説明

画像表示装置

【課題】動きベクトルを検出してサブフィールドを制御したり、補間フィールドを生成して動画解像度を向上させるディスプレイ装置において、シーンチェンジにおいて誤検出する動きベクトルによる弊害を抑制する。
【解決手段】1フィールドの画像を複数のサブフィールドに分割して発光表示させ、複数のフィールド画像から動きベクトルを検出して、検出した動きベクトルの方向にサブフィールドを移動して表示する画像表示装置等において、過去側のフィールド画像の静止している度合いが基準度合いより高いかを判定する静止量算出部103と、前記過去側のフィールド画像の対応過去動きベクトル604が0ベクトルかを判断するベクトル判定部104と、高いと判定され、かつ、0ベクトルと判断された場合に、現動きベクトル603を0ベクトルに補正するベクトル補正部105とを備えるプラズマディスプレイ装置1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動きベクトルを検出して画像表示する液晶ディスプレイやプラズマディスプレイにおいて、シーンが変化した際(シーンチェンジ)の画像乱れを抑制するための画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマディスプレイ(以下、PDPと称する)における中間調表示は、1フィールドを、輝度の重み付けを変えた複数のサブフィールドに分割表示することにより実現する。そして、複数のサブフィールドに時分割して動きのある画像を表示する場合、視線の移動方向と中間調の表示位置がずれることにより、動画の残像や動画擬似輪郭が発生することが知られている。
【0003】
これらを低減する方法としては、特許文献1において、動画素の移動方向、即ち動きベクトルを検出してサブフィールドの表示位置を補正して表示するというものが開示されている。これは1フィールド内のサブフィールドの発光位置を、視点の移動方向上にある別の画素位置のサブフィールドを発光することにより、動画の残像や動画擬似輪郭を抑制しようというものである。
【0004】
一方、ホールド型の表示装置である液晶ディスプレイ(以下、LCDと称する)においては、動画の残像やぼけが発生することが知られている。これらを低減する方法としては、複数の異なるフィールド画像間において動きベクトルを検出し、2つの異なるフィールド画像間のタイミングにおいて、補間フィールドを挿入することにより、残像やぼけを低減しようとするものがある。
【0005】
すなわち、動画における残像やぼけを抑制するために、動きベクトルを用いてサブフィールドを移動して表示する方法や、補間フィールドを生成して、従来のフィールド間に挿入して表示する方法が提案されている。
【0006】
このような動きベクトルを用いた方法では、シーンが変化した際(以下、シーンチェンジと称する)において、異なる画像とのマッチングをとるため、原理的に動きベクトルを正しく求めることができない。よって、シーンチェンジ点において単純に動きベクトルを検出すると、誤った動きベクトルを検出することになり、その動きベクトルでサブフィールドを移動、或いは補間フィールドを生成することになる。このため、シーンチェンジの時に、画質が劣化する問題が生じる。
【0007】
そこで特許文献2には、隣接する2つのフィールド間においてブロックの相関を判定して、相関が低いと判断した場合には、検出した動きベクトルを0に補正するという解決案が示されている。つまり、この解決案は、2つのフィールド間に相関がない場合は、検出される動きベクトルは誤って検出されるため、強制的に0ベクトルに置き換えようというものである。
【特許文献1】特開平9−138666号公報
【特許文献2】特開2000−333134号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献2に示した方法では、隣接する2つのフィールド間において相関性を算出し、水平m画素、垂直n画素で構成されるブロック単位でこの算出を行い、ブロックマッチングの差分絶対値を積分して、重み付け処理によりブロック相関差分値を生成する。そして、検出したブロック相関差分値が、相関有りと判定できる所定差分範囲を超える場合には、動きベクトルを強制的に0に切り替えるというものである。
【0009】
この特許文献2の手法では、差分絶対値による相関性判定を行うため、フィールド画像の輝度が高い場合は、正しいベクトルが検出されている場合でも差分値が大きく出やすいという傾向がある。そのため、動きベクトルが大きく、輝度レベルが高い画像の場合は、動きベクトルが0ベクトルになりやすく、画像劣化の要因になるという課題がある。
【0010】
特許文献2には、さらに、2つのフィールド間の差分をとり、画像の動きを検出するという方法も示されている。これは、フィールド画面全体において絶対値差分量をとることにより相関性を判定し、それに応じてベクトルを0に置き換える、あるいは補間フィールドを生成せずに隣接フィールド画像をそのまま2度出しする方法である。
【0011】
この方法では、画面全体で絶対値差分結果により判定をおこなうため、2つのフィールド画像を一旦、バッファリングしておく必要があり、出力には少なくとも1フィールドの遅延が必要となり、画像が出力される時間が遅延するという課題がある。
【0012】
そこで本発明は、これらの課題を解決するために、シーンチェンジにおいて動きベクトルを誤って出力すると問題になる画像のみを検出し、そのときのみ動きベクトルを0に処理する。すなわち0ベクトルへと修正する。本発明は、フィールド画面全体で判定しないようにして、フィールド遅延を最小限に抑えることができる画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明に係る画像表示装置は、複数のフィールド画像から動きベクトルを検出して、2つの異なるフィールド間の補間フィールドを生成する画像表示装置、又は、1フィールドの画像を複数のサブフィールドに分割して発光表示させ、さらに複数のフィールド画像から動きベクトルを検出して、検出した動きベクトルの方向にサブフィールドを移動して表示する画像表示装置において、複数のフィールド画像間から動きベクトルを検出する動きベクトル検出手段と、2つの異なるフィールド画像のうちで時間方向で過去側のフィールド画像の静止している度合いが、予め定められた基準度合いより高いか否かを判定する静止量算出手段と、前記2つの異なるフィールド画像間の動きベクトルに対応する2つの画像領域の動きベクトルのうちで、前記過去側のフィールド画像の動きベクトルが、0ベクトルか否かを判断するベクトル判断手段と、前記2つの画像領域の動きベクトルのうちで未来側のフィールド画像の動きベクトルを0ベクトルに補正するベクトル補正手段と、を備え、当該ベクトル補正手段は、前記静止量算出手段が前記過去側のフィールド画像の静止度合いが前記基準度合よりも高いと判定し、かつ前記ベクトル判断手段が前記2つの動きベクトルのうちにおける前記過去側のフィールド画像の前記動きベクトルが0ベクトルと判断した場合に、前記未来側のフィールド画像に対応する前記動きベクトルを0ベクトルに補正する画像表示装置である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によると、2つの異なるフィールド間における動きベクトルを検出し、補間フィールドを生成する場合、及びサブフィールドを移動する処理をおこなう場合において、シーンチェンジにおける動きベクトルの誤検出から生じる弊害を抑制することにより、画像劣化を改善できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、図面を参照しながら、本発明に係る画像処理装置の実施の形態について説明する。
【0016】
図1〜図4及び図6により、実施の形態1が説明される。
図1は、本実施の形態に係る画像表示装置をプラズマディスプレイに適用した場合のブロック構成図を示す。
【0017】
図6は、従来のプラズマディスプレイ装置X1を示しており、本プラズマディスプレイ装置X1は、動きベクトルを検出し、検出した動きベクトルに基づいてサブフィールドを移動して駆動することができる。図1のプラズマディスプレイ装置1と、図6の従来のプラズマディスプレイ装置X1との違いは、図1のプラズマディスプレイ装置1においては、動き検出部102からサブフィールド表示制御部106までの処理間において、シーンチェンジ時において動きベクトルを誤検出した場合に問題になる状態を検出して、適応的に動きベクトルを補正する処理の処理部(図1の静止量算出部103、ベクトル判定部104、ベクトル補正部105参照)を導入した点である。
【0018】
図1を用いて、処理の流れを説明する。
プラズマディスプレイ装置1が表示する画像データは、テレビチューナー等を通じて、バッファメモリ101に一旦蓄積される。このバッファメモリ101は、約1フィールド分の画像データを蓄積し(フィールド画像を蓄積し)、動きベクトル検出手段の一例である動き検出部102において動きベクトルを検出する際に、蓄積されたフィールド画像が用いられる。また、バッファメモリ101は、プラズマディスプレイ107の動作制御を行うサブフィールド表示制御部106に入力する画像データ(フィールド画像)を遅延するために用いられる。
【0019】
動き検出部102では、バッファメモリ101に蓄積された、現時刻よりも1フィールド前の時刻のフィールド画像(過去フィールド画像と称する)と、バッファメモリ101を経由されずに動き検出部102に入力される、現時点でのフィールド画像(現フィールド画像と称する)が入力され、現フィールド画像601から過去フィールド画像602に対しての動きベクトルを算出する。
【0020】
なお、図2では、現フィールド画像601と、過去フィールド画像602とが例示される。
【0021】
例えば、動き検出部102は、プラズマディスプレイ装置1が、過去フィールド画像602(図2)の発光を行うのに際して、過去フィールド画像602の各箇所の動きベクトルをそれぞれ検出する。また、動き検出部102は、プラズマディスプレイ装置1が、現フィールド画像601の発光を行うのに際して、現フィールド画像601の各箇所の動きベクトルをそれぞれ検出する。
【0022】
静止量算出手段の一例である静止量算出部103(図1)では、動き検出部102により検出された過去フィールド画像602(図2)の各動きベクトルから、それらの動きベクトルの度数分布(後で詳しく説明される図3参照)を算出し、過去フィールド画像602が動いている画像か静止している画像かの度合いを判断する。なお、静止量算出部103の詳細については後述される。
【0023】
なお、プラズマディスプレイ装置1は、例えば、動き検出部102によって過去に検出された、過去フィールド画像602の各動きベクトルを記憶する過去動きベクトル記憶部を備えてもよい。そして、静止量算出部103は、この過去動きベクトル記憶部に記憶された各動きベクトルにより特定される静止度合いに基いて、静止度合いの判断を行うものとしてもよい。
【0024】
ベクトル判断手段の一例であるベクトル判定部104(図1)では、動き検出部102で検出された現フィールド画像601(図2)から過去フィールド画像602(図2)に対しての動きベクトル(現動きベクトル603)が指す、過去フィールド画像602上の位置(対応箇所P1)における動きベクトル(対応過去動きベクトル604)が0ベクトルか否かを判定する。なお、後述のように、この判定の判定結果と、静止量算出部103で算出した静止度合いから、動きベクトルを補正するかどうかをベクトル補正部105(図1:後述)が判定する。
【0025】
ベクトル補正手段の一例であるベクトル補正部105では、静止量算出部103での判断の判断結果と、ベクトル判定部104で判定された判定結果に基づいて、0ベクトル(補正有り動きベクトル)を出力するか、動き検出部102で算出された動きベクトル(補正無し動きベクトル)を出力するかを切り替える。ベクトル補正部105は、これら補正有り動きベクトルと、補正無し動きベクトルとのうちから1つを選択動きベクトルとして選択し、選択された選択動きベクトルを出力する。
【0026】
サブフィールド表示制御部106(図1)では、ベクトル補正部105によって出力される動きベクトル(選択動きベクトル)に基づいて、サブフィールドをどう移動させるかを決定し、決定された移動での移動先の発光位置を示す駆動データを生成して、プラズマディスプレイ107に対して、生成された駆動データを入力する。
【0027】
プラズマディスプレイ107は、サブフィールド表示制御部106からのサブフィールド駆動データに基づいて発光をおこなう。
【0028】
次に本発明の処理原理について説明する。シーンチェンジにおいて動きベクトルが問題になる状態は、シーンの切り替え前のフィールド画像において動きがなく、かつ、シーンチェンジ後のフィールド画像が、誤った動きベクトル方向に動く画像を含む場合である。人は一般的に動きがない映像を見る場合、視点を固定して見る習性があるため、次シーンにおいて、突然誤った方向の動きに画像が遷移した場合には、違和感がある動きとして知覚しやすいためである。
【0029】
そこで本発明では、過去フィールド画像602(図2)が、どれくらい静止している度合いがあるかを判定し、現フィールド画像601(図2)が、それを見る際に人の視点が固定されやすいフィールド画像であるか否かを特定する。次に、現フィールド画像601が指す、過去フィールド画像602の位置(対応箇所P1)が静止しているかどうかを判定し、時間方向に視線が動いた場合に動きを感じる箇所か否かを判定する。これらを両方満たす場合は、着目箇所P2(図2)が、動きを知覚しやすい箇所と判断して、着目箇所P2の動きベクトルを0ベクトルにベクトル補正部105が補正する。
【0030】
シーンチェンジ点において、動きがあるフィールド画像から静止しているフィールド画像や動きのあるフィールド画像に、表示されるフィールド画像が遷移する場合は、0ベクトルに補正はしない。動きがあるフィールド画像に対しては、人は動きを追従しようと視線を移動するため、動きベクトルを誤って検出しても知覚しにくい。逆にこのように処理することで、すでに算出済みの過去フィールド画像602における動きベクトルデータと、処理対象である現フィールド画像601の動きベクトルから、補正するかどうかを判定できるため、フィールド遅延なしで処理できるという特徴がある。
【0031】
以上をふまえてさらに詳細に各部の処理を説明する。
動き検出部102では、バッファメモリ101に蓄積された過去フィールド画像602(図2)と、バッファメモリ101を経由しない現フィールド画像601(図2)を当該動き検出部102に入力し、現フィールド画像601から過去フィールド画像602に対しての動きベクトル(現動きベクトル603)を動き検出部102が算出する。なお、具体的には、例えば、動き検出部102は、複数の画素からなるブロックの2つについての絶対値差分を計算する。すなわち、動き検出部102は、過去フィールド画像602のブロック(図2参照)と、現フィールド各箇所のブロックとの間における絶対値差分を計算し、計算される絶対値差分が最も小さくなる箇所を見つけることにより、動きベクトルを検出する。例えば、動き検出部102は、着目箇所P2のブロックと、過去フィールド画像602の各ブロックとの間の絶対値差分をそれぞれ計算して、計算される絶対値差分が最も小さい過去のブロックの箇所までの、着目箇所P2からの動きベクトルを、着目箇所P2の動きベクトル(現動きベクトル603)として検出する。
【0032】
静止量算出手段の一例である静止量算出部103では、動き検出部102で検出した動きベクトルについて度数分布(図3参照)を算出する。度数分布は、動き検出部102が過去にすでに求めている過去フィールド画像602の動きベクトルについて求め、動きベクトルの横成分、縦成分をそれぞれ独立に算出し、予め定められた複数の範囲内(図3の範囲1、範囲2参照)にあるベクトルの個数を判定する。静止量算出部103は、狭い範囲にある個数が多いほど静止度合いが高いと判断する。
【0033】
図3は、度数分布による判定の処理を説明する図である。静止量算出部103は、過去フィールド画像602の動きベクトルについて、0を中心に度数分布を調べ、範囲1にある個数、範囲2にある動きベクトルの個数をそれぞれ調べる。ここで、動きベクトルの全体の個数はブロックマッチングサイズに依存し、ブロックサイズを小さくすればするほど過去フィールド画像602中の動きベクトルの個数は多くなる。静止量算出部103は、値0から一定以内にある範囲(値0の予め定められた近傍の範囲:図3では範囲1と範囲2)に含まれるベクトル個数を調べ、範囲内に含まれるベクトル個数が全体のベクトル数に対してどれくらいの割合を示すのかを判断し、判断された割合が一定以上ある場合に静止度合いが有効であると判断する。例えば、8割以上が含まれるならば有効と判断する場合には、判断のための式は、(式1)のように表される。
【0034】
範囲X内に含まれるベクトル数/フィールド画像中の総ベクトル数≧0.8 (式1)
【0035】
すなわち、静止量算出部103は、例えば、動きベクトルの値(例えば、縦成分、横成分、大きさなど)ごとに、その値を内容に有する動きベクトルの個数をそれぞれ算出する。これにより、静止量算出部103は、動きベクトルの度数分布を特定する。そして、静止量算出部103は、0の予め定められた近傍の範囲内の値を内容に有する動きベクトルの個数の総数を算出する。過去フィールド画像602の静止度合いとは、例えば、こうして算出された総数である。また、静止度合いは、例えば、この総数が、過去フィールド画像602の動きベクトルの総数のうちで占める割合である。静止量算出部103は、例えば、このような、過去フィールド画像602の動きベクトルの総数のうちに占める割合を算出してもよい。静止量算出部103は、こうして算出された総数(割合)が、予め定められた基準数(基準割合)より多い場合に、過去フィールド画像602の静止度合いは高いと判定し、予め定められた数以下であれば、静止度合いは低いと判定する。
【0036】
なお、何割までを静止度合いの判定基準にするか、すなわち、上記した基準割合が何割であるか等は、輝度分布や映像の動き量等に応じて自由に設定できるものとし、一般的には、例えば8割から10割までの範囲における割合が設定される。なお、例えば、静止度合いは、動きベクトルの検出条件によって変化させる。例えば、動きベクトルの平均値が大きい場合は、上記した度数分布範囲を大きくし、動きベクトルの平均値が小さい場合は上記した度数分布範囲を小さくしてもよい。
【0037】
静止量算出部103による処理だけでは、緩やかな動きのシーンではすべて静止画像と検出されて、動きベクトルを0に補正してしまう可能性がある。そこでベクトル判定部104により、0ベクトルに置き換える条件をさらに制限する。
【0038】
図2は、ベクトル判定部104の処理内容を説明する図である。図2により、現フィールド画像601と過去フィールド画像602が示される。また、図2により、現フィールド画像601におけるあるブロック(すなわち、着目箇所P2のブロック)における現動きベクトル603と、その現動きベクトル603が指す過去フィールド画像602の位置(対応箇所P1)上での対応過去動きベクトル604とが示される。
【0039】
ベクトル判定手段の一例であるベクトル判定部104では、現動きベクトル603により示される、過去フィールド画像602の位置P1上での対応過去動きベクトル604を調べ(特定し)、特定された対応過去動きベクトル604が0ベクトルである場合は、着目箇所P2の現動きベクトル603は置き換え対象と判断する。0ベクトルであるという判断は、0ベクトルであるとの判断そのものであってもよいが、ある閾値以下の動きベクトルを0ベクトルとみなして判断してもよい。すなわち、ここで、0ベクトルとは、大きさが0のベクトルのみを含むと解してもよいし、大きさが、0の予め定められた近傍の範囲内である各動きベクトルが含まれると解してもよい。
【0040】
なお、ベクトル判定部104は、例えば、先述された過去動きベクトル記憶部に記憶された、過去フィールド画像602の各動きベクトルのうちから対応過去動きベクトル604を検索して、検索された対応過去動きベクトル604が0ベクトルか否かを判定してもよい。
【0041】
ベクトル補正手段の一例であるベクトル補正部105では、静止量算出部103による判断の判断結果と、ベクトル判定部104で判定された判定結果とに基づいて、0ベクトル(補正有り動きベクトル)を出力するか、動き検出部102で算出された動きベクトル(補正無し動きベクトル)を出力するかを切り替える。
【0042】
なお、補正有り動きベクトルは、例えば、大きさが0の動きベクトルである。また、補正有り動きベクトルは、例えば、画質を向上できる十分に小さい予め定められた閾値以下の大きさを有する動きベクトルである。
【0043】
静止量算出部103、ベクトル判定部104、ベクトル補正部105までの各部による処理の流れを示すフローチャートを図4に示す。図4の処理は現フィールド画像601の動きベクトルを検出しながら、すでに検出した過去フィールド画像602の動きベクトルをも用いて処理できるため、シーンチェンジにともなうフィールド遅延は発生しない。
【0044】
ステップS701では、静止量算出部103が、静止度合いの判定を行う。また、ステップS702では、ベクトル判定部104が、対応過去動きベクトル604(図2)が0ベクトルか否かの判定を行う。そして、ステップS703Aでは、ベクトル補正部105が、静止度合いが高いと判定され(ステップS701:静止度合い高)、かつ、対応過去動きベクトル604が0ベクトルと判定(ステップS702:YES)された場合に、補正有り動きベクトルを選択動きベクトルとして選択する。また、ステップS703Bでは、ベクトル補正部105が、静止度合いが低いと判定されるか(ステップS701:静止度合い低)、または、対応過去動きベクトル604が0ベクトルではないと判定(ステップS702:NO)された場合、すなわち、これらの2つの条件(条件1、条件2)のうちで少なくとも一方が満たされない場合に、補正無し動きベクトルを選択動きベクトルとして選択する。
【0045】
以上のように説明した実施の形態1では、プラズマディスプレイ装置1においてサブフィールドを移動して処理する場合において、シーンチェンジ点において動きベクトルを誤検出してしまう場合に画像劣化が知覚されやすいシーンを検出し、動きベクトルを補正する。これにより、シーンチェンジ点での画像劣化を抑制できる。
【0046】
すなわち、プラズマディスプレイ装置1は、以下の通りの構成を有する。なお、以下の説明は、単なる一例であり、限定を行う説明ではない。
【0047】
プラズマディスプレイ装置1(図1)は、プラズマディスプレイ107によって動画像を表示する。
【0048】
図2により、表示される動画像における現在の時刻における現フィールド画像601と、過去の時刻における過去フィールド画像602とが示される。
【0049】
動き検出部102は、動画像に含まれる各フィールド画像について、それぞれ、そのフィールド画像の各箇所(各ブロック)の動きベクトルを算出する。
【0050】
静止量算出部103は、動き検出部102が過去フィールド画像602について検出した各動きベクトルから、過去フィールド画像602の静止度合いが、予め定められた度合いよりも高いか否かを判断する。
【0051】
ここで、過去フィールド画像602の静止度合いは、過去フィールド画像602の各動きベクトルの統計値であり、高い値であるほど、現フィールド画像601を見る際のユーザの視線の移動が大きくなる統計データである。
【0052】
より具体的には、例えば、静止度合いは、先述の説明の通りである(図3の説明参照)。なお、静止度合いは、例えば、大きさが、0の予め定められた近傍範囲に含まれる動きベクトルの個数であってもよい。
【0053】
ベクトル判定部104は、現フィールド画像601の着目箇所P2(図2)に対応する対応箇所P1(図2)を特定する。そして、ベクトル判定部104は、特定された対応箇所P1について算出された対応過去動きベクトル604が、0ベクトル(先述)か否かを判定する。
【0054】
ここで、過去フィールド画像602の対応箇所P1は、着目箇所P2から、現動きベクトル603に従って動いた際に到達する、過去フィールド画像602の箇所である。
【0055】
なお、具体的には、ベクトル判定部104は、例えば、対応過去動きベクトル604が、0の予め定められた近傍範囲内の大きさの動きベクトルであるか否かを判定する。
【0056】
ベクトル補正部105は、「過去フィールド画像602の静止度合いが高いと静止量算出部103により判断されたか」(条件1)、および、「対応過去動きベクトル604の大きさが0とベクトル判定部104により判定されたか」(条件2)、の2つの条件に基づいて、着目箇所P2の選択動きベクトルを選択する。具体的には、ベクトル補正部105は、上記条件1と、条件2との少なくとも一方が満たされなければ、動き検出部102によって算出された現動きベクトル603(補正無し動きベクトル)を、選択動きベクトルとして選択する。他方で、ベクトル補正部105は、上記条件1と条件2との両方が満たされる場合には、大きさが0の動きベクトル(補正有り動きベクトル)を、選択動きベクトルとして選択する。ベクトル補正部105は、選択した選択動きベクトルを、サブフィールド表示制御部106に出力する。
【0057】
サブフィールド表示制御部106は、選択動きベクトルに応じて動いた位置で、着目箇所P2の発光をプラズマディスプレイ107に行わせる。具体的には、例えば、サブフィールド表示制御部106は、サブフィールド表示制御部106における着目箇所P2に対応する位置から、選択動きベクトルに応じて動いた位置で発光を行わせる。
【0058】
なお、より具体的には、例えば、ベクトル判定部104は、現フィールド画像601の各箇所について、それぞれ、その箇所を着目箇所P2とする上記の判定を行う。すなわち、各箇所について、それぞれ、その箇所の対応過去動きベクトル604が0ベクトルか否かをそれぞれ判定する。同様に、ベクトル補正部105、サブフィールド表示制御部106も、現フィールド画像601の各箇所について、それぞれ、上記した処理を行う。
【0059】
なお、ベクトル判定部104は、より具体的には、例えば、静止量算出部103によって、過去フィールド画像602の静止度合いが低いと判定された場合には、上記した処理を行わないものとしてもよい。そして、ベクトル補正部105は、静止量算出部103によって、過去フィールド画像602の静止度合いが低いと判定された場合には、現フィールド画像601の何れの箇所についても、補正無し動きベクトルを選択動きベクトルとして選択するものとしてもよい。
【0060】
図5、図7により、実施の形態2が説明される。
図5は、本実施の形態に係る画像表示装置を液晶ディスプレイに適用した場合のブロック構成図を示す。
【0061】
図7は、従来の液晶ディスプレイ装置X1aを示しており、本液晶ディスプレイ装置X1aは、動きベクトルを検出し、検出した動きベクトルに基づいて補間フィールド画像を生成する。図5との違いは、図5の液晶ディスプレイ装置1aにおいては、動き検出部102aから補間フィールド生成部201aまでの処理間において、シーンチェンジ時において動きベクトルを誤検出した場合に問題になる状態を検出して、適応的に動きベクトルを補正する処理の処理部(静止量算出部103a、ベクトル判定部104a、ベクトル補正部105a参照)を導入した点である。
【0062】
図1で示した実施の形態と異なる点は、補間フィールド生成部201a(図5)においては、動きベクトルにより補間フィールド画像を生成する点である。通常、補間フィールド生成部201aに相当する部分においては、ベクトル補正部105aに相当する部分で補正された動きベクトルによって、現フィールド画像601(図2)あるいは過去フィールド画像602(図2)から、通補間位相の画像を生成するが、ベクトル補正部105aによって動きベクトルがベクトル0に補正された場合は、過去フィールド画像602と現フィールド画像601との平均画像を生成する。なお、ベクトル補正までの過程については図1で示した実施の形態と同じものであり、液晶ディスプレイであっても特に効果として異なる点はない。
【0063】
以上のように説明した実施の形態では、補間フィールドを挿入する液晶ディスプレイにおいても、シーンチェンジ点において動きベクトルを誤検出してしまう場合に画像劣化が知覚されやすいシーンを検出し、動きベクトルを補正することにより画像劣化を抑制できる。
【0064】
以上、実施の形態1および実施の形態2で説明されたようにして、複数のフィールド画像から動きベクトルを検出して、2つの異なるフィールド間の補間フィールドを生成する画像表示装置(液晶ディスプレイ装置1a)、又は、1フィールドの画像を複数のサブフィールドに分割して発光表示させ、さらに複数のフィールド画像から動きベクトルを検出して、検出した動きベクトルの方向にサブフィールドを移動して表示する画像表示装置(プラズマディスプレイ装置1)において、複数のフィールド画像間から動きベクトル(現動きベクトル603、対応過去動きベクトルP1などの各動きベクトル)を検出する動きベクトル検出部(動き検出部102、動き検出部102a)と、2つの異なるフィールド画像(現フィールド画像601、過去フィールド画像602間)のうちで時間方向で過去側のフィールド画像の静止している度合い(静止度合い)が、予め定められた基準度合い(例えば、上記した「8割」など)より高いか否かを判定する静止量算出部(静止量算出部103、静止量算出部103a)と、前記2つの異なるフィールド画像間の動きベクトル(現動きベクトル603)に対応する2つの画像領域(箇所P2のブロック、箇所P1のブロック)の動きベクトル(現動きベクトル603、対応過去動きベクトル604)のうちで、前記過去側のフィールド画像の動きベクトル(対応過去動きベクトル604)が、0ベクトルか否かを判断するベクトル判断部(ベクトル判定部104、ベクトル判定部104a)と、前記2つの画像領域の動きベクトルのうちで未来側のフィールド画像の動きベクトル(現動きベクトル603)を0ベクトルに補正するベクトル補正部(ベクトル補正部105、ベクトル補正部105a)と、を備え、当該ベクトル補正部は、前記静止量算出部が前記過去側のフィールド画像の静止度合いが前記基準度合よりも高いと判定し(図4のステップS701:静止度合い高)、かつ前記ベクトル判断部が前記2つの動きベクトルのうちにおける前記過去側のフィールド画像の前記動きベクトルが0ベクトルと判断(ステップS702:YES)した場合に、前記未来側のフィールド画像に対応する前記動きベクトルを0ベクトルに補正する(ステップS703A)画像表示装置が構成される。
【0065】
これにより、単に、静止度合いの判定と、0ベクトルか否かの判断などを行うだけで、シーンチェンジの時の画質を向上でき、シーンチェンジが発生したか否かの判定が必要とならない。このため、例えば、シーンチェンジの判定のための複雑な処理や、シーンチェンジの判定のための大容量の記憶が必要とならずに、容易に、シーンチェンジの時の画質を向上できる。
【0066】
そして、ひいては、シーンチェンジの判定の処理のために、フィールド画像が表示部(プラズマディスプレイ107等)に表示されることが遅延してしまう事態を回避でき、フィールド画像が速やかに表示されるようにできる。
【0067】
また、過去側のフィールド画像の動きベクトルが0ベクトルと判断された場合にのみ、補正が行われる。このため、例えばテロップなどの、動きのある部分の動きベクトルは補正されない。これにより、テロップ等の画質が低下してしまうことが回避できる。
【0068】
ここで、例えば、前記静止量算出部は、フィールド画像内の動きベクトルの度数分布(図3の説明を参照)を算出し、予め定められた範囲に分布する動きベクトルに応じて、フィールド画像が静止している度合い(動きベクトルの割合)を判定し、判定される度合いが前記基準度合いより高いか否かを判定する。
【0069】
また、例えば、前記ベクトル判断部は、前記2つの異なるフィールド画像間の前記動きベクトル(現動きベクトル603)に対応する前記2つの画像領域(箇所P2のブロック、箇所P1のブロック)の動きベクトル(現動きベクトル603、対応過去動きベクトル604)のうちで、前記過去側のフィールド画像の動きベクトル(対応過去動きベクトル604)が、予め定められた閾値以内の大きさの動きベクトルであれば、当該動きベクトルは0ベクトルであると判断してもよい。
【0070】
なお、上記動きベクトル検出部等の各部を実現する回路を備える集積回路が構成されてもよい。また、上記した動きベクトル検出部等の各部を実現するためのコンピュータソフトウェアが構成されてもよい。
【0071】
ここで、複数のフィールド画像から動きベクトルを検出して、2つの異なるフィールド間の補間フィールドを生成する画像表示装置(液晶ディスプレイ装置1a)、及び、1フィールドの画像を複数のサブフィールドに分割して発光表示させ、さらに複数のフィールド画像から動きベクトルを検出して、検出した動きベクトルの方向にサブフィールドを移動して表示する画像表示装置(プラズマディスプレイ装置1)は、いずれも、動画像に含まれる各フィールド画像(現フィールド画像601、過去フィールド画像602等)を、それぞれ、そのフィールド画像の時刻に表示部(プラズマディスプレイ107、液晶ディスプレイ202a)に表示させ、フィールド画像に含まれる部分画像(着目箇所P2のブロック)の発光を、動きベクトル検出部により検出されたその部分画像の動きベクトルに従って、その部分画像の位置から移動した移動後の位置で前記表示部に行わせる画像表示装置である。ここで、液晶ディスプレイ装置1aは、このような移動後の位置での発光を行うための上記補間フィールドを生成して、生成された補間フィールドを表示部に表示させることにより、上記移動後の位置での発光を前記表示部に行わせる。他方、プラズマディスプレイ装置1は、サブフィールドの発光を、上記した移動後の位置へと移動された位置で行わせることにより、上記した移動後の位置での発光を前記表示部に行わせる。
【0072】
そして、上記した移動後の位置は、前記動きベクトルが前記ベクトル補正部により0ベクトルに補正された場合、その部分画像の位置と同一の位置である。他方で、部分画像の動きベクトルが前記ベクトル補正部により0ベクトルに補正されない場合にのみ、前記した移動後の位置は、その部分画像の位置とは異なった位置である。
【0073】
このように、この画像表示装置(プラズマディスプレイ装置1、液晶ディスプレイ装置1a)は、複数のフィールド画像間の動きベクトルを検出し、前記2つの異なるフィールド画像のうちで時間方向で過去側のフィールド画像の静止している度合いを判定し、また、前記過去側のフィールド画像の対応する領域の動きベクトルが0ベクトルかどうかを判断する。そして、この画像表示装置は、前記過去側のフィールド画像が静止していると判断し、かつ前記過去側のフィールド画像の対応する領域の動きベクトルが0ベクトルと判断した場合、現フィールド画像に対応する動きベクトルを0ベクトルに補正することにより、シーンチェンジにおける画像劣化を抑制する。
【0074】
なお、この画像表示装置(プラズマディスプレイ装置1、液晶ディスプレイ装置1a)であれば、着目箇所P2に対応する対応箇所P1の対応過去動きベクトル604が0ベクトルの場合にのみ、補正が行われる。このため、例えばテロップなどの、動きのある部分については補正が行われないようにでき、テロップ等の画質が低下しないようにできる。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、動きベクトルを用いてサブフィールドを移動して解像度を向上させる処理や、補間フィールド画像を生成、挿入することにより動画の解像度を向上させる処理において、シーンチェンジの際の誤検出された動きベクトルによる画像劣化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係る画像表示装置をプラズマディスプレイに適用した場合の構成例を示すブロック図である。
【図2】図2は、度数分布による判定を説明する図である。
【図3】図3は、ベクトル判定部の処理を説明する図である。
【図4】図4は、静止量算出部、ベクトル判定部、ベクトル補正部までの流れを示すフローチャートである。
【図5】図5は、本発明の実施の形態に係る画像表示装置を液晶ディスプレイに適用した場合の構成例を示すブロック図である。
【図6】図6は、従来のプラズマディスプレイのブロック構成図である。
【図7】図7は、従来の液晶ディスプレイのブロック構成図である。
【符号の説明】
【0077】
101 バッファメモリ
102 動きベクトル検出手段の一例である動き検出部
103 静止量算出手段の一例である静止量算出部
104 ベクトル判定手段の一例であるベクトル判定部
105 ベクトル補正手段の一例であるベクトル補正部
106 サブフィールド表示制御部
107 プラズマディスプレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のフィールド画像から動きベクトルを検出して、2つの異なるフィールド間の補間フィールドを生成する画像表示装置、又は、1フィールドの画像を複数のサブフィールドに分割して発光表示させ、さらに複数のフィールド画像から動きベクトルを検出して、検出した動きベクトルの方向にサブフィールドを移動して表示する画像表示装置において、
複数のフィールド画像間から動きベクトルを検出する動きベクトル検出手段と、
2つの異なるフィールド画像のうちで時間方向で過去側のフィールド画像の静止している度合いが、予め定められた基準度合いより高いか否かを判定する静止量算出手段と、
前記2つの異なるフィールド画像間の動きベクトルに対応する2つの画像領域の動きベクトルのうちで、前記過去側のフィールド画像の動きベクトルが、0ベクトルか否かを判断するベクトル判断手段と、
前記2つの画像領域の動きベクトルのうちで、未来側のフィールド画像の動きベクトルを0ベクトルに補正するベクトル補正手段と、を備え、
当該ベクトル補正手段は、前記静止量算出手段が前記過去側のフィールド画像の静止度合いが前記基準度合よりも高いと判定し、かつ前記ベクトル判断手段が前記2つの動きベクトルのうちにおける前記過去側のフィールド画像の前記動きベクトルが0ベクトルと判断した場合に、前記未来側のフィールド画像に対応する前記動きベクトルを0ベクトルに補正する画像表示装置。
【請求項2】
前記静止量算出手段は、フィールド画像内の動きベクトルの度数分布を算出し、予め定められた範囲に分布する動きベクトルに応じて、フィールド画像が静止している度合いを判定し、判定される度合いが前記基準度合いより高いか否かを判定する請求項1記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記ベクトル判断手段は、前記2つの異なるフィールド画像間の前記動きベクトルに対応する前記2つの画像領域の動きベクトルのうちで、前記過去側のフィールド画像の動きベクトルが、予め定められた閾値以内の大きさの動きベクトルであれば、当該動きベクトルは0ベクトルであると判断する請求項1記載の画像表示装置。
【請求項4】
複数のフィールド画像から動きベクトルを検出して、2つの異なるフィールド間の補間フィールドを生成する画像表示装置、又は、1フィールドの画像を複数のサブフィールドに分割して発光表示させ、さらに複数のフィールド画像から動きベクトルを検出して、検出した動きベクトルの方向にサブフィールドを移動して表示する画像表示装置のうちの少なくとも一方の前記動きベクトルを補正する方法であって、
複数のフィールド画像間から動きベクトルを検出する動きベクトル検出工程と、
2つの異なるフィールド画像のうちで時間方向で過去側のフィールド画像の静止している度合いが、予め定められた基準度合いより高いか否かを判定する静止量算出工程と、
前記2つの異なるフィールド画像間の動きベクトルに対応する2つの画像領域の動きベクトルのうちで、前記過去側のフィールド画像の動きベクトルが、0ベクトルか否かを判断するベクトル判断工程と、
前記2つの画像領域の動きベクトルのうちで、未来側のフィールド画像の動きベクトルを0ベクトルに補正するベクトル補正工程と、を備え、
当該ベクトル補正工程では、前記静止量算出工程で前記過去側のフィールド画像の静止度合いが前記基準度合よりも高いと判定し、かつ前記ベクトル判断工程で前記2つの動きベクトルのうちにおける前記過去側のフィールド画像の前記動きベクトルが0ベクトルと判断した場合に、前記未来側のフィールド画像に対応する前記動きベクトルを0ベクトルに補正する画像表示方法。
【請求項5】
複数のフィールド画像から動きベクトルを検出して、2つの異なるフィールド間の補間フィールドを生成する画像表示装置、又は、1フィールドの画像を複数のサブフィールドに分割して発光表示させ、さらに複数のフィールド画像から動きベクトルを検出して、検出した動きベクトルの方向にサブフィールドを移動して表示する画像表示装置のうちの少なくとも一方の前記動きベクトルを補正するためのコンピュータプログラムであって、
複数のフィールド画像間から動きベクトルを検出する動きベクトル検出工程と、
2つの異なるフィールド画像のうちで時間方向で過去側のフィールド画像の静止している度合いが、予め定められた基準度合いより高いか否かを判定する静止量算出工程と、
前記2つの異なるフィールド画像間の動きベクトルに対応する2つの画像領域の動きベクトルのうちで、前記過去側のフィールド画像の動きベクトルが、0ベクトルか否かを判断するベクトル判断工程と、
前記2つの画像領域の動きベクトルのうちで、未来側のフィールド画像の動きベクトルを0ベクトルに補正するベクトル補正工程と、をコンピュータに実行させ、
当該ベクトル補正工程では、前記静止量算出工程で前記過去側のフィールド画像の静止度合いが前記基準度合よりも高いと判定し、かつ前記ベクトル判断工程で前記2つの動きベクトルのうちにおける前記過去側のフィールド画像の前記動きベクトルが0ベクトルと判断した場合に、前記未来側のフィールド画像に対応する前記動きベクトルを0ベクトルに補正するコンピュータプログラム。
【請求項6】
複数のフィールド画像から動きベクトルを検出して、2つの異なるフィールド間の補間フィールドを生成する画像表示装置、又は、1フィールドの画像を複数のサブフィールドに分割して発光表示させ、さらに複数のフィールド画像から動きベクトルを検出して、検出した動きベクトルの方向にサブフィールドを移動して表示する画像表示装置のうちの少なくとも一方の前記動きベクトルを補正する集積回路であって、
複数のフィールド画像間から動きベクトルを検出する動きベクトル検出手段と、
2つの異なるフィールド画像のうちで時間方向で過去側のフィールド画像の静止している度合いが、予め定められた基準度合いより高いか否かを判定する静止量算出手段と、
前記2つの異なるフィールド画像間の動きベクトルに対応する2つの画像領域の動きベクトルのうちで、前記過去側のフィールド画像の動きベクトルが、0ベクトルか否かを判断するベクトル判断手段と、
前記2つの画像領域の動きベクトルのうちで、未来側のフィールド画像の動きベクトルを0ベクトルに補正するベクトル補正手段と、を備え、
当該ベクトル補正手段は、前記静止量算出手段が前記過去側のフィールド画像の静止度合いが前記基準度合よりも高いと判定し、かつ前記ベクトル判断手段が前記2つの動きベクトルのうちにおける前記過去側のフィールド画像の前記動きベクトルが0ベクトルと判断した場合に、前記未来側のフィールド画像に対応する前記動きベクトルを0ベクトルに補正する集積回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−183283(P2010−183283A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−24093(P2009−24093)
【出願日】平成21年2月4日(2009.2.4)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】