説明

画像通信システム

【課題】 MFPやファクシミリ製品では、全ての機能が一体型なので、一部機能について機能を高めたくても出来なかった。
【解決手段】 コードレス子機を含む電話機能およびファクシミリデータ送受信機能を有する通信BOXとスキャナ/プリンタからなる画像処理装置(MFP)をネットワークで接続した際、MFPに識別信号を各々割り振って、ネットワーク経由で通信装置に対してMFPがMFP自身の状態情報を通知を行い、通信装置がMFPの状態を監視することによって、子機からMFPの状態並びに機種情報を知ることができ、ファクシミリデータ送受信を行うのに最適なスキャナ/プリンタを操作することが出来る画像通信システムとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置と画像処理装置とがネットワーク経由で接続されて、またコードレス子機を用いて制御することで、通信装置と画像処理装置との間で相互に画像データ等の情報通信を可能とする画像通信システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のFAX付き電話は、コードレス電話機能、信頼性の高いFAX/TEL自動切換え機能等、電話機能に関して非常に高い実用性を有しているが、反面スキャナ機能、プリンタ機能については高速高解像度化の波に追いついてはいない。一方でFAX、スキャナ、プリンタが一体となった複合画像処理装置(以下MFPと記す)は、スキャナ機能、プリンタ機能に長けているが、電話機能の面ではFAX付き電話に及んでいない。その為に、電話、FAX、スキャナ、プリンタ全ての機能を満足させるためには、ユーザはFAX付き電話とMFPの双方を購入しなければならなかった。
【0003】
このような問題を解決するためには、FAX付き電話からスキャナ、プリンタ機能を削除した通信BOXと、MFPからは通信機能を排除し、個々の装置のコストダウンを図りながら、双方をネットワークに接続する構成にすることによって、従来と同等の操作性でFAX送信/受信機能を実現できる必要がある。
【0004】
そして、従来、蓄積装置に接続された入力端末装置から送信相手先情報と送信画像データを蓄積装置に送信し、蓄積装置は入力端末装置から送られた送信相手先情報の相手先に、画像データを送信する画像処理システムが提案されている(例えば特許文献1)。
【0005】
さらに、従来、同様にネットワークで接続された親機と子機からなる複写装置で、子機に原稿をセットしてファクシミリ送信処理指令を実行すると、子機で読み取られた画像データが、親機を経由してファクシミリ送信指令に含まれる相手先にファクシミリ送信される複写装置が提案されている(例えば特許文献2)。
【特許文献1】特開平6−276348号公報
【特許文献2】特開平8−279865号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来からファクシミリ機能付きコードレス電話装置が知られている。また、パーソナルコンピュータの周辺装置として、画像の読み取りを行うスキャナとパーソナルコンピュータ内の画像データを記録するプリンタを一体にまとめた画像処理装置(以下、MFP:Multi Function Peripheral とする)が知られている。
【0007】
ファクシミリ機能付きコードレス電話に関して見てみると、電話機能に関しては、コードレス電話機能、留守番電話機能、信頼性の高いファクシミリ/電話切り替え機能と非常に優れた能力を有しているが、画像読取機能、画像記録機能に関しては、ファクシミリ通信を満足する程度の解像度や速度で良く、MFPに比べると劣っていて、パーソナルコンピュータの画像入出力装置として使用するには能力が足りない。
【0008】
一方MFPに関して見てみると、年々高速高解像度化が進み、非常に優れた画像入力/画像記録能力を有しているが、ファクシミリ通信機能を有しているMFPも存在するが、電話機能に関してはファクシミリ機能付きコードレス電話に及ぶものではない。
【0009】
もちろんファクシミリ機能付きコードレス電話の読取部/記録部をMFP並にすることは技術的には可能であるが、非常に高価で筐体の大きなものになってしまうと言う欠点がある。また前述のようにMFPの技術革新は非常に早いので、ユーザは高価な対価を払ってそのような装置を購入しても、すぐに陳腐なものになってしまうと言う欠点がある。
【0010】
本発明の目的は、従来のファクシミリ機能付きコードレス電話装置とMFPの機能の重複を無くすことで、それぞれの装置の構成をシンプルにしてコストダウンを図ると同時に、従来の機能を失うことなく、それぞれの特徴を活かした最適な構成を提案することである。なお本発明の構成においては、通信BOXとスキャナ/プリンタで構成するMFPを分離した構成にすることで、複数のMFPが存在した場合には、通信装置がMFPの状態を把握することが困難となり、MFPが複数存在することでどのMFPで読取・記録を行うのが良いのか判断に困る。例えばFAXを受信した際にどのMFPで出力すれば綺麗に見やすく印刷できるかといったことや、FAXを送信する際にどのMFPから読み取れば解像度の良い画像を送信できるかといったことである。
【0011】
本発明では上記内容を考慮し、通信BOXとスキャナ/プリンタが分離したシステムにおいて、MFPに識別信号を各々割り振り、ネットワーク経由で通信装置に対してMFPがMFP自身の状態情報を通知し、通信装置がMFPの状態を監視することによって、子機からMFPの状態情報を知ることができ、最適なスキャナ/プリンタを操作することが出来る情報通信システムの提供を目的とする。またMFPからメーカ情報を始めとする機種情報を取得しその情報を子機の液晶画面に表示させて操作することを可能とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
コードレス電話機能及びファックス通信機能を有する通信装置と、スキャナ機能及びプリンタ機能を有する画像処理装置とが共通の通信路に接続されて他の機器とともにネットワークを形成された画像通信システムにおいて、通信装置は無線接続によって通信装置本体と制御信号および音声信号を送受信できるコードレス子機、前記コードレス子機と無線通信を行う無線通信部、画像信号をファクシミリ通信の為の符号化を行う符号化部、符号化された画像データを電話回線に送信するためのモデム部、前記コードレス子機から指定された電話番号にダイヤルする発呼部、外部インターフェースによって接続された画像処理装置とデータの授受を行うネットワーク制御部、前記ネットワーク制御部から識別し前記コードレス子機から指定された電話番号を記憶するダイヤルメモリ、前記コードレス子機、前記画像処理装置から受信した画像データを記憶する画像メモリ、ネットワーク経由で画像処理装置から状態情報を受信する状態情報受信手段と、前記状態情報受信手段によって受信した画像処理装置の状態情報を保存し、管理する管理手段とを有し、前記コードレス子機は通信装置本体と無線通信を行う無線通信部、発呼する相手先を選択する選択手段、相手先電話番号を入力するダイヤル手段、前記選択手段およびダイヤル手段によって操作された情報を表示する表示部、通話を示す通話指示手段、ファクシミリ送信を示す送信指示手段を有し画像処理装置は光電変換素子によって原稿を走査してデジタルデータに変換する画像読取部、前記読取データを濃度データに変換する輝度濃度変換部、外部インターフェースによって接続された他の装置とデータの授受を行うネットワーク制御部、前記輝度濃度変換部または外部インターフェースを介して受信した画像データを記録紙に記録する記録部、ネットワーク経由で通信装置へ画像処理装置の状態情報を通知する状態情報通知手段とを有し、ネットワークに接続されている複数の画像処理装置を識別し、識別信号を割り振られた画像処理装置における状態を監視しその時点における読取、記録を行うのに最適な画像処理装置をコードレス子機の選択画面に表示させることを特徴とする画像通信システム。
【発明の効果】
【0013】
本発明の構成することにより、コードレス電話機能、留守番電話機能、信頼性の高いファクシミリ/電話切り替え機能と言った高機能な電話機能は通信BOXによって実現でき、ファクシミリ送信時の原稿の読み取りは、高性能な読取部を有するMFPを利用して行えるので、通信BOXとMFP、それぞれの構成がシンプルになり、低コストで高機能な電話機能とパーソナルコンピュータのための高性能な画像入出力機能をユーザに提供することが出来る。
【0014】
またMFPのスキャナ機能、プリンタ機能が陳腐になったとき、ユーザはMFPだけを買い換えれば良いので、進歩の早いMFP買い替え時におけるユーザの経済的負担を軽くすることが出来る。
【0015】
さらにはネットワークに複数のMFPを接続する場合、通信BOXを経由することでそれぞれのMFPからファクシミリ送信が可能となるので、通信BOXに含まれる一つのファクシミリ通信機能で、複数のFAXが存在するかの如く扱うことも可能とし、ファクシミリ送信に最適なMFP、受信プリントに最適なMFPを選択することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
発明を実施するための最良の形態は、以下の実施例である。
【0017】
図1は本発明のシステム構成を表した図で、同図において101は本発明を実施した通信BOX、201(201−1、201−2)は本発明を実施したコードレス子機、301(301−1、301−2)は本発明を実施した画像処理装置、401はDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)機能を有するネットワークルータ、501は一般的なPC(パーソナルコンピュータ)、601はネットワークケーブルを示していて、IEEE802.3で規定されているようなネットワークで各々接続されている。また、コードレス子機201(201−1、201−2)は無線によって通信BOX101と接続されている。
【0018】
またコードレス子機において図1では2台のコードレス子機を201−1、201−2として記載しているが、それ以上の接続も可能であるし、また1台のみでもよい。
【0019】
また、本発明において画像処理装置は、ネットワークに複数接続可能なように構成されるので、図1では2台の画像処理装置を302−1、302−2として記載しているが、それ以上の接続も可能であるし、また1台のみの接続でもよい。
【0020】
図2は本発明を実施した通信BOX101のブロック図である。通信BOXはコードレス子機とのやり取りを行う無線インターフェース、ファクシミリ通信やコードレス子機による通話を行うための公衆回線網とのインターフェースおよびネットワークによって接続されたPCやMFPと通信を行うためのインターフェースを備えている。
【0021】
同図において、制御部1001はROM1002に記憶されたプログラムに従って通信BOX全体を制御する制御部である。ROM1002は制御部1001の制御プログラムやオペレーティングシステム(OS)プログラムなどが格納され、制御部1001はここに格納された制御プログラムに従って通信BOXの動作を制御する。本発明では、ROM1002に格納されている各制御プログラムは、ROM1002に格納されたOSプリグラムの管理下でスケジューリングやタスク切り替えなどのソフトウエア制御が行われる。RAM1003は演算処理や、オペレータが登録した設定値や装置の管理データ等の記憶、通信BOXをネットワークルータに接続した時に取得するアドレスの記憶、さらにはネットワークに接続されているMFPのアドレスの記憶等に使用される。バッファメモリ1004はネットワークを通じて送られてくる画像データやデータパケットの蓄積、公衆回線を介して送受信されるファクシミリ画像データの蓄積を行うものである。符号復号化処理部1004は、動作モードに応じてMFPから受信した、あるいは公衆回線から受信した画像データを、MH、MR、JIBG、JPEG等の圧縮伸張する符号復号化処理を行うものである。通信制御部1006は、公衆回線701と通信BOXを接続するためのインターフェースであり、局交換機からの呼出信号を検出するリンガー検出回路、ダイヤル生成回路、2線−4線変換を行うためのトランス回路等で構成されていて、コードレス子機による通話の音声信号やファクシミリ通信の変調信号は、通信制御部を通じて公衆回線との間で送受信される。モデム1007デジタルデータをファクシミリ通信のために変復調を行うものである。1008はクロスポイントスイッチ部であり、制御部からの制御によって、通信制御部を介して送受信されるアナログ信号を、動作モードによってモデム1007と、後述する無線制御部1009の間で切り替えを行う。1009はRFモジュールを含む無線制御部であり、無線によって接続されたコードレス子機との間で通信を行うために、制御データおよび音声信号を変調し無線送信可能な形式に変換してアンテナ1012に送ると共に、アンテナより無線受信した信号を復調して、制御データは制御部に出力し、アナログ信号(音声信号)はクロスポイントスイッチ1008に出力するものである。図1に示した子機201が使用されると本通信BOXと子機が無線にて接続され、音声パスが形成される。1010はIEEE802.3などによって規定されたネットワークでの通信制御を行うネットワーク制御部である。ネットワーク制御部はネットワークに接続され、TCP/IP等の規格に沿ってプロトコル制御を行い、画像処理装置からのデータパケットの受信および画像処理装置へのデータパケットの送信を行う。ネットワーク制御部1010は、データパケットを受信すると制御部1001に通知する。1013は電話帳メモリで、コードレス子機ごとに登録された通信相手先名称、電話番号、FAX番号等を記憶する。1011は制御部1001と各ブロックを接続するシステムバスである。1014はコードレス子機の表示部に表示するための、HTML形式で記述された各種設定メニュー画面を記憶するWEBページメモリである。
【0022】
601は、ネットワークケーブルで、これによってネットワークルータ401と接続される。
【0023】
701は、公衆回線でこれを通じて電話の通話やファクシミリ通信を行う。
【0024】
図3は本発明を実施したコードレス子機201のブロック図である。同図において、制御部2001はコードレス子機201全体の制御をおこなう。ROM2002は制御部2001の制御プログラムやオペレーティングシステム(OS)プログラムなどが格納され、制御部2001はここに格納された制御プログラムに従って通信BOXの動作を制御する。RAM2003は演算処理や表示部2007に表示する画像データの格納、通信BOXから受信した電話帳データ等を記憶する。操作部2008はダイヤル番号等を入力するダイヤルキーや、通話キー、送信キー、電話帳キー等の機能キーから構成される。表示部2007は操作部2007の操作に従って、各種設定画面や入力されたダイヤル番号、通信BOXの動作状況等を表示するものである。ベースバンド部2004は、モデム・コンパンダ、秘話・アンプ機能を有し、制御データ及び音声信号を伝送効率のよい形式に変復調する。このベースバンド部2004からの変調信号を、後述する無線制御部2005を介して通信BOXに伝送する。また無線制御部2005からの変調信号を復調して、制御信号は制御部2001に出力し、音声信号はスピーカ2009へと出力する。無線制御部2005はベースバンド部2004からの変調信号を無線送信可能な形式に変換してアンテナ2006に送ると共に、アンテナ2006より無線受信した信号より変調信号を取り出しベースバンド部2004に出力する。マイク2011は通話音声信号の入力をおこなう。スピーカ2009は音声信号の拡声出力および着信音等を鳴動させる。レシーバ2010は通話音声信号の出力を行う。2012はコードレス子機と通信BOXの間の無線通信を確立するためのシステムの呼出符号(システムID)、コードレス子機の子機番号ID等を記憶するEEPROM等で構成された不揮発性のメモリである。2013は制御部と各ブロックを接続するシステムバスである。
【0025】
図4は本発明を実施した画像処理装置(MFP)301のブロック図である。画像処理装置は画像読取部および画像記録部を有し、読み取った画像データをネットワークに出力したり、ネットワークから受信した画像データを記録部によって記録したり、あるいは読取部で読み取った画像データを記録部によって記録したりできるものである。同図において、制御部3001はシステム制御部であり、画像処理装置の装置全体を制御する。ROM3002は制御部3001の制御プログラムやオペレーティングシステム(OS)プログラムなどが格納され、制御部3001はここに格納された制御プログラムに従って端末装置の動作を制御する。本発明では、ROM3002に格納されている各制御プログラムは、ROM3002に格納されたOSプリグラムの管理下でスケジューリングやタスク切り替えなどのソフトウエア制御が行われる。RAM3003は演算処理や、オペレータが登録した設定値や装置の管理データ等の記憶、さらには画像処理装置をネットワークルータに接続した時に取得するアドレスの記憶等に使用される。バッファメモリ3004は読み取った画像データや受信した画像データを蓄積、およびネットワークを介して送受信されるデータパケットの蓄積等を行うものである。操作部3005は各種入力キーで構成され、オペレータによる各種入力操作を行うものである。表示部3010は、LED、LCD等で構成され、読み取りモードを設定するための表示や、各種設定のための表示、画像処理装置の動作状況の表示などを行うものである。読取処理部3006は、読取部3007において光電変換素子によって原稿を光学的に読み取り、電気的な画像データに変換した画像信号を、2値化処理、中間調処理などの各種画像処理を施して高精細な画像データを出力するものである。読取処理部3006は、ROM3002に格納された制御プログラムのスキャン制御タスクプログラムによって制御される。読取部3007はCCDやコンタクトイメージセンサ等の光電変換素子によって構成されている。記録処理部3008は、記録部3009によって画像データを記録するために、記録画像データに対し解像度変換処理やスムージング処理をおこなう。また、記録部3009に紙無し、紙ジャム、トナー(あるいはインク)切れなどの障害が発生したとき、記録部3009から障害情報を受け取り、制御部3001に通知するものである。記録処理部は、ROM3002に格納された制御プログラムのプリンタ制御タスクプログラムによって制御される。記録部3009はレーザービームプリンタやインクジェットプリンタ等で構成されていて、記録紙検知手段、トナー(あるいはインク)検知手段、ジャム検知手段を有している。符号復号化処理部3011は、動作モードに応じて画像データを、MH、MR、JIBG、JPEG等の圧縮伸張する符号復号化処理を行うものである。3012はIEEE802.3などによって規定されたネットワークでの通信制御を行うネットワーク制御部である。ネットワーク制御部はネットワークに接続され、TCP/IP等の規格に沿ってプロトコル制御を行い、画像処理装置が取得したアドレスを宛先にしたデータパケットの受信および画像処理装置からのデータパケットの送信を行う。ネットワーク制御部3022は、データパケットを受信すると制御部3001に通知する。3023は、制御部3001と各ブロックを接続するシステムバスである。
【0026】
601は、ネットワークケーブルで、これによってネットワークルータ401に接続される。
【0027】
図5は、コードレス子機201の外観を示したものである。ダイヤル番号等を入力するためのダイヤルキーや、通話キー、送信キー、電話帳キー等の機能キーから構成された操作部2008、入力されたダイヤル番号等を表示する表示部2007の例を示している。
【0028】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施例を説明する。
【0029】
MFP301−1はDHCP機能を有するネットワークルータ401により、MFP301−1をネットワークに接続した時点でプラグアンドプレイが実現される。つまりDHCP機能を有するネットワークルータ401により、物理的にネットワークにMFPを接続すればTCP/IPといった通信に必要な設定が自動的に行われるものとする。ここでMFP301−1のIPアドレスが決定される。そしてDHCP機能を有するネットワークルータ401で配布されたIPアドレスを元に、アドレス解決を行いたい通信BOX101は接続したMFP301−1のMACアドレスを知ることが出来る。この場合の手段として例えばARP(Address Resolution Protocol)がある。
【0030】
ARPではIPアドレスからMACアドレスを知りたいといったアドレス解決を行いたい通信BOX101が相手先に対して「このIPアドレスをもつMFP301−1はMACを返してきてください」というブロードキャストパケットと呼ばれるパケットをLAN内全体に送るといったARPブロードキャストを行う。その後、LAN内にある全てのMFPがブロードキャストパケットを受信し、そのIPアドレスを持たない無関係のMFPはそのパケットを破棄する仕組みになる。最終的に、特定のIPアドレスを持つMFPが見つかった場合に、そのMFPと1対1でのユニキャストを行い、通信が確立する。
【0031】
そこでの詳細のやりとりは本発明とは関係がないためにここでは省略する。
なお、RARP(Reverse Address Resolution Protocol)といった別の手段にてIPアドレスとMACアドレスの関係を決定することもできる。
【0032】
図6にMACアドレスの参考フォーマットを示す。
【0033】
MACアドレスの形式は48ビットのコードからなっており、24ビットのベンダーコードと24ビットのノード番号(製造メーカによって管理・提供されている他の機器と重複しない管理コード)の48ビットで構成されている。
【0034】
図6においては3〜24ビットはベンダ識別子と呼ばれ製造メーカごとに特定の数字が割り当てられ、25〜48ビットはメーカが製造したネットワークインターフェイスごとに違う数字を割り当てられた構造となる。
【0035】
本実施例においてはMACアドレスのノード番号にスキャナ/プリンタであることや、スキャナの解像度やカラー/モノクロ、CCD/CISといった情報や、プリンタにおいてはインクジェット方式、レーザービーム方式といった方式やカラー/モノクロといった性能の情報を含ませる。
【0036】
以上の内容から通信BOX101のネットワーク制御部において接続されたMFP301−1のMACアドレスのベンダ識別子部分からメーカを割り出すことができ、接続されたものがMFPであることが判別することができ、またコードレス子機201−1にMACアドレスのノード番号から割り出した上記性能情報データの送信を行うことで、子機ではLAN上における有るメーカの接続された製品のみを表示させその性能を表示させることを可能とする。
【0037】
図7にコードレス子機201の表示部2007における機種一覧表示例を示す。
ユーザーは図7の画面において操作部2008の各キーを押下することで読取を行うMFPや記録を行うMFPの選択・決定を行う。
【0038】
図7−1は現在利用できるMFP一覧画面である。ここでは上記のMACアドレスのベンダ識別子部分からメーカを割り出し、A社のみの製品を表示させている。もちろん他社の製品を表示させることも可能である。
【0039】
図7−2は現在利用できるプリンタ一覧画面である。図7−1においてのプリンタの詳細画面となる。ここでは上記のMACアドレスのノード識別子部分からインクジェット方式、レーザービーム方式といった方式やカラー/モノクロといった性能の情報を表示させている。また紙なし、インクなし、などのエラー情報、パワーオン時のアイドル状態の情報、印刷中やクリーニング中などのジョブ情報などを表示することが可能とする。
【0040】
図7−3は現在利用できるスキャナ一覧画面である。図7−1においてのスキャナの詳細画面となる。ここでは上記のMACアドレスのノード識別子部分からスキャナの解像度やカラー/モノクロ、CCD/CISといった性能の情報を表示させている。パワーオン時のアイドル状態の情報、読取中などのジョブ情報などを表示することが可能とする。
【0041】
図8は、本発明の実施例におけるMFP301側の通信BOX101への状態情報の通知処理を示すフローチャートである。
【0042】
MFP301側は、自身の状態が変化したかどうかを監視し(S101)、変化があった場合には通信BOX101へ状態情報を通知する。状態の具体例として記録紙無し、記録紙ジャム、インク無し、などのエラー情報、パワーオン時のアイドル状態の情報、印刷中やクリーニング中などのジョブ情報などが考えられる。
【0043】
図9は、本発明の実施例における通信BOX101側のMFP301からの状態情報の通知処理を示すフローチャートである。
【0044】
通信BOX101側は、MFP301側からの状態情報の通知が来たかどうかを監視し(S201)、通知が来た場合には状態情報格納用のメモリの状態情報を更新する(S202)。
【0045】
図10は、本発明の実施例における通信BOX101側のファクシミリ受信処理を示すフローチャートである。
【0046】
通信BOX101側は、CNG検知などによりファクシミリの到来を監視する(S301)。CNGを検知したらファクシミリ開始手順を行いファクシミリ受信処理を開始する(S302)。ここで通信回線から画像データを受信し一旦メモリに蓄積する。次に画像データの出力先となるMFPが正常かどうかを図9のS202の状態情報更新処理において格納したメモリを調べることで行う(S303)。出力先のMFPが正常の場合にはコードレス子機にファクシミリの到来の表示と共に出力可能なMFPのデータを送信する(S304)送られてきたMFP情報を元に子機にて出力を行うMFPを決定する。(S305)その後MFPに画像データを送信する。(S306)MFPの状態情報を監視しMFPが画像データを印刷中ならば監視を続け、印刷を終了してアイドル状態に戻れば正常終了とみなしてメモリに保存しておいた受信画像データの削除など正常終了処理を行い(S308)、S301に戻る。エラー状態を検知したら受信画像データをメモリに保管しMFPの状態確認画面へと戻る(S307)。なお、印刷処理中のMFPから通信BOXへの状態通知についても図8のS102で行われ、図9のS202で状態情報の更新が行われる。
【0047】
図11は、本発明の実施例におけるMFP301側のファクシミリ受信処理を示すフローチャートである。
【0048】
MFP側は、ネットワーク経由で通信BOXから画像データが到来したかどうかを監視し(S401)、到来した場合には画像データの印刷処理を開始する(S402)。次に印刷処理が正常に終了したかどうかを監視し(S403)、正常終了した場合には印刷動作をスタンバイに戻すための正常終了処理を行って(S404)、S401に戻る。エラーが発生した場合には印刷ジョブのキャンセル処理やエラーに応じたエラー終了処理を行い(S405)、S401に戻る。
【0049】
図12は、本発明の実施例における通信BOX101側のファクシミリ送信処理を示すフローチャートである。
【0050】
子機の操作部からファクシミリ送信が指示されたかどうか監視し(S501)指示された場合には送信先となるMFPの読取部が正常かどうかを図9のS202の状態情報更新処理において格納したメモリを調べることで行い子機の表示部にMFPの情報状態を表示する(S502)。
【0051】
送られてきたMFP情報を元に子機にて出力を行うMFPを決定する(S503)。選択されたMFPに対して読取指示コマンドを送信し(S504)、異常状態であればファクシミリ送信を中止するための処理を行う(S509)。MFPが読取処理を行っている間、MFPの読取部の状態を監視する(S505)。エラー終了した場合にはファクシミリ送信中止処理を実行する(S509)。読取処理が正常に終了した場合には読取った画像データがMFPから到来するのを待ち(S506)、画像データを受信したらファクシミリ送信用の符号化処理などのデータ変換処理を行う(S507)。その後、通信制御部によってファクシミリ送信処理を行う(S508)。
【0052】
図13は、本発明の実施例におけるMFP301側のファクシミリ送信処理を示すフローチャートである。
【0053】
S504で通信BOXから送信された読取指示コマンドを受信したかどうかを監視し(S601)、受信した場合には読取部を駆動し読取処理を開始する(S602)。
【0054】
読取処理中に読取部が正常に読み取りを終了するかどうかを監視し(S603)、正常に終了した場合には読取った画像データを通信BOXへ送信する(S604)。読取部が読取処理中に異常状態になった場合にはその旨を通信BOXに通知するなどのエラー終了処理を行い終了する(S605)。
【0055】
このように、本発明の実施例において、識別信号を割り振られたMFP301に状態変化が発生した場合にネットワーク経由で通信BOX101に状態情報の通知を行い、また通信BOX101がMFP301の機種情報並びに状態情報を保存し管理することで、その時点においての読取、記録を行うのに最適な画像処理装置をコードレス子機201の液晶画面に表示・選択をさせることを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明を適用した画像通信システムの概略構成を表した図である。
【図2】本発明を適用した通信BOX101のブロック図である。
【図3】本発明を適用したコードレス子機201のブロック図である。
【図4】本発明を適用した画像処理装置(MFP)301のブロック図である。
【図5】本発明を適用したコードレス子機の外観図である。
【図6】MACアドレスの参考フォーマットである。
【図7】本発明を適用したコードレス子機の液晶表示例である。
【図8】本発明を適用したMFP301の状態情報の通知処理(MFP301側)を示すフローチャートである。
【図9】本発明を適用したMFP301の状態情報の通知処理(通信BOX101側)を示すフローチャートである。
【図10】通信BOX101側のファクシミリ受信処理を示すフローチャートである。
【図11】MFP301側のファクシミリ受信処理を示すフローチャートである。
【図12】通信BOX101側のファクシミリ送信処理を示すフローチャートである。
【図13】MFP301側のファクシミリ送信処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0057】
101 通信BOX
201 コードレス子機
301 画像処理装置(MFP)
401 ネットワークルータ
501 パーソナルコンピュータ(PC)
601 ネットワークケーブル
701 公衆回線
1001 制御部
1002 ROM
1003 RAM
1004 バッファメモリ
1005 符号化復号化部
1006 通信制御部
1007 モデム
1008 クロスポイントスイッチ部
1009 無線制御部
1010 ネットワーク制御部
1011 システムバス
1012 アンテナ
1013 電話帳メモリ
1014 WEBページメモリ
2001 制御部
2002 ROM
2003 RAM
2004 ベースバンド部
2005 無線部
2006 子機アンテナ
2007 表示部
2008 操作部
2009 スピーカ
2010 レシーバ
2011 マイク
2012 EEPROM
2013 システムバス
3001 制御部
3002 ROM
3003 RAM
3004 バッファメモリ
3005 操作部
3006 読取処理部
3007 読取部
3008 記録処理部
3009 記録部
3010 表示部
3011 符号化復号化処理部
3012 ネットワーク制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コードレス電話機能及びファックス通信機能を有する通信装置と、スキャナ機能及びプリンタ機能を有する画像処理装置とが共通の通信路に接続されて他の機器とともにネットワークを形成された画像通信システムにおいて、
通信装置は
無線接続によって通信装置本体と制御信号および音声信号を送受信できるコードレス子機、
前記コードレス子機と無線通信を行う無線通信部、
画像信号をファクシミリ通信の為の符号化を行う符号化部、
符号化された画像データを電話回線に送信するためのモデム部、
前記コードレス子機から指定された電話番号にダイヤルする発呼部、
外部インターフェースによって接続された画像処理装置とデータの授受を行うネットワーク制御部、
前記ネットワーク制御部から識別し
前記コードレス子機から指定された電話番号を記憶するダイヤルメモリ、
前記コードレス子機
前記画像処理装置から受信した画像データを記憶する画像メモリ、
ネットワーク経由で画像処理装置から状態情報を受信する状態情報受信手段と、
前記状態情報受信手段によって受信した画像処理装置の状態情報を保存し、管理する管理手段とを有し、
前記コードレス子機は
通信装置本体と無線通信を行う無線通信部、
発呼する相手先を選択する選択手段、
相手先電話番号を入力するダイヤル手段、
前記選択手段およびダイヤル手段によって操作された情報を表示する表示部、
通話を示す通話指示手段、
ファクシミリ送信を示す送信指示手段、
を有し
画像処理装置は
光電変換素子によって原稿を走査してデジタルデータに変換する画像読取部、
前記読取データを濃度データに変換する輝度濃度変換部、
外部インターフェースによって接続された他の装置とデータの授受を行うネットワーク制御部、
前記輝度濃度変換部または外部インターフェースを介して受信した画像データを記録紙に記録する記録部、
ネットワーク経由で通信装置へ画像処理装置の状態情報を通知する状態情報通知手段とを有し、
ネットワークに接続されている複数の画像処理装置を識別し、識別信号を割り振られた画像処理装置における状態を監視しその時点においての読取、記録を行うのに最適な画像処理装置をコードレス子機の選択画面に表示させることを特徴とする画像通信システム。
【請求項2】
請求項1の情報通信システムにおいて、
子機の操作手段によって、通信装置本体と無線通信を行い画像処理装置情報、メーカ情報を子機に送信する請求項1の画像通信システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2006−25216(P2006−25216A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−201848(P2004−201848)
【出願日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】