説明

画像記録装置

【課題】開閉部材の開閉検知の実現に必要な付勢力を、バネによらず取得可能な構造を提供する。
【解決手段】プリンタ筐体52に対して開閉されるスキャナ筐体51と、当該開閉を検知する検知部を備える。プリンタ筐体52には、基板53、第1凸部72、第1凸部72の下端部から斜め上側に傾斜しつつ放射状に延設された薄膜部材76、及び回動部材56が配設される。閉状態のスキャナ筐体51と当接された回動部材56の後端部41は矢印86の向きに回動し、前端部42は矢印87の向きに回動し、第1凸部72は前端部42に持ち上げられて基板53から離間される。この状態で、薄膜部材76は第1凸部72に基板53側へ荷重を付与する。スキャナ筐体51の開時に、第1凸部72は回動部材56から自由となり上記荷重により基板53と当接する。検知部は、第1凸部72と基板53の当接の有無によってスキャナ筐体51の開閉を検知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラバーキーが設けられ、被記録媒体に画像を記録する画像記録装置に関し、特に、装置筐体と連結された開閉部材が装置筐体に対して開閉するように構成された画像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、プリンタや複合機などの画像記録装置には、その上部の前側などにラバーキーが設けられているものがある。ラバーキーは複数のキートップを有している。ユーザは、キートップを押下することによって、画像記録装置を操作する。詳細には、ユーザがキートップを押下すると、当該キートップは、ラバーキーの裏面側に設けられた基板と当接する。キートップにおける基板と当接する部分には、導電塗料が塗布されている。基板上には、電気回路パターンが形成されており、基板におけるキートップと当接する部分には、接点が設けられている。よって、キートップが基板と当接すると接点が導通され、キートップが基板から離間されると接点が開放される。このように、電気回路パターンの導通及び開放がキートップの操作により切り換えられることによって、画像記録装置の動作制御が行われる。
【0003】
また、従来から、画像記録装置には、装置筐体の上部などに、装置筐体に対して開閉する開閉部材が設けられているものがある。例えば、装置内に被記録媒体が詰まったとき、ユーザは、開閉部材を開けることによって、当該被記録媒体を装置内から取り出すことができる。
【0004】
また、画像記録装置には、開閉部材の開閉を検知する開閉検知機構を備えているものが多い。そして、特許文献1に開示されたカバー部材の開閉装置において、開閉検知機構は、上述したようなラバーキーのキートップの押下による電気回路パターンの導通及び開放の切り換えを利用して、開閉部材の開閉を検知している。以下に詳述する。複数のキートップのうちの一つが、開閉部材の開閉検知用として割り当てられる。開閉検知機構は、開閉部材が開かれることに連動して割り当てられたキートップが押下されるように構成され、開閉部材が閉じられることに連動して割り当てられたキートップの押下が解除されるように構成されている。そして、キートップの押下の有無による電気回路パターンの導通及び開放によって、開閉部材の開閉が検知される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−42615号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示されたカバー部材の開閉装置の開閉検知機構においては、特許文献1の図10(A)に示されるように、ラバースプリング51a(上述のキートップに対応)の上面を常時押圧する方向に連動レバー53を付勢する捩じりバネ54が、取り付けられる必要がある。以下に、開閉検知機構の動作について詳述する。
【0007】
開閉装置のカバー部材32(特許文献1の図3及び図10(B)参照)が開かれているとき、特許文献1の図10(A)に示されるように、連動レバー53は、捩じりバネ54に付勢され、ラバースプリング51aの上面を押下する。これにより、ラバースイッチ部がONとなり、カバー部材32が開いていると判断される。
【0008】
一方、開閉装置のカバー部材32が閉じられているとき、特許文献1の図10(B)に示されるように、カバー部材32は圧接体49を回動させる。すると、連動レバー53は、圧接体49の回動に連動して、捩じりバネ54の付勢力に抗して、ラバースプリング51aの上面から離間する向きに回動する。これにより、ラバースプリング51aの押下が解除される。その結果、ラバースイッチ部がOFFとなり、カバー部材32が閉じられていると判断される。
【0009】
以上のように、特許文献1に開示された開閉装置の開閉検知機構において、捩じりバネ54は必要なものである。よって、当該カバー部材の開閉装置においては、組み立て時に、開閉検知機構に捩じりバネ54を取り付けるための工程が必要である。つまり、カバー部材の開閉装置の製造工数が多くなってしまう。
【0010】
本発明は、上記問題に鑑み、開閉部材の開閉を検知する機構を実現するために必要な付勢力を、バネを用いることなく得ることにより、製造工数を少なくすることができる構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1) 本発明の画像記録装置は、装置筐体と、上記装置筐体に連結されており、上記装置筐体に対して開姿勢及び閉姿勢に姿勢変化可能に設けられた開閉部材と、複数の接点が形成された基板と、薄板状のシート部、上記シート部から突出しており、弾性変形されることにより上記基板に接離する複数のキートップ、及び上記キートップの各々の裏面側に設けられており、上記接点の各々と対向する複数の導電部を有する操作キー部材と、上記キートップの各々の表面側が挿入される複数の開口を有するキー筐体と、上記キー筐体から上記基板に向かって突出しており、突出端が上記シート部と当接する当接部材と、一端が上記開閉部材と当接可能且つ他端が上記操作キー部材と当接可能である検出子、及び上記検出子の上記一端と上記他端との間に設けられた軸を有し、上記軸を中心として回動可能な回動部材と、上記開閉部材の開閉を検知する検知部と、を備える。上記操作キー部材は、上記シート部から上記基板側及び上記キー筐体側の2つの向きに突出しており、側面に孔が形成されており、上記基板側の向きの突出先端面に上記基板の接点と対向する導電部を有する第1凸部と、上記第1凸部における上記基板側の端部から外側に向かって上記キー筐体側に傾斜しつつ放射状に延設されており、延設端部において上記シート部と接合されている薄膜部と、を備える。上記検知部は、上記第1凸部の導電部と対向する上記基板の接点の開閉に基づいて、上記開閉部材の開閉を検知する。上記当接部材は、上記薄膜部の延設端部の周縁位置において、上記シート部と当接している。上記第1凸部の孔には、上記検出子の他端が挿入されている。上記検出子の一端は、開姿勢へ姿勢変化される上記開閉部材から離間され、且つ閉姿勢へ姿勢変化される上記開閉部材と当接されることによって上記基板に近付く第1向きに回動される。上記検出子の他端は、上記検出子の一端の上記第1向きへの回動に連動して、上記基板から離間する第2向きに回動される。上記第1凸部は、上記第2向きに回動される上記検出子の他端と当接することによって、上記基板から離間される。上記薄膜部は、上記第1凸部が上記基板から離間されている状態において、上記第1凸部に対して上記基板側への荷重を付与する。
【0012】
操作キー部材を構成する第1凸部は、薄膜部が弾性変形することによって、基板に対して接離される。
【0013】
開閉部材が開姿勢から閉姿勢に姿勢変化されると、検出子の一端が基板に近付く向きに回動され、検出子の他端が基板から離間する向きに回動される。第1凸部は、検出子の他端に押されることによって、基板から離間される。その結果、基板の接点のうち、第1凸部の裏面側と対向する接点が開放される。検知部は、当該開放を検知することにより、開閉部材が閉姿勢となったことを検知することができる。
【0014】
一方、開閉部材が閉姿勢から開姿勢に姿勢変化されると、開閉部材は検出子の一端から離間される。これにより、第1凸部は、検出子の他端に押されない状態となる。ここで、薄膜部は、第1凸部が基板から離間されている状態において、第1凸部に対して基板側への荷重を付与する。よって、第1凸部は、当該荷重によって、基板側へ移動される。これにより、第1凸部は、基板と当接される。その結果、基板の接点のうち、第1凸部の裏面側と対向する接点が導通される。検知部は、当該導通を検知することにより、開放部材が開姿勢となったことを検知することができる。
【0015】
(2) 上記シート部は、上記薄膜部の延設端部の周縁位置が上記キー筐体側に突出した第2凸部を備える。上記薄膜部の延設端部は、上記第2凸部の突出端部において上記第2凸部と接合されている。上記当接部材は、上記第2凸部の突出端部と当接する。
【0016】
第1凸部が回動する検出子の他端に押されて基板から離間されるとき、薄膜部は第1凸部の移動に追随して弾性変形される。このとき、薄膜部の延設端部の周縁位置が、第1凸部の移動及び薄膜部の弾性変形に追随して、基板から離間される向きに引っ張られて移動してしまうおそれがある。そこで、(1)の構成においては、当該周縁位置が移動されることを防止するために、当接部材が周縁位置を押さえている。
【0017】
ここで、(1)の構成では、薄膜部は、第1凸部の突出向きに傾斜しつつ放射状に延設されている。このため、シート部は、当該傾斜が適切な角度で実現できる程度に、厚く構成される必要がある。
【0018】
そこで、本構成においては、第2凸部が設けられている。そして、薄膜部の延設端部は、第2凸部の突出端部において第2凸部と接合されている。これにより、薄膜部の傾斜が、適切な角度で実現可能である。また、当接部材は、第2凸部と当接するように構成されている。これにより、シート部は、第2凸部が設けられている部分においてのみ厚く構成すれば足りる。つまり、本構成によれば、シート部を薄く構成することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、薄膜部は、第1凸部が基板から離間されている状態において、第1凸部に対して基板側への荷重を付与する。つまり、開閉部材の開閉を検知する機構を実現するために必要な付勢力を、バネを用いることなく得ることができる。換言すると、薄膜部がバネに代用される。その結果、画像記録装置の製造工数を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】複合機10の外観斜視図である。
【図2】複合機10の分解斜視図である。
【図3】(A)には複合機10の平面図、ラバーキー54と回動部材56との平面図、及び当該平面図におけるA−A断面図が示されており、(B)には複合機10の左側面図が示されており、(C)には(A)におけるA−A断面図の拡大図が示されている。。
【図4】プリンタ部12及び操作部14の平面図である。
【図5】スキャナ筐体51が第4姿勢の状態において図4をB−Bで切断した状態の斜視図である。
【図6】スキャナ筐体51が第4姿勢の状態における図4のB−B断面図である。
【図7】スキャナ筐体51が第3姿勢の状態において図4をB−Bで切断した状態の斜視図である。
【図8】スキャナ筐体51が第3姿勢の状態における図4のB−B断面図である。
【図9】基板53及び回動部材56を取り除いた状態のプリンタ筐体52を図4のB−Bで切断した状態の斜視図である。
【図10】基板53及び回動部材56を取り除いた状態のプリンタ筐体52の図4におけるB−B断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。また、以下の説明では、ベクトルにおいて矢印を考慮して起点から終点に向かう進みが向きと表現され、ベクトルにおいて矢印を考慮せずに起点と終点とを結ぶ線上の往来が方向と表現される。また、以下の説明では、複合機10が使用可能に設置された状態(図1の状態)を基準として上下方向7が定義され、開口13が設けられている側を手前側(正面)として前後方向8が定義され、複合機10を手前側(正面)から見て左右方向9が定義される。また、以下の説明において、複合機10を構成する部材については、複合機10に取り付けられた状態を基準として、上下方向7、前後方向8、及び左右方向9が定義される。
【0022】
[複合機10]
図1及び図2に示されるように、本発明の画像記録装置の一例である複合機10は、概ね薄型の直方体に形成されている。複合機10は、その上部に、記録用紙などの原稿に記録された画像をイメージセンサ(不図示)によって読み取って画像データを取得するスキャナ部11を備えている。また、複合機10は、その下部に、上記画像データなどに基づいて、給紙トレイ20に収容された記録用紙に画像を記録するプリンタ部12を備えている。また、複合機10は、スキャナ部11の前側、且つプリンタ部12の上側に、操作部14を備えている。
【0023】
スキャナ部11は、概ね直方体に形成されたスキャナ筐体51(本発明の開閉部材の一例)を有している。また、プリンタ部12は、概ね直方体に形成されており、正面に開口13が形成されたプリンタ筐体52(本発明の装置筐体の一例)を有している。
【0024】
[プリンタ部12]
プリンタ筐体52には、開口13から前後方向8に挿抜可能であって内部に記録用紙が収容される給紙トレイ20、給紙トレイ20に収容された記録用紙を搬送路(不図示)に沿って搬送させる複数のローラ(不図示)、搬送路を搬送される記録用紙に画像を記録する記録部(不図示)などが配設されている。画像が記録された記録用紙は、給紙トレイ20の上側に設けられた排紙トレイ21に排出される。なお、記録部が記録用紙に画像を記録する方式としては、例えばインクジェット記録方式や電子写真方式がある。
【0025】
[スキャナ部11]
図1に示されるように、スキャナ部11は、フラットベッドスキャナ(FBS:Flat Bed Scanner)として機能する。スキャナ部11は、スキャナ筐体51と、イメージセンサと、原稿カバー24とを備えている。
【0026】
スキャナ筐体51は、上面にプラテンガラス(不図示)を有している。プラテンガラスには、原稿が載置される。イメージセンサは、スキャナ筐体51の内部に設けられており、プラテンガラスに載置された原稿の画像を読み取る。原稿カバー24は、複合機10の後端部において、左右方向9に延設された支軸25を介してスキャナ筐体51と連結されている。
【0027】
原稿カバー24は、支軸25を中心として矢印33の方向に回動することによって、スキャナ筐体51に対して閉じられる第1姿勢(図1に示される姿勢)、及びスキャナ筐体51に対して開かれる第2姿勢(不図示)の間で姿勢変化可能である。原稿カバー24が第2姿勢の状態において、ユーザは、原稿をプラテンガラスに載置することができる。原稿カバー24が第1姿勢の状態において、イメージセンサは、原稿の画像を読み取る。
【0028】
スキャナ筐体51は、複合機10の後端部において、左右方向9に延設された支軸26を介してプリンタ筐体52と連結されている。スキャナ筐体51は、支軸26を中心として矢印34(図3(B)参照)の方向に回動することによって、プリンタ筐体52に対して閉じられる第3姿勢(図1に示される姿勢、本発明の閉姿勢に相当)、及びプリンタ筐体52に対して開かれる第4姿勢(図3(B)に示される姿勢、本発明の開姿勢に相当)の間で姿勢変化可能である。スキャナ筐体51が第3姿勢の状態において、記録用紙に画像が記録される。スキャナ筐体51が第4姿勢の状態において、ユーザは、複合機10の内部に形成された搬送路において詰まった記録用紙を外部に取り出すことができる。
【0029】
[操作部14]
図1〜図3に示されるように、操作部14は、キー筐体55と、基板53と、ラバーキー54とを備えている。基板53は、プリンタ筐体52の前側の上端部における中央やや左側に、ビスなどによって取り付けられている。ラバーキー54は、基板53の上側から基板53を覆うようにして取り付けられている。キー筐体55は、ラバーキー54の上側からラバーキー54を覆うようにして、ビスやスナップフィットなどによって、プリンタ筐体52に取り付けられている。キー筐体55は、プリンタ筐体52の前側の上端部における複合機10の左右全域に亘って取り付けられている。
【0030】
なお、スキャナ筐体51は、キー筐体55の取り付け位置よりも後側において、プリンタ筐体54と連結されている。つまり、プリンタ筐体の上端部には、前側に操作部14が取り付けられており、後側にスキャナ筐体51が回動可能に取り付けられている。
【0031】
[キー筐体55]
図2及び図4に示されるように、キー筐体55(本発明のキー筐体の一例)には、複数の開口79(本発明の開口の一例)が形成されている。開口79の各々には、後述するラバーキー54のキートップ71が、下側から挿入される。つまり、開口79の各々には、キートップ71の表面側が挿入される。開口79の下側から挿入されたキートップ71は、図1に示されるように、開口79の上側から突出された状態となる。ユーザは、突出されたキートップ71を押下することによって、複合機10を操作することができる。なお、キー筐体55の左右方向9における中央部に形成された最も大きな開口79には、タッチパネルのユニット(不図示)が嵌め込まれる。
【0032】
[基板53]
図2に示される基板53(本発明の基板の一例)は、公知のプリント基板である。基板53の表面または裏面の少なくとも一方には、抵抗、コンデンサ、及びトランジスタなどの電子部品が実装されている。また、基板53の表面または裏面の少なくとも一方には、電気回路パターン(不図示)が銅や銀などの導電性の塗料で印刷されている。
【0033】
電気回路パターンは、後述する複数のキートップ71及び第1凸部72の各々と対向する位置において、所定間隔だけ離間されている。つまり、電気回路パターンは、上記位置において開放されている。当該開放された位置の近傍の電気回路パターンは、複数のキートップ71及び第1凸部72に塗布された後述の導電塗料(不図示)と接触される。これにより、当該開放された位置の近傍の電気回路パターンは、導通される。つまり、当該開放された位置の近傍の電気回路パターンは、接点74(図5〜図8参照、本発明の接点の一例)として機能する。以上より、基板53には、複数の接点74が形成されている。
【0034】
なお、基板53には、接点74以外の位置において、絶縁加工としてのレジスト印刷が施されている。
【0035】
[ラバーキー54]
本実施形態において、ラバーキー54(本発明の操作キー部材の一例、図2、図3(A)、及び図3(C)参照)は、シリコンラバーにより形成されている。なお、ラバーキー54は、弾性を有する材料であるならば、シリコンラバー以外により形成されていてもよい。例えば、ラバーキー54は、天然ゴムやウレタンゴムなどのシリコンラバー以外のエラストマーであってもよい。図2に示されるように、ラバーキー54は、薄板状のシート部73(本発明のシート部の一例)と、シート部73から突出している複数のキートップ71(本発明のキートップの一例)とを備えている。
【0036】
図2に示されるように、シート部73は、基板73と略同じサイズの薄板状の部材である。シート部73は、プリンタ筐体54に取り付けられた基板53の上面を覆うように、基板53に重ねられて配設されている。
【0037】
図2に示されるように、複数のキートップ71の各々は、円柱や四角柱などの柱状の部材である。各キートップ71は、基板53に形成された電気回路パターンの接点74と対向する位置に設けられている。上述したように、各キートップ71は、キー筐体55に形成された開口79を挿通されている。これにより、各キートップ71の上面、つまり各キートップ71の表面側は、キー筐体55の上面よりも上側に位置する。
【0038】
各キートップ71の下面、つまり各キートップ71の裏面側には、導電塗料(不図示、本発明の導電部の一例)が塗布されている。つまり、複数のキートップ71は、キートップ71毎に導電塗料を有する。換言すると、複数のキートップ71は、本発明の導電部を複数有する。導電塗料は、例えば、ポリイミド樹脂などの有機樹脂にカーボンなどの導電性の微粒子を分散させたものであって、公知である。公知の導電塗料は、いずれも本発明で使用することができる。上述したように、各キートップ71は、基板53に形成された電気回路パターンの接点74と対向する位置に設けられている。つまり、各キートップ71の裏面側に塗布された導電塗料の各々は、接点74の各々と対向している。
【0039】
図9及び図10に示されるように、各キートップ71の下端部とシート部73とは、薄膜部材75を介して繋がれている。以下に詳述する。薄膜部材75は、各キートップ71の下端部(裏面側の端部)の周縁部から外側に向かって放射状に延設されている。そして、薄膜部材75は、放射状に延設された端部、つまり外側の端部において、シート部73と接合されている。つまり、薄膜部材75は、その一端をキートップ71の下端部と接合され、その他端をシート部73と接合されている。
【0040】
ここで、薄膜部材75とキートップ71の下端部との接合位置は、薄膜部材75とシート部73との接合位置よりも高い。つまり、薄膜部材75は、キートップ71の下端部の周縁部から外側に向かって下側に傾斜しつつ放射状に延設されている。
【0041】
薄膜部材75は、シート部73及びキートップ71と同様に、ラバーキー54の一部を構成している。よって、本実施形態において、薄膜部材75は、シリコンラバーで形成されている。薄膜部材75は、シート部73やキートップ71よりも薄いため、シート部73やキートップ71よりも弾性変形によって湾曲し易い。通常、薄膜部材75は、図9及び図10に示されるように、真っ直ぐに延びた状態を維持している。この状態において、キートップ71の上面がユーザによって押下されると、薄膜部材75に上側から荷重が付加される。これにより、薄膜部材75は湾曲する。その結果、キートップ71は、下側に移動されて、基板53と当接する。
【0042】
一方、キートップ71と基板53とが当接された状態において、ユーザがキートップ71を押下していた手を離すと、薄膜部材75に荷重が付加されなくなる。これにより、薄膜部材75は、復元力によって湾曲された状態から真っ直ぐに延びた状態に戻る。以上より、キートップ71は、弾性変形されることにより基板53に接離する。
【0043】
[第1凸部72]
図2に示されるように、ラバーキー54は、シート部73及び複数のキートップ71に加えて、シート部73から突出している第1凸部72(本発明の第1凸部の一例)を備えている。図9及び図10に示されるように、第1凸部72は、シート部73から上側(キー筐体55側)及び下側(基板53側)の2つの向きに突出される。但し、本実施形態では図5〜図8に示されるように、シート部73の下側には基板53が当接される。そのため、第1凸部72は、基板53に阻まれて、見かけ上、シート部73から下側には突出されていない。
【0044】
図3(C)に示されるように、本実施形態において、第1凸部72は円柱形状の部材である。なお、第1凸部72は、円柱形状に限らず、例えば四角柱形状であってもよい。図7及び図8に示されるように、第1凸部72は、基板53に形成された電気回路パターンの接点74と対向する位置に設けられている。図5〜図10に示されるように、第1凸部72は、各キートップ71と異なり、キー筐体55に形成された開口79を挿通されていない。詳細には、キー筐体55は、第1凸部72の真上の位置に開口79を有していない。また、第1凸部72は、キー筐体55まで延びていない。つまり、第1凸部72は、キー筐体55に阻まれて、外部から視認できない。
【0045】
第1凸部72の下面、つまり第1凸部72の裏面側、換言すると基板53側の向きの突出先端面には、上述した導電塗料が塗布されている。つまり、第1凸部72は本発明の導電部を有する。上述したように、第1凸部72は、基板53に形成された電気回路パターンの接点74と対向する位置に設けられている。つまり、第1凸部72の裏面側に塗布された導電塗料は、接点74と対向している。
【0046】
図9及び図10に示されるように、第1凸部72の下端部とシート部73とは、薄膜部材76(本発明の薄膜部の一例)を介して繋がれている。薄膜部材76は、シート部73及び第1凸部72と同様に、ラバーキー54の一部を構成している。薄膜部材76は、上述したキートップ71とシート部73との間に設けられた薄膜部材75と同様に、シリコンラバーで形成されており、シート部73やキートップ71や第1凸部72よりも薄い。このため、薄膜部材76は、薄膜部材75と同様に、シート部73やキートップ71や第1凸部72よりも弾性変形によって湾曲し易い。
【0047】
薄膜部材76は、第1凸部72の下端部(基板53側の端部)の周縁部から外側に向かって放射状に延設されている。そして、薄膜部材76は、放射状に延設された端部、つまり外側の端部において、シート部73と接合されている。つまり、薄膜部材76は、その一端を第1凸部72の下端部と接合され、その他端をシート部73と接合されている。
【0048】
ここで、シート部73には、上側(キー筐体55側)に突出した第2凸部77(本発明の第2凸部の一例)が形成されている。第2凸部77は、第1凸部72を外側から取り囲むように設けられている。つまり、第2凸部77は、薄膜部材76の他端の位置において、シート部73から突出されている。換言すると、第2凸部77は、シート部73において、薄膜部材76の延設端部の周縁位置から突出されている。
【0049】
そして、本実施形態において、薄膜部材76の他端は、第2凸部77の上端部、つまり突出端部において、第2凸部77と接合されている。
【0050】
ここで、薄膜部材76と第1部材72の下端部との接合位置は、薄膜部材76と第2凸部77との接合位置よりも低い。つまり、薄膜部材76は、第1凸部72の下端部の周縁部から外側に向かって上側(キー筐体55側)に傾斜しつつ放射状に延設されている。すなわち、薄膜部材76は、薄膜部材75とは逆側に傾斜している。
【0051】
第1凸部72は、スキャナ筐体51の開閉に連動して、薄膜部材76の弾性変形によって基板53に接離する。第1凸部72の基板53との接離については、後述される。
【0052】
第1凸部72の側面には、孔78(本発明の孔78の一例)が形成されている。孔78には、後述される回動部材56が挿通される。
【0053】
[当接部材80]
図5〜図10に示されるように、キー筐体55には、当接部材80(本発明の当接部材の一例)が形成されている。当接部材80は、キー筐体55の下面(基板53と対向する面)において、第2凸部77と対向する位置から下向きに突出している。つまり、当接部材80は、第1凸部72を外側から取り囲むように形成される。図9及び図10に示されるように、当接部材80の突出端(下端)は、第2凸部77の突出端部と当接している。
【0054】
なお、本実施形態において、当接部材80の側面の一部には、以下で説明される回動部材56が挿通される開口43(図5参照)が形成されている。
【0055】
[回動部材56]
図2、図3、及び図5〜図8に示されるように、複合機10には、前後方向8に延びた検出子81(本発明の検出子の一例)と、検出子の前後方向8における概ね中央部から左側及び右側に突出した軸82(本発明の軸の一例)とを有する回動部材56(本発明の回動部材の一例)が配設されている。
【0056】
回動部材56が配設されている左右方向9の位置は、第1凸部72が設けられている位置である。また、回動部材56が配設されている前後方向8の位置は、第1凸部72が設けられている位置から後側である。また、回動部材56は、キー筐体55の下側に配設されている。
【0057】
検出子81の後側の部分は、キー筐体55の後端からキー筐体55の外側へ突出している。換言すると、検出子81の前側の部分は、キー筐体55に覆われているが、検出子81の後側の部分は、プリンタ筐体52の上方において露出された状態となっている。
【0058】
キー筐体55の下面において、検出子81の左側及び右側から延びた軸82の各々と対向する位置には、下向きに延びた2つのリブ83(図5及び図9参照)が形成されている。なお、図5においては、検出子81の右側から延びた軸82のみが記されている。各リブ83には切り欠き44(図9参照)が設けられており、回動部材56の軸82の各々は切り欠き44に回転可能に嵌められている。これにより、検出子81は、軸82を中心として回動可能である。
【0059】
図7及び図8に示されるように、検出子81の露出された後端部41(本発明の一端に相当)には、第4姿勢から第3姿勢に姿勢変化されるスキャナ筐体51の下面の前端部40が当接可能である。また、図5〜図8に示されるように、検出子81の前端部42(本発明の他端に相当)は、ラバーキー54の第1凸部72の側面に形成された孔78に挿入されている。検出子81の後端部41が矢印84の向き(図6及び図8参照)に回動された場合、検出子81の前端部42は矢印85の向き(図6及び図8参照)に回動される。これにより、検出子81の前端部42の下面は、孔78を形成する面のうち底面と当接する。一方、検出子81の後端部41が基板53に近付く矢印86の向き(本発明の第1向きに相当、図6及び図8参照)に回動された場合、検出子81の前端部42は基板53から離間する矢印87の向き(本発明の第2向きに相当、図6及び図8参照)に回動される。これにより、検出子81の前端部42の上面は、孔78を形成する面のうち天面と当接する。
【0060】
なお、本実施形態において、回動部材56の検出子81の前端部42には、検出子81が孔78から抜けることを防止するために、上側に突出された突起45(図6参照)が形成されている。
【0061】
[マイクロコンピュータ]
複合機10には、マイクロコンピュータ(不図示、本発明の検知部の一例)が設けられている。マイクロコンピュータは、接続ケーブルによって、基板53の電気回路パターンと接続されている。つまり、マイクロコンピュータは、第1凸部72と対向する接点74に対応する電気回路パターンとも、他の接点74(キートップ71と対向する接点74)に対応する電気回路パターンと同様に接続されている。
【0062】
これにより、第1凸部72と対向する接点74が開放されている場合、マイクロコンピュータには、第1凸部72と対向する接点74に対応する電気回路パターンから電流が流れない。一方、第1凸部72と対向する接点74が導通されている場合、マイクロコンピュータには、第1凸部72と対向する接点74に対応する電気回路パターンから電流が流れる。そして、後述するように、第1凸部72と対向する接点74は、スキャナ筐体51が第3姿勢の場合に開放され、スキャナ筐体51が第4姿勢の場合に導通される。
【0063】
つまり、マイクロコンピュータは、第1凸部72の導電塗料が塗布された面と対向する基板53の接点74の開閉に基づいて、スキャナ筐体51の開閉を検知する。換言すると、マイクロコンピュータは、第1凸部72と対向する接点74に対応する電気回路パターンから電流が流れるか否かに基づいて、スキャナ筐体51の開閉を検知する。例えば、マイクロコンピュータは、第1凸部72と対向する接点74を介して流れてくる電流の値を所定の閾値を比較する。そして、マイクロコンピュータは、当該電流の値が当該閾値以下の場合に、スキャナ筐体51が第3姿勢であると判定し、当該電流の値が当該閾値よりも大きい場合に、スキャナ筐体51が第4姿勢であると判定する。
【0064】
[開閉検知動作]
以下、スキャナ筐体51の開閉の検知動作が説明される。
【0065】
図9及び図10に示されるように、薄膜部材76は、基板73が配設されていない状態において、真っ直ぐに延びた状態を維持している。この状態において、基板73がラバーキー54の下側に配設されると、図5及び図6に示されるように、薄膜部材76は湾曲された状態となる。湾曲された状態の薄膜部材76は、復元力によって、真っ直ぐの状態に戻ろうとする。つまり、図5及び図6に示される状態において、第1凸部72は、薄膜部材76の復元力によって、下側に配設されている基板53に押しつけられている。
【0066】
スキャナ筐体51が開かれた状態(第4姿勢、図5及び図6参照)から閉じられた状態(第3姿勢、図7及び図8参照)に姿勢変化されると、当該姿勢変化の過程において、スキャナ筐体51の下面の前端部40は、回動部材56の検出子81の後端部41(図6及び図7参照)に、上側から当接する。これにより、検出子81の後端部41は、スキャナ筐体51に押され、矢印86の向き(図6及び図8参照)に回動される。すると、検出子81の前端部42は、矢印87の向き(図6及び図8参照)に回動され、図7及び図8に示される状態となる。つまり、検出子81の前端部42は、検出子81の後端部41の矢印86の向きへの回動に連動して、矢印87の向きに回動される。
【0067】
矢印87の向きに回動された検出子81の前端部42は、孔78を形成する面のうち天面と当接して、当該天面を押す。これにより、第1凸部72は、基板53から離間する矢印88(図6参照)の向きに移動される。その結果、図7及び図8に示されるように、第1凸部72は、基板53から離間される。
【0068】
第1凸部72が基板53から離間されると、基板53に形成された電気回路パターンの接点74が開放され、マイクロコンピュータには当該接点74からの電流が流れない。これにより、マイクロコンピュータは、当該接点74からの電流が上述した所定の閾値以下であると判定する。つまり、マイクロコンピュータは、スキャナ筐体51が第3姿勢であると検知する。
【0069】
図7及び図8に示されるように、第1凸部72が基板53から離間されている状態において、薄膜部材76は湾曲されている。湾曲された状態の薄膜部材76は、復元力によって、真っ直ぐの状態に戻ろうとする。つまり、湾曲された状態の薄膜部材76は、第1凸部72に対して、下側に配設されている基板53側への荷重を付与している。
【0070】
スキャナ筐体51が閉じられた状態(第3姿勢、図7及び図8)から開かれた状態(第4姿勢、図5及び図6参照)に姿勢変化されると、当該姿勢変化の過程において、スキャナ筐体51の下面の前端部40は、回動部材56の検出子81の後端部41から離間する。これにより、検出子81の後端部41は、スキャナ筐体51に押されなくなる。その結果、検出子81の前端部42は、薄膜部材76により付与された荷重によって、矢印85の向き(図6及び図8参照)に回動される。すると、検出子81の後端部41は、矢印84の向き(図6及び図8参照)に回動され、図5及び図6に示された状態となる。つまり、第1凸部72は、基板53に押しつけられる。
【0071】
第1凸部72が基板53に押しつけられると、基板53に形成された電気回路パターンの接点74が導通され、マイクロコンピュータには当該接点74からの電流が流れる。これにより、マイクロコンピュータは、当該接点74からの電流が上述した所定の閾値よりも大きいと判定する。つまり、マイクロコンピュータは、スキャナ筐体51が第4姿勢であると検知する。
【0072】
[実施形態の効果]
【0073】
本実施形態によれば、ラバーキー54を構成する第1凸部72は、薄膜部材76が弾性変形することによって、基板53に対して接離される。
【0074】
また、本実施形態によれば、スキャナ筐体51が開かれた姿勢(第4姿勢)から閉じられた姿勢(第3姿勢)に姿勢変化されると、検出子81の後端部41が基板53に近付く矢印86の向きに回動され、検出子81の前端部42が基板53から離間する矢印87の向きに回動される。第1凸部72は、検出子81の前端部42に押されることによって、矢印88の向きに移動され、基板53から離間される。その結果、基板53の接点74が開放される。マイクロコンピュータは、当該開放を検知することにより、スキャナ筐体51が閉じられたことを検知することができる。
【0075】
一方、スキャナ筐体51が閉じられた姿勢(第3姿勢)から開かれた姿勢(第4姿勢)に姿勢変化されると、スキャナ筐体51は検出子81の後端部41から離間される。これにより、第1凸部72は、検出子81の前端部42に押されない状態となる。ここで、薄膜部材76は、第1凸部72が基板53から離間されている状態において、第1凸部72に対して基板53側への荷重を付与する。よって、第1凸部72は、当該荷重によって、基板53側へ移動される。これにより、第1凸部72は、基板53と当接される。その結果、基板53の接点74が導通される。マイクロコンピュータは、当該導通を検知することにより、スキャナ筐体51が開かれたことを検知することができる。
【0076】
また、本実施形態によれば、第1凸部72が回動する検出子81の前端部42に押されて基板53から離間されるとき、薄膜部材76は第1凸部72の移動に追随して弾性変形される。このとき、薄膜部材76の延設端部の周縁位置、換言するとシート部73における薄膜部材76との接合位置の近傍位置が、第1凸部72の移動及び薄膜部材76の弾性変形に追随して、基板53から離間される向きに引っ張られて移動してしまうおそれがある。そこで、本実施形態においては、当該周縁位置が移動されることを防止するために、当接部材80が周縁位置を押さえている。
【0077】
ここで、本実施形態によれば、薄膜部材76は、第1凸部72の突出向きに傾斜しつつ放射状に延設されている。このため、シート部73は、当該傾斜が適切な角度で実現できる程度に、厚く構成される必要がある。
【0078】
そこで、本実施形態においては、第2凸部77が設けられている。そして、薄膜部材76の延設端部は、第2凸部77の突出端部において第2凸部77と接合されている。これにより、薄膜部材76の傾斜が、適切な角度で実現可能である。また、当接部材80は、第2凸部77と当接するように構成されている。これにより、シート部73は、第2凸部77が設けられている部分においてのみ厚く構成すれば足りる。つまり、本実施形態によれば、シート部73を薄く構成することができる。
【0079】
上述したように、本実施形態によれば、薄膜部材76は、第1凸部72が基板53から離間されている状態において、第1凸部72に対して基板53側への荷重を付与する。つまり、スキャナ筐体51の開閉を検知する機構を実現するために必要な付勢力を、バネを用いることなく得ることができる。換言すると、薄膜部材76がバネに代用される。その結果、本実施形態によれば、複合機10の製造工数を少なくすることができる。
【0080】
[実施形態の変形例1]
上述の実施形態においては、第2凸部77及び当接部材80は、第1凸部72を外側から取り囲むように設けられていたが、第2凸部77及び当接部材80は、第1凸部72を取り囲むように設けられていなくてもよい。
【0081】
例えば、第2凸部77または当接部材80の少なくとも一方が、複数の柱状の部材として設けられていてもよい。この場合、柱状の部材としての第2凸部77または当接部材80の少なくとも一方は、第1凸部72の周縁位置において所定の間隔を空けて設けられる。なお、柱状の部材としての第2凸部77または当接部材80の少なくとも一方は、3箇所以上に設けられることが望ましい。
【0082】
[実施形態の変形例2]
上述の実施形態においては、シート部73に第2凸部77が設けられていたが、シート部73に第2凸部77が設けられていなくてもよい。
【0083】
この場合、薄膜部材76は、放射状に延設された端部、つまり外側の端部において、シート部73の上面の縁部と接合される。
【0084】
また、当接部材80の突出端(下端)は、薄膜部材76の延設端部の周縁位置、換言するとシート部73における薄膜部材76との接合位置の近傍位置において、シート部73の上面と当接される。
【符号の説明】
【0085】
10・・・複合機
51・・・スキャナ筐体
52・・・プリンタ筐体
53・・・基板
54・・・ラバーキー
55・・・キー筐体
56・・・回動部材
71・・・キートップ
72・・・第1凸部
73・・・シート部
74・・・接点
76・・・薄膜部材
78・・・孔
80・・・当接部材
81・・・検出子
82・・・軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置筐体と、
上記装置筐体に連結されており、上記装置筐体に対して開姿勢及び閉姿勢に姿勢変化可能に設けられた開閉部材と、
複数の接点が形成された基板と、
薄板状のシート部、上記シート部から突出しており、弾性変形されることにより上記基板に接離する複数のキートップ、及び上記キートップの各々の裏面側に設けられており、上記接点の各々と対向する複数の導電部を有する操作キー部材と、
上記キートップの各々の表面側が挿入される複数の開口を有するキー筐体と、
上記キー筐体から上記基板に向かって突出しており、突出端が上記シート部と当接する当接部材と、
一端が上記開閉部材と当接可能且つ他端が上記操作キー部材と当接可能である検出子、及び上記検出子の上記一端と上記他端との間に設けられた軸を有し、上記軸を中心として回動可能な回動部材と、
上記開閉部材の開閉を検知する検知部と、を備え、
上記操作キー部材は、
上記シート部から上記基板側及び上記キー筐体側の2つの向きに突出しており、側面に孔が形成されており、上記基板側の向きの突出先端面に上記基板の接点と対向する導電部を有する第1凸部と、
上記第1凸部における上記基板側の端部から外側に向かって上記キー筐体側に傾斜しつつ放射状に延設されており、延設端部において上記シート部と接合されている薄膜部と、を備え、
上記検知部は、上記第1凸部の導電部と対向する上記基板の接点の開閉に基づいて、上記開閉部材の開閉を検知し、
上記当接部材は、上記薄膜部の延設端部の周縁位置において、上記シート部と当接しており、
上記第1凸部の孔には、上記検出子の他端が挿入されており、
上記検出子の一端は、開姿勢へ姿勢変化される上記開閉部材から離間され、且つ閉姿勢へ姿勢変化される上記開閉部材と当接されることによって上記基板に近付く第1向きに回動され、
上記検出子の他端は、上記検出子の一端の上記第1向きへの回動に連動して、上記基板から離間する第2向きに回動され、
上記第1凸部は、上記第2向きに回動される上記検出子の他端と当接することによって、上記基板から離間され、
上記薄膜部は、上記第1凸部が上記基板から離間されている状態において、上記第1凸部に対して上記基板側への荷重を付与する画像記録装置。
【請求項2】
上記シート部は、上記薄膜部の延設端部の周縁位置が上記キー筐体側に突出した第2凸部を備え、
上記薄膜部の延設端部は、上記第2凸部の突出端部において上記第2凸部と接合されており、
上記当接部材は、上記第2凸部の突出端部と当接する請求項1に記載の画像記録装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−250431(P2012−250431A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−124527(P2011−124527)
【出願日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】