説明

画像表示制御方法及びこれをコンピュータに実行させるためのプログラム並びにこのプログラムを記録した記録媒体

【課題】 従来、列車が写された画像データの付属情報から取得された列車名が画像データの付属情報に追加記録されるものの、取得された列車名は表示されない。
【解決手段】 列車の画像30a〜30dに付加された撮影地および撮影日時を含む撮影情報がS3、S4の取得手順により取得され、取得された撮影情報に基づいて、所定地を所定日時に通過する列車の識別情報を記憶しているデータベース5がS3、S4で検索されて、取得された撮影地を取得された撮影日時に通過する列車名がS3、S4またはS9〜S11の特定手順により特定される。特定された列車名はS6またはS12の識別情報表示手順によりモニタ11に表示される。このため、列車の画像30a〜30dから特定された列車名がモニタ11に図9に示すように表示され、撮影された列車の画像30a〜30dからその列車名を確認することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交通手段の画像からその識別情報を特定する手順を有する画像表示制御方法、及びこの画像表示制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム、並びにこのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、交通手段の画像からその識別情報を特定するものとして、例えば、特許文献1に開示された画像ファイル編集システムがある。この画像ファイル編集システムは、ネットワークを介して情報サービスサーバに接続可能な画像ファイル編集装置を有している。この画像ファイル編集装置を用いて画像データの付属情報を編集する際、提供を受けるべきサービス情報が観光地のイベント名や列車名の場合、画像データの付属情報に含まれる経緯度情報と作成日時情報がネットワークを介して画像ファイル編集装置から情報サービスサーバへ送信される。情報サービスサーバは、受信した経緯度情報と作成日時情報に対応した観光地のイベント名や列車名をデータベースから取得する。取得されたサービス情報は、ネットワークを介して画像ファイル編集装置に送信される。画像ファイル編集装置は、受信したイベント名や列車名を画像データの付属情報に追加記録し、画像ファイルの編集処理を終了する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−80243号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の画像ファイル編集システムでは、列車が写された画像データの付属情報から取得された列車名が画像データの付属情報に追加記録されるものの、取得された列車名は表示されない。このため、従来、列車が写された画像からその列車名を確認することができなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、
交通手段の画像を表示手段に表示させる画像表示手順と、
交通手段の画像に付加された撮影地および撮影日時を含む撮影情報を取得する取得手順と、
取得手順により取得された撮影情報に基づいて、所定地を所定日時に通過する交通手段の識別情報を記憶している第1データベースを検索し、前記撮影地を前記撮影日時に通過する交通手段の識別情報を特定する特定手順と、
特定手順により特定された交通手段の識別情報を表示手段に表示させる識別情報表示手順と
からなる画像表示制御方法、及びこの画像表示制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム、並びにこのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を構成した。
【0006】
また、本発明は、特定手順で、交通手段の画像が有する文字で表された交通手段の識別情報を文字認識して、文字認識した識別情報を交通手段の識別情報の特定に用いることを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、特定手順で、交通手段が通る乗降場を示す文字で表された乗降場情報を画像から文字認識して、文字認識した乗降場情報を交通手段の識別情報の特定に用いることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、特定手順で、交通手段の進行方向に特有の外観の特徴を画像から画像認識して、画像認識した外観の特徴を交通手段の識別情報の特定に用いることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、取得手順で、交通手段の画像に付加された交通手段の動きの予測を示す動体予測情報を取得し、特定手順で、取得手順により取得された動体予測情報を交通手段の識別情報の特定に用いることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、交通手段の運行日時変更情報に基づいて第1データベースに記憶されている所定日時を補正して検索する補正検索手順を備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、交通手段の画像と交通手段の複数の所定情報とが関連付けられた第2データベースを参照して、指定された所定情報に関連付けられた交通手段の画像を指定された規則に従ってソートするソート手順を備え、
画像表示手順で、ソート手順によってソートされた順番に交通手段の画像を表示手段に表示させることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、交通手段の画像と交通手段の階層化された複数の所定情報とが関連付けられた第2データベースを参照して、指定された所定情報に関連付けられた交通手段の画像の中から指定された階層の所定情報に関連付けられた交通手段の画像の絞り込みを行うフィルタリング手順を備え、
画像表示手順で、フィルタリング手順によって絞り込まれた交通手段の画像を表示手段に表示させることを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、第2データベースをネットワークを介して複数の者によって編集する編集処理手順を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明による撮像装置によれば、交通手段の画像からその識別情報を簡単に自動的に確認することができる画像表示制御方法及びこれをコンピュータに実行させるためのプログラム並びにこのプログラムを記録した記録媒体が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施の形態によるパソコンの概略構成を示す図である。
【図2】図1に示すデータベースに記憶されている、経緯度と鉄道路線との対応表を示す図である。
【図3】図1に示すデータベースに記憶されている時刻表を示す図である。
【図4】図1に示すパソコンのCPUによって行われる、画像に写された列車の識別情報をモニタに表示させる画像表示制御処理の概略を示すフローチャートである。
【図5】図1に示すパソコンのモニタに画像閲覧アプリケーション画面を表示させた図である。
【図6】図5に示す画像閲覧アプリケーション画面の一部を拡大表示させた図である。
【図7】図1に示すパソコンのモニタに撮影地の地図を表示させた図である。
【図8】図4に示す画像表示制御処理による検索の結果特定された列車名を表示させた画像閲覧アプリケーション画面を示す図である。
【図9】図8に示す画面で特定されなかった列車名が図4に示す画像表示制御処理による検索の結果特定された列車名を表示させた画像閲覧アプリケーション画面を示す図である。
【図10】図1に示すパソコンのモニタの画像閲覧アプリケーション画面に表示される複数の画像をフィルタリングする際に表示されるダイアログを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明による画像表示制御方法、及びこの画像表示制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム、並びにこのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を、パーソナルコンピュータ(以下パソコンと記す)に適用した場合における、本発明を実施するための一形態について説明する。
【0017】
図1は、この一実施の形態によるパソコン2の概略構成を示す図である。パソコン2は、カメラ1と接続され、また、ネットワーク3を介してデータベース(DB)5が設けられたサーバ4に接続されている。
【0018】
パソコン2は、表示部(モニタ)11、表示制御部12、CPU(Central Processing Unit)13、ハードディスク(HD)14、通信部15、および操作部16から構成される。CPU13は、利用者による操作部16の操作に応じた操作信号を受ける。操作部16は、操作釦、マウス、キーボードや、モニタ11の画面に表示される種々のボタン等から構成される。利用者がモニタ11に表示される種々のボタンのうち、所望のボタンにポインタを合わせてマウスでクリックすることにより、ボタンを押す操作が行われてボタンの選択およびそのボタンによる指示が行われ、操作信号がCPU13へ出力される。パソコン2がカメラ1と接続されて、操作部16から所定の操作信号をCPU13に受けると、カメラ1により撮影された例えば列車等の交通手段を写した画像ファイルがカメラ1からパソコン2へ転送される。表示制御部12は、CPU13からの指令信号に基づいてモニタ11の表示を制御し、カメラ1から転送された交通手段の画像ファイルを、表示手段を構成するモニタ11に表示させる。また、CPU13は、通信部15を介してネットワーク3にパソコン2を接続し、通信部15を介してサーバ4との通信を制御する。サーバ4に接続されたデータベース5は、図2に示す経緯度と鉄道路線との対応表6や、図3に示す時刻表7等の情報を記憶する第1データベースを構成する。時刻表7には、所定地を所定日時に通過する列車の識別情報が記憶されている。なお、データベース5に記憶されている時刻表7は、予め作成しておいた専用の時刻表や凡用の時刻表でもよい。また、データベース5は、ネットワーク3上ではなく、パソコン2のハードディスク14に格納される構成でもよい。
【0019】
パソコン2のハードディスク14にインストールされている画像閲覧アプリケーションを用いると、CPU13は、列車等の交通手段が表示された画像ファイルにExif情報として付加された撮影位置および撮影日時情報に基づいて、データベース5の経緯度と鉄道路線との対応表6と時刻表7を検索する。そして、付加された撮影位置を付加された撮影日時に通過する列車の名称を識別情報として特定して、特定した列車名をモニタ11に表示させる。
【0020】
画像閲覧アプリケーションは、本実施形態による画像表示制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムから構成され、また、画像閲覧アプリケーションがインストールされたハードディスク14は、本実施形態のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を構成する。本実施形態のプログラムをハードディスク14に記録して、このハードディスク14に記録された本実施形態のプログラムをコンピュータシステムに読み込ませることにより、本実施形態のプログラムが実行される。ここで、コンピュータシステムとはOS(Operating System)や、周辺機器のハードウェアを含むものとする。また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク14等の記憶装置に限定されず、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、光ディスク、およびメモリカード等の可搬型記録媒体であってもよい。また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持するものであってもよい。
【0021】
図4は、パソコンのCPU13によって行われる、画像に写された列車の識別情報をモニタ11に表示させる画像表示制御処理の概略を示すフローチャートである。
【0022】
利用者がパソコン2上で画像閲覧アプリケーションを起動すると、図5に示す画像閲覧アプリケーション画面20がパソコン2のモニタ11に表示される。次に、利用者が、画像閲覧アプリケーション画面20でフォルダを選択すると、CPU13は、ステップ(以下、Sと記す)1において、図5に示すように列車を撮影した画像30a〜30dのサムネイル一覧20aをモニタ11の画像閲覧アプリケーション画面20に表示させる指令信号を表示制御部12に出力する。図6は、このサムネイル一覧20aの部分を拡大した画像を示している。なお、図6において図5と同一部分には同一符号を付している。サムネイル一覧20aでは、各画像30a〜30dの下に、ファイル名31a〜31dと列車名の欄32a〜32dとがあり、列車名の欄32a〜32dは当初図5および図6に示すように空欄となっている。次に、CPU13は、S2において、操作パネル(ツールバー)40の列車名検索ボタン41が押されたか否かを判別する。列車名検索ボタン41が押されず、S2の判別が“NO”の場合、CPU13は、列車名検索ボタン41が押されるまで待機状態となる。一方、列車名検索ボタン41が押され、S2の判別が“YES”の場合、CPU13は、S3において、画像30a〜30dにExif情報として付加された緯度、経度、方位の撮影位置情報に基づいて、データベース5に記憶されている、図2に示す経緯度と鉄道路線との対応表6を検索して、各画像30a〜30dに写っている列車が運行される路線名を特定する。
【0023】
なお、この路線名を検索する際、公知の技術によって地図から検索してもよい。また、各画像30a〜30dの路線名を確認するために、列車名の欄32a〜32dを右クリックして表示されるコンテキスト・メニューで“撮影地を表示”を選択すると、モニタ11に例えば図7に示す撮影地の地図50が表示される。この地図50には、路線名51、および撮影地点と撮影した方位とを示す矢印52が表示され、路線名や撮影地点、撮影した方位を確認できる。
【0024】
次に、CPU13は、S4において、画像30a〜30dに付加された撮影日時および撮影位置に基づいて、データベース5に記憶されている時刻表7を検索して列車名を特定する。次に、CPU13は、S5において、列車名を特定できたか否かを判別する。検索した列車名が時刻表7の中から見つかり、S5の判別が“YES”の場合、CPU13は、S6において、特定した列車名を図8に示すように列車名の欄32a〜32dに表示させる指令信号を表示制御部12に出力する。例えば、図8に示すように、画像30b〜30dの列車名の欄32b〜32dに「A列車」、「B列車」、「C列車」と表示させる。列車名がない場合には、CPU13は、「普通」や「快速」のような列車種別を表示させる。また、検索された、列車名の欄32a〜32dに表示された列車名が適当でないと利用者が考えた場合、列車名の欄32a〜32dを右クリックして表示されるコンテキスト・メニューで“時刻表”を選択すると、図3に示すような時刻表7が表示され、表示された時刻表7の列車名の中から所望の列車名を選択すると、選択された列車名が列車名の欄32a〜32dに再表示され、列車名を訂正することができる。
【0025】
CPU13は、S5において、画像30aの列車名が特定されず、S5の判別が“NO”の場合、CPU13は、S7において、図8に示すように、画像30aの列車名の欄32aに「候補を表示」と表示させる指令信号を表示制御部12に出力する。次に、CPU13は、S8において、全ての列車を検索したか否かを判別する。全ての列車が検索されておらず、S8の判別が“NO”の場合、CPU13は、S3の処理に戻る。一方、全ての列車が検索され、S8の判別が“YES”の場合、CPU13は、S9において、「候補を表示」がクリックされたか否かを判別する。例えば、検索された列車名の列車ダイヤが密であったり、列車の番線が近接していたりして、検索された列車名が複数件ある場合、列車名を特定できない。この場合、CPU13は、利用者が、「候補を表示」の表示をクリックし、S9の判別が“YES”の場合、S10において、図3に示す、複数の列車名の候補を載せた時刻表7をモニタ11に表示させる指令信号を表示制御部12に出力する。一方、検索された列車名が0件である場合も同様に図8の列車名の欄32aに「候補を表示」と表示させ、この表示を利用者がクリックすると、CPU13は、例えば「臨時」、「団体」、「試運転」、「回送」、「貨物」等の不図示の複数の候補をモニタ11に表示させる。
【0026】
次に、利用者が複数の候補の中から1つをS11で選択すると、CPU13は、S12において、選択された列車名を表示させる指令信号を表示制御部12に出力する。例えば、利用者が、図3に示す時刻表7に表示された複数の列車の中から、7a欄に示す「D列車」を選択すると、CPU13は、図9に示すように、画像30aの列車名の欄32aに「D列車」と表示させる。また、S11で7b欄に示す「普通」が選択された場合には、列車名の欄32aに「普通」を表示させる。なお、画像閲覧アプリケーション画面20に表示される識別情報として列車名を表示させる他に、路線名、上り下り情報、列車番号(例えば1234M等)、列車型番等を列車名と共に表示させてもよい。次に、CPU13は、S13において、プログラム終了が指示されたか否かを判別する。プログラム終了が指示されず、S13の判別が“NO”の場合、CPU13は、S9の処理に戻る。一方、プログラム終了が指示され、S13の判別が“YES”の場合、CPU13は、プログラムを終了させる。
【0027】
また、一般に列車が遅延した場合、鉄道会社によりインターネット上に遅延した列車の列車運行状況が発信されるが、遅延が解消すると、遅延した列車の列車運行状況はインターネットから取得できなくなる。この遅延情報をサーバ4が取得できない場合、遅延した列車に関して、データベース5に記憶されている時刻表7のデータから列車名を特定できないため、データベース5を検索しても、正しい列車名を列車名の欄32a〜32dに表示できない。このため、サーバ4がインターネット上の遅延情報を常時監視し続け、遅延情報を検出したら、この遅延情報をデータベース5に一定期間保存しておく。このように遅延情報が保存されている場合に、利用者が、列車名検索ボタン41を押して、遅延した列車の画像の列車名を検索すると、CPU13は、所定の補正検索手順に従い、検索要求のあった画像の列車名の後に「?」を表示させる。例えば「列車B?」のように表示させる。利用者がこの表示をクリックすると、CPU13は、「20分遅延」等の遅延情報を表示させる。この状態で列車名検索ボタン41を利用者がクリックすると、CPU13は、条件ダイアログを表示させる。この条件ダイアログの表示に対応して利用者が「20分遅延」と入力した後、または複数の選択肢(例えば、「10分遅延」、「20分遅延」、「30分遅延」…)の中から「20分遅延」を選択した後、再度、列車名検索ボタン41をクリックすると、CPU13は、「20分遅延」を条件として、データベース5に記憶されている時刻表7の所定日時を補正して検索し、遅延した列車の正しい列車名を列車名の欄32a〜32dに表示させる。
【0028】
図10は、画像閲覧アプリケーション画面20に表示された複数の画像30a〜30dをフィルタリングする際に表示されるダイアログ70を示す図である。
【0029】
データベース5は、列車の画像と列車の複数の所定情報とが関連付けられた第2データベースをも構成し、上述した時刻表7等の他に、列車の画像とこれに関連する所定の情報、例えば各路線の経緯度、各列車型名の列車の製造年月等を記憶している。これらの情報に基づいて、CPU13は、画像閲覧アプリケーション画面20に表示された複数の画像30a〜30dをフィルタリングしたり、ソートしたりする。
【0030】
つまり、図5に示す操作パネル40のフィルタボタン44を利用者がクリックすると、CPU13は、図10に示すダイアログ70をモニタ11に表示させる指令信号を表示制御部12に出力する。ここで利用者が「型番」のタブを選択すると、同図(a)に示す列車型番一覧ダイアログ71を表示させる。この列車型番一覧ダイアログ71には、電車、列車、および機関車の大グループのチェックボックスが表示され、電車の欄には、183系および461系の小グループのチェックボックスが表示されており、列車型番一覧ダイアログ71は階層構造になっている。ここで、例えば同図に示すように電車および183系のチェックボックスをチェックして確定ボタン71aを利用者がクリックすると、フィルタリングが実行され、画像閲覧アプリケーション画面20に183系の電車を写した画像が表示される。
【0031】
一方、ダイアログ70で「路線」のタブを選択すると、同図(b)に示す路線一覧ダイアログ72が表示される。この路線一覧ダイアログ72には、JR北海道、JR東日本、および東急の大グループのチェックボックスが表示され、JR東日本の欄には、中央線および総武線の小グループのチェックボックスが表示されており、路線一覧ダイアログ72も階層構造になっている。ここで、例えば同図に示すようにJR東日本および総武線のチェックボックスをチェックして確定ボタン72aを利用者がクリックすると、フィルタリングが実行され、画像閲覧アプリケーション画面20にJR東日本の総武線を通行する列車を写した画像が表示される。
【0032】
すなわち、CPU13は、列車の画像30a〜30dと列車の階層化された「型番」、「路線」といった複数の所定情報とが関連付けられたデータベース5を参照して、指定された所定情報に関連付けられた列車の画像の中からチェックボックスで指定された階層の所定情報に関連付けられた列車の画像の絞り込みを上述したフィルタリング手順により行う。なお、上述したグループ分類のための項目は実際には多岐にわたり、上述した「型番」、「路線」以外の他のグループ分類の多数の項目が利用者により選択可能な態様でモニタ11に表示される。
【0033】
また、図5に示す操作パネル40のソートボタン43を利用者がクリックすると、不図示のソート種別選択可能なメニュー項目がモニタ11に表示される。このメニュー項目で「路線名」を利用者が選択した場合、その「路線名」の路線の位置情報に基づいて、例えば路線の緯度が高い順番にソートされて、列車の画像30a〜30dが画像閲覧アプリケーション画面20に表示される。なお、ツールチップなどで路線名を画面上に表示させ、この路線名を押すと、上述したソートを実行するようにしてもよい。また、上記のメニュー項目で「列車型名」を選択した場合、選択した列車型名のアルファベットおよび数字順で列車の画像30a〜30dが画像閲覧アプリケーション画面20に表示される。すなわち、CPU13は、列車の画像30a〜30dと列車の路線名や列車型名といった複数の所定情報とが関連付けられたデータベース5を参照して、指定された所定情報に関連付けられた列車の画像30a〜30dを指定された規則に従って上述したソート手順によりソートする。
【0034】
また、本実施形態では、複数の利用者が、ネットワーク3を介して、サーバ4およびデータベース5にアクセス可能であり、データベース5に記憶されている所定情報をネットワーク3を介して所定の編集処理手順により編集できる。この編集により、貨物列車や回送列車が定期に運行される、またはそれが予想される情報などをデータベース5の時刻表7に加えることができる。
【0035】
このような本実施形態による画像表示制御方法によれば、列車の画像30a〜30dに付加された撮影地および撮影日時を含む撮影情報が図4、S3、S4の取得手順により取得され、取得された撮影情報に基づいて、所定地を所定日時に通過する列車の識別情報を記憶しているデータベース5がS3、S4で検索されて、取得された撮影地を取得された撮影日時に通過する列車名がS3、S4またはS9〜S11の特定手順により特定される。特定された列車名はS6またはS12の識別情報表示手順によりモニタ11に表示される。このため、列車の画像30a〜30dから特定された列車名がモニタ11に図9に示すように表示され、撮影された列車の画像30a〜30dからその列車名を確認することができる。従って、列車の画像30a〜30dからその列車名を簡単に自動的に確認することができる画像表示制御方法及びこれをコンピュータに実行させるためのプログラム並びにこのプログラムを記録した記録媒体が提供される。
【0036】
また、本実施形態による画像表示制御方法によれば、列車の遅延情報といった運行日時変更情報に基づいてデータベース5に記憶されている時刻表7の所定日時が前述した補正検索手順により補正されて検索される。このため、例えば、列車が遅延した場合に、画像30a〜30dに付加された撮影地および撮影日時に基づいて、データベース5に記憶されている時刻表7のデータだけから、画像30a〜30dに写された列車名を特定することが不可能な場合でも、列車の遅延情報に基づいてデータベース5に記憶されている時刻表7の所定日時を補正して検索することにより、列車名を特定することができる。
【0037】
また、本実施形態による画像表示制御方法によれば、列車の画像30a〜30dと列車の路線名や列車型番といった複数の所定情報とが関連付けられたデータベース5が参照されて、指定された所定情報に関連付けられた列車の画像30a〜30dが、指定された規則に従って前述したソート手順によりソートされ、ソートされた順番にモニタ11に表示される。このため、所望の順番に画像30a〜30dを並び替えてモニタ11に表示できるため、モニタ11に表示される画像30a〜30dが見やすくなる。
【0038】
また、本実施形態による画像表示制御方法によれば、列車の画像30a〜30dと列車の階層化された「型番」、「路線」といった複数の所定情報とが関連付けられたデータベース5が参照されて、指定された所定情報に関連付けられた列車の画像30a〜30dの中から、指定された階層の所定情報に関連付けられた列車の画像30a〜30dの絞り込みが前述したフィルタリング手順により行われ、絞り込まれた列車の画像30a〜30dがモニタ11に表示される。このため、モニタ11に表示される画像30a〜30dの数が多い場合でも、フィルタリング手順により、所望の条件に適合した画像30a〜30dのみを限定してモニタ11に表示できるので、所望の列車の画像30a〜30dを見つけることが容易になる。
【0039】
また、本実施形態による画像表示制御方法によれば、前述した編集処理手順により、データベース5がネットワーク3を介して複数の者によって編集される。このため、一人では取得困難なマニアな情報などを、複数の者の協力により、容易にデータベース5に追加することができ、また、このデータベース5を用いて列車名を特定する検索機能が向上する。
【0040】
なお、列車名を特定する際、CPU13が、列車の画像30a〜30dが有する文字で表された列車名を文字認識して、文字認識した識別情報を列車名の特定に用いる構成にしてもよい。この構成によれば、列車の画像30a〜30dが有する文字で表された列車名が文字認識されて、文字認識された識別情報が列車名の特定に用いられる。このため、例えば、画像30a〜30dに写された、列車の先頭にヘッドマークとして文字掲示されている列車名や列車番号等のような識別情報を文字認識することにより、列車名を特定する際の確度が向上する。
【0041】
また、列車名を特定する際、CPU13が、列車が通る乗降場を示す文字で表された乗降場情報を画像30a〜30dから文字認識して、文字認識した乗降場情報を列車名の特定に用いる構成にしてもよい。この構成によれば、列車が通る乗降場を示す文字で表された乗降場情報が画像30a〜30dから文字認識されて、文字認識された乗降場情報が列車名の特定に用いられる。このため、例えば、画像30a〜30dに写された、列車の駅に表示されている番線表示等のような乗降場情報を文字認識することにより、列車名を特定する際の確度が向上する。なお、列車の駅に表示されている番線表示と路線名とを関連づけた対応データベースを用意しておき、これを参照して、列車名を特定してもよい。
【0042】
また、列車名を特定する際、CPU13が、列車の進行方向に特有の外観の特徴を画像30a〜30dから画像認識して、画像認識した外観の特徴を列車名の特定に用いる構成にしてもよい。この構成によれば、列車の進行方向に特有の外観の特徴が画像30a〜30dから画像認識されて、画像認識された外観の特徴が列車名の特定に用いられる。このため、例えば、列車の最後尾で点灯しているテールランプ等のような外観の特徴を画像30a〜30dから画像認識することにより、列車の進行方向、例えば上りや下りが判明するため、列車名を特定する際の確度が向上する。
【0043】
また、列車名を特定する際、CPU13が、図4、S3、S4の取得手順で、列車の画像30a〜30dにExif情報として付加された列車の動きの予測を示す動体予測情報を取得し、特定手順で、取得された動体予測情報を列車名の特定に用いる構成にしてもよい。この構成によれば、取得手順により取得された動体予測情報が列車名の特定に用いられる。このため、例えば、デジタルカメラなどに搭載された動体の動き予測機能によって取得された列車の進行方向の動体予測情報により、列車の進行方向が判明するため、列車名を特定する際の確度が向上する。
【0044】
また、カメラ1で撮影した画像ファイルを保存、閲覧のためにパソコン2に転送する際、またはパソコン2に保存された画像ファイルをサーバ4へアップロードする際、画像ファイルにExif情報として付加された撮影地(緯度、経度、方位)および撮影日時に基づいて、画像に写された列車の識別情報の検索を行って各画像に写された列車名等を特定し、この識別情報を各画像ファイルのExif情報に付加する構成にしてもよい。
【0045】
また、駅間を通過する列車の画像に付加された撮影地および撮影日時に基づいて、データベース5を検索し、時刻表から駅間を通過する列車の通過時刻を補完して、取得した撮影地および取得した撮影日時に駅間を通過する列車名等の識別情報を特定してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0046】
上記実施形態においては、交通手段は、列車であったが、航空機、バス、船舶などでもよい。この際、交通手段の識別情報は、交通手段が航空機である場合、便名であり、交通手段がバスである場合、バス名または系統番号であり、交通手段が船舶である場合、航路名または船舶名となる。また、上記実施形態においては、本発明の画像表示制御方法をパソコン2に適用した場合について説明したが、ビデオカメラや、携帯電話機等に内蔵されるカメラ等のその他の画像を表示させる電子機器にも適用することが可能である。このような電子機器に本発明を適用した場合においても、上記実施形態と同様な作用効果が奏される。
【符号の説明】
【0047】
1…カメラ
2…パソコン
3…ネットワーク
4…サーバ
5…データベース
11…モニタ
12…表示制御部
13…CPU
14…ハードディスク
30a〜30d…画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交通手段の画像を表示手段に表示させる画像表示手順と、
前記交通手段の画像に付加された撮影地および撮影日時を含む撮影情報を取得する取得手順と、
前記取得手順により取得された前記撮影情報に基づいて、所定地を所定日時に通過する前記交通手段の識別情報を記憶している第1データベースを検索し、前記撮影地を前記撮影日時に通過する前記交通手段の識別情報を特定する特定手順と、
前記特定手順により特定された前記交通手段の識別情報を前記表示手段に表示させる識別情報表示手順と
からなる画像表示制御方法。
【請求項2】
交通手段の画像を表示手段に表示させる画像表示手順と、
前記交通手段の画像に付加された撮影地および撮影日時を含む撮影情報を取得する取得手順と、
前記取得手順により取得された前記撮影情報に基づいて、所定地を所定日時に通過する前記交通手段の識別情報を記憶している第1データベースを検索し、前記撮影地を前記撮影日時に通過する前記交通手段の識別情報を特定する特定手順と、
前記特定手順により特定された前記交通手段の識別情報を前記表示手段に表示させる識別情報表示手順と
をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項3】
交通手段の画像を表示手段に表示させる画像表示手順と、
前記交通手段の画像に付加された撮影地および撮影日時を含む撮影情報を取得する取得手順と、
前記取得手順により取得された前記撮影情報に基づいて、所定地を所定日時に通過する前記交通手段の識別情報を記憶している第1データベースを検索し、前記撮影地を前記撮影日時に通過する前記交通手段の識別情報を特定する特定手順と、
前記特定手順により特定された前記交通手段の識別情報を前記表示手段に表示させる識別情報表示手順と
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項4】
請求項3に記載のプログラムにおいて、
前記特定手順で、前記交通手段の画像が有する文字で表された前記交通手段の識別情報を文字認識して、文字認識した識別情報を前記交通手段の識別情報の特定に用いることを特徴とするプログラム。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載のプログラムにおいて、
前記特定手順で、前記交通手段が通る乗降場を示す文字で表された乗降場情報を画像から文字認識して、文字認識した乗降場情報を前記交通手段の識別情報の特定に用いることを特徴とするプログラム。
【請求項6】
請求項3から請求項5のいずれか1項に記載のプログラムにおいて、
前記特定手順で、前記交通手段の進行方向に特有の外観の特徴を画像から画像認識して、画像認識した外観の特徴を前記交通手段の識別情報の特定に用いることを特徴とするプログラム。
【請求項7】
請求項3から請求項6のいずれか1項に記載のプログラムにおいて、
前記取得手順で、前記交通手段の画像に付加された前記交通手段の動きの予測を示す動体予測情報を取得し、
前記特定手順で、前記取得手順により取得された動体予測情報を前記交通手段の識別情報の特定に用いることを特徴とするプログラム。
【請求項8】
請求項3から請求項7のいずれか1項に記載のプログラムにおいて、
前記交通手段の運行日時変更情報に基づいて前記第1データベースに記憶されている前記所定日時を補正して検索する補正検索手順を備えることを特徴とするプログラム。
【請求項9】
請求項3から請求項8のいずれか1項に記載のプログラムにおいて、
前記交通手段の画像と前記交通手段の複数の所定情報とが関連付けられた第2データベースを参照して、指定された前記所定情報に関連付けられた前記交通手段の画像を指定された規則に従ってソートするソート手順を備え、
前記画像表示手順で、前記ソート手順によってソートされた順番に前記交通手段の画像を前記表示手段に表示させることを特徴とするプログラム。
【請求項10】
請求項3から請求項9のいずれか1項に記載のプログラムにおいて、
前記交通手段の画像と前記交通手段の階層化された複数の所定情報とが関連付けられた第2データベースを参照して、指定された前記所定情報に関連付けられた前記交通手段の画像の中から指定された階層の前記所定情報に関連付けられた前記交通手段の画像の絞り込みを行うフィルタリング手順を備え、
前記画像表示手順で、前記フィルタリング手順によって絞り込まれた前記交通手段の画像を前記表示手段に表示させることを特徴とするプログラム。
【請求項11】
請求項9または請求項10に記載のプログラムにおいて、
前記第2データベースをネットワークを介して複数の者によって編集する編集処理手順を備えることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−229055(P2011−229055A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−98590(P2010−98590)
【出願日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】