説明

画面制御装置、プログラム及び方法

【課題】 使用者の作業効率を損なうことのない画像表示装置の省力化。
【解決手段】
複数のモニタ画面の各々に対応して設けられ、対応する前記モニタ画面に画像信号を出力する複数の画像出力手段と、指示入力画像を表示する画像信号を出力する前記複数の画像出力手段のうちの1つである画像出力手段(指示入力画像出力手段)と
操作画面画像を表示する画像信号を出力する前記複数の画像出力手段のうちの1つである画像出力手段(操作画面画像出力手段)と、を特定し、前記指示入力画像出力手段と前記操作画面画像出力手段以外の前記複数の画像出力手段からの、画像信号の出力を停止する表示位置検出手段と、を有することを特徴とする画面制御装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画面制御装置、プログラム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータのモニタには、近年LCDモニタが多く使用され、表示する情報量を増やし作業効率を上げるために高解像度化が進んでいるが、高解像度のLCDモニタは高価であり、消費電力が高い等でコストもかかる。画面に表示する情報量を増やし、作業効率を上げる方法の一つとして、解像度は低いが低価格なLCDモニタを複数台パーソナルコンピュータに接続する方法がある。この方法は、1つの画面を分割して複数台のモニタで表示するものであり、マルチモニタと称されて普及している。しかしながら、パーソナルコンピュータを操作する使用者が複数台のモニタのうち、1台のモニタのみを使用して作業を行っている場合、他のモニタは画面表示されているが使用者はその画面を利用していないこととなり、他のモニタは無駄に電力を消費していた。
【0003】
このような問題を解決するために、例えば、特許文献1は複数の表示装置を接続可能な情報処理装置に関して、次のような方法を開示している。この方法は、操作をしていることを示す情報が画面に表示されている表示装置を検出し、検出された表示装置以外の表示装置を省電力モードに移行させるというものである。この方法は、マウスポインタまたはカーソルの位置を検出することにより、どちらも検出されない表示装置を省電力モードに移行させる方法である。マウスポインタまたはカーソルが表示されていない表示装置はすべて省電力モードに移行してしまう。したがって、カーソルを表示しない方式のアプリケーションの場合等、そのアプリケーションを表示するアクティブウィンドウがマウスポインタと異なる表示装置に表示されても、その表示装置は省電力モードのままになるという問題が発生する。その場合、使用者は、そのアプリケーションをすぐには操作できないという状況になり、使用者の作業効率が、著しく低下する。
【0004】
また、特許文献2は、複数のモニタが接続可能なコンピュータシステムにおいて、次のような方法を開示している。この方法は、マウスポインタとアクティブウィンドウの位置を現行のスクリーンセーバーと組み合わせることで、ある特定のモニタ上でそれらの表示がない状態が一定時間続いた段階で、そのモニタを低消費電力モードに遷移させるというものである。
【0005】
また、特許文献3には、マウスイベントを検出してメイン及びサブモニタ画面間を移動することが開示されている。
【0006】
また、特許文献4には、マウス等の入力操作部、表示制御部、複数の画像モニタを有する装置において、マウスの操作により縮小画像を選択すると、その画像がいずれか画像モニタに表示されることを開示している。
【0007】
また、特許文献5には、マルチディスプレイシステムにおいて、プロジェクタに画像情報が所定時間以上入力されない場合は画像出力を停止し、省電力モードに切り替えることが開示されている。
【0008】
また、特許文献6には、物理的接触を検出して表示ウィジェットを表示、または非表示とすることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2010−49557
【特許文献2】特開2000−163035
【特許文献3】特開2002−268868
【特許文献4】特開2004−333522
【特許文献5】特開2008−152377
【特許文献6】特開2008−287746
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明が解決しようとする課題は、使用者の作業効率を損なわずに画像表示装置の省力化を図ることである。特許文献1の方法では、マウスポインタまたはカーソルが表示されていない表示装置はすべて省電力モードに移行してしまう。したがって、カーソルを表示しない方式のアプリケーションの場合などは、そのアプリケーションを表示するアクティブウィンドウがマウスポインタと異なる表示装置に表示されても、その表示装置は省電力モードのままである。そのため、使用者は、そのアプリケーションをすぐには操作できないので、作業効率が損なわれる、という問題がある。
【0011】
特許文献2の方法でも、使用者がアプリケーションを起動しアクティブウィンドウを表示させた場合、マウスポインタが表示されているモニタと別のモニタにアクティブウィンドウが表示されることがあるので、特許文献1と同様の問題が発生する。
【0012】
本発明の目的は、上記課題を解決して、使用者の作業効率を損なわずに画像表示装置の省力化を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明によれば、複数のモニタ画面の各々に対応して設けられ、対応する前記モニタ画面に画像信号を出力する複数の画像出力手段と、指示入力画像を表示する画像信号を出力する前記複数の画像出力手段のうちの1つである画像出力手段(指示入力画像出力手段)と操作画面画像を表示する画像信号を出力する前記複数の画像出力手段のうちの1つである画像出力手段(操作画面画像出力手段)と、を特定し、前記指示入力画像出力手段と前記操作画面画像出力手段以外の前記複数の画像出力手段からの、画像信号の出力を停止する表示位置検出手段と、を有することを特徴とする画面制御装置が得られる。
【0014】
本発明によれば、複数のモニタ画面の各々に対応する複数の画像出力手段からの画像信号を出力する画像出力処理と、指示入力画像を表示する画像信号を出力する前記複数の画像出力手段のうちの1つである画像出力手段(指示入力画像出力手段)と操作画面画像を表示する画像信号を出力する前記複数の画像出力手段のうちの1つである画像出力手段(操作画面画像出力手段)と、を特定し、前記指示入力画像出力手段と前記操作画面画像出力手段以外の前記複数の画像出力手段による画像信号の出力を停止する表示位置検出処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とする画面制御プログラムが得られる。
【0015】
本発明によれば、複数のモニタ画面の各々に対応する複数の画像出力手段からの画像信号を出力し、指示入力画像を表示する画像信号を出力する、前記複数の画像出力手段のうちの1つである画像出力手段(指示入力画像出力手段)と操作画面画像を表示する画像信号を出力する、前記複数の画像出力処理のうちの1つである画像出力手段(操作画面画像出力手段)と、を特定し、前記指示入力画像出力手段と前記操作画面画像出力手段以外の前記複数の画像出力手段による画像信号の出力を停止することを特徴とする画面制御方法が得られる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、使用者の作業効率を損なわずに画像表示装置の省力化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は本発明の第1の実施の形態を示す画面制御装置のブロック図である。
【図2】図2は第1の実施形態における動作フローチャートである。
【図3】図3は第2の実施形態における動作フローチャートである。
【図4】図4は第1の実施形態における画面状態の一例である。
【図5】図5は第1の実施形態における画面状態の一例である。
【図6】図6は第2の実施形態における画面推移の一例である。
【図7】図7は第2の実施形態における画面推移の一例である。
【図8】図8は本発明の第3の実施形態を示す画面制御装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1の実施形態)本発明の第1の実施の形態が、以下に図面を参照して詳細に説明される。図1は本発明の第1の実施の形態を示す画面制御装置のブロック図である。図1において、パーソナルコンピュータ等を利用して構築される画面制御装置30は、格納するHDD(Hard Disk Drive)35、メモリ34、ビデオカード31および32、表示位置検出部40、画像信号制御部43を有する。ここで、HDD35には、画面制御装置30で制御する画像データが格納されている。なお、HDD35、メモリ34は、以降、総称して記憶装置とも呼ぶ。
また、画面制御装置30はHDD35、CPU(Central Processing Unit)33、OS(Operating System)を有している。
【0019】
なお、ビデオカードとは、パーソナルコンピュータなどの各種のコンピュータで、映像を信号として出力または入力する機能を、拡張カード等で独立させたものである。
【0020】
また、画面制御装置30は、入出力制御部36、キーボード61、マウス71を有している。表示位置検出部40は、マウスポインタ検出部41、ウィンドウ検出部42から構成されている。なお、マウスは以降、指示入力装置とも呼び、マウスポインタは指示入力画像とも呼ぶ。またCPUは以降、中央演算装置とも呼ぶ。
【0021】
ビデオカード31および32は、それぞれ画像スイッチ37、38を介してそれぞれ画像信号ケーブル51および画像信号ケーブル52でLCDモニタ11およびLCDモニタ21(LCD:LiquidCrystalDisplay)と、に接続されている。
なお、ビデオカードは、以降、画像出力部とも呼ぶ。
【0022】
画像スイッチ37および画像スイッチ38は、それぞれビデオカード31、ビデオカード32から出力される画像信号のLCDパネル11、LCDパネル21への送信を画像信号制御部43からの信号によりON/OFFすることができる。
【0023】
このようにして、LCDモニタ11およびLCDモニタ12は、画面制御装置30からの画像を表示することができる。また、LCDモニタ11およびLCDモニタ21は、2台のモニタで1つの画面を表示するマルチモニタ表示ができる構成となっている。使用者がマウス71、もしくはキーボード61を操作することにより、使用者の命令信号が入出力制御部36を介してCPU33に伝えられる。CPU33から情報を受けた表示位置検出部40は、マウスポインタ検出部41でマウスポインタ12の表示位置を、ウィンドウ検出部42でアクティブウィンドウ13の表示位置を、それぞれ検出する。
【0024】
なお、アクティブウィンドウとは、コンピュータの画面上に複数開いているウィンドウの中で、利用者が入力などの操作を行える状態にあるウィンドウを言う。
なお、ウィンドウ検出部42は以降、単にウィンドウ位置検出部とも呼ぶ。また、アクティブウィンドウ13は以降、操作画面画像とも呼ぶ。
【0025】
表示位置検出部40は、この検出結果を元に、マウスポインタ12、もしくはアクティブウィンドウ13の画像信号をビデオカード31もしくはビデオカード32に振り分ける。ビデオカード31からの画像信号はLCDモニタ11に、ビデオカード32からの画像信号はLCDモニタ21にそれぞれ表示される。このようにして、マウスポインタ12およびアクティブウィンドウ13は、マウス71もしくはキーボード61の操作により、LCDモニタ11とLCDモニタ21の画面上をシームレスに移動することができる。
【0026】
表示位置検出部40は、CPU33とビデオカード31およびビデオカード32の間に位置し、CPU33からの描画命令や画像データを解析することができる。描画命令や画像データは、表示位置検出部40からビデオカード31およびビデオカード32へ送られる。
【0027】
マウスポインタ検出部41は、マウスポインタ12をLCDモニタ11またはLCDモニタ21に表示するために、ビデオカード31またはビデオカード32のどちらを使用しているかを検出する機能を有する。例えば、マウスポインタ検出部41は、マウスポインタ12を表示するためにビデオカード31を使用していれば、マウスポインタ12はLCDモニタ11に表示されると判定する。また、例えばマウスポインタ検出部41は、マウスポインタ12を表示するためにビデオカード32を使用していれば、マウスポインタ12はLCDモニタ21に表示されていることを検出する。
【0028】
ウィンドウ検出部42は、アクティブウィンドウ13をLCDモニタ11またはLCDモニタ21に表示するために、ビデオカード31またはビデオカード32のどちらを使用しているかを検出する機能を有する。例えば、ウィンドウ検出部42は、アクティブウィンドウ13を表示するためにビデオカード31を使用していれば、アクティブウィンドウ13はLCDモニタ11に表示されると判定する。
【0029】
また、例えば、ウィンドウ検出部42は、アクティブウィンドウ13を表示するためにビデオカード32を使用していれば、アクティブウィンドウ13はLCDモニタ21に表示されていると検出する。また、アクティブウィンドウ13は、マルチモニタ環境においてLCDモニタ11とLCDモニタ21の境界をまたいで両方に表示される場合がある。この場合は、アクティブウィンドウ13を表示するためにビデオカード31とビデオカード32の両方を使用している。ウィンドウ検出部42は、アクティブウィンドウ13がLCDモニタ11とLCDモニタ21の両方に表示されていることを検出できる。さらに、ウィンドウ検出部42は、アクティブウィンドウ13の表示にビデオカード31またはビデオカード32のどちらも使用されていない(ウィンドウが画面に表示されていない)ことも検出することができる。
【0030】
画像信号制御部43は、表示位置検出部40からの命令により、ビデオカード31およびビデオカード32がそれぞれLCDモニタ11およびLCDモニタ21へ出力する画像信号を個別に出力または停止する機能を有する。
【0031】
なお、表示位置検出部40、マウスポインタ検出部41、ウィンドウ検出部42、画像信号制御部43は論理回路等のハードウェアで構成されていてもよいし、CPU33が、図示されていないメモリに格納されているプログラムを実行することで実現されてもよい。
【0032】
LCDモニタ11とLCDモニタ21は、画面制御装置30に搭載されたビデオカード31およびビデオカード32からの画像信号が停止すると、画面表示を停止し、バックライトをオフする機能を有している。これにより、LCDモニタ11およびLCDモニタ21は、画像信号が停止した場合、省電力モードに移行し消費電力を低減することができる。
【0033】
次に、本発明の第1の実施の形態の動作について図面を参照して説明する。
図2は、画面制御装置30の動作についてフローチャートに表したものである。使用者が画面制御装置30を起動後、まずステップS101において、表示位置検出部40から画像信号制御部43へビデオカード31およびビデオカード32の画像信号を出力する命令を行う。画像信号制御部43は画像信号スイッチ37と画像信号スイッチ38をONして、ビデオカード31およびビデオカード32からの画像信号をLCDモニタ11およびLCDモニタ21に出力する。LCDモニタ11およびLCDモニタ21はこの画像信号の画面表示を行う。
【0034】
次にステップS102において、マウスポインタ検出部41は、マウスポインタ12を表示するためにビデオカード31またはビデオカード32のどちらを使用しているか検出する。マウスポインタ12の表示にビデオカード31を使用していると検出された場合は、表示位置検出部40は、ビデオカード31の画像信号を出力することに関するステップS101の命令を継続する。ビデオカード31はLCDモニタ11へ画像信号を出力しつづけ、LCDモニタ11は画面表示を継続する(S103)。
【0035】
ステップS102において、マウスポインタ12の表示がビデオカード32を使用してなされていると検出された場合は、表示位置検出部40は、ビデオカード32の画像信号を出力することに関するステップS101の命令を継続する。ビデオカード32はLCDモニタ21へ画像信号を出力しつづけ、LCDモニタ21は画面表示を継続する(S108)。
【0036】
ステップS104で、ウィンドウ検出部42が、アクティブウィンドウ13がビデオカード31からもビデオカード32からも表示されないこと(なし)を検出した場合は、表示位置検出部40は、以下のように処理する。すなわち表示位置検出部40は、画像信号制御部43へビデオカード32の画像信号のLCDモニタ21への出力の停止を命じる(S106)。画像信号制御部43は画像信号スイッチ38をOFFして、ビデオカード32からLCDモニタ21への画像信号の出力を停止する。LCDモニタ21は画面表示を停止し、省電力モードに移行する。この時のLCDモニタ11、LCDモニタ21の画面の状態は図4(a)に示すものとなる。
【0037】
ウィンドウ検出部42が、アクティブウィンドウ13の表示があること(あり)を検出した場合、ウィンドウ検出部42は、アクティブウィンドウ13の表示に、ビデオカード31、ビデオカード32のいずれが使用されているかを検出する(S105)。
【0038】
ウィンドウ検出部42が、アクティブウィンドウ13の表示にビデオカード31を使用していることを検出した場合は、表示位置検出部40は、以下のように処理する。すなわち表示位置検出部40は、画像信号制御部43に、ビデオカード32の画像信号のLCDモニタ21への出力を停止させる(S106)。画像信号制御部43は画像信号スイッチ38をOFFして、ビデオカード32からLCDモニタ21への画像信号の出力を停止する。
LCDモニタ21は画面表示を停止し、省電力モードに移行する。この時のLCDモニタ11、LCDモニタ21の画面の状態は図5(a)に示すものとなる。
【0039】
ステップS105において、ウィンドウ検出部42が、アクティブウィンドウ13の表示にビデオカード32を使用している、と検出した場合は、表示位置検出部40はステップS101の処理を継続する。アクティブウィンドウ13の表示にビデオカード32と、ビデオカード31の両方が使用されていることを検出した場合も、ウィンドウ検出部42は同様にS101の処理を継続する。すなわち、表示位置検出部40は、画像信号制御部43に対してビデオカード32の画像信号の出力命令を継続する。画像信号制御部43は画像スイッチ38をONのままとし、ビデオカード32からの画像信号はLCDモニタ21に継続して出力される。
【0040】
ステップS109で、ウィンドウ検出部42が、アクティブウィンドウ13がビデオカード31からもビデオカード32からも表示されないことを検出した場合は、表示位置検出部40は、画像信号制御部43へビデオカード31の画像信号のLCDモニタ11への出力の停止を命じる。画像信号制御部43は画像信号スイッチ37をOFFして、ビデオカード31からLCDモニタ11への画像信号の出力を停止する。LCDモニタ11は画面表示を停止し、省電力モードに移行する。この時のLCDモニタ11、LCDモニタ21の画面の状態は図4(b)に示すものとなる。
【0041】
ウィンドウ検出部42が、アクティブウィンドウ13の表示があることを検出した場合、ウィンドウ検出部42は、アクティブウィンドウ13の表示に、ビデオカード31、ビデオカード32のいずれが使用されているかを検出する(S110)。ウィンドウ検出部42が、アクティブウィンドウ13の表示にビデオカード32を使用していることを検出した場合は、表示位置検出部40は、以下のように処理する。すなわち表示位置検出部40は、画像信号制御部43に、ビデオカード31の画像信号のLCDモニタ11への出力を停止させる(S111)。画像信号制御部43は画像信号スイッチ37をOFFして、ビデオカード31からLCDモニタ11への画像信号の出力を停止する。LCDモニタ11は画面表示を停止し、省電力モードに移行する。この時のLCDモニタ11、LCDモニタ21の画面の状態は図5(b)に示すものとなる。
【0042】
ステップS110において、ウィンドウ検出部42が、アクティブウィンドウ13の表示にビデオカード31を使用している、と検出した場合は、表示位置検出部40はステップS101の処理を継続する。アクティブウィンドウ13の表示にビデオカード31と、ビデオカード32の両方が使用されていることを検出した場合も、ウィンドウ検出部42は同様にS101の処理を継続する。すなわち、表示位置検出部40は、画像信号制御部43に対してビデオカード31の画像信号の出力命令を継続する。画像信号制御部43は画像スイッチ37をONのままとし、ビデオカード31からの画像信号はLCDモニタ11に出力される。
【0043】
ステップS106、S111の処理が完了したら、画面制御装置30は、S102以降の処理を繰り返す。
【0044】
以上により、マウスポインタ12とアクティブウィンドウ13がともにビデオカー
ド31を使用して表示されていると検出された場合は、LCDモニタ11の画面表
示は行い、LCDモニタ21の画面表示は停止し消費電力を低減することができる。
【0045】
また、マウスポインタ12とアクティブウィンドウ13がともにビデオカード3
2を使用して表示されていると検出された場合は、LCDモニタ21の画面表示は
行い、LCDモニタ11の画面表示は停止し消費電力を低減することができる。
【0046】
また、アクティブウィンドウ13の表示がされていない場合は、マウスポインタ12
が表示されているLCDモニタのみ画面表示を行い、マウスポインタ12が表示されていないLCDモニタは、画面表示を停止することにより消費電力を低減することができる。
【0047】
この実施形態では、画面制御装置30が、LCDモニタ11とLCDモニタ21の2台を用いた場合について説明したが、3台以上でも同様に実施可能である。
【0048】
なお、この実施の形態では、表示位置検出部40は、ステップ106、110で、ビデオカード32、31の画像信号の、LCDモニタ11、21への出力を停止とともに、LCDモニタ11、21を省電力モードにしている。しかし、表示位置検出部40は、単に画像信号の出力を停止するだけでもよく、必ずしも省電力モードにする必要はない。頻繁に使用する画面を変える用途の場合は、モニタの起動に費やされる電力を軽視できないので、画像信号の、LCDモニタ11、21への出力を停止するだけの方法の方が、省エネルギーの効果が高い。
【0049】
(第2の実施形態)次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図3は、上記の発明に加えて、ステップS201〜S204の処理が追加されたフローチャートを表したものである。ステップS101〜S111の動作は、上記発明と同様である。また、図6、図7はこれらの処理の過程で生じるLCDモニタ11、LCDモニタ21の状態変化を示している。ここで、図6、図7はマウスポインタ12の表示のためにビデオカード31を使用している場合についてのみ表している。マウスポインタ12の表示のためにビデオカード32を使用している場合についても、LCDモニタ11とLCDモニタ21を入れ替えることにより、これらの図によりLCDモニタ11とLCDモニタ21の状況が説明可能である。
【0050】
ステップS105において、ウィンドウ検出部42が、アクティブウィンドウ13の表示にビデオカード32を使用していること(図6(a))を検出した場合は、操作表示位置検出部40はS201の処理を行う。なお、アクティブウィンドウ13の表示に、ビデオカード31をビデオカード32とともに使用している場合(図7(a))も、操作表示位置検出部40はS201の処理を行う。すなわち、操作表示位置検出部40はビデオカード31に格納された選択ウィンドウ81の画像データを、画像信号制御部43に命じてLCDモニタ11に表示させ、使用者にLCDモニタ21への画像出力の有無を問う(図6(b)、図7(b))。
【0051】
使用者は、選択ウィンドウ81の画面表示に対して、マウス71のクリック操作等によりマウスポインタ12を移動させ、YESかNOかを選択する(図6(b)、図7(b))。使用者がYESを選択した場合は、表示位置検出部40は、画像信号制御部43へビデオカード32の画像信号を出力するよう命令を継続する(S101)。ビデオカード32はLCDモニタ21へ画像信号を出力し、LCDモニタ21は画面表示を継続する(図6(c)、図7(c))。ステップS201において、使用者が選択ウィンドウ81の画面表示でNOを選択した場合は、表示位置検出部40は、アクティブウィンドウ13をビデオカード31で表示するような制御を行うよう、CPU33に指示する(S202)。CPU33はアクティブウィンドウ13をビデオカード31で表示するよう処理を行う。表示位置検出部40がソフトウェアで実現されている場合は、CPU33に指示する代わりにアクティブウィンドウ13をビデオカード31で表示するよう決定を行なう。その決定に従って、CPU33はアクティブウィンドウ13がビデオカード31で表示されるよう、画像信号を生成する処理を行う。
【0052】
次に表示位置検出部40は、画像信号制御部43へビデオカード32の画像信号を停止するよう命令を行う(S106)。ビデオカード32がLCDモニタ21への画像信号を停止することにより、LCDモニタ21は画面表示を停止し、省電力モードに移行する(図6(d)、図7(d))。
【0053】
ステップS110において、ウィンドウ検出部42が、アクティブウィンドウ13の表示にビデオカード31を使用している、と検出した場合は、操作表示位置検出部40はS204の処理を行う。なお、アクティブウィンドウ13の表示に、ビデオカード32をビデオカード31とともに使用している場合も、操作表示位置検出部40はS201の処理を行う。すなわち、操作表示位置検出部40はビデオカード32に格納された選択ウィンドウ81のデータを、画像信号制御部43に命じてLCDモニタ21に表示させ、使用者にLCDモニタ11への画像出力の有無を問う。使用者は、選択ウィンドウ81の画面表示に対して、マウス71のクリック操作等により、マウスポインタ12を移動させ、YESかNOかを選択する。使用者がYSEを選択した場合は、表示位置検出部40は、画像信号制御部43へビデオカード31の画像信号を出力するよう命令を継続する(S101)。
【0054】
ビデオカード31はLCDモニタ11へ画像信号を出力し、LCDモニタ11は画面表示を行う。ステップS204において、使用者が選択ウィンドウ81に対してNOを選択した場合は、表示位置検出部40は、アクティブウィンドウ13をビデオカード32で表示するよう、CPU33に指示する(S204)。CPU33はアクティブウィンドウ13をビデオカード32で表示するよう処理を行う。表示位置検出部40がソフトウェアで実現されている場合は、CPU33に指示する代わりにアクティブウィンドウ13をビデオカード32で表示するよう決定を行なう。その決定に従って、CPU33はアクティブウィンドウ13がビデオカード32で表示されるよう、画像信号を生成する処理を行う。
次に表示位置検出部40は、画像信号制御部43へビデオカード31の画像信号を停止するよう命令を行う(S111)。ビデオカード31がLCDモニタ11への画像信号を停止することにより、LCDモニタ11は画面表示を停止し、省電力モードに移行する。
【0055】
以上の実施形態では、画面制御装置30は、アクティブウィンドウ13を、マウスポインタ12が表示されている一方のLCDモニタに、マウスポインタ12と合わせて表示する機能を発揮する。したがって、画面制御装置30は、他方のLCDモニタを省電力モードに移行させることができるので、消費電力の低減が実現する。
【0056】
また、以上の実施形態は、使用者がアクティブウィンドウ13を別のウィンドウに切り替えたとき、この別のウィンドウがマウスポインタ12を表示しているLCDモニタと異なるLCDモニタに表示される場合にも適用することができる。この場合、使用者は、マウスポインタ12を表示しているLCDモニタに、このウィンドウの表示を切り替えるという選択が可能である。
【0057】
また、以上の実施形態は、使用者がアクティブウィンドウ13を、このアクティブウィンドウ13を表示するLCDモニタとは別のLCDモニタに表示される他のウィンドウへ不用意に切り替えてしまったときにも、有効である。この場合、マウスポインタ12が表示されているLCDモニタに、このウィンドウを表示させることができるので、消費電力の低減につながる。
【0058】
なお、この実施形態についても、画面制御装置30はLCDモニタを2台有しているが、3台以上でも同様に本実施形態を実施することは可能である。
【0059】
また、以上の実施形態においては、画面制御装置30は、指示入力デバイスとしてマウスを用い、マウスポインタを画面上で移動させているが、必ずしもマウスである必要はなく、キーボード入力によりカーソルを移動させてもよい。また、画面制御装置30は、トラックボールの操作によりカーソル、ポインタ等を移動させてもよい。
【0060】
また、以上の実施形態においてはモニタとしてLCDモニタを用いたが、ブラウン管、プラズマディスプレイ等をモニタとして用いることも可能である。
【0061】
(第3の実施形態)本発明の第3の実施形態については、図8を参照して詳細に説明する。本発明の第3の実施形態は、複数のモニタ画面の各々に対応して設けられ、対応する前記モニタ画面に画像信号を出力する複数の画像出力部31、32等と、指示入力画像を表示する画像信号を出力する前記複数の画像出力手段のうちの1つである画像出力部(指示入力画像出力部)と操作画面画像を表示する画像信号を出力する前記複数の画像出力手段のうちの1つである画像出力部(操作画面画像出力部)と、を特定し、前記指示入力画像出力部と前記操作画面画像出力部以外の前記複数の画像出力部からの、画像信号の出力を停止する表示位置検出部40と、を有することを特徴とする画面制御装置30である。
【0062】
本実施形態の効果は、使用者の作業効率を損なわずに画像表示装置の省力化を可能とすることである。
【符号の説明】
【0063】
11 LCDモニタ
12 マウスポインタ
13 アクティブウィンドウ
21 LCDモニタ
30 画面制御装置
31 ビデオカード
32 ビデオカード
33 CPU
34 メモリ
35 HDD
36 入出力制御部
37 画像信号スイッチ
38 画像信号スイッチ
40 表示位置検出部
41 マウスポインタ検出部
42 ウィンドウ検出部
43 画像信号制御部
51 画像信号ケーブル
52 画像信号ケーブル
61 キーボード
71 マウス
81 選択ウィンドウ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のモニタ画面の各々に対応して設けられ、対応する前記モニタ画面に画像信号を出力する複数の画像出力手段と、
指示入力画像を表示する画像信号を出力する前記複数の画像出力手段のうちの1つである画像出力手段(指示入力画像出力手段)と
操作画面画像を表示する画像信号を出力する前記複数の画像出力手段のうちの1つである画像出力手段(操作画面画像出力手段)と、を特定し、
前記指示入力画像出力手段と前記操作画面画像出力手段以外の前記複数の画像出力手段からの、画像信号の出力を停止する表示位置検出手段と、
を有することを特徴とする画面制御装置。
【請求項2】
前記画像出力手段は、中央演算装置から出力される画像信号を前記モニタ画面に出力し、
前記表示位置検出手段は、前記指示入力画像出力手段と前記操作画面画像出力手段とがそれぞれ異なる場合、前記中央演算装置に同一の画像出力手段から前記指示入力画像と前記操作画面画像を出力するよう処理した画像信号を送信することを指示する命令を送信することを特徴とする、請求項1の画面制御装置。
【請求項3】
前記画像出力手段は、中央演算装置から出力される画像信号を前記モニタ画面に出力し、
前記表示位置検出手段は、前記操作画面画像が複数のモニタ画面をまたがって表示されている場合、前記中央演算装置に同一の画像出力手段から前記操作画面画像を出力するよう、処理した画像信号を送信することを指示することを特徴とする、請求項1の画面制御装置。
【請求項4】
前記表示位置検出手段は、前記指示入力画像出力手段と前記操作画面画像出力手段以外の前記複数の画像出力手段が接続するモニタへの供給電力を、前記指示入力画像出力手段と前記操作画面画像出力手段とにそれぞれ接続するモニタへの供給電力よりも低い量に抑制することを特徴とする請求項1乃至3いずれかの画面制御装置。
【請求項5】
複数のモニタ画面の各々に対応し、前記モニタ画面に画像信号を出力する複数の画像出力手段のうちの1つである、指示入力画像を表示する画像信号を出力する、画像出力手段(指示入力画像出力手段)と前記複数の画像出力手段の1つである、操作画面画像を表示する画像信号を出力する、画像出力手段(操作画面画像出力手段)と、を特定し、
前記指示入力画像出力手段と前記操作画面画像出力手段以外の前記複数の画像出力手段による画像信号の出力を停止する表示位置検出処理を、コンピュータに実行させることを特徴とする画面制御プログラム。
【請求項6】
前記指示入力画像出力手段と前記操作画面画像出力手段とがそれぞれ異なる場合に、同一の画像出力手段から前記指示入力画像と前記操作画面画像を、前記複数のモニタ画面のうちの1つに出力することを決定する前記表示位置検出処理と、前記決定に従って前記画像信号を生成する処理とを、前記コンピュータに実行させることを特徴とする、請求項5の画面制御プログラム。
【請求項7】
前記操作画面画像が複数のモニタ画面をまたがって表示されている場合、同一の画像出力手段から前記操作画面画像を、前記複数のモニタ画面のうちの1つに出力することを決定する前記表示位置検出処理と、前記決定に従って前記画像信号を生成する処理とを、前記コンピュータに実行させることを特徴とする、請求項6の画面制御プログラム。
【請求項8】
前記指示入力画像出力手段と前記操作画面画像出力手段以外の前記複数の画像出力手段が画像信号を出力するモニタへの供給電力を、前記指示入力画像出力手段と前記操作画面画像出力手段にそれぞれ接続するモニタへの供給電力よりも低い量に抑制する前記表示位置検出処理を、前記コンピュータに実行させることを特徴とする請求項5乃至7いずれかの画面制御プログラム。
【請求項9】
複数のモニタ画面の各々に対応する複数の画像出力手段から画像信号を出力し、
指示入力画像を表示する画像信号を出力する、前記複数の画像出力手段のうちの1つである画像出力手段(指示入力画像出力手段)と
操作画面画像を表示する画像信号を出力する、前記複数の画像出力処理のうちの1つである画像出力手段(操作画面画像出力手段)と、を特定し、
前記指示入力画像出力手段と前記操作画面画像出力手段以外の前記複数の画像出力手段による画像信号の出力を停止することを特徴とする画面制御方法。
【請求項10】
中央演算装置から出力される画像信号を前記モニタ画面に出力し、
前記指示入力画像出力手段と前記操作画面画像出力手段とがそれぞれ異なる場合、前記中央演算装置に、同一の画像出力手段から前記指示入力画像と前記操作画面画像を出力するよう処理した画像信号を送信することを指示する命令を送信することを特徴とする、請求項9の画面制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−88446(P2012−88446A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−233797(P2010−233797)
【出願日】平成22年10月18日(2010.10.18)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】