説明

画像診断支援プログラム、方法及び装置

【課題】異常陰影候補の3次元部分画像を速やかに表示する。
【解決手段】本画像診断支援方法は、被検体を撮影した複数の断層画像の各々について、当該断層画像において病変部とみなされる異常陰影候補領域を探索するステップと、複数の断層画像を並べた仮想3次元画像における一部分の領域であって、各断層画像から検出された異常陰影候補領域により特定される異常陰影候補を包含する部分領域を特定し、複数の断層画像から、特定した部分領域に対応する画素データを部分画像データとして抽出するステップと、抽出された部分画像データと、仮想3次元画像における部分領域の位置情報とを対応付けて記憶装置に格納するステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、病変部とみなされる異常陰影候補の3次元画像を表示する分野の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えばCT(Computed Tomography)やMRI(Magnetic Resonance Imaging)などの検査に用いる撮影装置の性能が向上してきており、それに伴い、1回の検査で得られる断層画像の数が急増し、画像データ量も増加しつつある。ここで、例えば断層画像の数が膨大になると、断層画像を読影する医師の負担が大きくなってしまう。そこで、このような問題に対し、断層画像群から異常陰影候補を検出し、医師に提示する技術(例えば特開2004−41490号公報記載の技術等)が存在している。
【0003】
一方で、例えば断層画像群を3次元的に表示しようとする場合、従来技術では、先頭の断層画像から順に全ての断層画像についての画像データを読み込み、その後、3次元画像の描画処理を行うようになっている。そのため、例えば医師が異常陰影候補だけを確認したいと考えている場合であっても、その異常陰影候補を3次元的に表示するためには全ての断層画像についての画像データを読み込まなければならず、時間がかかってしまう。特に、上でも述べたように画像データ量は増加してきており、全ての断層画像についての画像データを読み込むのには、非常に時間がかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−41490号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】重本加奈恵,滝沢穂高,山本眞司,中川徹,松本徹,舘野之男,飯沼武,松本満臣,「3次元結節・血管モデルとテンプレートマッチングを用いた胸部X線CT画像からの結節陰影の高速認識」,MEDICAL IMAGING TECHNOLOGY,2003年,第21巻,第2号,p.147−155
【非特許文献2】Yongbum Lee, Takeshi Hara, Hiroshi Fujita, Shigeki Itoh, and Takeo Ishigaki, "Automated Detection of Pulmonary Nodules in Helical CT Images Based on an Improved Template-Matching Technique", IEEE TRANSACTIONS ON MEDICAL IMAGING, 2001, 20(7), p.595-604
【非特許文献3】Qiang Li, Shusuke Sone, Kunio Doi, "Selective enhancement filters for nodules,vessels,and air walls in two- and three-dimensional CT scans", Medical Physics, 2003, 30(8), p.2040-2051
【非特許文献4】Tomokazu Oda, Shinsuke Saita, Mitsuru Kubo, Yoshiki Kawata, Noboru Niki, Michizou Sasagawa, Hironobu Ohmatsu, Ryutaro Kakinuma, Masahiro Kaneko, Masahiro Kusumoto, Kenji Eguchi, Hiroyuki Nishiyama, Kiyoshi Mori and Noriyuki Moriyama : Nodule detection algorithm based on multi slice CT images for lung cancer screening, Proceedings of SPIE, Vol.5370, pp.1083-1090, San Diego, Feb. 2004.
【非特許文献5】早瀬陽介, 目加田慶人, 森健策, 長谷川純一, 鳥脇純一郎, 森雅樹, 名取博,3次元胸部X線CT像からの多発性小結節検出手法, 電子情報通信学会論文誌, DII, J87-DII, 1, pp.219-227, (Jan. 2004)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上で述べたように、従来技術では、異常陰影候補が予め分かっていたとしても、その異常陰影候補の3次元部分画像を速やかに表示することはできない。
【0007】
従って、本技術の目的は、異常陰影候補の3次元部分画像を速やかに表示することができるようにするための技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本画像診断支援方法は、被検体を撮影した複数の断層画像の各々について、当該断層画像において病変部とみなされる異常陰影候補領域を探索するステップと、複数の断層画像を並べた仮想3次元画像における一部分の領域であって、各断層画像から検出された異常陰影候補領域により特定される異常陰影候補を包含する部分領域を特定し、複数の断層画像から、特定した部分領域に対応する画素データを部分画像データとして抽出するステップと、抽出された部分画像データと、仮想3次元画像における部分領域の位置情報とを対応付けて記憶装置に格納するステップとを含む。
【発明の効果】
【0009】
異常陰影候補の3次元部分画像を速やかに表示することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施の形態に係る画像診断支援装置の機能ブロック図である。
【図2】検査画像データ格納部に格納されるデータの一例を示す図である。
【図3】異常陰影候補一覧テーブル格納部に格納される異常陰影候補一覧テーブルのテーブル例を示す図である。
【図4】部分画像データ格納部に格納されるデータの一例を示す図である。
【図5】検査画像データの一例を示す図である。
【図6】部分画像データを抽出・格納する際の処理フローを示す図である。
【図7】異常陰影候補抽出処理の処理フローを示す図である。
【図8】異常陰影候補抽出処理を説明するための図である。
【図9】異常陰影候補のイメージ図である。
【図10】部分画像データ抽出処理の処理フローを示す図である。
【図11】部分画像データの一例を示す図である。
【図12】部分画像対応付け処理の処理フロー(第1の部分)を示す図である。
【図13】臓器の位置のずれを算出する処理を説明するための図である。
【図14】部分画像対応付け処理の処理フロー(第2の部分)を示す図である。
【図15】表示処理の処理フローを示す図である。
【図16】部分画像データ格納部に格納されるデータの一例を示す図である。
【図17】3次元部分画像の表示例を示す図である。
【図18】コンピュータの機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1に、本技術の一実施の形態に係る画像診断支援装置1の機能ブロック図を示す。画像診断支援装置1は、検査画像データ格納部11と、入力部12と、異常陰影候補抽出部13と、異常陰影候補一覧テーブル格納部14と、部分画像データ抽出部15と、部分画像データ格納部16と、対応付け処理部17と、出力部18とを有する。なお、画像診断支援装置1は、CTやMRIなどの検査に用いる撮影装置(図示せず)と接続されており、被検体を撮影した複数の断層画像を含む検査画像データを撮影装置から受信すると、検査画像データを検査毎に検査画像データ格納部11に格納するようになっている。
【0012】
入力部12は、検査画像データ格納部11から、ある患者の検査画像データを読み込み、患者ID及び検査日などの検査情報と共に異常陰影候補抽出部13に出力する。また、入力部12は、医師等から表示指示を受け付けた場合には、当該表示指示を出力部18に出力する。異常陰影候補抽出部13は、入力部12から検査画像データを受信し、後で説明する異常陰影候補抽出処理を実施し、抽出結果を異常陰影候補一覧テーブル格納部14に登録する。また、異常陰影候補抽出部13は、異常陰影候補抽出処理を実施した後、検査情報を部分画像データ抽出部15に出力する。部分画像データ抽出部15は、異常陰影候補抽出部13から検査情報を受信すると、検査画像データ格納部11及び異常陰影候補一覧テーブル格納部14に格納されているデータに基づき、後で説明する部分画像データ抽出処理を実施し、抽出した部分画像データを部分画像データ格納部16に格納する。また、部分画像データ抽出部15は、部分画像データ抽出処理を実施した後、検査情報を対応付け処理部17に出力する。対応付け処理部17は、部分画像データ抽出部15から検査情報を受信すると、検査画像データ格納部11及び部分画像データ格納部16に格納されているデータに基づき、後で説明する部分画像対応付け処理を実施し、部分画像データと前回の部分画像データとを対応付けるためのデータを部分画像データ格納部16に格納する。出力部18は、入力部12から表示指示を受信し、異常陰影候補一覧テーブル格納部14に格納されているデータに基づき異常陰影候補の一覧を表示したり、部分画像データ格納部16に格納されている部分画像データに対して所定の3次元画像処理を施して3次元部分画像データを生成して表示したりする。また、出力部18は、3次元部分画像データを表示した後、検査画像データ格納部11に格納されている検査画像データに対して所定の3次元画像処理を施すなどして3次元画像データを生成し、表示装置等に表示する。
【0013】
図2に、検査画像データ格納部11に格納されるデータの一例を示す。図2の例では、検査画像データ格納部11には、患者IDの列と、検査日の列と、画像サイズの列と、画素間隔の列と、画像データの列とが含まれる。画素間隔の列には、1画素のサイズ(単位:mm)が設定される。なお、1画素のサイズは撮影装置によって異なる。また、画像データの列には、検査で撮影された複数の断層画像を含む検査画像データが登録される。
【0014】
図3に、異常陰影候補一覧テーブル格納部14に格納される異常陰影候補一覧テーブルのテーブル例を示す。図3の例では、異常陰影候補一覧テーブルには、患者IDの列と、検査日の列と、領域番号の列と、中心座標の列と、サイズの列とが含まれる。なお、領域番号の列には、後で説明する異常陰影候補抽出処理により抽出された異常陰影候補の外接する立体の領域を識別するための番号が設定される。また、中心座標の列には、異常陰影候補の外接する立体における中心座標が設定され、サイズの列には、その立体のサイズが設定される。
【0015】
図4に、部分画像データ格納部16に格納されるデータの一例を示す。図4の例では、部分画像データ格納部16には、患者IDの列と、検査日の列と、領域番号の列と、中心座標の列と、部分画像サイズの列と、画素間隔の列と、前回検査時領域番号の列と、部分画像データの列とが含まれる。なお、患者ID、検査日、領域番号及び中心座標については、異常陰影候補一覧テーブルに設定されているデータがそのまま設定される。また、画素間隔については、検査画像データ格納部11に設定されているデータがそのまま設定される。部分画像データの列には、後で説明する部分画像データ抽出処理により抽出された部分画像データが登録される。前回検査時領域番号の列には、前回の検査画像データから抽出された前回の部分画像データのうち、抽出部位が今回の部分画像データと同一とみなされる前回の部分画像データに対応する領域番号が設定される。
【0016】
次に、図5乃至図17を用いて画像診断支援装置1の処理を説明する。最初に、図5乃至図14を用いて、検査画像データから部分画像データを抽出し、前回の部分画像データと対応付けて格納する処理について説明する。例えば、画像診断装置1は、CTやMRIなどの撮影装置から新たな検査画像データを受信すると、検査画像データ格納部11に格納する。図5に検査画像データの一例を示す。図5に示すように、検査画像データには、複数の断層画像が含まれる。なお、図5は、肺野についての断層画像の一例を示す。
【0017】
そして、入力部12は、検査画像データ格納部11から検査画像データを読み込み(図6:ステップS1)、異常陰影候補抽出部13に出力する。この際、患者ID及び検査日などの検査情報も異常陰影候補抽出部13に出力する。
【0018】
そして、異常陰影候補抽出部13は、入力部12から検査画像データ及び検査情報を受信し、一旦記憶装置に格納する。そして、異常陰影候補抽出部13は、検査画像データに基づき、異常陰影候補抽出処理を実施する(ステップS3)。異常陰影候補抽出処理については図7乃至図9を用いて説明する。なお、異常陰影候補の抽出方法については、背景技術の欄で示した非特許文献2乃至5などに詳細が記載されているので、ここでは簡単に説明する。
【0019】
まず、異常陰影候補抽出部13は、検査画像データに含まれる断層画像から臓器領域を抽出する(図7:ステップS11)。例えば図8に示すように、肺野についての断層画像群に対して本ステップの処理を実施すると、肺野領域801が抽出される。
【0020】
そして、異常陰影候補抽出部13は、臓器領域から、例えば血管や気管支などの臓器内構造物の領域を抽出する(ステップS13)。図8に示すように、肺野領域801に対して本ステップの処理を実施すると、臓器内構造物領域802が抽出される。
【0021】
そして、異常陰影候補抽出部13は、臓器内構造物領域から、臓器内構造物の形状の特徴に従って、臓器内構造物とみなされる領域を取り除くことにより、初期候補領域を抽出する(ステップS15)。図8に示すように、臓器内構造物領域802に対して本ステップの処理を実施すると、初期候補領域803及び804が抽出される。
【0022】
そして、異常陰影候補抽出部13は、初期候補領域から異常陰影候補領域を特定する(ステップS17)。例えば初期候補領域には、病変部とみなされる部位以外に、血管の分岐部分などの領域が含まれる場合がある。そのため、本ステップでは、臓器内構造物との接続関係などを考慮して、血管や気管支の一部とみなされる部分を取り除き、最終的に残った領域を異常陰影候補領域として特定する。図8に示すように、初期候補領域803及び804に対して本ステップの処理を実施すると、初期候補領域804が取り除かれ、初期候補領域803が異常陰影候補領域として特定される。
【0023】
なお、上で述べたステップS11乃至ステップS17の処理を各断層画像について処理することにより、例えば図9に示すような立体的な異常陰影候補を特定することができる。
【0024】
そして、異常陰影候補抽出部13は、各異常陰影候補について、当該異常陰影候補の外接矩形(立体)のサイズ及び中心座標を算出し、入力部12から受信した検査情報と識別番号と共に異常陰影候補一覧テーブルに格納する(ステップS19)。そして、元の処理に戻る。
【0025】
図6の説明に戻って、異常陰影候補抽出部13は、異常陰影候補抽出処理を実施した後、検査情報を部分画像データ抽出部15に出力する。そして、部分画像データ抽出部15は、異常陰影候補抽出部13から検査情報を受信すると、検査画像データ格納部11及び異常陰影候補一覧テーブル格納部14に格納されているデータに基づき、部分画像データ抽出処理を実施する(ステップS5)。部分画像データ抽出処理については、図10及び図11を用いて説明する。
【0026】
まず、部分画像データ抽出部15は、異常陰影候補抽出部13から受信した検査情報を基に異常陰影候補一覧テーブルを検索し、今回の検査画像データから抽出された異常陰影候補のうち未処理の異常陰影候補を特定する(図10:ステップS21)。また、部分画像データ抽出部15は、特定した異常陰影候補に関するレコードを部分画像データ格納部16に追加する。患者ID、検査日、領域番号及び中心座標については、異常陰影候補一覧テーブルに設定されているデータをレコードに設定する。また、画素間隔については、検査画像データ格納部11に設定されているデータをレコードに設定する。
【0027】
そして、部分画像データ抽出部15は、特定の異常陰影候補の外接矩形のサイズから部分画像サイズを決定し(ステップS23)、部分画像データ格納部16に登録する。例えばn番目の異常陰影候補の外接矩形のサイズを(wn,hn,dn)とした場合、部分画像サイズ(w'n,h'n,d'n)は以下の式によって算出できる。
w'n=max(wn×2,MinSize/pitchx
h'n=max(hn×2,MinSize/pitchy
d'n=max(wn×2,MinSize/pitchz
なお、MinSizeは、部分画像データの最小サイズ(単位:mm)を表し、pitchは画素間隔を表す。本実施の形態では、外接矩形のサイズを2倍した値と最小サイズの値とのうち大きい方を部分画像サイズとして用いるようになっている。
【0028】
そして、部分画像データ抽出部15は、検査画像データ格納部11に格納されている今回の検査画像データから、特定の異常陰影候補の外接矩形の中心座標と部分画像サイズとにより特定される範囲の画素データを部分画像データとして抽出し、部分画像データ格納部16に格納する(ステップS25)。例えば、n番目の異常陰影候補の外接矩形の中心座標を(xn,yn,zn)、部分画像サイズを(w'n,h'n,d'n)とした場合、検査画像データ(X,Y,Z)における以下の範囲の画素データを部分画像データ3DSubImage(x',y',z')として抽出する。
(xn−w'n/2)≦X<(xn+w'n/2)
(yn−h'n/2)≦Y<(yn+h'n/2)
(zn−d'n/2)≦Z<(zn+d'n/2)
なお、例えば、(xn−w'n/2)<0となる場合には、上記範囲を0≦Xとする。また、(xn+w'n/2)≧W(W:X軸方向の画像サイズ)となる場合には、上記範囲をX<Wとする。これは、Y及びZについても同様である。なお、x'、y'及びz'の範囲は、0≦x'<w'n、0≦y'<h'n、0≦z'<d'nとなる。
【0029】
そして、部分画像データ抽出部15は、全ての異常陰影候補について処理が完了したか判断する(ステップS27)。全ての異常陰影候補について処理が完了していなければ(ステップS27:Noルート)、ステップS21に戻り、上で述べた処理を繰り返す。一方、全ての異常陰影候補について処理が完了した場合(ステップS27:Yesルート)、本処理を終了し、元の処理に戻る。
【0030】
例えば図9に示したような異常陰影候補に対して、部分画像データ抽出処理を実施すると、図11に示すような部分画像データが抽出される。図11では、異常陰影候補の周辺に一定のマージン領域を設けた形で部分画像データが抽出されている。
【0031】
図6の説明に戻って、部分画像データ抽出部15は、部分画像データ抽出処理を実施した後、検査情報を対応付け処理部17に出力する。そして、対応付け処理部17は、部分画像データ抽出部15から検査情報を受信すると、検査情報を基に検査画像データ格納部11を検索し、検査情報に係る患者に対する前回の検査画像データが検査画像データ格納部11に格納されているか判断する(ステップS7)。検査情報に係る患者に対する前回の検査画像データが検査画像データ格納部11に格納されていなければ(ステップS7:Noルート)、以下で説明する部分画像対応付け処理を行わずに、処理を終了する。
【0032】
一方、検査情報に係る患者に対する前回の検査画像データが検査画像データ格納部11に格納されている場合(ステップS7:Yesルート)、対応付け処理部17は、検査画像データ格納部11及び部分画像データ格納部16に格納されているデータに基づき、部分画像対応付け処理を実施する(ステップS9)。部分画像対応付け処理については、図12乃至図14を用いて説明する。
【0033】
まず、対応付け処理部17は、検査画像データ格納部11から今回の検査画像データ及び前回の検査画像データを読み出し、今回の検査画像データ及び前回の検査画像データの各々から、比較対象となる断層画像を抽出する(図12:ステップS31)。具体的には、ある臓器に着目し、その臓器の特徴に基づいて、撮影位置が同一とみなされる断層画像を抽出する。例えば肺野を撮影した断層画像であれば、気管支が現れ始める断層画像を探索し、抽出する。本ステップの処理を実施すると、例えば図13に示すように、今回の検査画像データ及び前回の検査画像データの各々から比較対象断層画像が抽出される。なお、ここでは、今回の検査画像データからは、i枚目の断層画像が抽出され、前回の検査画像データからは、j枚目の断層画像が抽出されたものとする。
【0034】
そして、対応付け処理部17は、各比較対象断層画像から臓器領域を抽出する(ステップS33)。なお、本ステップの処理は、ステップS11(図7)と同じ処理である。本ステップの処理を実施すると、図13に示すように、比較対象断層画像から臓器(肺野)領域が抽出される。
【0035】
そして、対応付け処理部17は、各比較対象断層画像について、抽出した臓器領域の外接矩形の位置を比較して、臓器の位置のずれを算出し、位置補正値として記憶装置に格納する(ステップS35)。例えば、図13に示すように、今回の検査画像データに係る肺野領域1301の外接矩形における左上の頂点を(a1x,a1y)とし、前回の検査画像データに係る肺野領域1302の外接矩形における左上の頂点を(a2x,a2y)とした場合、「a2x−a1x」がX軸方向のずれを表す値、「a2y−a1y」がY軸方向のずれを表す値となる。また、先頭の断層画像から比較対象断層画像までの距離をa1z及びa2zとした場合、「a2z−a1z」がZ軸方向のずれを表す値となる。ここで、a1z及びa2zは、a1z=(i−1)×pitchz、a2z=(j−1)×pitchzで表される。
【0036】
そして、対応付け処理部17は、検査情報を基に部分画像データ格納部16を検索し、今回の部分画像データを含むレコードのうち未処理のレコードを特定する(ステップS37)。そして、対応付け処理部17は、ステップS35において算出した位置補正値を用いて、特定レコードにおける中心座標を補正し、補正後の中心座標を記憶装置に格納する(ステップS39)。例えば、補正前の中心座標を(xn,yn,zn)とした場合、補正後の中心座標(pn,qn,rn)は、以下の式で表される。
n=xn+(a2x−a1x
n=yn+(a2y−a1y
n=zn+(a2z−a1z
そして、処理は端子Aを介してステップS41(図14)の処理に移行する。
【0037】
図14の説明に移行して、端子Aの後、対応付け処理部17は、検査情報を基に部分画像データ格納部16を検索し、前回の部分画像データを含むレコードが部分画像データ格納部16に格納されているか判断する(図14:ステップS41)。すなわち、前回の検査画像データから部分画像データが既に抽出されているか否か判断する。前回の部分画像データを含むレコードが部分画像データ格納部16に格納されていなければ(ステップS41:Noルート)、ステップS43の処理に移行する。
【0038】
そして、ステップS43の処理に移行して、対応付け処理部17は、抽出部位が今回の部分画像データと同一となるように、前回の検査画像データから前回の部分画像データを抽出し、部分画像データ格納部16にレコードを追加して、抽出した部分画像データを格納する(ステップS43)。この際、前回の検査画像データを識別するための番号を付与し、領域番号としてレコードに設定する。また、患者ID、検査日、画素間隔については、検査画像データ格納部11に設定されているデータをレコードに設定する。さらに、中心座標、部分画像サイズについては、抽出した部分画像データに応じた値をレコードに設定する。
【0039】
そして、対応付け処理部17は、抽出した前回の部分画像データと、特定レコードにおける今回の部分画像データとを対応付けるためのデータを特定レコードに登録する(ステップS45)。具体的には、特定レコードにおける前回検査時領域番号の列に、抽出した前回の部分画像データに対応する領域番号を登録する。その後、ステップS53の処理に移行する。
【0040】
一方、ステップS41において前回の部分画像データを含むレコードが部分画像データ格納部16に格納されていると判断された場合(ステップS41:Yesルート)、前回の部分画像データを含むレコード毎に、当該レコードにおける中心座標から、ステップS39において算出した補正後中心座標までの距離を算出し、最小距離を特定する(ステップS47)。そして、対応付け処理部17は、最小距離が所定の閾値未満であるか判断する(ステップS49)。なお、本実施の形態では、最小距離が所定の閾値未満の場合には、今回の部分画像データの抽出部位と前回の部分画像データの抽出部位とが同一であるものとみなす。最小距離が所定の閾値未満であると判断された場合(ステップS49:Yesルート)、対応付け処理部17は、補正後中心座標までの距離が最小となる前回の部分画像データと、特定レコードにおける今回の部分画像データとを対応付けるためのデータを特定レコードに登録する(ステップS51)。具体的には、特定レコードにおける前回検査時領域番号の列に、補正後中心座標までの距離が最小となる前回の部分画像データに対応する領域番号を登録する。その後、ステップS53の処理に移行する。
【0041】
一方、最小距離が所定の閾値以上であると判断された場合(ステップS49:Noルート)、ステップS43に移行し、上で述べたステップS43及びステップS45の処理を実施する。そして、ステップS53の処理に移行する。
【0042】
そして、ステップS53の処理に移行して、対応付け処理部17は、今回の部分画像データを含む全てのレコードについて処理が完了したか判断する(ステップS53)。今回の部分画像データを含む全てのレコードについて処理が完了していなければ(ステップS53:Noルート)、端子Bを介してステップS37に戻り、上で述べた処理を繰り返す。一方、今回の部分画像データを含む全てのレコードについて処理が完了した場合(ステップS53:Yesルート)、本処理を終了する。
【0043】
以上のような処理を実施することにより、異常陰影候補に対する部分画像データを抽出することができ、医師からの表示指示があった場合には、異常陰影候補の3次元部分画像を速やかに表示できるようになる。また、同一患者に対する前回の検査画像データがある場合には、異常陰影候補の過去の3次元部分画像も速やかに表示できるようになる。
【0044】
次に、図15乃至図17を用いて、画像診断支援装置1における表示処理について説明する。なお、上で述べたような処理が実施され、部分画像データが部分画像データ格納部16に格納されているものとする。例えば、医師が、画像診断支援装置1を操作して、患者ID及び検査日の指定を含む表示指示を入力する。なお、医師が、画像診断支援装置1とネットワークを介して接続されるコンピュータを操作して、画像診断支援装置1に表示指示を送信するような場合もある。そして、入力部12は、医師からの表示指示の入力を受け付け(図15:ステップS61)、表示指示を出力部18に出力する。
【0045】
そして、出力部18は、入力部12から表示指示を受信する。そして、出力部18は、表示指示に含まれる患者ID及び検査日を基に異常陰影候補一覧テーブルを検索し、表示指示に係る異常陰影候補のうち未処理の異常陰影候補を特定する(ステップS63)。そして、出力部18は、部分画像データ格納部16から、特定した異常陰影候補に対応する部分画像データを読み出す(ステップS65)。
【0046】
そして、出力部18は、部分画像データ格納部16を検索し、特定した異常陰影候補に対応する前回の部分画像データが存在するか判断する(ステップS67)。すなわち、部分画像データ格納部16において、特定した異常陰影候補に係るレコードに、前回検査時領域番号が設定されているか判断する。特定した異常陰影候補に対応する前回の部分画像データが存在する場合(ステップS67:Yesルート)、出力部18は、部分画像データ格納部16から、特定した異常陰影候補に対応する前回の部分画像データを読み出す(ステップS69)。そして、出力部18は、今回の部分画像データ及び前回の部分画像データに各々に対して3次元画像処理などを施すなどして、今回の3次元部分画像データと前回の3次元部分画像データとを生成し、表示装置に表示する(ステップS71)。その後、ステップS75の処理に移行する。
【0047】
一方、特定した異常陰影候補に対応する前回の部分画像データが存在しない場合(ステップS67:Noルート)、出力部18は、今回の部分画像データに対して3次元画像処理を施すなどして、今回の3次元部分画像データを生成し、表示装置に表示する(ステップS73)。その後、ステップS75の処理に移行する。
【0048】
例えば図16に示すようなデータが部分画像データ格納部16に格納されている際に、患者ID「0000000001」及び検査日「20090201」の指定を含む表示指示を受け付け、領域番号3の異常陰影候補が特定された場合、今回の部分画像データとして「3DSubImage002−3」が読み出され、前回の部分画像データとして「3DSubImage001−2」が読み出される。そして、例えば図17に示すような3次元部分画像が表示される。図17では、「3DSubImage002−3」に基づいて生成された3次元画像1701と、「3DSubImage001−2」に基づいて生成された3次元画像1702とが表示されている。
【0049】
そして、出力部18は、表示指示に係る全ての異常陰影候補について処理が完了したか判断する(ステップS75)。表示指示に係る全ての異常陰影候補について処理が完了していなければ(ステップS75:Noルート)、ステップS63に戻り、上で述べた処理を繰り返す。一方、表示指示に係る全ての異常陰影候補について処理が完了した場合(ステップS75:Yesルート)、出力部18は、検査画像データ格納部11から、表示指示に係る検査画像データを読み出し、3次元画像処理を施すなどして3次元画像データを生成して表示する(ステップS77)。すなわち、異常陰影候補の3次元部分画像を表示した後に、全体の3次元画像を表示する。なお、前回の検査画像データが存在する場合には、前回の3次元画像も表示する。例えば、本ステップを実施すると、図17に示した画面に、全体の3次元画像1711及び1712が表示されることとなる。そして、本処理を終了する。
【0050】
なお、異常陰影候補の一覧を医師に提示して、表示させたい異常陰影候補を医師に選択させるようにしてもよい。この場合には、選択された異常陰影候補の3次元部分画像を先に表示し、その後、全体の3次元画像を表示するようにすればよい。
【0051】
以上のような処理を実施することにより、検査画像データに含まれる複数の断層画像を全て読み込まなくても、異常陰影候補の3次元部分画像を表示することができる。そして、医師にとっては、異常陰影候補の3次元部分画像を速やかに確認できるようになる。
【0052】
以上本技術の一実施の形態を説明したが、本技術はこれに限定されるものではない。例えば、上で説明した画像診断支援装置1の機能ブロック図は必ずしも実際のプログラムモジュール構成に対応するものではない。
【0053】
また、上で説明した各テーブルの構成は一例であって、必ずしも上記のような構成でなければならないわけではない。さらに、処理フローにおいても、処理結果が変わらなければ処理の順番を入れ替えることも可能である。さらに、並列に実行させるようにしても良い。
【0054】
以上本実施の形態をまとめると以下のようになる。
【0055】
本画像診断支援方法は、被検体を撮影した複数の断層画像の各々について、当該断層画像において病変部とみなされる異常陰影候補領域を探索するステップと、複数の断層画像を並べた仮想3次元画像における一部分の領域であって、各断層画像から検出された異常陰影候補領域により特定される異常陰影候補を包含する部分領域を特定し、複数の断層画像から、特定した部分領域に対応する画素データを部分画像データとして抽出するステップと、抽出された部分画像データと、仮想3次元画像における部分領域の位置情報とを対応付けて記憶装置に格納するステップとを含む。
【0056】
このようにすれば、異常陰影候補を包含する領域の画素データが部分画像データとして抽出されて記憶装置に格納されるので、部分画像データから異常陰影候補の3次元部分画像を表示することができるようになる。すなわち、異常陰影候補の3次元部分画像を表示する際に、全ての断層画像についての画像データを読み込む必要がなくなり、異常陰影候補の3次元部分画像を迅速に表示できるようになる。
【0057】
また、ユーザからの表示指示に応じて、記憶装置から部分画像データを読み出し、部分画像データに基づき3次元部分画像データを生成し、表示するステップをさらに含むようにしてもよい。このようにすれば、例えばユーザである医師は、異常陰影候補の3次元部分画像を速やかに確認できるようになる。
【0058】
さらに、同一の被検体について過去に撮影された複数の断層画像が存在する場合、当該過去に撮影された複数の断層画像から抽出され且つ抽出部位が部分画像データと同一とみなされる過去部分画像データが既に記憶装置に格納されているか判断する判断ステップと、記憶装置に過去部分画像データが格納されていない場合、過去に撮影された複数の断層画像から過去部分画像データを抽出し、記憶装置に格納するステップと、部分画像データと過去部分画像データとを対応付けるためのデータを記憶装置に格納するステップとをさらに含むようにしてもよい。このようにすれば、過去に撮影された断層画像がある場合には、部分画像データと過去部分画像データとが対応付けられて記憶装置に格納されるので、異常陰影候補の過去の3次元部分画像についても速やかに表示できるようになる。
【0059】
また、ユーザからの表示指示に応じて、記憶装置から部分画像データと当該部分画像データに対応する過去部分画像データとを読み出し、部分画像データに基づき3次元部分画像データを生成すると共に過去部分画像データに基づき過去の3次元部分画像データを生成し、3次元部分画像データと過去の3次元部分画像データとを表示するステップをさらに含むようにしてもよい。このようにすれば、例えばユーザである医師は、異常陰影候補の過去の3次元部分画像についても速やかに確認できるようになる。
【0060】
また、上記判断ステップにおいて、抽出部位における所定の基準点間の距離が所定の閾値未満の場合、抽出部位が同一であるとみなす場合もある。
【0061】
さらに、上記判断ステップにおいて、複数の断層画像における被検体の位置と過去に撮影された複数の断層画像における被検体の位置とにずれが生じている場合には、被検体の位置のずれを表す位置補正値を算出し、当該位置補正値を用いて所定の基準点の位置を補正する場合もある。このようにすれば、位置補正値を用いて所定の基準点(例えば中心座標など)を補正するので、今回撮影された断層画像と過去に撮影された断層画像とにおいて被検体の位置にずれが生じている場合であっても、抽出部位の同一性を適切に判断できるようになる。
【0062】
なお、画像診断支援装置1をハードウエアと共に実現するためのプログラムを作成することができ、当該プログラムは、例えばフレキシブルディスク、CD−ROM、光磁気ディスク、半導体メモリ、ハードディスク等の記憶媒体又は記憶装置に格納される。尚、中間的な処理結果はメインメモリ等の記憶装置に一時保管される。
【0063】
また、画像診断支援装置1は、図18に示すように、メモリ2501(記憶部)とCPU2503(処理部)とハードディスク・ドライブ(HDD)2505と表示装置2509に接続される表示制御部2507とリムーバブル・ディスク2511用のドライブ装置2513と入力装置2515とネットワークに接続するための通信制御部2517とがバス2519で接続されている。OS及びWebブラウザを含むアプリケーション・プログラムは、HDD2505に格納されており、CPU2503により実行される際にはHDD2505からメモリ2501に読み出される。必要に応じてCPU2503は、表示制御部2507、通信制御部2517、ドライブ装置2513を制御して、必要な動作を行わせる。また、処理途中のデータについては、メモリ2501に格納され、必要があればHDD2505に格納される。このようなコンピュータは、上で述べたCPU2503、メモリ2501などのハードウエアとOS及び必要なアプリケーション・プログラムとが有機的に協働することにより、上で述べたような各種機能を実現する。
【0064】
以上の実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0065】
(付記1)
被検体を撮影した複数の断層画像の各々について、当該断層画像において病変部とみなされる異常陰影候補領域を探索するステップと、
前記複数の断層画像を並べた仮想3次元画像における一部分の領域であって、各前記断層画像から検出された前記異常陰影候補領域により特定される異常陰影候補を包含する部分領域を特定し、前記複数の断層画像から、特定した前記部分領域に対応する画素データを部分画像データとして抽出するステップと、
抽出された前記部分画像データと、前記仮想3次元画像における前記部分領域の位置情報とを対応付けて記憶装置に格納するステップと、
をコンピュータに実行させるための画像診断支援プログラム。
【0066】
(付記2)
同一の前記被検体について過去に撮影された複数の断層画像が存在する場合、当該過去に撮影された複数の断層画像から抽出され且つ抽出部位が前記部分画像データと同一とみなされる過去部分画像データが既に前記記憶装置に格納されているか判断する判断ステップと、
前記記憶装置に前記過去部分画像データが格納されていない場合、前記過去に撮影された複数の断層画像から前記過去部分画像データを抽出し、前記記憶装置に格納するステップと、
前記部分画像データと前記過去部分画像データとを対応付けるためのデータを前記記憶装置に格納するステップと、
をさらにコンピュータに実行させるための付記1記載の画像診断支援プログラム。
【0067】
(付記3)
ユーザからの表示指示に応じて、前記記憶装置から前記部分画像データを読み出し、前記部分画像データに基づき3次元部分画像データを生成し、表示するステップ
をさらにコンピュータに実行させるための付記1記載の画像診断支援プログラム。
【0068】
(付記4)
ユーザからの表示指示に応じて、前記記憶装置から前記部分画像データと当該部分画像データに対応する前記過去部分画像データとを読み出し、前記部分画像データに基づき3次元部分画像データを生成すると共に前記過去部分画像データに基づき過去の3次元部分画像データを生成し、前記3次元部分画像データと前記過去の3次元部分画像データとを表示するステップ
をさらにコンピュータに実行させるための付記2記載の画像診断支援プログラム。
【0069】
(付記5)
前記判断ステップにおいて、前記抽出部位における所定の基準点間の距離が所定の閾値未満の場合、前記抽出部位が同一であるとみなす
付記2記載の画像診断支援プログラム。
【0070】
(付記6)
前記判断ステップにおいて、前記複数の断層画像における前記被検体の位置と前記過去に撮影された複数の断層画像における前記被検体の位置とにずれが生じている場合には、前記被検体の位置のずれを表す位置補正値を算出し、当該位置補正値を用いて前記所定の基準点の位置を補正する
付記5記載の画像診断支援プログラム。
【0071】
(付記7)
被検体を撮影した複数の断層画像の各々について、当該断層画像において病変部とみなされる異常陰影候補領域を探索するステップと、
前記複数の断層画像を並べた仮想3次元画像における一部分の領域であって、各前記断層画像から検出された前記異常陰影候補領域により特定される異常陰影候補を包含する部分領域を特定し、前記複数の断層画像から、特定した前記部分領域に対応する画素データを部分画像データとして抽出するステップと、
抽出された前記部分画像データと、前記仮想3次元画像における前記部分領域の位置情報とを対応付けて記憶装置に格納するステップと、
を含み、コンピュータにより実行される画像診断支援方法。
【0072】
(付記8)
被検体を撮影した複数の断層画像の各々について、当該断層画像において病変部とみなされる異常陰影候補領域を探索する手段と、
前記複数の断層画像を並べた仮想3次元画像における一部分の領域であって、各前記断層画像から検出された前記異常陰影候補領域により特定される異常陰影候補を包含する部分領域を特定し、前記複数の断層画像から、特定した前記部分領域に対応する画素データを部分画像データとして抽出する手段と、
抽出された前記部分画像データと、前記仮想3次元画像における前記部分領域の位置情報とを対応付けて記憶装置に格納する手段と、
を有する画像診断支援装置。
【符号の説明】
【0073】
1 画像診断支援装置
11 検査画像データ格納部 12 入力部
13 異常陰影候補抽出部 14 異常陰影候補一覧テーブル格納部
15 部分画像データ抽出部 16 部分画像データ格納部
17 対応付け処理部 18 出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体を撮影した複数の断層画像の各々について、当該断層画像において病変部とみなされる異常陰影候補領域を探索するステップと、
前記複数の断層画像を並べた仮想3次元画像における一部分の領域であって、各前記断層画像から検出された前記異常陰影候補領域により特定される異常陰影候補を包含する部分領域を特定し、前記複数の断層画像から、特定した前記部分領域に対応する画素データを部分画像データとして抽出するステップと、
抽出された前記部分画像データと、前記仮想3次元画像における前記部分領域の位置情報とを対応付けて記憶装置に格納するステップと、
をコンピュータに実行させるための画像診断支援プログラム。
【請求項2】
同一の前記被検体について過去に撮影された複数の断層画像が存在する場合、当該過去に撮影された複数の断層画像から抽出され且つ抽出部位が前記部分画像データと同一とみなされる過去部分画像データが既に前記記憶装置に格納されているか判断する判断ステップと、
前記記憶装置に前記過去部分画像データが格納されていない場合、前記過去に撮影された複数の断層画像から前記過去部分画像データを抽出し、前記記憶装置に格納するステップと、
前記部分画像データと前記過去部分画像データとを対応付けるためのデータを前記記憶装置に格納するステップと、
をさらにコンピュータに実行させるための請求項1記載の画像診断支援プログラム。
【請求項3】
ユーザからの表示指示に応じて、前記記憶装置から前記部分画像データを読み出し、前記部分画像データに基づき3次元部分画像データを生成し、表示するステップ
をさらにコンピュータに実行させるための請求項1記載の画像診断支援プログラム。
【請求項4】
ユーザからの表示指示に応じて、前記記憶装置から前記部分画像データと当該部分画像データに対応する前記過去部分画像データとを読み出し、前記部分画像データに基づき3次元部分画像データを生成すると共に前記過去部分画像データに基づき過去の3次元部分画像データを生成し、前記3次元部分画像データと前記過去の3次元部分画像データとを表示するステップ
をさらにコンピュータに実行させるための請求項2記載の画像診断支援プログラム。
【請求項5】
被検体を撮影した複数の断層画像の各々について、当該断層画像において病変部とみなされる異常陰影候補領域を探索するステップと、
前記複数の断層画像を並べた仮想3次元画像における一部分の領域であって、各前記断層画像から検出された前記異常陰影候補領域により特定される異常陰影候補を包含する部分領域を特定し、前記複数の断層画像から、特定した前記部分領域に対応する画素データを部分画像データとして抽出するステップと、
抽出された前記部分画像データと、前記仮想3次元画像における前記部分領域の位置情報とを対応付けて記憶装置に格納するステップと、
を含み、コンピュータにより実行される画像診断支援方法。
【請求項6】
被検体を撮影した複数の断層画像の各々について、当該断層画像において病変部とみなされる異常陰影候補領域を探索する手段と、
前記複数の断層画像を並べた仮想3次元画像における一部分の領域であって、各前記断層画像から検出された前記異常陰影候補領域により特定される異常陰影候補を包含する部分領域を特定し、前記複数の断層画像から、特定した前記部分領域に対応する画素データを部分画像データとして抽出する手段と、
抽出された前記部分画像データと、前記仮想3次元画像における前記部分領域の位置情報とを対応付けて記憶装置に格納する手段と、
を有する画像診断支援装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図18】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−220826(P2010−220826A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−71690(P2009−71690)
【出願日】平成21年3月24日(2009.3.24)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】