説明

画像読取装置及びそれを備えた画像形成装置

【課題】オペレータが光源を見る方向に関わらず光源からの光によりオペレータに眩しく感じさせることを軽減させることができる画像読取装置及びそれを備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像読取装置100は、発光素子212(1)〜212(n)毎に或いは発光素子ブロックBL(1)〜GL(h)毎に点灯及び消灯の制御を行う点灯制御手段441を備え、開閉検知手段260にて原稿押さえ部材319が閉じていることを検出した場合に、原稿Gの画像の読み取り動作に先立って点灯制御手段441にて発光素子212(1)〜212(n)又は発光素子ブロックBL(1)〜BL(h)を点灯させるときには、原稿サイズ検知手段270にて検出した原稿Gのサイズの検出結果に基づいて、原稿領域の発光素子又は発光素子ブロックを点灯させる一方、原稿領域以外の前記発光素子又は発光素子ブロックを消灯させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置及びそれを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、複合機等の画像形成装置に備えられる画像読取装置や、ネットワーク等の通信手段を介してコンピュータに接続される画像読取装置では、ハロゲン光源やキセノン光源或いは複数の発光素子(具体的にはLED)を主走査方向に列設したアレイ状光源等の光源によって照明された原稿からの反射光を原稿の画像として読み取るようになっている。
【0003】
画像読取装置として、一般的に、原稿を固定させて原稿の画像を読み取る原稿固定読取方式のもの、原稿を移動させて原稿の画像を読み取る原稿移動読取方式のものや、原稿移動読取方式及び原稿固定読取方式を組み合わせたものが採用される。
【0004】
詳しくは、原稿固定読取方式の画像読取装置では、光源を備える光源部を副走査方向に移動させつつ原稿載置用透明体(具体的には原稿台ガラス等の透明板)上に載置された原稿を原稿押さえ部材(例えば原稿押さえカバー)にて押さえた状態で該原稿載置用透明体を介して主走査方向に走査してCCD(Charge Coupled Device)やCIS(Contact Image Sensor)等の画像読取部(具体的には光電変換素子)で読み取る。原稿移動読取方式の画像読取装置では、原稿読取用透明体(具体的には原稿読取ガラス等の透明板)上を通過するように自動原稿送り装置によって副走査方向に搬送される原稿を読取位置に位置する光源部にて該原稿読取用透明体を介して主走査方向に走査してCCDやCIS等の画像読取部で読み取る。なお、原稿移動読取方式及び原稿固定読取方式を組み合わせた画像読取装置では、通常は、自動原稿送り装置の構成部材が原稿押さえ部材を兼ねる。
【0005】
このような画像読取装置の中には、原稿押さえ部材が閉じていることを検出した場合に、原稿の画像の読み取り動作に先立って、光源を点灯させる構成の画像読取装置が従来から知られている。
【0006】
かかる構成の画像読取装置では、例えば、原稿の読取領域以外の領域に白基準部材が設けられ、原稿の画像を読み取るのにあたって、光源部を原稿の読取領域に対応する何れかの位置(具体的には原稿載置用透明体の下方における何れかの位置)に待機させ、原稿押さえ部材が原稿載置用透明体上に載置された原稿を押さえる際に閉じられる途中において、光源を点灯させた状態で光源部を白基準部材側へ移動させて白基準部材を画像読取部で読み取ることがある。そして、この読取値を用いて、原稿の画像を読み取るときに発光する光源の発光光量のレベル調整を行ったり、或いは、受光信号の値を一定にするシェーディング補正を行ったりする。
【0007】
このような従来の画像読取装置においては、原稿押さえ部材を閉じる途中で光源を点灯させるので、光源からの光がオペレータの目に入りやすく、そうすると、光源からの光によりオペレータに対して眩しく感じさせることになる。
【0008】
この点に関し、特許文献1には、一方の直線状光源の光軸を載置台の載置面に垂直な方向に対して他方の直線状光源側に傾斜させ、載置台上の原稿のサイズを判別するときに、一対の直線状光源のうちオペレータに向かう方向の光軸を有する直線状光源を消灯することにより、オペレータに光源発光を眩しく感じさせることなく原稿のサイズを判別する画像読取装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2007−288716号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1に記載の画像読取装置では、オペレータが光源を見る方向よっては、原稿載置用透明体上に載置された原稿の外側にはみ出した光源からの光によりオペレータに眩しく感じさせてしまうことになるため、未だ課題が残る。
【0011】
そこで、本発明は、原稿の画像の読み取り動作に先立ち原稿押さえ部材を閉じる途中で光源を点灯させた場合に、オペレータが光源を見る方向に関わらず光源からの光によりオペレータに眩しく感じさせることを軽減させることができる画像読取装置及びそれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、前記課題を解決するために、原稿を載置する原稿載置用透明体と、前記原稿載置用透明体に対して開閉可能に構成されて該原稿載置用透明体に対して閉じることにより該原稿載置用透明体上に載置された前記原稿を押さえる原稿押さえ部材と、前記原稿押さえ部材の開閉を検知する開閉検知手段と、前記原稿の画像を読み取るために前記原稿載置用透明体を介して該原稿を照明する複数の発光素子を主走査方向に列設した光源を有する光源部とを備えた画像読取装置であって、前記複数の発光素子のうち、発光素子毎に或いは連続する複数の発光素子からなる発光素子ブロック毎に点灯及び消灯の制御を行う点灯制御手段と、前記原稿載置用透明体上に載置された原稿のサイズを検知する原稿サイズ検知手段とを備え、前記開閉検知手段にて前記原稿押さえ部材が閉じていることを検出した場合に、前記原稿の画像の読み取り動作に先立って前記点灯制御手段にて前記発光素子又は発光素子ブロックを点灯させるときには、前記原稿サイズ検知手段にて検出した該原稿のサイズの検出結果に基づいて、前記点灯制御手段にて前記光源部における前記発光素子又は発光素子ブロックのうち、該原稿のサイズに対応する原稿領域の前記発光素子又は発光素子ブロックを点灯させる一方、前記原稿領域以外の前記発光素子又は発光素子ブロックを消灯させることを特徴とする画像読取装置を提供する。また、本発明は、前記本発明に係る画像読取装置を備えたことを特徴とする画像形成装置も提供する。
【0013】
本発明によれば、前記原稿の画像の読み取り動作に先立って前記点灯制御手段にて前記発光素子又は発光素子ブロックを点灯させるときには、前記原稿サイズ検知手段にて検出した該原稿のサイズの検出結果に基づいて、前記点灯制御手段にて前記光源部における前記発光素子又は発光素子ブロックのうち、該原稿のサイズに対応する原稿領域の前記発光素子又は発光素子ブロックを点灯させる一方、前記原稿領域以外の前記発光素子又は発光素子ブロックを消灯させるので、前記原稿載置用透明体上に載置された前記原稿の外側にはみ出して発光する前記光源のはみ出し量を減らすことができ、これにより、オペレータが前記光源を見る方向に関わらず前記光源からの光によりオペレータに眩しく感じさせることを軽減させることが可能となる。しかも、前記光源からの光を前記原稿載置用透明体上に載置された前記原稿によって遮断させることができ、これにより、該原稿の外側にはみ出した前記光源からの光によりオペレータに眩しく感じさせることを確実に軽減させることが可能となる。
【0014】
本発明において、前記発光素子又は発光素子ブロックの発光光量を制御する光量制御手段を備えていることが好ましい。この構成では、前記開閉検知手段にて前記原稿押さえ部材が閉じていることを検出した場合に、前記原稿の画像の読み取り動作に先立って前記点灯制御手段にて前記発光素子又は発光素子ブロックを点灯させるときには、前記光量制御手段にて該発光素子又は発光素子ブロックの発光光量を、該原稿の画像を読み取るときの発光光量よりも少なくするように制御する態様を例示できる。
【0015】
この特定事項では、前記発光素子又は発光素子ブロックの発光光量を、前記原稿の画像を読み取るときの発光光量よりも少なくするので、たとえ前記原稿載置用透明体上に載置された前記原稿の外側に光が漏れることがあっても前記発光素子又は発光素子ブロックの発光光量をオペレータに眩しく感じにくい程度の光量にでき、これにより、前記光源からの光によりオペレータに眩しく感じさせることをさらに軽減させることが可能となる。
【0016】
本発明において、前記原稿載置用透明体上に前記原稿が載置されているか否かを検知する原稿有無検知手段と、前記発光素子又は発光素子ブロックの発光光量を制御する光量制御手段とを備えている構成では、前記開閉検知手段にて前記原稿押さえ部材が閉じていることを検出した場合であって、前記原稿有無検知手段にて前記原稿が前記原稿載置用透明体上に載置されていないことを検出した場合に、前記原稿の画像の読み取り動作に先立って前記点灯制御手段にて前記発光素子又は発光素子ブロックを点灯させるときには、前記光量制御手段にて該発光素子又は発光素子ブロックの発光光量を、該原稿の画像を読み取るときの発光光量よりも少なくするように制御する態様を例示できる。
【0017】
この特定事項では、前記原稿が前記原稿載置用透明体上に載置されていない場合に、前記発光素子又は発光素子ブロックの発光光量を、前記原稿の画像を読み取るときの発光光量よりも少なくするので、前記原稿が前記原稿載置用透明体上に載置されていない状態での前記発光素子又は発光素子ブロックの発光光量をオペレータに眩しく感じにくい程度の光量にでき、これにより、前記原稿が前記原稿載置用透明体上に載置されていないときに、前記光源からの光によりオペレータに眩しく感じさせることを軽減させることが可能となる。
【0018】
かかる態様において、次の具体的な態様(a)及び態様(b)とすることができる。すなわち、
態様(a)は、前記開閉検知手段にて前記原稿押さえ部材が閉じていることを検出した場合であって、前記原稿有無検知手段にて前記原稿が前記原稿載置用透明体上に載置されていないことを検出した場合に、前記原稿の画像の読み取り動作に先立って前記点灯制御手段にて前記発光素子又は発光素子ブロックを点灯させるときには、該発光素子又は発光素子ブロックの全部を点灯させる態様である。
【0019】
この特定事項では、前記原稿が前記原稿載置用透明体上に載置されていない場合に、前記発光素子又は発光素子ブロックの発光光量が前記原稿の画像を読み取るときの発光光量よりも少ないことで、前記原稿がない(前記原稿のサイズが検出できない)ために前記発光素子又は発光素子ブロックの全部を点灯させても、オペレータに眩しく感じさせることを軽減させることができる。
【0020】
態様(b)は、前記開閉検知手段にて前記原稿押さえ部材が閉じていることを検出した場合であって、前記原稿有無検知手段にて前記原稿が前記原稿載置用透明体上に載置されていないことを検出した場合に、前記原稿の画像の読み取り動作に先立って前記点灯制御手段にて前記発光素子又は発光素子ブロックを点灯させるときには、該発光素子又は発光素子ブロックの一部を点灯させる態様である。
【0021】
この特定事項では、前記原稿が前記原稿載置用透明体上に載置されていない場合に、前記発光素子又は発光素子ブロックの発光光量が前記原稿の画像を読み取るときの発光光量よりも少ない上に、前記発光素子又は発光素子ブロックの一部を点灯させることで、点灯させる該発光素子又は発光素子ブロックの数を減らすことができ、それだけオペレータに眩しく感じさせることを軽減させることができる。
【0022】
本発明において、前記光源部を副走査方向に移動させつつ前記原稿載置用透明体上に載置された前記原稿を前記主走査方向に走査して該原稿載置用透明体を介して画像読取部で読み取る構成とされており、前記光源部が移動する移動領域のうち、前記原稿の読取領域以外の領域に設けられた白基準部材と、前記白基準部材の前記原稿の画像を読み取るときの基準となる基準読取値を記憶する記憶手段とを備えている態様を例示できる。この態様において、前記原稿有無検知手段を備えていてもよい。そして、前記発光素子又は発光素子ブロックの発光光量を制御する光量制御手段を備えている構成では、前記開閉検知手段にて前記原稿押さえ部材が閉じていることを検出した場合に、また、前記原稿有無検知手段を備えている場合には、記開閉検知手段にて前記原稿押さえ部材が閉じていることを検出した場合であって、前記原稿有無検知手段にて前記原稿が前記原稿載置用透明体上に載置されていることを検出した場合に、前記原稿の画像の読み取り動作に先立って前記点灯制御手段にて前記発光素子又は発光素子ブロックを点灯させるときには、該発光素子又は発光素子ブロックを点灯させた状態で前記光源部を前記白基準部材側へ移動させて該白基準部材を前記画像読取部で読み取り、読み取った該白基準部材の読取値と、前記記憶手段にて予め記憶されている前記基準読取値とを比較し、比較した比較結果に基づいて前記光量制御手段にて前記原稿の画像を読み取るときに発光する前記発光素子又は発光素子ブロックの発光光量の光量補正制御を行うことが好ましい。
【0023】
この特定事項では、前記白基準部材を前記画像読取部で読み取った該白基準部材の前記読取値と、前記記憶手段にて予め記憶されている前記基準読取値とを比較し、比較した比較結果に基づいて前記光量制御手段にて前記原稿の画像を読み取るときに発光する前記発光素子又は発光素子ブロックの発光光量の光量補正制御を行うので、該光量補正制御を確実に行うことができる。また、前記原稿有無検知手段を備えている場合には、前記原稿が前記原稿載置用透明体上に載置されているときに前記光量補正制御を確実に行うことができる。
【0024】
本発明において、原稿を読み取るための原稿読取用透明体を備え、前記原稿読取用透明体上を通過するように前記副走査方向に搬送される前記原稿を読取位置に位置する前記光源部にて前記主走査方向に走査して該原稿読取用透明体を介して前記画像読取部で読み取る構成とされており、前記原稿読取用透明体は、前記白基準部材を間にして前記読取領域とは反対側に設けられている態様を例示できる。この態様において、前記開閉検知手段にて前記原稿押さえ部材が閉じていることを検出した場合に、前記原稿の画像の読み取り動作に先立って前記点灯制御手段にて前記発光素子又は発光素子ブロックを点灯させるときには、前記光源部を前記原稿読取用透明体へ向けて移動させながら該発光素子又は発光素子ブロックからの光を前記白基準部材に照射して該白基準部材を前記画像読取部で読み取り、該光源部が該原稿読取用透明体に達する前に該発光素子又は発光素子ブロックを消灯させる態様を例示できる。
【0025】
この特定事項では、前記光源部が前記原稿読取用透明体に達する前に前記発光素子又は発光素子ブロックを消灯させるので、該原稿読取用透明体に対応する領域において前記光源からの光によりオペレータに眩しく感じさせることを回避することが可能となる。
【0026】
なお、本発明に係る画像読取装置は、複数のミラーとレンズとを備え、原稿からの反射光をミラーにてレンズに導き、かつ、該レンズにて光電変換素子として作用するレンズ縮小型イメージセンサに縮小画像を結像させて読み取る縮小光学系タイプの画像読取装置であってもよい。縮小光学系タイプの画像読取装置に用いられる光電変換素子としては、電荷結合素子(CCD:Charge Coupled Devices)等の固体撮像素子を例示できる。
【0027】
また、本発明に係る画像読取装置は、レンズアレイを備え、原稿からの反射光を該原稿に近接したレンズアレイにて光電変換素子として作用する密着型イメージセンサ(CIS:Contact Image Sensor)に等倍画像を結像させて読み取る等倍光学系タイプの画像読取装置であってもよい。
【発明の効果】
【0028】
以上説明したように、本発明によると、前記原稿の画像の読み取り動作に先立って前記点灯制御手段にて前記発光素子又は発光素子ブロックを点灯させるときには、該発光素子又は発光素子ブロックの一部を点灯させるので、前記光源のはみ出し量を減らすことができ、これにより、オペレータが前記光源を見る方向に関わらず前記光源からの光によりオペレータに眩しく感じさせることを軽減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像読取装置を備えた画像形成装置を概略的に示す断面図である。
【図2】図1に示す画像読取装置の概略断面図である。
【図3】光源ユニットの概略構成を示す図であって、(a)は、その斜視図であり、(b)は、その分解斜視図である。
【図4】自動原稿送り装置の開閉検知構成を説明するための概略斜視図であって、自動原稿送り装置が原稿読取部に対して開放している状態を正面斜め上方から視た図である。
【図5】自動原稿送り装置の開閉検知構成を説明するための概略側面図であって、自動原稿送り装置の開閉状態を左側面から視た図である。
【図6】原稿読取部に設けられた開閉検知部の概略構成図であって、(a)は、開閉検知部の断面図であり、(b)は、開閉検知部を下側から視た底面図である。
【図7】本実施の形態に係る画像読取装置を正面斜め上方から視た概略斜視図である。
【図8】本実施の形態に係る画像読取装置の制御系の概略構成を示す図であって、画像読取装置における制御部を中心に示す制御ブロック図である。
【図9】原稿のサイズ及び有無の判定を説明するための図であって、(a)は、原稿サイズセンサの配置構成を平面から視た概略平面図であり、(b)は、原稿サイズセンサの受光部による受光の有無を表した設定テーブルを示す表であり、(c)は、原稿有無センサの受光部による受光の有無を表した設定テーブルを示す表である。
【図10】原稿のサイズの検出結果に基づいて発光素子又は発光素子ブロックの点灯及び消灯パターンの一例を説明するための図であって、光源における光源基板上の発光素子と原稿のサイズとの位置関係を示す概略平面図である。
【図11】原稿のサイズの検出結果に基づいて発光素子又は発光素子ブロックの点灯及び消灯パターンの一例を説明するための図であって、発光素子又は発光素子ブロックの点灯及び消灯を表した設定テーブルを示す表である。
【図12】画像読取装置の主制御部による動作制御の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0031】
[画像形成装置の全体構成について]
図1は、本発明の実施の形態に係る画像読取装置100を備えた画像形成装置Dを概略的に示す断面図である。
【0032】
図1に示す画像形成装置Dは、原稿G(後述する図2等参照)の画像を読み取る画像読取装置100と、この画像読取装置100により読み取られた原稿Gの画像又は外部から受信した画像をカラーもしくは単色で記録用紙等の記録シートPに記録形成する装置本体Ddとを備えており、装置本体Ddには、画像形成部51とシート搬送系52とが設けられている。
【0033】
画像形成部51は、露光ユニット1、複数の現像ユニット2,…、複数の感光体ドラム3,…、複数のクリーニング部4,…、複数の帯電器5,…、中間転写ベルトユニット6、複数のトナーカートリッジユニット21,…及び定着ユニット7を備えている。
【0034】
また、シート搬送系52は、給紙トレイ81、手差し給紙トレイ82及び排出トレイ91を備えている。
【0035】
装置本体Ddの上部には、原稿読取部200を備えた原稿読取装置100が設けられている。原稿読取部200は、装置本体Ddに組み込まれている。装置本体Ddでは、原稿読取装置100の原稿読取部200で読み取られた原稿の画像全体は、画像データとして画像形成装置Dの装置本体Ddへと送られ、装置本体Ddにおいて画像データに基づき形成された画像が記録シートPに記録される。
【0036】
画像形成装置Dにおいて扱われる画像データは、複数色(ここではブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色)を用いたカラー画像に応じたものである。従って、現像ユニット2,…、感光体ドラム3,…、クリーニング部4,…、帯電器5,…及びトナーカートリッジユニット21,…は、各色に応じた複数種類(ここでは4種類)の画像を形成するようにそれぞれ複数個(ここでは4個ずつ設けられ、それぞれブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)に設定され、これらによって複数(ここでは4つ)の画像ステーションが構成されている。
【0037】
帯電器5,…は、感光体ドラム3,…の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、図1に示すようなチャージャ型の他、接触型であるローラ型やブラシ型の帯電器を用いることができる。
【0038】
露光ユニット1は、レーザ出射部及び反射ミラーを備えたレーザスキャニングユニット(LSU)として構成されている。露光ユニット1には、レーザビームを走査するポリゴンミラーと、このポリゴンミラーによって反射されたレーザ光を感光体ドラム3,…に導くためのレンズやミラー等の光学素子とが設けられている。また、露光ユニット1としては、この他にも、例えば、EL(エレクトロルミネッセンス)やLED(発光ダイオード)等の発光素子をアレイ状に並べた書込みヘッドを用いる手法を採用することもできる。
【0039】
露光ユニット1は、入力された画像データに応じて、帯電された感光体ドラム3,…をそれぞれ露光することにより、画像データに応じた静電潜像をそれぞれの感光体ドラム3,…の表面に形成する。
【0040】
トナーカートリッジユニット21,…は、トナーを収容するユニットであり、現像ユニット2,…の現像槽へトナーが供給されるようになっている。画像形成装置Dの装置本体Ddにおいて、トナーカートリッジユニット21,…から現像ユニット2,…の現像槽へ供給されるトナーは、該現像槽における現像剤のトナー濃度が一定になるように制御される。
【0041】
現像ユニット2,…は、それぞれの感光体ドラム3,…上に形成された静電潜像を4色(Y,M,C,K)のトナーにより顕像化するものである。また、クリーニング部4,…は、現像及び画像転写後における感光体ドラム3,…上の表面に残留したトナーを除去、回収する。
【0042】
感光体ドラム3,…の上方に配置されている中間転写ベルトユニット6は、中間転写体として作用する中間転写ベルト61、中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、複数の中間転写ローラ64,…及び中間転写ベルトクリーニングユニット65を備えている。
【0043】
中間転写ローラ64,…は、Y,M,C,Kの各色に対応して4本設けられている。中間転写ベルト駆動ローラ62は、中間転写ベルト従動ローラ63及び中間転写ローラ64,…と共に中間転写ベルト61を張架し、回転駆動されることで、中間転写ベルト61が移動方向(図1中矢印M方向)に周回移動され、それに伴い従動ローラ63及び中間転写ローラ64,…が従動回転される。
【0044】
各中間転写ローラ64,…は、感光体ドラム3,…上に形成されたトナー像を中間転写ベルト61上に転写するための転写バイアスが印加される。
【0045】
中間転写ベルト61は、各感光体ドラム3,…に接触するように設けられている。中間転写ベルト61は、感光体ドラム3,…に形成された各色のトナー像を順次重ねて転写されることによって、表面にカラーのトナー像(多色トナー像)が形成される。中間転写ベルト61は、例えば、厚さ100μm〜150μm程度のフィルムを用いた無端状のものとされている。
【0046】
感光体ドラム3,…から中間転写ベルト61へのトナー像の転写は、中間転写ベルト61の裏側に接触している中間転写ローラ64,…によって行われる。中間転写ローラ64,…には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加される。中間転写ローラ64,…は、直径8mm〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとし、その表面が導電性の弾性材(例えば、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエンゴム)や発泡ウレタン等の樹脂材料)により覆われているローラである。中間転写ローラ64,…は、この導電性の弾性材により、中間転写ベルト61に対して均一に高電圧を印加する転写電極とされている。本実施の形態では、転写電極としてローラ形状の転写電極を使用しているが、それ以外に、ブラシなどの転写電極を用いることが可能である。
【0047】
既述のとおり、各感光体ドラム3,…上で各色相に応じて顕像化されたトナー像は、中間転写ベルト61上で積層される。中間転写ベルト61上で積層されたトナー像は、中間転写ベルト61の周回移動によって、記録シートPと中間転写ベルト61との接触位置に配置された二次転写機構部を構成する転写ローラ10によって記録シートP上に転写される。但し、二次転写機構部の構成としては、転写ローラに限らず、コロナチャージャや転写ベルト等の転写構成を用いることが可能である。
【0048】
このとき、転写ローラ10は、中間転写ベルト61との間で転写ニップが形成された状態で、トナーを記録シートPに転写させるための電圧(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加される。転写ローラ10及び中間転写ベルト駆動ローラ62が互いに圧接されることで転写ローラ10と中間転写ベルト61との間には転写ニップが形成される。転写ニップを定常的に得るために、転写ローラ10及び中間転写ベルト駆動ローラ62のうち何れか一方が硬質材料(金属等)で構成された硬質ローラとされ、他方が軟質材料(弾性ゴムや発泡性樹脂等の樹脂材料)で構成された弾性ローラとされている。
【0049】
転写ローラ10による中間転写ベルト61上から記録シートP上へのトナー像の転写にあたり、記録シートP上に転写されずに中間転写ベルト61上にトナーが残存することがある。中間転写ベルト61上に残存したトナーは、次工程でトナーの混色を発生させる原因となる。このため、中間転写ベルト61上に残存したトナーは、中間転写ベルトクリーニングユニット65によって除去、回収される。具体的には、中間転写ベルトクリーニングユニット65には、中間転写ベルト61に接触するクリーニング部材(例えばクリーニングブレード)が備えられている。従動ローラ63は、中間転写ベルト61を内側(裏側)から支持しており、クリーニング部材は、外側から従動ローラ63に向けて押圧するように中間転写ベルト61に接触している。
【0050】
給紙トレイ81は、画像形成(印刷)される記録シートPを予め収容しておくトレイであり、装置本体Ddにおける露光ユニット1の下方に設けられている。また、手差し給紙トレイ82には、画像形成(印刷)される記録シートPが載置される。排出トレイ91は、装置本体Ddにおける画像形成部51の上方に設けられており、画像形成(印刷)済みの記録シートPをフェイスダウンで集積する。
【0051】
また、装置本体Ddには、給紙トレイ81及び手差し給紙トレイ82から送られてきた記録シートPを転写ローラ10及び定着ユニット7を経て、排出トレイ91に送るためのシート搬送路Sが設けられている。シート搬送路Sの近傍には、ピックアップローラ11a,11b、複数の(ここでは第1から第4)搬送ローラ12a〜12d、レジストローラ13、転写ローラ10、定着ユニット7におけるヒートローラ71及び加圧ローラ72、排出ローラ31が配置されている。
【0052】
第1から第4搬送ローラ12a〜12dは、記録シートPの搬送を促進、補助するための小型のローラであり、シート搬送路Sに沿って設けられている。また、ピックアップローラ11aは、給紙トレイ81のシート供給側の近傍に備えられ、給紙トレイ81から記録シートPを1枚ずつピックアップしてシート搬送路Sに供給する。同様に、ピックアップローラ11bは、手差し給紙トレイ82のシート供給側の近傍に備えられ、手差し給紙トレイ82から記録シートPを1枚ずつピックアップしてシート搬送路Sに供給する。
【0053】
また、レジストローラ13は、シート搬送路Sを搬送されている記録シートPを一旦保持するものである。そして、レジストローラ13は、中間転写ベルト61上のトナー像の先端と記録シートPの先端を合わせるタイミングで記録シートPを転写ローラ10に搬送する。
【0054】
定着ユニット7は、未定着トナー像を記録シートPに定着するものであり、定着ローラとして作用するヒートローラ71及び加圧ローラ72を備えている。ヒートローラ71は、回転駆動されることで、従動回転される加圧ローラ72と共に記録シートPを挟持しつつ記録シートPを搬送するようになっている。また、ヒートローラ71は、内側に設けられたヒータ71aによって加熱され、温度検出器71bからの信号に基づき所定の定着温度に維持されるようになっている。ヒータ71aにより加熱されたヒートローラ71は、加圧ローラ72と共に記録シートPに転写された多色トナー像を記録シートPに熱圧着することにより、多色トナー像を溶融、混合、圧接して記録シートPに対して熱定着させる。また、定着ユニット7には、ヒートローラ71を外部から加熱するための外部加熱ベルト73が設けられている。
【0055】
このように構成された画像形成装置Dにおいて、記録シートPにして片面印刷が要求されたときには、各給紙トレイ81,82から供給された記録シートPは、シート搬送路Sに沿って設けられた第1搬送ローラ12aによってレジストローラ13まで搬送され、記録シートPの先端と中間転写ベルト61上のトナー像の先端を整合するタイミングで転写ローラ10によって搬送され、記録シートP上にトナー像が転写される。その後、記録シートPは定着ユニット7を通過することによって記録シートP上の未定着トナーが熱で溶融、固着され、第2搬送ローラ12b及び排出ローラ31を経て排出トレイ91上に排出される。
【0056】
また、記録シートPに対して両面印刷が要求されたときには、前記した片面印刷が終了して定着ユニット7を通過した記録シートPの後端が排出ローラ31とシート搬送路Sの分岐部Saとの間に位置する状態で、排出ローラ31が逆回転することによって記録シートPが第3及び第4搬送ローラ12c,12dに導かれる。そして、レジストローラ13を経て転写ニップに搬送されてきた記録シートPは、裏面に印刷された後、排出トレイ91に排出される。
【0057】
なお、図1中に付した符号201a(原稿台ガラス)、符号203(ミラーユニット)、符号204(集光レンズ)、符号205(光電変換素子)、符号210(光源ユニット)、符号300(自動原稿送り装置)については、次の「画像読取装置の全体構成」の項で説明する。
【0058】
[画像読取装置の全体構成について]
図2は、図1に示す画像読取装置100の概略断面図である。図1及び図2に示す画像読取装置100は、縮小光学系タイプの画像読取装置とされており、原稿固定方式により原稿Gを固定して原稿画像を読み取り、かつ、原稿移動方式により原稿Gを移動させて原稿画像を読み取るように構成されている。
【0059】
すなわち、画像読取装置100は、原稿固定読取モードを実行する原稿固定読取構成(原稿固定読取機能)と原稿移動読取モードを実行する原稿移動読取構成(原稿移動読取機能)とを備えている。
【0060】
原稿固定読取構成は、光源ユニット(光源部の一例)210を副走査読取方向Y1に移動させつつ原稿台ガラス(原稿載置用透明体の一例)201a上に載置される原稿Gを、光源ユニット210により原稿台ガラス201aを介して照明し、照明された原稿Gからの反射光を主走査方向Xに走査して原稿Gの画像を読み取る。なお、図2では光源ユニット210が原稿Gの画像を読み取る前に、原稿Gの読取領域αに対応する何れかの待機位置V1(具体的には原稿台ガラス201aの下側における所定位置)に位置している状態を示している。
【0061】
原稿移動読取構成は、原稿Gを自動的に搬送する自動原稿送り装置300で原稿読取ガラス(原稿読取用透明体の一例)201b上を通過するように搬送方向Y3に搬送される原稿Gを、原稿読取部200において原稿Gの読取位置V2に位置する光源ユニット210にて原稿読取ガラス201bを介して照明しつつ光源ユニット210により照明された原稿Gからの反射光を主走査方向Xに走査して原稿Gの画像を読み取る。
【0062】
詳しくは、原稿読取部200は、原稿台ガラス201a、光源ユニット210、光源ユニット210を移動させる光学系駆動部530(図1及び図2では図示せず、後述する図8参照)、ミラーユニット203、集光レンズ204、及びCCD等の光電変換素子(画像読取部の一例)205を備えており、これらの部材は枠体202内に収容されている。光源ユニット210は、原稿Gへ向けて光を照射する光源211と、原稿Gからの反射光をミラーユニット203へ導く第1ミラー230とを有している。なお、光源ユニット210についてはのちほど詳しく説明する。
【0063】
原稿Gを載置する原稿台ガラス201aは、透明なガラス板からなり、主走査方向Xの両端部が枠体202に載置されている。そして、自動原稿送り装置300は、原稿押さえ部材として作用するようになっており、原稿押さえ板319を有している。原稿押さえ板319は、自動原稿送り装置300の下面部材300aに設けられており、原稿台ガラス201a上に載置された原稿Gを上から押さえるようになっている。なお、自動原稿送り装置300に代えて原稿押え板のみの構成であってもかまわない。
【0064】
ミラーユニット203は、第2ミラー203a、第3ミラー203b及び支持部材(図示せず)を備えている。支持部材は、第2ミラー203aを、光源ユニット210における第1ミラー230からの光を反射して第3ミラー203bに導くように支持している。また、支持部材は、第3ミラー203bを、第2ミラー203aからの光を反射して集光レンズ204に導くように支持している。集光レンズ204は、第3ミラー203bからの光を光電変換素子205の受光面205dに集光するものである。光電変換素子205は、集光レンズ204からの光(原稿画像光)を繰り返し主走査方向Xに走査し、その度に、1走査ラインのアナログ信号を出力する。
【0065】
また、光学系駆動部530(図8参照)は、ここでは、図示しないスキャナモータ及び図示しないプーリー及びワイヤー等の移動機構を備えており、これらスキャナモータ及び移動機構によって、光源ユニット210を一定の速度で副走査方向Yに往復移動させると共に、ミラーユニット203を光源ユニット210の移動速度の1/2の移動速度で同じく副走査方向Yに往復移動させるように構成されている。
【0066】
ここでは、原稿読取部200は、原稿固定方式に加えて、原稿移動方式にも対応しており、原稿読取ガラス201bを備えている。従って、光学系駆動部530は、さらに、光源ユニット210を原稿読取ガラス201bの下側における原稿Gの読取位置V2(ホームポジション)に位置させるように構成されている。
【0067】
自動原稿送り装置300は、原稿Gを搬送するために載置する原稿トレイ301と、この原稿トレイ301の下方に配置される排出トレイ302と、これらの間を接続する搬送路303と、上流側搬送ローラ対304及び下流側搬送ローラ対305とからなる2つの搬送ローラ対とを備えている。
【0068】
上流側搬送ローラ対304は、原稿読取ガラス201bを基準にして原稿Gを原稿Gの搬送方向Y3において上流側で搬送する。下流側搬送ローラ対305は、原稿読取ガラス201bを基準にして原稿Gを原稿Gの搬送方向Y3において下流側で搬送する。すなわち、上流側搬送ローラ対304、原稿読取ガラス201b及び下流側搬送ローラ対305は、搬送方向Y3に沿ってこの順に配設されている。また、原稿読取ガラス201bは、搬送路303の搬送壁を画するように略水平に設けられている。
【0069】
自動原稿送り装置300は、さらに、ピックアップローラ306と、サバキローラ307と、分離パッド等の分離部材308と、排出ローラ対310とを備えている。
【0070】
ピックアップローラ306は、原稿トレイ301上に載置された原稿Gを原稿トレイ301から搬送方向Y3に沿って搬送路303内へ送り出すものである。サバキローラ307は、ピックアップローラ306より搬送方向Y3の下流側に配置されており、ピックアップローラ306にて送られてきた原稿Gを分離部材308と共に挟持しつつさらに搬送方向Y3の下流側へ搬送するものである。分離部材308は、サバキローラ307に対峙された状態でサバキローラ307との間に搬送される原稿Gが1枚になるように原稿Gを捌く(分離する)ようになっている。
【0071】
かかる構成を備えた自動原稿送り装置300は、原稿Gをピックアップローラ306にてサバキローラ307と分離部材308との間に搬送し、ここで原稿Gを捌いて分離すると共にサバキローラ307が回転駆動されることによって1枚ずつ搬送するようになっている。そして、サバキローラ307にて搬送される原稿Gを搬送路303にて案内して上流側搬送ローラ対304に向けて1枚ずつ供給するようになっている。
【0072】
詳しくは、ピックアップローラ306は、原稿トレイ301に積載された原稿Gに対して、図示しないピックアップローラ駆動部にて接離可能とされている。また、ピックアップローラ306は、無端ベルト等を含む駆動伝達手段309を介してサバキローラ307と同方向に回転するようにサバキローラ307に連結されている。ピックアップローラ306及びサバキローラ307は、原稿Gの読み取り要求がなされると、図示しない原稿供給駆動部にて原稿Gを搬送方向Y3に搬送させる方向(図2中矢印W)に回転駆動されるようになっている。
【0073】
搬送路303は、原稿Gをサバキローラ307から上流側搬送ローラ対304、原稿読取ガラス201b、下流側搬送ローラ対305及び排出ローラ対310を経て排出トレイ302へ搬送するようにループ状に形成されている。排出ローラ対310は、下流側搬送ローラ対305よりも搬送方向Y3の下流側に配設され、かつ、下流側搬送ローラ対305からの原稿Gを排出トレイ302へ排出するものである。なお、搬送ローラ対304,305、排出ローラ対310等の搬送系ローラは、図示しない搬送系の駆動部にて駆動されるようになっている。
【0074】
また、本実施の形態においては、自動原稿送り装置300は、原稿Gの副走査方向Yの載置位置を規定する原稿ガイド部材(具体的には原稿ガイド板)318をさらに備えている。原稿ガイド部材318は、原稿台ガラス201aと原稿読取ガラス201bとの間に設けられている。換言すれば、原稿読取ガラス201bは、原稿ガイド部材318を間にして読取領域αとは反対側に設けられている。原稿ガイド部材318は、原稿台ガラス201a上に載置される原稿Gの副走査読取方向Y1とは反対方向Y2への移動を規制するようになっており、ここでは、光源211全体の光量のレベルを上げ下げする光量レベルを補正するときに読み取るための白基準部材を兼用している。白基準部材(具体的には白基準シート)318aは、光源ユニット210の移動領域のうち、原稿Gの読取領域α以外の領域に設けられている。詳しくは、白基準部材318aは、原稿ガイド部材318の下面に付設されている。白基準部材318aは、ここでは、シェーディング補正を行うときにも読み取られる。
【0075】
なお、図2中に付した符号200a(原稿読取部200の上面部材)、符号212(発光素子)、符号213(基板)については後ほど説明する。
【0076】
以上説明した画像読取装置100では、原稿固定方式による原稿Gの読み取り指示がなされた場合には、光源ユニット210は、待機位置V1からへ移行し、原稿ガイド部材318における白基準部材318aの下側へ移行し、光量レベルの補正処理がなされた後、原稿台ガラス201a上に載置された原稿Gに対して光を、原稿台ガラス201aを介して照射しながら一定の速度で副走査読取方向Y1に移動して原稿Gの画像を走査し、それと同時にミラーユニット203は光源ユニット210の移動速度の1/2の移動速度で同じく副走査読取方向Y1に移動する。
【0077】
光源ユニット210にて照明されて原稿Gから反射された反射光は、光源ユニット210に設けられた第1ミラー230で反射したのち、ミラーユニット203の第2及び第3ミラー203a,203bによって180°光路変換される。第3ミラー203bから反射された光は、集光レンズ204を介して光電変換素子205の受光面205dに結像し、ここで原稿画像光が読み取られてアナログ信号に変換される。
【0078】
一方、原稿移動方式による原稿Gの読み取り指示がなされた場合には、光源ユニット210が、待機位置V1から、原稿ガイド部材318における白基準部材318aの下側へ移行し、光量レベル補正処理がなされた後、さらに、原稿Gの読取位置V2に移行し、読取位置V2に静止したまま、自動原稿送り装置300によって原稿Gが読取位置V2の上部を通過するように搬送方向Y3に搬送される。すなわち、原稿トレイ301に載置された原稿Gは、ピックアップローラ306によって取り出され、サバキローラ307及び分離部材308によって1枚ずつに分離され、搬送路303に搬送される。搬送路303に搬送された原稿Gは、上流側搬送ローラ対304によって、斜行防止のために先端が揃えられると共に、規定の読み取りタイミングで送り出され、表裏が反転されて原稿読取ガラス201bへと搬送される。
【0079】
そして、原稿読取ガラス201b上を通過した原稿Gの一方の面に、光源ユニット210からの光が原稿読取ガラス201bを介して照射されて該一方の面で反射される。この原稿Gの一方の面から反射された光は、前述の原稿固定方式と同様に第1ミラー230によって反射された後、ミラーユニット203の第2及び第3ミラー203a,203bによって180°光路変換され、集光レンズ204を介して光電変換素子205の受光面205dに結像し、ここで原稿画像が読み取られてアナログ信号に変換される。
【0080】
読み取りが終了した原稿Gは、下流側搬送ローラ対305によって原稿読取ガラス201b上から引き出され、搬送路303を介して、排出ローラ対310によって排出トレイ302上に排出される。
【0081】
なお、本実施の形態に係る画像読取装置100は等倍光学系タイプの画像読取装置であってもよい。
【0082】
図3は、光源ユニット210の概略構成を示す図である。図3(a)は、その斜視図を示しており、図3(b)は、その分解斜視図を示している。
【0083】
本発明の実施形態に係る光源ユニット210は、基板(以下、光源基板という)213上に列設された複数の発光素子212,…からの光を原稿Gの光照射面Gdに向けて照射するようになっている。
【0084】
この光源ユニット210に備えられている光源211は、複数の発光素子212,…と、それを搭載する光源基板213とを備えている。複数の発光素子212,…は、何れも発光ダイオード(LED)素子とされている。なお、各発光素子は、同じタイプのものとされている。
【0085】
複数の発光素子212,…は、原稿Gにおける主走査方向Xに延びる一定の光照射領域側に向けて光を照射するものである。この光照射領域が原稿Gの読取位置とされる。
【0086】
本実施の形態では、複数の発光素子212,…は、光照射領域を間にして、主走査方向Xに直交する光照射面に沿った副走査方向Yの両側に列設されている。複数の発光素子212,…は、各光軸が主走査方向Xに対して直角になるように配置されている。
【0087】
詳しくは、複数の発光素子212,…は、副走査方向Yの両側のうち、一方側には複数の第1発光素子212a,…が主走査方向Xに列設されており、他方側には複数の第2発光素子212b,…が主走査方向Xに列設されている。すなわち、複数の発光素子212,…は、第1発光素子212a,…で構成される第1発光素子列と複数の第2発光素子212b,…で構成される第2発光素子列との2列に配置されている。
【0088】
光源基板213は、主走査方向Xに延びる第1及び第2光源基板213a,213bからなっている。第1光源基板213aには、複数の第1発光素子212a,…が搭載され、第2光源基板213bには、複数の第2発光素子212b,…が搭載されている。
【0089】
また、本実施の形態では、複数の第1発光素子212a,…及び複数の第2発光素子212b,…の各発光素子ピッチ(主走査方向Xにおける素子中心間の距離)Pは、何れも同一の距離とされている。さらに、第1発光素子列及び第2発光素子列において、第1発光素子212a,…及び第2発光素子212b,…は、ピッチ位置が揃うように(同一ピッチ位置構成で)配列されている。第1発光素子212a,…及び第2発光素子212b,…は、ここでは、同数とされている。
【0090】
より具体的には、光源ユニット210は、発光素子アレイユニット215と、発光素子アレイユニット215が設けられたミラーベースユニット216とを備えている。
【0091】
発光素子アレイユニット215は、第1発光素子212a,…と、第1光源基板213aと、第2発光素子212b,…と、第2光源基板213bと、第1光源基板213a及び第2光源基板213bが設けられた基台214とを備えている。
【0092】
詳しくは、第1光源基板213a及び第2光源基板213bは、長手方向が主走査方向Xに向くように基台214に配置されている。基台214は、第1及び第2光源基板213a,213bを副走査方向Yに所定の間隔をあけて主走査方向X両端側でビス等の固定部材SCにて固定している。こうして、第1発光素子212a,…と第2発光素子212b,…とが、光照射領域を間にして、副走査方向Yの両側に主走査方向Xに沿ってそれぞれ列設されている。
【0093】
基台214には、さらに、第1光源基板213aと第2光源基板213bとの間において、原稿Gからの反射光を通過させるための主走査方向Xに沿って延びる開口(ここではスリット)Rが形成されている。このスリットRは、原稿の読み取りの際には、原稿Gの読取位置である光照射領域の下方に配置される。第1発光素子列及び第2発光素子列は、スリットRの短手方向の両側に配列されている。
【0094】
ミラーベースユニット216には、第1ミラー230(図3(b)参照)が設けられている。詳しくは、第1ミラー230は、原稿Gの光照射面で反射した光を基台214に設けられたスリットRを介してミラーユニット203の第2ミラー203a(図2参照)に導くようにミラーベースユニット216の主走査方向Xに沿った開口216aに挿通された状態で支持されている。
【0095】
また、本実施の形態では、複数の第1発光素子212a,…及び複数の第2発光素子212b,…は、それぞれ、搭載される第1光源基板213a及び第2光源基板213bの発光素子の配置面に対して光軸が平行になるように光を射出するサイド発光を行うようになっている。具体的には、第1発光素子212a,…を搭載した第1光源基板213aと、第2発光素子212b,…を搭載した第2光源基板213bとは、側面視において光軸の方向が光照射領域側へ向くように原稿G側とは反対側が開いた「ハの字」形に配置されている。なお、光照射領域は、第1光源基板213a及び第2光源基板213bの中間に位置している。
【0096】
以上説明した光源ユニット210の構成では、複数の発光素子212,…は、光照射領域を間にして、副走査方向Yの両側に配列されているが、片側のみに配列されていてもよい。この場合、複数の発光素子212,…は、光照射領域を間に副走査方向Yの片側に配置された光源基板213に搭載されており、配置面に対して光軸が平行になるように光を射出するサイド発光を行う。具体的には、光源基板213は、光軸の方向が光照射領域側へ向くように傾斜配置される。
【0097】
また、複数の発光素子212,…が両側に配列されているか或いは片側のみに配列されているかに拘わらず、搭載される光源基板213の配置面に対して光軸が垂直になるように光を射出する頂面発光を行ってもよい。この場合において、第1発光素子212a,…及び第2発光素子212b,…が頂面発光を行う場合には、光軸の方向が光照射領域側へ向くように原稿G側が開いた逆「ハの字」形に第1光源基板213a及び第2光源基板213bを配置することができる。なお、光照射領域は、第1光源基板213a及び第2光源基板213bの中間に位置する。また、発光素子212,…が片側のみに配列されている場合には、光軸の方向が光照射領域側へ向くように光源基板213を傾斜配置することができる。
【0098】
このように発光素子を配置構成することができるが、発光素子が両側で同一ピッチ位置構成に配列されている場合には、発光素子が片側のみに配列されている構成に比べて発光素子数を2倍して照度を倍増させることができる。
【0099】
また、発光素子がサイド発光と頂面発光とのうち何れかの発光を行う場合、光源ユニット210内の構成部品の配置構成に応じて、サイド発光を行う構成と頂面発光を行う構成との使い分けを行うことで、光源ユニット210内の空いたスペースを有効に利用することができる。
【0100】
[自動原稿送り装置の開閉検知構成について]
次に、自動原稿送り装置の開閉検知構成について説明する。図4及び図5は、それぞれ、自動原稿送り装置300の開閉検知構成を説明するための概略斜視図及び概略側面図である。図4は、自動原稿送り装置300が原稿読取部200に対して開放している状態を正面斜め上方から視た図を示している。図5は、自動原稿送り装置300の開閉状態を左側面から視た図を示している。
【0101】
原稿読取装置100は、既述のとおり、原稿を読み取るための光学ユニット210が原稿台ガラス201a及び原稿読取ガラス201bの下側で副走査方向Yに往復移動するようになっている。また、原稿読取ガラス201bの上に自動原稿送り装置300が原稿読取部200に対して開閉されることで、原稿台ガラス201a上に載置された原稿Gを原稿押さえ板319にて押さえるようになっている。
【0102】
詳しくは、自動原稿送り装置300は、原稿読取部200に対して前側開きで回動自在に取り付けられており、原稿台ガラス201aの上を開放することにより原稿Gを手置きで載置できるようになっている。すなわち、原稿読取装置100は、自動原稿送り装置300にて自動的に搬送される原稿G又は原稿台ガラス201a上に載置された原稿Gの画像を読み取ることが可能となっている。
【0103】
また、自動原稿送り装置300は、原稿台ガラス201aが設けられた原稿読取部200の主走査方向X(奥行き方向)の背面側端部における幅走査方向Y(副方向)の両側において、原稿読取部200に対して幅走査方向Yに沿った回動軸回りに開閉可能となっている。これにより、自動原稿送り装置300は、原稿台ガラス201aに対して閉じた状態では原稿押さえ板319によって原稿Gを原稿台ガラス201aに押さえつける一方、原稿台ガラス201aに対して開いた状態では、原稿押さえ板319による原稿Gの原稿台ガラス201aへの押さえつけを解除するようになっている。
【0104】
詳しくは、自動原稿送り装置300は、原稿読取部200の背面側における副走査方向Yの両側において一対の回動部材(具体的にはヒンジ部材)610,610によって取り付けられている。
【0105】
回動部材610,610は、装置本体Ddに組み込まれた原稿読取部200側に設けられる固定部611,611と、固定部611,611に対して回動自在とされ、かつ、自動原稿送り装置300側に設けられる回動部612,612とを有している。固定部611,611は、原稿読取部200の上面部材200aにビス等の固定部材SCで固定されており、回動部612,612は、自動原稿送り装置300の下面部材300aにビス等の固定部材SCで固定されている。
【0106】
画像読取装置100は、原稿読取部200の正面側に設けられた操作部(具体的には操作パネル)230をさらに備えている。操作部230は、入力部240を有しており、入力部240にて装置全体の各種設定情報や各機能を動作させるための情報が入力されるようになっている。入力部240は、ここでは、複数の入力キー(ハードウェアキー)241を有し、ユーザー等のオペレータによりキー入力操作可能なキー入力操作部とされている。なお、操作部230は、画像形成装置Dの操作部としても作用する。
【0107】
また、操作部230は、表示部250を有しており、表示部250にて入力内容や装置全体の動作状況が表示されるようになっている。表示部250は、出力情報を表示することが可能な表示画面を有する表示パネルとされている。ここでは、表示部250の表示画面には、オペレータの入力を受け付けるタッチパネルが設けられている。このタッチパネルは、入力部として作用する。
【0108】
画像読取装置100は、自動原稿送り装置300が原稿読取部200に対して閉じているか否かを検知する開閉検知部260(開閉検知手段の一例)をさらに備えている。
【0109】
[開閉検知部について]
図6は、原稿読取部200に設けられた開閉検知部260の概略構成図である。図6(a)は、開閉検知部260の断面図を示している。図6(b)は、開閉検知部260を下側から視た底面図を示している。
【0110】
図6に示すように、開閉検知部260は、アクチュエータ部261と、アクチュエータ部261に設けられた被検知部262と、被検知部262を検知するセンサ部263とを備えている。
【0111】
図6(a)に示すように、アクチュエータ部261は、上下方向Zに沿って移動自在とされ、かつ、上方向への付勢力が付与されるようになっている。詳しくは、アクチュエータ部261は、上下方向Zに長くなっており、かつ、上端部が自動原稿送り装置300に当接する棒状の開閉検知レバー261aと、開閉検知レバー261aに設けられたストッパー部261bと、開閉検知レバー261aを上方向へ付勢するための付勢部材261c(具体的には圧縮スプリング)と、付勢部材261cを支持する支持部261d(具体的には開閉検知レバー取り付けプレート)とを有している。
【0112】
原稿読取部200の上面部材200aには、上下方向Zに沿った貫通孔200bが設けられている。また、支持部261dは、上面部材200aの下方に間隔をおいて原稿読取部200の枠体202(図2参照)に固定されている。支持部261dには、貫通孔200bに対して上下方向Zに揃うように貫通孔261eが設けられている。
【0113】
開閉検知レバー261aは、原稿読取部200の上面部材200aに設けられた貫通孔200b及び支持部261dに設けられた貫通孔261eに対して上下方向Zに移動自在に挿通されている。開閉検知レバー261aには、ストッパー部261bが固定されている。開閉検知レバー261aに固定されたストッパー部261bは、上面部材200aと支持部261dとの間に配置されている。また、ストッパー部261bは、貫通孔200b,261eよりも大きいサイズのものとされており、貫通孔200b,261eを通過できないようになっている。これにより、ストッパー部261bは、開閉検知レバー261aの上下方向Zの移動を規制できるようになっている。
【0114】
ストッパー部261bと支持部261dとの間には付勢部材261cが配置されている。具体的には、付勢部材261cは、開閉検知レバー261aに挿通された状態で支持部261dに支持され、これにより、ストッパー部261bを上方へ付勢するようになっている。
【0115】
被検知部262は、開閉検知レバー261aの支持部261dよりも下方位置において(具体的には開閉検知レバー261aの下端部に)、開閉検知レバー261aの軸線方向に直交する方向に突設されている。
【0116】
図6(b)に示すように、センサ部263は、ここでは、照射部263a及び受光部263bを備えた透過型の光センサとされている。センサ部263は、支持部261dの下方に間隔をおいて原稿読取部200の枠体202に固定されている。センサ部263は、照射部263aから受光部263bに入射される入射光をアクチュエータ部261の上下移動に伴う被検知部262の移動によって被検知部262で遮断又は通過させることで、該入射光の有無を受光部263bで検知するようになっている。センサ部263は、主制御部410の入力系に接続されている(図8参照)。なお、センサ部263は、反射型の光センサであってもよい。
【0117】
本実施の形態では、開閉検知部260は、自動原稿送り装置300の原稿押さえ板319が原稿読取部200の上面部材200aに対して所定の角度θ(図5参照、例えば、20度〜30度程度、より好ましくは20度〜25度程度)で閉じることを検知(閉じ検知)する構成とされている。
【0118】
[原稿サイズ検知部について]
図7は、本実施の形態に係る画像読取装置100を正面斜め上方から視た概略斜視図である。
【0119】
画像読取装置100は、図7に示すように、原稿Gのサイズを検知する原稿サイズ検知部270(原稿サイズ検知手段の一例)をさらに備えている。原稿サイズ検知部270は、複数の原稿サイズセンサ271,272,273からなっており、原稿読取部200の底面(ここでは枠体202の原稿台ガラス201aと対向する面202a)に設けられている。原稿サイズ検知部270は、主制御部410の入力系に接続されている(図8参照)。
【0120】
詳しくは、原稿サイズセンサ271は、副走査方向Yの原稿Gのサイズを検出する光学センサとされており、原稿サイズセンサ272,273は、主走査方向Xの原稿Gのサイズを検出する光学センサとされている。原稿サイズセンサ271,272,273は、原稿Gからの反射光を検出する反射型光学センサとされている。原稿サイズセンサ271,272,273は、所定の光(例えば赤外光)を照射する照射部S1,S2,S3と、原稿Gからの反射光を受光する受光部R1,R2,R3とを備えている。
【0121】
[原稿有無検知部について]
画像読取装置100は、図7に示すように、原稿Gが原稿台ガラス201a上に載置されているか否かを検知する原稿有無検知部280(原稿有無検知手段の一例)をさらに備えている。原稿有無検知部280は、原稿有無センサ281で構成されており、原稿読取部200の底面(ここでは枠体202の原稿台ガラス201aと対向する面202a)の原稿台ガラス201a上に載置される全サイズの原稿Gを検知できる位置に設けられている。原稿有無検知部280は、主制御部410の入力系に接続されている(図8参照)。
【0122】
詳しくは、原稿有無センサ281は、全サイズの原稿Gの有無を検出する光学センサとされている。原稿有無センサ281は、原稿Gからの反射光を検出する反射型光学センサとされている。原稿有無センサ281は、所定の光(例えば赤外光)を照射する照射部S4と、原稿Gからの反射光を受光する受光部R4とを備えている。
【0123】
[画像読取装置の制御構成について]
図8は、本実施の形態に係る画像読取装置100の制御系の概略構成を示す図であって、画像読取装置100における制御部400を中心に示す制御ブロック図である。
【0124】
図8に示すように、本実施の形態に係る画像読取装置100は、さらに、画像読取装置100全体の制御を司る制御部400と、信号処理部510と、記憶手段として作用する記憶部520とを備えている。
【0125】
制御部400は、主制御部410と、原稿読取制御部420と、画像処理部430と、発光素子制御部440と、光量補正制御手段として作用する光量補正制御部450と、比較手段として作用する比較部460と、駆動制御部470とを備えている。
【0126】
主制御部410は、自動原稿送り装置300の原稿押さえ板319が原稿読取部200の上面部材200aに対して開いているときには、開閉検知部260におけるセンサ部263から原稿押さえ板319が開いている(受光している)ことを示すセンサ出力信号(具体的にはON信号)が送信される。一方、主制御部410は、原稿押さえ板319が上面部材200aに対して閉じているときには、センサ部263から原稿押さえ板319が閉じている(受光していない)ことを示すセンサ出力信号(具体的にはOFF信号)が送信される。主制御部410は、センサ部263から受けた原稿押さえ板319が開いている又は閉じていることを示すセンサ出力信号(例えばOFF信号又はON信号)によって、原稿押さえ板319の開閉を検出できるようになっている。
【0127】
また、主制御部410は、原稿サイズセンサ271,272,273における照射部S1,S2,S3から原稿台ガラス201aへ光を照射し、原稿台ガラス201a上に原稿Gが有る場合(受光部R1,R2,R3が原稿Gからの反射光を受光した場合)には、受光部R1,R2,R3から原稿Gが有る(受光している)ことを示すセンサ出力信号(具体的にはON信号)が送信される。一方、主制御部410は、原稿台ガラス201a上に原稿Gが無い場合(受光部R1,R2,R3が原稿Gからの反射光を受光しない場合)には、受光部R1,R2,R3から原稿Gが無い(受光していない)ことを示すセンサ出力信号(具体的にはOFF信号)を送信される。主制御部410は、受光部R1,R2,R3から受けた原稿Gの有り又は無しを示すセンサ出力信号(具体的にはON信号又はOFF信号)によって、原稿Gのサイズを判定するようになっている。
【0128】
また、主制御部410は、原稿有無センサ281における照射部S4から原稿台ガラス201aへ光を照射し、原稿台ガラス201a上に原稿Gが有る場合(受光部R4が原稿Gからの反射光を受光した場合)には、受光部R4から原稿Gは有る(受光している)ことを示すセンサ出力信号(具体的にはON信号)が送信される。一方、主制御部410は、原稿台ガラス201a上に原稿Gが無い場合(受光部R4が原稿Gからの反射光を受光しない場合)には、受光部R4から原稿Gが無い(受光していない)ことを示すセンサ出力信号(具体的にはOFF信号)が送信される。主制御部410は、受光部R4から受けた原稿Gが有り又は無しを示すセンサ出力信号(具体的にはON信号又はOFF信号)によって、原稿Gの有無を検出するようになっている。
【0129】
主制御部410は、既述の開閉検知部260のセンサ部263、原稿サイズ検知部270、原稿有無検知部280に加えて、原稿読取制御部420、画像処理部430、発光素子制御部440、光量補正制御部450、比較部460、駆動制御部470、信号処理部510及び記憶部520に接続されている。
【0130】
詳しくは、主制御部410は、CPU等の処理部410aと、ROM及びRAM等のメモリを含む記憶部410bとを含むマイクロコンピュータからなっている。画像読取装置100は、主制御部410の処理部410aが記憶部410bのROMに予め格納された制御プログラムを記憶部410bのRAM上にロードして実行することにより、各種構成要素を制御するようになっている。なお、主制御部410は、画像形成装置Dに設けられた画像形成動作全体を制御する制御部(図示せず)にて指示されるようになっている。
【0131】
原稿読取制御部420は、主制御部410からの指示信号に基づき、光電変換素子205による原稿Gの読み取り動作を制御する。
【0132】
信号処理部510は、光電変換素子205に接続されており、主制御部410からの指示信号に基づき、光電変換素子205からの信号を処理する。信号処理部510は、ここでは、アナログフロントエンド(AFE)ICとされており、光電変換素子205からの出力信号(撮像信号)に対して各種の信号処理を行う。例えば、信号処理部510は、光電変換素子205からのアナログ信号を増幅し、該増幅されたアナログ信号をデジタル信号(ここでは8ビットデジタル画像信号)に変換する。
【0133】
画像処理部430は、主制御部410からの指示信号に基づき、A/D変換されたデジタル信号に対して各種の画像処理を行うものであり、ここでは、画像処理用ASIC(Application Specific Integrated Circuit)とされている。また、画像処理部430は、画像形成装置Dの電源オン時にシェーディング補正を行うようになっている。シェーディング補正は、発光素子212(1)〜212(n)の部品のバラツキや光学系の集光特性により主走査方向Xにおける光量のばらつきを補正する。シェーディング補正は、ここでは、原稿ガイド部材318における白基準部材318aの光電変換素子205による読取値に基づいてA/D変換されたデジタル信号を一定の値にすることでなされる。
【0134】
なお、本実施の形態では、画像形成装置Dの電源オン時にシェーディング補正を行うようになっているが、閉じ検知時(原稿押さえ板319を閉じる毎)に行うようになってもよい。
【0135】
発光素子制御部440は、光源211における発光素子212(1)〜212(n)に接続されており、主制御部410からの指示信号に基づき、複数の発光素子212(1)〜212(n)を発光素子毎に個別に駆動可能とされている。なお、nは発光素子の個数であり、ここでは6以上の整数である。
【0136】
詳しくは、発光素子212(1)〜212(n)は、直列に接続されており、該直列に接続された発光素子212(1)〜212(n)の両側の端子が発光素子制御部440に接続されている。発光素子制御部440は、主制御部410接続されており、主制御部410からの指示信号によって、個々の発光素子212(1)〜212(n)のオン/オフタイミングを発光素子毎に制御する。
【0137】
発光素子制御部440は、個々の発光素子212(1)〜212(n)を駆動する点灯制御部(点灯制御手段の一例)441と、個々の発光素子212(1)〜212(n)の光量を調整する光量制御部(光量制御手段の一例)442とを備えている。点灯制御部は、ここでは、発光素子コントロールドライバーとされている。
【0138】
点灯制御部441は、発光素子212(1)〜212(n)毎に或いは連続する複数の発光素子212(1)〜212(i),212(i+1)〜212(j),212(j+1)〜212(k),212(k+1)〜212(l),212(l+1)〜212(m),212(m+1)〜212(n)からなる発光素子ブロックBL(1)〜BL(h)毎に(後述する図10及び図11参照)点灯及び消灯の制御を行うようになっている。なお、符号212の添字i,j,k,l,mは、1≦i、i+1≦j、j+1≦k、k+1≦l、l+1≦m、m+1≦nの条件を満たす整数である。また、符号BLの添字h(ブロック数)は、ここでは6以上の整数(図10及び図11の例では6ブロック)である。
【0139】
各発光素子ブロックは、発光素子ブロック毎の発光素子の個数が等しくなるように分けられていてもよいし、図10及び図11の例のように、原稿Gの主走査方向Xのサイズ(長さ)毎に分けられていてもよい。特に、各発光素子ブロックは、原稿領域(原稿領域の近傍を含む)内の発光素子の点灯、原稿領域以外の消灯を行うことができるように分けられていることが好ましい。
【0140】
光量制御部442は、ここでは、調光回路442(1),…,442(n)からなっている。点灯制御部441は、主制御部410に接続されている。個々の発光素子212(1)〜212(n)は、一端子が点灯制御部441に接続され、かつ、他端子が光量制御部442(調光回路442(1),…,442(n))にそれぞれ接続されている。
【0141】
光量制御部442(調光回路442(1),…,442(n))は、主制御部410に接続されている。なお、調光回路は、発光素子ブロックBL(1)〜BL(h)毎に設けられていてもよい。
【0142】
光量補正制御部450は、入力側で主制御部410に接続され、出力側で光量制御部442に接続されている。光量補正制御部450は、開閉検知部260による閉じ検知時(原稿押さえ板319を閉じる毎)に光量レベル補正を行うようになっている。光量レベル補正は、発光素子212(1)〜212(n)の経時変化や温度等による光量低下に対して光量の変化を補正する。光量レベル補正は、ここでは、原稿ガイド部材318における白基準部材318aの光電変換素子205による読取値に基づいて所定の光量になるように光量制御部442の発光素子212(1)〜212(n)への電圧を制御することでなされる。なお、白基準部材318aの基準読取値Liは、原稿Gの画像を読み取るときに発光する光源211の発光光量での基準となる値であり、予め記憶部520(図8参照)に記憶されている。基準読取値Liは、工場出荷時に画像読取装置毎に測定された測定値であってもよいし、設計上規格された規定値であってもよい。
【0143】
詳しくは、光量補正制御部450は、比較部460で算出した算出値に基づいて原稿Gの画像を読み取るときに発光する発光素子212(1)〜212(n)の発光光量の光量補正制御を行う。
【0144】
比較部460は、原稿Gの画像を読み取るときに発光する発光素子212(1)〜212(n)の発光光量での白基準部材318aの光電変換素子205による読取値Lsと、記憶部520にて予め記憶されている基準読取値Liとを比較する。光量補正制御部450は、比較した比較結果に基づいて光量制御部442にて原稿Gの画像を読み取るときに発光する発光素子212(1)〜212(n)又は発光素子ブロックBL(1)〜BL(h)の発光光量の光量補正制御を行う。
【0145】
具体的には、主制御部410は、読取値Ls(例えば8ビットデジタル値200)と、基準読取値Li(例えば8ビットデジタル値240)とを比較部460に渡す。比較部460は、受け取った読取値Ls(例えば200)に対する基準読取値Li(例えば240)の比率(例えば240/200=1.2)を計算し、主制御部410に返す。主制御部410は、受け取った比率(例えば1.2)を光量補正制御部450に渡す。光量補正制御部450は、発光素子212(1)〜212(n)の発光光量が現在の光量レベル(ここでは電圧)に対して、受け取った比率(例えば1.2)を掛け合わせた光量レベル(ここでは電圧)になるように光量制御部442に指示する。
【0146】
駆動制御部470は、主制御部410からの読取命令に基づいて光学系駆動部530の動作を制御する。すなわち、駆動制御部470は、主制御部410から原稿読取制御部420に対して読取命令が出力されると、光学系駆動部530に駆動開始信号を出力する。光学系駆動部530は、駆動開始信号に基づいてスキャナモータ(図示せず)に駆動電圧を印加する。スキャナモータは、光源ユニット210とミラーユニット203とで構成されるスキャナユニットの往復移動動作の駆動源である。これによってスキャナモータが回転し、スキャナユニットが副走査方向Yに往復移動する。本実施の形態では、スキャナモータとしてとしてステッピングモータを使用している。
【0147】
図9は、原稿Gのサイズ及び有無の判定を説明するための図である。図9(a)は、原稿サイズセンサ271,272,273の配置構成を平面から視た概略平面図を示している。図9(b)は、原稿サイズセンサ271,272,273の受光部R1,R2,R3による受光の有無を表した設定テーブルTL1を示している。図9(c)は、原稿有無センサ281の受光部R4による受光の有無を表した設定テーブルTL2を示している。なお、図9(a)において、符号B5,A4は、ぞれぞれ、B5サイズ及びA4サイズの原稿Gを長手方向が主走査方向Xに沿うように配置した状態を示しており、符号B5R,A4R,B4,A3は、ぞれぞれ、B5サイズ、A4サイズ、B4サイズ及びA3サイズの原稿Gを長手方向が副走査方向Yに沿うように配置した状態を示している。このことは、後述する図10についても同様である。
【0148】
図9(a)に示す例では、原稿台ガラス201aに載置された原稿Gは、読取領域αの副走査方向読取方向Y1の上流側(図9(a)の左側)端及び主走査方向Xの一方側(図9(a)の上側)端の双方を基準として位置決めされる。
【0149】
図9(b)に示すように、原稿サイズセンサ271は、原稿Gが符号B5R,B5,A4の配置状態では原稿無し(受光していないこと)を示す信号を受光部R1にて出力し、且つ、それ以外の配置状態では原稿有り(受光していること)を示す信号を受光部R1にて出力する位置に設けられている。原稿サイズセンサ272は、原稿Gが符号B5R,A4Rの配置状態では原稿無しを示す信号を出力し、且つ、それ以外の配置状態では原稿有りを示す信号を出力する位置に設けられている。原稿サイズセンサ273は、原稿Gが符号B5R,B5,B4,A4Rの配置状態では原稿無しを示す信号を出力し、且つ、それ以外の配置状態では原稿有りを示す信号を出力する位置に設けられている。
【0150】
主制御部410は、図9(b)に示す設定テーブルTL1を用いて判定することができる。設定テーブルTL1は、予め記憶部520(図8参照)に記憶されている。
【0151】
図9(c)に示すように、原稿有無センサ281は、原稿Gの配置状態に関わらず、原稿Gが原稿台ガラス201a上に位置決めされた状態で載置されていれば、原稿有りを示す信号を出力する位置に設けられている。
【0152】
主制御部410は、図9(c)に示す設定テーブルTL2を用いて判定することができる。設定テーブルTL2は、予め記憶部520(図8参照)に記憶されている。
【0153】
なお、原稿サイズ検知部270は、B5Rサイズ以外のサイズでは、原稿有無検知部280がない場合でも原稿有無検知部として作用することができる。また、原稿サイズ検知部270は、全サイズの原稿Gの有無を検知できるように原稿サイズセンサの検知パターンを工夫することによって原稿有無検知部を兼用してもよい。これについては、従来公知の手法で行うことができ、ここでは詳しい説明は省略する。
【0154】
ところで、開閉検知部260による閉じ検知は、既述したように、原稿押さえ板319が上面部材200aに対して角度θ(具体的には20度〜30度程度)になるときに設定されているが、これは、書籍のように綴じられた原稿G(ブック原稿)を載置したときでも、原稿Gのサイズ、有り無しが検出できるようにするためである。すなわち、原稿押さえ板319が上面部材200aに対してほぼ閉じたとき或いは完全に閉じたとき(角度θが数度程度或いは0度となったとき)に閉じ検知とすると、ブック原稿の場合には、原稿押さえ板319が少し開いた状態となるために、本来はこの状態で閉じ検知すべきところ、閉じ検知できない場合があるからである。
【0155】
このように、閉じ検知のときに原稿押さえ板319が上面部材200aに対して少し開いた状態では、光源211からの光は、原稿台ガラス201aや原稿読取ガラス201bを介してオペレータの目に入りやすい。
【0156】
待機状態の画像読取装置100では、光源ユニット210が、原稿Gの読取領域α(図2参照)に対応する何れかの位置(ここでは、原稿台ガラス201aの下方における原稿ガイド部材318の近傍の待機位置V1)に消灯させた状態で停止している。そして、開いた状態の原稿押さえ板319が開閉検知部260にて閉じていること検知(閉じ検知)すると、この閉じ検知をトリガにして、安定した光量レベルの補正を行うために、待機位置V1に位置する光源ユニット210の光源211を点灯させつつ原稿ガイド部材318における白基準部材318aの下側の位置へ移動させる。つまり、画像読取装置100では、原稿押さえ板319が上面部材200aに対して少し開いた閉じ検知時(原稿押さえ板319を閉じる毎)に、光源ユニット210の光源211の点灯光が、原稿押さえ板319と原稿台ガラス201aや原稿読取ガラス201bとの間から漏れやすい。そうすると、オペレータに対して眩しく感じさせることになる。
【0157】
この点、主制御部410は、開閉検知部260にて原稿押さえ板319が閉じていることを検出した場合に、原稿Gの画像の読み取り動作に先立って点灯制御部441にて発光素子212(1)〜212(n)又は発光素子ブロックBL(1)〜BL(h)を点灯させるときには、原稿サイズ検知部270にて検出した原稿Gのサイズの検出結果に基づいて、点灯制御部441にて光源ユニット210における発光素子212(1)〜212(n)又は発光素子ブロックBL(1)〜BL(h)のうち、原稿Gのサイズに対応する原稿領域の発光素子212(1)〜212(n)又は発光素子ブロックBL(1)〜BL(h)を点灯させる一方、該原稿領域以外の発光素子又は発光素子ブロックを消灯させる構成とされている。
【0158】
本実施の形態に係る画像読取装置100によれば、原稿Gの画像の読み取り動作に先立って点灯制御部441にて発光素子212(1)〜212(n)又は発光素子ブロックBL(1)〜BL(h)を点灯させるときには、原稿サイズ検知部270にて検出した原稿Gのサイズの検出結果に基づいて、点灯制御部441にて光源ユニット210における発光素子212(1)〜212(n)又は発光素子ブロックBL(1)〜BL(h)のうち、原稿Gのサイズに対応する原稿領域の発光素子212(1)〜212(n)又は発光素子ブロックBL(1)〜BL(h)を点灯させる一方、該原稿領域以外の発光素子又は発光素子ブロックを消灯させるので、原稿台ガラス201a上に載置された原稿Gの外側にはみ出して発光する発光素子212(1)〜212(n)のはみ出し量を減らすことができ、これにより、オペレータが光源211を見る方向に関わらず原稿台ガラス201a上に載置された原稿Gの外側にはみ出した光源211からの光によりオペレータに眩しく感じさせることを軽減させることが可能となる。しかも、原稿Gのサイズの検出結果に基づき原稿Gのサイズに対応する原稿領域の発光素子又は発光素子ブロックを点灯させる一方、該原稿領域以外の発光素子又は発光素子ブロックを消灯させるので、光源211からの光を原稿台ガラス201a上に載置された原稿Gによって遮断させることができ、これにより、原稿Gの外側にはみ出した光源211からの光によりオペレータに眩しく感じさせることを確実に軽減させることが可能となる。
【0159】
また、開閉検知部260にて原稿押さえ板319が閉じていることを検出した場合に、原稿Gの画像の読み取り動作に先立って点灯制御部441にて発光素子212(1)〜212(n)又は発光素子ブロックBL(1)〜BL(h)を点灯させるときには、該発光素子又は発光素子ブロックを点灯させた状態で光源ユニット210を白基準部材318a側へ移動させて白基準部材318aを光電変換素子205で読み取り、原稿Gの画像を読み取るときの発光光量での白基準部材318aの読取値Lsと、記憶部520にて予め記憶されている基準読取値Liとを比較し、比較した比較結果に基づいて光量制御部442にて原稿Gの画像を読み取るときに発光する発光素子又は発光素子ブロックの発光光量の光量補正制御を行う。こうすることで、該光量補正制御を確実に行うことができる。また、開閉検知部260にて原稿押さえ板319が閉じていることを検出した場合であって、原稿有無検知部280にて原稿Gが原稿台ガラス201a上に載置されていることを検出した場合に、前記光量補正制御を行うことで、原稿Gが原稿台ガラス201a上に載置されているときに前記光量補正制御を確実に行うことができる。
【0160】
図10及び図11は、原稿Gのサイズの検出結果に基づいて発光素子212(1)〜212(n)又は発光素子ブロックBL(1)〜BL(h)の点灯及び消灯パターンの一例を説明するための図である。図10は、光源211における光源基板213上の発光素子212(1)〜212(n)と原稿Gのサイズとの位置関係を示す概略平面図である。図11は、発光素子212(1)〜212(n)又は発光素子ブロックBL(1)〜BL(h)の点灯及び消灯を表した設定テーブルTL3を示している。なお、発光素子ブロックは、発光素子の個数が1個のものを含んでいてもよいが、図10の例では2個以上として示している。
【0161】
図10及び図11に示すように、発光素子212(1)〜212(n)又は発光素子ブロックBL(1)〜BL(h)は、次のような点灯及び消灯動作がなされる。すなわち、
原稿GのサイズがB5Rの場合には、発光素子212(1)〜212(i)(発光素子ブロックBL(1))及び発光素子212(j+1)〜212(n)(発光素子ブロックBL(3)〜BL(6))を消灯させ、発光素子212(i+1)〜212(j)(発光素子ブロックBL(2))を点灯させる。原稿GのサイズがA4Rの場合には、発光素子212(1)〜212(i)(発光素子ブロックBL(1))及び発光素子212(k+1)〜212(n)(発光素子ブロックBL(4)〜BL(6))を消灯させ、発光素子212(i+1)〜212(k)(発光素子ブロックBL(2)〜BL(3))を点灯させる。原稿GのサイズがB5又はB4の場合には、発光素子212(1)〜212(i)(発光素子ブロックBL(1))及び発光素子212(l+1)〜212(n)(発光素子ブロックBL(5)〜BL(6))を消灯させ、発光素子212(i+1)〜212(l)(発光素子ブロックBL(2)〜BL(4))を点灯させる。また、原稿GのサイズがA4又はA3の場合には、発光素子212(1)〜212(i)(発光素子ブロックBL(1))及び発光素子212(m+1)〜212(n)(発光素子ブロックBL(6))を消灯させ、発光素子212(i+1)〜212(m)(発光素子ブロックBL(2)〜BL(5))を点灯させる。なお、設定テーブルTL3は、予め記憶部520(図8参照)に記憶されている。
【0162】
本実施の形態では、主制御部410は、開閉検知部260にて原稿押さえ板319が閉じていることを検出した場合に、原稿Gの画像の読み取り動作に先立って点灯制御部441にて発光素子212(1)〜212(n)又は発光素子ブロックBL(1)〜BL(h)を点灯させるときには、発光素子212(1)〜212(n)又は発光素子ブロックBL(1)〜BL(h)の全体の発光光量を、原稿Gの画像を読み取るときの発光光量よりも少なくするように光量制御部442にて制御する構成とされている。
【0163】
かかる構成を備えた画像読取装置100では、発光素子212(1)〜212(n)又は発光素子ブロックBL(1)〜BL(h)の全体の発光光量を、原稿Gの画像を読み取るときの発光光量よりも少なくするので、たとえ原稿台ガラス201a上に載置された原稿Gの外側に光が漏れることがあっても発光素子212(1)〜212(n)又は発光素子ブロックBL(1)〜BL(h)の全体の発光光量をオペレータに眩しく感じにくい程度の光量にでき、これにより、光源211からの光によりオペレータに眩しく感じさせることをさらに軽減させることが可能となる。
【0164】
本実施の形態では、主制御部410は、開閉検知部260にて原稿押さえ板319が閉じていることを検出した場合であって、原稿有無検知部280にて原稿Gが原稿台ガラス201a上に載置されていないことを検出した場合に、原稿Gの画像の読み取り動作に先立って点灯制御部441にて発光素子212(1)〜212(n)又は発光素子ブロックBL(1)〜BL(h)を点灯させるときには、発光素子212(1)〜212(n)又は発光素子ブロックBL(1)〜BL(h)の発光光量を、原稿Gの画像を読み取るときの発光光量よりも少なくするように光量制御部442にて制御する構成とされている。
【0165】
かかる構成を備えた画像読取装置100では、原稿Gが原稿台ガラス201a上に載置されていない場合に、発光素子212(1)〜212(n)又は発光素子ブロックBL(1)〜BL(h)の発光光量を、原稿Gの画像を読み取るときの発光光量よりも少なくするので、原稿Gが原稿台ガラス201a上に載置されていない状態での発光素子212(1)〜212(n)又は発光素子ブロックBL(1)〜BL(h)の発光光量をオペレータに眩しく感じにくい程度の光量にでき、これにより、原稿Gが原稿台ガラス上に載置されていないときに、光源211からの光によりオペレータに眩しく感じさせることを軽減させることが可能となる。しかも、原稿Gが原稿台ガラス201a上に載置されていないために原稿Gの画像を読み取らない場合に光量補正制御を行っておくことで、例えば、その後に原稿移動読取モードで原稿Gの画像を読み取るときに光量補正制御を行わない場合であっても、閉じ検知時(原稿押さえ板319を閉じる毎)補正した光量によって精度良く原稿Gの画像を読み取ることが可能となる。
【0166】
発光素子212(1)〜212(n)又は発光素子ブロックBL(1)〜BL(h)の発光光量を、原稿Gの画像を読み取るときの発光光量よりも少なくする場合、少なくした発光光量の補正精度を向上させるという観点から、次のような光量補正制御を行うことが好ましい。
【0167】
すなわち、光量補正制御部450は、原稿Gの画像を読み取るときの発光光量よりも少なくした発光素子212(1)〜212(n)の発光光量での白基準部材318aの光電変換素子205による読取値をLcとしたとき、[(Lc/Ls)×Li]の式で算出した算出値に基づいて、原稿Gの画像を読み取るときに発光する光源211の発光光量の光量補正制御を行う構成とされている。なお、原稿Gの画像を読み取るときの発光光量での白基準部材318aの読取値Lsは、閉じ検知時(原稿押さえ板319を閉じる毎)に原稿Gの画像を読み取るときよりも少ない発光光量での白基準部材318aの読取値Lcを読み取るときに読み取るようにしてもよいし、原稿Gの画像を読み取るときに記憶部520(図8参照)に記憶するようにしてもよい。
【0168】
詳しくは、光量補正制御部450は、原稿Gの画像を読み取るときに発光する発光素子212(1)〜212(n)の発光光量での基準となる基準読取値Li(例えば240)に代えて、原稿Gの画像を読み取るときの発光光量よりも少なくした発光素子212(1)〜212(n)の発光光量での白基準部材318aの低光量用基準読取値Lixとして、基準読取値Li及び読取値Ls,Lcに基づく式[(Lc(例えば8ビットデジタル値160)/Ls(例えば200))×Li(例えば240)]で算出した算出値(例えば192)を用いて光量補正制御を行う構成とされている。
【0169】
具体的には、主制御部410は、読取値Lc(例えば160)と低光量用基準読取値Lix(例えば192)とを比較部460に渡す。比較部460は、受け取った読取値Lc(例えば160)に対する低光量用基準読取値Lix(例えば192)の比率(例えば192/160=1.2)を計算し、主制御部410に返す。主制御部410は、受け取った比率(例えば1.2)を光量補正制御部450に渡す。光量補正制御部450は、発光素子212(1)〜212(n)の発光光量が現在の光量レベル(ここでは電圧)に対して、受け取った比率(例えば1.2)を掛け合わせた光量レベルになるように光量制御部442に指示する。
【0170】
このように、原稿Gを読み取るときの発光光量よりも少ない発光光量での読取値Lcに加えて原稿Gの画像を読み取るときの読取値Lsと原稿Gの画像を読み取るときの基準となる基準読取値Liとを用いて光量補正制御を行うことで、例えば、原稿Gの画像を読み取るときの発光光量よりも少なくした発光光量とそれに対応する基準読取値とを用いて補正する場合よりも該光量補正制御の補正精度を向上させることができる。しかも、[(Lc/Ls)×Li]といった簡単な計算式で光量補正制御を行うことで、それだけ光量補正のための制御構成を簡素化することが可能となる。
【0171】
本実施の形態において、主制御部410は、開閉検知部260にて原稿押さえ板319が閉じていることを検出した場合に、原稿Gの画像の読み取り動作に先立って点灯制御部441にて発光素子212(1)〜212(n)又は発光素子ブロックBL(1)〜BL(h)を点灯させるときには、光源ユニット210を原稿読取ガラス201bの下側へ向けて移動させながら発光素子212(1)〜212(n)又は発光素子ブロックBL(1)〜BL(h)からの光を白基準部材318aに照射して白基準部材318aを光電変換素子205で読み取り、光源ユニット210が原稿読取ガラス201bに達する前に発光素子212(1)〜212(n)又は発光素子ブロックBL(1)〜BL(h)を消灯させる構成とされている。
【0172】
かかる構成を備えた画像読取装置100では、光源ユニット210が原稿読取ガラス201bに達する前に発光素子212(1)〜212(n)又は発光素子ブロックBL(1)〜BL(h)を消灯させるので、原稿読取ガラス201bに対応する領域において光源211からの光によりオペレータに眩しく感じさせることを回避することが可能となる。
【0173】
なお、本実施の形態において、開閉検知部260にて原稿押さえ板319が閉じていることを検出した場合であって、原稿有無検知部280にて原稿Gが原稿台ガラス201a上に載置されていないことを検出した場合に、原稿Gの画像の読み取り動作に先立って点灯制御部441にて発光素子212(1)〜212(n)又は発光素子ブロックBL(1)〜BL(h)を点灯させるときには、発光素子212(1)〜212(n)又は発光素子ブロックBL(1)〜BL(h)の全部を点灯させてもよい。こうすることで、原稿Gが原稿台ガラス201a上に載置されていない場合に、発光素子212(1)〜212(n)又は発光素子ブロックBL(1)〜BL(h)の発光光量が原稿Gの画像を読み取るときの発光光量よりも少ないことで、原稿Gがない(原稿Gのサイズが検出できない)ために発光素子212(1)〜212(n)又は発光素子ブロックBL(1)〜BL(h)の全部を点灯させても、オペレータに眩しく感じさせることを軽減させることができる。
【0174】
また、本実施の形態において、開閉検知部260にて原稿押さえ板319が閉じていることを検出した場合であって、原稿有無検知部280にて原稿Gが原稿台ガラス201a上に載置されていないことを検出した場合に、原稿Gの画像の読み取り動作に先立って点灯制御部441にて発光素子212(1)〜212(n)又は発光素子ブロックBL(1)〜BL(h)を点灯させるときには、発光素子212(1)〜212(n)又は発光素子ブロックBL(1)〜BL(h)の一部を点灯させてもよい。こうすることで、原稿Gが原稿台ガラス201a上に載置されていない場合に、発光素子212(1)〜212(n)又は発光素子ブロックBL(1)〜BL(h)の発光光量が原稿Gの画像を読み取るときの発光光量よりも少ない上に、発光素子212(1)〜212(n)又は発光素子ブロックBL(1)〜BL(h)の一部を点灯させることで、点灯させる発光素子212(1)〜212(n)又は発光素子ブロックBL(1)〜BL(h)の数を減らすことができ、それだけオペレータに眩しく感じさせることを軽減させることができる。
【0175】
[主制御部による動作制御の制御例について]
次に、画像読取装置100の主制御部410による動作制御の制御例について図12を参照しながら説明する。
【0176】
図12は、画像読取装置100の主制御部410による動作制御の一例を示すフローチャートを示している。なお、この例では、原稿Gの画像を読み取るときの発光光量での白基準部材318aの読取値Lsは、閉じ検知時(原稿押さえ板319を閉じる毎)に、原稿Gの画像を読み取るときよりも少ない発光光量での白基準部材318aの読取値Lcを読み取るときに読み取った値を用いる。
【0177】
図12に示す制御例では、先ず、開閉検知部260にて原稿押さえ板319の開閉を検出し(ステップS1)、記憶部520から読み出した設定テーブルL2に基づき原稿有無検知部280にて原稿台ガラス201a上の原稿Gの有無を検出すると共に、記憶部520から読み出した設定テーブルL1に基づき原稿サイズ検知部270にて原稿Gのサイズ検出する(ステップS2)。
【0178】
次に、原稿台ガラス201a上に原稿Gが有る場合には(ステップS3:Yes)、ステップS4を経てステップS6へ移行する一方、原稿台ガラス201a上に原稿Gが無い場合には(ステップS3:No)、ステップS5を経てステップS6へ移行する。
【0179】
ステップS4では、記憶部520から読み出した設定テーブルL3に基づき原稿領域内の発光素子又は発光素子ブロックを点灯させ、原稿領域以外の発光素子又は発光素子ブロックを消灯させる。
【0180】
ステップS5では、原稿Gが原稿台ガラス201aに載置されておらず、光源211の点灯光をさえぎるものがないため、原稿Gの画像を読み取るときの発光光量よりも少ない所定の発光光量で発光素子212(1)〜212(n)又は発光素子ブロックBL(1)〜BL(h)の全部或いは一部を点灯させる。
【0181】
ここで、発光素子212(1)〜212(n)又は発光素子ブロックBL(1)〜BL(h)の発光光量が少な過ぎると、白基準部材318aを読み取ったときの電圧に対してノイズの割合が多くなるため、精度のよい光量の補正を行うことが困難となる。従って、眩しさの軽減と補正精度との両立を考慮して、所定の発光光量は、例えば、原稿Gの画像を読み取るときの発光光量の70%程度であることが好ましい。
【0182】
次に、待機位置V1に位置する光源ユニット210を発光素子212(1)〜212(n)又は発光素子ブロックBL(1)〜BL(h)を点灯させた状態で白基準部材318a側へ移動させる(ステップS6)。
【0183】
そして、ステップS7では、白基準部材318aの読取値(原稿Gの画像を読み取るときの発光光量の場合には読取値Ls、原稿Gの画像を読み取るときの発光光量よりも少なくした発光光量の場合には読取値Lc)を光電変換素子205で読み取って光量レベルを検出する。このとき、原稿Gの画像を読み取るときの発光光量よりも少ない発光光量の場合には、原稿Gの画像を読み取るときの発光光量での白基準部材318aの読取値Lsも光電変換素子205で読み取って光量レベルを検出しておく。ここで、光源ユニット210が原稿読取ガラス201bの下側に移行する場合には、原稿読取ガラス201bに達する前に発光素子212(1)〜212(n)又は発光素子ブロックBL(1)〜BL(h)を消灯させてもよい。
【0184】
次に、基準読取値と読取値とを比較する(ステップS8)。具体的には、ステップS8では、原稿Gの画像を読み取るときの発光光量の場合には、記憶部520から読み出した基準読取値Liと読取値Lsとを比較するか、或いは、原稿Gの画像を読み取るときの発光光量よりも少なくした発光光量の場合には、[(読取値Lc/読取値Ls)×基準読取値Li]の式で算出した低光量用基準読取値Lixと読取値Lcとを比較する。
【0185】
次に、光源211の光量レベル(ここでは電圧)を補正し(ステップS9)、処理を終了する。
【符号の説明】
【0186】
100 画像読取装置
200 原稿読取部
201a 原稿台ガラス(原稿載置用透明体の一例)
201b 原稿読取ガラス(原稿読取用透明体の一例)
204 集光レンズ
205 光電変換素子(画像読取部の一例)
210 光源ユニット(光源部の一例)
211 光源
212(1)〜212(n) 発光素子
260 開閉検知部(開閉検知手段の一例)
261 アクチュエータ部
261a 開閉検知レバー
261b ストッパー部
261c 付勢部材
262 被検知部
263 センサ部
270 原稿サイズ検知部(原稿サイズ検知手段の一例)
271〜273 原稿サイズセンサ
280 原稿有無検知部(原稿有無検知手段の一例)
281 原稿有無センサ
300 自動原稿送り装置(原稿押さえ部材の一例)
318 原稿ガイド部材
318a 白基準部材
319 原稿押さえ板
400 制御部
410 主制御部
420 原稿読取制御部
430 画像処理部
440 発光素子制御部
441 点灯制御部(点灯制御手段の一例)
442 光量制御部(光量制御手段の一例)
450 光量補正制御部
460 比較部
470 駆動制御部
510 信号処理部
520 記憶部(記憶手段の一例)
530 光学系駆動部
610 回動部材
611 固定部
612 回動部
BL(1)〜BL(h) 発光素子ブロック
D 画像形成装置
G 原稿
Lc 読取値
Li 基準読取値
Lix 低光量用基準読取値
Ls 読取値
R1〜R4 受光部
S1〜S4 照射部
V1 待機位置
V2 読取位置
X 主走査方向
Y 副走査方向
θ 角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を載置する原稿載置用透明体と、
前記原稿載置用透明体に対して開閉可能に構成されて該原稿載置用透明体に対して閉じることにより該原稿載置用透明体上に載置された前記原稿を押さえる原稿押さえ部材と、
前記原稿押さえ部材の開閉を検知する開閉検知手段と、
前記原稿の画像を読み取るために前記原稿載置用透明体を介して該原稿を照明する複数の発光素子を主走査方向に列設した光源を有する光源部と
を備えた画像読取装置であって、
前記複数の発光素子のうち、発光素子毎に或いは連続する複数の発光素子からなる発光素子ブロック毎に点灯及び消灯の制御を行う点灯制御手段と、
前記原稿載置用透明体上に載置された原稿のサイズを検知する原稿サイズ検知手段とを備え、
前記開閉検知手段にて前記原稿押さえ部材が閉じていることを検出した場合に、前記原稿の画像の読み取り動作に先立って前記点灯制御手段にて前記発光素子又は発光素子ブロックを点灯させるときには、前記原稿サイズ検知手段にて検出した該原稿のサイズの検出結果に基づいて、前記点灯制御手段にて前記光源部における前記発光素子又は発光素子ブロックのうち、該原稿のサイズに対応する原稿領域の前記発光素子又は発光素子ブロックを点灯させる一方、前記原稿領域以外の前記発光素子又は発光素子ブロックを消灯させることを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像読取装置であって、
前記発光素子又は発光素子ブロックの発光光量を制御する光量制御手段を備え、
前記開閉検知手段にて前記原稿押さえ部材が閉じていることを検出した場合に、前記原稿の画像の読み取り動作に先立って前記点灯制御手段にて前記発光素子又は発光素子ブロックを点灯させるときには、前記光量制御手段にて該発光素子又は発光素子ブロックの発光光量を、該原稿の画像を読み取るときの発光光量よりも少なくするように制御することを特徴とする画像読取装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の画像読取装置であって、
前記原稿載置用透明体上に前記原稿が載置されているか否かを検知する原稿有無検知手段と、
前記発光素子又は発光素子ブロックの発光光量を制御する光量制御手段と
を備え、
前記開閉検知手段にて前記原稿押さえ部材が閉じていることを検出した場合であって、前記原稿有無検知手段にて前記原稿が前記原稿載置用透明体上に載置されていないことを検出した場合に、前記原稿の画像の読み取り動作に先立って前記点灯制御手段にて前記発光素子又は発光素子ブロックを点灯させるときには、前記光量制御手段にて該発光素子又は発光素子ブロックの発光光量を、該原稿の画像を読み取るときの発光光量よりも少なくするように制御することを特徴とする画像読取装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像読取装置であって、
前記開閉検知手段にて前記原稿押さえ部材が閉じていることを検出した場合であって、前記原稿有無検知手段にて前記原稿が前記原稿載置用透明体上に載置されていないことを検出した場合に、前記原稿の画像の読み取り動作に先立って前記点灯制御手段にて前記発光素子又は発光素子ブロックを点灯させるときには、該発光素子又は発光素子ブロックの全部を点灯させることを特徴とする画像読取装置。
【請求項5】
請求項3に記載の画像読取装置であって、
前記開閉検知手段にて前記原稿押さえ部材が閉じていることを検出した場合であって、前記原稿有無検知手段にて前記原稿が前記原稿載置用透明体上に載置されていないことを検出した場合に、前記原稿の画像の読み取り動作に先立って前記点灯制御手段にて前記発光素子又は発光素子ブロックを点灯させるときには、該発光素子又は発光素子ブロックの一部を点灯させることを特徴とする画像読取装置。
【請求項6】
請求項1又は請求項2に記載の画像読取装置であって、
前記光源部を副走査方向に移動させつつ前記原稿載置用透明体上に載置された前記原稿を前記主走査方向に走査して該原稿載置用透明体を介して画像読取部で読み取る構成とされており、
前記発光素子又は発光素子ブロックの発光光量を制御する光量制御手段と、
前記光源部が移動する移動領域のうち、前記原稿の読取領域以外の領域に設けられた白基準部材と、
前記白基準部材の前記原稿の画像を読み取るときの基準となる基準読取値を記憶する記憶手段と
を備え、
前記開閉検知手段にて前記原稿押さえ部材が閉じていることを検出した場合に、前記原稿の画像の読み取り動作に先立って前記点灯制御手段にて前記発光素子又は発光素子ブロックを点灯させるときには、該発光素子又は発光素子ブロックを点灯させた状態で前記光源部を前記白基準部材側へ移動させて該白基準部材を前記画像読取部で読み取り、読み取った該白基準部材の読取値と、前記記憶手段にて予め記憶されている前記基準読取値とを比較し、比較した比較結果に基づいて前記光量制御手段にて前記原稿の画像を読み取るときに発光する前記発光素子又は発光素子ブロックの発光光量の光量補正制御を行うことを特徴とする画像読取装置。
【請求項7】
請求項3から請求項5までの何れか一つに記載の画像読取装置であって、
前記光源部を副走査方向に移動させつつ前記原稿載置用透明体上に載置された前記原稿を前記主走査方向に走査して該原稿載置用透明体を介して画像読取部で読み取る構成とされており、
前記光源部が移動する移動領域のうち、前記原稿の読取領域以外の領域に設けられた白基準部材と、
前記白基準部材の前記原稿の画像を読み取るときの基準となる基準読取値を記憶する記憶手段と
を備え、
前記開閉検知手段にて前記原稿押さえ部材が閉じていることを検出した場合であって、前記原稿有無検知手段にて前記原稿が前記原稿載置用透明体上に載置されていることを検出した場合に、前記原稿の画像の読み取り動作に先立って前記点灯制御手段にて前記発光素子又は発光素子ブロックを点灯させるときには、該発光素子又は発光素子ブロックを点灯させた状態で前記光源部を前記白基準部材側へ移動させて該白基準部材を前記画像読取部で読み取り、読み取った該白基準部材の読取値と、前記記憶手段にて予め記憶されている前記基準読取値とを比較し、比較した比較結果に基づいて前記光量制御手段にて前記原稿の画像を読み取るときに発光する該発光素子又は発光素子ブロックの発光光量の光量補正制御を行うことを特徴とする画像読取装置。
【請求項8】
請求項6又は請求項7に記載の画像読取装置であって、
原稿を読み取るための原稿読取用透明体を備え、
前記原稿読取用透明体上を通過するように前記副走査方向に搬送される前記原稿を読取位置に位置する前記光源部にて前記主走査方向に走査して該原稿読取用透明体を介して前記画像読取部で読み取る構成とされており、
前記原稿読取用透明体は、前記白基準部材を間にして前記読取領域とは反対側に設けられており、
前記開閉検知手段にて前記原稿押さえ部材が閉じていることを検出した場合に、前記原稿の画像の読み取り動作に先立って前記点灯制御手段にて前記発光素子又は発光素子ブロックを点灯させるときには、前記光源部を前記原稿読取用透明体へ向けて移動させながら該発光素子又は発光素子ブロックからの光を前記白基準部材に照射して該白基準部材を前記画像読取部で読み取り、該光源部が該原稿読取用透明体に達する前に該発光素子又は発光素子ブロックを消灯させることを特徴とする画像読取装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8までの何れか一つに記載の画像読取装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−104877(P2012−104877A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−248971(P2010−248971)
【出願日】平成22年11月5日(2010.11.5)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】