説明

画像表示装置及び撮像装置

【課題】タッチセンサを画面枠に設けても、多様な操作を確実に行うことができる画像表示装置(50)を提供する。
【解決手段】窓部(2b1)を有する筐体(2a)と、窓部から画像を臨めるように筐体に収容された画像表示部(2c)と、タッチ面(8a)が筐体における開口部の一辺(2b1−L)に沿って細長形状で露出するよう筐体に設けられた第1タッチセンサ(8)と、第2タッチセンサ(18)と、第1タッチセンサから出力された信号に基づいて画像を変化させて表示する制御部(12)と、を備え、制御部は、第2タッチセンサからの出力がない状態で第1タッチセンサから信号が出力された場合と、第2タッチセンサからの出力がある状態で第1タッチセンサから信号が出力された場合とで、画像の変化を異ならせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置及び撮像装置に係り、特に、画面に表示された選択対象領域の選択などの入力操作をタッチセンサで行う画像表示装置及び撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像を表示する表示部を備えた画像表示装置として、ノート型のパーソナルコンピュータ(PC),携帯電話,携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistants),ポータブルナビゲーション装置(PND:Personal Navigation Device),ビデオカメラ等の撮像装置,及びゲーム機などが知られている。
【0003】
これらの装置は、その多くが可搬型として商品化されており、可搬型として、装置自体のサイズはできるだけ小さく、反面、表示画面はできるだけ大きくすることが市場から求められている。
【0004】
この要求に応えるため、装置筐体の表示部を備えた面において、その面に対する表示画面の占める面積比率は、可能な限り高められる。
換言するならば、画面を囲う枠の幅が可能な限り狭められる。
【0005】
一方、表示部を備えた面には、画面と共に、画面に表示されたいわゆるアイコンなどの選択対照領域の選択,その選択の決定,表示画面のスクロール,表示画面のページ送り、などの操作の指示を入力するための操作子を備えていることが、使い勝手の観点から望まれる。
【0006】
操作子としては、押し下げボタン、回転ノブ、タッチプレートなどが用いられる。
【0007】
従って、画像表示装置においては、市場要求に応じて装置のサイズを小さくするため狭められた画面枠に、何らかの工夫をして操作子を配設することが必要となる。
具体的には、操作子自体を小さくする、操作子の数を減らし一つの操作子に複数の入力機能を持たせたりする、などである。
【0008】
しかしながら、これらの工夫は、使用者にとっては、操作がし難く、使い勝手が悪くなるものである。
従って、画像表示装置をせっかく小型化しても、使用者から望まれないものになってしまう虞がある。
【0009】
そこで、操作子を用いることなく入力操作が行える、いわゆるタッチパネルを採用した画像表示装置も販売されている。
タッチパネルは、その画像を表示するパネル面を指などで押さえることで、その押さえた位置に応じた入力を実行できるパネルである。
【0010】
しかしながら、このタッチパネルにおいても、以下の問題が指摘されている。
すなわち、画面に表示された選択領域が小さいと、指での操作が困難になり、それに伴い、表示する選択領域の大きさや表示画面のデザインに制限が生じる。画面が指紋などで汚れる。操作する際に、指で画面の表示が隠れてしまう。画面が大きくなるほど、操作時の指の移動量が多くなり、迅速な操作がし難く、また、長時間の操作では指が疲れてしまう。画像表示装置が撮像装置であってその録画動作中の場合に、パネル面を指で押さえることで撮像装置が動いてしまい、撮
影している画像が揺れてしまう、という問題である。
【0011】
そこで、接触子が小さくても、人体(指など)が触れるだけで確実に入力可能なタッチセンサが注目されている。
このタッチセンサを画面枠に設けた画像表示装置の例が、車載表示装置として特許文献1に記載されている。
【0012】
【特許文献1】特開2007−156991号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上述したタッチセンサを備えた画像表示装置は、タッチセンサの押し下げ操作に加えて、感知した接触圧に応じて入力に対応する動作を変化させてもよいとされている。しかしながら、センサに触る一つの指で、その接触の程度の細かなコントロールをするのは難しいのが実情である。特に、高齢者にとって難しい操作になる可能性が高い。
【0014】
また、画像表示装置が車載用であると、車の走行に伴う揺れや振動により、一本の指の接触操作では、意図した操作が行い難い状況も想定される。
【0015】
このように、一つのタッチセンサに接触の程度によって多くの機能を兼用させることには操作上の限界がある。
【0016】
一方、上述したタッチセンサを備えた画像表示装置は、指がタッチ(接触)するタッチセンサの接触部の面積が小さくても、確実に入力を行うことができるものであるが、そのことが逆に、わずかな接触で意図しない入力が行われてしまう、あるいは、意図せずタッチセンサに触れて継続して行われなければいけない動作が他の動作に移行してしまう、という使い勝手上の更なる改善点が認識されてきている。
【0017】
具体的な例としては、画面に表示された複数の選択領域(アイコンなど)の内の一つが選択された状態で、タッチセンサに意図せず僅かに触れてしまい、決定として入力されてしまう、あるいは、あるページを表示させて閲覧中に、過ってタッチセンサに触れてしまい、次のページにページ送りされてしまう、という不具合である。
【0018】
また、画像表示装置が撮像装置の場合は、例えば、録画動作中にタッチセンサに意図せず触れてしまい、モニター中の撮影画面にメニュー画面が重畳表示されてモニターに支障をきたす、などの不具合である。
【0019】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、画面を触ることなく入力が可能なようにタッチセンサを画面枠に設け、一つのタッチセンサに複数の機能を割り振ったとしても、その操作を確実に行うことができる画像表示装置及び撮像装置を提供することにある。
【0020】
また、画面を触ることなく入力が可能なようにタッチセンサを画面枠に設けても、意図しない入力が行われる可能性が少なく、使い勝手に優れた画像表示装置及び撮像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記の課題を解決するために、本願発明は手段として次の1)〜4)の構成を有する。
1)画像を表示する画像表示パネル(2c)と、
前記画像表示パネル(2c)を収容すると共に前記画像を外部から臨める矩形の窓部(2b1)が設けられた筐体(2a)と、
画像を表示し前記窓部(2b1)からその画像を臨めるように前記筐体(2a)に収容された画像表示部(2c)と、
タッチ面(8a)に対する人体の接触で信号を出力し、前記タッチ面(8a)が前記筐体(2a)における前記窓部(2b1)の一辺(2b1−L)に沿って細長形状で露出するよう前記筐体(2a)に設けられた第1のタッチセンサ(8)と、
タッチ面(8a)に対する人体の接触で信号を出力する第2のタッチセンサ(18)と、
前記第1のタッチセンサ(8)から出力された信号を検出し、その信号に基づいて前記画像を変化させて表示する制御部(12)と、を備え、
前記制御部(12)は、前記第2のタッチセンサ(18)からの出力がない状態で前記第1のタッチセンサ(8)から前記信号が出力された場合と、前記第2のタッチセンサ(18)からの出力がある状態で前記第1のタッチセンサ(8)から信号が出力された場合とで、前記画像の変化を異ならせる画像表示装置(50)である。
2) 前記第2のタッチセンサ(18)は、前記筐体(2a)における前記第1のタッチセンサ(8)の長手方向の延長上に配設されていることを特徴とする1)に記載の画像表示装置(50)である。
3) 前記制御部(12)は、当該画像表示装置の電源が待機状態にあり、かつ、前記第2のタッチセンサ(29)の出力がある状態で前記第1のタッチセンサ(8)から信号が出力された場合に、当該画像表示装置の主電源を投入することを特徴とする1)に記載の画像表示装置(50)である。
4) 撮影レンズ(3)を介した被写体像を光電変換して画像信号を出力する撮像素子(5)と、
前記画像信号に基づく画像を表示する画像表示パネル(2c)と、
前記画像表示パネル(2c)を収容すると共に前記画像を外部から臨める矩形の窓部(2b1)が設けられた筐体(2a)と、
前記画像信号に基づく画像を表示し前記開口部(2b1)からその画像を臨めるように前記筐体(2a)に収容された画像表示部(2c)と、
タッチ面(8a)に対する人体の接触で信号を出力し、前記タッチ面(8a)が前記筐体(2a)における前記窓部(2b1)の一辺(2b1−L)に沿って細長形状で露出するよう前記筐体(2a)に設けられた第1のタッチセンサ(8)と、
タッチ面(8a)に対する人体の接触で信号を出力する第2のタッチセンサ(18)と、
前記第1のタッチセンサ(8)から出力された信号を検出し、その信号に基づいて前記画像を変化させて表示する制御部(12)と、を備え、
前記制御部(12)は、前記第2のタッチセンサ(18)からの出力がない状態で前記第1のタッチセンサ(8)から前記信号が出力された場合と、前記第2のタッチセンサ(18)からの出力がある状態で前記第1のタッチセンサ(8)から信号が出力された場合とで、前記画像の変化を異ならせる撮像装置(50)である。
5) 前記第2のタッチセンサ(18)は、前記筐体(2a)における前記第1のタッチセンサ(8)の長手方向の延長上に配設されていることを特徴とする3)に記載の撮像装置(50)である。
6) 前記制御部(12)は、当該撮像装置の電源が待機状態にあり、かつ、前記第2のタッチセンサ(29)の出力がある状態で前記第1のタッチセンサ(8)から信号が出力された場合に、当該撮像装置の主電源を投入することを特徴とする4)に記載の撮像装置(50)である。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、一つのタッチセンサに複数の機能を割り振ったとしても、その操作を確実に行うことができる、という効果を奏する。
【0023】
また、意図しない入力が行われる可能性が少なく、使い勝手に優れる、という効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明の実施の形態を、好ましい実施例により図1〜図15を用いて説明する。
【0025】
以下に説明する画像表示装置の実施例は、撮像装置である。ここでは、その一例として、ハードディスクを記録媒体として内蔵し画像を液晶表示パネルで表示するビデオカメラ50を説明する。
【0026】
図1は、このビデオカメラ50を斜め左後方から見た外観斜視図である。
まず、全体構成の概略を説明する。
【0027】
このビデオカメラ50は、本体部1と、この本体部1の左側面において、ヒンジ部1aにより本体部1に対して約90°の範囲で開閉自在とされた表示部2と、本体部1の前側に設けられたレンズ部3と、本体部1の右側面に設けられてこの本体部1を把持するためのグリップ部4と、を備えている。
【0028】
また、本体部1の内部には、レンズ部3からの被写体像を撮像する撮像素子5と、撮像素子5で撮像された画像を記録する記録媒体であるハードディスク6aを搭載したハードディスク装置6と、カード状記録媒体であるメモリーカード6bと、このビデオカメラ1全体を制御する制御部7と、画像処理回路10と、を備えて構成されている。構成の詳細は、ブロック図を用いて後述する。
【0029】
一方、表示部2は、矩形平板状の筐体2aと、その一面2b(以下、操作面2bとも称する)に設けられた開口部2b1を通して表示画面が視認できるように筐体2aに内蔵された表示パネル2cと、を備えて構成されている。
この開口部2b1は、表示画面が外部から臨めるように設けられた窓部である。
従って、表示パネル2cの表示面が露出していてもよく、また、その表示面を覆うように透明の保護パネル(アクリル樹脂など)がはめ込まれていてもよい。
【0030】
この表示パネル2cとしては、液晶の他に有機EL(Organic Electro Luminescence)などの表示パネルを用いることができる。
【0031】
また、筐体2aは、その一側面2dがヒンジ部1aと連結され、本体部1に対して回動軸CL1回りの矢印D1方向に開閉可能とされている。
また、ヒンジ部1aは、筐体2aを回動軸CL2回りにも回動自在に支持している。
【0032】
表示部2の操作面2bの上述した開口部2b1は、図1の左右方向(このビデオカメラ50の水平方向)を長手とする矩形に開口している。この実施例では開口は長方形である。
筐体2aの操作面2bには、開口部2b1の左辺、すなわち、ヒンジ部1aから遠い側の短辺に沿って、タッチセンサ8が設けられている。
【0033】
また、そのタッチセンサ8の上方側の、操作面2bと筐体2aの天側の側面2eとに跨るように、別のタッチセンサ18が設けられている。
また、操作面2bには、開口部2b1の下長辺に沿って、複数のタッチセンサを含む操作子群9が配設されている。
【0034】
以下、タッチセンサ8,18と操作子群9とを含みこのビデオカメラ50が有する入力操作子を総称して入力操作子NSと総称する。
【0035】
このビデオカメラ50は、上述した構成により、レンズ部3を介した被写体像を撮像素子5により取り込み、取り込んだ画像の記録や記録した画像の再生を行い、また、画像表示部での画像の表示を行う。
【0036】
次に、全体構成の詳細を説明する。
図2は、このビデオカメラ50の基本ブロック図である。
【0037】
レンズ部3は、被写体の像を撮像素子5に結像する。
撮像素子5は、光電変換により被写体の像を画像信号S1として出力する。
カメラ制御回路11aは、レンズ部3及び撮像素子5を含むカメラブロックを制御する回路である。
画像処理回路11bは、カメラ制御回路11aを経た画像信号S1に対して信号処理を施す回路である。
CPU12は、このビデオカメラ50全体の動作を制御する制御部である。
ENC/DEC回路(エンコード/デコード回路)11cは、画像データのJPEG及びMPEG方式でのエンコード及びデコードを実行する(JPEG:Joint Photographic Experts Group,MPEG:Moving Picture Experts Group)。
入力操作子NSは、使用者の操作を検知して入力信号S2を出力する。この入力指示信号S2は制御部12に送出される。
ハードディスク6aには、画像処理回路11bから送出された画像データなどのデータが記録される。また、ハードディスク6aに記録された画像データなどのデータが読み出されて画像処理回路11bに送られる。
メモリーカード6bには、画像処理回路11bから送出された画像データなどのデータが記録される。また、メモリーカード6bに記録された画像データなどのデータが読み出されて画像処理回路11bに送られる。
バッファメモリである、SDRAM13a,13b,及びEEPROM13cは、画像データなどのデータを一時記憶する(SDRAM:Synchronous Dynamic Random Access Memory,EEPROM:Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)。
アナログI/F(インターフェース)14は、デジタルの出力画像信号をアナログ出力信号に変換して表示パネル2cに送出する。
外部入出力部31は、アナログI/Fに接続され画像や音声などのアナログ信号を外部との間で入出力する。
電源30は、本体部1に直接装着されたバッテリを用いて供給されてもよく(図1参照)、ACアダプターなどの外部機器から外部入出力部31を介して供給されてもよい。
制御部12は、電源の待機状態(主電源オフでの待機状態)または主電源の投入状態(主電源オン)との切換を制御する。
【0038】
次に、具体的な動作の例を説明する。
【0039】
このビデオカメラ50は、被写体像の動画と静止画との両方を撮影して記録することができるように構成されている。
その場合、入力操作子NSの内の、記録/再生切り替えスイッチを押し下げることで再生モードから記録モードへの移行を指示できる。
この操作を受けて、制御部12は、このビデオカメラ50の動作を記録モードに設定し、静止画撮影又は動画撮影の実行指示の入力待ち状態とする。
【0040】
静止画の記録に際しては、入力操作子NSからの静止画撮影指示操作(例えば、静止画撮影ボタンの押し下げ操作)により、入力操作子NSから静止画撮影を指示する入力操作信号S2sが出力される。
【0041】
この入力操作信号S2sに応じ、制御部12は、画像処理回路11bに対して、映像信号S1をSDRAM13aに一時記憶させると共に静止画像データとしてENC/DEC回路11cによりJPEG方式でエンコードした後、記録媒体6aまたは6bに記録させるよう指示する。
【0042】
一方、動画の記録に際しては、操作子NSからの動画撮影指示操作(例えば、動画撮影ボタンの押し下げ操作)により、入力操作子NSから動画撮影を指示する入力操作信号S2dが出力される。
【0043】
この入力操作信号S2dに応じ、制御部12は、画像処理回路11bに対して、映像信号S1を動画像データとしてENC/DEC回路11cによりMPEG方式でエンコードした後、記録媒体6aまたは6bに記録させるよう指示する。
【0044】
記録/再生切り替えスイッチを再度押し下げると、それまでの記録モードから再生モードへの移行が指示される。
この指示を受けて、制御部12は、このビデオカメラ50の動作を再生モードに設定し、再生対象の選択,再生開始などの指示の入力待ち状態とする。
【0045】
さらに、制御部12は、記録媒体であるハードディスク6aまたはメモリーカード6bに記録されている静止画ファイルや動画ファイルに対してENC/DEC回路11cで所定のデコードを施すと共に、それらファイルのインデックスを、アナログI/F14を介して、表示パネル2cに表示させる。
【0046】
次に、表示部2について図3を用いて詳述する。
図3は、表示部2の操作面2bについての正面図である。
特に図3(a)は具体化した現物の正面図であり、図3(b)は(a)に対応する模式図である。
【0047】
上述したように、表示部2の筐体2aの操作面2bには、開口部2b1が設けられており、開口部2b1内には、表示パネル2cの画像が表示される。
筐体2aにおいて、開口部2b1に対応した左側の枠部2a1には、入力操作子9の一つである、タッチセンサ8が設けられている。
【0048】
このタッチセンサ8は、指などの接触を検出するタッチ面部8a(図3における網掛け部分)が細長に形成されているものである。
そして、その長手方向が開口部2b1の左辺2b1−Lと平行になるよう枠部2a1に配設されている。
【0049】
また、このタッチセンサ8は、タッチ面部8aの長手方向に沿って独立した4つの検出部8b1〜8b4を備えている。
従って、タッチ面部8a上を、例えば図3の上方側から下方側に向かって指を接触させたまま滑らせると、その位置に応じ、検出部8b1,8b2,8b3,8b4の順に検出信号が出力される。
【0050】
一方、筐体2aにおいて、開口部2b1に対応した下側の枠部2a2には、複数のタッチセンサ9A〜9Eが操作子群9として配設されている。この実施例では、この操作子群9のタッチセンサは5つである。
【0051】
タッチセンサ9A〜9Eは、各タッチ面部9Aa〜9Eaが略円形または略楕円形であり、それぞれが単独の検出部を備えている。
【0052】
また、図3においては、タッチセンサ9A〜9Eを理解容易のために大きく描いている。
【0053】
図3においては、表示パネル2cに、再生する画像を選択するためのインデックスが表示されている状態を示している。
具体的には、この画面は複数のシーンから所望のシーンをインデックスにより選択する画面であり、選択されるべき全シーンを各ページ9つずつ表示させるものである。
【0054】
図3では、画面の右上に全ページ数Nと現在表示中のページ番号nとが、n/Nの形式で表示されている。すなわち、この図3では、69ページ中の20ページ目を表示していることが示されている。
【0055】
1つのページには、9つのシーン(「シーン1」から「シーン9」)に対応した9個の選択領域SR1〜SR9がマトリックス状に表示されている。
この選択領域として、各シーンのサムネイル画像を表示してもよく、各シーンの内容を示す文章や内容を特定できるように関連づけられたマークなどでもよい。
【0056】
また、その内の一つの枠の輝度が高く(ハイライト化)表示され、カーソルがそこにあることを示している。図3の例では「シーン1」にカーソルが位置していることを示している。
【0057】
また、選択領域SR1〜SR9の表示域の下側には、シーン選択以外の動作を指示するための選択領域が表示されている。
具体的には、「選択」動作を指示する場合の選択領域SR21,「戻る」動作を指示する場合の選択領域SR22,「確認」動作を指示する場合の選択領域SR23,及び「終了」動作を指示する場合の選択領域SR24である。
【0058】
一方、各タッチセンサ8,9A〜9Eからの入力操作信号S2に基づいて、制御部12は、予め設定された動作を実行するよう制御する。この動作は、個々のタッチセンサ8,9A〜9Eに対応して予め割り当てられたものである。
【0059】
具体的な割り当てについて、図3のインデックス選択を一例として以下に示す。
【0060】
(インデックス選択)
図3において、タッチセンサ8のタッチ面部8aに対して、指で上方向または下方向になぞられた際に、複数の検出部8b1〜8b4から時系列的に入力操作信号が出力される。
制御部12は、これに時系列的に出力された入力操作信号に基づいて指の移動量を検出し、検出した量に対応したカーソルの移動量を決定し、その決定した移動量だけカーソルを移動させる。
【0061】
例えば、カーソル移動量が下方向に1つと決定された場合は、カーソルは「シーン4」に移行する。
また、上方向に1つと決定された場合は、マトリックスの1行分画面が下送りされ、「シーン1」の一つ上に位置するシーンにカーソルが移行する。
【0062】
この場合のカーソルの移動は、指の移動(なぞり操作)1回につき1回行われる。
【0063】
また、タッチ面部8aの上側または下側の半分の領域を所定の時間以上触れることで、その触れている領域の上下に対応づけられた前後方向のページ送りを実行する。
【0064】
具体的には、現在の表示画面が20ページ目であり、所定の時間が2秒と設定されている場合、タッチ面部8aの下側の領域である検出部8b3,8b4で検出される領域を、2秒以上触れていると、制御部12は、触れている下側と対応づけられた後ろ方向へ、ページ送り動作を実行する。
すなわち、ページを、21,22,23,・・・と移動させる。逆に、上側の領域を触れた場合は、逆にページが19,18,・・・と前側に移動する。
【0065】
一つ送りの場合もページ送りの場合も、送る選択領域あるいは送るページがない選択範囲の末端に達している場合は、カーソルが選択範囲の末端にあることを示すテキストまたはマークなどを表示する。
【0066】
次に、図4のフローチャートを用い上述したインデックス選択動作について詳述する。
【0067】
まず、ビデオカメラ50の電源をオンにする(STEP1)
【0068】
記録/再生切り替えスイッチにより再生モードに設定する(STEP2)
【0069】
制御部12は、タッチセンサ8のタッチ面部8aの上半分領域と下半分領域のどちらに人体が触れているかの判定を、検出部8b1〜8b4からの出力信号に基づいて行う(STEP3)。
【0070】
上半分と判定した場合、制御部12は、タッチ面部8aへの接触がスライド操作(なぞり操作)なのか、移動のないタップ操作なのかを判定する(STEP4)。
これは、出力信号の送出元の検出部8b1〜8b4が、時系列的に変わるか否かで判定する。時系列的に変われば、スライド操作であり、変わらなければタップ操作である。
【0071】
制御部12は、スライド操作と判定した場合、インデックス表示のカーソルが位置するシーン番号を一つ戻す(STEP5)。すなわち、カーソルを一つ前のシーンの選択領域に移動する。
【0072】
タップ操作と判断した場合、接触時間を判定する(STEP6)。
この接触時間の判定は、設定された時間以上か未満かで判定する。
【0073】
この実施例では、2秒を基準値としているので、接触が2秒以上であれば、ページ戻しを実行する(STEP7)。接触が2秒未満の場合は、そのまま維持する(STEP8)。
【0074】
STEP3で、下半分領域と判定した場合、制御部12は、STEP4と同様の、タッチ面部8aへの接触がスライド操作(なぞり操作)なのか、移動のないタップ操作なのかを判定する(STEP9)。
【0075】
制御部12は、スライド操作と判定した場合、インデックス表示のカーソルが位置するシーン番号を一つ送る(STEP10)。すなわち、カーソルを一つ後のシーンの選択領域に移動する。
【0076】
タップ操作と判断した場合、SETP6と同様に接触時間を判定する(STEP11)。
【0077】
接触が2秒以上であれば、ページ送りを実行する(STEP12)。接触が2秒未満の場合は、そのまま維持する(STEP13)。
【0078】
以上は、選択領域による複数シーンのインデックス選択の例であるが、他の表示及び操作の例としてメニュー選択の場合を説明する。
【0079】
(メニュー選択)
図5において、タッチセンサ8のタッチ面部8aに対して、指で上方向または下方向になぞられた際に、複数の検出部8b1〜8b4から時系列的に入力操作信号が出力される。
【0080】
制御部12は、これに時系列的に出力された入力操作信号に基づいて指の移動量を検出し、検出した量に対応したカーソルの移動量を決定し、その決定した移動量だけカーソルを移動させる。
【0081】
図5は、メニュー選択の例を示している。
この図は、ビデオカメラ50の複数の機能から所望の機能を選択するメニュー画面を示している。
【0082】
各メニューは、それぞれ選択領域として画面の縦方向に配列されている。図5では、画面に表示可能な5つの選択領域SR31〜SR35が示され、その前後(上下)に隠れている選択領域が存在してそこへの画面移動が可能であることを示す三角マークSM1,SM2が表示されている。
【0083】
また、表示された選択領域の内の一つの選択領域SR33の枠の輝度が高く(ハイライト化)表示され、カーソルがそこにあることを示している。図5の例では撮影モードにカーソルが位置していることを示している。
【0084】
このメニュー選択の場合も、タッチセンサ8に対して、指で上方向または下方向になぞられた際に、複数の検出部8b1〜8b4から時系列的に入力操作信号が出力される。
【0085】
制御部12は、これに時系列的に出力された入力操作信号に基づいて指の移動量を検出し、検出した量に対応したカーソルの移動量を決定し、その決定した移動量だけカーソルを移動させる。
【0086】
例えば、カーソル移動量が下方向に1つと決定された場合は、カーソルは「イベント設定」に移行する。
また、カーソルが「高速起動」にあり、カーソル移動量が下方向に1つと決定された場合は、マトリックスの1行分画面が上送りされ、「高速起動」の一つ下に位置するメニューにカーソルが移行する。
【0087】
この場合のカーソルの移動は、指の移動(なぞり動作)1回につき1回行われる。
【0088】
また、タッチ面部8aの上側または下側の半分の領域を所定の時間以上触れることで、その触れている領域の上下に対応づけられた前後(上下)方向のメニュー送りを表示されているメニューの数単位で実行する。
【0089】
具体的には、表示されているメニューがn個(nは1以上の整数)であり、所定の時間が2秒と設定されている場合、タッチ面部8aの下側の領域である検出部8b3,8b4で検出される部分を、2秒以上触れていると、制御部12は、触れている下側と対応づけられた後ろ方向へ、メニュー送り動作をm個(m=n)単位で実行する。
【0090】
ここで、nが2以上の場合に、mを、m<n(mは1以上の整数)としてもよい。また、このmの値を使用者が設定できるようにしてもよい。
【0091】
さらに別の例として機能調整の場合を説明する。
【0092】
(フォーカス調整)
図6において、タッチセンサ8のタッチ面部8aに対して、指で上方向または下方向になぞられた際に、複数の検出部8b1〜8b4から時系列的に入力操作信号が出力される。
【0093】
制御部12は、これに時系列的に出力された入力操作信号に基づいて指の移動量を検出し、画面に表示される調整領域の中に表示される現在のフォーカス位置を示すポインタの移動量を決定し、その決定した移動量だけポインタを移動させる。
【0094】
図6は、フォーカス調整の例を示している。
この図は、ビデオカメラ50のフォーカスを画面上で調節するための画面を示している。
【0095】
このフォーカス調整の画面は、フォーカス調整の自動/マニュアル選択スイッチをマニュアルに切り替えると表示されるようになっている。
【0096】
この画面において、フォーカスの調整範囲を示す縦長の調整領域41が表示される。
この調整領域41において、上端がフォーカス位置無限遠を示し、下端が最近接位置を示している。
また、調整領域41の上端側には無限遠を示す「無限」の文字を表示し、下端側には最近接位置を示す「至近」の文字を表示している。
また、調整領域41内には、現在のフォーカス位置を示す横バーであるポインタ42が表示されている。
【0097】
タッチセンサ8のタッチ面部8aを指で上方向または下方向になぞると、そのなぞった操作毎に、なぞった方向に対応する遠方向または近方向へフォーカス位置が1ステップ移動する。
【0098】
また、インデックス選択及びメニュー選択の場合と同様に、タッチ面部8aの上側または下側の半分の領域を所定の時間以上触れることで、その触れている領域の上下に対応づけられた遠近方向へフォーカスが予め設定されたステップ数単位で移動する。
【0099】
これにより、ステップ数が多いフォーカス調整動作において、1ステップ毎の微妙なフォーカス調整と、無限遠方から最近接位置までの任意の区間でのフォーカスの高速移動を、1つの入力操作子(タッチセンサ8)で実行することができる。
【0100】
このフォーカス調整と同様に、ワイドとテレとの間のズーム操作,明るさのマニュアル調整などを行うことができ、いずれの場合も、同様の効果を得ることができる。
【0101】
次に、図7のフローチャートを用い上述したフォーカス調整動作について詳述する。
【0102】
まず、ビデオカメラ50の電源をオンにする(STEP21)
【0103】
撮影スイッチにより撮影モードに設定する(STEP22)
【0104】
制御部12は、タッチセンサ8のタッチ面部8aの上半分領域と下半分領域のどちらに人体が触れているかの判定を、検出部8b1〜8b4からの出力信号に基づいて行う(STEP23)。
【0105】
上半分と判定した場合、制御部12は、タッチ面部8aへの接触がスライド操作(なぞり操作)なのか、移動のないタップ操作なのかを判定する(STEP24)。
これは、出力信号の送出元の検出部8b1〜8b4が、時系列的に変わるか否かで判定する。時系列的に変われば、スライド操作であり、変わらなければタップ操作である。
【0106】
制御部12は、スライド操作と判定した場合、フォーカス位置を無限遠側に1ステップ移動させる(STEP25)。
【0107】
タップ操作と判断した場合、接触時間を判定する(STEP26)。
この接触時間の判定は、設定された時間以上か未満かで判定する。
【0108】
この実施例では、2秒を基準値としているので、接触が2秒以上であれば、フォーカスを無限遠側に所定のステップ数t1(t1:2以上の整数)だけ移動させる(STEP27)。この例ではt1=10である。接触が2秒未満の場合は、そのまま維持する(STEP28)。
【0109】
STEP23で、下半分領域と判定した場合、制御部12は、STEP24と同様の、タッチ面部8aへの接触がスライド操作(なぞり操作)なのか、移動のないタップ操作なのかを判定する(STEP29)。
【0110】
制御部12は、スライド操作と判定した場合、フォーカスを至近側に1ステップ移動させる(STEP30)。
【0111】
タップ操作と判断した場合、SETP26と同様に接触時間を判定する(STEP31)。
【0112】
接触が2秒以上であれば、フォーカスを至近側に所定のステップ数t2(t2:2以上の整数)だけ移動させる(STEP32)。この例ではt2=10である。接触が2秒未満の場合は、そのまま維持する(STEP33)。
【0113】
上述した選択例あるいは調整例において、カーソルの移動において移動できる選択領域がない場合,表示中のページが末端ページの場合、または、ポインタの移動において、すでに無限遠方か最近接位置にフィーカスがある場合は、カーソルやポインタが移動可能範囲の末端にあることを示すテキストまたはマークなどを表示する。
【0114】
このように、タッチセンサ8には、少なくとも2つの機能が割り当てられている。
具体的には、所定時間未満の接触でのすべり操作によるカーソルの単発移動動作指示または1ステップ毎の調整位置の移動動作指示、及び、所定時間以上の接触による、ページ送り動作指示,所定の選択領域数毎の送り動作指示,または所定のステップ数毎の調整位置の移動動作指示である。
【0115】
複数の機能をそれよりも少ない数の入力操作子で実行できるので、表示部2の枠部2a2の限られたスペースを効率よく活用できる。
【0116】
タッチセンサ9A〜9Eについては、単独の機能が割り当てられている。
例えば、タッチセンサ9Aは、カーソルで選択された選択領域の決定指令を発信するものであり、タッチセンサ9Eは、メニュー画面を表示させる指令を発信するものである。
【0117】
このビデオカメラ50は、図1を基にした上述のように、タッチセンサ8と協働する別のタッチセンサ18(以下、区別のため便宜的にサブタッチセンサ18とも称する)を備えている。
【0118】
具体的には、このサブタッチセンサ18は、タッチセンサ8の上方側の、操作面2bと筐体2aの天側の側面2eとに跨るように、設けられている。
すなわち、このサブタッチセンサ18は、長手を有する細長のタッチ面部8aを有するタッチセンサ8に対し、その長手方向の延長上に配設されている。
【0119】
そのため、図14に示すように、サブタッチセンサ18を左手の人指し指Y1で触りながら、タッチセンサ8を親指Y2で操作することができ、2つのセンサに対して容易に入力を行うことができる。この操作は、サブタッチセンサ18とタッチセンサ8との相対位置がちょうど手と指の自然な状態に適合しているので、極めてスムーズに行うことができる。
そして、サブタッチセンサ18に対して人体の接触がされているか、接触がされていないか、を、サブタッチセンサ18からの信号出力の有無により制御部12が判定し、その有無に応じてタッチセンサ8の操作に伴って出力された信号に基づいて行う表示画面の変化を異ならせる。
また、装置自体の動作を異ならせてもよい。
【0120】
次に、そのサブタッチセンサ18の作用について詳述する。
【0121】
ここで説明する例は、上述したインデックス検索の例である。
【0122】
図8は、図3に相当する図であり、「シーン1」から「シーン9」までの9つのシーンに対応した選択領域がマトリックス状にて画面に表示されている。
【0123】
上述したシーンのインデックス検索例においては、カーソルの移動をシーンの番号の昇降で行うものであったが、この例では、画面の上下左右の方向で実行するものである。
そのために、使用者が、予め、カーソルの移動を、番号の昇降移動とするか、画面の上下左右方向に移動するかを選択できるようにしてある。
【0124】
そして、上下左右方向への移動を選択した場合に、サブタッチセンサ18に触れずにタッチセンサ8を操作した場合は、タッチセンサ8に対する上下操作が、カーソルの上下方向の移動に対応するように設定されている。
【0125】
ここで、図8に示すように、操作ガイダンスマーク19を表示させてもよい。
この操作ガイダンスマーク19は、タッチセンサ8の操作により、カーソルが、図8における上下方向へ移動することを示すマークである。
【0126】
このマーク18の具体的例としては、上方向と下方向とを向く両矢印形状のマークである。また、図8のように、両矢印近傍に「上」及び「下」の文字表示をさせてもよい。
【0127】
図9は、サブタッチセンサ18に触れた状態でタッチセンサ8を操作した場合を示している。
【0128】
この場合、タッチセンサ8の上下操作が、カーソルの左右方向の移動に対応するように設定されている。
そして、操作ガイダンスマーク19は、カーソルが左右方向に移動することを示す操作ガイダンスマーク20が表示される。
【0129】
このマーク19の具体的例としては、左方向と右方向とを向く両矢印形状のマークである。また、図9のように、両矢印近傍に「左」及び「右」の文字表示をさせてもよい。
【0130】
図10は、この場合の動作の一部であって、カーソルの上下移動と左右移動とを判別する工程を含むフローチャートである。
【0131】
図10に示すように、電源を投入し(STEP81)、再生モードに設定(STEP82)したのち、制御部12は、入力操作子NSによりカーソル昇降移動か方向移動かを選択する(STEP83)。
【0132】
次に、制御部12は、サブタッチセンサ18への人体の接触有無を判定し(STEP84)、触れられていれば、制御部12は、カーソルの左右方向移動(横移動)モードに設定する(STEP85)。
【0133】
サブタッチセンサ18に触れられていなければ、制御部12は、カーソルの上下方向移動(縦移動)モードに設定する(STEP86)。
【0134】
タッチセンサ8及びサブタッチセンサ18は、画面直近の画面枠に設けられて画面に表示されたアイコン,マーク,または選択領域に対応した複数の動作を協働して効率良く実行できるものであるが、さらに、画面から離れた位置にさらに別のタッチセンサ28,29(以下、補助タッチセンサ28,29とも称する)を設けて、タッチセンサ8及びサブタッチセンサ18と協働させてもよい。
【0135】
以下に、その例1と例2とについて説明する。
【0136】
(補助タッチセンサ例1)
図11は、ビデオカメラ50の本体部1の後方側上面に配置された、楕円形状の静止画撮影ボタン21と、それを囲繞するように設けられた補助タッチセンサ28とを示している(図1も参照)。
【0137】
また、この静止画撮影ボタン21の近傍には、ズームレバー(音量制御兼用)22が配設されている。
【0138】
ビデオメラ50は、動画と静止画とを撮影することが可能である。
そして、この静止画撮影ボタン21は、その静止画撮影モードにおいて押し下げられると、その時点での静止画像を取り込んでメモリに保存するように制御部12に指令するトリガスイッチとして機能する。
【0139】
このビデオカメラ50は、静止画撮影ボタン21に指が載せられると、自ずとその周囲の補助タッチセンサ28にもその指が触れることを利用し、触れたときに静止画撮影モードに自動的に移行するように設定されている。
【0140】
静止画撮影モードに移行した際には、表示パネル2cに表示される画面も、静止画撮影モード時の表示に自動的に変わり、タッチセンサ8及びサブタッチセンサ18の機能もその静止画撮影モード時の表示に対応した機能が制御部12により割り当てられる。
【0141】
図12は、この場合の動作における、補助タッチセンサ28に指などの人体が触れられているか否かにより、動画撮影モードと静止が撮影モードとを切り替える工程を含むフローチャートである。
【0142】
図12に示すように、電源を投入したのち(STEP91)、補助タッチセンサ28に接触があるか無いかを、制御部12は判定する(STEP92)。
【0143】
補助タッチセンサ28に触れられていれば、制御部12は、静止画像撮影モードに設定する(STEP93)。
補助タッチセンサ28に触れられていなければ、制御部12は、動画撮影モードに設定する(STEP94)。
【0144】
(補助タッチセンサ例2)
図1において、ビデオカメラ50は、グリップ部4を手で把持した際に必ず掌が当たる位置に、補助タッチセンサ29が配設されている。
【0145】
そして、グリップ部4が手で把持され、この補助タッチセンサ29に接触があり、さらに、録画のトリガーボタン23が押し込まれると主電源が投入される。
【0146】
通常、ビデオカメラの電源投入ボタンとして、押しボタンを採用することは、バックなどに入れた際の誤入力を防ぐために避けられる。
【0147】
そのため、押しボタン単独ではなく、このように補助タッチセンサ29と押しボタンとを組み合わせることで、誤操作が防止でき、操作性が向上し、ボタン類を削減することでより一層の小型化が図れる。
【0148】
図13は、主電源がオフであって、電源が待機状態にある場合に、補助タッチセンサ29に掌などが触れられているか否かにより、制御部が、主電源をオンにするかオフのままとするかを選択する工程を含むフローチャートである。
【0149】
図13に示すように、補助タッチセンサ29に人体の接触があるか無いかを、制御部12は判定する(STEP131)。
【0150】
補助タッチセンサ29に接触がない場合は、制御部12は、主電源をオフのままとする(STEP132)。
補助タッチセンサ28に接触がある場合、制御部12は、トリガースイッチ(撮影スイッチ)23の押し込み有無を判定する(STEP133)。
【0151】
トリガスイッチ23が押し込まれたら、制御部12は、主電源をオンにする(STEP134)。
【0152】
トリガスイッチ23が押し込まれていなければ、制御部12は、主電源をオフのままで維持する(STEP135)。
そして、再び補助タッチセンサ28の接触有無を判定し、これを繰り返す。
【0153】
以上詳述したように、サブタッチセンサ18及び補助タッチセンサ28は、いずれも、タッチされる度に入力を認識して信号を出力するものではなく、タッチされている状態で常に信号を出力するものである。
【0154】
そして、このサブタッチセンサ18または補助タッチセンサ28に対して指などが接触中の状態にあるか、または、接触してない状態にあるか、で、制御部12は、メインとなるタッチセンサ8の機能を切り替える。
【0155】
そのため、タッチセンサ8の単独では限界があった多くの機能の兼用を、サブタッチセンサ18または補助タッチセンサ28と組み合わせることで、行わせることができる。
【0156】
一方、サブタッチセンサ18または補助タッチセンサ28に対する接触を、タッチセンサ8の入力を許容する条件とすれば、タッチセンサ8のみの短時間の接触は実質的に無視されるので、意図せずタッチセンサ8に触れて誤入力されるという不具合は生じにくくなっている。
【0157】
ここで、タッチセンサ8,サブタッチセンサ18,及び補助タッチセンサ28,29は、その指などをタッチするタッチ面部8a,18a,28aに、他の部位との区別のために窪みや出っ張りをつけるなどするとよい。
【0158】
図15は、その一例としてタッチセンサ8のタッチ部面部8aに窪みである凹部8a1を設けた例である。
凹部8a1にはさらにシボ加工を施してもよい。
【0159】
各タッチセンサ8,18,28,29と操作子群9のタッチセンサとは、互いに区別できるように、異なる形状、異なる表面処理状態、で形成されているとよい。
【0160】
特に、ビデオカメラなどの撮像装置や、車載用の画像表示装置の場合は、センサを目視で確認することができない、または、し難いので、触感のみで触っているセンサの種類を判別できるのは望ましい。
【0161】
本発明の実施例は、上述した構成及び手順に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において変形例としてもよいのは言うまでもない。
本発明は、実施例で説明した撮像装置に適用が限定されるものではない。画像を表示する表示パネルを筐体に納めて、筐体にタッチセンサを配設した機器であれば、適用が可能である。
具体的な機器の例としては、携帯電話,ポータブル音楽/映像プレーヤ,携帯情報端末(PDA),ポータブルナビゲーション装置(PND),ゲーム機,パーソナルコンピュータ(PC)などがある。
【図面の簡単な説明】
【0162】
【図1】本発明の撮像装置の実施例を説明するための斜視図である。
【図2】本発明の撮像装置の実施例を説明するためのブロック図である。
【図3】本発明の撮像装置の実施例における表示部を説明するための平面図である。
【図4】本発明の撮像装置の実施例におけるインデックス操作のフローチャートである。
【図5】本発明の撮像装置の実施例におけるメニュー操作画面を説明するための平面図である。
【図6】本発明の撮像装置の実施例におけるフォーカス調整画面を説明するための平面図である。
【図7】本発明の撮像装置の実施例におけるフォーカス調整のフローチャートである。
【図8】本発明の撮像装置の他の実施例の表示部を説明するための平面図である。
【図9】本発明の撮像装置の他の実施例の作用を説明するための平面図である。
【図10】本発明の撮像装置の他の実施例の動作を説明するためのフローチャートである。
【図11】本発明の撮像装置の他の実施例における補助タッチセンサを説明するための図である。
【図12】本発明の撮像装置の他の実施例における補助タッチセンサの例1の操作を説明するためのフローチャートである。
【図13】本発明の撮像装置の他の実施例における補助タッチセンサの例2の操作を説明するためのフローチャートである。
【図14】本発明の撮像装置の実施例におけるサブタッチセンサを説明するための斜視図である。
【図15】本発明の撮像装置の実施例におけるタッチセンサを説明するための部分断面図である。
【符号の説明】
【0163】
1 本体部
1a ヒンジ部
2 表示部
2a 筐体
2a1 (左側の)枠部
2a2 (下側の)枠部
2b 一面(操作面)
2b1 開口部(窓部)
2b1−L 左辺
2c 表示パネル
2d 一側面
3 レンズ部
4 グリップ部
5 撮像素子
6 ハードディスク装置
6a ハードディスク(記録媒体)
6b メモリーカード(記録媒体)
7 制御部
8 タッチセンサ
8a タッチ面部
8b1〜8b4 検出部
9 操作子群
9A〜9E タッチセンサ
10 信号処理部
11a カメラ制御回路
11b 画像処理回路
11c ENC/DEC回路
12 CPU(制御部)
13a,13b,13c バッファメモリ
14 アナログI/F
18 サブタッチセンサ
19,20 操作ガイダンスマーク
21 静止画ボタン
22 ズームレバー
23 トリガーボタン
28,29 補助タッチセンサ
30 電源(バッテリ)
31 外部入出力部
41 調整領域
50 ビデオカメラ
CL1,CL2 回動軸
NS 入力操作子
S1 映像信号
S2,S2s,S2d 入力操作信号
SR1〜SR9 選択領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する画像表示パネルと、
前記画像表示パネルを収容すると共に前記画像を外部から臨める矩形の窓部が設けられた筐体と、
タッチ面に対する人体の接触で信号を出力し、前記タッチ面が前記筐体における前記窓部の一辺に沿って細長形状で露出するよう前記筐体に設けられた第1のタッチセンサと、
タッチ面に対する人体の接触で信号を出力する第2のタッチセンサと、
前記第1のタッチセンサから出力された信号を検出し、その信号に基づいて前記画像を変化させて表示する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記第2のタッチセンサからの出力がない状態で前記第1のタッチセンサから前記信号が出力された場合と、前記第2のタッチセンサからの出力がある状態で前記第1のタッチセンサから信号が出力された場合とで、前記画像の変化を異ならせる画像表示装置。
【請求項2】
前記第2のタッチセンサは、前記筐体における前記第1のタッチセンサの長手方向の延長上に配設されていることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記制御部は、当該画像表示装置の電源が待機状態にあり、かつ、前記第2のタッチセンサの出力がある状態で前記第1のタッチセンサから信号が出力された場合に、当該画像表示装置の主電源を投入することを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
【請求項4】
撮影レンズを介した被写体像を光電変換して画像信号を出力する撮像素子と、
前記画像信号に基づく画像を表示する画像表示パネルと、
前記画像表示パネルを収容すると共に前記画像を外部から臨める矩形の窓部が設けられた筐体と、
タッチ面に対する人体の接触で信号を出力し、前記タッチ面が前記筐体における前記窓部の一辺に沿って細長形状で露出するよう前記筐体に設けられた第1のタッチセンサと、
タッチ面に対する人体の接触で信号を出力する第2のタッチセンサと、
前記第1のタッチセンサから出力された信号を検出し、その信号に基づいて前記画像を変化させて表示する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記第2のタッチセンサからの出力がない状態で前記第1のタッチセンサから前記信号が出力された場合と、前記第2のタッチセンサからの出力がある状態で前記第1のタッチセンサから信号が出力された場合とで、前記画像の変化を異ならせる撮像装置。
【請求項5】
前記第2のタッチセンサは、前記筐体における前記第1のタッチセンサの長手方向の延長上に配設されていることを特徴とする請求項3記載の撮像装置。
【請求項6】
前記制御部は、当該撮像装置の電源が待機状態にあり、かつ、前記第2のタッチセンサの出力がある状態で前記第1のタッチセンサから信号が出力された場合に、当該撮像装置の主電源を投入することを特徴とする請求項4記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−164757(P2009−164757A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−340075(P2007−340075)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(000004329)日本ビクター株式会社 (3,896)
【Fターム(参考)】