説明

画像表示装置

【課題】 電界放出型ディスプレイ装置の蛍光膜の色度を改善し、輝度寿命を向上することである。
【解決手段】 蛍光膜が形成されたフェースプレートと、前記蛍光膜に電子線を照射する電子源とを備えた電界放出型ディスプレイ装置であって、前記蛍光膜をZnSを母体材料とする蛍光体であり発光スペクトルの主発光の0.3eV高エネルギー側に発光のショルダーが観測される蛍光体と、Y2SiO5を母体材料とする蛍光体とを混合または積層したことを特徴とする蛍光膜を用いることによって、従来では解決されなかった色度特性が改善し、輝度寿命を改善した電界放出型ディスプレイ装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蛍光膜が形成されたフェースプレートと、前記蛍光膜に電子線を照射する電子源とを備えた画像表示装置に係り、特に蛍光膜を構成する蛍光体としてZnS蛍光体とY2SiO5蛍光体とを混合、またはこれらの蛍光体を積層したことを特徴とする電界放出型ディスプレイ装置(以下FEDとする)に関する。
【背景技術】
【0002】
映像情報システムにおいては、高精細化、大画面化、薄型化、低消費電力化といった様々な要求に応じて各種ディスプレイ装置の研究開発が盛んに行われている。このような要求に応える薄型化、低消費電力化を実現するディスプレイとしてFEDの研究開発が近年、盛んに行われている。
【0003】
FEDは平面状の電界放出型電子源を真空外囲器の背面に設置し、前面のフェースプレートの内面に蛍光膜を設置した構造となっており、加速電圧約0.1kVから10kV程度の低加速電子線を蛍光膜に照射して発光させ、画像を表示する。
【0004】
ここで、蛍光膜に照射する電子線の電流密度は一般のブラウン管の約10倍から1000倍程度と高電流密度であるため、FED用蛍光膜においてはチャージアップを引き起こさない、低抵抗な特性が望まれる。さらに、高電流密度下における寿命特性が良好であり、輝度飽和が少なく高輝度な特性も必要とされる。
【0005】
これまで、蛍光膜の低抵抗化、長寿命化、高輝度化を実現するために様々な開発が行われてきた。蛍光体を混合することによりFED用蛍光膜の性能を向上する方法としては、例えば特許文献1のように高抵抗な蛍光体と低抵抗な蛍光体を混合することにより駆動電圧2kV以下で優れた輝度特性を有する方法がある。
【0006】
また、例えば特許文献2のように硫化物系蛍光体と、イットリウムのアルミン酸塩系もしくは珪酸塩系蛍光体である酸化物系蛍光体との混合蛍光体からなり、経時的に発光輝度維持率が良好な方法がある。しかしながら、発光スペクトルの主発光の0.3eV高エネルギー側に発光のショルダーが観測されるZnS蛍光体を用いる方法については記載されていない。
【0007】
これまで、FED用蛍光膜の低抵抗化、長寿命化、高輝度化を実現するために様々な方法が検討されてきた。しかしながら、これら従来の方法でその課題が全て解決されたわけではない。特に、色度が良好であり、長寿命化を実現する新しい方法が必要である。
【0008】
【特許文献1】特開平09−87618号公報
【特許文献2】特開平12−96046号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって本発明の目的は、上記従来の蛍光膜の輝度寿命、色度の各特性の改善を図ることであり、優れた輝度寿命特性を有する画像表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的は蛍光膜が形成されたフェースプレートと、前記蛍光膜に電子線を照射する電子源とを備えた電界放出型ディスプレイ装置であって、前記蛍光膜を形成する蛍光体は、ZnSを母体材料とする蛍光体であり発光スペクトルの主発光の0.3eV高エネルギー側に発光のショルダーが観測される蛍光体と、Y2SiO5を母体材料とする蛍光体との混合物を含むことを特徴とする画像表示装置により達成される。
【0011】
ここで、蛍光膜に使用されるZnSを母体材料とする蛍光体の組成としては、一般式ZnS:M,N(ただし、MはCu、 Ag、 Auのいずれか一種またはこれらを混合した元素、NはAl、 Ga、 In、 Clのいずれか一種またはこれらを混合した元素)で表される。
【0012】
また、Y2SiO5を母体材料とする蛍光体の組成としては、一般式Y2SiO5:R(ただし、RはCe、 Eu、 Tb、 Tmのいずれか一種またはこれらを混合した元素)で表される蛍光体を用いるのが良い。
【0013】
例えば、Y2SiO5:Ce蛍光体は輝度維持率が良好であるが、青色蛍光体としては色度が青色よりも青白色に近く、発光輝度も低い。そのため、高エネルギー発光成分のあるZnS:Ag,Al蛍光体と混合することで目的とする青色の色度に近い蛍光膜を得られ発光輝度が向上する。また、ZnS:Ag,Al蛍光体単独で使用するよりもY2SiO5:Ce蛍光体を混合することによって輝度維持率を改善することができる。
【0014】
また、ZnSの母体結晶中にIIa族からなる群から選ばれる少なくとも一種の元素を添加して混晶とした蛍光体、例えばZnMgS:Cu,Al蛍光体によりZnS:Cu,Al蛍光体を用いるよりも発光輝度の向上が図られる。
【0015】
また、Y2SiO5の母体結晶中にIIIa族からなる群から選ばれる少なくとも一種の元素を添加して混晶とした蛍光体、例えば(Y,Gd)2SiO5:Ce蛍光体によりY2SiO5:Ce蛍光体を用いるよりも発光輝度の向上が図られる。
【0016】
これら混晶蛍光体のいずれか一種またはこれらを混合した蛍光体を用いることにより、発光輝度を向上することができる。また、これらの蛍光体を製造する工程で、例えばフラックスを用いて焼成した場合、Ia族、VIIb族及び希土類からなる群から選ばれる少なくとも一種の微量不純物を含有することがある。
【0017】
ZnS母体結晶は立方晶である蛍光体が一般に用いられている。焼成温度を1020℃以上とすること、あるいはMg混晶とすることなどにより六方晶、あるいは立方晶と六方晶の混晶とすることができる。六方晶の場合、バンドギャップが立方晶よりも約0.1eV大きくなるため発光が短波長側にずれる。例えば、ZnS:Ag,Al蛍光体の場合には青色から青紫色に発光色がずれるが、これは青白色のY2SiO5:Ce蛍光体との混合に色度の点で好適である。ZnS蛍光体に対するY2SiO5蛍光体の混合割合は発光輝度及び色度の点から10重量%以上50重量%以下の範囲とするのが良い。
【0018】
また、ここで用いるZnS蛍光体は硫黄を含む雰囲気中で処理温度100℃以上600℃以下の範囲でアニールすることにより寿命特性が改善されており、その特徴として主発光の0.3eV高エネルギー側に発光のショルダーが観測される。発光スペクトルのショルダー部分の発光強度が横軸をエネルギーで表した時にガウス曲線でフィッティングした強度よりも4倍以上大きい場合、ZnS蛍光体の表面処理として行っているアニールの効果が大きい。この高エネルギー発光成分は、ZnS:Cu,Al蛍光体については高電流密度で主発光の0.3eV高エネルギー側に観測されるBlue-Cuとして知られている発光成分であるが、本発明の蛍光体についてはその成分強度が大きい特徴がある。
【0019】
さらに、Agを発光中心として添加したZnS蛍光体、例えばZnS:Ag,Al蛍光体については、主発光の0.3eV高エネルギー側に従来知られていなかったViolet-Ag成分を観測することができる。これらBlue-Cu及びViolet-Agなどの高エネルギー発光成分の強度は試料温度依存性が大きく、液体窒素温度程度の低温でより明瞭に観測することができる。
【0020】
また、本発明の蛍光膜に用いる蛍光体粒子の表面が透光性導電物質を含む透光性導電膜で被覆されることにより、低抵抗化が図られる。透光性導電物質としては、In2O3、 MgO、 Sn2Oなどが挙げられる。
【0021】
蛍光膜の構造については、ZnS蛍光体とY2SiO5蛍光体を混合して成る単層の蛍光膜のほか、ZnS蛍光体からなる層とY2SiO5蛍光体からなる層とを積層して多層構造とすることもできる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の電界放出型ディスプレイ装置は、主発光の0.3eV高エネルギー側に発光のショルダーが観測されるZnS蛍光体とY2SiO5蛍光体を混合または積層した蛍光膜を用いているため、ディスプレイの色度が良好であり、輝度寿命が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
ここでは本発明の画像表示装置に使用する蛍光体の製造方法及び輝度維持率等の各特性について詳述するが、以下に示す実施例は、本発明を具体化する一例を示すものであり、本発明を拘束するものではない。
【実施例1】
【0024】
(1)立方晶ZnS:Ag,Al硫化処理蛍光体の製造:
本発明に用いる立方晶ZnS:Ag,Al硫化処理蛍光体は以下に述べる方法で製造できる。付活剤として用いるAgはAgNO3を純水に溶解して10-4mol/ml溶液として所定量を加えた。共付活として用いるAlはAl(NO3)3・9H2Oを純水に溶解して10-4mol/ml溶液として所定量を加えた。
【0025】
ZnS:Ag,Al蛍光体(Ag=500重量ppm、 Al=200重量ppm)の時のそれぞれの原料の分量は下記の通りである。
硫化亜鉛生粉 ZnS 9.746g
銀溶液 Ag 0.451ml
アルミ溶液 Al 0.722ml
上記原料をよく混合して乾燥する。次に、得られた蛍光体原料混合物を石英ボートに詰めて管状合成炉の石英管中にセットして焼成を行う。焼成はArガスによって全体を置換した後に、H2Sガス100ml/minを石英管中に流して硫化水素雰囲気で行った。焼成温度は950℃とし、焼成時間は2時間とした。焼成物を軽くほぐした後、フルイにかけて本発明に用いる蛍光体コアを得た。
【0026】
次に、硫化処理によって蛍光体コア表面の硫黄欠陥を修復し、硫黄欠陥濃度を低減する。合成したZnS:Ag,Al蛍光体を石英ボートに詰めて管状合成炉の石英管中にセットする。Arガスによって全体を置換した後に、H2Sガス200 ml/minを石英管中に流して硫化水素雰囲気で硫化処理を行った。アニール温度は400 ℃とし、アニール時間は0.5時間とした。硫化処理したZnS:Ag,Al蛍光体は軽くほぐした後、フルイにかけて本発明に用いる蛍光体を得た。
(2)立方晶ZnS:Ag,Al硫化処理蛍光体の発光スペクトルの測定:
次に、作製した立方晶ZnS:Ag,Al硫化処理蛍光体の発光スペクトルの測定を行った。試料はNiメッキしたCu基板上に沈降塗布法により蛍光膜を形成した。塗布重量は2〜5mg/cm2とした。作製した試料を電子銃を搭載したデマウンタブル装置にセットして測定を行った。
【0027】
デマウンタブル装置における電子線は偏向ヨークにより、一般のテレビと同じ周波数で左右及び上下に走査され、上述のように作製した蛍光膜上の一定範囲に四角いラスタ(電子線照射範囲)を描く。発光スペクトルは、加速電圧7kV、照射面積6×6mm、照射電流20μA、電流密度56μA/cm2、試料温度-190℃の条件で測定を行った。電子線を照射する側(反射側)に光ファイバーを設置して電子線照射による発光を取り込み、分光器を通して発光スペクトルを得た。
【0028】
図1に立方晶ZnS:Ag,Al硫化処理蛍光体の発光スペクトル及びそのガウス(gauss)曲線によるフィッティング結果を示す。立方晶ZnS:Ag,Al硫化処理蛍光体の発光スペクトルはgauss曲線によりフィッティングされ、硫化処理蛍光体では主発光2.8eVの0.3eV高エネルギー側にショルダーが観測される。立方晶ZnS:Ag,Al硫化処理蛍光体の3.1eVにおける発光強度はgauss曲線の4.8倍の大きさであり、4倍以上大きい。ZnS蛍光体では硫化処理を施すことによって、主発光の0.3eV高エネルギー側に観測されるショルダーの発光強度が大きくなる特徴がある。
(3)立方晶ZnS:Ag,Al硫化処理蛍光体とY2SiO5:Ce蛍光体の混合蛍光膜の輝度特性評価:
次に、立方晶ZnS:Ag,Al硫化処理蛍光体とY2SiO5:Ce蛍光体の混合蛍光膜の輝度特性評価を行った。Y2SiO5:Ce蛍光体は市販のものを用いた。蛍光膜試料は、立方晶ZnS:Ag,Al硫化処理蛍光体に対してY2SiO5:Ce蛍光体が0、 10、 30、 50重量%となるように各蛍光体を量り取り混合した試料を用いてNiメッキしたCu基板上に沈降塗布法により蛍光膜を形成した。塗布重量は2〜5mg/cm2とした。
【0029】
作製した試料を電子銃を搭載したデマウンタブル装置にセットして評価を行った。発光輝度及びラジオメトリックフィルターを通した輝度(発光エネルギー)は反射側から色彩色差計及びSiホトセルを用いて測定した。輝度特性評価は、加速電圧7kV、照射面積6×6mm、照射電流2μA、電流密度5.6μA/cm2、試料温度20℃の条件で行った。輝度特性の評価結果を表1に示す。
【0030】
【表1】

表1から、Y2SiO5:Ce蛍光体の発光輝度は立方晶ZnS:Ag,Al硫化処理蛍光体の75.4%であるが、これは色度y値が0.198と大きいため見かけの輝度が高くでている。発光エネルギーは31.1%であり、青色蛍光体として用いる場合にはこちらの値を用いる方が妥当である。混合蛍光膜の色度y値を見ると、混合比率(括弧内に表示した)が50重量%まではy値の上昇が0.085と青色蛍光膜として使用可能な範囲である。
【0031】
図2に色度y値の照射電流量変化を示す。立方晶ZnS:Ag,Al硫化処理蛍光体の色度y値は照射電流量が高くなるにつれて低下する傾向があるが、Y2SiO5:Ce蛍光体の混合比率を高めていくと、色度y値の変化は小さくなる。これは、Y2SiO5:Ce蛍光体の色度変化が立方晶ZnS:Ag,Al硫化処理蛍光体よりも小さいためである。
【0032】
図3に相対発光輝度の照射電流量変化、図4に相対発光エネルギーの照射電流量変化を示す。混合蛍光膜の相対発光輝度は照射電流量が高くなるに従って増加する傾向がある。これは、Y2SiO5:Ce蛍光体のγ特性(発光輝度の電流に対する伸びであり、輝度―電流のlog-logプロットの傾きがγ値である)が立方晶ZnS:Ag,Al硫化処理蛍光体よりも良好であること、立方晶ZnS:Ag,Al硫化処理蛍光体では照射電流量が高くなると色度y値が低下して輝度が低くでることが挙げられる。
【0033】
図4に見られるように、混合蛍光膜では照射電流量が高くなると相対発光エネルギーがやや増加する傾向が見られる。
(4)立方晶ZnS:Ag,Al硫化処理蛍光体とY2SiO5:Ce蛍光体の混合蛍光膜の輝度維持率特性評価:
次に、立方晶ZnS:Ag,Al硫化処理蛍光体とY2SiO5:Ce蛍光体の混合蛍光膜の輝度維持率特性評価を行った。試料の作製及び評価装置は輝度特性評価の場合と同様である。輝度維持率の加速試験は、加速電圧7kV、照射面積6×6mm、照射電流100μA、電流密度278μA/cm2、試料温度200℃、電子線照射時間1時間の条件で行った。表2に輝度維持率及び色度変化の評価結果を示す。
【0034】
【表2】

表1と表2で色度y値が異なるのは、試料温度が異なるためである。表2に見られるようにY2SiO5:Ce蛍光体の発光エネルギーは評価前後で変化がなく、輝度維持率は良好である。ただし、色度y値は電子線照射によって上昇する傾向が見られた。混合蛍光膜の輝度維持率は立方晶ZnS:Ag,Al硫化処理蛍光膜よりも高く、Y2SiO5:Ceの混合比率が10重量%と低い場合にも4.2%高い。また、評価前後における色度y値の変化が小さい。
【0035】
図5に立方晶ZnS:Ag,Al硫化処理蛍光膜(細線)及びY2SiO5:Ceの混合比率50重量%の混合蛍光膜(太線)の加速試験評価時の輝度維持率曲線を示す。表2の輝度維持率と値が異なるのは、表2が加速試験前後で照射電流量2μAでの発光エネルギーを比較した場合であるのに対して、図5は照射電流量が100μAと高いためである。図5に見られるように、混合蛍光膜の発光エネルギーは長期的な劣化の傾きは立方晶ZnS:Ag,Al硫化処理蛍光膜と大きな違いはないが、初期劣化が低く抑えられており輝度維持率が良好である。
【実施例2】
【0036】
本発明に用いる六方晶ZnS:Ag,Al硫化処理蛍光体は蛍光体の焼成温度を1050℃として、その他の工程は(実施例1)と同様にして作製することができる。発光輝度特性の評価結果を表3に示す。
【0037】
【表3】

混合蛍光膜の色度y値は混合比率が50重量%で0.082であり、青色蛍光膜として使用可能な範囲である。また、混合比率が30重量%では色度y値が0.062と青色発光として良好である。
【0038】
図6に色度y値の照射電流量変化を示す。六方晶ZnS:Ag,Al硫化処理蛍光体の色度y値は照射電流量が高くなるにつれて低下する傾向があるが、Y2SiO5:Ce蛍光体の混合比率を高めていくと、色度y値の変化は小さくなる。
【0039】
図7に相対発光輝度の照射電流量変化、図8に相対発光エネルギーの照射電流量変化を示す。混合蛍光膜で相対輝度が高くなっているのは六方晶ZnS:Ag,Al硫化処理蛍光体よりもY2SiO5:Ce蛍光体の輝度が高いこと、Y2SiO5:Ce蛍光体のγ特性が六方晶ZnS:Ag,Al硫化処理蛍光体よりも良好であること、六方晶ZnS:Ag,Al硫化処理蛍光体では照射電流量が高くなると色度y値が低下して輝度が低くでることが挙げられる。
【0040】
表3に見られるように、相対発光エネルギーは立方晶ZnS:Ag,Al硫化処理蛍光体とY2SiO5:Ce蛍光体を混合した場合とほぼ同様に、Y2SiO5:Ce蛍光体の混合比率を増加すると低下している。
【0041】
また、図8に見られるように、照射電流量を高くすると六方晶ZnS:Ag,Al硫化処理蛍光膜に比べて混合蛍光膜の相対発光エネルギーは増加する傾向がある。
【0042】
次に、六方晶ZnS:Ag,Al硫化処理蛍光体とY2SiO5:Ce蛍光体の混合蛍光膜の輝度維持率特性評価を行った。表4に輝度維持率及び色度変化の評価結果を示す。
【0043】
【表4】

表3と表4で色度y値が異なるのは、試料温度が異なるためである。混合蛍光膜の輝度維持率は六方晶ZnS:Ag,Al硫化処理蛍光膜に比べて高くなっており、混合比率が10重量%の場合には輝度維持率は3.3%高くなっている。また、混合比率が低い場合には電子線照射による色度y値の変化が小さい。
【0044】
図9に六方晶ZnS:Ag,Al硫化処理蛍光膜(細線)及びY2SiO5:Ce蛍光体の混合比率が10重量%の場合の混合蛍光膜(太線)加速試験時の輝度維持率曲線を示す。図9に見られるように、混合蛍光膜の発光エネルギーは長期的な劣化の傾きは六方晶ZnS:Ag,Al硫化処理蛍光膜の輝度維持率曲線と大きな違いはないが、初期劣化が低く抑えられており輝度維持率が良好である。
【実施例3】
【0045】
本発明の混合蛍光膜として立方晶ZnS:Ag,Cl硫化処理蛍光体及び(Y,Gd)2SiO5:Ce蛍光体を混合して蛍光膜を作製し、輝度・輝度維持率評価を行った。混合蛍光膜の色度及び輝度維持率は実施例1と同様に良好であった。
【実施例4】
【0046】
本発明の混合蛍光膜として立方晶ZnS:Cu,Al硫化処理蛍光体及びY2SiO5:Tb蛍光体を混合して蛍光膜を作製し、輝度・輝度維持率評価を行った。混合蛍光膜の色度は緑色発光として良好であり、輝度維持率は実施例1と同様に良好であった。
【実施例5】
【0047】
本発明の混合蛍光膜として立方晶ZnS:Cu,Au,Al硫化処理蛍光体及びY2SiO5:Tb蛍光体を混合して蛍光膜を作製し、輝度・輝度維持率評価を行った。混合蛍光膜の色度は緑色発光として良好であり、輝度維持率は実施例1と同様に良好であった。
【実施例6】
【0048】
本発明の混合蛍光膜としてZnMgS:Cu,Al硫化処理蛍光体(立方晶と六方晶の混晶)及び(Y,Gd)2SiO5:Tb蛍光体を混合して蛍光膜を作製し、輝度・輝度維持率評価を行った。混合蛍光膜の色度は緑色発光として良好であり、輝度維持率は実施例1と同様に良好であった。
【実施例7】
【0049】
MIM型電子源ディスプレイ装置(その1):
本発明のMIM型電子源ディスプレイ装置を図10に示す。MIM型電子源ディスプレイ装置12はフェースプレート2、MIM電子源11、リアプレイト7で構成されており、MIM型電子源11は下部電極(Al)8、絶縁層(Al2O3)9、上部電極(Ir-Pt-Au)10で形成されている。特に、フェースプレート2の内側には青色蛍光膜として、立方晶ZnS:Ag,Al硫化処理蛍光体(70重量%)とY2SiO5:Ce蛍光体(30重量%)を混合することによって形成した蛍光膜3がある。
【0050】
蛍光体の平均粒径はそれぞれ6μmとした。また、赤色蛍光膜にはY2O3:Eu蛍光体を用い、緑色蛍光膜にはY2SiO5:Tb蛍光体を用いた。精細度を上げるために1画素間に黒色導電材(ブラックマトリックス)1を設けた。
【0051】
黒色導電材1の作製では、全面にホトレジスト膜を塗布し、マスクを介して露光して現像し、部分的にホトレジスト膜を残す。その後、全面に黒鉛膜を形成してから過酸化水素などを作用させてホトレジスト膜とその上の黒鉛を取り除いて黒色導電材を形成した。
【0052】
蛍光膜の塗布にはスクリーン印刷法を用いた。蛍光体をセルロース系樹脂等を主体としたベヒクルと混練してペースト状とし、調合する。次に、ステンレスメッシュを介して押印塗布する。赤、緑、青蛍光体の塗り分けは、メッシュの穴の位置をそれぞれの蛍光膜の位置に合わせることによって行った。次に、印刷により形成した蛍光膜を焼成して混合したセルロース樹脂等を除去した。このようにして蛍光体のパターンを形成した。蛍光膜の平均厚さは15μmとした。不図示のメタルバックは、周知の形成方法にしたがい蛍光膜3の内面にフィルミング加工してからAlを真空蒸着して作成する。その後、熱処理してフィルミング剤を飛ばして作製した。このようにして蛍光膜3が完成する。MIM型電子源ディスプレイの輝度維持率は向上して長時間画像表示を行った後も良好な輝度を示した。
【実施例8】
【0053】
MIM型電子源ディスプレイ装置(その2):
本発明のMIM型電子源ディスプレイ装置を図10に示す。特に、フェースプレート2の内側には青色蛍光膜として、六方晶ZnS:Ag,Al蛍光体(50重量%)と(Y,Gd)2SiO5:Ce蛍光体(50重量%)を混合した蛍光膜3がある。赤色蛍光膜にはY2O3:Eu蛍光体を用い、緑色蛍光体にはY2SiO5:Tb蛍光体を用いた。蛍光膜、黒色導電材1及び不図示のメタルバックの形成方法は(実施例7)と同様である。本発明による輝度寿命は(実施例7)と同様に良好であった。
【実施例9】
【0054】
MIM型電子源ディスプレイ装置(その3):
本発明のMIM型電子源ディスプレイ装置を図10に示す。特に、フェースプレート2の内側には青色蛍光膜として、立方晶ZnS:Ag,Cl蛍光体(90重量%)とY2SiO5:Ce蛍光体(10重量%)を混合した蛍光膜3がある。赤色蛍光膜にはY2O2S:Eu蛍光体を用い、緑色蛍光体にはZnMgS:Cu,Al(80重量%)とY2SiO5:Tb蛍光体(20重量%)を混合した蛍光膜を用いた。蛍光膜、黒色導電材1及び不図示のメタルバックの形成方法は(実施例7)と同様である。本発明による輝度寿命は(実施例7)と同様に良好であった。
【実施例10】
【0055】
MIM型電子源ディスプレイ装置(その4):
本発明のMIM型電子源ディスプレイ装置を図10に示す。特に、フェースプレート2の内側には青色蛍光膜として、立方晶と六方晶の混晶ZnMgS:Ag,Al硫化処理蛍光体(70重量%)と(Y,Gd)2SiO5:Ce蛍光体(30重量%)を混合した蛍光膜3がある。赤色蛍光膜にはY2O:Eu蛍光体を用い、緑色蛍光体にはZnS:Cu,Au,Al蛍光体(50重量%)とY2SiO5:Tb蛍光体(50重量%)を混合した蛍光膜を用いた。蛍光膜、黒色導電材1及び不図示のメタルバックの形成方法は(実施例7)と同様である。本発明による輝度寿命は(実施例7)と同様に良好であった。
【実施例11】
【0056】
MIM型電子源ディスプレイ装置(その5):
本発明のMIM型電子源ディスプレイ装置を図10に示す。特に、フェースプレート2の内側には青色蛍光膜として、立方晶ZnS:Ag,Al,Cl硫化処理蛍光体(90重量%)とY2SiO5:Ce蛍光体(10重量%)を混合した蛍光膜3がある。赤色蛍光膜にはY2O2S:Eu蛍光体を用い、緑色蛍光体にはZnS:Cu,Al蛍光体を用いた。蛍光膜、黒色導電材1及び不図示のメタルバックの形成方法は(実施例7)と同様である。本発明による輝度寿命は(実施例7)と同様に良好であった。
【実施例12】
【0057】
MIM型電子源ディスプレイ装置(その6):
本発明のMIM型電子源ディスプレイ装置を図10に示す。特に、フェースプレート2の内側には青色蛍光膜として、ZnSrS:Ag,Al蛍光体(60重量%)とY2SiO5:Ce蛍光体(40重量%)を混合した蛍光膜3がある。赤色蛍光膜にはY2O3:Eu蛍光体を用い、緑色蛍光体にはZnS:Cu,Al蛍光体を用いた。蛍光膜、黒色導電材1及び不図示のメタルバックの形成方法は(実施例7)と同様である。本発明による輝度寿命は(実施例7)と同様に良好であった。
【実施例13】
【0058】
MIM型電子源ディスプレイ装置(その7):
本発明のMIM型電子源ディスプレイ装置を図10に示す。特に、フェースプレート2の内側には青色蛍光膜として、六方晶ZnS:Ag,Cu,Al蛍光体(60重量%)と(Y,Gd)2SiO5:Ce蛍光体(40重量%)を混合した蛍光膜3がある。赤色蛍光膜にはY2O3:Eu蛍光体を用い、緑色蛍光体にはY2SiO5:Tb蛍光体を用いた。また、蛍光体の抵抗を下げるために導電性物質In2O3を蛍光膜に混合した。蛍光膜、黒色導電材1及び不図示のメタルバックの形成方法は(実施例7)と同様である。本発明による輝度寿命は(実施例7)と同様に良好であった。
【実施例14】
【0059】
MIM型電子源ディスプレイ装置(その8):
本発明のMIM型電子源ディスプレイ装置を図10に示す。特に、フェースプレート2の内側には青色蛍光膜として、立方晶ZnS:Ag,Al蛍光体の層と(Y,Gd)2SiO5:Ce蛍光体の層を有する蛍光膜3がある。赤色蛍光膜にはY2O3:Eu蛍光体を用い、緑色蛍光体にはY2SiO5:Tb蛍光体を用いた。また、蛍光体の抵抗を下げるために導電性物質In2O3を蛍光膜に混合した。蛍光膜、黒色導電材1及び不図示のメタルバックの形成方法は(実施例7)と同様である。本発明による輝度寿命は(実施例7)と同様に良好であった。
【実施例15】
【0060】
スピント型電子源ディスプレイ装置(その1):
本発明のスピント型電子源ディスプレイ装置を図11に示す。スピント型電子源ディスプレイ装置19はフェースプレート2、スピント型電子源18、リアプレイト7で構成されており、スピント型電子源18は陰極13、抵抗膜14、絶縁膜15、ゲート16、円錐型金属(Moなど)17で形成されている。
【0061】
特に、フェースプレート2の内側には青色蛍光膜として、立方晶ZnS:Ag,Al硫化処理蛍光体(70重量%)とY2SiO5:Ce蛍光体(30重量%)を混合することによって形成した蛍光膜3がある。蛍光体の平均粒径はそれぞれ6μmとした。また、赤色蛍光膜にはY2O3:Eu蛍光体を用い、緑色蛍光膜にはY2SiO5:Tb蛍光体を用いた。蛍光膜、黒色導電材1及び不図示のメタルバックの形成方法は(実施例7)と同様である。本発明による輝度寿命は(実施例7)と同様に良好であった。
【実施例16】
【0062】
スピント型電子源ディスプレイ装置(その2):
本発明のスピント型電子源ディスプレイ装置を図11に示す。特に、フェースプレート2の内側には青色蛍光膜として、六方晶ZnS:Ag,Al硫化処理蛍光体(50重量%)とY2SiO5:Ce蛍光体(50重量%)を混合した蛍光膜3がある。赤色蛍光膜にはY2O3:Eu蛍光体を用い、緑色蛍光体にはY2SiO5:Tb蛍光体を用いた。蛍光膜、黒色導電材1及び不図示のメタルバックの形成方法は(実施例7)と同様である。本発明による輝度寿命は(実施例7)と同様に良好であった。
【実施例17】
【0063】
スピント型電子源ディスプレイ装置(その3):
本発明のスピント型電子源ディスプレイ装置を図11に示す。特に、フェースプレート2の内側には青色蛍光膜として、立方晶ZnS:Ag,Cl硫化処理蛍光体(90重量%)と(Y,Gd)2SiO5:Ce蛍光体(10重量%)を混合した蛍光膜3がある。赤色蛍光膜にはY2O3:Eu蛍光体を用い、緑色蛍光体には立方晶ZnS:Cu,Al硫化処理蛍光体(50重量%)とY2SiO5:Tb蛍光体(50重量%)を混合した蛍光膜を用いた。また、蛍光体の抵抗を下げるために導電性物質In2O3を蛍光膜に混合した。蛍光膜、黒色導電材1及び不図示のメタルバックの形成方法は(実施例7)と同様である。本発明による輝度寿命は(実施例7)と同様に良好であった。
【実施例18】
【0064】
カーボンナノチューブ型電子源ディスプレイ装置(その1):
本発明のカーボンナノチューブ型電子源ディスプレイ装置を図12に示す。カーボンナノチューブ型電子源ディスプレイ装置23はフェースプレート2、カーボンナノチューブ電子源22、リアプレイト7で構成されており、カーボンナノチューブ型電子源22は電極20、カーボンナノチューブ層21で形成されている。
【0065】
特に、フェースプレート2の内側には青色蛍光膜として、立方晶ZnS:Ag,Al硫化処理蛍光体(70重量%)とY2SiO5:Ce蛍光体(30重量%)を混合することによって形成した蛍光膜3がある。蛍光体の平均粒径はそれぞれ6μmとした。また、赤色蛍光膜にはY2O3:Eu蛍光体を用い、緑色蛍光膜にはY2SiO5:Tb蛍光体を用いた。蛍光膜、黒色導電材1及び不図示のメタルバックの形成方法は(実施例7)と同様である。本発明による輝度寿命は(実施例7)と同様に良好であった。
【実施例19】
【0066】
カーボンナノチューブ電子源ディスプレイ装置(その2):
本発明のカーボンナノチューブ型電子源ディスプレイ装置を図12に示す。特に、フェースプレート2の内側には青色蛍光膜として、六方晶ZnS:Ag,Al蛍光体(50重量%)とY2SiO5:Ce蛍光体(50重量%)を混合した蛍光膜3がある。赤色蛍光膜にはY2O2S:Eu蛍光体を用い、緑色蛍光体にはY2SiO5:Tb蛍光体を用いた。蛍光膜、黒色導電材1及び不図示のメタルバックの形成方法は(実施例7)と同様である。本発明による輝度寿命は(実施例7)と同様に良好であった。
【実施例20】
【0067】
カーボンナノチューブ電子源ディスプレイ装置(その3):
本発明のカーボンナノチューブ型電子源ディスプレイ装置を図12に示す。特に、フェースプレート2の内側には青色蛍光膜として、硫化処理を施した立方晶ZnS:Ag,Cl硫化処理蛍光体(90重量%)と(Y,Gd)2SiO5:Ce蛍光体(10重量%)を混合した蛍光膜3がある。赤色蛍光膜にはY2O3:Eu蛍光体を用い、緑色蛍光体には立方晶ZnS:Cu,Al硫化処理蛍光体(50重量%)とY2SiO5:Tb蛍光体(50重量%)を混合した蛍光膜を用いた。また、蛍光体の抵抗を下げるために導電性物質In2O3を蛍光膜に混合した。蛍光膜、黒色導電材1及び不図示のメタルバックの形成方法は(実施例1)と同様である。本発明による輝度寿命は実施例1と同様に良好であった。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の蛍光膜の発光スペクトルを示すグラフ。
【図2】本発明の蛍光膜の色度―照射電流量変化を示すグラフ。
【図3】本発明の蛍光膜の相対輝度―照射電流量変化を示すグラフ。
【図4】本発明の蛍光膜の相対発光エネルギー―照射電流量変化を示すグラフ。
【図5】本発明の蛍光膜の輝度維持率曲線を示すグラフ。
【図6】本発明の蛍光膜の色度―照射電流量変化を示すグラフ。
【図7】本発明の蛍光膜の相対輝度―照射電流量変化を示すグラフ。
【図8】本発明の蛍光膜の相対発光エネルギー―照射電流量変化を示すグラフ。
【図9】本発明の蛍光膜の輝度維持率曲線を示すグラフ。
【図10】本発明のMIM型電子源ディスプレイ装置の要部断面構造を示す模式図。
【図11】本発明のスピント型電子源ディスプレイ装置の要部断面構造を示す模式図。
【図12】本発明のカーボンナノチューブ型電子源ディスプレイ装置の要部断面構造を示す模式図。
【符号の説明】
【0069】
1…黒色導電材(ブラックマトリックス)、
2…フェースプレート、
3…蛍光膜、
7…リアプレイト、
8…下部電極、
9…絶縁層、
10…上部電極、
11…MIM型電子源、
12…MIM型電子源ディスプレイ装置、
13…陰極、
14…抵抗膜、
15…絶縁膜、
16…ゲート、
17…円錐型金属、
18…Spindt型電子源、
19…Spindt型電子源ディスプレイ装置、
20…電極、
21…カーボンナノチューブ層、
22…カーボンナノチューブ型電子源、
23…カーボンナノチューブ型電子源ディスプレイ装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蛍光膜が形成されたフェースプレートと、前記蛍光膜に電子線を照射する電子源とを備えた電界放出型ディスプレイ装置であって、前記蛍光膜を形成する蛍光体は、ZnSを母体材料とする蛍光体であり発光スペクトルの主発光の0.3eV高エネルギー側に発光のショルダーが観測される蛍光体と、Y2SiO5を母体材料とする蛍光体との混合物を含むことを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記蛍光膜を形成するZnSを母体材料とする蛍光体の組成は、一般式ZnS:M,N(ただし、MはCu、 Ag、 Auのいずれか一種またはこれらを混合した元素、NはAl、 Ga、 In、 Clのいずれか一種またはこれらを混合した元素)で表され、Y2SiO5を母体材料とする蛍光体の組成は、一般式Y2SiO5:R(ただし、RはCe、 Eu、 Tb、 Tmのいずれか一種またはこれらを混合した元素)で表されることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記蛍光膜を形成するZnSを母体材料とする蛍光体は、少なくともAgを発光中心元素として含有するZnS蛍光体であることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記ZnSを母体材料とする蛍光体の発光スペクトルのショルダー部分の発光強度は、ガウス曲線でフィッティングした強度よりも4倍以上大きいことを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記蛍光膜は、前記ZnSの母体結晶中にIIa族からなる群から選ばれる少なくとも一種の元素を添加して混晶とした蛍光体、または前記Y2SiO5の母体結晶中にIIIa族からなる群から選ばれる少なくとも一種の元素を添加して混晶とした蛍光体のいずれか一種またはこれらを混合した蛍光体を含むことを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記蛍光膜を構成する蛍光体が、Ia族、VIIb族及び希土類からなる群から選ばれる少なくとも一種の微量不純物を含有することを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
【請求項7】
前記蛍光膜を形成するZnS蛍光体に対するY2SiO5蛍光体の混合割合が10重量%以上50重量%以下の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項8】
前記蛍光膜を形成するZnS蛍光体は、硫黄を含む雰囲気中で処理温度100℃以上600℃以下の範囲でアニールされたものであることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
【請求項9】
前記蛍光膜を構成する蛍光体粒子の表面が透光性導電物質を含む透光性導電膜で被覆されていることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−265432(P2006−265432A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−87830(P2005−87830)
【出願日】平成17年3月25日(2005.3.25)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】