画像形成装置
【課題】 近年要求の高まる低熱容量の省エネ型定着方式の画像形成装置において、非通紙部昇温抑制や、冷間時からの印字開始直後に発生する加圧ローラ結露に起因するスリップ防止のために必要な送風ファンの個数が増加傾向にある。ファンの個数が増加するとファン自体のコストアップのみならず、電源、電気回路、制御回路、ファンダクトやカバー等もその数に応じて必要となり、画像形成装置全体としてコストアップや装置の大型化を招くこととなってしまう。
【解決手段】 非通紙部昇温抑制のための送風ファンと結露スリップ防止用の送風ファンを共用し、装置本体の小型化、低コスト化を実現する。
【解決手段】 非通紙部昇温抑制のための送風ファンと結露スリップ防止用の送風ファンを共用し、装置本体の小型化、低コスト化を実現する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式や静電記録方式等を採用した、プリンタ、複写機、ファクシミリ、複合機等の画像形成装置に用いられる記録材上の画像を定着する定着手段に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記のような画像形成装置は、作像手段によりシート状の記録材(以下、紙とも記す)に未定着トナー像を形成した後、定着手段により、該トナー像を固着像として定着させている。
【0003】
定着手段については様々な方式が提案されている。その中でも、近年は、環境に配慮した省エネ型定着方式の必要性が高まってきている。加熱方式の定着装置の場合、セラミックヒータ等の低熱容量加熱体、低熱容量の加熱ベルトと加熱ベルトに対して加圧駆動する加圧ローラを用いて、冷間時から急速加熱できる定着装置が実用に供されている。
【0004】
しかしながら、この装置においても小サイズ紙を連続通紙して定着した場合に、加熱ベルトの非通紙域の表面の温度が過度に上昇する。これは、小サイズ紙を連続的に通紙すると、加熱ベルトのうち記録材の通過しない非通紙域では、加熱ベルトの熱は記録材によって奪われない状態で更に熱が供給され続けるためである。
【0005】
この現象は、定着装置の端部昇温あるいは非通紙部昇温と称され、この端部昇温が悪化すると、ホットオフセットが発生したり、装置を構成する部材が熱ダメージを受けたりする。
【0006】
更に、冷間時から連続通紙する場合、定着装置を通過した際に水蒸気が発生し、露点以上に昇温しきれていない加圧ローラに接触し結露が発生することがある。加圧ローラが結露すると、対向する加熱ベルトと加圧ローラ間の摩擦力が小さくなり、加熱ベルトと加圧ローラの間でスリップが発生することがある(以下結露スリップと呼ぶ)という課題もある。
【0007】
上記の課題のうち非通紙昇温については、特許文献1で、冷却用ファンから前記非通紙域側に冷却風を送風する際に、使用する記録材の幅に応じて、送風口の幅方向の長さを調節することによって、非通紙部昇温を防止している。 また、結露スリップについては、特許文献2で、定着装置の下方に結露防止用のファンを設けて、加圧ローラの駆動に応じて稼動させることにより、定着装置内の結露を防止する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−32903号公報
【特許文献2】特開2008−116858号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述した非通紙部昇温や結露スリップの対策の構成を用いると、定着装置だけで複数のファンが必要になってしまう。ファンの個数が増加するとファン自体だけでなく、電源、電気回路、制御回路、ファンダクトやカバー等もその数に応じて必要となり、画像形成装置全体としてコストアップや装置の大型化を招くという課題がある。
【0010】
近年、画像形成装置には省エネ性、印字生産性(1枚目の印字にかかる時間の短縮化も含む)、装置本体の小型化、低コスト化の要求も大きく、それらの要求を最大限満足させるためには、ファンの個数削減が大きく寄与することとなる。
【0011】
本発明は、このような技術的課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、非通紙部昇温抑制のための非通紙部冷却ファンと結露スリップ防止用の送風ファンを共用し、装置本体の小型化、低コスト化を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述の課題を解決するために、本発明は、記録材の上に転写するトナー像を形成する画像形成手段と、加熱体と、前記加熱体と共にニップ部を形成する加圧部材と、を有し、ニップ部でトナー像を担持した記録材を搬送しながら加熱してトナー像を記録材の上に定着する定着手段と、前記加熱体の記録材搬送方向に直交する方向の端部を冷却するための送風手段と、前記送風手段と前記加熱体の間に配置され、記録材の記録材搬送方向に直交する方向の幅に応じて送風領域を決めるために移動するシャッタと、を有する画像形成装置において、前記送風手段からの風を前記加圧部材まで誘導する風路を有することを特徴とするものである。
【0013】
更に、加熱体と、前記加熱体と共にニップ部を形成する加圧部材と、前記加熱体の記録材搬送方向に直交する方向の端部を冷却するための送風手段と、前記送風手段と前記加熱体の間に配置され、記録材の記録材搬送方向に直交する方向の幅に応じて送風領域を決めるために移動するシャッタと、を有し、トナー像を担持した記録材を搬送しながら加熱してトナー像を記録材の上に定着する定着手段と、を有する定着装置において、前記送風手段からの風を前記加圧部材まで誘導する風路を有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
非通紙部昇温抑制のための送風ファンと結露スリップ対策用の送風ファンを共用することが可能となり、装置本体の小型化及び低コスト化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施例における画像形成装置の横断面模式図
【図2】送風手段を備えた実施例における定着装置の斜視図(その1)
【図3】送風手段を備えた実施例における定着装置の斜視図(その2)
【図4】定着手段の断面模式図
【図5】定着手段の分解斜視図
【図6】送風手段と定着手段の部分断面図(その1)
【図7】送風手段と定着手段の部分断面図(その2)
【図8】実施例のシャッタ動作を示す断面模式図(シャッタ閉状態)
【図9】実施例のシャッタ動作を示す断面模式図(シャッタ開状態)
【図10】定着枚数に対する加圧ローラと加熱ベルトの温度を示す図(最大幅記録材)
【図11】定着枚数に対する加圧ローラと加熱ベルトの温度を示す図(小幅記録材)
【図12】実施例の定着手段の動作を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0016】
(実施例)
1)画像形成装置
本実施例に係る定着手段を備えた画像形成装置について説明する。図1は本実施例に係る画像形成装置の概略構成図である。
【0017】
画像形成装置は、像担持体としての感光ドラム10を備え、感光ドラム10は駆動手段である不図示の本体駆動モータによって、矢印の方向に所定のプロセススピードで回転駆動される。ここでは画像形成装置のプロセススピードは250mm/secである。
【0018】
感光ドラム10の周囲には、その回転方向に沿って順に、帯電装置としての帯電ローラ11、露光装置8、現像装置14、転写装置としての転写ローラ12等が配置されている。これらの装置と感光体ドラムとによって、記録材に画像を形成する画像形成手段を構成している。
【0019】
また、装置本体下部には、記録材(紙、印刷紙、用紙シート、OHTシート、光沢紙、光沢フィルム等)Pを収納した給送カセット1が配置されている。また、記録材Pの搬送経路に沿って順に、給送ローラ7、搬送ローラ5、感光ドラム10と転写ローラ12、搬送ガイド4、6、13、定着手段F、排出ローラ35、排出トレイ34が配置されている。
【0020】
次に、上述した構成の画像形成装置の動作を説明する。
不図示の本体駆動モータによって矢印方向に回転駆動された感光ドラム1は、帯電ローラ2によって所定の極性、所定の電位に一様に帯電される。露光装置8はレーザスキャナであり、不図示のコンピュータ・画像読取装置等のホスト装置から入力される画像情報の信号に対応したレーザ光を出力し、そのレーザ光で不図示の折り返しミラー9を介して感光ドラム10面を走査露光する。すると、感光ドラム10の露光部分の電荷が除去されて静電潜像が形成される。静電潜像は、現像装置14によって現像される。現像装置14は、現像ローラを有し、この現像ローラに現像バイアスを印加して感光ドラム10上の静電潜像にトナーを付着させトナー像として現像(顕像化)する。感光ドラム10上のトナー像は、転写ローラ12によって記録材Pに転写される。
【0021】
一方、記録材Pは、給送カセット1から給送ローラ7によって一枚ずつ給送され、搬送ローラ5によって感光ドラム10と転写ローラ12間の転写ニップ部に向けて搬送される。
このとき記録材Pは、不図示のトップセンサによって先端が検知され、感光ドラム10上のトナー像と同期がとられる。転写ローラ12には、転写バイアスが印加され、これにより、感光ドラム10上のトナー像が記録材P上の所定の位置に転写される。
【0022】
転写によって表面に未定着トナー像を担持した記録材Pは、搬送ガイド12を沿って定着入口ガイド16に搬送され、定着手段Fに案内される。未定着トナー像はここで加熱、加圧されて記録材P上に定着される。トナー像が定着された記録材Pは、排出分離ガイド29に沿って分離ガイドローラ33へと搬送され、排出ローラ35から装置本体上面の排出トレイ34上に排出される。
【0023】
以上の動作を繰り返すことで、次々に画像形成を行うことができる。
【0024】
(2)定着手段F
以下の説明において、定着手段又はこれを構成している部材について長手方向とは記録材搬送路面内において記録材搬送方向に直交する方向に並行な方向である。定着手段に関して、正面とは記録材導入側の面、左右とは装置を正面から見て左又は右である。記録材の幅とは記録材面において記録材搬送方向に直交する方向の記録材寸法である。
図2及び図3の定着手段Fは、異なる視点からの見た定着手段Fの外観斜視図である。図4は定着装置Fの横断面図である。この定着手段Fは、大別して、ベルト加熱方式の定着ユニット部(定着器)F−aと、送風ユニット部F−b とからなる。
【0025】
(2−1)定着ユニット部F−a
まず、図4及び図5を参照して、定着ユニット部F−aの構成を説明する。図5は定着ユニット部F−aの分解斜視図である。
【0026】
定着ユニット部F−aは、ベルト加熱方式・加圧回転体駆動方式のオンデマンド定着装置である。
【0027】
22は定着ベルト、23は加圧部材としての加圧ローラである。この定着ベルト22と加圧ローラ23の両者の圧接により定着ニップ部Nを形成させている。
【0028】
21は横断面略半円弧状樋型の耐熱性・剛性を有する定着ステー(ヒータ保持部材兼定着ベルトガイド部材)である。20は加熱体としてのセラミックヒータ(以下、ヒータと略記する)であり、定着ステー21の外面に、定着ステーの長手に沿って設けた凹溝部に嵌め入れて固定して配設してある。定着ベルト22はヒータ20を取り付けた定着ステー21に対してルーズに外嵌させてある。24a及び24bは定着ステー21の両端部の外方突出腕部にそれぞれ嵌着したフランジである。
【0029】
定着ベルト22は、筒状で、耐熱性樹脂ベルトや金属ベルトをベース層にして、その外周面に、弾性層及び離型層を付加した複合層構造体であり、全体的に肉薄で、可撓性を有し、高熱伝導率・低熱容量の部材である。
【0030】
セラミックヒータ20は、定着ベルト22・記録材Pの搬送方向に直交する方向を長手とする低熱容量の横長・肉薄の線状加熱体である。チッ化アルミニウム・アルミナ等のセラミック材のヒータ基板と、このヒータ基板面に形成した銀−パラジウム等の通電発熱層と、を基本構成としている。本実施例のセラミックヒータは2本の発熱体を持つ。長手方向で中央付近と端部付近の抵抗値分布をそれぞれ変えてあり、前記2本の発熱体の通電比率を独立通電制御することにより、通紙する記録材の幅方向寸法に応じてある程度制御できるものである。
【0031】
すなわち、記録材の記録材搬送方向に直交する方向の幅が、装置で通紙可能な記録材で最大のもの(以下、最大幅記録材とする)を通紙する際には、発熱層全域にわたって均一に発熱することができる。一方、最大幅記録材よりも上記幅が小さい記録材を通紙する際は、発熱体の中央付近より端部付近の発熱量を20〜40%程度低く抑えて発熱を行うことができる。
【0032】
加圧部材としての 加圧ローラ23は、芯金23aに、シリコーンゴム等の弾性層23bを設けて硬度を下げたものである。表面性を向上させるために、さらに外周に、PTFE、PFA、FEP等のフッ素樹脂層を設けてもよい。加圧ローラ23は、記録材搬送方向に直交する方向の端部が装置フレーム(不図示)の側板間に軸受部材(不図示)を介して回転自在に保持されている。
【0033】
上記の加圧ローラ23に対して、定着ベルト22を、ヒータ20側を対向させて平行に配列する。そして、記録材搬送方向に直交する方向の端部のフランジ24を、ステンレス製の圧縮コイル線材を用いた加圧バネ61a及び61b等で構成した左右の加圧機構により所定の力Fで加圧ローラ23の軸線方向に付勢する。これにより、ヒータ20の面が定着ベルト22を介して加圧ローラ23に対して弾性層32bの弾性に抗して圧接し、加熱定着に必要な定着ニップ部Nが形成される。また、入り口ガイド16と出口ガイド29は装置フレーム(不図示)に組付けてある。
【0034】
25は加圧ローラ23の芯金32aの左端部に固着した加圧ローラギアである。この加圧ローラギア25に定着モータM1の回転力が動力伝達機構(不図示)を介して伝達されることで、加圧ローラ23が図4において矢印の時計方向に回転駆動される。この加圧ローラ23の回転駆動により、加圧ローラ23と定着ベルト22の外面との定着ニップ部Nにおける摩擦力で定着ベルト22に回転力が作用する。これにより、定着ベルト22が、その内面が定着ニップ部Nにおいてヒータ20に密着して摺動しながら矢印の時計方向に定着ステー21の外回りを回転する。定着ベルト22は加圧ローラ23の回転周速度にほぼ対応した周速度をもって回転する。フランジ24は、回転する定着ベルト22が定着ステー21の長手に沿って左方又は右方に寄り移動したとき寄り側のベルト端部を受け止めて移動を規制する役割をする。定着ベルト22の内面には潤滑剤を塗布して、ヒータ20及び定着ステー21に対する定着ベルト22の摺動性を確保している。
【0035】
入り口ガイド16に案内されて定着ニップ部Nに導入された記録材Pは、回転する加圧ローラ23と定着ベルト22により挟持搬送される。本実施例では、記録材Pの搬送は、記録材の記録材搬送方向に直交する方向の中央、いわゆる中央基準搬送で行われる。すなわち、装置で通紙可能な全サイズの記録材は、記録材幅方向中央部が定着ベルト22の長手方向中央部を通過する。図6〜図9において、Sはその記録材中央通紙基準線(仮想線)である。
【0036】
図5においてTH1及びTH2は、それぞれ第1の温度検知手段及び第2の温度検知手段としてのメインサーミスタ及びサブサーミスタである。メインサーミスタTH1は、装置で通紙可能な全てのサイズの記録材が通過するヒータ20の長手方向のほぼ中央部位置で、ヒータ裏面に接触させて配設している。サブサーミスタTH2は、装置で記録材の記録材搬送方向に直交する方向の幅が所定値よりも小さい記録材を通紙したときの非通紙部に対応する位置でヒータ20に接触させて配設している。
【0037】
ヒータ20は、電力供給部としてのヒータ駆動回路から、ヒータ基板面に具備させた通電発熱層に対して通電がなされることで、長手方向の有効発熱幅全域において急速に昇温する。そのヒータ温度がメインサーミスタTH1により検出され、ヒータ温度に関する電気的情報が不図示のA/Dコンバータを介して制御回路部に入力する。また、サブサーミスタTH2により定着ベルト22の温度が検出され、定着ベルトの温度に関する電気的情報がA/Dコンバータを介して制御回路部に入力する。
【0038】
制御回路部は、メインサーミスタTH1及びサブサーミスタTH2の出力をもとに、定着ヒータ20の温調制御内容を決定し、ヒータ駆動回路から定着ヒータ20への通電を制御する。
【0039】
制御回路部は、外部ホスト装置からのプリント信号あるいは他の制御信号に基づいて、定着モータ駆動回路を制御して定着モータM1を駆動する。これにより、加圧ローラ23が回転駆動され、定着ベルト22も回転する。また、ヒータ駆動回路を制御して、ヒータ20のヒートアップを開始させる。定着ベルト22の回転速度が定常化し、ヒータ20の温度が所定に立ち上がった状態において、画像形成部側から定着ニップ部Nに未定着トナー像Taを担持した記録材Pが入り口ガイド16に沿って案内されて導入される。記録材Pのトナー画像担持面側が定着ベルト22に対面する。記録材Pは定着ニップ部Nにおいて定着ベルト22を介してヒータ20に密着して定着ニップ部Nを定着ベルト22と一緒に移動通過していく。その移動通過過程において、ヒータ20で加熱される定着ベルト22により記録材Pに熱が付与され、また定着ニップ圧により、トナー画像Tcが記録材P面に熱圧定着される。定着ニップ部Nを通過した記録材Pは定着ベルト22の面から分離されて排出搬送される。
【0040】
(2−2)送風ユニットF−b
送風ユニットF−bは、非通紙部昇温時に定着ユニットF−aの非通紙領域を送風により冷却する冷却機構と、紙から発生した水蒸気により加圧ローラと加熱ベルトの間で発生するスリップ防止のために加圧ローラに送風するダクトを備えた送風機構を兼ね備える。
【0041】
図2及び図3は、視点を変えた送風冷却ユニットF−bの外観斜視図である。各図において、F−aは前述の定着器Fである。
【0042】
また、図6及び図7は送風ユニットF−bのダクト部の断面切断図、図8及び図9は送風ユニットF−bのシャッタの動作と送風経路の切り替えを説明するA方向(図6及び図7に示した)から見た断面図である。
【0043】
図2、図3、図6、図7において、40a(40b)は非通紙部の送風手段としての送風ファンで、45a(45b)は送風ファン40a(40b)から送風された風を加熱ベルト22まで導くための加熱ベルト22の冷却用の送風ダクトである。本実施例においては送風ファン40a(40b)には軸流ファンを用いているものの、これに限らず、シロッコファン等の遠心ファンでも良い。
【0044】
また、41a(41b)は送風ファン40a(40b)と加熱ベルト22の間に配置され、前記送風ダクト45a(45b)内に配置されたシャッタである。このシャッタ41a(41b)は、通紙する記録材の記録材搬送方向に直交する方向の幅に応じて移動する。つまり、加熱ベルト22のうち記録材の通紙領域より外側(非通紙領域)を冷却できるように、シャッタ41a(41b)が移動して送風領域を決める。以下に詳細を説明する。送風ユニットF−bの送風ダクト45a(45b)内には、送風領域を決定するシャッタ41a(41b)がある。このシャッタ41a(41b)の外面側と、定着ユニットF−aの定着ベルト22とを近接させて対向させてある。図9のように、送風ダクト45a(45b)とシャッタ41a(42b)で、送風領域49a(49b)が決まることがわかる。送風領域49a(49b)からエアが供給されると、そのエアは加熱ベルト22に導かれて、加熱ベルト22のうち送風領域49a(49b)に対応した領域が冷却される。
【0045】
また、シャッタ41a(41b)はフレーム部材47に記録材搬送方向に直交する方向にスライド移動可能に保持されている。シャッタ41a(41b)は、シャッタ41b(41a) を連動させて記録材搬送方向に直交する方向に移動させるための、ラック部43a及び43bとピニオンギア44aを具備している。シャッタ41a(41b)とラック部43a(43b)はそれぞれ一体に形成されており、ピニオンギア44aはその左右の両ラック部43a及び43bに噛合している。ピニオンギア44aは、シャッタモータ(パルスモータ)44により正転駆動又は逆転駆動される。シャッタモータ44によりピニオンギア44aが正転駆動又は逆転駆動されることで、シャッタ41a及び41bが連動して互いに近づく方向または離間する方向に同じ移動量で往復する。これにより、上記シャッタ41a(41b)による送風手段40a(40b)の加熱ベルト22への送風領域49a(49b)が決まる。
【0046】
ここで、図8のようにシャッタ41a(41b)が送風ファン40a(40b)による加熱ベルト22への送風を完全に遮り送風領域49a(49b)がない状態を「送風領域なし」とする。また、図9のようにシャッタ41a(41b)が加熱ベルト22への送風領域49a(49b)が最大となるように移動した状態を「送風領域最大」とする。
【0047】
また、シャッタ41a(41b)には位置検知のためのフラグ部43cがあり、フォトセンサ等の検知部材48により、シャッタのホームポジションが検知される。シャッタ41a(41b)は前記のホームポジション検知機構と、パルスモータに送付される信号のパルス数により、その通紙する紙幅に適した位置まで駆動、停止等の制御が行われる。
【0048】
一方、図6に示したように送風ダクト45bには、送風ファン40bからのエアを加圧ローラ23まで導く風路としてのダクト51が連結されている。ダクト51は紙搬送路を迂回して加圧ローラ23までエアを導く。また、ダクト51の加圧ローラ23直下には加圧ローラ23に前記エアを吹き付けられよう加圧ローラ23に沿って数多くのエア吹き出し穴が開けられている。
【0049】
また、図8及び図9に示すようにシャッタ41bには開口部41dがある。前述の「送風領域なし」のときは、送風ダクト45bの開口部45dとシャッタ41bの開口部41dとが重なり、送風ファン40bから送られたエアをダクト51に導くことが可能となる。
【0050】
一方、図9に示すように、前述の「送風領域最大」のときは、シャッタ41bの開口部41dと送風ダクト45bの位置はずれており、加圧ローラへの送風は停止される。
【0051】
つまり、「送風領域なし」から「送風領域最大」まで加熱ベルト22への送風領域が広がる方向にシャッタ41a(41b)が移動すると、シャッタ41bがダクト45bを遮る量が増加する。その結果、送風ファン40a(40b)の前記加熱ベルト22への風量は増加し、前記加圧ローラ23への風量は減少する。また、「送風領域最大」から「送風領域なし」まで加熱ベルト22への送風領域が狭まる方向にシャッタ41a(41b)が移動すると、シャッタ41bがダクト45bを遮る量が減少する。その結果、送風ファン40a(40b)の前記加熱ベルト22への風量は減り、加圧ローラ23への風量は増加する。
【0052】
尚、本実施例ではシャッタ41bでダクト51を遮る量を変えることで加圧ローラ23への風量と加熱ベルト22への風量のバランスを調整している。しかしながら、シャッタ41dを用いない場合でも、ダクト51を遮る部材とその部材を移動させるためのアクチュエータを別に設けることで、加圧ローラ23への風量と加熱ベルト22への風量のバランスを調整しても良い。
【0053】
(2−3)送風制御
次に、本実施例における送風手段の動作について図12のフローチャートを用い、装置で搬送可能である最大幅記録材、及び、所定の幅を有する小幅記録材を通紙する場合に分けて説明する。
【0054】
尚、本実施例では、最大幅記録材の幅PaはA4記録材の長手幅、すなわち297mm、小幅記録材の所定幅PbはA4記録材の短手幅、すなわち210mmとする。
【0055】
最大幅記録材を通紙する場合、シャッタ41a及び41bは前述した「送風領域なし」の状態で記録材を定着する。小幅記録材を通紙する場合は、給紙カセット1内の図示しない紙幅センサがA4短手幅Pbすなわち210mmを検知したとき、シャッタ41a及び41bは、幅Pbより若干外側の位置に外側端部が一致するように移動する。
【0056】
図7は、シャッタ41a及び41bと、最大幅記録材の幅Pa及び小幅記録材の幅Pb、のそれぞれの記録材搬送方向に直交する方向の配置を示したものである。
【0057】
最大幅記録材を通紙する場合、装置使用者が最大幅記録材を給紙カセット1にセットすると、図示しない紙幅センサが例えばA4長手幅Paすなわち297mmを検知する(ステップS1、S2、S3)。不図示の制御回路部は、その記録材幅検知信号に基づいて、発熱体20の発熱比率を制御する。最大幅記録材を通紙する場合、発熱体の通電比率は長手全域にわたり均一な発熱が行われる(S4)。この状態でプリント動作が開始される(S5)。
【0058】
ここで、図10に本実施例に示した装置で冷間時からプリント動作が開始した場合の定着枚数ごとの加圧ローラ23の温度と加熱ベルト22の最高温部の温度のグラフを示す。
【0059】
尚、本実施例中の記録装置は1分間にA4サイズ記録紙を横送りで50枚/分記録できる装置の例を示している。本実施例では、通紙を開始して定着枚数が8枚目までは、加圧ローラ温度が75℃以下で、前述の結露スリップが発生する可能性がある。よって、シャッタ41a及び41bを「送風領域なし」の状態にしたまま、送風ファン40bを駆動する。この状態では加熱ベルト22へは送風されず、加圧ローラ23へのみ送風される。加圧ローラ23にエアが吹き付けられることにより、記録材から発生した水蒸気が拡散して加圧ローラ23と加熱ベルト22の間のスリップは防止される。
【0060】
本実施例中の条件では、加圧ローラ23の温度は結露スリップが発生しない75℃以上に定着枚数8枚程度で達する。しかしながら、通紙する記録材や環境でのばらつきも見込んで加圧ローラ23への送風を続ける定着枚数の所定枚数は15枚とする(S6)。
【0061】
その後、15枚目以降は、加圧ローラ23の温度が75℃以上に達し、加圧ローラ23にエアを吹き付けなくても結露スリップが発生しないため、ファンによる送風を停止したまま印字を継続する(S7)。
【0062】
次に、小幅記録材を通紙する場合について説明する。装置使用者が最大幅記録材の幅Paよりも幅の小さい小幅記録材(幅はPb)を給紙カセット1にセットすると、図示しない紙幅センサが例えばA4短手幅Pbすなわち210mmを検知する(ステップS1、S2、S3)。制御回路部は、その記録材幅検知信号に基づいて、発熱体20の発熱比率を制御する。小幅記録材Pb通紙の場合、発熱体の端部の発熱量を低くするよう発熱分布を制御する(S8)。この状態でプリント動作が開始される(S9)。
【0063】
ここで、図11には、小幅記録材を通紙する場合に本実施例に示した装置で冷間時からプリント動作が開始した場合の通紙枚数ごとの加圧ローラ23の温度と加熱ベルト22の最高温部の温度のグラフを示す。
【0064】
小幅記録材の場合も通紙開始から定着枚数8枚目までは、加圧ローラ温度が75℃以下で結露スリップが発生する可能性がある。よって、シャッタ41a及び41bを「送風領域なし」の状態にしたまま、送風ファン40bを駆動して、加圧ローラ23へ優先的に送風して結露スリップを防止する(S10)。
【0065】
その後、同様に加圧ローラ23の温度は結露スリップが発生しない75℃以上に達した15枚目程度になったころに、図11にあるように加熱ベルト22の温度が耐熱温度の240℃に近づく。そこで、本実施例では、加圧ローラ23よりも加熱ベルト22への風量が大きくなるようにシャッタを移動させる所定枚数としての定着枚数を15枚とする。
【0066】
定着枚数15枚以降はシャッタ41a及び41bを記録材の記録材搬送方向に直交する方向の幅に応じた位置に移動させて、加熱ベルト22の非通紙部に送風して冷却する。これにより加熱ベルト22の非通紙部の最高到達温度は、耐熱温度より低い230℃程度に抑えられる(S11)。
【0067】
以上のように、小幅記録材を通紙する際の非通紙部昇温抑制のための送風ファンと結露スリップ防止用の送風ファンを共用すれば、装置本体の小型化、低コスト化を実現することができることを示した。
【0068】
また、本実施例では、記録材の幅として最大幅記録材の最大幅297mm及び小幅記録材の所定幅210mmの例を示したが、これに限られるものではない。シャッタ41a及び41bの移動する位置を適宜、各記録材の記録材搬送方向に直交する方向の幅に応じた位置にすればよい。
【0069】
尚、本実施例では、シャッタ41a及び41bが「送風領域なし」の状態のときに加圧ローラ23へ送風する例を示した。しかしながら、加圧ローラ23への送風は0.1〜0.3m/s程度の比較的弱い風でよいので、常時加圧ローラ23に送風しても加圧ローラ23の結露スリップ、加熱ベルト22の端部昇温とも防止することができる。
【0070】
また、本実施例では、加圧ローラ23及び加熱ベルト22への風量バランスの切り替えタイミングを定着枚数で行う方法を示した。しかしながら、プリント動作が開始してからの所定時間で切り替えても良い。例えば、小幅記録材を通紙する際に、プリント動作開始から所定時間までは加圧ローラ22にのみ送風し、所定時間経過後は加圧ローラ22よりも加熱ベルト22への風量が大きくなるように風量バランスを切り替える。
【0071】
更に、画像形成装置が設置されている環境を検知する環境検知手段を有し、その検知結果(温度又は湿度)によって上記の風量バランス切り替えタイミングを設定しても良い。
【0072】
例えば、低温環境下では、通常環境下よりも、加圧ローラ23へのみの送風から加熱ベルト22への風量が大きくなるように切り替えるタイミングを遅めに設定し、高温環境下では、通常環境下よりも早めに設定する。
【0073】
また、加圧ローラ23又は加熱ベルト22のいずれかに温度検知手段を設けて風量バランスの切り替えを行っても良い。例えば、加圧ローラ23に温度検知手段を設けて、加圧ローラ23の温度が所定温度以下の時は、加圧ローラ23のみに送風し、所定温度よりも高い時は加圧ローラ23よりも加熱ベルト22への風量が大きくなるようにする。
【0074】
一方、加熱ベルト22の小幅記録材の非通紙部領域に温度検知手段を設けた場合について例を挙げて説明する。小幅記録材を通紙した際に、検知温度が所定温度以上の時は、加圧ローラ22よりも加熱ベルト22への風量が大きくなるようにする。また、温度検知手段による非通紙部領域の検知温度が所定温度よりも小さい時は、加圧ローラ22のみに送風するようにする。
【0075】
また、定着装置Fは、上記実施例のベルト加熱方式・加圧回転体駆動方式に限られず、熱ローラ方式、その他の方式のものにすることができる。電磁誘導加熱方式の装置にすることもできる。
【0076】
更に、記録材の通紙を片側通紙基準で行う構成のものであっても、本発明を適用して、同様な効果が得られる。
【0077】
尚、本発明の画像加熱装置は、実施例の定着手段に限られず、記録材に定着された画像を加熱することにより画像の光沢を増大させる光沢付与手段等の画像形成装置にも適用できる。
【符号の説明】
【0078】
20 加熱体
22 加熱ベルト
23 加圧ローラ
40a,40b 送風ファン
41a,41b シャッタ
43a、43b シャッタのラック部
45a、45b 送風ダクト
49a、49b 送風領域
51 ダクト
F 定着装置
Fa ベルト加熱方式の定着ユニット部(定着器)
Fb:送風ユニット部
Pa:最大幅記録材の記録材搬送方向に直交する方向の幅
Pb:小幅記録材の記録材搬送方向に直交する方向の幅
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式や静電記録方式等を採用した、プリンタ、複写機、ファクシミリ、複合機等の画像形成装置に用いられる記録材上の画像を定着する定着手段に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記のような画像形成装置は、作像手段によりシート状の記録材(以下、紙とも記す)に未定着トナー像を形成した後、定着手段により、該トナー像を固着像として定着させている。
【0003】
定着手段については様々な方式が提案されている。その中でも、近年は、環境に配慮した省エネ型定着方式の必要性が高まってきている。加熱方式の定着装置の場合、セラミックヒータ等の低熱容量加熱体、低熱容量の加熱ベルトと加熱ベルトに対して加圧駆動する加圧ローラを用いて、冷間時から急速加熱できる定着装置が実用に供されている。
【0004】
しかしながら、この装置においても小サイズ紙を連続通紙して定着した場合に、加熱ベルトの非通紙域の表面の温度が過度に上昇する。これは、小サイズ紙を連続的に通紙すると、加熱ベルトのうち記録材の通過しない非通紙域では、加熱ベルトの熱は記録材によって奪われない状態で更に熱が供給され続けるためである。
【0005】
この現象は、定着装置の端部昇温あるいは非通紙部昇温と称され、この端部昇温が悪化すると、ホットオフセットが発生したり、装置を構成する部材が熱ダメージを受けたりする。
【0006】
更に、冷間時から連続通紙する場合、定着装置を通過した際に水蒸気が発生し、露点以上に昇温しきれていない加圧ローラに接触し結露が発生することがある。加圧ローラが結露すると、対向する加熱ベルトと加圧ローラ間の摩擦力が小さくなり、加熱ベルトと加圧ローラの間でスリップが発生することがある(以下結露スリップと呼ぶ)という課題もある。
【0007】
上記の課題のうち非通紙昇温については、特許文献1で、冷却用ファンから前記非通紙域側に冷却風を送風する際に、使用する記録材の幅に応じて、送風口の幅方向の長さを調節することによって、非通紙部昇温を防止している。 また、結露スリップについては、特許文献2で、定着装置の下方に結露防止用のファンを設けて、加圧ローラの駆動に応じて稼動させることにより、定着装置内の結露を防止する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−32903号公報
【特許文献2】特開2008−116858号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述した非通紙部昇温や結露スリップの対策の構成を用いると、定着装置だけで複数のファンが必要になってしまう。ファンの個数が増加するとファン自体だけでなく、電源、電気回路、制御回路、ファンダクトやカバー等もその数に応じて必要となり、画像形成装置全体としてコストアップや装置の大型化を招くという課題がある。
【0010】
近年、画像形成装置には省エネ性、印字生産性(1枚目の印字にかかる時間の短縮化も含む)、装置本体の小型化、低コスト化の要求も大きく、それらの要求を最大限満足させるためには、ファンの個数削減が大きく寄与することとなる。
【0011】
本発明は、このような技術的課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、非通紙部昇温抑制のための非通紙部冷却ファンと結露スリップ防止用の送風ファンを共用し、装置本体の小型化、低コスト化を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述の課題を解決するために、本発明は、記録材の上に転写するトナー像を形成する画像形成手段と、加熱体と、前記加熱体と共にニップ部を形成する加圧部材と、を有し、ニップ部でトナー像を担持した記録材を搬送しながら加熱してトナー像を記録材の上に定着する定着手段と、前記加熱体の記録材搬送方向に直交する方向の端部を冷却するための送風手段と、前記送風手段と前記加熱体の間に配置され、記録材の記録材搬送方向に直交する方向の幅に応じて送風領域を決めるために移動するシャッタと、を有する画像形成装置において、前記送風手段からの風を前記加圧部材まで誘導する風路を有することを特徴とするものである。
【0013】
更に、加熱体と、前記加熱体と共にニップ部を形成する加圧部材と、前記加熱体の記録材搬送方向に直交する方向の端部を冷却するための送風手段と、前記送風手段と前記加熱体の間に配置され、記録材の記録材搬送方向に直交する方向の幅に応じて送風領域を決めるために移動するシャッタと、を有し、トナー像を担持した記録材を搬送しながら加熱してトナー像を記録材の上に定着する定着手段と、を有する定着装置において、前記送風手段からの風を前記加圧部材まで誘導する風路を有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
非通紙部昇温抑制のための送風ファンと結露スリップ対策用の送風ファンを共用することが可能となり、装置本体の小型化及び低コスト化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施例における画像形成装置の横断面模式図
【図2】送風手段を備えた実施例における定着装置の斜視図(その1)
【図3】送風手段を備えた実施例における定着装置の斜視図(その2)
【図4】定着手段の断面模式図
【図5】定着手段の分解斜視図
【図6】送風手段と定着手段の部分断面図(その1)
【図7】送風手段と定着手段の部分断面図(その2)
【図8】実施例のシャッタ動作を示す断面模式図(シャッタ閉状態)
【図9】実施例のシャッタ動作を示す断面模式図(シャッタ開状態)
【図10】定着枚数に対する加圧ローラと加熱ベルトの温度を示す図(最大幅記録材)
【図11】定着枚数に対する加圧ローラと加熱ベルトの温度を示す図(小幅記録材)
【図12】実施例の定着手段の動作を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0016】
(実施例)
1)画像形成装置
本実施例に係る定着手段を備えた画像形成装置について説明する。図1は本実施例に係る画像形成装置の概略構成図である。
【0017】
画像形成装置は、像担持体としての感光ドラム10を備え、感光ドラム10は駆動手段である不図示の本体駆動モータによって、矢印の方向に所定のプロセススピードで回転駆動される。ここでは画像形成装置のプロセススピードは250mm/secである。
【0018】
感光ドラム10の周囲には、その回転方向に沿って順に、帯電装置としての帯電ローラ11、露光装置8、現像装置14、転写装置としての転写ローラ12等が配置されている。これらの装置と感光体ドラムとによって、記録材に画像を形成する画像形成手段を構成している。
【0019】
また、装置本体下部には、記録材(紙、印刷紙、用紙シート、OHTシート、光沢紙、光沢フィルム等)Pを収納した給送カセット1が配置されている。また、記録材Pの搬送経路に沿って順に、給送ローラ7、搬送ローラ5、感光ドラム10と転写ローラ12、搬送ガイド4、6、13、定着手段F、排出ローラ35、排出トレイ34が配置されている。
【0020】
次に、上述した構成の画像形成装置の動作を説明する。
不図示の本体駆動モータによって矢印方向に回転駆動された感光ドラム1は、帯電ローラ2によって所定の極性、所定の電位に一様に帯電される。露光装置8はレーザスキャナであり、不図示のコンピュータ・画像読取装置等のホスト装置から入力される画像情報の信号に対応したレーザ光を出力し、そのレーザ光で不図示の折り返しミラー9を介して感光ドラム10面を走査露光する。すると、感光ドラム10の露光部分の電荷が除去されて静電潜像が形成される。静電潜像は、現像装置14によって現像される。現像装置14は、現像ローラを有し、この現像ローラに現像バイアスを印加して感光ドラム10上の静電潜像にトナーを付着させトナー像として現像(顕像化)する。感光ドラム10上のトナー像は、転写ローラ12によって記録材Pに転写される。
【0021】
一方、記録材Pは、給送カセット1から給送ローラ7によって一枚ずつ給送され、搬送ローラ5によって感光ドラム10と転写ローラ12間の転写ニップ部に向けて搬送される。
このとき記録材Pは、不図示のトップセンサによって先端が検知され、感光ドラム10上のトナー像と同期がとられる。転写ローラ12には、転写バイアスが印加され、これにより、感光ドラム10上のトナー像が記録材P上の所定の位置に転写される。
【0022】
転写によって表面に未定着トナー像を担持した記録材Pは、搬送ガイド12を沿って定着入口ガイド16に搬送され、定着手段Fに案内される。未定着トナー像はここで加熱、加圧されて記録材P上に定着される。トナー像が定着された記録材Pは、排出分離ガイド29に沿って分離ガイドローラ33へと搬送され、排出ローラ35から装置本体上面の排出トレイ34上に排出される。
【0023】
以上の動作を繰り返すことで、次々に画像形成を行うことができる。
【0024】
(2)定着手段F
以下の説明において、定着手段又はこれを構成している部材について長手方向とは記録材搬送路面内において記録材搬送方向に直交する方向に並行な方向である。定着手段に関して、正面とは記録材導入側の面、左右とは装置を正面から見て左又は右である。記録材の幅とは記録材面において記録材搬送方向に直交する方向の記録材寸法である。
図2及び図3の定着手段Fは、異なる視点からの見た定着手段Fの外観斜視図である。図4は定着装置Fの横断面図である。この定着手段Fは、大別して、ベルト加熱方式の定着ユニット部(定着器)F−aと、送風ユニット部F−b とからなる。
【0025】
(2−1)定着ユニット部F−a
まず、図4及び図5を参照して、定着ユニット部F−aの構成を説明する。図5は定着ユニット部F−aの分解斜視図である。
【0026】
定着ユニット部F−aは、ベルト加熱方式・加圧回転体駆動方式のオンデマンド定着装置である。
【0027】
22は定着ベルト、23は加圧部材としての加圧ローラである。この定着ベルト22と加圧ローラ23の両者の圧接により定着ニップ部Nを形成させている。
【0028】
21は横断面略半円弧状樋型の耐熱性・剛性を有する定着ステー(ヒータ保持部材兼定着ベルトガイド部材)である。20は加熱体としてのセラミックヒータ(以下、ヒータと略記する)であり、定着ステー21の外面に、定着ステーの長手に沿って設けた凹溝部に嵌め入れて固定して配設してある。定着ベルト22はヒータ20を取り付けた定着ステー21に対してルーズに外嵌させてある。24a及び24bは定着ステー21の両端部の外方突出腕部にそれぞれ嵌着したフランジである。
【0029】
定着ベルト22は、筒状で、耐熱性樹脂ベルトや金属ベルトをベース層にして、その外周面に、弾性層及び離型層を付加した複合層構造体であり、全体的に肉薄で、可撓性を有し、高熱伝導率・低熱容量の部材である。
【0030】
セラミックヒータ20は、定着ベルト22・記録材Pの搬送方向に直交する方向を長手とする低熱容量の横長・肉薄の線状加熱体である。チッ化アルミニウム・アルミナ等のセラミック材のヒータ基板と、このヒータ基板面に形成した銀−パラジウム等の通電発熱層と、を基本構成としている。本実施例のセラミックヒータは2本の発熱体を持つ。長手方向で中央付近と端部付近の抵抗値分布をそれぞれ変えてあり、前記2本の発熱体の通電比率を独立通電制御することにより、通紙する記録材の幅方向寸法に応じてある程度制御できるものである。
【0031】
すなわち、記録材の記録材搬送方向に直交する方向の幅が、装置で通紙可能な記録材で最大のもの(以下、最大幅記録材とする)を通紙する際には、発熱層全域にわたって均一に発熱することができる。一方、最大幅記録材よりも上記幅が小さい記録材を通紙する際は、発熱体の中央付近より端部付近の発熱量を20〜40%程度低く抑えて発熱を行うことができる。
【0032】
加圧部材としての 加圧ローラ23は、芯金23aに、シリコーンゴム等の弾性層23bを設けて硬度を下げたものである。表面性を向上させるために、さらに外周に、PTFE、PFA、FEP等のフッ素樹脂層を設けてもよい。加圧ローラ23は、記録材搬送方向に直交する方向の端部が装置フレーム(不図示)の側板間に軸受部材(不図示)を介して回転自在に保持されている。
【0033】
上記の加圧ローラ23に対して、定着ベルト22を、ヒータ20側を対向させて平行に配列する。そして、記録材搬送方向に直交する方向の端部のフランジ24を、ステンレス製の圧縮コイル線材を用いた加圧バネ61a及び61b等で構成した左右の加圧機構により所定の力Fで加圧ローラ23の軸線方向に付勢する。これにより、ヒータ20の面が定着ベルト22を介して加圧ローラ23に対して弾性層32bの弾性に抗して圧接し、加熱定着に必要な定着ニップ部Nが形成される。また、入り口ガイド16と出口ガイド29は装置フレーム(不図示)に組付けてある。
【0034】
25は加圧ローラ23の芯金32aの左端部に固着した加圧ローラギアである。この加圧ローラギア25に定着モータM1の回転力が動力伝達機構(不図示)を介して伝達されることで、加圧ローラ23が図4において矢印の時計方向に回転駆動される。この加圧ローラ23の回転駆動により、加圧ローラ23と定着ベルト22の外面との定着ニップ部Nにおける摩擦力で定着ベルト22に回転力が作用する。これにより、定着ベルト22が、その内面が定着ニップ部Nにおいてヒータ20に密着して摺動しながら矢印の時計方向に定着ステー21の外回りを回転する。定着ベルト22は加圧ローラ23の回転周速度にほぼ対応した周速度をもって回転する。フランジ24は、回転する定着ベルト22が定着ステー21の長手に沿って左方又は右方に寄り移動したとき寄り側のベルト端部を受け止めて移動を規制する役割をする。定着ベルト22の内面には潤滑剤を塗布して、ヒータ20及び定着ステー21に対する定着ベルト22の摺動性を確保している。
【0035】
入り口ガイド16に案内されて定着ニップ部Nに導入された記録材Pは、回転する加圧ローラ23と定着ベルト22により挟持搬送される。本実施例では、記録材Pの搬送は、記録材の記録材搬送方向に直交する方向の中央、いわゆる中央基準搬送で行われる。すなわち、装置で通紙可能な全サイズの記録材は、記録材幅方向中央部が定着ベルト22の長手方向中央部を通過する。図6〜図9において、Sはその記録材中央通紙基準線(仮想線)である。
【0036】
図5においてTH1及びTH2は、それぞれ第1の温度検知手段及び第2の温度検知手段としてのメインサーミスタ及びサブサーミスタである。メインサーミスタTH1は、装置で通紙可能な全てのサイズの記録材が通過するヒータ20の長手方向のほぼ中央部位置で、ヒータ裏面に接触させて配設している。サブサーミスタTH2は、装置で記録材の記録材搬送方向に直交する方向の幅が所定値よりも小さい記録材を通紙したときの非通紙部に対応する位置でヒータ20に接触させて配設している。
【0037】
ヒータ20は、電力供給部としてのヒータ駆動回路から、ヒータ基板面に具備させた通電発熱層に対して通電がなされることで、長手方向の有効発熱幅全域において急速に昇温する。そのヒータ温度がメインサーミスタTH1により検出され、ヒータ温度に関する電気的情報が不図示のA/Dコンバータを介して制御回路部に入力する。また、サブサーミスタTH2により定着ベルト22の温度が検出され、定着ベルトの温度に関する電気的情報がA/Dコンバータを介して制御回路部に入力する。
【0038】
制御回路部は、メインサーミスタTH1及びサブサーミスタTH2の出力をもとに、定着ヒータ20の温調制御内容を決定し、ヒータ駆動回路から定着ヒータ20への通電を制御する。
【0039】
制御回路部は、外部ホスト装置からのプリント信号あるいは他の制御信号に基づいて、定着モータ駆動回路を制御して定着モータM1を駆動する。これにより、加圧ローラ23が回転駆動され、定着ベルト22も回転する。また、ヒータ駆動回路を制御して、ヒータ20のヒートアップを開始させる。定着ベルト22の回転速度が定常化し、ヒータ20の温度が所定に立ち上がった状態において、画像形成部側から定着ニップ部Nに未定着トナー像Taを担持した記録材Pが入り口ガイド16に沿って案内されて導入される。記録材Pのトナー画像担持面側が定着ベルト22に対面する。記録材Pは定着ニップ部Nにおいて定着ベルト22を介してヒータ20に密着して定着ニップ部Nを定着ベルト22と一緒に移動通過していく。その移動通過過程において、ヒータ20で加熱される定着ベルト22により記録材Pに熱が付与され、また定着ニップ圧により、トナー画像Tcが記録材P面に熱圧定着される。定着ニップ部Nを通過した記録材Pは定着ベルト22の面から分離されて排出搬送される。
【0040】
(2−2)送風ユニットF−b
送風ユニットF−bは、非通紙部昇温時に定着ユニットF−aの非通紙領域を送風により冷却する冷却機構と、紙から発生した水蒸気により加圧ローラと加熱ベルトの間で発生するスリップ防止のために加圧ローラに送風するダクトを備えた送風機構を兼ね備える。
【0041】
図2及び図3は、視点を変えた送風冷却ユニットF−bの外観斜視図である。各図において、F−aは前述の定着器Fである。
【0042】
また、図6及び図7は送風ユニットF−bのダクト部の断面切断図、図8及び図9は送風ユニットF−bのシャッタの動作と送風経路の切り替えを説明するA方向(図6及び図7に示した)から見た断面図である。
【0043】
図2、図3、図6、図7において、40a(40b)は非通紙部の送風手段としての送風ファンで、45a(45b)は送風ファン40a(40b)から送風された風を加熱ベルト22まで導くための加熱ベルト22の冷却用の送風ダクトである。本実施例においては送風ファン40a(40b)には軸流ファンを用いているものの、これに限らず、シロッコファン等の遠心ファンでも良い。
【0044】
また、41a(41b)は送風ファン40a(40b)と加熱ベルト22の間に配置され、前記送風ダクト45a(45b)内に配置されたシャッタである。このシャッタ41a(41b)は、通紙する記録材の記録材搬送方向に直交する方向の幅に応じて移動する。つまり、加熱ベルト22のうち記録材の通紙領域より外側(非通紙領域)を冷却できるように、シャッタ41a(41b)が移動して送風領域を決める。以下に詳細を説明する。送風ユニットF−bの送風ダクト45a(45b)内には、送風領域を決定するシャッタ41a(41b)がある。このシャッタ41a(41b)の外面側と、定着ユニットF−aの定着ベルト22とを近接させて対向させてある。図9のように、送風ダクト45a(45b)とシャッタ41a(42b)で、送風領域49a(49b)が決まることがわかる。送風領域49a(49b)からエアが供給されると、そのエアは加熱ベルト22に導かれて、加熱ベルト22のうち送風領域49a(49b)に対応した領域が冷却される。
【0045】
また、シャッタ41a(41b)はフレーム部材47に記録材搬送方向に直交する方向にスライド移動可能に保持されている。シャッタ41a(41b)は、シャッタ41b(41a) を連動させて記録材搬送方向に直交する方向に移動させるための、ラック部43a及び43bとピニオンギア44aを具備している。シャッタ41a(41b)とラック部43a(43b)はそれぞれ一体に形成されており、ピニオンギア44aはその左右の両ラック部43a及び43bに噛合している。ピニオンギア44aは、シャッタモータ(パルスモータ)44により正転駆動又は逆転駆動される。シャッタモータ44によりピニオンギア44aが正転駆動又は逆転駆動されることで、シャッタ41a及び41bが連動して互いに近づく方向または離間する方向に同じ移動量で往復する。これにより、上記シャッタ41a(41b)による送風手段40a(40b)の加熱ベルト22への送風領域49a(49b)が決まる。
【0046】
ここで、図8のようにシャッタ41a(41b)が送風ファン40a(40b)による加熱ベルト22への送風を完全に遮り送風領域49a(49b)がない状態を「送風領域なし」とする。また、図9のようにシャッタ41a(41b)が加熱ベルト22への送風領域49a(49b)が最大となるように移動した状態を「送風領域最大」とする。
【0047】
また、シャッタ41a(41b)には位置検知のためのフラグ部43cがあり、フォトセンサ等の検知部材48により、シャッタのホームポジションが検知される。シャッタ41a(41b)は前記のホームポジション検知機構と、パルスモータに送付される信号のパルス数により、その通紙する紙幅に適した位置まで駆動、停止等の制御が行われる。
【0048】
一方、図6に示したように送風ダクト45bには、送風ファン40bからのエアを加圧ローラ23まで導く風路としてのダクト51が連結されている。ダクト51は紙搬送路を迂回して加圧ローラ23までエアを導く。また、ダクト51の加圧ローラ23直下には加圧ローラ23に前記エアを吹き付けられよう加圧ローラ23に沿って数多くのエア吹き出し穴が開けられている。
【0049】
また、図8及び図9に示すようにシャッタ41bには開口部41dがある。前述の「送風領域なし」のときは、送風ダクト45bの開口部45dとシャッタ41bの開口部41dとが重なり、送風ファン40bから送られたエアをダクト51に導くことが可能となる。
【0050】
一方、図9に示すように、前述の「送風領域最大」のときは、シャッタ41bの開口部41dと送風ダクト45bの位置はずれており、加圧ローラへの送風は停止される。
【0051】
つまり、「送風領域なし」から「送風領域最大」まで加熱ベルト22への送風領域が広がる方向にシャッタ41a(41b)が移動すると、シャッタ41bがダクト45bを遮る量が増加する。その結果、送風ファン40a(40b)の前記加熱ベルト22への風量は増加し、前記加圧ローラ23への風量は減少する。また、「送風領域最大」から「送風領域なし」まで加熱ベルト22への送風領域が狭まる方向にシャッタ41a(41b)が移動すると、シャッタ41bがダクト45bを遮る量が減少する。その結果、送風ファン40a(40b)の前記加熱ベルト22への風量は減り、加圧ローラ23への風量は増加する。
【0052】
尚、本実施例ではシャッタ41bでダクト51を遮る量を変えることで加圧ローラ23への風量と加熱ベルト22への風量のバランスを調整している。しかしながら、シャッタ41dを用いない場合でも、ダクト51を遮る部材とその部材を移動させるためのアクチュエータを別に設けることで、加圧ローラ23への風量と加熱ベルト22への風量のバランスを調整しても良い。
【0053】
(2−3)送風制御
次に、本実施例における送風手段の動作について図12のフローチャートを用い、装置で搬送可能である最大幅記録材、及び、所定の幅を有する小幅記録材を通紙する場合に分けて説明する。
【0054】
尚、本実施例では、最大幅記録材の幅PaはA4記録材の長手幅、すなわち297mm、小幅記録材の所定幅PbはA4記録材の短手幅、すなわち210mmとする。
【0055】
最大幅記録材を通紙する場合、シャッタ41a及び41bは前述した「送風領域なし」の状態で記録材を定着する。小幅記録材を通紙する場合は、給紙カセット1内の図示しない紙幅センサがA4短手幅Pbすなわち210mmを検知したとき、シャッタ41a及び41bは、幅Pbより若干外側の位置に外側端部が一致するように移動する。
【0056】
図7は、シャッタ41a及び41bと、最大幅記録材の幅Pa及び小幅記録材の幅Pb、のそれぞれの記録材搬送方向に直交する方向の配置を示したものである。
【0057】
最大幅記録材を通紙する場合、装置使用者が最大幅記録材を給紙カセット1にセットすると、図示しない紙幅センサが例えばA4長手幅Paすなわち297mmを検知する(ステップS1、S2、S3)。不図示の制御回路部は、その記録材幅検知信号に基づいて、発熱体20の発熱比率を制御する。最大幅記録材を通紙する場合、発熱体の通電比率は長手全域にわたり均一な発熱が行われる(S4)。この状態でプリント動作が開始される(S5)。
【0058】
ここで、図10に本実施例に示した装置で冷間時からプリント動作が開始した場合の定着枚数ごとの加圧ローラ23の温度と加熱ベルト22の最高温部の温度のグラフを示す。
【0059】
尚、本実施例中の記録装置は1分間にA4サイズ記録紙を横送りで50枚/分記録できる装置の例を示している。本実施例では、通紙を開始して定着枚数が8枚目までは、加圧ローラ温度が75℃以下で、前述の結露スリップが発生する可能性がある。よって、シャッタ41a及び41bを「送風領域なし」の状態にしたまま、送風ファン40bを駆動する。この状態では加熱ベルト22へは送風されず、加圧ローラ23へのみ送風される。加圧ローラ23にエアが吹き付けられることにより、記録材から発生した水蒸気が拡散して加圧ローラ23と加熱ベルト22の間のスリップは防止される。
【0060】
本実施例中の条件では、加圧ローラ23の温度は結露スリップが発生しない75℃以上に定着枚数8枚程度で達する。しかしながら、通紙する記録材や環境でのばらつきも見込んで加圧ローラ23への送風を続ける定着枚数の所定枚数は15枚とする(S6)。
【0061】
その後、15枚目以降は、加圧ローラ23の温度が75℃以上に達し、加圧ローラ23にエアを吹き付けなくても結露スリップが発生しないため、ファンによる送風を停止したまま印字を継続する(S7)。
【0062】
次に、小幅記録材を通紙する場合について説明する。装置使用者が最大幅記録材の幅Paよりも幅の小さい小幅記録材(幅はPb)を給紙カセット1にセットすると、図示しない紙幅センサが例えばA4短手幅Pbすなわち210mmを検知する(ステップS1、S2、S3)。制御回路部は、その記録材幅検知信号に基づいて、発熱体20の発熱比率を制御する。小幅記録材Pb通紙の場合、発熱体の端部の発熱量を低くするよう発熱分布を制御する(S8)。この状態でプリント動作が開始される(S9)。
【0063】
ここで、図11には、小幅記録材を通紙する場合に本実施例に示した装置で冷間時からプリント動作が開始した場合の通紙枚数ごとの加圧ローラ23の温度と加熱ベルト22の最高温部の温度のグラフを示す。
【0064】
小幅記録材の場合も通紙開始から定着枚数8枚目までは、加圧ローラ温度が75℃以下で結露スリップが発生する可能性がある。よって、シャッタ41a及び41bを「送風領域なし」の状態にしたまま、送風ファン40bを駆動して、加圧ローラ23へ優先的に送風して結露スリップを防止する(S10)。
【0065】
その後、同様に加圧ローラ23の温度は結露スリップが発生しない75℃以上に達した15枚目程度になったころに、図11にあるように加熱ベルト22の温度が耐熱温度の240℃に近づく。そこで、本実施例では、加圧ローラ23よりも加熱ベルト22への風量が大きくなるようにシャッタを移動させる所定枚数としての定着枚数を15枚とする。
【0066】
定着枚数15枚以降はシャッタ41a及び41bを記録材の記録材搬送方向に直交する方向の幅に応じた位置に移動させて、加熱ベルト22の非通紙部に送風して冷却する。これにより加熱ベルト22の非通紙部の最高到達温度は、耐熱温度より低い230℃程度に抑えられる(S11)。
【0067】
以上のように、小幅記録材を通紙する際の非通紙部昇温抑制のための送風ファンと結露スリップ防止用の送風ファンを共用すれば、装置本体の小型化、低コスト化を実現することができることを示した。
【0068】
また、本実施例では、記録材の幅として最大幅記録材の最大幅297mm及び小幅記録材の所定幅210mmの例を示したが、これに限られるものではない。シャッタ41a及び41bの移動する位置を適宜、各記録材の記録材搬送方向に直交する方向の幅に応じた位置にすればよい。
【0069】
尚、本実施例では、シャッタ41a及び41bが「送風領域なし」の状態のときに加圧ローラ23へ送風する例を示した。しかしながら、加圧ローラ23への送風は0.1〜0.3m/s程度の比較的弱い風でよいので、常時加圧ローラ23に送風しても加圧ローラ23の結露スリップ、加熱ベルト22の端部昇温とも防止することができる。
【0070】
また、本実施例では、加圧ローラ23及び加熱ベルト22への風量バランスの切り替えタイミングを定着枚数で行う方法を示した。しかしながら、プリント動作が開始してからの所定時間で切り替えても良い。例えば、小幅記録材を通紙する際に、プリント動作開始から所定時間までは加圧ローラ22にのみ送風し、所定時間経過後は加圧ローラ22よりも加熱ベルト22への風量が大きくなるように風量バランスを切り替える。
【0071】
更に、画像形成装置が設置されている環境を検知する環境検知手段を有し、その検知結果(温度又は湿度)によって上記の風量バランス切り替えタイミングを設定しても良い。
【0072】
例えば、低温環境下では、通常環境下よりも、加圧ローラ23へのみの送風から加熱ベルト22への風量が大きくなるように切り替えるタイミングを遅めに設定し、高温環境下では、通常環境下よりも早めに設定する。
【0073】
また、加圧ローラ23又は加熱ベルト22のいずれかに温度検知手段を設けて風量バランスの切り替えを行っても良い。例えば、加圧ローラ23に温度検知手段を設けて、加圧ローラ23の温度が所定温度以下の時は、加圧ローラ23のみに送風し、所定温度よりも高い時は加圧ローラ23よりも加熱ベルト22への風量が大きくなるようにする。
【0074】
一方、加熱ベルト22の小幅記録材の非通紙部領域に温度検知手段を設けた場合について例を挙げて説明する。小幅記録材を通紙した際に、検知温度が所定温度以上の時は、加圧ローラ22よりも加熱ベルト22への風量が大きくなるようにする。また、温度検知手段による非通紙部領域の検知温度が所定温度よりも小さい時は、加圧ローラ22のみに送風するようにする。
【0075】
また、定着装置Fは、上記実施例のベルト加熱方式・加圧回転体駆動方式に限られず、熱ローラ方式、その他の方式のものにすることができる。電磁誘導加熱方式の装置にすることもできる。
【0076】
更に、記録材の通紙を片側通紙基準で行う構成のものであっても、本発明を適用して、同様な効果が得られる。
【0077】
尚、本発明の画像加熱装置は、実施例の定着手段に限られず、記録材に定着された画像を加熱することにより画像の光沢を増大させる光沢付与手段等の画像形成装置にも適用できる。
【符号の説明】
【0078】
20 加熱体
22 加熱ベルト
23 加圧ローラ
40a,40b 送風ファン
41a,41b シャッタ
43a、43b シャッタのラック部
45a、45b 送風ダクト
49a、49b 送風領域
51 ダクト
F 定着装置
Fa ベルト加熱方式の定着ユニット部(定着器)
Fb:送風ユニット部
Pa:最大幅記録材の記録材搬送方向に直交する方向の幅
Pb:小幅記録材の記録材搬送方向に直交する方向の幅
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録材の上にトナー像を形成する画像形成手段と、
加熱体と、前記加熱体と共にニップ部を形成する加圧部材と、を有し、ニップ部でトナー像を担持した記録材を搬送しながら加熱してトナー像を記録材の上に定着する定着手段と、
前記加熱体の記録材搬送方向に直交する方向の端部を冷却するための送風手段と、
前記送風手段と前記加熱体の間に配置され、記録材の記録材搬送方向に直交する方向の幅に応じて送風領域を決めるために移動するシャッタと、を有する画像形成装置において、
前記送風手段からの風を前記加圧部材まで誘導する風路を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記送風領域が広がるように前記シャッタが移動すると、前記送風手段の前記加熱体の前記端部への風量は増加して、前記加圧部材への風量は減少し、
前記送風領域が狭まるように前記シャッタが移動すると、前記送風手段の前記加熱体の前記端部への風量は減少して、前記加圧部材への風量は増加することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記送風領域が広がるように前記シャッタが移動すると、前記シャッタが前記風路を遮る量が増加し、前記送風領域が狭まるように前記シャッタが移動すると、前記シャッタが前記風路を遮る量が減少することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
記録材の記録材搬送方向に直交する方向の幅が前記装置で搬送可能な最大幅よりも小さい場合、前記装置の立ち上げ開始から所定時間が経過する前は、前記シャッタは、前記送風手段の前記加熱体の端部への風量よりも前記加圧部材への風量が大きくなる位置にあり、前記装置の立ち上げ開始から前記所定時間が経過した後は、前記シャッタは、前記送風手段の前記加圧部材への風量よりも前記加熱体の端部への風量が大きくなる位置にあり、
記録材の記録材搬送方向に直交する方向の幅が装置で搬送可能な最大幅である場合、前記装置の立ち上げ開始から少なくとも前記所定時間が経過する前までは、前記シャッタは、前記送風手段の前記加熱体の端部への風量よりも前記加圧部材への風量が大きくなる位置にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記装置が設置されている環境を検知するための環境検知手段を有し、前記環境検知手段の結果に応じて前記所定時間が設定されることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
記録材の記録材搬送方向に直交する方向の幅が前記装置で搬送可能な最大幅よりも小さい場合、装置の立ち上がり開始から定着された記録材の枚数が所定枚数に達する前は、前記シャッタは、前記送風手段の前記加熱体の前記端部への風量よりも前記加圧部材への風量が大きくなる位置にあり、装置の立ち上がり開始から定着された記録材の枚数が前記所定枚数に達した後は、前記シャッタは、前記送風手段の前記加圧部材への風量よりも前記加熱体の前記端部への風量が大きくなる位置にあり、
記録材の記録材搬送方向に直交する方向の幅が装置で搬送可能な最大幅である場合、装置の立ち上がり開始から定着された記録材の枚数が少なくとも所定枚数に達する前までは、前記シャッタは、前記送風手段の前記加熱体の前記端部への風量よりも前記加圧部材への風量が大きくなる位置にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の定着装置。
【請求項7】
前記装置が設置されている環境を検知するための環境検知手段を有し、前記環境検知手段の結果に応じて、前記所定枚数が設定されることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記定着手段は、前記加圧部材の温度を検知する温度検知手段を有し、
記録材の記録材搬送方向に直交する方向の幅が前記装置で搬送可能な最大幅よりも小さい場合、前記温度検知手段による検知温度が所定温度以下の時は、前記シャッタは、前記送風手段の前記加熱体の前記端部への風量よりも前記加圧部材への風量が大きくなる位置にあり、前記検知温度が前記所定温度より高い時は、前記シャッタは、前記送風手段の前記加圧部材への風量よりも前記加熱体の前記端部への風量が大きくなる位置にあり、
記録材の記録材搬送方向に直交する方向の幅が装置で搬送可能な最大幅である場合、前記温度検知手段による検知温度が少なくとも前記所定温度より大きくなるまでは、前記シャッタは、前記送風手段の前記加熱体の前記端部への風量よりも前記加圧部材への風量が大きくなる位置にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記定着手段は、前記記録材搬送方向に直交する方向の端部の温度を検知する温度検知手段を有し、
記録材の記録材搬送方向に直交する方向の幅が前記装置で搬送可能な最大幅よりも小さい場合、前記温度検知手段による検知温度が所定温度以上の時は、前記シャッタは、前記送風手段の前記加圧部材への風量よりも前記加熱体の前記端部への風量が大きくなる位置にあり、前記検知温度が前記所定温度より小さい時は、前記シャッタは、前記送風手段の前記加熱体の端部への風量よりも前記加圧部材への風量が大きくなる位置にあり、
記録材の記録材搬送方向に直交する方向の幅が装置で搬送可能な最大幅である場合、前記シャッタは、前記送風手段の前記加熱体の前記端部への風量よりも前記加圧部材への風量が大きくなる位置にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記加熱体は、筒状のベルトと、前記ベルトの内面と接触するヒータと、を有し、前記加圧部材は、前記ヒータと共に前記ベルトを介して圧接して前記ニップ部を形成することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の定着装置。
【請求項11】
加熱体と、前記加熱体と共にニップ部を形成する加圧部材と、前記加熱体の記録材搬送方向に直交する方向の端部を冷却するための送風手段と、前記送風手段と前記加熱体の間に配置され、記録材の記録材搬送方向に直交する方向の幅に応じて送風領域を決めるために移動するシャッタと、を有し、トナー像を担持した記録材を搬送しながら加熱してトナー像を記録材の上に定着する定着手段と、を有する定着装置において、
前記送風手段からの風を前記加圧部材まで誘導する風路を有することを特徴とする定着装置。
【請求項12】
前記送風領域が広がるように前記シャッタが移動すると、前記送風手段の前記加熱体の前記端部への風量は増加して、前記加圧部材への風量は減少し、
前記送風領域が狭まるように前記シャッタが移動すると、前記送風手段の前記加熱体の前記端部への風量は減少して、前記加圧部材への風量は増加することを特徴とする請求項11に記載の定着装置。
【請求項13】
前記送風領域が広がるように前記シャッタが移動すると、前記シャッタが前記風路を遮る量が増加し、前記送風領域が狭まる方向に前記シャッタが移動すると、前記シャッタが前記風路を遮る量が減少することを特徴とする請求項11又は12に記載の定着装置。
【請求項1】
記録材の上にトナー像を形成する画像形成手段と、
加熱体と、前記加熱体と共にニップ部を形成する加圧部材と、を有し、ニップ部でトナー像を担持した記録材を搬送しながら加熱してトナー像を記録材の上に定着する定着手段と、
前記加熱体の記録材搬送方向に直交する方向の端部を冷却するための送風手段と、
前記送風手段と前記加熱体の間に配置され、記録材の記録材搬送方向に直交する方向の幅に応じて送風領域を決めるために移動するシャッタと、を有する画像形成装置において、
前記送風手段からの風を前記加圧部材まで誘導する風路を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記送風領域が広がるように前記シャッタが移動すると、前記送風手段の前記加熱体の前記端部への風量は増加して、前記加圧部材への風量は減少し、
前記送風領域が狭まるように前記シャッタが移動すると、前記送風手段の前記加熱体の前記端部への風量は減少して、前記加圧部材への風量は増加することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記送風領域が広がるように前記シャッタが移動すると、前記シャッタが前記風路を遮る量が増加し、前記送風領域が狭まるように前記シャッタが移動すると、前記シャッタが前記風路を遮る量が減少することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
記録材の記録材搬送方向に直交する方向の幅が前記装置で搬送可能な最大幅よりも小さい場合、前記装置の立ち上げ開始から所定時間が経過する前は、前記シャッタは、前記送風手段の前記加熱体の端部への風量よりも前記加圧部材への風量が大きくなる位置にあり、前記装置の立ち上げ開始から前記所定時間が経過した後は、前記シャッタは、前記送風手段の前記加圧部材への風量よりも前記加熱体の端部への風量が大きくなる位置にあり、
記録材の記録材搬送方向に直交する方向の幅が装置で搬送可能な最大幅である場合、前記装置の立ち上げ開始から少なくとも前記所定時間が経過する前までは、前記シャッタは、前記送風手段の前記加熱体の端部への風量よりも前記加圧部材への風量が大きくなる位置にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記装置が設置されている環境を検知するための環境検知手段を有し、前記環境検知手段の結果に応じて前記所定時間が設定されることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
記録材の記録材搬送方向に直交する方向の幅が前記装置で搬送可能な最大幅よりも小さい場合、装置の立ち上がり開始から定着された記録材の枚数が所定枚数に達する前は、前記シャッタは、前記送風手段の前記加熱体の前記端部への風量よりも前記加圧部材への風量が大きくなる位置にあり、装置の立ち上がり開始から定着された記録材の枚数が前記所定枚数に達した後は、前記シャッタは、前記送風手段の前記加圧部材への風量よりも前記加熱体の前記端部への風量が大きくなる位置にあり、
記録材の記録材搬送方向に直交する方向の幅が装置で搬送可能な最大幅である場合、装置の立ち上がり開始から定着された記録材の枚数が少なくとも所定枚数に達する前までは、前記シャッタは、前記送風手段の前記加熱体の前記端部への風量よりも前記加圧部材への風量が大きくなる位置にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の定着装置。
【請求項7】
前記装置が設置されている環境を検知するための環境検知手段を有し、前記環境検知手段の結果に応じて、前記所定枚数が設定されることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記定着手段は、前記加圧部材の温度を検知する温度検知手段を有し、
記録材の記録材搬送方向に直交する方向の幅が前記装置で搬送可能な最大幅よりも小さい場合、前記温度検知手段による検知温度が所定温度以下の時は、前記シャッタは、前記送風手段の前記加熱体の前記端部への風量よりも前記加圧部材への風量が大きくなる位置にあり、前記検知温度が前記所定温度より高い時は、前記シャッタは、前記送風手段の前記加圧部材への風量よりも前記加熱体の前記端部への風量が大きくなる位置にあり、
記録材の記録材搬送方向に直交する方向の幅が装置で搬送可能な最大幅である場合、前記温度検知手段による検知温度が少なくとも前記所定温度より大きくなるまでは、前記シャッタは、前記送風手段の前記加熱体の前記端部への風量よりも前記加圧部材への風量が大きくなる位置にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記定着手段は、前記記録材搬送方向に直交する方向の端部の温度を検知する温度検知手段を有し、
記録材の記録材搬送方向に直交する方向の幅が前記装置で搬送可能な最大幅よりも小さい場合、前記温度検知手段による検知温度が所定温度以上の時は、前記シャッタは、前記送風手段の前記加圧部材への風量よりも前記加熱体の前記端部への風量が大きくなる位置にあり、前記検知温度が前記所定温度より小さい時は、前記シャッタは、前記送風手段の前記加熱体の端部への風量よりも前記加圧部材への風量が大きくなる位置にあり、
記録材の記録材搬送方向に直交する方向の幅が装置で搬送可能な最大幅である場合、前記シャッタは、前記送風手段の前記加熱体の前記端部への風量よりも前記加圧部材への風量が大きくなる位置にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記加熱体は、筒状のベルトと、前記ベルトの内面と接触するヒータと、を有し、前記加圧部材は、前記ヒータと共に前記ベルトを介して圧接して前記ニップ部を形成することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の定着装置。
【請求項11】
加熱体と、前記加熱体と共にニップ部を形成する加圧部材と、前記加熱体の記録材搬送方向に直交する方向の端部を冷却するための送風手段と、前記送風手段と前記加熱体の間に配置され、記録材の記録材搬送方向に直交する方向の幅に応じて送風領域を決めるために移動するシャッタと、を有し、トナー像を担持した記録材を搬送しながら加熱してトナー像を記録材の上に定着する定着手段と、を有する定着装置において、
前記送風手段からの風を前記加圧部材まで誘導する風路を有することを特徴とする定着装置。
【請求項12】
前記送風領域が広がるように前記シャッタが移動すると、前記送風手段の前記加熱体の前記端部への風量は増加して、前記加圧部材への風量は減少し、
前記送風領域が狭まるように前記シャッタが移動すると、前記送風手段の前記加熱体の前記端部への風量は減少して、前記加圧部材への風量は増加することを特徴とする請求項11に記載の定着装置。
【請求項13】
前記送風領域が広がるように前記シャッタが移動すると、前記シャッタが前記風路を遮る量が増加し、前記送風領域が狭まる方向に前記シャッタが移動すると、前記シャッタが前記風路を遮る量が減少することを特徴とする請求項11又は12に記載の定着装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−7777(P2013−7777A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−138597(P2011−138597)
【出願日】平成23年6月22日(2011.6.22)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月22日(2011.6.22)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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