説明

画像通信装置及び画像通信システム

【課題】トラブル発生時に事前に代替の情報手段を選択することができるようにする。
【解決手段】第2の画像通信装置100Bはプレゼンスサーバ110のユーザとなり自機のプレゼンス情報として、サプライ情報やプロッタ状態をプレゼンスサーバ110に通知し登録する(PUBLISH)。プレゼンスサーバ110は通知された情報をデータベースに登録し、情報の購読依頼(SUBSCRIBE)のあったユーザ(第1の画像通信装置100A)対してプレゼンス情報を通知する(NOTIFY)。以降、画像通信装置100A,100Bは自機のサプライ状態やプロッタ状態に変化が発生した場合は、プレゼンスサーバ110に通知することによってその装置のプレゼンス情報を参照しているユーザに装置状態がリアルタイムで通知される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
機器を利用するユーザにプレゼンス情報を通知することができ、またプレゼンス対応アプリケーションと連携して画像データを送信することができる画像通信装置およびそのシステム。
【背景技術】
【0002】
この種の技術として例えば特許文献1に記載の発明が公知である。この発明は、ユーザの運用により送信先を変え、あるいは、情報の伝達方法を変えることができるネットワークシステムを提供することを目的としたもので、ネットワーク対応機器である複数の端末とサーバ装置がネットワーク接続されたネットワークシステムにおいて、ネットワーク上のある端末に送信する際に指定された端末が受信不可能あるいは出力不可能な場合は、送信端末において送信する前にオペレータへ通知する機能を有するものである。
【0003】
なお、関連するする技術として通信端末のリソースについて自動的にプレゼンスサーバへ通知して更新する発明がある(特許文献2)。
【特許文献1】特開2005−269094号公報
【特許文献2】特開2005ー278084号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
今日、IP電話やインスタントメッセンジャなどの普及によりSIP(session initiation protocol)が急速に普及してきている。画像通信装置においても例えばリアルタイム型のインターネットFAX(T.38)のシグナリングプロトコルとしてSIPを実装しているものも登場している。一方、SIPはIP電話等のシグナリングプロトコルを目的として使用するだけでなく、プレゼンス情報をやり取りに使用することもできる。プレゼンスとは人や物が今どんな状態にあるかを示すものであり、例えば人の状態であれば、机の前にいれば「在席中」、会議をしている時は「会議中」のような状態を表現して、他のユーザからの閲覧要求に応じてその情報を教えたりすることができる。
【0005】
しかし、従来は遠く離れた相手先に画像データを転送しようとした場合、相手の受信装置の状態を事前に知るすべがなかったため、送信する側で画像機器にメモリ蓄積し、自動送信処理を指示していたので送信結果が不達になった時点で情報伝達に失敗したと気づくということがあった。そのため送信トラブル発生時に、異なる手段を選択して連絡するまでに時間がかかるといった問題があった。
【0006】
そこで、本発明が解決すべき課題は、トラブル発生時に事前に代替の情報手段を選択することができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、第1の手段は、ネットワーク上のノードへ画像データを送信する手段と、前記ネットワーク上のノードからプレゼンス情報を取得する手段と、機器を利用するユーザに送信相手先の状態を通知する手段と、を備えた画像通信装置を特徴とする。
【0008】
第2の手段は、ネットワーク上のノードへ画像データを送信する手段と、前記ネットワーク上のノードからプレゼンス情報を取得する手段と、送信指定した宛先のプレゼンスから相手が受信できない状態である場合は、受信可能となるまで送信待機する手段と、を備えた画像通信装置を特徴とする。
【0009】
第3の手段は、メモリに蓄積した画像データをネットワーク上のノードに対して公開し取得させる手段と、ネットワーク上のノードからプレゼンス情報を取得する手段と、前記画像データと共に前記プレゼンス情報も公開する手段と、を備えた画像通信装置を特徴とする。
【0010】
第4の手段は、ネットワーク上のノードで動作しているプレゼンスを扱うソフトウエアからプレゼンス情報を取得する手段と、機器を利用するユーザにその状態を通知する手段と、を備えた画像通信装置を特徴とする。
【0011】
第5の手段は、ユーザ認証を行う手段と、認証されたユーザごとにプレゼンス情報を取り込むノードを切り替える手段と、を備えた画像通信装置を特徴とする。
【0012】
第6の手段は、第4または第5の手段において、送信画像データをネットワーク上のノード経由で他のノードへ送信する手段を備えていることを特徴とする。
【0013】
第7の手段は、第6の手段において、ネットワーク上のノードから送信した結果を受け取る手段と、受けとった結果を画像通信装置の履歴に反映する手段と、を備えていることを特徴とする。
【0014】
第8の手段は、第1ないし第7の手段に係る画像通信装置と、1以上のノードとがネットワーク接続された画像通信システムを特徴とする。
【0015】
なお、後述の実施形態では、ネットワークは符号105、インターネット200及びLAN300に、ノードは画像通信装置100A,100B,プレゼンスサーバ110,PC120,130に、プレゼンス情報を取得する手段はシステム制御部1,ネットワークI/F6、メモリ部5に、ユーザに送信相手先の状態を通知する手段、メモリに蓄積した画像データをネットワーク上のノードに対して公開し取得させる手段、前記画像データと共に前記プレゼンス情報も公開する手段、ネットワーク上のノードで動作しているプレゼンスを扱うソフトウエアからプレゼンス情報を取得する手段、送信画像データをネットワーク上のノード経由で他のノードへ送信する手段はシステム制御部1及びネットワークI/F6に、送信待機する手段はシステム制御部1に、機器を利用するユーザにその状態を通知する手段はシステム制御部1、ネットワークI/F部6及びユーザI/F部2に、ユーザ認証を行う手段及び認証されたユーザごとにプレゼンス情報を取り込むノードを切り替える手段はシステム制御部1に、ネットワーク上のノードから送信した結果を受け取る手段はネットワークI/F部6に、受けとった結果を画像通信装置の履歴に反映する手段はシステム制御部1及びメモリ部5に、それぞれ対応する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ネットワーク上のノードへ画像データを送信し、前記ネットワーク上のノードからプレゼンス情報を取得し、機器を利用するユーザに送信相手先の状態を通知するので、画像データを送信する際にあらかじめ相手先の装置状態がわかり、スムーズに情報が伝わらないことを事前に判断でき、トラブル発生時に事前に代替の情報手段を選択することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0018】
図1は本発明の実施形態に係る画像通信装置の構成を示すブロック図である。本実施形態に係る画像通信装置100は、システム制御部1、ユーザI/F部2、スキャナ部3、プロッタ部4、メモリ部5、ネットワークI/F部6、プロトコル制御部7及び画像変換制御部8がバス9によって相互に通信可能に接続されている。システム制御部1は装置全体の機能を制御する。ユーザI/F部2はワンタッチダイヤルキーやシステム設定等に必要な各種キー、ディスプレイを持つ。スキャナ部3は原稿を読み取るユニットである。プロッタ部4は受信原稿やレポートリストを紙に出力するユニットである。メモリ部5は送受信画像や掲示板に表示する画像、サムネイル画像の蓄積ユニットである。システム設定情報やアドレス帳データも管理する。ネットワークI/F部6はLANまたはインターネットとのインタフェースである。プロトコル制御部7はSIPプロトコル制御や電子メールのプロトコルなど各種ネットワークプロトコルを制御する役割を持つ。画像変換制御部8は画像を圧縮伸長し、変倍や線密度変換、画像フォーマット変換を行うユニットである。
【0019】
図2はネットワーク構成を示す図で、第1の画像通信装置100A、第2の画像通信装置100B及びプレゼンスサーバ110がネットワーク105を介して接続されている。図2はプレゼンス情報のやりとりにプレゼンスサーバ(SIPサーバ)を使用した例である。この例では、第1の画像通信装置100Aからプレゼンスサーバ110に情報の購読依頼(SUBSCRIBE)が送信され(1)、プレゼンスサーバ110からプレゼンス情報が通知され(NOTIFY)(2)、また、第2の画像通信装置100Bからプレゼンスサーバ110にステータス登録更新(PUBLISH)(3)される状態を示している。ステータスとは、例えば記録紙エンドやトナーエンドなどの画像通信装置の各部の状態のことであり、その状態の変化を更新し、登録しておく。
【0020】
プレゼンス情報の登録や購読についてのシーケンスを図3に示す。図3のシーケンスでは、第2の画像通信装置100Bはプレゼンスサーバ110のユーザとなり自機のプレゼンス情報として、サプライ情報やプロッタ状態をプレゼンスサーバ110に通知し登録する(PUBLISHメソッド)。プレゼンスサーバ110は通知された情報をデータベースに登録し、情報の購読依頼(SUBSCRIBEメソッド)のあったユーザ(第1の画像通信装置100A)対してプレゼンス情報を通知する(NOTIFYメソッド)。ただし、プレゼンス情報は許可したユーザに限り公開することもできる。以降、画像通信装置100A,100Bは自機のサプライ状態やプロッタ状態に変化が発生した場合は、プレゼンスサーバ110に通知することによってその装置のプレゼンス情報を参照しているユーザに装置状態がリアルタイムで通知される。図3では、さらに第2の画像通信装置100Bから記録紙エンドステータスをプレゼンスサーバ110に通知し登録し、プレゼンスサーバ110は通知された情報をデータベースに登録し、第1の画像通信装置100Aに対してプレゼンス情報、ここで記録紙エンドを通知する。
【0021】
画像通信装置100A,100Bはプレゼンスサーバ110から通知された、プレゼンス情報を解析し自機のアドレス帳に登録されたユーザであった場合にはアドレス帳のレコードに含まれるプレゼンスの状態へ反映を行う。そして、アドレス帳に反映されたプレゼンス情報は、画像データを送信するためにアドレス帳選択した際に例えば図4のようなイメージで、ユーザI/F部2のディスプレイに相手先の装置状態を表示することができるので、どのような情報伝達の手段を選択したらよいか判断することが可能となる。
【0022】
図5はプレゼンス購読とアドレス帳への反映の処理手順を示すフローチャートである。同図において、まず、例えば画像通信装置100Aからプレゼンスサーバへ接続し(ステップS101)、SUBSCRIBEメソッドを送信し(ステップS102)、プレゼンスサーバ110からNOTIFYメソッドを受信した後(ステップS103)、アドレス帳へステートを反映させる。このようにしてネットワーク105上のノード(画像通信装置100B)へ画像データを送信し、ネットワーク105上のノードからプレゼンス情報を取得し、機器を利用するユーザに送信相手先の状態を通知することができる。
【0023】
送信指定した宛先のプレゼンスから相手が受信できない状態である場合は、受信可能となるまで送信待機する。そのときの処理手順を図6のフローチャートに示す。
同図において、画像通信装置100の利用者は画像データを送信する場合、送信原稿をスキャナ部3にセットし送信宛先を指定する(ステップS201)。画像データを蓄積した後(ステップS202)、指定された送信宛先について、プレゼンス情報が取得できるかどうかプレゼンスサーバ110に接続し(ステップS203)、プレゼンス情報が取得できた場合は印刷可能な状態であるかどうか判断し(ステップS204−Y)、印刷可能な状態であれば直ちにオペレータによって選択された手段で送信処理を行う(ステップS206)。もし印刷が不可能な状態の場合には(ステップS204−N)、プレゼンス情報が更新される通知を待つ(ステップS203)。プレゼンス情報の通知があり、その通知で印刷可能な状態が通知された場合には(ステップS204−Y)、その宛先に対して送信待機している場合には待機ファイルの再送処理を行う(ステップS206)。また、印刷可能な状態通知でない場合は再度、印刷可能な状態の通知が来るまで送信待機する(ステップS205)。
【0024】
図7はメモリ部5に蓄積した画像データをネットワーク105上のノードに対して公開し取得させ、さらにネットワーク105上のノードからプレゼンス情報を取得し、画像データと共にプレゼンス情報も公開する処理手順を示すフローチャートである。
【0025】
同図において、ユーザI/F部2からあらかじめ蓄積を行うデータの書誌情報を入力し(ステップS301)、メモリ部5へ画像データと共に登録する。登録に際しては例えば文書タイトル、コメント、そのデータに対する人物やアドレスなどを指定できる。画像データを登録するユーザはスキャナ部3に原稿をセットしユーザI/F部2からスタートキーを押下することにより、読み取りが行われ、読み込んだ画像データは画像通信装置のメモリ部5にある不揮発性メモリに保存される(ステップS302)。蓄積された画像は、ネットワーク105上のノードからWebブラウザ等により参照およびダウンロードすることが可能である。また蓄積終了時に、書誌情報の一つとしてユーザのプレゼンス情報を公開するように指定された場合、プレゼンスサーバ110へ接続し(ステップS303)、指定された人物のプレゼンス情報の閲覧を行う(ステップS304)。
【0026】
その後、プレゼンスサーバ110から通知されたプレゼンス情報をメモリ部5に保存しているアドレス帳や書誌情報へ反映することにより(ステップS305,S306)、WebブラウザからWebページの取得があった場合は、画像データと共にリンクされたプレゼンス情報も通知することができる。
【0027】
図8はAPI(Application Program Interface)を利用した画像通信装置連携アプリケーションのイメージ図である。プレゼンス対応アプリケーションは世の中で普及しているインスタントメッセージを例としている。またプレゼンス対応アプリケーションの中にはAPIが公開されており、APIを通じてプレゼンス情報を閲覧やファイル転送、テキストメッセージの送信が可能なものがある。
【0028】
図9は画像通信装置(ノード4)と連携機能するアプリケーションソフトが起動しているノードを含めたネットワーク構成を示す図で、インターネット200及びLAN300を介してノード1からノード4が接続されている。ノード1のPC120とノード2のPC130はノード3のプレゼンスサーバ110のユーザであり、起動しているプレゼンス対応アプリケーションのコンタクトリストに登録されたユーザのプレゼンス情報をサーバから取得し互いに閲覧することができる。また、ノード2のPC130には画像通信装置と連携するアプリケーションがインストールおよび起動されており、プレゼンス対応アプリケーションのAPIを利用することによってコンタクトリストのプレゼンス情報をソフトウエアのAPIを利用して取得することができる。取得したプレゼンス情報は画像通信装置(ノード4)に転送することが可能である。
【0029】
画像通信装置100(ノード4)は連携アプリケーションから通知された、コンタクトリストとプレゼンス情報をメモリ部5に保持し、ユーザI/F部2のディスプレイに表示することにより、送信宛先のプレゼンス情報を画像通信装置100で確認することができる。
【0030】
ここでは、ノード1に対応するPC120からインターネット200を介してプレゼンスサーバ110に対してプレゼンス更新(1)要求があると、ノード3のプレゼンスサーバ110はインターネット200とLAN300を介してノード3に対応するPC130にその旨通知(2)し、画像通信装置100のLAN300を介して転送する(3)。
【0031】
図10は利用者の認証とプレゼンス情報の取得手順を示すフローチャートである。画像通信装置100を利用者するユーザはI/F部2からログイン名およびパスワードを入力する(ステップS401)ことによってあらかじめ画像通信装置100内部に登録されたデータ、または画像通信装置100外部の認証装置で認証され(ステップS402)、初めて画像通信装置100の利用が可能となる(ステップS403)。認証方法については公知の手段で行われる。
【0032】
またあらかじめ画像通信装置100の利用者ごとにプレゼンス対応アプリケーションとその連携を行うアプリケーションが稼働しているノードのネットワークアドレスを登録することができる。そのため画像通信装置100はユーザの認証がされると同時に、登録されたノードに対してプレゼンス情報の閲覧要求を行う(ステップS404)。そして閲覧できたプレゼンス情報はメモリ部5に保持し(ステップS405,S406)、画像データの送信時にそのプレゼンス情報をユーザに通知することができる。
【0033】
図11は画像通信装置100から送信画像データをネットワーク105上のノード経由で送信するときの処理手順を示すフローチャート、図12は画像通信装置100、SIPサーバ110、PC120又は130間の画像データの転送シーケンスを示すシーケンス図である。ユーザはネットワーク上のあるノード(PC)120又は130で動作しているプレゼンス対応アプリケーションに登録されたコンタクトリストを画像通信装置100のユーザI/F部2で参照することができる。そのためには、画像データを送信したいユーザは、ユーザI/F部2に表示されるこのコンタクトリストを送信宛先として選択し送信処理を行う(ステップS501,S502)。送信する画像データが紙の場合には、スキャナ部3から画像を読み込み、画像蓄積を行う(ステップS503)。画像蓄積終了後、ネットワーク上のノード(PC)に対して画像データの送信を行う(ステップS504)。例えばネットワーク上のノードのアドレスとしてSIP URIが指定されSIPサーバ110経由でデータ転送を行う(SQ1)。
【0034】
画像通信装置100から送信された画像データは一旦ノード(PC)上のメモリに蓄積され、プレゼンス対応アプリケーションのソフトウエアAPIを利用して、指定されたコンタクトリストに対してデータ転送処理が行われ、画像通信装置100から送られたファイルをコンタクトリストの相手に対して送信することができる。
【0035】
図13はPC120又は130、SIPサーバ110、画像通信装置100間の送信結果通知シーケンスを示すシーケンス図である。ネットワーク上のノード経由で画像データの送信を行う動作までは図12と同様である。本実施形態では、データ転送終了後、ノード上で動作している画像通信装置連携アプリケーションはAPIから通知された送信結果を元に、送信指示を受けた画像通信装置に対してメッセージ送信を行う(SQ2)。画像通信装置では連携アプリケーションから通知されたデータ転送結果を受け取り、装置内部で管理されている送信履歴の対応するレコードに対して結果を反映させる。そのため画像通信装置のユーザは、送信履歴の結果がOKであれば、コンタクトリストに登録された目的の相手先へ、画像通信装置から直接画像データを送信することができる。
【0036】
以上のように本実施形態によれば、次のような効果を奏する。
【0037】
1)従来は遠く離れた相手先に画像データを転送しようとした場合、相手の受信装置の状態を事前に知るすべがなかったため、送信する側で画像機器にメモリ蓄積し、自動送信処理を指示していたので送信結果が不達になった時点で情報伝達に失敗したと気づくということがあった。そのため送信トラブル発生時に、異なる手段を選択して連絡するまでに時間がかかるといった問題があったが、トラブル発生時に事前に代替の情報手段を選択することができるように下ので、連絡に時間がかかることはなくなった。
【0038】
2)従来は画像通信装置において記録紙エンドやトナーエンドなどでもメモリ受信することができるため、送信者は通信結果から相手に情報が伝わったものと判断していたが、実際には印刷されていない場合には情報の伝達がされていないといった問題があった。しかし、本実施形態では画像通信装置から画像データを送信指示された場合に、送信相手先の画像機器のプレゼンス情報を見て相手先の状態が出力不可能な状態と判断された場合は、出力可能な状態になるまで画像データを送信せず待機し、出力可能な状態になったら送信するため、送信者の情報伝達の認識にずれを少なくすることができる。
【0039】
3)従来から画像機器装置のメモリに画像データを蓄積することができ、ネットワーク上のPCからWebブラウザ等を使って機器にアクセスすることで、画像データのサムネイルや画像データのダウンロードをすることが可能であったが、その情報発信した画像データに対する、発信者の状態を知ることはできなかったが、本実施形態では、画像データとその情報発信者のプレゼンスをWebで公開することができることを目的としており、例えば広告とその広告主がその時に営業中かどうかなどリアルタイムで連絡先の状態を表示することができる。
【0040】
4)現在様々なプレゼンスに対応したアプリケーションが世の中には普及し、そのアプリケーションネットワークでは各個人のプレゼンス情報がやり取りされているが、画像機器装置はその情報を直接利用することはできないという問題があった。またプレゼンス対応アプリケーションにはAPIを公開し、そのAPIを使って他のソフトウエアとの連携が可能となっているものもある。本実施形態ではそのPC上で動作しているプレゼンス対応アプリケーションのAPIを使って連携するソフトウエアにより、コンタクトリストに登録された相手のプレゼンス情報を画像通信装置に転送し、画像通信装置で送信指示しようとするユーザに対して相手先のプレゼンスを通知することができるので、最適な情報伝達の選択が可能となる。
【0041】
5)機器利用者を認証することで、プレゼンス情報を参照するノードを切り替えて参照することができるため、例えば接続先のノードを各個人のPCにすることでそのユーザしか参照できないプレゼンス情報を画像通信装置上で参照することができる。
【0042】
6)プレゼンス対応アプリケーションはプレゼンス情報をやり取りするだけでなくテキスト情報やファイル転送の機能を持つものもある。そこで本件では請求項4,5においてさらに画像通信装置で取得したコンタクトリストから宛先を指定し、送信したい画像データを、PC上で動作しているプレゼンス対応アプリケーション経由で相手先にデータ転送することにより個人のPCへ直接送信することができる。
【0043】
7)PCを経由してデータ転送するため、PC間のデータ転送結果を知ることができず画像通信装置の送信履歴には結果が正しく反映されないという問題があった。そこでPC間でのファイル転送が終了した後、転送結果を画像通信装置へ通知し、送信履歴に反映することにより送信履歴の情報を正確なものにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施形態に係る画像通信装置の構成を示すブロック図である。
【図2】ネットワーク構成を示す図である。
【図3】プレゼンス情報の登録や購読についてのシーケンスを示すシーケンス図である。
【図4】アドレス帳の選択イメージを示す図である。
【図5】プレゼンス購読とアドレス帳への反映手順を示すフローチャートである。
【図6】送信指定した宛先のプレゼンスから相手が受信できない状態である場合に、受信可能となるまで送信待機するときの処理手順を示すフローチャーである。
【図7】メモリに蓄積した画像データをネットワーク上のノードに対して公開し取得させ、さらにネットワーク上のノードからプレゼンス情報を取得し、画像データと共に プレゼンス情報も公開する処理手順を示すフローチャートである。
【図8】APIを利用した画像通信装置連携アプリケーションのイメージを示す図である。
【図9】画像通信装置と連携機能するアプリケーションソフトが起動しているノードを含めたネットワーク構成を示す図である。
【図10】利用者の認証とプレゼンス情報の取得手順を示すフローチャートである。
【図11】画像通信装置から送信画像データをネットワーク上のノード経由で送信するときの処理手順を示すフローチャートである。
【図12】画像通信装置、SIPサーバ、PC間の画像データの転送シーケンスを示すシーケンス図である。
【図13】PC、SIPサーバ、画像通信装置間の送信結果通知シーケンスを示すシーケンス図である。
【符号の説明】
【0045】
1 システム制御部
2 ユーザI/F部
3 スキャナ部
4 プロッタ部
5 メモリ部
6 ネットワークI/F部
7 プロトコル制御部
8 画像変換制御部
100 画像通信装置
110 プレゼンスサーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク上のノードへ画像データを送信する手段と、
前記ネットワーク上のノードからプレゼンス情報を取得する手段と、
機器を利用するユーザに送信相手先の状態を通知する手段と、
を備えていることを特徴とする画像通信装置。
【請求項2】
ネットワーク上のノードへ画像データを送信する手段と、
前記ネットワーク上のノードからプレゼンス情報を取得する手段と、
送信指定した宛先のプレゼンスから相手が受信できない状態のときは、受信可能となるまで送信待機する手段と、
を備えていることを特徴とする画像通信装置。
【請求項3】
メモリに蓄積した画像データをネットワーク上のノードに対して公開し取得させる手段と、
ネットワーク上のノードからプレゼンス情報を取得する手段と、
前記画像データと共に前記プレゼンス情報を公開する手段と、
を備えていることを特徴とする画像通信装置。
【請求項4】
ネットワーク上のノードで動作しているプレゼンスを扱うソフトウエアからプレゼンス情報を取得する手段と、
機器を利用するユーザにその状態を通知する手段と、
を備えていることを特徴とする画像通信装置。
【請求項5】
ユーザ認証を行う手段と、
認証されたユーザごとにプレゼンス情報を取り込むノードを切り替える手段と、
を備えていることを特徴とする請求項4連記載の画像通信装置。
【請求項6】
送信画像データをネットワーク上のノード経由で他のノードへ送信する手段を備えていることを特徴とする請求項4または5記載の画像通信装置。
【請求項7】
ネットワーク上のノードから送信した結果を受け取る手段と、
受けとった結果を画像通信装置の履歴に反映する手段と、
を備えていることを特徴とする請求項6記載の画像通信装置。
【請求項8】
請求項1ないし7の画像通信装置と、1以上のノードとがネットワーク接続されていることを特徴とする画像通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−318429(P2007−318429A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−145535(P2006−145535)
【出願日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】