説明

画像表示装置

【課題】視差量を調整可能な画像表示装置を提供することを目的とする。
【解決手段】画像表示装置は、視差調整部と表示部と視差検出部と最大視差検出部とを備える。視差調整部は、3D画像の右目用画像信号と左目用画像信号とを取得し、右目用及び左目用画像信号の視差を調整する。表示部は、視差調整部により視差が調整された右目用及び左目用画像信号に基づいて生成される右目用及び左目用画像を表示する。視差検出部は、視差調整部により視差が調整された右目用及び左目用画像信号の視差量を検出する。最大視差検出部は、視差検出部により検出された視差量の最大値を検出する。表示部は、視差検出部により検出された視差量と、最大視差検出部により検出された視差量の最大値とを、右目用及び左目用画像に重畳して表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ここに開示される技術は、プロジェクタやテレビ等で表示される3次元(以下、「3D」と略称する。)画像に含まれる視差を調整するための画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、HDMI(High-Definition Multimedia Interface) Version 1.4aにてフレームパッキング、サイドバイサイド、トップアンドボトム、ラインアルタネイティブなど各種3Dフォーマットが定義されてきている。また、右目用画像と左目用画像(以下、「LR画像」と総称する。)をフレームシーケンシャル式で高速で交互に表示させながらアクティブシャッタメガネを同期して駆動させることによって立体視させる表示方式が広まりつつある。
【0003】
このようなLR画像の表示には、フレームシーケンシャル式で駆動可能なテレビやプロジェクタを用いることが多い。特に、プロジェクタではスクリーンサイズが大きいため、コンテンツの入力画像信号に含まれる視差量が大きい場合が多く、より立体感のある画像を提供することが出来る。しかしながら、画面サイズが大きくなればなるほど視距離が短くなりやすいため、画像酔いや左目右目の視差によって生体的な不快感をユーザに生じさせることがある。また、視差角を考慮して撮影されていないコンテンツでは、入力画像信号に含まれる視差量が過剰な場合もあり、この場合にも画像酔いや不快感をユーザに生じさせる。
【0004】
ここで、最適な立体視の実現を目的として、LR画像で互いに対応する領域における視差量に基づいて、LR画像それぞれの水平方向の表示位置を制御する手法が提案されている(特許文献1参照)。
【0005】
この特許文献1の立体画像装置は、左目用画像を撮影するための左ビデオカメラと右目用画像を撮影するための右ビデオカメラと、LR画像に多重化された分割領域毎の視差量、フォーカス情報、ズーム情報、輻輳角および2台のビデオカメラの間隔を含む制御情報に基づいて、LR画像それぞれの水平方向の表示位置を制御する立体表示装置と、を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8−9421号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の立体画像装置では、左右のビデオカメラと立体表示装置が一対の関係で最適な立体表示を実現するものであり、映画のようなブルーレイコンテンツなどでは制御情報の多くが多重化されていないため、特許文献1の立体表示装置単体で最適な立体画像を表示することは困難である。
ここに開示される技術は、視差を調整可能な画像表示装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ここに開示される画像表示装置は、視差調整部と表示部と視差検出部と最大視差検出部とを備える。視差調整部は、3D画像の右目用画像信号と左目用画像信号とを取得し、右目用及び左目用画像信号の視差を調整する。表示部は、視差調整部により視差が調整された右目用及び左目用画像信号に基づいて生成される右目用及び左目用画像を表示する。視差検出部は、視差調整部により視差が調整された右目用及び左目用画像信号の視差量を検出する。最大視差検出部は、視差検出部により検出された視差量の最大値を検出する。表示部は、視差検出部により検出された視差量と、最大視差検出部により検出された視差量の最大値とを、右目用及び左目用画像に重畳して表示する。
【発明の効果】
【0009】
ここに開示される画像表示装置によれば、視差量を調整可能な画像表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】プロジェクタの利用形態を示す図である。
【図2】フレームシーケンシャル式の出力方法を説明するための図である。
【図3】3D入力画像信号の入力フォーマット例を示す図である。
【図4】プロジェクタの機能構成を示すブロック図である。
【図5】3D信号処理回路の機能構成を示す図である。
【図6】視差量の検出方法を説明するための模式図である。
【図7】視差モニタをLR画像に重畳した画面を示す模式図である。
【図8】視差モニタと調整メニューをLR画像に重畳した画面を示す模式図である。
【図9】視差検出する範囲を説明するための図である。
【図10】視差モニタの表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、本発明にかかる実施の形態について、図面を参照しつつ説明を行う。以下の実施形態では、画像表示装置の一例としてプロジェクタを挙げて説明するが、画像表示装置は、例えばテレビや携帯電話などであってもよい。
【0012】
(実施の形態1)
1.プロジェクタ100の利用形態
図1は、プロジェクタ100の利用形態を示す模式図である。
【0013】
図1において、プロジェクタ100は、入力端子に接続されたBD(Blu-ray Disc)プレーヤ150から入力される3D画像信号に対して相展開処理などの信号処理を施し、液晶パネルに展開してフレームシーケンシャル式で画像を出力することによって、スクリーン160に右目用画像(以下、「R画像」と略す)と左目用画像(以下、「L画像」と略す)を拡大表示する。ユーザは、フレームシーケンシャル式で表示されるLR画像に同期して駆動されるアクティブシャッタメガネ130を用いて、3D画像を見ることができる。
【0014】
2.フレームシーケンシャル式の出力方法
図2は、フレームシーケンシャル式の出力方法を説明するための図である。
LR画像は、例えば120Hzにて交互に切り換えられる。交互に切り換えられるLR画像に合わせて、図1のアクティブシャッタメガネ130が左右の視界を交互に開く。ユーザは、120Hzにて交互に切り換えられるLR画像を右目と左眼で交互に見ることによって、LR画像を立体視することができる。
【0015】
3.3D画像信号のフォーマット
図3は、プロジェクタ100に入力される3D画像信号のフォーマットを示す模式図である。
【0016】
図3(a)は、水平方向にLR画像それぞれが圧縮されることによってLR画像が1画面に表示されるサイドバイサイドフォーマットを示している。サイドバイサイドフォーマットのLR画像は、通常のHD(High Definition)方式やNTSC(National Television Standards Committee)方式等で入力される。図3(b)は、垂直方向にLR画像が圧縮されることによってLR画像が1画面に表示されるトップアンドボトムフォーマットを示している。トップアンドボトムフォーマットのLR画像も、通常のHD方式やNTSC方式で入力される。図3(c)は、水平方向にも垂直方向にも圧縮されておらず、サイドバイサイドフォーマットやトップアンドボトムフォーマットに比べて2倍のクロックレートでLR画像が伝送されるフレームパッキングフォーマットを示している。フレームパッキングフォーマットでは、1画面でLR画像をHD方式やNTSC方式で表示しようとすると、調整時にフォーマット変換が必要である。図3(d)は、1ライン毎にLR画像が交互に表示されるラインアルタネイティブフォーマットを示している。ラインアルタネイティブフォーマットでは、1ラインごとに補間処理を施す必要があるため、調整時にフォーマット変換が必要である。
【0017】
4.プロジェクタ100の機能構成
図4は、プロジェクタ100の機能構成を示すブロック図である。以下、プロジェクタ100の機能を前段部分と後段部分とに分けて順次説明する。
【0018】
4−1.前段部分
プロジェクタ100は、前段部分において、ビデオ入力端子11、Sビデオ入力端子12、入力セレクタ21、カラーデコーダ22、Y/C分離回路23及びA/Dコンバータ30によって構成されるアナログ入力対応部と、HDMI入力端子13及びHDMIレシーバ24によって構成されるデジタル入力対応部と、を備える。
【0019】
アナログ入力対応部では、まず、ビデオ入力端子11及びSビデオ入力端子12に入力される画像信号のいずれか一方が、ユーザの指示に応じて入力セレクタ21によって選択される。入力セレクタ21によって選択された画像信号は、ビデオ信号規格の種類に応じて、カラーデコーダ22及びY/C分離回路23で処理されてRGB信号に変換された後に、A/Dコンバータ30に入力される。具体的に、カラーデコーダ22は、Y/C分離回路23によってY/C分離された信号または入力セレクタ21から入力されたY/C信号をYPbPr信号にカラーデコードする。Y/C分離回路23は、カラーデコーダ22から入力されたコンポジットビデオ信号を、Y信号とC信号とに分離する。A/Dコンバータ30は、入力セレクタ21によって選択されたアナログ信号を、10bitのデジタル信号へ変換する。
【0020】
デジタル入力対応部では、まず、HDMI入力端子13には、HDMI1.4aで定義された3D画像信号及び2D画像信号が入力される。HDMIレシーバ24は、HDMI入力端子13から入力される画像信号をパラレル信号に変換する。入力セレクタ25は、A/Dコンバータ30及びHDMIレシーバ24のいずれか一方からの入力を選択し、選択された入力をリサイズ処理回路40へ出力する。入力セレクタ25からリサイズ処理回路40に2D信号が出力された場合、2D信号は、リサイズ処理回路40でLCDパネルの表示画素数に相当する画素数へリサイズされた後、3D信号処理回路50では処理されることなく後段部分へ出力される。入力セレクタ25からリサイズ処理回路40に3D画像信号が出力された場合、3D画像信号は、リサイズ処理回路40でリサイズされた後、メインマイコン70の制御の下、3D信号処理回路50において3D画像信号の輝度・コントラスト(すなわち、信号振幅)、ガンマ補正及び色変換などの画像処理が施される。この際、画像処理が施された3D画像信号は、メインマイコン70によってメモリ71へ格納される。なお、3D画像信号には、R画像を示す右目用画像信号(以下、「R信号」という)とL画像を示す左目用画像信号(以下、「L信号」という)とが含まれている。
【0021】
次に、3D信号処理回路50の機能構成について説明する。図5は、3D信号処理回路50の機能構成を示すブロック図である。
並列処理部55は、3D画像信号をリサイズ処理回路40から取得する。並列処理部55は、3D画像信号に基づいて、1画面分のLR画像に対応するLR信号を、タイミングを合わせて視差調整部51に出力する。
【0022】
視差調整部51は、並列処理部55からLR信号を取得する。視差調整部51は、メインマイコン70を介して入力される制御信号に応じて、LR信号に基づいて生成されるLR画像の視差量を調整する。メインマイコン70から入力される制御信号は、例えば、3D映像における視差量が大きすぎる又は小さすぎる場合に、ユーザがメニュー画面上で視差量を変更することに応じて生成される。視差調整部51は、メインマイコン70から制御信号が入力されなければ、並列処理部55から出力されるLR信号の視差量を調整することなくそのまま、視差検出部52と視差モニタ重畳部54とに出力する。
【0023】
視差検出部52は、視差調整部51から出力されるLR信号を取得する。視差検出部52は、LR信号に基づいて、LR画像間の視差量をリアルタイムで検出する。視差検出部52は、検出されたLR画像間の視差量を最大視差検出部53及び視差モニタ重畳部54に通知する。
【0024】
ここで、図6を参照しながら、LR画像間の視差量の検出方法について説明する。図6は、フレームパッキングフォーマットのLR画像における視差量の検出方法を説明するための模式図である。図6に示すように、視差検出部52は、L画像における第1注目画素dとその周辺画素とを含む第1窓領域Dと、R画像における第2注目画素d’とその周辺画素とを含む第2窓領域D’とを設定する。次に、視差検出部52は、L画像における第1窓領域Dの位置を固定したままR画像における第2窓領域D’を、左右に水平シフトさせながら、第1窓領域D及び第2窓領域D’それぞれにおける平均輝度の差分値を算出する。視差検出部52は、算出された差分値がゼロとなった時点での第2窓領域D’のシフト量に基づいて、LR画像間の視差量を検出する。視差検出部52は、例えばR画像の第2注目画素d’を右に4画素シフトさせた時点で差分がゼロとなった場合、LR画像間には4画素分の奥行き視差が存在すること、すなわち、LR画像間の視差量は4画素分であることを検出する。
【0025】
なお、図6に示す例では、第1窓領域D及び第2窓領域D’それぞれが水平方向7画素×垂直方向3ラインのブロックで表されているが、これに限られるものではない。第1窓領域D及び第2窓領域D’のサイズは、視差の検出精度と処理負荷とのバランスを考慮して、適宜設定可能である。また、図6では、フレームパッキングフォーマットのLR画像を用いたが、LR画像のフォーマットは、サイドバイサイド、トップアンドボトム、或いは、ラインアルタネイティブなどであってもよい。
【0026】
最大視差検出部53は、視差検出部52からLR画像間の視差量を取得する。最大視差検出部53は、画面内の最大視差量をリアルタイムに検出するとともに、検出期間内における最大視差量を、少なくとも設定された検出期間の間、保持(記憶)する。また、最大視差検出部53は、検出期間内において検出された最大視差量を視差モニタ重畳部54に通知する。なお、最大視差検出部53における最大視差量の検出期間は、固定値に設定されていてもよいし、ユーザによって選択的に設定されてもよい。通常の3D映像ではシーンごとに視差量が変動するので、3秒〜10秒程度に検出期間が設定されていれば、シーンごとに迅速に視差量を調整することができる。また、3D映像の全上映時間が検出期間として設定されれば、当該3D映像内における最大視差量を把握することができる。
【0027】
また、本実施形態において、最大視差検出部53は、画面の中央に設定される0.9画角内の範囲において、最大視差量を検出する。換言すれば、最大視差検出部53は、画面の外周に沿って、最大視差量の検出に寄与しない矩形環状の非検出枠2(図9参照)を設定する。これによって、非検出枠2に含まれる特異点(例えば、LR信号中の不純成分によって表示される局所的に極めて大きな視差量を持つ画素)における異常値が最大視差量に影響を与えることを抑制できるので、最大視差量の検出精度を向上させることができる。また、視聴者は、画面中心の物体に注目しやすく画面周辺に着目することが少ないため、画面中心の物体に着目して視差量を表示しても、視聴者に与える違和感は小さい。
【0028】
視差モニタ重畳部54(表示部の一例)は、視差調整部51から出力されるLR信号を取得する。また、視差モニタ重畳部54は、視差調整部51から出力されるLR信号に基づいて生成されるLR画像間の視差量を取得するとともに、最大視差検出部53から検出期間内における最大視差量を取得する。視差モニタ重畳部54は、視差調整部51から出力されるLR信号に基づいて生成されるLR画像それぞれに対して、LR画像間の視差量と最大視差量とを表示するための視差モニタ1(図7参照)を重畳させる。ここで、本実施形態において、「重畳」とは、例えば、LR画像上に半透明の視差モニタ1を重ねて表示させること、LR画像上に不透明の視差モニタ1を重ねて表示させること、及び、垂直方向に圧縮されたLR画像の上方又は下方に視差モニタ1を並べて表示させること、を含む概念である。ユーザは、LR画像に重畳された視差モニタ1を参照することによって、最大視差のレベルと現在の画面全体の視差のレベルをチェックし、必要に応じてメニュー画面上で視差量を変更することができる。
【0029】
なお、視差モニタ1は、画面の垂直方向における高さの10%以上であることが好ましい。これによって、視差モニタ1に表示される視差量の視認性を確保することができる。また、視差モニタ1は、画面の垂直方向における高さの15%以下であることが好ましい。これによって、LR画像を見ながら視差量の調整具合を確認しやすくすることができる
視差モニタ重畳部54は、視差モニタ1が重畳されたLR画像を示す画像信号をフレームシーケンシャル処理部56に出力する。
【0030】
フレームシーケンシャル処理部56は、視差モニタ1が重畳されたLR画像を示す画像信号のフォーマットを、3Dフレームシーケンシャルに変更する。
【0031】
4−2.後段部分
プロジェクタ100は、後段部分において、相展開回路81、82、83、パネル駆動IC(Integrated Circuit)90及びLCDパネル91、92、93を備える。
相展開回路81〜83は、LCDパネル91〜93の駆動ドライバ(不図示)の動作速度を考慮して、フレームシーケンシャル式でデジタル信号を相展開するための回路である。
【0032】
パネル駆動IC90は、LCDパネル91〜93を駆動するための回路である。
LCDパネル91〜93は、3D画像信号の場合、240Hzで相展開回路81〜83によって相展開されたデジタル信号をカラー表示するためのパネルである。
【0033】
5.プロジェクタ100の動作
次に、プロジェクタ100の主要部の動作について図7、図8を用いて説明する。
3D画像において、フレームシーケンシャル式で表示された画像は視差があると2重画像のように視覚される。しかしながら、これをアクティブシャッタメガネ130で視聴すると、左右の目にそれぞれのステレオ画像が入力されるため、2重とはならずに、立体画像として視認できる。
【0034】
この時、プロジェクタ100は、図7に示すように、LR画像の下方に視差モニタ1を重畳させる。視差モニタ1には、基準線(コンバージェンスポイント)に対して飛び出し視差は下側に表示され、奥行き視差は上側に表示される。図7の例では、サッカーボールの飛び出し視差量が、視差モニタ1に表示されている。また、視差モニタ1には、検出期間内における奥行き最大視差量と飛び出し最大視差量のそれぞれが表示されている。最大視差量の検出期間は、図8に示すように、オンスクリーンメニューでユーザが設定できるようになっている。通常、3秒もしくは10秒のどちらかを選択すればよいが、映画コンテンツのように2時間での最大値を検出させる場合は、メニュー内の「ALL」を選択すればよい。また、オンスクリーンメニュー内には、視差モニタ1の表示のON/OFFを制御したり、スクリーンサイズを選択するためのメニューも準備されている。
また、プロジェクタ100は、図9に示す通り、画面の外周に非検出枠2を設定することによって、0.9画角内で最大視差を検出する。
【0035】
6.作用及び効果
ユーザは、最大視差のラインが視差モニタ1上で最下部または最上部に位置するときには、視差調整部51にて視差を抑制するために、LR画像信号の水平位置をそれぞれ移動させることで視差を小さくすることができる。また、ユーザは、最大視差のラインが視差モニタ1上で基準線近傍に位置するときには、逆にLR画像信号の水平位置をそれぞれ移動させて視差を大きくするように調整することができる。
【0036】
以上のように、視差量をLR画像上に重畳させた状態で、その最大視差に基づいて視差を調整することができるので、好適な視差状態で3D画像を表示させることができる。その結果、ユーザに対して生体的疲労感の少ない3D画像を提供できる。
【0037】
(実施の形態2)
以下において、実施の形態2に係るプロジェクタ100の構成について説明する。ただし、プロジェクタ100の基本構成は、実施の形態1と同様であるため、以下においては、実施の形態1との相違点について主に説明する。
【0038】
実施の形態1との相違点は、図10に示す通り、プロジェクタ100が、視差モニタ1において、基準線の飛び出し視差側に視差角1度を示すラインを表示し、基準線の奥行き視差側にスクリーン上で50mmとなる視差を示すラインを表示する点である。
【0039】
視差角1度は、視距離により異なる部分もあるが、標準視距離となるスクリーン高さの3倍の距離、すなわち80インチ16:9アスペクトのスクリーンで約3mの距離から視聴することを前提として表示している。本実形態では、通常、プロジェクタ画像を視聴する距離が特定できないため、基準として、このように設定されている。
【0040】
また、奥行き視差は、人間の左右の眼球間距離約65mmを超えると生態的に不快な画像となるが、これを発生させないために、スクリーン上で50mmのラインが表示されている。
【0041】
この50mmのラインを算出するために、あらかじめ図8に示す通り、スクリーンサイズをオンスクリーンメニューで入力することで、メインマイコン70にてスクリーンサイズに応じた倍率で、算出された視差50mmのラインが表示される。
【0042】
ユーザは、視差モニタ1に表示される飛び出し側の最大視差が視差角1度以上になっている場合は、飛び出し視差を抑制するように視差調整部51でLR画像の水平位置を調整する。一方、奥行き側の最大視差が50mmラインを超えている場合は、奥行き視差を抑制するように視差調整部51でLR画像の水平位置を調整する。
【0043】
なお、このような視差の調整操作は、メインマイコン70によって自動的に実行されてもよい。すなわち、プロジェクタ100は、奥行き視差が50mm以上の場合や、飛び出し視差が視差角1度以上になった場合には、メインマイコン70が自動でLR画像の水平位置を調整すればよい。
【0044】
以上のように、実施の形態2においても、映画等のブルーレイコンテンツにおける視差量の検出結果を重畳させた状態で、その最大視差に基づいて視差を調整することができる。そのため、好適な視差状態にした3D画像を表示させることができる。さらに、プロジェクタのようにスクリーンサイズが自由に変えられるディスプレイの場合でも、あらかじめスクリーンサイズを入力しておくことで、視差量を認識しつつ視差調整できるので、ユーザはスクリーンサイズに応じた好適な視差で3D映像を視聴できる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明によれば、ユーザが視差状態を容易に調整可能な画像表示装置を提供できるため、プロジェクタやテレビ等の映像表示分野において有用である。
【符号の説明】
【0046】
1 視差モニタ
11 ビデオ入力端子
12 Sビデオ入力端子
13 HDMI入力端子
21 入力セレクタ
22 カラーデコーダ
23 Y/C分離回路
24 HDMIレシーバ
25 入力セレクタ
30 A/Dコンバータ
40 リサイズ処理回路
50 3D信号処理回路
51 視差調整部
52 視差検出部
53 最大視差検出部
54 視差モニタ重畳部
55 並列処理部
56 フレームシーケンシャル処理部
70 メインマイコン
71 メモリ
81〜83 相展開回路
90 パネル駆動IC
91〜93 LCDパネル
100 プロジェクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3D画像の右目用画像信号と左目用画像信号とを取得し、前記右目用及び左目用画像信号の視差を調整する視差調整部と、
前記視差調整部により視差が調整された前記右目用及び左目用画像信号に基づいて生成される右目用及び左目用画像を表示する表示部と、
前記視差調整部により視差が調整された前記右目用及び左目用画像信号の視差量を検出する視差検出部と、
前記視差検出部により検出された前記視差量の最大値を検出する最大視差検出部と、
を備え、
前記表示部は、前記視差検出部により検出された前記視差量と、前記最大視差検出部により検出された前記視差量の前記最大値とを、前記右目用及び左目用画像に重畳して表示する、
画像表示装置。
【請求項2】
前記表示部は、前記右目用画像と前記左目用画像との間に視差が無い状態を示す基準線を基準として、前記視差量を表示する、
請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記表示部は、前記基準線の一方側を飛び出し視差側に設定し、前記基準線の他方側を奥行き視差側に設定することによって、前記視差量を表示する、
請求項2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記表示部は、前記基準線の前記飛び出し視差側において、1度の視差角を示すラインを表示する、
請求項3記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記表示部は、前記基準線の前記奥行き視差側において、スクリーン上における50mmの視差を示すラインを表示する、
請求項3に記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記最大視差検出部は、前記表示部が前記視差量を前記右目用及び左目用画像に重畳して表示している期間、前記視差量の前記最大値を連続で検出する、
請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項7】
最大視差検出部は、前記右目用及び左目用画像の外周に設けられる所定領域の内側において前記視差量の前記最大値を検出する、
請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項8】
視差検出部は、前記右目用画像内の第1注目画素と前記第1注目画素の周辺画素とを含む第1窓領域における輝度と、前記左目用画像内で前記第1注目画素に対応する第2注目画素と前記第2注目画素の周辺画素とを含む第2窓領域における輝度との差分値に基づいて、前記視差量を検出する、
請求項1記載の画像表示装置。
【請求項9】
前記50mmの視差を示すラインは、スクリーンサイズに基づいて算出される、
請求項5に記載の画像表示装置。
【請求項10】
前記表示部が前記視差量を前記右目用及び左目用画像に重畳して表示する期間は、ユーザ操作に応じて任意に設定可能である、
請求項6に記載の画像表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2013−9324(P2013−9324A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−113429(P2012−113429)
【出願日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.HDMI
2.BLU−RAY DISC
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】