画像表示装置および画像表示装置の駆動方法
【課題】サブフィールド毎に複数の放電セルを選択的に放電させて画像を階調表示する表示パネルを有する画像表示装置において、階調表現数を増やすことを可能とする。
【解決手段】1フィールドを時間的に複数に分割したサブフィールド毎に複数の放電セル10を選択的に放電させて画像を階調表示するPDP6を有する画像表示装置において、PDP6の選択された放電セル10にサステインパルスを印加することによって放電を発生させるY電極駆動回路4およびX電極駆動回路5と、Y電極駆動回路4およびX電極駆動回路5を制御するSF生成回路2と、サブフィールド毎、階調分布毎にサステイン周期を可変するサステイン周期制御回路22とを有する。
【解決手段】1フィールドを時間的に複数に分割したサブフィールド毎に複数の放電セル10を選択的に放電させて画像を階調表示するPDP6を有する画像表示装置において、PDP6の選択された放電セル10にサステインパルスを印加することによって放電を発生させるY電極駆動回路4およびX電極駆動回路5と、Y電極駆動回路4およびX電極駆動回路5を制御するSF生成回路2と、サブフィールド毎、階調分布毎にサステイン周期を可変するサステイン周期制御回路22とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel:以下、PDPと称する)等を用いた画像表示装置における高画質化に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、PDPを用いたプラズマテレビ(PDP−TV)が大画面テレビ市場で急速に普及している。
【0003】
PDPの発光の原理は、X、Y電極間に印加する駆動パルスであるサステインパルスによって放電セルにおいて維持放電を起こし、励起された放電ガスから発生する紫外線を蛍光体によって可視光に変換するというものである。PDPで階調表現をする場合、1フィールドを複数のサブフィールドに時間的に分割し、各サブフィールドに重み付けされた値に応じた回数のサステインパルスが印加されることにより、パルス数に応じた明るさ(輝度)で放電セルが発光する。
【0004】
各サブフィールドは、リセット期間、アドレス期間、サステイン期間に分離される。リセット期間において各サブフィールドのリセット処理が行われ、アドレス期間において点灯される放電セルを選択するためのアドレス放電が行われ、サステイン期間においてサステインパルスによる表示のための維持放電が行われる。
【0005】
PDPを用いた画像表示装置では、サブフィールドの分割数によって階調表現数が決定される。階調表現を上げるためにはサブフィールドの分割数を増やす必要があり、そのためにはアドレス期間、サステイン期間などを短縮する必要がある。しかしながら、放電セルではパルス電圧が印加されて発光(放電)するまでには一定の時間が掛かる。これは一般的に放電遅延と呼ばれる。この放電遅延のため、リセット期間、アドレス期間、サステイン期間を短縮することは困難であった。
【0006】
リセット期間、アドレス期間、サステイン期間を短縮することなく階調表現数を増やす技術として、特開2005―114753号公報(特許文献1)では、発光輝度の異なる2種類のサステインパルスを印加し、表示階調に応じて前記2種類のサステインパルスの構成比を異ならせる技術が開示されている。
【0007】
一方、サブフィールドの点灯率に応じて同一サブフィールド内のサステインパルスの維持周期を変化させる技術が特開2002―132215号公報(特許文献2)に開示されている。
【0008】
【特許文献1】特開2005−114753号公報
【特許文献2】特開2002−132215号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1では、矩形パルスとパルス波形の立ち上がりのみを高電圧振幅にしたオフセットパルスを用いて、各サステインパルスの輝度を異ならせている。この場合、到達電位の異なる複数種類の波形を組み合わせたり、到達電位自体を変えたりする制御を行っている。この制御を行うためには、電位の異なる電源を供給するために複数の電源が必要となり、複数の電源から供給されるパルスを組み合わせる制御が必要となる。そのため、変化の段階を細かく設定し、輝度の異なる複数のサステインパルスの種類をさらに増やそうとすると制御が複雑になり、階調数を増やすことが困難であるという問題点があった。また、低階調側の階調表現を増やすために均等に各サブフィールドの輝度を下げており、最大階調が大幅に下がってしまうという問題点もあった。
【0010】
一方、特開2002−132215号公報(特許文献2)ではサブフィールド内の点灯率に応じてサステインパルスの周期を異ならせる技術が開示されているが、高点灯率時の消費電力低減と低点灯率時の放電の安定を目的としており、階調表現数を増やすことに関しては考慮していない。
【0011】
以上により、本発明は単純な制御でより細かく階調表現数を増やす技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は上記課題を解決するため、サステインパルスの周期を映像信号の階調分布に応じて異ならせるように構成した。
【0013】
具体的には、本発明の画像表示装置は1フィールドの画像を複数のサブフィールドにより構成し、少なくとも1つの前記サブフィールドは複数の放電セルにサステインパルスを印加することにより前記放電セルの点灯を行うサステイン期間を有し、 前記サステイン期間において、該画像表示装置に入力される映像信号の階調分布が変化した場合、サステインパルスの周期を異ならせる構成とする。
【0014】
また、表示階調分布が変化した場合、サステインパルスを到達電位にクランプするタイミングを異ならせる構成とする。
【発明の効果】
【0015】
階調分布に応じてサステインパルスの周期を変化させることで、単純な制御により階調表現数を増やすことが可能となり、高画質な画像が表示可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下においては、画像表示装置の例としてPDPを用いたプラズマディスプレイ装置について説明する。
【実施例】
【0017】
以下に、本発明におけるプラズマディスプレイ装置について説明する。
【0018】
図1は、本発明におけるPDPを駆動するプラズマディスプレイ装置の基本構成を示すブロック図である。プラズマディスプレイ装置は、信号処理回路1、サブフィールド(以下SF)生成回路2、アドレス電極駆動回路3、Y電極駆動回路4、X電極駆動回路5、PDP6、Y電極7、X電極8、アドレス電極9、放電セル10で構成される。また、SF生成回路2はヒストグラム検出回路21とサステイン周期制御回路22とを有し、映像信号のヒストグラムを検出し、それに応じてサブフィールド単位でサステイン周期を変更する。ヒストグラム検出回路21とサステイン周期制御回路22の詳細については後述する。
【0019】
信号処理回路1では、映像信号をPDP6の解像度に合わせる解像度変換が行われるほか、コントラストやブライト、ガンマ補正など、ユーザの好みに合わせた画質調整が行われる。次に、SF生成回路2では、1フィールドを複数のサブフィールドに分割し、各サブフィールドにおいて映像信号に応じて各放電セル10の点灯、不点灯を制御するとともに、Y電極駆動回路4、X電極駆動回路5の制御信号を発生する。
【0020】
PDP6は、サブフィールド毎に複数の放電セル10を選択的に放電させて画像を階調表示する表示パネルであり、複数のY電極7、X電極8、アドレス電極9で構成される。アドレス電極9は画面の垂直方向に配列され、Y電極7およびX電極8は画面の水平方向に配列されており、さらにX電極8は共通に接続されている。Y電極7、X電極8、アドレス電極9の各交点には、放電セル10が形成され、各放電セル10が画面上の画素を構成する。アドレス電極駆動回路3は、PDP6の複数のアドレス電極9に接続され、後述するアドレス期間において、該当するアドレス電極9に書き込みパルスを印加する。
【0021】
Y電極駆動回路4は、各Y電極7ごとに設けられた後述する駆動回路を備え、その各駆動回路がY電極7に接続され、アドレス期間においてY電極7に書き込みパルスを順に印加する。これにより、該当する放電セル10においてアドレス放電が行われる。また、Y電極駆動回路4は、後述するサステイン期間において、Y電極7に周期的な駆動パルスであるサステインパルスを同時に印加する。一方、X電極駆動回路5は、X電極8に接続され、サステイン期間においてX電極8に、各Y電極7のサステインパルスに対して180°位相のずれたサステインパルスを同時に印加する。これにより、該当する放電セル10おいて維持放電が行われ、映像が表示される。
【0022】
図8は、本発明のPDP装置における階調表示方式を示した図である。PDPで階調表示する場合、1フィールド(1/60秒≒16.67ms)を複数のサブフィールドに時間的に分割する。例えば、8ビットで256階調表示を行う場合には、1フィールドを8つのサブフィールドSF1〜SF8に分割する。また、各サブフィールドSF1〜SF8は、それぞれリセット期間、アドレス期間、サステイン期間に分離される。リセット期間において各サブフィールドのリセット処理が行われ、アドレス期間において点灯される放電セル10を選択するためのアドレス放電が行われ、サステイン期間において表示のための維持放電が行われる。
【0023】
リセット期間においては、Y電極7にそれぞれ単一パルスが加えられ、X電極8にも単一パルスが加えられる。これにより予備放電が行われる。アドレス期間においては、Y電極7が順次走査され、アドレス電極9からパルスを受けた放電セル10だけに所定の書き込み処理が行われる。これによりアドレス放電が行われる。
【0024】
サステイン期間においては、各サブフィールドSF1〜SF8に重み付けされた値に応じた数のサステインパルスがY電極7およびX電極8へ出力される。例えば、図8において、サブフィールドSF1では、Y電極7にサステインパルスが1回印加され、X電極8にサステインパルスが1回印加され、アドレス期間において選択された放電セル10が2回維持放電を行う。また、サブフィールドSF4では、Y電極7にサステインパルスが4回印加され、X電極8にサステインパルスが4回印加され、アドレス期間において選択された放電セル10が8回維持放電を行う。
【0025】
上記のように、各サブフィールドSF1〜SF8では、Y電極7およびX電極8にそれぞれ1回、2回、4回、8回、16回、32回、64回、128回のサステインパルスが印加され、パルス数に応じた明るさ(輝度)で放電セル10が発光する。すなわち、サステイン期間は、アドレス期間で選択された放電セル10が明るさの重み付け量に応じた回数で放電する期間である。
【0026】
このように、サブフィールドSF1〜SF8では、それぞれ1、2、4、8、16、32、64、128の明るさの重み付けがなされ、これらのサブフィールドSF1〜SF8を組み合わせることにより、明るさのレベルを0〜255までの256段階で調整することができる。なお、サブフィールドの分割数および重み付け値等は、上記の例に特に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、動画疑似輪郭を低減するために、サブフィールドSF8を二つに分割して二つのサブフィールドの重み付け値を64に設定してもよい。
【0027】
以下に、図1におけるヒストグラム検出回路21とサステイン周期制御回路22の動作について図2〜図7を用いて説明する。
【0028】
図2は、SF生成回路2と、これにより制御されるY電極駆動回路4の構成例を示した図である。Y電極駆動回路4は、PDP6の選択された放電セル10に放電を発生させる駆動手段であり、スイッチ41、42、43、44、ダイオード45、46、回収コンデンサ47および回収コイル48で構成される。
【0029】
また、SF生成回路2は、Y電極駆動回路4およびX電極駆動回路5を制御する制御手段であり、サステイン周期制御回路22、ヒストグラム検出回路21で構成される。
【0030】
まずY電極駆動回路4の動作について説明する。スイッチ43は、電源端子VsとノードN1との間に接続され、スイッチ44は、ノードN1と接地端子との間に接続されている。ノードN1はY電極7に接続される。Y電極7の先には、複数のY電極7とX電極8との間の全容量に相当するパネル容量Cpが示されている。回収コンデンサ47は、ノードN3と接地端子との間に接続されている。ノードN3とノードN2との間には、スイッチ41およびダイオード45が直列に接続され、さらにダイオード46およびスイッチ42も直列に接続されている。回収コイル48は、ノードN2とノードN1との間に接続されている。
【0031】
図3は、図2のY電極駆動回路4におけるサステイン期間の動作を示すタイミング図である。まず、スイッチ41がオンし、スイッチ44がオフする。このとき、スイッチ42、43はオフしている。これにより、回収コイル48およびパネル容量CpによるLC共振により、ノードN1の電圧が緩やかに上昇する。
【0032】
次に、スイッチ41がオフし、スイッチ43がオンする。これにより、ノードN1の電圧が急激に上昇し、ノードN1の電圧がVsに固定され、電源端子Vsから供給される放電電流により維持放電が発生する。次に、スイッチ43がオフし、スイッチ42がオンする。これにより、回収コイル48およびパネル容量CpによるLC共振により、ノードN1の電圧が緩やかに降下する。その後、スイッチ42がオフし、スイッチ44がオンする。これにより、ノードN1の電圧が急激に降下し、接地電位に固定される。なお、スイッチ41がオンする周期(以後サステイン周期)をS1とする。
【0033】
図4(a)は、図2のY電極駆動回路4におけるサステイン期間の別の動作を示すタイミング図である。図4(a)の場合、スイッチ41〜44の基本動作は、図3における説明で前述したものと同様であるが、スイッチ43及び44がオンしている期間が図3の場合より短い。このときのサステイン周期をS2とすると、S1>S2の関係となる。図3、図4(a)のスイッチ41〜44のタイミング制御はサステイン周期制御回路22で行う。なお図2によってY電極駆動回路4の構成の例を説明したが、X電極駆動回路5も図2と同様の構成でよい。また、この例ではスイッチ43及び44のオン期間を変更してサステイン周期を変更したが、スイッチ41及び42のオン期間も変更してもよい。
【0034】
次にサステイン周期を変えた時のPDP6の特性を説明する。図5(a)はサステイン周期を変化させたときの放電輝度の測定結果の一例である。本発明者らが鋭意研究を行ったところ、1サブフィールド中のサステインパルスの数を一定にした際にサステイン周期を短くしていくと放電輝度が上がる傾向があった。その理由としては、サステイン周期が短いほど放電空間に残留する荷電粒子および励起原子等の前回放電のプライミング効果が大きいということが考えられる。なお、放電輝度の上昇量はPDP6内のガス圧や放電セル10の構造などでことなってくるが、全面白ベタ信号表示で数10cd/m2程度である。またサステイン周期の範囲としては一般的には4usから10us程度である。4us以下になると電源Vsの供給時間が少なくなり、放電電流を充分供給できなくなるため安定した放電が維持できなくなる。また10us以上になると1フィールド中に必要なサステインパルス数を発生することができなくなるため、それ以上サステイン周期を長くすることは実用的ではない。
【0035】
また、図4(b)は図3と比較して、サステイン周期はS1で同じであるが、サステインパルスを到達電位にクランプするタイミングを変えることにより輝度を変化させる例である。つまり、図2のスイッチ41をオンにしてからスイッチ43をオンにするまでの時間を変化させることにより、サステインパルスの電圧が急激に変化する電圧幅を変えることができる。サステインパルスの電圧が急激に変化する電圧幅が大きければ大きいほど強い放電が起きることから、サステインパルスを到達電位にクランプするタイミングが早いほどサステインパルス1発あたりの輝度が大きくなる。この場合、図2のスイッチ41をオンにしている時間を短くし、スイッチ43を図3の場合に比べて早いタイミングでオンにしている。図5(b)はサステインパルスを到達電位にクランプするタイミング、つまり図2におけるスイッチ41をオンにしてからスイッチ43をオンにするまでの時間を可変した時の放電輝度の測定結果の一例である。
【0036】
このサステイン周期−放電輝度特性を利用し、本発明の特徴である階調表現数を動的に変更する方式について説明する。図6は、サブフィールド毎のサステイン周期の組み合わせをフィールド毎に制御するパターンの例を示した図である。ここでは図5(a)で示したサステイン周期t1、t2、t3、t4、t5を使用している。また表示映像の階調分布状態(以後ヒストグラム)で制御するパターンを分けている。ここで、ヒストグラムとは図7(a)、図7(b)、図7(c)のように表示映像の各画素の輝度が階調(例えば8ビットでの256階調)のどの範囲にあるかの分布を表したものである。図7(a)は低階調画像のヒストグラム、図7(b)は高階調画像のヒストグラム、図7(c)は中間階調画像のヒストグラムの一例である。図7(a)の低階調画像は例えば階調が0から100、即ち入力信号レベルの0から40%の範囲に輝度分布が80%以上存在するような種類の画像、図7(b)の高階調画像は例えば階調が153から255、即ち入力信号レベルの60%から100%の範囲に輝度分布が80%以上存在するような種類の画像、図7(c)の中間階調画像は例えば階調が77から179、即ち入力信号レベルの30%から70%の範囲に輝度分布が80%以上存在するような種類の画像を表している。例えば、映画ソースは低階調画像、放送波の情報番組は高階調画像が多いとされている。なお、ヒストグラムが低階調、高階調、中間階調であるかの判断基準は任意に設定することができる。本実施例では、ヒストグラム検出回路21によりヒストグラムを検出している。
【0037】
図7(a)のような低階調画像では階調重視とするため、図6の例1のサステイン周期の組み合わせではSF1〜SF3まではサステイン周期t5を選択する。SF4〜SF6まではサステイン周期t4を選択する。また、SF7、SF8はサステイン周期t5を選択する。低階調を表現するSF1〜SF3の輝度を低く設定できるので、実質、階調の分解能が向上し、映画ソースなどでなめらかな階調表現を実現できる。また、例2の組み合わせも基本的に同様で、SF1〜SF2ではサステイン周期t5を選択、SF3〜SF4ではサステイン周期t3を選択し、低階調を表現するSF1〜SF4の輝度を低く設定して階調の分解能を向上させている。さらに、高階調を表現するSF5〜SF8ではサステイン周期t1を選択するので、低階調に多く分布した画像の中に高階調の画素が含まれていても高階調の部分を正確に表現できる。例3の組み合わせではSF1のサステインパルス無しとし、それ以外は例2の組み合わせと同じとした。サステインパルス無しとした理由を説明する。サステイン周期t3の時の輝度が下がるといってもサステインパルス1回分の輝度が大きくなる場合があり、最低階調の分解能が取れない可能性がある。そこでSF1のサステインパルスを無しとし、その代わりにアドレス期間での微弱発光による輝度で最低階調を表現することとした。一般的にアドレス期間での微弱発光はサステインパルスでの発光より輝度値は下がる傾向があり、それを利用している。
【0038】
一方、図7(b)のような高階調画像では、階調より輝度重視とした方が高画質となると考えられるため、例4の組み合わせでは全サブフィールドでサステイン周期t1を選択し、輝度が最も高くなるようになっている。例5の組み合わせは輝度重視であるが、中、低階調画像も比較的に存在するような画像の場合にSF1〜SF2にサステイン周期t2を選択する例である。
【0039】
また、例6は図7(c)のような中間階調画像(輝度分布が中間階調に多く分布している)の設定例を示している。例6の組み合わせではでt1とt3を半分づつ使うことで、低・高階調画像の両方の設定を取り込んでいる。
【0040】
以上のように画像の階調分布が図7(a)のような低階調画像から図7(c)のような中間階調分布に、さらに図7(b)のような高階調画像分布に変化した場合に、図6の例1から例5のように各サブフィールドのサステイン周期の組み合わせを異ならせる制御を行う。この場合において、対応するサブフィールドについて比較すると、低階調分布におけるサステイン周期は中間階調分布におけるサステイン周期以上であり、中間階調分布におけるサステイン周期は高階調分布におけるサステイン周期以上である。また、低階調を表現するサブフィールドにおけるサステイン周期は高階調を表現するサブフィールドにおけるサステイン周期以上のサステイン周期となる。これにより、低階調の画像では階調の分解能を向上させることができ、高階調の画像では輝度を向上させることができる。
【0041】
なお、図6は一例であり、サステイン周期の設定はこれに限られるものではない。サステイン周期ではなく、サステインパルスを到達電位にクランプするタイミングについて図5(b)に示したt’1〜t’5を図6の各例のt1〜t5に適用して図6の制御を行ってもよい。
【0042】
また、図6ではサステイン周期の設定をSFで固定しているが、これに限らず、同じSFであってもフィールド毎にサステイン周期を変更してもよい。
【0043】
また、本実施例では、同じSF内における全てのサステインパルスについては同じサステイン周期を用いているが、同じサブフィールド内で異なるサステイン周期を持つ複数種類のサステインパルスを印加し、前記複数種類のサステインパルスの構成比をサブフィールドごとに変化させてもよい。これにより、さらにきめ細かい階調表現も可能となる。
【0044】
図9(a)、図9(b)は同一サブフィールド内において、周期の異なる複数種類のサステインパルスを印加し、サブフィールド毎の複数種類のサステインパルスの構成比をフィールド毎に制御するパターンの例を示した図である。
【0045】
図9(a)のような低階調画像では階調重視とするため、例7のサステイン周期の組み合わせではSF1〜SF3まではサステイン周期t5、t4を選択する。SF4〜SF6まではサステイン周期t4、t3を選択する。また、SF7、SF8はサステイン周期t3、t2を選択する。例8のサステイン周期の組み合わせでは各サブフィールドについて3種類のサステイン周期のサステインパルスを印加する。例7、例8のいずれの場合も各サブフィールドについて、階調の大きいサブフィールドほど、サステイン周期の短いサステインパルスを印加する割合を多くする。
【0046】
図9(b)のような高階調画像では階調より輝度重視とした方が高画質となると考えられるため、例7のサステイン周期の組み合わせではSF1〜SF3まではサステイン周期t3、t2を選択する。SF4〜SF8まではサステイン周期t2、t1を選択する。例10のサステイン周期の組み合わせでは各サブフィールドについて3種類のサステイン周期のサステインパルスを印加する。図9(a)の場合と同様に例9、例10のいずれの場合も各サブフィールドについて、階調の大きいサブフィールドほど、サステイン周期の短いサステインパルスを印加する割合を多くする。
【0047】
例8と例10のSF7、SF8について比較すると、印加されるサステインパルスの種類はt1、t2、t3同じであるが、構成比が異なっている。周期の長いサステインパルスを例8の場合に多く印加し、周期の短いサステインパルスを例10の場合に多く印加することにより、低階調画像における階調の分解及び高階調画像における輝度を高めている。
【0048】
ここで、1サブフィールドにおけるサステイン周期の合計をサステインパルス数で割ったサステインパルス1発あたりの平均サステイン周期について考える。対応するサブフィールドについて比較すると、低階調分布における平均サステイン周期は中間階調分布における平均サステイン周期以上であり、中間階調分布における平均サステイン周期は高階調分布における平均サステイン周期以上である。また、低階調を表現するサブフィールドにおけるサステイン周期は高階調を表現するサブフィールドにおける平均サステイン周期以上の平均サステイン周期となる。このように構成比を設定することにより、低階調の画像では階調の分解能を向上させることができ、高階調の画像では輝度を向上させることができる。
【0049】
図9(a)、図9(b)のように、サステイン周期の異なる複数種類のサステインパルスの構成比を制御することにより、図6の場合よりもさらに細かい階調制御を行うことができる。
【0050】
本実施例では、階調分布ごとに、各サブフィールドのサステイン周期を変化させたが、同じ階調分布内で表示モードごとに図6の例1から例3を切り替えてもよい。ダイナミックモードやシネマモードといった表示モードごとに切り替えることで、表示モードに応じたきめの細かい階調表現が可能となる。
【0051】
なお、図9(a)、図9(b)は一例であり、サステイン周期の設定はこれに限られるものではない。サステインパルスを到達電位にクランプするタイミングについて図5(b)に示したt’1〜t’5を図9(a)、図9(b)の各例のt1〜t5に適用して図9(a)、図9(b)の制御を行ってもよい。
【0052】
以上に説明したように、本実施例のプラズマディスプレイ装置によれば、ヒストグラム検出回路21により検出した映像信号のヒストグラムに基づいて、サステイン周期制御回路22にてサブフィールド毎またはサステインパルス毎にサステイン周期を動的に切り替える。これにより、映像信号のヒストグラムに応じて発光輝度を切り替えることで、映像信号の内容に応じて輝度もしくは階調表現数を増やすことが可能となり、高画質な画像が表示可能となる。
【0053】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、プラズマディスプレイパネル等を用いた画像表示装置に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施例であるプラズマディスプレイ装置の基本構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例におけるSF生成回路と、Y電極駆動回路の構成例を示した図である。
【図3】本発明の実施例におけるY電極駆動回路におけるサステイン期間の動作を示すタイミング図である。
【図4(a)】本発明の実施例におけるY電極駆動回路におけるサステイン期間の別の動作を示すタイミング図である。
【図4(b)】本発明の実施例におけるY電極駆動回路におけるサステイン期間の別の動作を示すタイミング図である。
【図5(a)】本発明の実施例におけるサステイン周期−放電輝度特性の例を示した図である。
【図5(b)】本発明の実施例におけるサステインパルスを到達電位にクランプするタイミング−放電輝度特性の例を示した図である。
【図6】本発明の実施例におけるサブフィールド毎にサステイン周期を制御するパターンの例を示した図である。
【図7(a)】本発明の実施例におけるヒストグラムの例(a)を示した図である。
【図7(b)】本発明の実施例におけるヒストグラムの例(b)を示した図である。
【図7(c)】本発明の実施例におけるヒストグラムの例(c)を示した図である。
【図8】本発明のPDP装置における階調表示方式を示した図である。
【図9(a)】本発明の実施例におけるサブフィールド毎にサステイン周期の構成比を制御するパターンの例を示した図である。
【図9(b)】本発明の実施例におけるサブフィールド毎にサステイン周期の構成比を制御するパターンの例を示した図である。
【符号の説明】
【0056】
1…信号処理回路、2…サブフィールド(SF)生成回路、3…アドレス電極駆動回路、4…Y電極駆動回路、5…X電極駆動回路、6…PDP、7…Y電極、8…X電極、9…アドレス電極、10…放電セル、21…ヒストグラム検出回路、22…サステイン周期制御回路、41…スイッチ、42…スイッチ、43…スイッチ、44…スイッチ、45…ダイオード、46…ダイオード、47…回収コンデンサ、48…回収コイル。
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel:以下、PDPと称する)等を用いた画像表示装置における高画質化に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、PDPを用いたプラズマテレビ(PDP−TV)が大画面テレビ市場で急速に普及している。
【0003】
PDPの発光の原理は、X、Y電極間に印加する駆動パルスであるサステインパルスによって放電セルにおいて維持放電を起こし、励起された放電ガスから発生する紫外線を蛍光体によって可視光に変換するというものである。PDPで階調表現をする場合、1フィールドを複数のサブフィールドに時間的に分割し、各サブフィールドに重み付けされた値に応じた回数のサステインパルスが印加されることにより、パルス数に応じた明るさ(輝度)で放電セルが発光する。
【0004】
各サブフィールドは、リセット期間、アドレス期間、サステイン期間に分離される。リセット期間において各サブフィールドのリセット処理が行われ、アドレス期間において点灯される放電セルを選択するためのアドレス放電が行われ、サステイン期間においてサステインパルスによる表示のための維持放電が行われる。
【0005】
PDPを用いた画像表示装置では、サブフィールドの分割数によって階調表現数が決定される。階調表現を上げるためにはサブフィールドの分割数を増やす必要があり、そのためにはアドレス期間、サステイン期間などを短縮する必要がある。しかしながら、放電セルではパルス電圧が印加されて発光(放電)するまでには一定の時間が掛かる。これは一般的に放電遅延と呼ばれる。この放電遅延のため、リセット期間、アドレス期間、サステイン期間を短縮することは困難であった。
【0006】
リセット期間、アドレス期間、サステイン期間を短縮することなく階調表現数を増やす技術として、特開2005―114753号公報(特許文献1)では、発光輝度の異なる2種類のサステインパルスを印加し、表示階調に応じて前記2種類のサステインパルスの構成比を異ならせる技術が開示されている。
【0007】
一方、サブフィールドの点灯率に応じて同一サブフィールド内のサステインパルスの維持周期を変化させる技術が特開2002―132215号公報(特許文献2)に開示されている。
【0008】
【特許文献1】特開2005−114753号公報
【特許文献2】特開2002−132215号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1では、矩形パルスとパルス波形の立ち上がりのみを高電圧振幅にしたオフセットパルスを用いて、各サステインパルスの輝度を異ならせている。この場合、到達電位の異なる複数種類の波形を組み合わせたり、到達電位自体を変えたりする制御を行っている。この制御を行うためには、電位の異なる電源を供給するために複数の電源が必要となり、複数の電源から供給されるパルスを組み合わせる制御が必要となる。そのため、変化の段階を細かく設定し、輝度の異なる複数のサステインパルスの種類をさらに増やそうとすると制御が複雑になり、階調数を増やすことが困難であるという問題点があった。また、低階調側の階調表現を増やすために均等に各サブフィールドの輝度を下げており、最大階調が大幅に下がってしまうという問題点もあった。
【0010】
一方、特開2002−132215号公報(特許文献2)ではサブフィールド内の点灯率に応じてサステインパルスの周期を異ならせる技術が開示されているが、高点灯率時の消費電力低減と低点灯率時の放電の安定を目的としており、階調表現数を増やすことに関しては考慮していない。
【0011】
以上により、本発明は単純な制御でより細かく階調表現数を増やす技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は上記課題を解決するため、サステインパルスの周期を映像信号の階調分布に応じて異ならせるように構成した。
【0013】
具体的には、本発明の画像表示装置は1フィールドの画像を複数のサブフィールドにより構成し、少なくとも1つの前記サブフィールドは複数の放電セルにサステインパルスを印加することにより前記放電セルの点灯を行うサステイン期間を有し、 前記サステイン期間において、該画像表示装置に入力される映像信号の階調分布が変化した場合、サステインパルスの周期を異ならせる構成とする。
【0014】
また、表示階調分布が変化した場合、サステインパルスを到達電位にクランプするタイミングを異ならせる構成とする。
【発明の効果】
【0015】
階調分布に応じてサステインパルスの周期を変化させることで、単純な制御により階調表現数を増やすことが可能となり、高画質な画像が表示可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下においては、画像表示装置の例としてPDPを用いたプラズマディスプレイ装置について説明する。
【実施例】
【0017】
以下に、本発明におけるプラズマディスプレイ装置について説明する。
【0018】
図1は、本発明におけるPDPを駆動するプラズマディスプレイ装置の基本構成を示すブロック図である。プラズマディスプレイ装置は、信号処理回路1、サブフィールド(以下SF)生成回路2、アドレス電極駆動回路3、Y電極駆動回路4、X電極駆動回路5、PDP6、Y電極7、X電極8、アドレス電極9、放電セル10で構成される。また、SF生成回路2はヒストグラム検出回路21とサステイン周期制御回路22とを有し、映像信号のヒストグラムを検出し、それに応じてサブフィールド単位でサステイン周期を変更する。ヒストグラム検出回路21とサステイン周期制御回路22の詳細については後述する。
【0019】
信号処理回路1では、映像信号をPDP6の解像度に合わせる解像度変換が行われるほか、コントラストやブライト、ガンマ補正など、ユーザの好みに合わせた画質調整が行われる。次に、SF生成回路2では、1フィールドを複数のサブフィールドに分割し、各サブフィールドにおいて映像信号に応じて各放電セル10の点灯、不点灯を制御するとともに、Y電極駆動回路4、X電極駆動回路5の制御信号を発生する。
【0020】
PDP6は、サブフィールド毎に複数の放電セル10を選択的に放電させて画像を階調表示する表示パネルであり、複数のY電極7、X電極8、アドレス電極9で構成される。アドレス電極9は画面の垂直方向に配列され、Y電極7およびX電極8は画面の水平方向に配列されており、さらにX電極8は共通に接続されている。Y電極7、X電極8、アドレス電極9の各交点には、放電セル10が形成され、各放電セル10が画面上の画素を構成する。アドレス電極駆動回路3は、PDP6の複数のアドレス電極9に接続され、後述するアドレス期間において、該当するアドレス電極9に書き込みパルスを印加する。
【0021】
Y電極駆動回路4は、各Y電極7ごとに設けられた後述する駆動回路を備え、その各駆動回路がY電極7に接続され、アドレス期間においてY電極7に書き込みパルスを順に印加する。これにより、該当する放電セル10においてアドレス放電が行われる。また、Y電極駆動回路4は、後述するサステイン期間において、Y電極7に周期的な駆動パルスであるサステインパルスを同時に印加する。一方、X電極駆動回路5は、X電極8に接続され、サステイン期間においてX電極8に、各Y電極7のサステインパルスに対して180°位相のずれたサステインパルスを同時に印加する。これにより、該当する放電セル10おいて維持放電が行われ、映像が表示される。
【0022】
図8は、本発明のPDP装置における階調表示方式を示した図である。PDPで階調表示する場合、1フィールド(1/60秒≒16.67ms)を複数のサブフィールドに時間的に分割する。例えば、8ビットで256階調表示を行う場合には、1フィールドを8つのサブフィールドSF1〜SF8に分割する。また、各サブフィールドSF1〜SF8は、それぞれリセット期間、アドレス期間、サステイン期間に分離される。リセット期間において各サブフィールドのリセット処理が行われ、アドレス期間において点灯される放電セル10を選択するためのアドレス放電が行われ、サステイン期間において表示のための維持放電が行われる。
【0023】
リセット期間においては、Y電極7にそれぞれ単一パルスが加えられ、X電極8にも単一パルスが加えられる。これにより予備放電が行われる。アドレス期間においては、Y電極7が順次走査され、アドレス電極9からパルスを受けた放電セル10だけに所定の書き込み処理が行われる。これによりアドレス放電が行われる。
【0024】
サステイン期間においては、各サブフィールドSF1〜SF8に重み付けされた値に応じた数のサステインパルスがY電極7およびX電極8へ出力される。例えば、図8において、サブフィールドSF1では、Y電極7にサステインパルスが1回印加され、X電極8にサステインパルスが1回印加され、アドレス期間において選択された放電セル10が2回維持放電を行う。また、サブフィールドSF4では、Y電極7にサステインパルスが4回印加され、X電極8にサステインパルスが4回印加され、アドレス期間において選択された放電セル10が8回維持放電を行う。
【0025】
上記のように、各サブフィールドSF1〜SF8では、Y電極7およびX電極8にそれぞれ1回、2回、4回、8回、16回、32回、64回、128回のサステインパルスが印加され、パルス数に応じた明るさ(輝度)で放電セル10が発光する。すなわち、サステイン期間は、アドレス期間で選択された放電セル10が明るさの重み付け量に応じた回数で放電する期間である。
【0026】
このように、サブフィールドSF1〜SF8では、それぞれ1、2、4、8、16、32、64、128の明るさの重み付けがなされ、これらのサブフィールドSF1〜SF8を組み合わせることにより、明るさのレベルを0〜255までの256段階で調整することができる。なお、サブフィールドの分割数および重み付け値等は、上記の例に特に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、動画疑似輪郭を低減するために、サブフィールドSF8を二つに分割して二つのサブフィールドの重み付け値を64に設定してもよい。
【0027】
以下に、図1におけるヒストグラム検出回路21とサステイン周期制御回路22の動作について図2〜図7を用いて説明する。
【0028】
図2は、SF生成回路2と、これにより制御されるY電極駆動回路4の構成例を示した図である。Y電極駆動回路4は、PDP6の選択された放電セル10に放電を発生させる駆動手段であり、スイッチ41、42、43、44、ダイオード45、46、回収コンデンサ47および回収コイル48で構成される。
【0029】
また、SF生成回路2は、Y電極駆動回路4およびX電極駆動回路5を制御する制御手段であり、サステイン周期制御回路22、ヒストグラム検出回路21で構成される。
【0030】
まずY電極駆動回路4の動作について説明する。スイッチ43は、電源端子VsとノードN1との間に接続され、スイッチ44は、ノードN1と接地端子との間に接続されている。ノードN1はY電極7に接続される。Y電極7の先には、複数のY電極7とX電極8との間の全容量に相当するパネル容量Cpが示されている。回収コンデンサ47は、ノードN3と接地端子との間に接続されている。ノードN3とノードN2との間には、スイッチ41およびダイオード45が直列に接続され、さらにダイオード46およびスイッチ42も直列に接続されている。回収コイル48は、ノードN2とノードN1との間に接続されている。
【0031】
図3は、図2のY電極駆動回路4におけるサステイン期間の動作を示すタイミング図である。まず、スイッチ41がオンし、スイッチ44がオフする。このとき、スイッチ42、43はオフしている。これにより、回収コイル48およびパネル容量CpによるLC共振により、ノードN1の電圧が緩やかに上昇する。
【0032】
次に、スイッチ41がオフし、スイッチ43がオンする。これにより、ノードN1の電圧が急激に上昇し、ノードN1の電圧がVsに固定され、電源端子Vsから供給される放電電流により維持放電が発生する。次に、スイッチ43がオフし、スイッチ42がオンする。これにより、回収コイル48およびパネル容量CpによるLC共振により、ノードN1の電圧が緩やかに降下する。その後、スイッチ42がオフし、スイッチ44がオンする。これにより、ノードN1の電圧が急激に降下し、接地電位に固定される。なお、スイッチ41がオンする周期(以後サステイン周期)をS1とする。
【0033】
図4(a)は、図2のY電極駆動回路4におけるサステイン期間の別の動作を示すタイミング図である。図4(a)の場合、スイッチ41〜44の基本動作は、図3における説明で前述したものと同様であるが、スイッチ43及び44がオンしている期間が図3の場合より短い。このときのサステイン周期をS2とすると、S1>S2の関係となる。図3、図4(a)のスイッチ41〜44のタイミング制御はサステイン周期制御回路22で行う。なお図2によってY電極駆動回路4の構成の例を説明したが、X電極駆動回路5も図2と同様の構成でよい。また、この例ではスイッチ43及び44のオン期間を変更してサステイン周期を変更したが、スイッチ41及び42のオン期間も変更してもよい。
【0034】
次にサステイン周期を変えた時のPDP6の特性を説明する。図5(a)はサステイン周期を変化させたときの放電輝度の測定結果の一例である。本発明者らが鋭意研究を行ったところ、1サブフィールド中のサステインパルスの数を一定にした際にサステイン周期を短くしていくと放電輝度が上がる傾向があった。その理由としては、サステイン周期が短いほど放電空間に残留する荷電粒子および励起原子等の前回放電のプライミング効果が大きいということが考えられる。なお、放電輝度の上昇量はPDP6内のガス圧や放電セル10の構造などでことなってくるが、全面白ベタ信号表示で数10cd/m2程度である。またサステイン周期の範囲としては一般的には4usから10us程度である。4us以下になると電源Vsの供給時間が少なくなり、放電電流を充分供給できなくなるため安定した放電が維持できなくなる。また10us以上になると1フィールド中に必要なサステインパルス数を発生することができなくなるため、それ以上サステイン周期を長くすることは実用的ではない。
【0035】
また、図4(b)は図3と比較して、サステイン周期はS1で同じであるが、サステインパルスを到達電位にクランプするタイミングを変えることにより輝度を変化させる例である。つまり、図2のスイッチ41をオンにしてからスイッチ43をオンにするまでの時間を変化させることにより、サステインパルスの電圧が急激に変化する電圧幅を変えることができる。サステインパルスの電圧が急激に変化する電圧幅が大きければ大きいほど強い放電が起きることから、サステインパルスを到達電位にクランプするタイミングが早いほどサステインパルス1発あたりの輝度が大きくなる。この場合、図2のスイッチ41をオンにしている時間を短くし、スイッチ43を図3の場合に比べて早いタイミングでオンにしている。図5(b)はサステインパルスを到達電位にクランプするタイミング、つまり図2におけるスイッチ41をオンにしてからスイッチ43をオンにするまでの時間を可変した時の放電輝度の測定結果の一例である。
【0036】
このサステイン周期−放電輝度特性を利用し、本発明の特徴である階調表現数を動的に変更する方式について説明する。図6は、サブフィールド毎のサステイン周期の組み合わせをフィールド毎に制御するパターンの例を示した図である。ここでは図5(a)で示したサステイン周期t1、t2、t3、t4、t5を使用している。また表示映像の階調分布状態(以後ヒストグラム)で制御するパターンを分けている。ここで、ヒストグラムとは図7(a)、図7(b)、図7(c)のように表示映像の各画素の輝度が階調(例えば8ビットでの256階調)のどの範囲にあるかの分布を表したものである。図7(a)は低階調画像のヒストグラム、図7(b)は高階調画像のヒストグラム、図7(c)は中間階調画像のヒストグラムの一例である。図7(a)の低階調画像は例えば階調が0から100、即ち入力信号レベルの0から40%の範囲に輝度分布が80%以上存在するような種類の画像、図7(b)の高階調画像は例えば階調が153から255、即ち入力信号レベルの60%から100%の範囲に輝度分布が80%以上存在するような種類の画像、図7(c)の中間階調画像は例えば階調が77から179、即ち入力信号レベルの30%から70%の範囲に輝度分布が80%以上存在するような種類の画像を表している。例えば、映画ソースは低階調画像、放送波の情報番組は高階調画像が多いとされている。なお、ヒストグラムが低階調、高階調、中間階調であるかの判断基準は任意に設定することができる。本実施例では、ヒストグラム検出回路21によりヒストグラムを検出している。
【0037】
図7(a)のような低階調画像では階調重視とするため、図6の例1のサステイン周期の組み合わせではSF1〜SF3まではサステイン周期t5を選択する。SF4〜SF6まではサステイン周期t4を選択する。また、SF7、SF8はサステイン周期t5を選択する。低階調を表現するSF1〜SF3の輝度を低く設定できるので、実質、階調の分解能が向上し、映画ソースなどでなめらかな階調表現を実現できる。また、例2の組み合わせも基本的に同様で、SF1〜SF2ではサステイン周期t5を選択、SF3〜SF4ではサステイン周期t3を選択し、低階調を表現するSF1〜SF4の輝度を低く設定して階調の分解能を向上させている。さらに、高階調を表現するSF5〜SF8ではサステイン周期t1を選択するので、低階調に多く分布した画像の中に高階調の画素が含まれていても高階調の部分を正確に表現できる。例3の組み合わせではSF1のサステインパルス無しとし、それ以外は例2の組み合わせと同じとした。サステインパルス無しとした理由を説明する。サステイン周期t3の時の輝度が下がるといってもサステインパルス1回分の輝度が大きくなる場合があり、最低階調の分解能が取れない可能性がある。そこでSF1のサステインパルスを無しとし、その代わりにアドレス期間での微弱発光による輝度で最低階調を表現することとした。一般的にアドレス期間での微弱発光はサステインパルスでの発光より輝度値は下がる傾向があり、それを利用している。
【0038】
一方、図7(b)のような高階調画像では、階調より輝度重視とした方が高画質となると考えられるため、例4の組み合わせでは全サブフィールドでサステイン周期t1を選択し、輝度が最も高くなるようになっている。例5の組み合わせは輝度重視であるが、中、低階調画像も比較的に存在するような画像の場合にSF1〜SF2にサステイン周期t2を選択する例である。
【0039】
また、例6は図7(c)のような中間階調画像(輝度分布が中間階調に多く分布している)の設定例を示している。例6の組み合わせではでt1とt3を半分づつ使うことで、低・高階調画像の両方の設定を取り込んでいる。
【0040】
以上のように画像の階調分布が図7(a)のような低階調画像から図7(c)のような中間階調分布に、さらに図7(b)のような高階調画像分布に変化した場合に、図6の例1から例5のように各サブフィールドのサステイン周期の組み合わせを異ならせる制御を行う。この場合において、対応するサブフィールドについて比較すると、低階調分布におけるサステイン周期は中間階調分布におけるサステイン周期以上であり、中間階調分布におけるサステイン周期は高階調分布におけるサステイン周期以上である。また、低階調を表現するサブフィールドにおけるサステイン周期は高階調を表現するサブフィールドにおけるサステイン周期以上のサステイン周期となる。これにより、低階調の画像では階調の分解能を向上させることができ、高階調の画像では輝度を向上させることができる。
【0041】
なお、図6は一例であり、サステイン周期の設定はこれに限られるものではない。サステイン周期ではなく、サステインパルスを到達電位にクランプするタイミングについて図5(b)に示したt’1〜t’5を図6の各例のt1〜t5に適用して図6の制御を行ってもよい。
【0042】
また、図6ではサステイン周期の設定をSFで固定しているが、これに限らず、同じSFであってもフィールド毎にサステイン周期を変更してもよい。
【0043】
また、本実施例では、同じSF内における全てのサステインパルスについては同じサステイン周期を用いているが、同じサブフィールド内で異なるサステイン周期を持つ複数種類のサステインパルスを印加し、前記複数種類のサステインパルスの構成比をサブフィールドごとに変化させてもよい。これにより、さらにきめ細かい階調表現も可能となる。
【0044】
図9(a)、図9(b)は同一サブフィールド内において、周期の異なる複数種類のサステインパルスを印加し、サブフィールド毎の複数種類のサステインパルスの構成比をフィールド毎に制御するパターンの例を示した図である。
【0045】
図9(a)のような低階調画像では階調重視とするため、例7のサステイン周期の組み合わせではSF1〜SF3まではサステイン周期t5、t4を選択する。SF4〜SF6まではサステイン周期t4、t3を選択する。また、SF7、SF8はサステイン周期t3、t2を選択する。例8のサステイン周期の組み合わせでは各サブフィールドについて3種類のサステイン周期のサステインパルスを印加する。例7、例8のいずれの場合も各サブフィールドについて、階調の大きいサブフィールドほど、サステイン周期の短いサステインパルスを印加する割合を多くする。
【0046】
図9(b)のような高階調画像では階調より輝度重視とした方が高画質となると考えられるため、例7のサステイン周期の組み合わせではSF1〜SF3まではサステイン周期t3、t2を選択する。SF4〜SF8まではサステイン周期t2、t1を選択する。例10のサステイン周期の組み合わせでは各サブフィールドについて3種類のサステイン周期のサステインパルスを印加する。図9(a)の場合と同様に例9、例10のいずれの場合も各サブフィールドについて、階調の大きいサブフィールドほど、サステイン周期の短いサステインパルスを印加する割合を多くする。
【0047】
例8と例10のSF7、SF8について比較すると、印加されるサステインパルスの種類はt1、t2、t3同じであるが、構成比が異なっている。周期の長いサステインパルスを例8の場合に多く印加し、周期の短いサステインパルスを例10の場合に多く印加することにより、低階調画像における階調の分解及び高階調画像における輝度を高めている。
【0048】
ここで、1サブフィールドにおけるサステイン周期の合計をサステインパルス数で割ったサステインパルス1発あたりの平均サステイン周期について考える。対応するサブフィールドについて比較すると、低階調分布における平均サステイン周期は中間階調分布における平均サステイン周期以上であり、中間階調分布における平均サステイン周期は高階調分布における平均サステイン周期以上である。また、低階調を表現するサブフィールドにおけるサステイン周期は高階調を表現するサブフィールドにおける平均サステイン周期以上の平均サステイン周期となる。このように構成比を設定することにより、低階調の画像では階調の分解能を向上させることができ、高階調の画像では輝度を向上させることができる。
【0049】
図9(a)、図9(b)のように、サステイン周期の異なる複数種類のサステインパルスの構成比を制御することにより、図6の場合よりもさらに細かい階調制御を行うことができる。
【0050】
本実施例では、階調分布ごとに、各サブフィールドのサステイン周期を変化させたが、同じ階調分布内で表示モードごとに図6の例1から例3を切り替えてもよい。ダイナミックモードやシネマモードといった表示モードごとに切り替えることで、表示モードに応じたきめの細かい階調表現が可能となる。
【0051】
なお、図9(a)、図9(b)は一例であり、サステイン周期の設定はこれに限られるものではない。サステインパルスを到達電位にクランプするタイミングについて図5(b)に示したt’1〜t’5を図9(a)、図9(b)の各例のt1〜t5に適用して図9(a)、図9(b)の制御を行ってもよい。
【0052】
以上に説明したように、本実施例のプラズマディスプレイ装置によれば、ヒストグラム検出回路21により検出した映像信号のヒストグラムに基づいて、サステイン周期制御回路22にてサブフィールド毎またはサステインパルス毎にサステイン周期を動的に切り替える。これにより、映像信号のヒストグラムに応じて発光輝度を切り替えることで、映像信号の内容に応じて輝度もしくは階調表現数を増やすことが可能となり、高画質な画像が表示可能となる。
【0053】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、プラズマディスプレイパネル等を用いた画像表示装置に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施例であるプラズマディスプレイ装置の基本構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例におけるSF生成回路と、Y電極駆動回路の構成例を示した図である。
【図3】本発明の実施例におけるY電極駆動回路におけるサステイン期間の動作を示すタイミング図である。
【図4(a)】本発明の実施例におけるY電極駆動回路におけるサステイン期間の別の動作を示すタイミング図である。
【図4(b)】本発明の実施例におけるY電極駆動回路におけるサステイン期間の別の動作を示すタイミング図である。
【図5(a)】本発明の実施例におけるサステイン周期−放電輝度特性の例を示した図である。
【図5(b)】本発明の実施例におけるサステインパルスを到達電位にクランプするタイミング−放電輝度特性の例を示した図である。
【図6】本発明の実施例におけるサブフィールド毎にサステイン周期を制御するパターンの例を示した図である。
【図7(a)】本発明の実施例におけるヒストグラムの例(a)を示した図である。
【図7(b)】本発明の実施例におけるヒストグラムの例(b)を示した図である。
【図7(c)】本発明の実施例におけるヒストグラムの例(c)を示した図である。
【図8】本発明のPDP装置における階調表示方式を示した図である。
【図9(a)】本発明の実施例におけるサブフィールド毎にサステイン周期の構成比を制御するパターンの例を示した図である。
【図9(b)】本発明の実施例におけるサブフィールド毎にサステイン周期の構成比を制御するパターンの例を示した図である。
【符号の説明】
【0056】
1…信号処理回路、2…サブフィールド(SF)生成回路、3…アドレス電極駆動回路、4…Y電極駆動回路、5…X電極駆動回路、6…PDP、7…Y電極、8…X電極、9…アドレス電極、10…放電セル、21…ヒストグラム検出回路、22…サステイン周期制御回路、41…スイッチ、42…スイッチ、43…スイッチ、44…スイッチ、45…ダイオード、46…ダイオード、47…回収コンデンサ、48…回収コイル。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のサブフィールドにより映像が表示され、少なくとも1つの前記サブフィールドにおいて複数の放電セルにサステインパルスが印加されることにより前記放電セルを点灯させる画像表示装置の駆動方法であって、
該画像表示装置に入力される映像信号の階調分布が第1の分布である場合、第1の周期のサステインパルスが印加され、前記階調分布が第1の階調分布とは異なる第2の階調分布である場合、前記第1の周期とは異なる第2の周期のサステインパルスが印加されることを特徴とする画像表示装置の駆動方法。
【請求項2】
請求項1に記載の画像表示装置の駆動方法であって、前記第1の階調分布が、第1の信号レベルよりも高階調側に所定の比率以上存在する分布であり、前記第2の階調分布が前記第1の信号レベルよりも低い第2の信号レベルよりも低階調側に所定の比率以上存在する分布であることを特徴とする画像表示装置の駆動方法。
【請求項3】
請求項2に記載の画像表示装置の駆動方法であって、前記第1の周期は前記第2の周期より小さいことを特徴とする画像表示装置の駆動方法。
【請求項4】
請求項2に記載の画像表示装置の駆動方法であって、前記第1の階調分布及び前記第2の階調分布とは異なる第3の階調分布が前記第1の信号レベルと前記第2の信号レベルとの間に所定の比率以上存在する分布である場合は、サステインパルスの周期を第1の周期より大きく、第2の周期より小さいとすることを特徴とする画像表示装置の駆動方法。
【請求項5】
請求項1に記載の画像表示装置の駆動方法であって、前記第2の周期のサステインパルスが印加されるサブフィールドは前記第1の周期のサステインパルスが印加されるサブフィールドに対応したサブフィールドであることを特徴とする画像表示装置の駆動方法。
【請求項6】
複数のサブフィールドにより構成され、少なくとも1つの前記サブフィールドで複数の放電セルにサステインパルスを印加することにより前記放電セルの点灯を行う画像表示装置の駆動方法であって、
周期の異なる複数種類のサステインパルスが印加されるサブフィールドを有し、
該画像表示装置に入力される映像信号の階調分布が第1の分布である場合は、前記サブフィールドに印加される前記複数種類のサステインパルスの構成比を第1の構成比とし、前記階調分布が第1の分布とは異なる第2の分布である場合は前記サブフィールドに印加される前記複数種類のサステインパルスの構成比を前記第1の構成比とは異なる前記第2の構成比とすることを特徴とする画像表示装置の駆動方法。
【請求項7】
請求項6に記載の画像表示装置の駆動方法であって、前記第1の階調分布が、所定の信号レベルよりも高階調側に所定の比率以上存在する分布であり、前記第2の階調分布が所定の信号レベルよりも低階調側に所定の比率以上存在する分布であることを特徴とする画像表示装置の駆動方法。
【請求項8】
請求項7に記載の画像表示装置の駆動方法であって、対応するサブフィールドについて、前記第1の階調分布である場合に印加されるサステインパルスの平均周期は前記第2の階調分布である場合に印加されるサステインパルスの平均周期より小さいことを特徴とする画像表示装置の駆動方法。
【請求項9】
1フィールドが複数のサブフィールドにより構成され、少なくとも1つの前記サブフィールドでは複数の放電セルにサステインパルスを印加することにより前記放電セルの点灯を行う画像表示装置の駆動方法であって、
該画像表示装置に入力される映像信号の階調分布が変化した場合、サステインパルスを到達電位にクランプするタイミングを異ならせることを特徴とする画像表示装置の駆動方法。
【請求項10】
請求項9に記載の画像表示装置の駆動方法であって、前記階調分布が第1の信号レベルよりも高階調側に所定の比率以上存在する分布である場合は前記第1の信号レベルよりも低レベルである第2の信号レベルよりも低階調側に前記所定の比率以上存在する分布である場合よりも到達電位にクランプするタイミングを早くすることを特徴とする画像表示装置の駆動方法。
【請求項11】
請求項1に記載の画像表示装置の駆動方法であって、
表示モードによって、印加されるサステインパルスの周期を異ならせることを特徴とする画像表示装置の駆動方法。
【請求項12】
1フィールドを時間的に複数に分割したサブフィールドに複数の放電セルを選択的に放電させて画像を階調表示する画像表示装置であって、
選択された前記放電セルにサステインパルスを印加することによって放電を発生させる駆動手段と、
該画像表示装置に入力される映像信号の階調分布が変化した場合、前記サステインパルスの周期を異ならせるように前記駆動手段を制御する制御手段と
を有する画像表示装置。
【請求項13】
請求項12に記載の画像表示装置あって、
前記制御手段は前記映像信号の階調分布が所定の信号レベルよりも低階調側に所定の比率以上存在する分布である場合は前記階調分布が所定の信号レベルよりも低階調側に所定の比率未満存在する分布である場合よりもサステインパルスの周期を長くすることを特徴とする画像表示装置。
【請求項14】
請求項12に記載の画像表示装置であって、
前記制御手段は前記映像信号の階調分布が所定の信号レベルよりも高階調側に所定の比率以上存在する分布である場合は前記階調分布が所定の信号レベルよりも高階調側に所定の比率未満存在する分布である場合よりもサステインパルスの周期を短くすることを特徴とする画像表示装置。
【請求項15】
請求項12に記載の画像表示装置であって、
前記制御手段は前記サステインパルスの周期を第1のサブフィールドと第1のサブフィールドとは異なる第2のサブフィールドとで異ならせることを特徴とする画像表示装置。
【請求項16】
請求項15に記載の画像表示装置であって、
前記制御手段はサステインパルスの印加回数が多いサブフィールドでは少ないサブフィールドよりもサステインパルスの周期を短くすることを特徴とする画像表示装置。
【請求項17】
請求項13に記載の画像表示装置であって、
前記制御手段は前記映像信号の階調分布が所定の信号レベルよりも低階調側に所定の比率以上存在する分布である場合はサステインパルスを印加しないサブフィールドを有することを特徴とする画像表示装置。
【請求項18】
請求項17に記載の画像表示装置であって、
前記制御手段は前記サステインパルスを印加しないサブフィールドを最も低階調のサブフィールドとすることを特徴とする画像表示装置。
【請求項1】
複数のサブフィールドにより映像が表示され、少なくとも1つの前記サブフィールドにおいて複数の放電セルにサステインパルスが印加されることにより前記放電セルを点灯させる画像表示装置の駆動方法であって、
該画像表示装置に入力される映像信号の階調分布が第1の分布である場合、第1の周期のサステインパルスが印加され、前記階調分布が第1の階調分布とは異なる第2の階調分布である場合、前記第1の周期とは異なる第2の周期のサステインパルスが印加されることを特徴とする画像表示装置の駆動方法。
【請求項2】
請求項1に記載の画像表示装置の駆動方法であって、前記第1の階調分布が、第1の信号レベルよりも高階調側に所定の比率以上存在する分布であり、前記第2の階調分布が前記第1の信号レベルよりも低い第2の信号レベルよりも低階調側に所定の比率以上存在する分布であることを特徴とする画像表示装置の駆動方法。
【請求項3】
請求項2に記載の画像表示装置の駆動方法であって、前記第1の周期は前記第2の周期より小さいことを特徴とする画像表示装置の駆動方法。
【請求項4】
請求項2に記載の画像表示装置の駆動方法であって、前記第1の階調分布及び前記第2の階調分布とは異なる第3の階調分布が前記第1の信号レベルと前記第2の信号レベルとの間に所定の比率以上存在する分布である場合は、サステインパルスの周期を第1の周期より大きく、第2の周期より小さいとすることを特徴とする画像表示装置の駆動方法。
【請求項5】
請求項1に記載の画像表示装置の駆動方法であって、前記第2の周期のサステインパルスが印加されるサブフィールドは前記第1の周期のサステインパルスが印加されるサブフィールドに対応したサブフィールドであることを特徴とする画像表示装置の駆動方法。
【請求項6】
複数のサブフィールドにより構成され、少なくとも1つの前記サブフィールドで複数の放電セルにサステインパルスを印加することにより前記放電セルの点灯を行う画像表示装置の駆動方法であって、
周期の異なる複数種類のサステインパルスが印加されるサブフィールドを有し、
該画像表示装置に入力される映像信号の階調分布が第1の分布である場合は、前記サブフィールドに印加される前記複数種類のサステインパルスの構成比を第1の構成比とし、前記階調分布が第1の分布とは異なる第2の分布である場合は前記サブフィールドに印加される前記複数種類のサステインパルスの構成比を前記第1の構成比とは異なる前記第2の構成比とすることを特徴とする画像表示装置の駆動方法。
【請求項7】
請求項6に記載の画像表示装置の駆動方法であって、前記第1の階調分布が、所定の信号レベルよりも高階調側に所定の比率以上存在する分布であり、前記第2の階調分布が所定の信号レベルよりも低階調側に所定の比率以上存在する分布であることを特徴とする画像表示装置の駆動方法。
【請求項8】
請求項7に記載の画像表示装置の駆動方法であって、対応するサブフィールドについて、前記第1の階調分布である場合に印加されるサステインパルスの平均周期は前記第2の階調分布である場合に印加されるサステインパルスの平均周期より小さいことを特徴とする画像表示装置の駆動方法。
【請求項9】
1フィールドが複数のサブフィールドにより構成され、少なくとも1つの前記サブフィールドでは複数の放電セルにサステインパルスを印加することにより前記放電セルの点灯を行う画像表示装置の駆動方法であって、
該画像表示装置に入力される映像信号の階調分布が変化した場合、サステインパルスを到達電位にクランプするタイミングを異ならせることを特徴とする画像表示装置の駆動方法。
【請求項10】
請求項9に記載の画像表示装置の駆動方法であって、前記階調分布が第1の信号レベルよりも高階調側に所定の比率以上存在する分布である場合は前記第1の信号レベルよりも低レベルである第2の信号レベルよりも低階調側に前記所定の比率以上存在する分布である場合よりも到達電位にクランプするタイミングを早くすることを特徴とする画像表示装置の駆動方法。
【請求項11】
請求項1に記載の画像表示装置の駆動方法であって、
表示モードによって、印加されるサステインパルスの周期を異ならせることを特徴とする画像表示装置の駆動方法。
【請求項12】
1フィールドを時間的に複数に分割したサブフィールドに複数の放電セルを選択的に放電させて画像を階調表示する画像表示装置であって、
選択された前記放電セルにサステインパルスを印加することによって放電を発生させる駆動手段と、
該画像表示装置に入力される映像信号の階調分布が変化した場合、前記サステインパルスの周期を異ならせるように前記駆動手段を制御する制御手段と
を有する画像表示装置。
【請求項13】
請求項12に記載の画像表示装置あって、
前記制御手段は前記映像信号の階調分布が所定の信号レベルよりも低階調側に所定の比率以上存在する分布である場合は前記階調分布が所定の信号レベルよりも低階調側に所定の比率未満存在する分布である場合よりもサステインパルスの周期を長くすることを特徴とする画像表示装置。
【請求項14】
請求項12に記載の画像表示装置であって、
前記制御手段は前記映像信号の階調分布が所定の信号レベルよりも高階調側に所定の比率以上存在する分布である場合は前記階調分布が所定の信号レベルよりも高階調側に所定の比率未満存在する分布である場合よりもサステインパルスの周期を短くすることを特徴とする画像表示装置。
【請求項15】
請求項12に記載の画像表示装置であって、
前記制御手段は前記サステインパルスの周期を第1のサブフィールドと第1のサブフィールドとは異なる第2のサブフィールドとで異ならせることを特徴とする画像表示装置。
【請求項16】
請求項15に記載の画像表示装置であって、
前記制御手段はサステインパルスの印加回数が多いサブフィールドでは少ないサブフィールドよりもサステインパルスの周期を短くすることを特徴とする画像表示装置。
【請求項17】
請求項13に記載の画像表示装置であって、
前記制御手段は前記映像信号の階調分布が所定の信号レベルよりも低階調側に所定の比率以上存在する分布である場合はサステインパルスを印加しないサブフィールドを有することを特徴とする画像表示装置。
【請求項18】
請求項17に記載の画像表示装置であって、
前記制御手段は前記サステインパルスを印加しないサブフィールドを最も低階調のサブフィールドとすることを特徴とする画像表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4(a)】
【図4(b)】
【図5(a)】
【図5(b)】
【図6】
【図7(a)】
【図7(b)】
【図7(c)】
【図8】
【図9(a)】
【図9(b)】
【図2】
【図3】
【図4(a)】
【図4(b)】
【図5(a)】
【図5(b)】
【図6】
【図7(a)】
【図7(b)】
【図7(c)】
【図8】
【図9(a)】
【図9(b)】
【公開番号】特開2009−288360(P2009−288360A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−138854(P2008−138854)
【出願日】平成20年5月28日(2008.5.28)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月28日(2008.5.28)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
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