説明

画像計測装置及びプログラム

【課題】ユーザによる計測結果の確認作業の精度を向上させることにより、計測精度の向上を図る。
【解決手段】画像計測装置において、画像サーバ装置から医用画像の画像ファイルを取得する(ステップS1)。通常の読影時には、元画像に対して必要に応じて画像処理を施した読影画像を表示させる(ステップS2)。また、元画像に対して画像処理を施して計測線の位置を確認するための表示用画像を生成しておく(ステップS3)。自動計測が指示された場合には(ステップS4;YES)、元画像に対して自動計測処理を行い、計測線の位置及び計測値を算出する(ステップS5)。そして、表示用画像上に、計測線及び計測値を付加したものを計測結果として表示させる(ステップS6)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像計測装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
医療分野の診断において、X線等の放射線により患者を撮影した画像が用いられている。医師は、フィルムに出力した放射線画像を観察読影するとともに、診断に用いる数値や角度を得るために放射線画像上に計測すべき位置をマーキングし、定規や分度器等の計測器具を用いてマーキングされた位置の距離や角度等を計測する。
【0003】
近年、医療分野においてもデジタル化が進み、病院内で生成される放射線画像は、デジタル画像としてPACS(Picture Archiving and Communication System)に保存されている。デジタル画像の場合、画像をモニタ画面上に表示させ、この画面上で計測に用いる線(以下、計測線という。)の位置を指定し、距離や角度等の計測を自動化したり、一度引いた計測線を移動したりすることができる。
【0004】
計測線の指定は、従来、手動で行われていたが、最近では、画像認識処理アルゴリズムの発達により、自動的に画像内の構造物を認識して、対象となる距離や角度を算出する自動計測が可能となっている。自動計測機能の一つである自動心胸比計測機能は、アルゴリズムによって胸郭と心臓を認識し、計測値として心胸比を算出する機能である。
【0005】
例えば、胸部画像中の心胸郭の輪郭を検出し、検出された心胸郭の輪郭に基づいて、心臓の幅と胸郭の幅とをそれぞれ求め、心胸比を算出する技術が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−109550号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、自動計測機能は、どのようなアルゴリズムを用いても100%成功することはないため、自動計測を行った後、計測結果(計測線及び計測値)を表示して、ユーザによる確認作業を行う必要があった。そして、計測結果に誤りがある場合には、手動修正を行う必要があった。
【0008】
また、モダリティにおいて生成された画像が自動計測結果の確認には不適切な階調である場合、ユーザによって読影が行われ階調が変更されたために、画像が自動計測の確認には不適切な階調となった場合等には、確認作業において見落としが発生する可能性があった。そこで、自動計測結果の確認作業の際には、ユーザが確認作業を行いやすい画像を表示することが望まれる。
【0009】
本発明は、上記の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、ユーザによる計測結果の確認作業の精度を向上させることにより、計測精度の向上を図ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、医用画像上の計測対象部位を検出し、当該検出された計測対象部位に描画すべき計測線の位置を算出し、当該算出された計測線の位置に基づいて計測値を算出する画像計測装置であって、前記医用画像に画像処理を施して前記計測線の位置を確認するための表示用画像を生成し、当該生成された表示用画像を表示手段に表示させるとともに、当該表示用画像上に前記計測線及び前記計測値を表示させる制御手段を備える。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像計測装置において、前記医用画像は、胸部画像であり、前記計測値は、心臓幅、胸郭幅又は心胸比である。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の画像計測装置において、前記画像処理は、階調処理である。
【0013】
請求項4に記載の発明は、医用画像上の計測対象部位を検出し、当該検出された計測対象部位に描画すべき計測線の位置を算出し、当該算出された計測線の位置に基づいて計測値を算出するコンピュータを、前記医用画像に画像処理を施して前記計測線の位置を確認するための表示用画像を生成し、当該生成された表示用画像を表示手段に表示させるとともに、当該表示用画像上に前記計測線及び前記計測値を表示させる制御手段として機能させるためのプログラムである。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のプログラムにおいて、前記医用画像は、胸部画像であり、前記計測値は、心臓幅、胸郭幅又は心胸比である。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項4又は5に記載のプログラムにおいて、前記画像処理は、階調処理である。
【発明の効果】
【0016】
請求項1、4に記載の発明によれば、ユーザによる計測結果の確認作業の精度を向上させることにより、計測精度の向上を図ることができる。
【0017】
請求項2、5に記載の発明によれば、胸部画像の心臓幅、胸郭幅又は心胸比についての計測精度の向上を図ることができる。
【0018】
請求項3、6に記載の発明によれば、医用画像に階調処理を施して、表示用画像を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】医用画像システムのシステム構成図である。
【図2】画像サーバ装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図3】画像計測装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図4】元画像から生成されたヒストグラムの例である。
【図5】画像計測装置における処理の模式図である。
【図6】画像計測装置において実行される処理を示すフローチャートである。
【図7】読影画像の例である。
【図8】表示用画像の例である。
【図9】自動計測処理を示すフローチャートである。
【図10】認識処理画像の例である。
【図11】表示用画像上に計測線及び計測値が表示された画像の例である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明に係る画像計測装置の一実施形態について説明する。
図1に、医用画像システム100のシステム構成を示す。図1に示すように、医用画像システム100では、RIS(Radiological Information System:放射線情報システム)10、モダリティ20、画像サーバ装置30及び画像計測装置40が、ネットワークNを介してデータ通信可能に接続されている。
【0021】
RIS10は、放射線科部門内における診療予約、診断結果のレポート、実績管理、材料在庫管理等の情報管理を行う。RIS10は、撮影や診断の内容を示す検査オーダ情報を生成し、モダリティ20に送信する。
【0022】
モダリティ20は、RIS10から送信された検査オーダ情報に基づいて、患者を撮影し、医用画像の画像データを生成する画像生成装置である。モダリティ20は、画像データを画像サーバ装置30に送信する。モダリティ20としては、CR(Computed Radiography)装置、CT(Computed Tomography)装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置等が用いられる。
【0023】
画像サーバ装置30は、PACSにより構成され、モダリティ20から受信した医用画像の画像データのファイル(以下、画像ファイルという。)を保存し、画像計測装置40等の外部機器からの要求に応じて画像ファイルを提供する。
【0024】
図2に、画像サーバ装置30の機能的構成を示す。図2に示すように、画像サーバ装置30は、制御部31、操作部32、表示部33、通信部34、ROM(Read Only Memory)35、記憶部36を備えて構成され、各部はバス37により接続されている。
【0025】
制御部31は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等から構成され、画像サーバ装置30の各部の処理動作を統括的に制御する。具体的には、CPUは、操作部32から入力される操作信号又は通信部34により受信される指示信号に応じて、ROM35に記憶されている各種処理プログラムを読み出し、RAM内に形成されたワークエリアに展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を行う。
【0026】
操作部32は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された操作信号を制御部31に出力する。
【0027】
表示部33は、LCD(Liquid Crystal Display)により構成され、制御部31から入力される表示データに基づいて各種画面を表示する。
【0028】
通信部34は、RIS10、モダリティ20、画像計測装置40等の外部機器との間でデータの送受信を行うインターフェースである。
【0029】
ROM35は、不揮発性の半導体メモリ等により構成され、制御プログラム、当該プログラムの実行に必要なパラメータやファイル等を記憶している。
【0030】
記憶部36は、ハードディスク等により構成され、各種データを記憶する。具体的には、記憶部36には、画像ファイル等が記憶されている。
【0031】
制御部31は、画像計測装置40から画像ファイルの取得要求があった場合に、要求された画像ファイルを記憶部36から読み出し、画像計測装置40に送信する。
【0032】
画像計測装置40は、画像サーバ装置30から取得した医用画像を表示させ、当該医用画像の診断に用いる数値や角度を計測するための装置であって、PC(Personal Computer)等から構成される。
【0033】
図3に、画像計測装置40の機能的構成を示す。図3に示すように、画像計測装置40は、制御部41、操作部42、表示部43、通信部44、ROM45、記憶部46を備え、各部はバス47により接続されている。
【0034】
制御部41は、CPU、RAM等から構成され、画像計測装置40の各部の処理動作を統括的に制御する。具体的には、CPUは、操作部42から入力される操作信号又は通信部44により受信される指示信号に応じて、ROM45に記憶されている各種処理プログラムを読み出し、RAM内に形成されたワークエリアに展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を行う。
【0035】
操作部42は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された操作信号を制御部41に出力する。
【0036】
表示部43は、LCDにより構成され、制御部41から入力される表示データに基づいて各種画面を表示する。
【0037】
通信部44は、画像サーバ装置30等の外部機器との間でデータの送受信を行うインターフェースである。
【0038】
ROM45は、不揮発性の半導体メモリ等により構成され、制御プログラム、当該プログラムの実行に必要なパラメータやファイル等を記憶している。
【0039】
記憶部46は、ハードディスクや半導体メモリ等により構成され、各種データを記憶する。具体的には、記憶部46には、画像サーバ装置30から取得した画像ファイルが記憶される。
【0040】
制御部41は、通信部44を介して、画像サーバ装置30に対して、記憶部36に記憶されている医用画像の画像ファイルの取得要求を送信し、画像サーバ装置30から医用画像の画像ファイルを取得する。
【0041】
制御部41は、取得した医用画像の画像ファイル(元画像)に対して必要に応じて画像処理を行い、表示部43に読影画像を表示させる。読影画像は、元画像に対して読影に特化した画像処理を行った画像であり、ユーザが読影を行う際に表示部43に表示される。ただし、元画像に対して何も画像処理を施していない場合には、読影画像と元画像とは同じ画像である。読影画像は、読影中のユーザの操作に応じて変化するものである。
【0042】
制御部41は、元画像に画像処理を施して、計測線の位置を確認するための表示用画像を生成する。表示用画像は、元画像に対して表示用に特化した画像処理を行った画像である。
【0043】
ここで、表示用画像の具体的な生成方法について説明する。
まず、制御部41は、図4に示すように、元画像について、横軸に画素値、縦軸にその画素値に対する画素の数を取って、ヒストグラムを求める。次に、制御部41は、画素の数において、画素値が大きい方から15%の画素と、画素値が小さい方から15%の画素をカットし、中間に存在する70%の画素の画素値の分布幅をWW(Window Width)とし、WWの中心の画素値をWC(Window Center)とする。そして、制御部41は、このWW及びWCを用いて、元画像に対して階調処理を行う。具体的には光度測定解釈に基づき、値により階調を変えて表現する。
なお、ヒストグラムによりWW及びWCを算出するのではなく、モダリティ20から画像サーバ装置30に送信されたWW及びWCの値や、他の階調処理を用いることとしてもよい。
【0044】
制御部41は、ユーザの操作部42からの操作により、自動計測が指示された場合に、元画像から認識処理画像を生成する。認識処理画像は、元画像に対して認識処理に特化した画像処理を行った画像であり、自動計測処理において用いられる。認識処理画像は、読影画像ほど細かい情報は必要ないため、一般的には、元画像から画素を間引いた画像、エッジを抽出した画像、二値化画像等が用いられる。
【0045】
制御部41は、生成された認識処理画像から計測対象部位を検出し、当該検出された計測対象部位の位置に描画すべき計測線の位置を算出し、当該算出された計測線の位置に基づいて計測値を算出して、計測結果情報を生成する。計測結果情報には、計測線に関する情報(以下、計測線情報という。)及び計測値に関する情報(以下、計測値情報という。)が含まれる。計測線情報には、計測線の両端の座標、線の太さ、線の色等が含まれる。計測値情報には、テキスト内容(計測値)、テキストの位置、テキストのサイズ、フォント、フォントの色、フォントサイズ等が含まれる。
【0046】
制御部41は、表示用画像を表示部43に表示させるとともに、計測結果情報に基づいて、表示用画像上に計測線及び計測値を表示させる。
【0047】
図5は、画像計測装置40における処理の模式図である。読影画像は、元画像に対して、読影に適した画像処理を施した画像である。表示用画像は、元画像に対して、目視確認に適した画像処理を施した画像である。認識処理画像は、元画像に対して、自動計測に適した画像処理を施した画像であり、計測結果情報を得るために用いる画像である。制御部41は、表示用画像上に、計測線及び計測値を付加したものを計測結果として表示部43に表示させる。
【0048】
次に、動作について説明する。
図6は、画像計測装置40において実行される処理を示すフローチャートである。この処理は、制御部41のCPUと、ROM45に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0049】
まず、ユーザの操作部42からの操作により、計測対象となる医用画像の画像ファイルが選択され、制御部41の制御に従って、通信部44により、画像サーバ装置30に対して、選択された医用画像の画像ファイルの取得要求が送信される。そして、制御部41により、通信部44を介して、画像サーバ装置30から医用画像の画像ファイルが取得される(ステップS1)。取得された画像ファイルは、制御部41により、記憶部46に格納される。
【0050】
次に、制御部41により、取得された医用画像の画像ファイル(元画像)に対して画像処理が施され、読影画像が生成される。そして、制御部41により、読影画像が表示部43に表示され(ステップS2)、ユーザによる医用画像の読影が開始される。図7に、読影画像の例を示す。読影画像は、読影中のユーザの操作に応じて変化するものである。
【0051】
次に、制御部41により、元画像に対して画像処理が施され、表示用画像が生成される(ステップS3)。画像処理として、例えば、ダイナミックレンジ変換処理等の階調処理、エッジ強調処理等が行われる。図8に、表示用画像の例を示す。生成された表示用画像は、制御部41により、記憶部46に格納される。
【0052】
次に、制御部41により、ユーザの操作部42からの操作により、医用画像に対する自動計測が指示されたか否かが判断される(ステップS4)。医用画像に対する自動計測が指示された場合には(ステップS4;YES)、制御部41により、自動計測処理が行われる(ステップS5)。
【0053】
ここで、図9を参照して、自動計測処理について説明する。
制御部41により、元画像に対して画像処理が施され、認識処理画像が生成される(ステップS11)。図10に、認識処理画像の例を示す。
【0054】
次に、制御部41により、認識処理画像が解析され、計測対象部位が検出される(ステップS12)。胸部画像の場合には、制御部41により、胸部画像の水平方向及び垂直方向それぞれの方向における信号値のプロファイルが作成され、エッジが抽出されることにより、心臓領域及び胸郭領域が検出され、心臓の左端、心臓の右端、胸郭の左端、胸郭の右端の位置が検出される。また、制御部41により、胸郭幅の中心位置が正中線として検出される。
【0055】
次に、制御部41により、検出された計測対象部位に基づいて、計測線を描画すべき位置が算出される(ステップS13)。胸部画像の場合には、制御部41により、心臓の左端、心臓の右端、胸郭の左端、胸郭の右端、正中線を示す計測線の位置が算出される。
【0056】
次に、制御部41により、算出された計測線の位置に基づいて、計測値が算出される(ステップS14)。胸部画像の場合には、制御部41により、計測値として、心臓幅、胸郭幅、心胸比が算出される。心臓幅は、心臓の左端を示す計測線と心臓の右端を示す計測線との距離に相当する。胸郭幅は、胸郭の左端を示す計測線と胸郭の右端を示す計測線との距離に相当する。心胸比とは、胸郭幅に対する心臓幅の割合をいい、次式によって求められる。
心胸比=(心臓幅/胸郭幅)×100(%)
【0057】
次に、制御部41により、計測線を描画すべき位置及び計測値等が計測結果情報として記憶部46に保存される(ステップS15)。
【0058】
次に、図6に戻り、制御部41により、記憶部46から表示用画像が読み出され、表示用画像が表示部43に表示されるとともに、計測結果情報に基づいて、表示用画像上に計測線及び計測値が表示される(ステップS6)。図11に、表示用画像上に計測線L1,L2,L3,L4,L5及び計測値Rが表示された画像の例を示す。ここで、計測線L1は表示用画面上において心臓の左端(人体における右側)と判断された位置を示すものであり、計測線L2は表示用画面上において心臓の右端(人体における左側)と判断された位置を示すものであり、計測線L3は表示用画面上において胸郭の左端(人体における右側)と判断された位置を示すものであり、計測線L4は表示用画面上において胸郭の右端(人体における左側)と判断された位置を示すものであり、計測線L5は正中線と判断された位置を示すものである。心臓幅は計測線L1と計測線L2との距離であり、胸郭幅は計測線L3と計測線L4との距離であり、心胸比は胸郭幅に対する心臓幅の割合を%で表した値である。ユーザは、計測線L1,L2,L3,L4,L5及び計測値Rが付加された表示用画像を観察し、表示用画像上の計測線L1,L2,L3,L4,L5の位置が計測対象部位に対してずれていないかを目視により確認する。
【0059】
次に、制御部41により、ユーザの操作部42からの操作により、計測結果に対して修正が指示されたか否かが判断される(ステップS7)。具体的には、制御部41により、ユーザの操作部42からの操作により、計測線の移動が指示されたか否かが判断される。
【0060】
計測結果に対して修正が指示された場合には(ステップS7;YES)、制御部41により、修正後の計測線の位置に基づいて計測値が算出され、記憶部46の計測結果情報が更新される。そして、制御部41により、計測結果情報に基づいて、表示部43に表示されている表示用画像上の計測線及び計測値が変更される(ステップS8)。
【0061】
ステップS7において計測結果に対して修正が指示されない場合(ステップS7;NO)、ステップS4において医用画像に対する自動計測が指示されない場合(ステップS4;NO)、又は、ステップS8の後、制御部41により、ユーザの操作部42からの操作により、読影の完了が指示されたか否かが判断される(ステップS9)。読影の完了が指示されない場合には(ステップS9;NO)、ステップS4に戻り、処理が繰り返される。
【0062】
ステップS9において読影の完了が指示された場合には(ステップS9;YES)、画像計測装置40における処理が終了する。
【0063】
以上説明したように、画像計測装置40によれば、自動計測処理による計測結果を表示する際に、表示用画像上に計測線及び計測値を付加して表示部43に表示するので、ユーザによる計測結果の確認作業の精度を向上させることができる。これにより、計測精度の向上を図ることができる。
【0064】
なお、上記実施の形態における記述は、本発明に係る画像計測装置の一例であり、これに限定されるものではない。装置の細部構成及び細部動作に関しても適宜変更可能である。
【0065】
以上の説明では、各処理を実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な媒体としてROMを使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することも可能である。また、プログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)を適用することとしてもよい。
【符号の説明】
【0066】
10 RIS
20 モダリティ
30 画像サーバ装置
31 制御部
32 操作部
33 表示部
34 通信部
35 ROM
36 記憶部
37 バス
40 画像計測装置
41 制御部
42 操作部
43 表示部
44 通信部
45 ROM
46 記憶部
47 バス
100 医用画像システム
N ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用画像上の計測対象部位を検出し、当該検出された計測対象部位に描画すべき計測線の位置を算出し、当該算出された計測線の位置に基づいて計測値を算出する画像計測装置であって、
前記医用画像に画像処理を施して前記計測線の位置を確認するための表示用画像を生成し、当該生成された表示用画像を表示手段に表示させるとともに、当該表示用画像上に前記計測線及び前記計測値を表示させる制御手段を備える画像計測装置。
【請求項2】
前記医用画像は、胸部画像であり、
前記計測値は、心臓幅、胸郭幅又は心胸比である、
請求項1に記載の画像計測装置。
【請求項3】
前記画像処理は、階調処理である、
請求項1又は2に記載の画像計測装置。
【請求項4】
医用画像上の計測対象部位を検出し、当該検出された計測対象部位に描画すべき計測線の位置を算出し、当該算出された計測線の位置に基づいて計測値を算出するコンピュータを、
前記医用画像に画像処理を施して前記計測線の位置を確認するための表示用画像を生成し、当該生成された表示用画像を表示手段に表示させるとともに、当該表示用画像上に前記計測線及び前記計測値を表示させる制御手段として機能させるためのプログラム。
【請求項5】
前記医用画像は、胸部画像であり、
前記計測値は、心臓幅、胸郭幅又は心胸比である、
請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記画像処理は、階調処理である、
請求項4又は5に記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−238040(P2010−238040A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−86381(P2009−86381)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】