説明

画像形成装置

【課題】排紙台の開閉検知センサと、排紙センサとを共有する。
【解決手段】画像形成された記録紙を開閉可能な排紙トレイに排出する画像形成装置であって、排紙トレイの開閉状態を検出する第1の検出手段と、画像形成された記録紙が排出されたか否かを検出する第2の検出手段と、第1の検出手段、又は第2の検出手段の検出結果に基づいて、画像形成の実行の可否を報知する報知手段と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
開閉可能な排紙台を備え、給紙台から給紙したシート材を排紙台に排出するシート材搬送装置を有する画像形成装置において、排紙台が閉じているときに警告する機能を設ける技術は既に知られている。
【0003】
また、特許文献1には、開閉可能な手差しトレイ及び排紙トレイを有する画像形成装置において、ユーザが排紙トレイを開け忘れた場合のトラブルを未然に防止する目的で、排紙トレイの開閉状態を検知する開閉検知手段により開閉状態を検知し、排紙トレイが閉まっていると検知された場合には「排紙トレイが閉まっています」又は「排紙トレイを開けて下さい」というアラート(警告)表示を、操作パネル上の表示部に表示させる技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の画像形成装置においては、排紙台の開閉状態を検知するためのセンサを必要としており、当該センサを設けることによりその分消費電力が増加してしまうという問題があった。
【0005】
また、特許文献1に記載された画像形成装置では、排紙トレイが閉まっている状態を検知しユーザに通知しているが、排紙トレイの開閉状態を検知する手段を必要とし、その分消費電力が増してしまうという問題は解消されていない。
【0006】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、排紙台の開閉を検知するためのセンサと、排紙センサとを共有することにより消費電力の増加を抑制することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明における画像形成装置は、画像形成された記録紙を開閉可能な排紙トレイに排出する画像形成装置であって、前記排紙トレイの開閉状態を検出する第1の検出手段と、前記画像形成された記録紙が排出されたか否かを検出する第2の検出手段と、前記第1の検出手段、又は前記第2の検出手段の検出結果に基づいて、前記画像形成の実行の可否を報知する報知手段と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、排紙トレイの開閉状態を検知するための手段と用紙の排紙状態を検知するための手段とを共用することにより、画像形成装置の電力消費を低減可能な画像形成装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成について説明する概略図である。
【図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置を構成する露光器の構成について説明する概略図である。
【図3】本発明の実施形態に係る画像形成装置における排紙フィラーと排紙センサの構成について説明する概略図の、(a)正面図、(b)左側面図、(c)右側面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る画像形成装置における排紙フィラーと排紙トレイの構成について、排紙部に用紙がなく、排紙トレイが開状態の場合の、(a)左側面図、(b)右側面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る画像形成装置における排紙フィラーと排紙トレイの構成について、排紙部に用紙がなく、排紙トレイが閉状態の場合の、(a)左側面図、(b)右側面図である。
【図6】本発明の実施形態に係る画像形成装置における排紙フィラーと排紙トレイの構成について、排紙部に用紙があり、排紙トレイが開状態の場合の、(a)左側面図、(b)右側面図である。
【図7】本発明の実施形態に係る画像形成装置のハードウェア構成を示す概略ブロック図である。
【図8】本発明の実施形態に係る画像形成装置のソフトウェアモジュール構成を示す概略ブロック図である。
【図9】本発明の実施形態に係る画像形成装置の動作(印刷準備処理1)について説明するフロー図である。
【図10】本発明の実施形態に係る画像形成装置の動作(印刷準備処理2)について説明するフロー図である。
【図11】本発明の実施形態に係る画像形成装置の動作(印刷処理1)について説明するフロー図である。
【図12】本発明の実施形態に係る画像形成装置の動作(印刷処理2)について説明するフロー図である。
【図13】本発明の実施形態に係る画像形成装置の動作(印刷処理3)について説明するフロー図である。
【図14】本発明の実施形態に係る画像形成装置の動作(印刷処理4)について説明するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化乃至省略する。本発明は、要するに、画像形成装置の排紙トレイの開閉状態を検知する手段について、用紙の排紙状態を検知する手段の一部を排紙トレイに接触させることにより、用紙の排紙状態と排紙トレイの開閉状態とを1つの検知手段で検知することが特徴になっている。以下、本発明の特徴について、図面を用いて詳細に説明する。
【0011】
まず、本発明の実施形態に係る画像表示装置を構成する機器について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成について説明する概略図である。図1において、本発明の実施形態に係る画像形成装置100は、図1に示すように、無端状移動手段である搬送ベルト4に沿って各色の画像形成部(電子写真プロセス部)(5BK、5M、5C、及び5Y)が並べられた構成を備えるものである。
【0012】
すなわち、CMYK(シアン/マゼンタ/イエロー/ブラック)の各色のトナーに対応する印刷ドラムを搭載し、用紙に対して4色分の画像を一度に転写・定着する所謂タンデム方式と呼ばれるものである。
【0013】
具体的には、給紙トレイ1から給紙ローラ2により給紙される用紙(記録紙)3を搬送する搬送ベルト4に沿って、この搬送ベルト4の搬送方向の上流側から順に、複数の画像形成部(電子写真プロセス部)5BK、5M、5C、5Yが配列されている。
【0014】
これら複数の画像形成部(電子写真プロセス部)5BK、5M、5C、5Yは、形成するトナー画像の色が異なるだけで内部構成は共通である。画像形成部(電子写真プロセス部)5BKは、ブラックの画像を、画像形成部(電子写真プロセス部)5Mはマゼンタの画像を、画像形成部(電子写真プロセス部)5Cはシアンの画像を、画像形成部(電子写真プロセス部)5Yはイエローの画像をそれぞれ形成する。
【0015】
よって、以下の説明では、画像形成部(電子写真プロセス部)5BKについて具体的に説明するが、他の画像形成部(電子写真プロセス部)5M、5C、5Yの構成は、画像形成部(電子写真プロセス部)5BKと同様であるので、その画像形成部(電子写真プロセス部)5M、5C、5Yの各構成要素については、画像形成装置5BKの各構成要素に付したBKに代えて、M、C、Yによって区別した符号を図に表示するに留め、詳細な説明を省略する。
【0016】
搬送ベルト4は、回転駆動される駆動ローラ7と従動ローラ8とに巻回されたエンドレスのベルトである。この駆動ローラ7は、図示しない駆動モータにより回転駆動させられ、この駆動モータと、駆動ローラ7と、従動ローラ8とが、無端状移動手段である搬送ベルト4を移動させる駆動手段として機能する。
【0017】
画像形成に際して、給紙トレイ1に収納された用紙(記録紙)3は最も上にあるのものから順に送り出され、静電吸着作用により搬送ベルト4に吸着されて回転駆動される搬送ベルト4により最初の画像形成部(電子写真プロセス部)5BKに搬送され、ここで、ブラックのトナー画像が転写される。
【0018】
画像形成部(電子写真プロセス部)5BKは、感光体としての感光体ドラム9BKと、この感光体ドラム9BKの周囲に配置された帯電器10BKと、露光器11と、現像器12BKと、図示しない感光体クリーナと、除電器13BK等とから構成されている。露光器11は、各画像形成部(電子写真プロセス部)5BK、5M、5C、5Yが形成する画像色に対応する露光ビームであるレーザ光14BK、14M、14C、14Yを照射するように構成されている。
【0019】
次に、本発明の実施形態に係る画像形成装置を構成する露光器について説明する。図2は、本発明の実施形態に係る画像形成装置を構成する露光器の構成について説明する概略図である。各画像色の露光ビームであるレーザ光14BK、14M、14C、14Yは、それぞれ光源であるレーザダイオード24BK、24M、24C、24Yから照射される。照射されたレーザ光は反射鏡23によって光学系25BK、25M、25C、25Yを経て光路を調整された後、感光体ドラム9BK、9M、9C、9Y(図1)の表面へと走査される。
【0020】
反射鏡23は6面体のポリゴンミラーであり、回転をすることによってポリゴンミラー1面につき主走査方向1ライン分の露光ビームを走査することができる。光源のレーザダイオード4つに対して、1つのポリゴンミラー23で走査を行う。14BK、14Mと、14C、14Yとの2色ずつの露光ビームに分けてポリゴンミラー23の対向反射面を用いて走査を行うことにより、異なる4つの感光体ドラムへと同時に露光することを可能としている。光学系25は反射光を等間隔に揃えるf−θレンズと、レーザ光を偏向する偏向ミラーとで構成されている。
【0021】
同期検知センサ26は、主走査方向の画像領域外に配置され、1ラインの走査毎にレーザ光14BK、14Yを検出し、画像形成時の露光開始タイミングを調節する。同期検知センサ26は25BK側に配置されているため、レーザ光14Yは同期検知用折り返しミラー25Y_D1、25Y_D2、及び25Y_D3を経由して同期検知センサ26に入射される。
【0022】
レーザ光14M、14Cは、同期検知センサ26による書出しタイミングの調節ができないため、マゼンタ(M)の露光開始タイミングは、ブラック(BK)の露光開始タイミングに、シアン(C)の露光開始タイミングは、イエロー(Y)の露光開始タイミングに一致させて各色の画像位置を揃えている。
【0023】
画像形成に際し、感光体ドラム9BK(図1)の外周面は、暗中にて帯電器10BKにより一様に帯電された後、露光器11からのブラック画像に対応したレーザ光14BKにより露光され、静電潜像が形成される。現像器12BKは、この静電潜像をブラックトナーにより可視像化し、このことにより感光体ドラム9BK上にブラック(BK)のトナー画像が形成される。
【0024】
このトナー画像は、感光体ドラム9BKと搬送ベルト4上の用紙3(記録紙)とが接する位置(転写位置)で、転写器15BKの働きにより用紙(記録紙)3上に転写される。この転写により、用紙(記録紙)3上にブラックのトナーによる画像が形成される。トナー画像の転写が終了した感光体ドラム9BKは、外周面に残留した不要なトナーが図示しない感光体クリーナにより払拭された後、除電器13BKにより除電され、次の画像形成のために待機する。
【0025】
このようにして、画像形成部(電子写真プロセス部)5BKでブラックのトナー画像を転写された用紙(記録紙)3は、搬送ベルト4によって次の画像形成部(電子写真プロセス部)5Mに搬送される。画像形成部(電子写真プロセス部)5Mでは、画像形成部(電子写真プロセス部)5BKでの画像形成プロセスと同様のプロセスにより感光体ドラム9M上にマゼンタのトナー画像が形成され、そのトナー画像が用紙(記録紙)3上に形成されたブラックの画像に重畳されて転写される。
【0026】
用紙(記録紙)3は、さらに次の画像形成部(電子写真プロセス部)5C、5Yに搬送され、同様の動作により、感光体ドラム9C上に形成されたシアンのトナー画像と、感光体ドラム9Y上に形成されたイエローのトナー画像とが、用紙(記録紙)3上に重畳されて転写される。こうして、用紙(記録紙)3上にフルカラーの画像が形成される。このフルカラーの重ね画像が形成された用紙(記録紙)3は、搬送ベルト4から剥離されて定着器16にて画像が定着された後、画像形成装置100の外部に排紙される。
【0027】
排紙センサ6は、用紙(記録紙)3が正常に画像形成装置100の外部に排紙されたことを確認するためのものである。さらに、画像形成装置100を使用しないとき、占有用面積を小さくするための開閉可能な排紙トレイ27が設置されている。
【0028】
次に、本発明に実施形態に係る画像形成装置における排紙トレイの開閉状態の検知と用紙(記録紙)の排紙状態の検知とを共用する構成について説明する。図3は、本発明の実施形態に係る画像形成装置における排紙フィラーと排紙センサの構成について説明する概略図の、(a)正面図、(b)左側面図、(c)右側面面である。
【0029】
排紙トレイの開閉状態の検知と用紙(記録紙)の排紙状態の検知とを共用する構成は、排紙フィラー28と排紙センサ6とから構成され、用紙(記録紙)3が排紙トレイ27に存在しないときは、図3(a)のように、排紙フィラー28の右下部切片283が排紙センサ6の発光部61と受光部62との間を塞ぐ状態になるため、排紙センサ6は感知せず、用紙(記録紙)3が排紙トレイ27部に存在するときは、排紙フィラー28の上部突起部281に用紙(記録紙)3が当たることにより、排紙フィラー28が回転軸280を中心として回転し、排紙フィラー28の右下部切片283が排紙センサ6の発光部61と受光部62との間を塞がない状態になるため、排紙センサ6は感知し、排紙トレイ27上に用紙(記録紙)3が存在することが検出される。
【0030】
次に、本発明の実施形態に係る画像形成装置における排紙フィラーと排紙トレイとの関係について説明する。図4は、本発明の実施形態に係る画像形成装置における排紙フィラーと排紙トレイの構成について、排紙トレイに用紙(記録紙)がなく、排紙トレイが開状態の場合の、(a)左側面図、(b)右側面図である。
【0031】
排紙トレイ27に用紙(記録紙)が存在しない場合には、図4(b)に示しように、排紙フィラー28は回転軸280を中心として回転しないので、排紙フィラー28の右下部切片283が排紙センサ6の発光部61と受光部62との間を塞ぎ、排紙トレイ27と排紙フィラー28とは接触しない状態になる。
【0032】
引き続き、本発明の実施形態に係る画像形成装置における排紙フィラーと排紙トレイとの関係について説明する。図5は、本発明の実施形態に係る画像形成装置における排紙フィラーと排紙トレイの構成について、排紙部に用紙がなく、排紙トレイが閉状態の場合の、(a)左側面図、(b)右側面図である。
【0033】
排紙トレイ27が閉じられた場合には、排紙トレイ27の突起部271と排紙フィラー28の左下部切片282とが接触し、排紙フィラー28が回転軸280を中心として時計方向に回転することにより(図5(a))、排紙フィラー28の右下部切片283が排紙センサ6の発光部61と受光部62との間を塞がない状態になるため(図5(b))、排紙センサ6は感知し、排紙トレイ27が閉状態になったことが検出される。
【0034】
引き続き、本発明の実施形態に係る画像形成装置における排紙フィラーと排紙トレイとの関係について説明する。図6は、本発明の実施形態に係る画像形成装置における排紙フィラーと排紙トレイの構成について、排紙部に用紙があり、排紙トレイが開状態の場合の、(a)左側面図、(b)右側面図である。
【0035】
排紙トレイ27の方向へ用紙(記録紙)3が排出された場合には、用紙(記録紙)3の排出方向(太線矢印の方向)先端部が、排紙フィラー28の上部突起部281に接触し、排紙フィラー28が回転軸280を中心として時計方向に回転することにより(図6(a))、排紙フィラー28の右下部切片283が排紙センサ6の発光部61と受光部62との間を塞がない状態になるため(図6(b))、排紙センサ6は感知し、用紙(記録紙)3が排出されたことが検出される。
【0036】
図3から図6を用いて説明したように、本発明の実施形態に係る画像形成装置100では、排紙トレイ27が閉じられた場合、又は排紙トレイ27の方向へ用紙(記録紙)3が排出された場合、排紙センサ6の発光部61から発せられた光が受光部62において受信されることにより排紙センサ6が感知(ON)し、排紙トレイ27が閉じられた状態であること、又は用紙(記録紙)3が排出された状態であることがそれぞれ検出されるのである。
【0037】
次に、本発明の実施形態に係る画像形成装置のハードウェアのシステム構成について説明する。図7は、本発明の実施形態に係る画像形成装置のハードウェア構成を示す概略ブロック図である。
【0038】
図7に示すように、画像形成装置100のハードウェアは、プログラム命令を解釈し、実行する演算装置としてのCPU(Central Processing Unit)36と、画像形成装置100を利用するユーザが、画像形成装置100の状態把握や画像形成装置100の動作を変更するために用いる操作パネル29と、CPU36で実行するプログラムを格納した読み出し専用の半導体メモリであるROM(Read Only Memory)30と、電気的に消去(書き換え)可能であり、不揮発性なROMであるEEPROM(Electrically Erasable Programmable Rom)35と、任意のアドレスを指定して読み書きすることが可能な半導体メモリであるRAM(Random Access Memory)31と、画像形成装置100が印刷するデータを格納するメモリである画像メモリ34と、センサやモータやクラッチ等の電装品の入出力を制御するI/O(Input/Output)32と、画像形成装置100と画像形成装置100に印刷要求を行う端末とのインターフェースである外部I/F(Inter/Face)33と、から構成される。
【0039】
次に、本発明の実施形態に係る画像形成装置のソフトウェアのシステム構成について説明する。図8は、本発明の実施形態に係る画像形成装置のソフトウェアモジュール構成を示す概略ブロック図である。
【0040】
図8に示すように、画像形成装置100のソフトウェアモジュールは、画像形成装置100に印刷要求を行う端末と通信を行うためのコンピュータインタフェース部38と、画像メモリ部34(図7)に格納されている画像データから電子写真方式によりトナー画像を作成し、用紙(記録紙)3に転写し画像形成装置100外に排出するプロッタ部39と、画像形成装置100に印刷要求を行う端末から送信された画像データを格納する画像メモリ部40と、画像形成装置100の状態を表示し、画像形成装置100への入力を受け付ける操作部42と、画像形成装置100に要求された印刷ジョブについて、印刷を行う順番を管理するプリントジョブ管理部43と、制御を行うためのデータを記憶している記憶部41と、上記すべてのモジュールの一連の動作を制御する制御部37と、から構成される。
【0041】
次に、本発明の実施形態に係る画像形成装置の動作について説明する。図9は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の動作(印刷準備処理1)について説明するフロー図である。図9において、まず、ステップ(以下、「S」という。)901では、制御部37(図8)において、直ちに印刷を開始することができる状態にするための印刷準備動作(例えば、定着器16(図1)の温度を上げる。図示しない感光体クリーナで感光体9のクリーニングを行う等)を開始する指示を受けたか否かが判断され、印刷準備指示を受けていないと判断されたときは(S901:NO)、印刷準備指示を受けるまで待機する。
【0042】
一方、印刷準備指示を受けたと判断されたときは(S901:YES)、S902へ移行し、プロッタ部39(図8)において排紙センサ6の状態が判断される。S902において、排紙センサ6がOFF状態(排紙センサ6が光を感知していない状態、すなわち、排紙トレイ27が開かれた状態、又は用紙(記録紙)3が排出されない状態)であると判断されたときは(S902:YES)、S903へ移行し、印刷準備動作が実行される。
【0043】
他方、S902において、排紙センサ6がON状態(排紙センサが光を検知している状態、すなわち、排紙トレイ27が閉じられた状態、又は用紙(記録紙)3が排出された状態)であると判断されたときは(S902:NO)、S904へ移行し、操作部42(図8)から入力されるユーザからの指示が処理され、記憶部41(図8)に記憶されている印刷準備許可設定情報を参照し、印刷準備設定が許可されているか否かが判断され、印刷準備設定が許可されていると判断されたときは(S904:YES)、S903へ移行し、印刷準備動作が実施される。印刷準備設定が不許可であると判断されたときは(S904:NO)、S902へ戻り、再び排紙センサ6の状態が判断される。これにより、排紙トレイ27が開かれた状態、又は用紙(記録紙)3が排出されない状態であると判断されたときは(S902:YES)、直ぐに印刷準備動作が実行される。
【0044】
引き続き、本発明の実施形態に係る画像形成装置の動作について説明する。図10は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の動作(印刷準備処理2)について説明するフロー図である。図10において、まず、S101では、制御部37(図8)において、直ちに印刷を開始することができる状態にするための印刷準備動作(例えば、定着器16(図1)の温度を上げる。図示しない感光体クリーナで感光体9のクリーニングを行う等)を開始する指示を受けたか否かが判断され、印刷準備指示を受けていないと判断されたときは(S101:NO)、印刷準備指示を受けるまで待機する。
【0045】
一方、印刷準備指示を受けたと判断されたときは(S101:YES)、S102へ移行し、プロッタ部39(図8)において排紙センサ6の状態が判断される。S102において、排紙センサ6がOFF状態(排紙センサ6が光を感知していない状態、すなわち、排紙トレイ27が開かれた状態、又は用紙(記録紙)3が排出されない状態)であると判断されたときは(S102:YES)、S103へ移行し、印刷準備動作が実行される。
【0046】
他方、S102において、排紙センサ6がON状態(排紙センサが光を検知している状態、すなわち、排紙トレイ27が閉じられた状態、又は用紙(記録紙)3が排出された状態)であると判断されたときは(S102:NO)、S104へ移行し、記憶部41(図8)に記憶されているジャム(用紙詰り)履歴情報が参照され、ジャム履歴がないと判断されたときは(S104:YES)、S103へ移行し、印刷準備動作が実行される。
【0047】
また、S104において、ジャム履歴があると判断されたときは(S104:NO)、S102へ戻り、再び排紙センサ6の状態が判断される。これにより、搬送経路に用紙詰り等があるとき、印刷準備動作に移行させないことにより、画像形成装置内の用紙(記録紙)3や画像形成装置の性能劣化を防止することができる。
【0048】
なお、記憶部41(図8)に記憶されているジャム履歴情報は、プロッタ部39において、排紙部においてジャムが検出されたしたときに記憶部41にジャム履歴情報がセットされ、排紙センサ6がOFF状態であると判断されたときにジャム履歴がリセットされるものとする。
【0049】
引き続き、本発明の実施形態に係る画像形成装置の動作について説明する。図11は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の動作(印刷処理1)について説明するフロー図である。図11において、まず、S111では、制御部37(図8)において、コンピュータインタフェース部38から印刷指示があったか否かが判断され、印刷指示がないと判断されたときは(S111:NO)、印刷指示があるまで待機する。
【0050】
一方、印刷指示があったと判断されたときは(S111:YES)、S112へ移行し、プロッタ部39(図8)において排紙センサ6の状態が判断される。S112において、排紙センサ6がOFF状態(排紙センサ6が光を感知していない状態、すなわち、排紙トレイ27が開かれた状態、又は用紙(記録紙)3が排出されない状態)であると判断されたときは(S112:YES)、S113へ移行し、印刷処理動作が実行される。
【0051】
他方、S112において、排紙センサ6がON状態(排紙センサが光を検知している状態、すなわち、排紙トレイ27が閉じられた状態、又は用紙(記録紙)3が排出された状態)であると判断されたときは(S112:NO)、排紙センサ6がOFF状態となるまで待機する。これにより、例えば、排紙トレイ6が閉じられた状態で印刷を実行しないことによりジャムの発生を未然に防止することができる。
【0052】
引き続き、本発明の実施形態に係る画像形成装置の動作について説明する。図12は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の動作(印刷処理2)について説明するフロー図である。図12において、まず、S121では、制御部37(図8)において、コンピュータインタフェース部38から印刷指示があったか否かが判断され、印刷指示がないと判断されたときは(S121:NO)、印刷指示があるまで待機する。
【0053】
一方、印刷指示があったと判断されたときは(S121:YES)、S122へ移行し、プロッタ部39(図8)において排紙センサ6の状態が判断される。S122において、排紙センサ6がOFF状態(排紙センサ6が光を感知していない状態、すなわち、排紙トレイ27が開かれた状態、又は用紙(記録紙)3が排出されない状態)であると判断されたときは(S122:YES)、S123へ移行し、印刷処理動作が実行される。
【0054】
他方、S122において、排紙センサ6がON状態(排紙センサが光を検知している状態、すなわち、排紙トレイ27が閉じられた状態、又は用紙(記録紙)3が排出された状態)であると判断されたときは(S122:NO)、S124へ移行し、操作部42(図8)に設けられた図示しない表示部に、排紙トレイ6が閉状態であることが表示され、排紙センサ6がOFF状態となるまで待機する。これにより、排紙トレイ27が閉状態であるため、印刷を開始することができない旨をユーザに対して通知することができる。
【0055】
そして、S122において、排紙センサ6がOFF状態(排紙センサ6が光を感知していない状態、すなわち、排紙トレイ27が開かれた状態、又は用紙(記録紙)3が排出されない状態)であると判断されたときは(S122:YES)、S123へ移行し、直ちに印刷処理動作が実行される。これにより、ユーザによる再度の印刷指示の入力動作を省略することができる。
【0056】
引き続き、本発明の実施形態に係る画像形成装置の動作について説明する。図13は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の動作(印刷処理3)について説明するフロー図である。図13において、まず、S131では、制御部37(図8)において、コンピュータインタフェース部38から印刷指示があったか否かが判断され、印刷指示がないと判断されたときは(S131:NO)、印刷指示があるまで待機する。
【0057】
一方、印刷指示があったと判断されたときは(S131:YES)、S132へ移行し、プロッタ部39(図8)において排紙センサ6の状態が判断される。S132において、排紙センサ6がOFF状態(排紙センサ6が光を感知していない状態、すなわち、排紙トレイ27が開かれた状態、又は用紙(記録紙)3が排出されない状態)であると判断されたときは(S132:YES)、S133へ移行し、図示しないタイマーカウンタによる時間計測がクリアされ、S134において印刷処理動作が実行される。
【0058】
他方、S132において、排紙センサ6がON状態(排紙センサが光を検知している状態、すなわち、排紙トレイ27が閉じられた状態、又は用紙(記録紙)3が排出された状態)であると判断されたときは(S132:NO)、S135へ移行し、上記したタイマーカウンタによる時間計測が開始され、S136において、操作部42(図8)に設けられた図示しない表示部に、排紙トレイ6が閉状態であることが表示される。
【0059】
そして、S137において、タイマーカウンタにより計測されたタイマ値が、タイムアウトとなる閾値を超えたか否かが判断され、タイマ値がタイムアウトとなる閾値を超えていると判断されたときは(S137:YES)、S138へ移行し、印刷操作のキャンセル処理がなされ、処理を終了する。これにより、無駄な待機時間を減らすことができる。
【0060】
また、タイマ値がタイムアウトとなる閾値より小さいと判断されたときは(S137:NO)、S132へ移行し、排紙センサ6がOFF状態となるまで待機する。
【0061】
引き続き、本発明の実施形態に係る画像形成装置の動作について説明する。図14は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の動作(印刷処理4)について説明するフロー図である。図14において、まず、S141では、制御部37(図8)において、コンピュータインタフェース部38から印刷指示があったか否かが判断され、印刷指示がないと判断されたときは(S141:NO)、印刷指示があるまで待機する。
【0062】
一方、印刷指示があったと判断されたときは(S141:YES)、S142へ移行し、プロッタ部39(図8)において排紙センサ6の状態が判断される。S142において、排紙センサ6がOFF状態(排紙センサ6が光を感知していない状態、すなわち、排紙トレイ27が開かれた状態、又は用紙(記録紙)3が排出されない状態)であると判断されたときは(S142:YES)、S143へ移行し、印刷処理動作が実行される。
【0063】
他方、S142において、排紙センサ6がON状態(排紙センサが光を検知している状態、すなわち、排紙トレイ27が閉じられた状態、又は用紙(記録紙)3が排出された状態)であると判断されたときは(S142:NO)、S148へ移行し、操作部42(図8)に設けられた図示しない表示部に、排紙トレイ6が閉状態であることが表示され、排紙センサ6がOFF状態となるまで待機する。これにより、排紙トレイ27が閉状態であるため、印刷を開始することができない旨をユーザに対して通知することができる。
【0064】
S143において印刷処理動作が実行された後、再びS144において、プロッタ部39(図8)において排紙センサ6の状態が判断される。S144において、再び排紙センサ6がOFF状態(排紙センサ6が光を感知していない状態、すなわち、排紙トレイ27が開かれた状態、又は用紙(記録紙)3が排出されない状態)であると判断されたときは(S144:YES)、S146へ移行し、印刷処理動作が継続される。
【0065】
他方、S144において、排紙センサ6がON状態(排紙センサが光を検知している状態、すなわち、排紙トレイ27が閉じられた状態、又は用紙(記録紙)3が排出された状態)であると判断されたときは(S144:NO)、S145へ移行する。
【0066】
S145では、排紙センサ6がON状態であると判断されたタイミングが、用紙(記録紙)3が排紙センサ6に到達し、正常に印刷が終了するのに必要とされる時間より遅いタイミングであるか否か、すなわち、S143において印刷処理動作が実行されたとき、排紙センサ6がONしたタイミングと、駆動ローラ7(従動ローラ8)の回転タイミングと線速等のパラメータによって用紙(記録紙)3が排紙センサ6に到達するタイミングとを比較し、排紙センサ6がONするタイミングよりも用紙(記録紙)3が排紙センサ6に到達したタイミングが早いときには、排紙センサ6が正常タイミングであると判断され(S145:YES)、S146へ移行し、印刷処理が継続される。
【0067】
これに対して、排紙センサ6がONするタイミングよりも用紙(記録紙)3が排紙センサ6に到達したタイミングが遅いときには、排紙センサ6が正常タイミングでないと判断され(S145:NO)、S149移行し、印刷処理が停止される。これにより、用紙(記録紙)3が排紙センサ6に到達するタイミングよりも前に排紙センサ6がONした場合には、例えば、排紙トレイ27が閉状態になったと判断され、印刷動作が停止されることによりジャム等のトラブル発生を未然に防止することができる。
【0068】
そして、S147では、印刷処理が終了したか否かが判断され、印刷処理が終了したと判断されたときは(S147:YES)、処理を終了し、印刷処理が終了していないと判断されたときは(S147:NO)、S144へ移行し、再び排紙センサ6がOFFであるか否かが判断される。
【0069】
なお、図9から図14に示した本発明の実施形態に係る画像表示装置100の各動作フローは、コンピュータ上のプログラムに実行させることもできる。すなわち、図7のCPU36が、ROM30、RAM31等の記憶媒体に格納されたプログラムをロードし、プログラムの処理ステップが順次実行されることによって行われる。
【0070】
このように、本発明では、画像形成された記録紙を開閉可能な排紙トレイに排出する画像形成装置において、排紙トレイの開閉状態を検出する手段と、画像形成された記録紙が排出されたか否かを検出する手段と、この2つの検出手段の検出結果に基づいて、画像形成の実行の可否を報知する手段と、を含むことにより、排紙トレイの開閉状態を検知するための手段と用紙の排紙状態を検知するための手段とを共用し、画像形成装置の電力消費を低減することができる画像形成装置を得ることができる。
【0071】
以上、本発明の好適な実施形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範囲な趣旨及び範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0072】
1 給紙トレイ
2 給紙ローラ
3 用紙(記録紙)
4 搬送ベルト
5BK、5M、5C、5Y 画像形成部(電子写真プロセス部)
6 排紙センサ
7 駆動ローラ
8 従動ローラ
9BK、9M、9C、9Y 感光体ドラム
10BK、10M、10C、10Y 帯電器
11 露光器
12BK、12M、12C、12Y 現像器
13BK、13M、13C、13Y 除電器
14BK、14M、14C、14Y レーザ光
15BK、15M、15C、15Y 転写器
16 定着器
23 反射鏡(ポリゴンミラー)
24BK、24M、24C、24Y 光源(レーザダイオード)
25BK、25M、25C、25Y 光学系
25Y_D1、25Y_D2、25Y_D3 同期検知用折り返しミラー
26 同期検知センサ
27 排紙トレイ
28 排紙フィラー
29 操作パネル
30 ROM
31 RAM
32 I/O
33 外部I/F
34 画像メモリ
35 EEPROM
36 CPU
37 制御部
38 コンピュータインタフェース部
39 プロッタ部
40 画像メモリ部
41 記憶部
42 操作部
43 プリントジョブ管理部
61 発光部
62 受光部
100 画像形成装置
271 突起部
280 回転軸
281 上部突起部
282 左下部切片
283 右下部切片
【先行技術文献】
【特許文献】
【0073】
【特許文献1】特開2006−248750号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成された記録紙を開閉可能な排紙トレイに排出する画像形成装置であって、
前記排紙トレイの開閉状態を検出する第1の検出手段と、
前記画像形成された記録紙が排出されたか否かを検出する第2の検出手段と、
前記第1の検出手段、又は前記第2の検出手段の検出結果に基づいて、前記画像形成の実行の可否を報知する報知手段と、
を含むことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記報知手段は、前記第1の検出手段により前記排紙トレイが閉状態であることが検出されると、前記画像形成の実行が不可能である旨を報知することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記報知手段は、前記第2の検出手段により前記画像形成された記録紙が排出されないことが検出されると、前記画像形成の実行が可能である旨を報知することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像形成の実行指示を受け付ける受付手段をさらに含み、前記受付手段により前記画像形成の実行指示が受け付けられたとき、前記第1の検出手段により前記排紙トレイが開状態であること、又は前記第2の検出手段により前記画像形成された記録紙が排出されないことが検出されると、前記画像形成の実行に必要な処理を行うことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像形成の実行履歴を記憶する記憶手段をさらに含み、前記受付手段により前記画像形成の実行指示が受け付けられたとき、前記記憶手段に前記画像形成における障害履歴が記憶されていると、前記画像形成の実行に必要な処理を行わないことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記排紙トレイが閉状態であることを表示する表示手段をさらに含み、前記受付手段により前記画像形成の実行指示が受け付けられたとき、前記第1の検出手段により前記排紙トレイが閉状態から開状態に変化したことが検出されると、前記画像形成の実行を行うことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記受付手段により前記画像形成の実行指示が受け付けられた後に、前記第1の検出手段により前記排紙トレイが閉状態であること、又は前記第2の検出手段により前記画像形成された記録紙が排出されたことが検出されてからの経過時間を計測する計時手段をさらに含み、前記第1の検出手段により前記排紙トレイが閉状態であることが前記表示手段に表示されると共に、前記計時手段により計測された前記経過時間が予め定められた所定の時間を超えると、前記画像形成の実行を行わないことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第1の検出手段により前記排紙トレイが開状態であること、又は前記第2の検出手段により前記画像形成された記録紙が排出されないことが検出され、前記記録紙に対する画像形成が行われた後に、前記第1の検出手段により前記排紙トレイが閉状態であること、又は前記第2の検出手段により前記画像形成された記録紙が排出されたことが検出されたとき、前記画像形成が行われた記録紙が、前記第1の検出手段により前記排紙トレイが閉状態であること、又は前記第2の検出手段により前記画像形成された記録紙が排出されたことが検出されるタイミングよりも早いタイミングで前記第2の検出手段により排出されたことが検出されるときは前記画像形成の処理を継続し、前記タイミングよりも遅いタイミングで検出されるときは前記画像形成の処理を停止することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−97239(P2013−97239A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−241023(P2011−241023)
【出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】