説明

画像生成装置、画像形成装置、情報処理装置、印刷媒体、画像生成方法、及びプログラム

【課題】 電子文書と紙等の媒体を融合したサービスの自由度を高める。
【解決手段】 電子文書、その格納場所、印刷属性、付加情報を受信する受信部30aと、識別情報リポジトリ350から払い出された識別情報、電子文書の格納場所、及び、必要あれば付加情報の対応関係を対応情報DB32に登録する対応情報登録部31と、コード画像の生成に必要な情報として、印刷属性、識別情報、付加情報を抽出する情報抽出部33と、これらの情報を符号化し、コードを生成し、2次元に配置することにより、コード画像を生成するコード画像生成部36と、情報抽出部33による情報抽出後の情報から電子文書の文書画像を生成する文書画像生成部34と、コード画像と文書画像を合成する画像合成部38と、画像合成後の画像を送信する送信部30bとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機やプリンタ等の画像形成装置で印刷する画像を生成する画像生成装置、複写機やプリンタ等の画像形成装置、この画像形成装置で印刷される印刷媒体、この印刷媒体から情報を読み取って処理を行う情報処理装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、細かなドットが印刷された特殊な用紙に文字や絵を描き、ユーザがこの用紙上に書いた文字等のデータをパソコンや携帯電話等に転送し、この内容の保存や、メール送信を可能とする技術が注目されている。この技術では、この特殊な用紙に例えば0.3mm程度の間隔にて小さなドットが印刷され、これが例えば所定の大きさのグリッドごとに、全て異なるパターンを描くように構成されている。これを、例えばデジタルカメラを内蔵した専用のペンを用いて読み込むことで、この特殊な用紙上に書かれた文字等の位置を特定することができ、このような文字等を電子情報として利用することが可能となる。
【0003】
ここで、公報記載の従来技術として、電子文書とその電子文書が印刷された用紙とを紐付けておき、用紙上に書かれた文字等と電子文書とを融合する技術もある(例えば、特許文献1参照)。具体的には、電子文書のページの識別情報と、用紙上での位置情報とを、機械読取り可能な2次元コード等に代表されるコード画像へ埋め込み、電子文書と重畳してプリンタ等により印刷する。次に、ペン型のスキャナを用いて、印刷文書への筆記動作と、筆記箇所の部分画像とを印刷文書から連続的に取得する。そして、取得した画像を解析することにより、電子文書のページの識別情報と部分画像の印刷文書上での複数の位置情報を検出する。その後、検出した識別情報によりオリジナルの電子文書のページを識別すると共に、複数の位置情報により印刷文書上に筆記された内容を再現することで、オリジナルの電子文書のページに対してその筆記された内容を付加することを可能としている。
【0004】
【特許文献1】特開2004−094907号公報(第7−9頁、第14−15頁、第3−7図、第25−27図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の発明では、コード画像の中に、用紙上の位置を示す位置情報と、電子文書のページの識別情報と、誤り訂正のための情報とが格納されているに過ぎない。従って、このような印刷文書を用いて何らかのサービスを提供しようとした場合、そのサービスの提供に必要な情報をコード画像中に埋め込むことができないので、サービスの自由度が制限されてしまうという問題点があった。
【0006】
具体的に述べると、用紙に印刷された識別情報に基づいて電子文書にアクセスした際に、電子文書に応じて動作を変更したい場合がある。例えば、電子文書の作成者の意図により、ある電子文書については、印刷文書に筆記された手書き情報をオリジナルの電子文書に反映したいが、別の電子文書については、オリジナルの電子文書に反映したくない場合がある。更に、ある電子文書については、印刷文書に対する手書き情報をオリジナルの電子文書に直接付加したいが、別の電子文書については、印刷文書に対する手書き情報を付加した電子文書を、オリジナルの電子文書とは別に管理したい場合もある。
また、オリジナルの電子文書には、機密性保持のため、不用意に開示したくない文書がある。しかし、特許文献1では、アクセス制御等は行われず、紙(の中の識別情報)に基づいて電子文書に直接アクセスされていた。
【0007】
本発明は、以上のような技術的課題を解決するためになされたものであって、その目的は、電子文書と紙等の媒体を融合したサービスの自由度を高めることにある。
また、本発明の他の目的は、電子文書の文書画像を印刷した媒体を用いて、電子文書又は媒体に対し自由な処理を行えるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的のもと、本発明では、ユーザのアプリケーションプログラムで自由に設定できる付加情報をコード画像に埋め込むようにした。即ち、本発明の画像生成装置は、媒体上の各位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段と、媒体に形成される文書画像の元となる電子文書、又はその媒体を識別するための識別情報を取得する識別情報取得手段と、ユーザのアプリケーションプログラムで利用される付加情報を取得する付加情報取得手段と、位置情報、識別情報、付加情報を表すコード画像を生成するコード画像生成手段とを備えている。
尚、ここで、位置情報及び識別情報は、システム側で用意されるものであるから、システム側に存在する第1の装置(例えば、識別情報管理サーバ)から提供されるものであり、付加情報は、ユーザ側で入力されるものであるから、ユーザ側に存在する第2の装置(例えば、端末装置)から提供されるものである。
【0009】
また、本発明は、例えばこの画像生成装置で生成された画像を形成する画像形成装置として捉えることもできる。その場合、本発明の画像形成装置は、媒体に形成される文書画像を生成する文書画像生成部と、媒体上の各位置を示す位置情報、文書画像の元となる電子文書又はその媒体を識別するための識別情報、電子文書又は媒体に対する処理に用いられる付加情報を表すコード画像を生成するコード画像生成部と、文書画像とコード画像とを合成する画像合成部と、この画像合成部による合成後の画像を媒体に形成する画像形成部とを備えている。
【0010】
更に、本発明は、コード画像から情報を読み取って処理を行う情報処理装置として捉えることもできる。その場合、本発明の情報処理装置は、媒体に形成されたコード画像において、その媒体上の各位置を示す位置情報やその媒体に形成された画像の元となるデータ又はその媒体を識別するための識別情報とに追加して設けられた付加情報を取得する付加情報取得部と、この付加情報取得部により取得された付加情報に応じて所定の動作を行う処理部とを備えている。
【0011】
更にまた、本発明は、このような処理に用いられる印刷媒体として捉えることもできる。その場合、本発明の印刷媒体は、所定のデータに基づく第1の画像と、自身の異なる2方向に拡がりを持つ面上の位置情報、自身又はデータを識別するための識別情報、自身又はデータに対する処理に用いられる付加情報を表す第2の画像とが形成されたものである。
【0012】
また、本発明は、ユーザのアプリケーションプログラムで自由に設定できる付加情報をコード画像に埋め込む方法として捉えることもできる。その場合、本発明の画像生成方法は、媒体上の各位置を示す位置情報を取得するステップと、媒体に形成される画像の元となるデータ、又はその媒体を識別するための識別情報を取得するステップと、ユーザのアプリケーションプログラムで利用される付加情報を取得するステップと、位置情報、識別情報、付加情報を表すコード画像を生成するステップとを含んでいる。
【0013】
一方、本発明は、所定の機能をコンピュータに実現させるためのプログラムとして捉えることもできる。
第一に、画像生成機能をコンピュータに実現させるプログラムである。その場合、本発明のプログラムは、コンピュータに、媒体上の各位置を示す位置情報を取得する機能と、記媒体に形成される画像の元となるデータ、又はその媒体を識別するための識別情報を取得する機能と、ユーザのアプリケーションプログラムで利用される付加情報を取得する機能と、位置情報、識別情報、付加情報を表すコード画像を生成する機能とを実現させるためのものである。
また、第二に、情報処理機能をコンピュータに実現させるプログラムである。その場合、本発明のプログラムは、コンピュータに、媒体に形成されたコード画像において、その媒体上の各位置を示す位置情報やその媒体又はその媒体に形成された画像の元となるデータを識別するための識別情報に追加して設けられた付加情報を取得する機能と、取得された付加情報に応じて所定の動作を行う機能とを実現させるためのものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、電子文書と紙等の媒体を融合したサービスの自由度を高めることができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態(以下、「実施の形態」という)について詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態が適用されるシステムの構成の一例を示したものである。このシステムは、少なくとも、電子文書の印刷を指示する端末装置100と、印刷対象の電子文書を管理する文書管理サーバ200と、印刷指示がなされた電子文書の文書画像に識別情報等を示すコード画像が付加されたコード付き文書を生成する識別情報管理サーバ300と、このコード付き文書を印刷する画像形成装置400とがネットワーク900に接続されることにより構成されている。
【0016】
また、文書管理サーバ200には、電子文書を記憶する記憶装置としての文書リポジトリ250が接続され、識別情報管理サーバ300には、識別情報を記憶する記憶装置としての識別情報リポジトリ350が接続されている。尚、本実施の形態において、識別情報は、媒体を識別するために用いられてもよいし、電子文書を識別するために用いられてもよい。
更に、このシステムは、画像形成装置400にて出力されるコード画像付き用紙500と、コード画像付き用紙500に文字又は図形を記録し、その文字又は図形の記録情報を読み取るペンデバイス600とを含む。また、ネットワーク900には、文書管理サーバ200で管理される文書とペンデバイス600により読み取られた記録情報とを重ね合わせて表示する端末装置700も接続されている。
【0017】
以下、本システムの動作の概略を説明する。
まず、端末装置100は、文書管理サーバ200に対し、文書リポジトリ250にて管理されている特定の電子文書の印刷を指示する(A)。このとき、端末装置100からは、用紙サイズ、向き等の印刷属性や、ユーザのアプリケーションプログラム(以下、「ユーザAP」という)が印刷物に基づく処理を行う際に用いる付加情報も入力される。
これにより、文書管理サーバ200は、印刷を指示された電子文書、印刷属性、付加情報等を識別情報管理サーバ300に送信し、その電子文書の文書画像に識別情報等を示すコード画像を付与してコード付き文書を生成するよう指示する(B)。この指示を受けた識別情報管理サーバ300は、指示された電子文書の文書画像に対し、識別情報リポジトリ350にて管理される識別情報等を示すコード画像を付与し、コード付き文書を生成する(C)。
尚、ここで、コード画像として付与する情報には、識別情報の他に、用紙上の座標位置(X座標、Y座標)を特定するための位置情報が含まれる。また、本実施の形態では、端末装置100で入力された付加情報もコード画像に含められる。
【0018】
次に、識別情報管理サーバ300は、画像形成装置400に対し、コード付き文書の画像出力を指示する(D)。これにより、画像形成装置400は、コード画像付き用紙500を出力する(E)。
尚、画像形成装置400は、後で詳しく述べるが、識別情報管理サーバ300で付与されたコード画像を不可視トナーにより不可視画像として形成し、その他の画像(オリジナルの電子文書に含まれていた部分の画像)を可視トナーにより可視画像として形成するものとする。
【0019】
その後、ユーザが、ペンデバイス600を用いてコード画像付き用紙500に文字又は図形を記録(筆記)する(F)。これにより、ペンデバイス600の撮像素子が、コード画像付き用紙500上の一定の領域を捕捉し、位置情報、識別情報、及び付加情報を得る。そして、位置情報に基づいて求められた文字又は図形の軌跡情報と、識別情報と、付加情報とが、無線又は有線により端末装置700へ転送される(G)。尚、本システムでは、赤外光の吸収率が所定の基準よりも高い不可視トナーを用いて不可視画像を形成し、赤外光の照射及び検知が可能なペンデバイス600によって不可視画像を読み取ることを可能にしている。
【0020】
これにより、端末装置700は、識別情報をキーにして文書管理サーバ200から印刷対象となった特定の電子文書の特定のページを取得し(H)、そのページとペンデバイス600から送られた軌跡情報とを合成して表示する(I)。尚、付加情報は、例えば、文書管理サーバ200で管理される電子文書へのアクセスを許可するかどうかを判断する際に用いられる。本実施の形態では、識別情報管理サーバ300がこのような判断を行う。従って、最終的には、文書管理サーバ200から対象の電子文書が取得されるが、本実施の形態では、その前に、識別情報管理サーバ300に対し、電子文書へのアクセスが許されるかどうか等の問い合わせを行うこととする。
但し、このような構成はあくまで一例であり、識別情報管理サーバ300の機能は、文書管理サーバ200に持たせてもよいし、画像形成装置400の画像処理部の機能として実現してもよい。また、本実施の形態では、電子文書を印刷対象として説明するが、例えば写真画像等の電子文書の範疇に属さない電子データに基づく印刷に適用することも可能である。
【0021】
次に、図1に示したシステムにおける各構成について、より詳細に説明する。
図2は、識別情報管理サーバ300の構成の一例を示す図である。尚、図には、説明の都合上、識別情報リポジトリ350についても示してある。
識別情報管理サーバ300は、受信部30aと、対応情報登録部31と、対応情報データベース(DB)32と、情報抽出部33と、文書画像生成部34と、文書画像バッファ35と、コード画像生成部36と、コード画像バッファ37と、画像合成部38と、送信部30bとを備えている。
また、コード画像生成部36は、位置情報符号化部36aと、位置コード生成部36bと、識別情報符号化部36cと、識別コード生成部36dと、付加情報符号化部36eと、付加コード生成部36fと、コード配置部36gと、パターン格納部36hと、パターン画像生成部36iとを備えている。
【0022】
受信部30aは、印刷対象の電子文書、その格納場所、印刷属性(用紙サイズ、向き等)、付加情報をネットワーク900から受信し、これらの情報を対応情報登録部31に受け渡す。
対応情報登録部31は、識別情報リポジトリ350から識別情報を取得し、受信部30aから受け取った格納場所等をこの識別情報と対応付けて登録する。
対応情報DB32は、対応情報登録部31の指示により、識別情報と、電子文書の格納場所と、必要に応じて付加情報との対応を記憶するデータベースである。
情報抽出部33は、対応情報登録部31が受け取った情報からコード画像の生成に必要な情報(印刷属性、識別情報、付加情報)を抽出する。
【0023】
文書画像生成部34は、情報抽出部33による情報抽出後の情報から、電子文書を画像化し、文書画像バッファ35へ格納する。
コード画像生成部36は、情報抽出部33が抽出した情報を用いてコード画像を生成し、コード画像バッファ37へ格納する。
画像合成部38は、文書画像バッファ35に格納されている文書画像と、コード画像バッファ37に格納されているコード画像とを合成する。
送信部30bは、画像合成部38による合成後の画像を出力する指示を、PostScript等に代表されるPDL(Page Description Language)として画像形成装置400へ送信する。
【0024】
位置情報符号化部36aは、位置情報を所定の符号化方式により符号化する。この符号化には、例えば、既知の誤り訂正符号であるRS(リードソロモン)符号やBCH符号を用いることができる。また、誤り検出符号として、位置情報のCRC(Cyclic Redundancy Check)やチェックサム値を計算し、それを冗長ビットとして位置情報に付加することもできる。また、疑似雑音系列の一種であるM系列符号を位置情報として利用することもできる。M系列符号は、P次のM系列(系列長2P−1)の場合、M系列から長さPの部分系列を取り出したときに、その部分系列に現われるビットパターンがM系列中に一度しか現われない性質を利用して符号化を行うものである。尚、位置情報符号化部36aは、位置情報を取得するという観点から、位置情報取得手段として捉えることもできる。
【0025】
位置コード生成部36bは、符号化された位置情報を、コード情報として埋め込む形式に変換する。例えば、第三者による解読が困難になるように、符号化された位置情報における各ビットの配置を、疑似乱数等により入れ替えたり暗号化したりすることができる。また、位置コードが2次元配置される場合は、ビット値をコードの配置と同様に2次元配置しておく。
【0026】
尚、本実施の形態では、情報抽出部33から位置情報符号化部36aへ用紙サイズ、向き等の印刷属性を受け渡し、位置情報符号化部36aは、印刷属性ごとに予め生成され格納された符号化位置情報の中から、受け渡された印刷属性に応じたものを選択するものとする。用紙サイズや向きが決まれば、用紙上に印刷する位置コードは1つに特定できるからである。
一方、印刷する用紙サイズや向きが同じ場合は、用紙上に印刷する位置コードは常に同じになる。従って、同じ用紙サイズや向きでの印刷のみを行う場合は、位置情報符号化部36aと位置コード生成部36bとをまとめて、1セットの位置コードを格納する位置コード格納部とし、常にその位置コードを用いるようにすることもできる。
【0027】
識別情報符号化部36cは、識別情報が入力されると、識別情報を所定の符号化方式により符号化する。この符号化には、位置情報の符号化に使用したのと同様の方式を使用することができる。尚、識別情報符号化部36cは、識別情報を取得するという観点から、識別情報取得手段として捉えることもできる。
識別コード生成部36dは、符号化された識別情報を、コード情報として埋め込む形式に変換する。例えば、第三者による解読が困難になるように、符号化された識別情報における各ビットの配置を、疑似乱数等により入れ替えたり暗号化したりすることができる。また、識別コードが2次元配置される場合は、ビット値をコードの配置と同様に2次元配置しておく。
【0028】
付加情報符号化部36eは、付加情報が入力されると、付加情報を所定の符号化方式により符号化する。この符号化には、位置情報の符号化に使用したのと同様の方式を使用することができる。尚、付加情報符号化部36eは、付加情報を取得するという観点から、付加情報取得手段として捉えることもできる。
【0029】
ここで、付加情報は、ユーザAPにより自由に設定可能な構成とすることができる。例えば、ユーザAPによっては、コード画像から検出した識別情報に基づいて、オリジナルの電子文書を取得する場合がある。そこで、付加情報としてオリジナルの電子文書を取得する際の取得方法に関する情報を設定することができる。例えば、付加情報を利用することにより、オリジナルの電子文書を取得するか、オリジナルの電子文書の複製を取得するかを切り換えることができる。また、取得した電子文書を編集できるようにするか閲覧のみ可能とするかを切り換えることもできる。更に、取得した電子文書の印刷を許可するかどうかを切り換えることも可能である。即ち、このような付加情報を利用することにより、電子文書ごと、媒体ごとに、様々な動作の制御を行うことができるようになる。更にまた、付加情報によって、電子文書に対するアクセス制御(電子文書へのアクセス時にユーザID及びパスワードの入力を要求する等)を行うことも可能となる。
一方、別のユーザAPでは、印刷文書の複写許可回数(或いは複写の可否)に関する情報を付加情報として採用し、印刷文書の複写回数を制御することができる。
【0030】
付加コード生成部36fは、符号化された付加情報を、コード情報として埋め込む形式に変換する。例えば、第三者による解読が困難になるように、符号化された付加情報における各ビットの配置を、疑似乱数等により入れ替えたり暗号化したりすることができる。また、付加コードが2次元配置される場合は、ビット値をコードの配置と同様に2次元配置しておく。
【0031】
コード配置部36gは、コードと同じ形式に配置された符号化位置情報と符号化識別情報と符号化付加情報とを合成し、出力画像サイズに相当する2次元コード配列を生成する。このとき、符号化位置情報は、配置位置により異なる位置情報を符号化した符号を使用し、符号化識別情報と符号化付加情報とは、位置によらず同じ情報を符号化した符号を使用する。
パターン画像生成部36iは、2次元コード配列における配列要素のビット値を確認し、各ビット値に対応するビットパターン画像をパターン格納部36hより取得して、2次元コード配列を画像化したコード画像として出力する。
【0032】
尚、これらの機能部分は、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働することにより実現される。具体的には、識別情報管理サーバ300の図示しないCPUが、受信部30a、対応情報登録部31、情報抽出部33、文書画像生成部34、コード画像生成部36、画像合成部38、送信部30bの各機能を実現するプログラムを外部記憶装置から主記憶装置に読み込んで処理を行う。
【0033】
次に、この場合の識別情報管理サーバ300の動作について説明する。
識別情報管理サーバ300では、まず、受信部30aが、電子文書、その格納場所、印刷属性(用紙サイズ、向き等)、及び、付加情報を受信し、受信した情報を対応情報登録部31に受け渡す。
これにより、対応情報登録部31は、図3に示すような処理を行う。
即ち、まず、受信部30aから、電子文書、その格納場所、印刷属性、及び、付加情報を受け取る(ステップ301)。尚、本実施の形態では、付加情報の中に、コード画像として用紙に直接媒体に埋め込むことのできる付加情報(以下、「第1付加情報」という)と、別途データベースに登録しておく必要がある付加情報(以下、「第2付加情報」という)とがあるものとする。コード画像に埋め込むことのできる情報量は限られているため、多くの情報量が必要な付加情報(第2付加情報)はデータベースに格納し、コード画像に埋め込まれた情報に基づいてデータベースから取り出すようにするのである。
【0034】
次に、対応情報登録部31は、識別情報リポジトリ350から識別情報を取り出す(ステップ302)。
そして、対応情報登録部31は、ステップ301で取得した付加情報の中に、第2付加情報が含まれるかどうかを判定する(ステップ303)。
その結果、第2付加情報が含まれないと判定された場合は、識別情報と、電子文書の格納場所との対応情報を対応情報DB32に登録する(ステップ304)。そして、電子文書、印刷属性、識別情報、付加情報(第1付加情報)を、情報抽出部33に対し出力する(ステップ305)。
一方、第2付加情報が含まれると判定された場合は、識別情報と、電子文書の格納場所と、第2付加情報との対応情報を対応情報DB32に登録する(ステップ306)。また、対応情報DB32における第2付加情報のアドレスを取得する(ステップ307)。そして、電子文書、印刷属性、識別情報、第1付加情報、及び、ステップ307で取得した第2付加情報のアドレスを、情報抽出部33に対し出力する(ステップ308)。
【0035】
その後、情報抽出部33は、受け渡された情報から、コード生成に必要な情報を抽出する。具体的には、印刷属性、識別情報、第1付加情報、及び、第2付加情報のアドレスがこれに該当する。
これにより、位置情報符号化部36aで、印刷属性に対応する位置情報が符号化され、位置コード生成部36bで、符号化された位置情報を示す位置コードが生成される。また、識別情報符号化部36cで、識別情報が符号化され、識別コード生成部36dで、符号化された識別情報を示す識別コードが生成される。更に、付加情報符号化部36eで、第1付加情報と第2付加情報のアドレスとが符号化され、付加コード生成部36fで、符号化された付加情報を示す付加コードが生成される。
そして、コード配置部36gにより出力画像サイズに相当する2次元コード配列が生成され、パターン画像生成部36iにより2次元コード配列に対応するパターン画像が生成される。
【0036】
一方で、情報抽出部33は、コード生成に必要な情報が抽出された後の情報(電子文書に関する情報等)を文書画像生成部34に受け渡し、文書画像生成部34が、電子文書の文書画像を生成する。
そして、最後に、この文書画像生成部34が生成した文書画像と、先にコード画像生成部36が生成したコード画像とが、画像合成部38にて合成され、送信部30bに受け渡される。これにより、送信部30bが、合成後の画像を画像形成装置400に対して送信する。
【0037】
次に、画像形成装置400について詳細に説明する。
図4は、画像形成装置400の構成例を示した図である。図4に示す画像形成装置400は、所謂タンデム型の装置であって、例えば、電子写真方式にて各色成分のトナー像が形成される複数の画像形成ユニット41(41Y、41M、41C、41K、41I)、各画像形成ユニット41にて形成された各色成分トナー像を順次転写(一次転写)して保持させる中間転写ベルト46、中間転写ベルト46上に転写された重ね画像を用紙(媒体)Pに一括転写(二次転写)させる二次転写装置410、二次転写された画像を用紙P上に定着させる定着装置440を備えている。
【0038】
この画像形成装置400では、常用色(通常色)であるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のトナー像を形成する画像形成ユニット41Y、41M、41Cの他に、赤外に吸収を持たない黒(K)のトナー像を形成する画像形成ユニット41K、不可視のトナー像を形成する画像形成ユニット41Iがタンデムを構成する画像形成ユニットの一つとして設けられている。尚、トナーの組成については、後で詳しく述べる。
【0039】
本実施の形態において、各画像形成ユニット41(41Y、41M、41C、41K、41I)は、矢印A方向に回転する感光体ドラム42の周囲に、これらの感光体ドラム42を帯電させる帯電器43、感光体ドラム42上に静電潜像を書き込むレーザ露光器44(図中露光ビームを符号Bmで示す)、各色成分トナーが収容されて感光体ドラム42上の静電潜像をトナーにより可視像化する現像器45、感光体ドラム42上に形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト46に転写する一次転写ロール47、感光体ドラム42上の残留トナーを除去するドラムクリーナ48等の電子写真用デバイスが順次配設されている。これらの画像形成ユニット41は、中間転写ベルト46の上流側から、黄(Y色)、マゼンタ(M色)、シアン(C色)、黒(K色)、不可視(I色)の順に配置されている。
【0040】
また、中間転写ベルト46は、各種ロールによって図に示すB方向に回動可能に構成されている。この各種ロールとして、図示しないモータにより駆動されて中間転写ベルト46を回動させる駆動ロール415、中間転写ベルト46に対して一定の張力を与えると共に中間転写ベルト46の蛇行を防止する機能を備えたテンションロール416、中間転写ベルト46を支持するアイドルロール417、及び、バックアップロール412(後述)を有している。
【0041】
また、一次転写ロール47には、トナーの帯電極性と逆極性の電圧が印加されるようになっており、これにより各々の感光体ドラム42上のトナー像が中間転写ベルト46に順次、静電吸引され、中間転写ベルト46上に重ねトナー像が形成されるようになっている。更に、二次転写装置410は、中間転写ベルト46のトナー像担持面側に圧接配置される二次転写ロール411と、中間転写ベルト46の裏面側に配置されて二次転写ロール411の対向電極をなすバックアップロール412とを備えており、このバックアップロール412には二次転写バイアスが安定的に印加される金属製の給電ロール413が当接配置されている。そして、二次転写ロール411には、二次転写ロール411に付着した汚れを除去するブラシロール414が接触配置されている。
【0042】
また、二次転写ロール411の下流側には二次転写後の中間転写ベルト46の表面をクリーニングするベルトクリーナ421が設けられている。一方、二次転写ロール411の上流側には、画質調整を行なうための画像濃度センサ422が配設されている。更に、Y色画像形成ユニット41Yの上流側には、各画像形成ユニット41における画像形成タイミングをとるための基準となる基準信号を発生する基準センサ(ホームポジションセンサ)423が配置されている。この基準センサ423は、中間転写ベルト46の裏側に設けられた所定のマークを認識して基準信号を発生し、この基準信号の認識に基づく制御部(図示せず)からの指示により、各画像形成ユニット41は画像形成を開始するように構成されている。
【0043】
更に、本実施の形態では、用紙搬送系として、用紙Pを収容する用紙トレイ430、この用紙トレイ430に集積された用紙Pを所定のタイミングで取り出して搬送するピックアップロール431、ピックアップロール431にて繰り出された用紙Pを搬送する搬送ロール432、搬送ロール432により搬送された用紙Pを二次転写装置410による二次転写位置へと送り込む搬送シュート433、二次転写後の用紙Pを定着装置440へと搬送する搬送ベルト434を備えている。
【0044】
次に、この画像形成装置400の作像プロセスについて説明する。ユーザによりスタートスイッチ(図示せず)がオン操作されると、所定の作像プロセスが実行される。具体的に述べると、例えばこの画像形成装置400をカラープリンタとして構成する場合には、ネットワーク900から送信されたデジタル画像信号をメモリに一時的に蓄積し、その蓄積されている5色(Y、M、C、K、I)のデジタル画像信号に基づいて各色のトナー像形成を行わせるようにする。
【0045】
即ち、画像処理によって得られた各色の画像記録信号に基づいて画像形成ユニット41(41Y、41M、41C、41K、41I)をそれぞれ駆動する。そして、各画像形成ユニット41Y、41M、41C、41K、41Iでは、帯電器43により一様に帯電された感光体ドラム42に対し、画像記録信号に応じた静電潜像が、レーザ露光器44によりそれぞれ書き込まれる。また、書き込まれた各静電潜像を各色のトナーが収容される現像器45により現像して各色のトナー像が形成される。
【0046】
そして、各感光体ドラム42に形成されたトナー像は、各感光体ドラム42と中間転写ベルト46とが接する一次転写位置で、一次転写ロール47により印加される一次転写バイアスにより感光体ドラム42から中間転写ベルト46の表面に一次転写される。このようにして中間転写ベルト46に一次転写されたトナー像は中間転写ベルト46上で重ね合わされ、中間転写ベルト46の回動に伴って二次転写位置へと搬送される。
【0047】
一方、用紙Pは、所定のタイミングで二次転写装置410の二次転写位置へと搬送され、中間転写ベルト46(バックアップロール412)に対して二次転写ロール411が用紙Pをニップする。そして、二次転写ロール411とバックアップロール412との間に形成される二次転写電界の作用で、中間転写ベルト46に担持された重ねトナー像が用紙Pに二次転写される。
その後、トナー像が転写された用紙Pは、搬送ベルト434によって定着装置440へと搬送され、トナー像の定着が行われる。一方、二次転写後の中間転写ベルト46は、ベルトクリーナ421によって残留トナーが除去される。
【0048】
ここで、画像形成装置400で使用されるトナーについて詳細に説明する。
まず、画像形成ユニット41Yにて用いられるYトナー、画像形成ユニット41Mにて用いられるMトナー、画像形成ユニット41Cにて用いられるCトナーとしては、従来から使用されているトナーを用いる。
これに対し、本実施の形態では、画像形成ユニット41Kにて用いられるKトナーとして、特殊なトナーを用意する。従来から使用されている(カーボンブラックを黒色の色剤とする)Kトナーは、赤外光を吸収してしまうため、不可視トナーにより埋め込まれた情報を赤外光照射により読み取る本システムにおいて、情報が埋め込まれない通常の画像を形成するのに用いるのは適切ではないからである。即ち、本実施の形態では、赤外光の吸収率が極めて低く、かつ、黒色を印字可能なトナーをKトナーとして採用することとする。このようなトナーとしては、Yトナー、Mトナー、Cトナーを混合して得られるトナーが例示される。
尚、従来から使用されているKトナーとは性質の異なるものを用いてはいるが、本明細書では、このような特殊なトナーも便宜上、「Kトナー」として表記するものとする。
【0049】
また、画像形成ユニット41Iにて用いられる不可視トナーとしては、例えば、特開2003−186238号公報に記載された材料を用いることができる。即ち、結着樹脂と、無機材料粒子からなる近赤外光吸収材料とを含むものを用いることが考えられる。
ここで、結着樹脂としては、具体的には、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。
また、近赤外光吸収材料としては、少なくともCuOとPを含む無機材料粒子を用いることができる。尚、不可視トナー粒子中におけるCuOの含有濃度は、6質量%〜35質量%の範囲が好ましく、10質量%〜30質量%の範囲がより好ましい。更に、無機材料粒子は、不可視トナー中における無機材料粒子の均一分散性と、電子写真用の記録材料として必要となる適度な負極摩擦帯電性とを得るため、CuO、Al、P、及びKOを必須の構成成分とする銅燐酸結晶化ガラスからなることが好ましい。この銅燐酸結晶化ガラスの組成は、CuOが20質量%〜60質量%の範囲であり、Alが1質量%〜10質量%の範囲であり、Pが30質量%〜70質量%の範囲であり、KOが1質量%〜10質量%の範囲であることが好ましい。
【0050】
即ち、画像形成装置400は、コード画像を人間の目で容易に識別できない(ほぼ不可視の)色材を使用して形成し、文書画像を人間の目で識別可能な(可視の)色材を使用して形成する。また、不可視の色材としては、特定の赤外領域の波長が可視光量域の波長より多く吸収される特性を有するものを用い、可視の色材としては、可視光領域の波長を多く吸収する特性を有するものを用いる。
尚、本実施の形態では、不可視の色材を利用する例を説明したが、これに限るものではない。例えば、コード画像を、赤外域の波長を吸収するカーボンブラックを使用して形成し、文書画像を、イエロー、マゼンタ、シアンの色材(通常、これらの色材は赤外域の波長の吸収量が少ない)を使用して形成してもよい。
【0051】
図5(a)〜(c)は、識別情報管理サーバ300のコード画像生成部36によって生成され、画像形成装置400にて印刷される2次元コード画像を説明するための図である。図5(a)は不可視画像によって形成され、配置される2次元コード画像の単位を模式的に示すために格子状に表現した図である。また、図5(b)は不可視画像が赤外光照射により認識された2次元コード画像の1単位を示した図である。更に、図5(c)は、バックスラッシュ「\」とスラッシュ「/」の斜線パターンを説明するための図である。
【0052】
画像形成装置400にて形成される2次元コード画像は、例えば、可視光領域(400nm〜700nm)における最大吸収率が例えば7%以下であり、近赤外領域(800nm〜1000nm)における吸収率が例えば30%以上の不可視トナーによって形成される。また、この不可視トナーは、画像の機械読み取りのために必要な近赤外光吸収能力を高めるために、平均分散径は100nm〜600nmの範囲のものが採用される。ここで、「可視」および「不可視」は、目視により認識できるかどうかとは関係しない。印刷された媒体に形成された画像が可視光領域における特定の波長の吸収に起因する発色性の有無により認識できるかどうかで「可視」と「不可視」とを区別している。
【0053】
この図5(a)〜(c)に示す2次元コード画像は、赤外光照射による機械読取りと復号化処理とが長期に亘って安定して可能で、かつ、情報が高密度に記録できる不可視画像で形成される。また、画像を出力する媒体表面の可視画像が設けられた領域とは関係なく、任意の領域に設けることが可能な不可視画像であることが好ましい。本実施の形態では、印刷される媒体の大きさに合わせて媒体一面(紙面)の全面に不可視画像が形成される。また、例えば、目視した際に光沢差によって認識できる不可視画像であることが更に好ましい。但し、「全面」とは、用紙の四隅を全て含む意味ではない。電子写真方式等の装置では、通常、紙面の周囲は印刷できない範囲である場合が多いことから、かかる範囲には不可視画像を印刷する必要はない。
【0054】
図5(b)に示す2次元コードパターンは、媒体上の座標位置を示す位置コードが格納される領域と、電子文書又は印刷媒体を一意に特定するための識別コードが格納される領域と、ユーザAPで利用される付加コードが格納される領域とを含んでいる。また、同期コードが格納される領域も含んでいる。そして、図5(a)に示すように、この2次元コードパターンが複数、配置され、印刷される媒体の大きさに合わせて媒体一面(紙面)の全面に異なる位置情報が格納された2次元コードが格子状に配置される。即ち、媒体一面に、図5(b)に示すような2次元コードパターンが複数個、配置され、その各々が、位置コード、付加コード、識別コード、及び同期コードを備えている。そして、複数の位置コードの領域には、それぞれ配置される場所により異なる位置情報が格納されている。一方、複数の識別コード及び付加コードの領域には、配置される場所によらず同じ識別情報及び付加情報が格納されている。
【0055】
図5(b)において、位置コードは、5ビット×5ビットの矩形領域内に配置されている。各ビット値は、回転角度が異なる複数の微小ラインビットマップで形成され、図5(c)に示される斜線パターン(パターン0とパターン1)で、ビット値0とビット値1を表現している。より具体的には、相互に異なる傾きを有するバックスラッシュ「\」およびスラッシュ「/」を用いてビット0とビット1とを表現している。斜線パターンは600dpiで8×8画素の大きさで構成されており、左上がりの斜線パターン(パターン0)がビット値0を、右上がりの斜線パターン(パターン1)がビット値1を表現する。従って、1つの斜線パターンで1ビットの情報(0または1)を表現できる。このような2種類の傾きからなる微小ラインビットマップを用いることで、可視画像に与えるノイズが極めて小さく、かつ大量の情報を高密度にデジタル化して埋め込むことが可能な2次元コードパターンを提供することが可能となる。
【0056】
即ち、図5(b)に示した位置コード領域には合計25ビットの位置情報が格納されている。この25ビットのうち、12ビットをX座標の符号化に、12ビットをY座標の符号化に使用することができる。残りの1ビットは、どちらの符号化に利用してもよい。各12ビットを全て位置の符号化に使用すると、212通り(4096通り)の位置を符号化できる。各斜線パターンが図5(c)に示したように8画素×8画素(600dpi)で構成されている場合には、600dpiの1ドットは0.0423mmであることから、図5(b)の2次元コード(同期コードを含む)の大きさは、縦横共に3mm程度(8画素×9ビット×0.0423mm)となる。3mm間隔で4096通りの位置を符号化した場合、約12mの長さを符号化できる。このように12ビット全てを位置の符号化に使用してもよいし、或いは、斜線パターンの検出誤りが発生するような場合には、誤り検出や誤り訂正のための冗長ビットを含めてもよい。
【0057】
また、識別コードは、3ビット×8ビットの矩形領域に配置されており、合計24ビットの識別情報を格納できる。識別情報として24ビットを使用した場合は、224通り(約1700万通り)の識別情報を表現できる。識別コードも位置コードと同様に、24ビットの中に誤り検出や誤り訂正のための冗長ビットを含めることができる。
一方、付加コードは、5ビット×3ビットの矩形領域に配置されており、合計15ビットの識別情報を格納できる。付加情報として15ビットを使用した場合は、215通り(約3万3千通り)の付加情報を表現できる。付加コードも識別コードや位置コードと同様に、15ビットの中に誤り検出や誤り訂正のための冗長ビットを含めることができる。
【0058】
尚、図5(c)に示す例では、2つの斜線パターンは互いに角度が90度異なるが、角度差を45度とすれば4種類の斜線パターンを構成できる。このように構成した場合は、1つの斜線パターンで2ビットの情報(0〜3)を表現できる。即ち、斜線パターンの角度種類を増やすことで、表現できるビット数を増加することができる。
また、図5(c)に示す例では、斜線パターンを使用してビット値の符号化を説明しているが、選択できるパターンは斜線パターンに限らない。ドットのON/OFFや、ドットの位置を基準位置からずらす方向により符号化する方法も採用することが可能である。
【0059】
図6は、付加コードが配置される領域について更に詳しく示した図である。
この付加コードに含める情報は、ユーザAPに合わせて適宜決定してよいが、図では、アクセス制限、複製送信、編集禁止、印刷禁止を設定している。尚、付加コードに含めることができる情報量には限りがあるため、より詳細な付加情報(第2付加情報)は、データベース(例えば図2の対応情報DB32)に格納しておき、データベースを参照するための情報を付加コードに埋め込むようにする。
この例の場合、例えば、第1ビットで、アクセス制限、複写送信、編集禁止、印刷禁止の各項目について、これらの制御を行うかどうかを表現する。そして、第2、第3ビットで、データベースにおける第2付加情報の格納位置を表現する。尚、本実施の形態では、アクセス制限については、第2付加情報として、ユーザID、パスワードがあり、複製送信については、第2付加情報として、命名規則がある。これに対し、編集禁止、印刷禁止については、それぞれ、編集、印刷を禁止するかどうかを設定するだけであるため、第2付加情報は存在しない。
【0060】
また、図7は、コード画像に含めることのできない第2付加情報を格納する対応情報DB32の記憶内容の一例を示した図である。
図示するように、対応情報DB32は、識別情報と、電子文書の格納場所と、第2付加情報との対応を格納するものである。ここで、前述したように、アクセス制限については、第2付加情報として、ユーザID及びパスワードが必要となるので、これらの情報が記憶されている。即ち、ユーザID「user1」、パスワード「pw1」が入力された場合に、格納場所「aaa」にある電子文書にアクセスできることが定義されている。また、これも前述したように、複製送信については、命名規則が必要となるので、そのような情報が記憶されている。即ち、格納場所「bbb」にある電子文書は、送信に先立ちその複製を行い、オリジナルの電子文書のファイル名の後に「_new」を付けたものを、複製後の電子文書のファイル名として送信することが定義されている。
尚、識別情報「000000003」及び「000000005」は、付加情報がコード画像に埋め込めるものだけであったため、識別情報と格納場所とを対応付けるのみで、付加情報を対応付ける必要がない場合の例である。
【0061】
次に、ペンデバイス600について詳細に説明する。
図8は、ペンデバイス600の構成を示した図である。
このペンデバイス600は、コード画像と文書画像とが合成されて印刷された用紙(媒体)に通常のペンと同様の操作により文字や図形を記録する筆記部61と、筆記部61の動きを監視しペンデバイス600が用紙に押し付けられていることを検出する筆圧検出部62とを備えている。また、ペンデバイス600の全体の電子的な動作を制御する制御部63と、用紙上のコード画像を読み取るために赤外光を照射する赤外照射部64と、反射される赤外光を受光することによりコード画像を認識して入力する画像入力部65とを備えている。
【0062】
ここで、制御部63について更に詳しく説明する。
制御部63は、コード取得部631と、軌跡算出部632と、情報記憶部633とを備えている。コード取得部631は、画像入力部65から入力された画像を解析してコードを取得する部分である。軌跡算出部632は、コード取得部631により取得したコードに対し、筆記部61のペン先の座標と画像入力部65が捕捉した画像の座標とのずれを補正してペン先の軌跡を算出する部分である。情報記憶部633は、コード取得部631が取得したコードや軌跡算出部632が算出した軌跡情報を記憶する部分である。
【0063】
図9は、ペンデバイス600の主に制御部63にて実行される処理を示したフローチャートである。ペンデバイス600を用いて、例えば用紙に文字や図形の記録が行われると、制御部63は、用紙に対してペンによる記録が行われていることの検出信号を筆圧検出部62から取得する(ステップ601)。この検出信号を検出すると、制御部63は、赤外照射部64に対し、赤外光を用紙に照射するように指示する(ステップ602)。赤外照射部64によって用紙に照射される赤外光は不可視画像にて吸収され、それ以外の部分では反射される。画像入力部65ではこの反射された赤外光を受光し、赤外光が反射されなかった部分をコード画像として認識する。制御部63は、画像入力部65からこのコード画像を入力(スキャン)する(ステップ603)。
【0064】
その後、制御部63のコード取得部631では、ステップ604〜ステップ610に示すコード画像検出処理が実行される。まず、コード取得部631は、入力されたスキャン画像を整形する(ステップ604)。このスキャン画像の整形は、傾き補正やノイズ除去等である。そして、整形されたスキャン画像からスラッシュ「/」やバックスラッシュ「\」等のビットパターン(斜線パターン)を検出する(ステップ605)。また一方で、整形されたスキャン画像から、2次元コード位置決め用のコードである同期コードを検出する(ステップ606)。コード取得部631は、この同期コード位置を参照して2次元コードを検出する(ステップ607)。また、2次元コードからECC(Error Correcting Code:誤り訂正符号)等の情報を取り出し復号する(ステップ608)。そして、復号した情報を元の情報に復元する(ステップ609)。
【0065】
図10(a),(b)は、ペンデバイス600におけるコード情報の読み取りを説明するための図である。図10(a)に示すように、印刷された媒体上には、位置コード(位置情報に対応するコード)と、識別コード(識別情報に対応するコード)と、付加コード(付加情報に対応するコード)とが、それぞれ複数個、2次元配置されている。尚、図10(a)では、説明の便宜上、同期コードは図示していない。前述のように、複数の位置コードは、それぞれ配置される場所により異なる位置情報が格納されており、複数の識別コード及び複数の付加コードは、配置される場所によらず、それぞれ同じ識別情報及び付加情報が格納されている。今、画像入力部65により読み取られる不可視画像の読み取り領域が図10(a)の太線で示されるものとする。この読み取り領域近傍を拡大した図が図10(b)に示されている。位置コードは、画像内での位置により異なる情報が格納されているので、読み取った画像内に必ず1つ以上の位置コードが含まれていないと検出できない。しかし、識別コード及び付加コードには、画像内の位置によらず全て同じ識別情報及び付加情報が格納されているので、断片的な情報から復元することができる。図10(b)に示す例では、読み取り領域にある部分的な4つのコード(A,B,C,D)を組み合わせて1つの識別コードを復元している。
【0066】
制御部63のコード取得部631では、以上のようにして復元したコード情報から位置情報、識別情報、付加情報を取り出し、取り出した情報を情報記憶部633に記憶する(ステップ610)。その一方で、軌跡算出部632は、情報記憶部633に格納された座標情報からペン先の軌跡を算出し、情報記憶部633に記憶する(ステップ611)。この情報記憶部633に記憶された識別情報、付加情報、軌跡情報等の記憶情報は、例えば、端末装置700に有線又は無線で送信される(ステップ612)。
【0067】
これらの情報を受信した端末装置700は、文書管理サーバ200にて管理される電子文書の取得動作を行う。但し、この場合、識別情報と電子文書の格納場所との対応は識別情報管理サーバ300にて管理されているので、端末装置700は、まず、識別情報管理サーバ300に対し問い合わせを行う。
そこで、かかる問い合わせに応じて動作する識別情報管理サーバ300について詳細に説明する。
図11は、この場合の識別情報管理サーバ300の構成の一例を示す図である。尚、図11は、図2と同じく識別情報管理サーバ300の構成を示したものであるが、識別情報管理サーバ300の構成のうち、図2は、画像の生成に係る構成を示したものであるのに対し、図11は、読み取った画像に基づく処理に係る構成を示したものである。従って、識別情報管理サーバ300の全体構成は、図2に示した構成と図11に示した構成を合わせたものとなる。
【0068】
識別情報管理サーバ300は、受信部30aと、付加情報取得部39と、送信部30bとを備えている。
受信部30aは、識別情報及び第1付加情報をネットワーク900から受信し、これらの情報を付加情報取得部39に受け渡す。
付加情報取得部39は、受信部30aから受け取った識別情報に対応する電子文書に対する第2付加情報があれば取得し、これらの付加情報に基づく処理を行ってから端末装置700に送信するための文書送信指示を作成する。
送信部30bは、付加情報取得部39で作成された文書送信指示をネットワーク900を介して文書管理サーバ200に送信する。
【0069】
尚、これらの機能部分は、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働することにより実現される。具体的には、識別情報管理サーバ300の図示しないCPUが、受信部30a、付加情報取得部39、送信部30bの各機能を実現するプログラムを外部記憶装置から主記憶装置に読み込んで処理を行う。
【0070】
次に、この場合の識別情報管理サーバ300の動作について説明する。
識別情報管理サーバ300では、まず、受信部30aが、識別情報及び付加情報を受信し、受信した情報を付加情報取得部39に受け渡す。
これにより、付加情報取得部39は、図12に示すような処理を行う。
即ち、まず、受信部30aから識別情報及び付加情報を受け取る(ステップ351)。
ところで、既に述べたように、本実施の形態では、付加情報として、アクセス制限、複製送信、編集禁止、印刷禁止の4つの項目を想定している。そこで、以下では、これらの各項目の評価結果に基づく処理が行われる。
まず、付加情報取得部39は、受信部30aから受け取った付加情報を参照し、アクセスが制限されているかどうかを判定する(ステップ352)。その結果、アクセスが制限されていないと判定されれば、そのままステップ355に進む。一方、アクセスが制限されていると判定されれば、送信部30bに対し、ユーザID及びパスワードの入力画面を端末装置700に送信するよう指示する(ステップ353)。
【0071】
これにより、端末装置700には、ユーザID及びパスワードの入力画面が表示され、ユーザはユーザID及びパスワードを入力することになる。
そのユーザID及びパスワードは、ネットワーク900を介して受信部30aに渡され、受信部30aから付加情報取得部39に渡される。そして、付加情報取得部39は、この渡されたユーザID及びパスワードが、先に受信部30aから受け取った識別情報に対して対応情報DB32に登録されたユーザID及びパスワードと一致するかどうか判定する(ステップ354)。
その結果、ユーザID及びパスワードが一致しないと判定された場合は、電子文書に対するアクセスが拒否されるので、そのまま処理は終了する。一方、ユーザID及びパスワードが一致すると判定された場合は、電子文書に対するアクセスは認められ、ステップ355に進む。
【0072】
ここで、付加情報取得部39は、受信部30aから受け取った付加情報を参照し、複製送信が指示されているか判定する(ステップ355)。その結果、複製送信が指示されていると判定されれば、受信部30aから受け取った識別情報に対して対応情報DB32に登録されている付加情報を参照する。そして、識別情報で特定される電子文書を複製し、その複製された電子文書の名前を命名規則に従って変更し、端末装置700に送信するための文書送信指示を作成する(ステップ356)。一方、複製送信が指示されていないと判定されれば、識別情報で特定される電子文書をそのまま端末装置700に送信するための文書送信指示を作成する(ステップ357)。
【0073】
また、付加情報取得部39は、受信部30aから受け取った付加情報を参照し、編集禁止が指示されているか判定する(ステップ358)。その結果、編集禁止が指示されていないと判定されれば、何もせずにステップ360に進む。一方、編集禁止が指示されていると判定されれば、電子文書を送信する際に編集禁止の属性を付加するための指示を、ステップ356又はステップ357で作成された文書送信指示に対し追加する(ステップ359)。
【0074】
更に、付加情報取得部39は、受信部30aから受け取った付加情報を参照し、印刷禁止が指示されているか判定する(ステップ360)。その結果、印刷禁止が指示されていないと判定されれば、何もせずに処理を終了する。一方、印刷禁止が指示されていると判定されれば、電子文書を送信する際に印刷禁止の属性を付加するための指示を、ステップ356又はステップ357で作成された文書送信指示に対し追加する(ステップ361)。
【0075】
その後、このようにして作成された文書送信指示は、送信部30bへと渡され、送信部30bが、ネットワーク900を介して文書管理サーバ200に送信する。
そして、文書管理サーバ200が、受信した文書送信指示に従い、必要に応じて、電子文書の複製、及び、編集禁止や印刷禁止の属性の付加を行った上で、端末装置700に対し、電子文書を送信することになる。
以上により、第1の実施の形態の動作は終了する。
【0076】
尚、本実施の形態では、付加情報の例として、アクセス制限、複製送信、編集禁止、印刷禁止の4つの項目を挙げたが、これらには限られない。電子文書の取得の制限、電子文書の取得時の処理、電子文書の取得後の操作の制限に関する情報として把握できるものであれば、いかなる情報であってもよいし、更に拡げると、電子文書に対する処理に用いられる情報であれば、いかなる情報であってもよい。
また、本実施の形態では、ペンデバイスが媒体上の識別情報や位置情報を取得するに際してはアクセス制御を行わなかったが、付加情報を用いてアクセス制御を行うようにしてもよい。即ち、ペンデバイスは最初、同期コードに基づいて特定される付加コード領域の情報のみを読み取り可能にしておく。そして、付加情報がアクセス制限を行っていることを示していれば、認証処理により正規のユーザであることが識別された場合にのみ、識別情報や位置情報を読み取ることができるようにする。この場合、付加情報は、媒体からの情報の読取りの制限に関する情報と把握することができ、更に拡げると、媒体に対する処理に用いる情報として把握することもできる。
【0077】
(第2の実施の形態)
図13は、第2の実施の形態が適用されるシステムの構成の一例を示したものである。このシステムは、図1に示したシステムからペンデバイス600及び端末装置700を除いた構成になっている。即ち、本システムは、コード画像付き用紙500を出力するまでは、図1に示したシステムと同様であるが、その後、このコード画像付き用紙500を画像形成装置400にて複写(コピー)し(J)、複写後のコード画像付き用紙を得る(K)、というものである。
【0078】
次に、図13に示したシステムにおける各構成について、より詳細に説明する。
本実施の形態において、画像の生成に係る識別情報管理サーバ300の構成及び動作、文書画像とコード画像を重畳した画像の形成に係る画像形成装置400の構成及び動作は、第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
また、識別情報管理サーバ300のコード画像生成部36によって生成され、画像形成装置400にて印刷される2次元コード画像についても第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
ところで、第1の実施の形態では、電子文書に対する処理に用いられる情報を付加情報として想定し、例として、アクセス制限、複製送信、編集禁止、印刷禁止を埋め込んでいた。これに対し、この第2の実施の形態では、媒体に対する処理に用いられる情報を付加情報として想定し、複写禁止、複写可能回数を付加情報として埋め込むこととする。
【0079】
図14は、付加コードが配置される領域について示した図である。
この付加コードに含める情報は、ユーザAPに合わせて適宜決定してよいが、図では、複写禁止、複写可能回数を設定している。尚、付加コードに含めることができる情報量には限りがあるが、本実施の形態では、必要な全ての情報を付加コードに埋め込むことができているものとする。
この例の場合、複写禁止については、例えば、第1ビットで、複写を禁止するかどうかを表現する。また、複写可能回数については、第1〜第3ビットで、複写可能な回数を表現する。但し、複写可能な回数が3ビットで表現できない場合は、より多くのビット数を割り当てるようにする。
【0080】
次に、文書画像とコード画像を重畳した画像を複写する際に用いられる画像形成装置400について説明する。
図15は、この場合の画像形成装置400における画像処理部の構成の一例を示す図である。
画像処理部は、画像取得部451と、画像分離部452と、付加情報取得部453と、コード画像生成部454と、画像合成部455とを備えている。
画像取得部451は、画像形成装置400のスキャナで読み取られた画像を入力し、画像分離部452に受け渡す。
【0081】
画像分離部452は、画像取得部451から受け取った画像を文書画像とコード画像とに分離し、前者はそのまま画像合成部455に受け渡し、後者は付加情報取得部453に受け渡す。尚、第1の実施の形態で述べたような赤外に吸収を持つ不可視トナーでコード画像を形成したとすると、本実施の形態では、画像形成装置400のスキャナが赤外線照射機能を有する必要がある。これにより、コード画像の位置を認識することが可能となるので、画像分離部452における文書画像とコード画像の分離も可能となる。
付加情報取得部453は、画像分離部452から受け取ったコード画像から付加情報を取得する。
コード画像生成部454は、付加情報を変更してコード画像に埋め込む必要がある場合に、新たなコード画像を生成する。
画像合成部455は、画像分離部452から渡された文書画像とコード画像生成部454で生成されたコード画像とを合成する。
【0082】
次に、この場合における画像形成装置400の画像処理部の動作について説明する。
画像処理部では、まず、画像取得部451が、スキャン画像を取得し、画像分離部452が、そのスキャン画像を文書画像とコード画像とに分離する。
その後、画像処理部は、図16に示すような処理を行う。
即ち、まず、付加情報取得部453は、画像分離部452から受け取ったコード画像から付加情報を取り出す(ステップ401)。
ところで、既に述べたように、本実施の形態では、付加情報として、複写禁止、複写可能回数という2つの項目を想定している。そこで、以下では、これらの各項目の評価結果に基づく処理が行われる。
まず、付加情報取得部453は、ステップ401で取り出した付加情報を参照し、複写が禁止されているかどうかを判定する(ステップ402)。その結果、複写が禁止されていると判定されれば、例えば、複写できない旨をユーザに通知して処理を終了する。一方、複写が禁止されていないと判定されれば、再び付加情報を参照し、複写可能回数を取得する(ステップ403)。そして、複写可能回数が「0」であるかどうか判定する(ステップ404)。
【0083】
ここで、複写可能回数が「0」であれば、複写禁止の場合と同様、例えば、複写できない旨をユーザに通知して処理を終了する。一方、複写可能回数が「0」でなければ、複写可能回数から「1」を減算し(ステップ405)、この減算後の複写可能回数を付加情報に埋め込む(ステップ406)。
これにより、コード画像生成部454は、新たな付加情報が埋め込まれたコード画像を生成する(ステップ407)。そして、画像合成部455が、画像分離部452から渡された文書画像と、ステップ407で生成されたコード画像とを合成し(ステップ408)、この合成画像を画像形成装置400の本体(図4の機構)に対し出力する(ステップ409)。
その後、画像形成装置400は、この出力された合成画像を媒体に印刷し、ユーザは、複写可能回数が1少なくなった付加情報が埋め込まれた複写物を得ることになる。
以上により、第2の実施の形態の動作は終了する。
【0084】
尚、本実施の形態では、複写可能回数をコード画像の中に埋め込み、複写時にはコード画像中の複写可能回数を書き換えるようにしたが、このような構成には限られない。即ち、複写可能回数を対応情報DBに第2付加情報として記憶しておき、媒体が複写されるごとに、この対応情報DB中の複写可能回数を減ずるようにしてもよい。
また、本実施の形態では、付加情報の例として、複写禁止、複写可能回数という2つの項目を挙げたが、これらには限られない。媒体の複写の制限に関する情報として把握できるものであれば、いかなる情報であってもよいし、更に拡げると、媒体に対する処理に用いられる情報であれば、いかなる情報であってもよい。
【0085】
以上述べたように、本実施の形態では、ユーザAPで用いる付加情報をコード画像に含めて文書画像と重畳して印刷するようにした。このような構成により、電子文書と紙等の媒体を融合したサービスの自由度を高めることができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の第1の実施の形態が適用されるシステムの全体構成を示した図である。
【図2】本発明の実施の形態における識別情報管理サーバの画像生成に係る機能構成を示した図である。
【図3】本発明の実施の形態における識別情報管理サーバの画像生成に係る動作を示したフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態における画像形成装置の構成例を示した図である。
【図5】本発明の実施の形態において媒体上に印刷される2次元コード画像を説明するための図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態における付加コードについて説明するための図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態における対応情報DBの記憶内容の例を示した図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態におけるペンデバイスの構成例を示した図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態におけるペンデバイスの動作を示したフローチャートである。
【図10】本発明の第1の実施の形態におけるペンデバイスによるコード情報の読み取りを説明するための図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態における識別情報管理サーバの付加情報に基づく処理に係る機能構成を示した図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態における識別情報管理サーバの付加情報に基づく動作を示したフローチャートである。
【図13】本発明の第2の実施の形態が適用されるシステムの全体構成を示した図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態における付加コードについて説明するための図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態における画像形成装置の付加情報に基づく処理に係る機能構成を示した図である。
【図16】本発明の第2の実施の形態における画像形成装置の付加情報に基づく動作を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0087】
30a…受信部、30b…送信部、31…対応情報登録部、32…対応情報DB、33…情報抽出部、34…文書画像生成部、35…文書画像バッファ、36,454…コード画像生成部、37…コード画像バッファ、38,455…画像合成部、39,453…付加情報取得部、100,700…端末装置、200…文書管理サーバ、300…識別情報管理サーバ、400…画像形成装置、451…画像取得部、452…画像分離部、500…コード画像付き用紙、600…ペンデバイス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体上の各位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記媒体に形成される文書画像の元となる電子文書、又は当該媒体を識別するための識別情報を取得する識別情報取得手段と、
ユーザのアプリケーションプログラムで利用される付加情報を取得する付加情報取得手段と、
前記位置情報取得手段により取得された位置情報と、前記識別情報取得手段により取得された識別情報と、前記付加情報取得手段により取得された付加情報とを表すコード画像を生成するコード画像生成手段と
を備えたことを特徴とする画像生成装置。
【請求項2】
前記付加情報は、前記電子文書に対する処理に用いられる情報であることを特徴とする請求項1記載の画像生成装置。
【請求項3】
前記付加情報は、前記電子文書の取得の制限、当該電子文書の取得時の処理、当該電子文書の取得後の操作の制限の少なくとも1つに関する情報であることを特徴とする請求項2記載の画像生成装置。
【請求項4】
前記付加情報は、前記媒体に対する処理に用いられる情報であることを特徴とする請求項1記載の画像生成装置。
【請求項5】
前記付加情報は、前記媒体の複写の制限、当該媒体からの情報の読取りの制限の少なくとも1つに関する情報であることを特徴とする請求項4記載の画像生成装置。
【請求項6】
前記位置情報及び前記識別情報は、第1の装置から提供され、
前記付加情報は、第2の装置から提供されることを特徴とする請求項1記載の画像生成装置。
【請求項7】
媒体に形成される文書画像を生成する文書画像生成部と、
前記媒体上の各位置を示す位置情報と、前記文書画像の元となる電子文書又は当該媒体を識別するための識別情報と、当該電子文書又は当該媒体に対する処理に用いられる付加情報とを表すコード画像を生成するコード画像生成部と、
前記文書画像生成部により生成された文書画像と、前記コード画像生成部により生成されたコード画像とを合成する画像合成部と、
前記画像合成部による合成後の画像を前記媒体に形成する画像形成部と
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
前記画像形成部は、前記文書画像を可視画像として形成し、前記コード画像を略不可視の画像として形成することを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記画像形成部は、前記文書画像を、イエロー、マゼンタ、シアンの色材で形成し、前記コード画像を、赤外に吸収を持つ色材で形成することを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記画像形成部は、前記文書画像を、前記赤外に吸収を持つ色材よりも赤外吸収量が少ない黒の色材を含む色材で形成することを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
媒体に形成されたコード画像において、当該媒体上の各位置を示す位置情報と、当該媒体に形成された画像の元となるデータ又は当該媒体を識別するための識別情報とに追加して設けられた付加情報を取得する付加情報取得部と、
前記付加情報取得部により取得された付加情報に応じて所定の動作を行う処理部と
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項12】
前記付加情報は、前記データに対する処理に用いられる情報であり、
前記処理部は、前記付加情報を用いて前記データに対する処理を行うことを特徴とする特徴とする請求項11記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記付加情報は、前記媒体に対する処理に用いられる情報であり、
前記処理部は、前記付加情報を用いて前記媒体に対する処理を行うことを特徴とする請求項11記載の情報処理装置。
【請求項14】
所定のデータに基づく第1の画像と、
自身の異なる2方向に拡がりを持つ面上の位置情報と、自身又は前記データを識別するための識別情報と、自身又は前記データに対する処理に用いられる付加情報とを表す第2の画像と
が形成されたことを特徴とする印刷媒体。
【請求項15】
前記第1の画像は、可視画像として形成され、
前記第2の画像は、略不可視の画像として形成されたことを特徴とする請求項14に記載の印刷媒体。
【請求項16】
前記第1の画像は、イエロー、マゼンタ、シアンの色材で形成され、
前記第2の画像は、赤外に吸収を持つ色材で形成されたことを特徴とする請求項14に記載の印刷媒体。
【請求項17】
媒体上の各位置を示す位置情報を取得するステップと、
前記媒体に形成される画像の元となるデータ、又は当該媒体を識別するための識別情報を取得するステップと、
ユーザのアプリケーションプログラムで利用される付加情報を取得するステップと、
前記位置情報と、前記識別情報と、前記付加情報とを表すコード画像を生成するステップと
を含むことを特徴とする画像生成方法。
【請求項18】
前記付加情報は、前記データに対する処理に用いられる情報であることを特徴とする請求項17記載の画像生成方法。
【請求項19】
前記付加情報は、前記媒体に対する処理に用いられる情報であることを特徴とする請求項17記載の画像生成方法。
【請求項20】
コンピュータに、
媒体上の各位置を示す位置情報を取得する機能と、
前記媒体に形成される画像の元となるデータ、又は当該媒体を識別するための識別情報を取得する機能と、
ユーザのアプリケーションプログラムで利用される付加情報を取得する機能と、
前記位置情報と、前記識別情報と、前記付加情報とを表すコード画像を生成する機能と
を実現させるためのプログラム。
【請求項21】
コンピュータに、
媒体に形成されたコード画像において、当該媒体上の各位置を示す位置情報と、当該媒体又は当該媒体に形成された画像の元となるデータを識別するための識別情報とに追加して設けられた付加情報を取得する機能と、
取得された前記付加情報に応じて所定の動作を行う機能と
を実現させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2006−344179(P2006−344179A)
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−171684(P2005−171684)
【出願日】平成17年6月10日(2005.6.10)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】