説明

画像診断装置

【課題】診断部位に関する情報を正確に把握することが容易であり診断効率を向上できる。
【解決手段】放射線検出データを取得する際には、被検体SUの体腔において体腔プローブ部11が挿入される位置をプローブ位置検出部43が検出する。そして、スライス画像生成部2311が生成したスライス画像に基づいて、そのスライス画像において体腔プローブ部11が挿入される位置を挿入位置検出部2312が検出する。そして、画像合成部2313は、放射線検出データを取得する際に被検体SUにおいて移動された体腔プローブ部11の位置情報と、被検体SUにおいて取得された磁気共鳴信号の位置情報とに基づいて、放射線画像とスライス画像とが被検体SUにおいて同じ位置になるように位置合わせして合成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像診断装置に関し、特に、被検体の体腔に挿入された体腔プローブ部が、その被検体の体腔において放射線を検出することによって得た放射線検出データに基づいて、その体腔プローブ部が検出した放射線の強度を示す放射線画像を生成すると共に、その被検体において体腔を含む撮影領域についてスキャンを実施し得られたローデータに基づいて、その被検体において体腔を含むスライス面についてのスライス画像を生成する画像診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
被検体から磁気共鳴信号を取得するスキャンを実施し、その取得した磁気共鳴信号に基づいてイメージングを実施する磁気共鳴イメージング(MRI:Magnetic Resonance Imaging)装置や、被検体の体腔に挿入され、その被検体の体腔において放射線を検出するRI(RI:Radio Isotope)プローブ装置などの画像診断装置が知られている。この画像診断装置は、被検体の内部の情報をイメージングする装置として、医療分野などのさまざまな分野において利用されている。
【0003】
画像診断において利用する際には、より効率的であって高い診断能力を得るために、それぞれの特徴を生かすように組み合わせて使用されている(たとえば、特許文献1,特許文献2,特許文献3参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2002−165775号公報
【特許文献2】特開2003−98259号公報
【特許文献3】特開2004−24582号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
たとえば、被検体のスライス面についてのイメージングを実施するMRI装置と、放射線を検出する体腔プローブ部を被検体内の体腔に挿入してイメージングを実施するRIプローブ装置との両者を用いて、画像診断を行う場合がある。
【0006】
この場合には、まず、RIプローブ装置において、被検体内の体腔に体腔プローブ部を挿入してイメージングを実施する。
【0007】
ここでは、放射線同位元素を被検体に注入した後に、その被検体の食道などの体腔に体腔プローブ部を挿入し、たとえば、被検体中の癌細胞に集まった放射線同位元素から発生する放射線を体腔プローブ部が検出し放射線検出データを取得する。そして、その放射線検出データに基づいて放射線画像を生成し、画像診断を実施する。たとえば、被検体中の癌細胞の位置を検出し、その被検体において存在する癌細胞の位置を示す放射線画像を生成する。
【0008】
つぎに、MRI装置を用いてイメージングを実施する。
【0009】
ここでは、RIプローブ装置での画像診断結果に基づいて、MRI装置にてイメージングを実施する被検体の撮影領域に位置合わせをする。たとえば、MRI装置にて検知されるMRマーカーを被検体に設け、そのMRマーカーを特徴点として、位置合わせを実施する。その後、その被検体の撮影領域からMR信号をMRI装置が受信し、そのMR信号に基づいてスライス画像を生成し、画像診断を実施する。
【0010】
このように、RIプローブ装置でのイメージングとMRI装置でのイメージングとを、順次、独立に実施する。これは、MRIに対応するように、RIプローブ装置の全てを非磁性体で形成することが困難であるために、両者のイメージングを同時に実施することが困難であることに起因する。このため、RIプローブ装置によってイメージングされた放射線画像と、MRI装置によってイメージングされたスライス画像とを互いに位置合わせして合成画像を生成後、その合成画像を表示させて画像診断をする際には、その放射線画像とスライス画像とを正確に位置合わせすることが容易ではない。よって、診断部位に関する情報を正確に把握することが困難な場合がある。
【0011】
以上のように、被検体のスライス面についてのイメージングを実施するMRI装置と、放射線を検出する体腔プローブ部を被検体内の体腔に挿入してイメージングを実施するRIプローブ装置とのように、複数のイメージング装置を用いて画像診断をする場合には、診断部位に関する情報を正確に把握することが困難な場合があるために、診断効率が低下する場合がある。
【0012】
したがって、本発明の目的は、診断効率を向上可能な画像診断装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、本発明の画像診断装置は、被検体の体腔に挿入された体腔プローブ部が前記被検体の体腔において放射線を検出することによって得た放射線検出データに基づいて、前記被検体の体腔において前記体腔プローブ部が検出した前記放射線の強度を示す放射線画像を生成する放射線画像生成部と、前記被検体において前記体腔を含む撮影領域についてスキャンを実施することにより得られるローデータに基づいて、前記被検体において前記体腔を含むスライス面についてのスライス画像を生成するスライス画像生成部と、前記放射線画像生成部によって生成された前記放射線画像と、前記スライス画像生成部によって生成された前記スライス画像とを合成することによって、合成画像を生成する画像合成部とを有する画像診断装置であって、前記被検体の体腔において前記体腔プローブ部が挿入される位置を検出し、第1挿入位置データを取得する第1の挿入位置検出部と、前記スライス画像生成部によって生成されたスライス画像に基づいて、前記スライス画像において前記体腔プローブ部が挿入される位置を検出し、第2挿入位置データを取得する第2の挿入位置検出部とを含み、前記画像合成部は、前記第1の挿入位置検出部によって取得された前記第1挿入位置データと、前記第2の挿入位置検出部によって取得された前記第2挿入位置データとのそれぞれに基づいて、前記放射線画像生成部が生成した前記放射線画像と前記スライス画像生成部が生成したスライス画像とが前記被検体において同じ位置になるように、前記放射線画像と前記スライス画像とを位置合わせして合成する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、診断効率を向上可能な画像生成方法および画像診断装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下より、本発明にかかる実施形態の一例について図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、本発明にかかる実施形態において、画像診断装置1を示す図である。
【0017】
図1に示すように、本実施形態の画像診断装置1は、RIプローブ装置10と磁気共鳴イメージング装置200とを有する。
【0018】
(RIプローブ装置)
RIプローブ装置10について説明する。
【0019】
図2は、本発明にかかる実施形態において、RIプローブ装置10の構成を示す構成図である。
【0020】
図2に示すように、本実施形態のRIプローブ装置10は、体腔プローブ部11と、回転移動部21と、計装部31と、制御部41と、放射線画像生成部42と、プローブ位置検出部43と、表示部51と、操作部61とを有する。各部について、順次、説明する。
【0021】
体腔プローブ部11は、図2に示すように、検出部111と、挿入部112とを有し、放射線同位元素が注入された被検体の体腔に挿入され、その被検体の内部の体腔において放射線を検出することによって放射線検出データを取得する。たとえば、体腔プローブ部11は、被検体の体腔として食道に挿入される。
【0022】
体腔プローブ部11の検出部111は、図2に示すように、挿入部112において被検体へ挿入される先端側に位置するように設けられている。
【0023】
図3は、本実施形態において、体腔プローブ部11の検出部111についての断面図である。
【0024】
図3に示すように、検出部111は、被検体の内部においてガンマ線とベータ線とを受けて発光する第1シンチレータ111aと、その第1シンチレータ111aを支持すると共に、第1シンチレータ111aを透過したガンマ線を受け発光する第2シンチレータ111bとを含む。第1シンチレータ111aと第2シンチレータ111bは、たとえば、ヨウ化セシウムなどからなる。第1シンチレータ111aは、円筒状に形成されており、円柱状の第2シンチレータ111bの周囲を覆うように、配置されている。
【0025】
一方、体腔プローブ部11の挿入部112は、柔軟で可撓性を有すると共に遮光性の管状体であり、被検体の体腔に挿入される。また、挿入部112には、内部に光ファイバ(図示なし)が貫通している。この光ファイバは、検出部111の第1シンチレータ111aと第2シンチレータ111bとのそれぞれに接続されており、この第1シンチレータ111aと第2シンチレータ111bとのそれぞれからの光を、計装部31へ伝送する。
【0026】
回転移動部21は、複数のモータ(図示なし)を含み、モーターが体腔プローブ部11の検出部111を被検体の体腔内において挿入方向を軸にして定速で回転させると共に、挿入方向に沿って定速で移動させる。
【0027】
計装部31は、光電変換装置(図示なし)を含み、この光電変換装置が、第1シンチレータ111aと第2シンチレータ111bとのそれぞれにおいて発生する光を、挿入部112の光ファイバを介して受けて電気信号に変換する。また、計装部31は、カウンター回路を含み、光電変換装置によって変換された電気信号に基づいて、この検出した放射線の強度を示すカウント値をカウンター回路が出力する。具体的には、ガンマ線とベータ線とによって発光する第1シンチレータ111aから得られた信号と、ガンマ線によって発光する第2シンチレータ111bから得られた信号とを差分し、その差分値をベータ線についてのカウント値として求める。そして、計装部31は、回転移動部21によって移動された体腔プローブ部11の検出部111の位置情報を受け、上述のように求めたカウント値のデータに関連付けて、放射線画像生成部42へ出力する。
【0028】
制御部41は、オペレータにより操作部61に入力された操作指令に基づいて各部を制御する。
【0029】
放射線画像生成部42は、コンピュータと、そのコンピュータを用いて所定のデータ処理を実行するプログラムとを有しており、制御部41からの制御信号に基づいて、画像を生成する。
【0030】
放射線画像生成部42は、被検体SUの体腔に挿入された体腔プローブ部11が、その被検体SUの体腔において放射線を検出することによって得た放射線検出データに基づいて、その被検体SUの体腔において体腔プローブ部11が検出した放射線の強度を示す放射線画像を生成する。つまり、放射線画像生成部42は、前述の体腔プローブ部11が放射線を検出することによって得た放射線検出データを受けて、放射線画像を生成する。ここでは、計装部31から放射線のカウント値のデータを受け、たとえば、その放射線のカウント値と、検出部111の位置との関係を示すプロファイル画像を、その放射線画像として生成する。
【0031】
また、本実施形態においては、放射線画像生成部42は、被検体SUの体腔において挿入され移動している体腔プローブ部11が放射線を検出する実時間に対応するように、放射線画像を生成する。具体的には、放射線画像生成部42は、体腔プローブ部11が被検体SUの体腔に挿入される挿入方向に沿った面に対応するように、放射線画像を生成する。たとえば、サジタル面とコロナル面とのそれぞれについての放射線画像を生成する。また、放射線画像生成部42は、体腔プローブ部11が被検体SUの体腔に挿入される挿入方向を垂線とする面に対応するように、放射線画像を生成する。つまり、アキシャル面についての放射線画像を生成する。
【0032】
ここでは、放射線画像生成部42は、被検体SUにおいて体腔プローブ部11が放射線を検出する検出範囲に対応すると共に、その体腔プローブ部11によって検出された放射線の強度に応じて色濃度が異なるように、この放射線画像を生成する。具体的には、放射線画像生成部42は、体腔プローブ部11によって検出された放射線の強度が大きくなるに伴って色濃度が濃くなるように、放射線画像を生成する。
【0033】
プローブ位置検出部43は、体腔プローブ部11が体腔に挿入された被検体SUにおいて、その体腔プローブ部11が体腔にて移動する位置を検出する。ここでは、回転移動部21が被検体SUの体腔にて体腔プローブ部11を移動させた距離の情報から、その体腔プローブ部11の検出部111の位置情報を算出し、第1挿入位置データとして取得する。たとえば、被検体の口を基準位置とし、その基準位置から挿入され移動された距離の情報を受けて、その体腔プローブ部11の検出部111の位置情報とする。
【0034】
表示部51は、たとえば、CRTを含み、制御部41からの指令に基づき、表示面に画像を表示する。本実施形態においては、表示部51は、放射線画像生成部42によって生成された画像を表示画面に表示する。
【0035】
操作部61は、たとえば、キーボードやポインティングデバイスなどを含み、オペレータによる入力操作に基づいて、操作命令などの指令を制御部41に入力する。
【0036】
(磁気共鳴イメージング装置)
磁気共鳴イメージング装置200について説明する。
【0037】
図4は、本発明にかかる実施形態において、磁気共鳴イメージング装置200の構成を示す構成図である。
【0038】
図4に示すように、磁気共鳴イメージング装置200は、スキャン部202と、操作コンソール部203とを有する。
【0039】
スキャン部202について説明する。
【0040】
スキャン部202は、図4に示すように、静磁場マグネット部212と、勾配コイル部213と、RFコイル部214と、RF駆動部222と、勾配駆動部223と、データ収集部224と、クレードル226とを有しており、静磁場が形成された撮影空間B内において被検体SUの撮影領域からの磁気共鳴信号をローデータとして取得するスキャンを実施する。
【0041】
本実施形態においては、被検体SUにおいて、RIプローブ装置10によって放射線が検出される体腔を含む撮影領域について、拡散強調撮像法によってスキャンを実施し、その撮影領域についての磁気共鳴信号をローデータとして取得する。また、その他に、スキャン部202は、T1強調撮像法とT2強調撮像法とのそれぞれによってスキャンを実施し、その撮影領域についての磁気共鳴信号をローデータとして取得する。
【0042】
スキャン部202の各構成要素について、順次、説明する。
【0043】
静磁場マグネット部212は、たとえば、被検体SUが収容される撮像空間Bを挟むように設けられた超伝導磁石を含み、その超伝導磁石が撮像空間Bに静磁場を形成する。ここでは、静磁場マグネット部212は、被検体SUの体軸方向に沿った方向Zに静磁場の方向が沿うように静磁場を形成する。なお、静磁場マグネット部212は、永久磁石により構成されていてもよい。
【0044】
勾配コイル部213は、静磁場が形成された撮像空間Bに勾配磁場を形成し、RFコイル部214が受信する磁気共鳴信号に位置情報を付加する。ここでは、勾配コイル部213は、3系統からなり、撮像条件に応じて、周波数エンコード方向と位相エンコード方向とスライス選択方向とのそれぞれに勾配磁場を形成する。具体的には、勾配コイル部213は、被検体SUのスライス選択方向に勾配磁場を印加し、RFコイル部214がRFパルスを送信することによって励起させる被検体SUのスライスを選択する。また、勾配コイル部213は、被検体SUの位相エンコード方向に勾配磁場を印加し、RFパルスにより励起されたスライスからの磁気共鳴信号を位相エンコードする。そして、勾配コイル部213は、被検体SUの周波数エンコード方向に勾配磁場を印加し、RFパルスにより励起されたスライスからの磁気共鳴信号を周波数エンコードする。
【0045】
RFコイル部214は、図4に示すように、被検体SUの撮影領域を囲むように配置される。RFコイル部214は、静磁場マグネット部212によって静磁場が形成される撮像空間B内において、電磁波であるRFパルスを被検体SUに送信して高周波磁場を形成し、被検体SUの撮影領域におけるプロトンのスピンを励起する。そして、RFコイル部214は、その励起された被検体SU内のプロトンから発生する電磁波を磁気共鳴信号として受信する。
【0046】
RF駆動部222は、後述する制御部230からの制御信号に基づいて、RFコイル部214を駆動させ、撮像空間B内にRFパルスを送信させて高周波磁場を形成させる。RF駆動部222は、ゲート変調器を用いてRF発振器からの信号を所定のタイミングおよび所定の包絡線の信号に変調した後に、そのゲート変調器により変調された信号を、RF電力増幅器によって増幅してRFコイル部214に出力し、RFパルスを送信させる。
【0047】
勾配駆動部223は、制御部230からの制御信号に基づいて、勾配パルスを勾配コイル部213に印加して駆動させ、静磁場が形成されている撮像空間B内に勾配磁場を発生させる。勾配駆動部223は、3系統の勾配コイル部213に対応して3系統の駆動回路(図示なし)を有する。
【0048】
データ収集部224は、制御部230からの制御信号に基づいて、RFコイル部214が受信する磁気共鳴信号を収集し、画像生成部231に出力する。データ収集部224は、位相エンコードと周波数エンコードとが施された磁気共鳴信号をk空間に対応するように収集する。ここでは、データ収集部224は、RFコイル部214が受信する磁気共鳴信号をRF駆動部222のRF発振器の出力を参照信号として位相検波器が位相検波する。その後、A/D変換器を用いて、このアナログ信号である磁気共鳴信号をデジタル信号に変換する。そして、データ収集部224は、この磁気共鳴信号をメモリに記憶した後に、画像生成部231に出力する。
【0049】
クレードル226は、被検体SUを載置する台を有する。クレードル226は、制御部230からの制御信号に基づいて、撮像空間Bの内部と外部との間を移動する。
【0050】
操作コンソール部203について説明する。
【0051】
操作コンソール部203は、図4に示すように、制御部230と、画像生成部231と、操作部232と、表示部233と、記憶部234とを有する。
【0052】
操作コンソール部203の各構成要素について、順次、説明する。
【0053】
制御部230は、コンピュータと、コンピュータを用いて所定のスキャンに対応する動作を各部に実行させるプログラムとを有しており、操作部232からの操作データが入力される。そして、制御部230は、操作部232から入力される操作データに基づいて、RF駆動部222と勾配駆動部223とデータ収集部224とのそれぞれに、所定のスキャンを実行させる制御信号を出力し制御を行う。そして、制御部230は、操作部232から入力される操作データに基づいて、スライス画像生成部2311と表示部233と記憶部234とへ制御信号を出力し制御を行う。
【0054】
画像生成部231は、コンピュータと、そのコンピュータを用いて所定のデータ処理を実行するプログラムとから構成されており、制御部230からの制御信号に基づいて、画像を生成する。
【0055】
図5は、本発明にかかる実施形態において、画像生成部231を示すブロック図である。
【0056】
図5に示すように、本実施形態において、画像生成部231は、スライス画像生成部2311と、挿入位置検出部2312と、画像合成部2313とを有する。
【0057】
スライス画像生成部2311は、スキャン部202によってローデータとして取得された磁気共鳴信号に基づいて、その被検体SUにおいて体腔を含むスライス面についてのスライス画像を生成する。ここでは、スライス画像生成部2311は、データ収集部224により収集された磁気共鳴信号をローデータとして取得し、その取得したローデータである磁気共鳴信号に対して画像再構成処理を行って、被検体SUの断層面についてのスライス画像を生成する。
【0058】
本実施形態においては、スライス画像生成部2311は、被検体SUにおいて体腔プローブ部11が挿入される体腔を含む撮影領域について、スキャン部202が拡散強調撮像法でスキャンを実施することによって得られた磁気共鳴信号に基づいて、その被検体SUにおいて、その体腔を含むスライス面についてのスライス画像を拡散強調画像として生成する。ここでは、スライス画像生成部2311は、体腔プローブ部11が被検体SUの体腔に挿入される挿入方向を垂線とする面に対応するように、スライス画像を生成する。つまり、アキシャル面についてのスライス画像を生成する。
【0059】
また、スライス画像生成部2311は、スライス画像として、T1強調画像とT2強調画像とのそれぞれを生成する。ここでは、スライス画像生成部2311は、体腔プローブ部11が被検体SUの体腔に挿入される挿入方向に沿った面に対応するように、そのスライス画像を生成する。つまり、サジタル面およびコロナル面についてのスライス画像を生成する。
【0060】
挿入位置検出部2312は、スライス画像生成部2311によって生成されたスライス画像に基づいて、そのスライス画像において体腔プローブ部11が挿入される位置を検出し、第2挿入位置データを取得する。
【0061】
図6は、本発明にかかる実施形態において、挿入位置検出部2312を示すブロック図である。
【0062】
図6に示すように、挿入位置検出部2312は、トレース部2312aと、MIP処理部2312bとを有する。
【0063】
トレース部2312aは、スライス画像生成部2311によってスライス画像として生成された拡散強調画像において、その被検体SUにて体腔プローブ部11が挿入され放射線を検出する放射線検出領域をトレースする。ここでは、トレース部2312aは、スライス画像生成部2311によってサジタル面とコロナル面とについてのスライス画像として生成されたT1強調画像とT2強調画像とのそれぞれに基づいて、その放射線検出領域をトレースする。具体的には、トレース部2312aは、スライス画像生成部2311によってサジタル面とコロナル面とについてのスライス画像として生成されたT1強調画像とT2強調画像とのそれぞれについて特徴抽出処理することによって、その体腔部分を含む放射線検出領域を抽出してトレースする。つぎに、スライス画像生成部2311によってアキシャル面について生成された拡散強調画像を、断面変換することによって、サジタル面とコロナル面とについての拡散強調画像を生成する。その後、T1強調画像とT2強調画像とのそれぞれについてトレースされた放射線検出領域部分の位置情報から、そのサジタル面とコロナル面とについての拡散強調画像における放射線検出領域を求める。
【0064】
MIP処理部2312bは、スライス画像生成部2311によって生成された拡散強調画像においてトレース部2312aによってトレースされた放射線検出領域を、被検体SUにおいて体腔プローブ部11が挿入される挿入方向を軸にした周方向にMIP処理する。
【0065】
そして、挿入位置検出部2312は、そのトレース部2312aによってトレースされた放射線検出領域についての画素値に基づいて、その拡散強調画像において体腔プローブ部11が挿入される位置を検出することによって、第2挿入位置データを取得する。ここでは、トレース部2312aによってトレースされた放射線検出領域についてMIP処理部がMIP処理した後の画素値と、体腔プローブ部11によって取得された放射線検出データとを相互に比較処理することによって、その第2挿入位置データを取得する。
【0066】
画像合成部2313は、前述したRIプローブ装置10の放射線画像生成部42によって生成された放射線画像と、スライス画像生成部2311によって生成されたスライス画像とを合成することによって、合成画像を生成する。ここでは、画像合成部2313は、被検体SUにおいて体腔プローブ部11が放射線を検出し、放射線画像生成部42が放射線画像を生成した位置に対応するように、この放射線画像をスライス画像に位置合わせして合成することによって、合成画像を生成する。本実施形態においては、画像合成部2313は、プローブ位置検出部43によって取得された第1挿入位置データと、挿入位置検出部2312によって取得された第2挿入位置データとのそれぞれに基づいて、放射線画像生成部42が生成した放射線画像とスライス画像生成部2311が生成したスライス画像とが被検体SUにおいて同じ位置になるように、その放射線画像とスライス画像とを位置合わせして合成する。そして、画像合成部2313は、その生成した合成画像を、表示部233に順次、出力する。
【0067】
操作部232は、キーボードやポインティングデバイスなどの操作デバイスにより構成されている。操作部232は、オペレータによって操作データが入力され、その操作データを制御部230に出力する。
【0068】
表示部233は、CRTなどの表示デバイスにより構成されており、制御部230からの制御信号に基づいて、表示画面に画像を表示する。たとえば、表示部233は、オペレータによって操作部232に操作データが入力される入力項目についての画像を表示画面に表示する。具体的には、表示部233は、エコー数,エコー時間,繰り返し時間,バンド幅などのスキャンタイミングパラメータを入力するダイヤログボックスや、スキャンの開始の指示を入力するボタンなどを表示する。その他に、表示部233は、スライス画像生成部2311によって生成された画像を、表示画面に表示する。
【0069】
本実施形態においては、表示部233は、スライス画像生成部2311によって生成されたスライス画像を、表示画面に表示する。また、これと共に、放射線画像生成部42によって生成された画像を表示画面に表示する。ここでは、表示部233は、被検体SUの体腔において体腔プローブ部11が放射線を検出する実時間に対応するように、放射線画像を表示する。そして、さらに、スライス画像生成部2311において生成されたスライス画像において、位置検出部43によって検出された体腔プローブ部11の挿入位置に対応するスライス画像を表示する。また、表示部233は、画像合成部2313によって生成された合成画像を表示する。
【0070】
記憶部234は、メモリにより構成されており、各種データを記憶している。記憶部234は、その記憶されたデータが必要に応じて制御部230などの各部によってアクセスされる。
【0071】
(動作)
以下より、上記の本発明にかかる実施形態の画像診断装置1の動作について説明する。
【0072】
図7は、本発明にかかる実施形態において、画像診断装置1の動作を示すフロー図である。
【0073】
まず、図7に示すように、被検体SUについての放射線検出データを得る(S1)。
【0074】
ここでは、RIプローブ装置10を用いて、被検体SUについての放射線検出データを得る。
【0075】
図8は、本発明にかかる実施形態において、RIプローブ装置10を用いて放射線検出データを得る際の動作を示すフロー図である。
【0076】
図8に示すように、放射線検出データを得る場合においては、まず、体腔プローブ部11を被検体SUの内部に挿入する(S11)。
【0077】
ここでは、オペレータが体腔プローブ部11を被検体SUの内部に挿入する。
【0078】
図9は、本発明にかかる実施形態において、体腔プローブ部11を被検体SUの内部に挿入する様子を示す側面図である。
【0079】
本実施形態においては、18F−FDG等の放射線同位元素を被検体SUに注入した後に、図9に示すように、体腔プローブ部11を被検体SUの口から食道へ挿入し、体腔プローブ部11の検出部111を、開始位置X0まで移動させる。
【0080】
つぎに、図8に示すように、被検体SUの内部において放射線を検出し放射線検出データを得る(S21)。
【0081】
ここでは、被検体SUの内部において体腔プローブ部11に放射線を検出させる。そして、その体腔プローブ部11が検出した放射線に基づいて、放射線検出データとして、放射線のカウント値Cを得る。
【0082】
図10は、本発明にかかる実施形態において、被検体SUの内部において放射線を検出する様子を示す側面図である。また、図11は、本発明にかかる実施形態において、放射線のカウント値Cと、検出部111の位置Xとの関係を示す図である。
【0083】
本実施形態においては、図10に示すように、被検体SUの食道に挿入された体腔プローブ部11の検出部111の位置を、回転移動部21が開始位置X0から終了位置X2の側へ変化させ、各位置において検出部111に放射線を検出させる。そして、たとえば、被検体SU中において放射線同位元素が集まった癌細胞の位置X1において、その癌細胞から発生する放射線を検出部111が検出する。そして、その検出部111が検出した放射線に基づいて、放射線のカウント値Cを計装部31が求める。ここでは、図10と図11とに示すように、たとえば、被検体SU中の癌細胞に対応する位置X1が高いカウント値Cとなる。
【0084】
つぎに、図7に示すように、被検体SUについての磁気共鳴信号を得る(S2)。
【0085】
ここでは、磁気共鳴イメージング装置200を用いて、被検体SUについての磁気共鳴信号を得る。
【0086】
本実施形態においては、被検体SUにおいて、RIプローブ装置10によって放射線が検出される体腔を含む撮影領域について、拡散強調撮像法によってスキャンを実施し、その撮影領域についての磁気共鳴信号をローデータとして取得する。また、その他に、スキャン部202は、T1強調撮像法とT2強調撮像法とのそれぞれによってスキャンを実施し、その撮影領域についての磁気共鳴信号をローデータとして取得する。本実施形態においては、被検体SUの口から食道までの間の領域についてスキャンを実施する。
【0087】
つぎに、図7に示すように、放射線画像と、スライス画像とを生成した後に、その放射線画像とスライス画像とを合成して、合成画像を生成する(S3)。
【0088】
ここでは、被検体SUの食道において体腔プローブ部11が検出した放射線の強度を示す放射線画像を放射線画像生成部42が生成する。本実施形態においては、前述のRIプローブ装置10において被検体SUの食道に挿入された体腔プローブ部11が、その被検体SUの食道において放射線を検出することによって得た放射線検出データに基づいて、その放射線画像を放射線画像生成部42が生成する。
【0089】
そして、被検体SUの断層面についてのスライス画像をスライス画像生成部2311が生成する。本実施形態においては、データ収集部224により収集された磁気共鳴信号を、スライス画像生成部2311がローデータとして取得し、その取得したローデータである磁気共鳴信号に対して画像再構成処理を行って、被検体SUの断層面についてのスライス画像を生成する。
【0090】
その後、放射線画像生成部42によって生成された放射線画像と、スライス画像生成部2311によって生成されたスライス画像とを、画像合成部2313が合成し、フュージョンイメージ(fusion image)としての合成画像を生成する。
【0091】
図12は、本実施形態において、被検体SUにおいて合成画像が生成される領域を示す側面図である。また、図13は、本実施形態において、画像合成部2313が合成する合成画像を示す図である。図13において、図13(a)は、図12において、体腔プローブ部11の移動が終了される側の位置X2に対応するスライス面について生成された合成画像である。また、図13(b)は、図12において体腔プローブ部11の移動が開始される位置と終了される位置との間の中間位置であって、被検体SUにおいて放射線同位元素が集まった癌細胞の位置X1に対応するスライス面について生成された合成画像である。また、図13(c)は、図12において、体腔プローブ部11の移動が開始される側の位置X0に対応するスライス面について生成された合成画像である。
【0092】
本実施形態においては、図12と図13とに示すように、被検体SUにおいて体腔プローブ部11が挿入された食道を含む撮影領域について、スキャン部202がスキャンを実施することによって得た磁気共鳴信号に基づいて、その被検体SUにおいて、その食道を含むアキシャル面PA0,PA1,PA2についてのスライス画像を、スライス画像生成部2311が順次生成する。たとえば、スキャン部202が実施するスキャンに対してリアルタイムになるように、このスライス画像を生成する。ここでは、スライス画像生成部2311は、体腔プローブ部11が放射線検出データを取得する際にプローブ位置検出部43によって検出された体腔プローブ部11の位置に対応するように、被検体SUの撮影領域についてのスライス画像を生成する。
【0093】
たとえば、図12に示すように、体腔プローブ部11の移動が開始される側の位置X0に対応するアキシャル面PA0については、図13(c)に示すように、スライス画像IA0を生成する。また、図12に示すように、体腔プローブ部11の移動が開始される位置と終了される位置との間の中間位置である位置X1に対応するアキシャル面PA1については、図13(b)に示すように、スライス画像IA1を生成する。また、図12に示すように、体腔プローブ部11の移動が終了される側の位置X2に対応するアキシャル面PA2については、図13(a)に示すように、スライス画像IA2を生成する。
【0094】
そして、図12と図13とに示すように、被検体SUにおいて体腔プローブ部11が放射線を検出する検出範囲に対応すると共に、その体腔プローブ部11によって検出された放射線の強度に応じて色濃度が異なるように、この放射線画像を放射線画像生成部42が生成する。
【0095】
具体的には、体腔プローブ部11によって検出された放射線の強度が大きくなるに伴って色濃度が濃くなるように、放射線画像生成部42が放射線画像を生成する。ここでは、スライス画像生成部2311がスライス画像を生成するスライス面であるアキシャル面PA0,PA1,PA2に対応するように、放射線画像を生成する。
【0096】
たとえば、図12に示すように、体腔プローブ部11の移動が開始される側の位置X0に対応するアキシャル面PA0については、図13(c)に示すように、放射線画像IR0を生成する。また、図12に示すように、体腔プローブ部11の移動が開始される位置と終了される位置との間の中間位置である位置X1に対応するアキシャル面PA1については、図13(b)に示すように、放射線画像IR1を生成する。また、図12に示すように、体腔プローブ部11の移動が終了される側の位置X2に対応するアキシャル面PA2については、図13(a)に示すように、放射線画像IR2を生成する。
【0097】
ここでは、図12において体腔プローブ部11の移動が開始される位置と終了される位置との間の中間位置は、被検体SUにおいて放射線同位元素が集まった癌細胞の位置X1に対応するために、体腔プローブ部11の移動が開始される側の位置X0や、体腔プローブ部11の移動が終了される側の位置X2に比べて、体腔プローブ部11によって検出された放射線の強度が大きい。このため、図13(b)に示すように、被検体SUにおいて放射線同位元素が集まった癌細胞の位置X1に対応する放射線画像IR1については、体腔プローブ部11の移動が開始される側の位置X0の放射線画像IR0や、体腔プローブ部11の移動が終了される側の位置X2の放射線画像IR2よりも、色濃度が濃くなるように生成する。
【0098】
その後、図12と図13とに示すように、放射線画像生成部42によって生成された各放射線画像IR0,IR1,IR2と、スライス画像生成部2311によって生成された各スライス画像IA0,IA1,IA2とのそれぞれを画像合成部2313が合成することによって、合成画像IC0,IC1,IC2のそれぞれを生成する。ここでは、被検体SUにおいて、前述のRIプローブ装置10の体腔プローブ部11が放射線を検出し、放射線画像生成部42が各放射線画像IR0,IR1,IR2を生成した位置に対応するように、画像合成部2313が各放射線画像IR0,IR1,IR2と各スライス画像IA0,IA1,IA2とを互いに位置合わせして合成し、各合成画像IC0,IC1,IC2を順次生成する。具体的には、各放射線画像IR0,IR1,IR2を各スライス画像IA0,IA1,IA2の上に重ねるようにして、合成画像IC0,IC1,IC2のそれぞれを生成する。なお、図13に示すように、体腔プローブ部11によって検出された放射線の強度に応じて色濃度が異なることを示すカラーバーを、各合成画像IC0,IC1,IC2に並べて表示する。
【0099】
上記のように合成画像を生成する際(S3)における詳細な動作について説明する。
【0100】
図14は、本発明にかかる実施形態において、放射線画像とスライス画像とを位置合わせする際の動作を示すフロー図である。
【0101】
まず、図14に示すように、被検体SUにおいて各放射線画像と各スライス画像とのそれぞれが生成された位置を特定する(S110)。
【0102】
図15は、本発明にかかる実施形態において、各放射線画像と各スライス画像とのそれぞれが被検体SUにおいて生成された位置を特定する際の動作を示すフロー図である。
【0103】
この場合においては、図15に示すように、まず、拡散強調画像、T1強調画像、T2強調画像の生成を実施する(S111)。
【0104】
ここでは、被検体SUにおいて体腔プローブ部11が挿入される体腔を含む撮影領域について、スキャン部202が拡散強調撮像法でスキャンを実施することによって得られた磁気共鳴信号に基づいて、その被検体SUにおいて、その体腔を含むスライス面についての拡散強調画像をスライス画像生成部2311が生成する。本実施形態においては、アキシャル面についての拡散強調画像を生成する。
【0105】
また、スキャン部202がT1強調撮像法とT2強調撮像法とでスキャンを実施することによって得られた磁気共鳴信号に基づいて、T1強調画像とT2強調画像とのそれぞれを、サジタル面およびコロナル面についてスライス画像生成部2311が生成する。
【0106】
つぎに、図15に示すように、拡散強調画像において、被検体SUにて体腔プローブ部11が挿入され放射線を検出された放射線検出領域を、T1強調画像、T2強調画像に基づいてトレースする(S112)。
【0107】
ここでは、スライス画像生成部2311によって生成された拡散強調画像において、その被検体SUにて体腔プローブ部11が挿入され放射線を検出する放射線検出領域を、トレース部2312aがトレースする。本実施形態においては、トレース部2312aは、スライス画像生成部2311によって被検体SUのサジタル面とコロナル面とについて生成されたT1強調画像とT2強調画像とのそれぞれに基づいて、その放射線検出領域をトレースする。
【0108】
具体的には、トレース部2312aは、そのT1強調画像とT2強調画像とのそれぞれについて特徴抽出処理することによって、被検体SUにて体腔プローブ部11が挿入される食道を特定し、その食道において体腔プローブ部11が放射線を検出可能な範囲を、放射線検出領域として抽出する。一方で、スライス画像生成部2311によってアキシャル面について生成された拡散強調画像を断面変換することによって、サジタル面とコロナル面とについての拡散強調画像を生成する。ここでは、そのサジタル面とコロナル面とについての拡散強調画像に対してMIP処理をした後に、反転表示させるようにリフォーマット処理を施す。その後、T1強調画像とT2強調画像とのそれぞれにおいてトレースされた放射線検出領域の位置情報から、そのサジタル面とコロナル面とについての拡散強調画像における放射線検出領域を求める。
【0109】
つぎに、図15に示すように、拡散強調画像においてトレースした放射線検出領域を、被検体SUにおいて体腔プローブ部11が挿入される挿入方向を軸にした周方向にMIP処理する(S113)。
【0110】
図16は、本発明にかかる実施形態において、拡散強調画像にてトレースされた放射線検出領域RRを、MIP処理する様子を示す図である。また、図17は、本発明にかかる実施形態において、拡散強調画像にてトレースされた放射線検出領域RRを、MIP処理した後のデータを示す図である。
【0111】
ここでは、図16に示すように、スライス画像生成部2311によって生成された拡散強調画像においてトレース部2312aによってトレースされた放射線検出領域RRを、被検体SUにおいて体腔プローブ部11が挿入される挿入方向INを軸にした周方向RDにMIP処理部2312bがMIP処理する。つまり、拡散強調画像中の放射線検出領域RR部分の画素値において、体腔プローブ部11が挿入される挿入方向INを軸にした周方向RDにて、最大の画素値となる最大値を投影する。本実施形態においては、被検体SUにおいて体腔プローブ部11が挿入された位置X1に、たとえば、癌細胞などの腫瘍が存在しているために、その腫瘍が存在する位置X1の画素値が、腫瘍が存在しない他の位置X0,X2の画素値と大きく異なるため、図17に示すように、その腫瘍が存在する位置X1にて高い画素値のMIPデータが取得される。
【0112】
つぎに、図15に示すように、拡散強調画像において体腔プローブ部11が挿入された位置情報を算出する(S113)。
【0113】
ここでは、上記のトレース部2312aによってトレースされた放射線検出領域についての画素値に基づいて、その拡散強調画像において体腔プローブ部11が挿入される位置を検出することによって、挿入位置検出部2312が、拡散強調画像において体腔プローブ部11が挿入された位置情報を算出し、第2挿入位置データとして取得する。具体的には、図17に示すように、トレース部2312aがトレースした放射線検出領域についてMIP処理部がMIP処理することによって得たMIPデータと、図11に示すように、体腔プローブ部11によって取得された放射線検出データとを相互に比較処理する。そして、被検体SUにおいて放射線検出データが最大になるピーク位置に対して、被検体SUにおいてMIPデータが最大になるピーク位置が、どの程度、異なるかを算出する。
【0114】
つぎに、図14に示すように、放射線画像とスライス画像とを位置合わせして合成する(S120)。
【0115】
ここでは、前述したように、図13に示すように、放射線画像生成部42によって生成された各放射線画像IR0,IR1,IR2と、スライス画像生成部2311によって生成された各スライス画像IA0,IA1,IA2とのそれぞれを、画像合成部2313が合成することによって、合成画像IC0,IC1,IC2のそれぞれを生成する。たとえば、各放射線画像IR0,IR1,IR2を各スライス画像IA0,IA1,IA2の上に重ねるようにして、合成画像IC0,IC1,IC2のそれぞれを生成する。この場合には、各放射線画像IR0,IR1,IR2を生成した位置情報に基づいて、被検体SUにおいて放射線画像生成部42が各放射線画像IR0,IR1,IR2を生成した位置に対応するように、各スライス画像IA0,IA1,IA2を生成後、画像合成部2313が各放射線画像IR0,IR1,IR2と各スライス画像IA0,IA1,IA2とを互いに位置合わせして合成し、各合成画像IC0,IC1,IC2を順次生成する。
【0116】
具体的には、プローブ位置検出部43によって取得された第1挿入位置データと、挿入位置検出部2312によって取得された第2挿入位置データとのそれぞれに基づいて、被検体SUにおいて同じ位置にて生成された放射線画像IR0,IR1,IR2とスライス画像IA0,IA1,IA2とを画像合成部2313が選択し、その選択した放射線画像IR0,IR1,IR2とスライス画像IA0,IA1,IA2とを互いに位置合わせして合成する。たとえば、放射線検出データにて最大値となる位置X1の情報に基づいて、その位置X1に対応する放射線画像IR1を選択し、MIPデータにて最大値となる位置X1の情報に基づいて、その位置X1に対応するスライス画像IA1を選択した後に、その放射線画像IR1とスライス画像IA1とを上記のようにして合成する。そして、画像合成部2313は、その生成した合成画像を、表示部51に順次、出力する。
【0117】
つぎに、図7に示すように、合成画像を表示する(S4)。
【0118】
ここでは、図13に示すように、画像合成部2313によって生成された各合成画像IC0,IC1,IC2についてのデータを、表示部233が、順次、受け、その各合成画像IC0,IC1,IC2をスキャンの実施に対してリアルタイムになるように、順次、表示画面に表示する。
【0119】
以上のように、本実施形態は、放射線検出データを取得する際に、被検体SUの体腔において体腔プローブ部11が挿入される位置をプローブ位置検出部43が検出する。そして、スライス画像生成部2311が生成したスライス画像に基づいて、そのスライス画像において体腔プローブ部11が挿入される位置を挿入位置検出部2312が検出する。そして、画像合成部2313は、放射線検出データを取得する際に被検体SUにおいて移動された体腔プローブ部11の位置情報と、被検体SUにおいて取得された磁気共鳴信号の位置情報とに基づいて、放射線画像とスライス画像とが被検体SUにおいて同じ位置になるように位置合わせして合成する。このため、本実施形態は、被検体SUのスライス面についてのイメージングを実施するMRI装置と、放射線を検出する体腔プローブ部を被検体SU内の体腔に挿入してイメージングを実施するRIプローブ装置とのように、複数のイメージング装置を用いて画像診断をする場合において、両者によって得られた画像を正確に位置合わせすることができる。よって、診断部位に関する情報を正確に把握することが容易であるために、診断効率を向上させることができる。
【0120】
また、本実施形態においては、スライス画像生成部2311が拡散強調画像を生成し、その拡散強調画像において体腔プローブ部11が挿入され放射線を検出する放射線検出領域をトレース部2312aがトレースする。そして、そのトレース部2313aによってトレースされた放射線検出領域RRを、被検体SUにおいて体腔プローブ部11が挿入される挿入方向を軸にした周方向に、MIP処理部2312bがMIP処理する。そして、MIP処理部2312bによってMIP処理された放射線検出領域RRの画素値と、体腔プローブ部11によって取得された放射線検出データとを相互に比較処理することによって、その拡散強調画像において体腔プローブ部11が挿入される位置を検出する。このように、本実施形態は、磁気共鳴イメージング装置200にて得られたスライス画像の位置と、RIプローブ装置10にて得られた放射線画像の位置との関係を、腫瘍が拡散強調画像において高いコントラストでイメージングできることを利用することによって特定しているために、両者によって得られた画像を正確に位置合わせすることができる。よって、診断部位に関する情報を正確に把握することが容易であるために、診断効率を向上させることができる。
【0121】
また、本実施形態においては、スライス画像生成部によって生成されたT1強調画像とT2強調画像とに基づいて、拡散強調画像において体腔プローブ部11が挿入され放射線が検出される食道を含む放射線検出領域RRをトレース部2312aがトレースする。このように、T1強調画像とT2強調画像とにおいては、食道を含む放射線検出領域RRについて高いコントラストでイメージングできるため、その放射線検出領域RRについて、容易かつ正確にトレースを実施することができる。よって、診断部位に関する情報を正確に把握することが容易であるために、診断効率を向上させることができる。
【0122】
なお、上記の実施形態において、画像診断装置1は、本発明の画像診断装置に相当する。また、上記の実施形態において、画像診断装置1は、本発明の画像診断装置に相当する。また、上記の実施形態において、体腔プローブ部11は、本発明の体腔プローブ部に相当する。また、上記の実施形態において、放射線画像生成部42は、本発明の放射線画像生成部に相当する。また、上記の実施形態において、プローブ位置検出部43は、本発明の第1の挿入位置検出部に相当する。また、上記の実施形態において、スキャン部202は、本発明のスキャン部に相当する。また、上記の実施形態において、表示部233は、本発明の表示部に相当する。また、上記の実施形態において、スライス画像生成部2311は、本発明のスライス画像生成部に相当する。また、上記の実施形態において、挿入位置検出部2312は、本発明の第2の挿入位置検出部に相当する。また、上記の実施形態において、画像合成部2313は、本発明の画像合成部に相当する。また、上記の実施形態において、トレース部2312aは、本発明のトレース部に相当する。また、上記の実施形態において、MIP処理部2312bは、本発明の投影処理部に相当する。
【0123】
また、本発明の実施に際しては、上記した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形例を採用することができる。
【0124】
たとえば、上記の実施形態においては、体腔プローブを被検体SUの食道に挿入する場合について説明したが、これに限定されない。たとえば、内視鏡であってもよい。
【0125】
また、たとえば、上記の実施形態においては、磁気共鳴イメージング装置を用いてスライス画像を生成する場合について説明したが、これに限定されない。たとえば、X線CT装置や超音波診断装置を用いて、スライス画像を生成する場合においても適用可能である。
【0126】
また、たとえば、上記の実施形態においては、拡散強調画像とT1強調画像とT2強調画像とを用いて、スライス画像についての位置情報を、放射線画像についての位置情報に関連付ける場合について説明したが、これに限定されない。たとえば、STIR法や、造影剤を用いた撮像法によっても、MRIにて被検体SUの腫瘍位置が特定可能であるため、本発明に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1】図1は、本発明にかかる実施形態において、画像診断装置1を示す図である。
【図2】図2は、本発明にかかる実施形態において、RIプローブ装置10の構成を示す構成図である。
【図3】図3は、本実施形態において、体腔プローブ部11の検出部111についての断面図である。
【図4】図4は、本発明にかかる実施形態において、磁気共鳴イメージング装置200の構成を示す構成図である。
【図5】図5は、本発明にかかる実施形態において、画像生成部231を示すブロック図である。
【図6】図6は、本発明にかかる実施形態において、挿入位置検出部2312を示すブロック図である。
【図7】図7は、本発明にかかる実施形態において、画像診断装置1の動作を示すフロー図である。
【図8】図8は、本発明にかかる実施形態において、RIプローブ装置10を用いて放射線検出データを得る際の動作を示すフロー図である。
【図9】図9は、本発明にかかる実施形態において、体腔プローブ部11を被検体SUの内部に挿入する様子を示す側面図である。
【図10】図10は、本発明にかかる実施形態において、被検体SUの内部において放射線を検出する様子を示す側面図である。
【図11】図11は、本発明にかかる実施形態において、放射線のカウント値Cと、検出部111の位置Xとの関係を示す図である。
【図12】図12は、本実施形態において、被検体SUにおいて合成画像が生成される領域を示す側面図である。
【図13】図13は、本実施形態において、画像合成部2313が合成する合成画像を示す図である。
【図14】図14は、本発明にかかる実施形態において、放射線画像とスライス画像とを位置合わせする際の動作を示すフロー図である。
【図15】図15は、本発明にかかる実施形態において、各放射線画像と各スライス画像とのそれぞれが被検体SUにおいて生成された位置を特定する際の動作を示すフロー図である。
【図16】図16は、本発明にかかる実施形態において、拡散強調画像にてトレースされた放射線検出領域RRを、MIP処理する様子を示す図である。
【図17】図17は、本発明にかかる実施形態において、拡散強調画像にてトレースされた放射線検出領域RRを、MIP処理した後のデータを示す図である。
【符号の説明】
【0128】
1…画像診断装置(画像診断装置)
10…RIプローブ装置
11…体腔プローブ部(体腔プローブ部)
21…回転移動部
31…計装部
41…制御部
42…放射線画像生成部(放射線画像生成部)
43…プローブ位置検出部(第1の挿入位置検出部)
51…表示部
61…操作部
200…磁気共鳴イメージング装置
202…スキャン部(スキャン部)
203…操作コンソール部
212…静磁場マグネット部
213…勾配コイル部
214…RFコイル部
222…RF駆動部
223…勾配駆動部
224…データ収集部
226…クレードル
230…制御部
231…画像生成部
232…操作部
233…表示部(表示部)
234…記憶部
2311…スライス画像生成部(スライス画像生成部)
2312…挿入位置検出部(第2の挿入位置検出部)
2313…画像合成部(画像合成部)
2312a…トレース部(トレース部)
2312b…MIP処理部(投影処理部)
B…撮像空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体の体腔に挿入された体腔プローブ部が前記被検体の体腔において放射線を検出することによって得た放射線検出データに基づいて、前記被検体の体腔において前記体腔プローブ部が検出した前記放射線の強度を示す放射線画像を生成する放射線画像生成部と、
前記被検体において前記体腔を含む撮影領域についてスキャンを実施することにより得られるローデータに基づいて、前記被検体において前記体腔を含むスライス面についてのスライス画像を生成するスライス画像生成部と、
前記放射線画像生成部によって生成された前記放射線画像と、前記スライス画像生成部によって生成された前記スライス画像とを合成することによって、合成画像を生成する画像合成部と
を有する画像診断装置であって、
前記被検体の体腔において前記体腔プローブ部が挿入される位置を検出し、第1挿入位置データを取得する第1の挿入位置検出部と、
前記スライス画像生成部によって生成されたスライス画像に基づいて、前記スライス画像において前記体腔プローブ部が挿入される位置を検出し、第2挿入位置データを取得する第2の挿入位置検出部と
を含み、
前記画像合成部は、前記第1の挿入位置検出部によって取得された前記第1挿入位置データと、前記第2の挿入位置検出部によって取得された前記第2挿入位置データとのそれぞれに基づいて、前記放射線画像生成部が生成した前記放射線画像と前記スライス画像生成部が生成したスライス画像とが前記被検体において同じ位置になるように、前記放射線画像と前記スライス画像とを位置合わせして合成する
画像診断装置。
【請求項2】
前記スキャンを実施するスキャン部
を含み、
前記スキャン部は、前記被検体の撮影領域から磁気共鳴信号を取得するスキャンを実施し、当該取得した磁気共鳴信号を前記ローデータとして得る
請求項1に記載の画像診断装置。
【請求項3】
前記スキャン部は、拡散強調撮像法によって前記スキャンを実施し、
前記スライス画像生成部は、前記スライス画像として、拡散強調画像を生成し、
前記第2の挿入位置検出部は、
前記スライス画像生成部によって生成された前記拡散強調画像において、前記被検体にて前記体腔プローブ部が挿入され前記放射線を検出する放射線検出領域をトレースするトレース部
を有し、前記トレース部によってトレースされた前記放射線検出領域についての画素値に基づいて、前記拡散強調画像において前記体腔プローブ部が挿入される位置を検出することによって、前記第2挿入位置データを取得する
請求項2に記載の画像診断装置。
【請求項4】
前記トレース部は、前記スライス画像生成部によって生成された前記拡散強調画像を特徴抽出処理することによって前記放射線検出領域をトレースする
請求項3に記載の画像診断装置。
【請求項5】
前記第2の挿入位置検出部は、
前記スライス画像生成部によって生成された前記拡散強調画像において前記トレース部によってトレースされた前記放射線検出領域を、前記被検体において前記体腔プローブ部が挿入される挿入方向を軸にした周方向に投影処理する投影処理部
を有し、前記投影処理部によって投影処理された前記放射線検出領域の画素値と、前記体腔プローブ部によって取得された前記放射線検出データとを相互に比較処理することによって、前記第2挿入位置データを取得する
請求項4に記載の画像診断装置。
【請求項6】
前記スキャン部は、T1強調撮像法とT2強調撮像法とのそれぞれによって前記スキャンを実施し、
前記スライス画像生成部は、前記スライス画像として、T1強調画像とT2強調画像とのそれぞれを生成し、
前記トレース部は、前記T1強調画像とT2強調画像とのそれぞれに基づいて、前記放射線検出領域をトレースする
請求項3から5のいずれかに記載の画像診断装置。
【請求項7】
前記放射線画像生成部は、前記体腔プローブ部が前記被検体の体腔に挿入される挿入方向に沿った面に対応するように、前記放射線画像を生成し、
前記スライス画像生成部は、前記体腔プローブ部が前記被検体の体腔に挿入される挿入方向に沿った面に対応するように、前記スライス画像を生成する
請求項1から6のいずれかに記載の画像診断装置。
【請求項8】
前記放射線画像生成部は、前記体腔プローブ部が前記被検体の体腔に挿入される挿入方向を垂線とする面に対応するように、前記放射線画像を生成し、
前記スライス画像生成部は、前記体腔プローブ部が前記被検体の体腔に挿入される挿入方向を垂線とする面に対応するように、前記スライス画像を生成する
請求項1から7のいずれかに記載の画像診断装置。
【請求項9】
前記画像合成部によって生成された前記合成画像を、表示画面に表示する表示部
を有する
請求項1から8のいずれかに記載の画像診断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2007−289343(P2007−289343A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−119582(P2006−119582)
【出願日】平成18年4月24日(2006.4.24)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成17年度独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、健康安心プログラム 分子イメージング機器開発プロジェクト 悪性腫瘍等治療支援分子イメージング機器開発プロジェクト MRIと核医学手法の正確な重ね合わせに基づく癌の新しい分子イメージング技術に関するフィージビリティスタディ、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受ける特許出願)
【出願人】(300019238)ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー (1,125)
【Fターム(参考)】