説明

画像通信装置

【課題】原稿を読み取る読取手段と、読み取った画像データを電子メール等で送信する送信手段とを有する画像通信装置において、少なくともユーザ自身の連絡先(例えば、メールアドレス)を送信先として設定することを容易にし、送信に必要な操作入力を容易にする。
【解決手段】画像通信装置1は、原稿を読み取る読取部15と、各構成部を制御して読取部15で読み取った画像データを送信し且つユーザ認証を行うメイン制御部10と、を有し、メイン制御部10の制御により、読取部15で読み取った画像データを電子メール等で送信する際に、ユーザ認証に伴って特定されるユーザの連絡先を送信先に設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像通信装置に関し、特に、原稿を読み取る読取手段と読み取った画像データを電子メール等で送信する送信手段とを有する画像通信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、家庭用やオフィス用の電化製品のネットワーク化やインターネット化が急速に進み、スキャナ装置やファクシミリ装置においてもネットワークを利用した商品が開発されている。
このような、インターネット等のネットワークを利用して画像を送信するスキャナ装置やファクシミリ装置等の画像送信装置(画像通信装置)には、Scan to E-mailという機能を有するものがある。この機能は、インターネット(ネットワーク)に接続されている画像通信装置において、スキャンした(読み込んだ)原稿画像データを電子メールとして送受信可能な形式のデータに変換して、電子メール用の添付ファイルを作成し、その添付ファイルを添付した電子メールをインターネット上の送信先(ホスト)に送信するものである。
【0003】
ファクシミリ装置の分野においても、スキャンした画像を、ファクシミリ通信で通常用いられる符号化方式にしたがって符号化し、インターネット上の電子メールアドレス(当該アドレスが割り当てられたホスト装置やファクシミリ装置)に送信するインターネットFAX装置というものが開発されている。
また、ネットワークに接続された上述のような画像通信装置は、ファクシミリ(FAX)送信、LAN(Local Area Network)経由での電子メール送信(E-mail送信)、LAN経由でのファクシミリ送信などが可能なように構成されることもある。
【0004】
スキャンした画像データを上述のように電子メールを利用して送信する場合、電子メールアドレスを入力する場合が出てくる。ところが、電子メールアドレスは、電話番号やFAX番号と同様に一般に長く、また使用される文字種も多いので、入力の手間が多い。特に、スキャナ装置やFAX装置(または、スキャナ機能及びFAX機能を有する複合機等)から電子メールを用いて送ろうとした場合、入力装置としてキーボードを有するパーソナルコンピュータ(PC:Personal Computer)等と比べて、入力装置が貧弱な場合が多く、メールアドレスの入力が面倒なことが多い。
【0005】
特許文献1に開示の電子メール機能付きファクシミリ装置では、ログインID、パスワード等の固有のログインデータを有するユーザのユーザコードに対応付けて、過去に指定されたメールアドレスをログインデータ別に記憶するようにしている。この電子メール機能付きファクシミリ装置は、メール送信時に、記憶しているメールアドレスを操作パネルに表示して、ユーザに選択させ、選択されたメールアドレスを送信先としてメールを送信する。これにより、メールアドレスの入力操作を容易にしている。
【特許文献1】特開平10−326238号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述の読み取り手段を備えた画像通信装置は、例えば、複合機として構成されている場合において、会議室に設置されるなどして利用される。この場合、会議の出席者が会議資料を自分用の資料として利用するために、上記画像通信装置を用いて自身のメールアドレスを指定してスキャンデータ(読み取った原稿の画像データ)を電子メールに添付して送信することがある。また、会議資料の配布のために画像通信装置を用いるときでも、画像通信装置としての複合機を操作しているユーザは、自身のメールアドレスをCC(Carbon Copy)送信先やBCC(Blind Carbon Copy)送信先として指定して、スキャンデータを送信することが多い。
【0007】
しかし、特許文献1に開示の技術は、ユーザが自身のメールアドレスに送信することを想定したものではなく、他者のメールアドレスに送信することを想定したものである。そのため、上述のようにユーザ自身のメールアドレスを指定することが多い利用形態においては、特許文献1に開示の技術では対応できない。
【0008】
本発明は、上述のような実情を考慮してなされたものであり、原稿を読み取る読取手段と、読み取った画像データを電子メール等で送信する送信手段とを有するものであって、少なくともユーザ自身の連絡先(例えば、メールアドレス)を送信先として設定することが容易で、送信に必要な操作入力が容易である画像通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の第1の技術手段は、原稿を読み取る読取手段と、該読取手段で読み取った画像データを送信する送信手段と、ユーザ認証を行う認証手段と、を有する画像通信装置において、前記読み取った画像データをで送信する際に、前記ユーザ認証に伴って特定されるユーザの連絡先を送信先に設定することを特徴としたものである。
【0010】
第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記送信手段は、前記画像データを電子メールで送信し、前記連絡先は、メールアドレスであることを特徴としたものである。
【0011】
第3の技術手段は、第1又は第2の技術手段において、前記送信先は、宛て先、回送先(CC送信先)、及び非通知回送先(BCC送信先)の中から選択することを特徴としたものである。
【0012】
第4の技術手段は、第3の技術手段において、前記宛て先、前記回送先(CC送信先)、及び前記非通知回送先(BCC送信先)の中から前記送信先を選択したときに、他の選択を不許可にすることを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、読み取った画像データを送信する際に、ログインユーザ自身の、メールアドレス等の連絡先が、送信先として自動的に設定されるため、ユーザは自身の連絡先の入力操作が必要なくなる。つまりは、ユーザ自身の連絡先を送信先の連絡先として設定すること、すなわち、送信に必要な操作入力が容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の画像通信装置は、原稿を読み取る読取手段と、スキャンデータを送信する送信手段を備え、送信手段が好適にはスキャンデータを電子メールで送信し、後述のように、ログインユーザ自身の、メールアドレス等の連絡先が、送信先として自動的に設定されることに特徴がある。また、本画像通信装置は、例えば、通信回線を介してインターネットに接続されており、同じく通信回線を介してインターネットに接続された外部の端末装置へ、スキャンデータを電子メールを利用して送信する。本画像通信装置は、例えば、コピー/プリント/スキャン/ファクシミリ通信といった処理が可能な複合機であって電子メール送受信機能を有するものから構成される。また、本画像通信装置は、例えば、複合機として構成した場合等において、会議室に設けられ、社内LANにネットワーク接続される。
以下では、本画像通信装置を、複合機で構成した例で説明する。
【0015】
図1は、複合機として構成された本発明の画像通信装置の構成の一例を示すブロック図である。まず、画像通信装置の基本的な構成について説明する。
画像通信装置1は、例えば、図1に示すように、メイン制御部10、制御用メモリ11、制御用バッファ12、画像記憶部13、フォーマット変換部14、読取部15、記録部16、パネル制御部17、操作パネル18、符号化/復号制御部19、LAN制御部20、モデム21、網制御部22及びログイン情報管理部23を備えている。
【0016】
メイン制御部10は、制御プログラムを実行することにより画像通信装置1全体の制御を行うもので、演算を行うCPU(Central Processing Unit)等からなる。また、メイン制御部10は、電子メール送受信用アプリケーションを起動させて、電子メールの送受信を制御することができる。制御用メモリ11は、各種プログラムや各種データ等を記憶する記憶部であり、書き換え可能な不揮発性のメモリ等からなる。制御用バッファ12は、メイン制御部10が各種プログラムを実行する際のデータ等を記憶するもので、RAM(Random Access Memory)等からなる。画像記憶部13は、読取部15からのスキャンデータや外部から受信したデータ(画像データを含む)等を記憶する。
【0017】
フォーマット変換部14は、画像データを所定のファイルフォーマットに変換するものであり、例えば、後述のように、符号化/復号制御部19で符号化されたスキャンデータを所定のファイルフォーマット(電子メールに添付可能なフォーマット)に変換する。また、フォーマット変換部14は、所定のファイルフォーマットに変換したスキャンデータを添付したメールを作成する。すなわち、フォーマット変換部14は、画像データを電子メールで取り扱えるフォーマットに変換するものでもある。
【0018】
読取部15は、記録用紙に記録された原稿画像を読み取って画像データ(スキャンデータ)を生成する。記録部16は、記録用紙上に画像データに基づく画像を記録するもので、通信あるいはスキャンによって入力された画像データをハードコピー(プリントアウト)することができる。パネル制御部17は、操作パネル18を駆動制御する。操作パネル18は、ユーザの操作により制御命令などの情報が入力されるタッチパネル又はテンキー等の操作部と、操作のために必要な情報を表示する液晶パネル等の表示部とからなる。
【0019】
符号化/復号制御部19は、スキャンデータの符号化または画像データ受信時の復号を行う。LAN制御部20は、所定の通信プロトコルにしたがって通信を制御するもので、LANインタフェースを有し、このLANインタフェースを介して、画像通信装置1はLAN2に接続される。なお、LAN2は、ルータ等を通じてインターネットに接続される。モデム21は、電話回線3を介してファクシミリ通信を行うためのものであって、ファクシミリ通信が可能なファクシミリモデムから構成される。網制御部(NCU:Network Control Unit)22は、回線3の制御を行う。モデム21は、NCU22を介して電話回線(公衆電話回線網)3に接続されている。ログイン情報管理部23については、後述する。
【0020】
上述のように構成される画像通信装置(複合機)1は、画像データを送信するイメージ送信モードとして、スキャンデータを送信するインターネットFAXモード及びScan to E-mailモードを有する。以下、インターネットFAXモード及びScan to E-mailモードについて説明する。
インターネットFAXモード(機能)とは、ファクシミリ通信で通常用いられる符号化方式にしたがって符号化したスキャンデータを電子メールに添付して、LAN制御部20によりLAN2等のネットワークを介して送受信するものである。本発明の画像通信装置は、電子メールの送信時に特徴があるので、インターネットFAX機能における送信処理を以下に説明する。
【0021】
上記送信処理の際、画像通信装置1は、メイン制御部10の制御により、例えば、読取部15で原稿画像を読み取り、画像記憶部13に記憶する。そして、画像記憶部13に記憶のスキャンデータ(例えば、ビットマップデータ)を、符号化/復号制御部19にて例えばMH(Modified Huffman)のような圧縮形式で圧縮符号化して圧縮ファイルを作成する。この圧縮は、原稿1ページ単位で行われる。次いで、フォーマット変換部14により、これらの圧縮ファイルを1つのTIFF(Tag Image File Format)に変換し、このTIFFファイルを例えばMIME(Multipurpose Internet Mail Extension)に従ってマルチパートメールに添付する。以上の処理により、画像データを、電子メールで取り扱えるフォーマットに変換する。このようにして作成した電子メールを、LAN制御部20によりLANインタフェースを介してSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)等のメール転送プロトコルを用いて送信先のメールアドレスに送信する。
【0022】
なお、画像通信装置1は、後述のように、作成した電子メールの送信先として、「(通常の)送信先」(「宛て先」ともいう)の他、「CC送信先」、「BCC送信先」(それぞれ「回送先」、「非通知回送先」ともいう)が設定できることが好ましいが、これらが設定できる場合、電子メールの作成は、「送信先」、「CC送信先」及び「BCC送信先」として設定したメールアドレスがそれぞれ、マルチパートメールのヘッダの「To:」フィールド、「Cc:」フィールド及び「Bcc:」フィールドに含まれるように行われる。
【0023】
また、Scan to E-mailモード(機能)とは、スキャン画像データを変換して、電子メール用の添付ファイルを作成し、その添付ファイルを添付した電子メールをインターネット上の送信先(ホスト装置)に送信するものである。Scan to E-mail機能は、ファクシミリ通信で用いられる符号化方式にしたがって画像データを符号化しない点でインターネットFAX機能と異なる。
【0024】
また、Scan to E-mail機能の送信処理では、画像通信装置1は、メイン制御部10の制御により、読取部15で読み取り画像記憶部13に記憶した画像データを、符号化/復号制御部19で圧縮符号化せずに、フォーマット変換部14で1つのPDF(Portable Document Format)ファイルやJPEG(Joint Photographic Experts Group)ファイル、TIFFファイルに変換する。そして、フォーマット変換部14により、変換したファイルを添付した電子メールを作成する。この点において、Scan to E-mail機能の送信処理とインターネットFAX機能の送信処理とが異なる。その他のScan to E-mail機能の送信処理は、上述のインターネットFAX機能の送信処理と同様であるので、その説明を省略する。
【0025】
次に、画像通信装置1における本発明の特徴に関わる機能・構成について説明する。
上述のように、画像通信装置1は、スキャンデータを電子メールに添付して、インターネットFAX機能やScan to E-mail機能を通じて送信するが、その際に、ログインユーザのメールアドレスを送信先のメールアドレスとして自動的に設定することができる点が本発明の特徴である。本発明の特徴を達成するために、画像通信装置1は、ログイン情報管理部23とユーザ認証手段を備える。
【0026】
ログイン情報管理部23は、画像通信装置1にログインできるユーザを認証するためのものであり、画像通信装置1にログインできるユーザのユーザID等のユーザ情報を記憶・管理する。また、ログイン情報管理部23は、ユーザ認証にさらにパスワード(認証コード)等の認証用情報が必要な場合、これら認証用情報も記憶・管理する。
また、ログイン情報管理部23は、ユーザIDに対応付けてユーザのメールアドレスを記憶している。これにより、画像通信装置1は、ログインしたユーザのユーザ情報に基づき、ユーザ自身のメールアドレスを取得できる。
【0027】
ユーザ認証手段は、ユーザ認証用入力装置を有し、ユーザ認証用入力装置に入力されたユーザ情報(及び認証用情報)に基づき、ログイン情報管理部23を参照して、ユーザ認証を行う。なお、ユーザ認証情報用入力装置は、操作パネル18によって実現可能であり、また、IDカードを読み取るIDカード読取器によっても実現可能である。
【0028】
このようなログイン情報管理部23及びユーザ認証手段を備える本画像通信装置1では、ユーザ認証が成功すると、認証されたユーザのユーザ情報(ユーザID)を制御用バッファ12に記憶し、このユーザ情報に基づき、上述のように、認証されたユーザ(認証ユーザ)自身のメールアドレスを取得して特定し、これも制御用バッファ12に記憶する。つまり、本画像通信装置1は、ユーザ認証に伴って認証ユーザのメールアドレスを特定する。そして、本画像通信装置1は、ユーザから指示を受けると、制御用バッファ12に記憶のメールアドレスを送信先として自動的に設定し、上記画像データを添付した電子メールを当該送信先に送信する。このように、本画像通信装置1は、ログインユーザの自身のメールアドレスに送信する場合は、ユーザ認証に伴って特定されるユーザのメールアドレスを送信先(のメールアドレス)に自動設定するので、ユーザのメールアドレス入力設定の際の負担を軽減させることができる。
【0029】
ユーザ認証に伴って認証ユーザのメールアドレスを特定する方法は、上述の方法に限られず、例えば、ユーザのメールアドレスが記録されているIDカードを用いてユーザ認証する場合は、ユーザのメールアドレスをユーザIDと共にIDカード読取器で読み取って、認証ユーザのメールアドレスを特定してもよい。また、メールアドレスのドメイン部(ドメイン名)がユーザによらず固定されている場合は、ユーザIDに基づいて認証ユーザのメールアドレスを生成して(ユーザ名にドメイン名を付加して)特定してもよい。
【0030】
また、電子メールの送信先の種類としては、「(通常の)送信先」の他、「CC送信先」、「BCC送信先」があるが、本画像通信装置1では、ユーザ自身のメールアドレスが自動設定される送信先の種類(ログインユーザのメールアドレスを自動選択させる送信先)をユーザが設定可能である。なお、この設定は、実際に送信操作をする前に予め行われる。図2は、ログインユーザのメールアドレスを自動選択させる送信先を予め設定するための送信先種類設定画面(自身宛送信自動選択設定画面ともいう)である。送信先種類設定画面100は、所謂システム設定のメニュー画面からイメージ送信関連のシステム設定画面を経て表示される。本画像形成装置1では、各種画面は、例えば、操作パネル18の表示部に表示される。
【0031】
図2の送信先種類設定画面100では、ユーザが、送信先として設定したい種類(「送信先」、「CC送信先」、「BCC送信先」の何れか)に対応するチェックボックス101をチェックし、「OK」ボタンを押下する。この操作より、ログインユーザのメールアドレスを自動選択させる送信先が設定される。なお、同じ送信先に同じスキャンデータを複数送信することを避けるため、図2の送信先種類設定画面100において、ログインユーザのメールアドレスを自動選択させる送信先を複数選択できないようにすることが好ましい。
なお、本画像通信装置1では、ログインユーザのメールアドレスを自動選択させる送信先を設定することにより、「イメージ送信モード選択時に送信先としてログインユーザのメールアドレスを自動選択する設定(以下、自身宛送信自動選択設定という)」が有効となる。上述の操作が行わなかったり、上述の操作の後に送信先種類設定画面の全てのチェックボックス101のチェックを外し「OK」ボタンを押下したりした場合、自身宛送信自動選択設定は無効とされ、ユーザ自身のメールアドレスを送信先のメールアドレスとして設定しない。
【0032】
ログインユーザのメールアドレスを自動選択させる送信先の種類の設定は、ユーザの使用形態により大きく変わるので、ユーザ毎に決定できることが好ましい。そのため、本画像通信装置1では、ログイン情報管理部23が、ログインユーザのメールアドレスを自動選択させる送信先の種類等を示す自身宛先送信自動選択設定情報を、ユーザ情報と対応付けて記憶する。この自身宛先送信自動選択設定情報は、後述の図6のフローチャートで説明するように、ログインユーザのメールアドレスを「送信先」、「CC送信先」、「BCC送信先」のいずれかに自動選択するよう設定されているか否かの判定等に用いられる。
【0033】
上述のようにして、ログインユーザのメールアドレスを自動選択させる送信先を予め設定できる。
また、予め設定した、ログインユーザのメールアドレスに、スキャンデータを送る必要がない場合もある。その場合に、ログインユーザのメールアドレスに送らない設定に変更するために、本画像形成装置1では、自身宛先送信自動選択設定を、設定専用画面である送信先種類設定画面100を用いて有効から無効に切り替えるのではなく、図3に示すようなイメージ送信モード用の操作画面を用いて解除できる。
【0034】
図3の画面200,300は、イメージ送信モード用の操作画面の例であって、Scan to E-mailモードのための操作画面の例である。画面200,300は、読込時或いは送信時の原稿サイズや送信原稿濃度、解像度、送信画像データのフォーマット、カラーモード等を設定するためのインタフェースであり、例えば、ユーザが「解像度」キー201を押下することにより、解像度を設定するための画面が新たに表示され、その画面を介して解像度を設定できる。
【0035】
画像通信装置1において、自身宛先送信自動選択設定が有効な場合は、通常、図3(A)の画面200に示すように、ログインユーザのメールアドレス(xxx@aaa.co.jp)が表示される。ここで、自身宛先送信自動選択設定を解除するためには、画面200の「自動選択送信先アドレス解除」キー202を押下すればよい。その結果、画像通信装置1においては、自動選択させる送信先の種類が設定されていても、送信時に送信先としてログインユーザのメールアドレスを自動選択しないようになり、画面においては、図3(A)の画面200から図3(B)の画面300に切り替わる(すなわち、メールアドレスが表示されなくなり、上記解除キー202が「自動選択送信先アドレス再設定」キー302に変わる)。一方、自身宛先送信自動選択設定が解除された状態(解除状態)から、元の、自身宛先送信自動選択設定が有効な状態(非解除状態)にするためには、図3(B)の上記再設定キー302を押下すればよい。この場合、画面が図3(A)の画面200に切り替わる。
【0036】
解除状態にするか非解除状態にするかは、ユーザの一時的な選択によるものである。したがって、画像通信装置1が解除状態にある非解除状態にあるかを判断するための解除状態フラグを用いて、「自動選択送信アドレス解除」キー202が押下されたときに解除状態フラグを立て、「自動選択送信先アドレス再設定」キー302が押下されたときや画像通信装置1に対して所定時間操作がなされなかったときに解除状態フラグを寝かせればよい。この解除状態フラグを用いることにより、ログインユーザのメールアドレスに電子メールを送らない設定を容易に行うことができる。
【0037】
なお、本画像通信装置1としての複合機が例えば会社の特定部署専用の会議室に置かれた場合、会議に用いた資料を配布する場合に、複合機を用いるユーザによらず毎回同じメールアドレス(例えば、当該部署のリーダのメールアドレス等)に送信する場合がある。そのため、本画像通信装置1は、スキャンデータを添付した電子メールの送信先のメールアドレスとして、予め登録されたメールアドレスを自動選択するように以下のように構成される。なお、「イメージ送信モード選択時に送信先として予め登録されたメールアドレスを自動選択する設定」を、以下では登録アドレス自動選択設定という。
【0038】
図4は、登録アドレス自動選択設定が有効なときに自動選択するメールアドレスを登録するための操作画面(登録アドレス自動選択設定画面)の一例を示す図である。図4の操作画面400は、図2の自身宛送信自動選択設定画面100と同様に、イメージ送信モードに関連するシステム設定画面(不図示)に表示された特定のキーを押下することにより表示される。
【0039】
操作画面400では、ユーザは、予め登録されたメールアドレスを自動選択させる送信先として設定したいもの(「(直接)送信先」、「CC送信先」、「BCC送信先」)に対応するチェックボックス401をチェックする。また、ユーザはその後、登録アドレス群表示部402に表示された、登録されたメールアドレス群(以下、登録アドレス群という)の中から、選択キー403を用いて送信先の種類ごとに、自動選択するメールアドレスを選択し、「OK」ボタンを押す。この操作より、本画像通信装置1では、予め登録されたメールアドレスを自動選択させる送信先と、自動選択するメールアドレスが設定される。本画像通信装置1では、予め登録されたメールアドレスを自動選択させる送信先を設定することにより、登録アドレス自動選択設定が有効となる。
【0040】
なお、登録アドレス自動選択設定は、任意のメールアドレスを自動選択する設定であり、予め登録されたメールアドレスを自動選択させる送信先の種類を複数選択できるようにしてもよい(後述の図7の説明は、上記複数選択を可能とした場合に基づいている)。また、登録アドレス自動選択設定は、任意のメールアドレスを自動選択する設定なので、ユーザ認証の有効/無効は関係ない。
【0041】
また、操作画面400において、登録アドレス群に所望のメールアドレスがない場合は、「自動選択するメールアドレスの編集」キー404を押下することにより、画像通信装置1は、登録アドレス群に追加するメールアドレスの登録(入力)画面に移行する。
図5は、登録アドレス群に追加するメールアドレスの入力画面の一例を示す図である。なお、図5の画面500は、図4の一番上の「自動選択するメールアドレスの編集」キー404、すなわち、「送信先」の「自動選択するメールアドレスの編集」キー404を押下した場合の画面であるが、「CC送信先」や「BCC送信先」の「自動選択するメールアドレスの編集」キー404を押下した場合も、画面500の「送信先」という文言が、「CC送信先」や「BCC送信先」に変わるだけで、同様の画面が表示される。
【0042】
図5の入力画面500のアドレス群リスト表示部501には、登録アドレス群内のメールアドレスがリスト表示されている。登録アドレス群に追加するメールアドレスは、「アドレス入力」キー502が押下された後に、ユーザにソフトキーボードで手動入力させてもよいし、「アドレス帳を参照」キー503が押下された後に、制御用メモリ11に記憶のアドレス帳のデータをユーザに対して表示し、アドレス帳に登録されているメールアドレスをユーザに選択入力させてもよい。また、「グローバルアドレス検索」キー504が押下された後に、ネットワークを利用するユーザのメールアドレスを登録・管理するLDAP(Lightweight Directory Access Protocol)サーバ等にLAN制御部20及びLANインタフェースを介してアクセスし、例えば、LDAPサーバに登録されているものをユーザに選択入力させてもよい。
【0043】
なお、「アドレス入力」キー502、「アドレス帳を参照」キー503、「グローバルアドレス検索」キー504が押下されると、画面500からそれぞれのアドレス入力画面に移行し、その画面に対して、上記の手動入力や選択入力が行われる。なお、登録アドレス群は、制御用メモリ11にて、送信先の種類毎に記憶され、もちろん上記のように、メールアドレスが追加入力されれば追加記憶するが、メールアドレスを削除するよう操作された場合は、制御用メモリ11から該当するメールアドレス(及び/またはそのメールアドレスに関する情報)を削除する。
【0044】
画像通信装置1では、予め登録されたメールアドレスを自動選択させる送信先の種類等を示す登録アドレス自動選択設定情報を制御用メモリ11に記憶する。また、登録アドレス自動選択設定情報に、当該情報で示された自動選択させる送信先毎に、自動選択するメールアドレスも示しておくことにより、画像通信装置1において、後述の図7のフローチャートで説明するように、登録アドレス自動選択設定情報に基づいて、自動選択するための「送信先」、「CC送信先」、「BCC送信先」のメールアドレスが登録され、これらを自動選択するよう設定されているか否かを判定することができる。また、この登録アドレス自動選択設定情報は、後述のように、登録されたメールアドレスを「送信先」として自動選択するよう設定されているか否かの判定等に用いられる。
【0045】
続いて、ログインユーザのメールアドレスをスキャンデータの送信先として自動選択・設定してスキャンデータを送信する処理の一例を図6のフローチャートに基づいて説明する。
本発明の画像通信装置1は、上述のように、ログインしたユーザのメールアドレスを「送信先」として自動選択・設定することができるが、まず、パスワードの入力、もしくはIDカード等の利用により、複合機を使用するためのユーザ認証が行われた場合、ユーザ認証の可否の判定を行い、その結果に基づき、当該装置の使用の許可を与える(ステップS1)。次に、ログイン情報管理部23に記憶の自身宛先送信自動選択設定情報を参照して、ログインユーザのメールアドレスを「送信先」、「CC送信先」、「BCC送信先」のいずれかに自動選択するよう設定されているか確認を行う(ステップS2)。
【0046】
ステップS2において、自動選択するよう設定されていると判断した場合(YESの場合)、ユーザID等のユーザ情報に基づき、ログイン情報管理部23を参照して、ログインユーザのメールアドレスを登録情報からサーチを行う(ステップS3)。図6の例では、サーチの結果、XXX@aaa.co.jpというメールアドレスを取得する。取得したメールアドレスは、制御用バッファ12に記憶する。
そして、ログイン情報管理部23に記憶の自身宛先送信自動選択設定情報と解除状態フラグに基づいて、ログインユーザのメールアドレスを「送信先」として自動選択するよう設定されているか否かを判定し(ステップS4)、設定されている場合(YESの場合)は、ログインユーザのメールアドレスを「送信先」に設定し(ステップS5)、ステップS10に処理を移行する。
【0047】
ステップS4において、ログインユーザのメールアドレスを「送信先」として自動選択するよう設定されていない場合(NOの場合)、ログイン情報管理部23に記憶の自身宛先送信自動選択設定情報と解除状態フラグに基づいて、ログインユーザのメールアドレスを「CC送信先」として自動選択するよう設定されているか否かを判定する(ステップS6)。ステップS6において、設定されている場合(YESの場合)は、ログインユーザのメールアドレスを「CC送信先」に設定し(ステップS7)、ステップS10に処理を移行する。
【0048】
また、ステップS6において、ログインユーザのメールアドレスを「CC送信先」として自動選択するよう設定されていない場合(NOの場合)、ログイン情報管理部23に記憶の自身宛先送信自動選択設定情報と解除状態フラグに基づいて、ログインユーザのメールアドレスを「BCC送信先」として自動選択するよう設定されているか否かを判定する(ステップS8)。ステップS8において、設定されている場合(YESの場合)は、ログインユーザのメールアドレスを「BCC送信先」に設定し(ステップS9)、ステップS10に処理を移行する。
【0049】
ステップS10では、スタートキーの押下等によるユーザからの送信開始の指示があったか否かを判定し、指示があった場合(YESの場合)は、ステップS11に処理を移行し、指示がなかった場合(NOの場合)は、ステップS10を繰り返す。すなわち、ステップS10の処理は、ユーザからの送信開始の指示があるまで待機する処理である。
【0050】
上記ステップS10で送信開始の指示があった場合は、「送信先」のメールアドレスが設定済みか確認を行い(ステップS11)、設定済みであった場合(YESの場合)は、送信原稿を読取部15で読み込み、フォーマット変換部14等を用いてスキャンデータを添付した電子メールを作成し、設定されたメールアドレスへ、LAN制御部20等を介して送信する(ステップS12)。
なお、ステップS11で、「送信先」のメールアドレスが設定されていなかった場合(NOの場合)は、操作パネル18の表示部等に表示を行い、「送信先」のメールアドレスを入力するようユーザに促す等した後に、ステップS10へ処理を戻す。
【0051】
ログインユーザのメールアドレスをスキャンデータの送信先として自動選択・設定してスキャンデータを送信する機能の他に、予め登録されたメールアドレスをスキャンデータの送信先として自動選択・設定する機能を有する場合の処理について、図7のフローチャートを用いて説明する。予め登録されたメールアドレスをスキャンデータの送信先として自動選択・設定する処理は、例えば、図6のステップS10の処理の前(ステップS9の処理とステップS10の処理の間など)に行われる。つまり、ログインユーザのメールアドレスを「送信先」、「CC送信先」「BCC送信先」の何れかに自動選択するよう設定されているか否かの判断において、設定されている場合は、ログインユーザのメールアドレスの設定後に行われ、設定されていない場合は、その判断の後に行われる。
【0052】
予め登録されたメールアドレスをスキャンデータの送信先として自動選択・設定する処理を行う際は、画像通信装置1は、制御用メモリ11に記憶の登録アドレス自動選択設定情報を参照して、まず、自動選択するための「送信先」、「CC送信先」、「BCC送信先」のメールアドレスが登録され、これらを自動選択するよう設定されているか否かを判定する(ステップS21)。メールアドレスが登録されていなかったり、自動選択するよう設定されていなかったりした場合(NOの場合)は、図6のステップS10に移行し、スキャンデータの送信処理を行う。
【0053】
ステップS21において、自動選択するための「送信先」、「CC送信先」、「BCC送信先」のメールアドレスが登録され、これらを自動選択するよう設定されている場合(YESの場合)は、制御用メモリ11に記憶の登録アドレス自動選択設定情報に記載のメールアドレス(自動選択するメールアドレス)にログインユーザのメールアドレスが重複しているか否かを判定する(ステップS22)。ステップS22において、重複していない場合(NOの場合)は、ステップS24に処理を移行するが、重複している場合(YESの場合)は、自動選択させるメールアドレスからログインユーザのメールアドレスを削除する(すなわち、制御用メモリ11に記憶の登録アドレス自動選択設定情報から該当するメールアドレスを消去する)(ステップS23)。
【0054】
そして、ステップS24では、制御用メモリ11に記憶の登録アドレス自動選択設定情報に基づいて、登録されたメールアドレスを「送信先」として自動選択するよう設定されているか否かを判定する。ステップS24において、上述のように設定されていない場合は、そのままステップS26に移行するが、設定されている場合(YESの場合)は、「送信先」に設定するよう登録されているメールアドレスを「送信先」に設定し(ステップS25)、ステップS26に処理を移行する。
【0055】
ステップS26では、制御用メモリ11に記憶の登録アドレス自動選択設定情報に基づいて、登録されたメールアドレスを「CC送信先」として自動選択するよう設定されているか否かを判定する。ステップS26において、上述のように設定されていない場合は、そのままステップS28に移行するが、設定されている場合(YESの場合)は、「CC送信先」に設定するよう登録されているメールアドレスを「CC送信先」に設定し(ステップS27)、ステップS28に処理を移行する。
【0056】
そして、ステップS28では、制御用メモリ11に記憶の登録アドレス自動選択設定情報に基づいて、登録されたメールアドレスを「BCC送信先」として自動選択するよう設定されているか否かを判定する。ステップS28において、上述のように設定されていない場合は、そのまま図6のステップS10に移行するが、設定されている場合(YESの場合)は、「BCC送信先」に設定するよう登録されているメールアドレスを「BCC送信先」に設定し(ステップS29)、図6のステップS10に処理を移行する。
このようにして、予め登録されたメールアドレスをスキャンデータの送信先として自動選択・設定する。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】複合機として構成された本発明の画像通信装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図2】送信先種類設定画面の一例を示す図である。
【図3】イメージ送信モード用の操作画面の一例を示す図である。
【図4】登録アドレス自動選択設定画面の一例を示す図である。
【図5】登録アドレス群に追加するメールアドレスの入力画面の一例を示す図である。
【図6】ログインユーザのメールアドレスをスキャンデータの送信先として自動選択・設定してスキャンデータを送信する処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【図7】予め登録されたメールアドレスをスキャンデータの送信先として自動選択・設定する際の処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0058】
1…画像通信装置、10…メイン制御部、11…制御用メモリ、12…制御用バッファ、13…画像記憶部、14…フォーマット変換部、15…読取部、16…記録部、17…パネル制御部、18…操作パネル、19…符号化/復号制御部、20…LAN制御部、21…モデム、22…網制御部(NCU)、23…ログイン情報管理部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を読み取る読取手段と、該読取手段で読み取った画像データを送信する送信手段と、ユーザ認証を行う認証手段と、を有する画像通信装置において、
前記読み取った画像データを送信する際に、前記ユーザ認証に伴って特定されるユーザの連絡先を送信先に設定することを特徴とする画像通信装置。
【請求項2】
前記送信手段は、前記画像データを電子メールで送信し、前記連絡先は、メールアドレスであることを特徴とする請求項1に記載の画像通信装置。
【請求項3】
前記送信先は、宛て先、回送先(CC送信先)、及び非通知回送先(BCC送信先)の中から選択することを特徴とする請求項1または2に記載の画像通信装置。
【請求項4】
前記宛て先、前記回送先(CC送信先)、及び前記非通知回送先(BCC送信先)の中から前記送信先を選択したときに、他の選択を不許可にすることを特徴とする請求項3に記載の画像通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−171309(P2009−171309A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−8058(P2008−8058)
【出願日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】