説明

画定された粒径を有する複数個の粒子又は粒塊を含む組成物

本発明の開示は、オオバコ種子の抽出部分を1つ以上の結合剤、又は食用酸と組み合わせて含む組成物を提供する。特に、本発明は、キシロース及びアラビノースを含む多糖類構成成分を含む組成物であり、前記キシロースの前記アラビノースに対する重量比は少なくとも約3:1であり、多糖類粒子は約0.001μm〜約150μmの平均粒径分布を有する。更なる実施形態において、組成物は、多糖類構成成分と、結合剤、懸濁剤、食用酸類、及びこれらの混合物から選択される分散構成成分とを含む複数個の粒塊を含む。さらに更なる実施形態において、組成物は、多糖類構成成分を含む粒塊を含み、粒塊は、約100〜約500μmの平均粒径分布を有する。
本発明は、胃腸状態を治療すること、又は他の胃腸効果を提供することを含む、多様な効果のための治療に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、胃腸の病気の治療に有用な組成物に関する。特に本発明は、画定されている多糖類構成成分であって、特に、水性液体との混合を容易にして消費者の経口投与を容易且つ気持ちの良いものにするように粒子又は粒塊として配合される、画定されている多糖類構成成分を含む組成物に関する。組成物は、例えば、腸機能の正常化、便通の誘発、血清コレステロール濃度の減少、及び他の胃腸疾患の治療を含む多様な治療に有用である。
【背景技術】
【0002】
オオバコ種子の皮殻を含有する製品が、腸機能を正常化し、便通を誘発させるために広く使用されている。オオバコ種子の皮殻はヒトの血清コレステロール濃度を減少させるため、及び糖尿病の血糖濃度を制御するために有効であることもまた示されてきた。これらの効果は、典型的には、オオバコ属の植物の種皮から得られるオオバコ種子の皮殻を摂取することにより、達成される。便通を促す効果を与えるため、オオバコ種子の皮殻のヒトにおける典型的な用量は約2.5g〜約20gであり、1日当たり約1〜約3回服用される。こうした多量のオオバコ種子の皮殻を投与するために、皮殻は多くの場合粉にされ又は挽かれ、その後ユーザーによる摂取のために水又は水性飲料に分散される(例えばプロクター・アンド・ギャンブル社(The Procter & Gamble Company)より販売されるメタミンソー(METAMUCIL)(登録商標))。製粉に加えて、オオバコ種子の皮殻の微生物汚染を減少するために、典型的には、任意の更なる加工の前にオオバコ種子の皮殻の消毒が行われる。この消毒工程は費用がかかり、実施が困難である可能性がある。
【0003】
オオバコ種子の皮殻は天然の粘液を含有し、水との接触によりゼラチン状の塊を形成する。その結果、製粉されたオオバコ種子の皮殻は、その増加した表面積により、粒子が凝集する傾向があるため、水中では非常に貧弱な分散性及び混合性を示す。凝集した集合体の表面上では水和が起こり、ゲルにコーティングされた塊を形成するが、その内部はなお実質的に乾燥している。これらの塊は、分散するのが極めて困難である。水性媒質中の製粉されたオオバコの皮殻の分散性を改善するために様々な方法が採られてきた。例えば、米国特許第5,425,945号は、改善した混合性及び分散性を得るために、凝集したオオバコ種子の皮殻と凝集するコーティング全体に均一に分散した食用酸とを含む飲料ミックス組成物を開示する。
【0004】
しかしながら、いったん水溶液中に分散すると、凝集したオオバコの皮殻は直ぐに水和し、飲料溶液の粘度の増加を伴ってゲル化する。この場合もやはり、このゲル化速度を減少するため及び審美的に好ましい製品を提供するために、様々な方法が採られてきた。米国特許第5,356,618号は、製粉されたオオバコ種子の皮殻を含む組成物へのクエン酸リンゴ酸カルシウムの添加は、水溶液と混合される場合に皮殻のゲル化速度の減少を結果としてもたらすことを教示する。しかしながら、これらの改善にもかかわらず、消費者は、審美的に好ましくない高粘度の液体を飲むことを回避するために、典型的には比較的短時間(約2分未満)で飲んでいる。
【0005】
消毒され、製粉されたオオバコ種子の皮殻は、クッキー、クラッカー、及び類似の食品のような焼き製品の中に組み込まれて、固形剤形にされてきた。しかし、オオバコ種子の皮殻の急速なゲル化もこれらの調製物において注目されうる。このようなオオバコの種子の皮殻を含有する焼き製品は、摂取中に口の中でゲル化を始める傾向があり、不快な口当たり及び貧弱な審美性をもたらす結果となる。こうした焼き製品は、飲み込みやすくするために、一般に著しい量の水又は水性液体と共に摂取することが必要である。加えて、こうした固形のオオバコ種子の皮殻調製品は有効量のオオバコ種子の皮殻を供給するためにはサイズが大きくならざるを得ず、あるいは複数の調製品が摂取されなくてはならない。そのため、便利で、容易に投与され、改善された審美性・口当たりを有するオオバコ含有組成物がさらに必要とされている。
【0006】
オオバコを含有する他の形態の製品には、許容可能な溶解特性を有する飲み込める錠剤が挙げられ、それにより貧弱な口当たりの問題を回避する。米国特許第4,999,200号は、オオバコ、結合剤、湿潤剤、及び崩壊剤を含む飲み込める錠剤を教示している。あいにく、飲み込めるオオバコ錠剤は、便利ではあるが、多くの場合貧弱な溶解特性を有する。粉末飲料ミックスのように、いったん水性環境に導入されると、丸剤表面上で水和が起こり、ゲルのコーティングを生成するが、丸剤内部は実質的に乾燥したままである。飲み込める丸剤にとって、これは胃腸管内での不完全な溶解の原因になり得る。
【0007】
オオバコ種子の皮殻を様々な多糖類の画分に分別する方法が知られている。オオバコ種子の皮殻の特定の画分は、オオバコ種子の皮殻と同じ治療上の効果を供給する。例えば、米国特許第6,287,609号は、アルカリ可溶性/酸ゲル形成画分、アルカリ不溶性画分、及び酸可溶性画分を含む三つの相異なる画分をオオバコの皮殻から得るために、複数の抽出プロセスを教示する。アルカリ可溶性/酸ゲル形成画分は、非分画のオオバコ種子の皮殻より遅いゲル化速度を有する。しかし、消費者に受け入れられる製品において、そのような画分の適切な処方には、依然として問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
オオバコ種子の皮殻の特定の画分を含有する消費者に受け入れられる製品を目指して鋭意努力した結果、本発明者たちは、画定された粒径を有する粒子、又は画定された粒径を有する粒塊を含む組成物は優れた特性を提供し、特に摂取の前に水性液体で希釈されることが意図される組成物は、優れた特性を提供することを発見した。特に、驚くべきことに、画定された粒径を有する定義された比率のキシロース及びアラビノースを、任意に結合剤又は食用酸と組み合わされる粒塊として含有する組成物は、オオバコ種子の皮殻と比較して、水性液体に分散したときの優れた口当たり、そのような水性液体中の優れた分散性、及びそのような水性液体中で時間が経ったときの沈降の減少を提供することが発見された。これら及び他の実施形態、並びに本発明の利益が、本明細書の以下で定義される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、オオバコ種子の抽出部分を1つ以上の結合剤又は食用酸と組み合わせて含む組成物に関する。特に、本発明は、前記キシロース及び前記アラビノースを含む多糖類構成成分を含む組成物であり、前記キシロースの前記アラビノースに対する重量比は少なくとも約3:1であり、前記多糖類粒子は約0.001μm〜約150μmの平均粒径分布を有する。更なる実施形態において、組成物は、多糖類構成成分と、結合剤、懸濁剤、食用酸類、及びこれらの混合物から選択される分散構成成分とを含む複数個の粒塊を含む。さらに更なる実施形態において、組成物は、多糖類構成成分を含む粒塊を含み、粒塊は、約100〜約500μmの平均粒径分布を有する。
【0010】
本発明は、胃腸状態を治療すること、又は他の胃腸効果を提供することを含む、多様な効果のための治療に有用である。腸機能の正常化、便通の誘発、食物繊維の提供、血清コレステロール濃度の減少、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される利益を提供する方法が本明細書に記載され、ここで方法は、
(a)前記の組成物を水性液体と混合して製品を形成すること;及び
(b)製品を経口投与すること、を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
例えば刊行物及び特許などの様々な文書が、本開示を通して引用される。このようなすべての文書は参考として本明細書に組み込まれる。
百分率及び比率はすべて、特に指示しない限り、重量で計算される。百分率及び比率はすべて、特に指示しない限り、組成物全体を基準にして計算される。
【0012】
本明細書で参照するのは、本発明で使用する様々な成分を含む構成要素の商品名である。本発明者たちは本明細書において、ある特定の商品名の物質により限定されることは意図していない。商品名により引用されているものと同等の材料(例えば、異なる名称又は参照番号で異なる供給源から得られるもの)は、本明細書の記載において置き換えられて利用されてもよい。
【0013】
発明の記載において、様々な実施形態及び/又は個々の特徴が開示される。当業者には明らかであるが、これらの実施形態及び特徴のあらゆる組み合わせが可能であり、並びに結果として本発明の好ましい実施となり得る。
本明細書の組成物は、本明細書に記載されるようないかなる要素を含んでもよいし、いかなる要素から本質的に成ってもよいし、又はいかなる要素から成ってもよい。
本発明の様々な実施形態及び個々の特徴を説明し記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正が可能である。これも明らかになるであろうが、先行する開示で教示された実施形態及び特徴のあらゆる組み合わせが可能であり、本発明の好ましい実施となることができる。
【0014】
(本発明の組成物)
本発明は、定義された平均粒径分布を有する複数個の粒子又は任意に粒塊としてオオバコ種子の皮殻の1部分を含む組成物に関する。特に、1つの実施形態において、本発明は、複数個の多糖類粒子の組成物であり、多糖類粒子は、キシロース及びアラビノースを含む多糖類構成成分を含み、前記キシロースの前記アラビノースに対する重量比は少なくとも約3:1であり、前記多糖類粒子は、約0.001μm〜約150μmの平均粒径分布を有する。別の実施形態において、組成物は複数個の粒塊を含み、粒塊はキシロース及びアラビノースを含む多糖類構成成分を含み、前記キシロースの前記アラビノースに対する重量比は少なくとも約3:1であり、粒塊は、約100μm〜約500μmの平均粒径分布を有する。本明細書で使用する時、及び当該技術分野において通常理解される場合、(必要に応じて)粒子又は粒塊を参照するときの用語「平均粒径分布」は、組成物における粒子又は粒塊(それぞれ)の個々の大きさに基づく、組成物に存在する粒子又は粒塊(それぞれ)の平均値である。(必要に応じて)粒子又は粒塊の平均粒径分布は、ホリバ(HORIBA)LA−910レーザー散乱粒径分布分析器(カリフォルニア州、ホリバ(Horiba,CA))又は実質的に同様の結果が得られる機器を使用して測定してよい。
【0015】
従って、本発明の種々の実施形態において、組成物は、キシロース及びアラビノースを含む粒子を含んでよいか、あるいはキシロース及びアラビノースを含む粒塊を含んでよい。本明細書で使用する時、「粒塊」とは、複数個の粒子を含み、少なくとも粒子の1部分は、残りの粒子と組成的に異なり、粒子は一緒に凝集して別個の物体となり、そこでは、個々の粒子が、物理的ではあるが、可逆的に一緒に結合して物体を形成している。
【0016】
発明者たちは、多糖類構成成分の少なくとも1部分を含み、画定された粒径を有する粒子又は任意に粒塊が、分散性若しくは溶解性、口当たり、又は沈降に対する抵抗性に関する多様な利益をさらに得ることを発見した。
【0017】
本明細書に記載される組成物は、下記に記載される多糖類構成成分を必要とする。
【0018】
(多糖類構成成分)
本発明の種々の実施形態は、多糖類構成成分を含む。前記多糖類構成成分は、キシロース及びアラビノースを含み、前記キシロースの前記アラビノースに対する重量比は少なくとも約3:1である。代替的な実施形態において、本発明の組成物は、キシロース及びアラビノースを含み、前記キシロースのアラビノースに対する比は全て重量で少なくとも約3.3:1又は少なくとも約3.6:1である。別の実施形態において本発明の組成物は、キシロース及びアラビノースを含み、前記キシロースの前記アラビノースに対する重量比は、約3:1〜約4.5:1又は約3:1〜約4:1である。
【0019】
多糖類構成成分は、任意選択的に、キシロースを多糖類構成成分の約55重量%〜約70重量%含む。多糖類構成成分は、また、任意選択的に、アラビノースを多糖類構成成分の約15重量%〜約20重量%含んでもよい。
【0020】
多糖類構成成分は、また、任意選択的に、ガラクトース、グルコース、ウロン酸、及びこれらの混合物から成る群から選択される構成成分を含んでもよい。これらの構成成分は、キシロース及びアラビノースよりも低量で存在してよい。
【0021】
例えば、多糖類構成成分は、任意選択的に、全多糖類構成成分の重量で約2重量%未満、又は約1重量%〜約2重量%のガラクトースを含んでよい。
別の例としては、多糖類構成成分は、任意選択的に、全多糖類構成成分の重量で約2%未満、又は約0.01%〜約1%のグルコースを含んでよい。
別の例としては、多糖類構成成分は、任意選択的に、全多糖類構成成分の重量で約20%未満、又は約1重量%〜約10重量%、又は約0.1重量%〜約5重量%のウロン酸を含んでよい。
【0022】
本明細書の別の実施形態において、多糖類構成成分は、キシロース及びガラクトースを含み、前記キシロースの前記ガラクトースに対する比は、全て重量で約25:1を超える、又は約30:1を超える、又は約35:1を超える。
本明細書の別の実施形態において、多糖類構成成分は、キシロース及びウロン酸を含み、前記キシロースの前記ウロン酸に対する比は、全て重量で約5:1を超える、又は約10:1を超える、又は約15:1を超える。
多糖類構成成分は、任意選択的に、ラムノース、マンノース、及びこれらの混合物から選択される構成成分を更に含んでよい。
他の好ましい実施形態は、米国特許第6,287,609号に記載されている画分B又はCの1つ、又は両方、又は1部分を含む多糖類構成成分を含む。
【0023】
本発明は、任意に、多糖類構成成分を約10%〜約90%、又は多糖類構成成分を約20%〜約40%、又は多糖類構成成分を約20%〜約50%、又は多糖類構成成分を約20%〜約60%、又は多糖類構成成分を約20%〜約70%、又は多糖類構成成分を約20%〜約80%、又は多糖類構成成分を約30%〜約70%含んでよい。
【0024】
本発明の1つの実施形態において、組成物は複数個の多糖類粒子を含み、多糖類粒子は多糖類構成成分を含み、多糖類粒子は約0.001μm〜約150μmの平均粒径分布を有する。別の実施形態では、多糖類粒子は、約0.1μm〜約125μm、又は約1μm〜約100μmの平均粒径分布を有する。
【0025】
本発明のこの実施形態において、組成物は多糖類粒子を含み、粒子は、定義された平均粒径分布を有する。多糖類粒子は、組成物の全体を通して自由に分散されてよいか、又は組成的に異なる他の粒子と凝集されて、粒塊を形成してもよい。従って、多糖類粒子は、1つの平均粒径分布を有してよく、任意に凝集して、真下に記載しているように、別の平均粒径分布を有する粒塊を形成してもよい。
【0026】
(粒塊)
述べたように、本明細書の組成物は、複数個の粒塊を含んでよく、粒塊は、多糖類構成成分を含む。この実施形態において、粒塊は、多糖類構成成分を含む複数個の多糖類粒子を含んでよく、多糖類粒子は、上記の平均粒径分布を有する。
【0027】
事実、発明者たちは、多糖類構成成分の少なくとも1部分を含む粒塊を合わせて粒塊を形成してもよく、それにより分散性若しくは溶解性、口当たり、又は沈降に対する抵抗性に関して更なる利益をさらに得ることを本明細書で発見した。
【0028】
特に、最も好ましい粒塊は、約100μm〜約500μmの粒径を有することが発見された。本明細書の構成成分のうち好ましいものは、約100μm〜約400μm、又は約125μm〜約350μm、又は約150μm〜約320μmの平均粒径分布を有する粒塊を含む。
【0029】
粒塊に関して好ましい実施形態において、粒塊は、多糖類構成成分に加えて、好ましくは分散構成成分を含む。分散構成成分は、任意に粒塊と物理的に異なっていてよいので、分散構成成分は、任意成分に関する本明細書の下記において記載されている。それにもかかわらず、本明細書の特に好ましい実施形態において、粒塊は好ましくは分散構成成分を含む。
【0030】
多様な濃度の多糖類構成成分が既に記載されており、組成物が粒塊を含む場合には、参照されてもよい。本明細書の発見による別の好ましい実施形態では、粒塊は多様な更に画定された水準の多糖類構成成分を含む。
【0031】
1つの実施形態において、粒塊は、全て前記粒塊の重量基準で、約10重量%〜約90重量%のキシロース及びアラビノースを、又は約20重量%〜約80重量%の前記キシロース及び前記アラビノースを、又は約30重量%〜約70重量%の前記キシロース及び前記アラビノースを含む。
【0032】
本明細書で使用する時、粒塊に参照される多様な濃度の成分は、組成物に存在する各個別の粒塊ではなく、組成物に存在する粒塊全体に基づく。例えば、「粒塊が、キシロース及びアラビノースを前記粒塊の約10重量%〜約90重量%含む」場合、これは、組成物に存在する全ての粒塊の総量が、キシロース及びアラビノースを粒塊全体の約10重量%〜約90重量%含むことを意味する。多様な成分の濃度が粒塊毎に変わる可能性があるので、これは、各個別の粒塊がキシロース及びアラビノースを個別の粒塊の約10重量%〜約90重量%含有しなければならないことを意味することを意図していない。
【0033】
(更なる任意成分)
組成物は、更なる任意成分、例えば下記を含んでよい。これらの構成成分は、任意の粒塊の1部分として存在してよいか、ないしは組成物中に含有されてよい。
【0034】
(分散構成成分)
本発明の組成物は、結合剤、懸濁剤、食用酸類、及びこれらの混合物から選択される分散構成成分を含んでよい。消費者に受け入れられる製品に向けての鋭意研究を経て、本発明者らは、特定の画定された構成成分の、特に、摂取される前に水性液体における希釈が意図される組成物への包含は、そのような目的に有用であることを発見した。特に、本発明者たちは、本明細書で定義されたような分散構成成分の包含は、分散若しくは溶解、口当たり、又は水性液体と混合したときの沈降に対する抵抗に関する優れた特性を提供することを発見した。これらの特性の発見は、オオバコ種子の皮殻を含有する以前の組成物と比べ、消費者により受け入れられやすい製品をもたらした。
【0035】
粒塊は分散構成成分を含んでよいか、あるいは又はさらに、組成物は、粒塊と物理的に異なる分散構成成分を含んでよい。本明細書の好ましい実施形態において、粒塊は、分散構成成分を含む。
【0036】
本明細書で使用する時、分散構成成分は、結合剤、懸濁剤、食用酸類、及びこれらの混合物から選択される。これらの構成成分は、それぞれ当事者にとって既知であるが、その例を本明細書の下記に提示する。
【0037】
結合剤は、当該技術分野において既知である。本明細書の目的に有用な結合剤は、ポリオール類、デンプン類、ゴム、又はこれらの混合物であることが分かっている。ポリオール類及びデンプン類は、本明細書での使用に特に好ましい。
【0038】
ポリオール類には、二糖類及び複合炭水化物のような糖アルコール類が挙げられる。特定の複合炭水化物は、通例デンプンと呼ばれる。二糖類は、一般式Cn2n-2n-1を有する分子であり、二糖類は、グリコシド結合を介して結合している2つの単糖類の単位を有する。この式において、nは3以上の整数である。本明細書で用いてよい二糖類の例には、スクロース、マルトース、ラクチトール、マルチトール、マルツロース、及びラクトースが挙げられる。
【0039】
複合炭水化物には、オリゴ糖類及び多糖類が挙げられる。本明細書で使用する時、用語「オリゴ糖」は、3〜9個の単糖類の単位を有する分子を意味し、ここで単位は、グリコシド結合を介して共有結合している。本明細書で使用する時、用語「多糖類」は、9個を超える単糖類の単位を有する巨大分子を意味し、ここで単位は、グリコシド結合を介して共有結合している。多糖類は、直鎖又は分枝状であってよい。好ましくは、多糖類は、9〜約20個の単糖類の単位を有する。多糖類には、デンプン類が含まれてよく、これは、デンプン類と加工デンプン類を含んでいることが本明細書で定義されている。デンプン類は、一般的に、特定の植物種、例えば、トウモロコシ、小麦、米、タピオカ、ジャガイモ、豆などのような穀物類及び塊茎類に発生する炭水化物ポリマーである。デンプン類は、結合しているα−D−グルコース単位を含有する。デンプン類は、主に直鎖構造(例えば、アミロース)又は分岐状構造(例えば、アミロペクチン)のいずれかを有してよい。デンプン類は、当業者に周知の方法を使用して、デンプン顆粒の過剰な膨油を防止するために架橋により修飾されてよい。
【0040】
好ましい複合炭水化物の例には、ラフィノース、スタキオース、マルトトリオース、マルトテトラオース、グリコーゲン、アミロース、アミロペクチン、ポリデキストロース、及びマルトデキストリンが挙げられる。最も好ましい複合炭水化物及び事実上の最も好ましい結合剤は、マルトデキストリンである。デンプン類の他の例には、ジャガイモデンプン、トウモロコシデンプンなどが挙げられる。他の市販デンプン類の例には、ウルトラ・スパース(ULTRA SPERSE)M、ウルトラ・スパース(ULTRA SPERSE)2000、N−ライト(N-LITE)LP、及びテクストラ・プラス(TEXTRA PLUS)が挙げられ、これらは全てニュージャージー州ブリッジウォーターのナショナル・スターチ・アンド・ケミカル社(National Starch and Chemical Company,Bridgewater,NJ)から入手可能である。
【0041】
本発明の組成物は、任意選択的に、結合剤を組成物の約1重量%〜約50重量%含んでもよい。別の実施形態において、組成物は、全て組成物の量で約10重量%〜約40重量%、あるいは約20重量%〜約30重重量%の結合剤を含む。粒塊が結合剤を含む場合、粒塊は、全て前記粒塊の重量基準で約10%〜約90%の結合剤を、又は約10%〜約60%の結合剤を、又は約20%〜約50%の結合剤を、又は約30%〜約40%の結合剤を任意に含んでよい。
【0042】
懸濁剤は、また、当該技術分野において周知である。他のヒドロコロイド類を含むゴムを、懸濁剤として用いてもよい。本明細書で使用する時、用語「ヒドロコロイドゴム」又は単に「ゴム」は、植物若しくは微生物多糖類又はそれらの誘導体を意味し、冷水又は温水のいずれかに分散性で、粘稠混合物又は水溶液を製造する。ゴムの例には、タラガム、ジェランガム、グアーガム、キサンタンガム、アラビアゴム、ガティゴム、トラガカントゴム、イナゴマメゴム、カルボキシメチルセルロース、アルギネートなどが挙げられる。特に好ましいゴムには、タラガム及びグアーガムが挙げられる。
【0043】
本発明の組成物は、任意選択的に、懸濁剤を組成物の約0.001重量%〜約20重量%含んでよい。別の実施形態において、組成物は、全組成物の重量の約0.1重量%〜約10重量%の懸濁剤、あるいは約0.5重量%〜約5重量%の懸濁剤、あるいは約1重量%〜約3重量%の懸濁剤を含む。粒塊が懸濁剤を含む場合、粒塊は、全て前記粒塊の重量基準で約10%〜約90%の懸濁剤を、又は約10%〜約60の懸濁剤を%、又は約20%〜約50%の懸濁剤を、又は約30%〜約40%の懸濁剤を任意に含んでよい。
【0044】
加えて、又は代替的には、結合剤又は懸濁剤は食用酸である。そのような構成成分を水性液体と混合した場合、食用酸の包含が、本明細書の多糖類構成成分のゲル化速度の減少を助けることが、本明細書で見いだされた。食用酸は、通常、当該技術分野において既知であり、哺乳動物への経口投与に安全である酸が挙げられる。食用酸の例には、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、フマル酸、アジピン酸、リン酸、グルコン酸、酒石酸、アスコルビン酸、酢酸、リン酸、コハク酸、及びこれらの混合物が挙げられる。1つの実施形態において、食用酸源は、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸(tartartic acid)、フマル酸、コハク酸、及びこれらの混合物から選択される。別の実施形態では、食用酸源はクエン酸である。
【0045】
本発明の組成物は、典型的には相対的に低濃度の食用酸を含む。例えば、組成物は、食用酸を組成物の約10重量%未満含んでよい。別の実施形態では、組成物は、全組成物の重量の0重量%〜約8重量%、又は約0.001重量%〜約5重量%、又は約0.01重量%〜約3重量%の食用酸を含む。粒塊は、全て前記粒塊の重量基準で約0%〜約10%の食用酸を、又は約0.001%〜約8%の食用酸を、又は約1%〜約6%の食用酸を、又は約4%〜約6%の食用酸を任意に含んでよい。
【0046】
(任意の周囲層)
本明細書の1つの実施形態において、粒塊が使用される場合、粒塊は1つ以上の周囲槽を含んでよい。この実施形態において、粒塊は、少なくとも1つの多糖類構成成分及び分散構成成分を含む内部コアと、内部コアに接合している1つ以上の周囲層を含んでよい。本明細書で使用する時、「結合している」、「内部コアに結合している」、又は同様の用語は、層が内部コア自体か、前の層か、又は後の層のいずれかに隣接するような方式で内部コアを取り囲むことを意味する。その他の物質(例えば別の前の層又は後の層)が介在するとしても、層は内部コア、前の層、又は後の層に「結合する」場合がある。それ故に、内部コアに「結合する」層は、実際に内部コアに隣接する必要はない。
【0047】
本明細書で使用する時、用語「隣接する」は、介在する物質が本質的に存在せず、物理的力によって直接に結合されることを意味する。例えば、内層は、内部コア(又は適切であれば多糖類構成成分)と、並びに続く層(後の層が別の層か又は外層のいずれかである場合)と隣接していてもよい。別の例として、外層は内層又は別の層に隣接してもよい。内層は、外層に対して前の層であるため、外層は内部コアに隣接しない。
【0048】
本明細書で使用する時、用語「前の層」は、内部コアに接合する層であって、同じ内部コアに接合する参照層に対して内部コアの近傍により近い層を意味する。例えば、内層は外層に対して前の層である。
【0049】
本明細書で使用する時、用語「続く層」は、内部コアに接合する層であるが、しかし同じ内部コアに接合する参照層に対して内部コアの近傍からより遠くにある層を意味する。例えば、外層は内層に対して続く層である。
【0050】
好ましくは各層は連続している。本明細書で使用する時、用語「連続している」とは、参照されている層が、いずれの箇所においても空間により分裂されていないことを意味する。
【0051】
1つの実施形態において、粒塊は、内部コアと、疎水性の層であり、好ましくは連続した疎水性の層である周囲層とを含む。従って疎水性の層は、1つ以上の材料を、疎水性の層が疎水性であるように含む。本発明者らは、そのような疎水性の層を含む粒塊の包含は、最終粒塊が水を吸収することを抑制し、それにより粒塊が望ましくないゲルを形成する能力を減少させるために特に有用であることを発見した。これらの利益は、多糖類構成成分を、疎水性の層であり、好ましくは連続した疎水性の層である周囲層でコーティングすることによっても同様に達成される。
【0052】
本発明の、好ましいが任意の実施形態では、疎水性の層で参照した疎水性という用語は、ISO国際標準、表題「シート材料−水蒸気透過度の測定−重力測定(ディッシュ)法」("Sheet Materials Determination of Water Vapour Transmission Rate Gravimetric (Dish)Method")(参照番号ISO2528:1995(E))を使用し測定するとき、疎水性の層が、200mg/m2/24時間未満の透湿度(WVTR)を示すことを意味する。別の実施形態において、疎水性の層で参照した疎水性という用語は、この標準を使用するとき、疎水性の層が、約100mg/m2/24時間未満の透湿度(WVTR)を有することを意味する。
【0053】
疎水性の層に含まれてよい好ましい材料の例は、脂肪剤、脂肪酸誘導体、ポリマー、及びこれらの混合物が挙げられる。最も好ましくは、この材料を包含することで疎水性の層が疎水性になるように、これらの材料は疎水性である。
【0054】
脂肪酸誘導体には、脂肪(例えば、脂肪酸グリセリルエステル、例えば硬化植物油)、及びワックス類(例えば動物、化石、植物、鉱物、又は合成ワックス類、例えばカルナバ、蜜蝋、カロブ、キャンデリラ、オゾケライト、ポリエチレンワックス、石蝋、これらの混合物など)を挙げることができる。ワックスが特に好ましい。ポリマーには、ポリビニルピロリドン、ビニルアセテート、エチルセルロース、セルロースアセテートフタラート(例えばアクアテリック(AQUATERIC))、セルロースアセテートトリメリエート(cellulose acetate trimelliate)、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタラート、これらの混合物などを挙げることができる。最も好ましくは外層は、脂肪酸類、脂肪酸誘導体、及びこれらの混合物から成る群から選択される物質を含む。
【0055】
本明細書の任意の実施形態において、疎水性の層は、約3mg/cm2〜約25mg/cm2、より好ましくは約4mg/cm2〜約20mg/cm2のコーティング重量を有する連続したコーティングである。本明細書で使用する時、コーティング重量は、参照層の平方センチメートル(cm2)当たりの参照層のミリグラム(mg)を示す、mg/cm2により表される。
【0056】
別の実施形態において、特に疎水性の層が使用される場合、親水性の層は追加的に有益であることが分かっている。事実、疎水性の層は、内部コアへの水の吸収を抑制するが、親水性の層は、投与前に、最終粒塊の水性液体中の分散性を更に向上させるために有用である。
【0057】
親水性の層に含まれてもよい好ましい材料の例には、界面活性剤(例えば、トゥイーンズ(TWEENS)、スパンズ(SPANS)及びプルロニックス(PLURONICS)、ゴム(例えば、アラビアゴム)、無機塩(例えば、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、クエン酸カルシウム、リン酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸リンゴ酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酢酸亜鉛など)、及びこれらの混合物が挙げられる。最も好ましくは、この材料を包含することで親水性の層が親水性になるように、これらの材料は親水性である。
【0058】
疎水性の層と親水性の層の両方が、使用される場合、疎水性の層は、好ましくは親水性の層よりも前の層である(すなわち、疎水性の層は、親水性の層に対して内部コアにさらに近位である)。最も好ましくは、親水性の層は、内部コア又は多糖類構成成分(適切であれば)に対して最も外側の層である。
【0059】
(その他の好ましい実施形態)
本発明の組成物は、1つ以上の更なる構成成分を含んでよく、下記に記載されているものが例として用いられる。構成成分は、任意の粒塊の1部分として存在してよいか、そうではなく組成物の1部分(例えば、粒塊と物理的に異なっている構成成分)であってもよい。
【0060】
本明細書の特に好ましい実施形態において、組成物は、粒子又は粒塊、並びに上記記載の分散構成成分の少なくとも1部分のような更なる構成成分の1つ以上を含み、粒子又は粒塊と構成成分の少なくとも1部分とが物理的に異なっている。この実施形態において、粒塊及び他の構成成分は、乾式混合、ないしは別の方法で混合されて組成物を形成してもよい。
【0061】
このタイプの特に好ましい実施形態において、組成物は、デンプン又はゴムを含み、そのようなデンプン又はゴムの少なくとも1部分は、粒子又は粒塊とが物理的に異なっている。別の実施形態において、組成物はデンプン及びゴムを含み、デンプン及びゴムの少なくとも1部分は粒子又は粒塊とが物理的に異なっている。発明者たちは、この実施形態が、水性液体と混合するとき微粒子又は粒塊の沈降を減少するために特に有用であり、それによりより均一な製品が作製されることを発見した。口当たり及び全体的な質感もこの実施形態により向上され得る。
【0062】
組成物全体に存在するそのような構成成分の好ましい種類、並びにその濃度は、分散構成成分に関して、本明細書上記で記載されている。
【0063】
1つ以上の他の任意構成成分が組成物に含まれてよい。例えば、1つ以上のセルロース性材料、乳化剤若しくは潤滑剤、風味剤、顔料、染料、着色剤及びそれらの対応するレーキ、栄養素、又は甘味剤を加えて、本明細書の組成物を更に向上させてよい。そのような任意構成成分は下記である。
【0064】
1つ以上のセルロース性材料が、本発明の組成物の水溶性の増加に特に有用である。セルロース性材料は、アビセル(AVICEL)、メチルセルロース、及びカルボキシメチルセルロースナトリウムで例示されるように、当該技術分野において広く知られている。
【0065】
1つ以上の乳化剤、界面活性剤又は潤滑剤を本発明の組成物に加えてもよい。これらは本発明の組成物の水溶性を増加するために特に有用であり得る。例には、レシチン、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、硬化植物油、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム(sodium benzate)、塩化ナトリウム、ロイシン、ラウリル硫酸ナトリウム、及びラウリル硫酸マグネシウムが挙げられるが、それらには限定されない。乳化剤、界面活性剤、及び潤滑剤は、一般に、それぞれ独立して、組成物の約5重量%未満の濃度で存在し、1つの実施形態では、組成物の約1重量%未満の濃度で存在する。
【0066】
本明細書に記載される組成物は任意選択的に更に1つ以上の風味剤を含んでもよい。風味剤は、合成風味液又は植物、葉、花、果実などから誘導される風味油及びこれらの組み合わせから任意に選択されてよい。代表的な風味液には、バニリン、セージ、マジョラム、オランダセリ油、スペアミント油、桂皮油、冬緑油(サリチル酸メチル)、ペパーミント油、丁子油、ベイ油、アニス油、及びユーカリ油が挙げられる。また有用なものは、人工、天然、又は合成の、レモン、オレンジ、バナナ、ブドウ、ライム、アンズ、及びグレープフルーツが挙げられる柑橘油のような果実風味及びリンゴ、イチゴ、サクランボ、オレンジ、パイナップルなどが挙げられる果実エキス;コーヒー、ココア、コーラの木、落花生、アーモンドのような豆及び木の実由来の風味;並びにシナモン、ナツメグ、ショウガなどのようなスパイスである。風味剤は、任意選択的に、カプセル化されていてもよい。
【0067】
使用される風味剤の量は通常、所望される風味の種類及び風味の強さのような要因に左右される好みの問題である。風味剤は次の、錠剤、錠剤のコーティング、又はこうしたコーティングが使用される場合はゲル形成多糖類の個々の粒子のコーティングのうちの1つ以上に組み込まれてもよい。風味剤は、全て組成物の重量で約4重量%までの量で存在してもよく、1つの実施形態では約0.01重量%〜約3.0重量%、別の実施形態では約0.2重量%〜約2.5重量%の量で存在してもよい。
【0068】
1つ以上の顔料、染料、着色剤及びそれらの対応するレーキもまた、本明細書の組成物の外観を改善し、製品を消費者にとってより受け入れやすくするために含まれてもよい。適切な濃度は、消費者によって望ましい特別の効果のために選択される。顔料及び着色剤の濃度は、任意選択的に、全ての組成物の重量の約0.001重量%〜約20重量%、1つの実施形態では約0.01重量%〜約15重量%、別の実施形態では約0.1重量%〜約10重量%の範囲であってもよい。
【0069】
顔料及び着色剤の例には、タルク、雲母、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム・アルミニウム、シリカ、二酸化チタン、酸化亜鉛、ベンガラ、茶酸化鉄(brown iron oxide)、黄酸化鉄、黒酸化鉄、フェロシアン化第二鉄アンモニウム(ferric ammonium ferrocyanid)、オキシ塩化ビスマス、マンガンバイオレット、ウルトラマリン、ナイロン粉末、ポリエチレン粉末、メタクリレート粉末、ポリスチレン粉末、シルク粉末、結晶性セルロース、デンプン、雲母チタン(titanated mica)、酸化鉄雲母チタン(iron oxide titanated mica)、オキシ塩化ビスマス、FD&C赤40、D&C赤3、22、28、33、及び36、FD&C黄5及び6、D&C黄10、FD&C青1及び2、FD&C緑3、β−カロチン、カラメル、コチニール抽出物、カンタキサンチニン(canthaxanthinin)、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0070】
1つ以上の栄養素が本発明の組成物に含まれてもよい。栄養素には、ミネラル類、ビタミン類、経口栄養補給剤類、経腸栄養補給剤類、薬草類、及びこれらの混合物が挙げられる。有用なミネラル類には、カルシウム、リン、亜鉛、マンガン、カリウム、ナトリウム、クロム、コバルト、銅、フッ素、塩素又は塩化物、ヨウ素、鉄、マグネシウム、モリブデン、セレン、ケイ素、ホウ素、スズ、バナジウム、及びこれらの混合物が挙げられる。ビタミン類をミネラル類と共に含むこともできるし、又は別個に用いることもできる。ビタミン類の例には、ビタミンA、C、B6、B12、D、E、E、及びK、チアミン、リボフラビン、パントテン酸、ナイアシン、葉酸、ニコチンアミド、バイオフラボノイド、カルニチン、コエンザイムQ、ビオチン、及びこれらの混合物が挙げられる。栄養補給剤類の例には、アミノ酸、脂肪親和物質、魚油、及びこれらの混合物が挙げられる。脂肪親和物質には、コリン、イノシトール、ベタイン、リノール酸、リノレン酸、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。魚油は、大量のω−3(N−3)多不飽和脂肪酸類、エイコサペンタエン酸及びドコサヘキサエン酸を含有する。経腸栄養補給剤には、タンパク質製品、グルコースポリマー、コーン油、ベニバナ油、中鎖トリグリセリドが挙げられるが、これらに限定されない。薬草の例には、ニガヨモギ(アルテミシア・アブシンチウム)、ヨモギ(artemisiae herba)、アニシード(anisi fructus)、ペパーミント(menthae pipertiae folium)、ローズヒップ(rosae pseudofructus)、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。薬草は、漢方薬及び植物薬;科学的根拠に基づく実践のためのハンドブック(Herbal Drugs and Phytopharmaceuticals;A Handbook for Practice on a Scientific Basis)、CRC出版(CRC Press)、ドイツ、シュトゥットガルト(Stuttgart,Germany)、1994年、に更に詳細に記載されている。
【0071】
本発明の組成物は、1つ以上の甘味剤を更に含んでよく、これは、本明細書の上記で記載されたポリオール類に追加されてよい。好適な甘味料には、天然及び人工の、水溶性、非水溶性の及び強烈な甘味料が挙げられる。甘味剤は、デキストロース、スクロース、マルトース、デキストリン、乾燥転化糖、マンノース、キシロース、リボース、グルコース、フルクトース、果糖、ガラクトース、コーンシロップ、高フルクトースコーンシロップ、コーンシロップ固形物、部分加水分解デンプン、アスパルテーム、サッカリン、及び水素添加デンプン加水分解物又はこれらの組み合わせであってもよい。天然又は人工の強烈な甘味料、例えばジペプチド系の強烈な甘味料、モネリン、タウマコッカスダニエリ(thaumaoccous danielli)及びL−アスパルチルL−フェニルアラニンメチルエステル、及び可溶性サッカリン塩もまた甘味料として組み込まれてもよい。甘味料の量は、選択される甘味料の種類及び甘さの所望の程度によって変化する。甘味剤は、本発明の組成物において、組成物の約0.005重量%〜約5重量%の濃度で任意選択的に用いられてよい。
【0072】
(製造方法)
本発明の組成物は、当該技術分野において周知の多様なあらゆる方法に従って製造されてよい。例として、多糖類構成成分は、米国特許第6,287,609号に記載されているように調整されてもよく、又は下記のようにして調製されてよい。
工程1.未製粉のオオバコ種子の皮殻(「オオバコ」)を、還元剤を含有する希アルカリ性水溶液に懸濁する。
工程2.予め消毒されていないオオバコを使用する場合、アルカリ可溶性及びアルカリ不溶性材料を、低温殺菌、照射、電子ビーム、又はパルス光のような当該技術分野において既知のいずれかの手段により殺菌する。
工程3.アルカリ不溶性材料を、例えば遠心分離、濾過、圧搾又は沈殿の当該技術分野において既知のいずれかのプロセスにより取り除く。
工程4.溶液を酸の添加によりpH約4.5〜約6.5に酸性化し、酸ゲル形成材料、即ちゲル形成多糖類を得る。
工程5.酸ゲル形成材料を乾燥剤の添加により、高速剪断攪拌を用いて脱水し、次いでゲル材料を乾燥剤/水溶液から分離する。
工程6.酸ゲル形成材料を、250μmより大きい平均粒径を有する個々の粒子に押し出す。
工程7.酸ゲル形成材料を流動床乾燥して、粉末形態の圧縮可能な酸ゲル形成材料とする。
【0073】
オオバコ種子の皮殻の分別に使用される出発材料は、最初のアルカリ可溶化工程の前に、製粉若しくは物理的に変更若しくは精製されていてもよいし、又はされていなくてもよい。米国特許第6,287,609号は、粘稠な多糖類をオオバコの皮殻の不溶性繊維から容易に分離するために、オオバコ種子の皮殻は、アルカリ可溶化の前に小片になるように加工されることが必要であると教示している。しかしながら、製粉された皮殻がアルカリ混合物に添加された場合には、製粉されたオオバコ種子の皮殻の集塊及び凝集が起きる。最初の出発材料としての未製粉のオオバコ種子の皮殻の使用は、アルカリ溶液と混合する間のオオバコ材料の集塊又は凝集を回避するが、アルカリ可溶化工程の有効性を妨げない。分別のための出発材料としての未製粉のオオバコの使用は、増加した膨張体積を有するゲル形成多糖類を提供する。酸ゲル形成材料の膨張体積は、0.5gの乾燥ゲル形成多糖類当たりゲル約40mLより大きく、1つの実施形態では0.5gの乾燥ゲル形成多糖類当たりゲル約50mLより大きい。酸ゲル形成材料の収量百分率は少なくとも約75%であり、1つの実施形態では少なくとも約80%である。本発明のオオバコ種子の皮殻は、加工前に消毒されてもよいし又はされなくてもよい。オオバコ種子の皮殻はアルカリ可溶化の前に消毒されてもよいし、又は消毒されなくてもよい。分別プロセスに未加工の(未消毒の)オオバコが用いられる場合、殺菌工程が分別プロセスに組み込まれ、以下に記載されるように実施されてもよい。
【0074】
オオバコ種子の皮殻のアルカリ可溶化(工程1)は既知である。典型的には、以前のアルカリ可溶化プロセスは強塩基の濃縮液を使用し、還元剤が存在していなかった。この処置の過酷な性質及びゲル形成画分中の多糖類の鎖の部分的分解を認識することにより、所望であれば、はるかにより濃縮されていないアルカリ性溶液及びホウ化水素のような好適な還元剤を用いることにより、オオバコの皮殻のゲル形成画分は、恐らく更なる分別によりさらに好適な形態で得ることができることが示された。約4Nまでのアルカリ性溶液を使用することができるが、アルカリ可溶化における塩基の濃度は、少なくとも約0.1N及び約1.0N以下であり;1つの実施形態では少なくとも約0.1N及び約0.5N以下であり;及び更に別の実施形態では少なくとも約0.1N及び約0.3N以下である。アルカリ抽出においては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化アンモニウム、及び水酸化テトラメチルアンモニウムが挙げられるがこれらに限定されない、あらゆる標準的塩基を用いることができる。オオバコ種子の皮殻とアルカリ性溶液の好適な比は、種子の皮殻約0.1g対アルカリ性溶液約400ml(ミリリットル)から種子の皮殻約4g対アルカリ性溶液約400mlまでである。アルカリ可溶化は、pH約9〜約12で実施されるべきである。
【0075】
ホウ化水素のような化学的還元剤はアルカリ可溶化工程に、塩基触媒解重合を最小化するために添加されるべきである。この工程に好適なホウ化水素には、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素カリウム、及びシアノ水素化ホウ素ナトリウムが挙げられるが、これらに限定されない。1つの実施形態では、還元剤は水素化ホウ素ナトリウムである。還元剤の有効濃度は約50mg/L(ミリグラム/リットル)〜約10g/L(グラム/リットル)であり、1つの実施形態では約100mg/L〜約4g/Lであり、別の実施形態では約500mg/L〜約2g/Lであり、更に別の実施形態では約800mg/L〜約1.2g/Lである。
【0076】
可溶化の時間は、最適効率のために約15分から約24時間まで変化することができ、1つの実施形態では約30分から約180分まで変化することができる。同様に、可溶化工程が実施される温度は、約5℃から約40℃まで変化することができる。1つの実施形態では、可溶化の時間は、周囲温度で約60分から約120分までである。アルカリ可溶化は、酸化が起きるのを防止するために任意選択的に窒素雰囲気中で実施されてもよい。
【0077】
殺菌工程である工程2は、オオバコ種子の皮殻がアルカリ溶液との混合前に消毒されていない場合に必要になる。未製粉のオオバコ種子の皮殻が、アルカリ可溶化工程の前に蒸気消毒(steam sanitation)のような当該技術分野において既知のいずれかの方法により消毒される場合、この殺菌工程は必要ない。殺菌は、微生物の繁殖を不活性化、破壊、排除、又は抑制することを指す。1つの実施形態では、これらの微生物は病気発生因子である。アルカリ可溶性及びアルカリ不溶性の画分の組み合わせの殺菌は、当該技術分野において既知のいずれかの手段により実施されてもよい。例えば、低温殺菌、照射、電子ビーム、及びパルス光はすべて、アルカリ可溶性及びアルカリ不溶性の画分混合物を殺菌する許容可能な手段である。1つの実施形態では、この混合物は低温殺菌される。低温殺菌は、この混合物の化学的組成を少しも変えずに、殺菌する間、この混合物を中程度の温度に加熱することを伴う。低温殺菌は、約90℃〜約120℃の温度で約30秒〜約120秒間実施されてもよい。
【0078】
アルカリ不溶性材料は、アルカリ可溶性材料から工程3の分別において分離される。これは、不溶性材料を実質的に変更しない、当該技術分野において既知のあらゆる分離手段、例えば遠心分離によって達成することができる。当業者は異なる遠心分離器のローター、植物材料、及びアルカリ性溶液に分離を適合させるために、どのように遠心分離の時間及び力を変更するかを知っている。この分離を達成するその他の方法は、当該技術分野において周知であり、例えば沈殿、濾過、又は圧搾は、ゲル形成多糖類の大規模な製造により良好に適していることがある。任意選択的に、不溶性材料はアルカリ溶液により更に洗浄され、アルカリ可溶性材料の収率を高めるために再分離されることができる。
【0079】
本プロセスの工程4において、アルカリ可溶性物質はpH約4.5〜約6.5に酸性化され、1つの実施形態では約5〜約6に酸性化されて酸ゲル形成材料、即ちゲル形成多糖類を生成する。酸性化のための好適な酸には、酢酸、塩酸、硫酸、シュウ酸、トリクロロ酢酸、及びトリフルオロ酢酸が挙げられるが、これらに限定されない。酸性化の時間及び温度は変化し得る。時間及び温度は変化してもよいが、酸性化は周囲温度で約2時間で好適に行われてもよい。
【0080】
任意選択的に、第二の抽出が分別プロセスのこの段階において適切であることがある。所望であれば、酸可溶性及び酸ゲル形成画分は、遠心分離、沈殿、濾すことなどのような当該技術分野において既知のいずれかの手段により分離されてもよい。この場合もやはり水、緩衝液、又はその他の好適な溶媒による任意の洗浄が、分離の効率を高めるために使用されてもよい。この第二の抽出は、より精製されたゲル形成多糖類を提供するために使用されてもよいが、またゲル形成多糖類の幾らかの分解及び損失をもたらすこともある。複数の抽出工程は、増加した膨張体積及び減少したゲル化速度を有する好適なゲル形成多糖類を生成するために必要ではないことが見出された。
【0081】
分別プロセスの工程5において、次に過剰の水が酸ゲル形成多糖類画分から除去される。ゲル材料を脱水するために、当該技術分野において既知のあらゆる方法を使用してもよい。1つの実施形態では、ゲル材料はエタノール、アセトン、メタノール、又はイソプロピルアルコールのような溶媒による乾燥により脱水されてもよい。溶媒の添加は高速剪断攪拌と共に行われてもよい。ゲル材料は次に溶媒/水混合物から、当該技術分野において既知のあらゆる方法により分離される。乾燥が容易であり、簡単であるために、ゲル材料の固形含有量は少なくとも約50%であることが必要であり、1つの実施形態では固形含有量は少なくとも約75%であり、別の実施形態ではゲル材料の固形含有量は約80%である。
【0082】
ゲル材料は、凍結乾燥、流動床乾燥、又は真空トレイ乾燥のような当該技術分野において既知のあらゆる方法により乾燥されてもよい。1つの実施形態では、ゼラチン状材料の流動床乾燥が使用されている。ゲル材料は小さい粒様の粒子を形成するために押し出され、流動床乾燥機内に置かれる。流動床乾燥機はサイクロン気流を提供するために装備されてもよく、これは粒子が互いにくっつき合うことを防止するのに役立ち、粒子の流動化を可能にする。押し出された粒子は、少なくとも約85%の固形含有量に乾燥されるまで空気のカラムの中に浮遊する。乾燥の間、ゲル材料は約75℃未満の温度に保持されるべきである。ゲル材料の固形含有量は、流動床乾燥の前では約20%より大きいことが好ましい。必要であれば、固形含有量を約20%を超えるまで増加させるために、流動床乾燥の前に、予め乾燥したゲル材料を低固形含有量のゲル物質と混合することにより添加してもよい。理論に束縛されるものではないが、流動床乾燥技術は、個々の粒子がハチの巣形状を維持するゲル形成多糖類構成成分を与えると考えられている。ハチの巣形状は、ゲル形成多糖類粉末の固形剤形への圧縮、特に直接圧縮手段による圧縮を促進するために有用である。
【0083】
(本発明の方法)
本発明の組成物は胃腸疾患の治療に有用である。これらの製剤は単独で、又は便秘及び便通の治療のため、及び腸の機能を正常化するためのその他の活性物質と組み合わせて用いることができる。本発明の組成物はまた、腸のより完全な排出を提供し、それにより解毒効果を与えることに有効であることがある。加えて、本組成物は、ヒトの血清コレステロールを減少するため及び糖尿病における血糖濃度を制御するために有用であり、並びに単独で又はその他の活性物質と併せて用いてもよい。従って、本発明は、腸機能の正常化、便通の誘発、食物繊維の提供、血清コレステロール濃度の減少、及びこれらの組み合わせから選択される利益を提供する方法であって、そのような利益を必要とする哺乳動物に本明細書で記載された組成物を投与することを含む方法に関する。好ましい哺乳動物には、ヒト、並びに、家ネコ、イヌ、ウマ、ウシなどのようなコンパニオンアニマルが含まれる。
【0084】
本明細書で使用する時、特定の組成物に関する用語「投与する」は、組成物を動物に与える(自らの場合も含む)こと、及び/又はあらゆる目的のために(好ましくは本明細書に記載の利益のために)組成物の使用を指導、説明若しくは推奨することを意味する。1つ以上の本発明の組成物又はキットを投与するように指導、説明若しくは推奨される場合、このような指導は、組成物の使用が本明細書で記載された利益の1つ以上を提供し得る、及び/又は提供することになることを、ユーザーに説明及び/又は知らせるものであってよい。そのような説明又は情報の非限定的な例は、本発明のキットについての記載の一部分として本明細書に記載される。
【0085】
指導される投与には、例えば、口頭指導(例:例えば、医師、保健専門家、専門販売員、若しくは協会による口頭での説明、及び/又はラジオやテレビ媒体(即ち、広告)を通じて)、又は書面での説明(例:例えば、医師、若しくは他の保健専門家からの書面での説明(例:手書きメモ)、専門販売員、若しくは協会からの書面での説明(例:広告用チラシ、パンフレット、又はその他教育的備品を通じて))、文字媒体(例:インターネット、電子メール、その他コンピュータ関連媒体)、及び/又は本組成物に関連のパッケージ(例:本組成物を収容するパッケージ上のラベル))が含まれていてもよい。本明細書で使用する時、「書面の」は言葉、絵、記号、及び/又はその他の視覚的記述子を介することを包含する。このような指導は、本明細書に使用される実際の言葉を使用する必要はなく、むしろそれと同一、又は類似の意味を伝達する言葉、絵、記号等の使用が本発明の範囲内で考慮される。
【0086】
経口投与が好ましい。例として、本発明の組成物の単回投与は、多糖類構成成分を約100mg〜約5000m含んでよく、1つの実施形態では、多糖類構成成分を約1000mg〜約1500含んでよい。
【0087】
投与頻度は、制限されていない。しかし、本発明の組成物は、典型的には、不定期に若しくは必要に応じて投与されるか、又は毎週、毎日、若しくはより多くの頻度もしくはより少ない頻度のより定期的な方法により投与されてもよい。例えば、組成物は、少なくとも1日に1回食事と共に、又は食事の間に、あるいは少なくとも1日に2〜3回投与されてよい。組成物は、多くの場合、1日当たり約1〜3回投与される。
【0088】
これらの記載は、単に例としての目的のためであり、投与は様々な要因に応じて調整され得ることが理解される。投与される構成成分の特定の用量と、処置期間とは、相互に依存する。用量及び治療計画も、用いられる特定の組成物、治療の指示、組成物の有効性、哺乳類の個体的特性(例えば、哺乳類の体重、年齢、性別、及び病状)、治療計画の順守などのような要因に依存する。
【0089】
本発明の組成物は、投与前に水性液体と混合するのに特に適している。事実、本発明者らは、水性溶液又は分散体が消費者に都合よく、かつ効果的に提供されるように、本明細書において発明を作り上げた。このように、本発明の方法には、水又はジュース(例えば、果実、若しくは野菜ジュース)のような水性液体との混合が含まれる。あらゆる水性液体を使用してもよく、それは、多くの場合消費者の好みにより決定されることになる。水性液体を含む組成物は、典型的には、例えば、全ての組成物の重量の少なくとも20重量%のそのような水性液体、又は約40重量%〜約99.9重量%、又は約60重量%〜約98重量%、又は約70重量%〜約96重量%のそのような水性液体を含む。
【0090】
(本発明の実施例)
下記は、本発明の構成成分、組成物及び方法の実施例である。組成物は、従来のプロセス、又は好ましくは本明細書に記載されたプロセスを使用して調製される。実施例は本発明を説明するために提供され、いかなる方式においても本発明の範囲を限定することを意図しない。
【0091】
(実施例1)
本発明に有用な多糖類構成成分は下記のようにして調製される。未加工、未製粉のオオバコ種子の皮殻(2g)が、水素化ホウ素ナトリウム(400mg)を含有する0.2N水酸化ナトリウム(400mL)と共に、窒素雰囲気中、周囲温度で90分間撹拌される。溶液のpHは10〜11である。溶液は、温度100℃で50秒の間パスツール殺菌装置に通される。殺菌されたら、混合物は20分間、23,500xgで遠心分離される。遠心分離器のボトル中に沈殿した不溶性の画分から上清みがデカントされる。可溶性画分の収率を増加するために、不溶性の画分が、新たな水酸化ナトリウム/水素化ホウ素ナトリウム溶液(100mL)と混合され、再び15分間遠心分離される。周囲温度で撹拌しながら酢酸を添加することにより、上清のpHが5.5に調整され、ゲルを形成する。高速剪断攪拌で添加されたイソプロパノールにより、ゲルが乾燥される。次いでイソプロパノール溶液がゲルからデカントされる。ゲルの固形含有量は30%である。ゲルは、押出成形機を通され、個々の粒子に押し出される。押し出された粒子は、コニダー(Conidur)スクリーンのようなサイクロン気流スクリーンを取り付けた流動床乾燥機に入る。気流温度は80℃に保持される。ゲル温度は、乾燥プロセスを通して70℃未満に維持される。粒子は、乾燥されて粉末となり、そして製粉されて約80μmの平均粒径分布となって、得られる多糖類構成成分を約85%の収率で提供する。
【0092】
(実施例2)
示される構成成分を示される量で含有する組成物が調製される。
【0093】
【表1】

【0094】
(実施例3)
示される構成成分を示される量で含有する組成物が調製される。
【0095】
【表2】

【0096】
(実施例4)
示される構成成分を示される量で含有する組成物が調製される。
【0097】
【表3】

【0098】
(実施例5)
示される構成成分を示される量で含有する組成物が調製される。
【0099】
【表4】

【0100】
(実施例6)
示される構成成分を示される量で含有する更なる組成物が調製される。
【0101】
【表5】

【0102】
(実施例7)
示される構成成分を示される量で含有する更なる組成物が調製される。
【0103】
【表6】

各実施例2、3、4、5、6、及び7において、多糖類構成成分は、本明細書で記載されているものと一致している。1つの例として、多糖類構成成分は、米国特許第6,287,609号に記載されている画分Bを含む。別の実施例として、多糖類構成成分は、米国特許第6,287,609号に記載されている画分B及びCを含む。さらに別の例として、多糖類構成成分は、下記の構成成分のうちのいずれか、いずれかの組み合わせ又は全てを示された濃度で有する。
【0104】
【表7】

各実施例2、3、4、5、6又は7において、多糖類構成成分、マルトデキストリン、及びクエン酸を含有する粒塊が形成される。粒塊は、約200μmの平均粒径分布に製粉される。粒塊は、デンプン、ゴム(存在する場合)、風味剤、着色剤、及び甘味剤と乾燥混合される。
【0105】
(実施例8)
実施例2、3、又は4のいずれかに従って約9.5gの組成物が調製され、組成物の単回用量が提供される。組成物は、水又はオレンジジュース240mlに分散される。組成物は、腸の正常化を必要とするヒトに1日1回投与される。同様の組成物は、血清コレステロール濃度の減少を必要とするヒトに1日2回投与される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個の多糖類粒子を含む組成物であって、前記多糖類粒子がキシロース及びアラビノースを含む多糖類構成成分を含み、前記キシロースの前記アラビノースに対する重量比が少なくとも約3:1であり、前記多糖類粒子が約0.001μm〜約150μmの平均粒径分布を有する組成物。
【請求項2】
前記多糖類構成成分を前記組成物の約10重量%〜約90重量%含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記多糖類構成成分を組成物の約20重量%〜約50重量%含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記多糖類構成成分を組成物の約30重量%〜約70重量%含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記キシロースの前記アラビノースに対する重量比が、約3:1〜約6:1である、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記多糖類粒子が、ガラクトース、グルコース、ウロン酸、及びこれらの混合物から成る群から選択される構成成分を更に含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記多糖類粒子の平均粒径分布が、約0.1μm〜約125μmである、請求項6に記載の組成物
【請求項8】
前記多糖類粒子の平均粒径分布が、約1μm〜約100μmである、請求項7に記載の組成物
【請求項9】
前記キシロースの前記アラビノースに対する重量比が、約3:1〜約5:1である、請求項6に記載の組成物。
【請求項10】
デンプンを更に含み、前記多糖類粒子と少なくとも前記デンプンの1部分とが物理的に異なっている、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記デンプンを前記組成物の約10重量%〜約90重量%含む、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
ゴムを更に含み、前記多糖類粒子と少なくとも前記ゴムの1部分とが物理的に異なっている、請求項9に記載の組成物。
【請求項13】
前記ゴムを前記組成物の約0.001重量%〜約10重量%含む、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
少なくとも1つのゴムが、タラガム及びグアーガムから成る群から選択される、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
複数個の粒塊を更に含み、前記粒塊が、前記多糖類粒子と、結合剤、懸濁剤、食用酸類、及びこれらの混合物から成る群から選択される分散構成成分とを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
前記粒塊が約100μm〜約500μmの平均粒径分布を有する、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
前記キシロースの前記アラビノースに対する重量比が約3:1〜約6:1である、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
前記多糖類粒子が、ガラクトース、グルコース、ウロン酸、及びこれらの混合物から成る群から選択される構成成分を更に含む、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
前記粒塊の平均粒径分布が約100μm〜約400μmである、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
滑剤、乳化剤、界面活性剤、セルロース性材料、及びこれらの混合物から成る群から選択される構成成分を更に含む、請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
前記キシロースの前記アラビノースに対する重量比が約3:1〜約5:1である、請求項18に記載の組成物。
【請求項22】
デンプンを更に含み、前記粒塊と少なくとも前記デンプンの1部分とが物理的に異なっている、請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
前記デンプンを前記組成物の約10重量%〜約90重量%含む、請求項22に記載の組成物。
【請求項24】
ゴムを更に含み、前記粒塊と少なくとも前記ゴムの1部分とが物理的に異なっている、請求項21に記載の組成物。
【請求項25】
前記ゴムを前記組成物の約0.001重量%〜約10重量%含む、請求項24に記載の組成物。
【請求項26】
少なくとも1つのゴムが、タラガム及びグアーガムから成る群から選択される、請求項25に記載の組成物。
【請求項27】
前記粒塊が、前記結合剤を前記粒塊の約10重量%〜約90重量%含む、請求項18に記載の組成物。
【請求項28】
前記結合剤がマルトデキストリンを含む、請求項27に記載の組成物。
【請求項29】
前記粒塊が、前記キシロース及びアラビノースを前記粒塊の約20重量%〜約80重量%含む、請求項28に記載の組成物。
【請求項30】
前記粒塊が、前記結合剤を前記粒塊の約10重量%〜約60重量%含む、請求項29に記載の組成物。
【請求項31】
前記粒塊が、全て前記粒塊の重量基準で、前記キシロース及びアラビノースを約30重量%〜約70重量%ならびに前記結合剤を約20重量%〜約50重量%含む、請求項30に記載の組成物。
【請求項32】
前記粒塊が食用酸を更に含む、請求項27に記載の組成物。
【請求項33】
少なくとも1つの食用酸が、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、フマル酸、アジピン酸、リン酸、グルコン酸、酒石酸、アスコルビン酸、酢酸、リン酸、及びコハク酸から成る群から選択される、請求項32に記載の組成物。
【請求項34】
前記粒塊が、前記食用酸を前記粒塊の約0.001重量%〜約8重量%含む、請求項33に記載の組成物。
【請求項35】
少なくとも1つの食用酸がクエン酸である、請求項34に記載の組成物。
【請求項36】
デンプンを更に含み、前記粒塊と少なくとも前記デンプンの1部分とが物理的に異なっている、請求項27に記載の組成物。
【請求項37】
前記デンプンを前記組成物の約10重量%〜約90重量%含む、請求項36に記載の組成物。
【請求項38】
ゴムを更に含み、前記粒塊と少なくとも前記ゴムの1部分とが物理的に異なっている、請求項27に記載の組成物。
【請求項39】
前記ゴムを前記組成物の約0.001重量%〜約10重量%含む、請求項38に記載の組成物。
【請求項40】
複数個の粒塊を含む組成物であって、前記粒塊が、キシロース及びアラビノースを含む多糖類構成成分を含み、前記キシロースの前記アラビノースに対する重量比が少なくとも約3:1であり、前記粒塊が、約100μm〜約500μmの平均粒径分布を有する組成物。
【請求項41】
前記粒塊が、結合剤、懸濁剤、食用酸類、及びこれらの混合物から成る群から選択される分散構成成分を更に含む、請求項40に記載の組成物。
【請求項42】
前記粒塊が、ガラクトース、グルコース、ウロン酸、及びこれらの混合物から成る群から選択される構成成分を更に含む、請求項41に記載の組成物。
【請求項43】
前記粒塊の平均粒径分布が約100μm〜約400μmである、請求項42に記載の組成物。
【請求項44】
前記多糖類粒子の平均粒径分布が、約125μm〜約350μmである、請求項43に記載の組成物
【請求項45】
前記キシロースの前記アラビノースに対する重量比が約3:1〜約6:1である、請求項41に記載の組成物。
【請求項46】
デンプンを更に含み、前記粒塊と少なくとも前記デンプンの1部分とが物理的に異なっている、請求項45に記載の組成物。
【請求項47】
前記デンプンを前記組成物の約10重量%〜約90重量%含む、請求項48に記載の組成物。
【請求項48】
ゴムを更に含み、前記粒塊と少なくとも前記ゴムの1部分とが物理的に異なっている、請求項47に記載の組成物。
【請求項49】
前記ゴムを前記組成物の約0.001重量%〜約10重量%含む、請求項48に記載の組成物。
【請求項50】
少なくとも1つのゴムが、タラガム及びグアーガムから成る群から選択される、請求項48に記載の組成物。
【請求項51】
前記粒塊が、前記結合剤を前記粒塊の約10重量%〜約90重量%含む、請求項47に記載の組成物。
【請求項52】
前記結合剤がマルトデキストリンを含む、請求項51に記載の組成物。
【請求項53】
前記粒塊が、前記キシロース及びアラビノースを前記粒塊の約20重量%〜約80重量%含む、請求項52に記載の組成物。
【請求項54】
前記粒塊が、前記結合剤を前記粒塊の約10重量%〜約60重量%含む、請求項53に記載の組成物。
【請求項55】
前記粒塊が、全て前記粒塊の重量基準で、前記キシロース及びアラビノースを約30重量%〜約70重量%ならびに前記結合剤を約20重量%〜約50重量%含む、請求項54に記載の組成物。
【請求項56】
前記粒塊が食用酸を更に含む、請求項53に記載の組成物。
【請求項57】
少なくとも1つの食用酸が、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、フマル酸、アジピン酸、リン酸、グルコン酸、酒石酸、アスコルビン酸、酢酸、リン酸、及びコハク酸から成る群から選択される、請求項56に記載の組成物。
【請求項58】
前記粒塊が、前記食用酸を前記粒塊の約0.001重量%〜約8重量%含む、請求項57に記載の組成物。
【請求項59】
少なくとも1つの食用酸がクエン酸である、請求項58に記載の組成物。

【公表番号】特表2006−515324(P2006−515324A)
【公表日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−518500(P2005−518500)
【出願日】平成16年2月18日(2004.2.18)
【国際出願番号】PCT/US2004/004652
【国際公開番号】WO2004/073635
【国際公開日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】