説明

画像読取システム、平面状表示装置、表示制御方法および表示制御プログラム

【課題】 画像形成装置にワークフローを実行させる操作を容易すること。
【解決手段】 MFPは、原稿を読み取った画像から制御コードを抽出し、複数のワークフローのうちから抽出された制御コードに対応するワークフローにより定められた1以上の処理を実行し、電子ペーパは、MFPが発する走査光を検出する光走査検出部と、MFPとの間で予め定められ、複数のワークフローをそれぞれ識別するための複数の制御コードのうちから特定の制御コードを選択する制御コード選択部(S03)と、選択された制御コードの画像を表示する制御コード表示部(S09)と、制御コードの画像が表示された後、制御コードの画像を走査する走査光が検出されなくなると(S10でYES)、文書画像を表示する文書画像表示部(S12)と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像読取システム、平面状表示装置、表示制御方法および表示制御プログラムに関し、特に、平面状表示装置に表示された画像を画像読取装置に読み取らせる画像読取システム、その平面状表示装置、その平面状表示装置で実行される表示制御方法および表示制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
原稿を読み取る機能を備えた複合機(以下「MFP」という)で代表される画像読取装置は、1以上の処理の手順を定めたワークフローを記憶させておけば、ワークフローを実行する指示を与えれば、そのワークフローで定められた1以上の処理を実行する。このため、予め定めた1以上の処理を簡単な操作で画像読取装置に実行させることができる。ワークフローの一例としては、原稿を読み取る処理と、原稿を読み取って得られる画像データを、予め定められた記憶場所に記憶する処理を定めたワークフローがある。さらに、ワークフローを指定するために、ワークフローに対して予め定められた制御コードの画像を形成した用紙を、原稿を読み取る前に読み取らせ、MFPが制御コードの画像を読み取った場合には、その後に読み取られる原稿の画像を、制御コードに対応するワークフローに従って処理するようにした、MFPが知られている。
【0003】
一方、電子データとしての画像を表示する電子ペーパが普及している。この電子ペーパによれば、電子データが複数ページを含んでいる場合に、表示するページを切り換えることにより複数ページの画像を順に表示することができる。一方、電子データとしての画像を、紙などの記録媒体に形成して保存することが望まれる場合がある。特開2006−323198号公報には、複写機による所定強度での光走査を検出して、検出結果に応じて表示する画像を切り換える表示装置が記載されている。
【0004】
しかしながら、従来の表示装置を用いてMFPにワークフローを実行させる場合、制御コードの画像を形成した用紙を、表示装置に表示された画像を読み取らせる前にMFPに読み取らせなければならない。このため、ユーザは、MFPに制御コードを読み取らせる操作と、原稿を読み取らせるための操作との2つの操作をしなければならず操作が煩雑になるといった問題がある。
【特許文献1】特開2006−323198号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は上述した問題点を解決するためになされたもので、この発明の目的の1つは、画像読取装置にワークフローを実行させる操作を容易にした画像読取システムを提供することである。
【0006】
この発明の他の目的は、画像読取装置にワークフローを実行させる操作を容易にした平面状表示装置を提供することである。
【0007】
この発明のさらに他の目的は、画像読取装置にワークフローを実行させる操作を容易にした表示制御方法および表示制御プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は上述した問題点を解決するためになされたもので、この発明のある局面によれば、画像読取システムは、画像読取装置と画像読取装置に載置可能な平面状表示装置とを含む画像読取システムであって、画像読取装置は、原稿を読み取って画像データを出力する原稿読取手段と、原稿読取手段により出力される画像データから制御コードを抽出する制御コード抽出手段と、1以上の処理の手順を定めた複数のワークフローのうちから抽出された制御コードに対応するワークフローにより定められた1以上の処理を実行するワークフロー実行手段と、を備え、平面状表示装置は、画像読取装置が発する走査光を検出する光走査検出手段と、画像読取装置との間で予め定められ、複数のワークフローをそれぞれ識別するための複数の制御コードのうちから特定の制御コードを選択する制御コード選択手段と、選択された制御コードの画像を表示する制御コード表示手段と、制御コードの画像が表示された後、光走査検出手段により制御コードの画像を走査する走査光が検出されなくなると、文書画像を表示する文書画像表示手段と、を備える。
【0009】
この局面に従えば、複数のワークフローをそれぞれ識別するための複数の制御コードのうちから選択された制御コードの画像が表示された後、画像読取装置が発する走査光が検出されなくなると、文書画像を表示する。このため、平面状表示装置に表示された文書画像を画像読取装置に読み取らせ、画像読取装置に、制御コードに対応するワークフローを、読み取らせた文書画像に対して実行させることができる。その結果、制御コードを画像読取装置に読み取らせる操作を省略することができるので、画像読取装置にワークフローを実行させる操作を容易にした画像読取システムを提供することができる。
【0010】
好ましくは、平面状表示装置は、電子ペーパである。
【0011】
好ましくは、文書データを受け付ける文書データ受付手段をさらに備え、文書画像表示手段は、文書データを構成するページの画像を文書画像として表示し、制御コード選択手段は、文書データに含まれる文書属性および/またはユーザ情報に基づいて、複数の制御コードのうちから特定の制御コードを選択する。
【0012】
この局面に従えば、文書データに含まれる文書属性および/またはユーザ情報に基づいて、複数の制御コードのうちから特定の制御コードが選択されるので、制御コードを選択する操作を省略することができる。
【0013】
好ましくは、文書属性は、機密度、緊急度および文書の種類のうちから選ばれた1以上を含む。
【0014】
好ましくは、ユーザ情報は、ユーザを識別するためのユーザ識別情報、ユーザが分類される所属、ユーザの役職のうちから選ばれた1以上を含む。
【0015】
この発明の他の局面によれば、平面状表示装置は、画像読取装置が発する走査光を検出する光走査検出手段と、画像読取装置との間で予め定められ、画像読取装置が実行する1以上の処理を定めた複数のワークフローをそれぞれ識別するための複数の制御コードのうちから特定の制御コードを選択する制御コード選択手段と、選択された制御コードの画像を表示する制御コード表示手段と、制御コードの画像が表示された後、光走査検出手段により制御コードの画像を走査する走査光が検出されなくなると、文書画像を表示する文書画像表示手段と、を備える。
【0016】
この局面に従えば、画像読取装置にワークフローを実行させる操作を容易にした平面状表示装置を提供することができる。
【0017】
好ましくは、文書データを受け付ける文書データ受付手段をさらに備え、文書画像表示手段は、文書データを構成するページの画像を文書画像として表示し、制御コード選択手段は、文書データに含まれる文書属性および/またはユーザ情報に基づいて、複数の制御コードのうちから特定の制御コードを選択する。
【0018】
好ましくは、文書属性は、機密度、緊急度および文書の種類のうちから選ばれた1以上を含む。
【0019】
好ましくは、ユーザ情報は、ユーザを識別するためのユーザ識別情報、ユーザが分類される所属、ユーザの役職のうちから選ばれた1以上を含む。
【0020】
この発明のさらに他の局面によれば、表示制御方法は、画像読取装置が発する走査光を検出するステップと、画像読取装置との間で予め定められ、画像読取装置が実行する1以上の処理を定めた複数のワークフローをそれぞれ識別するための複数の制御コードのうちから特定の制御コードを選択するステップと、選択された制御コードの画像を表示するステップと、制御コードの画像が表示された後、走査光を検出するステップにおいて制御コードの画像を走査する走査光が検出されなくなると、文書画像を表示するステップと、を含む。
【0021】
この局面に従えば、画像読取装置にワークフローを実行させる操作を容易にした表示制御方法を提供することができる。
【0022】
この発明のさらに他の局面によれば、表示制御プログラムは、画像読取装置が発する走査光を検出するステップと、画像読取装置との間で予め定められ、画像読取装置が実行する1以上の処理を定めた複数のワークフローをそれぞれ識別するための複数の制御コードのうちから特定の制御コードを選択するステップと、選択された制御コードの画像を表示するステップと、制御コードの画像が表示された後、走査光を検出するステップにおいて制御コードの画像を走査する走査光が検出されなくなると、文書画像を表示するステップと、をコンピュータに実行させる。
【0023】
この局面に従えば、画像読取装置にワークフローを実行させる操作を容易にした表示制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施の形態における電子ペーパの平面図である。
【図2】電子ペーパのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【図3】MFPの外観を示す斜視図である。
【図4】MFPのハードウエア構成の概要を示すブロック図である。
【図5】ワークフローテーブルの一例を示す図である。
【図6】電子ペーパが備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。
【図7】表示制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図8】読取実行処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部材には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。従ってそれらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0026】
図1は、本発明の実施の形態における電子ペーパの平面図である。図1を参照して、電子ペーパ1は、その上面に表示部19と、電源キー21Aを含む操作部21とが設けられ、表示部19には同じ領域に面状光センサ27が設けられる。
【0027】
表示部19は、樹脂基板上に2次元に配列した複数の画素を形成し、各画素にTFT(Thin Film Transistor)素子を配置した構造である。面状光センサ27は、アモルファスSi等のフォトセンサを画素ごとに設けた構造である。表示部19および面状光センサ27は、柔軟な素材からなり、電子ペーパ19を折り曲げることができる。
【0028】
なお、電子ペーパ100に代えて、液晶表示装置(LCD)、有機ELD(Electroluminescence Display)等の平面状(シート状を含む)表示装置を用いるようにしてもよい。
【0029】
表示部19の表示面は、A3サイズであり、図1においては、電子ペーパ1の長手方向を横に配置して示している。以下の説明では、電子ペーパ1を基準に表示面の方向を定めて説明する。以下、表示面の上方向というときは、図1に示された電子ペーパ1において図1の下から上に向かう方向を示し、表示面の下方向というときは、図1に示された電子ペーパ1において図1の上から下に向かう方向を示し、表示面の左方向というときは、図1に示された電子ペーパ1において図1の右から左に向かう方向を示し、表示面の右方向というときは、図1に示された電子ペーパ1において図1の左から右に向かう方向を示す。
【0030】
図2は、電子ペーパのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。図2を参照して、電子ペーパ1は、それぞれがバス31に接続された、電子ペーパ1の全体を制御する中央演算装置(CPU)11、ROM(Read Only Memory)13、RAM(Random Access Memory)15、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)17、表示部19、ユーザの操作を受け付ける操作部21、電子ペーパ1をネットワークに接続するための通信インターフェース(I/F)23、外部インターフェース(I/F)25および面状光センサ27を含む。
【0031】
表示部19は、CPU11により制御されて、画像を表示する。ROM13は、CPU11が実行するプログラム、またはそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。RAM15は、CPU11がプログラムを実行する際の作業領域として用いられる。EEPROM17は、プログラムまたはデータ等を不揮発的に記憶する。
【0032】
面状光センサ27は、表示部19の表示面における画素ごとの光を検出し、検出した光の光量と画素の位置との組をCPU11に出力する。ユーザが表示部19の表示面を指で指示すれば、表示面の指示された位置の光量が減少するので、CPU11は、面状光センサ27の出力から、表示面でユーザが指示した位置を検出することにより、いわゆるタッチパネルとして面状光センサ27を利用する。
【0033】
操作部21は、電源キー21Aを含む複数のキーを含む。通信I/F23は、電子ペーパ1を外部のコンピュータと接続するためのインターフェースである。例えば、シリアル通信またはパラレル通信が可能な通信回路である。CPU11は、通信I/F23を介して接続されたコンピュータと通信し、データを送受信する。また、通信I/F23は、電子ペーパ1をローカルエリアネットワーク等のネットワークに接続するためのインターフェースであってもよい。この場合、CPU11は、通信I/F23を介して別の電子ペーパまたはコンピュータと通信し、データを送受信することができ、また、ネットワークを介してインターネットに接続されたコンピュータと通信することができる。
【0034】
外部I/F25は、外部の記憶装置と通信するためのインターフェースである。ここでは、外部I/F25は、接続された外部の記憶装置とシリアル通信する。外部I/F25に外部の記憶装置としてCD−ROMドライバが接続される場合、CPU11は、外部I/F25を介してCD−ROMドライバに装着されるCD(Compact Disk)−ROM25Aにアクセス可能である。CPU11は、CD−ROM25Aに記録されたプログラムをRAM15にロードして実行することが可能である。
【0035】
なお、CPU11が実行するプログラムは、CD−ROM25Aに記録されたプログラムに限られず、EEPROM17に記憶されたプログラムをRAM15にロードして実行するようにしても良い。この場合、ネットワークに接続された他のコンピュータが、電子ペーパ1のEEPROM17に記憶されたプログラムを書き換える、または、新たなプログラムを追加して書き込むようにしてもよい。さらに、電子ペーパ1が、ネットワークに接続された他のコンピュータからプログラムをダウンロードして、そのプログラムをEEPROM17に記憶するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU11が直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0036】
本実施の形態における電子ペーパ1は、表示部19の表示面をMFP(Multi Function Peripheral)の読取部分に向けて載置され、表示部19の表示面に画像を表示した状態でMFPに読み取らせる形態で使用される。この際、MFPが実際の画像を読み取る前の段階で実行するプレスキャンの最中に、MFPが走査光を走査する領域を、面状光センサ27により検出する。面状光センサ27は、表示部19の画素ごとの光量を検出するので、面状光センサ27が検出する読取領域は、表示部19の表示面中の領域として特定することができる。また、MFPにより実行されるプレスキャンによる走査、または画像を読み取るための走査は、所定の強度以上の光を走査するため、面状光センサ27が所定強度以上の光を検出した場合に、MFPによる走査がされたことを判断することができ、所定の強度以上の光が検出された領域をMFPが走査する読取領域として検出することができる。
【0037】
なお、ここでは、電子ペーパ1が備える表示部19の表示面を,MFPの読取装置に載置する場合を例に説明するが、走査光により画像を読み取る機能を備えていれば、スキャナ装置、ファクシミリ装置、または複写機等の画像読取装置であってもよい。
【0038】
図3は、MFPの外観を示す斜視図である。図4は、MFPのハードウエア構成の概要を示すブロック図である。図3および図4を参照して、MFP100は、メイン回路110と、原稿を読み取るための原稿読取部130と、原稿を原稿読取部130に搬送するための自動原稿搬送装置120と、原稿読取部130が原稿を読み取って出力する画像データに基づいて用紙等に画像を形成するための画像形成部140と、画像形成部140に用紙を供給するための給紙部150と、ユーザインターフェースとしての操作パネル160とを含む。
【0039】
ADF120は、原稿台に搭載された複数枚の原稿をさばいて1枚ずつ順に、原稿読取部130に搬送する。ADF120は、原稿の片面を原稿読取部130に読み取らせる場合、原稿を原稿読取部130に搬送して表面を読み取らせる。さらに、ADF120は、原稿の両面を原稿読取部130に読み取らせる場合、原稿を原稿読取部130に搬送して表面を読み取らせた後、原稿を裏返して原稿読取部130に搬送して裏面を読み取らせる。原稿読取部130は、写真、文字、絵等の画像情報を原稿から光学的に読み取って画像データを取得し、CPU111に出力する。
【0040】
CPU111は、画像データを画像処理する。画像データは、原稿読取部130が原稿を読み取って出力する画像データ、通信I/F112により他のコンピュータから受信されるプリントジョブに含まれる画像データ、通信I/F112により他のMFP100A〜100Dのいずれかから受信される画像データ、HDD114に記憶されている画像データを含む。画像処理は、例えば、画像を拡大する拡大処理、画像を縮小する縮小処理、複数の画像を合成して1つの画像を生成する合成処理、画像を回転させて方向を変換する回転処理等である。CPU111は、処理後の画像データを画像形成部140に出力する。
【0041】
給紙部150は、複数の給紙トレイを有し、指定された給紙トレイに格納した用紙を1枚ずつ画像形成部140に供給する。複数の給紙トレイそれぞれは、複数のサイズの用紙のうちから選ばれたサイズの用紙を、複数の方向のうちから選ばれた方向に収納する。ここでは、給紙部150が4つの第1〜第4給紙トレイを有し、第1の給紙トレイがA4サイズの用紙を縦方向に収納し、第2の給紙トレイがA4サイズの用紙を横方向に収納し、第3の給紙トレイがA3サイズの用紙を縦方向に収納し、第4の給紙トレイがB5サイズの用紙を横方向に収納する。また、給紙部150は、両面印刷が指定されると、用紙の両面に画像を形成するために、画像形成部140に搬送した用紙を表裏反転させて、再度画像形成部140に搬送する。
【0042】
画像形成部140は、CPU111から入力される画像データに基づき、給紙部150から搬送される用紙に画像を形成する。
【0043】
メイン回路110は、CPU111と、通信インターフェース(I/F)部112と、ROM113と、RAM114と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)115と、ファクシミリ部116と、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)118が装着される外部記憶装置117と、を含む。CPU111は、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150および操作パネル160と接続され、MFP100の全体を制御する。
【0044】
ROM113は、CPU111が実行するプログラム、またはそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。RAM114は、CPU111がプログラムを実行する際の作業領域として用いられる。また、RAM114は、原稿読取部130から連続的に送られてくる読取画像を一時的に記憶する。
【0045】
操作パネル160は、MFP100の上面に設けられ、表示部161と操作部163とを含む。表示部161は、液晶表示装置(LCD)、有機ELD(Electro−Luminescence Display)等の表示装置であり、ユーザに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。操作部163は、複数のキーを備え、キーに対応するユーザの操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付ける。操作部163は、表示部161上に設けられたタッチパネルをさらに含む。
【0046】
通信I/F部112は、MFP100をローカルエリアネットワーク(LAN)等のネットワークに接続するためのインターフェースである。CPU111は、通信I/F部112を介してネットワークに接続されたコンピュータとの間で通信し、データを送受信する。また、通信I/F部112は、ネットワークがインターネットに接続された場合、通信I/F部112を介してインターネットに接続されたコンピュータと通信が可能である。
【0047】
ファクシミリ部116は、公衆交換電話網(PSTN)に接続され、PSTNにファクシミリデータを送信する、またはPSTNからファクシミリデータを受信する。ファクシミリ部116は、受信したファクシミリデータを、HDD115に記憶する、または画像形成部140に出力する。画像形成部140は、ファクシミリ部116により受信されたファクシミリデータを用紙にプリントする。また、ファクシミリ部116は、HDD115に記憶されたデータをファクシミリデータに変換して、PSTNに接続されたファクシミリ装置に送信する。
【0048】
外部記憶装置117は、CD−ROM118が装着される。CPU111は、外部記憶装置117を介してCD−ROM118にアクセス可能である。CPU111は、外部記憶装置117に装着されたCD−ROM118に記録されたプログラムをRAM114にロードして実行する。なお、CPU111が実行するプログラムは、CD−ROM118に記録されたプログラムに限られず、HDD115に記憶されたプログラムをRAM114にロードして実行するようにしてもよい。この場合、ネットワークに接続された他のコンピュータが、MFP100のHDD115に記憶されたプログラムを書き換える、または、新たなプログラムを追加して書き込むようにしてもよい。さらに、MFP100が、ネットワークに接続された他のコンピュータからプログラムをダウンロードして、そのプログラムをHDD115に記憶するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU111が直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0049】
MFP100は、HDD115に複数のワークフローを記憶している。ワークフローは、MFP100が実行可能な複数の処理のうちから選ばれた1以上の処理の手順を定める。HDD115に記憶される複数のワークフローそれぞれは、それを識別するための制御コードが割り当てられている。制御コードは、英数文字、記号の組み合わせからなり、例えば、制御コードを示す「CON」の文字列と、それに続く3桁の数字とである。
【0050】
ユーザがMFP100にワークフローを予め登録することにより、HDD116にワークフローが記憶される。ユーザがワークフローをMFP100に登録する際に、ワークフローと分類記号と制御コードとを関連付けたワークフローテーブルを登録することができる。分類記号は、ユーザの氏名、所属、または役職を含む所有者分類と、機密度、緊急度または処理対象となる文書データの種類を含む文書分類とを含む。文書データの機密度は、文書データを機密に保つ度合いを示し、例えば、人事情報等公開の範囲がある範囲に制限される機密に保つ度合いの大きい機密高、部や課等機密度高よりも広い範囲で公開が制限される機密中、社内等機密度中よりも広い範囲で公開が制限される機密低である。文書データの緊急度は、文書データを他人に伝えるまでの時間の度合いを示し、例えば、時間の短い緊急度高、緊急度高よりも時間の長い緊急度中、時間の制限を受けない緊急度低などである。文書データの種類は、文書データの元になる原稿の種類を示し、例えば、会議資料(議事録)、報告資料、企画資料などである。分類記号は、所有者分類と文書分類とのいずれか一方が設定されてもよいし、双方が設定されてもよい。
【0051】
図5は、ワークフローテーブルの一例を示す図である。図5を参照して、ワークフローテーブルは、分類記号の項目と、内容の項目と、ワークフローの項目と、制御コードの項目と、を含む。例えば、分類記号の項目には、分類記号が設定され、内容の項目には、分類記号が示す内容が設定され、ワークフローの項目には分類記号に関連付けられたワークフローで定義される処理の概要が設定される。例えば、分類記号「A1」と、内容「緊急度高」と、ワークフロー「メールに添付して送信」する処理を定めるワークフローと、制御コード「CON001」と、が関連付けられる。なお、図5では、分類記号に文書分類が設定される例を示すが、所有者分類を設定することも可能である。
【0052】
MFP100は、ユーザがワークフローを設定する場合に、分類記号と内容とを一覧表示する画面を表示部161に表示し、ユーザが分類記号を選択すれば、ワーフクローテーブルによって、選択された分類記号に関連付けられた制御コードで特定されるワークフローが、MFP100によって自動的に実行される。分類記号が複数選択される場合には、選択された複数の分類記号と、それぞれ関連付けられた複数の制御コードが選択され、選択された複数の制御コードそれぞれで特定される複数のワークフローが実行される。ユーザが、HDD100に記憶された複数のワークフローのうちから所望のワークフローを選択して実行させる際に、ユーザは分類記号を指定すればよい。これにより、MFP100に実行させるワークフローを指定する操作が容易となる。例えば、緊急度高の分類記号「A1」と、機密度高の分類記号「B1」がユーザにより指定される場合、制御コード「CON001」および「CON011」が選択され、「メールに添付して送信」する処理を定義するワークフローと、「コピープロテクトウォーターマーク挿入&暗号化」する処理を定義するワークフローと、が実行される。
【0053】
また、ワークフローテーブルは、ユーザごとにワークフローを関連付けてもよいし、そのユーザが所属する部門(第1グループ)ごとに関連付けてもよいし、そのユーザの役職(第2グループ)ごとに関連付けてもよい。
【0054】
ワークフローテーブルは、MFP100から電子ペーパ1に予め送信され、電子ペーパ1は、MFP100から取得されるワークフローテーブルを、記憶する。なお、ワークフローを一元的に管理するサーバが存在する場合には、ワークフローテーブルを、サーバに記憶するようにし、電子ペーパ1は、サーバからMFP100が記憶するワークフローテーブルを取得する。
【0055】
MFP100は、原稿読取部130により原稿画像が読み取られ、読み取られた原稿の画像データを取得すると、画像データをOCR(Optical Character Reader)処理する。そして、HDD115に記憶されたワークフローテーブルを参照して、複数のワークフローにそれぞれ割り当てられた複数の制御コードのうちに、画像データから抽出された文字列と同じ制御コードが存在すれば、その制御コードを特定する。さらに、その後、原稿読取部130が原稿画像を読み取って出力する画像データに対して、特定された制御コードが割り当てられたワークフローによって定められる1以上の処理を実行する。なお、制御コードの画像は、バーコード等の図形であってもよい。この場合、MFPは、OCR処理する必要はなく、制御コードの画像を解析して、制御コードを判別する。
【0056】
図6は、電子ペーパが備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。図6に示すCPU11が有する機能は、CPU11がROM13、EEPROM17またはCD−ROM25Aに記憶された表示制御プログラムを実行することにより、CPU11に形成される。
【0057】
図6を参照して、CPU11は、表示対象となる文書データを受け付ける文書データ受付部51と、文書画像を生成する文書画像生成部53と、走査光を検出する走査光検出部55と、複数ある制御コードのうちから1つを選択する制御コード選択部57と、表示部19の表示を制御する表示制御部59と、を含む。
【0058】
文書データ受付部51は、ユーザの操作を受け付け、受け付けられた操作に従って、EEPROM17に記憶された文書データのうちから1つを読出し、読み出した表示用データを表示制御部59および制御コード選択部57に出力する。
【0059】
文書画像生成部53は、文書データ受付部51から入力される文書データに含まれる1以上のページごとに文書画像を生成し、生成された文書画像を、表示制御部59に出力する。文書画像生成部53は、文書データに複数のページが含まれる場合、ページ数と同じ数だけ文書画像を生成し、複数の文書画像を表示制御部59に出力する。
【0060】
走査光検出部55は、面状光センサ27の出力を監視しており、所定強度の光の走査を検出すると、MFP100による走査光を検出する。また、走査光検出部55は、検出された走査光が表示部19の表示面に対して移動する方向を走査方向として検出する。ここでは、MFP100はラインセンサを有するものとし、MFP100は、ラインセンサを、ラインセンサの画素の配列する方向(副走査方向)に垂直な主走査方向に移動させることにより走査する。走査光検出部55は、主走査方向を検出する。以下、走査方向というときは、主走査方向を示す。走査光検出部55は、走査光を検出すると、走査が開始されたことを示す走査開始信号を表示制御部59に出力し、走査方向を検出すると走査方向を表示制御部59に出力する。走査光検出部55により検出される走査方向は、表示部19の表示面を基準にして定まる相対的な方向である。
【0061】
制御コード選択部57は、文書データ受付部51から文書データが入力され、文書データに基づいて、EEPROM17に記憶された複数の制御コードのうちから特定の制御コードを選択する。制御コード選択部57は、選択された制御コードを表示制御部59に出力する。制御コード選択部57は、文書データに基づいて、少なくとも1つの制御コードを選択する。文書データに基づいて少なくとも1つの制御コードを選択するので、制御コードを選択する操作を省略することができる。
【0062】
文書データは、制御コードを選択する条件となる選択条件情報を含む。選択条件情報は、例えば、その文書データを作成したユーザ、またはその文書データを指定したユーザを識別するためのユーザ識別情報、文書データの機密度、緊急度および種類である。選択条件情報は、文書データのプロパティまたはヘッダに記述される。例えば、パーソナルコンピュータ(PC)から文書データが入力される場合には、PCにおいて文書データのプロパティまたはヘッダに、選択条件情報が記述される。また、電子ペーパ1が、PCと同様のアプリケーションプログラムを実行可能な場合には、電子ペーパ1において、文書データのヘッダまたはプロパティに選択条件情報を記述するようにしてもよい。選択条件情報は、図5に示したワークフローテーブルによって定められた分類記号を用いるようにしてもよい。
【0063】
また、選択条件情報は、文書データに画像として埋め込まれるようにしてもよい。この場合には、制御コード選択部57は、文書データの画像を文字認識(OCR)することにより、選択条件情報を文書データから抽出する。例えば、文書データ内に「極秘」等の文字列があれば、それを文字認識により検出することにより、選択条件情報を文書データの画像から抽出するようにしてもよい。さらに、予め定められた文字列と、選択条件情報とを関連付けたテーブルを予め準備しておき、文書データの画像を文字認識した文書データ中の文字列から、選択条件情報を決定するようにしてもよい。具体的には、「至急」の文字列が検出されたならば選択条件情報として分類記号「A1」を決定し、「1週間」の文字列が検出されたならば選択条件情報として分類記号「A2」を決定し、「2週間」の文字列が検出されたならば、選択条件情報として分類記号「A3」を決定する。
【0064】
EEPROM17に、MFP100から受信したワークフローテーブルを記憶する。制御コード選択部57は、文書データから選択条件情報を抽出し、ワークフローテーブルを参照して、選択条件情報に基づいてワークフローを特定し、特定したワークフローと関連付けられた制御コードを特定することにより、複数の制御コードのうちから少なくとも1つの制御コードを選択する。選択条件情報に基づいてワークフローテーブルによって定められる分類記号を特定し、分類記号にワークフローテーブルによって関連付けられた制御コードを選択する。選択条件情報に分類記号を用いる場合には、選択条件情報としての分類記号にワークフローテーブルによって関連付けられた制御コードを選択する。このため、ユーザは、機密度、緊急度および種類を文書データに設定するだけでよく、ユーザが設定した機密度、緊急度および種類に適したワークフローが選択される。
【0065】
また、EEPROM17に記憶されるワークフローテーブルが、分類記号としての所有者分類にワークフローおよび制御コードを関連付ける場合には、ユーザ識別情報と、ユーザの氏名、所属、または役職を含む所有者分類を関連付けたユーザデータを予め記憶しておくようにしてもよい。この場合、制御コード選択部57は、文書データに含まれるユーザ識別情報に関連付けられた氏名、所属、または役職を、ユーザデータを検索することにより取得し、ワークフローテーブルを参照して、そのユーザが分類される所有者分類を特定し、特定された所有者分類にワークフローテーブルによって関連付けられた制御コードを選択する。このため、文書データを作成または指定したユーザに適したワークフローが選択される。
【0066】
また、制御コード選択部57は、ユーザが操作部21を操作することにより、EEPROM17に記憶された複数の制御コードのうちから少なくとも1つを指定する操作を入力する場合、ユーザにより指定された制御コードを選択する。
【0067】
表示制御部59は、制御コード表示部61と、文書画像表示部63と、を含む。制御コード表示部61は、制御コード選択部57から制御コードが入力され、入力される制御コードの画像を、表示部19に表示する。制御コードの画像を表示する方向は、走査光検出部55から入力される走査方向により定まる。複数の制御コードが選択される場合、複数の制御コードの画像を含む画像を表示する。
【0068】
文書画像表示部63は、文書画像生成部53から文書画像が入力され、制御コード表示部61によって制御コードの画像が表示部19に表示された後に、文書画像を表示部19に表示する。文書画像表示部63は、走査光検出部55から入力される走査方向により定まる表示方向に、文書画像の方向を合わせて、文書画像を表示する。
【0069】
走査光検出部55は、MFP100がスキャンを開始すると、検出信号を表示制御部59に出力する。走査光検出部55は、MFP100がスキャンしている間、換言すれば、所定強度の光の走査を検出している間、検出信号を表示制御部59に出力する。MFP100は、原稿のサイズ等を検出するために、プレスキャンを実行する。このため、走査光検出部55が最初の検出信号を出力する期間は、MFP100がプレスキャンしている期間であり、走査光検出部55が2回目の検出信号を出力する期間は、MFP100が制御コードの画像を読み取る期間であり、走査光検出部55が3回目以降に検出信号を出力する期間は、MFP100が原稿画像を読み取る期間である。
【0070】
したがって、文書画像表示部63は、走査光検出部55から2回目の検出信号が入力されている状態から検出信号が入力されない状態に遷移すると、文書画像を表示部19に表示する。また、文書画像生成部53から複数の文書画像が入力される場合、3回目以降の検出信号が入力されなくなるごとに、次のページの文書画像を順に表示部19に表示する。そして、文書画像生成部53から入力される複数の文書画像の全てを表示部19に表示した後、画像の終了を示す制御コード(終了コード)の画像を表示部19に表示する。
【0071】
図7は、表示制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。表示制御処理は、電子ペーパ1の備えるCPU11が、EEPROM17に記憶された表示制御プログラムを実行することにより、CPU11により実行される処理である。図8は、読取実行処理の流れの一例を示すフローチャートである。読取実行処理は、MFP100の備えるCPU111が、ROM113またはHDD115に記憶された読取実行プログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。図7および図8を参照して、電子ペーパ1の備えるCPU11は、設定を受け付けたか否かを判断する(ステップS01)。ここでは、電子ペーパ1のEEPROM17に記憶されている文書データのうちから処理対象とする1つの文書データを指定する設定を受け付ける。設定を受け付けるまで待機状態となり(ステップS01でNO)、設定を受け付けたならば、処理をステップS02に進める。ステップS02においては、ステップS01において受け付けられた設定に従って、EEPROM17から処理対象とする文書データを読み出す。
【0072】
ステップS03においては、制御コードを決定する。ステップS02において読み出された文書データに含まれるユーザ識別情報、文書データの種類、緊急度、機密度に基づいて、EEPROM17に記憶されている複数の制御コードのうちから特定の制御コードを選択し、選択した制御コードを表示する制御コードに決定する。
【0073】
一方、MFP100が備えるCPU111は、読取指示を受け付けたか否かを判断する(ステップS21)。ユーザにより操作部163の備えるスタートボタンが押下されると、読取指示を受け付ける。読取指示を受け付けるまで待機状態となり(ステップS21でNO)、読取指示を受け付けると(ステップS21でYES)、プレスキャンを実行し、処理をステップS22に進める。
【0074】
電子ペーパ1の備えるCPU11は、ステップS04において、MFP100が出力する走査光を検出したか否かを判断する。この段階で検出される走査光は、MFP100がプレスキャンを実行する場合に発する走査光である。面状光センサ27が所定強度の光を検出すると走査光を検出する。走査光を検出するまで待機状態となり(ステップS04でNO)、面状光センサ27が所定強度の光を検出すると(ステップS04でYES)、MFP100によるプレスキャンの開始と判断し、処理をステップS05に進める。ステップS05においては、走査方向を検出する。面状光センサ27で所定強度の光を検出する画素が時間とともに移動するので、所定強度の光を検出する画素が表示面において移動する方向を走査方向として検出する。そして、検出された走査方向に基づいて、表示部19に画像を表示する表示方向を決定する(ステップS06)。
【0075】
次のステップS07においては、走査が終了したか否かを判断する。面状光センサ27が所定強度の光を検出しなくなると、走査が終了したと判断する。走査の終了を検出するまで待機状態となり(ステップS07でNO)、走査の終了を検出すると(ステップS07でYES)、処理をステップS08に進める。
【0076】
ステップS08においては、ステップS03において決定された制御コードを表示する。制御コードの画像を、画像の方向をステップS04で決定された表示方向に合わせて、表示部19に表示する。
【0077】
MFP100のCPU111においては、プレスキャンの後、ステップS22による読取走査によって、電子ペーパ1の表示部19に表示された画像を読み取った画像データを取得する。そして取得された画像データに対してOCR処理を実行する(ステップS23)。次のステップS24においては、OCR処理を実行して認識される文字列が制御コードであるか否かを判別する。制御コードであると判別したならば処理をステップS25に進めるが、そうでなければ処理をステップS27に進める。MFP100が最初に読取走査する場合、電子ペーパ1の表示部19に制御コードの画像が表示されているので、処理をステップS25に進める。
【0078】
ステップS25においては、ステップS24において判別された制御コードが、予め定められた終了コードか否かを判断する。制御コードが終了コードならば処理をステップS28に進めるが、そうでなければ処理をステップS26に進める。この段階で、電子ペーパ1の表示部19に表示される制御コードは終了コードでないので、処理はステップS26に進む。ステップS26においては、ステップS24において判別された制御コードをRAM114に一時記憶し、処理をステップS22に戻す。
【0079】
電子ペーパ1のCPU11は、ステップS09において、MFP100による読取走査が終了したか否かを判断する。面状光センサ27が所定強度の光を検出した後、所定強度の光を検出しなくなると、走査が終了したと判断する。走査の終了を検出するまで待機状態となり(ステップS09でNO)、走査の終了を検出すると(ステップS09でYES)、処理をステップS10に進める。MFP100が1回の走査を終了するまで表示部19の表示面に表示された制御コードの画像が切り換えられないので、表示部19に表示された制御コードの画像をMFP100で読み取るための時間を確保することができる。
【0080】
ステップS10においては、開始ページの文書画像を生成する。次のステップS11においては、文書画像を表示部19の表示面に表示する。文書画像を、画像の方向をステップS06で決定された表示方向に合わせて、表示部19に表示する。
【0081】
MFP100のCPU111は、ステップS22において読取走査を開始する。この段階において、電子ペーパ1の表示部19には、文書画像が表示されているので、文書画像を読み取った画像データを取得する。この場合、画像データは制御コードを含まないので、ステップS23においてOCR処理が実行されたとしても認識される文字列は制御コードを含まない。このため、処理はステップS27に進み、文書画像を読み取った画像データをRAM114に一時記憶する。
【0082】
電子ペーパ1のCPU11は、ステップS12においては、走査が終了したか否かを判断する。走査の終了を検出するまで待機状態となり(ステップS12でNO)、走査の終了を検出すると(ステップS12でYES)、処理をステップS13に進める。MFP100が1回の走査を終了するまで表示部19の表示面に表示された文書画像が切り換えられないので、表示部19に表示された文書画像をMFP100で読み取るための時間を確保することができる。
【0083】
ステップS13においては、次のページの文書画像が存在するか否かを判断する。次のページの文書画像が存在するならば処理をステップS14に進めるが、そうでなければ処理をステップS15に進める。ステップS14においては、次のページの文書画像を生成し、処理をステップS11に戻す。
【0084】
電子ペーパ1のCPU11がステップS11〜ステップS14を繰り返すと、MFP100のCPU111がステップS22、S23、S24、S27の処理を、CPU11が繰り返す回数と同じ回数だけ繰り返す。これによって、電子ペーパ1の表示部19に表示された文書画像の全てが、MFP100によって読取走査され(ステップS22)、文書画像の画像データがRAM114に一時記憶される(ステップS27)。
【0085】
電子ペーパ1のCPU11は、ステップS15において、終了コードを表示する。終了コードの画像を、画像の方向をステップS06で決定された表示方向に合わせて、表示部19に表示する。次のステップS16においては、走査が終了したか否かを判断する。走査の終了を検出するまで待機状態となり(ステップS16でNO)、走査の終了を検出すると(ステップS16でYES)、処理を終了する。MFP100が1回の走査を終了するまで表示部19の表示面に表示された終了コードの画像が切り換えられないので、表示部19に表示された終了コードの画像をMFP100で読み取るための時間を確保することができる。
【0086】
MFP100が備えるCPU111は、ステップS22において読取走査を開始する。この段階において、電子ペーパ1の表示部19には、終了コードの画像が表示されているので、終了コードの画像を読み取った画像データを取得する。そして、ステップS23において、その画像データに対してOCR処理を実行することにより認識される文字列が制御コードあると判別され、処理はステップS25に進む。さらに、ステップS25おいて制御コードが終了コードであると判断され、処理はステップS28に進む。ステップS28においては、ステップS26においてRAM114に一時記憶された制御コードを読み出す。次のステップS29において、制御コードに対応して予め定められたワークフローを決定する。さらに、決定されたワークフローで定められる処理を、ステップS27においてRAM114に一時記憶された画像データに対して実行し、処理を終了する。複数の制御コードが一時記憶されている場合には、複数の制御コードにそれぞれ対応する複数のワークフローが決定され、RAM114に一時記憶された画像データに対して、複数のワークフローそれぞれで定められる処理が実行される。
【0087】
以上説明したように、本実施の形態におけるMFP100は、制御コードの画像に続いて、原稿画像を読み取る場合、制御コードに対応して予め定められたワークフローにより定める1以上の処理を、読み取られた原稿画像を処理対象として実行する。ワークフローは、原稿画像を、記憶する処理、画像形成する処理、電子メールまたはファイル転送などで送信する処理である。電子ペーパ1は、文書データが指定されると、制御コードを表示した後、MFP100が発する走査光が検出されるごとに、文書データに含まれるページの文書画像を順に表示する。このため、電子ペーパ1に表示された文書画像をMFP100に読み取らせ、MFP100に読み取らせた文書画像に対して、制御コードに対応するワークフローを実行させることができる。したがって、制御コードをMFP100に読み取らせる操作を省略することができる。
【0088】
さらに、電子ペーパ1は、文書データが指定されると、文書データに含まれる文書属性および/またはユーザ情報に基づいて、複数の制御コードのうちから1つを選択する。このため、文書データを指定すれば、1つの制御コードが選択されるので、制御コードを選択する操作を省略することができる。
【0089】
文書属性は、機密度、緊急度および文書の種類のうちから選ばれた1以上を含むので、機密度、緊急度および文書の種類に適したワークフローを選択することができる。例えば、機密性の高い文書画像については、暗号化する処理を含むワークフローを選択し、緊急度の高い文書画像については、電子メールで通知する処理を含むワークフローを選択し、文書の種類が、報告書、会議資料の文書画像については、報告先または会議の出席者に送信する処理を含むワークフローを選択する。
【0090】
さらに、ユーザ情報は、ユーザを識別するためのユーザ識別情報、ユーザが分類される所属、ユーザの役職のうちから選ばれた1以上を含むので、文書データを作成または指定したユーザ、そのユーザが分類される部署、そのユーザの役職に適したワークフローを選択することができる。例えば、複数のワークフローを、ユーザごと、部署ごと、役職ごとに分類しておき、文書データを作成または指定したユーザ、ユーザが分類される所属、ユーザの役職に分類されたワークフローを選択する。
【0091】
なお、本実施の形態においては、平面状表示装置の一例として電子ペーパ1について説明したが、図6に示した表示制御処理を電子ペーパ1で実行するための表示制御方法、または、その表示制御方法を、電子ペーパ1が備えるCPU11に実行させるための表示制御プログラムとして、発明を捉えることができるのは言うまでもない。
【0092】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0093】
<付記>
(1) 文書データを受け付けるステップを、さらに含み、
前記文書画像を表示するステップは、前記文書データを構成するページの画像を文書画像として表示するステップを含み、
前記制御コードを選択するステップは、前記文書データに含まれる文書属性およびユーザ情報に基づいて、前記複数の制御コードのうちから1つを選択するステップを含む、請求項10に記載の表示制御方法。
(2) 前記文書属性は、機密度、緊急度および文書の種類のうちから選ばれた1以上を含む、(1)に記載の表示制御方法。
(3) 前記ユーザ情報は、ユーザを識別するためのユーザ識別情報、ユーザが分類される所属、ユーザの役職のうちから選ばれた1以上を含む、(1)または(2)に記載の表示制御方法。
【符号の説明】
【0094】
1 電子ペーパ11 CPU、13 ROM、15 RAM、17 EEPROM、19 電子ペーパ、21 操作部、21A 電源キー、23 通信I/F、25 外部I/F、25A CD−ROM、27 面状光センサ、31 バス、51 文書データ受付部、53 文書画像生成部、55 走査光検出部、57 制御コード選択部、59 表示制御部、61 制御コード表示部、63 文書画像表示部、100 MFP、110 メイン回路、111 CPU、112 通信I/F部、113 ROM、114 RAM、115 HDD、116 ファクシミリ部、117 外部記憶装置、118 CD−ROM、120 自動原稿搬送装置、130 原稿読取部、140 画像形成部、150 給紙部、160 操作パネル、161 表示部、163 操作部。





【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像読取装置と前記画像読取装置に載置可能な平面状表示装置とを含む画像読取システムであって、
前記画像読取装置は、原稿を読み取って画像データを出力する原稿読取手段と、
前記原稿読取手段により出力される画像データから制御コードを抽出する制御コード抽出手段と、
1以上の処理の手順を定めた複数のワークフローのうちから前記抽出された制御コードに対応するワークフローにより定められた1以上の処理を実行するワークフロー実行手段と、を備え、
前記平面状表示装置は、
前記画像読取装置が発する走査光を検出する光走査検出手段と、
前記画像読取装置との間で予め定められ、前記複数のワークフローをそれぞれ識別するための複数の制御コードのうちから特定の制御コードを選択する制御コード選択手段と、
前記選択された制御コードの画像を表示する制御コード表示手段と、
前記制御コードの画像が表示された後、前記光走査検出手段により前記制御コードの画像を走査する走査光が検出されなくなると、文書画像を表示する文書画像表示手段と、を備えた画像読取システム。
【請求項2】
前記平面状表示装置は、電子ペーパである、請求項1に記載の画像読取システム。
【請求項3】
文書データを受け付ける文書データ受付手段をさらに備え、
前記文書画像表示手段は、前記文書データを構成するページの画像を文書画像として表示し、
前記制御コード選択手段は、前記文書データに含まれる文書属性および/またはユーザ情報に基づいて、前記複数の制御コードのうちから特定の制御コードを選択する、請求項1または2に記載の画像読取システム。
【請求項4】
前記文書属性は、機密度、緊急度および文書の種類のうちから選ばれた1以上を含む、請求項3に記載の画像読取システム。
【請求項5】
前記ユーザ情報は、ユーザを識別するためのユーザ識別情報、ユーザが分類される所属、ユーザの役職のうちから選ばれた1以上を含む、請求項3または4に記載の画像読取システム。
【請求項6】
画像読取装置が発する走査光を検出する光走査検出手段と、
前記画像読取装置との間で予め定められ、前記画像読取装置が実行する1以上の処理を定めた複数のワークフローをそれぞれ識別するための複数の制御コードのうちから特定の制御コードを選択する制御コード選択手段と、
前記選択された制御コードの画像を表示する制御コード表示手段と、
前記制御コードの画像が表示された後、前記光走査検出手段により前記制御コードの画像を走査する走査光が検出されなくなると、文書画像を表示する文書画像表示手段と、を備えた平面状表示装置。
【請求項7】
文書データを受け付ける文書データ受付手段をさらに備え、
前記文書画像表示手段は、前記文書データを構成するページの画像を文書画像として表示し、
前記制御コード選択手段は、前記文書データに含まれる文書属性および/またはユーザ情報に基づいて、前記複数の制御コードのうちから特定の制御コードを選択する、請求項6に記載の平面状表示装置。
【請求項8】
前記文書属性は、機密度、緊急度および文書の種類のうちから選ばれた1以上を含む、請求項7に記載の平面状表示装置。
【請求項9】
前記ユーザ情報は、ユーザを識別するためのユーザ識別情報、ユーザが分類される所属、ユーザの役職のうちから選ばれた1以上を含む、請求項7または8に記載の画像読取システム。
【請求項10】
画像読取装置が発する走査光を検出するステップと、
前記画像読取装置との間で予め定められ、前記画像読取装置が実行する1以上の処理を定めた複数のワークフローをそれぞれ識別するための複数の制御コードのうちから特定の制御コードを選択するステップと、
前記選択された制御コードの画像を表示するステップと、
前記制御コードの画像が表示された後、前記走査光を検出するステップにおいて前記制御コードの画像を走査する走査光が検出されなくなると、文書画像を表示するステップと、を含む表示制御方法。
【請求項11】
画像読取装置が発する走査光を検出するステップと、
前記画像読取装置との間で予め定められ、前記画像読取装置が実行する1以上の処理を定めた複数のワークフローをそれぞれ識別するための複数の制御コードのうちから特定の制御コードを選択するステップと、
前記選択された制御コードの画像を表示するステップと、
前記制御コードの画像表示された後、前記走査光を検出するステップにおいて前記制御コードの画像を走査する走査光が検出されなくなると、文書画像を表示するステップと、を前記コンピュータに実行させる表示制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−105089(P2012−105089A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−252167(P2010−252167)
【出願日】平成22年11月10日(2010.11.10)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】