラグ、21は定着装置の幅方向左側に位置する左シート幅センサフラグである。ここで、この右及び左シート幅センサフラグ20,21の幅方向の外側端部には所定量より幅広なシートSが搬送されてきた場合、シートと当接する不図示の当接片が設けられており、幅方向の中央側の端部には連結部20A,21Aが設けられている。そして、搬送されてきたシートSが当接片に当接し、この後、シートSにより当接片が押圧されると、右及び左シート幅センサフラグ20,21は回動する。
【0012】
また、22はリンク部材であり、このリンク部材22の幅方向の両端部には、右及び左シート幅センサフラグ20,21の連結部20A,21Aと接触する連結部22A,22Bが形成されている。なお、リンク部材22は、右及び左シート幅センサフラグ20,21が回動するまではシート幅センサフラグ20,21の連結部20A,21Aにより、回動が規制されているが、右及び左シート幅センサフラグ20,21が回動すると、これに連動して回動する。
【0013】
23はフォトインタラプタ基板である。このフォトインタラプタ基板23には、搬送検知センサフラグ17により遮光されてシートを検知する不図示のフォトインタラプタと、リンク部材22の回動端22aにより遮光されてシートのサイズを検知する不図示のフォトインタラプタが取り付けられている。また、13はシートを案内すると共に、右及び左シート幅センサフラグ20,21、搬送検知センサフラグ17を支持する搬送ガイドである。
【0014】
図15の(a)は、このような構成のシート幅検知部の、幅広のシートが搬送されたときの状態を示す図である。幅広のシートが搬送されている場合、右及び左シート幅センサフラグ20,21は当接片がシートにより押圧されて回動する。なお、右及び左シート幅センサフラグ20,21が同時に回動すると、リンク部材22の回動を止めている連結部20A,21Aが倒れるようになっており、これによりリンク部材22は図示しないばねの力によって矢印方向に回動する。
【0015】
そして、このようにリンク部材22が回動すると、回動端22aによりサイズ検知用のフォトインタラプタが遮光される。また、搬送検知センサフラグ17もシートにより押圧されて回動し、搬送検知用のフォトインタラプタを遮光する。つまり、幅広のシートが搬送されたとき、リンク部材22はシートにより右及び左シート幅センサフラグ20,21を介して押圧され、フォトインタラプタによる検知位置へと回動する。そして、このようにリンク部材22の回動を検知することにより、幅広のシートが搬送されたことを検知することができる。
【0016】
また、図15の(b)は、幅狭のシートが片寄せ搬送され、リンク部材22が右及び左シート幅センサフラグ20,21のどちらか1つがシートにより押圧されて検知位置に移動している状態を示している。この場合、リンク部材22は、待機位置にある側のシート幅センサフラグの連結片に接触するため回動が出来ず、サイズ検知用のフォトインタラプタを遮光することができない。なお、図15の(b)は、右シート幅センサフラグ20が回動した状態を示している。このとき、右シート幅センサフラグ20の連結部20Aが倒れた位置に移動しているが、反対側の左シート幅センサフラグ21は回動していないため、リンク部材22は検知位置に回動していない。
【0017】
そして、このように右及び左シート幅センサフラグ20,21のどちらか1つが回動しない場合、リンク部材22が回動しないようにすることにより、幅狭のシートが片寄せ搬送されていることを検知することができる。なお、右及び左シート幅センサフラグ20,21の両方が回動しない場合も、リンク部材22は検知位置に回動しないことから、この場合は、幅狭のシートが中央基準で搬送されていることを検知することができる。このような構成をとることで、1つのフォトインタラプタにより、幅狭のシートが搬送されていることを検知することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】特開2008−083329号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
ところで、このようなシート幅検知部を備えた従来の画像形成装置において、例えばジャムしたシートの破片がセンサ部に入り込む場合があり、この場合、シート幅センサフラグが回動した位置で動かなくなる。ここで、フォトインタラプタが1個の場合、片側のシート幅センサフラグが動かなくなっても、反対側のシート幅センサフラグがシートの搬送に伴い回動すると、フォトインタラプタからの信号は両方のシート幅センサフラグが動作しているものと同様になる。
【0020】
例えば、動作しなくなったシート幅センサフラグと反対側にシートを寄せて搬送した場合、片側のシート幅センサフラグが動かなくなっても、反対側のシート幅センサフラグが回動する。この場合、フォトインタラプタからの信号は、両方のシート幅センサフラグが動作しているものと同様になるので、制御部は、幅狭のシートが搬送されていても、幅広のシートが搬送されていると判断し、この結果、非通紙部昇温が発生する。
【0021】
つまり、シート幅センサフラグが動作不良を起こした場合、シートの片寄せを検知できない場合があり、この場合には、非通紙部昇温が発生し、定着装置にダメージを与える恐れがある。また、両方のシート幅センサフラグが動作不良を起こした場合は、幅狭のシートが搬送されていても、幅広のシートが搬送されていると判断し、この結果、非通紙部昇温が発生する。
【0022】
そこで、本発明は、このような現状に鑑みてなされたものであり、シートの幅方向の長さを検知するためのフラグの誤動作を検知することのできる画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明は、シートに転写されたトナー像を加熱してシート上に定着させる定着装置を備えた画像形成装置において、シートが通過するシート搬送路と、トナー像が定着されたシートに押圧されて回動する前記シート搬送路に設けられた第1フラグを有し、回動した前記第1フラグを検知してシートの通過を検知する第1検知部と、所定のシート搬送方向と直交する幅方向の長さ以上の長さを有するシートが搬送される際、シートに押圧されてそれぞれ回動する前記シート搬送路の幅方向の両端部に設けられた2つの第2フラグ及び2つの前記第2フラグの両方が回動した場合に前記第2フラグと連動して回動するリンク部材を有し、回動した前記リンク部材を検知して通過するシートが所定の幅方向長さ以上の長さを有するシートであることを検知する第2検知部と、を備え、シートが搬送される前に、2つの前記第2フラグのうちの少なくとも一方が回動している場合には、前記第1検知部が前記第1フラグを検知するように、回動している前記第2フラグと連動して前記第1フラグを回動させることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0024】
本発明のように、シートが搬送される前に、シートの幅方向の長さを検知するための2つの第2フラグのうちの少なくとも一方が回動している場合、第1フラグを回動させることにより、第2フラグの誤動作を検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の一例である電子写真方式のプリンタの概略構成を示す図。
【図2】上記プリンタの定着装置を示す斜視図。
【図3】上記定着装置の第1及び第2検知部の構成を説明する図。
【図4】上記第1及び第2検知部のシートが搬送された場合の状態を示す図。
【図5】上記第1及び第2検知部の幅狭シートが搬送された場合の状態を示す図。
【図6】上記第1及び第2検知部のシートを片側に寄せて搬送した場合の状態を示す図。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る定着装置の第1及び第2検知部の構成を説明する図。
【図8】上記第1及び第2検知部の幅広シートが搬送された場合の状態を示す図。
【図9】上記第1及び第2検知部の幅狭シートが搬送された場合の状態を示す図。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係る定着装置の第1及び第2検知部の構成を説明する図。
【図11】上記第1及び第2検知部の幅広シートが搬送された場合の状態を示す図。
【図12】上記第1及び第2検知部の幅狭シートが搬送された場合の状態を示す図。
【図13】従来の画像形成装置の定着装置を示す断面図。
【図14】上記定着装置のシート幅検知部の構成を説明する図。
【図15】上記シート幅検知部のシート幅検知動作を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の一例である電子写真方式のプリンタの概略構成を示す図である。図1において、1は電子写真方式のプリンタ、1Aはプリンタ本体、1Bはプリンタ本体1Aに設けられ、電子写真方式により画像形成を行う画像形成部、1Cは画像形成部1BにシートSを給送するシート給送部である。また、8はレーザ光を発射及び走査するスキャナユニット、12は定着ヒータ11、耐熱フィルム18及び定着ヒータ11に対して対向した加圧ローラ10からなる定着部を備えた定着装置、Rはシート給送部1Cからのシートが通過するシート搬送路である。
【0027】
1Dは定着後、シートSを排紙積載部15に排出するためのシート排出部である排紙部であり、この排紙部1Dは、正逆転可能な排紙ローラ14aと排紙コロ14bとにより構成される排紙ローラ対14を備えている。1Eは、片面に画像が形成されたシートを画像形成部1Bに再度搬送するための再搬送部である。この再搬送部1Eは、画像が形成されたシートSを反転させて再度、画像形成部1Bに搬送する反転搬送路16を備えている。なお、1Fはプリンタ1の画像形成動作、シートのサイズの判断、定着ヒータ11の加熱温度を制御する制御部である。
【0028】
画像形成部1Bはトナー像を形成する感光体ドラム6、現像器等を備え、プリンタ本体1Aに着脱自在に装着されるプロセスカートリッジ9、感光体ドラム6に形成されたトナー像をシートSに転写する転写ローラ7等を備えている。シート給送部1Cは、プリンタ本体1Aに設けられ、中板2aを備えたシート積載台2に収納されたシートSを給送するシート給送部材である給紙ローラ3と、給紙ローラ3に圧接する分離パッド4を備えている。なお、13はシート搬送路Rの定着装置12のシート搬送方向下流側を形成し、画像が形成されたシートを排紙部1Dに案内する湾曲した搬送ガイドである。
【0029】
次に、このような構成のプリンタ1における画像形成動作について説明する。シートSがシート積載台2上にセットされた後、不図示のコンピュータやイメージリーダ等からプリント開始命令が入力されると、給紙ローラ3、搬送ローラ5、感光体ドラム6等が駆動される。ここで、給紙ローラ3が矢印方向に回転すると、シートSが給紙ローラ3との摩擦により送り出される。また、給紙ローラ3が回転すると同時に、分離パッド4によって最上位のシートSが、次のシートと分離される。
【0030】
これにより、最上位のシートのみが搬送ローラ5によって画像形成部1Bに搬送されていく。なお、搬送ローラ5の中央近傍にはシートの先端を検知する不図示のトップセンサが設けられており、このトップセンサによりシートの位置を検知し、この検知に基づいてスキャナユニット8が感光体ドラム6にレーザ光を照射する。そして、このレーザ光の照射により、表面が一様に帯電された感光体ドラム6上には静電潜像が形成され、この静電潜像を現像器によりトナーを用いて現像して可視像化する。この後、この可視像化された感光体ドラム6上のトナー像は、シートSが感光体ドラム6と転写ローラ7とによって構成される転写部に搬送されると、転写部においてシート上に転写される。
【0031】
次に、トナー像が転写されたシートSは、定着装置12に搬送され、定着装置12を通過する際、耐熱フィルム18を介して伝わる定着ヒータ11からの熱と加圧ローラ10からの圧力により、トナー像が加熱及び加圧されてシートS上に永久定着される。そして、片面に画像が形成されたシートSを排出する場合は、この後、トナー像が定着されたシートSを、搬送ガイド13を経て排紙ローラ対14によりプリンタ本体外に排出し、プリンタ本体上面に設けられた排紙積載部15上に積載する。
【0032】
一方、シートの両面に画像を形成する場合は、排紙ローラ対14が片面に画像が形成されたシートを排出しきる前に、不図示の排紙センサフラグによってシートの後端が反転搬送路16に搬送可能な位置に来たことを検知する。そして、この検知に基づき排紙ローラ対14を逆転させ、シートSを再搬送部1Eに搬送する。この後、再搬送部1Eに搬送されたシートSを、反転搬送路16に設けられた両面搬送ローラ16aにより、給紙ローラ3と搬送ローラ5との間に設けられた反転合流ポイントに搬送する。この後、シートSは、反転合流ポイントから画像形成部1Bに向かい、2面目の画像形成がなされる。なお、2面目の画像形成がなされたシートSは、搬送ガイド13を経て排紙ローラ対14によりプリンタ本体外に排出され、排紙積載部15に積載される。
【0033】
図2は、定着装置12の斜視図であり、図2において、117は定着装置12のシート搬送方向と直交する幅方向の中央部に位置する第1フラグである搬送検知センサフラグである。ここで、この搬送検知センサフラグ117は、定着装置12を通過するシートを検知するためのものであり、搬送可能などのようなサイズのシートであっても検知できるように幅方向中央部に配置されている。
【0034】
120は搬送されるシートの幅方向のサイズを検知するよう定着装置12(シート搬送路R)の幅方向右側に位置する右シート幅センサフラグ、121は定着装置12の幅方向左側に位置する左シート幅センサフラグである。ここで、2つの第2フラグである右及び左シート幅センサフラグ120,121の中央側端部には連結片120A,121Aが設けられ、右及び左シート幅センサフラグ120,121の外側端部にはシートと当接する不図示の当接片が設けられている。そして、この不図示の当接片にシートが当接すると、シートにより押圧されて右及び左シート幅センサフラグ120,121が回動し、これに伴い連結片120A,121Aも回動する。なお、113は右及び左シート幅センサフラグ120,121等を回動自在に支持するガイド部材である。
【0035】
また、122は、回動可能にガイド部材113に保持されたリンク部材である。このリンク部材122は、幅方向両端部に当接部122Aを備えており、この当接部122Aを不図示のばねにより、右及び左シート幅センサフラグ120,121の連結片120A,121Aに圧接させている。なお、このリンク部材122は、シートにより押圧されて右及び左シート幅センサフラグ120,121が回動するまではシート幅センサフラグ120,121の連結片120A,121Aにより、回動が規制されている。
【0036】
ところで、搬送検知センサフラグ117は、図3に示すように、右及び左シート幅センサフラグ120,121の連結片120A,121Aの下側に潜り込む形の連結部117Aを有している。そして、この連結部117Aは、シート幅センサフラグ120,121のどちらかが、シートにより押圧されて回動すると、押圧部である連結片120A,121Aにより下方に押圧される。これにより、搬送検知センサフラグ117は、シートの通過を検知する検知位置に回動する。
【0037】
なお、この搬送検知センサフラグ117は、小サイズシートの搬送においても検知を行う必要があるため、右及び左シート幅センサフラグ120,121が動作しない場合でも、搬送検知センサフラグ単独で動作可能なように連結されている。つまり、搬送検知センサフラグ117は、右及び左シート幅センサフラグ120,121の両方が、回動しない待機位置にある場合には、自由に回動できるように構成されている。これにより、小サイズシートが搬送される際は、シートにより押圧されて回動する。
【0038】
123はフォトインタラプタ基板である。このフォトインタラプタ基板123には、搬送検知センサフラグ117が回動した際、図2に示す搬送検知センサフラグ117に設けられた遮光部117aにより遮光されて搬送検知センサフラグ117の回動を検知する第1フォトインタラプタ130を備えている。なお、この搬送検知センサフラグ117と、第1フォトインタラプタ130により、シートの通過を検知する第1検知部130Aが構成される。
【0039】
また、この基板123には、シート幅センサフラグ120,121の回動に連動してリンク部材122が回動した際、リンク部材122の回動端122aにより遮光されてリンク部材122の回動を検知する第2フォトインタラプタ131が取り付けられている。なお、このシート幅センサフラグ120,121、リンク部材122及び第2フォトインタラプタ131により、通過するシートが所定の幅方向長さ以上の長さを有するシートであることを検知する第2検知部131Aが構成される。
【0040】
ここで、右及び左シート幅センサフラグ120,121は、所定の幅方向長さ以上の長さを有する幅広なシートが搬送されてきた場合には、シートにより押圧されて回動するように取り付けられている。これにより、幅広のシートが搬送されてくると、図4に示すように、右及び左シート幅センサフラグ120,121は、同時に回動する。そして、このように右及び左シート幅センサフラグ120,121が同時に回動すると、連結片120A,121Aも一体に下方に回動する。これにより、連結片120A,121Aによる係止が解除され、リンク部材122は、不図示のばねの力によって回動し、第2フォトインタラプタ131を遮光する。このように、本実施の形態において、一つの第2フォトインタラプタ131により、通過するシートが所定の幅方向長さ以上の長さを有するシートであることを検知する。
【0041】
また、シートが搬送されてきた場合、シートにより押圧されて搬送検知センサフラグ117が回動し、図3の(b)に示す位置から図4の(b)に示す検知位置に移動し、第1フォトインタラプタ130を遮光する。そして、このようにリンク部材122及び搬送検知センサフラグ117により第1及び第2フォトインタラプタ130,131が遮光されることにより、制御部1Fは、幅広のシートSが搬送されていることを検知する。
【0042】
また、図5は第1及び第2検知部130A,131Aの幅狭シートを搬送している場合の状態を示す図である。ここで、幅狭シートSを搬送した場合には、搬送検知センサフラグ117は検知動作を行うが、右及び左シート幅センサフラグ120,121はシートと接触せず回動しない。これにより、制御部1Fは、第1及び第2フォトインタラプタ130,131からの信号により、搬送検知センサフラグ117が検知位置にあり、また右及び左シート幅センサフラグ120,121が待機位置にあることを検知する。そして、このような搬送されているシートが幅狭シートとの検知に基づき制御部1Fは、定着装置12を保護するための制御を行う。
【0043】
図6は、例えばシートを片側に寄せて搬送した場合、右及び左シート幅センサフラグ120,121の一方しか回動しない場合の状態を示す図である。ここで、右及び左シート幅センサフラグ120,121のどちらか1つしか回動しない場合には、リンク部材122は、待機位置にあるどちらかのシート幅センサフラグ120,121の連結片120A,121Aに接触する。これにより、リンク部材122は回動することができない。そして、このようにリンク部材122が回動しない場合は、第2検知部は、シートは幅狭なシートであることを検知し、これに基づき制御部1Fは、定着装置12を保護するための制御を行う。
【0044】
なお、この場合も、搬送検知センサフラグ117は、シートに押圧されて第1フォトインタラプタ130を遮光する位置にあるので、制御部1Fは、シートの通過を検知する。このように、シートを片側に寄せて搬送した際、第2フォトインタラプタ131がリンク部材122を検知せず、第1フォトインタラプタ130が搬送検知センサフラグ117の回動を検知した場合、制御部1Fは、定着装置12を保護するための制御を行う。
【0045】
ところで、例えば右及び左シート幅センサフラグ120,121の取り付け部に、JAM処理時に発生したシートの破片が入り込む場合があり、この場合、図6と同様にシート幅センサフラグ120,121の片側が固定された状態になる。なお、図6においては、シートを寄せる側と反対側の右シート幅センサフラグ120が固定されている状態となっている。
【0046】
ここで、このように片側が固定された状態で幅狭シートが片寄せして搬送されると、シートが寄せられる側の左シート幅センサフラグ121がシートに押圧されて回動し、これに伴いリンク部材122が回動する。これにより、第2フォトインタラプタ131は遮光され、第2検知部131Aは、右及び左シート幅センサフラグ120,121の両方が回動している場合と変わらない信号波形を出力する。そして、このような信号波形が出力されると、制御部1Fは、通過するシートは所定の幅方向長さ以上の長さを有するシートであると判断する。
【0047】
つまり、幅狭シートを片寄せして搬送を行っている場合でも、第2検知部131Aから幅広シートが搬送されている場合の信号波形と同じ波形が出力された場合、制御部1Fは、幅狭シートを片寄せして搬送を行っていることを検知できない。このように、1つの第2フォトインタラプタ131を用いた場合、右及び左シート幅センサフラグ120,121の少なくとも一方が回動位置でスタック(引っ掛かり)した場合、搬送されるシートが幅狭シートの場合でも、これを検知することができない。この結果、スループットを落とすことなく片寄搬送を行ってしまい、定着装置12にダメージを与えてしまう可能性がある。
【0048】
しかしながら、本実施の形態においては、右及び左シート幅センサフラグ120,121のどちらかがスタックしている場合、搬送検知センサフラグ117の連結部117Aがスタックした側の連結片120A,121Aによって検知位置で保持される。即ち、右及び左シート幅センサフラグ120,121のどちらかがスタックしている場合には、シートが搬送されていない場合でも、既述した図4の(b)に示すように搬送検知センサフラグ117は検知位置で保持される。
【0049】
ここで、通常、制御部1Fは、シートが搬送された後、所定時間が経過しても搬送検知センサフラグ117が検知位置にあるとき、シートのJAMが発生したと判断する。しかし、本実施の形態において、制御部1Fは、シートが搬送る前に、搬送検知センサフラグ117が検知位置にある場合には、JAMではなく、右及び左シート幅センサフラグ120,121のどちらかがスタックしていると判断する。そして、この場合、制御部1Fは、定着装置12を保護するための制御を行う。
【0050】
つまり、本実施の形態においては、右及び左シート幅センサフラグ120,121にスタックが発生した場合には、搬送検知センサフラグ117を検知位置に移動させることにより、右及び左シート幅センサフラグ120,121のスタックを検知する。そして、このように右及び左シート幅センサフラグ120,121のスタックを検知した場合には、定着装置12を保護するための制御を行う。
【0051】
以上説明したように、右及び左シート幅センサフラグ120,121にスタックが発生した場合、搬送検知センサフラグ117を検知位置に移動させることにより、間接的に右及び左シート幅センサフラグ120,121のスタックを検知することができる。言い換えれば、シートが搬送される前に、右及び左シート幅センサフラグ120,121の少なくとも一方が回動している場合、搬送検知センサフラグ117を回動させることにより、右及び左シート幅センサフラグ120,121の誤動作を検知することができる。これにより、1つのフォトインタラプタ131を用いた場合でも、右及び左シート幅センサフラグ120,121のスタック検知を行うことが可能となり、低コストで、定着装置12のダメージを防止することができる。
【0052】
次に、本発明の第2の実施の形態に基づいて説明する。図7は、本実施の形態に係る定着装置の第1及び第2検知部の構成を説明する図である。なお、図7において、既述した図3、図5と同一符号は、同一又は相当部分を示している。
【0053】
本実施の形態においては、図7に示すように搬送検知センサフラグ117の回動中心位置が右及び左シート幅センサフラグ120,121の回動中心位置よりも距離mだけシート搬送方向下流にあるように配置されている。そして、このように配置することにより、搬送検知センサフラグ117がシートの先端と当接するタイミングを、右及び左シート幅センサフラグ120,121の当接片がシートの先端と当接するタイミングよりも遅くなるようにしている。また、搬送検知センサフラグ117がシートの後端と離れるタイミングも、右及び左シート幅センサフラグ120,121の当接片がシートの後端と離れるタイミングよりも遅くなるようにしている。
【0054】
図8は、このような構成の第1及び第2検知部130A,131Aの、幅広のシートが搬送されてきた場合の状態を示す図である。幅広のシートSが搬送されてくると、不図示の当接片がシートSに押圧されることにより、右及び左シート幅センサフラグ120,121が回動し、これに伴いリンク部材122が回動する。
【0055】
ここで、既述したように、搬送検知センサフラグ117の回動中心位置は、右及び左シート幅センサフラグ120,121の回動中心位置よりもシート搬送方向下流に位置するように配置されている。このため、搬送検知センサフラグ117は、シートSに押されて回動するよりも早く、連結部117Aが右及び左シート幅センサフラグ120,121の連結部120A,121Aに押圧されることで回動し、検知位置に移動する。そして、制御部1Fは、リンク部材122及び搬送検知センサフラグ117が検知位置に移動していることを検知することにより、幅広のシートが搬送されていることを検知する。
【0056】
なお、この後、シートが通過する際、まず右及び左シート幅センサフラグ120,121が先にシートから離れて待機位置に移動し、この後、搬送検知センサフラグ117がシートから離れて待機位置に移動する。つまり、搬送検知センサフラグ117がシートから離れるタイミングは、右及び左シート幅センサフラグ120,121の当接片がシートから離れるタイミングよりも遅くなる。
【0057】
図9は、幅狭のシートを搬送する場合の第1及び第2検知部130A,131Aの動作を示す図である。幅狭のシートSが搬送されてくると、搬送検知センサフラグ117は回動するが、右及び左シート幅センサフラグ120,121はシートSと接触せず回動しないため、リンク部材122も回動しない。そして、制御部1Fは、搬送検知センサフラグ117が検知位置にあり、リンク部材122は回動せず待機位置にあることを第1及び第2検知部130A,131Aによって検知することで、幅狭のシートSが搬送されていることを検知する。そして、この場合、制御部1Fは、定着装置12を保護するための制御を行う。
【0058】
一方、シートを片側に寄せて搬送した場合、既述したように右及び左シート幅センサフラグ120,121の一方しか回動しないため、リンク部材122は回動できず、第2フォトインタラプタ131は、リンク部材122の回動を検知しない。なお、この場合も、搬送検知センサフラグ117は第1フォトインタラプタ130を遮光する位置にあるので、制御部1Fは、シートの通過を検知する。
【0059】
このように、シートを片側に寄せて搬送した場合、制御部1Fは、シート幅センサフラグ120,121が待機位置にあることを検知するので、幅狭シートが搬送されている場合と同様の検知状態となる。したがって、この場合、すなわち第2フォトインタラプタ131がリンク部材122を検知せず、第1フォトインタラプタ130が搬送検知センサフラグ117を検知した場合、制御部1Fは、定着装置12を保護するための制御を行う。
【0060】
また、既述したように、例えば右及び左シート幅センサフラグ120,121の取り付け部にジャム処理時に発生したシートの破片が入り込み、右及び左シート幅センサフラグ120,121の片側が回動位置で固定された状態になる場合がある。しかし、本実施の形態においても、搬送検知センサフラグ117がスタックした側の右及び左シート幅センサフラグ120,121の連結部120A,121Aによって検知位置で保持されるようになる。そして、制御部1Fは、シートが搬送る前に、搬送検知センサフラグ117が検知位置にあると判断した場合には、右及び左シート幅センサフラグ120,121のどちらかがスタックしていると判断し、定着装置12を保護するための制御を行う。
【0061】
ところで、既述したように、搬送検知センサフラグ117がシートの後端と離れるタイミングは、右及び左シート幅センサフラグ120,121の当接片がシートの後端と離れるタイミングよりも遅くなる。つまり、本実施の形態では、シート後端が通過する際、右及び左シート幅センサフラグ120,121が待機位置に移動してから搬送検知センサフラグ117が待機位置に移動する。
【0062】
ここで、例えば両面印字の際にシートをスイッチバックさせる場合、シート後端検知の精度が要求される。そこで、このようにシートをスイッチバックさせる際には、本実施の形態のように、右及び左シート幅センサフラグ120,121が待機位置に移動してから搬送検知センサフラグ117が待機位置に移動するようにすれば、後端検知精度を高めることができる。
【0063】
つまり、本実施の形態のように、第1検知部130Aが搬送検知センサフラグ117を検知しなくなるタイミングの方が、第2検知部131Aがリンク部材122を検知しなくなるタイミングよりも遅くすることにより、後端検知精度を高めることができる。
【0064】
次に、本発明の第3の実施の形態に基づいて説明する。図10は、本実施の形態に係る定着装置の第1及び第2検知部の構成を説明する図である。なお、図10において、既述した図3、図5と同一符号は、同一又は相当部分を示している。
【0065】
本実施の形態においては、図10に示すように搬送検知センサフラグ117の回動中心位置が右及び左シート幅センサフラグ120,121の回動中心知位置よりも距離nだけシート搬送方向上流にあるように配置されている。そして、このように配置することにより、搬送検知センサフラグ117がシートの先端と当接するタイミングを、右及び左シート幅センサフラグ120,121の当接片がシートと当接するタイミングよりも早くなるようにしている。
【0066】
図11は、このような構成の第1及び第2検知部130A,131Aの、幅広のシートが搬送されてきた場合の状態を示す図である。幅広のシートSが搬送されてくると、不図示の当接片がシートSに押されることにより、右及び左シート幅センサフラグ120,121が回動し、これに伴いリンク部材122が回動する。
【0067】
ここで、既述したように、搬送検知センサフラグ117の回動中心位置は、右及び左シート幅センサフラグ120,121の回動中心位置よりもシート搬送方向上流に位置するように配置されている。このため、搬送検知センサフラグ117は、右及び左シート幅センサフラグ120,121が回動するよりも早く、検知位置に回動する。そして、制御部1Fは、リンク部材122及び搬送検知センサフラグ117が検知位置に移動していることを検知することにより、幅広のシートが搬送されていることを検知する。
【0068】
なお、この後、シートの後端が搬送検知センサフラグ117を抜けるが、この時、右及び左シート幅センサフラグ120,121は回動位置に移動している。このため、搬送検知センサフラグ117は、シート後端が通過しても、連結部117Aが右及び左シート幅センサフラグ120,121の連結部120A,121Aに押された状態となっているので、待機位置に戻ることはできない。
【0069】
この結果、搬送検知センサフラグ117が待機位置に戻るのは、右及び左シート幅センサフラグ120,121が待機位置に戻るときとなる。つまり、搬送検知センサフラグ117が待機位置に戻るのは、右及び左シート幅センサフラグ120,121が待機位置に戻る時間と同じになる。
【0070】
図12は、幅狭のシートを搬送する場合の第1及び第2検知部130A,131Aの動作を示す図である。幅狭のシートSが搬送されてくると、搬送検知センサフラグ117は回動するが、右及び左シート幅センサフラグ120,121はシートSと接触せず回動しないため、リンク部材122も回動しない。そして、制御部1Fは、搬送検知センサフラグ117が検知位置にあり、リンク部材122は回動せず待機位置にあることを第1及び第2検知部130A,131Aによって検知することで、幅狭のシートSが搬送されていることを検知する。
【0071】
一方、シートを片側に寄せて搬送した場合、既述したように右及び左シート幅センサフラグ120,121の一方しか回動しないため、リンク部材122は回動できず、第2フォトインタラプタ131は、リンク部材122の回動を検知しない。なお、この場合も、搬送検知センサフラグ117は第1フォトインタラプタ130を遮光する位置にあるので、制御部1Fは、シートの通過を検知する。したがって、この場合、制御部1Fは、定着装置12を保護するための制御を行う。
【0072】
また、本実施の形態においても、右及び左シート幅センサフラグ120,121の片側が回動位置で固定された状態になった場合、搬送検知センサフラグ117が検知位置で保持されるようになっている。これにより、制御部1Fは、右及び左シート幅センサフラグ120,121のどちらかがスタックしていると判断し、定着装置12を保護するための制御を行う。
【0073】
ところで、既述したように、搬送検知センサフラグ117がシートの先端により押圧されるタイミングは、右及び左シート幅センサフラグ120,121の当接片がシートにより押圧されるタイミングよりも早くなる。つまり、本実施の形態では、定着装置12の定着部を通過したシートにより押圧されて搬送検知センサフラグ117が待機位置に移動してから右及び左シート幅センサフラグ120,121が待機位置に移動する。
【0074】
ここで、例えば定着装置12へのシート巻きつきJAM検知を検知する場合、早めの先端検知が要求される。そこで、このようなシート巻きつきJAM検知を検知する場合には、本実施の形態にように、第1検知部130Aの検知動作が終了してから第2検知部131Aが検知動作する構成の方が、先端検知を早めることができる。つまり、本実施の形態のように、第1検知部130Aが搬送検知センサフラグ117を検知するタイミングの方が、第2検知部131Aがリンク部材122を検知するタイミングよりも早くすることにより、シートの先端検知を早めることが可能となる。
【符号の説明】
【0075】
1…プリンタ、1A…プリンタ本体、1B…画像形成部、1F制御部、12…定着装置、117…搬送検知センサフラグ、117A…連結部、120…右シート幅センサフラグ、121…左シート幅センサフラグ、120A,121A…連結部、122…リンク部材、122A…当接部、130…第1フォトインタラプタ、130A…第1検知部、131…第2フォトインタラプタ、131A…第2検知部、R…シート搬送路、S…シート
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートに転写されたトナー像を加熱してシート上に定着させる定着装置を備えた画像形成装置において、
シートが通過するシート搬送路と、
トナー像が定着されたシートに押圧されて回動する前記シート搬送路に設けられた第1フラグを有し、回動した前記第1フラグを検知してシートの通過を検知する第1検知部と、
所定のシート搬送方向と直交する幅方向の長さ以上の長さを有するシートが搬送される際、シートに押圧されてそれぞれ回動する前記シート搬送路の幅方向の両端部に設けられた2つの第2フラグ及び2つの前記第2フラグの両方が回動した場合に前記第2フラグと連動して回動するリンク部材を有し、回動した前記リンク部材を検知して通過するシートが所定の幅方向長さ以上の長さを有するシートであることを検知する第2検知部と、を備え、
シートが搬送される前に、2つの前記第2フラグのうちの少なくとも一方が回動している場合には、前記第1検知部が前記第1フラグを検知するように、回動している前記第2フラグと連動して前記第1フラグを回動させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記定着装置の加熱温度を制御する制御部、を備え、
前記制御部は、前記第2検知部からの信号に基づきシートが所定の幅方向長さ以上の長さを有するシートでないと判断した場合、及びシートが搬送される前に、前記第1検知部が前記第1フラグを検知している場合には、前記定着装置の加熱温度を下げるよう制御することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
2つの前記第2フラグは、回動した際、前記第1フラグを押圧して回動させる押圧部を有することを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記リンク部材は、前記第2フラグの両方が回動した際、2つの前記第2フラグの押圧部の回動に伴って回動することを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第1検知部が前記第1フラグを検知しなくなるタイミングの方が、前記第2検知部が前記リンク部材を検知しなくなるタイミングよりも遅くなるようにしたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第2検知部が前記リンク部材を検知するタイミングよりも、前記第1検知部が前記第1フラグを検知するタイミングの方が早くなるようにしたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項1】
シートに転写されたトナー像を加熱してシート上に定着させる定着装置を備えた画像形成装置において、
シートが通過するシート搬送路と、
トナー像が定着されたシートに押圧されて回動する前記シート搬送路に設けられた第1フラグを有し、回動した前記第1フラグを検知してシートの通過を検知する第1検知部と、
所定のシート搬送方向と直交する幅方向の長さ以上の長さを有するシートが搬送される際、シートに押圧されてそれぞれ回動する前記シート搬送路の幅方向の両端部に設けられた2つの第2フラグ及び2つの前記第2フラグの両方が回動した場合に前記第2フラグと連動して回動するリンク部材を有し、回動した前記リンク部材を検知して通過するシートが所定の幅方向長さ以上の長さを有するシートであることを検知する第2検知部と、を備え、
シートが搬送される前に、2つの前記第2フラグのうちの少なくとも一方が回動している場合には、前記第1検知部が前記第1フラグを検知するように、回動している前記第2フラグと連動して前記第1フラグを回動させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記定着装置の加熱温度を制御する制御部、を備え、
前記制御部は、前記第2検知部からの信号に基づきシートが所定の幅方向長さ以上の長さを有するシートでないと判断した場合、及びシートが搬送される前に、前記第1検知部が前記第1フラグを検知している場合には、前記定着装置の加熱温度を下げるよう制御することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
2つの前記第2フラグは、回動した際、前記第1フラグを押圧して回動させる押圧部を有することを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記リンク部材は、前記第2フラグの両方が回動した際、2つの前記第2フラグの押圧部の回動に伴って回動することを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第1検知部が前記第1フラグを検知しなくなるタイミングの方が、前記第2検知部が前記リンク部材を検知しなくなるタイミングよりも遅くなるようにしたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第2検知部が前記リンク部材を検知するタイミングよりも、前記第1検知部が前記第1フラグを検知するタイミングの方が早くなるようにしたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−114140(P2013−114140A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−261694(P2011−261694)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]