説明

画像形成装置

【課題】白紙エリアを特定することで、原稿サイズの判定を短時間で行うことができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】エリアパターン記憶部11に判定用の原稿サイズである第1エリアを含む複数のエリアからなるエリアパターンを記憶しておき、
白紙判定部12は、エリアパターンを用いて読み取った画像データを分割し、各エリアの白紙判定をそれぞれ行い、原稿サイズ判定部13は、第1エリアが白紙でないと判定され、第1エリア以外の全てのエリアが白紙判定された場合に、第1エリアのサイズを原稿サイズと判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に係り、特に原稿サイズを判定する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、原稿中の画像サイズを識別する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、原稿から読み取った画像データの画素毎の画像濃度を判別し、画像領域の画素と判別された場合、該画素の主走査方向及び副走査方向の画像位置のカウント値をピックアップする。次に、ピックアップしたカウント値と、主走査方向及び副走査方向の最小値および最大値とを比較し、当該主走査方向および副走査方向の最小値および最大値を更新していく。最後に、原稿読み込み終了後に、上記主走査方向および副走査方向の最小値および最大値を解析して、画像サイズを判定し、判定した画像サイズに基づいて原稿サイズを特定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−112479号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、1画素毎の画素濃度に基づいて、地肌部分もしくは画像部分の判定を実施する必要があり、処理する情報量が膨大になってしまうため、画像サイズの判定時間が長くなり、原稿サイズの判定を短時間で行うことができないという問題点があった。すなわち、原稿がA3を主走査方向及び副走査方向を600dpiで読み込む場合を想定すると、画素数は約7000万dotになり、約7000万回も同じ処理を繰り返して実施する必要がある。
【0005】
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、従来技術の問題を解決し、白紙エリアを特定することで、原稿サイズの判定を短時間で行うことができる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像形成装置は、判定用の原稿サイズである第1エリアを含む複数のエリアからなるエリアパターンが記憶されているエリアパターン記憶手段と、前記エリアパターンを用いて読み取った画像データを分割し、各エリアの白紙判定をそれぞれ行う白紙判定手段と、前記第1エリアが白紙でないと判定され、前記第1エリア以外の全てのエリアが白紙判定された場合に、前記第1エリアのサイズを原稿サイズと判定する原稿サイズ判定手段とを具備することを特徴とする。
さらに、本発明の画像形成装置において、前記エリアパターン記憶手段には、前記第1エリアのサイズが異なる複数の前記エリアパターンが記憶されており、前記白紙判定手段は、最初に、前記第1エリアのサイズが最も小さい前記エリアパターンを用いて読み取った画像データを分割し、各エリアの白紙判定をそれぞれ行い、前記原稿サイズ判定手段は、前記第1エリアが白紙でないと判定され、前記第1エリア以外に白紙でないと判定されたエリアがある場合に、前記第1エリアのサイズが次に大きい前記エリアパターンへの変更を前記白紙判定手段に指示することを特徴とする。
さらに、本発明の画像形成装置において、前記原稿サイズ判定手段は、前記第1エリアが白紙でないと判定され、前記第1エリア以外に白紙でないと判定されたエリアがあり、さらに、前記第1エリアのサイズが次に大きい前記エリアパターンが存在しない場合に、最大サイズを原稿サイズと判定することを特徴とする。
さらに、本発明の画像形成装置において、前記エリアパターン記憶手段には、前記第1エリアのサイズが異なる複数の前記エリアパターンが記憶されており、前記白紙判定手段は、最初に、前記第1エリアのサイズが最も大きい前記エリアパターンを用いて読み取った画像データを分割し、各エリアの白紙判定をそれぞれ行い、前記原稿サイズ判定手段は、前記第1エリアが白紙でないと判定され、前記第1エリア以外の全てのエリアが白紙判定された場合に、前記第1エリアのサイズが次に小さい前記エリアパターンへの変更を前記白紙判定手段に指示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、判定用の原稿サイズである第1エリアを含む複数のエリアからなるエリアパターンを用いて読み取った画像データを分割し、各エリアの白紙判定をそれぞれ行い、第1エリアが白紙でないと判定され、第1エリア以外の全てのエリアが白紙判定された場合に、第1エリアのサイズを原稿サイズと判定するように構成することにより、原稿の中の白紙エリアを簡単に特定することができ、原稿サイズの判定を短時間で行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に係る画像形成装置の実施の形態の内部構成を示す概略模式断面図である。
【図2】図1に示す画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示すエリアパターン記憶部に記憶されているエリアパターン例を示す説明図である。
【図4】図4に示すエリアパターン例を用いる原稿サイズ判定動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】図4に示すエリアパターン例を用いる原稿サイズ判定動作を説明するための説明図である。
【図6】図4に示すエリアパターン例を用いる原稿サイズ判定動作を説明するための説明図である。
【図7】図4に示すエリアパターン例を用いる他の原稿サイズ判定動作を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明の実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
本実施の形態の画像形成装置1は、複写機であり、図1を参照すると、原稿読取部2と、原稿給送部3と、本体部4と、スタックトレイ5と、操作部6とを備えている。原稿読取部2は、本体部5の上部に配設され、原稿給送部3は、原稿読取部2の上部に配設されている。スタックトレイ5は、本体部4の形成された記録紙の排出口41側に配設され、また、スタートキーやテンキーやLCD等からなる操作部6は、画像形成装置1の手前側に配設されている。
【0010】
原稿読取部2は、スキャナー21と、プラテンガラス22と、原稿読取スリット23とを備える。スキャナー21は、露光ランプ及びCCD(Charge Coupled Device)センサ等から構成され、原稿給送部3による原稿の搬送方向に移動可能に構成されている。プラテンガラス22は、ガラス等の透明部材により構成された原稿台である。原稿読取スリット23は、原稿給送部3による原稿の搬送方向と直交方向に形成されたスリットを有する。
【0011】
プラテンガラス22に載置された原稿を読み取る場合には、スキャナー21は、プラテンガラス22に対向する位置に移動され、プラテンガラス22に載置された原稿を走査しながら原稿を読み取って画像データを取得し、取得した画像データを本体4に出力する。また、原稿給送部3により搬送された原稿を読み取る場合には、スキャナー21は、原稿読取スリット23と対向する位置に移動され、原稿読取スリット23を介し、原稿給送部3による原稿の搬送動作と同期して原稿を読み取って画像データを取得し、取得した画像データを本体4に出力する。
【0012】
また、原稿読取部2には、読み取る原稿のサイズを検出するための原稿検出センサ(不図示)が設けられており、操作部6の操作によって、原稿検知モードが紙サイズ優先モードに設定されている場合には、原稿検出センサによって検出されたサイズで原稿を読み取る。画像形成装置1においては、原稿検知モードとして紙サイズ優先モード以外に画像サイズ優先モードが設けられている。操作部6の操作によって、原稿検知モードが画像サイズ優先モードに設定されている場合には、プラテンガラス22で読み取ることができる最大サイズで原稿を読み取る。なお、本実施の形態では、最大サイズをA3として説明する。
【0013】
原稿給送部3は、原稿載置部31と、原稿排出部32と、原稿搬送機構33とを備えている。原稿載置部31に載置された原稿は、原稿搬送機構33によって、1枚ずつ順に繰り出されて読取スリット23に対向する位置へ搬送され、その後、原稿排出部22に排出される。なお、原稿給送部3は、可倒式に構成され、原稿給送部3を上方に持ち上げることで、プラテンガラス22の上面を開放させることができる。
【0014】
本体部4は、記録部7を備えると共に、給紙部42と、用紙搬送路43と、搬送ローラー44と、排出ローラー45とを備えている。給紙部42は、それぞれサイズ又は向きが異なる記録紙を収納する複数の給紙カセット42a1〜42anと、給紙カセット42a1〜42anから記録紙を1枚ずつ用紙搬送路43に繰り出す給紙ローラー42b1〜42bnとを備えている。給紙ローラー42b1〜42bn、搬送ローラー44及び排出ローラー45が搬送部として機能し、記録紙が搬送される。給紙ローラー42b1〜42bnによって用紙搬送路43に繰り出された記録紙は、搬送ローラー44によって記録部7に搬送される。そして、記録部7によって記録が施された記録紙は、排出ローラー45によってスタックトレイ5に排出される。なお、本実施の形態では、7個の給紙カセット42a1〜42a7が備えられ、7種類のサイズが異なる記録紙(A3、B4、A4、B5、A5、B6、A6)がそれぞれセットされているものとする。
【0015】
記録部7は、感光体ドラム71と、露光部72と、画像形成部73と、転写部74と、定着部75とを備えている。露光部72は、レーザー装置やミラー等を備えた光学ユニットであり、画像データに基づいてレーザー光を出力して感光体ドラム71を露光し、感光体ドラム71の表面に静電潜像を形成する。画像形成部73は、トナーを用いて感光体ドラム71に形成された静電潜像を現像する現像ユニットであり、静電潜像に基づいたトナー像を感光体ドラム71上に形成させる。転写部74は、画像形成部73によって感光体ドラム71上に形成されたトナー像を記録紙に転写させる。定着部75は、転写部74によってトナー像が転写された記録紙を加熱してトナー像を記録紙に定着させる。
【0016】
図2には、画像形成装置1の概略構成を示すブロック図が示されている。上述の原稿読取部2、原稿給紙部3、搬送部(給紙ローラー42b1〜42bn、搬送ローラー44、排出ローラー45)、操作部6及び記録部7は、制御部8に接続され、制御部8によって動作制御される。また、制御部8には、記憶部9と、画像処理部10と、エリアパターン記憶部11と、白紙判定部12と、原稿サイズ判定部13とが接続されている。
【0017】
制御部8は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えたマイクロコンピュータ等の情報処理部である。ROMには画像形成装置1の動作制御を行うための制御プログラムが記憶されている。制御部8は、ROMに記憶されている制御プログラムを読み出し、制御プログラムをRAMに展開させることで、操作部6から入力された所定の指示情報に応じて装置全体の制御を行う。
【0018】
記憶部9は、半導体メモリやHDD(Hard Disk Drive)等の記憶手段であり、原稿読取部2によって原稿を読み取ることで取得された画像データ、原稿サイズ判定部13によって判定された原稿サイズ等が記憶される。
【0019】
画像処理部10は、画像データに対して所定の画像処理を行う手段であり、例えば、拡大縮小処理や、濃度調整、階調調整等の画像改善処理が行われる。
【0020】
エリアパターン記憶部11は、最大サイズ(A3)の画像データを複数の矩形領域に分割するためのエリアパターンが記憶されている。エリアパターンは、図3を参照すると、原稿をセットする基準点Xを含むエリア1と、主走査方向においてエリア1と同一の幅を有し、エリア1の副走査方向側の全域であるエリア2と、エリア1及びエリア2以外のエリア3とからなる。エリア1は、判定を行う原稿サイズに設定されており、図3(a)〜(f)に示すように、最大サイズ(A3)を除く、原稿サイズ(A6、B6、A5、B5、A4、B4)判定用エリアパターンがそれぞれ記憶されている。なお、エリアパターン記憶部11には、給紙カセット42a1〜42anにセットされている記録紙の内、少なくとも、最大サイズを除いた全ての記録紙サイズにそれぞれ対応した原稿サイズ判定用エリアパターンが記憶されている。なお、本実施の形態では、エリアパターン記憶部11を記憶部9と別構成としたが、記憶部9にエリアパターンを記憶させるようにしても良い。また、本実施の形態では、画像形成装置1に向かってプラテンガラス22の左手奥側の頂点が基準点Xとなっている。
【0021】
白紙判定部12は、記憶部9に最大サイズで記憶されている画像データを、原稿サイズ判定部13によって指定されたエリアパターンで分割し、各エリアの白紙判定を行い、判定結果を原稿サイズ判定部13に出力する。白紙判定方法としては、例えばエリア内の各画素情報等に基づいて黒画素を計数し、黒画素が所定数以下の場合は白紙であると判定することができる。
【0022】
原稿サイズ判定部13は、白紙判定部12に対して白紙判定に用いるエリアパターンを指定すると共に、白紙判定部12による各エリアの白紙判定結果に基づいて、原稿サイズを判定し、原稿サイズ判定結果を制御部8に出力する。なお、本実施の形態では、白紙判定部12及び原稿サイズ判定部13を制御部8とは別構成とした。これにより、白紙判定部12及び原稿サイズ判定部13をハード化することより、処理速度をさらにアップすることができると共に、制御部8の負荷を軽減させることができる。なお、白紙判定部12及び原稿サイズ判定部13の動作を制御プログラムにしておき、制御部8によって実行するようにしても良い。
【0023】
次に、本実施の形態の画像形成装置1において、原稿検知モードが画像サイズ優先モードに設定されている場合の原稿サイズ判定動作について図4乃至図6を参照して詳細に説明する。
操作部6の操作によって、原稿検知モードが画像サイズ優先モードに設定されている場合には、原稿読取部2は、プラテンガラス22で読み取ることができる最大サイズで原稿を読み取り、最大サイズの画像データが記憶部9に記憶される。
【0024】
図4を参照すると、原稿サイズ判定部13は、まず、エリアパターン記憶部11に記憶されているエリアパターンの中で判定用の原稿サイズが最小である最小サイズのエリアパターンを指定し、白紙判定部12は、記憶部9に最大サイズで記憶されている画像データを最小サイズのエリアパターンで分割する(ステップA1)。
【0025】
次に、白紙判定部12は、分割した各エリアの白紙判定を行い(ステップA2)、白紙判定結果を原稿サイズ判定部13に通知する。白紙判定部12から白紙判定結果が通知された原稿サイズ判定部13は、全エリアが白紙か否かを判断し(ステップA3)、全エリアが白紙である場合には、原稿が白紙であると原稿白紙判定を行い(ステップA4)、原稿サイズ判定動作を終了させる。なお、原稿白紙判定は、原稿サイズ判定部13から制御部8に通知され、制御部8は、操作部6に設けられているLCD等の表示部に原稿が白紙であることを知らせるメッセージを表示させ、操作者に原稿白紙判定を通知する。
【0026】
ステップA3で白紙でないエリアが存在する場合には、白紙判定部12は、判定用の原稿サイズであるエリア1が白紙であるか否かを判断する(ステップA5)。ステップA5でエリア1が白紙でない場合(ステップA5でNo)には、白紙判定部12は、エリア2及びエリア3のいずれもが白紙であるか否かを判断する(ステップA6)。図5(a)に示すような画像データAの場合には、最小サイズのエリアパターンであるエリアパターン(A6判定用)で分割すると、図5(b)に示すように、エリア1及びエリア2が白紙でなく、エリア3が白紙であると判定される。従って、ステップA3で白紙でないエリアが存在すると判断され、ステップA5でエリア1が白紙でないと判断され、さらに、ステップA6でエリア2及びエリア3のいずれもが白紙でないと判断されることになる。
【0027】
ステップA6でエリア2及びエリア3のいずれもが白紙でない場合(ステップA6でNo)には、原稿サイズ判定部13は、エリアパターン記憶部11に次のサイズのエリアパターン、すなわち判定用の原稿サイズ(エリア1のサイズ)が次に大きいエリアパターンが存在するか否かを判断する(ステップA7)。ステップA7で次のサイズのエリアパターンが存在する場合(ステップA7でYes)には、原稿サイズ判定部13は、次のサイズのエリアパターンを指定し、白紙判定部12は、記憶部9に最大サイズで記憶されている画像データを次のサイズのエリアパターンで分割し(ステップA8)、ステップA2の処理に戻る。以下、ステップA3及びステップA5では、いずれも「No」と判断されるため、エリアパターンを変更して判定用の原稿サイズ(エリア1のサイズ)を大きくしながら、ステップA6でエリア2及びエリア3のいずれもが白紙であるか否かが判断されることになる。ステップA6でエリア2及びエリア3のいずれもが白紙である場合(ステップA6でYes)には、原稿サイズ判定部13は、原稿サイズを画像データの分割に用いたエリアパターンの原稿サイズ(エリア1のサイズ)と判定し(ステップA9)、原稿サイズ判定動作を終了させる。判定された原稿サイズは、原稿サイズ判定部13から制御部8に通知され、制御部8は、判定された原稿サイズの記録紙にエリア1の画像データを記録させる。図5(a)に示すような画像データAの場合には、図5(c)に示すように、エリアパターン(B6判定用)で分割すると、ステップA6でエリア2及びエリア3のいずれもが白紙になるため、原稿サイズがB6であると判定されることになる。
【0028】
また、次のサイズのエリアパターンが存在しない場合(ステップA7でNo)には、原稿サイズ判定部13は、原稿サイズを最大サイズ(A3)と判定し(ステップA10)、原稿サイズ判定動作を終了させる。すなわち、エリアパターン記憶部11に記憶されているエリアパターンの中で判定用の原稿サイズが最大である、図3(f)に示すエリアパターン(B4判定用)で画像データを分割した場合にも、エリア2及びエリア3のいずれもが白紙でないため、原稿サイズがA3であると判定される。判定された原稿サイズ(A3)は、原稿サイズ判定部13から制御部8に通知され、制御部8は、判定された原稿サイズ(A3)の記録紙に画像データを記録させる。
【0029】
一方、ステップA5でエリア1が白紙である場合(ステップA5でYes)には、原稿サイズ判定部13は、エリア2が白紙である否かを判断する(ステップA11)。ステップA11でエリア2が白紙である場合(ステップA11でYes)、すなわちエリア1及びエリア2のいずれもが白紙で、エリア3のみが白紙でない場合には、原稿サイズ判定部13は、エリアパターン記憶部11に記憶されているエリアパターンを左右(副走査方向を軸)に反転させるエリアパターン左右反転処理を行い(ステップA12)、ステップA1の処理に戻る。図5(d)に示すような画像データBの場合には、画像データをエリアパターン(A6判定用)で分割すると、図5(e)に示すように、エリア1及びエリア2のいずれもが白紙で、エリア3のみが白紙でないと判定される。従って、ステップA12でエリアパターン左右反転処理が行われる。エリアパターン左右反転処理は、図5(f)に示すように、基準点Xを左上の頂点から右上の頂点に変更、すなわち基準点Xを画像形成装置1に向かってプラテンガラス22の左手奥側の頂点から左手手前側の頂点に変更して原稿サイズ判定動作を行うことを意味する。これにより、画像形成装置1に向かってプラテンガラス22の左手手前側の頂点を基準として比較的小さい原稿をセットしてしまった場合でも、図5(f)に示すように、適切な原稿サイズを判定することができる。なお、エリアパターン左右反転処理は、エリアパターン記憶部11に記憶されているエリアパターンを左右反転させて用いることを意味し、エリアパターン記憶部11に記憶されているエリアパターン自体を左右反転させる必要はない。
【0030】
ステップA11でエリア2が白紙でない場合(ステップA11でNo)、原稿サイズ判定部13は、エリア3が白紙である否かを判断する(ステップA13)。ステップA13でエリア3が白紙である場合(ステップA13でYes)、すなわちエリア1及びエリア3のいずれもが白紙で、エリア2のみが白紙でない場合には、白紙判定部12は、エリアパターン記憶部11に記憶されているエリアパターンを上下(主走査方向を軸)に反転させるエリアパターン上下反転処理を行い(ステップA14)、ステップA1の処理に戻る。図6(a)に示すような画像データCの場合には、画像データをエリアパターン(A6判定用)で分割すると、図6(b)に示すように、エリア1及びエリア3のいずれもが白紙で、エリア2のみが白紙でないと判定される。従って、ステップA14でエリアパターン上下反転処理が行われる。エリアパターン上下反転処理は、図6(c)に示すように、基準点Xを左上の頂点から左下の頂点に変更、すなわち基準点Xを画像形成装置1に向かってプラテンガラス22の左手奥側の頂点から右手奥側の頂点に変更して原稿サイズ判定動作を行うことを意味する。これにより、画像形成装置1に向かってプラテンガラス22の右手奥側の頂点を基準として比較的小さい原稿をセットしてしまった場合でも、図6(c)に示すように、適切な原稿サイズを判定することができる。なお、エリアパターン上下反転処理は、エリアパターン記憶部11に記憶されているエリアパターンを上下反転させて用いることを意味し、エリアパターン記憶部11に記憶されているエリアパターン自体を上下反転させる必要はない。
【0031】
ステップA13でエリア3が白紙でない場合(ステップA13でNo)、すなわちエリア1が白紙で、エリア2及びエリア3のいずれもが白紙でない場合には、ステップA7に至り、エリアパターンを変更して原稿サイズ判定動作が行われる。
【0032】
また、画像形成装置1に向かってプラテンガラス22の右手手前側の頂点を基準として比較的小さい原稿をセットしてしまった場合には、図6(d)に示すような画像データDになる。この場合には、図5(d)に示す画像データBと同様に、ステップA12でエリアパターン左右反転処理が行われ、図5(e)に示すように、基準点Xを左上の頂点から右上の頂点に変更、すなわち基準点Xを画像形成装置1に向かってプラテンガラス22の左手奥側の頂点から左手手前側の頂点に変更される。次に、図6(a)に示す画像データCと同様に、ステップA14でエリアパターン上下反転処理が行われ、図5(f)に示すように、基準点Xを右上の頂点から右下の頂点に変更、すなわち基準点Xを画像形成装置1に向かってプラテンガラス22の右手奥側の頂点から右手手前側の頂点に変更される。これにより、画像形成装置1に向かってプラテンガラス22の右手手前側の頂点を基準として比較的小さい原稿をセットしてしまった場合でも、適切な原稿サイズを判定することができる。
【0033】
なお、本実施の形態では、最小サイズのエリアパターンから用いて原稿サイズを判定するように構成したが、エリアパターン記憶部11に記憶されているエリアパターンの中で判定用の原稿サイズ(エリア1のサイズ)が最大である最大サイズのエリアパターンから用い、判定用の原稿サイズ(エリア1のサイズ)を小さくしながら原稿サイズを判定するようにしても良い。この場合には、まず、図7(a)に示す画像データEを、図7(b)に示すように、エリアパターン記憶部11に記憶されているエリアパターンの中で判定用の原稿サイズが最大であるエリアパターン(B4判定用)で分割する。これにより、エリア2及びエリア3のいずれもが白紙判定されるため、原稿サイズがB4以下であることが分かる。次に、図7(a)に示す画像データEを、図7(c)に示すように、次に判定用の原稿サイズが大きいエリアパターン(A4判定用)で分割する。これにより、エリア2及びエリア3のいずれもが白紙判定されるため、原稿サイズがA4以下であることが分かる。次に、図7(a)に示す画像データEを、図7(d)に示すように、次に判定用の原稿サイズが大きいエリアパターン(B5判定用)で分割する。これにより、エリア3が白紙でないため、原稿サイズがB5以下ではないことが分かり、原稿サイズがA4であると判定されることになる。
【0034】
比較的小さい原稿の場合には、最小サイズのエリアパターンから用いて原稿サイズの判定を行う方が、処理ステップが少なく有利であり、比較的大きい原稿の場合には、最大サイズのエリアパターンから用いて原稿サイズの判定を行う方が、処理ステップが少なく有利である。従って、最小サイズのエリアパターンから用いて原稿サイズの判定を行うか、最大サイズのエリアパターンから用いて原稿サイズの判定を行うかを操作部6によって選択できるようにすると良い。また、判定した原稿サイズの頻度によって、原稿サイズ判定部13が最小サイズのエリアパターンから用いて原稿サイズの判定を行うか、最大サイズのエリアパターンから用いて原稿サイズの判定を行うかを自動的に選択するようにしても良い。
【0035】
また、本実施の形態においては、記録紙の向きを横置き、すなわち副走査方向が長手方向になる場合について説明したが、横置きと縦置きとが混在する場合でも、本発明を適用することができる。この場合には、横置きの記録紙に対応するエリアパターンと共に、縦置きの記録紙に対応するエリアパターンを用意し、横置きの記録紙に対応するエリアパターンと、縦置きの記録紙に対応するエリアパターンとでそれぞれ原稿サイズを判定し、小さい方の原稿サイズを選ぶように構成すると良い。これにより、A5縦置き、A4横置き等の同じ幅で長さの異なる原稿サイズの検出も可能になる。
【0036】
以上説明したように、本実施の形態によれば、エリアパターン記憶部11に判定用の原稿サイズである第1エリアを含む複数のエリアからなるエリアパターンを記憶しておき、
白紙判定部12は、エリアパターンを用いて読み取った画像データを分割し、各エリアの白紙判定をそれぞれ行い、原稿サイズ判定部13は、第1エリアが白紙でないと判定され、第1エリア以外の全てのエリアが白紙判定された場合に、第1エリアのサイズを原稿サイズと判定するように構成することにより、原稿の中の白紙エリアを簡単に特定することができ、原稿サイズの判定を短時間で行うことができるという効果を奏する。
【0037】
なお、本実施の形態では、本発明に係る画像形成装置の例として、複写機を示したが、本発明に係る画像形成装置はこれに限定されるものではなく、原稿の読み取り機能や画像データ出力機能を有する機器、例えば、ファクシミリ装置、プリンタ、複合機(コピー、ファクシミリ装置、プリンタ等の機能を兼ね備えた画像形成装置)等であってもよい。
【0038】
なお、本発明が上記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、上記構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。なお、各図において、同一構成要素には同一符号を付している。
【符号の説明】
【0039】
1 画像形成装置
2 原稿読取部
3 原稿給送部
4 本体部
5 スタックトレイ
6 操作部
7 記録部
8 制御部
9 記憶部
10 画像処理部
11 エリアパターン記憶部
12 白紙判定部
13 原稿サイズ判定部
21 スキャナー
22 プラテンガラス
23 原稿読取スリット
31 原稿載置部
32 原稿排出部
33 原稿搬送機構
41 排出口
42 給紙部
43 用紙搬送路
44 搬送ローラー
45 排出ローラー
71 感光体ドラム
72 露光部
73 画像形成部
74 転写部
75 定着部
42a1〜42an 給紙カセット
42b1〜42bn 給紙ローラー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
判定用の原稿サイズである第1エリアを含む複数のエリアからなるエリアパターンが記憶されているエリアパターン記憶手段と、
前記エリアパターンを用いて読み取った画像データを分割し、各エリアの白紙判定をそれぞれ行う白紙判定手段と、
前記第1エリアが白紙でないと判定され、前記第1エリア以外の全てのエリアが白紙判定された場合に、前記第1エリアのサイズを原稿サイズと判定する原稿サイズ判定手段とを具備することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記エリアパターン記憶手段には、前記第1エリアのサイズが異なる複数の前記エリアパターンが記憶されており、
前記白紙判定手段は、最初に、前記第1エリアのサイズが最も小さい前記エリアパターンを用いて読み取った画像データを分割し、各エリアの白紙判定をそれぞれ行い、
前記原稿サイズ判定手段は、前記第1エリアが白紙でないと判定され、前記第1エリア以外に白紙でないと判定されたエリアがある場合に、前記第1エリアのサイズが次に大きい前記エリアパターンへの変更を前記白紙判定手段に指示することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記原稿サイズ判定手段は、前記第1エリアが白紙でないと判定され、前記第1エリア以外に白紙でないと判定されたエリアがあり、さらに、前記第1エリアのサイズが次に大きい前記エリアパターンが存在しない場合に、最大サイズを原稿サイズと判定することを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記エリアパターン記憶手段には、前記第1エリアのサイズが異なる複数の前記エリアパターンが記憶されており、
前記白紙判定手段は、最初に、前記第1エリアのサイズが最も大きい前記エリアパターンを用いて読み取った画像データを分割し、各エリアの白紙判定をそれぞれ行い、
前記原稿サイズ判定手段は、前記第1エリアが白紙でないと判定され、前記第1エリア以外の全てのエリアが白紙判定された場合に、前記第1エリアのサイズが次に小さい前記エリアパターンへの変更を前記白紙判定手段に指示することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−31052(P2013−31052A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−166611(P2011−166611)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】