説明

画像色補正システム及び画像色補正プログラム

【課題】紙葉上で目視した色に対応してその色を記憶させ、プリントする画像について、選択された紙葉上で目視した色に対応した色に基づいて、色変換をすることを提供する。
【解決手段】 紙葉から第一の画像情報を読み込むスキャナと、前記第一の画像情報の第一の領域の色に関する情報を目標色情報として記憶する画像色情報メモリと、第二の画像情報が入力されるインターフェースと、前記第二の画像情報の第二の領域の色に関する情報を取得し、前記目標色情報に基づいて前記第二の領域の色に関する情報を変換する画像処理プロセッサと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、画像色補正システム及び画像色補正プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
多機能周辺機器(MFP)において、コピー、スキャン、または、プリントを行う際に、ユーザが目標とする所望の色で出力したい場合がある。その場合、コントロールパネルから色相、彩度、明度、カラーバランスなどを調整することによって所望の色に合わせることが出来る。しかしながら、ユーザがどの程度どの項目を調整すると所望の色に近づいていくか解らない。このため何回かのトライアンドエラーを繰り返す。このことを解決するために、記憶媒体に記憶している所望の色を選択し、プリントしたい画像の所望の領域の色を記憶媒体から選択された色に変換する技術がある。
【0003】
しかしながら、この技術では色変換する色が予め記憶媒体上に記憶されているので、表示器上で確認した所望の色と、実際にプリントした際に紙葉にプリントした色とでは、異なった色として見える場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−60431公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、紙葉上で目視した色に対応してその色を記憶させ、プリントする画像について、選択された紙葉上で目視した色に対応した色に基づいて、色変換をすることを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を達成するために、実施形態の画像色補正システムは、紙葉から第一の画像情報を読み込むスキャナと、前記第一の画像情報の第一の領域の色に関する情報を目標色情報として記憶する画像色情報メモリと、第二の画像情報が入力されるインターフェースと、前記第二の画像情報の第二の領域の色に関する情報を取得し、前記目標色情報に基づいて前記第二の領域の色に関する情報を変換する画像処理プロセッサと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施の形態に係る画像色補正システムのブロック図である。
【図2】実施の形態に係る画像処理プロセッサの内部機能図である。
【図3】実施の形態に係る所望の色を取得するフローチャートである。
【図4】実施の形態に係る所望の色を取得する際の表示器の表示状態を示す図である。
【図5】実施の形態に係るコピー動作のフローチャートである(第1の実施の形態)。
【図6】実施の形態に係るプリント動作のフローチャートである(第1の実施の形態)。
【図7】実施の形態に係るコピー動作のフローチャートである(第2の実施の形態)。
【図8】実施の形態に係る所望の色を選択する際の表示器の表示状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施の形態)
以下、図1乃至図6を用いて、第1の実施の形態について説明をする。
【0009】
図1は、画像色補正システムである画像処理装置の制御に係るブロック図である。画像処理装置は、多機能周辺機器(MFP)でもある。画像形成装置は、メインプロセッサであるCPU(中央制御装置)11と、各種のプログラムなどを記憶しているROM(リードオンリーメモリ)12と、各種の可変データや画像データなどを一時的に記憶しているRAM(ランダムアクセスメモリ)13と、外部からのデータを入力したり外部へデータを出力したりする外部インターフェース(I/F)14を有する。また、画像形成装置は内部に有しているスキャナ15からデータを入力するスキャナインターフェース(I/F)16、内部に有しているプリンタ17へプリントデータを出力するプリンタインターフェース(I/F)18、表示器と入力装置が一体になったオペレーションパネル(オペパネ)19を制御するオペレーションパネル制御回路(オペパネ制御回路)20を有している、さらに画像形成装置は画像処理を行う種々の画像処理プロセッサ21と、スキャン画像のデータを色変換する第一の画像情報色変換プロセッサ22と、第一の画像情報色変換プロセッサ22で色変換されたデータを目標色情報として記憶する画像色情報メモリ23などを有している。
【0010】
第一の画像情報色変換プロセッサ22はスキャナ15から読み込んだ画像データを第一の画像データとして取得し、この第一の画像情報の一部分の選択された領域の色情報を色変換する。画像処理プロセッサ21は、プリントしようとする情報を第二の画像情報として取得し、この第二の画像情報の一部分の選択された領域の色情報と目標色情報に基づいて色変換をする。
【0011】
図2は、図1で示した画像処理プロセッサの内部構成図である。画像処理プロセッサ21は、画像色情報メモリ23から目標色の情報と第二の領域の色に関する情報を取得し色変換テーブルを作成する色変換テーブル作成プロセッサ21aと、スキャナ15で読取った画像データをハードコピーする場合に画像データ(第二の画像情報)を取得する第二の画像情報色変換プロセッサ21b、第二の画像情報色変換プロセッサ21bから出力される色変換された第二の画像情報を取得し階調処理を行う階調処理プロセッサ21cなどを含んでいる。
【0012】
第一の画像情報色変換プロセッサ22について説明をする。第一の画像情報色変換プロセッサ22の内部には、事前に光の3原色のRGB系から均等色空間のLab系(表色系)に変換するスキャナ色変換テーブルが設けられている。選択された第一の領域に関する情報が入力されたならば、第一の領域のRGB系の情報をLab情報に変換する。色変換テーブル作成プロセッサ21aについて説明をする。色変換テーブル作成プロセッサ21aとの内部には、プリントの際に使われる予め記憶されているYMCK値に対する出力画像の測色値(Lab値)の関係の色変換テーブルと、ハードコピーの際に使われるRGBからLabに変換する色変換テーブルを作成する機能を備えている。第二の画像情報色変換プロセッサ21bについて説明をする。第二の画像情報色変換プロセッサ21bの内部には、色変換テーブル作成プロセッサ21aで作成された色変換テーブルを用いて目標色に合わせた入力データに変換する入力値変換機能と、この変換された入力データに対して目標色でのCMYKの入力データに変換する出力色変換機能を有する。
【0013】
CPU11は、スキャナI/F16から第一の画像情報を取得したならば、第一の画像情報色変換プロセッサ22に第一の画像情報を送り、スキャナI/F16から第二の画像情報を取得したならば、第二の画像情報色変換プロセッサ21bに第二の画像情報を送る。また、CPU11は第一の画像情報及び第二の画像情報を取得したならば、オペパネ制御回路20にスキャナI/F16で取得した画像をオペパネ(表示器)19上に表示するように指示をする。CPU11は、オペパネ制御回路20から第一の領域が指定されたと判断したならば、第一の画像情報色変換プロセッサ22に、第一の領域の色情報を送る。CPU11は、オペパネ制御回路20から第二の領域が指定されたと判断したならば、色変換テーブル作成プロセッサ21aに第二の領域の色情報を送る。CPU11は第一の画像情報色変換プロセッサ22で色変換が終わったと判断したならば、画像色情報メモリ23に色変換した情報を目標色として送る。色変換テーブル作成プロセッサ21aは、画像色情報メモリ23に記憶している目標色情報を取得するとともに第二の画像情報の第二の領域の色に関する情報を取得し、色変換テーブルを作成する。
【0014】
色変換テーブル作成プロセッサ21aは、色変換テーブルの作成が終わったならば、第二の画像情報色変換プロセッサ21bに色変換テーブルの情報を送る。第二の画像情報色変換プロセッサ21bは、色変換処理が終わったならば、階調処理プロセッサに色変換された第二の画像情報を送る。CPU11は、画像処理プロセッサ21の階調処理プロセッサで処理が終わったと判断したならば、プリンタI/F18にプリントする画像データを送る。その後プリンタ(プリンタエンジン)17で処理され。紙葉上にプリントされる。
【0015】
次に、図3から図6を用いて第1の実施の形態の作用を説明する。
【0016】
図3は、所望の色を取得するためのフローチャートである。CPU11は、スキャナI/F16にスキャナ15を駆動して紙葉からスキャン画像(第一の画像情報)を得るように指示をする(作用11、以降A11と略す)。なお紙葉とは冊子のような厚みのあるものや、立体的な構造物もスキャナ15で読み込み可能であれば紙葉と定義する。CPU11は、スキャナ15で読み込まれたスキャン画像情報(第一の画像情報)を取得する(A12)。CPU11は、第一の画像情報を取得したならば、第一の画像情報をオペパネ(表示器)19上に表示するようにオペパネ制御回路20に指示を出す(A13)。オペパネ制御回路20はオペパネ(表示器)19に第一の画像情報を表示するように制御する。
【0017】
図4に,所望の色を取得する際のオペパネ(表示器)19の表示状態を示す。破線で示されている内側の画像19aは、スキャナ15によって読み込まれた第一の画像情報である。破線の中央部分の丸印19bは、目標色として記憶される第一の領域を示している。この領域は電子ペンなど周知の技術によって実現している。この第一の領域19bは、丸印に限らず、星印や、矩形で領域を示すようにしてもよい。また、電子ペンで点状にタッチされた当該領域のオブジェクト全体を選択領域と制御するようにしてもよい。画像色情報メモリ23に目標色とする領域を確定させるための選択ボタン19cが、オペパネ(表示器)19左下の所定の領域に表示されている。ユーザによって選択ボタン19cが押下されたと判断した場合に、表示されている丸印として表示されている場所が目標色の情報として確定をする。
【0018】
また、オペパネ19には各種の機能ボタン19d、テンキーボタン19e、コピーをスタートする場合のコピーボタン19fなどが配置されている。
【0019】
図3の説明に戻る。CPU11は、オペパネ制御回路20から目標色の領域情報及び目標色の領域の色情報を取得する(A14)。CPU11は、第一の画像情報色変換プロセッサ22に、取得した領域の色情報を送り、絶対的な色空間に色変換指示をする(A15)。CPU11は、第一の画像情報色変換プロセッサで得られた色変換された第一の画像情報の第一の領域の色に関する情報を目標色情報として画像色情報メモリ23に記憶(登録)させる(A16)。目標色情報を複数登録する場合にはこのフローチャートを所定回繰り返せばよい。
【0020】
次に所望の紙葉をハードコピーする際の作用について説明をする。ハードコピーをしたい紙葉をオペレータによってスキャナ15に載置された後に、オペレータからの指示に基づき、CPU11は、スキャナI/F16にスキャン画像を読み込むように指示をする(A21)。CPU11は、スキャナ15で読み込まれたスキャン画像情報(第二の画像情報)を取得する(A22)。CPU11は、第二の画像情報を取得したならば、第二の画像情報をオペパネ(表示器)19上に表示するようにオペパネ制御回路20に指示を出す(A23)。CPU11は、このとき、A16で取得し画像色情報メモリ23に記憶されている目標色の情報もオペパネ(表示器)19に表示するように指示を出す。その際、目標色の情報はテキストデータではなく、色のイメージデータとして表示させる。
【0021】
CPU11は、オペパネ制御回路20に表示指示を出した後に、オペパネ制御回路20から色変更要の指示信号を受取ったか否かを判断する(A24)。CPU11は、オペパネ制御回路20から色変更要の指示信号の入力を検知したならば、(A24のY)、第二の領域の確定処理を行う(A25)。すなわち色調整対象の領域確定処理を行う。
【0022】
第二の領域の確定処理について説明を行う。オペパネ19は図4で示したものと次の点が異なる。第一の画像情報19aで示した部分が、第二の画像情報に変更されている。また、選択ボタン19cが設定ボタンに変更されているのみであるので図示を省略する。
【0023】
設定の仕方は目標色情報を取得した場合と同様である。すなわち、電子ペンなどによって所望の領域を設定する。所望の領域を電子ペンで示した場合に当該領域のオブジェクト全体の領域が第二の領域に設定してもよいし、電子ペンで囲まれた領域のみを第二の領域として設定してもよい。目標色を取得する際はオペパネ(表示器)19上の1ドットの色イメージが取得できれば、目標色を決定することが出来る。しかし、第二の画像情報ではオペパネ(表示器)19上の1ドットを色変換領域と設定してもプリントの成果物上では目視で確認できない。したがって、第二の画像情報では第二の領域をある程度の領域を以上の場合に有効にしてもよい。また、第一の画像情報から選択領域を選択する場合と、第二の画像情報から第二の領域を異なる方法で設定してもよい。
【0024】
設定ボタンを押下げることによって、オペパネ制御回路20は、CPU11に第二の領域の確定処理が終了(確定)したことを通知する。CPU11は第二の領域の確定処理を判断したときにその対象領域が取得できないなどの場合は、アラームの指示を出すとともにA24の状態に戻るように制御してもよい。
【0025】
CPU11は、第二の領域の色変換指示を画像処理プロセッサ21に対して行う(A26)。画像処理プロセッサ21は次の処理を行う。CPU11から、色変換テーブル作成プロセッサ21aに第二の領域の色に関する情報を受けるとともに、画像色情報メモリ23から目標色の情報を受ける。CPU11から第二の画像情報を受けるとともに、色変換テーブル作成プロセッサ21aから第二の画像情報色変換プロセッサ21bに色変換テーブルの情報を送る。第二の画像情報色変換プロセッサ21bから、色変換を行った第二の画像情報を階調処理プロセッサ21cに送る。第二の画像情報色変換プロセッサ21bでは、目標色の色合いになるような処理に行われればどのような処理であってもよい。
【0026】
CPU11は、画像処理プロセッサ21で処理された画像情報をプリンタI/F18を介してプリンタ17でプリントするように指示をする(A27)。プリンタ17は電子写真装置やインクジェット記録装置、サーマルプリント装置などプリント方式は問わない。なお、即座にプリントをせずイメージ画像を保管する場合にはA26の処理が終わった後に、CPU11は、外部I/F14を介して外部コンピュータに送信するようにしてもよい。
【0027】
次に、第1の実施の形態の変形例として、ハードコピーの場合ではなく、外部コンピュータからプリント指示が出る場合の説明をする。第1の実施の形態では、画像色補正システムは画像形成装置である場合について説明をしたが、この変形例では、画像形成装置と外部コンピュータを含めて画像色補正システムになる。
【0028】
ハードウエアの構成では次の点が異なる。スキャナ15から読み込んだ第二の画像情報を第二の画像情報色変換プロセッサ21bに入力する機能の替わりに、外部コンピュータから外部I/F14を介して取得する。
【0029】
次に図6を用いてプリントする場合について説明をする。
【0030】
CPU11は、外部I/F14を介してプリントする第二の画像情報を取得する(A31)。このA31の段階で、第二の領域の色に関する情報も外部I/F14を介して送られてくる。CPU11は、第二の画像情報が送られてきたならば、第二の画像情報をオペパネ(表示器)19上に表示するようにオペパネ制御回路20に指示を出す(A33)。CPU11は、このとき、A16で取得し画像色情報メモリ23に記憶されている目標色の情報もオペパネ(表示器)19に表示するように指示を出す。その際、目標色の情報はテキストデータではなく、色のイメージデータとして表示させる。
【0031】
CPU11は、オペパネ制御回路20に表示指示を出した後に、オペパネ制御回路20から色変更要の指示信号を受取ったか否かを判断する(A34)。CPU11は、オペパネ制御回路20から色変更要の指示信号の入力を検知したならば、(A34のY)、第二の領域の確定処理を行う(A35)。第二の領域の確定処理は、A25の処理と同様あるので説明を省略する。CPU11は、第二の領域の色変換指示を画像処理プロセッサ21に対して行う(A36)。この第二の領域の色変換処理は、スキャナ15から読み込んだ第二の画像情報を第二の画像情報色変換プロセッサ21bに入力する機能の替わりに、外部コンピュータから外部I/F14を介して取得する以外は、A26での処理と同様あるので説明を省略する。次に、CPU11は、画像処理プロセッサ21で処理された画像情報をプリンタI/F18を介してプリンタ17でプリントするように指示をする(A37)。
【0032】
なお、第1の実施の形態では、スキャナ15から読み込んだ第二の画像情報を第二の画像情報色変換プロセッサ21bに入力する機能の替わりに、外部コンピュータから外部I/F14を介して取得するところだけを異ならせて説明をしたが、さらに、次の部分を異ならせて実現させてもよい。
【0033】
第二の領域の色に関する情報を、オペパネ制御回路20を介して色変換テーブル作成プロセッサ21aに取得していた替わりに、外部コンピュータから外部I/F14を介して取得してもよい。また、MFP内部に色変換テーブル作成プロセッサ21aを持たずに、画像色情報メモリ23に記憶している目標色に関する情報を外部I/F14を介して外部コンピュータに送り、外部コンピュータで画像情報の第二の領域の色に関する情報を取得して、外部コンピュータで色変換テーブルを作成し、色変換テーブルの情報を外部I/F14を介して第二の画像情報色変換プロセッサ21bで取得してもよい。さらに、MFP側にハードウエアとしてスキャナ15のみを利用し、画像処理プロセッサ21、第一の画像情報色変換プロセッサ22、画像色情報メモリ23相当の機能を外部コンピュータに持たせた、画像色補正システムを実現してもよい。
【0034】
(第2実施の形態)
次に第2の実施の形態について説明をする。ハードウエア構成は図1に示したものと同じであるので説明を省略する。図7を用いて第2の実施の形態のハードコピー動作の作用について説明をする。
【0035】
ハードコピーをしたい紙葉をオペレータによってスキャナ15に載置された後に、オペレータからの指示に基づき、CPU11は、スキャナI/F16にスキャン画像を読み込むように指示をする(A41)。CPU11は、スキャナ15で読み込まれたスキャン画像情報(第二の画像情報)を取得する(A42)。CPU11は、第二の画像情報を取得したならば、第二の画像情報をオペパネ(表示器)19上に表示するようにオペパネ制御回路20に指示を出す(A43)。次にCPU11は、画像色情報メモリ23に記憶している複数の目標色のイメージデータ(カラーデータ)を取得する(A44)。CPU11は、取得した複数の目標色のイメージデータをオペパネ(表示器)19上に表示するようにオペパネ制御回路20に指示を出す(A45)。CPU11は、設定候補の表示をするようにオペパネ制御回路20に指示を出す(A46)。
【0036】
図8に、所望の色を選択する際のオペパネ(表示器)19の表示状態を示す。図8は、オペパネ(表示器)19上に二つの目標色のイメージデータを示すれいである。オペパネ(表示器)19の中央から左側に表示されている画像情報は、スキャナ15によって読み込まれた第二の画像情報19gである。第二の画像情報19gの右側には画像色情報メモリに記憶されている目標色のイメージデータ19hが表示されている。第二の画像情報19gは目標色のイメージデータ19hよりの大きな面積で表示されている。また、NO.1では「Shop」の左側にまるで囲まれた領域があり、この内部の色が目標色であることを示している。NO.2では「A」の周りが囲まれており、この内部の色が目標色であることを示している。目標位置を示すマークなどはどのようなものでもよい。定期的に瞬間的に反転表示させる制御でもよいが、常時反転されて表示されていると目標色がわからず適していない。第二の画像情報の中で、目標色に色変換する候補のオブジェクトが強調文字として表示されている。図8では「$98」19iが色変換の対象のオブジェクトである。色変換の対象オブジェクトなどは該当領域を点滅させるなど色々な制御で示してもよい。図8ではA46で表示指示された制御に基づいてNO.1の周りに破線が示され、二つの目標色の設定候補のうちNO.1の方が設定候補として表示されている。オペパネ19上に色変換する対象の設定を確定する設定ボタン19jが表示されている。また、各種の機能ボタン19d、テンキーボタン19e、コピーをスタートする場合のコピーボタン19fなどが配置されている。
【0037】
このように第二の画像情報と目標色のイメージデータが同時にオペパネ(表示器)19上に表示されているので、第二の画像情報の第二の領域がユーザの目標の色の色合いを設定できる。オペパネ19上の目標色のイメージが紙葉上の色と若干異なっていても、目標色の登録に引き続いて処理できるので、実際の紙葉上の色と比較しながら選択することも出来る。
【0038】
図7に戻って説明を続ける。CPU11は、設定候補の表示の切換指示があったか否かを判断する(A47)。切換指示は、電子ペンによって行っても、各種の機能ボタン19dで行ってもよい。CPU11は、切換指示があったと判断したならば(A47のY)、A46の処理に戻る。また、CPU11は、切換指示がないと判断したならば(A47のN)、設定ボタン19jが押下されたか否かを判断する(A48)。CPU11は、設定ボタン19jが押下されたと判断したならば、第二の領域の確定処理を行う(A49)。CPU11は、第二の領域の色変換指示を画像処理プロセッサ21に対して行う(A50)。
【0039】
CPU11は、画像処理プロセッサ21で処理された画像情報をプリンタI/F18を介してプリンタ17でプリントするように指示をする(A51)。A49及びA50の処理の処理はA25及びA26の処理と同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0040】
第1の実施の形態及び第2の実施の形態を適宜組み合わせて実現してもよい。
【0041】
また、第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、画像色補正システム内部に実施する機能が予め記録されている場合で説明をしたが、これに限らず同様の機能をネットワークからシステムにダウンロードしてもよいし、同様の機能を記録媒体に記憶させたものをシステムにインストールしてもよい。記録媒体としては、CD−ROM等プログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能な記録媒体であれば、その形態は何れの形態であってもよい。またこのように予めインストールやダウンロードにより得る機能は装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と協働してその機能を実現させるものであってもよい。
【0042】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0043】
11・・・ CPU
14・・・ 外部インターフェース
15・・・ スキャナインターフェース
17・・・ プリンタ
19・・・ オペレーションパネル
21・・・ 画像処理プロセッサ
22・・・ 第一の画像情報色変換プロセッサ
23・・・ 画像色情報メモリ
21a・・・色変換テーブル作成プロセッサ
21b・・・第二の画像情報色変換プロセッサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙葉から第一の画像情報を読み込むスキャナと、
前記第一の画像情報の第一の領域の色に関する情報を目標色情報として記憶する画像色情報メモリと、
第二の画像情報が入力されるインターフェースと、
前記第二の画像情報の第二の領域の色に関する情報を取得し、前記目標色情報に基づいて前記第二の領域の色に関する情報を変換する画像処理プロセッサと、
を備えたことを特徴とする画像色補正システム。
【請求項2】
第二の画像情報を表示するとともに前記目標色を表示する表示器を備えたことを特徴とする請求項1記載の画像色補正システム。
【請求項3】
表示器は複数の目標色を前記第二の画像情報と並べて表示することを特徴とする請求項2記載の画像色補正システム。
【請求項4】
紙葉から第一の画像情報を読み取り、
前記第一の画像情報の第一の領域の色に関する情報を目標色情報として記憶し、
第二の画像情報を入力し、
前記第二の画像情報の第二の領域の色に関する情報を取得し、前記目標色情報に基づいて前記第二の領域の色に関する情報を変換することを特徴とする画像色補正システム。
【請求項5】
画像処理プロセッサによって変換された前記第二の領域の色に関する情報を用いて前記第二の画像情報をプリントするプリンタを備えたことを特徴とする請求項1乃至4いずれか一記載の画像色補正システム。
【請求項6】
コンピュータに、
紙葉から第一の画像情報を読み取り、
前記第一の画像情報の第一の領域の色に関する情報を目標色情報として記憶させ、
第二の画像情報を入力し、
前記第二の画像情報の第二の領域の色に関する情報を取得し、前記目標色情報に基づいて前記第二の領域の色に関する情報を変換させることを実現させるための画像色補正プログラム。
【請求項7】
第二の画像情報を表示するとともに前記目標色を表示することを実現させるための請求項6記載の画像色補正プログラム。










【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−166770(P2011−166770A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−25611(P2011−25611)
【出願日】平成23年2月9日(2011.2.9)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】