説明

画像生成装置、画像生成方法、ならびに、プログラム

【課題】仮想空間に配置される特定のオブジェクトを分かり易く表現する画像を生成する。
【解決手段】決定部201は、仮想空間に配置される視点と投影面との組を決定する。判定部202は、仮想空間に配置される複数のオブジェクトのそれぞれについて、当該オブジェクトが、決定部201により決定された組の視点から見て、当該決定された組の投影面に重なるか否かを判定する。生成部203は、決定部201により決定された組の投影面に重なると判定されたオブジェクトから、当該組の視点と当該オブジェクトとの距離に基づいて、描画対象のオブジェクトを選択し、当該選択された描画対象のオブジェクトを、決定部201により決定された組の視点から見た様子を表す画像を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮想空間に配置される特定のオブジェクトを分かり易く表現する画像を生成するのに好適な画像生成装置、画像生成方法、ならびに、これらをコンピュータにより実現するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
被写体のみに焦点を当て、背景や前景をぼかす写真表現が知られている。このような写真表現によれば、被写体を目立たせることが可能となる。このような写真表現を実現するためには、撮影者は、焦点(ピント)が合う領域の広さ(以下、「被写界深度」という。)を浅くしたうえで、被写体に焦点を合わせて、被写体を撮影する。例えば、撮影者は、焦点距離の長い望遠レンズを用いて絞りを開いた状態で、被写体に焦点を合わせて、被写体を撮影する。
【0003】
3次元仮想空間の様子を表す画像を生成する画像生成装置において、このような写真表現を採用することもできる。かかる写真表現を採用する画像生成装置は、例えば、3次元仮想空間に配置されるオブジェクトのうち、特定のオブジェクトを鮮明に表現し、当該特定のオブジェクト以外のオブジェクトを被写界深度に応じてぼかして表現する画像を生成する。このようにして生成された画像は、3次元仮想空間において、当該特定のオブジェクトから離れた位置に存在する撮影者が、焦点距離の長い望遠レンズを用いて絞りを開いた状態で、当該特定のオブジェクトに焦点を合わせて、当該特定のオブジェクトを撮影したときに得ることができる画像を擬似的に表す画像となる。
【0004】
特許文献1には、このような画像処理装置により生成される画像をモニタ画面に表示する球技用ゲームのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体が開示されている。当該球技用ゲームは、3次元画像を2次元画像に変換すると共に、その2次元画像の3次元仮想空間における奥行位置を示す奥行データを取得する。そして、当該球技用ゲームは、3次元仮想空間の奥行方向に見て球技用ゲームのボールの奥行位置より奥側の2次元画像が非合焦画像になるように、奥行データを参照してボールの奥行位置より奥側の画像の2次元画像に対してぼかし処理を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−204964号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示されたぼかし処理を実現するためには、非常に多くの計算が必要となる。従って、計算能力が高くない画像生成装置に、このようなぼかし処理を行わせることは困難である。このため、ぼかし処理をできるだけ行わずに、特定のオブジェクトを目立たせる技術が望まれている。
【0007】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、仮想空間に配置される特定のオブジェクトを分かり易く表現する画像を生成するのに好適な画像生成装置、画像生成方法、ならびに、これらをコンピュータにより実現するためのプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係る画像生成装置は、決定部、判定部、生成部、を備え、以下のように構成する。
【0009】
まず、決定部が、仮想空間に配置される視点と投影面との組を決定する。決定部によりこの組が決定されることは、仮想空間に配置されるカメラの位置、角度、レンズの被写界深度などが決定されることに相当すると考えることができる。
【0010】
そして、判定部が、仮想空間に配置される複数のオブジェクトのそれぞれについて、ある条件を満たすか否かを判定する。ある条件とは、決定部により決定された組の視点から見て、各オブジェクトが、当該決定された組の投影面に重なることである。なお、オブジェクトが投影面に重なることは、当該オブジェクトが、決定部により決定された組の視点に配置されたカメラの撮影範囲に入ることを意味する。
【0011】
ここで、生成部が、決定部により決定された組の投影面に重なると判定されたオブジェクトから、描画対象のオブジェクトを選択する。なお、生成部は、当該決定された組の視点と当該オブジェクトとの距離に基づいて、描画対象のオブジェクトを選択する。そして、生成部は、当該選択された描画対象のオブジェクトを、当該決定された組の視点から見た様子を表す画像を生成する。つまり、生成部は、投影面に重なると判定されたオブジェクトのうち、ある条件を満たすオブジェクトが描画された画像を生成する。なお、ある条件とは、当該決定された組の視点と、オブジェクトとの距離に基づく条件である。従って、オブジェクトと当該視点との位置関係により、生成される画像に当該オブジェクトが描画されるか否かが決定される。すなわち、仮想空間に配置されるカメラの撮影範囲にあるオブジェクトは、当該カメラとの位置関係によって、生成される画像に描画されるか否かが決定される。例えば、当該カメラの撮影範囲にあるオブジェクトのうち、焦点が合っているオブジェクトのみが、生成される画像に描画されるようにする。なお、焦点が合っているオブジェクトとは、当該カメラからの距離が、当該カメラの焦点距離と一致するオブジェクトである。
【0012】
本発明の画像生成装置によれば、仮想空間に配置される特定のオブジェクトを分かり易く表現する画像を生成することができる。
【0013】
また、本発明の画像生成装置は、取得部をさらに備え、生成部を以下に示すように構成することができる。
【0014】
すなわち、取得部は、複数のオブジェクトのうち、所定の注目オブジェクトが、決定部により決定された組の視点から見て、当該決定された組の投影面に投影される領域を求める。そして、取得部は、当該領域の大きさと当該投影面の大きさとの比率を取得する。なお、注目オブジェクトは、当該画像を見るユーザが注目するべきオブジェクトである。従って、仮想空間に配置されるカメラは、当該注目オブジェクトに焦点が合うように設定される。
【0015】
そして、生成部は、取得された比率に基づいて、描画対象のオブジェクトを選択する。ここで、注目オブジェクトから離れた位置から、ズーム機能を用いずに、当該注目オブジェクトを撮影すると、取得される比率が比較的小さくなることが期待される。一方、注目オブジェクトから離れた位置から、ズーム機能を用いて、当該注目オブジェクトを撮影すると、取得される比率が比較的大きくなることが期待される。
【0016】
ここで、現実世界において、ズーム機能を用いずに撮影した場合、被写界深度は比較的深くなるため、撮影範囲にある全てのオブジェクトがぼけていない画像が生成されることが一般的である。従って、画像生成装置は、撮影範囲にある全てのオブジェクトがぼけていないように適切に表現された画像を生成することが望ましい。このため、(A)取得された比率が所定の閾値よりも小さい場合、生成部は、決定部により決定された組の投影面に重なると判定されたオブジェクトを描画対象のオブジェクトとして選択する。なお、描画対象のオブジェクトとして選択されたオブジェクトは、ぼかされずに描画される。また、所定の閾値は、例えば0〜1(0〜100%)の範囲で適宜調整が可能である。
【0017】
一方、現実世界において、ズーム機能を用いて撮影した場合、被写界深度は比較的浅くなるため、撮影範囲にあるオブジェクトのうち、焦点が合っていないオブジェクトがぼけた画像が生成されることが一般的である。従って、画像生成装置は、撮影範囲にあるオブジェクトのうち、焦点が合っていないオブジェクトがぼけているように適切に表現された画像を生成することが望ましい。このため、(B)取得された比率が所定の閾値以上である場合、生成部は、決定部により決定された組の投影面に重なると判定されたオブジェクトのそれぞれをぼかすか否かを、以下の(a)〜(c)に基づいて決定する。(a)は、決定部により決定された組に対応付けられる被写界深度である。(b)は、当該組の視点と当該オブジェクトとの距離である。(c)は、当該組の視点と注目オブジェクトとの距離である。なお、生成部は、ぼかすことが決定されたオブジェクトを描画対象のオブジェクトとして選択するか否かを、ぼかし処理に必要な計算量などを考慮して決定する。そして、生成部は、当該決定された結果に基づいて、描画対象のオブジェクトを選択する。
【0018】
本発明の画像生成装置によれば、生成される画像に描画される所定の注目オブジェクトの画像内における大きさに基づいて、当該注目オブジェクト以外のオブジェクトが当該画像に描画されるか否かが決定される。
このため、本発明の画像生成装置によれば、仮想空間に配置される特定のオブジェクトを分かり易く表現する画像を生成することができる。
【0019】
また、本発明の画像生成装置において、生成部を以下に示すように構成することができる。
【0020】
すなわち、生成部は、取得された比率が所定の閾値以上である場合、ぼかさないと決定されたオブジェクトを描画対象のオブジェクトとして選択する。言い換えれば、生成部は、取得された比率が所定の閾値以上である場合、ぼかすと決定されたオブジェクトを描画対象のオブジェクトから除外する。このように、ぼかすと決定されたオブジェクトが描画対象のオブジェクトから除外されることにより、ぼかし処理のための計算が不要となる。一方、ぼかすことが決定されたオブジェクトは、焦点が合っていないオブジェクトであるため、描画対象のオブジェクトから除外されたとしても弊害が少ない。また、生成される画像には、注目オブジェクトがぼかされずに描画される。このため、注目オブジェクトが目立つように表現された画像が生成される。
【0021】
本発明の画像生成装置によれば、仮想空間に配置される特定のオブジェクトを分かり易く表現する画像を生成することができる。
【0022】
また、本発明の画像生成装置において、生成部を以下に示すように構成することができる。
すなわち、生成部は、ぼかすと決定されたオブジェクトが存在する場合、以下に示す手順によって画像を生成する。まず、生成部は、注目オブジェクトのみを描画対象のオブジェクトとして選択する。そして、生成部は、所定の背景画像を決定部により決定された組の投影面に投影する。その後、生成部は、当該投影面に当該注目オブジェクトを投影することにより画像を生成する。
【0023】
ぼかすと決定されたオブジェクトが存在する場合は、決定部により決定された組に対応付けられた被写界深度の深さが浅い場合や、当該組の視点までの距離が注目オブジェクトと大きく異なるオブジェクトが存在する場合である。このような場合は、注目オブジェクト以外のオブジェクトが、注目オブジェクトと同程度に明瞭に描画されない方が自然に見える場合も多い。従って、このような場合には、生成部は、注目オブジェクト以外のオブジェクトをぼかして描画する代わりに、背景画像を描画する。これにより、ぼかし処理を実行することなく、注目オブジェクトを目立たせることができる。なお、背景画像は、決定部により決定される組に対応する背景画像が用意されていることが望ましい。決定部により決定された組の視点から見て、当該組の投影面に投影されると予測されるオブジェクトをぼかして表現する画像を背景画像として採用することにより、自然な画像が生成されることが期待されるためである。
【0024】
本発明の画像生成装置によれば、仮想空間に配置される特定のオブジェクトを分かり易く表現する画像を生成することができる。
【0025】
また、本発明の画像生成装置において、決定部を以下に示すように構成することができる。
すなわち、決定部は、複数の候補の組からいずれかを決定する。具体的には、決定部は、当該複数の候補の組のそれぞれについて、当該候補の組が決定されたと仮定して、ぼかすと決定されるオブジェクトの個数を求める。そして、決定部は、求められたオブジェクトの個数が最小の候補の組を決定する。
【0026】
決定部により、ぼかすと決定されるオブジェクトの個数が最小の候補の組が組として決定されると、注目オブジェクトが目立つように描画された画像が適切に生成されることが期待される。その理由は、このように組が決定されると、描画対象のオブジェクトから除外すべきオブジェクトや、ぼかさなければならないオブジェクトが少なくなることが期待されるためである。
【0027】
本発明の画像生成装置によれば、仮想空間に配置される特定のオブジェクトを分かり易く表現する画像を生成することができる。
【0028】
上記目的を達成するために、本発明のその他の観点に係る画像生成方法は、決定部、判定部、生成部、を備える画像生成装置が実行する画像生成方法であって、決定工程、判定工程、生成工程、を備え、以下のように構成する。
【0029】
すなわち、決定工程において、決定部が、仮想空間に配置される視点と投影面との組を決定する。
【0030】
また、判定工程において、判定部が、仮想空間に配置される複数のオブジェクトのそれぞれについて、当該オブジェクトが、決定部により決定された組の視点から見て、当該決定された組の投影面に重なるか否かを判定する。
【0031】
そして、生成工程において、生成部が、決定部により決定された組の投影面に重なると判定されたオブジェクトから、当該組の視点と当該オブジェクトとの距離に基づいて、描画対象のオブジェクトを選択する。また、生成工程において、生成部が、当該選択された描画対象のオブジェクトを、決定部により決定された組の視点から見た様子を表す画像を生成する。
【0032】
本発明の画像生成方法によれば、仮想空間に配置される特定のオブジェクトを分かり易く表現する画像を生成することができる。
【0033】
本発明の他の観点に係るプログラムは、コンピュータを、上記の画像生成装置の各部として機能させ、または、コンピュータに、上記の画像生成方法の各工程を実行させるように構成する。
また、本発明のプログラムは、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等のコンピュータ読取可能な情報記録媒体に記録することができる。上記プログラムは、プログラムが実行されるコンピュータとは独立して、コンピュータ通信網を介して配布・販売することができる。また、上記情報記録媒体は、コンピュータとは独立して配布・販売することができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、仮想空間に配置される特定のオブジェクトを分かり易く表現する画像を生成するのに好適な画像生成装置、画像生成方法、ならびに、これらをコンピュータにより実現するためのプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施形態に係る画像生成装置が実現される典型的な情報処理装置の概要構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る画像生成装置の構成を示すブロック図である。
【図3】仮想空間に配置される視点と投影面とを説明するための図である。
【図4】オブジェクトをぼかすか否かを決定する手法を説明するための図である。
【図5】ぼかさないと決定されたオブジェクトと、ぼかすと決定されたオブジェクトとを表す画像を示す図である。
【図6】ぼかさないと決定されたオブジェクトのみを表す画像を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る画像生成装置が実行する画像生成処理を示すフローチャートである。
【図8】描画対象のオブジェクトを選択する手法を説明するための図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る画像生成装置の構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る画像生成装置が実行する画像生成処理を示すフローチャートである。
【図11】背景画像と注目オブジェクトとを投影面に投影させる様子を示す図である。
【図12】背景画像と注目オブジェクトとを表す画像を示す図である。
【図13】本発明の第3の実施形態に係る画像生成装置の構成を示すブロック図である。
【図14】仮想空間に配置される視点と投影面との複数の組を示す図である。
【図15】本発明の第3の実施形態に係る画像生成装置が実行する組決定処理を示すフローチャートである。
【図16A】視点と投影面との組を決定する手法を説明するための第1の図である。
【図16B】視点と投影面との組を決定する手法を説明するための第2の図である。
【図16C】視点と投影面との組を決定する手法を説明するための第3の図である。
【図17A】生成する画像をズーム画像とするかしないかを決定する第1の手法を説明するための図である。
【図17B】生成する画像をズーム画像とするかしないかを決定する第2の手法を説明するための図である。
【図18】オブジェクトをぼかすか否かを決定する手法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下に本発明の実施形態を説明する。以下では、理解を容易にするため、ゲーム専用の情報処理装置に本発明が適用される実施形態を説明するが、各種のコンピュータ、PDA(Personal Data Assistants)、携帯電話などの情報処理装置においても同様に本発明を適用することができる。すなわち、以下に説明する実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0037】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の実施形態に係る画像生成装置が実現される典型的な情報処理装置の概要構成を示すブロック図である。以下、本図を参照して説明する。なお、本実施形態においては、画像生成装置としてゲーム装置を採用した場合について説明する。つまり、本実施形態に係る画像生成装置は、ゲームのプレイ中にモニタに表示する画像を生成する装置である。
【0038】
情報処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、インターフェース104と、コントローラ105と、外部メモリ106と、画像処理部107と、DVD(Digital Versatile Disk)−ROMドライブ108と、NIC(Network Interface Card)109と、音声処理部110と、RTC(Real Time Clock)111と、を備える。
【0039】
ゲーム用のプログラムおよびデータを記憶したDVD−ROMをDVD−ROMドライブ108に装着して、情報処理装置100の電源を投入することにより、プログラムが実行され、本実施形態の画像生成装置が実現される。
【0040】
CPU 101は、情報処理装置100全体の動作を制御し、各構成要素と接続され制御信号やデータをやりとりする。CPU 101は、各構成要素から各種のデータを取得し、当該各種のデータを種々の演算により加工して各構成要素にデータや制御信号として与える。CPU 101では、各種のデータはいったんCPU 101が備えるキャッシュに格納され、さらにCPU 101が備えるレジスタに取得されてから各種の演算が施される。
【0041】
ROM 102には、電源投入直後に実行されるIPL(Initial Program Loader)が記録され、これが実行されることにより、DVD−ROMに記録されたプログラムをRAM 103に読み出してCPU 101による実行が開始される。
また、ROM 102には、情報処理装置100全体の動作制御に必要なオペレーティングシステムのプログラムや各種のデータが記録される。
【0042】
RAM 103は、データやプログラムを一時的に記憶するためのもので、DVD−ROMから読み出したプログラムやデータ、その他ゲームの進行や通信に必要なデータが保持される。このほか、情報処理装置100に接続される各種の機器から伝達される種々の情報や、各種の機器に伝達すべき種々の情報も、一時的に格納される。
【0043】
インターフェース104を介して接続されたコントローラ105は、ユーザがゲーム実行の際に行う操作入力を受け付ける。
【0044】
インターフェース104を介して着脱自在に接続された外部メモリ106には、ゲームの進行状態を示すデータなどが書き換え可能に記憶される。ユーザは、例えば、コントローラ105を介して指示入力を行うことにより、これらのデータを適宜外部メモリ106に記録することができる。
【0045】
DVD−ROMドライブ108に装着されるDVD−ROMには、ゲームを実現するためのプログラムとゲームに付随する画像データや音声データが記録される。CPU 101の制御によって、DVD−ROMドライブ108は、これに装着されたDVD−ROMに対する読み出し処理を行って、必要なプログラムやデータを読み出し、これらはRAM 103等に一時的に記憶される。
【0046】
画像処理部107は、DVD−ROMから読み出されたデータをCPU 101や画像処理部107が備える画像演算プロセッサ(図示せず)によって加工処理した後、これを画像処理部107が備えるフレームメモリ(図示せず)に記録する。フレームメモリに記録された画像情報は、所定の同期タイミングでビデオ信号に変換され画像処理部107に接続されるモニタ(図示せず)へ出力される。これにより、各種の画像表示が可能となる。
【0047】
画像演算プロセッサは、2次元の画像の重ね合わせ演算やαブレンディング等の透過演算、各種の飽和演算を高速に実行できる。また、仮想3次元空間に配置され、各種のテクスチャ情報が付加されたポリゴン情報を、Zバッファ法によりレンダリングして、所定の視点位置から仮想3次元空間に配置されたポリゴンを俯瞰したレンダリング画像を得る演算の高速実行も可能である。特に、点光源や平行光源、円錐光源などの典型的な(正)光源によってポリゴンが照らされる度合を計算する機能が、ライブラリ化もしくはハードウェア化され、高速に計算できるようになっている。
【0048】
さらに、CPU 101と画像演算プロセッサが協調動作することにより、文字の形状を定義するフォント情報にしたがって、文字列を2次元画像としてフレームメモリへ描画したり、各ポリゴン表面へ描画したりすることが可能である。フォント情報は、ROM 102に記録されているが、DVD−ROMに記録された専用のフォント情報を利用することも可能である。
【0049】
NIC 109は、情報処理装置100をインターネット等のコンピュータ通信網(図示せず)に接続するためのものであり、LAN(Local Area Network)を構成する際に用いられる10BASE−T/100BASE−T規格にしたがうものや、電話回線を用いてインターネットに接続するためのアナログモデム、ISDN(Integraged Services Digital Network)モデム、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line Modem)モデム、ケーブルテレビジョン回線を用いてインターネットに接続するためのケーブルモデム等と、これらとCPU 101との仲立ちを行うインターフェース(図示せず)により構成される。
【0050】
音声処理部110は、DVD−ROMから読み出した音声データをアナログ信号に変換し、これに接続されたスピーカ(図示せず)から出力させる。また、CPU 101の制御の下、ゲームの進行の中で発生させるべき効果音や楽曲データを生成し、これに対応した音声をスピーカーから出力させる。音声処理部110からは、たとえば、BGMやカラオケとして再生される楽曲の音や、ユーザのボタン操作に合わせて再生される効果音などを変換する。
【0051】
RTC 111は、水晶振動子や発振回路などを備える計時用のデバイスである。RTC 111は、内蔵電池から電源を供給され、情報処理装置100の電源がオフのときでも動作し続ける。
【0052】
このほか、情報処理装置100は、ハードディスク等の大容量外部記憶装置を用いて、ROM 102、RAM 103、外部メモリ106、DVD−ROMドライブ108に装着されるDVD−ROM等と同じ機能を果たすように構成してもよい。
【0053】
(画像生成装置の構成)
次に、本実施形態の画像生成装置200の各部の構成について、図面を参照して説明する。図2は、本実施形態に係る画像生成装置200の構成を示す説明図である。なお、画像生成装置200は、三次元仮想空間(以下「仮想空間」という。)に配置されたオブジェクトを、当該仮想空間に配置された所定の視点から見た様子を表す画像を生成する。
【0054】
図2に示すように、画像生成装置200は、決定部201と、判定部202と、生成部203と、取得部204と、記憶部205と、を備える。
【0055】
決定部201は、仮想空間に配置される視点と投影面との組を決定する。決定部201は、例えば、CPU 101などにより実現される。
【0056】
ここで、図3を参照して、決定部201により決定される視点310と投影面320との組について説明する。図3は、オブジェクト301〜304と、視点310と、投影面320と、が仮想空間に配置されている例を示している。ここで、ゲーム上で注目すべきオブジェクト(以下「注目オブジェクト」という。)がオブジェクト301であるものとすると、ある視点から見てオブジェクト301がある投影面に投影されるように、視点と投影面との組が決定される。本実施形態では、あらかじめ定められている複数の視点と複数の投影面とから、視点310と投影面320との組が選択されるものとする。なお、本実施形態においては、当該組は、ゲームの進行状況(例えば、ゲーム開始時刻からの経過時間)に対応付けられて、あらかじめ定められているものとする。従って、当該組を特定する情報は、記憶部205に記憶されているものとする。
【0057】
判定部202は、オブジェクト301〜304のそれぞれについて、各オブジェクトが、視点310から見て、投影面320に重なるか否かを判定する。例えば、決定部201は、オブジェクト301の仮想空間における位置、大きさ、形状と、視点310の座標と、投影面320の4つの頂点の座標と、に基づいて、オブジェクト310が投影面320に重なるか否かを判定する。本実施形態においては、図3に示すように、オブジェクト301〜303が重なると判定され、オブジェクト304が重ならないと判定されるものとして説明する。判定部202は、例えば、CPU 101などにより実現される。
【0058】
生成部203は、投影面320に重なると判定されたオブジェクト301〜303から、視点310とオブジェクト301〜303のそれぞれとの距離に基づいて、描画対象のオブジェクトを選択する。ここで、視点310の座標を(X0,Y0,Z0)、オブジェクト301の座標を(X1,Y1,Z1)、オブジェクト302の座標を(X2,Y2,Z2)、オブジェクト303の座標を(X3,Y3,Z3)として、視点310とオブジェクト301との距離を、((X1−X0)+(Y1−Y0)+(Z1−Z0))の平方根とし、視点310とオブジェクト302との距離を、((X2−X0)+(Y2−Y0)+(Z2−Z0))の平方根とし、視点310とオブジェクト303との距離を、((X3−X0)+(Y3−Y0)+(Z3−Z0))の平方根とする。そして、生成部203は、当該選択された描画対象のオブジェクトを視点310から見た様子を表す画像を生成する。生成部203は、例えば、CPU 101と画像処理部107とにより実現される。
【0059】
取得部204は、オブジェクト301〜304のうち、注目オブジェクトであるオブジェクト301が視点310から見て、投影面320に投影される領域331を求める。そして、取得部204は、領域331の大きさと投影面320の大きさとの比率を計算する。取得部204は、例えば、CPU 101などにより実現される。
【0060】
記憶部205は、仮想空間情報を記憶する。仮想空間情報は、オブジェクト301〜304の仮想空間における位置、大きさ、形状などを表す情報を含む。また、記憶部205は、視点310と投影面320との組を特定する情報を記憶する。例えば、記憶部205は、視点310の仮想空間における座標(X座標、Y座標、Z座標)と、投影面320の仮想空間における4つの頂点の座標(X座標、Y座標、Z座標)とを記憶する。さらに、記憶部205は、視点310と投影面320との組に対応付けられる被写界深度を特定する情報を記憶する。記憶部205は、RAM 103などにより実現される。なお、RAM 103に記憶されるこれらの情報は、DVD−ROMドライブ108に装着されたDVD−ROMからあらかじめ読み出されているものとする。
【0061】
ここで、生成部203は、取得部204により取得された比率が、所定の閾値よりも小さい場合、投影面320に重なると判定されたオブジェクト301〜303を描画対象のオブジェクトとして選択する。一方、生成部203は、取得部204により取得された比率が、当該所定の閾値以上である場合、投影面320に重なると判定されたオブジェクト301〜303のそれぞれをぼかすか否かを決定する。オブジェクト301〜303のそれぞれをぼかすか否かは、視点310と投影面320との組に対応付けられる被写界深度と、視点310とオブジェクト301〜303のそれぞれとの距離と、視点310と注目オブジェクトであるオブジェクト301との距離と、に基づいて決定される。以下、図4を参照して、オブジェクト301〜303のそれぞれをぼかすか否かを決定する手法について説明する。
【0062】
図4に示すように、視点310とオブジェクト301との距離をL1、視点310とオブジェクト302との距離をL2、視点310とオブジェクト303との距離をL3、とする。ここで、視点310と投影面320との組に対応付けられる被写界深度が浅いほど大きくなる値であるR1(ただし、R1<L1)と、視点310と投影面320との組に対応付けられる被写界深度が浅いほど小さくなる値であるR2(ただし、R2>L1)とを考える。このとき、オブジェクト301は、L1>R1、かつ、L1<R2である場合にぼかさないと決定され、L1<=R1、もしくは、L1>=R2である場合にぼかすと決定される。言い換えれば、オブジェクト301は、中心が視点310であり半径がR1である仮想空間上の球401の球面の外側にあり、かつ、中心が視点310であり半径がR2である仮想空間上の球402の球面の内側にある場合にぼかさないと決定される。一方、オブジェクト302は、球401の球面の内側にある、もしくは、球402の球面の外側にある場合にぼかすと決定される。同様に、オブジェクト303は、球401の球面の外側にあり、かつ、球402の球面の内側にある場合にぼかさないと決定され、球401の球面の内側にある、もしくは、球402の球面の外側にある場合にぼかすと決定される。なお、オブジェクト301は、球401の球面の外側にあり、かつ、球402の球面の内側にあるため、常にぼかさないと決定される。
【0063】
そして、生成部203は、オブジェクト301〜303のうち、ぼかさないと決定されたオブジェクトを、描画対象のオブジェクトとして選択する。本実施形態においては、オブジェクト301、302はぼかさないと決定され、オブジェクト303はぼかすと決定されるものとする。ここで、ぼかすと決定されたオブジェクト303が描画対象のオブジェクトとして選択されると、図5に示す画像500が生成される。画像500は、ぼかさないと決定されたオブジェクト301、302、ならびに、ぼかすと決定されたオブジェクト303を、視点310から見た様子を表す画像である。また、画像500は、オブジェクト301、302をぼかさずに表し、オブジェクト303をぼかして表す画像である。画像500のように、オブジェクト303をぼかして表す画像を生成するためには、多くの計算が必要とされる。従って、本実施形態では、オブジェクト301、302が描画対象のオブジェクトとして選択され、オブジェクト303が描画対象のオブジェクトとして選択されないようにする。すなわち、生成部203は、図6に示すように、ぼかさないと決定されたオブジェクト301、302のみを、視点310から見た様子を表す画像510を生成する。
【0064】
(画像生成装置の動作)
次に、本実施形態に係る画像生成装置200の動作について、図面を参照して説明する。図7は、本実施形態に係る画像生成装置200が実行する画像生成処理を示すフローチャートである。ここで、画像生成装置200は、ゲームが開始されると、画面更新周期毎に、仮想空間に配置されるオブジェクトを見た様子を表す画像を生成する。なお、本実施形態においては、オブジェクトを見る視点が切り替わるときに、オブジェクトが描画されるか否か、ならびに、オブジェクトがぼかされるか否かが決定され、次にオブジェクトを見る視点が切り替わるまで、これらは変更されないものとする。図7に示す画像生成処理は、オブジェクトを見る視点が切り替わるときに実行される処理である。
【0065】
まず、CPU 101は、視点と投影面との組を決定する(ステップS101)。本実施形態においては、RAM 103に記憶されている情報に基づいて、視点310と投影面320との組が、組として決定されるものとして説明する。
【0066】
CPU 101は、ステップS101の処理を終了すると、注目オブジェクトであるオブジェクト301が、視点310から見て投影面320に投影される領域331を求め、当該領域331の大きさと投影面320の大きさとの比率を取得する(ステップS102)。
【0067】
CPU 101は、ステップS102の処理を終了すると、オブジェクト301〜304から、オブジェクトを1つ選択する(ステップS103)。
【0068】
CPU 101は、ステップS103の処理を終了すると、ステップS103において選択されたオブジェクトが投影面320に重なるか否かを判別する(ステップS104)。本実施形態においては、オブジェクト301〜303が投影面320に重なると判別され、オブジェクト304が投影面320に重ならないと判別されるものとして説明する。
【0069】
CPU 101は、選択されたオブジェクトが投影面320に重なると判別した場合(ステップS104:YES)、ステップS102において取得された比率が閾値以上であるか否かを判別する(ステップS105)。閾値は、0〜1(0〜100%)の値である。
【0070】
CPU 101は、取得された比率が閾値以上であると判別した場合(ステップS105:YES)、ステップS103において選択されたオブジェクトをぼかすか否かを決定する(ステップS106)。選択されたオブジェクトをぼかすか否かは、視点310と投影面320との組に対応付けられる被写界深度と、視点310と選択されたオブジェクトとの距離と、視点310と注目オブジェクトであるオブジェクト301との距離と、に基づいて決定される。なお、被写界深度を示す情報やオブジェクトの位置を示す情報は、RAM 103にあらかじめ記憶されているものとする。
【0071】
ここで、図8を参照して、選択されたオブジェクトをぼかすか否かを決定する手法について説明する。まず、図8に示すように、視点310とオブジェクト301との距離をL1、視点310とオブジェクト302との距離をL2、視点310とオブジェクト303との距離をL3、とする。視点310と投影面320との組に対応付けられる被写界深度を、被写界深度が浅いほど小さな値で示す数値D(ただし、D>0)で表すものとする。ここで、ステップS103において選択されたオブジェクトがオブジェクト302である場合、例えば、|L1−L2|<Dを満たすとき、オブジェクト302はぼかさないと決定され、|L1−L2|>=Dを満たすとき、オブジェクト302はぼかすと決定される。また、ステップS103において選択されたオブジェクトがオブジェクト303である場合、例えば、|L1−L3|<Dを満たすとき、オブジェクト303はぼかさないと決定され、|L1−L3|>=Dを満たすとき、オブジェクト303はぼかすと決定される。なお、ステップS103において選択されたオブジェクトがオブジェクト301である場合、オブジェクト301は常にぼかさないと決定される。これは、選択されたオブジェクトがオブジェクト301である場合、|L1−L1|=0<Dが常に満たされるためである。本実施形態においては、オブジェクト301、302はぼかさないと決定され、オブジェクト303はぼかすと決定されるものとする。
【0072】
CPU 101は、ステップS106の処理を終了すると、ステップS106においてぼかすと決定されたか否かを判別する(ステップS107)。
【0073】
CPU 101は、取得された比率が閾値以上ではないと判別した場合(ステップS105:NO)、もしくは、ぼかすと決定されていないと判別した場合(ステップS107:NO)、ステップS103において選択されたオブジェクトを描画対象のオブジェクトに設定する(ステップS108)。
【0074】
CPU 101は、投影面320に重ならないと判別した場合(ステップS104:NO)、ぼかすと決定されたと判別した場合(ステップS107:YES)、もしくは、描画対象のオブジェクトに設定する処理(ステップS108)を終了した場合、ステップS103において未選択のオブジェクトがあるか否かを判別する(ステップS109)。
【0075】
CPU 101は、未選択のオブジェクトがあると判別した場合(ステップS109:YES)、ステップS103に処理を戻す。一方、CPU 101は、未選択のオブジェクトがないと判別した場合(ステップS109:NO)、描画対象のオブジェクトを投影面320に投影する(ステップS110)。本実施形態においては、オブジェクト301、302が投影面320に投影されるものとする。
【0076】
CPU 101は、ステップS110の処理を終了すると、投影面320の様子を表す画像を生成する(ステップS111)。本実施形態においては、投影面320の様子を表す画像として、図6に示す画像510が生成される。
【0077】
CPU 101は、ステップS111の処理を終了すると、画像生成処理を終了する。
【0078】
本実施形態に係る画像生成装置200によれば、注目オブジェクトであるオブジェクト301が視点310から見て、投影面320に投影される領域331が求められ、領域331の大きさと投影面320の大きさとの比率が所定の閾値よりも小さいか否かで異なる処理がなされる。ここで、比率が所定の閾値よりも小さいときは、被写界深度による影響を考慮せずに画像を生成することが好ましいとき、つまり、注目オブジェクトがズームアップされていない画像を生成することが好ましいときであると考えられる。従って、この場合、生成される画像に、投影面320に重なるオブジェクトが全て描画される。
一方、比率が所定の閾値以上であるときは、被写界深度による影響を考慮して画像を生成することが好ましいとき、つまり、注目オブジェクトがズームアップされている画像を生成することが好ましいときであると考えられる。従って、この場合、生成される画像に、投影面320に重なるオブジェクトのうち、焦点から外れていないオブジェクトのみが描画される。ここで、焦点から外れているオブジェクトは、ぼかされて描画されるのではなく、描画対象から外れる。このため、ぼかしのために必要な計算の処理時間が省略されることが期待される。なお、注目オブジェクトであるオブジェクト301は、ぼかされずに描画されるため、生成される画像510は、オブジェクト301が目立つように描画された画像となる。
【0079】
(第2の実施形態)
第1の実施形態の画像生成装置200は、注目オブジェクトがズームアップされた画像を生成することが望ましいと考えられるとき、焦点から外れていないオブジェクトのみを描画対象とする例を示した。しかし、本発明の画像生成装置は、注目オブジェクトがズームアップされた画像を生成することが望ましいと考えられるとき、背景画像が注目オブジェクト以外のオブジェクトの代わりに描画されるように構成されていてもよい。以下、第2の実施形態に係る画像生成装置210について説明するが、第1の実施形態にかかる画像生成装置200と同様の構成、動作については、説明を適宜省略する。
【0080】
(画像生成装置の構成)
まず、本実施形態の画像生成装置210の各部の構成について、図面を参照して説明する。図9は、本実施形態に係る画像生成装置210の構成を示す説明図である。
【0081】
図9に示すように、画像生成装置210は、決定部201と、判定部202と、生成部213と、取得部204と、記憶部215と、を備える。ゲーム装置210が備える、決定部201、判定部202、ならびに、取得部204は、画像生成装置200が備えるものと同様であるため説明を省略する。以下では、生成部213と記憶部215とを中心に説明する。
【0082】
生成部213は、投影面320に重なると判定されたオブジェクト301〜303から、視点310とオブジェクト301〜303のそれぞれとの距離に基づいて、描画対象のオブジェクトを選択する。そして、生成部213は、当該選択された描画対象のオブジェクトを視点310から見た様子を表す画像を生成する。生成部213は、例えば、CPU 101と画像処理部107とにより実現される。
【0083】
記憶部215は、仮想空間情報と、視点310と投影面320との組を特定する情報と、視点310と投影面320との組に対応付けられる被写界深度を特定する情報と、視点310と投影面320との組に対応付けられる背景画像と、を記憶する。記憶部215は、RAM 103などにより実現される。なお、RAM 103に記憶されるこれらの情報は、DVD−ROMドライブ108に装着されたDVD−ROMから、あらかじめ読み出されているものとする。
【0084】
ここで、生成部213は、取得部204により取得された比率が、所定の閾値よりも小さい場合、投影面320に重なると判定されたオブジェクト301〜303を描画対象のオブジェクトとして選択する。一方、生成部213は、取得部204により取得された比率が、当該所定の閾値以上である場合、投影面320に重なると判定されたオブジェクト301〜303のそれぞれをぼかすか否かを決定する。そして、生成部213は、オブジェクト301〜303のうち、ぼかすと決定されたオブジェクトがある場合、注目オブジェクトであるオブジェクト301のみを描画対象のオブジェクトとして選択する。そして、生成部213は、視点310と投影面320との組に対応付けられてRAM 103に記憶されている背景画像を投影面320に投影した後、投影面320に注目オブジェクトであるオブジェクト301を投影することにより画像を生成する。
【0085】
(画像生成装置の動作)
次に、本実施形態に係る画像生成装置210の動作について、図面を参照して説明する。図10は、本実施形態に係る画像生成装置210が実行する画像生成処理を示すフローチャートである。図10に示す画像生成処理は、オブジェクトを見る視点が切り替わるときに実行される処理である。
【0086】
まず、CPU 101は、視点と投影面との組を決定する(ステップS201)。本実施形態においては、RAM 103に記憶されている情報に基づいて、視点310と投影面320との組が、組として決定されるものとして説明する。
【0087】
CPU 101は、ステップS201の処理を終了すると、注目オブジェクトであるオブジェクト301が、視点310から見て投影面320に投影される領域331を求め、当該領域331の大きさと投影面320の大きさとの比率を取得する(ステップS202)。
【0088】
CPU 101は、ステップS202の処理を終了すると、オブジェクト301〜304から、オブジェクトを1つ選択する(ステップS203)。
【0089】
CPU 101は、ステップS203の処理を終了すると、ステップS203において選択されたオブジェクトが投影面320に重なるか否かを判別する(ステップS204)。本実施形態においては、オブジェクト301〜303が投影面320に重なると判別され、オブジェクト304が投影面320に重ならないと判別されるものとして説明する。
【0090】
CPU 101は、選択されたオブジェクトが投影面320に重なると判別した場合(ステップS204:YES)、ステップS202において取得された比率が閾値以上であるか否かを判別する(ステップS205)。閾値は、0〜1(0〜100%)の値である。
【0091】
CPU 101は、取得された比率が閾値以上であると判別した場合(ステップS205:YES)、ステップS203において選択されたオブジェクトをぼかすか否かを決定する(ステップS206)。選択されたオブジェクトをぼかすか否かは、視点310と投影面320との組に対応付けられる被写界深度と、視点310と選択されたオブジェクトとの距離と、視点310と注目オブジェクトであるオブジェクト301との距離と、に基づいて決定される。本実施形態においては、オブジェクト301、302はぼかさないと決定され、オブジェクト303はぼかすと決定されるものとする。
【0092】
CPU 101は、ステップS206の処理を終了すると、ステップS206においてぼかすと決定されたか否かを判別する(ステップS207)。
【0093】
CPU 101は、ぼかすと決定されたと判別した場合(ステップS207:YES)、背景画像340を投影面320に投影する(ステップS208)。図11に示すように、背景画像340は、視点310から見て投影面320全体に投影されるように、仮想空間に配置されて、投影面320に投影される。
【0094】
CPU 101は、ステップS208の処理を終了すると、注目オブジェクトであるオブジェクト301を投影面320に投影する(ステップS209)。
【0095】
CPU 101は、取得された比率が閾値以上ではないと判別した場合(ステップS205:NO)、もしくは、ぼかすと決定されていないと判別した場合(ステップS207:NO)、ステップS203において選択されたオブジェクトを描画対象のオブジェクトに設定する(ステップS210)。
【0096】
CPU 101は、投影面320に重ならないと判別した場合(ステップS204:NO)、もしくは、描画対象のオブジェクトに設定する処理(ステップS210)を終了した場合、ステップS203において未選択のオブジェクトがあるか否かを判別する(ステップS211)。
【0097】
CPU 101は、未選択のオブジェクトがあると判別した場合(ステップS211:YES)、ステップS203に処理を戻す。一方、CPU 101は、未選択のオブジェクトがないと判別した場合(ステップS211:NO)、描画対象のオブジェクトを投影面320に投影する(ステップS212)。
【0098】
CPU 101は、ステップS209の処理もしくはステップS212の処理を終了すると、投影面320の様子を表す画像を生成する(ステップS213)。本実施形態においては、投影面320の様子を表す画像として、図12に示す画像520が生成される。図12に示すように、画像520には、注目オブジェクトであるオブジェクト301と、注目オブジェクトであるオブジェクト301以外のオブジェクトの代わりの背景画像340とが描画されている。なお、図12は、少なくとも1つのオブジェクト(例えば、オブジェクト303)について、ステップS206でぼかすと決定された場合に生成される画像である。これに対し、全てのオブジェクトについて、ステップS206でぼかさないと決定されると、背景画像は投影面に投影されず、描画対象のオブジェクトに設定された全てのオブジェクト(例えば、オブジェクト301、302、303)が投影面に投影される。なお、いずれの場合であっても、注目オブジェクトであるオブジェクト301は描画対象のオブジェクトに設定され、投影面に投影される。つまり、オブジェクト301は、少なくとも1つのオブジェクトがぼかすと決定されると、ステップS209で投影面に投影され、全てのオブジェクトがぼかさないと決定されると、ステップS212で投影面に投影される。
【0099】
CPU 101は、ステップS213の処理を終了すると、画像生成処理を終了する。
【0100】
本実施形態に係る画像生成装置210によれば、注目オブジェクトであるオブジェクト301が視点310から見て、投影面320に投影される領域331が求められ、領域331の大きさと投影面320の大きさとの比率が所定の閾値よりも小さいか否かで異なる処理がなされる。ここで、比率が所定の閾値よりも小さいときは、被写界深度による影響を考慮せずに画像を生成することが好ましいとき、つまり、注目オブジェクトがズームアップされない画像を生成することが好ましいときであると考えられる。従って、この場合、生成される画像に、投影面320に重なるオブジェクトが全て描画される。
一方、比率が所定の閾値以上であるときは、被写界深度による影響を考慮して画像を生成することが好ましいとき、つまり、注目オブジェクトがズームアップされた画像を生成することが好ましいときであると考えられる。従って、この場合、生成される画像に、背景画像340と、注目オブジェクトであるオブジェクト301とが描画される。ここで、焦点から外れているオブジェクトの代わりに背景画像340が描画される。このため、ぼかしのために必要な計算の処理時間が省略されることが期待される。なお、背景画像340は、視点310と投影面320との組に対応付けられている画像である。従って、視点310から見て、投影面320に投影される様子を表す画像として予測される画像を背景画像340として用意しておくことが望ましい。これにより、注目オブジェクトであるオブジェクト301の背景として適切な背景が描画されることが期待される。
【0101】
(第3の実施形態)
第1、2の実施形態においては、視点310と投影面320との組があらかじめ定められている例を示した。しかし、複数の視点310と投影面320との組が適切に選択されるようにしてもよい。以下、第3の実施形態に係る画像生成装置220について説明する。なお、第3の実施形態に係る画像生成装置220が実行する画像生成処理は、視点310と投影面320との組を決定する処理(以下「組決定処理」という。)以外の処理は、第1、2の実施形態に係る画像生成装置200、210が実行する画像生成処理と同様の処理である。従って、以下では、第3の実施形態に係る画像生成装置220が実行する組決定処理を中心に説明し、第1、2の実施形態にかかる画像生成装置200、210と同様の構成、動作については、説明を適宜省略する。
【0102】
(画像生成装置の構成)
まず、本実施形態の画像生成装置220の各部の構成について、図面を参照して説明する。図13は、本実施形態に係る画像生成装置220の構成を示す説明図である。
【0103】
図13に示すように、画像生成装置220は、決定部221と、判定部202と、生成部203と、取得部204と、記憶部225と、を備える。画像処理装置220が備える、判定部202、生成部203、ならびに、取得部204は、画像処理装置200が備えるものと同様であるため説明を省略する。以下では、決定部221と記憶部225とを中心に説明する。
【0104】
決定部221は、記憶部225に記憶されている複数の候補の組からいずれかを選択して、仮想空間に配置される視点と投影面との組を決定する。決定部201は、例えば、CPU 101などにより実現される。
【0105】
記憶部225は、仮想空間情報と、視点と投影面との複数の組のそれぞれに関する情報と、を記憶する。本実施形態においては、図14に示すように、複数の候補の組が、視点310と投影面320との組、視点311と投影面321との組、ならびに、視点312と投影面322との組、の3組であるものとする。このとき、視点310と投影面320との組に関する情報は、視点310と投影面320との組を特定する情報と、視点310と投影面320との組に対応付けられる被写界深度を特定する情報と、視点310と投影面320との組に対応付けられる背景画像と、を含む。そして、視点311と投影面321との組に関する情報は、視点311と投影面321との組を特定する情報と、視点311と投影面321との組に対応付けられる被写界深度を特定する情報と、視点311と投影面321との組に対応付けられる背景画像と、を含む。また、視点312と投影面322との組に関する情報は、視点312と投影面322との組を特定する情報と、視点312と投影面322との組に対応付けられる被写界深度を特定する情報と、視点312と投影面322との組に対応付けられる背景画像と、を含む。記憶部225は、RAM 103などにより実現される。なお、RAM 103に記憶されている情報は、DVD−ROMドライブ108に装着されたDVD−ROMから、あらかじめ読み出されているものとする。
【0106】
ここで、決定部221は、記憶部225に記憶されている情報を参照して、複数の候補の組のそれぞれについて、当該候補の組が決定されたと仮定して、ぼかすと決定されるオブジェクトの個数を求める。そして、決定部221は、ぼかすと決定されるオブジェクトの個数が最小の候補の組を決定する。例えば、決定部221は、選択した仮の組を用いて、判定部202、生成部203ならびに取得部204を動作させ、ぼかすと決定されるオブジェクトの個数を求める。決定部221は、全ての候補の組について、ぼかすと決定されるオブジェクトの個数を求める。そして、決定部221は、ぼかすと決定されるオブジェクトの個数が最小の組を特定する。
【0107】
(画像生成装置の動作)
次に、本実施形態に係る画像生成装置220の動作について、図面を参照して説明する。図15は、本実施形態に係る画像生成装置220が実行する組決定処理を示すフローチャートである。
【0108】
まず、CPU 101は、視点と投影面との複数の候補の組から1つの組を選択する(ステップS301)。ここでは、RAM 103に記憶されている情報に基づいて、視点310と投影面320との組、視点311と投影面321との組、視点312と投影面322との組、から視点310と投影面320との組が選択されるものとして説明する。
【0109】
CPU 101は、ステップS301の処理を終了すると、RAM 103に用意されているカウンタの値を0にクリアする(ステップS302)。なお、このカウンタは、ぼかすと決定されるオブジェクトの個数をカウントするカウンタである。
【0110】
CPU 101は、ステップS302の処理を終了すると、オブジェクト301〜304から、オブジェクトを1つ選択する(ステップS303)。
【0111】
CPU 101は、ステップS303の処理を終了すると、ステップS303において選択されたオブジェクトが投影面320に重なるか否かを判別する(ステップS304)。ここでは、オブジェクト301〜303が投影面320に重なると判別され、オブジェクト304が投影面320に重ならないと判別されるものとして説明する。
【0112】
CPU 101は、選択されたオブジェクトが投影面320に重なると判別した場合(ステップS304:YES)、ステップS303において選択されたオブジェクトをぼかすか否かを決定する(ステップS305)。選択されたオブジェクトをぼかすか否かは、視点310と投影面320との組に対応付けられる被写界深度と、視点310と選択されたオブジェクトとの距離と、視点310と注目オブジェクトであるオブジェクト301との距離と、に基づいて決定される。ここでは、オブジェクト301、302はぼかさないと決定され、オブジェクト303はぼかすと決定されるものとする。
【0113】
CPU 101は、ステップS305の処理を終了すると、ステップS305においてぼかすと決定されたか否かを判別する(ステップS306)。
【0114】
CPU 101は、ぼかすと決定されたと判別した場合(ステップS306:YES)、カウンタの値を1増加させる(ステップS307)。
【0115】
CPU 101は、投影面320に重ならないと判別した場合(ステップS304:NO)、ぼかすと決定されていないと判別した場合(ステップS306:NO)、もしくは、カウンタの値を1増加させる処理(ステップS307)を終了した場合、ステップS303において未選択のオブジェクトがあるか否かを判別する(ステップS308)。
【0116】
CPU 101は、未選択のオブジェクトがあると判別した場合(ステップS308:YES)、ステップS303に処理を戻す。すなわち、選択するオブジェクトを変えて、ステップS304〜S307の処理を実行する。一方、CPU 101は、未選択のオブジェクトがないと判別した場合(ステップS308:NO)、カウンタの値をステップS301で選択された組と対応付けてRAM 103に記憶する(ステップS309)。
【0117】
CPU 101は、ステップS309の処理を終了すると、ステップS301において未選択の組があるか否かを判別する(ステップS310)。
【0118】
CPU 101は、未選択の組があると判別した場合(ステップS310:YES)、ステップS301に処理を戻す。すなわち、選択する組を変えて、ステップS302〜S309の処理を実行する。一方、CPU 101は、未選択の組がないと判別した場合(ステップS310:NO)、RAM 103に記憶されているカウンタの値が最小の組を、組に決定する(ステップS311)。例えば、視点310と投影面320との組に対応付けられたカウンタの値が1、視点311と投影面321との組に対応付けられたカウンタの値が2、視点312と投影面322との組に対応付けられたカウンタの値が0、である場合、視点312と投影面322との組が、組に決定される。
【0119】
CPU 101は、ステップS311の処理を終了すると、組決定処理を終了する。なお、CPU 101は、組決定処理に引き続き、比率を取得する処理(ステップS102もしくはステップS202)以降の処理を実行する。
【0120】
ここで、図16A〜Cを参照して、どのように組が決定されるかを説明する。
【0121】
まず、ステップS301において、視点310と投影面320との組が選択された場合について説明する。ステップS303において、オブジェクト301が選択された場合、ステップS304において、オブジェクト301は投影面320に重なると判別され、ステップS305において、オブジェクト301はぼかさないと決定される。そして、ステップS303において、オブジェクト302が選択された場合、ステップS304において、オブジェクト302は投影面320に重なると判別され、ステップS305において、オブジェクト302はぼかさないと決定される。ここで、ステップS303において、オブジェクト303が選択された場合、ステップS304において、オブジェクト303は投影面320に重なると判別され、ステップS305において、オブジェクト301はぼかすと決定され、ステップS307において、カウンタの値が1増加される。そして、ステップS303において、オブジェクト304が選択された場合、ステップS304において、オブジェクト304は投影面320に重ならないと判別される。結局、カウンタの値は、1となる。また、視点310と投影面320との組が選択された場合、図16Aに示す画像530が、生成されるべき画像となる。図16Aに示すように、画像530は、オブジェクト301とオブジェクト302とをぼかさずに表し、オブジェクト303をぼかして表す画像である。
【0122】
次に、ステップS301において、視点311と投影面321との組が選択された場合について説明する。オブジェクト301は投影面321に重なると判別され、オブジェクト301はぼかさないと決定される。そして、オブジェクト302は投影面321に重なると判別され、オブジェクト302はぼかすと決定され、カウンタの値が1増加される。ここで、オブジェクト303は投影面321に重ならないと判別される。そして、オブジェクト304は投影面321に重なると判別され、オブジェクト304はぼかすと決定され、カウンタの値が1増加される。結局、カウンタの値は、2となる。また、視点311と投影面321との組が選択された場合、図16Bに示す画像531が、生成されるべき画像となる。図16Bに示すように、画像531は、オブジェクト301をぼかさずに表し、オブジェクト302とオブジェクト304とをぼかして表す画像である。
【0123】
最後に、ステップS301において、視点312と投影面322との組が選択された場合について説明する。オブジェクト301は投影面322に重なると判別され、オブジェクト301はぼかさないと決定される。そして、オブジェクト302〜304は投影面322に重ならないと判別される。結局、カウンタの値は、0となる。また、視点312と投影面322との組が選択された場合、図16Cに示す画像532が、生成されるべき画像となる。図16Cに示すように、画像532は、オブジェクト301のみをぼかさずに表す画像である。結局、カウンタの値が最小の組は、視点311と投影面321との組となる。なお、ぼかすと決定されたオブジェクト(例えば、画像530におけるオブジェクト303)は、描画対象のオブジェクトとしてもよいし、描画対象のオブジェクトから除外してもよい。
【0124】
本実施形態に係る画像生成装置220によれば、ぼかすと決定されるオブジェクトの個数が最小の組が、視点と投影面との組として決定される。ここで、ぼかすと決定されるオブジェクトは、焦点から外れているオブジェクトであり、一般的には、目立って表示されることが望まれないオブジェクトである。このため、上述したように、ぼかすと決定されるオブジェクトの個数が最小の組が、視点と投影面との組として決定されると、以下に示す効果が得られることが期待される。例えば、オブジェクトをぼかすための処理が減る。あるいは、描画対象から除外されるオブジェクトが少なくなるため、自然な画像が生成される。あるいは、背景画像を描画しなくて済むため、自然な画像が生成される。
【0125】
(変形例)
第1の実施形態においては、ぼかすと決定されたオブジェクトが描画されない例を示した。しかし、ぼかすと決定されたオブジェクトのうち、所定の個数のオブジェクトがぼかされて描画されるようにしてもよい。このように、ぼかされて描画されるオブジェクトの個数を制限することにより、ぼかし処理のための計算量が増大することが防止されることが期待される。
【0126】
第1〜3の実施形態においては、オブジェクトがキャラクタである例を示した。しかしながら、オブジェクトは、仮想空間に存在するあらゆるオブジェクトであると考えることができる。例えば、オブジェクトは、自然物、建築物、動物、植物、物品など、あらゆるオブジェクトであると考えることができる。例えば、背景画像に置換されるオブジェクトが、キャラクタ以外のオブジェクトのように動きが少ないことが期待されるオブジェクトである場合、当該オブジェクトを背景画像と置き換えることにより、当該オブジェクトがぼかされて表示される画像と近似する画像が生成されることが期待される。
【0127】
第1の実施形態では、被写界深度を、被写界深度が浅いほど小さな値で示す数値D(ただし、D>0)で表したときに、|L1−L2|<Dを満たすとき、オブジェクトがぼかさないと決定される例を示した(ただし、L1は視点と注目オブジェクトとの距離、L2は視点とぼかすかいなかが決定されるオブジェクトとの距離である。)。しかし、どのような条件を満たす場合に、オブジェクトがぼかさないと決定されるようにするかは任意に設定可能である。例えば、被写界深度を、被写界深度が浅いほど小さな値で示す数値D(ただし、D>1)で表したときに、L1>L2の場合はL1/L2<Dを満たす場合、L1<L2の場合はL1/L2>Dを満たす場合に、オブジェクトがぼかさないと決定されるようにする。
【0128】
第2の実施形態では、ぼかすと決定されたオブジェクトが存在する場合、注目オブジェクトのみが描画対象とされ、注目オブジェクト以外の全てのオブジェクトが背景画像に置換され、描画対象から除外される例を示した。しかし、ぼかさないと決定されたオブジェクトは、注目オブジェクトでなくても描画対象としてもよい。この場合、少なくともぼかすと決定されたオブジェクトが背景画像に置換され、描画対象から除外されるため、ぼかす処理をしなくても済む。
【0129】
第1〜3の実施形態では、複数の組の候補があらかじめ記憶されている例を示した。しかし、複数の組の候補を、動的に定めるようにしてもよい。例えば、ぼかすと決定されるオブジェクトの個数を求める過程において、当該個数が小さいことが期待される組が予測できる場合、当該予測された組が組の候補に追加されるようにしてもよい。
【0130】
第1〜3の実施形態では、注目オブジェクトが投影面に投影される領域の大きさの、当該投影面の大きさに対する比率が、所定の比率よりも大きい場合に、ズーム機能を用いて撮影した場合に得られる画像を表す画像(以下「ズーム画像」という。)が生成されるものとして説明した。しかし、生成する画像をズーム画像とするかしないかを決定する手法はこの例に限られない。例えば、注目オブジェクトがキャラクタである場合に、投影面に投影されるキャラクタの身長、もしくは、投影面に投影されるキャラクタの顔の長さに基づいて、生成する画像をズーム画像とするかしないかが決定されるようにしてもよい。
【0131】
図17Aに、注目オブジェクトであるオブジェクト301が、ある組の視点からみて当該ある組の投影面に投影された様子を表す画像540を示す。この例では、画像540の垂直方向の長さがLyであり、オブジェクト301の当該垂直方向の長さ(画像540上におけるオブジェクト301の身長)がLchaである。ここで、例えば、LchaがLyと同程度以上の長さである場合に、ズーム画像が生成されるようにすることができる。
図17Bに、注目オブジェクトであるオブジェクト301の顔の部分が、上記とは異なる組の視点からみて当該上記とは異なる組の投影面に投影された様子を表す画像541を示す。この例では、画像541の垂直方向の長さがLyであり、オブジェクト301の顔の部分の当該垂直方向の長さ(画像541上におけるオブジェクト301の顔の長さ)がLfaceである。ここで、例えば、LfaceがLyと同程度以上の長さである場合に、ズーム画像が生成されるようにすることができる。なお、図示しないが、画像541上におけるオブジェクト301の顔の部分の水平方向の長さに基づいて、生成する画像をズーム画像とするかしないかが決定されるようにしてもよい。また、オブジェクト301の顔が投影面に投影される領域の大きさの、当該投影面の大きさに対する比率が、所定の比率よりも大きい場合に、ズーム画像が生成されるようにしてもよい。
【0132】
第1〜3の実施形態では、オブジェクトをぼかすか否かを決定する際に、視点とオブジェクトとの距離として、当該視点と当該オブジェクトとの2点間の距離を採用する例を示した。しかし、視点とオブジェクトとの距離として、仮想空間中の特定の座標軸における視点の座標と、当該特定の座標軸におけるオブジェクトの座標との差を採用することができる。以下、図18を参照して説明する。
【0133】
まず、図18に示すように、視点310から注目オブジェクトであるオブジェクト301に向かう方向に延びる座標軸を考える。ここで、図18に示すように、視点310とオブジェクト301との当該座標軸上の座標の差をL11、視点310とオブジェクト302との当該座標軸上の座標の差をL12、視点310とオブジェクト303との当該座標軸上の座標の差をL13、とする。ここで、視点310と投影面320との組に対応付けられる被写界深度が浅いほど大きくなる値であるD1(ただし、D1<L11)と、視点310と投影面320との組に対応付けられる被写界深度が浅いほど小さくなる値であるD2(ただし、D2>L11)とを考える。このとき、オブジェクト302は、L12>D1、かつ、L12<D2である場合にぼかさないと決定され、L12<=D1、もしくは、L12>=D2である場合にぼかすと決定される。ここで、視点310を含み上述した座標軸に垂直な平面1800、平面1800に平行であり平面1800よりもD1だけオブジェクト301側にある平面1801、平面1800に平行であり平面1800よりもD2だけオブジェクト301側にある平面1802、を考える。すると、オブジェクト302は、平面1801と平面1802との間にある場合にぼかさないと決定され、平面1801よりも視点310側にある場合、もしくは、平面1802よりも視点310の反対側にある場合にぼかすと決定される。同様に、オブジェクト303は、平面1801と平面1802との間にある場合にぼかさないと決定され、平面1801よりも視点310側にある場合、もしくは、平面1802よりも視点310の反対側にある場合にぼかすと決定される。なお、オブジェクト301は、平面1801と平面1802との間にあるため常にぼかさないと決定される。
【0134】
第1〜3の実施形態では、注目オブジェクトについても、他のオブジェクトと同様に、ぼかすか否かが決定される例を示した(ステップS106、ステップS206、ステップS305)。しかしながら、注目オブジェクトについては、ぼかすか否かが決定されることなく、ぼかさないものとして扱われるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0135】
以上説明したように、本発明によれば、仮想空間に配置される特定のオブジェクトを分かり易く表現する画像を生成するのに好適な画像生成装置、画像生成方法、ならびに、これらをコンピュータにより実現するためのプログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0136】
100 情報処理装置
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 インターフェース
105 コントローラ
106 外部メモリ
107 画像処理部
108 DVD−ROMドライブ
109 NIC
110 音声処理部
111 RTC
200、210、220 画像生成装置
201、221 決定部
202 判定部
203、213 生成部
204 取得部
205、215、225 記憶部
301〜304 オブジェクト
310〜312 視点
320〜322 投影面
331 領域
340 背景画像
401、402 球
500、510、520、530、531、532、540、541 画像
1800、1801、1802 平面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想空間に配置される視点と投影面との組を決定する決定部、
前記仮想空間に配置される複数のオブジェクトのそれぞれについて、当該オブジェクトが、前記決定された組の視点から見て前記決定された組の投影面に重なるか否かを判定する判定部、
前記決定された組の投影面に重なると判定されたオブジェクトから、当該組の視点と当該オブジェクトとの距離に基づいて、描画対象のオブジェクトを選択し、当該選択された描画対象のオブジェクトを前記決定された組の視点から見た様子を表す画像を生成する生成部、を備える
ことを特徴とする画像生成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像生成装置であって、
前記複数のオブジェクトのうち、所定の注目オブジェクトが前記決定された組の視点から見て前記決定された組の投影面に投影される領域を求め、当該領域の大きさと当該投影面の大きさとの比率を取得する取得部、をさらに備え、
前記生成部は、前記取得された比率が
(A)所定の閾値よりも小さい場合、前記決定された組の投影面に重なると判定されたオブジェクトを前記描画対象のオブジェクトとして選択し、
(B)前記所定の閾値以上である場合、前記決定された組の投影面に重なると判定されたオブジェクトのそれぞれをぼかすか否かを、前記決定された組に対応付けられる被写界深度と、当該組の視点と当該オブジェクトとの距離と、当該組の視点と前記注目オブジェクトとの距離と、から決定し、当該決定された結果に基づいて、前記描画対象のオブジェクトを選択する
ことを特徴とする画像生成装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像生成装置であって、
前記生成部は、前記取得された比率が前記所定の閾値以上である場合、前記ぼかさないと決定されたオブジェクトを前記描画対象のオブジェクトとして選択する
ことを特徴とする画像生成装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載の画像生成装置であって、
前記生成部は、前記ぼかすと決定されたオブジェクトが存在する場合、前記注目オブジェクトのみを前記描画対象のオブジェクトとして選択し、所定の背景画像を前記決定された組の投影面に投影した後、当該投影面に当該注目オブジェクトを投影することにより画像を生成する
ことを特徴とする画像生成装置。
【請求項5】
請求項2乃至4のいずれか1項に記載の画像生成装置であって、
前記決定部は、複数の候補の組からいずれかを決定し、
前記複数の候補の組のそれぞれについて、当該候補の組が決定されたと仮定して、ぼかすと決定されるオブジェクトの個数を求め、求められたオブジェクトの個数が最小の候補の組を決定する
ことを特徴とする画像生成装置。
【請求項6】
決定部、判定部、生成部、を備える画像生成装置が実行する画像生成方法であって、
前記決定部が、仮想空間に配置される視点と投影面との組を決定する決定工程、
前記判定部が、前記仮想空間に配置される複数のオブジェクトのそれぞれについて、当該オブジェクトが、前記決定された組の視点から見て前記決定された組の投影面に重なるか否かを判定する判定工程、
前記生成部が、前記決定された組の投影面に重なると判定されたオブジェクトから、当該組の視点と当該オブジェクトとの距離に基づいて、描画対象のオブジェクトを選択し、当該選択された描画対象のオブジェクトを前記決定された組の視点から見た様子を表す画像を生成する生成工程、を備える
ことを特徴とする画像生成方法。
【請求項7】
コンピュータを、
仮想空間に配置される視点と投影面との組を決定する決定部、
前記仮想空間に配置される複数のオブジェクトのそれぞれについて、当該オブジェクトが、前記決定された組の視点から見て前記決定された組の投影面に重なるか否かを判定する判定部、
前記決定された組の投影面に重なると判定されたオブジェクトから、当該組の視点と当該オブジェクトとの距離に基づいて、描画対象のオブジェクトを選択し、当該選択された描画対象のオブジェクトを前記決定された組の視点から見た様子を表す画像を生成する生成部、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16A】
image rotate

【図16B】
image rotate

【図16C】
image rotate

【図17A】
image rotate

【図17B】
image rotate

【図18】
image rotate


【公開番号】特開2011−48774(P2011−48774A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−198601(P2009−198601)
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】