説明

画像読取装置、画像形成装置

【課題】光源が発した熱を放熱させることができる画像読取装置及び画像形成装置を得る。
【解決手段】回路基板59がブラケット57に支持された状態で、発光素子61を回路基板59の他の面59Bに投影させた投影部86をブラケット57の平面部57Bが支持するように、平面部57Bの形状が決められている。つまり、発光素子61によって回路基板59へ放出された熱は、回路基板59に必要以上に吸収されることなく、樹脂部材に比して熱伝達率が高い板金部材で形成されたブラケット57の平面部57Bへ伝達される。すなわち、ブラケット57により、発光素子61が発した熱は放熱させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の画像読取装置は、基板に取り付けられたLEDと、LEDから出射された光を導く導光体とを備えている。詳細には、LED(点光源)から出射された光が導光体の入射面から導光体に入射し、導光体に入射した光は導光体の内部で反射して導光体の出射面へ導かれるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−252646号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像読取装置においては、読取精度を確保するため、画像に光を照射する光源の位置変動、及び光量変動を抑える必要がある。しかし、基板の一の面にLEDなどの光源を列状に複数配列した場合、光源の発熱によって基板が変形して光源の位置が変動したり、光源光量が変動する課題があった。
【0005】
本発明の課題は、光源が発した熱を放熱させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に係る画像読取装置は、列状に並べられ、光を出射する複数の光源と、前記複数の光源が一の面に取り付けられた基板と、前記基板の他の面に前記複数の光源を投影させた投影部分を支持する支持部材と、前記複数の光源から被読取面へ出射され、被読取面から反射した光を読み取る読取手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項2に係る画像形成装置は、前記基板と前記支持部材は、少なくとも3箇所で固定されていることを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項3に係る画像形成装置は、請求項1または2に記載の画像読取装置と、前記画像読取装置によって読み取られた画像データに基づいて、像保持体の表面に光を照射して潜像を形成する露光装置と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の請求項1の画像読取装置によれば、光源を基板の他の面に投影させた投影部分を支持部材が支持しない場合と比して、光源が発した熱を放熱させることができる。
【0010】
本発明の請求項2の画像形成装置によれば、光源の発熱によって基板に変形させようとする力が生じた場合にも、基板の変形を抑制することが出来る。
【0011】
本発明の請求項3の画像形成装置によれば、請求項1に記載の画像読取装置を備えていない場合と比して、像保持体の表面に意図した潜像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置に採用された画像読取装置の第1キャリッジの断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置に採用された画像読取装置の第1キャリッジの断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る画像形成装置に採用された画像読取装置の第1キャリッジの断面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る画像形成装置に採用された画像読取装置の発光素子、回路基板及びブラケット等を示した斜視図である。
【図5】本発明の実施形態に係る画像形成装置に採用された画像読取装置の発光素子、回路基板及びブラケット等を示した分解斜視図である。
【図6】本発明の実施形態に係る画像形成装置に採用された画像読取装置の発光素子、回路基、ブラケット及び導光部材等を示した斜視図である。
【図7】本発明の実施形態に係る画像形成装置に採用された画像読取装置の第1キャリッジの示した分解斜視図である。
【図8】本発明の実施形態に係る画像形成装置に採用された画像読取装置の第1キャリッジの示した斜視図である。
【図9】本発明の実施形態に係る画像形成装置に採用された画像読取装置及び自動原稿搬送装置を示した構成図である。
【図10】本発明の実施形態に係る画像形成装置に採用された画像形成ユニットを示した構成図である。
【図11】本発明の実施形態に係る画像形成装置を示した概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態に係る画像形成装置の一例を図1〜図11に従って説明する。
【0014】
(全体構成)
図11に示されるように、本実施形態に係る画像形成装置10の装置本体10Aの上部には、複数枚の読取原稿Gを1枚ずつ自動で搬送する自動原稿搬送装置12と、1枚の読取原稿Gが載せられる第1プラテンガラス16と、自動原稿搬送装置12によって搬送された読取原稿G又は第1プラテンガラス16に載せられた読取原稿Gを読み取る原稿読取装置14とが設けられている。なお、図中矢印UPは鉛直方向上方を示す。
【0015】
図9に示されるように、自動原稿搬送装置12は、複数枚の読取原稿Gが上面に載せられる原稿台13と、原稿台13から読取原稿Gを1枚ずつ送り出す送出ロール15と、送出ロール15によって送り出された読取原稿Gを搬送する第1搬送ロール17と、を含んで構成されている。
【0016】
また、自動原稿搬送装置12は、原稿台13から送り出された読取原稿Gが搬送される第1搬送路19を備えている。そして、第1搬送路19には、読取原稿Gを読取原稿Gの搬送方向の下流側に搬送する第2搬送ロール21と、読取原稿Gを更に搬送方向の下流側に搬送する第3搬送ロール23と、一旦停止した後に回転を再開し、原稿読取装置14に対して読取原稿Gの先端位置調整(レジスト調整)を施しながら読取原稿Gを搬送する位置調整ロール25と、読み取り中の読取原稿Gの搬送を補助する補助ロール27と、読み取られた読取原稿Gを更に搬送方向の下流に搬送する第4搬送ロール29と、が設けられている。なお、第1搬送路19には、搬送される読取原稿Gを案内するガイド部材が設けられているが、図示を省略する。
【0017】
さらに、第4搬送ロール29の搬送方向の下流側には、第2搬送路31が設けられており、第2搬送路31の搬送方向の下流側には、読み取りが終了した読取原稿Gを排出部33へ排出させる排出ロール35が設けられている。
【0018】
また、排出ロール35を逆転させることで搬送される読取原稿Gが送り込まれる第3搬送路37が、排出ロール35と第3搬送ロール23との間に設けられている。そして、この第3搬送路37に沿って読取原稿Gを搬送させることで、表裏が反転された読取原稿Gが再度第1搬送路19に沿って搬送されるようになっている。なお、第1搬送路19に沿って搬送される読取原稿Gの被読取面を読み取る原稿読取装置14については詳細を後述する。
【0019】
一方、図11に示されるように、装置本体10Aの上下方向中央部には、互いに異なった色のトナー画像を形成すると共に、水平方向に対して傾斜した状態に並んで配置される複数個の画像形成ユニット30が設けられている。さらに、画像形成ユニット30の上側には、図中矢印A方向に循環駆動しながら各色の画像形成ユニット30で形成されたトナー画像が転写される無端状の中間転写ベルト32が設けられている。
【0020】
画像形成ユニット30としては、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つの画像形成ユニット30Y、30M、30C、30Kがこの順で設けられている。そして、最初に中間転写ベルト32に転写されるイエロー(Y)のトナー画像が形成される画像形成ユニット30Yが最も高い位置に、最後に中間転写ベルト32に転写される黒(K)のトナー画像が形成される画像形成ユニット30Kが最も低い位置に設けられ、画像形成ユニット30Y、30M、30C、30Kは全体として水平方向に対して斜めに傾斜した状態で一定の間隔を隔てて並べられている。
【0021】
これらの4つの画像形成ユニット30Y、30M、30C、30Kは、基本的に、同様に構成されている。なお、以下の説明では、各色を区別する場合には符号に各色に対応する文字(Y、M、C、K)を付加し、特に区別しない場合には各色に対応する文字を省略する。
【0022】
図10に示されるように、各色の画像形成ユニット30には、図示しない駆動手段によって矢印D方向に回転する像保持体34が設けられ、さらに、この像保持体34の表面を一様に帯電する帯電用の帯電部材36が設けられている。
【0023】
また、帯電部材36に対して像保持体34の回転方向の下流側には、帯電部材36によって表面が一様に帯電した像保持体34の表面に、決められた色に対応した光を露光して静電潜像を形成させる露光装置40が設けられている。さらに、露光装置40に対して像保持体34の回転方向の下流側には、像保持体34の表面に形成された静電潜像を各色のトナーで現像し、トナー画像として可視化させる現像器42が設けられている。
【0024】
なお、中間転写ベルト32の上方には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の現像器42に、決められた色のトナーを供給するトナーカートリッジ38Y、38M、38C、38K(図11参照)が設けられている。そして、黒(K)色のトナーを収容したトナーカートリッジ38Kは、使用頻度が高いため、他のカラーのトナーカートリッジと比較して大きくされている。
【0025】
一方、中間転写ベルト32を挟んで像保持体34の反対側には、像保持体34の表面に形成されたトナー画像を中間転写ベルト32に転写するための一次転写部材46が設けられている。さらに、像保持体34から中間転写ベルト32に転写されずに像保持体34の表面に残留した残留トナー等を清掃するクリーニング装置44が、像保持体34の表面に接して、一次転写部材46に対して像保持体34の回転方向の下流側に設けられている。
【0026】
この構成により、図10、図11に示されるように、原稿読取装置14から、又はプリンターとして使用する場合には外部から、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像形成ユニット30Y、30M、30C、30Kに個別に設けられた露光装置40Y、40M、40C、40Kに各色の画像データが順次出力される。さらに、これらの露光装置40Y、40M、40C、40Kから画像データに応じて出射された光は、帯電部材36によって帯電した各色の像保持体34の表面を露光し、像保持体34の表面には静電潜像が形成される。像保持体34の表面に形成された静電潜像は、現像器42Y、42M、42C、42Kによって、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー画像として現像される。
【0027】
さらに、像保持体34の表面に、順次形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー画像は、各色の画像形成ユニット30Y、30M、30C、30Kの上方に傾斜して配置される中間転写ベルト32上に、一次転写部材46によって多重に転写される。
【0028】
一方、この中間転写ベルト32は、中間転写ベルト32に駆動力を付与する駆動ロール48と、従動回転する支持ロール50と、中間転写ベルト32に張力を付与する張力付与ロール54と、第1のアイドラーロール56と、第2のアイドラーロール58とに一定のテンションで巻き掛けられている。
【0029】
さらに、中間転写ベルト32の表面を清掃するクリーニング装置52が、中間転写ベルト32を挟んで駆動ロール48の反対側に設けられており、このクリーニング装置52は、装置本体10Aの前側(ユーザが立つ正面側)に設けられたフロントカバー(図示省略)を開放することで装置本体10Aに脱着自在とされている。
【0030】
さらに、中間転写ベルト32を挟んで支持ロール50の反対側には、中間転写ベルト32上に一次転写されたトナー画像を記録媒体としての記録シートPに二次転写するための二次転写部材60が配置されている。つまり、二次転写部材60と支持ロール50との間が記録シートPへトナー画像を転写する二次転写位置とされている。
【0031】
また、二次転写部材60の上方には、二次転写部材60によってトナー画像が転写されて搬送経路62に沿って搬送される記録シートPにトナー画像を定着させる定着装置64が設けられている。定着装置64は、記録シートPの画像面側に配置された加熱ロール64Aと、記録シートPを加熱ロール64Aに向けて加圧する加圧ロール64Bとで構成されている。
【0032】
さらに、定着装置64に対して記録シートPの搬送方向の下流側(以下単に「搬送方向下流側」という)には、トナー画像が定着された記録シートPを搬送する搬送ロール66が設けられ、搬送ロール66の搬送方向下流側には、記録シートPの搬送方向を切り替える切替ゲート68が設けられている。
【0033】
また、切替ゲート68の搬送方向下流側には、一の方向に切り替えられた切替ゲート68によって案内される記録シートPを第1排出部69に排出させる第1排出ロール70が設けられている。
【0034】
さらに、切替ゲート68の搬送方向下流側には、他の方向に切り替えられた切替ゲート68によって案内されて搬送ロール73により搬送される記録シートPを第2排出部72に排出させる第2排出ロール74と、記録シートPを第3排出部76に排出させる第3排出ロール78とが設けられている。
【0035】
一方、装置本体10Aの下部であって、二次転写部材60に対して記録シートPの搬送方向の上流側(以下単に「搬送方向上流側」という)には、記録シートPが収容される給紙部80、82、84、86が設けられ、各給紙部80、82、84、86には、サイズの異なる記録シートPが収容されている。
【0036】
さらに、各給紙部80、82、84、86には、収容された記録シートPを各給紙部80、82、84、86から搬送経路62に持ち出す給紙ロール88が設けられ、給紙ロール88の搬送方向下流側には、記録シートPを1枚ずつ搬送する搬送ロール90及び搬送ロール92が設けられている。
【0037】
また、搬送ロール92の搬送方向下流側には、記録シートPを一端停止させ、決められたタイミングで二次転写位置へ送り出す位置合せロール94が設けられている。
【0038】
一方、記録シートPの両面に画像を形成させるために、記録シートPを反転させて搬送する両面用搬送ユニット98が二次転写位置の側方に設けられている。この両面用搬送ユニット98には、搬送ロール73を逆転させることで搬送される記録シートPが送り込まれる反転経路100が設けられている。さらに、反転経路100に沿って複数個の搬送ロール102が設けられ、これらの搬送ロール102によって搬送される記録シートPは表裏が反転された状態で、位置合せロール94に再度搬送される構成となっている。
【0039】
また、両面用搬送ユニット98の隣りには、折り畳み式の手差給紙部106が設けられている。そして、開放された折り畳み式の手差給紙部106から給紙される記録シートPを搬送する給紙ロール108及び搬送ロール110、112が設けられており、搬送ロール110、112によって搬送された記録シートPは、位置合せロール94に搬送されるようになっている。
【0040】
(要部構成)
次に、自動原稿搬送装置12の下側に設けられた原稿読取装置14について説明する。
【0041】
図9に示されるように、原稿読取装置14の筐体41の上面には、読取原稿Gを静止させた状態で載せる第1プラテンガラス16と、自動原稿搬送装置12によって搬送される読取原稿Gを読み取るための第2プラテンガラス43とが設けられている。
【0042】
また、原稿読取装置14は、読取原稿Gの被読取面の画像を読み込むための発光素子61、導光部材65等が取り付けられた第1キャリッジ18と、第1キャリッジ18に取り付けられた発光素子61から出射された光を読取手段の一例としての結像部20へ導く第2キャリッジ22とを有している。
【0043】
第1キャリッジ18は、初期位置である第2プラテンガラス43の下に静止しながら、又は第1プラテンガラス16の全体に亘って移動しながら、読取原稿Gの被読取面に光Lを照射して、被読取面で反射された光Lを第2キャリッジ22に導くようになっている。
【0044】
これに対し、第2キャリッジ22は、第1キャリッジ18から入射された光Lを下方へ反射する第2ミラー45Aと、第2ミラー45Aで反射された光Lを反射して第1プラテンガラス16及び第2プラテンガラス43と平行な方向に折り返す第3ミラー45Bとを備えている。
【0045】
また、結像部20は、第3ミラー45Bによって折り返された光Lを結像する結像用レンズ24と、結像用レンズ24によって結像された光学像を光電変換する光電変換素子26とを備えている。そして、光電変換素子26によって変換された電気信号(画像信号)は、光電変換素子26と電気的に接続された画像処理装置28に送られる。画像処理装置28は送られてきた電気信号を画像処理して制御部71へ送り、制御部71は受取った信号を画像データとして露光装置40(図11参照)へ送るようになっている。
【0046】
詳細には、図8に示されるように、第1キャリッジ18は、主走査方向(矢印Y方向)に間隔をあけて対向配置された2枚の側板55A、55Bと、主走査方向を長手方向として副走査方向(矢印X方向)に間隔をあけて配置され、両端部が側板55A、55Bに固定される板金から成形された第1ホルダー51及び第2ホルダー53と、備えている。
【0047】
また、側板55A、55Bの外側には、それぞれ第3ホルダー47及び第4ホルダー49が取り付けられている。
【0048】
なお、第1ホルダー51及び第2ホルダー53の上面は、第1キャリッジ18の上面を構成しており、読取原稿Gの被読取面と対向配置されるようになっている。さらに、側板55Aと55Bとの主走査方向の間隔は、読取原稿G(図11参照)の主走査方向の画像形成領域よりも広くなっている。
【0049】
また、第1ホルダー51は、副走査方向で切った切断面がL字状となっており、第1キャリッジ18の上面を構成する上壁51Aと、上壁51Aと交差する方向の側壁51Bとを備えている。
【0050】
さらに、図1、図6に示されるように、第1ホルダー51の内側には、支持部材の一例としてのブラケット57が、板金部材で形成されて主走査方向に延びて設けられている。そして、ブラケット57における第1ホルダー51の側壁51B側には、2個の側壁57Aが側壁51Bと重なるように形成され、ブラケット57は下方が開放した形状とされている。
【0051】
また、ブラケット57の側壁57Aには、切り起こされた爪57Cが設けられている。そして、爪57Cと側壁57Aとの間で、第1ホルダー51の側壁51Bを挟み込むことで、第1ホルダー51に対するブラケット57の副走査方向(矢印X方向)の位置が決まるようになっている。
【0052】
さらに、ブラケット57の側壁57Aには、ネジ山が切られたネジ孔112と、第1ホルダー51の側壁51B側に突出する突起部114とが形成されている。
【0053】
また、図2、図3、図7、図8に示されるように、第1ホルダー51の側壁51Bには、突起部114を保持する切欠部116が形成されている。切欠部116は、開口端が側壁51Bの下端に形成されると共に、側壁51Bの長手方向一方側に屈曲している。これにより、側壁51Bの下端から切欠部116に進入した突起部114を、側壁51の長手方向一方側(図7における左下側)の切欠部116の奥側に案内するようになっている。切欠部116の奥側に案内された突起部114は、切欠部116の奥側において切欠部95の内壁に上下側から挟まれて保持されるようになっている。
【0054】
一方、図1、図6に示されるように、ブラケット57において側壁57Aの反対側には、副走査方向に対して傾斜する平面部57Bが設けられている。この平面部57Bには、主走査方向を長手方向とした基板の一例としての回路基板59が支持されている。さらに、この回路基板59上には、主走査方向に沿って列状に並べられた点光源の一例としての発光素子61が取り付けられている。
【0055】
詳細には、図1、図5に示されるように、回路基板59の一の面59Aに発光素子61が取り付けられ、回路基板59の他の面59Bが平面部57Bに支持されている。そして、回路基板59には、長手方向に決められた間隔で4個の貫通孔96が設けられており、この貫通孔96と対応する平面部57Bには、ネジ山が切られたネジ孔118が設けられている。そして、4本のボルト120を、貫通孔96を通してネジ孔118に締め込むことで、発光素子61が取り付けられた回路基板59がブラケット57に固定されるようになっている。
【0056】
また、図1、図4に示されるように、回路基板59がブラケット57に固定された状態で、発光素子61を回路基板59の他の面59B(裏面)に投影させた投影部86をブラケット57の平面部57Bが支持するように、平面部57Bの形状が決められている。
【0057】
さらに、回路基板59は、端部に接続されたフレキシブル基板63(図8参照)を介して制御部71(図11参照)から給電されるようになっている。
【0058】
なお、本実施形態では、発光素子61としてLED(Light Emitting Diode)素子を用いるが、これに限らず、点状に発光するものであればよい。例えば、有機EL(Electro Luminescence)素子や、無機EL素子等、他の発光素子を用いてもよい。
【0059】
また、画像形成装置10の制御部71(図11参照)には、回路基板59を通して発光素子61を発光(駆動)させるための光源駆動回路(図示省略)が内蔵されている。さらに、この光源駆動回路は、各発光素子61毎に発光のオン及びオフを切り替えるスイッチと、各発光素子61から読取原稿Gの被読取面に照射される光の光量を調整する抵抗器とを備えている。そして、光源駆動回路は、発光素子61の発光のオン及びオフを制御するための光源駆動信号、及び光の光量を調整するための調整信号に基づいて発光素子61を発光(駆動)させるようになっている。
【0060】
一方、図1に示されるように、第1キャリッジ18内には、発光素子61の光の出射面と対向して、主走査方向を長手方向とする導光部材65が設けられている。この導光部材65は、透明樹脂(例えばアクリル樹脂)を直方体状に成形したものであり、発光素子61が出射した光が入射する光入射面65Aと、この光入射面65Aから入射した光が出射する光出射面65Bとを備えている。さらに、導光部材65の主走査方向の両端部は、側板55A、55B(図8参照)によって支持されるようになっている。そして、導光部材65は、指向性を有する光を少なくとも主走査方向に拡散させ、発光素子61から出射された光を読取原稿G(図1参照)の被読取面の近くまで導く構成となっている。
【0061】
これにより、導光部材65の光出射面65Bでは、光入射面65Aから入射した発光素子61の光が内部で全反射して出射するようになっており、光出射面65Bにおける光量分布のばらつきが抑えられるようになっている。
【0062】
さらに、導光部材65の光出射面65Bには、透光性を有する拡散板67が接合されている。拡散板67の表面には、導光部材65の光出射面65Bから出射された光を拡散させる凹凸が形成されている。
【0063】
また、拡散板67から副走査方向へ予め定められた距離だけ離れた位置には、拡散板67から出射された光の一部を反射して読取原稿G(図11参照)の被読取面まで導く反射板79が配置されている。反射板79は、主走査方向を長手方向とする鏡面体であり、光を反射される反射面とは反対側の面が第2ホルダー53に固定されている。
【0064】
また、導光部材65及び拡散板67よりも下方には、読取原稿Gの被読取面で反射された光を第2キャリッジ22の第2ミラー45A(図9参照)に導く第1ミラー75が設けられている。なお、第1ミラー75は、側板55A、55B(図8参照)に形成された穴部に両端部が挿通されて保持されている。
【0065】
(作用)
この構成により、図1、図9に示されるように、各発光素子61から出射された光Lは、導光部材65の内部を全反射しながら進み拡散板67で拡散される。そして、拡散板67で拡散された光Lの一部は、第2プラテンガラス43又は第1プラテンガラス16を透過して読取原稿Gの被読取面に照射され、光Lの残りは、反射板79で反射された後に第2プラテンガラス43又は第1プラテンガラス16を透過して読取原稿Gの被読取面に照射される。
【0066】
このように、第1キャリッジ18に取り付けられた発光素子61は、副走査方向の前方及び後方から読取原稿Gの被読取面に光Lを照射するようになっている。そして、読取原稿Gの被読取面に照射された光Lは、被読取面で反射され、続いて第1ミラー75で反射されて、第2キャリッジ22から結像用レンズ24を経て光電変換素子26で結像される。
【0067】
ここで、第1プラテンガラス16に載せられた読取原稿Gの被読取面を読み取る場合には、第1キャリッジ18と第2キャリッジ22とが、移動距離2:1の割合で移動方向(図9に示す矢印E方向)に移動する。このとき、第1キャリッジ18から読取原稿Gの被読取面に光Lが照射され、被読取面で反射された光Lが第2キャリッジ22に導かれ、第2ミラー45A、第3ミラー45Bの順に反射されて結像用レンズ24に導かれる。そして、結像用レンズ24に導かれた光Lは、光電変換素子26の受光面に結像される。なお、第2キャリッジ22の移動距離が第1キャリッジ18の移動距離の半分となっていることで、読取原稿Gの被読取面から光電変換素子26までの光Lの光路長が変化しないようになっている。
【0068】
これに対し、自動原稿搬送装置12によって搬送される読取原稿Gの被読取面を読み取る場合には、第1キャリッジ18と第2キャリッジ22は、原稿読取装置14の一端(図9の左端)に示す実線の読取位置に停止した状態にある。この読取位置において、第1キャリッジ18に取り付けられた発光素子61から自動原稿搬送装置12によって搬送される読取原稿Gの被読取面に第2プラテンガラス43を透過して光Lが照射される。そして、被読取面で反射された光Lは第2キャリッジ22に導かれる。
【0069】
詳細には、搬送されてきた読取原稿Gの被読取面の1ライン目で反射された光Lが第2キャリッジ22を通して結像用レンズ24で結像され、光電変換素子26によって画像が読み込まれる。つまり、1次元のセンサである光電変換素子26によって主走査方向の1ライン分を同時に処理した後、搬送される読取原稿Gの次の主走査方向の1ラインが読み込まれる。そして、読取原稿Gの後端が第2プラテンガラス43の読取位置を通過することによって、副走査方向に亘って読取原稿Gの被読取面の1ページの読み取りが完了する。
【0070】
ここで、発光素子61が光Lを出射する際には、発光素子61は熱を放出し、この熱は回路基板59に伝達される。回路基板59に熱が吸収されると回路基板59の温度が必要以上に高くなり回路基板59が変形する(反ってしまう)ことが考えられる。
【0071】
しかし、本実施形態では、前述したように、回路基板59がブラケット57に支持された状態で、発光素子61を回路基板59の他の面59Bに投影させた投影部86をブラケット57の平面部57Bが支持するように、平面部57Bの形状が決められている。つまり、発光素子61によって回路基板59へ放出された熱は、回路基板59に必要以上に吸収されることなく、樹脂部材に比して熱伝達率が高い板金部材で形成されたブラケット57の平面部57Bへ伝達される。
【0072】
このように、発光素子61によって回路基板59へ放出された熱が、回路基板59に必要以上に吸収されずにブラケット57の平面部57Bへ伝達されることで、回路基板59の温度が必要以上に高くなるのが抑制される。
【0073】
また、回路基板59の温度が必要以上に高くなるのが抑制されることで、回路基板59が変形する(反ってしまう)のが抑制される。つまり、ブラケット57により、発光素子61が発した熱は放熱させる。
【0074】
また、回路基板59の変形が抑制されることで、発光素子61によって読取原稿Gの被読取面に照射される光量が均一となり、像保持体34の表面に意図した潜像が形成される。
【0075】
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、板金部材で形成されたブラケット57に熱を伝達させて回路基板59の温度が必要以上に高くなるのを抑制したが、ブラケットは特に板金部材で形成されることなく、熱伝導率が高い部材であればよく、例えば、シリコン等で成形される部材であってもよい。また、本実施形態では回路基板59とブラケット57は4本のボルト120で固定しているが、回路基板59が熱により膨張してもブラケット57との密着性が保たれていればよく、両端部の他に少なくとも1箇所が固定されていればよい。
【符号の説明】
【0076】
10 画像形成装置
14 原稿読取装置
20 結像部(読取手段の一例)
34 像保持体
40 露光装置
57 ブラケット(支持部材の一例)
59 回路基板(基板の一例)
59A 一の面
59B 他の面
61 発光素子(光源の一例)
86 投影部(投影部分)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
列状に並べられ、光を出射する複数の光源と、
前記複数の光源が一の面に取り付けられた基板と、
前記基板の他の面に前記複数の光源を投影させた投影部分を支持する支持部材と、
前記複数の光源から被読取面へ出射され、被読取面から反射した光を読み取る読取手段と、
を備える画像読取装置。
【請求項2】
前記基板と前記支持部材は、少なくとも3箇所で固定されていることを特徴とする、請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の画像読取装置と、
前記画像読取装置によって読み取られた画像データに基づいて、像保持体の表面に光を照射して潜像を形成する露光装置と、
を備える画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−23869(P2011−23869A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−165667(P2009−165667)
【出願日】平成21年7月14日(2009.7.14)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】