説明

画像表示装置、画像表示装置の画像明度補正方法、シャッタメガネ装置およびシャッタメガネ装置の画像明度補正方法

【課題】速い動きを伴う動画に対する追従視の際に、同時視における立体融合位置に乖離が発生することを抑制する。
【解決手段】3D信号処理部114は、視差を有する同時刻の左眼画像、右眼画像を表示する左眼画像信号SL、右眼画像信号SRの対を、順次生成する。輝度補正部115は、3D信号処理部114で得られる左眼画像信号SLおよび右眼画像信号SRの双方またはいずれか一方の輝度値を、連続する各一対の第1の期間および第2の期間で画像表示部に表示される左眼画像および右眼画像の明度が、右眼画像の明度に比べて左眼画像の明度が低くなるように補正する。プルフリッヒ効果に基づき、時間的に先に表示される左眼画像の知覚時間が、時間的に遅く表示される右眼画像の知覚時間より遅くなる。従って、追従視の際に、同時視における立体融合位置に乖離が発生することを抑制でき、観視者に良好な立体画像を知覚させることが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像表示装置、画像表示装置の画像明度補正方法、シャッタメガネ装置およびシャッタメガネ装置の画像明度補正方法に関し、特に、観視者に立体画像を知覚させるために視差を有する左眼画像および右眼画像を交互に表示する画像表示装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、観視者に立体画像を知覚させるために視差を有する左眼画像および右眼画像を所定の表示周期で交互に表示し、左眼シャッタおよび右眼シャッタを有するシャッタメガネ装置を通して観視させることで、観視者に立体画像を知覚させることが知られている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
【0003】
また、従来、点滅による刺激に対して、明度が高いほど知覚時間が早く、明度が低い程知覚時間が遅いことが知られている(プルフリッヒ効果)。また、従来、このプルフリッヒ効果に基づき、左眼で観視可能な第1の画像と右眼で観視可能な第2の画像との明度を異ならせることで、立体視を可能とすることが知られている(例えば、特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−232249号公報
【特許文献2】特開2009−031523号公報
【特許文献3】特開2008−252731号公報
【特許文献4】特開2004−229881号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように視差を有する左眼画像および右眼画像を所定の表示周期で交互に表示する立体画像表示装置において、連続する各一対の左眼画像および右眼画像が、同時刻に撮影された画像、もしくは、同時刻の状態を示すCG(Computer Graphics)による画像である場合が考えられる。この場合、左眼画像および右眼画像の観視者への呈示時刻が異なることから、速い動きを伴う動画に対して追従視を行うと、同時視における立体融合位置に乖離が発生し、立体視を阻害する要因となる。
【0006】
この発明の目的は、速い動きを伴う動画に対する追従視の際に、同時視における立体融合位置に乖離が発生することを抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の概念は、
画像表示部と、
第1の期間および第2の期間が交互に連続し、該連続する各一対の第1の期間および第2の期間で、それぞれ、上記画像表示部に、同時刻の視差を有する左眼画像および右眼画像の一方の画像および他方の画像を表示する表示制御部と、
上記連続する各一対の第1の期間および第2の期間で上記画像表示部に表示される上記一方の画像および上記他方の画像の明度を、上記他方の画像の明度に比べて上記一方の画像の明度が低くなるように補正する明度補正部と
を備える画像表示装置にある。
【0008】
この発明において、表示制御部により、画像表示部に、左眼画像および右眼画像が交互に表示される。この場合、第1の期間および第2の期間が交互に連続し、連続する各一対の第1の期間および第2の期間で、それぞれ、視差を有する同時刻の左眼画像および右眼画像の一方の画像および他方の画像が表示される。第1、第2の期間は、それぞれ、例えば1フレーム、2フレーム等の所定数のフレーム期間である。
【0009】
明度補正部により、連続する各一対の第1の期間および第2の期間で画像表示部に表示される一方の画像および他方の画像の明度が、他方の画像の明度に比べて一方の画像の明度が低くなるように補正される。すなわち、時間的に先に表示される一方の画像の明度が、後に表示される他方の画像の明度より低くされる。
【0010】
この発明において、例えば、明度補正部は、左眼画像を表示するための左眼画像信号および右眼画像を表示するための右眼画像信号の双方またはいずれか一方の輝度値を補正する、ようにされる。
【0011】
この場合、例えば、明度補正部は、左眼画像信号の平均輝度値および右眼画像信号の平均輝度値を算出する平均輝度値算出部と、この平均輝度値算出部で算出された平均輝度値と左眼画像および右眼画像の表示周期とのいずれかまたは双方に基づいて、左眼画像信号および右眼画像信号の双方またはいずれか一方の輝度値の補正信号を決定する補正信号決定部と、この補正信号決定部で決定された補正信号を用いて、左眼画像信号および右眼画像信号の双方またはいずれか一方の輝度値を補正する画像信号処理部とを有する、ようにされる。
【0012】
また、この場合、例えば、左眼画像信号に基づいて左眼画像の動き領域を検出すると共に、右眼画像信号に基づいて右眼画像の動き領域を検出する動き領域検出部を、さらに備え、左眼画像信号のうち動き領域検出部で検出された左眼画像の動き領域に対応した信号および右眼画像信号のうち動き領域検出部で検出された右眼画像の動き領域に対応した信号の双方またはいずれか一方の輝度値を補正する、ようにされる。
【0013】
そして、この場合、例えば、明度補正部は、左眼画像信号のうち動き領域に対応した信号の平均輝度値および右眼画像信号のうち動き領域に対応した信号の平均輝度値を算出する平均輝度値算出部と、平均輝度値算出部で算出された平均輝度値と左眼画像および右眼画像の表示周期とのいずれかまたは双方に基づいて、左眼画像信号のうち動き領域に対応した信号および右眼画像信号のうち動き領域に対応した信号の双方またはいずれか一方の輝度値の補正信号を決定する補正信号決定部と、補正信号決定部で決定された補正信号を用いて、左眼画像信号のうち動き領域に対応した信号および右眼画像信号のうち動き領域に対応した信号の双方またはいずれか一方の輝度値を補正する画像信号処理部とを有する、ようにされる。
【0014】
さらに、この場合、例えば、動き領域検出部は、左眼画像の動き領域と共にこの左眼画像の動き領域の動き量を検出すると共に、右眼画像の動き領域と共にこの右眼画像の動き領域の動き量を検出し、補正信号決定部は、平均輝度値算出部で算出された平均輝度値と左眼画像および右眼画像の表示周期とのいずれかまたは双方と共に、さらに、動き領域検出部で検出された動き量に基づいて、左眼画像信号のうち動き領域に対応した信号および右眼画像信号のうち動き領域に対応した信号の双方またはいずれか一方の輝度値の補正信号を決定する、ようにされる。
【0015】
また、この場合、例えば、明度補正部は、ユーザ操作に基づいて、左眼画像信号および右眼画像信号の双方またはいずれか一方の輝度値の補正信号を発生する補正信号発生部と、この補正信号発生部で発生された補正信号を用いて、左眼画像信号および右眼画像信号の双方またはいずれか一方の輝度値を補正する画像信号処理部とを有する、ようにされる。
【0016】
また、この発明において、例えば、画像表示部は、液晶表示パネルおよびバックライトにより構成され、明度補正部は、左眼画像および右眼画像の双方またはいずれか一方が表示されるタイミングでバックライトの明るさを補正する、ようにされる。
【0017】
この場合、例えば、明度補正部は、左眼画像信号の平均輝度値および右眼画像信号の平均輝度値を算出する平均輝度値算出部と、この平均輝度値算出部で算出された平均輝度値と左眼画像および右眼画像の表示周期とのいずれかまたは双方に基づいて、左眼画像および右眼画像の双方またはいずれか一方の明度の補正信号を決定する補正信号決定部とを有し、この補正信号決定部で決定された補正信号を用いて、左眼画像および右眼画像の双方またはいずれか一方が表示されるタイミングでバックライトの明るさを補正する、ようにされる。
【0018】
また、この場合、例えば、ユーザ操作に基づいて、左眼画像および右眼画像の双方またはいずれか一方の明度の補正信号を発生する補正信号発生部を有し、この補正信号発生部で発生された補正信号を用いて、左眼画像および右眼画像の双方またはいずれか一方が表示されるタイミングでバックライトの明るさを補正する、ようにされる。
【0019】
このように、この発明においては、連続する各一対の第1の期間および第2の期間で画像表示部に表示される一方の画像および他方の画像の明度が、他方の画像の明度に比べて一方の画像の明度が低くなるように補正される。そのため、プルフリッヒ効果に基づき、時間的に先に表示される一方の画像の知覚時間が、時間的に遅く表示される他方の画像の知覚時間より遅くなる。従って、速い動きを伴う動画に対する追従視の際に、同時視における立体融合位置に乖離が発生することを抑制でき、観視者に良好な立体画像を知覚させることが可能となる。また、この場合、動きのある領域(動き領域)の明度のみを補正し、静止している領域(静止領域)の明度は補正しないことで、無用なフリッカの発生を抑制することが可能となる。
【0020】
また、この発明の他の概念は、
左眼シャッタと右眼シャッタを有するシャッタメガネ部と、
第1の期間および第2の期間が交互に連続し、該連続する各一対の第1の期間および第2の期間で、それぞれ、画像表示部に、視差を有する同時刻の左眼画像および右眼画像の一方の画像および他方の画像を表示する画像表示装置から送信されてくる上記左眼画像および上記右眼画像の表示タイミングを示すシャッタ制御信号を受信する受信部と、
上記受信部で受信されたシャッタ制御信号に基づいて、上記画像表示部に左眼画像が表示されるタイミングで上記シャッタメガネ部の左眼シャッタを開き、上記画像表示部に右眼画像が表示されるタイミングで上記シャッタメガネ部の右眼シャッタを開くシャッタ駆動部と、
上記連続する各一対の第1の期間および第2の期間で上記画像表示部に表示され、上記シャッタメガネ部を通じて観視される上記一方の画像および上記他方の画像の明度を、上記他方の画像の明度に比べて上記一方の画像の明度が低くなるように補正する明度補正部と
を備えるシャッタメガネ装置にある。
【0021】
この発明においては、受信部により、左眼画像および右眼画像の表示タイミングを示すシャッタ制御信号が受信される。このシャッタ制御信号は、第1の期間および第2の期間が交互に連続し、この連続する各一対の第1の期間および第2の期間で、それぞれ、画像表示部に、視差を有する同時刻の左眼画像および右眼画像の一方の画像および他方の画像が表示される画像表示装置から送信されてくる。第1、第2の期間は、それぞれ、例えば1フレーム、2フレーム等の所定数のフレーム期間である。
【0022】
シャッタ駆動部により、シャッタ制御信号に基づいて、画像表示部に左眼画像が表示されるタイミングでシャッタメガネ部の左眼シャッタが開かれ、画像表示部に右眼画像が表示されるタイミングでシャッタメガネ部の右眼シャッタが開かれる。これにより、観視者は、シャッタメガネ部が介在されることで、左眼で左眼画像のみの知覚が可能となり、右眼で右眼画像のみの知覚が可能となる。
【0023】
明度補正部により、連続する各一対の第1の期間および第2の期間で画像表示部に表示され、シャッタメガネ部を通じて観視される一方の画像および他方の画像の明度が、他方の画像の明度に比べて一方の画像の明度が低くなるように補正される。すなわち、時間的に先に表示される一方の画像の明度が、後に表示される他方の画像の明度より低くされる。この明度の補正は、例えば、シャッタメガネ部の左眼シャッタおよび右眼シャッタの双方またはいずれか一方の開いている時間が変更されること、あるいは、シャッタメガネ部の左眼シャッタおよび右眼シャッタの双方またはいずれか一方の透過率が変更されることで行われる。
【0024】
この発明において、例えば、受信部は、さらに、画像表示装置から送信されてくる一方の画像および他方の画像の双方またはいずれか一方の明度を補正する補正信号を受信し、明度補正部は、受信部で受信された補正信号に基づいて、一方の画像および他方の画像の双方またはいずれか一方の明度を補正する、ようにされる。また、この発明において、例えば、明度補正部は、ユーザ操作に基づいて、一方の画像および他方の画像の双方またはいずれか一方の明度を補正する、ようにされる。
【0025】
このように、この発明においては、連続する各一対の第1の期間および第2の期間で画像表示部に表示され、シャッタメガネ部を通じて観視される一方の画像および他方の画像の明度が、他方の画像の明度に比べて一方の画像の明度が低くなるように補正される。そのため、プルフリッヒ効果に基づき、時間的に先に表示される一方の画像の知覚時間が、時間的に遅く表示される他方の画像の知覚時間より遅くなる。従って、速い動きを伴う動画に対する追従視の際に、同時視における立体融合位置に乖離が発生することを抑制でき、観視者に良好な立体画像を知覚させることが可能となる。
【発明の効果】
【0026】
この発明によれば、連続する各一対の第1の期間および第2の期間で画像表示部に表示される一方の画像および他方の画像の明度が、他方の画像の明度に比べて一方の画像の明度が低くなるように補正されるものであり、速い動きを伴う動画に対する追従視の際に、同時視における立体融合位置に乖離が発生することを抑制でき、観視者に良好な立体画像を知覚させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】この発明の第1の実施の形態としての画像表示観察システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】画像表示観察システムの動作を模式的に示す図である。
【図3】テレビ放送信号における立体画像データの伝送方式のうち、「Top & Bottom」方式、「Side By Side」方式、「Frame Sequential」方式を示す図である。
【図4】HDMIにおける立体画像データのTMDS伝送データ構造(3D Video Format)のうち、「Frame packing」方式を示す図である。
【図5】画像表示観察システムを構成するシャッタメガネ装置の構成例を示すブロック図である。
【図6】画像表示観察システムを構成する画像表示装置の輝度補正部の構成例を示すブロック図である。
【図7】画像表示観察システムを構成する画像表示装置の輝度補正部の他の構成例を示すブロック図である。
【図8】画像表示観察システムを構成する画像表示装置の輝度補正部の他の構成例を示すブロック図である。
【図9】画像表示観察システムを構成する画像表示装置の輝度補正部の他の構成例を示すブロック図である。
【図10】画像表示観察システムを構成する画像表示装置の輝度補正部の他の構成例を示すブロック図である。
【図11】画像表示観察システムを構成する画像表示装置の輝度補正部の他の構成例を示すブロック図である。
【図12】この発明の第2の実施の形態としての画像表示観察システムの構成例を示すブロック図である。
【図13】この発明の第3の実施の形態としての画像表示観察システムの構成例を示すブロック図である。
【図14】この発明の第4の実施の形態としての画像表示観察システムの構成例を示すブロック図である。
【図15】画像表示観察システムを構成するシャッタメガネ装置の他の構成例を示すブロック図である。
【図16】画像表示観察システムを構成するシャッタメガネ装置の他の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」とする)について説明する。なお、説明を以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態
2.第2の実施の形態
3.第3の実施の形態
4.第4の実施の形態
5.変形例
【0029】
<1.第1の実施の形態>
[画像表示観察システムの構成例]
図1は、第1の実施の形態としての画像表示観察システム10の構成例を示している。この画像表示観察システム10は、画像表示装置100と、シャッタメガネ装置200とを備える。画像表示装置100では、第1の期間および第2の期間が交互に連続し、この連続する各一対の第1の期間および第2の期間で、それぞれ、視差を有する同時刻の左眼画像および右眼画像の一方の画像および他方の画像が表示される。この実施の形態では、例えば、一方の画像は左眼画像とされ、他方の画像は右眼画像とされる。また、第1、第2の期間は、それぞれ、例えば1フレーム、2フレームなどの所定数のフレーム期間である。
【0030】
図2は、図1に示す画像表示観察システム10の動作を模式的に示している。シャッタメガネ装置200では、画像表示装置100に左眼画像Lが表示されるタイミングで左眼シャッタ200Lが開かれ、右眼画像Rが表示されるタイミングで右眼シャッタ200Rが開かれる。そのため、観視者は、このシャッタメガネ装置200を装着することで、左眼で左眼画像Lのみの知覚が可能となり、右眼で右眼画像Rのみの知覚が可能となる。これにより、観視者は、視差を有する左眼画像Lおよび右眼画像Rに基づいて、画像を立体的に認識可能となる。
【0031】
画像表示装置100の構成について説明する。この画像表示装置100は、CPU101と、フラッシュROM102と、DRAM103と、内部バス104と、リモコン受信部105と、リモコン送信機106を有している。また、この画像表示装置100は、アンテナ端子111と、デジタルチューナ112と、ビットストリーム処理部113と、3D信号処理部114を有している。
【0032】
また、この画像表示装置100は、輝度補正部115と、映像信号制御部116と、LCD(Liquid Crystal Display)駆動部117と、LCDパネル118と、バックライト119を有している。また、この画像表示装置100は、音声信号処理回路120と、音声増幅回路121と、スピーカ122を有している。また、この画像表示装置100は、HDMI端子123と、HDMI受信部124と、シャッタ制御部125と、赤外線(IR)発光部126を有している。LCDパネル118およびバックライト119は、画像表示部を構成している。
【0033】
CPU101は、画像表示装置100の各部の動作を制御する。フラッシュROM102は、制御ソフトウェアの格納およびデータの保管を行う。DRAM103は、CPU101のワークエリアを構成する。CPU101は、フラッシュROM102から読み出したソフトウェアやデータをDRAM103上に展開してソフトウェアを起動させ、画像表示装置100の各部を制御する。
【0034】
リモコン受信部105は、リモコン送信機106から送信されたリモートコントロール信号(リモコンコード)を受信し、CPU101に供給する。CPU101は、このリモコンコードに基づいて、画像表示装置100の各部を制御する。CPU101、フラッシュROM102およびDRAM103は、内部バス104により、互いに接続されている。
【0035】
アンテナ端子111は、受信アンテナ(図示せず)で受信されたテレビ放送信号を入力する端子である。デジタルチューナ112は、アンテナ端子111に入力されたテレビ放送信号を処理して、ユーザの選択チャネルに対応した所定のビットストリームデータを出力する。ビットストリーム処理部113は、ビットストリームデータから立体画像データ(左眼画像データ、右眼画像データ)、音声データなどを抽出する。
【0036】
HDMI(High Definition Multimedia Interface)受信部124は、HDMIに準拠した通信により、HDMI端子123に供給される非圧縮の立体画像データおよび音声データを受信する。HDMI端子123には、例えば、ディスレコーダ、ディスクプレーヤ、セットトップボックス、ゲーム機などのHDMIソース機器が、HDMIケーブルを介して接続される。画像表示装置100は、HDMIシンク機器である。
【0037】
3D信号処理部114は、HDMI受信部124で受信された立体画像データに対して、伝送方式に対応したデコード処理を行って、左眼画像信号(左眼画像データ)SLおよび右眼画像信号(右眼画像データ)SRを生成する。あるいは、この3D信号処理部は、ビットストリーム処理部113で得られた立体画像データに対して、伝送方式に対応したデコード処理を行って、左眼画像信号(左眼画像データ)SLおよび右眼画像信号(右眼画像データ)SRを生成する。この場合、3D信号処理部114は、視差を有する同時刻(同一タイミング)の左眼画像および右眼画像を表示する左眼画像信号SLおよび右眼画像信号SRの対を、順次生成する。
【0038】
例えば、各対の左眼画像信号SLおよび右眼画像信号SRは、左眼画像および右眼画像を同じタイミングで撮影して得られたものである。また、例えば、各対の左眼画像信号SLおよび右眼画像信号SRは、ゲーム機において、同時刻(同一タイミング)となるように生成されたものである。
【0039】
テレビ放送信号における立体画像データの伝送方式には、例えば、「Top & Bottom」方式、「Side By Side」方式、「Frame Sequential」方式などがある。図3(a)は、「Top &Bottom」方式を示している。この方式は、垂直方向の前半では左眼画像データの各ラインのデータを伝送し、垂直方向の後半では左眼画像データの各ラインのデータを伝送する方式である。左眼画像データおよび右眼画像データのラインが1/2に間引かれることから原信号に対して垂直解像度は半分となる。
【0040】
図3(b)は、「Side By Side」方式を示している。この方式は、水平方向の前半では左眼画像データのピクセルデータを伝送し、水平方向の後半では右眼画像データのピクセルデータを伝送する方式である。左眼画像データおよび右眼画像データは、それぞれ、水平方向のピクセルデータが1/2に間引かれる。現信号に対して、水平解像度は半分となる。図3(c)は、「Frame Sequential」方式を示している。この方式は、左眼画像データと右眼画像データとをフィールド毎に順次切換えて伝送する方式である。
【0041】
また、HDMIにおける立体画像データのTMDS伝送データ構造(3D Video Format)には、例えば、「Frame packing」方式、「Line alternative」方式、「Side-by-Side」方式などがある。図4は、「Frame packing」方式を示している。
【0042】
輝度補正部115は、3D信号処理部114で得られる左眼画像信号SLおよび右眼画像信号SRの双方またはいずれか一方の輝度値を補正する。この輝度補正部115は、画像信号の輝度値を補正することで、上述したように連続する各一対の第1の期間および第2の期間で画像表示部に表示される左眼画像および右眼画像の明度を、右眼画像の明度に比べて左眼画像の明度が低くなるように補正する。この輝度補正部115の詳細については後述する。
【0043】
映像信号制御部116は、画像表示部(LCDパネル118)に、左眼画像Lおよび右眼画像Rを所定数のフレーム毎に交互に表示させるため、左眼画像信号および右眼画像信号を、LCD駆動部117に、所定数のフレームずつ交互に出力する。ここで、所定数のフレームとは、例えば、1フレーム、2フレーム等である。LCD駆動部117は、映像信号制御部116からの左眼画像信号および右眼画像信号に基づいて、LCDパネル118を駆動する。そして、このLCD駆動部117は、LCDパネル118とバックライト119とからなる画像表示部に、左眼画像Lおよび右眼画像Rを所定数のフレーム毎に交互に表示させる。
【0044】
音声信号処理回路120は、HDMI受信部124で受信された、あるいはビットストリーム処理部113で得られた音声データに対してD/A変換等の必要な処理を行う。音声増幅回路121は、音声信号処理回路120から出力される音声信号を増幅してスピーカ122に供給する。
【0045】
シャッタ制御部125は、映像信号制御部116から供給される左眼画像および右眼画像の表示タイミングを示すタイミング信号に基づいて、駆動信号を赤外線発光部126に送る。赤外線発光部126は、駆動信号に応じて発光し、左眼画像および右眼画像の表示タイミングを示すシャッタ制御信号Cshを、赤外線信号として、出力する。
【0046】
画像表示装置100の動作を説明する。アンテナ端子111に入力されたテレビ放送信号はデジタルチューナ112に供給される。このデジタルチューナ112では、テレビ放送信号が処理されて、ユーザの選択チャネルに対応した所定のビットストリームデータが得られる。
【0047】
デジタルチューナ112から出力されるビットストリームデータは、ビットストリーム処理部113に供給される。このビットストリーム処理部113では、ビットストリームデータから立体画像データ(左眼画像データ、右眼画像データ)、音声データなどが抽出される。ビットストリーム処理部113で抽出される立体画像データは、3D信号処理部114に供給される。また、ビットストリーム処理部113で抽出される音声データは、音声信号処理回路120に供給される。
【0048】
また、HDMI受信部124では、HDMI端子123に図示しないHDMIソース機器から送信されてくる、立体画像データおよび音声データが受信される。このHDMI受信部124で受信された立体画像データは、3D信号処理部114に供給される。また、このHDMI受信部124で受信された音声データは、音声信号処理回路120に供給される。
【0049】
3D信号処理部114では、ビットストリーム処理部113で得られた、あるいはHDMI受信部124で受信された立体画像データに対して、伝送方式に対応した処理(デコード処理)が行われて、左眼画像信号SLおよび右眼画像信号SRが生成される。この場合、視差を有する同時刻(同一タイミング)の左眼画像および右眼画像を表示する左眼画像信号SLおよび右眼画像信号SRの対が、順次生成される。この左眼画像信号SLおよび右眼画像信号SRの各対は、輝度補正部115に、順次供給される。
【0050】
輝度補正部115では、3D信号処理部114で得られる左眼画像信号SLおよび右眼画像信号SRの双方またはいずれか一方の輝度値が補正される。この場合、上述したように連続する各一対の第1の期間および第2の期間で画像表示部に表示される左眼画像および右眼画像の明度が、右眼画像の明度に比べて左眼画像の明度が低くなるように補正される。この輝度値補正後の左眼画像信号および右眼画像信号は、映像信号制御部116に供給される。
【0051】
映像信号制御部116では、画像表示部(LCDパネル118)に、左眼画像Lおよび右眼画像Rを所定数のフレーム毎に交互に表示させるため、左眼画像信号および右眼画像信号を、LCD駆動部117に、所定数のフレームずつ交互に出力することが行われる。そして、LCD駆動部117により、映像信号制御部116からの左眼画像信号および右眼画像信号に基づいて、LCDパネル118が駆動され、画像表示部に、左眼画像Lおよび右眼画像Rが所定数のフレーム毎に交互に表示される。
【0052】
また、音声信号処理回路120では、ビットストリーム処理部113で得られた、あるいはHDMI受信部124で受信された音声データに対して、D/A変換等の必要な処理が施される。この音声データは、音声増幅回路121で増幅された後に、スピーカ122に供給される。そのため、スピーカ122から、画像表示部に表示される画像に対応した音声が出力される。
【0053】
また、映像信号制御部116からシャッタ制御部125に、左眼画像および右眼画像の表示タイミングを示すタイミング信号が供給される。シャッタ制御部125では、このタイミング信号に基づいて、赤外線発光部126に駆動信号が送られる。赤外線発光部126では、駆動信号に応じて発光動作が行われ、左眼画像および右眼画像の表示タイミングを示すシャッタ制御信号Cshが赤外線信号として出力される。これにより、シャッタ制御信号(赤外線信号)Cshがシャッタメガネ装置200に送られる。
【0054】
シャッタメガネ装置200の構成について説明する。図5は、シャッタメガネ装置200の構成例を示している。このシャッタメガネ装置200は、左眼シャッタ200Lおよび右眼シャッタ200Rを含むシャッタメガネ部201と、赤外線受光部202と、シャッタ駆動部203を有している。赤外線受光部202は、受信部を構成している。
【0055】
左眼シャッタ200Lおよび右眼シャッタ200Rは、例えば、液晶シャッタで構成される。赤外線受光部202は、画像表示装置100から送信される、左眼画像および右眼画像の表示タイミングを示すシャッタ制御信号(赤外線信号)Cshを受信する。シャッタ駆動部203は、赤外線受光部202で受信されたシャッタ制御信号Cshに基づいて、シャッタメガネ部201の左眼シャッタ200Lおよび右眼シャッタ200Rを駆動する。
【0056】
すなわち、シャッタ駆動部203は、画像表示装置100の画像表示部(LCDパネル118)に左眼画像Lが表示されるタイミングで、左眼シャッタ200Lを開く。また、シャッタ駆動部203は、画像表示装置100の画像表示部(LCDパネル118)に右眼画像Rが表示されるタイミングで、右眼シャッタ200Rを開く。
【0057】
シャッタメガネ装置200の動作を説明する。赤外線受光部202では、画像表示装置100から送られてくる、左眼画像および右眼画像の表示タイミングを示すシャッタ制御信号(赤外線信号)Cshが受信される。このシャッタ制御信号Cshは、シャッタ駆動部203に供給される。
【0058】
シャッタ駆動部203では、シャッタ制御信号Cshに基づいて、シャッタメガネ部201を構成する左眼シャッタ200Lおよび右眼シャッタ200Rを駆動することが行われる。この場合、画像表示装置100の画像表示部(LCDパネル118)に左眼画像Lが表示されるタイミングで、左眼シャッタ200Lが開かれる。また、画像表示装置100の画像表示部(LCDパネル118)に右眼画像Rが表示されるタイミングで、右眼シャッタ200Rが開かれる。
【0059】
このようにシャッタメガネ装置200が動作することで、このシャッタメガネ装置200を装着した観視者は、左眼で左眼画像Lのみの知覚が可能となり、右眼で右眼画像Rのみの知覚が可能となる(図2参照)。そのため、観視者は、視差を有する左眼画像Lおよび右眼画像Rに基づいて、画像を立体的に認識可能となる。
【0060】
[輝度補正部の構成例]
図1に示す画像表示装置100の輝度補正部115の詳細を説明する。図6は、輝度補正部115の構成例を示している。この輝度補正部115は、APL(Average Picture Level:平均輝度値)算出部131L,131Rと、補正係数決定部132と、乗算部133L,133Rを有している。ここで、補正係数決定部132は補正信号決定部を構成し、乗算部133L,133Rは画像処理部を構成している。
【0061】
APL算出部131Lは、3D信号処理部(図1参照)から供給される左眼画像信号SLに基づいて、フレーム毎に、平均輝度値(APL)Lavを算出する。また、APL算出部131Rは、3D信号処理部(図1参照)から供給される右眼画像信号SRに基づいて、フレーム毎に、平均輝度値(APL)Ravを算出する。
【0062】
例えば、画像信号SL,SRが3原色信号からなる場合、APL算出部131L,131Rは、画素毎に3原色信号から輝度信号を求め、各画素の輝度信号の値(輝度値)から平均輝度値(APL)を求める。また、例えば、画像信号SL,SRが輝度信号および色差信号からなる場合、APL算出部131L,131Rは、画素毎の輝度信号の値(輝度値)から平均輝度値(APL)を求める。
【0063】
なお、APL算出部131L,131Rは、平均輝度値を求める際に、輝度値がピーク値にある画素を除くようにしてもよい。例えば、2台のカメラを使用して左眼画像、右眼画像をそれぞれ撮影する場合、片側だけにせん光が入ることがあるが、輝度値がピーク値にある画素を除いて平均輝度値を求めることで、その影響を抑制できる。
【0064】
補正係数決定部132は、APL算出部131L,131Rで算出された平均輝度値Lav,Rav、および表示周波数のいずれかまたは双方に基づいて、左眼画像信号SLおよび右眼画像信号SRの輝度値の補正係数AL,ARを決定する。ここで、表示周期は、左眼画像および右眼画像の表示周期であり、例えば、1/30秒、1/60秒、1/120秒などである。平均輝度値Lav,Ravの値の大きさにより、同一の輝度値の差を与えるための補正係数AL,ARの差は異なってくる。また、表示周期により、同一時刻に呈示されるべき左眼画像および右眼画像の実際の呈示時刻のずれがわかる。補正係数決定部132は、例えば、以下の工程で、補正係数AL,ARを決定する。
【0065】
まず、補正係数決定部132は、APL算出部131L,131Rで算出された平均輝度値Lav,Ravに基づいて、それぞれの平均輝度値Lav,Ravを等しくするための補正係数AL1,AR1を決定する。次に、補正係数決定部132は、連続する各一対の第1の期間および第2の期間で画像表示部に表示される左眼画像および右眼画像の明度を、右眼画像の明度に比べて左眼画像の明度が低くなるように補正するための補正係数AL2,AR2を決定する。この場合、補正係数決定部132は、APL算出部131L,131Rで算出された平均輝度値Lav,Rav、および表示周期のいずれかまたは双方に基づいて、補正係数AL2,AR2を決定する。
【0066】
この場合、補正係数決定部132は、先に表示される左眼画像Lの明度と後に表示される右眼画像Rとの間に、観視者がほぼ同じタイミングで知覚する程度の明度差が付くように、補正係数AL2,AR2を決定する。この場合の補正係数AL2,AR2は、AL2<AR2の関係になる。
【0067】
補正係数決定部132は、最終的に、補正係数ALをAL1×AL2に決定し、補正係数ARをAR1×AR2に決定する。なお、3D信号処理部114から出力される画像信号SL,SRの平均輝度値Lav,Ravが同じであることが保証されていれば、平均輝度値Lav,Ravを等しくするための補正係数AL1,AR1を決定する工程は不要となる。この場合、補正係数決定部132は、補正係数ALをAL2に決定し、補正係数ARをAR2に決定する。
【0068】
乗算部133Lは、補正係数決定部132で決定された補正係数ALを左眼画像信号SLに乗算して、この左眼画像信号SLの輝度値を補正し、補正後の左眼画像信号SLcを出力する。また、乗算部133Rは、補正係数決定部132で決定された補正係数ARを右眼画像信号SRに乗算して、この右眼画像信号SRの輝度値を補正し、補正後の右眼画像信号SRcを出力する。
【0069】
図6に示す輝度補正部115の動作を説明する。3D信号処理部(図1参照)から出力される左眼画像信号SLはAPL算出部131Lに供給される。このAPL算出部131Lでは、左眼画像信号SLに基づいて、フレーム毎に、平均輝度値(APL)Lavが算出される。このようにAPL算出部131Lで算出される平均輝度値Lavは補正係数決定部132に供給される。
【0070】
また、3D信号処理部(図1参照)から出力される右眼画像信号SRはAPL算出部131Rに供給される。このAPL算出部131Rでは、右眼画像信号SRに基づいて、フレーム毎に、平均輝度値(APL)Ravが算出される。このようにAPL算出部131Rで算出される平均輝度値Ravは補正係数決定部132に供給される。
【0071】
補正係数決定部132では、APL算出部131L,131Rからの平均輝度値Lav,Rav、および表示周期のいずれかまたは双方に基づいて、左眼画像信号SLおよび右眼画像信号SRの輝度値の補正係数AL,ARが決定される。この場合、連続する各一対の第1の期間および第2の期間で画像表示部に表示される左眼画像および右眼画像の明度を、右眼画像の明度に比べて左眼画像の明度が低くなるように補正するための補正係数AL2,AR2が決定される。また、この場合、先に表示される左眼画像Lの明度と後に表示される右眼画像Rとの間に、観視者がほぼ同じタイミングで知覚する程度の明度差が付くように、補正係数AL2,AR2が決定される。
【0072】
また、3D信号処理部114(図1参照)から出力される左眼画像信号SLは、乗算部133Lに供給される。この乗算部133Lには、補正係数決定部132で決定された補正係数ALが供給される。そして、この乗算部133Lでは、補正係数ALが左眼画像信号SLに乗算されて、左眼画像信号SLの輝度値が補正され、補正後の左眼画像信号SLcが出力される。
【0073】
また、3D信号処理部114(図1参照)から出力される右眼画像信号SRは、乗算部133Rに供給される。この乗算部133Rには、補正係数決定部132で決定された補正係数ARが供給される。そして、この乗算部133Rでは、補正係数ARが右眼画像信号SRに乗算されて、右眼画像信号SRの輝度値が補正され、補正後の右眼画像信号SRcが出力される。
【0074】
図6に示す輝度補正部115では、APL算出部131L,131Rで算出された平均輝度値Lav,Rav、および表示周期のいずれかまたは双方に基づいて、画像信号SL,SRの輝度値の補正係数AL,ARが自動的に決定される。そのため、観視者を煩わせることなく、左眼画像信号SLおよび右眼画像信号SRの輝度値を適切に補正できる。
【0075】
[輝度補正部の他の構成例]
図6に示す輝度補正部115は、補正係数決定部132で補正係数AL,ARを決定し、左眼画像信号SLおよび右眼画像信号SRの双方の輝度値を補正するものである。しかし、左眼画像信号SLおよび右眼画像信号SRのいずれか一方の輝度値のみを補正する構成とすることもできる。
【0076】
図7は、輝度補正部115Aの構成例を示している。この図7において、図6と対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明は省略する。この輝度補正部115Aは、APL算出部131L,131Rと、補正係数決定部132Aと、乗算部133Lを有している。ここで、補正係数決定部132Aは補正信号決定部を構成し、乗算部133Lは画像処理部を構成している。
【0077】
補正係数決定部132Aは、APL算出部131L,131Rで算出された平均輝度値Lav,Rav、および表示周期のいずれかまたは双方に基づいて、左眼画像信号SLの輝度値の補正係数ALを決定する。この補正係数決定部132Aは、基本的に、図6に示す輝度補正部115の補正係数決定部132と同様の工程で補正係数ALを決定する。この補正係数決定部132Aは、例えば、以下の工程で、補正係数ALを決定する。
【0078】
まず、補正係数決定部132Aは、APL算出部131L,131Rで算出された平均輝度値Lav,Ravに基づいて、それぞれの平均輝度値Lav,Ravを等しくするための補正係数AL1,AR1を決定する。この場合、補正係数AR1が1となるように、補正係数AL1を決定する。
【0079】
次に、補正係数決定部132Aは、連続する各一対の第1の期間および第2の期間で画像表示部に表示される左眼画像および右眼画像の明度を、右眼画像の明度に比べて左眼画像の明度が低くなるように補正するための補正係数AL2,AR2を決定する。この場合、補正係数決定部132Aは、APL算出部131L,131Rで算出された平均輝度値Lav,Rav、および表示周波数のいずれかまたは双方に基づいて、補正係数AL2,AR2を決定する。この場合、補正係数AR2が1となるように、補正係数AL2を決定する。この場合の補正係数AL2,AR2は、AL2<AR2=1の関係になる。
【0080】
そして、補正係数決定部132Aは、最終的に、補正係数ALをAL1×AL2に決定する。なお、3D信号処理部114から出力される画像信号SL,SRの平均輝度値Lav,Ravが同じであることが保証されていれば、平均輝度値Lav,Ravを等しくするための補正係数AL1,AR1を決定する工程は不要となる。この場合、補正係数決定部132Aは、補正係数ALをAL2に決定する。
【0081】
乗算部133Lは、補正係数決定部132Aで発生された補正係数ALを左眼画像信号SLに乗算して、この左眼画像信号SLの輝度値を補正し、補正後の左眼画像信号SLcを出力する。
【0082】
図7に示す輝度補正部115Aの動作を説明する。3D信号処理部(図1参照)から出力される左眼画像信号SLはAPL算出部131Lに供給される。このAPL算出部131Lでは、左眼画像信号SLに基づいて、フレーム毎に、平均輝度値(APL)Lavが算出される。このようにAPL算出部131Lで算出される平均輝度値Lavは補正係数決定部132Aに供給される。
【0083】
また、3D信号処理部(図1参照)から出力される右眼画像信号SRはAPL算出部131Rに供給される。このAPL算出部131Rでは、右眼画像信号SRに基づいて、フレーム毎に、平均輝度値(APL)Ravが算出される。このようにAPL算出部131Rで算出される平均輝度値Ravは補正係数決定部132Aに供給される。
【0084】
補正係数決定部132Aでは、APL算出部131L,131Rからの平均輝度値Lav,Rav、および表示周期のいずれかまたは双方に基づいて、左眼画像信号SLの輝度値の補正係数ALが決定される。この場合、連続する各一対の第1の期間および第2の期間で画像表示部に表示される左眼画像および右眼画像の明度を、右眼画像の明度に比べて左眼画像の明度が低くなるように補正するための補正係数ALが決定される。また、この場合、先に表示される左眼画像Lの明度と後に表示される右眼画像Rとの間に、観視者がほぼ同じタイミングで知覚する程度の明度差が付くように、補正係数ALが決定される。
【0085】
また、3D信号処理部114(図1参照)から出力される左眼画像信号SLは、乗算部133Lに供給される。この乗算部133Lには、補正係数決定部132Aで決定された補正係数ALが供給される。そして、この乗算部133Lでは、補正係数ALが左眼画像信号SLに乗算されて、左眼画像信号SLの輝度値が補正され、補正後の左眼画像信号SLcが出力される。
【0086】
また、3D信号処理部114(図1参照)から出力される右眼画像信号SRは、そのまま、輝度補正部115Aから出力される。上述したように、補正係数決定部132Aでは、AR1=1、AR2=1と決定されていくので、右眼画像信号SRに関しては、補正係数ARを乗算して、その輝度値を補正する必要はない。
【0087】
なお、図7に示す輝度補正部115Aは、左眼画像信号SLの輝度値のみを補正する構成としたものであるが、詳細説明は省略するが、右眼画像信号SRの輝度値のみを補正する構成も同様に実現できる。
【0088】
[輝度補正部の他の構成例]
図8は、輝度補正部115Dの構成例を示している。この図8において、図6と対応する部分には同一符号を付し、適宜、その詳細説明は省略する。この輝度補正部115Dは、APL算出部131Ld,132Rdと、補正係数決定部132Dと、乗算部133L,133Rと、動き領域検出部134L,134Rを有している。
【0089】
動き領域検出部134Lは、3D信号処理部114(図1参照)から供給される左眼画像信号SLに基づいて、フレーム毎に、左眼画像の動き領域を検出する。動き領域検出部134Lは、例えば、ブロックマッチング法などによって画素毎に動き量を求めて動き領域に属しているか否かの判断を行うことで、左眼画像の動き領域を検出する。この動き量領域検出部134Lは、左眼画像の動き領域を示す信号(動き領域信号)を出力する。
【0090】
なお、動き領域検出部134Lは、動き領域を示す信号(動き領域信号)と共に、この動き領域の動き量を示す信号(動き量信号)を出力してもよい。動き量領域検出部134Lは、例えば、動き領域に属する各画素の動き量の平均値、あるいは,動き領域に属する各画素の動き量の最大値を、動き領域の動き量とする。
【0091】
また、動き領域検出部134Rは、3D信号処理部114(図1参照)から供給される右眼画像信号SRに基づいて、フレーム毎に、右眼画像の動き領域を検出する。動き領域検出部134Rは、例えば、ブロックマッチング法などによって画素毎に動き量を求めて動き領域に属しているか否かの判断を行うことで、左眼画像の動き領域を検出する。この動き量領域検出部134Rは、右眼画像の動き領域を示す信号(動き領域信号)を出力する。
【0092】
なお、動き領域検出部134Rは、動き領域を示す信号(動き領域信号)と共に、この動き領域の動き量を示す信号(動き量信号)を出力してもよい。動き量領域検出部134Rは、例えば、動き領域に属する各画素の動き量の平均値、あるいは,動き領域に属する各画素の動き量の最大値を、動き領域の動き量とする。
【0093】
APL算出部131Ldは、3D信号処理部114(図1参照)から供給される左眼画像信号SLおよび動き領域検出部134Lから供給される動き領域信号に基づいて、フレーム毎に、左眼画像の動き領域の平均輝度値(APL)Lavdを算出する。また、APL算出部131Rdは、3D信号処理部114(図1参照)から供給される右眼画像信号SRおよび動き領域検出部134Rから供給される動き領域信号に基づいて、フレーム毎に、右眼画像の動き領域の平均輝度値(APL)Ravdを算出する。
【0094】
補正係数決定部132Dは、APL算出部131Ld,131Rdで算出された平均輝度値Lavd,Ravd、および表示周期のいずれかまたは双方に基づいて、左眼画像信号SLおよび右眼画像信号SRの輝度値の補正係数AL,ARを決定する。補正係数決定部132Dは、例えば、以下の工程で、補正係数AL,ARを決定する。補正係数決定部132Dは、表示周期により、同一時刻に提示呈示されるべき左眼画像および右眼画像の、実際の呈示時刻のずれを認識する。
【0095】
まず、補正係数決定部132Dは、APL算出部131Ld,131Rdで算出された平均輝度値Lavd,Ravdに基づいて、それぞれの平均輝度値Lavd,Ravdを等しくするための補正係数ALd1,ARd1を決定する。次に、補正係数決定部132Dは、連続する各一対の第1の期間および第2の期間で画像表示部に表示される左眼画像(動き領域)および右眼画像(動き領域)の明度を、右眼画像(動き領域)の明度に比べて左眼画像(動き領域)の明度が低くなるように補正する補正係数ALd2,ARd2を決定する。この場合、補正係数決定部132Dは、APL算出部131Ld,131Rdで算出された平均輝度値Lavd,Ravd、および表示周期のいずれかまたは双方に基づいて、補正係数ALd2,ARd2を決定する。
【0096】
この場合、補正係数決定部132Dは、先に表示される左眼画像(動き領域)の明度と後に表示される右眼画像(動き領域)との間に、観視者がほぼ同じタイミングで知覚する程度の明度差が付くように、補正係数ALd2,ARd2を決定する。この場合の補正係数ALd2,ARd2は、ALd2<ARd2の関係になる。
【0097】
補正係数決定部132Dは、最終的に、補正係数ALをALd1×ALd2に決定し、補正係数ARをARd1×ARd2に決定する。なお、3D信号処理部114から出力される画像信号SL,SRの平均輝度値Lavd,Ravdが同じであることが保証されていれば、平均輝度値Lavd,Ravdを等しくするための補正係数ALd1,ARd1を決定する工程は不要となる。この場合、補正係数決定部132Dは、補正係数ALをALd2に決定し、補正係数ARをARd2に決定する。
【0098】
補正係数決定部132Dは、左眼画像の動き領域に対応する期間は、決定された補正係数ALを出力し、その他の期間は、補正係数ALとして1を出力する。また、補正係数決定部132Dは、右眼画像の動き領域に対応する期間は、決定された補正係数ARを出力し、その他の期間は、補正係数ARとして1を出力する。
【0099】
乗算部133Lは、補正係数決定部132Dで決定された補正係数ALを左眼画像信号SLに乗算して、この左眼画像信号SLの輝度値を補正し、補正後の左眼画像信号SLcを出力する。上述したように、左眼画像の動き領域に対応する期間を除いて補正係数ALは1とされるので、乗算部133Lは、左眼画像信号SLのうち、左眼画像の動き領域に対応した信号の輝度値のみを補正する。
【0100】
また、乗算部133Rは、補正係数決定部132Dで決定された補正係数ARを右眼画像信号SRに乗算して、この右眼画像信号SRの輝度値を補正し、補正後の右眼画像信号SRcを出力する。上述したように、右眼画像の動き領域に対応する期間を除いて補正係数ARは1とされるので、乗算部133Rは、右眼画像信号SRのうち、右眼画像の動き領域に対応した信号の輝度値のみを補正する。
【0101】
図8に示す輝度補正部115Dの動作を説明する。3D信号処理部114(図1参照)から出力される左眼画像信号SLは、動き領域検出部134Lに供給される。この動き領域検出部134Lでは、左眼画像信号SLに基づいて、フレーム毎に、左眼画像の動き領域が検出される。左眼画像の動き領域を示す信号(動き領域信号)は、補正係数決定部132DおよびAPL算出部131Ldに供給される。
【0102】
APL算出部131Ldでは、3D信号処理部114(図1参照)から供給される左眼画像信号SLおよび動き領域検出部134Lから供給される動き領域信号に基づいて、フレーム毎に、左眼画像の動き領域の平均輝度値(APL)Lavdが算出される。このようにAPL算出部131Ldで算出される平均輝度値Lavdは、補正係数決定部132Dに供給される。
【0103】
また、3D信号処理部114(図1参照)から出力される右眼画像信号SRは、動き領域検出部134Rに供給される。この動き領域検出部134Rでは、右眼画像信号SRに基づいて、フレーム毎に、右眼画像の動き領域が検出される。右眼画像の動き領域を示す信号(動き領域信号)は、補正係数決定部132DおよびAPL算出部131Rdに供給される。
【0104】
APL算出部131Rdでは、3D信号処理部114(図1参照)から供給される右眼画像信号SRおよび動き領域検出部134Rから供給される動き領域信号に基づいて、フレーム毎に、右眼画像の動き領域の平均輝度値(APL)Ravdが算出される。このようにAPL算出部131Rdで算出される平均輝度値Ravdは、補正係数決定部132Dに供給される。
【0105】
補正係数決定部132Dでは、APL算出部131Ld,131Rdからの平均輝度値Lavd,Ravd、および表示周期のいずれかまたは双方に基づいて、左眼画像信号SLおよび右眼画像信号SRの輝度値の補正係数ALおよびARが決定される。この場合、連続する各一対の第1、第2の期間で画像表示部に表示される左眼画像(動き領域)および右眼画像(動き領域)の明度を、右眼画像の明度に比べて左眼画像の明度が低くなるように補正するための補正係数AL,ARが決定される。
【0106】
また、この場合、補正係数決定部132Dでは、先に表示される左眼画像(動き領域)の明度と後に表示される右眼画像(動き領域)との間に、観視者がほぼ同じタイミングで知覚する程度の明度差が付くように、補正係数AL,ARが決定される。
【0107】
そして、補正係数決定部132Dでは、左眼画像の動き領域に対応する期間は、決定された補正係数ALが出力され、その他の期間は、補正係数ALとして1が出力される。この補正係数ALは、乗算部133Lに供給される。また、また、補正係数決定部132Dでは、右眼画像の動き領域に対応する期間は、決定された補正係数ARが出力され、その他の期間は、補正係数ARとして1が出力される。この補正係数ARは、乗算部133Rに供給される。
【0108】
また、3D信号処理部114(図1参照)から出力される左眼画像信号SLは、乗算部133Lに供給される。この乗算部133Lでは、補正係数ALが左眼画像信号SLに乗算されて、補正後の左眼画像信号SLcが出力される。上述したように、左眼画像の動き領域に対応する期間を除いて補正係数ALは1とされるので、補正後の左眼画像信号SLcは、左眼画像信号SLのうち左眼画像の動き領域に対応した信号の輝度値のみが補正されたものとなる。
【0109】
また、3D信号処理部114(図1参照)から出力される右眼画像信号SRは、乗算部133Rに供給される。この乗算部133Rでは、補正係数ARが右眼画像信号SRに乗算されて、補正後の右眼画像信号SRcが出力される。上述したように、右眼画像の動き領域に対応する期間を除いて補正係数ARは1とされるので、補正後の右眼画像信号SRcは、右眼画像信号SLのうち右眼画像の動き領域に対応した信号の輝度値のみが補正されたものとなる。
【0110】
図8に示す輝度補正部115Dでは、APL算出部131Ld,131Rdで算出された平均輝度値Lavd,Ravd、および表示周期のいずれかまたは双方に基づいて、画像信号SL,SRの輝度値の補正係数AL,ARが自動的に決定される。そのため、観視者を煩わせることなく、左眼画像信号SLおよび右眼画像信号SRの輝度値を、適切に補正できる。
【0111】
また、図8に示す輝度補正部115Dでは、補正係数決定部132Dから出力される画像信号SL,SRの輝度値の補正係数AL,ARは、動き領域に対応する期間を除いて補正係数ARは1とされる。そのため、画像信号SL、SRのうち、動き領域に対応した信号の明度のみが補正され、静止領域の明度は補正されず、無用なフリッカの発生を抑制できる。
【0112】
なお、図8に示す輝度補正部115Dにおいて、補正係数決定部132Dでは、平均輝度値Lavd,Ravd、および表示周期のいずれかまたは双方に基づいて、画像信号SL,SRの輝度値の補正係数AL,ARが決定される。しかし、例えば、上述したように動き領域検出部134L,134Rで動き領域を検出する他に、その動き領域の動き量も検出し、動き量信号を補正係数決定部132Dに供給することも考えられる。
【0113】
その場合、補正係数決定部132Dでは、平均輝度値Lavd,Ravd、および表示周期のいずれかまたは双方と共に、動き領域検出部134L,134Rからの動き量信号に基づいて、画像信号SL,SRの輝度値の補正係数AL,ARを決定することも考えられる。上述したように、速い動きを伴う動画に対する追従視の際に、同時視における立体融合位置に乖離が発生する。補正係数決定部132Dは、例えば、動き量信号により、立体融合位置の乖離が発生するか否かの判断を行うことが可能となる。そして、補正係数決定部132Dは、例えば、立体融合位置の乖離が発生すると判断した場合のみ、画像信号SL,SRの輝度値を補正する補正係数AL,ARを決定することも可能となる。
【0114】
[輝度補正部の他の構成例]
図8に示す輝度補正部115Dは、補正係数決定部132Dで補正係数AL,ARを決定し、左眼画像信号SLおよび右眼画像信号SRの双方の輝度値を補正するものである。しかし、左眼画像信号SLおよび右眼画像信号SRのいずれか一方の輝度値のみを補正する構成とすることもできる。
【0115】
図9は、輝度補正部115Eの構成例を示している。この図9において、図8と対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明は省略する。この輝度補正部115Eは、APL算出部131Ld,131Rdと、補正係数決定部132Eと、乗算部133Lと、動き領域検出部134L,134Rを有している。ここで、補正係数決定部132Eは補正信号決定部を構成し、乗算部133Lは画像処理部を構成している。
【0116】
補正係数決定部132Eは、APL算出部131Ld,131Rdで算出された平均輝度値Lavd,Ravd、および表示周期のいずれかまたは双方に基づいて、左眼画像信号SLおよび右眼画像信号SRの輝度値の補正係数AL,ARを決定する。この補正係数決定部132Eは、基本的に、図8に示す輝度補正部115Dの補正係数決定部132Dと同様の工程で補正係数ALを決定する。この補正係数決定部132Eは、例えば、以下の工程で、補正係数AL,ARを決定する。
【0117】
まず、補正係数決定部132Eは、APL算出部131Ld,131Rdで算出された平均輝度値Lavd,Ravdに基づいて、それぞれの平均輝度値Lavd,Ravdを等しくするための補正係数AL1,AR1を決定する。この場合、補正係数AR1が1となるように、補正係数AL1を決定する。
【0118】
次に、補正係数決定部132Eは、連続する各一対の第1の期間および第2の期間で画像表示部に表示される左眼画像および右眼画像の明度を、右眼画像の明度に比べて左眼画像の明度が低くなるように補正するための補正係数AL2,AR2を決定する。この場合、補正係数決定部132Eは、APL算出部131Ld,131Rdで算出された平均輝度値Lavd,Ravd、および表示周期のいずれかまたは双方に基づいて、補正係数AL2,AR2を決定する。この場合、補正係数AR2が1となるように、補正係数AL2を決定する。この場合の補正係数AL2,AR2は、AL2<AR2=1の関係になる。
【0119】
そして、補正係数決定部132Eは、最終的に、補正係数ALをAL1×AL2に決定する。なお、3D信号処理部114から出力される画像信号SL,SRの平均輝度値Lavd,Ravdが同じであることが保証されていれば、平均輝度値Lavd,Ravdを等しくするための補正係数AL1,AR1を決定する工程は不要となる。この場合、補正係数決定部132Eは、補正係数ALをAL2に決定する。
【0120】
補正係数決定部132Eは、左眼画像の動き領域に対応する期間は、決定された補正係数ALを出力し、その他の期間は、補正係数ALとして1を出力する。乗算部133Lは、補正係数決定部132Eで発生された補正係数ALを左眼画像信号SLに乗算して、この左眼画像信号SLの輝度値を補正し、補正後の左眼画像信号SLcを出力する。上述したように、左眼画像の動き領域に対応する期間を除いて補正係数ALは1とされるので、乗算部133Lは、左眼画像信号SLのうち、左眼画像の動き領域に対応した信号の輝度値のみを補正する。
【0121】
図9に示す輝度補正部115Eの動作を説明する。3D信号処理部114(図1参照)から出力される左眼画像信号SLは、動き領域検出部134Lに供給される。この動き領域検出部134Lでは、左眼画像信号SLに基づいて、フレーム毎に、左眼画像の動き領域が検出される。左眼画像の動き領域を示す信号(動き領域信号)は、補正係数決定部132EおよびAPL算出部131Ldに供給される。
【0122】
APL算出部131Ldでは、3D信号処理部114(図1参照)から供給される左眼画像信号SLおよび動き領域検出部134Lから供給される動き領域信号に基づいて、フレーム毎に、左眼画像の動き領域の平均輝度値(APL)Lavdが算出される。このようにAPL算出部131Ldで算出される平均輝度値Lavdは、補正係数決定部132Eに供給される。
【0123】
また、3D信号処理部114(図1参照)から出力される右眼画像信号SRは、動き領域検出部134Rに供給される。この動き領域検出部134Rでは、右眼画像信号SRに基づいて、フレーム毎に、右眼画像の動き領域が検出される。右眼画像の動き領域を示す信号(動き領域信号)は、補正係数決定部132EおよびAPL算出部131Rdに供給される。
【0124】
APL算出部131Rdでは、3D信号処理部114(図1参照)から供給される右眼画像信号SRおよび動き領域検出部134Rから供給される動き領域信号に基づいて、フレーム毎に、右眼画像の動き領域の平均輝度値(APL)Ravdが算出される。このようにAPL算出部131Rdで算出される平均輝度値Ravdは、補正係数決定部132Eに供給される。
【0125】
補正係数決定部132Eでは、APL算出部131Ld,131Rdからの平均輝度値Lavd,Ravd、および表示周期のいずれかまたは双方に基づいて、左眼画像信号SLの輝度値の補正係数ALが決定される。この場合、連続する各一対の第1の期間および第2の期間で画像表示部に表示される左眼画像(動き領域)および右眼画像(動き領域)の明度を、右眼画像の明度に比べて左眼画像の明度が低くなるように補正するための補正係数ALが決定される。また、この場合、先に表示される左眼画像Lの明度と後に表示される右眼画像Rとの間に、観視者がほぼ同じタイミングで知覚する程度の明度差が付くように、補正係数ALが決定される。
【0126】
そして、補正係数決定部132Eでは、左眼画像の動き領域に対応する期間は、決定された補正係数ALが出力され、その他の期間は、補正係数ALとして1が出力される。この補正係数ALは、乗算部133Lに供給さされる。この乗算部133Lには、補正係数決定部132Eで決定された補正係数ALが供給される。そして、この乗算部133Lでは、補正係数ALが左眼画像信号SLに乗算されて、左眼画像信号SLの輝度値が補正され、補正後の左眼画像信号SLcが出力される。上述したように、左眼画像の動き領域に対応する期間を除いて補正係数ALは1とされるので、補正後の左眼画像信号SLcは、左眼画像信号SLのうち左眼画像の動き領域に対応した信号の輝度値のみが補正されたものとなる。
【0127】
また、3D信号処理部114(図1参照)から出力される右眼画像信号SRは、そのまま、輝度補正部115Eから出力される。上述したように、補正係数決定部132Eでは、AR1=1、AR2=1と決定されていくので、右眼画像信号SRに関しては、補正係数ARを乗算して、その輝度値を補正する必要はない。
【0128】
なお、図9に示す輝度補正部115Eは、左眼画像信号SLの輝度値のみを補正する構成としたものであるが、詳細説明は省略するが、右眼画像信号SRの輝度値のみを補正する構成も同様に実現できる。
【0129】
[輝度補正部の他の構成例]
上述の図6に示す輝度補正部115は、画像信号SL,SRの双方の輝度値を補正する補正係数AL,ARを自動的に決定するものであるが、これらの補正係数をユーザ操作に応じて発生する構成とすることもできる。
【0130】
図10は、輝度補正部115Bの構成例を示している。この図10において、図6と対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明は省略する。この輝度補正部115Bは、補正係数発生部132Bと、乗算部133L,133Rを有している。ここで、補正係数発生部132Bは補正信号発生部を構成し、乗算部133L,133Rは画像処理部を構成している。
【0131】
補正係数発生部132Bは、ユーザ操作信号Susrに基づいて、左眼画像信号SLおよび右眼画像信号SRの輝度値の補正係数AL,ARを発生する。このユーザ操作信号Susrは、例えば、観視者がリモコン送信機106を操作することで、CPU101から出力される。この場合、連続する各一対の第1の期間および第2の期間で画像表示部に表示される左眼画像および右眼画像の明度を、右眼画像の明度に比べて左眼画像の明度が低くなるように補正するための補正係数AL,ARが発生される。
【0132】
この場合の補正係数AL,ARは、AL<ARの関係になる。この場合、観視者の操作に応じて、補正係数発生部132Bが発生する補正係数AL,ARは順次変化していく。例えば、補正係数ALが小さくなるとき、これに伴って、補正係数ARは大きくなっていく。そのため、この観視者の操作により、先に表示される左眼画像Lの明度と後に表示される右眼画像Rとの間に、観視者がほぼ同じタイミングで知覚する程度の明度差が付くように、補正係数AL,ARを調整できる。
【0133】
乗算部133Lは、補正係数発生部132Bで発生された補正係数ALを左眼画像信号SLに乗算して、この左眼画像信号SLの輝度値を補正し、補正後の左眼画像信号SLcを出力する。また、乗算部133Rは、補正係数発生部132Bで発生された補正係数ARを右眼画像信号SRに乗算して、この右眼画像信号SRの輝度値を補正し、補正後の右眼画像信号SRcを出力する。
【0134】
図10に示す輝度補正部115Bの動作を説明する。補正係数発生部132Bからは、ユーザ操作信号Susrに基づいて、左眼画像信号SLの輝度値の補正係数ALと、右眼画像信号SRの輝度値の補正係数ARとが発生される。この場合、連続する各一対の第1の期間および第2の期間で画像表示部に表示される左眼画像および右眼画像の明度を、右眼画像の明度に比べて左眼画像の明度が低くなるように補正するための補正係数AL,ARが発生される。
【0135】
また、3D信号処理部114(図1参照)から出力される左眼画像信号SLは、乗算部133Lに供給される。この乗算部133Lには、補正係数発生部132Bで発生された補正係数ALが供給される。そして、この乗算部133Lでは、補正係数ALが左眼画像信号SLに乗算されて、左眼画像信号SLの輝度値が補正され、補正後の左眼画像信号SLcが出力される。
【0136】
また、3D信号処理部114(図1参照)から出力される右眼画像信号SRは、乗算部133Rに供給される。この乗算部133Rには、補正係数発生部132Bで発生された補正係数ARが供給される。そして、この乗算部133Rでは、補正係数ARが右眼画像信号SRに乗算されて、右眼画像信号SRの輝度値が補正され、補正後の右眼画像信号SRcが出力される。
【0137】
図10に示す輝度補正部115では、ユーザ操作信号Suseに基づいて、画像信号SL,SRの輝度値の補正係数AL,ARが発生される。そのため、観視者は、先に表示される左眼画像Lの明度と後に表示される右眼画像Rとの間に、ほぼ同じタイミングで知覚する程度の明度差が付くように、補正係数AL,ARを適切に調整できる。
【0138】
[輝度補正部の他の構成例]
図10に示す輝度補正部115Bは、補正係数発生部132Bで補正係数AL,ARを発生し、左眼画像信号SLおよび右眼画像信号SRの双方の輝度値を補正するものである。しかし、左眼画像信号SLおよび右眼画像信号SRのいずれか一方の輝度値のみを補正する構成とすることもできる。
【0139】
図11は、輝度補正部115Cの構成例を示している。この図11において、図10と対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明は省略する。この輝度補正部115Cは、補正係数発生部132Cと、乗算部133Lを有している。ここで、補正係数発生部132Cは補正信号発生部を構成し、乗算部133Lは画像処理部を構成している。
【0140】
補正係数発生部132Cは、ユーザ操作信号Susrに基づいて、左眼画像信号SLの輝度値の補正係数ALを発生する。この場合、連続する各一対の第1の期間および第2の期間で画像表示部に表示される左眼画像および右眼画像の明度を、右眼画像の明度に比べて左眼画像の明度が低くなるように補正するための補正係数ALが発生される。この場合の補正係数ALは、AL<1の関係になる。
【0141】
この場合、観視者の操作に応じて、補正係数発生部132Cが発生する補正係数Aは順次変化していく。そのため、この観視者の操作により、先に表示される左眼画像Lの明度と後に表示される右眼画像Rとの間に、観視者がほぼ同じタイミングで知覚する程度の明度差が付くように、補正係数ALを調整できる。
【0142】
乗算部133Lは、補正係数発生部132Cで発生された補正係数ALを左眼画像信号SLに乗算して、この左眼画像信号SLの輝度値を補正し、補正後の左眼画像信号SLcを出力する。
【0143】
図11に示す輝度補正部115Cの動作を説明する。補正係数発生部132Cからは、ユーザ操作信号Susrに基づいて、左眼画像信号SLの輝度値の補正係数ALが発生される。この場合、連続する各一対の第1の期間および第2の期間で画像表示部に表示される左眼画像および右眼画像の明度を、右眼画像の明度に比べて左眼画像の明度が低くなるように補正するための補正係数ALが発生される。
【0144】
また、3D信号処理部114(図1参照)から出力される左眼画像信号SLは、乗算部133Lに供給される。この乗算部133Lには、補正係数発生部132Cで発生された補正係数ALが供給される。そして、この乗算部133Lでは、補正係数ALが左眼画像信号SLに乗算されて、左眼画像信号SLの輝度値が補正され、補正後の左眼画像信号SLcが出力される。また、3D信号処理部114(図1参照)から出力される右眼画像信号SRは、そのまま、輝度補正部115Cから出力される。
【0145】
なお、図11に示す輝度補正部115Cは、左眼画像信号SLの輝度値のみを補正する構成としたものであるが、詳細説明は省略するが、右眼画像信号SRの輝度値のみを補正する構成も同様に実現できる。
【0146】
上述したように、図1に示す画像表示観察システム10においては、連続する各一対の第1の期間および第2の期間で画像表示部に表示される左眼画像および右眼画像の明度が、右眼画像の明度に比べて左眼画像の明度が低くなるように補正される。そのため、プルフリッヒ効果に基づき、時間的に先に表示される左眼画像の知覚時間が、時間的に遅く表示される右眼画像の知覚時間より遅くなる。従って、速い動きを伴う動画に対する追従視の際に、同時視における立体融合位置に乖離が発生することを抑制でき、観視者に良好な立体画像を知覚させることが可能となる。
【0147】
<2.第2の実施の形態>
[画像表示観察システムの構成例]
図12は、第2の実施の形態としての画像表示観察システム10Aの構成例を示している。この図12において、図1と対応する部分には同一符号を付し、適宜、その詳細説明は省略する。この画像表示観察システム10Aは、画像表示装置100Aと、シャッタメガネ装置200とを備える。
【0148】
画像表示装置100Aでは、第1の期間および第2の期間が交互に連続し、この連続する各一対の第1の期間および第2の期間で、それぞれ、視差を有する同時刻の左眼画像および右眼画像の一方の画像および他方の画像が表示される。この実施の形態では、例えば、一方の画像は左眼画像とされ、他方の画像は右眼画像とされる。
【0149】
シャッタメガネ装置200では、画像表示装置100Aに左眼画像Lが表示されるタイミングで左眼シャッタ200Lが開かれ、右眼画像Rが表示されるタイミングで右眼シャッタ200Rが開かれる(図2参照)。そのため、観視者は、このシャッタメガネ装置200を装着することで、左眼で左眼画像Lのみの知覚が可能となり、右眼で右眼画像Rのみの知覚が可能となる。これにより、観視者は、視差を有する左眼画像Lおよび右眼画像Rに基づいて、画像を立体的に認識可能となる。
【0150】
画像表示装置100Aの構成について説明する。この画像表示装置100Aは、CPU101と、フラッシュROM102と、DRAM103と、内部バス104と、リモコン受信部105と、リモコン送信機106を有している。また、この画像表示装置100Aは、アンテナ端子111と、デジタルチューナ112と、ビットストリーム処理部113と、3D信号処理部114を有している。
【0151】
また、この画像表示装置100Aは、映像信号制御部116と、LCD駆動部117と、LCDパネル118と、バックライト119と、音声信号処理回路120と、音声増幅回路121と、スピーカ122を有している。また、この画像表示装置100Aは、HDMI端子123と、HDMI受信部124と、シャッタ制御部125と、赤外線(IR)発光部126と、補正係数決定部127を有している。補正係数決定部127は、補正信号決定部を構成している。LCDパネル118およびバックライト119は、画像表示部を構成している。
【0152】
補正係数決定部127は、バックライト119の明るさを補正するための補正係数AL,ARを、画像信号SL,SRの平均輝度値Lav,Ravおよび表示周期に基づいて、決定する。この補正係数決定部127は、例えば、図6に示す輝度補正部115におけるAPL算出部131L,131Rおよび補正係数決定部132の部分と同様に構成される。
【0153】
補正係数決定部127は、上述したように連続する各一対の第1の期間および第2の期間で画像表示部に表示される左眼画像および右眼画像の明度を、右眼画像の明度に比べて左眼画像の明度が低くなるように補正するための補正係数AL,ARを決定する。この場合、補正係数決定部127は、先に表示される左眼画像Lの明度と後に表示される右眼画像Rとの間に、観視者がほぼ同じタイミングで知覚する程度の明度差が付くように、補正係数AL,ARを決定する。
【0154】
バックライト119は、図示しないバックライト制御部により、補正係数決定部127で決定された補正係数AL,ARに対応した明るさで発光するように制御する。すなわち、バックライト119は、左眼画像Lを表示するタイミングでは基本の明るさのAL倍の明るさとなり、右眼画像Rを表示するタイミングでは基本の明るさのAR倍の明るさとなる。これにより、先に表示される左眼画像Lの明度と後に表示される右眼画像Rとの間に、観視者がほぼ同じタイミングで知覚する程度の明度差が付けられる。
【0155】
画像表示装置100Aのその他は、図1に示す画像表示観察システム10の画像表示装置100と同様に構成され、同様に動作する。図12に示す画像表示観察システム10Aのシャッタメガネ装置200は、図1に示す画像表示観察システム10のシャッタメガネ装置200と同様のものである。
【0156】
上述したように、図12に示す画像表示観察システム10Aにおいては、連続する各一対の第1の期間および第2の期間で画像表示部に表示される左眼画像および右眼画像の明度が、右眼画像の明度に比べて左眼画像の明度が低くなるように補正される。そのため、プルフリッヒ効果に基づき、時間的に先に表示される左眼画像の知覚時間が、時間的に遅く表示される右眼画像の知覚時間より遅くなる。従って、速い動きを伴う動画に対する追従視の際に、同時視における立体融合位置に乖離が発生することを抑制でき、観視者に良好な立体画像を知覚させることが可能となる。
【0157】
なお、図12に示す画像表示観察システム10Aの補正係数決定部127では、補正係数AL,ARを決定し、左眼画像L、右眼画像Rの表示タイミングにおけるバックライトの明るさを補正するものである。しかし、補正係数AL,ARのいずれか一方のみを決定し、左眼画像L、右眼画像Rの表示タイミングのいずれかにおけるバックライトの明るさのみを補正する構成とすることも考えられる。
【0158】
例えば、補正係数決定部127で補正係数ALのみを決定する場合、この補正係数決定部127は、例えば、図7に示す輝度補正部115AにおけるAPL算出部131L,131Rおよび補正係数決定部132Aの部分と同様に構成される。この場合、バックライト119は、左眼画像Lを表示するタイミングでは基本の明るさのAL倍の明るさとされ、右眼画像Rを表示するタイミングでは基本の明るさとされる。
【0159】
<3.第3の実施の形態>
[画像表示観察システムの構成例]
図13は、第3の実施の形態としての画像表示観察システム10Bの構成例を示している。この図13において、図1と対応する部分には同一符号を付し、適宜、その詳細説明は省略する。この画像表示観察システム10Bは、画像表示装置100Bと、シャッタメガネ装置200とを備える。
【0160】
画像表示装置100Bでは、第1の期間および第2の期間が交互に連続し、この連続する各一対の第1の期間および第2の期間で、それぞれ、視差を有する同時刻の左眼画像および右眼画像の一方の画像および他方の画像が表示される。この実施の形態では、例えば、一方の画像は左眼画像とされ、他方の画像は右眼画像とされる。
【0161】
シャッタメガネ装置200では、画像表示装置100Bに左眼画像Lが表示されるタイミングで左眼シャッタ200Lが開かれ、右眼画像Rが表示されるタイミングで右眼シャッタ200Rが開かれる(図2参照)。そのため、観視者は、このシャッタメガネ装置200を装着することで、左眼で左眼画像Lのみの知覚が可能となり、右眼で右眼画像Rのみの知覚が可能となる。これにより、観視者は、視差を有する左眼画像Lおよび右眼画像Rに基づいて、画像を立体的に認識可能となる。
【0162】
画像表示装置100Bの構成について説明する。この画像表示装置100Bは、CPU101と、フラッシュROM102と、DRAM103と、内部バス104と、リモコン受信部105と、リモコン送信機106を有している。また、この画像表示装置100Bは、アンテナ端子111と、デジタルチューナ112と、ビットストリーム処理部113と、3D信号処理部114を有している。
【0163】
また、この画像表示装置100Bは、映像信号制御部116と、LCD駆動部117と、LCDパネル118と、バックライト119と、音声信号処理回路120と、音声増幅回路121と、スピーカ122を有している。また、この画像表示装置100Bは、HDMI端子123と、HDMI受信部124と、シャッタ制御部125と、赤外線(IR)発光部126と、補正係数発生部128を有している。補正係数発生部128は、補正信号発生部を構成している。LCDパネル118およびバックライト119は、画像表示部を構成している。
【0164】
補正係数発生部128は、バックライト119の明るさを補正するための補正係数AL,ARを、ユーザ操作信号Suseに基づいて、発生する。この補正係数発生部128は、例えば、図10に示す輝度補正部115Bにおける補正係数発生部132Bの部分と同様に構成される。
【0165】
補正係数発生部128は、連続する各一対の第1の期間および第2の期間で画像表示部に表示される左眼画像および右眼画像の明度を、右眼画像の明度に比べて左眼画像の明度が低くなるように補正するための補正係数AL,ARを発生する。この場合、観視者の操作に応じて、補正係数発生部128が発生する補正係数AL,ARは順次変化していく。例えば、補正係数ALが小さくなるとき、これに伴って、補正係数ARは大きくなっていく。そのため、この観視者の操作により、先に表示される左眼画像Lの明度と後に表示される右眼画像Rとの間に、観視者がほぼ同じタイミングで知覚する程度の明度差が付くように、補正係数AL,ARを調整できる。
【0166】
バックライト119は、図示しないバックライト制御部により、補正係数発生部128で決定された補正係数AL,ARに対応した明るさで発光するように制御される。すなわち、バックライト119は、左眼画像Lを表示するタイミングでは基本の明るさのAL倍の明るさとなり、右眼画像Rを表示するタイミングでは基本の明るさのAR倍の明るさとなる。これにより、先に表示される左眼画像Lの明度と後に表示される右眼画像Rとの間に、ユーザ操作に応じて、観視者がほぼ同じタイミングで知覚する程度の明度差が付けられる。
【0167】
画像表示装置100Bのその他は、図1に示す画像表示観察システム10の画像表示装置100と同様に構成され、同様に動作する。図13に示す画像表示観察システム10Bのシャッタメガネ装置200は、図1に示す画像表示観察システム10のシャッタメガネ装置200と同様のものである。
【0168】
上述したように、図13に示す画像表示観察システム10Bにおいては、連続する各一対の第1の期間および第2の期間で画像表示部に表示される左眼画像および右眼画像の明度が、右眼画像の明度に比べて左眼画像の明度が低くなるように補正できる。そのため、プルフリッヒ効果に基づき、時間的に先に表示される左眼画像の知覚時間が、時間的に遅く表示される右眼画像の知覚時間より遅くなる。従って、速い動きを伴う動画に対する追従視の際に、同時視における立体融合位置に乖離が発生することを抑制でき、観視者に良好な立体画像を知覚させることが可能となる。
【0169】
なお、図13に示す画像表示観察システム10Bの補正係数発生部128では、補正係数AL,ARを発生し、左眼画像L、右眼画像Rの表示タイミングにおけるバックライトの明るさを補正するものである。しかし、補正係数AL,ARのいずれか一方のみを決定し、左眼画像L、右眼画像Rの表示タイミングのいずれかにおけるバックライトの明るさのみを補正する構成とすることも考えられる。
【0170】
例えば、補正係数発生部128で補正係数ALのみを発生する場合、この補正係数発生部128は、例えば、図11に示す輝度補正部115Cにおける補正係数発生部132Cの部分と同様に構成される。この場合、バックライト119は、左眼画像Lを表示するタイミングでは基本の明るさのAL倍の明るさとされ、右眼画像Rを表示するタイミングでは基本の明るさとされる。
【0171】
また、図13に示す画像表示観察システム10Bにおいて、LCDパネル118の駆動およびシャッタメガネ装置200Cの左眼シャッタ200Lおよび右眼シャッタ200Rの開口タイミングに同期して、バックライト119を点滅させるようにしてもよい。この場合、観視者において左眼シャッタ200Lおよび右眼シャッタ200Rが双方とも閉じている期間にバックライト119を消灯することで、電力を削減できる。
【0172】
<4.第4の実施の形態>
[画像表示観察システムの構成例]
上述の第1〜第3の実施の形態においては、画像表示装置100,100A,100Bにおいて、画像表示部(表示パネル118)に表示される左眼画像および右眼画像の双方またはいずれか一方の明度を補正するものを示した。しかし、シャッタメガネ装置を介して観視者に観視される左眼画像および右眼画像の双方またはいずれか一方の明度を、シャッタメガネ装置側で補正することも考えられる。
【0173】
図14は、第4の実施の形態としての画像表示観察システム10Cの構成例を示している。この図14において、図1と対応する部分には同一符号を付し、適宜、その詳細説明は省略する。この画像表示観察システム10Cは、画像表示装置100Cと、シャッタメガネ装置200Cとを備える。
【0174】
画像表示装置100Cでは、第1の期間および第2の期間が交互に連続し、この連続する各一対の第1の期間および第2の期間で、それぞれ、視差を有する同時刻の左眼画像および右眼画像の一方の画像および他方の画像が表示される。この実施の形態では、例えば、一方の画像は左眼画像とされ、他方の画像は右眼画像とされる。
【0175】
シャッタメガネ装置200Cでは、画像表示装置100に左眼画像Lが表示されるタイミングで左眼シャッタ200Lが開かれ、右眼画像Rが表示されるタイミングで右眼シャッタ200Rが開かれる(図2参照)。そのため、観視者は、このシャッタメガネ装置200Cを装着することで、左眼で左眼画像Lのみの知覚が可能となり、右眼で右眼画像Rのみの知覚が可能となる。これにより、観視者は、視差を有する左眼画像Lおよび右眼画像Rに基づいて、画像を立体的に認識可能となる。
【0176】
画像表示装置100Cの構成について説明する。この画像表示装置100Cは、CPU101と、フラッシュROM102と、DRAM103と、内部バス104と、リモコン受信部105と、リモコン送信機106を有している。また、この画像表示装置100Cは、アンテナ端子111と、デジタルチューナ112と、ビットストリーム処理部113と、3D信号処理部114を有している。
【0177】
また、この画像表示装置100Cは、映像信号制御部116と、LCD駆動部117と、LCDパネル118と、バックライト119と、音声信号処理回路120と、音声増幅回路121と、スピーカ122を有している。また、この画像表示装置100Cは、HDMI端子123と、HDMI受信部124と、シャッタ制御部125Cと、赤外線(IR)発光部126と、補正係数決定部141を有している。LCDパネル118およびバックライト119は、画像表示部を構成している。
【0178】
補正係数決定部141は、シャッタメガネ装置200Cで観視される左眼画像および右眼画像の明度を補正するための補正係数AL,ARを決定する。この補正係数決定部141は、上述の画像表示装置100A(図12参照)における補正係数決定部127と同様に構成され、補正係数AL,ARを、画像信号SL,SRの平均輝度値Lav,Ravおよび表示周期のいずれかまたは双方に基づいて、決定する。すなわち、この補正係数決定部141は、例えば、図6に示す輝度補正部115におけるAPL算出部131L,131Rおよび補正係数決定部132の部分と同様に構成される。
【0179】
補正係数決定部141は、上述したように連続する各一対の第1の期間および第2の期間で観視者に観視される左眼画像および右眼画像の明度を、右眼画像の明度に比べて左眼画像の明度が低くなるように補正するための補正係数AL,ARを決定する。この場合、補正係数決定部141は、先に観視される左眼画像Lの明度と後に観視される右眼画像Rとの間に、観視者がほぼ同じタイミングで知覚する程度の明度差が付くように、補正係数AL,ARを決定する。
【0180】
シャッタ制御部125Cには、映像信号制御部116から左眼画像および右眼画像の表示タイミングを示すタイミング信号が供給されると共に、上述したように補正係数決定部141で決定される補正係数AL,ARが供給される。シャッタ制御部125Cは、タイミング信号に基づいて、駆動信号を赤外線発光部126に送る。赤外線発光部126は、この駆動信号に応じて発光し、左眼画像および右眼画像の表示タイミングを示すシャッタ制御信号Cshを、赤外線信号として、出力する。
【0181】
また、シャッタ制御部125Cは、補正係数決定部141から供給される補正係数AL,ARに基づいて、駆動信号を赤外線発光部126に送る。赤外線発光部126は、この駆動信号に応じて発光し、補正係数AL,ARを、赤外線信号として、出力する。
【0182】
画像表示装置100Cのその他は、図1に示す画像表示観察システム10の画像表示装置100と同様に構成され、同様に動作する。
【0183】
シャッタメガネ装置200Cの構成について説明する。図15は、シャッタメガネ装置200Cの構成例を示している。この図15において、図5と対応する部分には同一符号を付し、適宜、その詳細説明は省略する。このシャッタメガネ装置200Cは、左眼シャッタ200Lおよび右眼シャッタ200Rを含むシャッタメガネ部201と、赤外線受光部202と、シャッタ駆動部203Cを有している。赤外線受光部202は、受信部を構成している。
【0184】
赤外線受光部202は、画像表示装置100Cから送信される、左眼画像および右眼画像の表示タイミングを示すシャッタ制御信号Cshと、シャッタメガネ部201を介して観視される左眼画像および右眼画像の明度を補正するための補正係数AL,ARを受信する。このように受信されたシャッタ制御信号Cshおよび補正係数AL,ARは、シャッタ駆動部203Cに供給される。
【0185】
シャッタ駆動部203Cは、シャッタ制御信号Cshおよび補正係数AL,ARに基づいて、シャッタメガネ部201の左眼シャッタ200Lおよび右眼シャッタ200Rを駆動する。すなわち、シャッタ駆動部203Cは、画像表示装置100Cの画像表示部(LCDパネル118)に左眼画像Lが表示されるタイミングで、左眼シャッタ200Lを開く。また、シャッタ駆動部203Cは、画像表示装置100Cの画像表示部(LCDパネル118)に右眼画像Rが表示されるタイミングで、右眼シャッタ200Rを開く。
【0186】
さらに、シャッタ駆動部203Cは、右眼画像の明度に比べて左眼画像の明度が低くなるように、左眼シャッタ200Lおよび右眼シャッタ200Rの開いている時間あるいは透過率を、補正係数AL,ARに応じて変更する。すなわち、シャッタ駆動部203Cは、左眼シャッタ200Lの開いている時間あるいは透過率を、基本のAL倍とし、右眼シャッタ200Rの開いている時間あるいは透過率を、基本のAR倍とする。これにより、先に表示される左眼画像Lの明度と後に表示される右眼画像Rとの間に、観視者がほぼ同じタイミングで知覚する程度の明度差が付けられる。この意味で、シャッタ駆動部203Cは、明度補正部を構成している。
【0187】
シャッタメガネ装置200Cのその他は、図1に示す画像表示観察システム10のシャッタメガネ装置200と同様に構成され、同様に動作する。
【0188】
上述したように、図14に示す画像表示観察システム10Cにおいては、連続する各一対の第1の期間および第2の期間で観視者に観視される左眼画像および右眼画像の明度が、右眼画像の明度に比べて左眼画像の明度が低くなるように、補正される。そのため、プルフリッヒ効果に基づき、時間的に先に表示される左眼画像の知覚時間が、時間的に遅く表示される右眼画像の知覚時間より遅くなる。従って、速い動きを伴う動画に対する追従視の際に、同時視における立体融合位置に乖離が発生することを抑制でき、観視者に良好な立体画像を知覚させることが可能となる。
【0189】
なお、図14に示す画像表示観察システム10Cの補正係数決定部141では、補正係数AL,ARを決定し、左眼画像L、右眼画像Rの表示タイミングにおける左眼シャッタ200L、右眼シャッタ200Rの開いている時間あるいは透過率を変更するものである。しかし、補正係数AL,ARのいずれか一方のみを決定し、左眼シャッタ200L、右眼シャッタ200Rのいずれかの開いている時間あるいは透過率を補正する構成とすることも考えられる。
【0190】
例えば、補正係数決定部141で補正係数ALのみを決定する場合、この補正係数決定部141は、例えば、図7に示す輝度補正部115AにおけるAPL算出部131L,131Rおよび補正係数決定部132Aの部分と同様に構成される。この場合、表示装置100Cからシャッタメガネ装置200Cには、補正係数ALのみが送られる。そして、シャッタメガネ装置200Cにおいて、左眼シャッタ200Lの開いている時間あるいは透過率は、基本のAL倍とされ、右眼シャッタ200Rの開いている時間あるいは透過率は、基本のままとされる。
【0191】
なお、この図14に示す画像表示観察システム10Cの画像表示装置100Cにおいて、補正係数生成部141の部分を、図13に示す画像表示装置100Bの補正係数発生部128と同様の構成の補正係数発生部に置き換えた構成も考えられる。
【0192】
また、図14に示す画像表示観察システム10Cでは、画像表示装置100Cからシャッタメガネ装置200Cに補正係数AL,ARを送信するものである。しかし、このような補正係数AL,ARの送信を行わずに、シャッタメガネ装置において、観視者に観視される左眼画像および右眼画像の双方またはいずれか一方の明度を補正することも考えられる。
【0193】
図16は、シャッタメガネ装置200Dの他の構成例を示している。この図16において、図5、図15と対応する部分には同一符号を付し、適宜、その詳細説明は省略する。このシャッタメガネ装置200Dは、左眼シャッタ200Lおよび右眼シャッタ200Rを含むシャッタメガネ部201と、赤外線受光部202と、シャッタ駆動部203Dと、ユーザ操作部204を有している。
【0194】
赤外線受光部202は、画像表示装置から送信される、左眼画像および右眼画像の表示タイミングを示すシャッタ制御信号Cshを受信する。このように受信されたシャッタ制御信号Cshはシャッタ駆動部203Dに供給される。
【0195】
ユーザ操作部204は、ユーザが、シャッタメガネ部201の左眼シャッタ200Lおよび右眼シャッタ200Rを介して観視する左眼画像および右眼画像の双方またはいずれか一方の明度を補正するための操作を行う操作部である。このユーザ操作部204からの操作により、観視者は、連続する各一対の第1の期間および第2の期間で観視される左眼画像および右眼画像の明度を、右眼画像の明度に比べて左眼画像の明度が低くなるように、調整する。ユーザ操作部204からのユーザ操作信号は、シャッタ駆動部203Dに供給される。
【0196】
シャッタ駆動部203Dは、シャッタ制御信号Cshに基づいて、シャッタメガネ部201の左眼シャッタ200Lおよび右眼シャッタ200Rを駆動する。すなわち、シャッタ駆動部203Dは、画像表示装置の画像表示部に左眼画像Lが表示されるタイミングで、左眼シャッタ200Lを開く。また、シャッタ駆動部203Dは、画像表示装置の画像表示部に右眼画像Rが表示されるタイミングで、右眼シャッタ200Rを開く。
【0197】
さらに、シャッタ駆動部203Dは、ユーザ操作信号に基づいて、左眼シャッタ200Lおよび右眼シャッタ200Rの開いている時間あるいは透過率を変更する。これにより、連続する各一対の第1の期間および第2の期間で観視される左眼画像および右眼画像の明度が、右眼画像の明度に比べて左眼画像の明度が低くなるように、補正される。そして、先に表示される左眼画像Lの明度と後に表示される右眼画像Rとの間に、観視者がほぼ同じタイミングで知覚する程度の明度差が付けられる。
【0198】
<5.変形例>
なお、上述実施の形態においては、画像表示装置からシャッタメガネ装置に赤外線信号でシャッタ制御信号や補正係数を送信するものを示した。しかし、シャッタ制御信号や補正係数を画像表示装置からシャッタメガネ装置に無線送信することも考えられる。さらに、画像表示装置およびシャッタメガネ装置を有線で接続して、これらの信号を有線で送信することも考えられる。
【0199】
また、上述実施の形態においては、画像表示装置として画像表示部(表示パネル118)に表示される画像をシャッタメガネ装置で観視する画像表示観察システムを示した。しかし、画像表示装置の画像表示部に表示された画像を、さらに、スクリーンに投射して、このスクリーンに投射された画像をシャッタメガネ装置で観視する画像表示観察システムも、同様に構成することができる。
【0200】
また、上述実施の形態において、画像表示装置100のLCDパネル118には、左眼画像信号SLによる左眼画像および右眼画像信号SRによる右眼画像を交互に表示する構成となっている。しかし、画像表示部に表示される両眼視差画像は、通常の2次元の画像から生成されたものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0201】
この発明は、速い動きを伴う動画に対する追従視の際に、同時視における立体融合位置に乖離が発生することを抑制でき、観視者に良好な立体画像を知覚させることが可能となるものであり、視差を有する同時刻の左眼画像および右眼画像が時間差をもって表示される画像表示観察システムに適用できる。
【符号の説明】
【0202】
10,10A〜10C・・・画像表示観察システム
100,100A〜100C・・・画像表示装置
101・・・CPU
102・・・フラッシュROM
103・・・DRAM
111・・・アンテナ端子
112・・・デジタルチューナ
113・・・ビットストリーム処理部
114・・・3D信号処理部
115,115A〜115E・・・輝度補正部
116・・・映像信号制御部
117・・・LCD駆動部
118・・・LCDパネル
119・・・バックライト
120・・・音声信号処理回路
121・・・音声増幅回路
122・・・スピーカ
123・・・HDMI端子
124・・・HDMI受信部
125・・・シャッタ制御部
126・・・赤外線発光部
131L,131R,131Ld,131Rd・・・APL算出部
132,132A,132D,132E,141・・・補正係数決定部
132B,132C・・・補正係数発生部
133L,133R・・・乗算部
134L,134R・・・動き領域検出部
200,200C,200D・・・シャッタメガネ装置
200L・・・左眼シャッタ
200R・・・右眼シャッタ
201・・・シャッタメガネ部
202・・・赤外線受光部
203,203C,203D・・・シャッタ駆動部
204・・・ユーザ操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像表示部と、
第1の期間および第2の期間が交互に連続し、該連続する各一対の第1の期間および第2の期間で、それぞれ、上記画像表示部に、視差を有する同時刻の左眼画像および右眼画像の一方の画像および他方の画像を表示する表示制御部と、
上記連続する各一対の第1の期間および第2の期間で上記画像表示部に表示される上記一方の画像および上記他方の画像の明度を、上記他方の画像の明度に比べて上記一方の画像の明度が低くなるように補正する明度補正部と
を備える画像表示装置。
【請求項2】
上記明度補正部は、
上記左眼画像を表示するための左眼画像信号および上記右眼画像を表示するための右眼画像信号の双方またはいずれか一方の輝度値を補正する
請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
上記明度補正部は、
上記左眼画像信号の平均輝度値および上記右眼画像信号の平均輝度値を算出する平均輝度値算出部と、
上記平均輝度値算出部で算出された平均輝度値と上記左眼画像および上記右眼画像の表示周期とのいずれかまたは双方に基づいて、上記左眼画像信号および上記右眼画像信号の双方またはいずれか一方の輝度値の補正信号を決定する補正信号決定部と、
上記補正信号決定部で決定された補正信号を用いて、上記左眼画像信号および上記右眼画像信号の双方またはいずれか一方の輝度値を補正する画像信号処理部とを有する
請求項2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
上記左眼画像信号に基づいて左眼画像の動き領域を検出すると共に、上記右眼画像信号に基づいて右眼画像の動き領域を検出する動き領域検出部を、さらに備え、
上記左眼画像信号のうち上記動き領域検出部で検出された左眼画像の動き領域に対応した信号および上記右眼画像信号のうち上記動き領域検出部で検出された右眼画像の動き領域に対応した信号の双方またはいずれか一方の輝度値を補正する
請求項2に記載の画像表示装置。
【請求項5】
上記明度補正部は、
上記左眼画像信号のうち上記動き領域に対応した信号の平均輝度値および上記右眼画像信号のうち上記動き領域に対応した信号の平均輝度値を算出する平均輝度値算出部と、
上記平均輝度値算出部で算出された平均輝度値と上記左眼画像および上記右眼画像の表示周期とのいずれかまたは双方に基づいて、上記左眼画像信号のうち上記動き領域に対応した信号および上記右眼画像信号のうち上記動き領域に対応した信号の双方またはいずれか一方の輝度値の補正信号を決定する補正信号決定部と、
上記補正信号決定部で決定された補正信号を用いて、上記左眼画像信号のうち上記動き領域に対応した信号および上記右眼画像信号のうち上記動き領域に対応した信号の双方またはいずれか一方の輝度値を補正する画像信号処理部とを有する
請求項4に記載の画像表示装置。
【請求項6】
上記動き領域検出部は、上記左眼画像の動き領域と共に該左眼画像の動き領域の動き量を検出すると共に、上記右眼画像の動き領域と共に該右眼画像の動き領域の動き量を検出し、
上記補正信号決定部は、上記平均輝度値算出部で算出された平均輝度値と上記左眼画像および上記右眼画像の表示周期とのいずれかまたは双方と共に、さらに、上記動き領域検出部で検出された動き量に基づいて、上記左眼画像信号のうち上記動き領域に対応した信号および上記右眼画像信号のうち上記動き領域に対応した信号の双方またはいずれか一方の輝度値の補正信号を決定する
請求項5に記載の画像表示装置。
【請求項7】
上記明度補正部は、
ユーザ操作に基づいて、上記左眼画像信号および上記右眼画像信号の双方またはいずれか一方の輝度値の補正信号を発生する補正信号発生部と、
上記補正信号発生部で発生された補正信号を用いて、上記左眼画像信号および上記右眼画像信号の双方またはいずれか一方の輝度値を補正する画像信号処理部とを有する
請求項2に記載の画像表示装置。
【請求項8】
上記画像表示部は、液晶表示パネルおよびバックライトにより構成され、
上記明度補正部は、上記左眼画像および上記右眼画像の双方またはいずれか一方が表示されるタイミングで上記バックライトの明るさを補正する
請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項9】
上記明度補正部は、
上記左眼画像信号の平均輝度値および上記右眼画像信号の平均輝度値を算出する平均輝度値算出部と、
上記平均輝度値算出部で算出された平均輝度値と表示左眼画像および上記右眼画像の表示周期とのいずれかまたは双方に基づいて、上記左眼画像および上記右眼画像の双方またはいずれか一方の明度の補正信号を決定する補正信号決定部とを有し、
上記補正信号決定部で決定された補正信号を用いて、上記左眼画像および上記右眼画像の双方またはいずれか一方が表示されるタイミングで上記バックライトの明るさを補正する
請求項8に記載の画像表示装置。
【請求項10】
上記明度補正部は、
ユーザ操作に基づいて、上記左眼画像および上記右眼画像の双方またはいずれか一方の明度の補正信号を発生する補正信号発生部を有し、
上記補正信号発生部で発生された補正信号を用いて、上記左眼画像および上記右眼画像の双方またはいずれか一方が表示されるタイミングで上記バックライトの明るさを補正する
請求項8に記載の画像表示装置。
【請求項11】
第1の期間および第2の期間が交互に連続し、該連続する各一対の第1の期間および第2の期間で、それぞれ、画像表示部に、視差を有する同時刻の左眼画像および右眼画像の一方の画像および他方の画像を表示する画像表示装置の画像明度補正方法であって、
上記連続する各一対の第1の期間および第2の期間で上記画像表示部に表示される上記一方の画像および上記他方の画像の明度を、上記他方の画像の明度に比べて上記一方の画像の明度が低くなるように補正する
画像表示装置の画像明度補正方法。
【請求項12】
左眼シャッタと右眼シャッタを有するシャッタメガネ部と、
第1の期間および第2の期間が交互に連続し、該連続する各一対の第1の期間および第2の期間で、それぞれ、画像表示部に、視差を有する同時刻の左眼画像および右眼画像の一方の画像および他方の画像を表示する画像表示装置から送信されてくる上記左眼画像および上記右眼画像の表示タイミングを示すシャッタ制御信号を受信する受信部と、
上記受信部で受信されたシャッタ制御信号に基づいて、上記画像表示部に左眼画像が表示されるタイミングで上記シャッタメガネ部の左眼シャッタを開き、上記画像表示部に右眼画像が表示されるタイミングで上記シャッタメガネ部の右眼シャッタを開くシャッタ駆動部と、
上記連続する各一対の第1の期間および第2の期間で上記画像表示部に表示され、上記シャッタメガネ部を通じて観視される上記一方の画像および上記他方の画像の明度を、上記他方の画像の明度に比べて上記一方の画像の明度が低くなるように補正する明度補正部と
を備えるシャッタメガネ装置。
【請求項13】
上記受信部は、さらに、上記画像表示装置から送信されてくる上記一方の画像および上記他方の画像の双方またはいずれか一方の明度を補正する補正信号を受信し、
上記明度補正部は、上記受信部で受信された補正信号に基づいて、上記シャッタメガネ部を通じて観視される上記一方の画像および上記他方の画像の双方またはいずれか一方の明度を補正する
請求項12に記載のシャッタメガネ装置。
【請求項14】
上記明度補正部は、ユーザ操作に基づいて、上記シャッタメガネ部を通じて観視される上記一方の画像および上記他方の画像の双方またはいずれか一方の明度を補正する
請求項12に記載のシャッタメガネ装置。
【請求項15】
上記明度補正部は、上記シャッタメガネ部の左眼シャッタおよび右眼シャッタの双方またはいずれか一方の開いている時間を変更することで、上記一方の画像および上記他方の画像の双方またはいずれか一方の明度を補正する
請求項13または請求項14に記載のシャッタメガネ装置。
【請求項16】
上記明度補正部は、上記シャッタメガネの左眼シャッタおよび右眼シャッタの双方またはいずれか一方の透過率を変更することで、上記一方の画像および上記他方の画像の双方またはいずれか一方の明度を補正する
請求項13または請求項14に記載のシャッタメガネ装置。
【請求項17】
第1の期間および第2の期間が交互に連続し、該連続する各一対の第1の期間および第2の期間で、それぞれ、画像表示部に、視差を有する同時刻の左眼画像および右眼画像の一方の画像および他方の画像を表示する画像表示装置から送信されてくる上記左眼画像および上記右眼画像の表示タイミングを示すシャッタ制御信号に基づいて、上記画像表示部に左眼画像が表示されるタイミングでシャッタメガネ部の左眼シャッタを開き、上記画像表示部に右眼画像が表示されるタイミングで上記シャッタメガネ部の右眼シャッタを開くシャッタメガネ装置の画像明度補正方法であって、
上記連続する各一対の第1の期間および第2の期間で上記画像表示部に表示され、上記シャッタメガネを通じて観視される上記一方の画像および上記他方の画像の明度を、上記他方の画像の明度に比べて上記一方の画像の明度が低くなるように補正する
シャッタメガネ装置の画像明度補正方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−239164(P2011−239164A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−108764(P2010−108764)
【出願日】平成22年5月10日(2010.5.10)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】