説明

画像表示システム、画像表示装置及び画像表示システムの制御方法

【課題】投写面の凹凸を利用した多彩な視覚効果を得ることが可能な画像表示システム、画像表示装置及び画像表示システムの制御方法を提供する。
【解決手段】画像処理部は、LUTに記憶されている領域情報に基づいて、処理対象の画素がどの領域に属する画素であるのかを判断する(ステップS201)。そして、処理対象の画素が外縁部に属する場合には、画像処理部は、その画素の画素値を、黒色を表す画素値に設定する(ステップS202)。また、処理対象の画素が枠状部に属する場合には、その画素の画素値を、予め指定された所定の色(指定色)を表す画素値に設定する(ステップS203)。また、処理対象の画素が矩形部に属する場合には、その画素の画素値を、入力画像を表す画素値に設定する(ステップS204)。このように、画像処理部は、区分した領域毎に異なる画像処理を行うようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投写面に画像を投写する画像表示システム、画像表示装置及び画像表示システムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プロジェクターから画像を投写するシステムにおいて、任意形状の被投写物体に画像を投写可能なシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のシステムでは、被投写物体の後方(背景)に光が照射されてしまうことがないよう、被投写物体の形状に合わせた範囲に画像を投写するようになっており、スクリーン等の平滑な投写面に矩形の画像を投写する場合とは異なる視覚効果を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−15996号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のシステムは、被投写物体の内側と外側で投写状態(投写の有無等)を変化させるものであり、実現できる視覚効果に限界がある。このため、より多彩な視覚効果を得ることが可能なシステムが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0006】
[適用例1]本適用例に係る画像表示システムは、投写面に画像を投写して表示する画像表示システムであって、前記投写面の凹凸を検出する検出部と、前記検出部によって検出された前記凹凸に基づいて、前記投写面を複数の領域に区分する領域設定部と、画像情報が入力される画像入力部と、前記画像情報に対して、前記領域設定部によって区分された前記複数の領域毎に異なる画像処理を行う画像処理部と、前記画像処理がなされた画像情報に基づく画像を投写する画像投写部と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
この画像表示システムによれば、投写面の凹凸に基づいて投写面を複数の領域に区分し、領域毎に異なる画像処理を行って画像を投写するため、投写面の凹凸を利用した多彩な視覚効果を得ることが可能となる。
【0008】
[適用例2]上記適用例に係る画像表示システムにおいて、前記投写面には、正面視で枠状の枠状部が前記凹凸によって形成され、前記領域設定部は、前記投写面を、前記枠状部と、前記枠状部の内側とに区分し、前記画像処理部は、前記枠状部の内側の領域に前記画像入力部に入力された前記画像情報に基づく画像を表示させる処理を行うことが望ましい。
【0009】
この画像表示システムによれば、画像入力部に入力された画像情報に基づく画像(入力画像)を、枠状部の内側に表示させるため、投写面の凹凸に合わせた効果的な表示を行うことができる。
【0010】
[適用例3]上記適用例に係る画像表示システムにおいて、前記画像処理部は、前記枠状部を所定の色に設定する処理を行うことが望ましい。
【0011】
この画像表示システムによれば、枠状部を所定の色に設定するため、所定の色で入力画像を縁取っているように見せることができる。
【0012】
[適用例4]上記適用例に係る画像表示システムにおいて、前記領域設定部は、前記投写面を、前記枠状部と、前記枠状部の内側と、前記枠状部の外側とに区分し、前記画像処理部は、前記枠状部の外側の領域を黒色に設定する処理を行うことが望ましい。
【0013】
この画像表示システムによれば、枠状部の外側を黒色に設定するため、枠状部及びその内側の領域を際立たせることができる。
【0014】
[適用例5]上記適用例に係る画像表示システムにおいて、前記検出部は、前記画像投写部とは異なる位置から前記投写面に照明光を照射する照明部と、前記照明光が照射された前記投写面を撮像する撮像部と、を備え、前記撮像部の撮像結果に基づいて、前記投写面の凹凸を検出することが望ましい。
【0015】
この画像表示システムによれば、照明部は、画像投写部とは異なる位置から投写面に照明光を照射し、撮像部は、この照明光が照射された投写面を撮像するため、投写面の凹凸によって生成される陰影が撮像結果に含まれる。この結果、撮像結果から容易に凹凸を検出することが可能となる。
【0016】
[適用例6]上記適用例に係る画像表示システムにおいて、前記照明部は、前記投写面に複数の方向から前記照明光を照射し、前記撮像部は、前記複数の方向から前記照明光が照射された状態の投写面を順に撮像し、前記検出部は、前記撮像部による複数回の撮像結果に基づいて、前記投写面の凹凸を検出することが望ましい。
【0017】
この画像表示システムによれば、撮像部は、複数の方向から照明光が照射された状態の投写面を順に撮像し、検出部は、複数回の撮像結果に基づいて投写面の凹凸を検出するため、投写面の凹凸をより確実に検出することが可能となる。
【0018】
[適用例7]上記適用例に係る画像表示システムにおいて、前記検出部は、前記投写面内における前記画像が投写される投写領域を複数の微小領域に区分して、前記微小領域毎に輝度を導くとともに、前記微小領域毎の輝度を前記複数回分だけ加算した結果に基づいて前記投写面の凹凸を検出するようにしてもよい。
【0019】
[適用例8]本適用例に係る画像表示装置は、投写面に画像を投写して表示する画像表示装置であって、前記投写面の凹凸に基づいて、前記投写面を複数の領域に区分する領域設定部と、画像情報が入力される画像入力部と、前記画像情報に対して、前記領域設定部によって区分された前記複数の領域毎に異なる画像処理を行う画像処理部と、前記画像処理がなされた画像情報に基づく画像を投写する画像投写部と、を備えたことを特徴とする。
【0020】
この画像表示装置によれば、投写面の凹凸に基づいて投写面を複数の領域に区分し、領域毎に異なる画像処理を行って投写するため、投写面の凹凸を利用した多彩な視覚効果を得ることが可能となる。
【0021】
[適用例9]本適用例に係る画像表示システムの制御方法は、投写面に画像情報に基づく画像を投写する画像表示システムの制御方法であって、前記投写面の凹凸を検出する凹凸検出ステップと、前記凹凸検出ステップにて検出された前記凹凸に基づいて、前記投写面を複数の領域に区分する領域設定ステップと、前記画像情報に対して、前記領域設定ステップで区分された前記複数の領域毎に異なる画像処理を行う画像処理ステップと、前記画像処理がなされた画像情報に基づく画像を投写する画像投写ステップと、を備えたことを特徴とする。
【0022】
この画像表示システムの制御方法によれば、投写面の凹凸に基づいて投写面を複数の領域に区分し、領域毎に異なる画像処理を行って投写するため、投写面の凹凸を利用した多彩な視覚効果を得ることが可能となる。
【0023】
また、上述した画像表示システム及びその制御方法が画像表示システムに備えられたコンピューターを用いて構築されている場合には、上記形態及び上記適用例は、その機能を実現するためのプログラム、或いは当該プログラムを前記コンピューターで読み取り可能に記録した記録媒体等の態様で構成することも可能である。記録媒体としては、フレキシブルディスクやハードディスク、CDやDVD等の光ディスク、光磁気ディスク、不揮発性の半導体メモリーを搭載したメモリーカードやUSBメモリー、画像表示システムの内部記憶装置(RAMやROM等の半導体メモリー)等、前記コンピューターが読み取り可能な種々の媒体を利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】画像表示システムを示す斜視図。
【図2】投写面を示す図であり、(a)は正面図、(b)は、そのA−A断面図。
【図3】画像表示システムの概略構成を示すブロック図。
【図4】LUTの生成を説明するためのフローチャート。
【図5】撮像装置による撮像画像を示す図。
【図6】投写面と照明装置との位置関係を示す正面図。
【図7】画像を投写する際のプロジェクターの動作を説明するためのフローチャート。
【図8】(a)は、入力画像を示す図であり、(b)は、画像が投写された状態の投写面を示す正面図。
【図9】変形例に係る投写面を示す図であり、(a)は正面図、(b)は、そのA−A断面図。
【図10】変形例に係る投写面を示す図であり、(a)は正面図、(b)は、そのA−A断面図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本実施形態に係る画像表示システムについて、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態の画像表示システムを示す斜視図である。
図1に示すように、本実施形態の画像表示システム100は、凹凸が形成された投写面Sに画像を表示するシステムであり、投写面Sに画像を投写するプロジェクター1と、投写面Sを撮像する撮像部としての撮像装置2と、投写面Sを照明する照明部としての照明装置3とを備えて構成されている。
【0026】
プロジェクター1は、装置本体を収容する筐体1aを備えており、筐体1aの上面には、ユーザーにより入力操作が行われる入力操作部22が配置されている。また、筐体1aの背面には、図示しない外部の画像供給装置から画像情報が入力される入力端子23aが配置されており、プロジェクター1は、入力端子23aに入力された画像情報に基づく画像(入力画像)等を投写面Sに投写する。なお、これ以降、投写面S上において、プロジェクター1から画像が投写される領域を投写領域Apと呼ぶ。
【0027】
図2は、本実施形態の投写面Sを示す図であり、(a)は正面図、(b)は、そのA−A断面図である。なお、これ以降、投写面Sに向かって右側の方向を+X方向(右方向)、鉛直方向のうち重力に逆らう方向を+Y方向(上方向)、投写面Sの法線方向のうち投写面Sからプロジェクター1側に向かう方向を+Z方向(前方向)とする。
【0028】
図2(a)、(b)に示すように、本実施形態の投写面Sは、前面に凹凸が形成されている。具体的には、投写面Sには、平坦な外縁部S1から+Z方向に突出する凸部Mと、凸部Mから−Z方向に窪んだ凹部Dが形成されている。図2(a)に示すように、凸部Mの前面S2(以降、「枠状部S2」とも呼ぶ。)は、正面視で枠状であり、凹部Dの底面S3(以降、「矩形部S3」とも呼ぶ。)は、正面視で矩形状である。正面視において、矩形部S3は、枠状部S2に囲まれており、枠状部S2は、外縁部S1に囲まれている。つまり、枠状部S2の外側が外縁部S1であり、枠状部S2の内側が矩形部S3である。そして、プロジェクター1は、その投写領域Apが少なくとも枠状部S2及び矩形部S3を包含するように設置される。
【0029】
また、図2(b)に示すように、矩形部S3は、外縁部S1よりも+Z側に位置している。つまり、投写面Sにおいて、外縁部S1、枠状部S2及び矩形部S3は、それぞれ±Z方向の位置(奥行き)が異なっており、前方(+Z側)から、枠状部S2、矩形部S3、外縁部S1の順で位置している。
【0030】
図3は、画像表示システム100の概略構成を示すブロック図である。
図3に示すように、プロジェクター1は、画像投写部10、制御部20、記憶部21、入力操作部22、画像入力部23、画像処理部24、フレームメモリー25、液晶駆動部26、インターフェイス部27等を備えている。
【0031】
画像投写部10は、光源としての光源装置11、光変調装置としての3つの液晶ライトバルブ12R,12G,12B、投写光学系としての投写レンズ13等を備えて構成されている。画像投写部10は、表示部に相当するものであり、光源装置11から射出された光を液晶ライトバルブ12R,12G,12Bで変調して投写レンズ13から投写し、投写面Sに画像を表示する。
【0032】
光源装置11は、超高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等からなる放電型の光源ランプ11aを含んで構成されている。光源装置11から射出された光は、図示しないインテグレーター光学系によって輝度分布が略均一な光に変換され、図示しない色分離光学系によって光の3原色である赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色光成分に分離された後、それぞれ液晶ライトバルブ12R,12G,12Bに入射する。
【0033】
液晶ライトバルブ12R,12G,12Bは、一対の透明基板間に液晶が封入された透過型の液晶パネル等によって構成される。液晶ライトバルブ12R,12G,12Bには、複数の画素12pがマトリックス状に配列された矩形の画素領域12aが形成されており、液晶に対して画素12p毎に駆動電圧を印加可能になっている。そして、液晶駆動部26の駆動により、入力される画像情報に応じた駆動電圧が各画素12pに印加されると、各画素12pは、画像情報に応じた光透過率に設定される。このため、光源装置11から射出された光は、この液晶ライトバルブ12R,12G,12Bを透過することによって変調される。変調された各色の色光は、図示しない色合成光学系によって合成されて、投写レンズ13から射出される。
【0034】
制御部20は、図示しないCPU(Central Processing Unit)や、各種データ等の一時記憶に用いられる図示しないRAM(Random Access Memory)等を備えており、記憶部21に記憶されている制御プログラムに従ってCPUが動作することによりプロジェクター1の動作を統括制御する。つまり、制御部20は、記憶部21とともにコンピューターとして機能する。
【0035】
記憶部21は、マスクROM(Read Only Memory)や、フラッシュメモリー等の不揮発性のメモリーにより構成されている。記憶部21には、プロジェクター1の動作を制御するための制御プログラムや、プロジェクター1の動作条件等を規定する各種データ等が記憶されている。
【0036】
入力操作部22は、ユーザーの入力操作を受け付けるものであり、ユーザーがプロジェクター1に対して各種指示を行うための複数の操作キーを備えている。ユーザーが入力操作部22の各種操作キーを操作すると、入力操作部22は、この入力操作を受け付けて、ユーザーの操作内容に応じた操作信号を制御部20に出力する。なお、入力操作部22として、遠隔操作が可能なリモコン(図示せず)を用いた構成としてもよい。この場合、リモコンは、ユーザーの操作内容に応じた赤外線の操作信号を発信し、図示しない受信部がこれを受信して制御部20に伝達する。
【0037】
画像入力部23には、図示しない外部の画像供給装置(パーソナルコンピューターや各種映像再生装置等)から、入力端子23aを介して画像情報が入力される。画像入力部23は、入力された画像情報に対して、必要に応じてA/D変換処理等を施し、処理後の画像情報を画像処理部24に出力する。
【0038】
画像処理部24は、画像入力部23から入力される画像情報を、液晶ライトバルブ12R,12G,12Bの各画素12pの階調を表す画像情報に変換する。ここで、変換された画像情報は、R,G,Bの色光別になっており、各液晶ライトバルブ12R,12G,12Bのすべての画素12pに対応する複数の画素値によって構成されている。画素値とは、対応する画素12pの光透過率を定めるものであり、この画素値によって、各画素12pから射出する光の強弱(階調)が規定される。
【0039】
また、画像処理部24は、投写面Sの凹凸に合わせた画像の投写を可能とするLUT(ルックアップテーブル)24aを保持している。そして、画像処理部24は、画像情報に対してLUT24aに基づいた画像処理を行い、処理後の画像情報を液晶駆動部26に出力する。
また、画像処理部24は、投写面Sの凹凸に応じて生成されたLUT(ルックアップテーブル)24aを保持している。そして、画像処理部24がLUT24aに基づいた画像処理を画像情報に施すことにより、プロジェクター1は、投写面Sの凹凸に合わせて画像を投写することができるようになっている。
【0040】
なお、プロジェクター1は、DRAM等によって構成されるフレームメモリー25を備えており、画像処理部24は、画像情報をフレーム単位でフレームメモリー25に記憶させながら、各種処理を行う。
【0041】
液晶駆動部26は、画像処理部24から入力される画像情報に従って液晶ライトバルブ12R,12G,12Bを駆動する。この結果、画像情報に基づく画像が画像投写部10から投写面Sに投写される。
【0042】
インターフェイス部27には、外部の撮像装置2及び照明装置3が接続されており、制御部20は、インターフェイス部27を介して撮像装置2及び照明装置3を制御することができる。
【0043】
撮像装置2は、CCD(Charge Coupled Device)センサー、或いはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサー等からなる撮像素子(図示せず)と、撮像素子の入射側に配置される撮像レンズ(図示せず)とを含んで構成され、投写面Sを撮像できるように配置されている。そして、撮像装置2は、プロジェクター1の制御部20の指示に基づいて、プロジェクター1の投写領域Apを撮像し、その撮像結果として、撮像した画像(撮像画像)を表す画像データを生成する。撮像装置2は、生成した画像データを、インターフェイス部27を介して制御部20に出力する。
【0044】
照明装置3は、投写面Sを照明するものであり、制御部20の制御に基づいて点灯する光源装置(図示せず)を含んで構成される。照明装置3は、プロジェクター1の筐体1aから分離した構成になっており、ユーザーは、投写面Sに向けて任意の位置から照明光を照射することができる。つまり、照明装置3は、プロジェクター1の本体(画像投写部10)とは異なる位置から投写面Sを照明することが可能になっている。
【0045】
本実施形態の画像表示システム100は、上記のように構成されており、プロジェクター1は、画像処理部24がLUT24aに基づいて画像情報を処理することにより、投写面Sの凹凸に合わせた画像の投写を行うことができる。具体的には、プロジェクター1は、凹部D(矩形部S3)と凸部M(枠状部S2)にそれぞれ異なる画像を投写することができる。
【0046】
また、画像表示システム100は、撮像装置2及び照明装置3を用いて投写面Sの凹凸を検出し、検出した凹凸に応じてLUT24aを生成することができる。具体的には、画像表示システム100は、投写面Sの投写領域Apに対して、その外側から斜めに(投写面Sの法線に対して十分に傾いた方向に)照明装置3で照明光を照射することにより、凹凸に応じた陰影を投写面S上に生じさせる。そして、画像表示システム100は、この状態の投写面Sを撮像装置2で撮像することによって投写面Sの凹部Dや凸部Mを検出し、この凹凸に合わせて画像を投写するためのLUT24aを生成する。
【0047】
図4は、LUT24aの生成を説明するためのフローチャートである。また、図5は、撮像装置2による撮像画像を示す図、図6は、投写面Sと照明装置3との位置関係を示す正面図である。
【0048】
図4に示すように、ユーザーが、投写面Sに対向する位置にプロジェクター1及び撮像装置2を設置し(ステップS101)、その後、プロジェクター1の入力操作部22に対してLUT24aの生成を指示する操作を行うと、プロジェクター1は、撮像装置2が撮像する撮像画像Pc(図5参照)の中からプロジェクター1の投写領域Apを認識する(ステップS102)。具体的には、制御部20は、画像処理部24に指示をして、画素領域12aのすべての画素12pの光透過率を最大にするような画像情報を出力させることにより、全域が白色の全白画像を画像投写部10から投写させる。そして、この状態で撮像装置2に投写面Sを撮像させると、図5に示すように、投写領域Apの全域が高輝度で撮像され、撮像画像Pcの中から投写領域Apを識別することが可能となる。これ以降、制御部20は、撮像画像Pc内における投写領域Apの形状及び大きさに基づいて、投写領域Ap内の位置と画素領域12a内の位置(画素12p)とを対応付けることができる。撮像装置2による投写面Sの撮像が終了すると、制御部20は、画像投写部10による画像の投写を停止させる。
【0049】
その後、制御部20は、照明装置3を点灯させるとともに、画像投写部10によって画像が投写されておらず且つ照明装置3で照明された状態の投写面Sを撮像装置2に撮像させ、投写面Sの凹凸を検出する。本実施形態では、制御部20は、照明装置3の位置、即ち照明光の照射方向を変えて4回の撮像を順に行わせ、4回の撮像結果に基づいて投写面Sの凹凸を検出する。
【0050】
まず、制御部20は、1回目の撮像を行うことをユーザーに報知して、照明装置3を第1の位置に設置させる(ステップS103)。ここで、ユーザーへの報知は、図示しない表示手段や音声出力手段によって報知してもよいし、オンスクリーンディスプレイを用いてメッセージ等を重畳した画像を投写するようにしてもよい。ユーザーは、この報知を受けて、例えば、投写領域Apの左上(投写面Sに向かって左上)外側の所定の位置L1(図6参照)に照明装置3を設置し、左上から右下の方向に向けて照明光を照射して、投写面S上に凹凸による陰影を生じさせる。そして、ユーザーが入力操作部22を操作してプロジェクター1に撮像を指示すると、制御部20は、この指示を受け付けて、撮像装置2に投写領域Apを撮像させ(ステップS104)、撮像結果を記憶部21に記憶させる(ステップS105)。
【0051】
次いで、制御部20は、4回の撮像がすべて終了したか否かを判断する(ステップS106)。そして、4回の撮像がまだ終了していない場合には、照明装置3の設置位置を変更して(ステップS107)、次の撮像を行う。
【0052】
2回目の撮像を行う場合には、制御部20は、2回目の撮像を行うことをユーザーに報知して、照明装置3の設置位置を第2の位置に変更させる(ステップS107)。ユーザーは、この報知を受けて、例えば、投写領域Apの右上外側の所定の位置L2(図6参照)に照明装置3を設置し、右上から左下の方向に向けて照明光を照射して、投写面S上に凹凸による陰影を生じさせる。そして、1回目と同様、制御部20は、ユーザーの指示に応じて撮像装置2に投写領域Apを撮像させ(ステップS104)、撮像結果を記憶部21に記憶させる(ステップS105)。
【0053】
同様に、3回目の撮像を行う場合には、制御部20は、3回目の撮像を行うことをユーザーに報知して、照明装置3の設置位置を第3の位置に変更させる(ステップS107)。ユーザーは、この報知を受けて、例えば、投写領域Apの左下外側の所定の位置L3(図6参照)に照明装置3を設置し、左下から右上の方向に向けて照明光を照射して、投写面S上に凹凸による陰影を生じさせる。そして、制御部20は、ユーザーの指示に応じて、撮像装置2に投写領域Apを撮像させ(ステップS104)、撮像結果を記憶部21に記憶させる(ステップS105)。
【0054】
そして、4回目の撮像を行う場合には、制御部20は、4回目の撮像を行うことをユーザーに報知して、照明装置3の設置位置を第4の位置に変更させる(ステップS107)。ユーザーは、この報知を受けて、例えば、投写領域Apの右下外側の所定の位置L4(図6参照)に照明装置3を設置し、右下から左上の方向に向けて照明光を照射して、投写面S上に凹凸による陰影を生じさせる。そして、制御部20は、ユーザーの指示に応じて、撮像装置2に投写領域Apを撮像させ(ステップS104)、撮像結果を記憶部21に記憶させる(ステップS105)。
【0055】
4回の撮像が完了すると、制御部20は、1回目から4回目のそれぞれ撮像結果(輝度分布)に基づいて、投写領域Ap内の凹凸を検出する(ステップS108)。具体的には、制御部20は、4回分の撮像画像Pcのそれぞれから投写領域Apを抽出するとともに、投写領域Apを、画素領域12aの画素12pに1対1で対応する複数の微小領域に区分する。そして、微小領域毎に輝度を数値化して、4回分の数値を加算(合計)させる。この結果、例えば、枠状部S2に対応する部位では、矩形部S3や外縁部S1に比べて輝度が高いため合計値が大きく、矩形部S3や外縁部S1に対応する部位では、凸部Mの陰影の影響を受けて合計値が小さくなる。つまり、輝度の合計値は、投写面S(投写領域Ap)の凹凸状態、即ち±Z方向の位置(奥行き)を表しているものとみなすことができる。なお、現実には、照明装置3に特有の輝度ムラや、照明装置3からの距離に応じた輝度差が生じ得るが、これらは、キャリブレーションによって排除することが望ましい。
【0056】
次に、制御部20は、輝度の合計値に基づいて、投写面Sの奥行きを表す情報(奥行き情報)を、微小領域毎に導出する(ステップS109)。なお、ここで導出する奥行き情報は、厳密なZ方向の位置である必要はなく、奥行きを複数段階に分類できる程度の情報であればよい。そして、制御部20は、各微小領域の奥行き情報に基づいて、プロジェクター1の投写領域Apを、投写面Sの凹凸に対応する3つの領域(外縁部S1、枠状部S2、矩形部S3)に区分する(ステップS110)。そして、制御部20は、画素領域12aの各画素12pと、それぞれがどの領域に属するのかを表す情報(領域情報)とを対応付けたLUT24aを生成して、画像処理部24に保持させる(ステップS111)。
【0057】
次に、画像を投写する際のプロジェクター1の動作について説明する。
図7は、画像を投写する際のプロジェクター1の動作を説明するためのフローチャートである。また、図8(a)は、入力画像を示す図であり、図8(b)は、画像が投写された状態の投写面Sを示す正面図である。
プロジェクター1が起動して動作が開始すると、画像処理部24は、画像入力部23から入力される画像情報を、各画素12pの階調を表す画像情報に変換し、変換後の画像情報、即ち各画素12pに対応する画素値を、フレーム単位でフレームメモリー25に記憶する。そして、プロジェクター1の画像処理部24は、各フレームにおいて、図7に示すフローに従った処理を行う。なお、プロジェクター1には、図8(a)に示す入力画像Piを表す画像情報が入力されているものとする。
【0058】
まず、画像処理部24は、フレーム内の所定の画素12p(例えば、左上の画素12p)を処理対象とする。そして、画像処理部24は、保持しているLUT24aを参照し、処理対象の画素12pに対して、LUT24aに記憶されている領域情報に基づく画像処理を行う(ステップS201〜S204)。
【0059】
具体的には、画像処理部24は、LUT24aに記憶されている領域情報に基づいて、処理対象の画素12pがどの領域に属する画素12pであるのかを判断する(ステップS201)。そして、処理対象の画素12pが外縁部S1に属する場合には、画像処理部24は、その画素12pの画素値を、黒色を表す画素値に設定する(ステップS202)。また、処理対象の画素12pが枠状部S2に属する場合には、画像処理部24は、その画素12pの画素値を、予め指定された所定の色(指定色)を表す画素値に設定する(ステップS203)。また、処理対象の画素12pが矩形部S3に属する場合には、画像処理部24は、その画素12pの画素値を、フレームメモリー25に記憶されている画素値のままとする。つまり、処理対象の画素12pの画素値を、画像入力部23に入力された画像情報に基づく画像(入力画像Pi)を表す画素値に設定する(ステップS204)。このように、本実施形態の画像処理部24は、区分した領域毎に異なる画像処理を行うようになっている。
【0060】
処理対象の画素12pに対して上記の処理が終わると、画像処理部24は、1フレーム内のすべての画素12pで処理が完了したか否かを判断する(ステップS205)。そして、すべての画素12pで処理が完了していなければ、処理対象の画素12pを次の画素12pに変更して(ステップS206)、上記の処理を繰り返す。また、すべての画素12pで処理が完了した場合には、処理後の画像情報を液晶駆動部26に出力する(ステップS207)。
【0061】
この結果、図8(b)に示すように、投写面Sの凹部D(矩形部S3)には、入力画像Piが投写され、凸部M(枠状部S2)には、所定の指定色の光が投写される。このため、枠状部S2は、指定色で着色された額縁のようになり、入力画像Piは、あたかも額縁で縁取られているように表示される。なお、黒色の画素値に設定された外縁部S1は、プロジェクター1からの光がほとんど照射されないため、枠状部S2及び矩形部S3が際立つとともに、投写領域Apの境界が目立たずに済む。
【0062】
以上説明したように、本実施形態の画像表示システム100によれば、以下の効果を得ることができる。
【0063】
(1)本実施形態の画像表示システム100によれば、投写面Sの凹凸に基づいて投写面を3つの領域(外縁部S1、枠状部S2、矩形部S3)に区分し、領域毎に異なる画像処理を行って画像を投写するため、投写面Sの凹凸を利用した多彩な視覚効果を得ることが可能となる。
【0064】
(2)本実施形態の画像表示システム100によれば、投写面Sに形成された凹部D(矩形部S3)、即ち凸部M(枠状部S2)の内側に入力画像Piを表示させるため、投写面の凹凸に合わせた効果的な表示を行うことができる。
【0065】
(3)本実施形態の画像表示システム100によれば、枠状部S2を所定の指定色に設定するため、指定色で着色された額縁で入力画像Piを縁取っているように見せることができる。
【0066】
(4)本実施形態の画像表示システム100によれば、外縁部S1、即ち枠状部S2の外側を黒色に設定するため、枠状部S2及び矩形部S3の領域を際立たせることができる。
【0067】
(5)本実施形態の画像表示システム100によれば、照明装置3が、画像投写部10とは異なる位置から投写面Sに照明光を照射し、撮像装置2が、照明光が照射された投写面Sを撮像するため、投写面Sの凹凸によって生成される陰影が撮像結果に含まれる。この結果、撮像結果から容易に凹凸を検出することが可能となる。
【0068】
(6)本実施形態の画像表示システム100によれば、撮像装置2は、複数の方向から照明光が照射された状態の投写面Sを順に撮像し、制御部20は、複数回の撮像結果に基づいて投写面の凹凸を検出するため、投写面の凹凸をより確実に検出することが可能となる。
【0069】
なお、本実施形態では、撮像装置2、照明装置3、及びステップS108を実行して凹凸を検出する際の制御部20が検出部に相当する。また、ステップS110を実行して投写領域Apを3つの領域に区分する際の制御部20が領域設定部に相当する。
【0070】
(変形例)
また、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
【0071】
上記実施形態では、投写面Sのうち、最も前方(+Z側)に位置する領域(枠状部S2)に対して指定色に設定する処理を行い、2番目に前方に位置する領域(矩形部S3)に対して入力画像Piに設定する処理を行い、最も後方に位置する領域(外縁部S1)に対して黒色に設定する処理を行っているが、領域の奥行きと処理内容との関係は、この組み合わせに限定されない。
例えば、図9に示すように、前方から順に、外縁部S1、枠状部S2、矩形部S3が位置する投写面Sに画像を投写する場合には、最も前方に位置する領域(外縁部S1)に対して黒色に設定する処理を行い、2番目に前方に位置する領域(枠状部S2)に対して指定色に設定する処理を行い、最も後方に位置する領域(矩形部S3)に対して入力画像Piに設定する処理を行えば、上記実施形態と同様、入力画像Piを指定色で縁取ることができる。また、図10に示すように、前方から順に、矩形部S3、枠状部S2、外縁部S1が位置する投写面Sに画像を投写する場合には、最も前方に位置する領域(矩形部S3)に対して入力画像Piに設定する処理を行い、2番目に前方に位置する領域(枠状部S2)に対して指定色に設定する処理を行い、最も後方に位置する領域(外縁部S1)に対して黒色に設定する処理を行えばよい。このように、投写面Sの凹凸状態に応じて、奥行きと処理内容の組み合わせを適宜変更すればよい。なお、様々な凹凸状態に対応できるように、奥行きと画像処理の内容をユーザーが選択できるようにしてもよい。
【0072】
上記実施形態では、外縁部S1の色を黒色にしているが、これに限定されない。例えば、色相の総体を順序立てて円環にして並べた色相環における補色を用いて、矩形部S3や枠状部S2を引き立たせるようにしてもよいし、投写面S(外縁部S1)の色と同じ色にしてもよい。
【0073】
上記実施形態において、LUT24aによる画像処理の有無や、画像処理の内容(例えば、枠状部S2や外縁部S1に設定する色等)をユーザーが選択できるようにすることが望ましい。
【0074】
上記実施形態では、入力画像Piをそのまま矩形部S3に表示するようにしているが、適宜縮小させたり拡大させたりするようにしてもよい。
【0075】
上記実施形態では、外縁部S1と矩形部S3の奥行きが異なっているが、外縁部S1と矩形部S3の奥行きは同じであってもよい。この場合には、枠状部S2よりも奥(−Z側)に位置する面のうち、枠状部S2の内側の領域を矩形部S3、枠状部S2の外側の領域を外縁部S1として区分するようにすればよい。
【0076】
上記実施形態では、投写面Sを、外縁部S1、枠状部S2、矩形部S3の3つの領域に区分して、それぞれに異なる画像処理を行っているが、区分する領域数は3つに限られず、2つでも4つ以上であってもよい。
【0077】
上記実施形態において、画像処理部24は、画素領域12aの各画素12pと、それぞれがどの領域に属するのかを表す情報(領域情報)とを対応付けたLUT24aを保持しているが、各画素12pと、それぞれの奥行き情報とを対応付けたLUTを保持するようにしてもよい。そして、画像処理を行う段階で、奥行きの範囲に応じて複数の領域に区分して、領域毎に異なる画像処理を行うようにしてもよい。また、この場合において、同一の領域内であっても、奥行きに応じて処理内容を変化させるようにしてもよい。例えば、同じ枠状部S2に区分された領域内であっても、奥行きに応じて色(階調)を変化させるようにすれば、視覚効果を一層向上させることができる。
【0078】
上記実施形態において、各領域に対する画像処理の処理内容は、常に固定とは限られず、時間の経過や、入力操作部22に対する入力操作、或いは図示しないセンサーの検出結果等に応じて処理内容を変化させるようにしてもよい。例えば、時間の経過等に応じて枠状部S2の色を変化させるようにしてもよいし、矩形部S3に対して、初めは黒色に設定しておいて、入力操作やセンサーの検出等に応じて入力画像Piを表示させるようにしてもよい。
【0079】
上記実施形態では、投写面Sに形成された枠状部S2で囲むように入力画像Piを表示させる態様を示したが、これに限定されず、様々な応用が可能である。例えば、平滑であるべき投写面S内に、意図しない凹部や凸部が存在する場合において、凹部に対しては、画素12pがやや明るくなるように画素値を補正する処理を行い、凸部に対しては、画素12pがやや暗くなるように画素値を補正する処理を行えば、凹凸を目立たなくすることもできる。
【0080】
上記実施形態において、撮像装置2は、プロジェクター1と一体であってもよい。つまり、撮像装置2がプロジェクター1の筐体1aに収容された構成であってもよい。また、照明装置3は、プロジェクター1の制御部20の制御に基づいて点灯する構成に限らず、ユーザーが手動で点灯させる構成であってもよい。この場合には、照明装置3は、プロジェクター1に接続されている必要はない。
【0081】
上記実施形態では、照明装置3の照明光を4つの方向から照射して投写面Sを撮像し、4回分の撮像結果に基づいて凹凸を検出しているが、照明光の照射方向は4つに限られず、3つ以下でも5つ以上であってもよい。なお、照明光の照射方向の数が多いほど、投写面Sの凹凸を精度よく検出することができる。また、投写光の照射方向の数、即ち撮像の回数を、ユーザーが決定できるようにしてもよい。例えば、入力操作部22によって撮像回数を事前に設定するようにしてもよいし、ステップS106における撮像の終了を、入力操作部22によってユーザーが指示できるようにして、指示があるまで照射方向の変更と撮像とを繰り返すようにしてもよい。
【0082】
上記実施形態では、投写領域Apを、画素領域12aの画素12pに1対1で対応する複数の微小領域に区分しているが、微小領域内に複数の画素12pが含まれるように微小領域を設定してもよい。
【0083】
上記実施形態では、ステップS108で投写面Sの凹凸を検出する際に、4回分の撮像結果について微小領域毎に輝度を数値化して、対応する領域毎に4回分の数値を加算(合計)させているが、この態様に限定されない。例えば、ステップS105で撮像結果を記憶部21に記憶させる際に、微小領域毎に輝度を数値化してから記憶させるようにしてもよい。この場合には、4回分の合計を後で(例えば、ステップS108で)算出するようにしてもよいが、2回目以降の撮像結果を記憶させる際に、既に記憶されている輝度に加算していくようにすれば、後で合計する必要はなくなる。
【0084】
上記実施形態では、照明装置3で投写面Sに陰影を生じさせて凹凸を検出しているが、投写面Sの凹凸を検出する手段はこれに限定されない。例えば、投写面Sにプロジェクター1から縞パターンを投写して、これを撮像装置2で撮像し、縞パターンのずれに基づいて凹凸を検出する位相シフト法を用いてもよい。また、レーザー光を投写面Sに照射して、その反射光量に基づいて凹凸を検出する構成を採用することもできる。
【0085】
上記実施形態では、光変調装置として3つの液晶ライトバルブ12R,12G,12Bを用いた3板式のプロジェクター1について説明したが、これに限定されない。例えば、各画素の中にそれぞれR光、G光、B光を透過可能なサブ画素を含んだ1つの液晶ライトバルブによって画像を形成する態様とすることも可能である。
【0086】
上記実施形態では、光変調装置として、透過型の液晶ライトバルブ12R,12G,12Bを用いているが、反射型の液晶ライトバルブ等、反射型の光変調装置を用いることも可能である。また、入射した光の射出方向を、画素としてのマイクロミラー毎に制御することにより、光源装置11から射出した光を変調する微小ミラーアレイデバイス等を用いることもできる。
【0087】
上記実施形態では、光源装置11は、放電型の光源ランプ11aを備えて構成されているが、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)光源やレーザー光源等の固体光源、或いはその他の光源を備えた構成であってもよい。
【0088】
上記実施形態では、外部の画像供給装置から入力される画像情報に基づく画像を投写するプロジェクター1を示したが、この態様に限定されない。例えば、DVD(Digital Versatile Disc)やBlu−ray Disc(登録商標)等の記録媒体に記録されている画像情報を再生可能な画像再生部を一体的に備え、この画像再生部によって再生された画像情報に基づく画像を投写するプロジェクター1であってもよい。
【符号の説明】
【0089】
1…プロジェクター、1a…筐体、2…撮像装置、3…照明装置、10…画像投写部、11…光源装置、11a…光源ランプ、12R,12G,12B…液晶ライトバルブ、12a…画素領域、12p…画素、13…投写レンズ、20…制御部、21…記憶部、22…入力操作部、23…画像入力部、23a…入力端子、24…画像処理部、24a…LUT、25…フレームメモリー、26…液晶駆動部、27…インターフェイス部、100…画像表示システム、S…投写面、S1…外縁部、S2…枠状部、S3…矩形部、M…凸部、D…凹部、Ap…投写領域、Pc…撮像画像、Pi…入力画像、L1,L2,L3,L4…位置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
投写面に画像を投写して表示する画像表示システムであって、
前記投写面の凹凸を検出する検出部と、
前記検出部によって検出された前記凹凸に基づいて、前記投写面を複数の領域に区分する領域設定部と、
画像情報が入力される画像入力部と、
前記画像情報に対して、前記領域設定部によって区分された前記複数の領域毎に異なる画像処理を行う画像処理部と、
前記画像処理がなされた画像情報に基づく画像を投写する画像投写部と、
を備えたことを特徴とする画像表示システム。
【請求項2】
請求項1に記載の画像表示システムであって、
前記投写面には、正面視で枠状の枠状部が前記凹凸によって形成され、
前記領域設定部は、前記投写面を、前記枠状部と、前記枠状部の内側とに区分し、
前記画像処理部は、前記枠状部の内側の領域に前記画像入力部に入力された前記画像情報に基づく画像を表示させる処理を行うことを特徴とする画像表示システム。
【請求項3】
請求項2に記載の画像表示システムであって、
前記画像処理部は、前記枠状部を所定の色に設定する処理を行うことを特徴とする画像表示システム。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の画像表示システムであって、
前記領域設定部は、前記投写面を、前記枠状部と、前記枠状部の内側と、前記枠状部の外側とに区分し、
前記画像処理部は、前記枠状部の外側の領域を黒色に設定する処理を行うことを特徴とする画像表示システム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像表示システムであって、
前記検出部は、
前記画像投写部とは異なる位置から前記投写面に照明光を照射する照明部と、
前記照明光が照射された前記投写面を撮像する撮像部と、
を備え、前記撮像部の撮像結果に基づいて、前記投写面の凹凸を検出することを特徴とする画像表示システム。
【請求項6】
請求項5に記載の画像表示システムであって、
前記照明部は、前記投写面に複数の方向から前記照明光を照射し、
前記撮像部は、前記複数の方向から前記照明光が照射された状態の投写面を順に撮像し、
前記検出部は、前記撮像部による複数回の撮像結果に基づいて、前記投写面の凹凸を検出することを特徴とする画像表示システム。
【請求項7】
請求項6に記載の画像表示システムであって、
前記検出部は、前記投写面内における前記画像が投写される投写領域を複数の微小領域に区分して、前記微小領域毎に輝度を導くとともに、前記微小領域毎の輝度を前記複数回分だけ加算した結果に基づいて前記投写面の凹凸を検出することを特徴とする画像表示システム。
【請求項8】
投写面に画像を投写して表示する画像表示装置であって、
前記投写面の凹凸に基づいて、前記投写面を複数の領域に区分する領域設定部と、
画像情報が入力される画像入力部と、
前記画像情報に対して、前記領域設定部によって区分された前記複数の領域毎に異なる画像処理を行う画像処理部と、
前記画像処理がなされた画像情報に基づく画像を投写する画像投写部と、
を備えたことを特徴とする画像表示装置。
【請求項9】
投写面に画像情報に基づく画像を投写する画像表示システムの制御方法であって、
前記投写面の凹凸を検出する凹凸検出ステップと、
前記凹凸検出ステップにて検出された前記凹凸に基づいて、前記投写面を複数の領域に区分する領域設定ステップと、
前記画像情報に対して、前記領域設定ステップで区分された前記複数の領域毎に異なる画像処理を行う画像処理ステップと、
前記画像処理がなされた画像情報に基づく画像を投写する画像投写ステップと、
を備えたことを特徴とする画像表示システムの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−72934(P2013−72934A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−210331(P2011−210331)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】