説明

画像読取装置

【課題】円滑な原稿搬送を行なうことにより、ノイズの少ない高画質の画像読取を行なうことが可能な画像読取装置を提供する。
【解決手段】画像読取装置は、原稿Aを積載するための給紙トレイと、給紙トレイ上から読取位置420に向けて1枚ずつ原稿Aを搬送する原稿搬送部800と、読取位置420を通過中の原稿の画像を透過させるプラテンガラス410と、プラテンガラス410を透過した原稿Aの画像を読み取るイメージリーダ部と、読取位置420を通過した原稿Aの搬送をガイドする搬送ガイド部900とを備える。搬送ガイド部900の表面には、原稿Aの搬送ガイド部900への静電吸着を防止するための帯電防止シートを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置に関し、特に、読取位置を通過した原稿の搬送をガイドする搬送ガイド部を有する画像読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、ファクシミリ、イメージスキャナおよび複合機における画像読取方式は、原稿固定方式と原稿搬送方式とに分けられる。原稿搬送方式を用いる場合、原稿の搬送速度を高い精度で一定に保つことが重要である。
【0003】
特開2005−8309号公報(特許文献1)には、画像が読み取られた後の原稿をすくい上げながら排紙収納部に向かわせる画像読取装置において、読取位置を通過した原稿の先端が当接するすくい上げ部のガイド面の形状を、原稿の先端の一部が当接した後、原稿先端の他の部分が当接して原稿をすくい上げるような形状とすることが記載されている。
【0004】
また、特開平10−3243号公報(特許文献2)には、画像形成装置の作像ユニットにおいて、転写紙の感光体への進入部近傍に導電性シートを貼付することにより、搬送ガイド中の転写紙への放電を防止することが記載されている。
【特許文献1】特開2005−8309号公報
【特許文献2】特開平10−3243号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような画像読取装置において、読取位置を通過した原稿先端がガイド部に貼り付き、搬送速度が変化した場合、読取画像にゆがみや色ずれなどの不具合が発生することになる。これに対し、特許文献1では、上記のような構成を採用することにより、原稿すくい上げ時の衝撃を少なくすることができるので、安定した原稿画像の読取を行なうことができるとされている。しかしながら、ガイド面を構成する素材によっては、摩擦抵抗や表面抵抗値が高く、結果として、原稿がガイド面に静電吸着されて搬送速度が変化する場合がある。なお、特許文献2に記載の発明は、画像形成装置に関するものであり、画像読取装置に関する本発明とは、前提および構成が全く異なるものである。
【0006】
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、円滑な原稿搬送を行なうことにより、ノイズの少ない高画質の画像読取を行なうことが可能な画像読取装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る画像読取装置は、原稿を積載するためのトレイと、トレイ上から読取位置に向けて1枚ずつ原稿を搬送する原稿搬送部と、読取位置を通過中の原稿の画像を透過させる読取ガラスと、読取ガラスを透過した原稿の画像を読み取る画像読取部と、読取位置を通過した原稿の搬送をガイドする搬送ガイド部とを備える。搬送ガイド部は、台座部と、台座部における原稿側の表面の少なくとも一部に設けられ、台座部の摩擦係数よりも低い摩擦係数を有し、かつ、台座部の表面抵抗値よりも低い表面抵抗値を有するシートとを含む。
【0008】
なお、本願明細書において、『摩擦係数』は『JIS K 7125』に示す方法で測定された動摩擦係数を意味し、『表面抵抗値』は『JIS K 6911』で測定されたものを意味する。
【0009】
上記構成によれば、摩擦係数および表面抵抗値が低いシートを搬送ガイド部の台座部上に設けることにより、読取位置を通過した原稿が搬送ガイド部に静電吸着することによる搬送速度のムラを抑制することができる。この結果、ノイズの少ない高画質の画像読取を行なうことが可能となる。
【0010】
1つの局面では、上記画像読取装置において、搬送ガイド部は、読取位置を通過した原稿をすくい上げるようにガイドする形状を有する。
【0011】
上記のように、搬送ガイド部により原稿をすくい上げるようにガイドすることにより、原稿の搬送経路の幅を短縮することができるので、画像読取装置を小型化することができる。このような『すくい上げガイド』を行なうと、原稿が台座部に静電吸着しやすい状況となるが、上記シートを搬送ガイド部の台座部上に設けることにより、読取位置を通過した原稿が搬送ガイド部に静電吸着することを抑制することができる。すなわち、搬送速度ムラの発生を抑制することと、画像読取装置の小型化とを両立することができる。
【0012】
1つの局面では、上記画像読取装置において、搬送ガイド部は、原稿側の表面の一部に原稿側に向けて突出し、原稿の搬送方向に沿って延びる突出部を有し、突出部における原稿側の表面にシートを設ける。
【0013】
上記のように、搬送ガイド部の表面の一部に突出部を設け、該突出部上にシートを設けることにより、搬送ガイド部と原稿との接触面積を低減することができるので、静電吸着をさらに効果的に抑制することができる。
【0014】
1つの局面では、上記画像読取装置において、原稿の搬送方向と交差する方向に並ぶように突出部を複数設ける。
【0015】
上記のように、突出部を複数設けることにより、幅の狭い原稿から幅の広い原稿まで上記静電吸着防止の効果を得ることができる。
【0016】
1つの局面では、上記画像読取装置において、原稿は、読取ガラスと離間した状態で読取位置上を通過する。
【0017】
上記のように、原稿が読取ガラスと離間した状態で搬送される場合、原稿が搬送ガイド部に静電吸着することによる影響が大きくなる。これに対し、本発明に係る画像読取装置によれば、原稿が読取ガラスと離間した状態で搬送される場合であっても、搬送速度ムラを抑制して、ノイズの少ない高画質の画像読取を行なうことが可能である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、原稿が搬送ガイド部に静電吸着されることを抑制することができるので、円滑な原稿搬送を行なうことができる。この結果、ノイズの少ない高画質の画像読取を行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に、本発明の実施の形態について説明する。なお、同一または相当する部分に同一の参照符号を付し、その説明を繰返さない場合がある。
【0020】
なお、以下に説明する実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。また、以下の実施の形態において、各々の構成要素は、特に記載がある場合を除き、本発明にとって必ずしも必須のものではない。また、以下に複数の実施の形態が存在する場合、特に記載がある場合を除き、各々の実施の形態の構成を適宜組合わせることは、当初から予定されている。
【0021】
図1は、本発明の1つの実施の形態に係る画像読取装置が適用される複写機の構成を示す概略図である。図1を参照して、本発明の実施の形態に従う複写機1000は、原稿搬送装置1と、これに連結された画像形成装置2とを含む。画像形成装置2は、原稿面の画像を読み取り一旦メモリに記憶して、必要により各種の画像編集処理をしたのち、周知の電子写真方式によって記録用紙上に画像を形成し、排出部からコピー済み用紙を1枚ずつ排出する、いわゆるデジタル複写機と称されるものである。
【0022】
複写機1000は、画像形成装置2の上部に原稿搬送装置1が搭載された構造を有している。また、複写機1000は、給紙トレイ100と、原稿搬送制御部200と、排紙トレイ300と、イメージリーダ部400と、制御部500と、画像形成部600と、給紙部700とを含む。
【0023】
原稿搬送装置1は、給紙トレイ100上にセットされた1枚または複数枚の原稿を1枚ずつ搬送し、画像形成装置2が有するイメージリーダ部400によって画像を読込ませ、画像読み取り終了後に当該原稿を排紙トレイ300上に排出して積載するものであり、両面原稿の場合は、表面と裏面の双方の画像を複写機1000が有するイメージリーダ部400を通過するように搬送した後、排紙トレイ300に排出する。これらの原稿搬送制御は、原稿搬送制御部200にて行なわれる。
【0024】
原稿搬送装置1または手置きなどにより図示しないプラテンガラス上にセットされた原稿は、画像形成装置2に内蔵されているイメージリーダ部400によってその画像が読み取られ、デジタルデータに変換されて制御部500のメモリに格納される。画像形成部600は、制御部500のメモリから画像データを読み出して給紙部700から供給される記録用紙Pに対して、画像の印刷処理を実行し、排出する。
【0025】
図2は、複写機1000に含まれる原稿搬送部800を示す図である。原稿搬送部800は、給紙トレイ100上から原稿の読取位置に向けて1枚ずつ原稿を搬送するものである。
【0026】
図2を参照して、原稿搬送部800は、フレーム801に覆われ、内部に複数の搬送ローラ等が設けられる。具体的には、搬送すべき原稿Aの束の最上部の原稿Aに当接し、原稿搬送部800の内部に搬送するピックアップコロ802と、原稿Aを1枚ずつに分離するフィードコロ803およびリバースコロ804と、1枚に分離された原稿Aを搬送するとともに原稿の斜行を補正するレジストローラ805,806と、レジストローラ805,806により送られた原稿Aをプラテンガラス410上の読取位置420に搬送する読取前ローラ808および読取前ローラ808と対をなす読取加圧コロ809と、読取位置通過後の原稿Aを排出トレイ300に搬送する読取後ローラ810および読取後ローラ810と対をなす搬送加圧コロ811とを有している。読取加圧コロ809と読取前ローラ808とが原稿Aを挟む圧力は加圧バネ807により発生しているものとする。
【0027】
また、原稿搬送部800では、レジストローラ805,806から読取前ローラ808の搬送経路において、図2に示すような弓状の湾曲路が設けられている。
【0028】
また、読取位置420における原稿Aを読み取る際の搬送速度は読取前ローラ808の搬送速度が基準となっているものとする。
【0029】
次に、原稿搬送部800の動作について説明する。
まず、ピックアップコロ802が原稿Aに当接する。ピックアップコロ802と当接した原稿Aは、ピックアップコロ802の回転により、フィードコロ803とリバースコロ804とからなるローラ対に送られて1枚の原稿Aに分離されるとともに、搬送経路L1を通ってレジストローラ805,806に送られる。
【0030】
レジストローラ805,806は、原稿Aの斜行を補正して、搬送経路L2を通って読取前ローラ808に搬送する。読取前ローラ808は、読取前ローラ808の回転による搬送速度で原稿Aを読取位置420に搬送し、読取位置420を通過させる。
【0031】
また、読取位置420を通過させることにより原稿の読取が始まるように制御される。
具体的には、原稿Aの上面(表面)の読取が行なわれる。
【0032】
そして、読取前ローラ808により搬送される原稿Aの搬送方向の先端が読取後ローラ810に達すると、原稿Aは、読取前ローラ808と読取後ローラ810の双方により搬送される。そして、原稿Aの後端が読取前ローラ808を抜けると、読取後ローラ810により搬送が行なわれる。そして、排出ローラ812により原稿Aが排出される。
【0033】
両面原稿の読取の場合には、原稿Aは、排出ローラ812から搬送経路L3を通って再びレジストローラ805,806に搬送される。そして、レジストローラ805,806は、搬送経路L3を通って搬送されてきた原稿Aを再び読取前ローラ808に搬送する。そして、原稿Aは、読取前ローラ808から再び、読取位置420に搬送されて、原稿Aの下面(裏面)の読取が行なわれる。その後、原稿Aは、読取後ローラ810に搬送されて、排出ローラ812により排出トレイ300に排出される。
【0034】
原稿Aの読取位置420と読取後ローラ810との間には、読取位置420を通過した原稿Aをすくい上げるようにガイドする搬送ガイド部900が設けられている。本実施の形態に係る複写機1000は、この搬送ガイド部900に特徴部分を有している。
【0035】
図3は、複写機1000に含まれる搬送ガイド部900の一例を示す図である。図3を参照して、本実施の形態に係る複写機1000では、搬送ガイド部900の表面に、低摩擦でかつ原稿Aの帯電を防止することが可能な帯電防止シート930を設けることを特徴としている。
【0036】
なお、搬送ガイド部900の基材(後述の台座部910)の材料としては、一般的な樹脂材料(たとえば、帝人化成株式会社製のPC/ABSであるTN−7500)を用い、帯電防止シート930としては、たとえば日東電工株式会社製の超高分子ポリエチレンフィルムであるNo.443またはNo.4430(以下、「試料1」と称する。)を用いることが可能である。
【0037】
図4は、搬送ガイド部900の変形例を示す図である。また、図5は、図4に示す変形例の分解斜視図である。図4,図5の例では、搬送ガイド部900の台座部910の一部にリブ920を設け、リブ920上に帯電防止シート930を取り付けている。なお、リブ920および帯電防止シート930は、原稿Aの搬送方向に対して直交する方向に並ぶように複数設けられている。また、リブ920および帯電防止シート930の幅は、適宜変更可能であるが、一例としては、たとえば10mm程度である。また、帯電防止シート930の形状は、図4,図5に示すような矩形形状(短冊形状)に限定されず、たとえば、図6に示すような台形形状であってもよいし、図7に示すような三角形形状であってもよい。他の観点では、図6に示すように、原稿Aの搬送方向の下流側に向かって幅が減少するものであってもよいし、図7に示すように、原稿Aの搬送方向の下流側に向かって幅が増大するものであってもよい。ずなわち、図6,図7に示すように、搬送方向に沿って幅が変動するものであってもよい。
【0038】
帯電防止シート930は、搬送ガイド部900の基材(台座部910)に対して摩擦係数が低く、かつ、表面抵抗値が低いという特性を有する。具体的には、台座部910を構成する樹脂の摩擦係数が、たとえば0.5程度であるのに対し、帯電防止シート930の摩擦係数は、たとえば0.1以上0.2以下程度である。また、台座部910を構成する樹脂の表面抵抗値が、たとえば1016Ω程度であるのに対し、帯電防止シート930の表面抵抗値は、たとえば106Ω程度である。
【0039】
図8は、図4に示す搬送ガイド部900の断面図である。図8に示すように、典型的な例では、リブ920上に設けられる帯電防止シート930は、搬送ガイド部900の長手方向全体にわたって設けられている。しかし、帯電防止シート930を設ける範囲はこれに限定されるものではなく、たとえば、図9に示すように、搬送ガイド部900におけるプラテンガラス410に隣接する領域にのみ設けてもよい。
【0040】
図12,図13は、比較例に係る搬送ガイド部900を示す断面図である。図12,図13の例では、搬送ガイド部900の表面に帯電防止シート930が設けられていない。
【0041】
図12に示す例では、プラテンガラス410の上面と搬送ガイド部900の上面とが連続するように形成されている。このため、何枚かの原稿Aが搬送ガイド部900上を通過すると、原稿Aと搬送ガイド900との摺動によって静電気がたまり、原稿Aの先端が搬送ガイド部900の表面に静電吸着するようになる。この結果、読取位置420での原稿搬送速度が一瞬遅くなり(搬送速度ムラ)、読取画像にゆがみや色ずれが生じる場合がある。
【0042】
図13に示す例では、静電吸着への対策として、プラテンガラス410の上面と搬送ガイド部900の上面との間に段差を形成している。このようにすることで、原稿Aの先端が搬送ガイド部900に貼り付き難くなる。しかし、この場合は、原稿Aの先端が段差に落ち込むことにより、結果として、図12の場合と同様に、搬送速度ムラが発生する場合がある。
【0043】
また、単に原稿Aと搬送ガイド部900との接触面積を低減するためにリブを設けたり、搬送ガイド部900の表面にPETフィルムを貼り付けたりするだけでは、耐磨耗性が十分でなく、原稿の通過に伴なって表面が磨耗し、その削れ粉がプラテンガラス410上に付着し、画像に筋状のノイズが発生する場合がある。
【0044】
これに対し、本実施の形態に係る複写機1000では、上記のように、摩擦係数および表面抵抗値が低い帯電防止シート930を搬送ガイド部900の台座部910上に設けることにより、読取位置420を通過した原稿Aが搬送ガイド部900に静電吸着することによる搬送速度のムラを抑制することができる。この結果、ノイズの少ない高画質の画像読取を行なうことが可能となる。
【0045】
また、図4,図5の例のように、搬送ガイド部900の表面の一部にリブ920(突出部)を設け、リブ920上に帯電防止シート930を設けることにより、搬送ガイド部900と原稿Aとの接触面積を低減することができるので、静電吸着をさらに効果的に抑制することができる。また、リブ920の上に帯電防止シート930を設けることにより、帯電防止シート930の取付位置が明確になるので、組み立て性も向上する。さらに、リブ920を複数設けることにより、幅の狭い原稿から幅の広い原稿まで上記静電吸着防止の効果を得ることができる。
【0046】
複写機1000において、搬送ガイド部900は、読取位置420を通過した原稿Aをすくい上げる『すくい上げガイド』を行なう。これにより、原稿Aの搬送経路の幅を短縮し、画像読取装置を小型化することができるが、原稿Aが台座部910に静電吸着しやすい状況となる。しかし、上述の帯電防止シート930を搬送ガイド部900の台座部910上に設けることにより、読取位置420を通過した原稿Aが搬送ガイド部900に静電吸着することを抑制することができる。すなわち、本実施の形態によれば、搬送速度ムラの発生を抑制することと、画像読取装置の小型化とを両立することができる。
【0047】
なお、搬送ガイド部900によるガイドの形態は、上述の『すくい上げガイド』に限定されず、たとえば、図10に示すように、平面状のガイドであってもよいし、図11に示すように、下向きに傾斜するようにガイドしてもよい。
【0048】
また、複写機1000において、原稿Aは、プラテンガラス410と離間した状態で読取位置420上を通過する。このような場合、原稿Aが搬送ガイド部900に静電吸着することによる影響が大きくなる傾向にある。これに対し、本発明に係る複写機1000では、原稿Aがプラテンガラス410と離間した状態で搬送される場合であっても、搬送速度ムラを抑制して、ノイズの少ない高画質の画像読取を行なうことが可能である。
【0049】
なお、本願発明者らは、上述の試料1の他、表1に示す試料2〜試料4について、帯電防止シート930としての適性を検討した。この結果、表面抵抗値の大きい試料3および試料4に対して、表面抵抗値の小さい試料1および試料2の方が、搬送速度ムラが少なく、よりノイズの少ない高画質の画像読取が可能であることが確認された。
【0050】
【表1】

【0051】
上述した内容について要約すると、以下のようになる。すなわち、本実施の形態に係る「画像読取装置」としての複写機1000は、原稿Aを積載するための給紙トレイ100と、給紙トレイ100上から読取位置420に向けて1枚ずつ原稿Aを搬送する原稿搬送部800と、読取位置420を通過中の原稿の画像を透過させるプラテンガラス410と、プラテンガラス410を透過した原稿Aの画像を読み取るイメージリーダ部400と、読取位置420を通過した原稿Aの搬送をガイドする搬送ガイド部900とを備える。搬送ガイド部900は、台座部910と、台座部910における原稿A側の表面の少なくとも一部に設けられ、台座部910の摩擦係数よりも低い摩擦係数を有し、かつ、台座部の表面抵抗値よりも低い表面抵抗値を有する帯電防止シート930とを含む。
【0052】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の1つの実施の形態に係る画像読取装置を含む複写機の構成を示す概略図である。
【図2】図1に示す複写機に含まれる原稿搬送装置の断面図である。
【図3】図1に示す複写機に含まれる搬送ガイド部の一例を示す図である。
【図4】搬送ガイド部の変形例を示す図である。
【図5】図4に示す搬送ガイド部の分解斜視図である。
【図6】図4に示す搬送ガイド部に取り付けるシート部材の変形例を示す図である。
【図7】図4に示す搬送ガイド部に取り付けるシート部材の他の変形例を示す図である。
【図8】図4に示す搬送ガイド部の断面図である。
【図9】図4に示す搬送ガイド部の変形例の断面図である。
【図10】図4に示す搬送ガイド部の他の変形例の断面図である。
【図11】図4に示す搬送ガイド部のさらに他の変形例の断面図である。
【図12】1つの比較例に係る搬送ガイド部を示す断面図である。
【図13】他の比較例に係る搬送ガイド部を示す断面図である。
【符号の説明】
【0054】
1 原稿搬送装置、2 画像形成装置、100 給紙トレイ、200 原稿搬送制御部、300 排紙トレイ、400 イメージリーダ部、410 プラテンガラス、420 読取位置、500 制御部、600 画像形成部、700 給紙部、800 原稿搬送部、801 フレーム、802 ピックアップコロ、803 フィードコロ、804 リバースコロ、805,806 レジストローラ、807 加圧バネ、808 読取前ローラ、809 読取加圧コロ、810 読取後ローラ、811 搬送加圧コロ、900 搬送ガイド部、910 台座部、920 リブ、930 帯電防止シート、1000 複写機、A 原稿。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を積載するためのトレイと、
前記トレイ上から読取位置に向けて1枚ずつ原稿を搬送する原稿搬送部と、
前記読取位置を通過中の前記原稿の画像を透過させる読取ガラスと、
前記読取ガラスを透過した前記原稿の画像を読み取る画像読取部と、
前記読取位置を通過した前記原稿の搬送をガイドする搬送ガイド部とを備え、
前記搬送ガイド部は、
台座部と、
前記台座部における前記原稿側の表面の少なくとも一部に設けられ、前記台座部の摩擦係数よりも低い摩擦係数を有し、かつ、前記台座部の表面抵抗値よりも低い表面抵抗値を有するシートとを含む、画像読取装置。
【請求項2】
前記搬送ガイド部は、前記読取位置を通過した前記原稿をすくい上げるようにガイドする形状を有する、請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記搬送ガイド部は、前記原稿側の表面の一部に前記原稿側に向けて突出し、前記原稿の搬送方向に沿って延びる突出部を有し、
前記突出部における前記原稿側の表面に前記シートを設けた、請求項1または請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記原稿の搬送方向と交差する方向に並ぶように前記突出部を複数設けた、請求項3に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記原稿は、前記読取ガラスと離間した状態で前記読取位置上を通過する、請求項1から請求項4のいずれかに記載の画像読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−278533(P2009−278533A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−129718(P2008−129718)
【出願日】平成20年5月16日(2008.5.16)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】