説明

画像監視装置

【課題】監視カメラ等における従来の動体検知において、動体検知を行う検知範囲については、撮影前にあらかじめ特定の検知範囲に固定して設定しておくのが一般的である。そのため、撮影時の時間経過、または撮影方向などのカメラの状態が変化した場合、その都度ユーザが手動で検知範囲を設定し直していた。これにより、設定の手間がかかる、設定作業中に検知漏れが発生する等の問題があった。
【解決手段】動体検知を行う画像監視装置において、画像の撮影時刻またはカメラの状態との少なくとも一方に対応する検知範囲を、動体検知の開始前にあらかじめ設定し保存しておく。そして、動体検知の実行中の時間経過やカメラ状態の変化に応じて、現在の時刻やカメラ状態に対応した検知範囲をあらかじめ保存しておいたデータから読み込み、その検知範囲に基づいて動体検知を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動体検知を行う機能を有する画像監視装置に関し、特に、動体検知を行う際の検知範囲の設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、監視カメラ等においては動体検知機能を有するものが存在する。例えば、特許文献1には、パン、チルトの旋回動作を行う旋回部を備えたカメラにおいて、モーションディテクト(動体検知)機能が動作すると、あらかじめ設定された撮影範囲を撮影できるようにするために電子ズーム等する技術が開示されている。
【0003】
このような従来の動体検知機能においては、一般的に、撮影画面内の全部または一部を動体検知の検知範囲または検知除外範囲として設定する機能を有する。そして、これらの検知範囲または検知除外範囲については、撮影開始前にあらかじめ特定の検知範囲に固定して設定しておくのが一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−135764号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の動体検知機能においては、以下のような問題があった。図12を用いて、従来の動体検知機能の問題点について説明する。
【0006】
図12は、従来の監視カメラ等における動体検知範囲の設定方法について説明する図である。(a)は、監視カメラにおいて窓91とドア92とをカメラで捉えた場合の撮影画面901を示す。このような撮影画面901に対して、ドア92付近の動体を検知したい場合、(b)に示すように、例えば、ドア92を囲むようにして検知範囲93aを設定する。しかしながら、この設定は固定であり、撮影開始前にあらかじめ行っておくものである。このため、一旦設定が行われると、ユーザによって検知範囲93aの設定変更がなされるまで検知範囲93aの位置や大きさなどは変化しない。
【0007】
したがって、例えば(c)に示すように、撮影を行っている監視カメラが水平左方向へ撮影方向を変更した場合、(d)に示すように、撮影画面901’において動体を検知したいドア92が検知範囲93aから外れてしまい、検知漏れが発生する。ここで、ドア92付近の動体を引き続き検知したい場合は、(e)に示すように、ドア92を囲むように検知範囲93bをユーザが手動で設定し直す必要がある。さらに、再度、監視カメラの撮影方向が変更され、カメラが捉える撮影画面が(a)の画面901に戻った場合でも、検知範囲を再度設定し直さなければならない。
【0008】
よって、頻繁に撮影方向が変更されるような場合には、その都度、ユーザが手動にて検知範囲を設定し直すことになり、設定の手間がかかり、設定作業中に検知漏れが発生する等の問題があった。また、監視カメラの撮影方向が固定であって、撮影画面が変化しないような場合であっても、以下のような問題があった。すなわち、例えば(f)に示すように、昼間はドア92を囲むようにして検知範囲93aを設定してドア92付近の動体検知を実行したいが、夜間は窓91に検知範囲93cを設定して窓91付近の動体検知を実行したいというような場合がある。このような場合には、毎日、昼間と夜間とにおいて、検知範囲93aおよび93cをユーザが手動で設定しなければならなかった。
【0009】
そこで本発明は、上記問題点を解決し、画像の撮影時刻やカメラの状態に応じて動体検知範囲を自動的に変更可能な画像監視装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明は、カメラによって撮影された画像において動体の検知を行う動体検知手段(例えば、図1の動体検知機能101、図5の動体検知機能101、図9の動体検知機能101、図11の動体検知機能101)と、前記画像内において前記動体検知手段が前記動体の検知を行う範囲である検知範囲を、前記画像の撮影時刻と前記カメラの状態との少なくとも一方に基づいて制御する制御手段(例えば、図1の検知範囲選択機能102およびタイマー機能103、図5の検知範囲選択機能202、図9の検知範囲選択機能702aおよびタイマー機能103、図11の検知範囲選択機能702b)と、を有する画像監視装置を提案する。
【0011】
この構成によれば、画像の撮影時刻やカメラの状態に応じて検知範囲が自動的に変更されるため、ユーザがその都度検知範囲を設定し直す必要がなくなる。これにより、検知範囲の設定のための手間が省け、設定作業中に検知漏れが発生する可能性が軽減される。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、本発明によれば、時間経過に伴って撮影対象が変化したり、カメラの画角や撮影角度を変更する場合等には、その都度、ユーザが検知範囲を設定し直すことなしに、現在時刻やカメラの状態にあわせて最適な動体検知の検知範囲または検知除外範囲が設定される。これにより、動体検知機能の適応範囲を広げ、動体検知漏れを軽減し、動体検出精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施形態1に係る画像監視装置100の構成例を示すブロック図である。
【図2】検知範囲データ104およびスケジュールデータ105の具体例を示す図である。
【図3】検知範囲設定機能106およびスケジュール設定機能107の具体例(検知範囲設定画面400、スケジュール設定画面410)を示す図である。
【図4】実施形態1に係る画像監視装置100における処理の流れを示すフロー図である。
【図5】実施形態2に係る画像監視装置200の構成例を示すブロック図である。
【図6】カメラ状態と検知範囲との対応表データ204の具体例を示す図である。
【図7】カメラ状態と検知範囲との対応表設定機能206の具体例(プリセットと検知範囲との対応関係設定画面600)を示す図である。
【図8】実施形態2に係る画像監視装置200における処理の流れを示すフロー図である。
【図9】実施形態3に係る画像監視装置700aの構成例を示すブロック図である。
【図10】撮影時刻及びカメラ状態と検知範囲との対応表設定機能706の具体例(撮影時刻及びズームと検知範囲との対応関係設定画面800)を示す図である。
【図11】実施形態3に係る画像監視装置700bの構成例を示すブロック図である。
【図12】従来の監視カメラ等における検知範囲の設定方法について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明において参照する各図では、他の図と同等部分は同一符号によって示す。
【0015】
(実施形態1)
(画像監視装置の構成)
図1は、本実施形態に係る画像監視装置の構成例を示すブロック図である。画像監視装置100は、動体検知機能101と、検知範囲選択機能102と、タイマー機能103と、検知範囲データ104と、スケジュールデータ105と、検知範囲設定機能106と、スケジュール設定機能107と、カメラ108と、を有する。また、検知範囲データ104およびスケジュールデータ105は、不揮発性メモリ等の記憶装置109に保持される。
【0016】
動体検知機能101は、カメラ108によって撮影された画像において動体の検知を行う機能を有する。また、動体検知機能101は、後述する検知範囲選択機能102によって設定される検知範囲において動体の検知を行う。
【0017】
検知範囲選択機能102およびタイマー機能103は、動体検知の検知範囲を、撮影画像の撮影時刻に基づき、検知範囲データ104およびスケジュールデータ105の内容を参照して制御する機能を有する。ここで、「検知範囲」とは、カメラ108によって撮影される画像内において動体検知機能101が動体の検知を行う範囲を指す。また、「動体検知機能101が動体の検知を行う範囲である検知範囲」とは、動体検知機能101の動体検知を行わない検知除外範囲が指定されることで、検知範囲を表すようになっていてもよい。例えば、撮影画面内において検知除外範囲が指定された場合、この検知除外範囲に含まれない部分が検知範囲である、と定義してもよい。また、「撮影画像の撮影時刻」とは、撮影時刻そのものだけでなく、撮影開始時刻からの経過時間などにより間接的に示される撮影時刻をも含む意味である。より具体的には、検知範囲選択機能102は、タイマー機能103により定期的(例えば、1時間ごと)に起動され、同時に読み込んだスケジュールデータ105を参照して、現在の時刻に有効となっている検知範囲を、検知範囲データ104から読み込み、動体検知機能101に設定する。
【0018】
検知範囲設定機能106およびスケジュール設定機能107は、それぞれ、検知範囲データ104、スケジュールデータ105の内容を変更する機能を有する。具体的には、検知範囲設定機能106は、画像監視装置100のユーザが設定した検知範囲を示す情報を検知範囲データ104として記憶装置109に保存する。また、スケジュール設定機能107は、各検知範囲に対して、その検知範囲の設定が有効な期間を示す情報をスケジュールデータ105として記憶装置109に保存する。
【0019】
なお、上述した各構成の機能は、画像監視装置100の図示しないCPU(Central Processing Unit)がメモリ等の記録媒体に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより実現される機能である。また、検知範囲データ104、スケジュールデータ105は、画像監視装置100内の記憶装置109に記憶され、必要に応じて適宜メモリ上のワーク領域に読み出されてCPUに使用されるデータである。
【0020】
(検知範囲データ104およびスケジュールデータ105の具体例)
次に、検知範囲データ104およびスケジュールデータ105の具体例について説明する。図2は、検知範囲データ104およびスケジュールデータ105の具体例を示す図である。画面301〜304は、図1のカメラ108が撮影する画面の例であり、ドア31と窓32とをカメラ108にて捉えた撮影画面である。
【0021】
まず、検知範囲データ104について説明する。画面302〜304に示すように、ドア31に対してはドア31を囲むように検知範囲33aが設定されている。この検知範囲33aは、検知範囲Aという識別子が付され、画像監視装置100のユーザによって、検知範囲データ104として画像監視装置100にあらかじめ設定されている。同様に、窓32に対しては窓32を囲むように検知範囲33bが設定されており、この検知範囲33bには、検知範囲Bという識別子が付されて、検知範囲データ104として画像監視装置100にあらかじめ設定されている。なお、この検知範囲データ104は、ユーザが検知範囲設定機能106を用いることによって設定される。検知範囲設定機能106については、後に詳述する。
【0022】
次に、スケジュールデータ105について説明する。画面301は、時刻0時から5時までの検知範囲の設定状態を示している。また、画面302は時刻5時から11時までの検知範囲の設定状態、画面303は時刻11時から18時までの検知範囲の設定状態、画面304は時刻18時から24時までの検知範囲の設定状態を示している。
【0023】
画面301においては、画面上、何ら検知範囲は表示されていない。つまり、時刻0時から5時までについては、検知範囲は設定されていない。また、画面302においては、ドア31に対する検知範囲33aが設定され、窓32に対しては検知範囲が設定されていない。また、画面303においては、ドア31と窓32に対して、それぞれ検知範囲33a、33bが設定されている。また、画面304においては、ドア31に対しては検知範囲が解除され、窓32に対する検知範囲33bのみが設定されている。
【0024】
すなわち、図2においては、検知範囲A(すなわち、検知範囲33a)については、その有効期間として時刻5時から18時までが、検知範囲B(すなわち、検知範囲33b)については、その有効期間として時刻11時から24時までが、スケジュールデータ105として画像監視装置100にあらかじめ設定されていることを示している。なお、このスケジュールデータ105の設定は、ユーザがスケジュール設定機能107を用いることによって実行される。
【0025】
(検知範囲設定機能106およびスケジュール設定機能107の具体例)
次に、検知範囲設定機能106およびスケジュール設定機能107の具体例について説明する。図3は、検知範囲設定機能106およびスケジュール設定機能107の具体例を示す図である。図3(a)は検知範囲設定機能106の具体例である検知範囲設定画面を示す。また、図3(b)はスケジュール設定機能107の具体例であるスケジュール設定画面を示す。
【0026】
まず、図3(a)を用いて、検知範囲設定画面について説明する。検知範囲設定画面400は、検知範囲データ104を設定するための設定画面である。画像監視装置100のユーザは、図3(a)に示す検知範囲設定画面によって、動体検知の実行開始前に、検知範囲データ104を画像監視装置100にあらかじめ設定しておく。なお、図3(a)に示す例においては、図2に示した検知範囲Aを設定する場合を一例として挙げて説明する。
【0027】
検知範囲設定画面400は、画面上において検知範囲または検知除外範囲を指定するための範囲指定欄401と、指定した検知範囲または検知除外範囲に付する範囲名(すなわち、識別子)を入力するための範囲名入力欄402と、範囲指定欄401で指定された範囲が検知範囲であるか検知除外範囲であるかを指定するための範囲種別ボタン403と、検知感度を指定するための検知感度入力欄404と、上記の各欄の入力内容を設定内容として保存するための設定ボタン405と、各欄の入力内容をキャンセルするためのキャンセルボタン406とから構成される。
【0028】
画像監視装置100のユーザは、まず、範囲指定欄401において、画面上においていずれの範囲を検知範囲または検知範囲除外とするかを指定する。本例においては、ドア31と窓32とが撮影された画面において、マウスのドラッグ操作などによって、ドア31を囲むように検知範囲33aを描画する。そして、範囲名入力欄402には、「検知範囲A」とキーボード等から入力する。また、本例においては、範囲指定欄401において指定した範囲は検知範囲であるので、範囲種別ボタン403において「検知」のボタンをクリック等して選択する。また、検知感度入力欄404には、検知感度をキーボード等から入力する。本例では、検知感度を「3」と入力する。最後に、設定ボタン405をクリック等すると、検知範囲設定画面400にて入力したデータが、検知範囲データ104として画像監視装置100に保存される。また、設定をキャンセルしたい場合は、キャンセルボタン406をクリック等する。
【0029】
なお、検知範囲設定画面400によって設定された情報(すなわち、検知範囲データ104)は、実際には、範囲指定欄401において指定された検知範囲を示すデータ、検知範囲名、範囲種別、および検知感度を関連付けたデータベース等として画像監視装置100の記憶装置109に記憶される。また、範囲指定欄401において指定された検知範囲を示すデータとは、例えば画面上の座標値を示すデータ等である。また、検知範囲の右上と左下(左上と右下)の各座標のみを保存してもよい。
【0030】
画像監視装置100のユーザは、設定すべき検知範囲および検知除外範囲ごとに上記の操作を繰り返す。そして、検知範囲および検知除外範囲の設定が完了した後、図3(b)に示すスケジュール設定画面410にて、各検知範囲および検知除外範囲についてのスケジュールデータ105を設定する。
【0031】
次に、図3(b)を用いて、スケジュール設定画面について説明する。スケジュール設定画面410は、スケジュールデータ105を設定するための設定画面である。画像監視装置100のユーザは、図3(b)に示すスケジュール設定画面410によって、動体検知の実行開始前に、スケジュールデータ105を画像監視装置100にあらかじめ設定しておく。
【0032】
スケジュール設定画面410は、図3(a)の検知範囲設定画面400によって設定済みの検知範囲または検知除外範囲を表示する範囲名表示欄411と、各範囲について、その範囲を有効とする時間的範囲を設定するための時刻設定欄412と、検知範囲設定画面400における入力内容を設定内容として保存するための設定ボタン414と、検知範囲設定画面400における入力内容をキャンセルするためのキャンセルボタン415とから構成される。
【0033】
画像監視装置100のユーザは、スケジュール設定画面410において、範囲名表示欄411に表示される検知範囲または検知除外範囲ごとに、時刻設定欄412において、矢印413の長さと位置とをマウスのドラッグ操作等により調整する。各範囲について矢印413の設定が完了した後、設定ボタン414をクリック等すると、スケジュール設定画面410にて入力したデータが、スケジュールデータ105として画像監視装置100に保存される。また、設定をキャンセルしたい場合は、キャンセルボタン415をクリック等する。なお、スケジュール設定画面410によって設定された情報(すなわち、スケジュールデータ105)は、実際には検知範囲名と設定時刻とを関連付けたデータベース等として記憶装置109に記憶される。
【0034】
(画像監視装置の動作)
次に、図4を用いて、本実施形態に係る画像監視装置100の動作について説明する。図4は、画像監視装置100における処理の流れを示すフロー図である。
【0035】
最初に、検知範囲設定機能106において、検知範囲データ104の設定が行われる(ステップS101)。また、スケジュール設定機能107において、スケジュールデータ105の設定が行われる(ステップS103)。その後、動体検知機能101によって、動体検知が開始される(ステップS105)。
【0036】
タイマー機能103により検知範囲選択機能102が起動された場合には(ステップS107)、ステップS103において設定されたスケジュールデータ105が読み込まれる(ステップS109)。読み込まれたスケジュールデータ105に基づいて、現在時刻において有効な検知範囲が抽出され、この検知範囲についての検知範囲データ104が読み込まれて、動体検知機能101に設定される。(ステップS111)。
【0037】
以上のステップS107からステップS111は、動体検知を終了するまで繰り返される(ステップS113)。
【0038】
(実施形態1の効果)
本実施形態に係る画像監視装置によれば、画像の撮影時刻に応じて検知範囲が自動的に変更されるため、ユーザがその都度検知範囲を設定し直す必要がない。これにより、検知範囲の設定のための手間が省け、設定作業中に検知漏れが発生する可能性が軽減される。
【0039】
(実施形態2)
(画像監視装置の構成)
図5は、本実施形態に係る画像監視装置の構成例を示すブロック図である。画像監視装置200は、動体検知機能101と、検知範囲選択機能202と、検知範囲データ104と、カメラ状態と検知範囲との対応表データ(以下、略して「対応表データA」という)204と、検知範囲設定機能106と、カメラ状態と検知範囲との対応表設定機能(以下、略して「対応表設定機能A」という)206と、カメラ207と、カメラ制御部209とを有する。また、検知範囲データ104および対応表データA204は、不揮発性メモリ等の記憶装置210に保持される。
【0040】
また、カメラ207は、カメラ状態記憶部208を有する。ここで、動体検知機能101と検知範囲設定機能106の機能は、それぞれ、実施形態1の動体検知機能101、検知範囲設定機能106の機能と同様である。また、検知範囲データ104は、実施形態1にて説明した検知範囲データ104と同様である。
【0041】
検知範囲選択機能202は、動体検知の検知範囲を、カメラ207の状態に基づき、検知範囲データ104および対応表データA204の内容を参照して制御する機能を有する。ここで、「カメラ207の状態」とは、カメラ207のパン、チルト、ズーム、フォーカス、アイリス、ワイパー、ライト、およびプリセット(以下、「パン等」という)の少なくとも一つを指す(以下、本明細書中において「カメラ状態」という場合もある)。より具体的には、検知範囲選択機能202は、カメラ制御部209からのカメラ制御信号、またはカメラ207内のカメラ状態記憶部208に記憶されている各設定値が変更された場合にカメラ207から出力されるカメラ状態更新通知信号によって起動され、対応表データA204を参照して、現在のカメラ207のパン等に対応した検知範囲データ104を読み込み、動体検知機能101に設定する。
【0042】
対応表設定機能A206は、対応表データA204の内容を変更する機能を有する。具体的には、対応表設定機能A206は、カメラ状態に応じて採用される検知範囲を、対応表データA204として記憶装置210に保存する。
【0043】
カメラ207のカメラ状態記憶部208には、カメラ207のパン等の各設定値が記憶される。また、後述するように、カメラ制御部209によってカメラ状態記憶部208のパン等の設定が変更されると、カメラ207は、検知範囲選択機能202に対して、カメラ状態が更新されたことを通知する信号であるカメラ状態更新通知信号を出力する。
【0044】
カメラ制御部209は、カメラ207に対してカメラ制御信号を出力して、カメラ207のパン等を制御する。具体的には、カメラ状態記憶部208に記憶されているパン等の設定値をカメラ制御信号によって変更する。また、カメラ207は、カメラ制御信号を、検知範囲選択機能202に対しても出力する。
【0045】
なお、上述した各構成の機能は、画像監視装置200の図示しないCPUがメモリ等の記録媒体に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより実現される機能である。また、検知範囲データ104、対応表データA204は、画像監視装置200内の記憶装置210に記憶され、必要に応じて適宜メモリ上のワーク領域に読み出されてCPUに使用されるデータである。
【0046】
(対応表データA204の具体例)
次に、対応表データA204の具体例について説明する。図6は、対応表データA204の具体例を示す図である。画面501〜504は、図5のカメラ207が撮影する画面の例であり、ドア51と窓52とをカメラ207にて捉えた撮影画面である。
【0047】
なお、本例においては、検知範囲データ104として、画面501〜504において、ドア51を囲むように、それぞれ、検知範囲53a、53b、53c、53dが設定されていることを前提とする。具体的には、これらの検知範囲53a〜53dは、それぞれ、検知範囲A1、検知範囲A2、検知範囲A3、検知範囲A4という識別子が付され、検知範囲データ104として画像監視装置100にあらかじめ設定されている。なお、検知範囲53a〜53dは、実施形態1と同様に、図3に示す検知範囲設定画面400によって検知範囲A1〜A4として設定することができる。
【0048】
以下、図6を用いて、対応表データA204について説明する。本例では、一例として、ズームの設定と検知範囲とを対応させた対応表データA204について説明する。画面501は、ズームが超望遠から望遠の範囲における検知範囲の設定状態を示している。また、画面502はズームが望遠から標準の範囲における検知範囲の設定状態、画面503はズームが標準から広角の範囲における検知範囲の設定状態、画面504はズームが広角から超広角の範囲における検知範囲の設定状態を示している。
【0049】
画面501は、ズームが超望遠から望遠の範囲にあって、ドア51や窓52が画面上に大きく映っている。そして、ドア51の大きさに合わせてドア51を囲むように検知範囲53aが設定されている。また、画面502は、ズームが望遠から標準の範囲にあって、画面501よりもズームアウトして撮影された画面であり、ドア51、窓52も、画面501のそれよりも小さく映っている。このため、このドア51の大きさに合わせてドア51を囲むように検知範囲53bが設定されている。同様に、画面503、画面504は、さらにズームアウトして撮影された画面となっており、ドア51、窓52は、画面上、さらに小さく映っている。そして、これらのドア51の大きさに合わせてドア51を囲むように、それぞれ検知範囲53c、53dが設定されている。
【0050】
また、図6においてはカメラ207のズームの設定状態に応じて検知範囲を設定する場合を説明したが、カメラ207のパン、チルト、フォーカス、アイリス、ワイパー、ライト、およびプリセットなどの設定状態に応じて検知範囲を設定することも可能である。例えば、カメラ207の撮影方向が変化すると、ドア51や窓52の画面上における位置も変化する。よって、カメラ207のパン、チルトの各設定値に対応させて検知範囲をそれぞれ設定しておけば、カメラの撮影方向が変化した場合でも、その撮影方向に適した検知範囲が自動的に設定され、適切に動体検知を行うことができる。
【0051】
(対応表設定機能A206の具体例)
次に、対応表設定機能A206の具体例について説明する。図7は、対応表設定機能A206の具体例を示す図である。図7においては、一例として、プリセットと検知範囲との対応関係設定画面を示す。
【0052】
プリセットと検知範囲との対応関係設定画面(以下、略して「対応関係設定画面A」という)600は、カメラ207のプリセットと検知範囲との対応関係を設定するための画面である。画像監視装置200のユーザは、図3に示す検知範囲設定画面400において各検知範囲または検知除外範囲を設定した後、図7に示す対応関係設定画面A600によって、対応表データA204を画像監視装置200に設定する。なお、この対応表データA204の設定は、動体検知の実行開始前に行っておく。
【0053】
対応関係設定画面A600は、図3(a)の検知範囲設定画面400において設定済みの検知範囲または検知除外範囲を表示する範囲名表示欄601と、プリセット番号リスト602と、各検知範囲等について、その検知範囲等が有効なプリセット番号を設定するためのプリセット設定欄603と、対応関係設定画面A600における入力内容を設定内容として保存するための設定ボタン605と、対応関係設定画面A600における入力内容をキャンセルするためのキャンセルボタン606とから構成される。ここで、プリセット番号とは、各プリセットの内容を識別するための番号である。
【0054】
画像監視装置200のユーザは、対応関係設定画面A600において、範囲名表示欄601に表示される検知範囲または検知除外範囲ごとに、設定したいプリセット番号をプリセット番号リスト602から選択し、範囲名表示欄601とプリセット番号リスト602との交点に特定のマーク(例えば、円形のマーク)を表示させる。例えば、検知範囲B1が有効なプリセットとしてプリセット4番を選択する場合は、両者の交点をクリック等する。すると、マーク604が表示される。これにより、カメラ207の状態がプリセット4番の内容に応じた状態に変化した場合には、検知範囲B1が設定されることになる。各検知範囲等についてマーク表示が完了した後、設定ボタン605をクリック等すると、対応関係設定画面A600にて入力したデータが、対応表データA204として画像監視装置200に保存される。より具体的には、対応関係設定画面A600によって設定された情報(すなわち、対応表データA204)は、検知範囲名とプリセット番号とを関連付けたデータベース等として画像監視装置200の記憶装置210に記憶される。また、対応関係設定画面A600での設定をキャンセルしたい場合は、キャンセルボタン606をクリック等する。
【0055】
(画像監視装置の動作)
次に、図8を用いて、本実施形態に係る画像監視装置200の動作について説明する。図8は、画像監視装置200における処理の流れを示すフロー図である。
【0056】
最初に、検知範囲設定機能106において、検知範囲データ104の設定が行われる(ステップS201)。また、対応表設定機能A206において、対応表データA204の設定が行われる(ステップS203)。その後、動体検知機能101によって、動体検知が開始される(ステップS205)。
【0057】
カメラ状態が変更となった場合、すなわち、検知範囲選択機能202が、カメラ制御部209からのカメラ制御信号、またはカメラ207からのカメラ状態更新通知信号を受信した場合には(ステップS207)、ステップS203において設定された対応表データA204が読み込まれる(ステップS209)。そして、読み込まれた対応表データA204に基づいて、現在のカメラ状態に対応した検知範囲が抽出され、この検知範囲についての検知範囲データ104が読み込まれて、動体検知機能101に設定される。(ステップS211)。
【0058】
以上のステップS207からステップS211は、動体検知を終了するまで繰り返される(ステップS213)。
【0059】
(実施形態2の効果)
本実施形態に係る画像監視装置によれば、カメラの状態に応じて検知範囲が自動的に変更されるため、ユーザがその都度検知範囲を設定し直す必要がなくなる。これにより、検知範囲の設定のための手間が省け、設定作業中に検知漏れが発生する可能性が軽減される。
【0060】
(実施形態3)
本実施形態に係る画像監視装置は、撮影時刻およびカメラ状態の両者に応じて検知範囲の設定が行われることを特徴とする。本実施形態においては、2つの設定方法について、以下説明する。
【0061】
(第一の設定方法)
第一の設定方法は、画像監視装置において、撮影時刻およびカメラ状態と、検知範囲とを関連付けた情報を保持しておくことで、撮影時刻およびカメラ状態の両者に応じて検知範囲を設定する方法である。
【0062】
(画像監視装置の構成)
図9は、第一の設定方法を実現する画像監視装置700aの構成例を示すブロック図である。図9に示す画像監視装置700aは、動体検知機能101と、検知範囲選択機能702aと、タイマー機能103と、検知範囲データ104と、撮影時刻及びカメラ状態と検知範囲との対応表データ(以下、略して「対応表データB」という)704と、検知範囲設定機能106と、撮影時刻及びカメラ状態と検知範囲との対応表設定機能(以下、略して「対応表設定機能B」という)706と、カメラ207と、カメラ制御部209とを有する。また、検知範囲データ104および対応表データB704は、不揮発性メモリ等の記憶装置710aに保持される。また、カメラ207は、カメラ状態記憶部208を有する。
【0063】
ここで、検知範囲選択機能702a、対応表データB704、対応表設定機能B706以外の構成については、実施形態1または実施形態2にて説明した同一符号の構成と同様である。
【0064】
対応表データB704は、撮影時刻とカメラ207の状態とに応じて、選択すべき検知範囲を示すデータである。具体的には、撮影時刻及びカメラ状態と、検知範囲とを関連付けたデータベース等として画像監視装置700aの記憶装置710aに記憶されるデータである。
【0065】
検知範囲選択機能702aは、動体検知の検知範囲を、撮影時刻およびカメラ207の状態に基づいて、検知範囲データ104および対応表データB704の内容を参照して制御する機能を有する。より具体的には、検知範囲選択機能702aは、タイマー機能103によって定期的(例えば、1時間ごと)に起動されるか、もしくはカメラ制御部209からのカメラ制御信号またはカメラ207からのカメラ状態更新通知信号によって起動される。そして、対応表データB704を参照し、現在時刻および現在のカメラ207のパン等に関連付けられている検知範囲の検知範囲データ104を読み込んで動体検知機能101に設定する。
【0066】
対応表設定機能B706は、対応表データB704の内容を設定する機能を有する。具体的には、対応表設定機能B706は、撮影時刻およびカメラ状態に応じて採用される検知範囲を、対応表データB704として記憶装置710aに保存する。具体的には、後述する図10に示すような対応表データB704の設定画面を介して設定すべき検知範囲についてのユーザからの入力を受け付け、記憶装置710aに記憶されている対応表データB704の内容を変更、削除する処理や新規に追加する処理等を実行する。
【0067】
なお、上述した各構成の機能は、画像監視装置700aの図示しないCPUがメモリ等の記録媒体に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより実現される機能である。また、検知範囲データ104、対応表データB704は、画像監視装置700a内の記憶装置710aに記憶され、必要に応じて適宜メモリ上のワーク領域に読み出されてCPUに使用されるデータである。
【0068】
(対応表設定機能B706の具体例)
次に、対応表設定機能B706の具体例について説明する。図10は、対応表設定機能B706の具体例を示す図である。図10においては、一例として、撮影時刻及びズームと、検知範囲とを関連付けておくための設定画面を示す。
【0069】
図10に示す撮影時刻及びズームと検知範囲との対応関係設定画面(以下、略して「対応関係設定画面B」という)800は、撮影時刻及びカメラ207のズームと、検知範囲との対応関係を設定するための画面である。画像監視装置700aのユーザは、図3に示す検知範囲設定画面400において各検知範囲または検知除外範囲を設定した後、図10に示す対応関係設定画面800によって、対応表データB704を画像監視装置700aに設定する。なお、この対応表データB704の設定は、動体検知の実行開始前に行っておく。
【0070】
対応関係設定画面B800は、ズーム範囲を表示するズーム範囲表示欄801と、撮影時刻を表示する撮影時間表示欄802と、撮影時刻およびズーム範囲の各組み合わせにおいて有効とする検知範囲を設定するための検知範囲設定欄803と、対応関係設定画面800における入力内容を設定内容として保存するための設定ボタン805と、対応関係設定画面800における入力内容をキャンセルするためのキャンセルボタン806とから構成される。また、撮影時間表示欄802は1時間単位で撮影時刻を表示している。
【0071】
画像監視装置700aのユーザは、対応関係設定画面B800において、撮影時刻と、ズーム範囲表示欄801に表示されるズーム範囲との組み合わせごとに、検知範囲設定欄803において、有効な検知範囲を示す矢印804の長さと位置とをマウスのドラッグ操作等により調整する。例えば、図10において矢印804aは、カメラ207のズームが「超望遠〜望遠」の範囲にあって、かつ、撮影時刻が1時から13時までの間である場合には、検知範囲D1が選択されることになる。なお、検知範囲設定欄803に表示される各矢印は、新たな検知範囲が適用され始める時刻の欄に検知範囲名が表示され、その検知範囲の適用が終了する時刻の欄まで矢印線が延びるようにして表示されるようになっている。
【0072】
より具体的には、ユーザは、例えば対応関係設定画面800上に設けられた検知範囲のリスト表示(図示しない)から設定したい検知範囲を選択し、その後、その検知範囲の適用開始時刻の欄でマウスをクリックしたまま適用終了時刻の欄までドラッグ操作してマウスのボタンを解放すると、適用開始時刻の欄から適用終了時刻の欄まで矢印804が新たに表示される。もしくは、すでに検知範囲設定欄803に表示されている矢印804をマウスでクリックしたまま検知範囲設定欄803内の所定位置までドラッグ操作してマウスのボタンを解放すると、ボタンを解放した所定位置に矢印804が表示されて検知範囲を設定できる。
【0073】
そして、各ズーム範囲について矢印804の設定が完了した後、設定ボタン805をクリック等すると、対応関係設定画面B800にて入力したデータが対応表データB704として画像監視装置700aに保存される。また、設定をキャンセルしたい場合は、キャンセルボタン806をクリック等する。なお、対応関係設定画面B800によって設定された情報(すなわち、対応表データB704)は、実際には撮影時刻及びズーム範囲と、検知範囲名とを関連付けたデータベース等として記憶装置710aに記憶される。
【0074】
(第二の設定方法)
第二の設定方法は、撮影時刻に基づいて検知範囲を選択した後、カメラ状態に応じて、選択した検知範囲の大きさ、位置、形状等を変更して新たな検知範囲を生成する方法である。
【0075】
(画像監視装置の構成)
図11は、第二の設定方法を実現する画像監視装置700bの構成例を示すブロック図である。図11に示す画像監視装置700bは、動体検知機能101と、検知範囲演算部701と、検知範囲選択機能702bと、検知範囲データ104と、スケジュールデータ105と、カメラ状態と検知範囲との関係パラメータ(以下、略して「関係パラメータ」という)705と、検知範囲設定機能106と、スケジュール設定機能107と、カメラ状態と検知範囲との関係パラメータ設定機能(以下、略して「関係パラメータ設定機能」という)707と、カメラ207と、カメラ制御部209とを有する。また、検知範囲データ104、スケジュールデータ105、および関係パラメータ705は、不揮発性メモリ等の記憶装置710bに保持される。また、カメラ207は、カメラ状態記憶部208を有する。
【0076】
ここで、検知範囲演算部701、検知範囲選択機能702b、関係パラメータ705、関係パラメータ設定機能707以外の構成については、実施形態1または実施形態2にて説明した同一符号の構成と同様である。
【0077】
関係パラメータ705は、カメラ207の状態に応じて検知範囲の大きさ、位置、形状等をどのように変更するかを示すパラメータである。具体的には、関係パラメータ705は、カメラ状態を示すパン等の値と、検知範囲の変形方法を示すパラメータ値とを関連付けたデータベース等として画像監視装置700bの記憶装置710bに記憶されるデータである。
【0078】
関係パラメータ設定機能707は、画像監視装置700bのユーザが関係パラメータ705を設定するための機能を有する。具体的には、関係パラメータの設定画面(図示しない)を介して各パラメータの値についてのユーザからの入力を受け付け、記憶装置710bに記憶されている関係パラメータ705の値を変更、削除する処理や新規に追加する処理等を実行する。
【0079】
なお、上述した各構成の機能は、画像監視装置700bの図示しないCPUがメモリ等の記録媒体に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより実現される機能である。また、検知範囲データ104、スケジュールデータ105、関係パラメータ705は、画像監視装置700b内の記憶装置710bに記憶され、必要に応じて適宜メモリ上のワーク領域に読み出されてCPUに使用されるデータである。
【0080】
以上の構成によって、画像監視装置700bが撮影時刻およびカメラ状態に応じて検知範囲の設定を行う方法は以下の通りである。すなわち、検知範囲演算部701は、カメラ制御部209からのカメラ制御信号またはカメラ207からのカメラ状態更新通知信号によって起動されると、検知範囲選択機能702bに対して検知範囲選択命令を出力する。そして、検知範囲選択機能702bは、検知範囲演算部701から検知範囲選択命令を受け取ると、まず、スケジュールデータ105を参照して現在時刻において有効な検知範囲名を取得する。そして、取得した検知範囲名をキーに検知範囲データ104を取得する。
【0081】
さらに、関係パラメータ705を参照して、カメラ制御信号またはカメラ状態更新通知信号によって示されるカメラ207の状態に対応した関係パラメータを取得し、取得した関係パラメータに基づいて、取得しておいた検知範囲データに対して検知範囲の大きさ、位置、形状等を変更するための処理を実行する。「検知範囲の大きさ、位置、形状等を変更するための処理」とは、例えば、検知範囲データの画面上での座標値を変更する処理等が該当する。具体的には、検知範囲を3次元座標上の座標値で定義し、カメラがズーム、パンなどの設定を変更した場合に、どのようにカメラアングルが変化するかをアフィン変換等で計算することで座標値を求める。このような処理は、従来の3次元コンピュータグラフィックで行われる処理と同様であり、一般的によく知られている手法である。
【0082】
そして、検知範囲演算部701は、以上のようにして変更した検知範囲データを動体検知機能101に設定する。
【0083】
(実施形態3の効果)
本実施形態に係る画像監視装置によれば、撮影時刻およびカメラの状態に応じて検知範囲が自動的に変更されるため、ユーザがその都度検知範囲を設定し直す必要がなくなる。これにより、検知範囲の設定のための手間が省け、設定作業中に検知漏れが発生する可能性が軽減される。
【0084】
(他の実施形態)
また、上記の実施形態においては、図1、図5、図9、および図11に示すように、それぞれ、カメラ108、207が画像監視装置100、200、700a、700bに含まれているが、カメラ108、207は、画像監視装置100、200、700a、700bと別体となっていてもよい。
【0085】
(まとめ)
以上のように、本発明によれば、時間経過に伴って撮影対象が変化したり、カメラの画角や撮影角度を変更する場合等には、その都度、ユーザが検知範囲を設定し直すことなしに、現在時刻やカメラの状態にあわせて最適な動体検知の検知範囲または検知除外範囲が設定される。これにより、動体検知機能の適応範囲を広げ、動体検知漏れを軽減し、動体検出精度を向上することができる。
【0086】
(請求項に関する付記)
本発明については、請求項の記載に関して、以下の態様が考えられる。
【0087】
(請求項2)
前記カメラの状態とは、該カメラのパン、チルト、ズーム、フォーカス、アイリス、ワイパー、ライト、およびプリセットの少なくとも一つであることを特徴とする請求項1に記載の画像監視装置。
【0088】
これにより、カメラのパン、チルト、ズーム、フォーカス、アイリス、ワイパー、ライト、またはプリセットの設定が変更となっても、この変更に応じて自動的に検知範囲の再設定がなされ、検知範囲の設定のための手間が省け、設定作業中に検知漏れが発生する可能性が軽減される。
【0089】
(請求項3)
前記画像の撮影時刻または前記カメラの状態との少なくとも一方に対応する検知範囲を記憶する記憶手段(例えば、図1の記憶装置109、図5の記憶装置210、図9の記憶装置710a、図11の記憶装置710b)をさらに有し、
前記制御手段は、前記記憶手段の記憶内容に応じて前記検知範囲を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像監視装置。
【0090】
(請求項4)
前記記憶手段の記憶内容を変更する変更手段(例えば、図1の検知範囲設定機能106およびスケジュール設定機能107、図5の検知範囲設定機能106およびカメラ状態と検知範囲との対応表設定機能206、図9の検知範囲設定機能106および、撮影時刻及びカメラ状態と検知範囲との対応表設定機能706、図11の検知範囲設定機能106、スケジュール設定機能107、およびカメラ状態と検知範囲との関係パラメータ設定機能707)をさらに有する請求項3に記載の画像監視装置。
【0091】
この構成によれば、例えば、画像監視装置のユーザは、必要に応じて、あらかじめ設定されている画像の撮影時刻とカメラの状態との少なくとも一方に対応する検知範囲についての設定を変更することができる。
【符号の説明】
【0092】
31 ドア
32 窓
33a、33b 検知範囲
51 ドア
52 窓
53a、53b、53c、53d 検知範囲
100 画像監視装置
101 動体検知機能
102 検知範囲選択機能
103 タイマー機能
104 検知範囲データ
105 スケジュールデータ
106 検知範囲設定機能
107 スケジュール設定機能
108 カメラ
109 記憶装置
200 画像監視装置
202 検知範囲選択機能
204 カメラ状態と検知範囲との対応表データ
206 カメラ状態と検知範囲との対応表設定機能
207 カメラ
208 カメラ状態記憶部
209 カメラ制御部
210 記憶装置
301、302、303、304 撮影画面
400 検知範囲設定画面
401 範囲指定欄
402 範囲名入力欄
403 範囲種別ボタン
404 検知感度入力欄
405 設定ボタン
406 キャンセルボタン
410 スケジュール設定画面
411 範囲名表示欄
412 時刻設定欄
414 設定ボタン
415 キャンセルボタン
501、502、503、504 撮影画面
600 プリセットと検知範囲との対応関係設定画面
601 範囲名表示欄
602 プリセット番号リスト
603 プリセット設定欄
605 設定ボタン
606 キャンセルボタン
700a、700b 画像監視装置
701 検知範囲演算部
702a、702b 検知範囲選択機能
704 撮影時刻及びカメラ状態と検知範囲との対応表データ
705 カメラ状態と検知範囲との関係パラメータ
706 撮影時刻及びカメラ状態と検知範囲との対応表設定機能
707 カメラ状態と検知範囲との関係パラメータ設定機能
710a、710b 記憶装置
800 撮影時刻及びズームと検知範囲との対応関係設定画面
801 ズーム範囲表示欄
802 撮影時間表示欄
803 検知範囲設定欄
805 設定ボタン
806 キャンセルボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラによって撮影された画像において動体の検知を行う動体検知手段と、
前記画像内において前記動体検知手段が前記動体の検知を行う範囲である検知範囲を、前記画像の撮影時刻と前記カメラの状態との少なくとも一方に基づいて制御する制御手段と、
を有する画像監視装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−97487(P2011−97487A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−251587(P2009−251587)
【出願日】平成21年11月2日(2009.11.2)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】