説明

画像表示装置および画像表示装置の制御方法

【課題】階調依存性のある輝度ばらつきを低減するための処理に用いる補正データを記憶手段から読み出す際に必要となる記憶手段の処理帯域の低減を、輝度ばらつき補正性能と両立して実現するための技術を提供する。
【解決手段】本発明の画像表示装置は、表示パネル、輝度ばらつきを低減するための補正処理で用いられる複数の補正値を記憶する記憶手段、補正手段、制御手段、を有し、制御手段は、表示パネルを複数の分割領域に分割し、分割領域毎に、セレクトブロック階調値を算出し、補正手段で、分割領域毎に、複数の補正値のうち、セレクトブロック階調値に対応する補正値を算出するために用いる補正値を読み出す制御を実行し、補正手段は、分割領域毎に、読み出した補正値を用いてセレクトブロック階調値に対応する補正値を算出し、算出した補正値を用いて、分割領域内の映像信号の階調値を変換する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置および画像表示装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
画像表示装置、特に、平面型表示装置(FPD)として、液晶表示装置(LCD)、プラズマ表示装置(PDP)、電界放出型表示装置(FED)、有機EL表示装置(OLED)等が知られている。
このような平面型表示装置では、基板上に多数の表示素子を形成する必要がある。これらの表示素子の発光特性は、製造条件等のわずかな違いにより影響を受ける。そのため、一般に、平面型表示装置が有する全ての表示素子の発光特性を完全に均一にすることは困難である。この発光特性の不均一さは、輝度ばらつきの原因となり、画質の劣化をまねく。例えば、電界放出型表示装置の場合、電子放出素子として、表面伝導型電子放出素子、スピント型、MIM型、カーボンナノチューブ型等が用いられている。電子放出素子の製造条件等の違いにより電子放出素子の形状等が異なると、電子放出素子の電子放出特性も異なることとなる。その結果、輝度ばらつきが生じ、画質が劣化してしまう。
【0003】
かかる課題に対し、各表示素子の発光特性に応じて映像信号を補正する構成が提案されている(輝度ばらつき補正)。例えば、輝度ばらつきを低減するための調整比率(補正値)を含む補正データを表示素子毎にあらかじめ用意し、入力された映像信号に調整比率を乗算することで輝度ばらつきを低減する方法がある。しかしながら、輝度ばらつきは階調値に依存することがある(ばらつきの階調依存性)。そのため、すべての階調値に対する輝度ばらつきを低減するには、各階調値に対応する補正値を用意する必要がある。
【0004】
また、上記輝度ばらつき補正では、画素を構成する素子ごとに、その素子に対する映像信号(階調値)に対応する補正値を選択して補正が行われる。そのため、補正値を格納するメモリ(記憶手段)から、すべての階調値の補正値を事前に読み出す必要がある。
このことは、階調性能の向上や高精細化など、表示パネルの性能の向上によって、必要となるメモリから補正データを読み出す際に必要となる処理帯域(メモリの処理帯域)が増大することを意味している。具体的には、低階調領域(階調値の小さい領域)の表現性能を向上させる場合、輝度ばらつきは低階調側ほど大きくなるため、低階調領域用により多くの階調値に対する補正値を用意する必要が生じる。そのため、転送する補正データ(事前に読み出す必要のある補正データ)の容量(処理容量)が増大し、必要となるメモリの処理帯域も増大する。また、現状のHDTV放送規格である2K1Kから、デジタルシネマに対応した4K2Kなどの超高精細規格へ対応するために、更なる高精細化が必要となり、そのような高精細化に比例して必要となる処理速度(補正値を読み出す速度)は増大する。必要となるメモリの処理帯域は、処理容量×処理速度で決まるため、高精細化によって必要となるメモリの処理帯域は増大する。
【0005】
このような処理帯域の増加に対応するためには、メモリ(揮発性メモリ)の多用化や高速化などの対応手法が考えられる。しかしながら、揮発性メモリの多用化では、揮発性メモリを制御するLSIのピン数の大幅な増加によるコストアップなどの問題が生じてしまう。揮発性メモリの高速化では、揮発性メモリのデバイス性能に限界があることや、基板設計の難易度が増してしまうなどの問題があるため、ある一定レベル以上の高速化を実現することは容易ではない。
また、必要となるメモリの処理帯域を低減するために、補正データの容量を減らせば、補正性能は低下してしまう。即ち、メモリの処理帯域の低減による効果と輝度ばらつき補正による効果とはトレードオフの関係にある。
そのため、表示性能の向上を安価なシステムで実現することは、平面型表示装置の価値を大きく高める。
【0006】
輝度ばらつき補正に関する従来技術として、例えば、特許文献1〜3の技術があるが、それらの技術では上記課題を解決することはできない。
特許文献1,2に開示の技術は、いずれも、階調依存性のある輝度ばらつきを低減するための技術であり、上記必要となるメモリの処理帯域を低減するための技術ではない。具体的には、特許文献1に開示の技術は、階調値ごとの補正値を用いた輝度ばらつき補正に関する技術であり、特許文献2に開示の技術は、特定階調の補正値を用意し、特定階調間の階調値に対する補正値を補間により算出する技術である。
特許文献3に開示の技術は、ブロックに対する補正値をそのブロック内の中央の画素に基づき決定した際に生じるブロック間の縦すじの色むらの発生を抑制する技術であり、階調依存性のある輝度ばらつきを低減するための技術ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−122598号公報
【特許文献2】特開2001−350442号公報
【特許文献3】特開平11−202827号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、階調依存性のある輝度ばらつきを低減するための処理に用いる補正データを記憶手段から読み出す際に必要となる記憶手段の処理帯域の低減を、輝度ばらつき補正性能と両立して実現するための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の画像表示装置は、マトリクス状に配置された複数の表示素子を有する表示パネルと、前記複数の表示素子間の輝度ばらつきを低減するための補正処理で用いられる表示素子毎の補正データであって、各表示素子について、N個(Nは3以上の整数)の階調値に対応するN個の補正値を含む補正データを記憶する記憶手段と、前記記憶手段から前記補正データを読み出して前記補正処理を実行する補正手段と、制御手段と、を有し、前記制御手段は、表示パネルを複数の分割領域に分割し、分割領域毎に、分割領域を代表する階調値であるセレクトブロック階調値を算出し、前記補正手段で、分割領域毎に、分割領域内の各表示素子のN個の補正値のうち、セレクトブロック階調値に対応する補正値を算出するために用いるn個(nは1以上N未満の整数)の補正値を読み出す制御を実行し、前記補正手段は、分割領域毎に、読み出したn個の補正値を用いて前記セレクトブロック階調値に対応する補正値を算出し、算出した補正値を用いて、分割領域内の表示素子に対する映像信号の階調値を変換することを特徴とする。
【0010】
本発明の画像表示装置の制御方法は、マトリクス状に配置された複数の表示素子を有する表示パネルと、前記複数の表示素子間の輝度ばらつきを低減するための補正処理で用いられる表示素子毎の補正データであって、各表示素子について、N個(Nは3以上の整数)の階調値に対応するN個の補正値を含む補正データを記憶する記憶手段と、前記記憶手段から前記補正データを読み出して前記補正処理を実行する補正手段と、制御手段と、を有する画像表示装置の制御方法であって、前記制御手段が、表示パネルを複数の分割領域に分割し、分割領域毎に、分割領域を代表する階調値であるセレクトブロック階調値を算出するステップと、前記補正手段が、分割領域毎に、分割領域内の各表示素子のN個の補正値のうち、セレクトブロック階調値に対応する補正値を算出するために用いるn個(nは1以上N未満の整数)の補正値を読み出すステップと、前記補正手段が、分割領域毎に
、読み出したn個の補正値を用いて前記セレクトブロック階調値に対応する補正値を算出し、算出した補正値を用いて、分割領域内の表示素子に対する映像信号の階調値を変換するステップと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、階調依存性のある輝度ばらつきを低減するための処理に用いる補正データを記憶手段から読み出す際に必要となる記憶手段の処理帯域の低減を、輝度ばらつき補正性能と両立して実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施例の輝度ばらつき補正部の構成の一例を示すブロック図。
【図2】本実施形態の表示装置全体の構成の一例を示すブロック図。
【図3】変調信号の変調方式の一例を示す図。
【図4】電子放出素子の特性の一例を示す図。
【図5】補正値の階調依存性の一例を示す図。
【図6】従来の輝度ばらつき補正部の構成を示すブロック図。
【図7】従来方式と本発案方式の必要帯域の差の一例を示す図。
【図8】ブロックサイズと検知限の関係を示す図。
【図9】実施例1のブロック階調点選択部の構成の一例を示すブロック図。
【図10】同じブロック階調値を示すパターンの一例を示すイメージ図。
【図11】係数ペアの選択方法の一例を示すイメージ図。
【図12】色ブロック単位の補正データの格納方法とアクセス方式の一例を示す図。
【図13】画素ブロック単位の補正データの格納方法とアクセス方式の一例を示す図。
【図14】実施例2のブロック階調点選択部の構成の一例を示すブロック図。
【図15】隣接ブロックの影響を考慮すべき特定パターンの一例を示す図。
【図16】実施例3のブロックパターン解析部の処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明によれば、補正処理に用いる補正データを記憶手段(メモリ)から読み出す際に必要となる記憶手段の処理帯域の低減を、輝度ばらつき補正性能と両立して実現することができる。なお、補正処理は、階調依存性のある輝度ばらつき(複数の表示素子間の輝度ばらつき)を低減するための処理である。
【0014】
画像表示装置の駆動(変調)方式は特に限定されないが、電圧波形を制御する駆動方式は、輝度ばらつきが階調値に依存するため(補正データを演算用メモリから読み出す際に必要となるメモリの処理帯域が増加する可能性が高いため)好ましい。例えば、アクティブマトリクス駆動型や単純マトリクス駆動型であることが好ましい。具体的には、電圧駆動型のパルス幅変調方式(PWM)、パルス振幅変調方式(PHM)及びPWMとPHMの併用型や、電流駆動型(結果的に表示素子に印加される電圧波形が変化するため)であることが好ましい。特に、階調値に応じて変調信号の振幅(電界強度)を変調するPHMやPWMとPHMの併用型などは、輝度ばらつきの階調依存性が顕著になるため好ましい。
【0015】
本発明において用いられる表示素子の種類は特に限定されない。例えば、電子放出素子、EL素子、液晶素子、プラズマ素子などを用いることができる。特に、電界強度で輝度が制御される電子放出素子やEL素子などは、輝度ばらつきの階調依存性の観点から、好適に用いることができる。電子放出素子としては、例えば、表面伝導型、スピント型、MIM型、カーボンナノチューブ型、BSD型の電子放出素子を用いることができる。
【0016】
複数の表示素子を用いた大面積の画像表示装置では、複数の表示素子間の発光特性のばらつきが大きくなり易いため、明るさのむら(輝度ばらつき)が発生し易い。そのため、複数の表示素子を用いた大面積(画面の対角サイズが20インチ以上)の画像表示装置は、本発明が適用される好ましい形態である。
【0017】
また、輝度ばらつきは低階調側ほど大きくなるため、電子放出素子を用いた低階調領域(階調値の小さい領域)の階調性能が向上された画像表示装置では、低階調領域用により多くの補正データを用意する必要が生じ、必要となるメモリの処理帯域が増加する。そのため、低階調性能に優れた10ビット以上の階調性能を持つ、暗所コントラストが高い画像表示装置は、低階調領域の輝度ばらつきを補正により低減させる必要があるため、本発明が適用される好ましい形態である。
【0018】
また、電子放出素子を有する高精細の画像表示装置において、フレーム周波数が同じであれば、高精細化により1表示素子に対する映像信号を補正するのに割り当てられた時間は短くなる。その結果、必要となるメモリの処理帯域も増加する。そのため、電子放出素子を用いた高精細(2K1K、4K2Kなどの高精細解像度)の画像表示装置は、本発明が適用される好ましい形態である。
【0019】
更に、本発明では、必要となるメモリの処理帯域を低減するために、補正データをブロック単位で読み出すことが前提となる。そのため、データを格納する揮発性メモリに対し、バーストモードで高速アクセスするする構成では、ブロック単位での読み出しが前提となるため、本発明が適用される最も好ましい形態である。
【0020】
<実施例1>
以下、本発明の実施例1に係る画像表示装置及びその制御方法について説明する。本実施例では、表示素子として電子放出素子を用い、電子放出素子をPWMを含む変調方式で単純マトリクス駆動する場合の例について説明する。但し、前述したように、本発明はこの構成に限定されるものではない。また、本実施例では、補正データは、各表示素子について、N個(Nは3以上の整数)の階調値に対応するN個の補正値を含むものとする。
図1,2は、本実施例に係る画像表示装置及びその制御方法を説明するための代表図である。図1は、本実施例での特徴となる輝度ばらつき補正部の構成の一例を示すブロック図であり、図2は、本実施例に係る画像表示装置全体の構成の一例を示すブロック図である。
【0021】
(画像表示装置全体について)
まず、図2を用いて本実施例に係る画像表示装置の機能構成について説明する。符号200は表示パネルを示す。表示パネルはマトリクス状に配置された複数の表示素子を有する。本実施例では、表示パネルとして、リアプレートとフェースプレートをスペーサと呼ばれる支持部材を介して対向させた表示パネルを用いた。リアプレートは、複数の表示素子(例えば、冷陰極素子)がマトリクス状に配列されたマルチ電子源(例えば、水平方向5759(=1920×RGB)×垂直方向1080個の電子放出素子214)を有するものとした。フェースプレートは、ガラス基板、複数の電子放出素子とそれぞれ対向するようにガラス基板上に設けられた複数の蛍光体、及び、複数の蛍光体を覆うメタルバックを有するものとした。
【0022】
複数の電子放出素子214は、複数の変調配線212と複数の走査配線213により単純マトリクス配線されている。変調ドライバ210と走査ドライバ211から変調配線212と走査配線213に信号を印加することにより、所望の電子放出素子から電子が放出される。高圧電源216を用いて上記メタルバックの電位を高電位にすることにより、放出された電子は加速し、メタルバックを通過して蛍光体に衝突する。それにより、蛍光体
が発光し、画像(映像)が表示される。なお、複数の電子放出素子を有する表示パネルの構成や製造方法は、例えば、特開2000−250463号公報に詳しく開示されている。
【0023】
次に、本実施例に係る画像表示装置の処理、特に、映像信号が入力されてから映像を表示するまでの処理について説明する。画像表示装置は、例えば、映像信号供給装置に接続され、主に、映像信号S1や同期信号T1などの信号を用いた処理を行う部分と、通信信号C1などのコマンド信号を用いた処理を行う部分の2種類で構成される。
【0024】
まず、映像信号供給装置から入力された映像信号S1から、変調ドライバ210に入力する駆動信号S6を生成するまでの処理について説明する。
映像信号S1はRGB入力部201に入力される。RGB入力部201は、水平解像度、走査線数、フレームレート、クロック周波数などが表示パネル200のそれらと整合するように映像信号S1を変換する変換回路や、色温度、ホワイトバランスなどを調整する調整回路などを有する。RGB入力部201は、上記変換回路や調整回路を用いて映像信号S1に所定の処理を施し、信号S2として出力する。
【0025】
信号S2は、逆γ補正部202に入力される。逆γ補正部202は、表示パネルでの輝度値(出力される値)と映像信号の値(データ)が線形になるように、信号S2を変換し、信号S3として出力する。この変換後の信号S3において、データは輝度値に比例するため、以後、信号S3のデータを「輝度データ」と呼ぶ。一般的に、映像信号S1は、CRTディスプレイ装置で表示することを前提として、CRTディスプレイの入力−発光特性に合わせた0.45乗などの非線形変換(ガンマ変換)が施されて伝送あるいは記録さ
れている。逆γ補正部202は、そのような映像信号を、FEDやPDPなどの入力−発光特性が線形な表示デバイスに表示するために、該映像信号に対して、2.2乗などの逆
ガンマ変換を施す。
【0026】
信号S3は、本実施例での特徴となる輝度ばらつき補正部203に入力される。輝度ばらつき補正部203は、信号S3に対し、輝度ばらつき(複数の電子放出素子214間の電子放出特性のばらつき)を低減するための補正処理を施し、信号S4として出力する。輝度ばらつき補正部203の詳細については以降で詳しく説明する。なお、信号S4のデータは輝度ばらつきが補正されたデータであるため、以後、該データを補正輝度データと呼ぶ。
【0027】
信号S4は、蛍光体補正部204に入力される。蛍光体補正部204は、変調ドライバの非線形性や蛍光体の輝度飽和特性などを考慮し、選択された表示素子が補正輝度データに比例する輝度で発光するように、信号S4(補正輝度データ)にリニアリティ補正を施し、信号S5として出力する。本実施例では、表示素子として自発光型ではない電子放出素子を想定しているため、選択された電子放出素子に対向する蛍光体が補正輝度データに比例する輝度で発光するように、信号S4にリニアリティ補正を施す。なお、R、G、B各色の蛍光体の輝度飽和特性が異なる場合には、補正輝度データに対し色毎で異なる変換(補正)を施せば良い。
【0028】
信号S5は、駆動変換部205に入力される。駆動変換部205は、RGBパラレルに入力されるデータ(信号S5のデータ)を表示パネル200のRGB蛍光体の配列に対応するように並び替えを行う。また、駆動変換部205は、信号S5のデータを、変調ドライバ210の入力フォーマット(例えば、Mini LVDS、RSDSなど)に合ったデータに変換
し、駆動信号S6として出力する。なお、信号S4,S5のデータは輝度に比例した値をもつデータであるが、駆動信号S6のデータは輝度に対して非線形なデータとなる。
【0029】
なお、各信号処理部(符号201〜205で示される機能)の動作タイミングは、映像信号供給装置から受け取った同期信号T1に基づいてタイミング制御部206が生成する同期信号T2によって制御される。
また、各信号処理部(符号201〜205で示される機能)の動作モードは、システム制御部207により、システムバス209を経由してパラメータを設定することにより制御される。システム制御部207は、論理ロジックのみで構成されていてもよいし、CPUやマイコン、並列演算が可能なメディアプロセッサで構成されていてもよい。制御を行うプログラムはROMに内蔵されていてもよいし、入出力インタフェースを介して外部から転送されてもよい。上記パラメータは、電源遮断時にも記憶されている必要があるため、フラッシュメモリなどに代表される大容量の不揮発性メモリ208に格納されている。そして、必要に応じてシステム制御部207により読み出され、設定を行うことができるようになっている。不揮発性メモリ208は、NANDタイプやNORタイプのフラッシュメモリだけではなく、ROMであっても、ハードディスクであっても良い。また、SRAMなどの揮発性メモリを電池駆動により不揮発性メモリのように使う構成であってもよい。
また、システム制御部207は、通信信号C1により、映像信号供給装置側から起動要求や動作モードの切り替え要求などの各種要求を受け取り、エラーがなければこの要求に従って画像表示装置の制御を行う。エラーがある場合には、映像信号供給装置側にそれを通知すると共に、画像表示装置のエラー処理(強制シャットダウンなど)をフェイルセーフで行う。
【0030】
次に、駆動変換部205から駆動信号S6が出力されてから、表示パネル200を駆動し、映像表示が行われるまでの流れについて説明する。
変調ドライバ210は、駆動変換部205から駆動信号S6を受け取る。そして、変調ドライバ210は、タイミング制御部206からのタイミング制御信号T3に基づき、走査ドライバ211による走査配線の選択期間毎に、変調配線212に変調信号を印加する。
走査ドライバ211は、タイミング制御部206からのタイミング制御信号T4に従って順次ライン(走査配線)を選択し、その選択期間に、選択した走査配線へ所定の選択信号を印加する。
駆動電源215は、変調ドライバ210、及び、走査ドライバ211に、それらの駆動のための電力を供給する。
【0031】
このように、変調ドライバ210によって、変調配線212が駆動信号S6に応じた変調信号で駆動され、それと同時に、走査ドライバ211によって、走査配線213に選択信号(走査パルス)が出力される。それにより、選択された走査配線213と、変調信号が印加されている変調配線212とに接続されている電子放出素子214は、変調配線212の変調信号に応じた電子放出を行う。
【0032】
高圧電源216は、加速電圧(8〜10kV)を発生し、該加速電圧によりメタルバックの電位を高電位にする。それにより、電子放出素子から放出された電子は、加速し、蛍光体に衝突する。そして、蛍光体への電子の衝突により、該蛍光体が発光する。
全ての走査配線を順次選択して、上記処理を行うことにより、表示パネル200に1画面分の画像が形成(表示)される。
なお、駆動電源215と高圧電源216は、システム制御部207からのコントロール信号C2,C3により適応的に制御可能に構成されていることが好ましい。特に、起動時、電源オフ時、及び、エラー発生時には適切な立ち上げ/立ち下げシーケンスで各電源の
駆動順序や、高圧電源の昇圧、降圧方法が制御されることが好ましい。
【0033】
(多値補正の必要性について)
次に、輝度ばらつき補正部203において多値補正が必要となる理由について以下に説明する。多値補正とは、階調値毎に異なる輝度ばらつきに対して、少なくとも2つ以上の階調値に対応する補正値を用いた補正処理のことを意味する。
【0034】
まず、変調ドライバ210の変調信号の一例について説明する。電子放出素子では、印加する駆動電圧に応じて放出電流を制御できるので、変調信号のパルス振幅によって輝度を変化させることが可能である。また、変調信号のパルス幅により輝度を制御することもできる。
本実施例では、図3に示すような、パルス幅とパルス振幅を変調する方式で表示パネルを駆動する場合について説明する。図3では、縦軸を電位、横軸を時間として、各階調値に対応する変調信号の波形(駆動波形;図2のS7に相当)が横に並べて示されている。ここで階調値は変調信号のとりうる信号レベルの小さいものから順につけられた番号であり、駆動変換部205から出力される駆動信号S6に相当する。
【0035】
このような変調方式では、注目する階調値の駆動波形とその前後の階調値に対応する駆動波形との間のパルス幅及びパルス振幅の差が小さいほど、注目する階調値における階調性能が高くなる。また、本変調方式では、パルス振幅が一定のPWMに比べ、低輝度領域(低階調領域;階調値の小さい領域)において上記差を小さくできる。そのため、低階調領域での階調値の数を多くすることができる(低階調領域での階調性能を高くすることができる)。しかしながら、本変調方式では、低階調側でパルス振幅が通常のPWMの場合に比べ小さくなるため、輝度ばらつきが低階調側(階調値が小さい側)で大きくなる。以下に、このような輝度ばらつきの階調依存性について詳しく説明する。
【0036】
輝度ばらつきの要因について本発明者が鋭意検討した結果、輝度ばらつきは複数の電子放出素子間の放出電流のばらつきによるものが大きいことがわかった。図4に、横軸を駆動電圧、縦軸を放出電流とする電子放出素子の特性の模式的なグラフを示す。駆動電圧は、電子放出素子214に印加される電圧(Vf)であり、選択信号の電位(−Vss)と変調信号の電位(VA)の差(Vf=VA+Vss)である。また、図4は、選択信号の電位(−Vss)を−7.5V、変調信号の電位(VA)の最大値を7Vとしたときの図である。図4から、選択信号が印加されている電子放出素子からは、変調信号の電位(VA)に応じて電子が放出されることがわかる。一方、選択信号、変調信号、または、それら両方が印加されていない電子放出素子からは電子が放出されないことがわかる。
【0037】
実際の表示パネル200では、複数の電子放出素子間で特性のばらつきが少なからずある。図4には、一例として、2つの電子放出素子の特性を模式的に示した。図4において、Aで示した部分は変調信号の電位が高い部分であり、2つの素子間で放出電流値は比較的一致している。一方、Bで示した部分は変調信号の電位が部分Aよりも低い部分であり、2つの素子間で放出電流値は大きくずれる(ばらつく)ことがわかる。また、部分Aと部分Bの間の駆動電圧では、2つの素子間の放出電流値は、部分Bほどではないが部分Aよりも大きくずれる。この放出電流値のばらつきは、複数の表示素子間の輝度ばらつきが生じる原因となる。また、駆動電圧の値によって放出電流値のばらつきが異なることは、輝度ばらつきの階調依存性が生じる原因となる。
【0038】
また、複数の電子放出素子間で放出点数(電子を放出する位置の数)がばらついた場合には、各電子放出素子の特性は図4の縦軸を定数(放出点数の比)倍させた特性となるため、輝度ばらつきの階調依存性は殆ど生じない。一方、電子放出素子の電界増倍係数(エミッタとゲート間の距離や形状)がばらついた場合には、各電子放出素子の特性は図4の横軸を定数(駆動電界の比)倍させた特性となるため、輝度ばらつきの階調依存性が顕著に発生する。よって、放出点数と電界増倍係数が独立にばらついた場合に、複数の階調値間の輝度ばらつきの関係は、放出点数のばらつきと電界増倍係数のばらつきの内容によっ
て変化する。そのため、正確な補正値を得るためには、少なくとも2つの階調値について輝度のばらつきを計測しなければならない。そして、輝度ばらつきが階調依存性を有する場合があるため、階調値毎に各表示素子用の補正値が必要となる。
【0039】
以上の理由から、多値補正が必要となる。
しかしながら、各階調値について各表示素子用の補正値を用意すると、データ容量が膨大になり、ハードウェアで実現するには現実的ではない。そこで、本実施例では、全階調値のうち何個かの代表階調値を選択し、それ以外の階調値に対応する補正値は、代表階調値に対応する補正値を補間して得られる補正値カーブを用いて生成する。
図5は、補正値の階調依存性を示しており、表示素子A2の輝度に合うように表示素子A1と表示素子A3の階調値を補正する場合の例である。
図5は、表示素子A3のプロット点を理想値とし、4つの代表階調値に対応する4つの補正値(U(Upper)点、M(Middle)点、L(Lower)点、L’(Lower’)点)を補間
して理想値の近似値を得る様子を示している。しかしながら、図5の例では、補正値間をリニア補間しているため、補正値カーブが誤差(補間誤差)を含んでしまう(理想値と補正値カーブから得られる値とにずれが生じてしまう)。補正値カーブの誤差を小さくするためには、代表階調値の数はある程度多くなくてはならない。
【0040】
(多値補正を実現するための具体例)
上述したような補正値カーブを用いた多値補正を実現するためのハードウェア構成(従来例)について図6を用いて説明する。図6は、輝度ばらつき補正部203の詳細を示すブロック図である。図6は、大きく分けて、補正データ書き込み転送処理系と補正データ読み出し演算処理系の2つの処理系に分けられる。以下に各処理系について詳細に説明する。
【0041】
・補正データ書き込み転送処理系について
この処理系は、輝度ばらつき補正を行う前段階として、低速な不揮発性メモリから、高速な揮発性メモリへ補正データを転送するために具備されている。具体的には、起動時に、システム制御部207が、システムバス209を輝度ばらつき補正部203に開放する。そして、準備が整った段階で、システム制御部207が、不揮発性メモリ208に格納された補正データを輝度ばらつき補正部203に対して連続的に読み出すことで、補正データが図6の揮発性メモリ1002a〜dに転送される。このような転送は、一般に、DMA転送と呼ばれる。
【0042】
揮発性メモリ1002a〜dは、安価で高速動作が可能な、SDRAMやDDR2-SDRAMなどを
代表するDRAMやSRAMなどで構成するのが一般的である。
図6の例では、表示素子毎に、補正データとして図5に示す4つの階調点に対応する4つの補正値が転送されるものとする。具体的には、揮発性メモリ1002aにU点の補正値、揮発性メモリ1002bにM点の補正値、揮発性メモリ1002cにL点の補正値、揮発性メモリ1002dにL’点の補正値が書き込まれる。また、図6の例では、4つの階調値に対応する4つの補正値を同時に読み出すことができるデータ帯域が用意されている。
【0043】
・補正データ読み出し演算処理系について
この処理系は、揮発性メモリ1002a〜dを参照して、入力された映像信号に対し輝度ばらつき補正を施すために具備されている。具体的には、多値補正演算部1001において、揮発性メモリ1002a〜dから読み出した補正値を補間して得られる補正値カーブを用いて、信号S3の階調値が補正され、信号S4として出力される。
【0044】
補正データの全てが揮発性メモリ1002a〜dへ転送されたら、システム制御部20
7は、多値補正演算部1001に対して、多値補正の開始を指示する。多値補正演算部1001は、タイミング制御部206からの同期信号T2に同期して、揮発性メモリ1002a〜dから、4つの階調値に対応する4つの補正値(読み出しデータa〜d)をバーストモードで同時に読み出す。具体的には、アドレス生成部1006が読み出しアドレスMAを出力することにより、補正値が読み出される。ここで、バーストモードとは、指定したアドレスから連続したアドレスのデータを一括処理するモードであって、連続的に読み出せる補正値数は揮発性メモリ1002a〜d(DRAM)の構造によって決まる。例えば、図6の例ではI/O構造が4ビットプリフェッチ方式のDDR2を例として説明しているので、バースト数を4として表記している。このことは、1回のアドレス指定で補正値が4素子単位で読み出されることを意味している。セレクタ1003は、上記読み出された4つの階調値に対応する4つの補正値から多値補正に最低限必要な2つの補正値を選択し、補間演算部1004に受け渡す。なお、図中、Dは輝度データを意味する。U,L,L’,Mは、U点,L点,L’点,M点の補正値を意味する。
【0045】
ここで、セレクタ1003による選択方法の例について、図5を用いて説明する。
セレクタ1003は、信号S3(輝度データ)の階調値がU点とM点の階調値の間の階調値である場合は、U点とM点を選択する。M点とL点の階調値の間の階調値である場合は、M点とL点を選択する。L点とL’点の階調値の間の階調値である場合は、L点とL’点を選択する。階調値がU点の階調値より大きい場合はU点、L’点の階調値より小さい場合はL’点を選択する。
【0046】
補間演算部1004における補間演算方法について具体的に説明する。
輝度データの階調値をdinとし、dinがM点とL点の階調値の間の階調値である場合について説明する。M点の座標を(m_th,m_coef),L点の座標を(l_th,l_coef)とすると、階調値dinに対応する補正値dout(補間後の補正値)は以下の式にて算出することができ
る。
dout
=(1/(m_th−l_th))×((m_coef−l_coef)×din+m_th×l_coef−l_th×m_coef)
=(1/(m_th−l_th))×(l_coef×(m_th−din)+m_coef×(din−l_th))
(但し、l_th<din<m_th)
そして、乗算部1005で、補正値doutを輝度データに乗算することにより、補正輝度データ(信号S4)が得られる。そのため、補正値が1の場合には輝度データはそのまま出力され、1未満の場合には階調値を小さくする(輝度を下げる)補正がされ、1より大きい場合には階調値を大きくする(輝度を上げる)補正がされることになる。なお、din
の値がU点とM点、L点とL’点の階調値の間の階調値である場合にも、同様の方法で補正値を算出すればよい。また、dinがU点とL’点の階調値の間の階調値でない場合は、
選択されたU点やL’点の補正値をdoutとすればよい。
【0047】
(多値補正のハードウェア構成の課題)
前述したような多値補正を実現するためのハードウェア構成(従来例)での課題について以下に説明する。
従来例における輝度ばらつき補正では、表示素子ごとに、その素子の輝度データ(階調値)に対応する補正値(具体的には、その補正値を算出するために用いるn個(nは1以上N未満の整数;本実施例ではn=2)の補正値)が選択される。また、デジタルテレビのHD規格などの高精細映像(2K1K映像)に対する輝度ばらつき補正では、高速なデータ処理が必須となる。補正データは、補正値の多値化により大容量化される。
そのため、大容量の補正データをメモリから高速に読み出すために、ワークメモリとして、一般に、1アドレスあたりの転送効率を高めることができ、上記バーストモードに対応した安価なDRAMが使用されている。
【0048】
また、輝度データに対応する補正値を選択するためには、上記DRAMから補正データを読み出す際に、上記対応する補正値だけを読み出すランダムアクセス性能が求められる。しかしながら、DRAMでは、その構造上ランダムアクセスを行うと転送効率が低下してしまう。また、DRAMやSRAMなどのシングルアクセスモードによりランダムアクセスを実現する方法があるが、アクセスタイムの制約により、所定の転送サイクル中に送れるデータ容量は少ない(つまり、帯域が低い)ため適さない。これに対し、帯域を上げるためにメモリICを多用化し並列処理する方法もあるが、実装面積が大きくなり、コストも高くなるなどの弊害が生じてしまうので、これも適さない。
【0049】
以上のことを踏まえ、従来例では、バーストモードでDRAMを使うことにより、転送効率を高め、高速処理に対応するようにしている。更に、選択する可能性がある補正値をすべて読み出し、セレクタ1003にて輝度データに応じて補正値を選択する構成にすることで、ランダムアクセスと同等の機能を実現している。
【0050】
しかしながら、上記従来例では、“階調性能向上”、“高精細化”のような今後の表示パネル200の性能向上に付随して構成の弱点が露呈してしまう。
具体的には、低階調領域の表現性能を向上させた場合、輝度ばらつきは低階調側ほど大きくなるため、更なる多値化が必要となる(より多くの階調値に対する補正値が必要となる)。従来例では、すべての階調値に対する補正値を読み出す方式が採用されているため、階調性能を向上することにより、補正値を読み出すために必要なメモリの処理帯域(必要帯域)が増加してしまう。図7(A)に現行の4値補正(4つの代表階調値に対応する4つの補正値を用いた多値補正)での必要帯域を1とした時の、多値化による必要帯域の変化の様子を示している(図7(A)において、縦軸は必要帯域、横軸は代表階調値の数を示す)。従来例(従来方式)では、代表階調値数と必要帯域は比例し、低階調性能向上により必要帯域が増加することがわかる。
また、デジタルシネマフォーマットに対応した、4K2Kなどの超高精細化を行った場合、フレーム周波数が同じであれば、高精細化により1つの表示素子に対する補正処理に割り当てられた時間は短くなるため、必要帯域は増加する。換言すれば、必要帯域は表示素子数に比例して増加する。例えば、図7(B)に現行の2K1Kでの必要帯域を1とした時の、高精細化による必要帯域の変化の様子を示している(図7(B)において、縦軸は必要帯域、横軸は解像度を示す)。図7(B)から、4K2Kの必要帯域は、2K1Kの必要帯域の4倍になってしまうことがわかる。
【0051】
この必要帯域の増加に対応するためには、図6の揮発性メモリ1002の多用化や高速化が必要になる。しかしながら、揮発性メモリ1002の多用化では、揮発性メモリ1002を制御するLSIのピン数の大幅な増加によるコストアップなどの問題が生じてしまう。揮発性メモリ1002の高速化では、揮発性メモリ1002のデバイス性能に限界があることや、基板設計の難易度が増してしまうなどの問題があるため、ある一定レベル以上の高速化を実現することは容易ではない。
【0052】
そこで、本実施例では、セレクタ1003にて4つの代表階調値から補間演算用の2つの代表階調値を選択する方式ではなく、予め補間演算用に必要な2つの代表階調値を選択し、選択した代表階調値に対応する補正値をメモリから読み出す方式を採用する。
セレクタ1003にて4つの代表階調値から2つの代表階調値を選択する構成では、必要帯域に無駄(残りの2つの代表階調値(使用されない補正値)を読み出すことによる無駄)が生じてしまうが、本発案方式ではそのような無駄は生じない。
具体的には、図7(A)に示すように、本発案方式の必要帯域は代表階調値数によらず一定(代表階調値数が2のときの必要帯域)となる。また、図7(B)に示すように、4値補正の場合には、必要帯域は解像度によらず従来方式の1/2に削減される。
【0053】
しかしながら、バーストモードを基本とする揮発性メモリ(DRAM,SRAM)を用いて、帯域を無駄にせずに本発案方式を実現しようとすると、代表階調値の選択単位が表示素子単位から複数の表示素子を1つのブロック(分割領域)としたブロック単位になる。そして、選択単位がブロック単位であっても補正性能を維持する必要がある(従来の方法では選択単位をブロック単位にすることで補正性能が低下してしまう)。そこで、本実施例では以下の方法で補正性能を維持する。
【0054】
(本実施例での輝度ばらつき補正方法)
本発明者は、上述したブロック単位での代表階調値の切り替えについて、補正対象の表示素子に対する補正値を使用すれば、階調値が信号S3の階調値とずれていたとしてもその差は検知できないのではないかと考えた。そして、それを実証する実験を試みた結果、以下のような傾向があることを見い出した。
【0055】
・空間周波数の低い画像
ブロック内の画像が、空間周波数の低いベタパターンや自然画などのように、比較的相関性の高い画像(例えば、図10のベタ)である場合には、平均的な階調値に対応する補正値を用いた補正処理を実行すればよい。そのような補正処理を実行すれば、ブロック内の各表示素子についての補正誤差は見た目では全く分からない。なお、平均的な階調値は、例えば、階調値の平均値(平均階調値)、中間値、最頻値などである。相関性は、ブロック内の各表示素子に対する階調値が或る階調幅(例えば、10階調分の幅)に収まっている場合には高く、それ以外の場合には低いとみなせばよい。
・空間周波数の高い画像
ブロック内の画像が、明と暗がトグルするパターンなど空間周波数の高い画像である場合(例えば、図10のトグル)には、階調値が信号S3の階調値とずれていたとしても、ブロック内の各表示素子についての補正誤差は見た目では全く分からない。
・エッジを含む画像
ブロック内の画像が、明から暗(暗から明)に変化するエッジを含む空間周波数の低い画像(例えば、図10のエッジ)である場合には、エッジを構成する高階調側の領域(明部)の階調値に対応する補正値を用いた補正処理を実行すればよい(明部優先)。そのような補正処理を実行すれば、ブロック内の各表示素子についての補正誤差は見た目ではほとんど分からない。なお、エッジを構成する高階調側の領域の階調値は、例えば、その領域内の最大階調値、最小階調値、平均的な階調値などである。
上述した空間周波数の高い画像やエッジを含む画像は、相関性が低いとみなされる画像である。即ち、相関性の高い画像に対しては平均的な階調値に対応する補正値を用いた補正処理が望ましく、相関性の低い画像に対しては明部優先の補正処理が望ましい。
【0056】
更に、本発明者は、図8(A)に示すような最も誤差が検知し易いと思われる画像(エッジ含む空間周波数の低い画像)を用いて、ブロックサイズを変化させたときの補正誤差の検知限界を主観評価した。その結果、図8(B)のようにブロックサイズが或る大きさ(m素子分)未満であれば補間誤差は全く検知されず、或る大きさ以上になると補間誤差が検知しやすくなることが分かった(図8(B)の縦軸は値が大きいほど検知され難いことを示す評価尺度である)。つまり、上記実験結果とバーストモードで揮発性メモリ1002から読み出し可能な補正値の数との関係を考慮すれば、最適なブロックサイズを決定することが可能である。
【0057】
なお、本実施例におけるブロックは、m素子×1ラインのブロックサイズを有する領域あり、図8(B)では、ブロックサイズの単位は表示素子数で表されている。しかし、実際は、ブロックサイズは単純な素子数ではなく、表示パネルの素子ピッチ(表示素子間の間隔)×素子数と、視聴距離(表示画面から視聴者までの距離)との関係により決定される領域パラメータである。
【0058】
(実施例1のブロック構成と処理)
前述した実験結果から、分割領域毎に、分割領域内の画像の特徴(画像パターン)に基づいて該分割領域を代表するセレクトブロック階調値を算出することにより、補正性能の維持と必要帯域の削減が両立できることが分かった。
また、上述したように、相関性の高い画像に対しては平均的な階調値に対応する補正値を用いた補正処理が望ましく、相関性の低い画像に対しては明部優先の補正処理が望ましい。そこで、本実施例では、分割領域内の画像の相関性が所定の基準よりも高い場合には、分割領域内の表示素子に対する映像信号の平均的な階調値をセレクトブロック階調値として算出する。そして、分割領域内の画像の相関性が所定の基準よりも低い場合には、分割領域内の表示素子に対する映像信号の階調値のうち、所定の階調値よりも高い階調値を用いてセレクトブロック階調値を算出する。
以下、図1を用いてより詳細に説明する。まず、従来の構成を表わす図6との構成上の大きな違いについて説明する。
【0059】
本実施例では、無駄な帯域を作る原因となる図6のセレクタ1003を使用しないことで、従来例(図6の例;4値補正の例)と比較して必要帯域を1/2に減らす構成につい
て説明する。そのため、本実施例では、多値補正演算部101に接続する揮発性メモリ102(記憶手段)は4チップ構成から2チップ構成(揮発性メモリ102a,102b)になっている。揮発性メモリ102a、揮発性メモリ102bへの読み出しアドレスMA1,MA2(どの階調値に対応する補正値を読み出すかを表すアドレス)は別々に制御される。読み出しアドレスMA1,MA2の生成を行うアドレス生成部106は、同期信号T2だけではなく、ブロック階調点選択部103からのブロック階調点選択信号によって制御される。ブロック階調点選択部103の動作については以降に詳しく説明する。
【0060】
ここで、揮発性メモリ102a,102bへの、特徴的なDMA転送による補正データ格納方法について説明する。
揮発性メモリ102a,102bの2つのICには、全表示素子分の補正データが係数ペア(補間演算に用いる2つの補正値)を同時に読み出すことができるように格納されている。
具体的には、揮発性メモリ102aにU点とL点、揮発性メモリ102bにM点とL’点の補正値(表示素子毎の補正値)が格納されている。それにより、U点とM点、L点とM点、L点とL’点の3パターンのどれでも同時に読み出すことができる。しかしながら、揮発性メモリ102a,102bから順番に補正値を読み出すと、U点とM点、L点とL’点の補正値を階調値の大きい順に読み出す場合に、L点とM点の補正値は階調値の小さい順に読み出されることになる。そこで、データ並び替え部107は、アドレス生成部106からの制御により、M点とL点の補正値を読み出すときだけデータをスワップする必要がある。なお、揮発性メモリ102aにM点の補正値を更に格納し、揮発性メモリ102bにL点の補正値を更に格納すれば、メモリ容量は増えてしまうがM点とL点を階調値の大きい順に読み出すことができる。また、この場合には、データ並び替え部107は不要となる。
【0061】
次に、輝度データ(信号S3)から揮発性メモリ102a,102bへの読み出しアドレスMA1,MA2を生成するまでの具体的な処理の流れについて図1と図9を用いて以下に説明する。図1は、図6と比較し易いように1回のアドレスで連続した4素子分の補正値を読み出す場合(ブロックサイズが4素子の場合)の例である。なお、以下の処理はブロック(分割領域)単位で実行される。
【0062】
図1において、輝度データ(信号S3)はブロック階調点選択部103(制御手段)に入力される。ブロック階調点選択部103は、表示パネル200を複数の分割領域に分割
し、分割領域毎にブロック階調点選択信号を出力する。具体的には、4素子を1つのブロック単位として、アドレス生成部106に対するブロック階調点選択信号を出力する。ブロック階調点選択信号とは、本実施例では3種類の係数ペア(U点とM点、M点とL点、L点とL’点)を識別する信号であり、アドレス生成部106はこの信号と同期信号T2から読み出しアドレスMA1,MA2を生成する。
【0063】
まず、ブロック階調点選択部103の動作について図9を用いて詳しく説明する。ブロック階調点選択部103は、大きく分けて3つの処理部(ブロックバッファ2001、ブロックパターン解析部2002、閾値比較部2003)から構成される。
輝度データ(信号S3)は、ブロックバッファ2001に入力される。具体的には、ブロックパターン解析部2002でのブロック内パターン解析処理のために、少なくともブロックサイズ分の輝度データが格納される。本実施例では、ブロックバッファ2001は、4素子分の輝度データが溜まると、ブロック階調値計算部2004とエッジパターン検出部2005へ溜めたデータを同時に受け渡す。ブロック階調値計算部2004は、ブロック内の表示素子に対する映像信号の平均階調値(以後、ブロック階調値と記載する)を算出する。具体的には、4素子分の階調値の平均値を算出し、ブロック階調値としてセレクタ2006へと出力する。エッジパターン検出部2005は、ブロック内の4素子のデータパターン解析を行う(ブロック内パターン解析処理)。
【0064】
データパターン解析をする理由は、同じブロック階調値でも異なるデータパターンがあるためである。図10に、同じブロック階調値で3種類(ベタ、エッジ、トグル)の異なるパターンの例を示す。本実施例では、エッジパターン検出部2005が、特徴パターンとしてエッジを検出する(分割領域内の画像がエッジを含むエッジパターン画像か否かを判断する)。そして、エッジを検出した場合には、エッジ検出信号を出力すると共に、明部ブロック階調値も算出する。明部ブロック階調値は、エッジを構成する高階調側(階調値が大きい側)の領域(明部)の平均階調値(128)である。逆に、エッジを構成する低階調側(階調値が小さい側)の領域(暗部)の平均階調値(0)は、暗部ブロック階調値と定義する。明部ブロック階調値とエッジ検出信号はセレクタ2006へ出力される。エッジが検出された場合に明部ブロック階調値を算出する理由は、前述したように、エッジパターン画像では、明部優先の方がブロック内の各表示素子についての補正誤差が検知され難いからである。
【0065】
セレクタ2006は、通常はブロック階調値を選択するが、エッジパターン画像の分割領域に対しては明部ブロック階調値を選択する。選択した結果はセレクトブロック階調値として、閾値比較部2003に受け渡される。即ち、通常はブロック階調値がセレクトブロック階調値として算出され、エッジパターン画像の分割領域に対しては明部ブロック階調値がセレクトブロック階調値として算出される。
閾値比較部2003は、ブロック内の各表示素子のN個の補正値のうち、セレクトブロック階調値に対応する補正値を算出するために用いるn個の補正値を表すブロック階調点選択信号を生成し、出力する。例えば、U点の座標を(u_th,u_coef)、M点の座標を(m_th,m_coef)、L点の座標を(l_th,l_coef)、L’点の座標を(l’_th,l’_coef)とすると、セレクトブロック階調値を上記座標の階調値成分(閾値)u_th、m_th、l_th、l’_thと比較する。それにより、最適な係数ペアを決定し、決定した係数ペアを識別するためのブロック階調点選択信号を出力する。
具体的には、u_th<セレクトブロック階調値の場合には、U点を選択し、
m_th<セレクトブロック階調値≦u_thの場合には、U点とM点を選択し、
l_th<セレクトブロック階調値<m_thの場合には、M点とL点を選択し、
l’_th<セレクトブロック階調値<l_thの場合には、L点とL’点を選択し、
セレクトブロック階調値<l’_thの場合には、L’点を選択する。
【0066】
次に、アドレス生成部106における具体的なアドレス生成方法について説明する。
揮発性メモリ102a,102bには前述したような格納方法により、補正データとして4つの階調値に対応する4つの補正値が格納されている。
階調値のベースアドレスを
U点:BaseAddr_U
M点:BaseAddr_M
L点:BaseAddr_L
L’点:BaseAddr_L’
とし、表示画面の座標を(0,0)から(1919,1079)、ブロックサイズをBSIZEとすると、
座標(X,Y)のブロック(4素子)に対する各階調値の読み出しアドレスは、
読み出しアドレス=ベースアドレス+int(X/BSIZE)+1920/BSIZE*Y
で表わすことができる。
アドレス生成部106は、ブロック階調点選択信号を用いてベースアドレスを選択し、同期信号T2をカウントすることで座標(X,Y)を認識する。そして、例えば、座標(X,Y)のブロックに対しU点とM点を選択する場合には、
読み出しアドレスMA1=BaseAddr_U+int(X/4)+480*Y
読み出しアドレスMA2=BaseAddr_M+int(X/4)+480*Y
のように読み出しアドレスを生成する。なお、読み出しアドレスは上述した形式に限らない。係数ペアを決定することができるアドレスであればよい。
【0067】
このように揮発性メモリ102a,102bへの読み出しアドレスを制御することで、読み出しアドレスMA1,MA2に応じて最適な係数ペア(読み出しデータa,b)がデ
ータ並び替え部107へ読み出される。即ち、分割領域毎に、揮発性メモリ102a,102bから、セレクトブロック階調値に対応する補正値を算出するために用いるn個の補正値が読み出される。データ並び替え部107は、必要に応じて読み出した補正値の並び替えを行い、それら補正値を補間演算部104に受け渡す。そして、補間演算部104が、上記読み出したn個の補正値を用いてセレクトブロック階調値に対応する補正値を算出し、乗算部105が、該算出した補正値を用いて分割領域内の表示素子に対する映像信号の階調値を変換する。具体的には、乗算部105は、輝度データ(信号S3)に上記算出した補正値を乗算し、補正輝度データ(信号S4)を出力する。実際のシステムでは、以上の処理をRGBの色ごとに独立して行うことになる。本実施例では、データ並び替え部107、補間演算部104、及び、乗算部105により本発明の補正手段が実現される。
【0068】
以上説明したように、バーストモードを基本とする揮発性メモリを用いた輝度ばらつき補正処理において、必要帯域を削減するには、補間演算で必要な2つの階調値に対応する2つの補正値を予め選択し、該補正値を揮発性メモリから読み出す方法が有効である。その場合、読み出しデータ(補正値)はブロック単位になるが、ブロック内のデータパターンの解析を行い、補正誤差が検知しずらい最適な階調値を動的に選択することで、見た目の補正性能を維持することができる。それにより、必要帯域の削減と補正性能の維持とを両立することができる。
【0069】
なお、本実施例では、ブロック階調点選択部103が、通常はブロック階調値を選択し、エッジの検出時のみ、明部ブロック階調値を選択する処理方法について説明をしたが、処理方法はこれに限るものではない。
例えば、補正誤差の検知に影響するエッジパターン画像の検出精度を向上するために、更に以下のような検出条件を設けても良い。
例えば、分割領域内の画像において、エッジが検出され、且つ、
・エッジを構成する明部と暗部の階調値の差が所定値以上である場合(差があるほど補正誤差が検知されやすい)
・エッジを構成する暗部に対する明部の割合が所定範囲内である場合(暗部:明部=1:1のときが最も補正誤差が検知されやすい)
・存在するエッジの数が1つである場合(トグルパターンを除去するため)
に、該画像がエッジパターン画像であると判断してもよい。
また、すべて分割領域に対しブロック階調値を選択することにより、処理を簡易化してもよい。但し、分割領域が大きくなればなるほど分割領域内の画像の相関性が低くなるため、ブロック階調値を選択したのでは補正が不十分となる虞がある。そこで、そのような場合には、分割領域内の画像についてヒストグラム解析を行い、分割領域内の最も頻度が高い階調範囲を選択し、その範囲内の階調値の平均値をセレクトブロック階調値として選択(算出)すればよい。上記ヒストグラム解析だけでなく、空間周波数解析などを一例としたデータパターン解析と組み合わせて、より高精度にブロック内の画像パターン解析を行い、その結果から前述した方法でセレクトブロック階調値を選択してもよい。
また、本実施例では、分割領域内の画像がエッジを含むか否かを、相関性が高いか低いかの基準としたが、そのような基準は目的に応じて適宜設定すればよい。例えば、ヒストグラムの分布の形状などを相関性が高いか低いかの基準としてもよい。
また、本実施例では、エッジの検出時(即ち、相関性が所定の基準より低い場合)に、明部ブロック階調値を算出する構成としたが、算出するのは明部ブロック階調値に限らない。所定の階調値よりも高い階調値を用いて算出された値であればよい。なお、所定の階調値は、固定値であってもよいし、ブロック階調値やヒストグラムに応じて変化する値であってもよい。
なお、以上はあくまで一例であって、補正誤差が検知され難くなるようなセレクトブロック階調値を選択する手法であればすべて含まれる。
なお、本実施例では、N=4,n=1または2の場合について説明したが、Nやnの値はこれに限らない。例えば、N=8,n=3としてもよい(即ち、8つの階調値に対応する8つの補正値のうち、3つの補正値を選択し、選択した3つの補正値から補正値カーブを得る構成であってもよい)。N,nの値は適宜設定すればよい。
【0070】
<実施例2>
実施例1では、分割領域が同一色に対応する表示素子で構成される領域(R(G、B)ブロック;色ブロック)の例について説明した。実施例2では、実施例1より少ない帯域で、ブロックサイズを小さくすることができる処理方法について以下に説明する。
【0071】
実施例1では、説明を分かりやすくするために、色ごとに区別した説明は割愛し、バースト転送数をブロックサイズとして説明した。しかし、輝度データ(信号S3)はR、G、Bの色ごとのデータであるため、ブロックサイズを決定するためのメモリへの補正データの格納方法とアクセス方式は、以降に説明するような工夫が必要となる。
図11(A)は、色ブロック単位で処理する場合の係数ペアの選択のイメージを表わしている。ブロック階調点選択部103は色ごとに独立した処理(ブロック階調点選択処理)を行い、色毎のブロック階調点選択信号をアドレス生成部106に出力する。なお、ブロック階調点選択部103の処理内容は、実施例1で説明した内容と同様であるが、ここでは8素子分の領域を1つのブロックとしている。この理由については、後ほど詳しく説明する。この場合のブロックサイズは、図11(A)に示すように、8画素分の大きさになる。なお、表示パネルにおいて、複数の表示素子は、R,G,Bの3色にそれぞれ対応する3つの表示素子を1画素として配置されているものとする。
【0072】
次に、図11(A)の色ブロック単位の処理のための揮発性メモリ102a,bへの補正データの格納方法とアクセス方式について図12を用いて説明する。図中、UR,LR,L’R,MRは、それぞれ、R色の各表示素子に対応するU点,L点,L’点,M点の補正値を示す。UG,LG,L’G,MGやUB,LB,L’B,MBも対応する表示素子の色がG色,B色である以外は、UR,LR,L’R,MRと同様である。
図12は、揮発性メモリ102a,bとして2つのDDR2-SDRAM(512Mbit×16)を用い
た場合の例を示している。図12(A)は4つの階調値に対応する4つの補正値を用意した場合の物理アドレスプレーンを示している。DDR2-SDRAMはバンク構成のメモリであり、補正データは、少なくとも色毎に異なるバンクに格納されている。また、4つの階調値に対応する4つの補正値は、実施例1で説明した方法で振り分けられている(格納される)。
このような物理アドレスへの割り当てに対して、メモリの帯域を最大限効率的に利用しようとすると、アクセス方式(アクセス形式)は図12(B)のようになる。具体的には、1つの補正値を8bit/colorとすると、R,G,Bの順番でのアクセス(アクセス0→アクセス1→アクセス2)を基本アクセス単位とし、色ごとに8素子分のアドレス指定するのがメモリの帯域を最大限効率的に利用できる方法である。更に、このようなアクセス方式によれば、どのようなケースにおいても読み出しアドレスの切り替え時に異なるバンクをアクセスすることになる(制御手段によって同じバンクが連続してアクセスされるのを防ぐことができる)。そのため、DDR2-SDRAMへのアクセス間のオーバヘッドによる効率低下は生じない。
【0073】
図12(B)の方式において、表示パネル200を120Hzで駆動する場合のメモリの処
理帯域(メモリクロック周波数)を計算すると以下のようになる。
FHD(Full High Definition)の60iでのドットクロックは74.25MHzであるため、120pでのドットクロックは、その値を単純に4倍した297MHzとなる。メモリクロック周波数
は、
メモリクロック周波数=ビデオクロック周波数×転送容量×転送効率÷メモリバス幅
で計算されるので、120Hzで駆動する場合のメモリ周波数は、
メモリクロック周波数=297MHz×(8bit/color×RGB×2(補正値数))×1.0÷32ビット
=445.5MHz
となり、チップ規格であるDDR2-533で事足りることが分かる。
【0074】
しかしながら、上記のようにメモリ帯域の効率を重視してブロックサイズを決定するとブロックサイズは8画素分の大きさとなってしまう。図8(B)で示したようにブロックサイズは小さければ小さいほど良いので、ブロックサイズを更に小さくしようとすると、同じバースト数4のままで、1アドレスあたりの転送量を小さくするようにすれば良い。ただし、その場合には転送効率が悪くなるため、必要帯域(必要なメモリクロック周波数)は増加してしまう。例えば、ブロックサイズを8画素から6画素にした場合(1アドレスで6素子分の補正値を転送する場合)には、
メモリクロック周波数=445.5MHz×(8/6)=594MHz
となり、チップ規格をDDR2-533からDDR2-667に変更すれば対応できる。しかしながら、ブロックサイズを8画素から4画素にした場合には、
メモリクロック周波数=445.5MHz×(8/4)=891MHz
となり、チップ規格を変えるだけで簡単に対応することは難しくなってくる。
【0075】
そこで、本実施例では、色ブロック単位で処理をするのではなく、画素ブロック単位で処理を行う。即ち、分割領域を、複数の画素で構成される領域として定義する。図11(B)は、画素ブロック単位で処理する場合の係数ペアの選択のイメージを表わしている。本実施例のブロック階調点選択部103は、実施例1と同様に色ごとに独立した処理を行うが、ブロック階調点選択信号を色ごとに区別せずにアドレス生成部106に出力する。即ち、本実施例では、図11(A)で示した色ブロック単位の処理ように、色単位でブロックを制御するのではなく、図11(B)で示すように色を区別せずに画素単位でブロックを制御するのである。
【0076】
次に、図11(B)の画素ブロック単位の処理のための揮発性メモリ102a,bへの
補正データの格納方法とアクセス方式について図13を用いて説明する。
図13は、図12と同様に揮発性メモリ102a,bとして2つのDDR2-SDRAM(512Mbit×16)を用いた場合の例を示している。図13(A)は4つの階調値に対応する4つの
補正値を用意した場合の物理アドレスプレーンを示している。DDR2-SDRAMはバンク構成になっており、階調値ごとに異なるバンクに割り当てられている。更に、同じ階調値に対応する複数の補正値(対応する素子が異なる複数の補正値)が、複数のバンクに分けて格納されている。例えば、互いに隣接する素子に対するU点の補正値は、それぞれ、U0 plane(bank0)とU1 plane(bank1)に分けて格納されている。また、4つの階調値に対応する4つの補正値は、実施例1で説明した方法で分けられている(U点とL点、M点とL’点に分けられている)。
このような物理アドレスへの割り当てに対して、メモリの帯域を最大限効率的に利用しようとするとアクセス方式は図13(B)のようになる。具体的には、1つの補正値を8bit/colorとすると、4画素ブロックの分割アクセス(アクセス0→アクセス1)を基本アクセス単位とし、4画素ブロック単位で係数ペアを読み出す制御を行う。この場合、読み出す補正データは画素単位でパッキングされるため、転送サイズに合わせるには冗長データの装填が必要となる。
【0077】
ここで、同一階調値に対応する複数の補正値を異なるバンクに振り分ける理由について説明する。DDR2-SDRAMへのアクセス間のオーバヘッドによる効率低下が生じないようにするためには、どのようなケースにおいてもアドレスの切り替え時に異なるバンクにアクセスする必要がある。例えば、バンクを分割しない場合に、隣接ブロック間でU点とM点の係数ペアが連続して選択されると、同一バンクが連続して選択されてしまう。そこで、図13(A)のように同一階調値に対応する複数の補正値を異なるバンクに振り分ける。それにより、隣接ブロック間で必ず選択するバンクが切り替えられるため(制御手段によって同じバンクが連続してアクセスされないため)、オーバヘッドによる効率低下は生じない。なお、図13(A)の例では、同一階調値に対応する複数の補正値を2つのバンクに分けて格納しているが、バンクの数は2つに限らない。3つや4つのバンクに分けて格納してもよい。同一バンクが連続して選択されないように複数のバンクに分けて格納すればよい。
【0078】
図13(B)の方式において、図12(B)の場合と同様にメモリ帯域(メモリクロック周波数)を計算すると、以下のようになる。
メモリクロック周波数=297MHz×(8bit/color×(RGB+冗長)×2)×1.0÷32ビット
=594MHz
この場合、チップ規格をDDR2-533からDDR2-667に変更すれば対応できる。前述したように、色ブロック単位では、ブロックサイズを4画素とすると、帯域は891MHzになってしまうので、本実施例は、ブロックサイズを小さくするために有効な手法と言える。
【0079】
最後に、図11(B)に示したブロック階調点選択部103の動作の詳細について図14を用いて説明する。輝度データ(信号S3;図中R,G,B)は色ごとにR用のブロック階調点選択部301、G用のブロック階調点選択部302、B用のブロック階調点選択部303に入力される。これらのブロックの処理内容は、図9のブロックバッファ2001からセレクタ2006までの処理と全く同じであり、4素子の色ブロック単位で色毎にセレクトブロック階調値を算出する。
【0080】
次に、この色毎の(R,G,Bの)セレクトブロック階調値に対して、乗算部304〜306にて、色毎に異なる重み付け係数Kr(R用)、Kg(G用)、Kb(B用)を乗算する(重み付け処理)を行う。具体的には、人間の輝度ばらつきの検知性能は、表示素子の発光輝度レベルに依存する(明るく発光する表示素子の方が暗く発光する表示素子よりも検知しやすい)ため、算出されたセレクトブロック階調値に色毎の発光効率に応じた重み付
け処理を施す。以後、重み付けされたセレクトブロック階調値を、重み付け後ブロック階調値と記載する。本実施例では、蛍光体の発光効率に基づいて、
Kr=0.5、Kg=1.0、Kb=0.25
のようにGreen>Red>Blueとなるように重み付け係数を設定した。但し、この重み付け係数の設定値はあくまで一例でありこれに限定するものではない。例えば、蛍光体の発光効率だけではなく、カラーフィルタの効率を加味して重み付け係数の値を設定してもよい。また、それらを全て含んだパネルからの各色ごとの発光輝度や、人間の視覚特性に及ぶすべての要素を加味して重み付け係数の値を設定してもよい。また、ブロック周辺の点灯状態を加味して重み付け係数の値を適応的に可変するような構成であっても良く、色ごとに異なる重み付けをするような処理は全て含まれる。
【0081】
そして、比較選択部307が、色ごとの重み付け後ブロック階調値の最大値を、読み出す補正値を決定するためのセレクトブロック階調値(補正手段の制御に用いるセレクトブロック階調値)として選択し、閾値比較部308に受け渡す。閾値比較部308では、実施例1で説明したようにセレクトブロック階調値(最大値)を階調値(閾値)と比較することにより、ブロック階調点選択信号を生成する。この信号は、4画素単位のブロック内で最も明るい色の重み付け後ブロック階調値を用いて選択された階調値に基づいて信号であるため、他の階調値で発光する素子に対して最適な補正値を選択するための信号ではない。しかしながら、上述した理由から、見た目ではその差は検知され難い。
【0082】
以上説明したように、画素ブロック単位で処理することにより、色ブロック単位と比較して少ない帯域でブロックサイズを小さくすることが可能となる。また、色ごとにセレクトブロック階調値に重み付けを行い、ブロックの代表階調値を決定することにより、補正性能を維持することができる。
【0083】
<実施例3>
実施例1,2では、ブロックの代表階調値の選択は、ブロック内のデータパターンのみから決定する方法について説明した。発明者は、この方法が、ほぼすべての映像パターンで好適に適用することが出来ることを確認した。しかしながら、本発明者は、鋭意検討の結果、例外として、図15に示したような特定パターンに対しては、ブロック内だけではなく、隣接するブロックのデータパターンを考慮して代表階調値を選択した方が良いことを見出した。そこで、実施例3では、上記特定パターンに対するブロックの代表階調値を最適に選択するために、隣接したブロックの情報まで考慮して代表階調値を選択する処理方法について説明する。
【0084】
図15(A)は、エッジパターン画像であるブロックn(左半分が明部で右半分が暗部のブロック)の左側に明るい画像のブロックが隣接し、右側に暗い画像のブロックが隣接している場合の例である。この場合には、ブロックnに対し明部ブロック階調値を優先して選択するのが好適である。具体的には、明部ブロック階調値を選択した場合、ブロックnの右半分の暗部における補正誤差が左半分の明部に比べ大きくなる(暗部が補正誤差の大きい補正誤差領域となる)。しかしながら、ブロックn−1からブロックnの左半分に続く明部の影響により、この補正誤差は検知され難くなる。
一方、図15(B)は、エッジパターン画像であるブロックn(左半分が明部で右半分が暗部のブロック)の左側に暗い画像のブロックが隣接し、右側に明るい画像のブロックが隣接している場合の例である。この場合にブロックnに対し明部ブロック階調値を選択してしまうと、ブロックnの右半分の暗部における補正誤差が図15(A)の場合よりも検知しやすくなってしまう。これは、図15(B)ではブロックn−1が暗い画像のブロックであるため、図15(A)の場合と比較して明部の領域の割合が減少し、ブロックnの右半分からブロックn+1に続く暗部の領域の割合が増加したためである。また、ブロックn内の明部の階調値と暗部の階調値が近いほど、明部の比率(ブロック内の割合)が
小さくなるほど、ブロックサイズが大きくなるほど、上記補正誤差は検知しやすくなる。
【0085】
そのような問題を解決するために、本実施例では、処理対象の分割領域の周囲の分割領域内の画像を参照する。そして、処理対象の分割領域内の画像がエッジパターン画像であって、少なくとも該分割領域の両隣の分割領域の画像が暗部の画像である場合に、処理対象の分割領域のエッジを構成する暗部の平均階調値をセレクトブロック階調値として算出する。即ち、明部を補正誤差領域とする(図15(B))。
具体的には、ブロックバッファ2001として、対象ブロックと隣接ブロックを含む3ブロック分(12画素分)の輝度データを一時的に格納できる大きさのバッファを用いる。そして、ブロックパターン解析部2002の処理を図16に示したフローチャートに従って行う。以下に、本実施例のブロックパターン解析部2002の処理について説明する。
【0086】
S101では、実施例1,2で説明したようにブロックnに対してエッジの検出などデータパターンの解析を行う。
エッジが検出されない場合は(S102:NO)、S109に進み、セレクトブロック階調値としてブロック階調値を選択する。
エッジが検出された場合は(S102:YES)、S103においてブロックnの暗部側の隣接ブロック(図15の例では、ブロックn−1)のデータパターン解析をS101と同様に行う。隣接ブロックの画像がエッジを含まない暗部の画像であると判断された場合は(S104:YES)、S105に進む。そうでない場合は(S104:NO)、S108に進み、セレクトブロック階調値として明部ブロック階調値を選択する。
S105では、ブロックnの明部側の隣接ブロック(図15の例では、ブロックn+1)のデータパターン解析をS103と同様に行う。隣接ブロックの画像がエッジを含まない暗部の画像であると判断された場合は(S106:YES)、S107に進み、セレクトブロック階調値として暗部ブロック階調値を選択する。そうでない場合は(S106:NO)、S108に進み、セレクトブロック階調値として明部ブロック階調値を選択する。
【0087】
以上説明したように、隣接したブロックの情報まで考慮して読み出す補正値を決定することにより、対応できるデータパターン数をより多くすることができ、ひいては、実施例1,2に比べ補正性能をより高めることができる。
なお、以上の説明は、隣接ブロックのデータパターンを考慮した実施例を、説明を分かりやすくするために示した一例であり、処理方法はこれに限定されるものではない。例えば、上記のように隣接する2ブロックを参照するのではなく、更にその周辺のブロックを参照してもよい。
【0088】
以上述べたように、本実施形態に係る画像表示装置及びその制御方法によれば、ブロック毎に読み出す補正値の階調値が決定される。それにより、補正値が階調依存性のある輝度ばらつきを低減するための処理に用いる補正データを記憶手段から読み出す際に必要となる記憶手段の処理帯域の低減を、輝度ばらつき補正性能と両立して実現することができる。
【符号の説明】
【0089】
102・・・揮発性メモリ,103・・・ブロック階調点選択部,104・・・補間演算部,105・・・乗算部,106・・・アドレス生成部,107・・・データ並び替え部,200・・・表示パネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マトリクス状に配置された複数の表示素子を有する表示パネルと、
前記複数の表示素子間の輝度ばらつきを低減するための補正処理で用いられる表示素子毎の補正データであって、各表示素子について、N個(Nは3以上の整数)の階調値に対応するN個の補正値を含む補正データを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段から前記補正データを読み出して前記補正処理を実行する補正手段と、
制御手段と、
を有し、
前記制御手段は、
表示パネルを複数の分割領域に分割し、
分割領域毎に、分割領域を代表する階調値であるセレクトブロック階調値を算出し、
前記補正手段で、分割領域毎に、分割領域内の各表示素子のN個の補正値のうち、セレクトブロック階調値に対応する補正値を算出するために用いるn個(nは1以上N未満の整数)の補正値を読み出す制御を実行し、
前記補正手段は、分割領域毎に、読み出したn個の補正値を用いて前記セレクトブロック階調値に対応する補正値を算出し、算出した補正値を用いて、分割領域内の表示素子に対する映像信号の階調値を変換する
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記制御手段は、分割領域毎に、
分割領域内の画像の相関性が所定の基準よりも高い場合には、分割領域内の表示素子に対する映像信号の平均的な階調値をセレクトブロック階調値として算出し、
分割領域内の画像の相関性が所定の基準よりも低い場合には、分割領域内の表示素子に対する映像信号の階調値のうち、所定の階調値よりも高い階調値を用いてセレクトブロック階調値を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記制御手段は、分割領域毎に、分割領域内の表示素子に対する映像信号の平均階調値をセレクトブロック階調値として算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記制御手段は、
分割領域毎に、分割領域内の画像がエッジを含むエッジパターン画像か否かを判断し、
エッジパターン画像の分割領域に対しては、エッジを構成する高階調側の領域の平均階調値をセレクトブロック階調値として算出する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記制御手段は、分割領域内の画像において、エッジが存在し、且つ、エッジを構成する低階調側の領域と高階調側の領域の階調値の差が所定値以上である場合に、該画像をエッジパターン画像であると判断する
ことを特徴とする請求項4に記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記制御手段は、分割領域内の画像において、エッジが存在し、且つ、エッジを構成する低階調の領域に対する高階調側の領域の割合が所定範囲内である場合に、該画像をエッジパターン画像であると判断する
ことを特徴とする請求項4または5に記載の画像表示装置。
【請求項7】
前記制御手段は、分割領域内の画像において、エッジが存在し、且つ、存在するエッジの数が1つである場合に、該画像をエッジパターン画像であると判断する
ことを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項8】
前記制御手段は、処理対象の分割領域の周囲の分割領域内の画像を参照し、
処理対象の分割領域内の画像がエッジパターン画像であって、少なくとも該分割領域の両隣の分割領域の画像が低階調側の領域の画像である場合には、処理対象の分割領域のエッジを構成する低階調側の領域の平均階調値をセレクトブロック階調値として算出する
ことを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項9】
前記表示パネルにおいて、前記複数の表示素子は、R,G,Bの3色にそれぞれ対応する3つの表示素子を1画素として配置されており、
前記分割領域は、同一色に対応する複数の表示素子で構成される領域である
ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項10】
前記表示パネルにおいて、前記複数の表示素子は、R,G,Bの3色にそれぞれ対応する3つの表示素子を1画素として配置されており、
前記分割領域は、複数の画素で構成される領域であり、
前記制御手段は、色毎にセレクトブロック階調値を算出し、算出されたセレクトブロック階調値に色毎に異なる重み付け処理を施し、重み付けされた値の最大値を前記補正手段の制御に用いるセレクトブロック階調値として選択する
ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項11】
前記記憶手段は、バンク構成のメモリであり、
前記制御手段によって同じバンクが連続してアクセスされないように、前記補正データは、複数のバンクに分けて格納されている
ことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項12】
前記記憶手段は、バンク構成のメモリであり、
前記制御手段によって同じバンクが連続してアクセスされないように、前記補正データは、少なくとも色毎に異なるバンクに格納されている
ことを特徴とする請求項9に記載の画像表示装置。
【請求項13】
前記記憶手段は、バンク構成のメモリであり、
前記制御手段によって同じバンクが連続してアクセスされないように、前記補正データのうち、同じ階調値に対応する複数の補正値は、複数のバンクに分けて格納されている
ことを特徴とする請求項10に記載の画像表示装置。
【請求項14】
前記表示素子は、電子放出素子である
ことを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項15】
マトリクス状に配置された複数の表示素子を有する表示パネルと、
前記複数の表示素子間の輝度ばらつきを低減するための補正処理で用いられる表示素子毎の補正データであって、各表示素子について、N個(Nは3以上の整数)の階調値に対応するN個の補正値を含む補正データを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段から前記補正データを読み出して前記補正処理を実行する補正手段と、
制御手段と、
を有する画像表示装置の制御方法であって、
前記制御手段が、表示パネルを複数の分割領域に分割し、分割領域毎に、分割領域を代表する階調値であるセレクトブロック階調値を算出するステップと、
前記補正手段が、分割領域毎に、分割領域内の各表示素子のN個の補正値のうち、セレクトブロック階調値に対応する補正値を算出するために用いるn個(nは1以上N未満の
整数)の補正値を読み出すステップと、
前記補正手段が、分割領域毎に、読み出したn個の補正値を用いて前記セレクトブロック階調値に対応する補正値を算出し、算出した補正値を用いて、分割領域内の表示素子に対する映像信号の階調値を変換するステップと、
を有することを特徴とする画像表示装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−170106(P2011−170106A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−33914(P2010−33914)
【出願日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】