説明

画像読取装置

【課題】原稿のサイズを検知するサイズセンサ付きの画像読取装置において、筐体の外形をより小さくすることが可能な画像読取装置を提供する。
【解決手段】サイズ検知手段82は、原稿台の下方から原稿台に向けて光を照射する発光手段91と、原稿により反射された反射光を受光する受光手段92とを一対とする光センサ90を二組有している。各発光手段91及び受光手段92は、光センサ90における発光手段91と受光手段92を結ぶ線同士が一直線になるように1つの基板93上に形成される。また、サイズ検知手段82は、発光手段91と受光手段92を結ぶ線と、画像読取手段81の移動方向とが平行になるように、画像読取手段81が移動する範囲に含まれない筐体内部の一側縁に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿の画像を読み取る画像読取装置において、特に、原稿台に載置された原稿のサイズを検知するサイズセンサ付きの画像読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
原稿台に載置された原稿のサイズを検知し、その原稿の画像を読み取る画像読取装置が各種知られている。
【0003】
まず、一般的な画像読取装置について説明する。図9は、一般的な画像読取装置の一例を示す説明図である。また、図10は、図9に例示する一般的な画像読取装置に原稿2を置いた状態を示す説明図である。図9に例示する画像読取装置は、筐体11の内部に、光学モジュール1と、サイズセンサ3とを備えている。光学モジュール1は、図10の矢印Sが示す副走査方向に移動して、原稿2の画像を読み取る。サイズセンサ3は、筐体底面12に設けられ、原稿2のサイズ(長さ)を判別する。
【0004】
図11は、図9に例示する一般的な画像読取装置においてサイズセンサ3が実装された状態を示す説明図である。サイズセンサ3は、発光部5と、受光部6と、コネクタ8とを含む。発光部5と、受光部6と、コネクタ8とは、基板7上に形成されている。また、光学モジュール1と、サイズセンサ3との間には、ケーブルホルダ24が設けられる。
【0005】
ここで、サイズセンサ3が原稿2のサイズを判断する方法について説明する。図12は、サイズセンサ3の動作を示す説明図である。サイズセンサ3上に原稿2がある場合、発光部5から出力された射出光9が原稿2にあたり、その反射光10が受光部6により受光される。サイズセンサ3は、この反射光10を受光することで、原稿2がその位置に存在すると判断する。一方、サイズセンサ3上に原稿2がない場合、発光部5から出力された射出光9は、原稿2で反射しない。したがって、受光部6が反射光10を受光しないため、サイズセンサ3は、原稿2がその位置に存在しないと判断する。
【0006】
図10では、上記サイズサイズセンサ3を2つ並べた状態を示している。上述の通り、サイズセンサ3上に原稿2が存在するか否かを各サイズセンサ3が判定する。そして、画像読取装置は、各サイズセンサ3の判定結果の組合せに基づいて、原稿2のサイズ(長さ)を確定する。
【0007】
次に、光学モジュール1が画像読取走査を行う方法について説明する。図13は、図9に例示する一般的な画像読取装置の内部状態を示す説明図である。図13に示す画像読取装置の筐体11内部には、光学モジュール1のほか、ワイヤ16と、レール17と、ドラム18と、モータ19と、ランプ20とが含まれる。ランプ20は、光学モジュール1に実装され、画像を読み取るための光を原稿2に照射する。
【0008】
光学モジュール1は、筐体11内のレール17に乗せられ、光学モジュール1の両端にはワイヤ16が連結される。また、光学モジュール1に連結された各ワイヤ16は、ドラム18に巻きついており、そのドラム18は、モータ19の駆動により回転する。このような構成において、モータ19が駆動してドラム18を回転させることにより、ワイヤ16が巻き上げられる。このようにして、光学モジュール1は、ドラム18の方向に牽引される。このとき、牽引された光学モジュール1は、原稿2と平行に移動して、画像読取走査を行う。
【0009】
次に、光学モジュール1の構成について説明する。図14は、図9に例示する一般的な画像読取装置の断面A−Aを示す説明図である。光学モジュール1は、CCD(Charge Coupled Device)21と、ミラー22と、レンズ23とを備えている。なお、光学モジュール1は、矢印Sの示す副走査方向に移動する。ランプ20から照射された光が原稿2へあたると、原稿2にあたった光が数枚のミラー22によって反射を繰り返す。その後、反射された光は、レンズ23で集光される。そして、集光された光がCCD21の画素面にあたると、CCD21は、電荷を電気信号へと変換する。このようにして、光学モジュール1は、原稿2の画像を読み取る。
【0010】
また、特許文献1には、原稿台に載置された原稿のサイズを判定する原稿読取装置が記載されている。特許文献1に記載された原稿読取装置では、底板上で且つ光学ユニット走行に干渉しない位置に原稿検出センサが取り付けられ、この原稿検出センサが、原稿台上に置かれた原稿を光学的に検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平7−23182号公報(段落0027、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
図9に例示する一般的な画像読取装置は、図11に示すように、サイズセンサ3を2個別々に実装している。そのため、筐体11中央部に実装スペースが必要になり、装置平面方向の外形が大きくなってしまうという問題がある。また、一般的な画像読取装置では、図14に示すように、光学モジュール1が通過する真下にサイズセンサ3が実装される。そのため、サイズセンサ3が光学モジュール1と接触しないように、筐体底面12を、筐体11の下側に飛び出した形状にする必要がある。具体的には、図14に示すように、筐体11内部に、筐体底面12にサイズセンサ3を固定するためのサイズセンサ固定部品13が必要になる。そのため、サイズセンサ固定部品13の高さ分、筐体11の外形が高さ方向に大きくなってしまうという問題がある。
【0013】
また、特許文献1に記載された原稿読取装置では、原稿検出センサが底面の中央方向に突出するように取り付けられている。そのため、光学ユニットの走行が原稿検出センサによって妨げられないよう、光学ユニットの走行位置を高くする必要がある。したがって、光学ユニットの位置を高くした分、外形が大きくなってしまうという問題がある。
【0014】
そこで、本発明は、原稿のサイズを検知するサイズセンサ付きの画像読取装置において、筐体の外形をより小さくすることが可能な画像読取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明による画像読取装置は、原稿台に載置された原稿の画像を読み取る画像読取手段と、原稿のサイズを検知するサイズ検知手段とを備え、画像読取手段が、原稿台下方の筐体内部を原稿台と平行に移動して原稿の画像を読み取り、サイズ検知手段が、原稿台の下方から原稿台に向けて光を照射する発光手段と、原稿により反射された反射光を受光する受光手段とを一対とする光センサを二組有し、その各発光手段及び受光手段が、光センサにおける発光手段と受光手段を結ぶ線同士が一直線になるように1つの基板上に形成され、サイズ検知手段が、発光手段と受光手段を結ぶ線と、画像読取手段の移動方向とが平行になるように、画像読取手段が移動する範囲に含まれない筐体内部の一側縁に配置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、原稿のサイズを検知するサイズセンサ付きの画像読取装置において、筐体の外形をより小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明による画像読取装置の一実施形態を示す説明図である。
【図2】本実施形態におけるサイズセンサ4の例を示す説明図である。
【図3】センサホルダ14により固定されたサイズセンサ4の例を示す説明図である。
【図4】図1における画像読取装置の断面C−Cを示す説明図である。
【図5】図1における画像読取装置の断面B−Bを斜視した状態を示す説明図である。
【図6】図1における画像読取装置の断面B−Bを示す説明図である。
【図7】図1における画像読取装置の断面D−Dを示す説明図である。
【図8】本発明による画像読取装置の最小構成の例を示す説明図である。
【図9】一般的な画像読取装置の一例を示す説明図である。
【図10】一般的な画像読取装置に原稿を置いた状態を示す説明図である。
【図11】一般的な画像読取装置においてサイズセンサが実装された状態を示す説明図である。
【図12】一般的な画像読取装置におけるサイズセンサの動作を示す説明図である。
【図13】一般的な画像読取装置の内部状態を示す説明図である。
【図14】図9に例示する画像読取装置の断面A−Aを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0019】
図1は、本実施形態による画像読取装置の一実施形態を示す説明図である。なお、以下の説明では、主走査方向をX方向、副走査方向をY方向、画像読取装置の高さ方向をZ方向とそれぞれ記す。本実施形態における画像読取装置は、光学モジュール1と、サイズセンサ4とを備えている。
【0020】
光学モジュール1は、副走査方向(Y方向)に移動して原稿の画像を読み取る。
【0021】
サイズセンサ4は、光学モジュール1が移動する方向(すなわち、副走査方向)の原稿サイズを検知する。サイズセンサ4は、例えば、画像読取装置の原稿カバーを締める途中の任意のタイミングで、原稿のサイズを検知してもよい。
【0022】
画像読取装置の具体例として、例えば、ファクシミリや複写機などが挙げられるが、画像読取装置は、これらの装置に限定されない。また、サイズセンサ4は、センサホルダ14により、斜めに傾いた状態で筐体11の端(一側縁)に固定される。
【0023】
図2は、本実施形態におけるサイズセンサ4の例を示す説明図である。サイズセンサ4は、2つの発光部5と、2つの受光部6と、コネクタ8とを備えている。発光部5と受光部6は、一対の組を構成し、原稿台に載置された原稿の有無を検出する。コネクタ8は、発光部5及び受光部6と接続し、信号の伝達を行う。
【0024】
図3は、サイズセンサ4がセンサホルダ14により固定され、角度をつけて配置された状態を示す説明図である。センサホルダ14は、発光部5による発光及び受光部6による受光を妨げないように、発光部5及び受光部6の上部が開いた態様に形成される。
【0025】
サイズセンサ4は、図1に例示するように、発光部5から照射される光の軸が、平面X−Zに対して直交する平面のうち、平面Y−Zに対して角度θになる平面状にくるように傾けて配置される。また、サイズセンサ4は、原稿付き当て側下方の筐体11内部に配置される。ここで、角度θは、サイズセンサ4(より具体的には、発光部5)が照射する光の軸がガラス開口部内側に照射されるように定められる任意の値である。さらに、サイズセンサ4は、発光部5と受光部6を結ぶ線と、副走査方向とが平行になるように配置される。
【0026】
図4は、図1に例示する画像読取装置の断面C−Cを示す説明図である。図4に示す例では、サイズセンサ4がX−Y平面に対し角度をつけて配置されていることを示す。このように、サイズセンサ4は、発光部5によって照射される光の軸が鉛直方向から角度θを持つように傾けて配置されるため、底面に配置されなくても、原稿台に置かれた原稿の有無を判断することが可能になる。
【0027】
発光部5は、原稿台に向けて光(射出光)を照射する。また、受光部6は、原稿2で反射した光(反射光)を受光する。具体的には、発光部5が照射した射出光が原稿2で乱反射するため、受光部6は、その乱反射した反射光を受光する。発光部5が射出光を照射し、原稿2にあたって反射した反射光を受光部6が受光した場合、サイズセンサ4は、原稿ありと判断する。また、受光部6が反射光を受光しない場合、サイズセンサ4は、原稿なしと判断する。
【0028】
発光部5及び受光部6は、各組ごとに一枚の基板7上に隣接して形成される。また、基板7上には、各組の発光部5と受光部6とを結ぶ線が一直線になるように、発光部5及び受光部6が形成される。さらに、コネクタ8は、発光部5及び受光部6と平行に基板7上に形成される。このとき、発光部5及び受光部6は、発光部5からの射出光が隣の(すなわち対になっていない)受光部6に入らないようにするため、2つの受光部6に入射する光の向きがお互い反対向きになるように配置される。
【0029】
具体的には、発光部5と受光部6とを一対とする2つの組のうち、原稿読取開始位置に近い位置に配置される組の発光部5及び受光部6は、その原稿読取開始位置に近い方から発光部5、受光部6の順に配列され、他方の組の発光部5及び受光部6は、その原稿読取開始位置に近い方から受光部6、発光部5の順に配列される。言い換えると、一方の組における発光部5と受光部6の配列順に対して、他方の組では発光部5と受光部6の配列順が逆になる。すなわち、発光部5及び受光部6の配置として、2つの発光部5が、原稿読取開始位置に最も近い位置と、原稿読取開始位置から最も遠い位置にそれぞれ配置されることになる。
【0030】
以上のように、サイズセンサ4は、発光部5と受光部6とを一対とする組を2組有し、各発光部5及び受光部6は、各組の発光部5と受光部6とを結ぶ線同士が一直線になるように1つの基板7上に形成される。また、このように、1つの基板7上に発光部5及び受光部6すべてを直線状に並べることで、サイズセンサ4を1つの部品として扱うことが可能になる。
【0031】
サイズセンサ4とセンサホルダ14とは、光学モジュール1が通過しても接触しないように、光学モジュール1の通過しない隙間を利用して配置される。サイズセンサ4は、例えば、図4に例示するように、光学モジュール1を牽引するために筐体11内部の主走査方向の両端に設けられたレール17の内側に配置される。このように、サイズセンサ4がレール17の内側に配置されることにより、奥行き方向の筐体サイズを縮小することが可能になるため、結果として、装置を小型化できる。
【0032】
また、光学モジュール1は原稿台の下方から原稿を読み取るため、原稿の読み取り範囲(開口部)はガラスで形成されることが一般的である。そこで、サイズセンサ4は、筐体11内部のうち、原稿台のガラス開口部範囲を鉛直に投影した範囲とは異なる位置に配置される。このような範囲にサイズセンサ4を配置することにより、蛍光灯など、上部から届く外部光を削減できるため、サイズセンサ4による原稿サイズ判定誤りを低減できる。
【0033】
さらに、ガラス開口部範囲を鉛直に投影した範囲とは異なる位置で、かつ、レール17より内側(より具体的には、光学モジュール1の軌道と、レール17とにより形成される空間)にサイズセンサ4を配置することで、筐体11底面を光学モジュール1の底部まで引き上げることが可能になる。よって、装置の高さを抑えるとともに、筐体11の底面を概平面状に形成することが可能になる。
【0034】
また、センサホルダ14を用いて、光学モジュール1に接続されているFFC15を筐体11底面に固定することも可能である。センサホルダ14を用いてFFC15を固定することで、画像読取装置に使用する部品数を削減することが可能になる。
【0035】
次に、動作について説明する。図5は、図1における画像読取装置の断面B−Bを斜視した状態を示す説明図である。図6は、図1における画像読取装置の断面B−Bを示す説明図である。
【0036】
図5及び図6に例示する画像読取装置の筐体11の内部には、ワイヤ16と、レール17と、ドラム18と、モータ19とを備えている。
【0037】
光学モジュール1は、筐体11内のレール17に乗せられ、光学モジュール1の主走査方向のそれぞれの両端部には、それぞれワイヤ16が連結される。また、ドラム18は、主走査方向と直交する方向(副走査方向)に配置され、各ワイヤ16が巻き付けられている。一方のドラム18には、モータ19が接続され、モータ19が駆動することにより、ドラム18を相互に接続するドラムシャフト25を介して、両ドラム18は、ワイヤ16をそれぞれ巻き上げる。ワイヤ16が巻き上げられることにより光学モジュール1がレール17に沿って牽引され、光学モジュール1は、原稿2と平行に移動して画像読取走査を行う。
【0038】
図7は、図1における画像読取装置の断面D−Dを示す説明図である。光学モジュール1は、ランプ20と、CCD21と、ミラー22と、レンズ23とを備えている。ランプ20が画像を読み取るための光を原稿2に照射し、照射された光がガラスの原稿台26に載置された原稿2へ到達すると、原稿2にあたった光が数枚のミラー22によって反射を繰り返す。その後、反射された光は、レンズ23で集光される。そして、集光された光がCCD21の画素面にあたると、CCD21は、電荷を電気信号へと変換する。このようにして、光学モジュール1は、原稿2の画像を読み取る。
【0039】
また、各発光部5から照射された射出光9は、それぞれ原稿2で反射され、対になる組の受光部6により反射光10が受光される。このようにして、サイズセンサ4は、原稿のサイズ(長さ)を検知する。
【0040】
以上のように、本実施形態による画像読取手段は、光学モジュール1が、原稿台下方の筐体11内部を、副走査方向(Y方向)へ原稿台と平行に移動して原稿2の画像を読み取る。また、サイズセンサ4が、発光部5と受光部6とを一対とする組を二組有している。各発光部5及び受光部6は、各組における発光部5と受光部6を結ぶ線同士が一直線になるように1つの基板7上に形成される。そして、サイズセンサ4が、発光部5と受光部6を結ぶ線と、光学モジュール1の副走査方向とが平行になるように、光学モジュール1が移動する範囲に含まれない筐体11内部の一側縁に配置される。
【0041】
以上のような構成により、原稿のサイズを検知するサイズセンサ付きの画像読取装置において、筐体の外形をより小さくすることが可能になる。
【0042】
すなわち、本実施形態における画像読取装置では、光学モジュール1が副走査方向に原稿2の画像を読み取っていくため、光学モジュール1が移動しない筐体11の底面奥に、図1に例示する副走査方向と平行になるようにサイズセンサ4を実装する。さらに、本実施形態における画像読取装置では、図4に例示するように、X−Y平面に対し角度をつけてサイズセンサ4を配置し、実装スペースを少なくすることで、図7に例示するように筐体底面からサイズセンサ4が下方に飛びだすことを抑制している。そのため、筐体11の底面を平面状に形成することが可能になるとともに、筐体11の高さや奥行を抑えることができるため、外形を小型化した装置を提供することが可能になる。
【0043】
また、例えば、一般的な画像読取装置では、図11に示すように、サイズセンサ3が2つ別々に並べて配置されている。そのため、サイズセンサ3の固定に必要な部品点数の増加、組立時間の増大、部品コストの増大という問題があった。さらに、原稿2のサイズを細かく判定しようとすると、サイズセンサ3を増やす必要と同時にサイズセンサ3を固定する部品を必要とするため、装置が一層高価になるという問題があった。
【0044】
しかし、本実施形態では、図2に例示するように、1つの基板7に発光部5と受光部6とをすべて直線状に並べてサイズセンサ4を一部品化している。そのことにより、サイズセンサを固定するための部品が不要になり、組立時間の短縮と装置価格の低減を図ることが可能になる。
【0045】
また、例えば、一般的な画像読取装置では、図12に示すように、サイズセンサ3が上向きに実装されている。そのため、サイズセンサ3は、蛍光灯などの上部から届く外部光を受光すると、原稿2からの反射光10と判定してしまうことがある。この場合、サイズセンサ3は、原稿2のサイズ(長さ)を正確に判定できない場合があった。
【0046】
しかし、本実施形態では、発光部5から発光される射出光9、及び、反射光10が受信する反射光の光軸が平面Y−Zに対して角度を持つようにサイズセンサ4を配置する。さらに、原稿台のガラス開口部範囲を鉛直に投影した範囲にサイズセンサ4を配置しないようにする。このような構成により、装置上方からの外部光がサイズセンサ4に直接照射されることを抑制している。そのため、サイズセンサ4が原稿2のサイズ(長さ)を検出する精度を向上させることが可能になる。
【0047】
次に、本発明による画像読取装置の最小構成の例を説明する。図8は、本発明による画像読取装置の最小構成の例を示す説明図である。本発明による画像読取装置は、原稿台に載置された原稿(例えば、原稿2)の画像を読み取る画像読取手段81(例えば、光学モジュール1)と、原稿のサイズ(例えば、サイズ、長さ)を検知するサイズ検知手段82(例えば、サイズセンサ4)とを備えている。
【0048】
画像読取手段81は、原稿台下方の筐体(例えば、筐体11)内部を原稿台と平行に(例えば、図1におけるY方向に)移動して原稿の画像を読み取る。
【0049】
サイズ検知手段82は、原稿台の下方から原稿台に向けて光(例えば、射出光9)を照射する発光手段91(例えば、発光部5)と、原稿により反射された反射光(例えば、反射光10)を受光する受光手段92(例えば、受光部6)とを一対とする光センサ90(例えば、発光部5と受光部6とを一対とする組)を二組有している。
【0050】
各発光手段91及び受光手段92は、光センサ90における発光手段91と受光手段92を結ぶ線同士が一直線になるように1つの基板(例えば、基板7)上に形成される。
【0051】
また、サイズ検知手段82は、発光手段91と受光手段92を結ぶ線と、画像読取手段81の移動方向(例えば、副走査方向)とが平行になるように、画像読取手段81が移動する範囲に含まれない筐体内部の一側縁に配置される。
【0052】
そのような構成により、原稿のサイズを検知するサイズセンサ付きの画像読取装置において、筐体の外形をより小さくすることができる。
【0053】
また、二組の光センサ90のうち、画像読取手段81が原稿の読み取りを開始する位置である原稿読取開始位置に近い位置に配置される光センサ80の発光手段91及び受光手段92が、原稿読取開始位置に近いほうから、発光手段91、受光手段92の順に形成され、他方の光センサ90の発光手段91及び受光手段92が、原稿読取開始位置に近いほうから、受光手段92、発光手段91の順に形成されていてもよい(図2参照)。
【0054】
また、サイズ検知手段82が、発光手段91によって照射される光の軸が鉛直方向から予め定められた角度(例えば、角度θ)を持つように傾けて配置されていてもよい。このようにすることで、サイズ検知手段82は、底面に配置されなくても、原稿台に置かれた原稿の有無を判断することが可能になる。
【0055】
また、サイズ検知手段82が、筐体内部のうち、原稿台のガラス開口部範囲を鉛直に投影した範囲とは異なる位置に配置されていてもよい。このような構成により、原稿2のサイズ(長さ)を検出する精度を向上させることが可能になる。
【0056】
また、サイズ検知手段82が、画像読取手段81を牽引するために筐体内部の主走査方向の両端に設けられたレール(例えば、レール17)の内側に配置されていてもよい。このような構成により、奥行き方向の筐体サイズを縮小することが可能になるため、結果として、装置を小型化できる。
【0057】
また、筐体底面が概平面状に形成されていてもよい。
【0058】
また、画像読取装置が、サイズ検知手段を筐体内部の一側縁に固定するセンサホルダ(例えば、センサホルダ14)を備えていてもよい。そして、センサホルダが、画像読取手段81とサイズ検知手段82とを接続させるフラットケーブル(例えば、FFC15)を筐体底面に固定してもよい。このような構成により、画像読取装置に使用する部品数を削減することが可能になる。
【0059】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0060】
(付記1)原稿台に載置された原稿の画像を読み取る画像読取手段と、前記原稿のサイズを検知するサイズ検知手段とを備え、前記画像読取手段は、原稿台下方の筐体内部を原稿台と平行に移動して前記原稿の画像を読み取り、前記サイズ検知手段は、前記原稿台の下方から原稿台に向けて光を照射する発光手段と、前記原稿により反射された反射光を受光する受光手段とを一対とする光センサを二組有し、当該各発光手段及び受光手段は、前記光センサにおける発光手段と受光手段を結ぶ線同士が一直線になるように1つの基板上に形成され、前記サイズ検知手段は、前記発光手段と受光手段を結ぶ線と、前記画像読取手段の移動方向とが平行になるように、前記画像読取手段が移動する範囲に含まれない筐体内部の一側縁に配置されることを特徴とする画像読取装置。
【0061】
(付記2)二組の光センサのうち、画像読取手段が原稿の読み取りを開始する位置である原稿読取開始位置に近い位置に配置される光センサの発光手段及び受光手段は、前記原稿読取開始位置に近いほうから、発光手段、受光手段の順に形成され、他方の光センサの発光手段及び受光手段は、前記原稿読取開始位置に近いほうから、受光手段、発光手段の順に形成される付記1記載の画像読取装置。
【0062】
(付記3)サイズ検知手段は、発光手段によって照射される光の軸が鉛直方向から角度を持つように傾けて配置される付記1または付記2記載の画像読取装置。
【0063】
(付記4)サイズ検知手段は、筐体内部のうち、原稿台のガラス開口部範囲を鉛直に投影した範囲とは異なる位置に配置される付記1から付記3のうちのいずれか1つに記載の画像読取装置。
【0064】
(付記5)サイズ検知手段は、画像読取手段を牽引するために筐体内部の主走査方向の両端に設けられたレールの内側に配置される付記1から付記4のうちのいずれか1つに記載の画像読取装置。
【0065】
(付記6)筐体底面が概平面状に形成される付記1から付記5のうちのいずれか1つに記載の画像読取装置。
【0066】
(付記7)サイズ検知手段を、筐体内部の一側縁に固定するセンサホルダを備え、前記センサホルダは、画像読取手段とサイズ検知手段とを接続させるフラットケーブルを筐体底面に固定する付記1から付記6のうちのいずれか1つに記載の画像読取装置。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、原稿の画像を読み取る画像読取装置において、特に、原稿台に載置された原稿のサイズを検知するサイズセンサ付きの画像読取装置に好適に適用される。
【符号の説明】
【0068】
1 光学モジュール
2 原稿
3,4 サイズセンサ
5 発光部
6 受光部
7 基板
8 コネクタ
9 射出光
10 反射光
11 筐体
12 筐体底面
13 サイズセンサ固定部品
14 センサホルダ
15 FFC(フレキシブルフラットケーブル)
16 ワイヤ
17 レール
18 ドラム
19 モータ
20 ランプ
21 CCD
22 ミラー
23 レンズ
24 ケーブルホルダ
25 ドラムシャフト
26 原稿台ガラス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿台に載置された原稿の画像を読み取る画像読取手段と、
前記原稿のサイズを検知するサイズ検知手段とを備え、
前記画像読取手段は、原稿台下方の筐体内部を原稿台と平行に移動して前記原稿の画像を読み取り、
前記サイズ検知手段は、前記原稿台の下方から原稿台に向けて光を照射する発光手段と、前記原稿により反射された反射光を受光する受光手段とを一対とする光センサを二組有し、当該各発光手段及び受光手段は、前記光センサにおける発光手段と受光手段を結ぶ線同士が一直線になるように1つの基板上に形成され、
前記サイズ検知手段は、前記発光手段と受光手段を結ぶ線と、前記画像読取手段の移動方向とが平行になるように、前記画像読取手段が移動する範囲に含まれない筐体内部の一側縁に配置される
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
二組の光センサのうち、画像読取手段が原稿の読み取りを開始する位置である原稿読取開始位置に近い位置に配置される光センサの発光手段及び受光手段は、前記原稿読取開始位置に近いほうから、発光手段、受光手段の順に形成され、他方の光センサの発光手段及び受光手段は、前記原稿読取開始位置に近いほうから、受光手段、発光手段の順に形成される
請求項1記載の画像読取装置。
【請求項3】
サイズ検知手段は、発光手段によって照射される光の軸が鉛直方向から角度を持つように傾けて配置される
請求項1または請求項2記載の画像読取装置。
【請求項4】
サイズ検知手段は、筐体内部のうち、原稿台のガラス開口部範囲を鉛直に投影した範囲とは異なる位置に配置される請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項5】
サイズ検知手段は、画像読取手段を牽引するために筐体内部の主走査方向の両端に設けられたレールの内側に配置される
請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項6】
筐体底面が概平面状に形成される請求項1から請求項5のうちのいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項7】
サイズ検知手段を、筐体内部の一側縁に固定するセンサホルダを備え、
前記センサホルダは、画像読取手段とサイズ検知手段とを接続させるフラットケーブルを筐体底面に固定する
請求項1から請求項6のうちのいずれか1項に記載の画像読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−250029(P2011−250029A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−119671(P2010−119671)
【出願日】平成22年5月25日(2010.5.25)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【出願人】(303013763)NECエンジニアリング株式会社 (651)
【Fターム(参考)】