画像読取装置及びその制御方法、プログラム
【課題】 コストアップせずに、分離給紙モード・非分離給紙モードやUターンパス排紙・ストレートパス排紙で起こりうる画像の伸縮の問題を解決する。
【解決手段】 指定された搬送モードで原稿を読み取る画像読取装置であって、原稿を給紙する原稿給紙部と、給紙された原稿の搬送および排紙を行う原稿搬送部と、原稿搬送部が搬送する原稿に対して画像の読取制御を行う画像読取処理部とを備える。画像読取処理部は、指定された搬送モードに合わせて前記原稿の画像読取条件を変更する。
【解決手段】 指定された搬送モードで原稿を読み取る画像読取装置であって、原稿を給紙する原稿給紙部と、給紙された原稿の搬送および排紙を行う原稿搬送部と、原稿搬送部が搬送する原稿に対して画像の読取制御を行う画像読取処理部とを備える。画像読取処理部は、指定された搬送モードに合わせて前記原稿の画像読取条件を変更する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スキャナや複写機などに用いられる画像読み取り装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の画像読取装置には、原稿台に積載された原稿束を一枚ずつ分離して給紙する分離給紙モードと、ホッチキス等で綴じられた原稿束を分離せずに一度にまとめて給紙する非分離給紙モードが選択可能な画像読取装置がある。
【0003】
図2に分離給紙モードと非分離給紙モードを選択可能な画像読取装置の断面図を示す。読取を開始すると、リタードローラ3以外のピックアップローラ2、送りローラ4、搬送ローラ5が給紙方向に向けて回転する。分離給紙モードの際にはリタードローラ3が給紙方向とは逆向きに回転することで、原稿台7に載置されている原稿束100を1枚ずつ分離して給紙することができる。非分離給紙モードの際にはリタードローラ3を回転させないことで原稿束100を分離させずに給紙することができる。
【0004】
分離給紙モードでは、非分離給紙モードに比べてリタードローラ3から受ける負荷により搬送ローラ5にたわみが生じる等して原稿の搬送速度が遅くなる。そのため、分離給紙モードと非分離給紙モードで搬送ローラ5の回転速度および原稿画像の読取周期を同一にして読取処理を行った場合には、分離給紙モードでは原稿の搬送速度が遅くなる分、読取画像が伸びてしまう。
【0005】
また、従来の画像読取装置には、図6に示されるように読取処理を行った原稿をUターンパス排紙口とストレートパス排紙口のどちらに排紙するかをUターンパス排紙・ストレートパス排紙切替レバー20で切替可能である画像読取装置がある。
【0006】
Uターンパス排紙口に排紙する場合は、原稿を湾曲させながら搬送および排紙するために、原稿のこしによって搬送ローラ5に負荷がかかる。それにより、原稿にたわみ等が生じ、ストレートパス排紙口への排紙に比べて原稿の搬送速度が遅くなる。そのため、分離給紙モード・非分離給紙モードで起きる問題と同様に搬送した原稿に対して読み取った画像の縮尺が異なる問題が起きる。
【0007】
また、紙種によって搬送負荷が変わり、原稿の搬送速度が変動することが、一般的に知られている。
【0008】
従来から原稿にかかる搬送負荷の違いによる画像の伸縮を防ぐ技術が提案されている。
【0009】
特許文献1では、原稿束の最終紙に生じやすい画像の伸縮を防止する技術が提案されている。ここで提案されている技術は、最終紙にかかる搬送負荷をなくすことで画像の伸縮を防いでいる。
【0010】
また、特許文献2では、搬送される原稿に応じて搬送速度を適正な速度にする技術が提案されている。ここで提案されている技術は、原稿の種類を検出するセンサを用いて、搬送速度を適正な速度に変更する処理を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平7-61626号公報
【特許文献2】特開平7-267402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、従来の技術では最終紙を検知するためのセンサや原稿の種類を検知するためのセンサが必要であり、コストが増大する問題があった。
【0013】
本発明は上記の問題を鑑みてなされたものであり、コストアップせずに、分離給紙モード・非分離給紙モードやUターンパス排紙・ストレートパス排紙で起こりうる画像の伸縮の問題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の目的を達成するための本発明による画像読取装置は以下の構成を備える。即ち、
少なくとも2つの搬送モードを有し、指定された搬送モードで原稿の画像を読み取る画像読取装置であって、
原稿を給紙する原稿給紙部と、
給紙された前記原稿の搬送および排紙を行う原稿搬送部と、
前記原稿搬送部が搬送する前記原稿に対して画像の読取制御を行う画像読取処理部とを備え、
前記画像読取処理部は、前記指定された搬送モードに合わせて前記原稿の画像読取条件を変更する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、分離給紙モードと非分離給紙モードを選択可能な画像読取装置において起こりうる画像の伸縮問題を防ぐことができる。また、Uターンパス排紙とストレートパス排紙のように異なる排紙パスを選択可能な画像読取装置においても画像の伸縮問題を防ぐことができる。また、紙種が異なる場合にも、あらかじめ紙種を設定することで画像の伸縮なく読取処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】画像読取装置の外観を示す斜視図である。
【図2】画像読取装置の断面図である。
【図3】本発明の実施形態1における一連の動作を表すフローチャート図である。
【図4】搬送ローラの回転速度と原稿の搬送速度の関係を示すグラフである。
【図5】原稿の搬送速度と読取周期の関係を示すグラフである。
【図6】画像読取装置の断面図である。
【図7】本発明の実施形態2における一連の動作を表すフローチャート図である。
【図8】搬送ローラの回転速度と原稿の搬送速度の関係を示すグラフである。
【図9】搬送ローラの回転速度と原稿の搬送速度の関係を示すグラフである。
【図10】搬送する原稿の状態を表す図である。
【図11】搬送する原稿の状態を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、複数種類の原稿の搬送モードの内、指定された搬送モード(あるいはその組み合わせ)で原稿の画像を読み取る画像読取装置に関するものでる。特に、この画像読取装置は、原稿に対して画像の読取制御を行う画像読取処理部を備え、この画像読取処理部は、指定された搬送モードに合わせて原稿の画像読取条件を変更することを特徴とする。
【0018】
ここで、搬送モードとは、原稿の給紙および排紙に関わるモードの総称であり、特に、給紙に関わるモードとしては、実施形態1で説明する分離給紙モード、非分離給紙モードがある。また、排紙に関わるモードとしては、実施形態2で説明するUターンパス排紙モードとストレートパス排紙モードがある。
【0019】
そして、これらの搬送モードの内、指定された搬送モード(あるいはそのく組み合わせ)に合わせて、画像読取処理部は、画像読取条件として、原稿を搬送する搬送ローラの回転速度や、読取周期を変更する。
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0021】
<実施形態1>
図1は少なくとも2つの給紙モード(例えば、分離給紙モード((第1の搬送モード))と非分離給紙モード(第2の搬送モード))を選択可能である画像読取装置1の斜視図である。分離給紙モードと非分離給紙モードの切替は分離給紙モード・非分離給紙モード切替ボタン10により行い、押されるたびに分離給紙モード・非分離給紙モードが交互に切り替わる。
【0022】
ここで、分離給紙モードは、原稿給紙部で原稿束を一枚ずつ分離しながら給紙するモードであり、非分離給紙モードは、原稿給紙部で原稿束を分離せずに一度にまとめて給紙するモードである。
【0023】
図2は分離給紙モードと非分離給紙モードを選択可能である画像読取装置1の断面図である。
【0024】
読取動作を開始すると、リタードローラ3以外のピックアップローラ2、送りローラ4、搬送ローラ5が給紙方向に向けて回転する。分離給紙モードの際にはリタードローラ3が給紙方向とは逆向きに回転することで、原稿台7に載置されている原稿束100を1枚ずつ分離して給紙することができる。非分離給紙モードの際にはリタードローラ3を回転させないことで原稿束100を分離させずに給紙することができる。ピックアップローラ2、リタードローラ3、送りローラ4、搬送ローラ5はそれぞれパルスモータ(不図示)とギア(不図示)の駆動により回転する。ここで、ピックアップローラ2、リタードローラ3、送りローラ4は原稿を画像読取装置1内部に給紙する原稿給紙部として機能し、搬送ローラ5は画像読取装置1内部に給紙された原稿の搬送および搬送を行う原稿搬送部として機能する。
【0025】
画像の読取は、例えば、特開2003−87500号公報に示されているように、搬送ローラの回転速度に同期して画像の読取周期を変更する技術を用いて読取処理を行う。図2では、原稿台原稿検知センサ9およびレジストセンサ8を用いて原稿の有無を検知し、画像読取処理部6によって、画像を読み取る。
【0026】
尚、この画像読取処理部6は、CPU、RAM、ROM等の画像読取装置1の各種制御を実行するための各種構成要素(ハードウェア、ソフトウェア、あるいはそれらの組み合わせ)から実現される。
【0027】
画像読取装置1は、図1に示すように、USBケーブルやSCSIケーブル等の通信ケーブル101を介してホストPC102と接続されている。ユーザはホストPC102を操作して、画像読取設定と読取開始指示を画像読取装置1に送信し、画像読取装置1から画像を受信する。
【0028】
画像読取設定には、どのような原稿を読み取るかを決める原稿種類の設定を画像読取装置1に対するドライバによってホストPC102の表示画面に表示される設定画面を介して行う。あるいは、画像読取装置1に設定画面に相当する設定ボタン/スイッチ等の原稿種類設定部を構成しておいても良い。実施形態1では、原稿種類の設定項目には、原稿の厚みに着目し、標準紙、厚紙、薄紙の3種類を設定可能にしている。但し、必要に応じてそれ以外の設定値を設けても良い。
【0029】
尚、ホストPC102は、汎用コンピュータに搭載される標準的な構成要素(例えば、CPU、RAM、ROM、ハードディスク、外部記憶装置、ネットワークインタフェース、ディスプレイ、キーボード、マウス等)を有している。
【0030】
実施形態1の画像読取装置1の動作を図3のフローチャートと、図2の断面図を用いて説明する。
【0031】
ユーザは読取動作を開始する前に、あらかじめ分離給紙モード・非分離給紙モード切替ボタン10により、分離給紙モードにするか非分離給紙モードにするかを決定する。その後、ユーザはホストPC102を操作し画像読取設定を行った後に読取開始指示を画像読取装置1に対して送信する。
【0032】
読取開始指示を受信すると、画像読取装置1は、読取動作を開始する。まず、ステップS1010で、画像読取処理部6は、分離給紙モード・非分離給紙モード切替ボタン10の設定状態に従って、指定された給紙モードが分離給紙モードか非分離給紙モードかを判定する。
【0033】
分離給紙モードと判定した場合(ステップS1010でYES)、ステップS1020に進み、画像読取処理部6は、画像読取設定に応じて分離給紙モード時の搬送ローラ5の回転速度と画像読取処理部6の読取周期を決定する。
【0034】
一方、非分離給紙モードと判定した場合(ステップS1010でNO)、ステップS1030に進み、画像読取処理部6は、画像読取設定に応じて非分離給紙モード時の搬送ローラ5の回転速度と画像読取処理部6の読取周期を決定する。
【0035】
ここで、搬送ローラ5の回転速度と画像読取処理部6の読取周期の決定手法について説明する。まず、画像読取設定時に設定された原稿の種類に応じて、搬送ローラ5の回転速度ωを決定する。標準紙を基準として厚紙、薄紙でそれぞれ搬送速度へ影響を与える量を考慮し、どの原稿でも搬送速度vが同じになるように回転速度を決定する。
【0036】
例えば、搬送ローラの回転速度と原稿の搬送速度が図9に示す関係にあるとき、搬送速度をvとするためには原稿種類の設定項目が標準紙であるときはωにし、厚紙であるときはω’にし、薄紙であるときはω”にする。こうすることで、どの原稿に対しても、同じ搬送速度vにすることができ、画像の伸縮を防ぐことができる。
【0037】
原稿種類に応じて変化する搬送速度の変化量については、工場出荷時に機体ごとに設定することで、各機体のばらつきを抑える。また、それ以外にもあらかじめ実験で算出しても良いし、ユーザがホストPC経由で設定する値を使用しても良い。
【0038】
次に、原稿種類に応じて決定された回転速度をω1としたときの、分離給紙モードと非分離給紙モードの違いにより変化する搬送速度の変化量を計算する。図4に示すように、搬送ローラ5の回転速度がω1のとき、原稿の搬送速度は、分離給紙モードではv1であるのに対して、非分離給紙モードでは搬送負荷がない分、原稿の搬送速度が向上しv2になる。この状態で同一の読取周期で読取処理を行うと、非分離給紙モードのときは原稿の搬送速度が速い分、画像が縮んでしまう。そこで、非分離給紙モードのときは、原稿の搬送速度がv1となるように回転速度をω1(第1の回転速度)より遅いω2(第2の回転速度)に設定する。これにより、分離給紙モード・非分離給紙モードでそれぞれ同一の原稿の搬送速度となるようにして伸縮のない画像を取得する。
【0039】
上記の例では、搬送ローラ5の回転速度を変更する方法の説明をしているが、他にも画像読取処理部6の読取周期を変更することでも対処可能である。その際は、非分離給紙モード時に原稿の搬送速度が向上する分、分離給紙モード時の読取周期(第1の読取周期)よりも読取周期(第2の読取周期)を早くすることで対処する。図5は原稿の搬送速度と読取周期の関係を示したものであり、原稿の搬送速度が速くなるほど読取周期は早くする必要がある。分離給紙モード・非分離給紙モードでの搬送速度変化量は図4から求め、図5のグラフを基に原稿の搬送速度の変化に応じて読取周期を決定する。これにより、搬送ローラ5の回転速度が同一の状態でも、分離給紙モード・非分離給紙モードで伸縮のない画像の読取処理を行える。
【0040】
また、図4および図5のグラフを基に搬送ローラ5の回転速度と画像読取処理部6の読取周期をどちらか一方だけでなく、それぞれを適切に変更することでも伸縮のない画像を取得することができる。
【0041】
回転速度および読取周期の決定に必要な、分離給紙モードと非分離給紙モードでの原稿の搬送速度の差異は、工場出荷時に機体毎に設定することで、各機体のばらつきを抑えることもできる。また、それ以外にもあらかじめ実験で求めても良いし、ユーザがホストPC102経由で設定する値を使用しても良い。
【0042】
図3の説明に戻る。
【0043】
分離給紙モード時に、ステップS1020の処理が終了したら、ステップS1021で、画像読取処理部6は、リタードローラ3の駆動を開始する。これにより、リタードローラ3が搬送方向とは逆向きに回転することで、原稿がリタードローラ3と送りローラ4のニップ位置に到達したときに1枚ずつ分離して給紙することができる。
【0044】
ステップS1040で、画像読取処理部6は、これまでに決定された回転速度に従って搬送ローラ5の駆動を開始する。
【0045】
ステップS1050で、画像読取処理部6は、送りローラ4およびピックアップローラ2の駆動を開始する。尚、送りローラ4の周速度は搬送ローラ5の周速度よりも遅い速度にする。ピックアップローラ2の周速度は送りローラ4の周速度よりも遅い速度にする。これにより、原稿束100は紙間をあけて給紙および搬送することができる。
【0046】
ステップS1060で、画像読取処理部6は、搬送されてきた原稿の先端をレジストセンサ8で検知する。
【0047】
ステップS1080で、画像読取処理部6は、ステップS1060で原稿先端を検知後の原稿の移動量を、搬送ローラ5の駆動に使用しているパルスモータのパルス数から算出し、原稿の先端が画像読取処理部6に到達したら画像の読取処理を開始する。画像読取処理部6は、画像読取設定で定められた画像サイズ分の読取を行ったら、読取を終了する。
【0048】
ステップS1090で、画像読取処理部6は、搬送されてきた原稿の後端をレジストセンサ8で検知する。
【0049】
ステップS1100で、画像読取処理部6は、原稿台原稿検知センサ9により後続の原稿の有無を判定する。後続の原稿が検知される場合(ステップS1100でYES)、ステップS1060に戻る。
【0050】
尚、後続の原稿が存在する場合は、ピックアップローラ2および送りローラ4が駆動状態であるため、図10に示すように、後続の原稿が、リタードローラ3と送りローラ4の直近の搬送ローラ5のニップ位置に到達している状況となる。リタードローラ3と送りローラ4のニップ位置から最も上流側の搬送ローラ5のニップ位置までの距離が短いので、分離給紙モード時には、リタードローラ3によって原稿を搬送方向の上流側へ引っ張る時間が大半を占めることになる。
【0051】
一方、後続の原稿が検知されない場合(ステップS1100でNO)、ステップS1110に進み、画像読取処理部6は、原稿が排紙口(Uターン排紙口)から排紙されるまで待ちを行う。
【0052】
ステップS1120で、画像読取処理部6は、送りローラ4の駆動の停止およびピックアップローラ2の駆動の停止およびリタードローラ3の駆動の停止および搬送ローラ5の駆動の停止を行い、画像読取処理を終了する。
【0053】
以上説明したように、実施形態1によれば、分離給紙モードと非分離給紙モードに応じて、原稿の搬送速度(例えば、搬送ローラ5の回転速度や、画像読取処理部6の読取周期)を決定する。これにより、どちらのモードにおいても、原稿を一定の搬送速度で搬送することが可能となり、分離給紙モードと非分離給紙モードを選択可能な画像読取装置において起こりうる画像の伸縮問題を防ぐことができる。
【0054】
また、紙種が異なる場合にも、あらかじめ紙種を設定することで画像の伸縮なく読取処理を行うことができる。
【0055】
<実施形態2>
図1は、少なくとも2つの排紙口への排紙パス(例えば、Uターンパス排紙(第1の排紙パス)とストレートパス排紙(第2の排紙パス))を選択可能である画像読取装置1の斜視図である。Uターンパス排紙とストレートパス排紙の切替はUターンパス排紙・ストレートパス排紙切替ボタン11に連動して動作するUターンパス排紙・ストレートパス排紙切替レバー20により、押されるたびにUターンパス排紙・ストレートパス排紙が交互に切り替わる。
【0056】
図6はUターンパス排紙とストレートパス排紙を選択可能である画像読取装置1の断面図である。分離給紙モードと非分離給紙モードの切替が可能であるが、実施形態2では分離給紙モードが選択されている例で説明する。
【0057】
読取動作を開始すると、リタードローラ3以外のピックアップローラ2、送りローラ4、搬送ローラ5が給紙方向に向けて回転する。リタードローラ3は給紙方向と逆向きに回転することで、原稿台7に載置されている原稿束100を1枚ずつ分離して給紙する。ピックアップローラ2、リタードローラ3、送りローラ4、搬送ローラ5はそれぞれパルスモータ(不図示)とギア(不図示)の駆動により回転する。
【0058】
画像の読取方法、および画像読取装置1とホストPC102との接続関係、画像読取動作、画像読取設定は、実施形態1と同様であるため説明は省略する。
【0059】
実施形態2の画像読取装置1の動作を図7のフローチャートと、図6の断面図を用いて説明する。
【0060】
ユーザは読取動作を開始する前に、あらかじめUターンパス排紙・ストレートパス排紙切替ボタン11により、Uターンパス排紙口に排紙するかストレートパス排紙口に排紙するかを決定する。その後、ユーザはホストPC102を操作し画像読取設定を行った後に読取開始指示を画像読取装置1に対して送信する。
【0061】
読取開始指示を受信すると、画像読取装置1は、読取動作を開始する。ステップS2010で、画像読取処理部6は、Uターンパス排紙・ストレートパス排紙切替ボタン11の設定状態に従って、Uターンパス排紙かストレートパス排紙かを判定する。
【0062】
Uターンパス排紙と判定した場合(ステップS2010でYES)、ステップS2020に進み、画像読取処理部6は、画像読取設定に応じてUターンパス排紙時の搬送ローラ5の回転速度と画像読取処理部6の読取周期を決定する。
【0063】
一方、ストレートパス排紙と判定した場合(ステップS2010でNO)、ステップS2030に進み、画像読取処理部6は、画像読取設定に応じてストレートパス排紙時の搬送ローラ5の回転速度と画像読取処理部6の読取周期を決定する。
【0064】
尚、搬送ローラ5の回転速度と画像読取処理部6の読取周期の決定手法および原稿種類に応じて変化する搬送速度の変化量については、実施形態1と同様であるため説明は省略する。
【0065】
次に、原稿種類に応じて決定された回転速度をω1としたときの、Uターンパス排紙とストレートパス排紙の違いにより変化する搬送速度の変化量を計算する。図8に示すように、搬送ローラ5の回転速度がω1のとき、原稿の搬送速度は、Uターンパス排紙ではv1であるのに対して、ストレートパス排紙では搬送負荷がない分、原稿の搬送速度が向上しv2になる。この状態で同一の読取周期で読取処理を行うと、ストレートパス排紙のときは原稿の搬送速度が速い分、画像が縮んでしまう。そこで、ストレートパス排紙のときは、画像の読取周期は変えず、原稿の搬送速度がv1となるよう回転速度をω1(第1の回転速度)より遅いω2(第2の回転速度)に設定する。これにより、Uターンパス排紙・ストレートパス排紙でそれぞれ同一の原稿の搬送速度になるようにして伸縮のない画像を取得する。
【0066】
上記の例では、搬送ローラ5の回転速度を変更する方法の説明をしているが、他にも画像読取処理部6の読取周期を変更することでも対処可能である。その際は、ストレートパス排紙時に原稿の搬送速度が向上する分、Uターンパス時の読取周期(第1の読取周期)よりも読取周期(第2の読取周期)を早くすることで対処する。図5は原稿の搬送速度と読取周期の関係を示したものであり、原稿の搬送速度が速くなるほど読取周期は早くする必要がある。Uターンパス排紙・ストレートパス排紙での原稿の搬送速度変化量は図8から求め、図5のグラフを基に原稿の搬送速度の変化に応じて読取周期を決定する。これにより、搬送ローラ5の回転速度が同一の状態でも、Uターンパス排紙・ストレートパス排紙で伸縮のない画像読取処理を行える。
【0067】
また、図5および8のグラフを基に搬送ローラ5の回転速度と画像読取処理部6の読取周期をどちらか一方だけでなく、それぞれを適切に変更することでも伸縮のない画像を取得することができる。
【0068】
回転速度および読取周期の決定に必要な、Uターンパス排紙とストレートパス排紙での原稿の搬送速度の差異は、工場出荷時に機体ごとに設定することで、各機体のばらつきを抑えることもできある。また、それ以外にもあらかじめ実験で求めても良いし、ユーザがホストPC102経由で設定する値を使用しても良い。
【0069】
図3の説明に戻る。
【0070】
ステップS2040で、画像読取処理部6は、リタードローラ3および搬送ローラ5の駆動を開始する。これにより、リタードローラ3が搬送方向とは逆向きに回転することで、原稿がリタードローラ3と送りローラ4のニップ位置に到達したときに1枚ずつ分離して給紙することができる。また、搬送ローラ5の回転速度はこれまでに決定された値に従って給紙方向の向きに駆動を開始する。
【0071】
ステップS2050で、画像読取処理部6は、送りローラ4およびピックアップローラ2の駆動を給紙方向に向けて開始する。尚、送りローラ4の周速度は搬送ローラ5の周速度よりも遅い速度にする。ピックアップローラ2の周速度は送りローラ4の周速度よりも遅い速度にする。これにより、原稿束100は紙間をあけて給紙および搬送することができる。
【0072】
ステップS2060で、画像読取処理部6は、搬送されてきた原稿の先端をレジストセンサ8で検知する。
【0073】
ステップS2080で、画像読取処理部6は、ステップS2060で原稿先端を検知後の原稿の移動量を、搬送ローラ5の駆動に使用しているパルスモータのパルス数から算出し、原稿の先端が画像読取処理部6に到達したら画像の読取処理を開始する。画像読取処理部6は、画像読取設定で定められた画像サイズ分の読取を行ったら、読取を終了する。
【0074】
ステップS2090で、画像読取処理部6は、搬送されてきた原稿の後端をレジストセンサ8で検知する。
【0075】
ステップS2100で、画像読取処理部6は、原稿台原稿検知センサ9により後続の原稿の有無を判定する。後続の原稿が検知される場合(ステップS2100でYES)、ステップS2060に戻る。
【0076】
尚、Uターンパス排紙のときに、後続の原稿を読み取る場合は、前紙が排紙中であるため、図11に示すように、排紙中の原稿がUターンパス排紙部の湾曲部に存在している。そのため、排紙中の原稿によってかかる負荷によって搬送ローラ5の搬送速度が遅くなる。
【0077】
一方、後続の原稿が検知されない場合(ステップS2100でNO)、ステップS2110に進み、画像読取処理部6は、原稿が排紙口から排紙されるまで待ちを行う。
【0078】
ステップS2120で、画像読取処理部6は、送りローラ4の駆動の停止およびピックアップローラ2の駆動の停止およびリタードローラ3の駆動の停止および搬送ローラ5の駆動の停止を行い、画像読取処理を終了する。
【0079】
以上説明したように、実施形態2によれば、Uターンパス排紙とストレートパス排紙に応じて、原稿の搬送速度(例えば、搬送ローラ5の回転速度や、画像読取処理部6の読取周期)を決定する。これにより、どちらの排紙パスにおいても、原稿を一定の搬送速度で搬送することが可能となり、Uターンパス排紙とストレートパス排紙のように異なる排紙パスを選択可能な画像読取装置においても画像の伸縮問題を防ぐことができる。
【0080】
また、紙種が異なる場合にも、あらかじめ紙種を設定することで画像の伸縮なく読取処理を行うことができる。
【0081】
尚、実施形態2では分離給紙モードが選択されている例で説明しているが、これに限定されない。例えば、非分離給紙モードにおいて、実施形態2を適用できることは言うまでもない。
【0082】
また、実施形態1と実施形態2の構成を組み合わせた実施形態を実現できることも言うまでもない。つまり、分離給紙モード・非分離給紙モード切替ボタン10の設定状態、Uターンパス排紙・ストレートパス排紙切替ボタン11の設定状態の組み合わせに応じて、画像読取処理部6が画像読取制御を適応的に実行することができる。
【0083】
更に、実施形態1では、2種類の給紙モードである場合を例に挙げて説明しているが、3種類以上の給紙モードを画像読取装置が有する場合も、実施形態1を適用できることは言うまでもない。同様に、実施形態2で、2種類の排紙口を有する場合を例に挙げて説明しているが、3種類以上の排紙口を画像読取装置が有する場合も、実施形態1を適用できることは言うまでもない。
【0084】
尚、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステムまたは装置に供給し、そのシステムまたは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、スキャナや複写機などに用いられる画像読み取り装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の画像読取装置には、原稿台に積載された原稿束を一枚ずつ分離して給紙する分離給紙モードと、ホッチキス等で綴じられた原稿束を分離せずに一度にまとめて給紙する非分離給紙モードが選択可能な画像読取装置がある。
【0003】
図2に分離給紙モードと非分離給紙モードを選択可能な画像読取装置の断面図を示す。読取を開始すると、リタードローラ3以外のピックアップローラ2、送りローラ4、搬送ローラ5が給紙方向に向けて回転する。分離給紙モードの際にはリタードローラ3が給紙方向とは逆向きに回転することで、原稿台7に載置されている原稿束100を1枚ずつ分離して給紙することができる。非分離給紙モードの際にはリタードローラ3を回転させないことで原稿束100を分離させずに給紙することができる。
【0004】
分離給紙モードでは、非分離給紙モードに比べてリタードローラ3から受ける負荷により搬送ローラ5にたわみが生じる等して原稿の搬送速度が遅くなる。そのため、分離給紙モードと非分離給紙モードで搬送ローラ5の回転速度および原稿画像の読取周期を同一にして読取処理を行った場合には、分離給紙モードでは原稿の搬送速度が遅くなる分、読取画像が伸びてしまう。
【0005】
また、従来の画像読取装置には、図6に示されるように読取処理を行った原稿をUターンパス排紙口とストレートパス排紙口のどちらに排紙するかをUターンパス排紙・ストレートパス排紙切替レバー20で切替可能である画像読取装置がある。
【0006】
Uターンパス排紙口に排紙する場合は、原稿を湾曲させながら搬送および排紙するために、原稿のこしによって搬送ローラ5に負荷がかかる。それにより、原稿にたわみ等が生じ、ストレートパス排紙口への排紙に比べて原稿の搬送速度が遅くなる。そのため、分離給紙モード・非分離給紙モードで起きる問題と同様に搬送した原稿に対して読み取った画像の縮尺が異なる問題が起きる。
【0007】
また、紙種によって搬送負荷が変わり、原稿の搬送速度が変動することが、一般的に知られている。
【0008】
従来から原稿にかかる搬送負荷の違いによる画像の伸縮を防ぐ技術が提案されている。
【0009】
特許文献1では、原稿束の最終紙に生じやすい画像の伸縮を防止する技術が提案されている。ここで提案されている技術は、最終紙にかかる搬送負荷をなくすことで画像の伸縮を防いでいる。
【0010】
また、特許文献2では、搬送される原稿に応じて搬送速度を適正な速度にする技術が提案されている。ここで提案されている技術は、原稿の種類を検出するセンサを用いて、搬送速度を適正な速度に変更する処理を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平7-61626号公報
【特許文献2】特開平7-267402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、従来の技術では最終紙を検知するためのセンサや原稿の種類を検知するためのセンサが必要であり、コストが増大する問題があった。
【0013】
本発明は上記の問題を鑑みてなされたものであり、コストアップせずに、分離給紙モード・非分離給紙モードやUターンパス排紙・ストレートパス排紙で起こりうる画像の伸縮の問題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の目的を達成するための本発明による画像読取装置は以下の構成を備える。即ち、
少なくとも2つの搬送モードを有し、指定された搬送モードで原稿の画像を読み取る画像読取装置であって、
原稿を給紙する原稿給紙部と、
給紙された前記原稿の搬送および排紙を行う原稿搬送部と、
前記原稿搬送部が搬送する前記原稿に対して画像の読取制御を行う画像読取処理部とを備え、
前記画像読取処理部は、前記指定された搬送モードに合わせて前記原稿の画像読取条件を変更する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、分離給紙モードと非分離給紙モードを選択可能な画像読取装置において起こりうる画像の伸縮問題を防ぐことができる。また、Uターンパス排紙とストレートパス排紙のように異なる排紙パスを選択可能な画像読取装置においても画像の伸縮問題を防ぐことができる。また、紙種が異なる場合にも、あらかじめ紙種を設定することで画像の伸縮なく読取処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】画像読取装置の外観を示す斜視図である。
【図2】画像読取装置の断面図である。
【図3】本発明の実施形態1における一連の動作を表すフローチャート図である。
【図4】搬送ローラの回転速度と原稿の搬送速度の関係を示すグラフである。
【図5】原稿の搬送速度と読取周期の関係を示すグラフである。
【図6】画像読取装置の断面図である。
【図7】本発明の実施形態2における一連の動作を表すフローチャート図である。
【図8】搬送ローラの回転速度と原稿の搬送速度の関係を示すグラフである。
【図9】搬送ローラの回転速度と原稿の搬送速度の関係を示すグラフである。
【図10】搬送する原稿の状態を表す図である。
【図11】搬送する原稿の状態を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、複数種類の原稿の搬送モードの内、指定された搬送モード(あるいはその組み合わせ)で原稿の画像を読み取る画像読取装置に関するものでる。特に、この画像読取装置は、原稿に対して画像の読取制御を行う画像読取処理部を備え、この画像読取処理部は、指定された搬送モードに合わせて原稿の画像読取条件を変更することを特徴とする。
【0018】
ここで、搬送モードとは、原稿の給紙および排紙に関わるモードの総称であり、特に、給紙に関わるモードとしては、実施形態1で説明する分離給紙モード、非分離給紙モードがある。また、排紙に関わるモードとしては、実施形態2で説明するUターンパス排紙モードとストレートパス排紙モードがある。
【0019】
そして、これらの搬送モードの内、指定された搬送モード(あるいはそのく組み合わせ)に合わせて、画像読取処理部は、画像読取条件として、原稿を搬送する搬送ローラの回転速度や、読取周期を変更する。
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0021】
<実施形態1>
図1は少なくとも2つの給紙モード(例えば、分離給紙モード((第1の搬送モード))と非分離給紙モード(第2の搬送モード))を選択可能である画像読取装置1の斜視図である。分離給紙モードと非分離給紙モードの切替は分離給紙モード・非分離給紙モード切替ボタン10により行い、押されるたびに分離給紙モード・非分離給紙モードが交互に切り替わる。
【0022】
ここで、分離給紙モードは、原稿給紙部で原稿束を一枚ずつ分離しながら給紙するモードであり、非分離給紙モードは、原稿給紙部で原稿束を分離せずに一度にまとめて給紙するモードである。
【0023】
図2は分離給紙モードと非分離給紙モードを選択可能である画像読取装置1の断面図である。
【0024】
読取動作を開始すると、リタードローラ3以外のピックアップローラ2、送りローラ4、搬送ローラ5が給紙方向に向けて回転する。分離給紙モードの際にはリタードローラ3が給紙方向とは逆向きに回転することで、原稿台7に載置されている原稿束100を1枚ずつ分離して給紙することができる。非分離給紙モードの際にはリタードローラ3を回転させないことで原稿束100を分離させずに給紙することができる。ピックアップローラ2、リタードローラ3、送りローラ4、搬送ローラ5はそれぞれパルスモータ(不図示)とギア(不図示)の駆動により回転する。ここで、ピックアップローラ2、リタードローラ3、送りローラ4は原稿を画像読取装置1内部に給紙する原稿給紙部として機能し、搬送ローラ5は画像読取装置1内部に給紙された原稿の搬送および搬送を行う原稿搬送部として機能する。
【0025】
画像の読取は、例えば、特開2003−87500号公報に示されているように、搬送ローラの回転速度に同期して画像の読取周期を変更する技術を用いて読取処理を行う。図2では、原稿台原稿検知センサ9およびレジストセンサ8を用いて原稿の有無を検知し、画像読取処理部6によって、画像を読み取る。
【0026】
尚、この画像読取処理部6は、CPU、RAM、ROM等の画像読取装置1の各種制御を実行するための各種構成要素(ハードウェア、ソフトウェア、あるいはそれらの組み合わせ)から実現される。
【0027】
画像読取装置1は、図1に示すように、USBケーブルやSCSIケーブル等の通信ケーブル101を介してホストPC102と接続されている。ユーザはホストPC102を操作して、画像読取設定と読取開始指示を画像読取装置1に送信し、画像読取装置1から画像を受信する。
【0028】
画像読取設定には、どのような原稿を読み取るかを決める原稿種類の設定を画像読取装置1に対するドライバによってホストPC102の表示画面に表示される設定画面を介して行う。あるいは、画像読取装置1に設定画面に相当する設定ボタン/スイッチ等の原稿種類設定部を構成しておいても良い。実施形態1では、原稿種類の設定項目には、原稿の厚みに着目し、標準紙、厚紙、薄紙の3種類を設定可能にしている。但し、必要に応じてそれ以外の設定値を設けても良い。
【0029】
尚、ホストPC102は、汎用コンピュータに搭載される標準的な構成要素(例えば、CPU、RAM、ROM、ハードディスク、外部記憶装置、ネットワークインタフェース、ディスプレイ、キーボード、マウス等)を有している。
【0030】
実施形態1の画像読取装置1の動作を図3のフローチャートと、図2の断面図を用いて説明する。
【0031】
ユーザは読取動作を開始する前に、あらかじめ分離給紙モード・非分離給紙モード切替ボタン10により、分離給紙モードにするか非分離給紙モードにするかを決定する。その後、ユーザはホストPC102を操作し画像読取設定を行った後に読取開始指示を画像読取装置1に対して送信する。
【0032】
読取開始指示を受信すると、画像読取装置1は、読取動作を開始する。まず、ステップS1010で、画像読取処理部6は、分離給紙モード・非分離給紙モード切替ボタン10の設定状態に従って、指定された給紙モードが分離給紙モードか非分離給紙モードかを判定する。
【0033】
分離給紙モードと判定した場合(ステップS1010でYES)、ステップS1020に進み、画像読取処理部6は、画像読取設定に応じて分離給紙モード時の搬送ローラ5の回転速度と画像読取処理部6の読取周期を決定する。
【0034】
一方、非分離給紙モードと判定した場合(ステップS1010でNO)、ステップS1030に進み、画像読取処理部6は、画像読取設定に応じて非分離給紙モード時の搬送ローラ5の回転速度と画像読取処理部6の読取周期を決定する。
【0035】
ここで、搬送ローラ5の回転速度と画像読取処理部6の読取周期の決定手法について説明する。まず、画像読取設定時に設定された原稿の種類に応じて、搬送ローラ5の回転速度ωを決定する。標準紙を基準として厚紙、薄紙でそれぞれ搬送速度へ影響を与える量を考慮し、どの原稿でも搬送速度vが同じになるように回転速度を決定する。
【0036】
例えば、搬送ローラの回転速度と原稿の搬送速度が図9に示す関係にあるとき、搬送速度をvとするためには原稿種類の設定項目が標準紙であるときはωにし、厚紙であるときはω’にし、薄紙であるときはω”にする。こうすることで、どの原稿に対しても、同じ搬送速度vにすることができ、画像の伸縮を防ぐことができる。
【0037】
原稿種類に応じて変化する搬送速度の変化量については、工場出荷時に機体ごとに設定することで、各機体のばらつきを抑える。また、それ以外にもあらかじめ実験で算出しても良いし、ユーザがホストPC経由で設定する値を使用しても良い。
【0038】
次に、原稿種類に応じて決定された回転速度をω1としたときの、分離給紙モードと非分離給紙モードの違いにより変化する搬送速度の変化量を計算する。図4に示すように、搬送ローラ5の回転速度がω1のとき、原稿の搬送速度は、分離給紙モードではv1であるのに対して、非分離給紙モードでは搬送負荷がない分、原稿の搬送速度が向上しv2になる。この状態で同一の読取周期で読取処理を行うと、非分離給紙モードのときは原稿の搬送速度が速い分、画像が縮んでしまう。そこで、非分離給紙モードのときは、原稿の搬送速度がv1となるように回転速度をω1(第1の回転速度)より遅いω2(第2の回転速度)に設定する。これにより、分離給紙モード・非分離給紙モードでそれぞれ同一の原稿の搬送速度となるようにして伸縮のない画像を取得する。
【0039】
上記の例では、搬送ローラ5の回転速度を変更する方法の説明をしているが、他にも画像読取処理部6の読取周期を変更することでも対処可能である。その際は、非分離給紙モード時に原稿の搬送速度が向上する分、分離給紙モード時の読取周期(第1の読取周期)よりも読取周期(第2の読取周期)を早くすることで対処する。図5は原稿の搬送速度と読取周期の関係を示したものであり、原稿の搬送速度が速くなるほど読取周期は早くする必要がある。分離給紙モード・非分離給紙モードでの搬送速度変化量は図4から求め、図5のグラフを基に原稿の搬送速度の変化に応じて読取周期を決定する。これにより、搬送ローラ5の回転速度が同一の状態でも、分離給紙モード・非分離給紙モードで伸縮のない画像の読取処理を行える。
【0040】
また、図4および図5のグラフを基に搬送ローラ5の回転速度と画像読取処理部6の読取周期をどちらか一方だけでなく、それぞれを適切に変更することでも伸縮のない画像を取得することができる。
【0041】
回転速度および読取周期の決定に必要な、分離給紙モードと非分離給紙モードでの原稿の搬送速度の差異は、工場出荷時に機体毎に設定することで、各機体のばらつきを抑えることもできる。また、それ以外にもあらかじめ実験で求めても良いし、ユーザがホストPC102経由で設定する値を使用しても良い。
【0042】
図3の説明に戻る。
【0043】
分離給紙モード時に、ステップS1020の処理が終了したら、ステップS1021で、画像読取処理部6は、リタードローラ3の駆動を開始する。これにより、リタードローラ3が搬送方向とは逆向きに回転することで、原稿がリタードローラ3と送りローラ4のニップ位置に到達したときに1枚ずつ分離して給紙することができる。
【0044】
ステップS1040で、画像読取処理部6は、これまでに決定された回転速度に従って搬送ローラ5の駆動を開始する。
【0045】
ステップS1050で、画像読取処理部6は、送りローラ4およびピックアップローラ2の駆動を開始する。尚、送りローラ4の周速度は搬送ローラ5の周速度よりも遅い速度にする。ピックアップローラ2の周速度は送りローラ4の周速度よりも遅い速度にする。これにより、原稿束100は紙間をあけて給紙および搬送することができる。
【0046】
ステップS1060で、画像読取処理部6は、搬送されてきた原稿の先端をレジストセンサ8で検知する。
【0047】
ステップS1080で、画像読取処理部6は、ステップS1060で原稿先端を検知後の原稿の移動量を、搬送ローラ5の駆動に使用しているパルスモータのパルス数から算出し、原稿の先端が画像読取処理部6に到達したら画像の読取処理を開始する。画像読取処理部6は、画像読取設定で定められた画像サイズ分の読取を行ったら、読取を終了する。
【0048】
ステップS1090で、画像読取処理部6は、搬送されてきた原稿の後端をレジストセンサ8で検知する。
【0049】
ステップS1100で、画像読取処理部6は、原稿台原稿検知センサ9により後続の原稿の有無を判定する。後続の原稿が検知される場合(ステップS1100でYES)、ステップS1060に戻る。
【0050】
尚、後続の原稿が存在する場合は、ピックアップローラ2および送りローラ4が駆動状態であるため、図10に示すように、後続の原稿が、リタードローラ3と送りローラ4の直近の搬送ローラ5のニップ位置に到達している状況となる。リタードローラ3と送りローラ4のニップ位置から最も上流側の搬送ローラ5のニップ位置までの距離が短いので、分離給紙モード時には、リタードローラ3によって原稿を搬送方向の上流側へ引っ張る時間が大半を占めることになる。
【0051】
一方、後続の原稿が検知されない場合(ステップS1100でNO)、ステップS1110に進み、画像読取処理部6は、原稿が排紙口(Uターン排紙口)から排紙されるまで待ちを行う。
【0052】
ステップS1120で、画像読取処理部6は、送りローラ4の駆動の停止およびピックアップローラ2の駆動の停止およびリタードローラ3の駆動の停止および搬送ローラ5の駆動の停止を行い、画像読取処理を終了する。
【0053】
以上説明したように、実施形態1によれば、分離給紙モードと非分離給紙モードに応じて、原稿の搬送速度(例えば、搬送ローラ5の回転速度や、画像読取処理部6の読取周期)を決定する。これにより、どちらのモードにおいても、原稿を一定の搬送速度で搬送することが可能となり、分離給紙モードと非分離給紙モードを選択可能な画像読取装置において起こりうる画像の伸縮問題を防ぐことができる。
【0054】
また、紙種が異なる場合にも、あらかじめ紙種を設定することで画像の伸縮なく読取処理を行うことができる。
【0055】
<実施形態2>
図1は、少なくとも2つの排紙口への排紙パス(例えば、Uターンパス排紙(第1の排紙パス)とストレートパス排紙(第2の排紙パス))を選択可能である画像読取装置1の斜視図である。Uターンパス排紙とストレートパス排紙の切替はUターンパス排紙・ストレートパス排紙切替ボタン11に連動して動作するUターンパス排紙・ストレートパス排紙切替レバー20により、押されるたびにUターンパス排紙・ストレートパス排紙が交互に切り替わる。
【0056】
図6はUターンパス排紙とストレートパス排紙を選択可能である画像読取装置1の断面図である。分離給紙モードと非分離給紙モードの切替が可能であるが、実施形態2では分離給紙モードが選択されている例で説明する。
【0057】
読取動作を開始すると、リタードローラ3以外のピックアップローラ2、送りローラ4、搬送ローラ5が給紙方向に向けて回転する。リタードローラ3は給紙方向と逆向きに回転することで、原稿台7に載置されている原稿束100を1枚ずつ分離して給紙する。ピックアップローラ2、リタードローラ3、送りローラ4、搬送ローラ5はそれぞれパルスモータ(不図示)とギア(不図示)の駆動により回転する。
【0058】
画像の読取方法、および画像読取装置1とホストPC102との接続関係、画像読取動作、画像読取設定は、実施形態1と同様であるため説明は省略する。
【0059】
実施形態2の画像読取装置1の動作を図7のフローチャートと、図6の断面図を用いて説明する。
【0060】
ユーザは読取動作を開始する前に、あらかじめUターンパス排紙・ストレートパス排紙切替ボタン11により、Uターンパス排紙口に排紙するかストレートパス排紙口に排紙するかを決定する。その後、ユーザはホストPC102を操作し画像読取設定を行った後に読取開始指示を画像読取装置1に対して送信する。
【0061】
読取開始指示を受信すると、画像読取装置1は、読取動作を開始する。ステップS2010で、画像読取処理部6は、Uターンパス排紙・ストレートパス排紙切替ボタン11の設定状態に従って、Uターンパス排紙かストレートパス排紙かを判定する。
【0062】
Uターンパス排紙と判定した場合(ステップS2010でYES)、ステップS2020に進み、画像読取処理部6は、画像読取設定に応じてUターンパス排紙時の搬送ローラ5の回転速度と画像読取処理部6の読取周期を決定する。
【0063】
一方、ストレートパス排紙と判定した場合(ステップS2010でNO)、ステップS2030に進み、画像読取処理部6は、画像読取設定に応じてストレートパス排紙時の搬送ローラ5の回転速度と画像読取処理部6の読取周期を決定する。
【0064】
尚、搬送ローラ5の回転速度と画像読取処理部6の読取周期の決定手法および原稿種類に応じて変化する搬送速度の変化量については、実施形態1と同様であるため説明は省略する。
【0065】
次に、原稿種類に応じて決定された回転速度をω1としたときの、Uターンパス排紙とストレートパス排紙の違いにより変化する搬送速度の変化量を計算する。図8に示すように、搬送ローラ5の回転速度がω1のとき、原稿の搬送速度は、Uターンパス排紙ではv1であるのに対して、ストレートパス排紙では搬送負荷がない分、原稿の搬送速度が向上しv2になる。この状態で同一の読取周期で読取処理を行うと、ストレートパス排紙のときは原稿の搬送速度が速い分、画像が縮んでしまう。そこで、ストレートパス排紙のときは、画像の読取周期は変えず、原稿の搬送速度がv1となるよう回転速度をω1(第1の回転速度)より遅いω2(第2の回転速度)に設定する。これにより、Uターンパス排紙・ストレートパス排紙でそれぞれ同一の原稿の搬送速度になるようにして伸縮のない画像を取得する。
【0066】
上記の例では、搬送ローラ5の回転速度を変更する方法の説明をしているが、他にも画像読取処理部6の読取周期を変更することでも対処可能である。その際は、ストレートパス排紙時に原稿の搬送速度が向上する分、Uターンパス時の読取周期(第1の読取周期)よりも読取周期(第2の読取周期)を早くすることで対処する。図5は原稿の搬送速度と読取周期の関係を示したものであり、原稿の搬送速度が速くなるほど読取周期は早くする必要がある。Uターンパス排紙・ストレートパス排紙での原稿の搬送速度変化量は図8から求め、図5のグラフを基に原稿の搬送速度の変化に応じて読取周期を決定する。これにより、搬送ローラ5の回転速度が同一の状態でも、Uターンパス排紙・ストレートパス排紙で伸縮のない画像読取処理を行える。
【0067】
また、図5および8のグラフを基に搬送ローラ5の回転速度と画像読取処理部6の読取周期をどちらか一方だけでなく、それぞれを適切に変更することでも伸縮のない画像を取得することができる。
【0068】
回転速度および読取周期の決定に必要な、Uターンパス排紙とストレートパス排紙での原稿の搬送速度の差異は、工場出荷時に機体ごとに設定することで、各機体のばらつきを抑えることもできある。また、それ以外にもあらかじめ実験で求めても良いし、ユーザがホストPC102経由で設定する値を使用しても良い。
【0069】
図3の説明に戻る。
【0070】
ステップS2040で、画像読取処理部6は、リタードローラ3および搬送ローラ5の駆動を開始する。これにより、リタードローラ3が搬送方向とは逆向きに回転することで、原稿がリタードローラ3と送りローラ4のニップ位置に到達したときに1枚ずつ分離して給紙することができる。また、搬送ローラ5の回転速度はこれまでに決定された値に従って給紙方向の向きに駆動を開始する。
【0071】
ステップS2050で、画像読取処理部6は、送りローラ4およびピックアップローラ2の駆動を給紙方向に向けて開始する。尚、送りローラ4の周速度は搬送ローラ5の周速度よりも遅い速度にする。ピックアップローラ2の周速度は送りローラ4の周速度よりも遅い速度にする。これにより、原稿束100は紙間をあけて給紙および搬送することができる。
【0072】
ステップS2060で、画像読取処理部6は、搬送されてきた原稿の先端をレジストセンサ8で検知する。
【0073】
ステップS2080で、画像読取処理部6は、ステップS2060で原稿先端を検知後の原稿の移動量を、搬送ローラ5の駆動に使用しているパルスモータのパルス数から算出し、原稿の先端が画像読取処理部6に到達したら画像の読取処理を開始する。画像読取処理部6は、画像読取設定で定められた画像サイズ分の読取を行ったら、読取を終了する。
【0074】
ステップS2090で、画像読取処理部6は、搬送されてきた原稿の後端をレジストセンサ8で検知する。
【0075】
ステップS2100で、画像読取処理部6は、原稿台原稿検知センサ9により後続の原稿の有無を判定する。後続の原稿が検知される場合(ステップS2100でYES)、ステップS2060に戻る。
【0076】
尚、Uターンパス排紙のときに、後続の原稿を読み取る場合は、前紙が排紙中であるため、図11に示すように、排紙中の原稿がUターンパス排紙部の湾曲部に存在している。そのため、排紙中の原稿によってかかる負荷によって搬送ローラ5の搬送速度が遅くなる。
【0077】
一方、後続の原稿が検知されない場合(ステップS2100でNO)、ステップS2110に進み、画像読取処理部6は、原稿が排紙口から排紙されるまで待ちを行う。
【0078】
ステップS2120で、画像読取処理部6は、送りローラ4の駆動の停止およびピックアップローラ2の駆動の停止およびリタードローラ3の駆動の停止および搬送ローラ5の駆動の停止を行い、画像読取処理を終了する。
【0079】
以上説明したように、実施形態2によれば、Uターンパス排紙とストレートパス排紙に応じて、原稿の搬送速度(例えば、搬送ローラ5の回転速度や、画像読取処理部6の読取周期)を決定する。これにより、どちらの排紙パスにおいても、原稿を一定の搬送速度で搬送することが可能となり、Uターンパス排紙とストレートパス排紙のように異なる排紙パスを選択可能な画像読取装置においても画像の伸縮問題を防ぐことができる。
【0080】
また、紙種が異なる場合にも、あらかじめ紙種を設定することで画像の伸縮なく読取処理を行うことができる。
【0081】
尚、実施形態2では分離給紙モードが選択されている例で説明しているが、これに限定されない。例えば、非分離給紙モードにおいて、実施形態2を適用できることは言うまでもない。
【0082】
また、実施形態1と実施形態2の構成を組み合わせた実施形態を実現できることも言うまでもない。つまり、分離給紙モード・非分離給紙モード切替ボタン10の設定状態、Uターンパス排紙・ストレートパス排紙切替ボタン11の設定状態の組み合わせに応じて、画像読取処理部6が画像読取制御を適応的に実行することができる。
【0083】
更に、実施形態1では、2種類の給紙モードである場合を例に挙げて説明しているが、3種類以上の給紙モードを画像読取装置が有する場合も、実施形態1を適用できることは言うまでもない。同様に、実施形態2で、2種類の排紙口を有する場合を例に挙げて説明しているが、3種類以上の排紙口を画像読取装置が有する場合も、実施形態1を適用できることは言うまでもない。
【0084】
尚、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステムまたは装置に供給し、そのシステムまたは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの搬送モードを有し、指定された搬送モードで原稿の画像を読み取る画像読取装置であって、
原稿を給紙する原稿給紙部と、
給紙された前記原稿の搬送および排紙を行う原稿搬送部と、
前記原稿搬送部が搬送する前記原稿に対して画像の読取制御を行う画像読取処理部とを備え、
前記画像読取処理部は、前記指定された搬送モードに合わせて前記原稿の画像読取条件を変更する
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記搬送モードとして少なくとも2つの給紙モードを有し、
前記画像読取処理部は、前記指定された給紙モードに基づき、前記画像読取条件として、前記原稿搬送部で原稿を搬送する搬送ローラの回転速度を変更する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記搬送モードとして少なくとも2つの給紙モードを有し、
前記画像読取処理部は、前記指定された給紙モードに基づき、前記画像読取条件として、当該画像読取処理部の読取周期を変更する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記搬送モードの内、
第1の搬送モードは、前記原稿給紙部で原稿束を一枚ずつ分離しながら給紙する分離給紙モードであり、
第2の搬送モードは、前記原稿給紙部で原稿束を分離せずに一度にまとめて給紙する非分離給紙モードであり、
前記画像読取処理部は、
前記第1の搬送モードが指定されている場合には、前記画像読取条件として、前記原稿搬送部で原稿を搬送する搬送ローラの回転速度を第1の回転速度に変更し、
前記第2の搬送モードが指定されている場合には、前記画像読取条件として、前記原稿搬送部で原稿を搬送する搬送ローラの回転速度を前記第1の回転速度より遅い第2の回転速度に変更する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記搬送モードの内、
第1の搬送モードは、前記原稿給紙部で原稿束を一枚ずつ分離しながら給紙する分離給紙モードであり、
第2の搬送モードは、前記原稿給紙部で原稿束を分離せずに一度にまとめて給紙する非分離給紙モードであり、
前記画像読取処理部は、
前記第1の搬送モードが指定されている場合には、前記画像読取条件として、前記画像読取処理部の読取周期を第1の読取周期に変更し、
前記第2の搬送モードが指定されている場合には、前記画像読取条件として、前記画像読取処理部の読取周期を前記第1の読取周期より早い第2の読取周期に変更する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項6】
搬送される原稿の種類を設定する原稿種類設定部を更に備え、
前記原稿種類設定部に設定された原稿の種類と前記指定された搬送モードに基づき、前記画像読取処理部は、前記画像読取条件として、前記原稿搬送部で原稿を搬送する搬送ローラの回転速度及び前記画像読取処理部の読取周期の少なくとも一方を変更する
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項7】
前記搬送モードとして少なくとも2つの排紙口への排紙パスを選択可能であり、
前記画像読取処理部は、前記指定された排紙パスに基づき、前記画像読取条件として、前記原稿搬送部で原稿を搬送する搬送ローラの回転速度を変更する
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項8】
前記搬送モードとして少なくとも2つの排紙口への排紙パスを選択可能であり、
前記画像読取処理部は、前記指定された排紙パスに基づき、前記画像読取条件として、当該画像読取処理部の読取周期を変更する
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項9】
前記少なくとも2つの排紙パスの内、
第1の排紙パスは、Uターンパスであり、
第2の排紙パスは、ストレートパスであり、
前記画像読取処理部は、
前記第1の排紙パスが指定されている場合には、前記画像読取条件として、前記原稿搬送部で原稿を搬送する搬送ローラの回転速度を第1の回転速度に変更し、
前記第2の排紙パスが指定されている場合には、前記画像読取条件として、前記原稿搬送部で原稿を搬送する搬送ローラの回転速度を前記第1の回転速度より遅い第2の回転速度に変更する
ことを特徴とする請求項7に記載の画像読取装置。
【請求項10】
前記少なくとも2つの排紙パスの内、
第1の排紙パスは、Uターンパスであり、
第2の排紙パスは、ストレートパスであり、
前記画像読取処理部は、
前記第1の排紙パスが指定されている場合には、前記画像読取条件として、前記画像読取処理部の読取周期を第1の読取周期に変更し、
前記第2の排紙パスが指定されている場合には、前記画像読取条件として、前記画像読取処理部の読取周期を前記第1の読取周期より早い第2の読取周期に変更する
ことを特徴とする請求項8に記載の画像読取装置。
【請求項11】
搬送される原稿の種類を設定する原稿種類設定部を有し、
前記原稿種類設定部に設定された原稿の種類と前記指定された排紙パスに基づき、前記画像読取処理部は、前記画像読取条件として、前記原稿搬送部で原稿を搬送する搬送ローラの回転速度及び前記画像読取処理部の読取周期の少なくとも一方を変更する
ことを特徴とする請求項7乃至10のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項12】
原稿を給紙する原稿給紙部と、給紙された前記原稿の搬送および排紙を行う原稿搬送部と、前記原稿搬送部が搬送する前記原稿に対して画像の読取制御を行う画像読取処理部とを備え、少なくとも2つの搬送モードを有し、指定された搬送モードで原稿の画像を読み取る画像読取装置の制御方法であって、
前記画像読取処理部が、指定された搬送モードを判定する判定工程と、
前記画像読取処理部が、前記判定工程で判定した前記指定された搬送モードに合わせて前記原稿の画像読取条件を変更する変更工程と
を備えることを特徴とする画像読取装置の制御方法。
【請求項13】
前記判定工程では、前記画像読取処理部が、指定された搬送モードとして少なくとも2つの給紙モードを判定し、
前記変更工程では、前記画像読取処理部が、前記判定工程で判定した前記指定された給紙モードに合わせて、前記画像読取条件として、前記原稿搬送部で原稿を搬送する搬送ローラの回転速度を決定する
ことを特徴とする請求項12に記載の画像読取装置の制御方法。
【請求項14】
前記判定工程では、前記画像読取処理部が、指定された搬送モードとして少なくとも2つの給紙モードを判定し、
前記変更工程では、前記画像読取処理部が、前記判定工程で判定した前記指定された給紙モードに合わせて、前記画像読取条件として、当該画像読取処理部の読取周期を決定する
ことを特徴とする請求項12または13に記載の画像読取装置の制御方法。
【請求項15】
前記判定工程では、前記画像読取処理部が、前記搬送モードとして少なくとも2つの排紙口への指定された排紙パスを判定し、
前記変更工程では、前記画像読取処理部が、前記判定工程で判定した前記指定された排紙パスに合わせて、前記画像読取条件として、前記原稿搬送部で原稿を搬送する搬送ローラの回転速度を決定する
ことを特徴とする請求項12に記載の画像読取装置の制御方法。
【請求項16】
前記判定工程では、前記画像読取処理部が、前記搬送モードとして少なくとも2つの排紙口への指定された排紙パスを判定し、
前記変更工程では、前記画像読取処理部が、前記判定工程で判定した前記指定された排紙パスに合わせて、前記画像読取条件として、当該画像読取処理部の読取周期を決定する
ことを特徴とする請求項12または15に記載の画像読取装置の制御方法。
【請求項17】
請求項12乃至16のいずれか1項に記載の方法を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項1】
少なくとも2つの搬送モードを有し、指定された搬送モードで原稿の画像を読み取る画像読取装置であって、
原稿を給紙する原稿給紙部と、
給紙された前記原稿の搬送および排紙を行う原稿搬送部と、
前記原稿搬送部が搬送する前記原稿に対して画像の読取制御を行う画像読取処理部とを備え、
前記画像読取処理部は、前記指定された搬送モードに合わせて前記原稿の画像読取条件を変更する
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記搬送モードとして少なくとも2つの給紙モードを有し、
前記画像読取処理部は、前記指定された給紙モードに基づき、前記画像読取条件として、前記原稿搬送部で原稿を搬送する搬送ローラの回転速度を変更する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記搬送モードとして少なくとも2つの給紙モードを有し、
前記画像読取処理部は、前記指定された給紙モードに基づき、前記画像読取条件として、当該画像読取処理部の読取周期を変更する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記搬送モードの内、
第1の搬送モードは、前記原稿給紙部で原稿束を一枚ずつ分離しながら給紙する分離給紙モードであり、
第2の搬送モードは、前記原稿給紙部で原稿束を分離せずに一度にまとめて給紙する非分離給紙モードであり、
前記画像読取処理部は、
前記第1の搬送モードが指定されている場合には、前記画像読取条件として、前記原稿搬送部で原稿を搬送する搬送ローラの回転速度を第1の回転速度に変更し、
前記第2の搬送モードが指定されている場合には、前記画像読取条件として、前記原稿搬送部で原稿を搬送する搬送ローラの回転速度を前記第1の回転速度より遅い第2の回転速度に変更する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記搬送モードの内、
第1の搬送モードは、前記原稿給紙部で原稿束を一枚ずつ分離しながら給紙する分離給紙モードであり、
第2の搬送モードは、前記原稿給紙部で原稿束を分離せずに一度にまとめて給紙する非分離給紙モードであり、
前記画像読取処理部は、
前記第1の搬送モードが指定されている場合には、前記画像読取条件として、前記画像読取処理部の読取周期を第1の読取周期に変更し、
前記第2の搬送モードが指定されている場合には、前記画像読取条件として、前記画像読取処理部の読取周期を前記第1の読取周期より早い第2の読取周期に変更する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項6】
搬送される原稿の種類を設定する原稿種類設定部を更に備え、
前記原稿種類設定部に設定された原稿の種類と前記指定された搬送モードに基づき、前記画像読取処理部は、前記画像読取条件として、前記原稿搬送部で原稿を搬送する搬送ローラの回転速度及び前記画像読取処理部の読取周期の少なくとも一方を変更する
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項7】
前記搬送モードとして少なくとも2つの排紙口への排紙パスを選択可能であり、
前記画像読取処理部は、前記指定された排紙パスに基づき、前記画像読取条件として、前記原稿搬送部で原稿を搬送する搬送ローラの回転速度を変更する
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項8】
前記搬送モードとして少なくとも2つの排紙口への排紙パスを選択可能であり、
前記画像読取処理部は、前記指定された排紙パスに基づき、前記画像読取条件として、当該画像読取処理部の読取周期を変更する
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項9】
前記少なくとも2つの排紙パスの内、
第1の排紙パスは、Uターンパスであり、
第2の排紙パスは、ストレートパスであり、
前記画像読取処理部は、
前記第1の排紙パスが指定されている場合には、前記画像読取条件として、前記原稿搬送部で原稿を搬送する搬送ローラの回転速度を第1の回転速度に変更し、
前記第2の排紙パスが指定されている場合には、前記画像読取条件として、前記原稿搬送部で原稿を搬送する搬送ローラの回転速度を前記第1の回転速度より遅い第2の回転速度に変更する
ことを特徴とする請求項7に記載の画像読取装置。
【請求項10】
前記少なくとも2つの排紙パスの内、
第1の排紙パスは、Uターンパスであり、
第2の排紙パスは、ストレートパスであり、
前記画像読取処理部は、
前記第1の排紙パスが指定されている場合には、前記画像読取条件として、前記画像読取処理部の読取周期を第1の読取周期に変更し、
前記第2の排紙パスが指定されている場合には、前記画像読取条件として、前記画像読取処理部の読取周期を前記第1の読取周期より早い第2の読取周期に変更する
ことを特徴とする請求項8に記載の画像読取装置。
【請求項11】
搬送される原稿の種類を設定する原稿種類設定部を有し、
前記原稿種類設定部に設定された原稿の種類と前記指定された排紙パスに基づき、前記画像読取処理部は、前記画像読取条件として、前記原稿搬送部で原稿を搬送する搬送ローラの回転速度及び前記画像読取処理部の読取周期の少なくとも一方を変更する
ことを特徴とする請求項7乃至10のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項12】
原稿を給紙する原稿給紙部と、給紙された前記原稿の搬送および排紙を行う原稿搬送部と、前記原稿搬送部が搬送する前記原稿に対して画像の読取制御を行う画像読取処理部とを備え、少なくとも2つの搬送モードを有し、指定された搬送モードで原稿の画像を読み取る画像読取装置の制御方法であって、
前記画像読取処理部が、指定された搬送モードを判定する判定工程と、
前記画像読取処理部が、前記判定工程で判定した前記指定された搬送モードに合わせて前記原稿の画像読取条件を変更する変更工程と
を備えることを特徴とする画像読取装置の制御方法。
【請求項13】
前記判定工程では、前記画像読取処理部が、指定された搬送モードとして少なくとも2つの給紙モードを判定し、
前記変更工程では、前記画像読取処理部が、前記判定工程で判定した前記指定された給紙モードに合わせて、前記画像読取条件として、前記原稿搬送部で原稿を搬送する搬送ローラの回転速度を決定する
ことを特徴とする請求項12に記載の画像読取装置の制御方法。
【請求項14】
前記判定工程では、前記画像読取処理部が、指定された搬送モードとして少なくとも2つの給紙モードを判定し、
前記変更工程では、前記画像読取処理部が、前記判定工程で判定した前記指定された給紙モードに合わせて、前記画像読取条件として、当該画像読取処理部の読取周期を決定する
ことを特徴とする請求項12または13に記載の画像読取装置の制御方法。
【請求項15】
前記判定工程では、前記画像読取処理部が、前記搬送モードとして少なくとも2つの排紙口への指定された排紙パスを判定し、
前記変更工程では、前記画像読取処理部が、前記判定工程で判定した前記指定された排紙パスに合わせて、前記画像読取条件として、前記原稿搬送部で原稿を搬送する搬送ローラの回転速度を決定する
ことを特徴とする請求項12に記載の画像読取装置の制御方法。
【請求項16】
前記判定工程では、前記画像読取処理部が、前記搬送モードとして少なくとも2つの排紙口への指定された排紙パスを判定し、
前記変更工程では、前記画像読取処理部が、前記判定工程で判定した前記指定された排紙パスに合わせて、前記画像読取条件として、当該画像読取処理部の読取周期を決定する
ことを特徴とする請求項12または15に記載の画像読取装置の制御方法。
【請求項17】
請求項12乃至16のいずれか1項に記載の方法を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−182662(P2012−182662A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−44286(P2011−44286)
【出願日】平成23年3月1日(2011.3.1)
【出願人】(000104652)キヤノン電子株式会社 (876)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月1日(2011.3.1)
【出願人】(000104652)キヤノン電子株式会社 (876)
【Fターム(参考)】
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