説明

画像読取装置および画像形成装置

【課題】複数の読取センサを千鳥状に配列した画像読取装置において、各読取センサに対応する位置のコンタクトガラス上の原稿浮きを最小限にし、画質への影響を低減する。
【解決手段】複数の読取画素が長手方向にライン状に配列された読取センサ11を複数備え、複数の読取センサはコンタクトガラス14の下面に対向して設置され、長手方向が主走査方向に沿って延在するとともに、隣合う読取センサの端部の画素が互いに重なるように副走査方向に位置をずらして千鳥状に配列されており、コンタクトガラスの上面側に接して副走査方向に搬送される原稿の画像情報を、複数の読取センサで読取る画像読取装置10において、読取センサ11の上方に設置され、コンタクトガラス14上を搬送される原稿を該コンタクトガラスに密接させる原稿押さえ用部材17を備え、該原稿押さえ用部材17が、各読取センサ毎に独立して設置されている構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿の画像情報を読取る画像読取装置、および、その画像読取装置を搭載した画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機、ファクシミリ、あるいは複写機、プリンタ、ファクシミリの機能を備えた複合機等の画像形成装置に搭載される画像読取装置や、パーソナルコンピュータ等への画像入力に用いられる画像読取装置(イメージスキャナ)として、光電変換素子からなる読取画素が長手方向にライン状に配列された読取センサを用い、この読取センサをコンタクトガラスの下面に対向して、前記長手方向が主走査方向に沿って延在するように設置し、コンタクトガラスの上面側に接して副走査方向(主走査方向に直交する方向)に搬送される原稿の画像情報を、読取センサで読取り、画像信号に変換する画像読取装置が知られている(例えば特許文献1)。
【0003】
このようなライン状の画素配列を有する読取センサを用いた画像読取装置では、簡易な構成で高品質の画像読取を行うことができるが、原稿の幅方向全体をカバーする長さの読取センサが必要である。このため、A3、B3、A2、B2、A1等の大版の原稿サイズの読取りを行うような場合には、読取センサの長さを大版の原稿サイズに合わせて長くする必要がある。しかし、このような長尺な読取センサは製造に手間がかかり、高価であるため、画像読取装置の部品コストが増大するという問題がある。また、長尺な読取センサは温度変化による変形が起こりやすいという問題もある。
【0004】
そこで、このような問題を解決するものとして、複数個の読取センサを主走査方向に千鳥状に配列して、大版サイズの原稿画像を読取ることができるようにした画像読取装置が提案されている(例えば特許文献2)。
この画像読取装置では、読取センサを原稿の幅方向(主走査方向)に千鳥状に複数配置することにより、各読取センサの長さは短くてよく、製造が容易で比較的安価な読取センサを用いることができるので、部品コストの削減が図れる。
【0005】
また、読取センサを千鳥状に複数配置する場合、各読取センサで画像を読取った後、画像の合成を行うが、温度変化によって読取センサが主走査方向に変形して、隣り合う読取センサの画素位置が主走査方向にずれた場合、各センサのつなぎ目部分の画像データが連続せず、読取画像の品質低下を起すという不具合がある。そこで特許文献2に記載の従来技術では、読取センサ付近の温度を検出する温度センサと、この温度センサの出力および温度変化に基づいて予め定められたデータとを参照して、読み取り画素が主走査方向について重なる領域において画像データを読み出す読み取り画素を決定するデータ読み出し制御手段とを設けた構成としている。また、読取センサと原稿の間であって、且つ読み取り画素が主走査方向について重なる領域上に形成される基準パターンを設け、この基準パターンの読取動作を行って、この基準パターンに対応した画像データを出力する読み取り画素に応じて、画像データを読み出す読み取り画素を決定するデータ読み出し制御手段とを設けた構成としている。
【0006】
【特許文献1】特開2003−8831号公報
【特許文献2】特開2002−314768公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述のように、読取センサを原稿の幅方向(主走査方向)に千鳥状に複数配置することにより、各読取センサの長さ短くして部品コストの削減を図れ、製造コストを安く抑えることができるとともに装置の大きさをコンパクトにすることができるが、隣り合う読取センサは、副走査方向に位置をずらして配置されているので、原稿を副走査方向に搬送しながら各読取センサで画像を読み取る際に原稿の浮きが生じると、読み取り画像の品質が悪くなるという問題がある。
【0008】
このような問題に対して、前述の特許文献2に記載の従来技術では、温度変化によって読取センサが主走査方向に変形して、隣り合う読取センサの画素位置が主走査方向にずれた場合にも、そのずれを補正して読取画像の品質低下を防ぐこととができるようにしているが、原稿の浮きの問題については殆ど考慮されていない。すなわち、上記従来技術では、原稿がコンタクトガラスに沿って搬送されるように、原稿をコンタクトガラスに圧接する原稿押さえ部材が一つのみ設けられているが、この原稿押さえ部材は、コンタクトガラスの全面を覆うように主走査方向に長尺に設けられているため、その原稿押さえ部材やコンタクトガラスの長手方向の平面度が高精度に要求され、その平面度が悪いと、原稿に部分的な浮きが生じ、コンタクトガラスにしっかりと密着できない部分が生じ、読取画像の画質が低下するという問題がある。また、一枚の原稿押さえ部材でコンタクトガラスの全面に原稿を密着させるような構成では、原稿押さえ部材と原稿との摩擦や、原稿とコンタクトガラスの摩擦により、原稿の搬送不良が起こりやすくなり、読取画像の画質が低下する要因となる。
【0009】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、複数の読取センサを主走査方向に千鳥状に配列した画像読取装置において、各読取センサに対応する位置のコンタクトガラス上の原稿浮きを最小限にすることができ、原稿の浮きによる読取画像の画質への影響を最小限にすることができる構成の画像読取装置を提供することを目的とする。また、本発明は、その画像読取装置を用いて高画質な画像読取を行い、その画像情報に基づいて高画質な画像形成を行うことができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の目的を達成するため、本発明では以下のような解決手段を採っている。
本発明の第1の手段は、複数の読取画素が長手方向にライン状に配列された読取センサを複数備え、該複数の読取センサは、コンタクトガラスの下面に対向して設置され、前記長手方向が主走査方向に沿って延在するとともに、隣合う読取センサの端部の画素が互いに重なるように副走査方向に位置をずらして千鳥状に配列されており、前記コンタクトガラスの上面側に接して副走査方向に搬送される原稿の画像情報を、前記複数の読取センサで読取る画像読取装置において、前記読取センサの上方に設置され、前記コンタクトガラス上を搬送される原稿を該コンタクトガラスに密接させる原稿押さえ用部材を備え、該原稿押さえ用部材が、各読取センサ毎に独立して設置されていることを特徴とする。
【0011】
本発明の第2の手段は、第1の手段の画像読取装置において、前記原稿押さえ用部材は、前記原稿の通紙時に上下動可能に支持されていることを特徴とする。
また、本発明の第3の手段は、第1または第2の手段の画像読取装置において、前記原稿押さえ用部材は、板状の部材であることを特徴とする。
【0012】
本発明の第4の手段は、第1または第2の手段の画像読取装置において、前記原稿押さえ用部材は、所定の粘度の物質を低摩擦部材で覆った形状を有することを特徴とする。
また、本発明の第5の手段は、第4の手段の画像読取装置において、前記所定の粘度の物質は、ジェル状の液体であることを特徴とする。
【0013】
本発明の第6の手段は、第3の手段の画像読取装置において、前記原稿押さえ用部材が、低衝撃性の弾性材からなることを特徴とする。
また、本発明の第7の手段は、第6の手段の画像読取装置において、前記低衝撃性の弾性材が、高密度マイクロセルポリウレタンフォームであることを特徴とする。
【0014】
本発明の第8の手段は、第3乃至第7のいずれか1つの手段の画像読取装置において、前記原稿押さえ用部材は、弾性部材で支持されていることを特徴とする。
本発明の第9の手段は、第3乃至第7のいずれか1つの手段の画像読取装置において、前記原稿押さえ用部材は、加圧用の手段を有することを特徴とする。
また、本発明の第10の手段は、第9の手段の画像読取装置において、前記加圧用の手段として、前記原稿押さえ用部材の上部の両端及び中央に加圧用部材が設置されていることを特徴とする。
さらに本発明の第11の手段は、第10の手段の画像読取装置において、前記加圧用部材が、バネ部材(例えばスプリング、板バネ等)であることを特徴とする。
【0015】
本発明の第12の手段は、第9の手段の画像読取装置において、前記加圧用の手段として、前記原稿押さえ用部材の上部に、板材が積層されていることを特徴とする。
また、本発明の第13の手段は、第12の手段の画像読取装置において、前記板材の積層枚数で加圧量を調節することを特徴とする。
さらに本発明の第14の手段は、第2乃至第13のいずれか1項に記載の画像読取装置において、前記原稿押さえ用部材を上下動可能に支持する手段を、各原稿押さえ用部材毎に独立させることを特徴とする。
【0016】
本発明の第15の手段は、画像形成装置であって、第1乃至第15のいずれか1つの手段の画像読取装置と、記録媒体に画像を形成する画像形成手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の第1の手段の画像読取装置では、千鳥配列された各読取センサの上部のみに原稿押さえ用部材を分離独立して設置することにより、原稿との接触抵抗を最小限に抑えることが可能であり、且つ各読取センサの上部の位置のコンタクトガラスの上面に、原稿面をしっかりと押さえて密接させることができ、原稿浮きを最小限に抑え込むことが可能となる。
また、本発明の第2の手段の画像読取装置では、原稿押さえ用部材が、原稿の通紙時に上下動可能に支持されていることにより、原稿が原稿押さえ部材とコンタクトガラスの間に進入する際の衝撃を和らげることができ、また、読取る原稿の厚さが変わっても、容易に対応することが可能となる。
【0018】
本発明の第3の手段の画像読取装置では、画像読取時の原稿浮きを低減化するための原稿押さえ用部材として、千鳥配列された各読み取りセンサの直上の位置に板状の部材を設置することにより、コンタクトガラスの平面度の影響を最小限にすることが可能となり、原稿の浮きによる画質への影響を最小限に止めることが可能となる。また、各読取センサの直上の原稿押さえ用部材を板状にすることで、読取センサの光軸上の副走査方向に多少位置がずれても、原稿を押さえることが可能となり、画質への悪影響を最小限にすることができる。
【0019】
本発明の第4、第5の手段の画像読取装置では、原稿の浮き防止用の原稿押さえ用部材を、所定の粘度の物質(例えばジェル状の液体)を低摩擦部材で覆った形状とすることより、原稿押さえ用部材がコンタクトガラスの凹凸にしっかりと馴染むことで、コンタクトガラスの平面度による原稿浮きを最小限にすることができる。
【0020】
本発明の第6、第7の手段の画像読取装置では、原稿の浮き防止用の原稿押さえ用部材自体を、低衝撃性の弾性材(例えば高密度マイクロセルポリウレタンフォーム(ポロンという名で知られている))で構成することにより、通紙される原稿との衝撃や摩擦抵抗を最小限にすることができ、ショックジターが少なくなり画質への影響を最小限にすることが可能となる。また、原稿押さえ用部材自体で原稿をコンタクトガラスに圧接することが可能となり、コンタクトガラスの平面度による原稿の浮きを最小限にすることが可能となる。
【0021】
本発明の第8の手段の画像読取装置では、原稿押さえ用部材を弾性部材で支持することにより、通紙される原稿との衝撃や摩擦抵抗を最小限にすることができ、また、弾性部材の弾性力により原稿をコンタクトガラスに圧接することが可能となり、コンタクトガラスの平面度による原稿の浮きを最小限にすることが可能となる。
【0022】
本発明の第9〜11の手段の画像読取装置では、原稿押さえ用部材の上部の中央、両端に加圧用部材(例えばバネ部材(スプリング、板バネ等))を設置することにより、原稿押さえ用部材のねじれ等を矯正することができ、また、加圧用部材の加圧力により原稿がコンタクトガラスにしっかりと密着することで、原稿の浮きを最小限にすることが可能となる。特に、原稿押さえ用部材の上部の中央および両端に加圧用のスプリングを設置することにより、原稿押さえ用部材のねじれを矯正し、且つ原稿に合った適切なテンションをかけることが可能となり、原稿浮きの防止効果が大きい。
【0023】
本発明の第12、第13の手段の画像読取装置では、原稿押さえ用部材の上部に板状の部材を積層して設置させることにより、面加重で原稿をコンタクトガラスにしっかり押さえることができ、原稿の浮きを最小限にすることが可能となる。また、これにより主走査光軸上に均一に加圧分布させることで部分的にも原稿浮きが少なくなるため、主走査位置による濃度斑を最小限に抑えることが可能となる。
【0024】
本発明の第14の手段の画像読取装置では、原稿押さえ用部材を上下動可能に支持する手段を、各原稿押さえ用部材毎に独立させることにより、各読取センサの上部の位置のコンタクトガラスの上面に、原稿面をしっかりと押さえて密接させることができ、原稿浮きを最小限に抑え込むことができる。また、各原稿押さえ用部材を支持手段とともに独立させることにより、部材の小型化を図れ、部材の小型化により、要求される精度の低減化、低コスト化が可能となる。また、また、汚れやキズ等による交換も分離・独立式では、その部分だけを交換すれば良いので、コスト、メンテナンス性も向上する。
【0025】
本発明の第15の手段の画像形成装置では、第1乃至第15のいずれか1つの手段の画像読取装置を備えているので、原稿の浮きによる読取画像の画質への影響を最小限にすることができ、高画質な画像読取を行うことができる。したがって、高画質な画像データによる画像形成が可能となり、出力画像の高画質化を達成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
図1は、本発明に係る画像読取装置を搭載する画像形成装置の一実施の形態を示す図であり、画像形成装置として複写機を例にしている。なお、画像形成装置としては、複写機に限らず、プリンタ、プロッタ、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等に適用しても良い
【0027】
図1は複写機1の全体構成を示す図であり、画像読取装置10は複写機1の上部に搭載されている。複写機1の下方にはシート状の記録媒体である記録紙を収納する給紙カセット41と、ロール状の記録紙を収納する給紙カセット42、43とを備えた給紙部40が設けられている。ここで、シート状の記録紙を収納する給紙カセット41には、使用頻度の高いB5,A4,B4等の定型の記録紙が収納され、給紙ローラ41aによって給紙された後、搬送ローラ44によって上方の画像形成手段30に搬送される。また、給紙カセット42、43に収納されたロール状の記録紙は、A3以上の大版サイズの用紙が選択された際に使用され、図示しない操作パネルで選択された用紙サイズの長さ分の記録紙が給紙ローラ42a、43aによって送り出された後、給紙ローラの近傍に設けられた図示しないカッターによって切断され、搬送ローラ44によって上方の画像形成手段30に搬送される。
【0028】
画像形成手段30は、像担持体である感光体ドラム31と、感光体ドラム31を帯電する帯電装置32と、感光体ドラム31に画像データに応じて変調された光を照射して感光体ドラム31上に静電潜像を形成する露光装置33と、感光体ドラム31上にトナーを付着させて静電潜像を可視像化する現像装置34と、前記搬送ローラ44によって搬送されて来た記録紙を画像形成のタイミングに合わせて転写部に給紙するレジストローラ37と、記録紙にトナー画像を転写する転写装置35と、記録紙に画像転写した後の感光体ドラム31上のトナーを除去するクリーニング装置36と、記録紙に記録されたトナー像を記録紙に定着する定着装置38と、定着後の記録紙を排紙トレイ50に排出する排紙ローラ39等を備えている。
【0029】
図2は、上記複写機1の画像読取装置10の構成例を示しており、図中左側の原稿挿入口から挿入された原稿(図示せず)をコンタクトガラス14に搬送する第1の搬送ローラ12と、コンタクトガラス14上にある原稿の画像を読取る読取手段11と、コンタクトガラス14上の原稿を押さえる原稿押さえ用部材17と、読取りの終了した原稿を挿入口と反対方向に排出する第2の搬送ローラ13とを備えている。また、第1の搬送ローラ12と第2の搬送ローラ13は、共通の駆動手段(ステッピングモータ等)16によって駆動される。
【0030】
ここで読取手段11としては、図3に一例を示すように、第1の搬送ローラ12によって搬送された原稿の一部を読取る第1、第2の読取センサ11−1,11−2と、第1、第2の読取センサ11−1,11−2で読取った画像以外の領域を読取る第3の読取センサ11−3とを備えている。
各読取センサ11−1,11−2,11−3の構成は同じであり、原稿面を照明する主走査方向に長尺な照明用ランプ(例えば主走査方向にライン状に配列された白色LEDアレイ、主走査方向に長尺なライン状のEL光源、蛍光管等)11aと、主走査方向に配列され原稿面からの反射光像を結像する結像レンズアレイ(セルフォックレンズアレイ、ロッドレンズアレイ、マイクロレンズアレイ等)11bと、その結像位置に配置され、光電変換素子からなる複数の読取画素が主走査方向にライン状に配列されたセンサ部材(例えばCCD等のイメージセンサ)11cとを備えており、照明用ランプ11a、結像レンズアレイ11b、センサ部材11cは、密閉された箱型の筐体(ケース)11dに保持されている。また、各読取センサ11−1,11−2,11−3は、画像読取装置10のベース部24内に収納されており、図示しない固定部材によって保持されている。さらに、このベース部24の上部には、透明なコンタクトガラス14が設置されている。
【0031】
図4は、ベース部24内の読取センサ11−1,11−2,11−3の配置をコンタクトガラス14の上方から見た図と、画像読取回路の概略構成を合わせて示した図である。図4に示すように、第1、第2の読取センサ11−1,11−2は、原稿搬送方向(副走査方向)の上流側における主走査方向の両側の位置に設けられており、原稿の両側部の領域DS1,DS2の画像を読み取るようになっている。また、第3の読取センサ11−3は、第1、第2の読取センサ11−1,11−2から副走査方向に所定距離だけ下流側に離れた位置で且つ主走査方向の中央部に設けられており、原稿DSの中央部の領域DS3の画像を読み取るようになっている。
すなわち、第1、第2、第3の読取センサ11−1,11−2,11−3は、長手方向が主走査方向に沿って延在するとともに、隣合う読取センサの端部の画素が互いに重なるように副走査方向に所定距離だけ位置をずらして千鳥状に配列されており、コンタクトガラス14の上面側に接して副走査方向に搬送される原稿DSの画像情報を、第1、第2、第3の読取センサ11−1,11−2,11−3で読取り、その読取った画像を合成して、1ライン分の画像データを得るようになっている。
【0032】
より具体的には、第1、第2の読取センサ11−1,11−2で読取られた画像データは、A/D変換回路61−1,61−2によってアナログデータからデジタルデータに変換されるようになっており、このデジタルデータは遅延回路62−1,62−2により所定時間の間、一時的に図示しないメモリに格納された後、画像合成回路63に送られる。
また、第3の読取センサ11−3で読取られた画像データは、A/D変換回路61−3によってアナログデータからデジタルデータに変換されるようになっており、このデジタルデータは画像合成回路63に送られ、上述した遅延回路のメモリに一時的に格納された後に送られてきた第1、第2の読取センサ11−1,11−2で読み取られた画像データと合成されて画像処理回路64に送信される。そして画像処理回路64で画像処理された画像データは、主走査方向に一列に揃った画像データとして図示しない画像メモリに送信され、画像メモリに一旦蓄積された後、図1に示す画像形成手段30の露光装置33に送信される。
【0033】
図1に示す複写機1の画像形成手段30の露光装置33は、例えば複数の発光素子(例えばLED)を主走査方向にライン状に配列した発光素子アレイ(LEDアレイ)と、発光素子アレイ(LEDアレイ)からの光を感光体ドラム31上に集光するレンズアレイ(セルフォックレンズアレイ、ロッドレンズアレイ、マイクロレンズアレイ等)とからなり、この露光装置33は複数設けられており、この複数の露光装置33は、前述の読取センサと同様に、長手方向が主走査方向に沿って延在するとともに、隣合う露光装置の端部の発光素子アレイとレンズアレイが互いに重なるように副走査方向に所定距離だけ位置をずらして千鳥状に配列されており、前記画像読取装置10から送信されてきた画像データに応じて変調された光を感光体ドラム31に照射して、感光体ドラム31上に静電潜像を形成する。なお、露光装置としては、上記のようなアレイ状の発光素子(LEDアレイ等)を用いた構成の他、レーザ走査方式の露光装置なども用いることができる。
【0034】
上記の露光により感光体ドラム31に形成された静電潜像は、現像装置34のトナーにより可視像化される。
一方、上記の画像形成に合わせて、給紙部40の給紙カセット41〜43のいずれか1つから選択された用紙サイズの記録紙が給紙され、搬送ローラ44とレジストローラ37によって所定のタイミングで転写装置35の転写部に搬送さる。そして、転写部に搬送されて来た記録紙に、転写装置35によって画像が転写される。
画像転写後の記録紙は、定着装置38に搬送され、熱や圧力によって記録紙上の画像が定着される。定着後の記録紙は、排紙ローラ39によって排紙トレイ50に排出される。また、画像転写後の感光体ドラム31上に残留したトナーや紙粉はクリーニング装置36によって除去される。
【0035】
以上が、図1に示す複写機および図2に示す画像読取装置の基本的な構成および動作である。
【0036】
ところで、従来の大判原稿対応の画像読取装置では、図11に示すように、主走査方向に任意の寸法で千鳥状に配置された複数個の読取センサ11の上部にコンタクトガラス14が設置され、コンタクトガラス14の上面側を原稿DSが図示しない前後の搬送ローラ(図2の12,13と同様)により搬送されて原稿画像を各読取センサ11で読み取るが、読取センサ11の焦点深度が浅いため、通常は原稿DSをコンタクトガラス14に密接させて読取センサの焦点深度内に収めるために、コンタクトガラス14の上面に原稿を密接させるための1枚の板状の原稿押さえ用部材27が設置され、この原稿押さえ部材27を支持部材15で支持してコンタクトガラス14とのクリアランスを最小限に抑える構造にするのが一般的である。
【0037】
しかしながら、通常は図11に示すように、コンタクトガラス14の下面と読取センサ11上面との距離は焦点位置の関係も有り、所定の間隙を設けて空間状態になっている。また、コンタクトガラス14の上部に設けられた原稿押さえ用部材27は、通常、主走査方向に連続して一枚のみ設置されている。この状態では長手方向(主走査方向)のコンタクトガラス14の平面度や、原稿押さえ用部材27の平面度によっては、各読取センサ11の直上の位置で、上記の平面度に影響されて原稿が浮く部分が生じる場合がある。そして、このように原稿がしっかりと密着できずに、浮いた状態となった部分では、原稿DSとコンタクトガラス14の間に隙間が生じ、読取センサ11内の結像位置にずれが生じ、読取画像の画質が低下するという影響が懸念される。一般的には、原稿押さえ用部材27は、高平面度を要求されるために、アルミ押しだし成型や、アクリルヒートプレス等の高コストな成型部材を使用することが一般的であり、このため、部品コストの増大も招いている。
【0038】
そこで本発明の画像読取装置では、各読取センサに対応する位置のコンタクトガラス14上の原稿浮きを最小限にし、原稿の浮きによる読取画像の画質への影響を最小限にするため、読取センサの上方に設置され、コンタクトガラス上を搬送される原稿を該コンタクトガラスに密接させる原稿押さえ用部材が、各読取センサ毎に独立して設置されている構成とした。以下、具体的な実施例に基づいて説明する。
【実施例】
【0039】
本発明の画像読取装置10では、図3および図5に一例を示すように、千鳥状に配列された読取センサ11−1,11−2,11−3の上方に設置され、コンタクトガラス14上を搬送される原稿DSを該コンタクトガラス14に密接させる原稿押さえ用部材17−1,17−2,17−3を備え、該原稿押さえ用部材17−1,17−2,17−3が、各読取センサ11−1,11−2,11−3毎に独立して設置されている構成とする。
このように、千鳥状に配列された各読取センサ11−1,11−2,11−3の上部のみに原稿押さえ用部材17−1,17−2,17−3を分離独立して設置することにより、原稿DSとの接触抵抗を最小限に抑えることが可能であり、且つ各読取センサ11−1,11−2,11−3の上部の位置のコンタクトガラス14の上面に、原稿面をしっかりと押さえて密接させることができるので、原稿の浮きを最小限に抑え込むことができる。また、原稿押さえ用部材17−1,17−2,17−3を各読取センサ11−1,11−2,11−3に対応させて独立させることにより、個々の原稿押さえ用部材17−1,17−2,17−3は、原稿DSの幅に比べて短くでき、図11に示したような一枚の長尺な原稿押さえ用部材27に比べて平面度を出しやすく、また、温度変化に対する変形も生じにくく、各読取センサ11−1,11−2,11−3による読取位置の原稿の浮きを確実に押さえることができる。
【0040】
各原稿押さえ用部材17−1,17−2,17−3は、例えば弾性部材(ゴム材、ウレタンフォーム材、ポロン材等)19−1,19−2,19−3からなる支柱を介して平板18に固定されており、この平板18は、両端及び中央部を上下動可能な支持機構15に支持されている。ここで、支持機構15は、画像読取装置10の筐体上部に固定された固定部材と、この固定部材にスプリング等を介して支持された支持部材からなり、支持部材は主走査方向に複数配列され、少なくとも前記平板18の主走査方向の両端及び中央を上下動可能に支持し、原稿DSの進入時の衝撃を和らげる機能や、通紙する原稿の厚さに対応する機能を有している。また、各原稿押さえ用部材17−1,17−2,17−3を支持する弾性部材19−1,19−2,19−3は、各原稿押さえ用部材17−1,17−2,17−3の主走査方向の両端及び中央を上下動可能に支持し、原稿の通紙時に各原稿押さえ用部材17−1,17−2,17−3が独立して上下動できるようにしている。
このように、本発明の原稿読取装置10では、各原稿押さえ用部材17−1,17−2,17−3が、一体的且つ独立的に上下動可能に支持されていることにより、原稿DSが原稿押さえ部材17−1,17−2,17−3とコンタクトガラス14の間に進入する際の衝撃を確実に和らげることができ、また、読取る原稿の厚さが変わっても、容易に対応することができる。さらに、原稿の通紙時に各原稿押さえ用部材17−1,17−2,17−3が弾性部材19−1,19−2,19−3により独立して上下に微動できるようにしているので、原稿通紙時の摩擦を低減する効果があり、また、弾性部材19−1,19−2,19−3の弾性力により原稿をコンタクトガラス14に圧接することが可能となり、コンタクトガラスの平面度による原稿の浮きを最小限にすることが可能となる。
【0041】
本発明の原稿読取装置10では、上記のような構成を有しているので、各原稿押さえ用部材17−1,17−2,17−3には、安価な板状の部材を用いることができる。すなわち、本発明の構成では、原稿押さえ用部材17−1,17−2,17−3を構成する材料の選択の自由度や、製造、加工方法の自由度が大きくなり、金属板のプレス成形、樹脂成型等により、簡易に且つ低コストに製造することが可能となる。
このように、画像読取時の原稿浮きを低減化するための原稿押さえ用部材17−1,17−2,17−3として、千鳥配列された各読取りセンサ11−1,11−2,11−3の直上の位置に板状の原稿押さえ用部材17−1,17−2,17−3を設置することにより、コンタクトガラス14の平面度の影響を最小限にすることが可能となり、原稿DSの浮きによる画質への影響を最小限に止めることができる。また、各読取センサ11−1,11−2,11−3の直上の原稿押さえ用部材17−1,17−2,17−3を板状にすることで、読取センサ11−1,11−2,11−3の光軸上の副走査方向に多少位置がずれても、原稿DSを押さえることが可能となり、画質への悪影響を最小限にすることができる。
【0042】
次に図6は本発明の別の実施例を示す画像読取装置の概略要部構成図である。この実施例では、原稿押さえ用部材17−1,17−2,17−3は、所定の粘度の物質20−1,20−2,20−3を低摩擦部材21−1,21−2,21−3で覆った形状を有する構成としたものであり、各原稿押さえ用部材17−1,17−2,17−3は、支持機構15で支持された平板18の下面に直接固定されている。
ここで、所定の粘度の物質20−1,20−2,20−3としては、例えばジェル状の液体があり、ジェル状の液体20−1,20−2,20−3を低摩擦部材21−1,21−2,21−3で覆った形状とすることより、コンタクトガラス14の凹凸にしっかりと馴染むことで、コンタクトガラス14の平面度による原稿浮きを最小限にすることができる。また、図6の構成では、図3の構成の弾性部材19−1,19−2,19−3の機能を原稿押さえ用部材17−1,17−2,17−3のジェル状の液体20−1,20−2,20−3がになっている。
【0043】
なお、上記の実施例では、原稿押さえ用部材17−1,17−2,17−3は、所定の粘度の物質(例えばジェル状の液体)20−1,20−2,20−3を低摩擦部材21−1,21−2,21−3で覆った形状を有する構成としたが、原稿押さえ用部材17−1,17−2,17−3自体を低衝撃性の弾性材で構成しても、同様の機能を持たせることができる。
ここで、低衝撃性の弾性材としては、例えば高密度マイクロセルポリウレタンフォーム(ポロン)があり、これを用いることにより、原稿押さえ用部材17−1,17−2,17−3自体に、低衝撃性、低摩擦性及び弾性の機能を持たせることができる。、
【0044】
このように、原稿の浮き防止用の原稿押さえ用部材17−1,17−2,17−3自体を、低衝撃性の弾性材(例えば高密度マイクロセルポリウレタンフォーム)で構成することにより、通紙される原稿との衝撃や摩擦抵抗を最小限にすることができ、ショックジターが少なくなり画質への影響を最小限にすることができる。また、原稿押さえ用部材17−1,17−2,17−3自体で原稿をコンタクトガラスに圧接することが可能となり、コンタクトガラス14の平面度による原稿の浮きを最小限にすることができる。また、高密度マイクロセルポリウレタンフォームは種々の形状に加工できるため、図3に示したような板状の形状や、図6に示したような形状等、任意な形状を選択可能である。
【0045】
次に図7は本発明のさらに別の実施例を示す画像読取装置の概略要部構成図である。この実施例では、原稿押さえ用部材17−1,17−2,17−3は、加圧用の手段を有する構成としており、加圧用の手段として、原稿押さえ用部材17−1,17−2,17−3の上部の両端及び中央に加圧用部材22−1,22−2,22−3が設置されている構成としている。ここで、図7の例では、加圧用部材22−1,22−2,22−3としてバネ部材、例えば加圧用スプリングを用いており、この加圧用スプリング22−1,22−2,22−3は、原稿押さえ用部材17−1,17−2,17−3と平板18の間に介在して、図中の矢印で示すように原稿押さえ用部材17−1,17−2,17−3をコンタクトガラス14に加圧する機能を有している。
このように、原稿押さえ用部材17−1,17−2,17−3の上部の中央、両端に加圧用部材(例えば加圧用スプリング)22−1,22−2,22−3を設置することにより、原稿押さえ用部材17−1,17−2,17−3のねじれ等を矯正することができ、また、加圧用部材22−1,22−2,22−3の加圧力により原稿がコンタクトガラス14にしっかりと密着することで、原稿の浮きを最小限にすることができる。特に、各原稿押さえ用部材17−1,17−2,17−3の上部の中央、両端に加圧用スプリング22−1,22−2,22−3を設置することにより、各原稿押さえ用部材17−1,17−2,17−3のねじれを矯正し、且つ原稿に合った適切なテンションをかけることが可能となり、原稿浮きの防止効果が大きくなる。なお、加圧用部材としては、スプリングの他に、板バネ等を用いることもできる。
【0046】
次に図8は本発明のさらに別の実施例を示す画像読取装置の概略要部構成図である。この実施例では、各原稿押さえ用部材17−1,17−2,17−3は、加圧用の手段を有する構成としており、加圧用の手段として、各原稿押さえ用部材17−1,17−2,17−3の上部に、板状の部材(板材)23−1,23−2,23−3を積層して設置した構成としたものである。そして、図8の構成では、板材23−1,23−2,23−3の積層枚数で加圧量を調節することができる。なお、図8では各原稿押さえ用部材17−1,17−2,17−3の支持部材は図示していないが、この板材23−1,23−2,23−3の設置は、図7の構成と組合わせるとよく、その場合には、前記スプリング22−1,22−2,22−3による加圧力は弱くして、板材23−1,23−2,23−3の積層枚数で加圧量を調節するとよい。
このように、各原稿押さえ用部材17−1,17−2,17−3の上部に板材23−1,23−2,23−3を積層して設置させることにより、面加重で原稿をコンタクトガラス14にしっかり押さえることが可能となり、原稿の浮きを最小限にすることができる。また、これにより主走査光軸上に均一に加圧分布させることで部分的にも原稿浮きが少なくなるため、主走査位置による濃度斑を最小限に抑えることができる。また、各原稿押さえ用部材17−1,17−2,17−3の上部に積層される板材23−1,23−2,23−3の位置は任意に変化させることができるので、温度変化等で各原稿押さえ用部材17−1,17−2,17−3の形状が変化して浮きが生じたような場合にも、その浮いた部分に板材23−1,23−2,23−3を積層して矯正することができるので、原稿浮きの防止効果をより大きくすることができる。
【0047】
次に図9、図10は本発明のさらに別の実施例を示す画像読取装置の概略要部構成図である。この図9や図10に示す実施例では、図6や図7に示した構成の、原稿押さえ用部材17−1,17−2,17−3を上下動可能に支持する手段(平板18と支持機構15)を、各原稿押さえ用部材17−1,17−2,17−3毎に独立させたものである。
このように、各原稿押さえ用部材17−1,17−2,17−3を上下動可能に支持する平板18−1,18−2,18−3と支持機構15−1,15−2,15−3を、各原稿押さえ用部材17−1,17−2,17−3毎に独立させることにより、各読取センサ11−1,11−2,11−3の上部の位置のコンタクトガラス14の上面に、原稿面をしっかりと押さえて密接させることができ、原稿浮きを最小限に抑え込むことができる。また、各原稿押さえ用部材17−1,17−2,17−3を支持機構15−1,15−2,15−3とともに独立させることにより、部材の小型化を図れ、部材の小型化により、要求される精度の低減化、低コスト化が可能となる。また、汚れやキズ等による交換も分離・独立式では、その部分だけを交換すれば良いので、コスト、メンテナンス性も向上する。
【0048】
以上、説明したように、本発明の画像読取装置10では、大版の原稿に対しても、原稿の浮きによる読取画像の画質への影響を最小限にすることができるので、高画質な画像読取を行うことができる。そして、本発明の画像形成装置1では、この画像読取装置10を備えているので、大版用紙に対して、高画質な画像データによる画像形成ができ、出力画像の高画質化を達成することができる。
なお、図1に示した画像形成装置1の画像形成手段30は、単色画像を形成する構成であるが、現像装置34として、トナー色の異なる複数の現像器を有する現像装置(例えば回転型現像装置等)を用い、転写装置35に替えて、中間転写体と二次転写装置を設けた構成とすることにより、カラー画像形成装置とすることもできる。また、画像形成手段30を、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色分設け、この4色分の画像形成手段を、記録紙の搬送方向に沿って並設することにより、タンデム構成のカラー画像形成装置とすることもできる。
そして、画像読取装置10に原稿画像を色分解して読取る機能を持たせることにより、高画質なカラー画像を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明に係る画像読取装置を搭載する画像形成装置の一実施の形態を示す複写機の概略構成図である。
【図2】図1の複写機に搭載される画像読取装置の一例を示す概略構成図である。
【図3】本発明の一実施例を示す画像読取装置の概略要部構成図である。
【図4】図2,3に示す画像読取装置のベース部内の読取センサの配置をコンタクトガラスの上方から見た図と、画像読取回路の概略構成を合わせて示した図である。
【図5】原稿押さえ用部材の配置例を示す画像読取装置の概略要部斜視図である。
【図6】本発明の別の実施例を示す画像読取装置の概略要部構成図である。
【図7】本発明のさらに別の実施例を示す画像読取装置の概略要部構成図である。
【図8】本発明のさらに別の実施例を示す画像読取装置の概略要部構成図である。
【図9】本発明のさらに別の実施例を示す画像読取装置の概略要部構成図である。
【図10】本発明のさらに別の実施例を示す画像読取装置の概略要部構成図である。
【図11】原稿押さえ用部材の従来例を示す画像読取装置の概略要部構成図である。
【符号の説明】
【0050】
1:複写機(画像形成装置)
11(11−1,11−2,11−3):読取センサ
11a:照明用ランプ
11b:結像レンズアレイ
11c:センサ部材
11d:筐体(ケース)
12:第1の搬送ローラ
13:第2の搬送ローラ
14:コンタクトガラス
15:支持機構(支持手段)
16:駆動手段
17(17−1,17−2,17−3):原稿押さえ用部材
18:平板
19−1,19−2,19−2:弾性部材
20−1,20−2,20−3:所定の粘度の物質(ジェル状の液体)
21−1.21−2,21−3:低摩擦部材
22−1,22−2,22−3:加圧用部材(加圧スプリング)
23−1,23−2,23−3:板状の部材(板材)
24:ベース部
30:画像形成手段
31:感光体ドラム
32:帯電装置
33:露光装置
34:現像装置
35:転写装置
36:クリーニング装置
37:レジストローラ
38:定着装置
39:排紙ローラ
40:給紙部
41:シート状記録紙の給紙カセット
41a,42a,43a:給紙ローラ
42,43:ロール状記録紙の給紙カセット
44:搬送ローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の読取画素が長手方向にライン状に配列された読取センサを複数備え、該複数の読取センサは、コンタクトガラスの下面に対向して設置され、前記長手方向が主走査方向に沿って延在するとともに、隣合う読取センサの端部の画素が互いに重なるように副走査方向に位置をずらして千鳥状に配列されており、前記コンタクトガラスの上面側に接して副走査方向に搬送される原稿の画像情報を、前記複数の読取センサで読取る画像読取装置において、
前記読取センサの上方に設置され、前記コンタクトガラス上を搬送される原稿を該コンタクトガラスに密接させる原稿押さえ用部材を備え、該原稿押さえ用部材が、各読取センサ毎に独立して設置されていることを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像読取装置において、
前記原稿押さえ用部材は、前記原稿の通紙時に上下動可能に支持されていることを特徴とする画像読取装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の画像読取装置において、
前記原稿押さえ用部材は、板状の部材であることを特徴とする画像読取装置。
【請求項4】
請求項1または2記載の画像読取装置において、
前記原稿押さえ用部材は、所定の粘度の物質を低摩擦部材で覆った形状を有することを特徴とする画像読取装置。
【請求項5】
請求項4記載の画像読取装置において、
前記所定の粘度の物質は、ジェル状の液体であることを特徴とする画像読取装置。
【請求項6】
請求項3記載の画像読取装置において、
前記原稿押さえ用部材が、低衝撃性の弾性材からなることを特徴とする画像読取装置。
【請求項7】
請求項6記載の画像読取装置において、
前記低衝撃性の弾性材が、高密度マイクロセルポリウレタンフォームであることを特徴とする画像読取装置。
【請求項8】
請求項3乃至7のいずれか1項に記載の画像読取装置において、
前記原稿押さえ用部材は、弾性部材で支持されていることを特徴とする画像読取装置。
【請求項9】
請求項3乃至7のいずれか1項に記載の画像読取装置において、
前記原稿押さえ用部材は、加圧用の手段を有することを特徴とする画像読取装置。
【請求項10】
請求項9記載の画像読取装置において、
前記加圧用の手段として、前記原稿押さえ用部材の上部の両端及び中央に加圧用部材が設置されていることを特徴とする画像読取装置。
【請求項11】
請求項10記載の画像読取装置において、
前記加圧用部材が、バネ部材であることを特徴とする画像読取装置。
【請求項12】
請求項9記載の画像読取装置において、
前記加圧用の手段として、前記原稿押さえ用部材の上部に、板材が積層されていることを特徴とする画像読取装置。
【請求項13】
請求項12記載の画像読取装置において、
前記板材の積層枚数で加圧量を調節することを特徴とする画像読取装置。
【請求項14】
請求項2乃至13のいずれか1項に記載の画像読取装置において、
前記原稿押さえ用部材を上下動可能に支持する手段を、各原稿押さえ用部材毎に独立させることを特徴とする画像読取装置。
【請求項15】
請求項1乃至15のいずれか1項に記載の画像読取装置と、記録媒体に画像を形成する画像形成手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−124536(P2008−124536A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−302809(P2006−302809)
【出願日】平成18年11月8日(2006.11.8)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.セルフォック
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】