説明

画像読取装置

【課題】原稿の後端がプラテンガラスに接触した際に生じ得る衝撃を軽減させて、原稿の画像情報を読み取る際の読み取り画像の乱れの発生を抑制可能な画像読取装置を提供する。
【解決手段】原稿給送部により給送される原稿の画像情報を原稿読取位置100で読み取る画像読取装置において、原稿読取位置100に配設されるプラテンガラス161と、プラテンガラス161上を移動する原稿の画像情報を読み取るリーダ部と、リーダ部で画像情報が読み取られるように原稿をプラテンガラス161に沿って案内する原稿案内部12とを備え、原稿案内部12は、原稿給送部により給送される原稿をプラテンガラス161の上に案内する複数のガイド爪107を有し、複数のガイド爪107は、原稿搬送方向と直交する幅方向に並んで配設され、幅方向の中央から両側に向かうに従い、原稿搬送方向の長さが短くなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿の画像を読み取る画像読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタル複写機等の画像形成装置においては、自動原稿搬送装置により搬送される原稿がプラテンガラスの上面を通過する際に、プラテンガラスの下方に配設された光学系で原稿の画像情報を読み取る画像読取装置が用いられている。画像読取装置は、プラテンガラス上面を通過する原稿に光を照射し、その反射光を検出して原稿の画像情報を読み取る。
【0003】
ところで、自動原稿搬送装置により搬送される原稿は、搬送ガイド等によりプラテンガラス上に案内されるが、例えば、搬送された原稿が搬送ガイドからプラテンガラスに接触する際のショックが大きいと、読み取り画像に乱れを生じさせる場合がある。
【0004】
これに対しては、プラテンガラスの上面までの原稿搬送路において原稿を上下方向から弾性的に挟み込んで、原稿がプラテンガラスの上面に向かって滑らかな一定軌道を描くように原稿を案内する技術が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−139211号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、特許文献1に記載の技術は、原稿を挟持している間は滑らかに原稿を搬送することができるため読み取り画像の乱れは抑制される。しかしながら、例えば、原稿の後端がプラテンガラスの上面に接触する瞬間は、搬送外ガイドの厚みの分だけプラテンガラスとの段差があるため、原稿の後端がプラテンガラス上に着地する際には、読み取り画像の乱れを発生させるおそれがある。
【0007】
そこで、本発明は、原稿の後端がプラテンガラスに接触した際に生じ得る衝撃を軽減させて、原稿の画像情報を読み取る際の読み取り画像の乱れの発生を抑制可能な画像読取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、シート状の原稿を給送する原稿給送部により給送される原稿の画像情報を所定の原稿読取位置で読み取る画像読取装置において、前記所定の原稿読取位置に配設される透明ガイド部材と、前記透明ガイド部材の下方に配設され、前記透明ガイド部材の上を移動する原稿の画像情報を読み取る画像読取部と、前記透明ガイド部材の上方に配設され、前記画像読取部により画像情報が読み取られるように前記原稿給送部により給送される原稿を前記透明ガイド部材に沿って案内する原稿案内部と、を備え、前記原稿案内部は、前記原稿給送部により給送される原稿を前記透明ガイド部材の上に案内する複数のガイド部を有し、前記複数のガイド部は、原稿搬送方向と直交する幅方向に並んで配設され、幅方向の中央から両側に向かうに従い、原稿搬送方向の長さが短くなる、ことを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、シート状の原稿を給送する原稿給送部により給送される原稿の画像情報を所定の原稿読取位置で読み取る画像読取装置において、前記所定の原稿読取位置に配設される透明ガイド部材と、前記透明ガイド部材の下方に配設され、前記透明ガイド部材の上を移動する原稿の画像情報を読み取る画像読取部と、前記透明ガイド部材の上方に配設され、前記画像読取部により画像情報が読み取られるように前記原稿給送部により給送される原稿を前記透明ガイド部材に沿って案内する原稿案内部と、を備え、前記原稿案内部は、前記原稿給送部により給送される原稿を前記透明ガイド部材の上に案内する複数のガイド部を有し、前記複数のガイド部は、原稿搬送方向と直交する幅方向に並んで配設され、幅方向の中央から両側に向かうに従い硬度が低くなる、ことを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、シート状の原稿を給送する原稿給送部により給送される原稿の画像情報を所定の原稿読取位置で読み取る画像読取装置において、前記所定の原稿読取位置に配設される透明ガイド部材と、前記透明ガイド部材の下方に配設され、前記透明ガイド部材の上を移動する原稿の画像情報を読み取る画像読取部と、前記透明ガイド部材の上方に配設され、前記画像読取部により画像情報が読み取られるように前記原稿給送部により給送される原稿を前記透明ガイド部材に沿って案内する原稿案内部と、を備え、前記原稿案内部は、前記原稿給送部により給送される原稿を前記透明ガイド部材の上に案内する複数のガイド部を有し、前記複数のガイド部は、原稿搬送方向と直交する幅方向に並んで配設され、幅方向の中央から両側に向かうに従い厚さが薄くなる、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、シートを徐々にプラテンガラス上に接地させることにより、原稿の後端がプラテンガラスに接触した際に原稿に生じ得る衝撃を軽減可能となり、原稿の画像情報を読み取る際の読み取り画像の乱れの発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係る画像読取装置の全体構造を模式的に示す断面図である。
【図2】図1に示す画像読取装置の原稿読取位置における構成を示す部分拡大断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る搬送外ガイドを示す斜視図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る搬送外ガイドを示す斜視図である。
【図5】本発明の第3実施形態に係る搬送外ガイドを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係る画像読取装置1について、図1から図3を参照しながら説明する。まず、第1実施形態に係る画像読取装置1の全体構成について、図1及び図2を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態に係る画像読取装置1の全体構造を模式的に示す断面図である。図2は、図1に示す画像読取装置1の原稿読取位置における構成を示す部分拡大断面図である。
【0014】
図1に示すように、画像読取装置1は、シート状の原稿Dを給送する原稿給送部2と、原稿給送部2の下流側に配設される透明ガイド部材としてのプラテンガラス161と、プラテンガラス161の下方に配設される画像読取部としてのリーダ部150とを備える。また、画像読取装置1は、原稿Dを固定的に載置する原稿台ガラス3と、を備える。
【0015】
原稿給送部2は、原稿Dを積載する原稿トレイ4と、原稿トレイ4に積載された原稿Dを給送する給送ローラ5と、原稿を1枚ずつ分離する分離搬送ローラ8及び分離パッド6と、原稿Dの先端を揃えて搬送するレジストローラ対11と、を備えている。また、原稿給送部2は、レジストローラ対11の下流側に設けられ所定の原稿読取位置100に案内する原稿案内部12と、画像の読取りが終了した原稿Dを機外に排出する排出ローラ対18と、排出ローラ対18の下流側に設けられる排出部10と、を備える。
【0016】
原稿トレイ4は、原稿Dの幅方向にスライド自在に設けられた一対の幅方向規制板19を備えており、一対の幅方向規制板19が原稿トレイ4に積載される原稿Dの幅方向を規制することで原稿Dの給送時における搬送安定性を確保している。
【0017】
給送ローラ5は、原稿トレイ4の上方に設けられており、作業者による原稿Dのセット作業を阻害しないように、図1に示す実線位置をホームポジションとしている。給送ローラ5は、原稿Dの給送動作が開始されると、ホームポジションから給送位置(図1に示す破線位置)に移動し、原稿Dの上面に当接して原稿Dを給送する。なお、給送ローラ5は、不図示のアームに軸支されており、アームを駆動することによりホームポジションから給送位置に移動するように構成されている。
【0018】
分離搬送ローラ8は、給送ローラ5の下流側に設けられており、給送ローラ5の回転駆動に連動して対向配置された分離パッド6を押圧しながら回転することで、給送ローラ5により給送される原稿Dを1枚ずつ分離して搬送する。なお、分離パッド6は、分離搬送ローラ8よりも摩擦係数が若干小さいゴム材料等により形成されている。
【0019】
レジストローラ対11は、分離搬送ローラ8の下流に設けられており、分離搬送ローラ8にて1枚ずつ分離して搬送される原稿Dの先端をニップ部に突き当て、原稿Dにループを生じさせることにより原稿Dの先端を揃える。その後、レジストローラ対11は、回転して原稿Dを原稿案内部12に向かって搬送する。
【0020】
原稿案内部12は、プラテンガラス161上に位置するように配設されている。図2に示すように、原稿案内部12は、リードローラ対101と、搬送外ガイド106と、第1プラテンローラ104と、第2プラテンローラ105と、白色板103aを有する読取ガイド103と、ジャンプ台162と、リード排出ローラ対102と、を備えている。
【0021】
リードローラ対101は、レジストローラ対11により搬送される原稿Dを搬送外ガイド106に沿って搬送させるためのものであり、搬送外ガイド106は、リードローラ対101により搬送される原稿Dをプラテンガラス161上に案内する。なお、搬送外ガイド106については、後に詳しく説明する。
【0022】
第1プラテンローラ104は、搬送外ガイド106の下流に設けられており、搬送外ガイド106に沿って搬送された原稿Dをプラテンガラス161上の原稿読取位置100に案内する。読取ガイド103は、第1プラテンローラ104の下流に設けられており、第1プラテンローラ104によって原稿読取位置100に案内された原稿Dを、プラテンガラス161に密着させた状態でプラテンガラス161に沿って案内する。第2プラテンローラ105は、読取ガイド103の下流に設けられており、読取ガイド103により案内され、画像情報の読み取りが終了した原稿Dを搬送する。
【0023】
ジャンプ台162は、第2プラテンローラ105の下流側に設けられており、プラテンガラス161から原稿Dをすくい上げてリード排出ローラ対102に案内する。リード排出ローラ対102は、ジャンプ台162により案内された原稿Dを排出ローラ対18に搬送する。
【0024】
排出ローラ対18は、リード排出ローラ対102の下流に設けられており、リード排出ローラ対102により搬送された原稿Dを機外に排出する。また、排出ローラ対18は、原稿Dの両面を読み取る場合に、原稿Dをスイッチバックしてシートパス20を介してレジストローラ対11に搬送する。排出部10は、排出ローラ対18により排出され、画像の読み取りが終了した原稿Dを積載するように収容する。プラテンガラス161は、原稿読取位置100に配設されており、原稿台ガラス3は、原稿Dを1枚ずつ固定的に載置する場所である。
【0025】
リーダ部150は、プラテンガラス161及び原稿台ガラス3を保持するリーダ部本体150aと、原稿Dに光を照射するランプ152と、ランプ152に照射された光に対応する原稿Dからの反射光を誘導する複数のミラー153,155,156と、を備える。また、リーダ部150は、複数のミラー153,155,156によって誘導された反射光を集光するレンズ157と、レンズ157で集光された反射光を光電変換して画像信号として出力するCCD158とを備えている。
【0026】
リーダ部本体150aは、プラテンガラス161及び原稿台ガラス3が開閉自在となるように原稿給送部2を支持すると共に、プラテンガラス161を介して原稿読取位置100の下方にランプ152等が位置するようにランプ152等を収容している。
【0027】
ランプ152及びミラー153は、第1光学台159に取り付けられており、ミラー155及びミラー156は、第2光学台151に取り付けられている。第1光学台159及び第2光学台151は、リーダ部本体150aの内部に収容されている。また、第1光学台159及び第2光学台151は、不図示のワイヤによって不図示のモータに結合されており、モータの回転駆動により原稿台ガラス3と平行(図1に示す矢印方向)に移動制御される。第1光学台159及び第2光学台151は、不図示のポジションセンサにより検知される位置を基準として、モータを正回転又は逆回転することにより移動し、原稿台ガラス3に固定的に載置された原稿Dを光学的に走査する。CCD158は、ミラー153,155,156を介してレンズ157に導かれ、レンズ157によってCCD158に集光された反射光を光電変換し、電子的な画像信号として出力する。
【0028】
次に、リードローラ対101により搬送される原稿Dをプラテンガラス161上に案内する搬送外ガイド106について、図3を参照しながら説明する。図3は、本発明の第1実施形態に係る搬送外ガイド106を示す斜視図である。
【0029】
図3に示すように、搬送外ガイド106は、原稿搬送方向と直交する幅方向に分割された複数のガイド部としてのガイド爪107a,107b,107c,107dを備えている。複数のガイド爪107a〜107dは、原稿Dをプラテンガラス161上に案内する。また、複数のガイド爪107a〜107dは、幅方向の中央に位置するガイド爪107aが一番長くなるように形成されており、中央部に設けられたガイド爪107aから両側に向かう程、原稿搬送方向における長さ(L)が短くなるように形成されている。具体的には、複数のガイド爪107a〜107dは、ガイド爪107a(L4)>ガイド爪107b(L3)>ガイド爪107c(L2)>ガイド爪107d(L1)となるように形成されている。
【0030】
次に、第1実施形態に係る画像読取装置1の動作について説明する。作業者による原稿Dの画像読取指示がなされると、不図示のアームにより給送ローラ5が下降して原稿Dの上面に当接し、原稿Dを給送する。給送ローラ5により給送された原稿Dは、分離搬送ローラ8及び分離パッド6により1枚ずつ分離され、レジストローラ対11に搬送される。レジストローラ対11では、搬送された原稿Dの先端をニップ部に突き当て、原稿Dにループを生じさせることにより原稿Dの先端を揃える。先端が揃えられた原稿Dは、その後、レジストローラ対11が回転することにより、リードローラ対101を介して搬送外ガイド106に沿ってプラテンガラス161上に搬送される。
【0031】
ここで、搬送外ガイド106は、原稿搬送方向と直交する幅方向に分割された複数のガイド爪107a〜107dを備えている。そのため、搬送外ガイド106に搬送された原稿Dの後端は、複数のガイド爪107a〜107dを介してプラテンガラス161に着地する。そして、複数のガイド爪107a〜107dは、中央部に設けられたガイド爪107aから両側に向かう程、原稿搬送方向における長さ(L)が短くなるように形成されている。そのため、原稿Dの後端は、幅方向の両側から順次プラテンガラス上に着地する。また、このとき複数のガイド爪107a〜107dは、原稿Dのコシにより原稿Dに押されてプラテンガラス161方向に撓んでプラテンガラス161との段差を小さくする。
【0032】
搬送外ガイド106に沿ってプラテンガラス161上に搬送された原稿Dは、第1プラテンローラ104により、プラテンガラス161上の原稿読取位置100に向かって搬送される。原稿読取位置100に原稿Dが搬送されると、原稿読取位置100上で原稿Dの画像がリーダ部150により読み取られる。リーダ部150での原稿Dの読み取りが完了すると、読み取りが終了した原稿Dは、第2プラテンローラ015により搬送され、リード排出ローラ対102を介して排出ローラ対18に案内される。排出ローラ対18に案内された原稿Dは、排出ローラ対18により機外に排出され、排出部10によって積載するように収容される。
【0033】
なお、両面モードの場合には、排出ローラ対18で排出を行わず、スイッチバックして、上方のシートパス20に案内してレジストローラ対11に向けて搬送する。レジストローラ対11に到達すると上記と同様に原稿Dの裏面の読み取りが行われる。
【0034】
このように、第1実施形態に係る画像読取装置1は、搬送外ガイド106のガイド爪107a〜107dが中央部から両側に向かう程、原稿搬送方向における長さ(L)が短くなるように形成されている。そのため、原稿Dの後端がプラテンガラス161に着地する際、幅方向の両端側から順次プラテンガラス161上に着地させることができる。これにより、プラテンガラス161上に着地する際の衝撃を軽減させることが可能になる。その結果、原稿の画像情報を読み取る際の読み取り画像の乱れの発生を抑制することができる。
【0035】
また、第1実施形態に係る画像読取装置1は、搬送外ガイド106のガイド爪107a〜107dが幅方向に分割されている。言い換えると、短冊状のガイド爪が幅方向に並列に配置されている。そのため、1部材でガイド爪を形成するよりも、ガイド爪107a〜107dを撓みやすくすることができる。これにより、例えば、搬送される原稿Dに押されて原稿Dのコシによりプラテンガラス161方向に撓みやすくなり、プラテンガラス161との段差を小さくすることができる。その結果、プラテンガラス161上に着地する際の衝撃をより軽減させることができる。
【0036】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る画像読取装置1Aについて、図1援用すると共に、図4を参照しながら説明する。図4は、本発明の第2実施形態に係る搬送外ガイド206を示す斜視図である。第2実施形態に係る画像読取装置1Aは、搬送外ガイドの形状が第1実施形態と相違する。そのため、第2実施形態においては、第1実施形態と相違する点、即ち、搬送外ガイドを中心に説明し、第1実施形態と同様の構成のものについては、同じ符号を付してその説明を省略する。なお、第2実施形態において、第1実施形態と同様の構成のものについては、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0037】
図1に示すように、画像読取装置1Aは、原稿給送部2Aと、プラテンガラス161と、リーダ部150と、原稿台ガラス3と、を備えている。原稿給送部2Aは、原稿トレイ4と、給送ローラ5と、分離搬送ローラ8及び分離パッド6と、レジストローラ対11と、レジストローラ対11の下流側に設けられ、原稿案内部12Aと、排出ローラ対18と、排出部10と、を備えている。
【0038】
原稿案内部12Aは、リードローラ対101と、搬送外ガイド206と、第1プラテンローラ104と、第2プラテンローラ105と、白色板103aを有する読取ガイド103と、ジャンプ台162と、リード排出ローラ対102と、を備えている。
【0039】
図4に示すように、搬送外ガイド206は、原稿搬送方向と直交する幅方向に分割された複数のガイド部としてのガイド爪207a,207b,207c,207dを備えている。複数のガイド爪207a〜207dは、原稿Dをプラテンガラス161上に案内する。また、複数のガイド爪207a〜207dは、幅方向の中央に位置するガイド爪207aが一番硬度の高い材料により形成されており、中央部に設けられたガイド爪207aから両側に向かう程、硬度が低くなるように形成されている。具体的には、複数のガイド爪207a〜207dの硬度は、ガイド爪207a>ガイド爪207b>ガイド爪207c>ガイド爪207dとなるように形成されている。
【0040】
このように、第2実施形態に係る画像読取装置1Aは、搬送外ガイド206のガイド爪207a〜207dが中央部から両側に向かう程、硬度が低くなるように形成されている。そのため、中央部から両側に向かう程、プラテンガラス161側に撓みやすくなる。これにより、中央部から両側に向かう程、搬送外ガイド206のガイド爪207a〜207dの原稿搬送方向の長さを短くできる。その結果、原稿Dの後端がプラテンガラス161に着地する際、幅方向の両端側から順次プラテンガラス161上に着地させることができ、プラテンガラス161上に着地する際の衝撃を軽減させることが可能になる。
【0041】
また、ガイド爪207a〜207dがプラテンガラス161側に撓むことにより、プラテンガラス161との段差を小さくすることが可能になる。これにより、プラテンガラス161上に着地する際の衝撃をより軽減させることができる。その結果、原稿の画像情報を読み取る際の読み取り画像の乱れの発生を抑制することができる。
【0042】
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る画像読取装置1Bについて、図1援用すると共に、図5を参照しながら説明する。図5は、本発明の第3実施形態に係る搬送外ガイド306を示す斜視図である。第3実施形態に係る画像読取装置1Bは、搬送外ガイドの形状が第1実施形態と相違する。そのため、第3実施形態においては、第1実施形態と相違する点、即ち、搬送外ガイドを中心に説明し、第1実施形態と同様の構成のものについては、同じ符号を付してその説明を省略する。なお、第3実施形態において、第1実施形態と同様の構成のものについては、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0043】
図1に示すように、画像読取装置1Bは、原稿給送部2Bと、プラテンガラス161と、リーダ部150と、原稿台ガラス3と、を備えている。原稿給送部2Bは、原稿トレイ4と、給送ローラ5と、分離搬送ローラ8及び分離パッド6と、レジストローラ対11と、レジストローラ対11の下流側に設けられ、原稿案内部12Bと、排出ローラ対18と、排出部10と、を備えている。
【0044】
原稿案内部12Bは、リードローラ対101と、搬送外ガイド306と、第1プラテンローラ104と、第2プラテンローラ105と、白色板103aを有する読取ガイド103と、ジャンプ台162と、リード排出ローラ対102と、を備えている。
【0045】
図5に示すように、搬送外ガイド306は、原稿搬送方向と直交する幅方向に分割された複数のガイド部としてのガイド爪307a,307b,307c,307dを備えている。複数のガイド爪307a〜307dは、原稿Dをプラテンガラス161上に案内する。また、複数のガイド爪307a〜307dは、幅方向の中央に位置するガイド爪307aの厚さ(T)が一番厚くなるように形成されており、中央部に設けられたガイド爪307aから両側に向かう程、厚さが薄くなるように形成されている。具体的には、複数のガイド爪307a〜307dの厚さは、ガイド爪307a(T4)>ガイド爪307b(T3)>ガイド爪307c(T2)>ガイド爪307d(T1)となるように形成されている。
【0046】
このように、第3実施形態に係る画像読取装置1Bは、搬送外ガイド306のガイド爪307a〜307dが中央部から両側に向かう程、厚さ(T)が薄くなるように形成されている。そのため、中央部から両側に向かう程、プラテンガラス161側に撓みやすくなる。これにより、中央部から両側に向かう程、搬送外ガイド306のガイド爪307a〜307dの原稿搬送方向の長さを短くできる。その結果、原稿Dの後端がプラテンガラス161に着地する際、幅方向の両端側から順次プラテンガラス161上に着地させることができ、プラテンガラス161上に着地する際の衝撃を軽減させることが可能になる。
【0047】
また、ガイド爪307a〜307dがプラテンガラス161側に撓むことにより、プラテンガラス161との段差を小さくすることが可能になり、プラテンガラス161上に着地する際の衝撃をより軽減させることができる。その結果、原稿の画像情報を読み取る際の読み取り画像の乱れの発生を抑制することができる。
【0048】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されない。
【0049】
例えば、第1実施形態においては、搬送外ガイド106に設けられる複数のガイド爪107a〜107dは、原稿搬送方向と直交する幅方向の中央から両側に向かって原稿搬送方向の長さが短くなるように形成したが、本発明においてはこれに限定されない。複数のガイド爪107a〜107dは、幅方向の中央から両側に向かって原稿搬送方向の長さが長くなるように形成してもよい。複数のガイド爪107a〜107dは、中央部又は両側から順次、原稿Dがプラテンガラス191上に接地する構成であればよい。
【0050】
また、第2実施形態においては、搬送外ガイド206に設けられる複数のガイド爪207a〜207dは、原稿搬送方向と直交する幅方向の中央から両側に向かう程、硬度の低い材料により形成したが、本発明においてはこれに限定されない。複数のガイド爪207a〜207dは、幅方向の中央から両側に向かう程、硬度の低い材料で形成してもよい。複数のガイド爪207a〜207dは、中央に向かう程プラテンガラス161に向かう撓む撓み量が大きくなり、搬送される原稿Dに押されて撓むことで、中央に向かう程原稿搬送方向の長さが短くなると共に、プラテンガラスとの段差が小さくなる構成であればよい。
【0051】
また、第3実施形態においては、搬送外ガイド306に設けられる複数のガイド爪307a〜307dは、原稿搬送方向と直交する幅方向の中央から両側に向かう程、厚さが薄くなるように形成したが、本発明においてはこれに限定されない。複数のガイド爪307a〜307dは、幅方向の中央から両側に向かう程、厚さが薄くなるように形成してもよい。複数のガイド爪307a〜307dは、中央に向かう程プラテンガラス161に向かう撓む撓み量が大きくなり、搬送される原稿Dに押されて撓むことで、中央に向かう程原稿搬送方向の長さが短くなると共に、プラテンガラスとの段差が小さくなる構成であればよい。
【符号の説明】
【0052】
1,1A,1B 画像読取装置
2,2A,2B 原稿給送部
12,12A,12B 原稿案内部
100 原稿読取位置
106 搬送外ガイド(搬送ガイド)
107a,107b,107c,107d ガイド爪(ガイド部)
150 リーダ部(画像読取部)
161 プラテンガラス(透明ガイド部材)
206 搬送外ガイド(搬送ガイド)
207a,207b,207c,207d ガイド爪(ガイド部)
306 搬送外ガイド(搬送ガイド)
307a,307b,307c,307d ガイド爪(ガイド部)
D 原稿

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状の原稿を給送する原稿給送部により給送される原稿の画像情報を所定の原稿読取位置で読み取る画像読取装置において、
前記所定の原稿読取位置に配設される透明ガイド部材と、
前記透明ガイド部材の下方に配設され、前記透明ガイド部材の上を移動する原稿の画像情報を読み取る画像読取部と、
前記透明ガイド部材の上方に配設され、前記画像読取部により画像情報が読み取られるように前記原稿給送部により給送される原稿を前記透明ガイド部材に沿って案内する原稿案内部と、を備え、
前記原稿案内部は、前記原稿給送部により給送される原稿を前記透明ガイド部材の上に案内する複数のガイド部を有し、
前記複数のガイド部は、原稿搬送方向と直交する幅方向に並んで配設され、幅方向の中央から両側に向かうに従い、原稿搬送方向の長さが短くなる、
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
シート状の原稿を給送する原稿給送部により給送される原稿の画像情報を所定の原稿読取位置で読み取る画像読取装置において、
前記所定の原稿読取位置に配設される透明ガイド部材と、
前記透明ガイド部材の下方に配設され、前記透明ガイド部材の上を移動する原稿の画像情報を読み取る画像読取部と、
前記透明ガイド部材の上方に配設され、前記画像読取部により画像情報が読み取られるように前記原稿給送部により給送される原稿を前記透明ガイド部材に沿って案内する原稿案内部と、を備え、
前記原稿案内部は、前記原稿給送部により給送される原稿を前記透明ガイド部材の上に案内する複数のガイド部を有し、
前記複数のガイド部は、原稿搬送方向と直交する幅方向に並んで配設され、幅方向の中央から両側に向かうに従い硬度が低くなる、
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項3】
シート状の原稿を給送する原稿給送部により給送される原稿の画像情報を所定の原稿読取位置で読み取る画像読取装置において、
前記所定の原稿読取位置に配設される透明ガイド部材と、
前記透明ガイド部材の下方に配設され、前記透明ガイド部材の上を移動する原稿の画像情報を読み取る画像読取部と、
前記透明ガイド部材の上方に配設され、前記画像読取部により画像情報が読み取られるように前記原稿給送部により給送される原稿を前記透明ガイド部材に沿って案内する原稿案内部と、を備え、
前記原稿案内部は、前記原稿給送部により給送される原稿を前記透明ガイド部材の上に案内する複数のガイド部を有し、
前記複数のガイド部は、原稿搬送方向と直交する幅方向に並んで配設され、幅方向の中央から両側に向かうに従い厚さが薄くなる、
ことを特徴とする画像読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−257014(P2012−257014A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−128038(P2011−128038)
【出願日】平成23年6月8日(2011.6.8)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】